JP2003075970A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法

Info

Publication number
JP2003075970A
JP2003075970A JP2001263344A JP2001263344A JP2003075970A JP 2003075970 A JP2003075970 A JP 2003075970A JP 2001263344 A JP2001263344 A JP 2001263344A JP 2001263344 A JP2001263344 A JP 2001263344A JP 2003075970 A JP2003075970 A JP 2003075970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
sensitive material
light
silver halide
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001263344A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ofuku
幸司 大福
Osamu Ishige
修 石毛
Noriyuki Kokeguchi
典之 苔口
Akio Miura
紀生 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001263344A priority Critical patent/JP2003075970A/ja
Publication of JP2003075970A publication Critical patent/JP2003075970A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料、特に発色
現像主薬を内蔵したハロゲン化銀カラー写真感光材料に
おいて、発色性が良好で、色分離性(色再現性)、画質
及び保存性が優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料、
その画像形成方法およびデジタル画像情報作製方法を提
供する。 【解決手段】 下記一般式[I]で表される化合物を含
有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
料。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方
法及びデジタル画像情報作製方法に関し、詳しくは発色
現像主薬を内蔵したハロゲン化銀カラー写真感光材料そ
の画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、通
常青色光を記録してイエロー色素画像を形成する層、緑
色光を記録してマゼンタ色素画像を形成する層、及び赤
色光を記録してシアン色素画像を形成する層を含み、現
像処理の際に露光によりハロゲン化銀の表面に形成され
た潜像を含有するハロゲン化銀粒子を銀に還元する過程
で現像主薬が酸化され、その酸化体とカプラーとのカッ
プリングにより色素画像を形成する。
【0003】これまで、カプラーとカップリングし、色
素を形成する現像主薬は現像液に含有され、感光材料外
から、供給されていた。しかし、現像液メンテナンス、
廃液処理の煩雑さ、また、環境上の点からも負荷が大き
く、簡易性、迅速性という面からも、近年では現像主薬
を感光材料中に内蔵させ、発色現像を行う方法が提案さ
れてきている。例えば、米国特許第3,761,270
号、同第4,021,240号、特開昭59−2315
39号、同60−128438号などが挙げられる。
【0004】通常、現像主薬とは還元剤であるため、空
気中の酸素分子により酸化されやすい化合物が一般的で
あり、このような現像主薬は、感光材料中に内蔵するこ
とは不適当である。当該分野では内蔵可能な現像主薬と
して、特開平8−227131号、欧州特許第0727
708A1号、特開平8−234390号記載のヒドラ
ジン類、米国特許第4,021,240号、特開昭60
−128439号記載のp−アミノフェノール類などが
提案されている。しかしながら、感光材料中に現像主薬
を内蔵する技術の懸念点とされる感光材料の保存中での
性能劣化が問題であった。
【0005】また、これまでと異なる現像主薬では同じ
カプラーを用いても異なる色素が形成されるため、イエ
ロー、マゼンタ、シアンカプラーの色素が良好な色分離
を持つことが要求される。特にシアンカプラー色素は充
分に長波であることが、色分離には有利である。上記内
蔵可能な現像主薬としての内蔵ヒドラジン現像主薬では
カップリング後の色素がアゾ色素であるため、シアンカ
プラー色素の長波化が充分でなく、色分離上問題であっ
た。
【0006】また、従来の現像主薬でのシアン色素形成
カプラー(以下シアンカプラーと略す)としては、フェ
ノール類、及びナフトール類が代表的であり、なかでも
ナフトール類が用いられていた。また、1−ナフトール
類の5位に置換基を持つ化合物が特開昭60−2374
48号、特開平7−333794号に記載されている
が、いずれもシアン色素が有するブルー部の二次吸収が
色再現上好ましくなく改良が望まれている。また、近年
の高感度化の要求に対してその発色性はまだ不十分であ
った。これら従来の現像主薬でのシアン色素形成カプラ
ーを内蔵現像主薬との組み合わせの系に適用する場合、
発色性、色分離が悪く、保存性も劣り問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、ハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料、特に発色現像主薬を内蔵したハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料において、発色性が良好で、
色分離性(色再現性)、画質及び保存性が優れたハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料、その画像形成方法およびデ
ジタル画像情報作製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0009】1.前記一般式[I]で表される化合物を
含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料。
【0010】2.支持体上に少なくとも感光性ハロゲン
化銀、バインダーを含む層を有するカラー写真感光材料
において、前記一般式(1−1)又は(1−2)で表さ
れる発色現像主薬及び前記一般式[II]又は[III]で
表される化合物を含有することを特徴とするカラー写真
感光材料。
【0011】3.支持体上に少なくとも感光性ハロゲン
化銀、バインダーを含む層を有するカラー写真感光材料
において、前記一般式(1−3)、(1−4)、(1−
5)又は(1−6)で表される発色現像主薬及び前記一
般式[II]で表される化合物を含有することを特徴とす
るカラー写真感光材料。
【0012】4.前記2または3記載のカラー写真感光
材料と、処理部材とを、該感光材料の露光後、水を存在
させた状態で貼り合わせて加熱することにより該感光材
料中に画像を形成させることを特徴とする画像形成方
法。
【0013】5.前記2または3記載のカラー写真感光
材料を実質的に現像主薬を含まないアクチベータ液で処
理することにより該カラー写真感光材料中に画像を形成
させることを特徴とする画像形成方法。
【0014】6.前記4または5記載の画像形成方法に
より作製した画像をスキャナーで読みとりデジタル画像
情報に変換することを特徴とするデジタル画像情報作製
方法。
【0015】7.前記1記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料と、前記一般式(1−7)又は(1−8)で表
される化合物を含有する熱現像感光材料用現像部材と
を、該感光材料の露光後、水を存在させた状態で貼り合
わせて加熱することにより該感光材料中に画像を形成さ
せることを特徴とする画像形成方法。
【0016】8.支持体上に少なくとも感光性ハロゲン
化銀、バインダーを含む層を有するカラー写真感光材料
において、前記一般式(1−9)で表される化合物及び
前記一般式[II]又は[III]で表される化合物を含有
することを特徴とするカラー写真感光材料。
【0017】9.前記8記載のカラー写真感光材料を実
質的に現像主薬を含まない過酸化物を含有するアクチベ
ータ液で処理することにより該感光材料中に画像を形成
させることを特徴とする画像形成方法。
【0018】10.前記1記載のハロゲン化銀カラー写
真感光材料と、前記一般式(1−9)で表される化合物
を含有する熱現像感光材料用現像部材とを、該感光材料
の露光後、過酸化物を含有する水溶液を存在させた状態
で貼り合わせて加熱することにより該感光材料中に画像
を形成させることを特徴とする画像形成方法。
【0019】11.前記7、9または10記載の画像形
成方法により作製した画像をスキャナーで読みとりデジ
タル画像情報に変換することを特徴とするデジタル画像
情報作製方法。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
一般式[I]〜[III]で表される化合物について説明
する。
【0021】前記一般式[I]において、Yは酸素原
子、硫黄原子又は−NH−を表すが、好ましくは−NH
−である。Ra1はハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)を表す。
【0022】Ra2は−CORc4、−CONRc4
5、−COORc4、−SO2NRc4Rc5、アルキル
基、アリール基又は複素環基を表し、Rc4及びRc5
各々アルキル基、アリール基又は複素環基を表すが、R
4及びRc5は同じでも異なっていてもよく、それぞれ
独立に水素原子、総炭素数1から30のアルキル基、総
炭素数6から30のアリール基、または総炭素数2から
30のヘテロ環基を表す。またRc4及びRc5が結合し
て環を形成してもよい。
【0023】Ra3は置換可能な基を表し、nは0から
4の整数を表すが、Ra3で表される置換可能な基とし
てはナフタレン環に置換可能な基(原子を含む)が挙げ
られ、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、沃
素)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、ス
ルホ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、複素環
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、ウレイド基、アシル基、アシ
ルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、スルファモイルアミノ基、アルコ
キシカルボニルアミノ基、ニトロ基、イミド基等を挙げ
ることができる。
【0024】Xaは水素原子、ハロゲン原子または発色
現像主薬酸化体との反応により離脱し得る基(原子を含
む)を表すが、ハロゲン原子としてはF、Cl、Br、
Iが挙げられる。離脱基がバラスト基をもち、且つカプ
ラー本体がバラスト基をもたない場合にはカラー拡散転
写法を利用してカラー画像を形成できる。発色現像主薬
酸化体との反応により離脱し得る基としては代表例とし
て−ORa6、−SRa6、−OCORa6、−OCON
Ra4Ra6、−OCOORa6、チオシアネート基、総
炭素数1から30で窒素原子でカップリング位に結合す
るへテロ環基(例えば、コハク酸イミド基、フタルイミ
ド基、ピラゾリル基、ヒダントイニル基、ベンゾトリア
ゾリル基)などが挙げられる。ここでRa4、Ra6は総
炭素数1から30のアルキル基、総炭素数6から30の
アリール基、総炭素数2から30のへテロ環基を表す。
【0025】上記においてアルキル基は直鎖状、分岐鎖
状または環状のいずれであってもよく、また不飽和結合
を含んでいても、置換基(例えば、ハロゲン原子、ヒド
ロキシル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、アシル基等)を有していてもよい。
【0026】前記一般式[II]及び[III]において、
Rb1及びRd1はハロゲン原子を表し、一般式[I]の
Ra1と同義である。
【0027】Rb2、Rd2は、−CORc4、−CON
Rc4Rc5、−COORc4、−SO 2Rc4、−SO2
Rc4Rc5、アルキル基、アリール基、複素環基を表し
(Rc4及びRc5はアルキル基、アリール基、複素環基
を表し)一般式[I]のRa 2と同義である。
【0028】Rb3、Rd3は置換可能な基を表し、一般
式[I]のRa3と同義である。Xb、Xdは水素原
子、ハロゲン原子又は発色現像主薬酸化体との反応によ
り離脱し得る基(原子を含む)を表し、Xaと同義であ
る。
【0029】以下に、一般式[I]〜[III]で表され
る化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はこれによ
って限定されるものではない。
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】以下に、本発明の一般式[I]〜[III]
で表される化合物の合成例を示すが本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0040】合成例1 例示化合物20の合成 合成経路
【0041】
【化14】
【0042】I)中間体1の合成 5−アミノ−1−ナフトール10.0gにアセトニトリ
ル90mlを加え、更にピリジン6.1mlを加えた溶
液を15℃程度まで水冷し、化合物1:23.4gをア
セトニトリル30mlに溶解したものを20分かけて滴
下する。滴下終了後室温に戻して1時間反応させる。反
応液を酢酸エチルで抽出し、希塩酸で酸性にし、その後
水洗、中和し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せた。更に活性炭3gを加え1時間攪拌し濾過した後、
減圧下にて溶媒を留去する。黄色オイルの中間体1:2
3.5gを得た。MASS、H−NMR、IRスペクト
ルによって同定し、中間体1であることを確認した。
【0043】II)例示化合物20の合成 中間体1:20.0gにトルエン120mlを加え溶解
し、5℃程度まで氷水冷し、塩化スルフリル11.7g
を30分かけて滴下する。そのまま室温まで戻して2時
間反応させる。反応終了後水洗し、減圧下にて溶媒を留
去する。n−ヘキサンを加え結晶化させた後熱懸濁し濾
過することで例示化合物20:18.6gを得た。MA
SS、H−NMR、IRスペクトルによって同定し、例
示化合物20であることを確認した。
【0044】合成例2 例示化合物31の合成 合成経路
【0045】
【化15】
【0046】I)中間体2の合成 8−アミノ−1−ナフトール10.0gにアセトニトリ
ル90mlを加え、更にピリジン6.1mlを加えた溶
液を15℃程度まで水冷し、化合物2:23.4gをア
セトニトリル30mlに溶解したものを20分かけて滴
下する。滴下終了後室温に戻して1時間反応させる。反
応液を酢酸エチルで抽出し、希塩酸で酸性にし、その後
水洗、中和し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せた。更に活性炭3gを加え1時間攪拌し濾過した後、
減圧下にて溶媒を留去する。黄色オイルの中間体2:2
5.8gを得た。MASS、H−NMR、IRスペクト
ルによって同定し、中間体2であることを確認した。
【0047】II)例示化合物31の合成 中間体2:20.0gに四塩化炭素100mlを加え、
次亜塩素酸t−ブチル4.7gを10分かけて滴下す
る。そのまま2時間還流反応させる。反応終了後減圧下
にて溶媒を留去する。カラムクロマトグラフィーにより
精製した後、酢酸エチルとn−ヘキサンより再結晶し例
示化合物31:17.9gを得た。MASS、H−NM
R、IRスペクトルによって同定し、例示化合物31で
あることを確認した。
【0048】本発明の一般式[I]〜[III]で表され
る化合物のその他の化合物も上記に準じて合成できる。
【0049】以下に、本発明に係る一般式(1−1)〜
(1−6)で表される化合物について説明する。
【0050】一般式(1−1)で表される化合物はスル
ホンアミドフェノールと総称される化合物である。
【0051】前記一般式(1−1)において、R1〜R4
は各々水素原子、ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロ
ム基)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基)、アリール
基(たとえばフェニル基、トリル基、キシリル基)、ア
ルキルカルボンアミド基(例えばアセチルアミノ基、プ
ロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基)、アリール
カルボンアミド基(例えばベンゾイルアミノ基)、アル
キルスルホンアミド基(例えばメタンスルホニルアミノ
基、エタンスルホニルアミノ基)、アリールスルホンア
ミド基(例えばベンゼンスルホニルアミノ基、トルエン
スルホニルアミノ基)、アルコキシ基(例えばメトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基)、アリールオキシ基(例
えばフェノキシ基)、アルキルチオ基(例えばメチルチ
オ基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、アリールチオ基
(例えばフェニルチオ基、トリルチオ基)、アルキルカ
ルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、ジメチル
カルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカル
バモイル基、ジブチルカルバモイル基、ピペリジルカル
バモイル基、モルホリルカルバモイル基)、アリールカ
ルバモイル基(例えばフェニルカルバモイル基、メチル
フェニルカルバモイル基、エチルフェニルカルバモイル
基、ベンジルフェニルカルバモイル基)、カルバモイル
基、アルキルスルファモイル基(例えばメチルスルファ
モイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファ
モイル基、ジエチルスルファモイル基、ジブチルスルフ
ァモイル基、ピペリジルスルファモイル基、モルホリル
スルファモイル基)、アリールスルファモイル基(例え
ばフェニルスルファモイル基、メチルフェニルスルファ
モイル基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジル
フェニルスルファモイル基)、スルファモイル基、シア
ノ基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル
基、エタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例
えばフェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホ
ニル基、p−トルエンスルホニル基)、アルコキシカル
ボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、ブトキシカルボニル基)、アリールオキシカ
ルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基)、アルキ
ルカルボニル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、
ブチロイル基)、アリールカルボニル基(例えばベンゾ
イル基、アルキルベンゾイル基)、またはアシルオキシ
基(例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、
ブチロイルオキシ基)を表す。R1〜R4の中で、R2
よびR4は好ましくは水素原子である。また、R1〜R4
のハメット定数σp値の合計は0以上となることが好ま
しい。
【0052】R5はアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、
ステアリル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ト
リル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシ
ルフェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル
基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニ
ル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−
(メトキシカルボニル)基等)または複素環基(例えば
ピリジル基等)を表し、各々が置換基を有していてもよ
い。
【0053】一般式(1−2)で表される化合物はスル
ホンアミドアニリンと総称される化合物である。
【0054】式中、R1〜R4は好ましくはアルキル、ア
リール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アリールオキ
シ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、スルホニル基、
スルフィニル基、ホスホニル基、アシル基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、シアノ基、アシルオキシ基、
ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホニルア
ミド基等が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバ
モイル基、ウレイド基、ホスホニルアミド基、ヒドロキ
シ基であることがより好ましい。
【0055】また、水素結合を形成可能な置換基として
はヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、ホスホニ
ルアミド基が好ましい。
【0056】R6及びR7は一般式(1−1)におけるR
5と同義であるが好ましくはアルキル基であり、さらに
置換基によって置換されていてもよい。
【0057】一般式(1−3)で表される化合物はスル
ホニルヒドラジンと総称される化合物である。また、一
般式(1−5)で表される化合物はカルバモイルヒドラ
ジンと総称される化合物である。
【0058】一般式(1−3)、(1−5)において、
Zは芳香環(複素芳香環も含む)を形成するのに必要な
非金属原子群を表す。Zによって形成される芳香環は、
本化合物に銀現像活性を付与するため、十分に電子吸引
的であることが必要である。このため、含窒素芳香環を
形成するか、或いはベンゼン環に電子吸引性基を導入し
たような芳香環が好ましく使用される。このような芳香
環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、
キノリン環、キノキサリン環等が好ましい。Zがベンゼ
ン環である場合その置換基のハメット定数(σ)の合計
値は1以上3以下である。
【0059】ベンゼン環の場合、その置換基としては、
アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エ
タンスルホニル基等)、ハロゲン原子(例えばクロル
基、ブロム基等)、アルキルカルバモイル基(例えばメ
チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチル
カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカ
ルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリル
カルバモイル基等)、アリールカルバモイル基(例えば
フェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル
基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニル
カルバモイル基等)、カルバモイル基、アルキルスルフ
ァモイル基(例えばメチルスルファモイル基、ジメチル
スルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチル
スルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリ
ジルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル基
等)、アリールスルファモイル基(例えばフェニルスル
ファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチ
ルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルフ
ァモイル基等)、スルファモイル基、シアノ基、アルキ
ルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンス
ルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えばフェニ
ルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p
−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基
(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボ
ニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、アルキル
カルボニル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、ブ
チロイル基等)、アリールカルボニル基(例えばベンゾ
イル基、アルキルベンゾイル基等)等が挙げられるが、
上記置換基のハメット定数σ値の合計は1以上である。
【0060】一般式(1−4)で表される化合物はスル
ホニルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一
般式(1−6)で表される化合物はカルバモイルヒドラ
ゾンと総称される化合物である。
【0061】一般式(1−4)、(1−6)において、
8は置換または無置換のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基等)を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セ
レン原子またはアルキル置換もしくはアリール置換の3
級窒素原子を表すが、アルキル置換の3級窒素原子が好
ましい。R9〜R12は水素原子または置換基を表し、R9
又はR11と、R10又はR12とが互いに結合して2重結合
または環を形成してもよい。
【0062】以下に、一般式(1−1)〜(1−6)で
表される化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はこ
れによって限定されるものではない。
【0063】
【化16】
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】
【化19】
【0067】
【化20】
【0068】
【化21】
【0069】
【化22】
【0070】
【化23】
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
【化28】
【0076】
【化29】
【0077】
【化30】
【0078】
【化31】
【0079】
【化32】
【0080】
【化33】
【0081】
【化34】
【0082】
【化35】
【0083】
【化36】
【0084】
【化37】
【0085】
【化38】
【0086】
【化39】
【0087】
【化40】
【0088】
【化41】
【0089】
【化42】
【0090】
【化43】
【0091】
【化44】
【0092】
【化45】
【0093】
【化46】
【0094】
【化47】
【0095】
【化48】
【0096】次に一般式(1−7)で表される化合物に
ついて説明する。前記一般式(1−7)において、BL
はブロック基を表し、Timeはタイミング基を表し、
CDは芳香族1級アミン現像主薬を表し、pは0から3
の整数を表す。
【0097】BLで表されるブロック基は、処理液中の
成分(例えば酸又は塩基)によって開始される加水分解
反応によってBlと(Time)m−CDとの結合が開裂
しうる基である。これらの例としては、特公昭47−4
4805号、特開昭59−93442号、同59−10
4641号に記載されているアシル基、スルホニル基等
のブロック基、特公昭54−39727号、同55−9
696号、同55−34927号等に記載の逆マイケル
反応により結合が開裂するブロック基、特公昭54−3
9727号、特開昭57−135944号、同57−1
35945号、同57−136640号、同57−15
4234号、同58−1139号、同58−1140
号、同58−209736号等に記載の分子内電子移動
によりキノンメチド又はキノンメチド類似化合物の生成
に伴って結合が開裂するブロック基、特開昭55−53
330号等に記載の分子内閉環反応により結合が開裂す
るブロック基、特開昭57−76541号、同57−1
35949号、同57−179842号等に記載の5員
又は6員の環開裂が引き金になって結合が開裂するブロ
ック基、特開平2−296240号、同4−17724
3号、同4−177244号、同4−177245号、
同4−177246号、同4−177247号、同4−
177248号、同4−179948号、同4−184
337号、同4−184338号、同5−45816号
等に記載のβ−あるいはγ−ケトアシル型のブロック
基、その他特開昭59−137945号、同59−14
0445号、同59−201057号、同59−202
459号、同59−218439号、同60−4103
4号、同61−32839号、同61−43739号、
同61−80239号、同61−83532号、同61
−95346号、同61−95347号、同61−11
3059号、同61−114238号、同63−318
555号、米国特許第4,468,451号、同4,7
43,533号に記載のブロック基等を挙げることがで
きる。これらのうち好ましいブロック基としてはβ−或
はγ−ケトアシル型のブロック基である。
【0098】Timeで表されるタイミング基の代表的
なものは、例えば特開昭52−90932号、同54−
145135号、同56−114946号、同57−1
54234号、同57−188035号、同58−98
728号、同58−209736号、同58−2097
37号、同58−209738号、同58−20973
9号、同63−37346号、特開平2−47651
号、同2−256047号および同4−216547号
に記載のタイミング基である。
【0099】CDで表される芳香族1級アミン現像主薬
は好ましくはp−フェニレンジアミンまたはp−アミノ
フェノール誘導体であり、アルキル基、ヒドロキシアル
キル基、スルホンアミドアルキル基、スルホアルキル基
またはカルボキシアルキル基で置換されたものが好まし
い。
【0100】以下に、一般式(1−7)で表される化合
物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこれに
よって限定されるものではない。
【0101】
【化49】
【0102】
【化50】
【0103】
【化51】
【0104】
【化52】
【0105】次に一般式(1−8)で表される化合物に
ついて説明する。前記一般式(1−8)において、Ar
はアリール基又は芳香族複素環基を表し、CDは芳香族
1級アミン現像主薬を表す。
【0106】Arで表されるアリール基又は芳香族複素
環基とは置換もしくは無置換のアリール基、または置換
もしくは無置換のヘテロ環基である。アリール基として
は、好ましくは炭素数6〜30のもので具体的にはフェ
ニル基、ナフチル基等が挙げられる。また、ヘテロ環基
としては、好ましくは3〜8員環で、環構成原子にヘテ
ロ原子として酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を少なく
とも1個以上有するものであり、他の芳香族環と縮環し
ていてもよく、具体的には2−ピリジル基、2−フリル
基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−チエニル基等が挙
げられる。Arとして特に好ましいのはフェニル基であ
る。
【0107】Arにおける置換基としては、ヒドロキシ
ル基、シアノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子(例え
ば弗素原子、塩素原子、臭素原子等)、好ましくは炭素
数1〜60の直鎖状、または分岐状のアルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、
ウンデシル基、ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、
3−デカンアミドプロピル基等)、好ましくは炭素数3
〜60のシクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、
1−エチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等)、好ましくは炭素数6〜30のアリー
ル基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、好ましく
は炭素数2〜60のヘテロ環基(ヘテロ原子としては酸
素原子、窒素原子又は硫黄原子を少なくとも1個以上有
するものであり、3〜8員環の単環、または縮合環で、
2−ピリジル基、2−フリル基、2−ベンゾオキサゾリ
ル基、2−チエニル基等)、好ましくは炭素数1〜60
のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基、オクチルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、
2−メトキシエトキシ基等)、好ましくは炭素数6〜6
0のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、2,4−
t−アミルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ
基、ナフトキシ基等)、好ましくは炭素数6〜60のア
シルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ基、オクタノ
イルオキシ基、2−ヘキサデカノイルオキシ基、2−
(2′,4′−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタノイル
オキシ基等)、好ましくは炭素数2〜60のアシルアミ
ノ基{例えば、アセチルアミノ基、n−ブタノイルアミ
ノ基、オクタノイルアミノ基、2−ヘキサデカノイルア
ミノ基、2−(2′,4′−ジ−t−アミルフェノキ
シ)ブタノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ニコチ
ノイルアミノ基等}、好ましくは炭素数1〜60のスル
ホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、
フェニルスルホニルアミノ基等)、好ましくは炭素数0
〜60のその他のアミノ基(例えば、無置換アミノ基、
モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール
アミノ基、アルキルアリールアミノ基が挙げられ、具体
的には無置換アミノ基、ジエチルアミノ基、オクチルア
ミノ基、3−(2′,4′−ジ−t−アミルフェノキ
シ)プロピルアミノ基、モルホリノ基等)、好ましくは
炭素数1〜60のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ
基、エチルチオ基、ブチルチオ基、ヘキサデシルチオ基
等)、好ましくは炭素数6〜60のアリールチオ基(例
えば、フェニルチオ基、4−ドデシルオキシフェニルチ
オ基等)、好ましくは炭素数1〜60のアシル基(例え
ば、アセチル基、ベンゾイル基、ブタノイル基、ドデカ
ノイル基等)、好ましくは炭素数1〜60のスルホニル
基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル
基、トルエンスルホニル基等)、好ましくは炭素数2〜
60のアルコキシカルボニル基、(例えば、エトキシカ
ルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ドデシルオ
キシカルボニル基等)、好ましくは炭素数7〜30のア
リールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボ
ニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、好ましくは
炭素数1〜60のカルバモイル基(例えば、N,N−ジ
シクロヘキシルカルバモイル基等)、好ましくは炭素数
0〜60のスルファモイル基(例えば、N,N−ジメチ
ルスルファモイル基等)等が挙げられる。
【0108】これらの置換基の中で、水素原子、ハロゲ
ン原子、ヒドロキシカルボニル基、スルホン基、ニトロ
基、カルボン酸エステルが好ましい。
【0109】これらの置換基は、可能な場合は、互いに
連結して環を形成していてもよい。また、これらの置換
基は、可能な場合は、さらに置換基を有していてもよ
く、置換基としては、前記Ar基上の置換基として列挙
した置換基が適用できる。好ましくは、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモ
イル基、スルホニル基、スルファモイル基、シアノ基、
カルボキシル基、またはヒドロキシル基であり、特に好
ましくはアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基である。
【0110】CDは前述の一般式(1−7)と同義であ
る。以下に、一般式(1−8)で表される化合物の具体
例を示すが、本発明の化合物はこれによって限定される
ものではない。
【0111】
【化53】
【0112】次に一般式(1−9)で表される化合物に
ついて説明する。前記一般式(1−9)において、Ar
はアリール基又は芳香族複素環基を表し、Xはホルミル
基が酸化作用を受けて発色現像主薬を放出しうる位置に
置換されたメチレン基を表し、Lは2価の連結基を表
し、qは0から3の整数を表す。CDは発色現像主薬を
表す。
【0113】Arで表されるアリール基又は芳香族複素
環基は前述の一般式(1−8)と同義であるが置換基の
中で、好ましくはヒドロキシル基、アルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホニ
ルアミノ基であり、特に好ましくは、ヒドロキシル基、
アルコキシ基、スルホニルアミノ基である。
【0114】これらの置換基は、可能な場合は、互いに
連結して環を形成していてもよい。また、これらの置換
基は、可能な場合は、さらに置換基を有していてもよ
く、置換基としては、前記Ar基上の置換基として列挙
した置換基が適用できる。好ましくは、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモ
イル基、スルホニル基、スルファモイル基、シアノ基、
カルボキシル基、またはヒドロキシル基であり、特に好
ましくはアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基である。
【0115】Ar基上の置換基のうち少なくとも1つ
は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において
常用されているバラスト基が組み込まれているのが好ま
しい。バラスト基は写真性に対して不活性な基であり、
例えば8以上の炭素数を有するアルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、アミド基、ウレイ
ド基、スルホンアミド基、エステル基、スルホニル基、
アシル基など及びこれらの基同士やヒドロキシル基など
の基との組合せからなるものの中から選ぶことができ
る。
【0116】Xで表されるメチレン基としては、置換若
しくは無置換のメチレン基が挙げられ、その置換基とし
ては、上述したAr基上の置換基が同様に挙げられる。
XのArにおける結合位置としては、Ar基がアリール
環のときは、ホルミル基に対してオルト又はパラ位であ
り、Ar基がヘテロ環のときは、ホルミル基を1位とし
た場合に、2位又は4位であり、ホルミル基が水酸基に
変換された後、電子移動により発色現像主薬(CD)を
放出できるようなAr基上の位置関係にある。
【0117】Lで表される連結基としては、既知の時間
調節基(タイミング基)が挙げられ、例えばDE−A−
2803145号に記載される−OCO−基が挙げられ
る。この基にあっては、(−O)原子が放出化合物(O
HC−Ar−X−)と結合し、炭素原子が発色現像主薬
(CD)におけるヘテロ原子に結合し、放出化合物と発
色現像主薬とを連結する。また、DE−A−28556
97号に記載されるような、一般式(1−9)の発色現
像主薬前駆体から放出されると分子内求核反応を受けて
発色現像主薬を放出するに至る基、更に、DE−A−3
105026号に記載されるような、一般式(1−9)
の発色現像主薬前駆体から放出された後に、電子移動が
共役系に沿って起き、発色現像主薬が放出されるに至る
基等が挙げられる。また、Lは、一般式(1−9)の化
合物から放出されたとき、それ自身でカップリング反応
またはレドックス反応に関与し、反応の結果として像様
に放出された求核剤とのカップリング反応又はハロゲン
化銀との像様なレドックス反応によりCDを像様に放出
できる基であってもよい。好ましくは−OCO−基であ
る。qは0〜3の整数を表し、1または2が好ましい。
【0118】CDは前述の通り発色現像主薬を表し、発
色現像主薬としてはp−フェニレンジアミン誘導体が好
ましい。好ましい例としては、特開平4−249244
号の第7頁左欄23行目〜同右欄16行目、および特開
平4−443号の第4頁右下欄7行目〜第6頁20行目
に記載のp−フェニレンジアミン誘導体であり、好まし
い具体例としては、N,N−ジエチル−p−フェニレン
ジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチル
アニリン、4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)
−N−メチルアニリン、4−アミノ−N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アニリン、4−アミノ−N−
エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルア
ニリン、4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキ
シプロピル)−3−メチルアニリン、4−アミノ−N−
エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)一3−メチルア
ニリン、4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンス
ルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン、4−アミ
ノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)
アニリン、4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキ
シエチル)−3−メチルアニリン、4−アミノ−N−
(β−エトキシエチル)−N−エチル−3−メチルアニ
リン、4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル)
−N−n−プロピル−3−メチルアニリン、4−アミノ
−N−(3−カルバモイルブチル)−N−n−プロピル
−3−メチルアニリン、N−(4−アミノ−3−メチル
フェニル)−3−ヒドロキシピロリジン、N−(4−ア
ミノ−3−メチルフェニル)−3−(ヒドロキシメチ
ル)ピロリジン、N−(4−アミノ−3−メチルフェニ
ル)−3−ピロリジンカルボキサミド等が挙げられ、上
記p−フェニレンジアミン誘導体のうちより好ましくは
4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホンア
ミドエチル)−アニリン、4−アミノ−N−エチル−N
(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン、4−
アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)
−3−メチルアニリン、および4−アミノ−N−エチル
−N−(4−ヒドロキシブチル)−3−メチルアニリン
である。
【0119】以下に、一般式(1−9)で表される化合
物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこれに
よって限定されるものではない。
【0120】
【化54】
【0121】
【化55】
【0122】
【化56】
【0123】
【化57】
【0124】
【化58】
【0125】本発明に使用するハロゲン化銀は、臭化
銀、沃臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、或いは
沃塩化銀等の任意のハロゲン組成のものでよい。一般に
感度を重視する場合には沃臭化銀、臭化銀、塩沃臭化銀
が、処理速度を重視する場合には塩化銀、塩臭化銀等が
好ましく用いられる。これらの粒子を含むハロゲン化銀
乳剤は、ピー・グラフキデス著のシミー・エ・フィジッ
ク・フォトグラフィック(Paul Montel社,
1967年);ジー・エフ・デュフィン著のフォトグラ
フィック・エマルジョン・ケミストリー(The Fo
cal Press刊,1966年);ヴイ・エル・ジ
ェリクマン等共著のメイキング・アンド・コーティング
・フォトグラフィック・エマルジョン(The Foc
al Press刊,1964年)等に記載された方
法、特開昭51−39027号、同55−142329
号、同58−113928号、同54−48521号及
び同58−4938号、同60−138538号等の各
公報、日本写真学会昭和58年年次大会要旨集88頁の
方法によって調製できる。即ち、酸性法、中性法、アン
モニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性
ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時
混合法、それらの組合せ、或は粒子を銀イオン過剰の下
に於て形成させる方法(逆混合法)、微細な種結晶に可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を供給して成長させる方法
等のいずれを用いてもよい。
【0126】ハロゲン化銀写真乳剤のハロゲン化銀粒子
サイズ分布は狭くとも広くともいずれでもよいが、粒子
サイズの揃ったいわゆる単分散性であることが好まし
い。具体的には、 (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって表せる相対標準偏差(変動係数)で分布の広さ
を定義したとき25%以下のものが好ましく、更に好ま
しくは20%以下のものである。本発明に用いられるハ
ロゲン化銀粒子の平均粒径は特に限定されないが、体積
を立方体に換算したときの一辺の長さが通常0.05〜
2.0μm、好ましくは、0.1〜1.2μmである。
【0127】ハロゲン化銀乳剤中に含まれるハロゲン化
銀粒子は立方体、8面体、14面体の様な規則的なな形
状でもよく、平板状となる双晶の様な不規則な形状でも
よく、また両者の混合でもよいが、平板状粒子を含むこ
とが好ましい。本発明に好ましく用いられる平板状ハロ
ゲン化銀粒子は、粒子直径/厚さ(アスペクト比)の比
の平均値(平均アスペクト比)が2以上であり、平均ア
スペクト比としては3〜20が好ましく、更に好ましく
は4〜15である。これら平板状ハロゲン化銀粒子は、
結晶の外壁は実質的に殆どが{111}面から成るも
の、或いは{100}面から成るものであってもよい。
また、{111}面と{100}面とを併せ持つもので
あってもよい。
【0128】沃臭化銀、あるいは臭化銀平板粒子を使用
する場合には、粒子表面の50%以上が{111}面で
あり、より好ましくは60%〜90%が{111}面で
あり、特に好ましくは70〜95%が{111}面であ
る粒子が好ましい。{111}面以外の面は主として
{100}面であることが好ましい。この面比率は増感
色素の吸着における{111}面と{100}面との吸
着依存性の違いを利用した[T.Tani,J.Ima
ging Sci.,29,165(1985年)]に
より求めることができる。
【0129】平板状(沃)臭化銀粒子に於ては六角形で
あることが好ましい。六角形の平板状粒子(以下六角平
板粒子と約す場合もある。)とは、その主平面({11
1}面)の形状が六角形であり、その、最大隣接比率が
1.0〜2.0であることを言う。ここで最大隣接辺比
率とは六角形を形成する最小の長さを有する辺の長さに
対する最大の長さを有する辺の長さの比である。六角平
板粒子は最大隣接辺比率が1.0〜2.0であればその
角が丸みを帯びていてもよく、更に角がとれ、ほぼ、円
形の平板粒子となっていてもよい。角が丸味をおびてい
る場合の辺の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣接
する辺の直線部分を延長した線との交点との間の距離で
表される。六角平板粒子の六角形を形成する各辺はその
1/2以上が実質的に直線からなることが好ましく、隣
接辺比率が1.0〜1.5であることがより好ましい。
【0130】平板状(沃)臭化銀粒子は転位を有してい
ることが好ましい。ハロゲン化粒子の転位は、例えば
J.F.Hamilton,Photogr.Sci.
Eng.,57(1967)や、T.Shiozaw
a,J.Soc.Photogr.Sci.Japa
n,35,213(1972)に記載の、低温での透過
型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察すること
ができる。ハロゲン化銀粒子の転位の位置は、ハロゲン
化粒子の中心から外表面に向けて0.58〜1.0Lま
での領域に発生していることがましいが、より好ましく
は0.80〜0.98Lの領域に発生しているものであ
る。転位線の方向は、おおよそ中心から外表面に向かう
方向であるが、しばしば蛇行している。ハロゲン化銀粒
子の転位の数については、1本以上の転位を含む粒子が
50%(個数)以上存在することが望ましく、転位線を
有する平板粒子数の比率(数)が高いほど好ましい。
【0131】本発明においては、塩化銀、塩臭化銀、塩
沃化銀あるいは塩沃臭化銀平板粒子を用いることもでき
る。この場合、{100}面を主平面とする平板粒子、
{111}面を主平面とする平板粒子のいずれをも使用
することができる。{100}面を有する塩化銀平板粒
子に関しては、米国特許5,314,798号、欧州特
許534,395A号、同617,317A号、同61
7,318A号、同617,321A号、同617,3
25A号、同616,255A号、WO94/22,0
51号、米国特許5,356,764号、同5,32
0,938号、同5,275,930号、特開平5−2
04073号、同5−281640号、同6−3011
6号、同7−225441号などに記載されている。ま
た、主として{111}面からなる平板粒子について
は、以前から種々の報告がなされていてたとえば、米国
特許4,439,520号などに詳しく記載されてい
る。また、米国特許5,250,403号には等価円相
当径0.7μm以上でかつ厚みが0.07μm以下の所
謂極薄平板粒子について記載されている。さらに米国特
許4,435,501号には平板粒子表面にエピタキシ
ャルに銀塩を成長させる技術が開示されている。
【0132】平板状粒子に於て、粒径とは粒子の投影像
を同面積の円像に換算したときの直径である。粒子の投
影面積は、この粒子面積の和から求めることができる。
何れも粒子の重なりが生じない程度に試料台上に分布さ
れたハロゲン化銀結晶サンプルを、電子顕微鏡観察する
ことによって得ることができる。平板状ハロゲン化銀粒
子の平均投影面積径は、該粒子の投影面積の円相当直径
で表し、好ましくは0.30μm以上であるが、より好
ましくは0.30〜5μm、更に好ましくは0.40〜
2μmである。粒径は、該粒子を電子顕微鏡で1万〜7
万倍に拡大投影して、そのプリント上の投影時の面積を
実測することによって得ることができる。また、平均粒
径(φ)は測定粒径個数をnとし、粒径φiを有する粒
子頻度をniとしたときに次式により求めることができ
る。
【0133】平均粒径(φ)=(Σniφi)/n (測定粒子個数は無差別に1,000個以上であるとす
る。) 粒子の厚さは電子顕微鏡によって試料を斜めから観察す
ることによって得ることができる。平板状粒子の好まし
い厚みは、0.03〜1.0μmであり、より好ましく
は、0.05〜0.5μmである。本発明に用いられる
平板状ハロゲン化銀粒子は厚さの分布が小さいことが好
ましい。具体的には、 (厚さの標準偏差/平均厚さ)×100=厚さ分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものである。
【0134】更に、アスペクト比と粒子の厚みの因子を
加味して、次式で表現される平板性:A=ECD/b2
が20以上であることが好ましい。ここでECDは平板
粒子の投影面積円換算粒径を指し、(b)は粒子の厚み
である。ここで、投影面積円換算粒径とは、平板粒子の
投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均を表
す。
【0135】更に、平板状ハロゲン化銀粒子乳剤中の個
々の粒子のハロゲン含量率の分布も小さいことが好まし
い。具体的には、 (ハロゲン含有率の標準偏差/平均ハロゲン含有率)×
100=ハロゲン含有率の広さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものである。
【0136】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
ハロゲン化銀粒子内に実質的にハロゲン組成の異なる少
なくとも2つの層構造をもつコア/シェル型構造でも均
一な組成のものでもよい。本発明に係るハロゲン化銀乳
剤の平均沃化銀含有率は、20モル%以下が好ましく、
より好ましくは0.1〜10モル%である。本発明にお
いて、いわゆるハロゲン変換型(コンバージョン型)の
粒子であっても構わない。ハロゲン変換量は銀量に対し
て0.2〜2.0モル%が好ましく、変換の時期は物理
熟成中でも物理熟成終了後でもよい。ハロゲン変換の方
法としては、通常ハロゲン変換前の粒子表面のハロゲン
組成よりも銀との溶解度積の小さいハロゲン水溶液又は
ハロゲン化銀微粒子を添加する。この時の微粒子サイズ
としては、0.2μm以下が好ましく、より好ましくは
0.02〜0.1μmである。
【0137】更に、ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成す
る過程及び/又は成長する過程で、カドミウム塩、亜鉛
塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、
ロジウム塩(錯塩を含む)及び鉄塩(錯塩を含む)から
選ばれる少なくとも1種の金属イオンを添加し、粒子内
部に及び/又は粒子表面層にこれらの金属元素を含有さ
せることができる。
【0138】ハロゲン化銀写真乳剤は、ハロゲン化銀粒
子の成長の終了時に不要な可溶性塩類を除去してもよい
し、或いは含有させたままでもよい。該塩類を除去する
場合には、リサーチ・ディスクロージャー(Resea
rch Disclosure、以下RDとも略す)N
o.17643号II項に記載の方法に基づいて行うこと
ができる。
【0139】本発明に於ては各々別個に形成した2種以
上のハロゲン化銀乳剤を任意に混合して用いることがで
きる。
【0140】感光性ハロゲン化銀乳剤は通常は化学増感
されたハロゲン化銀乳剤である。感光性ハロゲン化銀乳
剤のハロゲン化銀の化学増感には、通常型感光材料用乳
剤で公知の硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法な
どのカルコゲン増感法、金、白金、パラヂウムなどを用
いる貴金属増感法および還元増感法などを単独または組
合わせて用いることができる(例えば特開平3−110
555号、特開平6−241267号など)。
【0141】ハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増
感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤が好ましく
用いられる。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリル
チオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、
シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニ
ン、無機イオウ等が挙げられる。イオウ増感剤の添加量
としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待す
る効果の大きさなどにより変えることが好ましいが、ハ
ロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10- 5モル
の範囲が好ましく、5×10-8〜3×10-5モルの範囲
がより好ましい。
【0142】金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハ
ロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条
件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1
モル当たり1×10-4〜1×10-8モルであることが好
ましい。更に好ましくは1×10-5〜1×10 -8モルで
ある。
【0143】これらの化学増感を含窒素複素環化合物の
存在下で行うこともできる(特開昭62−253159
号)。また後掲するかぶり防止剤を化学増感終了後に添
加することができる。具体的には、特開平5−4583
3号、特開昭62−40446号記載の方法を用いるこ
とができる。化学増感時のpHは好ましくは5.3〜1
0.5、より好ましくは5.5〜8.5であり、pAg
は好ましくは6.0〜10.5、より好ましくは6.8
〜9.0である。本発明において使用される感光性ハロ
ゲン化銀の塗設量は、銀換算1mgないし10g/m2
の範囲である。
【0144】本発明のハロゲン化銀の調製においては、
還元増感を併用するもできる。ハロゲン化銀乳剤を適当
な還元的雰囲気におくことにより、ハロゲン化銀粒子内
部及び/又は粒子表面に還元増感核を付与することがで
きる。該還元増感は、後述するハロゲン化銀粒子の成長
途中に施すのが好ましい。成長途中に施す方法として
は、ハロゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感
を施す方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断
した状態で還元増感を施し、その後に還元増感されたハ
ロゲン化銀粒子を成長せしめる方法をも含み、具体的に
はハロゲン化銀乳剤に還元剤および/または水溶性銀塩
を添加することによって行われる。
【0145】還元剤の好ましい例としては、二酸化チオ
尿素およびアスコルビン酸およびそれらの誘導体があげ
られる。また別の好ましい還元剤としてはヒドラジン、
ジエチレントリアミンのごときポリアミン類、ジメチル
アミンボラン類、亜硫酸塩類等があげられる。還元剤の
添加量は還元増感剤の種類、ハロゲン化銀粒子の粒径、
組成及び晶癖、反応系の温度、pH、pAgなどの環境
条件によって変化させることが好ましいが、例えば二酸
化チオ尿素の場合はハロゲン化銀1モル当たり0.01
〜2mgの範囲が好ましい。アスコルビン酸の場合はハ
ロゲン化銀1モル当たり0.2〜50gの範囲が好まし
い。還元増感の条件としては、温度は40〜80℃、時
間は10〜200分、pHは5〜11、pAgは1〜1
0の範囲が好ましい。
【0146】水溶性銀塩としては硝酸銀を用いるのが好
ましい。水溶性銀塩の添加により還元増感技術の一種で
あるいわゆる銀熟成が行われる。銀熟成時のpAgは1
〜6が好ましく、より好ましくは2〜4である。温度、
時間、pHなどの条件は上記の範囲が好ましい。
【0147】また、粒子形成の所望の時点で添加した還
元剤の作用を過酸化水素(水)及びその付加物、ペルオ
キソ酸塩、オゾン、I2、チオスルフォン酸等の酸化剤
を所望の時点で添加することによって失活させ、還元剤
を抑制又は停止することが好ましい。酸化剤の添加時期
は、ハロゲン化銀粒子形成時から化学増感工程の金増感
剤(金増感剤を用いない場合には、化学増感剤)添加前
までならば任意である。
【0148】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
緑感性、赤感性等の感色性を持たせるためには、感光性
ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その他によって分光増
感する。また、必要に応じて青感性乳剤に青色領域の分
光増感を施してもよい。用いられる色素には、シアニン
色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包
含される。具体的には、米国特許第4,617,257
号、特開昭59−180550号、同64−13546
号、特開平5−45828号、同5−45834号など
に記載の増感色素が挙げられる。これらの増感色素は単
独に用いてもよいが、それらの組合わせを用いてもよ
く、増感色素の組合わせは特に、強色増感や分光増感の
波長調節の目的でしばしば用いられる。増感色素ととも
に、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視
光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増感を示
す化合物を乳剤中に含んでもよい(例えば米国特許第
3,615,641号、特開昭63−23145号等に
記載のもの)。これらの増感色素を乳剤中に添加する時
期は化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米国特許
第4,183,756号、同4,225,666号に従
ってハロゲン化銀粒子の核形成前後でもよい。またこれ
らの増感色素や強色増感剤は、メタノールなどの有機溶
媒の溶液、ゼラチンなどの分散物あるいは界面活性剤の
1液で添加すればよい。添加量は一般にハロゲン化銀1
モル当り10-8ないし10-2モル程度である。
【0149】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を作製
するために用いられるバインダー(親水性保護コロイ
ド)には、プロダクト・ライセシング・インデックス、
第92巻P108の「Vehicles」の項に記載さ
れているような通常のハロゲン化銀乳剤に用いられるゼ
ラチンの他にアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチン等
のゼラチン誘導体、水溶性セルロース誘導体その他の合
成又は天然の親水性ポリマーが含まれる。
【0150】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には必
要に応じて当業界公知の各種技術、添加剤を用いること
ができる。例えば、感光性ハロゲン化銀乳剤層に加えて
保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオ
ーバー光カット層、バッキング層等の補助層を設けるこ
とができ、これらの層中には、各種の化学増感剤、貴金
属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶
剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、
定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、
色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ
剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィル
ター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金
属、帯電防止剤、マット剤等を各種の方法で含有させる
ことができる。
【0151】上述したこれらの添加剤は、より詳しく
は、リサーチディスクロージャー第176巻Item/
17643(1978年12月)、同184巻Item
/18431(1979年8月)、同187巻Item
/18716(1979年11月)及び同308巻It
em/308119(1989年12月)に記載されて
いる。
【0152】これらリサーチ・ディスクロージャーに示
されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。 添加剤 RD17643 RD18716 RD308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 IV 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明の感光材料には発色現像主薬を内蔵することがで
きる。これらの発色現像主薬は、銀塩を現像することに
よって自らは酸化され、その酸化体が後述のカプラーと
カップリングして色素を生成できるものであることが必
要である。このような発色現像主薬とカプラーの組合わ
せとしては、米国特許3,531,256号の、p−フ
ェニレンジアミン類現像主薬とフェノールまたは活性メ
チレンカプラー、同3,761,270号の、p−アミ
ノフェノール系現像主薬と活性メチレンカプラーの組合
せを使用することができる。米国特許4,021,24
0号、特開昭60−128438号等に記載されている
ようなスルホンアミドフェノールと4当量カプラーの組
合せは、感光材料に内蔵する場合、生保存に優れてお
り、好ましい組合せである。発色現像主薬を内蔵する場
合は、発色現像主薬のプレカーサーを用いてもよい。例
えば、米国特許3,342,597号記載のインドアニ
リン系化合物、米国特許3,342,599号、リサー
チ・ディスクロージャーNo.14850及び同No.
15159に記載のシッフ塩基型化合物、同13924
記載のアルドール化合物、米国特許3,719,492
号記載の金属塩錯体、特開昭53−135628号記載
のウレタン系化合物等を挙げることができる。
【0153】感光材料に内蔵される現像主薬には、感光
材料の保存中において比較的安定であり、不必要に銀塩
を還元することのないものであることが要求される。こ
のような要件を満たす発色現像主薬として、特開平9−
15806号等に記載のスルホンアミドフェノール系主
薬、特開平5−241282号、同8−234388
号、同8−286340号、同9−152700号、同
9−152701号、同9−152702号、同9−1
52703号、同9−152704号等に記載のヒドラ
ジン系主薬、特開平7−202002号、同8−234
390号等に記載のヒドラゾン系主薬などを挙げること
ができる。
【0154】本発明においては、一般式(1−1)、
(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−5)、
(1−6)で表される発色現像主薬を発色現像主薬とし
て好ましく用いることができる。これらの中でも一般式
(1−1)、(1−2)或いは(1−5)で表される発
色現像主薬が特に好ましく用いられる。
【0155】本発明に用いることができる発色現像主薬
は、発色層1層当たり0.05〜10mmol/m2使
用することが好ましい。更に好ましい使用量は0.1〜
5mmol/m2であり特に好ましい使用量は0.2〜
2.5mmol/m2である。
【0156】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、前記の発色現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応し、色素を形成する化合物である。本発
明に好ましく使用されるカプラーとしては、本発明のも
の以外に以下の一般式(Cp−1)〜(Cp−12)に
記載するような構造の化合物がある。これらはそれぞれ
一般に活性メチレン、ピラゾロン、ピラゾロアゾール、
フェノール、ナフトールと総称される化合物である。
【0157】
【化59】
【0158】
【化60】
【0159】一般式(Cp−1)〜(Cp−4)は活性
メチレン系カプラーと称されるカプラーを表し、式中、
24は置換基を有してもよいアシル基、シアノ基、ニト
ロ基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基である。
【0160】一般式(Cp−1)〜(Cp−4)におい
て、R25は置換基を有してもよいアルキル基、アリール
基、またはヘテロ環基である。一般式(Cp−4)にお
いて、R26は置換基を有してもよいアリール基またはヘ
テロ環基である。R24、R25、R26が有してもよい置換
基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、ハロゲン
原子、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アリー
ルアミノ基、水酸基、スルホ基等、種々の置換基を挙げ
ることができる。R24の好ましい例としてはアシル基、
シアノ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が
挙げられる。
【0161】一般式(Cp−1)〜(Cp−4)におい
て、Yは水素原子または現像主薬酸化体とのカップリン
グ反応により脱離可能な基である。Yの例として、2当
量カプラーのアニオン性離脱基として作用する基として
は、ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アル
コキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ
基、4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキル
チオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチ
オ基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリ
ルチオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカ
ルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバ
モイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモ
イル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバ
モイル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニル
カルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチ
ルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモ
イル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0162】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0163】一般式(Cp−1)〜(Cp−4)におい
て、R24とR25、R24とR26は互いに結合して環を形成
してもよい。
【0164】一般式(Cp−5)は5−ピラゾロン系マ
ゼンタカプラーと称されるカプラーを表し、式中、R27
はアルキル基、アリール基、アシル基、またはカルバモ
イル基を表す。R28はフェニル基または1個以上のハロ
ゲン原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、またはアシルアミノ基が置換した
フェニル基を表す。Yについては一般式(Cp−1)〜
(Cp−4)と同様である。
【0165】一般式(Cp−5)で表される5−ピラゾ
ロン系マゼンタカプラーの中でも、R27がアリール基ま
たはアシル基、R28が1個以上のハロゲン原子が置換し
たフェニル基のものが好ましい。
【0166】これら好ましい基について詳しく述べる
と、R27はフェニル、2−クロロフェニル、2−メトキ
シフェニル、2−クロロ−5−テトラデカンアミドフェ
ニル、2−クロロ−5−(3−オクタデセニル−1−ス
クシンイミド)フェニル、2−クロロ−5−オクタデシ
ルスルホンアミドフェニルまたは2−クロロ−5−[2
−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシ)テト
ラデカンアミド]フェニル等のアリール基、またはアセ
チル、ピバロイル、テトラデカノイル、2−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシ)アセチル、2−(2,4
−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブタノイル、ベンゾイ
ル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシアセトア
ミド)ベンゾイル等のアシル基であり、これらの基はさ
らに置換基を有してもよく、それらは炭素原子、酸素原
子、窒素原子、またはイオウ原子で連結する有機置換基
またはハロゲン原子である。
【0167】R28は2,4,6−トリクロロフェニル、
2,5−ジクロロフェニル、2−クロロフェニル基等の
置換フェニル基が好ましい。
【0168】一般式(Cp−6)はピラゾロアゾール系
カプラーと称されるカプラーを表し、式中、R29は水素
原子または置換基を表す。Zは窒素原子を2〜4個含む
5員のアゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を
表し、該アゾール環は置換基(縮合環を含む)を有して
もよい。Yについては、一般式(Cp−1)〜(Cp−
4)と同様である。
【0169】一般式(Cp−6)で表されるピラゾロア
ゾール系カプラーの中でも、発色色素の吸収特性の点
で、米国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ
[1,2−b]ピラゾール類、米国特許第4,540,
654号に記載のピラゾロ[1,5−b][1,2,
4]トリアゾール類、米国特許第3,725,067号
に記載のピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリア
ゾール類が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピ
ラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾール類が
好ましい。
【0170】置換基R29、YおよびZで表されるアゾー
ル環の置換基の詳細については、例えば米国特許第4,
540,654号明細書の第2カラム第41行〜第8カ
ラム第27行に記載されている。好ましくは特開昭61
−65245号に記載されているような分岐アルキル基
がピラゾロトリアゾール基の2、3または6位に直結し
たピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−65245
号に記載されている分子内にスルホンアミド基を含んだ
ピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254
号に記載されるアルコキシフェニルスルホンアミドバラ
スト基を持つピラゾロアゾールカプラー、特開昭62−
209457号もしくは同63−307453号に記載
されている6位にアルコキシ基やアリールオキシ基を持
つピラゾロトリアゾールカプラー、および特開平2−2
01443号に記載される分子内にカルボンアミド基を
持つピラゾロトリアゾールカプラーである。
【0171】一般式(Cp−7)、(Cp−8)はそれ
ぞれフェノール系カプラー、ナフトール系カプラーと称
されるカプラーであり、式中、R30は水素原子または−
NHCOR32、−SO2NR3233、−NHSO232
−NHCOR32、−NHCONR3233、−NHSO2
NR3233から選ばれる基を表す。R32、R33は水素原
子または置換基を表す。一般式(Cp−7)、(Cp−
8)において、R31は置換基を表し、oは0〜2から選
ばれる整数、pは0〜4から選ばれる整数を表す。Yに
ついては一般式(Cp−1)〜(Cp−4)と同様であ
る。R31〜R33としては前記R24〜R26の置換基として
述べたものが挙げられる。
【0172】一般式(Cp−7)で表されるフェノール
系カプラーの好ましい例としては、米国特許2,36
9,929号、同2,801,171号、同2,77
2,162号、同2,895,826号、同3,77
2,002号等に記載の2−アルキルアミノ−5−アル
キルフェノール系、米国特許2,772,162号、同
3,758,308号、同4,126,396号、同
4,334,011号、同4,327,173号、西独
特許公開3,329,729号、特開昭59−1669
56号等に記載の2,5−ジアシルアミノフェノール
系、米国特許3,446,622号、同4,333,9
99号、同4,451,559号、同4,427,76
7号等に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミ
ノフェノール系等を挙げることができる。
【0173】一般式(Cp−8)で表されるナフトール
カプラーの好ましい例としては、米国特許2,474,
293号、同4,052,212号、同4,146,3
96号、同4,228,233号、同4,296,20
0号等に記載の2−カルバモイル−1−ナフトール系お
よび米国特許4,690,889号等に記載の2−カル
バモイル−5−アミド−1−ナフトール系等を挙げるこ
とができる。
【0174】一般式(Cp−9)〜(Cp−12)はピ
ロロトリアゾールと称されるカプラーであり、R42、R
43、R44は水素原子または置換基を表す。Yについては
一般式(Cp−1)〜(Cp−4)と同様である。
42、R43、R44の置換基としては、前記R24〜R26
置換基として述べたものが挙げられる。一般式(Cp−
9)〜(Cp−12)で表されるピロロトリアゾール系
カプラーの好ましい例としては、欧州特許488,24
8A1号、同491,197A1号、同545,300
号に記載の、R42、R43の少なくとも一方が電子吸引基
であるカプラーが挙げられる。
【0175】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0176】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許4,327,173号、同4,564,586号、
同4,904,575号等に記載のカプラーが使用でき
る。
【0177】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許4,818,672号、同5,051,347号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0178】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0179】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0180】活性メチン系カプラーとしては米国特許
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0181】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許5,164,289号に記載のピロロピラゾー
ル系カプラー、特開平4−174429号に記載のピロ
ロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0182】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許4,950,585号に記載のピラゾロピリミ
ジン系カプラー、特開平4−204730号に記載のピ
ロロトリアジン系カプラー、欧州特許556,700号
に記載のカプラー等が使用できる。
【0183】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許3,819,051A号、同3,823,049号、
米国特許4,840,883号、同5,024,930
号、同5,051,347号、同4,481,268
号、欧州特許304,856A2号、同329,036
号、同354,549A2号、同374,781A2
号、同379,110A2号、同386,930A1
号、特開昭63−141055号、同64−32260
号、同32261号、特開平2−297547号、同2
−44340号、同2−110555号、同3−793
8号、同3−160440号、同3−172839号、
同4−172447号、同4−179949号、同4−
182645号、同4−184437号、同4−188
138号、同4−188139号、同4−194847
号、同4−204532号、同4−204731号、同
4−204732号等に記載されているカプラーも使用
できる。
【0184】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
ては、一般にイエローカプラー、マゼンタカプラー、シ
アンカプラーとして知られている化合物を用いることが
できる。これらの化合物は一般のカラー写真に用いら
れ、パラフェニレンジアミン系の発色現像主薬で現像し
た時にそれぞれ青色域(波長350〜500nm)、緑
色域(波長500〜600nm)、赤色域(波長600
〜750nm)に分光吸収極大波長を持つような化合物
である。しかるに、本発明に係る一般式(1−1)〜
(1−6)の発色現像主薬、特に一般式(1−3)〜
(1−6)の発色現像主薬とともに用いた場合には、カ
ップリングによって生成する色素が、これらの波長とは
異なる波長域に分光吸収極大を有することがあるため、
使用する発色現像主薬の種類に応じて、適宜カプラーの
種類を選択する必要がある。本発明の感光材料は、必ず
しも発色色素が上記の青色域、緑色域、赤色域に分光吸
収極大波長を持つように設計される必要はない。発色色
素が紫外域や赤外域に分光吸収を有してもよく、これら
と可視光域の吸収を組み合わせて用いてもよい。
【0185】本発明に使用できるカプラーは耐拡散性基
がポリマー鎖をなしていてもよい。また、4当量カプラ
ーでも、2当量カプラーでも用いることができるが、発
色現像主薬の種類によって使い分けるのが好ましい。ま
ず、一般式(1−1)、(1−2)の発色現像主薬に対
しては4当量カプラーを使用するのが好ましく、一般式
(1−3)、(1−4)、(1−5)、(1−6)の発
色現像主薬に対しては2当量カプラーを使用するのが好
ましい。カプラーの具体例は、4当量、2当量カプラー
の両者ともセオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・
プロセス(4th Ed.T.H.James編集、M
acmillan,1977)291頁〜334頁、お
よび354頁〜361頁、特開昭58−12353号、
同58−149046号、同58−149047号、同
59−11114号、同59−124399号、同59
−174835号、同59−231539号、同59−
231540号、同60−2951号、同60−142
42号、同60−23474号、同60−66249
号、特開平8−110608,同8−146552、同
8−146578、同9−204031号等及び前掲し
た文献、特許に詳しく記載されている。
【0186】本発明の感光材料は、以下のような機能性
カプラーを含有してもよい。発色色素の不要な吸収を補
正するためのカプラーとして、欧州特許456,257
A1号に記載のイエローカラードシアンカプラー、該欧
州特許に記載のイエローカラードマゼンタカプラー、米
国特許4,833,069号に記載のマゼンタカラード
シアンカプラー、米国特許4,837,136号の式
(2)で表される化合物、WO92/11575のクレ
ーム1の式(A)で表される無色のマスキングカプラー
(特に36−45頁の例示化合物)。現像主薬酸化体と
反応して写真的に有用な化合物残査を放出する化合物
(カプラーを含む)としては、以下のものが挙げられ
る。現像抑制剤放出化合物:欧州特許378,236A
1号の11頁に記載の式(I)〜(IV)で表される化合
物、欧州特許436,938A2号の7頁に記載の式
(I)で表される化合物、特開平6−307248号の
式(1)で表される化合物、EP440,195A2の
5、6頁に記載の式(I)(II)(III)で表される化
合物、特開平6−69411号の請求項1の式(I)で
表される化合物−リガンド放出化合物、米国特許4,5
55,478号のクレーム1に記載のLIG−Xで表さ
れる化合物。
【0187】本発明に用いられるカプラーは、1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができ、さらに他
の種類のカプラーと併用することができる。カプラーは
本発明の発色現像主薬およびハロゲン化銀と同一の層に
添加されることが好ましく、その好ましい使用量は発色
現像主薬1モルに対して0.05〜20モル、更に好ま
しくは0.1〜10モル、特に好ましくは0.2〜5モ
ルである。また、本発明においてカプラーはハロゲン化
銀1モル当たり0.01〜1モル使用することが好まし
く、0.02〜0.6モルがより好ましい。この範囲で
あると十分な発色濃度が得られる点で好ましい。
【0188】カプラー、発色現像主薬などの疎水性添加
剤は米国特許2,322,027号記載の方法などの公
知の方法により感光材料の層中に導入することができ
る。この場合には、米国特許4,555,470号、同
4,536,466号、同4,536,467号、同
4,587,206号、同4,555,476号、同
4,599,296号、特公平3−62256号などに
記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50
℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いること
ができる。またこれらカプラー、高沸点有機溶媒などは
2種以上併用することができる。高沸点有機溶媒の量は
用いられる疎水性添加剤1gに対して10g以下、好ま
しくは5g以下、より好ましくは1g〜0.1gであ
る。また、バインダー1gに対して1以下、更には0.
5ml以下、特に0.3ml以下が適当である。特公昭
51−39853号、特開昭51−59943号に記載
されている重合物による分散法や特開昭62−3024
2号等に記載されている微粒子分散物にして添加する方
法も使用できる。水に実質的に不溶な化合物の場合に
は、前記方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含
有させることができる。疎水性化合物を親水性コロイド
に分散する際には、種々の界面活性剤を用いることがで
きる。例えば特開昭59−157636号の第(37)
〜(38)頁、前記のリサーチ・ディスクロージャー記
載の界面活性剤として挙げたものを使うことができる。
また、特開平7−66267号、同7−228589
号、西独公開特許第1,932,299A号記載のリン
酸エステル型界面活性剤も使用できる。
【0189】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好
ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成するの
に使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,50
0,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾ
ール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許第
4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり通常0.0
1〜10モル、好ましくは0.05〜3モルを併用する
ことができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布量
合計は銀換算で通常0.05〜10g/m2、好ましく
は0.1〜4g/m2である。
【0190】本発明の感光材料には、種々のカブリ防止
剤または写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用
することができる。その具体例としては、前記リサーチ
・ディスクロージャー、米国特許第5,089,378
号、同4,500,627号、同4,614,702
号、特開昭64−13564号(7)〜(9)頁、(5
7)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、米国特
許第4,775,610号、同4,626,500号、
同4,983,494号、特開昭62−174747
号、同62−239148号、特開平1−150135
号、同2−110557号、同2−178650号、R
D17643号(1978年)(24)〜(25)頁等
記載の化合物が挙げられる。これらの化合物は、銀1モ
ルあたり5×10-6〜1×10-1モルが好ましく、1×
10-5〜1×10-2モルがより好ましく用いられる。
【0191】本発明の感光材料ににおいては、上記のハ
ロゲン化銀乳剤層の間および最上層、最下層に、保護
層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレ
ーション層などの各種の非感光性層を設けてもよく、支
持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設ける
ことができる。具体的には、米国特許第5,051,3
35号記載のような下塗り層、特開平1−167838
号、特開昭61−20943号記載のような固体顔料を
有する中間層、特開平1−120553号、同5−34
884号、同2−64634号記載のような還元剤やD
IR化合物を有する中間層、米国特許第5,017,4
54号、同5,139,919号、特開平2−2350
44号記載のような電子伝達剤を有する中間層、特開平
4−249245号記載のような還元剤を有する保護層
またはこれらを組み合わせた層などを設けることができ
る。
【0192】本発明の感光材料には、イラジエーション
防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を
有する染料を用いることができる。従来のカラー感光材
料の黄色フィルター層、アンチハレーション層にはコロ
イド銀微粒子がしばしば用いられてきたが、感光材料を
現像後コロイド銀を除去するために漂白工程を設ける必
要が生じる。処理の簡便性を求めるという本発明の目的
からは、漂白工程を必要としない感光材料が好ましい。
したがって本発明においては、コロイド銀に替えて染
料、特に現像処理中に消色、あるいは溶出、転写し、処
理後の濃度への寄与が小さい染料を使用することが好ま
しい。染料が現像時に消色あるいは除去されるとは、処
理後に残存する染料の量が、塗布直前の1/3以下、好
ましくは1/10以下となることであり、現像時に染料
の成分が感材から溶出あるいは処理材料中に転写しても
よいし、現像時に反応して無色の化合物に変わってもよ
い。
【0193】これらの染料はのハロゲン化銀乳剤層に添
加してもよく、非感光性層に添加してもよい。感度と鮮
鋭度を両立させるという観点からは、ある波長域に感光
するハロゲン化銀乳剤が存在する層に対し、露光源と反
対側に同一波長域の光を吸収する染料が添加されるのが
好ましい。本発明の感光材料中に使用する染料として
は、公知の染料を用いることができる。例えば、現像液
のアルカリに溶解する染料や、現像液中の成分、亜硫酸
イオンや主薬、アルカリと反応して消色するタイプの染
料を用いることできる。具体的には、欧州特許EP54
9,489A号に記載の染料や、特開平7−15212
9号のExF2〜6の染料が挙げられる。これらの染料
は、感光材料を処理液で現像する場合にも用いることが
できるが、感光材料が後述する処理シートを用いて熱現
像する場合に特に好ましい。
【0194】処理液で処理する場合には、可視域に吸収
を有する染料として、特開平3−251840号公報3
08ページに記載のAI−1〜11の染料及び特開平6
−3770号記載の染料が好ましく用いられる。赤外線
吸収染料としては、特開平1−280750号公報の2
ページ左下欄に記載の一般式(I)、(II)、(III)
で表される化合物が好ましい分光特性を有し、ハロゲン
化銀乳剤の写真特性への影響もなく、また残色による汚
染もなく好ましい。好ましい化合物の具体例として、同
公報3ページ左下欄〜5ページ左下欄に挙げられた例示
化合物(1)〜(45)を挙げることができる。
【0195】また、媒染剤とバインダーに染料を媒染さ
せておくこともできる。この場合媒染剤と染料は写真分
野で公知のものを用いることができ、米国特許4,5
0,626号の第58〜59欄や、特開昭61−882
56号の32〜41頁、特開昭62−244043号、
特開昭62−244036号等に記載の媒染剤を挙げる
ことができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放
出する化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可動
性色素を放出させ、処理液に溶出あるいは、処理シート
に転写除去させることもできる。具体的には、米国特許
第4,559,290号、同4,783,369号、欧
州特許第220,746A2号、公開技報87−611
9号に記載されている他、特開平8−101487号に
記載されている。
【0196】消色するロイコ染料などを用いることもで
きる。具体的には特開平1−150,132号に有機酸
金属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイ
コ色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。
ロイコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応
して消色するため、本発明において熱現像を行う場合に
は、このロイコ色素と顕色剤の組み合わせが好ましい。
ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森賀、吉田「染
料と薬品」9、84頁(化成品工業協会)、「新版染料
便覧」242頁(丸善、1970)、R.Garner
「Reports on the Progress
of Appl.Chem」56、199頁(197
1)、「染料と薬品」19、230頁(化成品工業協
会、1974)、「色材」62、288頁(198
9)、「染料工業」32、208等に記載がある。顕色
剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノールホルムアル
デヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好ましく用いられ
る。
【0197】感光材料の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前記のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−135
46号の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙
げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バインダ
ーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋
白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デ
キストラン、プルラン、カラギーナン等の多糖類のよう
な天然化合物や、ポリビニールアルコール、ポリビニル
ピロリドン、アクリルアミド重合体等の合成高分子化合
物が挙げられる。また、米国特許第4,960,681
号、特開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポ
リマー、すなわち−COOMまたは−SO3M(Mは水
素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの
単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他の
ビニルモノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナト
リウム、メタクリル酸アンモニウム、アクリル酸カリウ
ムなど)も使用される。これらのバインダーは2種以上
組み合わせて用いることもてきる。特にゼラチンと上記
バインダーの組み合わせが好ましい。またゼラチンは、
種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチ
ン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼ
ラチンから選択すればよく、組み合わせて用いることも
好ましい。本発明において、バインダーの塗布量は1m
2あたり20g以下が好ましく、特に10g以下にする
のがより好ましい。
【0198】本発明の感光材料は硬膜剤で硬膜されてい
ることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特許第4,
678,739号の第41欄、同4,791,042
号、特開昭59−116655号、同62−24526
1号、同61−18942号、同61−249054
号、同61−245153号、特開平4−218044
号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、ア
ルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジ
ン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜
剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセ
タミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメ
チロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分
子硬膜剤(特開昭62−234157号などに記載の化
合物)が挙げられる。これらの硬膜剤の中で、ビニルス
ルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独又は
併用して使用することが好ましい。これらの硬膜剤は、
親水性バインダー1gあたり通常0.001〜1g、好
ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
【0199】本発明に使用できる支持体としては、セル
ロースアセテートフィルムおよび、ポリエチレンやポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート
類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート類、ポリ塩化ビニル等の合成プラスチックフィル
ム等が好まし用いられる。また、シンジオタクチック構
造ポリスチレン類のフィルムも好ましい。これらは特開
昭62−117708号、特開平1−46912、同1
−178505号に記載せれた方法により重合すること
により得ることができる。さらに本発明の感光材料に利
用できる支持体としては写真用原紙、印刷用紙、バライ
タ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プ
ラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭6
2−253195号(29〜31頁)に支持体として記
載されたものが挙げられる。またRD17643の28
頁、同18716の647頁右欄から648頁左欄、同
307105の879頁、RD308119の1009
頁や、プロダクト・ライセシング・インデックス第92
巻P108の「Supports」の項に記載されてい
るものも好ましく使用できる。これらの支持体には米国
特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理
を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いるこ
とができる。また、これらの支持体表面を支持体と乳剤
下塗り層との接着の向上を目的に表面処理を行ってもよ
い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コ
ロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができ
る。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテ
ック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を
用いることもできる。ポリエチレンジナフタレンジカル
ボキシラートなどの透明支持体やその上に透明磁性体を
塗布したような支持体を用いることができる。
【0200】本発明の感光材料に好ましく用いることの
できる支持体としては、例えば前述のRD17643の
28頁及びRD308119の1009頁やプロダクト
・ライセシング・インデックス、第92巻P108、の
「Supports」の項に記載されているものが挙げ
られる。
【0201】本発明の感光材料を後述する熱現像処理に
用いる場合には、支持体としては処理温度に耐えること
のできるものを用いる必要がある。
【0202】また、支持体として例えば、特開平4−1
24645号、同5−40321号、同6−35092
号、同6−317875号に記載の磁気記録層を有する
支持体を用い、撮影情報などを記録することもできる。
【0203】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe22など
の強磁性酸化鉄、Co被着γFe23、Co被着マグネ
タイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、
強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、
Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなど
を使用できる。Co被着γFe22などのCo被着強磁
性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球
状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積ではS
BETで20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上
が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ま
しくは3.0×104〜3.0×105A/mであり、特
に好ましくは4.0×104〜2.5×105A/mであ
る。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや
有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性
体粒子は特開平6−161032号に記載された如くそ
の表面をシランカップリング剤またはチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。又特開平4−259911
号、同5−81652号に記載の表面に無機、有機物を
被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0204】磁性体粒子に用いられるバインダーとして
は、特開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、ア
ルカリ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロー
ス誘導体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用
することができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜30
0℃、重量平均分子量は0.2万〜100万が好まし
い。例えばビニル系共重合体、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースアセテート
プロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セ
ルローストリプロピオネートなどのセルロース誘導体、
アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げること
ができ、ゼラチンも好ましい。特にセルロースジ(ト
リ)アセテートが好ましい。バインダーは、エポキシ
系、アジリジン系、イソシアネート系の架橋剤を添加し
て硬化処理することができる。イソシアネート系の架橋
剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、などのイ
ソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアル
コールとの反応生成物(例えば、トリレンジイソシアナ
ート3molとトリメチロールプロパン1molとの反
応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮合によ
り生成したポリイソシアネートなどが挙げられ、例えば
特開平6−59357号に記載されている。
【0205】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−88283
号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは通常0.1μm〜10μm、好
ましくは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μ
m〜3μmである。磁性体粒子とバインダーの質量比は
好ましくは0.5:100〜60:100であり、より
好ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒
子の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.
01〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5
g/m2である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、
0.01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20が
より好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁
気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によっ
て全面またはストライプ状に設けることができる。磁気
記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレー
ド、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、ト
ランスファロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレ
イ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用で
き、特開平5−341436号等に記載の塗布液が好ま
しい。
【0206】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けてこれらの機能を付
与させてもよく、例えば粒子の少なくとも1種以上がモ
ース硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤を用いるこ
とが好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化ア
ルミニウム、酸化クロム、二酸化硅素、二酸化チタン、
シリコンカーバイト等の酸化物、炭化硅素、炭化チタン
等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。これ
らの研磨剤は、その表面をシランカップリング剤又はチ
タンカップリング剤で処理されてもよい。これらの粒子
は磁気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上にオ
ーバーコート(例えば保護層、潤滑剤層など)してもよ
い。この時使用するバインダーは前述のものが使用で
き、好ましくは磁気記録層のバインダーと同じものがよ
い。磁気記録層を有する感材については、米国特許5,
336,589号、同5,250,404号、同5,2
29,259号、同5,215,874号、欧州特許4
66,130号に記載されている。
【0207】上述の磁気記録層を有する感光材料に好ま
しく用いられるポリエステル支持体について更に記す
が、感材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳
細については、公開技報94−6023(発明協会、1
994.3.15)に記載されている。
【0208】ポリエステルはジオールと芳香族ジカルボ
ン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボン酸と
しては2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7−ナ
フタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸等が挙げられ、ジオールとしてはジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールA、ビスフェノール等が挙
げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロ
ヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモポリマー
を挙げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を50モル%〜100モル%含むポ
リエステルである。中でも特に好ましいのはポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は
約5,000ないし200,000である。ポリエステ
ルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以上が好ま
しい。
【0209】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度40℃以上Tg未満、より
好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。
熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよく、
冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間は、
0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましくは
0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処理
は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送し
ながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばS
nO2やSb25等の導電性無機微粒子を塗布する)面
状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し端
部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止す
るなどの工夫を行うことが好ましい。これらの熱処理は
支持体製膜後、表面処理後、バック層(帯電防止剤、滑
り剤等を含有)塗布後、下塗り塗布後のどこの段階で実
施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。
このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでもよ
い。又、三菱化成製のDiaresin、日本化薬製の
Kayaset等のポリエステル用として市販されてい
る染料または顔料を塗り込むことによりライトパンピン
グ防止を達成することが可能である。
【0210】本発明の感光材料の好ましい処理形態のひ
とつはアクチベーター処理である。アクチベーター処理
とは、発色現像主薬を感光材料の中に内蔵させておき、
発色現像主薬を含まない処理液即ちアクチベーター処理
液で現像処理を行う処理方法をさしている。この場合の
処理液は通常の現像処理液成分に含まれている発色現像
主薬を含まないことが特徴で、その他の成分(例えばア
ルカリ、補助現像主薬など)を含んでいてもよい。アク
チベーター処理については欧州特許第545,491A
1号、同第565,165A1号などの公知文献に例示
されている。本発明に用いるアクチベーター処理液のp
Hは9以上であることが好ましく、10以上であること
が更に好ましい。
【0211】本発明に係るアクチベーター液(即ち、ア
クチベーター処理液)について説明する。
【0212】本発明の感光材料に対しアクチベーター処
理を行う場合、補助現像剤が好ましく用いられる。ここ
で補助現像剤とはハロゲン化銀現像の現像過程におい
て、発色現像主薬からハロゲン化銀への電子の移動を促
進する作用を有する物質である。補助現像剤はアクチベ
ータ処理液に添加してもよいが、予め感光材料に内蔵さ
せておくこともできる。補助現像剤を含むアルカリ水溶
液で現像する方法は、RD17643の28〜29頁、
同18716の651左欄〜右欄、および同30710
5の880〜881頁に記載されている。
【0213】本発明において、補助現像主薬としては一
般式(ETA−I)又は一般式(ETA−II)で表され
るケンダール−ペルツ則に従う電子放出性の化合物が好
ましいものとして挙げられる。この中で(ETA−I)
で表されるものが特に好ましい。
【0214】
【化61】
【0215】一般式(ETA−I)、(ETA−II)に
おいて、R51〜R54は各々水素原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ
環基を表す。
【0216】R55〜R59は各々水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シク
ロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキ
シ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ア
ニリノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、ヘテロ環チオ基、シリル基、ヒドロキシル
基、ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロ
アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカ
ルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモ
イルオキシ基、アルカンスルホニルオキシ基、アレーン
スルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、
ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミ
ド基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルフィニル
基、アレーンスルフィニル基、アルカンスルホニル基、
アレーンスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、
ホスフィノイル基またはホスフィノイルアミノ基を表
す。
【0217】qは0〜5の整数を表し、qが2以上のと
きにはR55はそれぞれ異なっていてもよい。R60はアル
キル基またはアリール基を表す。
【0218】一般式(ETA−I)又は(ETA−II)
で表される化合物の具体的な例としては、本発明者によ
る特開平11−295863号p.22〜26に記載の
化合物(ETA−1)〜(ETA−36)が挙げられ
る。
【0219】また補助現像剤を感光材料に内蔵させる場
合、感光材料の保存安定性を高めるために、補助現像剤
を前駆体の形で内蔵させることもできる。ここで用いら
れる補助現像剤前駆体としては、特開平1−13855
6号に記載の化合物等を挙げることができる。これらの
化合物は、水、アルコール類、アセトン、ジメチルホル
ムアミド、グリコール類等の適当な親水性溶媒に溶解さ
せる、または微粒子固体分散状にさせる、またはトリク
レジルフォスフェート等の高沸点有機溶媒に溶解の後に
親水性バインダー水溶液中に微粒子状に分散させるなど
したものを感光材料の構成層液に添加することにより感
光材料に内蔵させることができる。これら補助現像剤前
駆体は2種以上併用して用いてもよいし、補助現像剤と
併用して用いてもよい。
【0220】本発明に係る処理部材について説明する。
本発明の感光材料の別の好ましい処理形態の1つは熱現
像処理である。熱現像処理においては、感光材料とは別
の処理部材を用いることが好ましい。処理部材として
は、支持体上に塩基および/または塩基プレカーサーを
含有した処理層を有するシート(処理部材又は処理シー
ト)を挙げることができる。処理層は親水性バインダー
により構成されていることが好ましい。感光材料を像様
に露光した後、感光材料と処理部材とを、感光材料の感
光性層面と処理部材の処理層面で貼り合わせて加熱する
ことにより画像形成が行われる。感光材料および処理部
材を構成する全塗布膜の最大膨潤に要する水の1/10
から1倍に相当する水を感光材料または処理部材に供給
後、貼り合わせて加熱することにより発色現像を行う方
法が好ましく用いられる。また、前記補助現像剤を必要
に応じて感光材料または処理部材に内蔵する、あるいは
水とともに塗布する方法も用いることができる。
【0221】感光材料の加熱処理は当該技術分野では公
知であり、熱現像感光材料とそのプロセスについては、
例えば、写真工学の基礎(1970年、コロナ社発行)
の553頁〜555頁、1978年4月発行映像情報4
0頁、Nabletts Handbook of P
hotography and Reprograph
y 7th Ed.(Vna Nostrand an
d ReinholdCompany)の32〜33
頁、米国特許第3,152,904号、同第3,30
1,678号、同第3,392,020号、同第3,4
57,075号、英国特許第1,131,108号、同
第1,167,777号およびリサーチ・ディスクロー
ジャー誌1978年6月号9〜15頁(RD1702
9)に記載されている。熱現像処理工程の加熱温度は、
約50℃から250℃であるが、特に60℃から150
℃が有用である。
【0222】本発明の感光材料には、熱現像を促進する
目的で熱溶剤を添加してもよい。熱溶剤は加熱時に液状
化し、画像形成を促進する作用を有する化合物である。
常温では白色、固体状態であることが好ましく、加熱時
の揮散性が小さいことが望まれる。好ましい融点は70
〜170℃である。その例としては、米国特許第3,3
47,675号および同第3,667,959号に記載
されているような極性を有する有機化合物が挙げられ
る。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミド等)、尿素
誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、スルホンアミ
ド誘導体(特公平1−40974号および特公平4−1
3701号に記載されている化合物等)、ポリオール化
合物(ソルビトール類)およびポリエチレングリコール
類が挙げられる。このほか本発明で用いることのできる
熱溶剤として、例えば米国特許3,347,675号、
同3,438,776号、同3,666,477号、同
3,667,959号、RD17643、特開昭51−
19525号、同53−24829号、同53−602
23号、同58−118640号、同58−19803
8号、同59−68730号、同59−84236号、
同59−229556号、同60−14241号、同6
0−191251号、同60−232547号、同61
−52643号、同62−42153号、同62−44
737号、同62−78554号、同62−13664
5号、同62−139545号、同63−53548
号、同63−161446号、特開平1−224751
号、同1−227150号、同2−863号、同2−1
20739号、同2−123354号等の各公報に記載
された化合物を挙げることができる。さらに本発明に用
いられる好ましい熱溶剤の具体的な例として、特開平2
−297548号の8頁左上〜9頁左上に記載のTS−
1〜TS−21が挙げられる。上記本発明の熱溶剤は、
2種以上併用して使用することもできる。
【0223】本発明の感光材料及び/または処理部材に
は銀現像および色素形成反応促進の目的で、塩基又は塩
基プレカーサを用いることが好ましい。塩基プレカーサ
としては、熱により脱炭酸する有機酸と塩基の塩、分子
内求核置換反応、ロッセン転移またはベックマン転移に
よりアミン類を放出する化合物がある。その具体例は、
米国特許第4,514,493号、同4,657,84
8号および公知技術第5号(1991年3月22日、ア
ズテック有限会社発行)の55頁から86頁等に記載さ
れている。水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基
性金属化合物を構成する金属イオンと水を媒体として錯
形成反応しうる化合物の組合せで塩基を発生させる方法
も好ましく用いられる。このような塩基発生方法は、欧
州特許公開210,660号、米国特許第4,740,
445号に記載されている。このような塩基発生方法を
用いる場合、本発明においては、感光材料に水に難溶な
塩基性金属化合物を添加し、処理部材にこの塩基性金属
化合物を構成する金属イオンと水を媒体として錯形成反
応しうる化合物を含有させることが好ましい。このよう
な構成にすることにより、感光材料の保存安定性を高め
ることができる。
【0224】本発明の熱現像処理において用いられる処
理部材は、上記塩基および/または塩基プレカーサーを
含有することの他に、加熱現像時に空気を遮断したり、
感材からの素材の揮散を防止したり、塩基以外の処理用
の素材を感光材料に供給したり、現像後に不要になる感
光材料中の素材(YF染料、AH染料等)あるいは現像
時に生成する不要成分を除去したりする機能を併せ持つ
こともできる。また、処理部材には脱銀機能を持たせて
もよい。例えば、感光材料を像様露光後処理部材と重ね
合わせ処理する際ハロゲン化銀及び/または現像銀の一
部または全てを可溶解するために処理部材にハロゲン化
銀溶剤として定着剤を含ませておいてもよい。
【0225】処理部材の支持体とバインダーには、感光
材料と同様のものを用いることができる。処理部材に
は、前述の染料の除去その他の目的で、媒染剤を添加し
てもよい。媒染剤は写真分野で公知のものを用いること
ができ、米国特許4,50,626号第58〜59欄
や、特開昭61−88256号32〜41頁、特開昭6
2−244043号、特開昭62−244036号等に
記載の媒染剤を挙げることができる。また、米国特許
4,463,079号記載の色素受容性の高分子化合物
を用いてもよい。また前記した熱溶剤を含有させてもよ
い。
【0226】処理部材の処理層には、塩基又は塩基プレ
カーサーを含有させる。塩基としては有機塩基、無機塩
基のいずれでもよい。無機の塩基としては、特開昭62
−209448号記載のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属の水酸化物(例えば水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム等)、リン酸塩(例えばリン酸水素二カリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素アンモニウム
・ナトリウム、リン酸水素カルシウム等の第二または第
三リン酸塩等)、炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム
等)、ホウ酸塩(例えばホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリ
ウム、メタホウ酸ナトリウム等)、有機酸塩(例えば酢
酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュ
ウ酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、
リンゴ酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステア
リン酸ナトリウム等)、特開昭63−25208号記載
のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアセチリド、
などが挙げられる。
【0227】また有機の塩基としては、アンモニア、脂
肪族あるいは芳香族アミン類(例えば1級アミン(例え
ばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシ
ルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシル
アミン、アリルアミン、エチレンジアミン、1,4−ジ
アミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、ア
ニシジン、p−トルイジン、α−ナフチルアミン、m−
フェニレンジアミン、1,8−ジアミノナフタレン、ベ
ンジルアミン、フェネチルアミン、エタノールアミン
等)、2級アミン(例えばジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン、N−メチルア
ニリン、N−メチルベンジルアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等)、3級アミン(例
えば特開昭62−170954号記載のN−メチルモル
ホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−メチル
ピぺリジン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、N,
N′−ジメチルピペラジン、N,N′−ジヒドロキシエ
チルピペラジン、ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタ
ン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメ
チルプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミ
ン、N−メチルジプロパノールアミン、トリエタノール
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジ
アミン、N,N,N′,N′−テトラヒドロキシエチル
エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル
トリメチレンジアミン、N−メチルピロリジン等)、ポ
リアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビ
ニルベンジルアミン、ポリ−(N,N−ジエチルアミノ
エチルメタクリレート)、ポリ−(N,N−ジメチルビ
ニルベンジルアミン等))、ヒドロキシルアミン類(例
えばヒドロキシルアミン、N−ヒドロキシ−N−メチル
アニリン等)、複素環状アミン類(例えばピリジン、ル
チジン、イミダゾール、アミノピリジン、N,N−ジメ
チルアミノピリジン、インドール、キノリン、イソキノ
リン、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリ−2−ビニルピ
リジン等)、アミジン類(例えばモノアミジン類(例え
ばアセトアミジン)、イミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2
−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、
2−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジ
ン、イミノピペリジン、ジアザビシクロノネン、ジアザ
ビシクロウンデセン(DBU)等)、ビスあるいはトリ
スあるいはテトラアミジン類(例えばグァニジン類(例
えば水溶性のモノグァニジン(例えばグァニジン、ジメ
チルグァニジン、テトラメチルグァニジン、2−アミノ
イミダゾリン、2−アミノ−1,4,5−テトラヒドロ
ピリミジン等)、特開昭63−70845号記載の水不
溶性のモノあるいはビスグァニジン、ビスあるいはトリ
スあるいはテトラグァニジン))、4級アンモニウムの
水酸化物(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、ト
リメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド、ト
リオクチルメチルアンモニウムハイドロオキサイド、メ
チルピリジニウムハイドロオキサイド等))などが挙げ
られる。
【0228】塩基プレカーサーとして、水に難溶な塩基
性金属化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金
属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物の組
合せを用いる場合において、水に難溶な塩基性金属化合
物を構成する金属イオンと水を媒体として錯形成反応し
うる化合物(以下、錯形成化合物ともいう)としては、
例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジ
エチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸または
その塩、アミノホスホン酸またはその塩、2−ピコリン
酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、5−エチル−2
−ピコリン酸等のピリジルカルボン酸またはその塩、ベ
ンジルイミノジ酢酸、α−ピコリルイミノジ酢酸等のイ
ミノジ酢酸またはその塩等を用いることができる。該錯
形成化合物は、グアニジン等の有機塩基またはカリウム
等のアルカリ金属で中和した塩の使用が好ましい。処理
部材中での塩基又は塩基プレカーサ又は錯形成化合物の
好ましい添加量は0.1〜20g/m2であり、より好
ましくは0.5〜10g/m2である。
【0229】一方、感光材料に含有させる水に難溶な塩
基性金属化合物としては、金属水酸化物、あるいは金属
酸化物が好ましく用いられ、これらの中で特に、水酸化
亜鉛または酸化亜鉛を用いることが好ましい。
【0230】処理部材を用いて熱現像するに際し、現像
促進あるいは、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促
進の目的で少量の水を用いることが好ましい。上記の如
き、水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属
化合物を構成する金属イオンと錯形成反応しうる化合物
の組合せで塩基を発生させる方法を採用する場合には、
水を媒体として用いることが必須である。水には無機の
アルカリ金属塩や有機の塩基、低沸点溶媒、界面活性
剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形成化合物、防
黴剤、防菌剤を含ませてもよい。水としては一般に用い
られる水であれば何を用いてもよい。具体的には蒸留
水、水道水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いるこ
とができる。また本発明の感光材料および処理部材を用
いる熱現像装置においては水を使い切りで使用してもよ
いし、循環し繰り返し使用してもよい。後者の場合材料
や部材から溶出した成分を含む水を使用することにな
る。また特開昭63−144354号、同63−144
355号、同62−38460号、特開平3−2105
55号等に記載の装置や水を用いてもよい。水は感光材
料、処理部材またはその両者に付与する方法を用いるこ
とができる。その使用量は感光材料および処理部材の
(バック層を除く)全塗布膜を最大膨潤させるに要する
量の1/10〜1倍に相当する量である。この水を付与
する方法としては、例えば特開昭62−253159号
(5)頁、特開昭63−85544号等に記載の方法が
好ましく用いられる。また、溶媒をマイクロカプセルに
閉じ込めたり、水和物の形で予め感光材料もくしは処理
部材またはその両者に内蔵させて用いることもできる。
付与する水の温度は前記特開昭63−85544号等に
記載のように30℃〜60℃であればよい。
【0231】本発明の感光材料を熱現像する際には、公
知の加熱手段を適用することができ、例えば、加熱され
たヒートブロックや面ヒータに接触させる方式、熱ロー
ラや熱ドラムに接触させる方式、赤外および遠赤外ラン
プヒーターなどに接触させる方式、高温に維持された雰
囲気中を通過させる方式、高周波加熱方式を用いる方式
などを用いることができる。このほか、感光材料又は処
理部材の裏面にカーボンブラック層の様な発熱導電性物
質を設け、通電することにより生ずるジュール熱を利用
する方式を適用することもできる。この発熱の発熱要素
には、特開昭61−145544号等に記載のものを利
用できる。感光材料と処理部材を感光層と処理層が向か
い合う形で重ね合わせる方法は特開昭62−25315
9号、特開昭61−147244号(27)頁記載の方
法が適用できる。加熱温度としては70℃〜100℃が
好ましい。
【0232】本発明の感光材料の処理には種々の熱現像
装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭59−7
5247号、同59−177547号、同59−181
353号、同60−18951号、実開昭62−259
44号、特開平6−130609号、同6−95338
号、同6−95267号、同8−29954号、同8−
29955号等に記載されている装置などが好ましく用
いられる。また市販の装置としては富士写真フィルム
(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロスタット
200、同ピクトロスタット300、同ピクトロスタッ
ト330、同ピクトロスタット50、同ピクトログラフ
ィー3000、同ピクトログラフィー2000などが使
用できる。
【0233】本発明の熱現像処理においては、処理部材
に現像停止剤を含ませておき、現像と同時に現像停止剤
を働かせてもよい。ここでいう現像停止剤とは、適正現
像後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の
塩基濃度を下げ現像を停止する化合物または銀および銀
塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体的
には、加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱に
より共存する塩基と置換反応を起す親電子化合物、また
は含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物及びその前
駆体等が挙げられる。更に詳しくは特開昭62−253
159号(31)〜(32)頁に記載されている。ま
た、特開平8−64706号等に記載のメルカプトカル
ボン酸の亜鉛塩を感光材料に含有させ、前述した錯形成
化合物を処理部材に含有させた組合せが有利である。ま
た、同様にハロゲン化銀のプリントアウト防止剤を処理
部材に含ませておき、現像と同時にその機能を発現させ
てもよい。プリントアウト防止剤の例としては特公昭5
4−164号記載のモノハロゲン化合物、特開昭53−
46020号記載のトリハロゲン化合物、特開昭48−
45228号記載のハロゲンが脂肪族炭素原子に結合す
る化合物、特公昭57−8454号に記載のテトラブロ
ムキシレンに代表されるポリハロゲン化合物が挙げられ
る。また、英国特許第1,005,144号に記載され
ている1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールのよ
うな現像抑制剤も有効である。また、特開平8−184
936号に記載されているビオローゲン化合物も有効で
ある。プリントアウト防止剤の使用量は好ましくは10
-4〜1モル/Ag1モル、特に好ましくは10-3〜10
-1モル/Ag1モルである。
【0234】本発明の熱現像処理においては、熱現像に
よって感光材料中に生成した現像銀を除去するために、
処理部材中に漂白剤として作用する銀の酸化剤を含有さ
せておき、熱現像時にこれらの反応を発現させることが
できる。また、画像形成の現像終了後に銀の酸化剤を含
有させた第二の処理部材を感光材料と貼り合わせて現像
銀の除去を行うこともできる。しかしながら、処理時に
現像銀を漂白しない方が、処理が簡易であり好ましい。
【0235】処理部材に使用できる漂白剤としては、常
用されている銀漂白剤を任意に使用できる。このような
漂白剤は米国特許第1,315,464号および同1,
946,640号、およびPhotographic
Chemistry vol2,chapter30,
Foundation Press LondonEn
glandに記載されている。これらの漂白剤は写真銀
像を効果的に酸化しそして可溶化する。有用な銀漂白剤
としては例えば、アルカリ金属重クロム酸塩、アルカリ
金属フェリシアン化物等がある。好ましい漂白剤として
は水に可溶な物であるニンヒドリン、インダンジオン、
ヘキサケトシキロヘキサン、2,4−ジニトロ安息香
酸、ベンゾキノン、ベンゼンスルホン酸、2,5−ジニ
トロ安息香酸等が挙げられ、また金属有機錯体、たとえ
ばシキロヘキシルジアルキルアミノ4酢酸の第2鉄塩お
よびエチレンジアミン4酢酸の第2鉄塩、クエン酸の第
2鉄塩等が挙げられる。第二の処理部材に用いうるバイ
ンダー、支持体、その他の添加剤に関しても、前記の感
光材料を現像する処理部材(第一の処理部材)と同じ物
を用いることができる。漂白剤の塗布量は、張り合わせ
られる感光材料の含有銀量に応じて変えられるべきであ
るが、感光材料の単位面積当たりの塗布銀量の通常0.
01モル〜10モル/感光材料の塗布銀モルの範囲で使
用される。好ましくは0.1から3モル/感光材料の塗
布銀モルであり、さらに好ましくは0.1〜2モル/感
光材料の塗布銀モルである。
【0236】また、画像形成後に不要となったハロゲン
化銀を除去するために、処理部材中に定着機能を持つ化
合物を含有させておくこともできる。このような方式の
具体的な例の一つとして、処理部材に物理現像核および
ハロゲン化銀溶剤を含ませておき、加熱中に感光材料の
ハロゲン化銀を可溶化し、処理層に固定する方式が挙げ
られる。物理現像核は、感光材料より拡散してきた可溶
性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固定さ
せるものである。物理現像核としては、亜鉛、水銀、
鉛、カドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバル
ト、銅、ルテニウムなどの重金属のコロイド粒子、ある
いはパラジウム、白金、銀、金等の貴金属のコロイド粒
子、あるいはこれら金属の金属イオンを硫黄、セレン、
テルル等カルコゲン化合物と処理して得られるコロイド
粒子等の物理現像核として公知のものはすべて使用でき
る。これらの物理現像核は、対応する金属イオン溶液を
アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロキ
ノン等の還元剤で還元して金属コロイド粒子分散物をつ
くるか、あるいは、対応する金属イオン溶液を可溶性硫
化物、セレン化物またはテルル化物溶液と混合して、水
不溶性の金属硫化物、金属セレン化物または金属テルル
化物のコロイド粒子分散物をつくることによって得られ
る。これら分散物は、ゼラチンのような親水性バインダ
ー中で形成させるのが好ましい。コロイド銀粒子の調製
法は、米国特許第2,688,601号等に記載されて
いる。必要に応じて、ハロゲン化銀乳剤調製法で知られ
ている過剰の塩を除去する脱塩法により脱塩を行っても
よい。これらの物理現像核の大きさは、2〜200nm
の粒径のものが好ましく用いられる。これらの物理現像
核は、処理部材に通常10-3〜100mg/m2、好ま
しくは、10-2〜10mg/m2含有させる。物理現像
核は、別途調製して塗布液中に添加することもできる
が、親水性バインダーを含有する塗布液中で、例えば、
硝酸銀と硫化ナトリウム、または、塩化金と還元剤等を
反応させて作製してもよい。物理現像核としては、銀、
硫化銀、硫化パラジウム等が好ましく用いられる。
【0237】このような方式でハロゲン化銀の定着を行
う場合には、物理現像核を含有する層に物理現像を生じ
させ得る還元剤が存在する必要がある。非拡散性の還元
剤を用いる場合には、該層に添加する必要があるが、拡
散性の還元剤を使用する場合には感光材料、処理部材の
いずれの層に還元剤が添加されていても構わない。この
ような機能をもった還元剤としては、前述の補助現像剤
が好ましく用いられる。
【0238】物理現像核や還元剤を用いずにハロゲン化
銀を定着してもよい。この場合にはハロゲン化銀溶剤に
よって銀イオンに対して塩置換がおこり、感光性のない
銀塩が生成することが好ましい。ハロゲン化銀溶剤とし
ては、一般にハロゲン化銀溶剤、定着剤として知られて
いる化合物を任意に用いることができる。
【0239】本発明に用いられるハロゲン化銀溶剤とし
ては、ハロゲン化銀溶剤として公知のものを使用でき、
例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ
エーテル系化合物(例えば、特公昭47−11386号
記載の1,8−ジ−3,6−ジチアオクタン、2,2’
−チオジエタノール、6,9−ジオキサ−3,12−ジ
チアテトラデカン−1,14−ジオールのようなチオエ
ーテル化合物等)、メルカプト化合物、チオウラシル
類、ウラシル類(例えば、特開平8−179458号に
記載のウラシル等)、ベンゾトリアゾール類、テトラア
ザインデン類などの含窒素複素環化合物、ヒダントイン
の如き5ないし6員環のイミド環を有する化合物、特開
平4−365037号11頁〜21頁や同5−6654
0号1088頁〜1092頁に記載ののスルフィド基を
有する含窒素ヘテロ環系化合物、特開昭53−1443
19号記載の一般式(I)の化合物、メソイオン系化合
物(例えば、アナリティカ・ケミカ・アクタ(Anal
ytica ChemicaActa)248巻 60
4〜614頁(1991年)記載のトリメチルトリアゾ
リウムチオレート、メソイオンチオレート化合物)等が
挙げられる。特開平8−69097号記載のハロゲン化
銀を定着して安定化しうる化合物もハロゲン化銀溶剤と
して使用しうる。また、これらのハロゲン化銀溶剤を併
用して用いてもよい。上記化合物の中でも、亜硫酸塩、
ウラシルやヒダントインのような5ないし6員のイミド
環を有する化合物が特に好ましい。特にウラシルやヒダ
ントインはカリウム塩として添加すると、処理部材の保
存時の光沢低下が改善できる点で好ましい。
【0240】処理層中の全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は、通常0.01〜100ミリモル/m2であり、好ま
しくは0.1〜50ミリモル/m2であり、より好まし
くは1〜30ミリモル/m2である。感光材料の塗布銀
量に対してモル比で、通常1/20〜20倍、好ましく
は1/10〜10倍、より好ましくは1/3〜3倍であ
る。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルプロピル
グリコール等の溶媒或いはアルカリまたは酸性水溶液に
添加してもよいし、固体微粒子分散させて塗布液に添加
してもよい。
【0241】処理部材は少なくとも一つのタイミング層
を有することができる。このタイミング層は、所望とす
るハロゲン化銀と現像主薬、さらにカプラーとの反応が
実質的に完了するまでの間、漂白反応や定着反応を遅延
させることを目的とするものである。タイミング層は、
ゼラチン、ポリビニルアルコール、または、ポリビニル
アルコール−ポリビニルアセテートからなることができ
る。この層はまた、例えば米国特許第4,056,39
4号、同第4,061,496号および、同第4,22
9,516号に記載されているようなバリアータイミン
グ層であってもよい。
【0242】本発明の熱現像処理においては、発色現像
を行うための処理部材、漂白および/または定着を行う
ための第二の処理部材など機能を分離した2つ以上の処
理部材と順次感光材料を重ね合わせて加熱処理を行うこ
とも可能である。この場合には、現像用の処理部材には
上述のような漂白や定着機能をもつ化合物は含有されな
いのが好ましい。感光材料は現像用処理部材と重ね合わ
せて加熱処理され現像された後、第二の処理部材を用い
て漂白するために、感光材料の感光性層と第二の処理部
材の処理層とをそれぞれ向かい合わせて重ね合わせて処
理される。このとき予め、双方のバック層を除く全塗布
膜を最大膨潤させるに要する量の0.1から1倍に相当
する水を感光材料または第二の処理部材に与えておく。
この状態で、40℃から100℃の温度で5秒から60
秒間加熱することにより、漂白処理や定着処理が施され
る。水の量、水の種類、水の付与方法、感光材料と処理
部材を重ね合わせる方法については現像用の処理部材と
同様のものを用いることができる。
【0243】本発明の感光材料を処理後、長期間に渡っ
て保管あるいは鑑賞する目的で用いるためには、上述の
漂白処理や定着処理を行うことが好ましい。しかし、後
述のように、本発明の感光材料を処理後直ちにスキャナ
ー等で読取り、電子画像に変換する目的で用いる場合に
は、漂白処理や定着処理は必ずしも必要ではない。しか
し通常は定着処理は行うのがこのましい。これは残存す
るハロゲン化銀が可視波長域に吸収を持つため、スキャ
ナー読取り時にノイズ源となって得られる電子画像に悪
影響を与えるからである。定着処理をおこなわず、現像
だけの簡易な処理を実現するためには、前述の薄い平板
ハロゲン化銀粒子や塩化銀粒子を用いることが好まし
い。特に塩化銀平板粒子を用いることが好ましい。
【0244】本発明の感光材料および処理部材には、塗
布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促
進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができ
る。界面活性剤の具体例は公知技術第5号(1991年
3月22日、アズテック有限会社発行)の136〜13
8頁、特開昭62−173463号、同62−1834
57号等に記載されている。感光材料には、スベリ性防
止、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合
物を含ませてもよい。有機フロオロ化合物の代表例とし
ては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭6
1−20944号、同62−135826号等に記載さ
れているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオ
イル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂な
どの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物
が挙げられる。
【0245】感光材料および処理部材には滑り性がある
ことが好ましい。滑り剤含有量は感光層面、バック面と
もに用いることが好ましい。好ましい滑り性としては動
摩擦係数で通常0.25以下0.01以上である。この
時の測定は直径5mmのステンレス球に対し、60cm
/分で搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。
この評価において相手材として感光層面に置き換えても
ほぼ同レベルの値となる。使用可能な滑り剤としては、
ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪
酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等で
あり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチル
シロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメ
チルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用
いることができる。添加層としては乳剤層の最外層やバ
ック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖
アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0246】また本発明の感光材料および処理部材にお
いては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯
電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スル
ホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界
面活性剤化合物を挙げることができる。帯電防止剤とし
て最も好ましいものは、ZnO、TiO2、SnO2、A
23、In23、SiO2、MgO、BaO、Mo
3、V25の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗
率が好ましくは107Ω・cm以下、より好ましくは1
5Ω・cm以下である粒子サイズ0.001〜1.0
μmの結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物
(Sb、P、B、In、Si、Cなど)の微粒子、更に
はゾル状や金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微
粒子である。感材への含有量としては5〜500mg/
2が好ましく、特に好ましくは10〜350mg/m2
である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバ
インダーの量の比は1/300〜100/1が好まし
く、より好ましくは1/100〜100/5である。
【0247】感光材料および処理部材の構成(バック層
を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜
のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目的
で種々のポリマーラテックスを含有させることができ
る。具体的には、特開昭62−245258号、同62
−136648号、同62−110066号等に記載の
ポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、ガラ
ス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックスを媒
染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することがで
き、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバッ
ク層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0248】本発明の感光材料および処理部材にはマッ
ト剤を有することが好ましい。マット剤は乳剤面、バッ
ク面のどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するの
が特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不
溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。
例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタク
リレート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル
比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径として
は0.8〜10μmが好ましい。その粒径分布も狭い方
が好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子
数の90%以上が含まれることが好ましい。又、マット
性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添加
することも好ましく、例えばポリメチルメタクリレート
(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタク
リル酸=9/1(モル比)0.3μm)、ポリスチレン
粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μ
m)等が挙げられる。具体的には、特開昭61−882
56号(29)頁に記載されている。その他、ベンゾグ
アナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、A
S樹脂ビーズなどの特開昭63−274944号、同6
3−274952号記載の化合物がある。その他前記リ
サーチ・ディスクロージャー記載の化合物が使用でき
る。
【0249】次に、感光材料を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて述べる。本発明で使用される
パトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1−312537号、同1
−312538号に記載されている。特に25℃、25
%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常プラス
チックパトローネは、遮光性を付与するためにカーボン
ブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って
製作される。パトローネのサイズは現在135サイズの
ままでもよいし、カメラの小型化には、現在の135サ
イズの25mmのカートリッジの径を22mm以下とす
ることも有効である。パトローネのケースの容積は、3
0cm3以下、好ましくは25cm3以下とすることが好
ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用され
るプラスチックの質量は5g〜15gが好ましい。
【0250】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは米
国特許4,834,306号、同5,226,613号
に開示されている。
【0251】本発明の感光材料は一般に市販されている
レンズ付きフィルムユニットに装填して用いることがで
きる。また本発明の感光材料は、特開平11−3525
64、特開2000−19607に記載のレンズ付きフ
ィルムユニットに装填して好ましく用いることができ
る。
【0252】本発明の感光材料を撮影用感材として用い
る場合、カメラ等を用いて風景や人物などを直接撮影す
るのが一般的である。上記のようなレンズ付きフィルム
ユニットに装填されて用いられる場合もこれに類する。
そのほか、本発明の感光材料は、プリンターや引伸機等
を用いてリバーサルフィルムやネガフィルムを通して露
光する方法、複写機の露光装置等を用いて、原画をスリ
ットなどを通して走査露光する方法、画像情報と電気信
号を経由して発効ダイオード、各種レーザー(レーザー
ダイオード、ガスレーザーなど)などを発光させ走査露
光する方法(特開平2−129625号、同5−176
144号、同5−199327号、同6−127021
号等に記載の方法)、画像情報をCRT、液晶ディスプ
レー、エレクトロルミネッセンスディスプレー、プラズ
マディスプレーなどの画像表示装置に出力し、直接又は
光学系を介して露光する方法などにも用いられる。
【0253】感光材料へ画像を記録する光源としては、
上記のように自然光、タングステンランプ、発光ダイオ
ード、レーザー光源、CRT光源などの米国特許第4,
500,626号第56欄、特開平2−53378号、
同2−54672号記載の光源や露光方法を用いること
ができる。また、非線形光学材料とレーザー光等のコヒ
ーレントな光源を組み合わせた波長変換素子を用いて画
像露光することもできる。ここで非線形光学材料とは、
レーザー光のような強い光電界を与えたときにン酸二水
素カリウム(KDP)、沃素酸リチウム、BaB24
どに代表される無機化合物や、尿素誘導体、ニトロアニ
リン誘導体、例えば、3−メチル−4現れる分局と電界
との非線形性を発現可能な材料であり、ニオブ酸リチウ
ム、リ−ニトロピリジン−N−オキシド(POM)のよ
うなニトロピリジン−N−オキシド誘導体、特開昭61
−53462号、同62−210432号に記載の化合
物が好ましく用いられる。波長変換素子の形態として
は、単結晶光導波路型、ファイバー型等が知られてお
り、その何れもが有用である。
【0254】また、前記の画像情報としては、ビデオカ
メラ、電子スチルカメラ等から得られる画像信号、日本
テレビジョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ
信号、原画をスキャナー等多数の画素に分割して得た画
像信号、CG、CADで代表されるコンピューターを用
いて作製された画像を利用できる。
【0255】本発明によって得られた画像は、スキャナ
ー等を用いて読み取り、電子画像情報に変換することが
できる。本発明においてスキャナーとは感光材料の画像
を光学的に走査して反射、または透過の光学濃度を画像
情報に変換する装置である。走査する際にはスキャナー
の光学部分を感光材料の移動方向とは異なった方向に移
動させることによって感光材料の必要な領域を走査する
ことが一般的であり、推奨されるが、感光材料を固定し
てスキャナーの光学部分のみを移動させたり、感光材料
のみを移動させてスキャナーの光学部分を固定してもよ
い。またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0256】感光部材の画像情報を読み取る場合には、
少なくとも3つの各々の色素の吸収ができる波長領域の
光を全面照射あるいはスリット走査してその反射光、あ
るいは透過光の光量を測定する方法が好ましい。この場
合、拡散光を用いた方が、平行光を用いるより、フィル
ムのマット剤、傷なとの情報が除去できるので好まし
い。また、受光部には、半導体イメージセンサー(例え
ば、エリア型CCDまたはCCDラインセンサー)を用
いているのが好ましい。また画像読み取り時の処理シー
トも有無は問わない。
【0257】このようにして得られた画像データは、各
種画像表示装置を用いて見ることがでる。画像表示装置
としては、カラーもしくはモノクロCRT、液晶ディス
プレイ、プラズマ発光ディスプレイ、ELディスプレイ
など、任意の装置が用いられる。
【0258】本発明ではこのようにして読み取られた画
像信号を出力して別の記録材料上に画像を形成すること
ができる。出力する材料はハロゲン化銀感光材料の他、
各種ハードコピー装置が用いられる。例えばインクジェ
ット方式、昇華型熱転写方式、昇華型熱転写方式、電子
写真方式、サイカラー方式、サーモオートクロム方式、
ハロゲン化銀カラーぺーパーに露光する方法、ハロゲン
化銀熱現像方式など様々な方式が用いられる。いずれの
方法でも本発明の効果は充分に発揮される。
【0259】本発明においては、現像によって得られた
画像情報をデジタルデータとして取り込むことを主な目
的としているが、従来の方法である撮影した情報をカラ
ーペーパーのようなプリント材料にアナログ的に光学露
光して使用することもできる。
【0260】本発明の好ましい現像方法の1つ(例え
ば、請求項1の発明の感光材料の一形態のものの画像形
成方法、請求項7の発明または請求項10の発明等)に
係る現像部材(即ち、現像シート及び/又は現像フィル
ム)について説明する。
【0261】本発明の現像シートとは、感光材料で通常
用いられる材質の支持体上に、感光材料を現像処理する
機能を有する化合物を含有した構成層を設けたシート状
の処理部材のことを言う。前記現像シートの形態から前
記支持体を取り除いた、水透過性又は水溶性のフィルム
状の形態を有する材料を本発明においては現像フィルム
と言う。本発明では、前記現像シート及び/又は前記現
像フィルムを水性溶媒存在下で、ハロゲン化銀感光材料
の感光層面と重ね合わせることにより現像処理を行う。
【0262】本発明の現像シート及び/又は現像フィル
ムにおいては構成層中に写真有用性化合物を含有させる
のが好ましい。写真有用性化合物とは、通常ハロゲン化
銀写真感光材料に添加されている化合物、及びその現
像、定着、漂白、リンス、水洗処理に用いる処理液中に
含有される化合物の全てのことであり、本発明において
は、特にカプラー、高沸点有機溶媒、界面活性剤、発色
現像主薬、レドックス化合物、補助現像主薬、染料、酸
化防止剤、現像抑制剤、銀溶剤、現像促進剤、漂白剤、
漂白促進剤、定着剤、アルカリ発生剤、難溶性金属化合
物とその錯形成化合物等が挙げられる。また、フィルム
に可塑性を持たせるため、高沸点溶媒の分散物のような
可塑剤、また物性改良の為の、すべり剤、マット剤、帯
電防止剤等を含有する形態も好ましく用いられるがこの
限りではない。
【0263】本発明の現像シート及び/又は現像フィル
ムのバインダーには、感光材料と同様のものを用いるこ
とができ、本発明においては親水性のものが好ましい。
その例としては前記のリサーチ・ディスクロージャーお
よび特開昭64−13546号の(71)頁〜(75)
頁に記載されたものが挙げられる。
【0264】本発明の現像シートに使用できる適当な支
持体としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート類、ポリ塩化ビニル等の合成プラスチックフィ
ルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック
構造ポリスチレン類も好ましい。これらは特開昭62−
117708号、特開平1−46912、同1−178
505号に記載せれた方法により重合することにより得
ることができる。さらに本発明の感光材料に利用できる
支持体としては写真用原紙、印刷用紙、バライタ紙、及
びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチッ
クフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−25
3195号(29〜31頁)に支持体として記載された
ものが挙げられる。前述のRD17643の28頁、同
No.18716の647頁右欄から648頁左欄、及
び同No.307105の879頁に記載されたものも
好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポ
リスチレン類も好ましい。これらは特開昭62−117
708号、特開平1−46912号、同1−17850
5号に記載された方法により重合することにより得るこ
とができる。これらの支持体には米国特許第4,14
1,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、
巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。ま
た、これらの支持体表面を支持体と下塗り層との接着の
向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グ
ロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理
を表面処理として用いることができる。更に公知技術第
5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)
の44〜149頁に記載の支持体を用いることもでき
る。ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラートなど
の透明支持体やその上に透明磁性体を塗布したような支
持体を用いることができる。使用できる支持体の具体体
な例としては、例えば前述のRD.No.17643の
28頁及びRD.No.308119の1009頁や、
プロダクト・ライセシング・インデックス第92巻10
8頁の「Supports」の項に記載されているもの
が挙げられる。
【0265】本発明における現像フィルムは水透過性フ
ィルム又は水溶性フィルムである。本発明において水溶
性とは、例えば2cm×2cmの正方形に切った検体を
スライドマウントに挟み、20℃〜10℃、pH2〜1
2の撹拌水中に投じてフィルムが完全溶解する時間を測
定し、溶解時間が1200秒以内のものを水溶性と定義
する。水溶性フィルムとしては、ポリビニルアルコール
系、メチルセルロース系、ポリエチレンオキサイド系、
デンプン系、ポリビニルピロリドン系、ヒドロキシプロ
ピルセルロース系、プルラン系、アルギン酸系、ファー
セラン系、カラギーナン系、寒天系、ペクチン系、タマ
リンドガム系、キサンタンガム系、グアガム系、タラガ
ム系、ローストビーンガム系、アラビノガラクタン系、
ジェランガム系、カードランガム系、スターチ系、デキ
ストラン系及びアラビアガム系、ゼラチン系、ポリ酢酸
ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボキシ
エチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシエチ
ルセロース系、ポリ(アルキル)オキサゾリン系、ポリ
エチレングリコール系の基材からなるフィルムが好まし
く用いられ、フィルム中の固形分として全固形分に対し
て30%以上用いることがより好ましい。水溶性フィル
ムの水溶解温度、時間、pH範囲を調整するには、基材
となる素材の選択及び前記硬膜剤による硬膜処理、熱処
理条件を適宜調整することで任意に設定できる。
【0266】これらの中で基材として好ましいポリビニ
ルアルコールは極めて良好なフィルム形成材料であり、
ほとんどの条件下で良好な強度及び柔軟性を有する。フ
ィルムとして注型する市販のポリビニルアルコール組成
物は分子量及び加水分解の程度が様々であるが、分子量
が約10000ないし約100000であることが好ま
しい。加水分解の程度とは、ポリビニルアルコールの酢
酸エステル基が水酸基に置換される割合であり、いわゆ
るケン化度と同義である。フィルムに適用するには、加
水分解の範囲は通常約70%から100%までである。
このように、ポリビニルアルコールという言葉は通常ポ
リ酢酸ビニル化合物を含む。ポリビニルアルコールには
ホウ酸やホウ砂やメタホウ酸等のホウ酸類を併用した
り、適度な熱処理を施す等して、被膜強度の増強、水溶
解速度の調整が可能である。
【0267】現像フィルムに用いられる水溶性フィルム
の製造法は、例えば、特開平2−124945号、特開
昭61−97348号、同60−158245号、特開
平2−86638号、特開昭57−117867号、特
開平2−75650号、特開昭59−226018号、
同63−218741号及び同54−13565号明細
書等に記載されるが如き一般的な方法で製造される。例
えば、70℃程度に加熱した熱ロールへの流延法、ステ
ンレススチールベルト上に連続流延しながら熱風で乾燥
させる方法、ナイフ方式でコーティングしながら冷却固
化させた後に水分を乾燥させる方法、走行ラインに沿っ
て平行に走行する支持体(例えばポリエチレンテレフタ
レート等)に流延し冷却固化して乾燥の後に剥離しなが
ら巻き取る又は他の部材に加熱圧着させる方法等があ
る。
【0268】また、水溶性フィルムは熱可塑性であるこ
とが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着
加工が容易となるだけでなく、本発明の目的の効果もよ
り良好に奏するためである。
【0269】更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.
5×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1
×106〜25×106kg/m2が好ましく、とりわけ
特に1.5×106〜10×106kg/m2が好まし
い。これら引張り強度はJISZ−1521に記載され
る方法で計測される。
【0270】本発明の水透過性フィルムとは、フィルム
面の片面から水が供給された場合に、供給された水を透
過させ、フィルム反対面に水分を供給しうるフィルムの
ことである。水透過性フィルムの例としては、多数の小
さな貫通孔が打ち抜き等の加工により形成された形状を
持つフィルム、フィルム中に無機質あるいは高沸点有機
溶媒の微粒子分散物等のいわゆるフィラーを多量に充填
した形状を持つフィルム、発泡製法による気泡状の細孔
を多数有する形態を持つフィルム例が挙げられる。ま
た、別の形態として、繊維が網目状構造になった合成繊
維、天然繊維からなる不織布や和紙等も挙げられる。市
販されている基体の例としてはセオラスSC−N42、
セオラスクリームFP−03、アビセル(旭化成製)等
を繊維質素材として混合することも可能である。これら
は主に合成樹脂フィルムであり、好ましく用いられる合
成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポ
リプロピレン、ポリアミド、レーヨン、アセテート等が
適宜用いられる。また、前記の物理的に水が浸透する空
隙を有する形態ではなく、自由水を膜界面、膜中で交換
できる性質を持つ硬膜されたゼラチン皮膜のような形態
も挙げられる。水透過性フィルムの基体としては前記水
溶性フィルムと同様の素材を用いることもできる。
【0271】本発明の現像フィルムの膜厚は5〜200
μmのものが好ましく用いられ、特に10〜50μmの
ものが好ましい。
【0272】本発明に係る現像処理においては現像シー
トと現像フィルムのいずれか、または両方にアルカリ源
の発生手段を有しているか、あるいは液を用いてアルカ
リを供給する手段が必要である。本発明に係る現像処理
に必要なアルカリ供給源としては、水に対して難溶性の
金属化合物(本発明では単に水難溶性金属化合物と言
う)及びこの金属イオンと水を媒体として錯形成反応し
うる化合物(本発明では単に錯形成化合物と言う)を、
現像シート及び/又は現像フィルムに内蔵させる方法を
好ましく用いることができる。このようなアルカリ発生
方法は、欧州特許公開210,660号、米国特許第
4,740,445号に記載されている。
【0273】本発明に用いられる水難溶性金属化合物の
例としては、20℃の水に対する溶解度が0.5以下の
金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、硝
酸塩、アルミン酸塩等が挙げられるが、とりわけ以下の
一般式(M1)で表される金属化合物を用いることが好
ましい。
【0274】一般式(M1) Zgh 式中、Zはアルカリ金属以外の金属を表し、Xは酸化物
イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、リン酸イオン、
珪酸イオン、硝酸イオンまたはアルミン酸イオンを表
す。gおよびhは、各々ZとXの原子価が均衡を保てる
ような整数を表す。一般式(M1)で表される金属化合
物は、結晶水を有してもよく、また複塩を形成してもよ
い。
【0275】一般式(M1)においてZとしては、Zn
2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、Mn 2+、Cu2+、H
2+、Zr2+、Ba2+、Sr2+、Ca2+等の金属イオン
が挙げられる。好ましくはZn2+イオンが挙げられる。
Xとしては酸化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオ
ンおよび炭酸イオンが挙げられる。
【0276】具体的な化合物例としては、Zn(OH)
2、ZnO、Co(OH)2、CoO、Ni(OH)2
Cu(OH)2、Fe(OH)2、Mn(OH)2、Ba
CO 3、SrCO3、CaCO3、塩基性炭酸亜鉛、塩基
性炭酸コバルト、塩基性炭酸ニッケル、塩基性炭酸ビス
マス等を挙げることができ、中でも水を含む分散媒で分
散したときに、分散液に着色しないものが好ましい。
【0277】本発明の錯形成化合物は、前記水難溶性金
属化合物の金属イオンを含む化学構造部分と配位結合に
より配位する(いわゆるキレート反応)化合物であれば
どのような化合物でもよい。好ましく用いられる錯形成
化合物としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三
酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン
酸またはその塩、アミノホスホン酸またはその塩、2−
ピコリン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、5−エ
チル−2−ピコリン酸等のピリジルカルボン酸またはそ
の塩、ベンジルイミノジ酢酸、α−ピコリルイミノジ酢
酸等のイミノジ酢酸またはその塩等を用いることができ
る。錯形成化合物は、グアニジン等の有機塩基またはカ
リウム等のアルカリ金属で中和した塩の使用が好まし
い。
【0278】現像シート及び/又は現像フィルム中での
水難溶性金属化合物又は錯形成化合物の好ましい添加量
はそれぞれ0.1〜50g/m2であり、より好ましく
は0.5〜20g/m2である。
【0279】本発明の現像フィルム又は現像シートに含
有される現像主薬としては、本発明の発色現像主薬、そ
の他の発色現像主薬、補助現像主薬とこれらの前駆体も
本発明の現像主薬に含まれる。本発明に用いることがで
きる現像主薬としては、本発明の発色現像主薬、さらに
は例えば、米国特許3,351,286号、同3,76
1270号、同3,764,328号、同3,3425
99号、同3,719,492号、RD12146号、
同15108号、同15127号、及び特開昭56−2
7132号、同53−135628号、同57−790
35号に記載のp−フェニレンジアミン系及びp−アミ
ノフェノール系現像主薬、燐酸アミドフェノール系現像
主薬、スルホンアミドアニリン系現像主薬、及びヒドラ
ゾン系現像主薬、フェノール類、スルホンアミドフェノ
ール類等及び上記種々の還元剤のプレカーサ類が挙げら
れる。これらの中で、p−フェニレンジアミン系化合物
を発色現像主薬として好ましく用いられ、特に親水性基
を有するp−フェニレンジアミン系化合物が特に好まし
く用いられる。親水性基を有するp−フェニレンジアミ
ン系化合物は、N,N−ジエチル−p−フェニレンジア
ミン等の親水性基を有しないp−フェニレンジアミン系
化合物に比べ、感光材料の汚染がなくかつ皮膚について
も皮膚がカブレにくいという長所を有する。
【0280】本発明に用いられる現像主薬は、現像主薬
又はその現像主薬前駆体又は現像主薬前駆体前駆体より
生成する現像主薬をも包含する。本発明の現像主薬は一
旦処理が始まると適度な拡散性が必要である。該現像主
薬の溶解度は25℃でpH10以上のアルカリ液に1×
10-7モル/リットル以上であることが好ましく、より
好ましくは1×10-6モル/リットル以上である。ま
た、拡散定数は、25℃でpH10のアルカリ液に溶解
させた場合、1×10-82/s以上であることが好ま
しく、1×10-62/s以上であることが特に好まし
い。
【0281】本発明において現像主薬又は現像主薬前駆
体は、現像フィルム又は現像シートに内蔵させてもよい
し、水性媒に溶解させ溶液添加で現像系に加えてもよ
い。これらの現像主薬又は現像主薬前駆体の好ましい添
加量は、水性媒付与量を換算して、0.001ミリモル
/m2〜100ミリモル/m2であり、好ましくは、1ミ
リモル/m2以上50ミリモル/m2に相当する量であ
る。
【0282】本発明において発色現像主薬又は発色現像
主薬前駆体は、現像シート及び/又は現像フィルムに内
蔵させてもよいし、水性媒に溶解させ溶液添加で現像系
に加えてもよい。これらの現像主薬又は現像主薬前駆体
の好ましい添加量は、水性媒付与量を換算して、0.0
01ミリモル/m2〜100ミリモル/m2であり、好ま
しくは、1ミリモル/m2以上50ミリモル/m2に相当
する量である。
【0283】本発明の好ましい現像方法の1つは、水性
媒の存在下でハロゲン化銀感光材料と支持体を有する現
像シート及び/又は支持体を有しない現像フィルムを以
下に示す例えば2方式の部材組み合わせで重ね合わせる
ことにより現像を行うことが可能である。
【0284】方式1.現像フィルム及び現像シートを別
々の部材として熱現像機に供給して、現像直前に熱現像
機中で重ね合わせる場合 感光材料×(現像フィルム)m×(現像シート)n→現像
処理 (m:0以上の整数、n:0又は1又は2) 方式2.現像フィルム及び現像シートを予め一体化させ
た現像シート(複合現像シート)を作製しておき、この
複合現像シートを部材とて熱現像機に供給する場合 (現像シート)o×(現像フィルム)p×(現像シート)
q→支持体剥離→複合現像シート (o:0又は1、p:0以上の整数、q:1) 感光材料×(現像フィルム)m×(複合現像シート)n
現像処理 (m:0以上の整数、n:0又は1) 本発明においては、熱現像機への供給部材である複合現
像シートの作製に必要な現像フィルム及び熱現像機供給
部材である現像フィルムも併せて現像フィルムと言う。
また、現像シートと複合現像シートとを併せて単に現像
シートと言う。このように供給部材を構成する部材を各
パーツに分割することにより、各種感光材料のラインア
ップの汎用処理に対して、効率的に供給部材を作製する
ことが可能である。
【0285】前記1、2の各方式において、現像フィル
ムと現像シートと感光材料同士はそれぞれの重ね合わせ
面で、接着剤等を有する接着層を設ける方法やヒートシ
ール法等を用いて接着を行ってもよい。方式1,2で支
持体からの剥離、又は特定構成層での剥離が必要な場合
は、例えば、特開平9−329878号、同5−257
253号、同4−208940号等に記載されている剥
離層の構成も好ましく用いることができる。
【0286】本発明で言う水性媒には、無機のアルカリ
金属塩や有機の塩基、低沸点溶媒、界面活性剤、カブリ
防止剤、難溶性金属塩との錯形成化合物、防黴剤、防菌
剤を含ませてもよい。また本発明の特徴の1つにあるよ
うに現像主薬又は現像主薬前駆体を含有させてもよい。
この場合の好ましい現像主薬は水溶性の高い現像主薬で
あり、分子内に水酸基、スルホニル基、スルホン基、カ
ルボキシル基を含有する化合物が好ましい。水を用いる
場合は、一般に用いられる水であれば何を用いてもよ
い。具体的には蒸留水、水道水、井戸水、ミネラルウォ
ーター等を用いることができる。
【0287】水性媒を付与する方法としては、材料を水
に漬浸す方法、塗布方式や液噴霧方式等が挙げられる。
気相を介する噴霧方式としては、圧電素子の振動を利用
して液滴を飛翔させる方式、例えばピエゾ式インクジェ
ットヘッド等や、あるいは突沸を利用したサーマルヘッ
ドを用いて液滴を飛翔させるもの、また空気圧や液圧に
より液を噴霧するスプレー方式等が挙げられる。現像装
置においては水を使い切りで使用してもよいし、循環し
繰り返し使用してもよい。
【0288】塗布方式ではエアードクターコーター、ブ
レードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、ス
クイズコーター、含浸コーター、リバースローラーコー
ター、トランスファーローラーコーター、カーテンコー
ター、ダブルローラーコーター、スライドホッパー塗
布、グラビアコーター、キスロールコーター、ビードコ
ーター、キャストコーター、スプレイコーター、カレン
ダーコーター、押し出しコーター等が挙げられる。特に
好ましい方式としては、スクイズコーター、グラビアコ
ーター、含浸コーター、ビードコーター、ブレードコー
ターである。
【0289】具体的には例えば特開昭62−25315
9号(5)頁、特開昭63−85544号等に記載の方
法が好ましく用いられる。また特開昭63−14435
4号、同63−144355号、同62−38460
号、特開平3−210555号等に記載の装置や水を用
いてもよい。また水付与部中に或いは水付与部後にスク
イーズ部を設ける等して、水付与量の調節を行ってもよ
い。溶媒をマイクロカプセルに閉じ込めたり、水和物の
形で予め感光材料もしくは現像シートまたはその両者に
内蔵させて用いることもできる。付与する水の温度は3
0℃〜60℃であればよい。
【0290】本発明においては、現像シートによる現像
はいわゆる加熱現像を行うことが好ましい。本発明にお
いて熱現像する際には、公知の加熱手段を適用すること
ができ前記の処理部材を用いた場合と同様の手段を用い
ることができる。加熱温度としては30℃〜100℃、
加熱時間は10秒〜300秒が好ましい。
【0291】熱現像には前記の熱現像装置のいずれもが
使用できる。例えば、特開昭59−75247号、同5
9−177547号、同59−181353号、同60
−18951号、実開昭62−25944号、特開平6
−130509号、同6−95338号、同6−952
67号、同8−29954号、同8−29955号等に
記載されている装置などが好ましく用いられる。また市
販の装置としては富士写真フィルム(株)製ピクトロス
タット100、同ピクトロスタット200、同ピクトロ
スタット300、同ピクトロスタット330、同ピクト
ロスタット50、同ピクトログラフィー3000、同ピ
クトログラフィー2000などが使用できる。
【0292】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれに限定されない。
【0293】以下の全ての実施例において、ハロゲン化
銀写真感光材料中の添加量は特に記載のない限り1m2
当たりのグラム数を示す。又、ハロゲン化銀、コロイド
銀は銀に換算して示した。
【0294】実施例1 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に下引きを施
した後、下記に示すような組成の各層を順次支持体側か
ら形成して、多層カラー写真感光材料試料101を作製
する。 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.16 UV−1 0.3 CM−1 0.044 OIL−1 0.044 ゼラチン 1.33 第2層(中間層) AS−1 0.160 OIL−1 0.20 ゼラチン 1.40 第3層(低感度赤感色性層) 沃臭化銀a 0.12 沃臭化銀b 0.50 SD−1 3.0×10-5 SD−2 1.5×10-4 SD−3 3.0×10-4 SD−4 3.0×10-6 C−A 0.51 CC−1 0.047 OIL−2 0.45 AS−2 0.005 ゼラチン 1.40 第4層(中感度赤感色性層) 沃臭化銀c 0.64 SD−1 3.0×10-5 SD−2 1.5×10-4 SD−3 3.0×10-4 C−B 0.22 CC−1 0.028 DI−1 0.002 OIL−2 0.21 AS−3 0.006 ゼラチン 0.87 第5層(高感度赤感色性層) 沃臭化銀c 0.13 沃臭化銀d 1.14 SD−1 3.0×10-5 SD−2 1.5×10-4 SD−3 3.0×10-4 C−B 0.17 CC−1 0.029 DI−1 0.027 OIL−2 0.23 AS−3 0.013 ゼラチン 1.23 第6層(中間層) OIL−1 0.29 AS−1 0.23 ゼラチン 1.00 第7層(低感度緑感色性層) 沃臭化銀a 0.245 沃臭化銀b 0.105 SD−4 5.0×10-4 SD−5 5.0×10-4 M−1 0.21 CM−2 0.039 OIL−1 0.25 AS−2 0.003 AS−4 0.063 ゼラチン 0.98 第8層(中間層) M−1 0.03 CM−2 0.005 OIL−1 0.16 AS−1 0.11 ゼラチン 0.80 第9層(中感度緑感色性層) 沃臭化銀e 0.87 SD−6 3.0×10-4 SD−7 6.0×10-5 SD−8 4.0×10-5 M−1 0.17 CM−2 0.048 CM−3 0.059 DI−2 0.012 OIL−1 0.29 AS−4 0.05 AS−2 0.005 ゼラチン 1.43 第10層(高感度緑感色性層) 沃臭化銀f 1.19 SD−6 4.0×10-4 SD−7 8.0×10-5 SD−8 5.0×10-5 M−1 0.09 CM−3 0.020 DI−3 0.005 OIL−1 0.11 AS−4 0.026 AS−5 0.014 AS−6 0.006 ゼラチン 0.78 第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 0.05 OIL−1 0.18 AS−7 0.16 ゼラチン 1.00 第12層(低感度青感色性層) 沃臭化銀g 0.29 沃臭化銀h 0.19 SD−9 8.0×10-4 SD−10 3.1×10-4 Y−1 0.91 DI−4 0.022 OIL−1 0.37 AS−2 0.002 ゼラチン 1.29 第13層(高感度青感色性層) 沃臭化銀h 0.13 沃臭化銀i 1.00 SD−9 4.4×10-4 SD−10 1.5×10-4 Y−1 0.48 DI−4 0.019 OIL−1 0.21 AS−2 0.004 ゼラチン 1.55 第14層(第1保護層) 沃臭化銀j 0.30 UV−1 0.055 UV−2 0.110 OIL−2 0.63 ゼラチン 1.32 第15層(第2保護層) PM−1 0.15 PM−2 0.04 WAX−1 0.02 D−1 0.001 ゼラチン 0.55 上記沃臭化銀の特徴を下記に表示する(平均粒径とは同
体積の立方体の一辺長)。
【0295】
【表1】
【0296】尚、上記の組成物の他に、塗布助剤SU−
1、SU−2、SU−3、分散助剤SU−4、粘度調整
剤V−1、安定剤ST−1、ST−2、カブリ防止剤A
F−1、重量平均分子量:10,000及び重量平均分
子量:100,000の2種のポリビニルピロリドン
(AF−2)、抑制剤AF−3、AF−4、AF−5、
硬膜剤H−1、H−2及び防腐剤Ase−1を添加し
た。
【0297】上記試料に用いた化合物の構造を以下に示
す。
【0298】
【化62】
【0299】
【化63】
【0300】
【化64】
【0301】
【化65】
【0302】
【化66】
【0303】
【化67】
【0304】
【化68】
【0305】
【化69】
【0306】
【化70】
【0307】このようにして感光材料試料101を作製
した。更に、感光材料試料101において、シアンカプ
ラーC−A、C−Bそれぞれを表2記載のようにそれぞ
れ代えた他は試料101と同様にして感光材料試料10
2〜114を作製した。
【0308】赤感光層の感度、発色性 作製した各感光材料試料を、赤色光を用いてウェッジ露
光し、下記の処理工程により発色現像処理を行い、赤感
光層の感度、発色性を測定した。尚、感度は試料101
の感度を100とした時の相対値である相対感度で示
し、発色性は試料101の最大濃度を100とした時の
相対値で示す。
【0309】画像の画質 また、各試料を通常の135ネガフィルムサイズに裁
断、穿孔し、カメラに装填した後、人物とマクベスチャ
ートを撮影した。撮影済みの各試料を下記の処理工程に
より発色現像処理を行なった。これをハロゲン化銀カラ
ーペーパーQA−6(コニカ(株)製)に焼きつけ、R
A−4処理を施すと、画像が得られた。画像の評価は1
0人のモニターによる主観評価によって行なった。9人
以上が画質が良好であるとしたものを◎、7人以上が画
質が良好であるとしたものを○、5人以上が画質が良好
であるとしたものを△、4人以下が画質が良好であると
したものを×とした。
【0310】結果を表2に示す。 《発色現像処理》 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38±0.3℃ 780ml 漂白 45秒 38±2.0℃ 150ml 定着 1分30秒 38±2.0℃ 830ml 安定 60秒 38±5.0℃ 830ml 乾燥 60秒 55±5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。 〈処理剤の調製〉 (発色現像液組成) 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシアミン硫酸塩 2.5g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレンテトラアミン5酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1.0リットルに仕上げ、水酸化カリウム又は20%硫酸を用いて pH10.06に調整する。 (発色現像補充液組成) 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3.0g 亜硫酸カリウム 5.0g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アニリン硫酸塩 6.3g ジエチレンテトラアミン5酢酸 3.0g 水酸化カリウム 2.0g 水を加えて1.0リットルに仕上げ、水酸化カリウム又は20%硫酸を用いて pH10.18に調整する。 (漂白液組成) 水 700ml 1,3−ジアミンプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2g 硫酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g 水を加えて1.0リットルに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4 .4に調整する。 (漂白補充液組成) 水 700ml 1,3−ジアミンプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硫酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g 水を加えて1.0リットルに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4 .4に調整する。 (定着液処方) 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2g 水を加えて1.0リットルに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6 .2に調整する。 (定着補充液処方) 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g 水を加えて1.0リットルに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6 .5に調整する。 (安定液及び安定補充液処方) 水 900ml p−オクチルフェノール・エチレンオキシド・10モル付加物 2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1.0リットルに仕上げ、アンモニア水又は50%硫酸を用いてp H8.5に調整する。
【0311】
【表2】
【0312】
【化71】
【0313】表2から明らかなように、本発明のシアン
カプラーを含有する感光材料試料(本発明の請求項1の
発明の構成)は、像様露光後、通常の発色現像処理(い
わゆるコンベンショナル発色現像処理)でも、感度が高
く、発色性に優れ、良好な画質の画像が得られることが
わかる。
【0314】実施例2 〈種乳剤T−1の調製〉以下に示す方法によって、2枚
の平行な双晶面を有する種乳剤T−1を調製した。
【0315】 (A−1液) オセインゼラチン 38.0g 臭化カリウム 11.7g 水で 34.0Lに仕上げる。
【0316】 (B−1液) 硝酸銀 810.0g 水で 3815mlに仕上げる。
【0317】 (C−1液) 臭化カリウム 567.3g 水で 3815mlに仕上げる。
【0318】 (D−1液) オセインゼラチン 163.4g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)の10%メタノール溶液 5.5ml 水で 3961mlに仕上げる。
【0319】 (E−1液) 硫酸(10%) 91.1ml (F−1液) 56%酢酸水溶液 必要量 (G−1液) アンモニア水(28%) 105.7ml (H−1液) 水酸化カリウム水溶液(10%) 必要量 特開昭62−160128号記載の撹拌装置を用い、3
0℃で激しく撹拌したA−1液にE−1液を添加し、そ
の後B−1液とC−1液とをダブルジェット法により各
々279mlを1分間定速で添加し、ハロゲン化銀核の
生成を行った。
【0320】その後D−1液を添加し、31分かけて温
度を60℃に上げ、さらにG−1液を添加し、H−1液
でpHを9.3に調整し、6.5分間熟成を行った。そ
の後、F−1液でpHを5.8に調整し、その後、残り
のB−1液とC−1液とをダブルジェット法により37
分で加速添加し、直ちに常法にて脱塩を行った。この種
乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、互いに平行な2
枚の双晶面をもつECD(投影面積円換算粒径)=0.
72μm、粒径分布の変動係数16%の単分散平板種乳
剤であった。この乳剤を種乳剤T−1とする。
【0321】〈平板状粒子乳剤Em−1の調製〉種乳剤
T−1と以下に示す溶液を用い、乳剤Em−1を調製し
た。
【0322】 (A−2液) オセインゼラチン 519.9g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)の10%メタノール溶液 4.5ml 種乳剤T−1 5.3モル相当 水で 18.0Lに仕上げる。
【0323】 (B−2液) 3.5モル/L硝酸銀水溶液 2787ml (C−2液) 臭化カリウム 1020g 沃化カリウム 29.1g 水で 2500mlに仕上げる。
【0324】 (D−2液) 臭化カリウム 618.5g 沃化カリウム 8.7g 水で 1500mlに仕上げる。
【0325】 (E−2液) 臭化カリウム 208.3g 水で 1000mlに仕上げる。
【0326】 (F−2液) 56%酢酸水溶液 必要量 (G−2液) 臭化カリウム 624.8g 水で 1500mlに仕上げる。
【0327】 (H−2液) 3.0質量%のゼラチンと沃化銀微粒子(ECD(投影面積円換算粒径)=0 .05μm)から成る微粒子乳剤※ 0.672モル相当 ※調製法を以下に示す。
【0328】0.254モルの沃化カリウムを含む5.
0%のゼラチン溶液9942mlに10.59モルの硝
酸銀と10.59モルの沃化カリウムを含む水溶液各々
3092mlを35分間かけて等速添加し、沃化銀微粒
子を形成した。沃化銀微粒子形成中の温度は40℃に制
御し、pH,EAgは成りゆきとした。
【0329】 (I−2液) 二酸化チオ尿素をハロゲン化銀1モル当たり1.4×10-6モル含む水溶液 10ml (J−2液) エチルチオスルホン酸ナトリウムをハロゲン化銀1モル当たり2.3×10-5 モル含む水溶液 100ml (K−2液) 10%水酸化カリウム水溶液 必要量 反応容器内にA−2液を添加し、75℃にて激しく撹拌
しながら、I−2液を添加した後、B−2液、C−2
液、D−2液を表3に乳剤Em−1を調製した。ここ
で、B−2液、C−2液、D−2液の添加速度は、臨界
成長速度を考慮し、添加時間に対して関数様に変化さ
せ、成長している種粒子以外の小粒子の発生や、成長粒
子間のオストワルド熟成による粒径分布の劣化が起こら
ないようにした。
【0330】結晶成長はまず、第1添加を反応容器内の
溶液温度を75℃、pAgを8.9、pHを5.8にコ
ントロールして行った。この第1添加でB−2液の6
5.8%を添加した。その後J−2液を添加し、30分
間で反応容器内の溶液温度を40℃に下げ、pAgを1
0.3に調整し、H−2液を2分間定速で全量を添加
し、直ちに第2添加を行った。第2添加は反応容器内の
溶液温度を40℃、pAgを10.3、pHを5.0に
コントロールして行い、B−2液の残りをすべて添加し
た。pAg及びpHのコントロールの為に、必要に応じ
てE−2液、F−2液、K−2液を添加した。
【0331】粒子形成後に、特開平5−72658号に
記載の方法に従い脱塩処理を行い、その後ゼラチンを加
えて分散し、40℃においてpAg8.06、pH5.
8の乳剤を得た。この乳剤を乳剤Em−1とする。
【0332】この乳剤中のハロゲン化銀粒子を電子顕微
鏡にて観察したところ、ECD(投影面積円換算粒径)
=1.50μm、粒径分布の変動係数14%、平均アス
ペクト比7.0の六角平板状単分散ハロゲン化銀粒子で
あった。
【0333】
【表3】
【0334】〈化学増感及び分光増感〉Em−1に下記
分光増感色素を加え、さらに最適量のチオシアン酸ナト
リウム、チオ硫酸ナトリウム、トリエチルチオウレア、
塩化金酸、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール(AF−5)を添加し、50℃に
加熱した。最適反応時間の熟成を行った後冷却し、安定
化剤ST−1およびカブリ防止剤AF−5を添加して、
赤感性ハロゲン化銀乳剤−1を得た。
【0335】乳剤に添加した増感色素の種類と添加量は
下記のとおりである。尚、添加量はハロゲン化銀1モル
当たりの添加量として示した。 赤感性ハロゲン化銀乳剤−1 増感色素(SD−1) 0.04ミリモル 増感色素(SD−2) 0.04ミリモル 増感色素(SD−3) 0.07ミリモル 増感色素(SD−11) 0.13ミリモル
【0336】
【化72】
【0337】〈感光材料201の作製〉このようにして
得られた乳剤と後述の化合物を用い、下引済透明PEN
ベース(厚さ85μm)上に以下に示す組成の写真構成
層を順次塗設して、多層構成の感光材料201を作製し
た。各素材の添加量は1m2当りの塗設量としてmg/
2の単位で示した。但し、ハロゲン化銀は銀に換算し
て表示した。 第1層 添加量(mg/m2) ゼラチン 3000 水酸化亜鉛 565 SU−4 90 硬膜剤(H−2) 45 第2層 ゼラチン 1800 赤感性ハロゲン化銀乳剤−1 800 発色現像主薬(D−1) 0.70* シアンカプラー(C−1) 0.58* 高沸点溶媒(OIL−1) 350 高沸点溶媒(OIL−4) 70 SU−3 1 増粘剤(V−2) 8 第3層 ゼラチン 600 マット剤(PM−2) 40 防腐剤(Ase−1) 1 界面活性剤(SU−3) 2 硬膜剤(H−1) 30 滑り剤(WAX−1) 40 *:mol/m2で表す。
【0338】
【化73】
【0339】〈感光材料202〜216の作製〉感光材
料201の作製において第2層のシアンカプラー(C−
1)及び現像主薬(D−1)を表4に示すように置き換
えた以外は同様にして感光材料202〜216を作製し
た。
【0340】〈処理シートP−1の作製〉下引済透明P
ENベース(厚さ85μm)上に以下に示す組成の層を
順次塗設して、処理シートP−1を作製した。各素材の
添加量は1m2当りの塗設量としてmg/m2の単位で示
した。 第1層 添加量(mg/m2) ゼラチン 280 水溶性ポリマー(PS−2) 12 界面活性剤(SU−3) 14 硬膜剤(H−5) 185 第2層 ゼラチン 2400 水溶性ポリマー(PS−3) 360 水溶性ポリマー(PS−1) 700 水溶性ポリマー(PS−4) 600 高沸点溶媒(OIL−3) 2000 ピコリン酸グアニジン 2800 キノリン酸カリウム 225 キノリン酸ナトリウム 180 界面活性剤(SU−3) 24 第3層 ゼラチン 240 水溶性ポリマー(PS−1) 24 硬膜剤(H−5) 180 界面活性剤(SU−3) 9 第4層 ゼラチン 220 水溶性ポリマー(PS−2) 60 水溶性ポリマー(PS−3) 200 硝酸カリウム 12 マット剤(PM−2) 10 界面活性剤(SU−3) 7 界面活性剤(SU−5) 7 界面活性剤(SU−6) 10
【0341】
【化74】
【0342】〈試料の評価〉上記のようにして作製され
た感光材料201〜216に下記の様に処理を施した。
また、40℃80%の条件で7日間保存したものを同様
に処理した。すなわち、それぞれの感光材料に光学楔と
赤フィルターを介して1000luxで1/100秒の
露光を施し、露光後の感光材料の表面に40℃の温水を
15ml/m 2付与し、処理シートP−1と互いの膜面
どうしを重ね合わせた後、ヒートドラムを用いて85℃
で40秒間熱現像した。処理後、感光材料を剥離すると
シアン発色の楔形画像が得られた。それぞれの試料に対
し、赤色光で透過濃度を測定し、特性曲線を得た。カブ
リ濃度よりも0.30高い濃度に対応する露光量の逆数
をもって感度とし、試料201(保存前)の赤感度を1
00とした場合の相対値(相対感度)でそれぞれの感度
を示す。
【0343】
【表4】
【0344】
【化75】
【0345】表4から、試料201(比較)及び試料2
02(比較)は本発明の発色現像主薬を用いた場合に対
して最大赤色濃度が低く、かぶりが高い。また、保存後
のかぶりが劣化している。試料203(比較カプラー1
を使用)及び試料204(比較カプラー2を使用)は保
存後の最大赤色濃度、かぶり及び感度の劣化が大きい。
本発明のカプラー、発色現像主薬(本発明の請求項2ま
たは4の発明の構成)では最大赤色濃度が高く発色性が
良好であった。また、保存性も優れていた。
【0346】実施例3 〈感光材料301〜316の作製〉実施例2の感光材料
201の作製において第2層のシアンカプラー(C−
1)及び発色現像主薬(D−1)を表5に示すように置
き換えた以外は同様にして感光材料301〜316を作
製した。
【0347】〈試料の評価〉上記のようにして作製され
た感光材料301〜316について実施例2と同様の処
理を施し評価した。
【0348】
【表5】
【0349】
【化76】
【0350】表5から、試料301(比較)及び試料3
02(比較)は本発明の発色現像主薬に対して最大赤色
濃度が低く、かぶりが高い。また、保存後のかぶりが劣
化している。試料304(比較カプラー4を使用)は生
成色素が緑色域であり、赤色濃度は極めて低かった。こ
のことから緑色感光層のマゼンタ色素に対して色分離上
不利であることがわかる。試料303(比較カプラー3
を使用)は本発明に比べ保存後の最大赤色濃度、かぶり
及び感度の劣化が大きい。本発明のカプラー、発色現像
主薬(本発明の請求項3または4の発明の構成)では最
大赤色濃度が高く発色性が良好であった。また、保存性
も優れていた。また、生成色素が赤色域であり、緑色感
光層のマゼンタ色素に対して色分離上有利であることが
わかる。
【0351】実施例4 実施例3で作製した感光材料301〜316、およびそ
れらを40℃80%の条件で7日間保存したものとを、
下記アクチベーター処理液にて38℃で30秒間処理を
行った(本発明の請求項5の発明の構成)が、実施例3
と同様の効果が得られた。
【0352】 〈アクチベーター処理液〉 炭酸ナトリウム 26.5g 炭酸水素ナトリウム 6.3g 硫酸ナトリウム 2.0g 臭化ナトリウム 1.0g 水で 1000mlにする 水酸化ナトリウム水溶液によりpH12に調整した。
【0353】実施例5 実施例2〜4の画像データをスキャナーで読取り、適宜
デジタル処理した後プリント試料を得たが、同様の結果
が得られた。本発明の感光材料はスキャナー読取りし、
ディジタル処理することによって画像を得るための感光
材料として適したものであることがわかる。
【0354】実施例6 〈感光材料601〜614の作製〉実施例1の感光材料
試料101において、シアンカプラーC−A、C−Bそ
れぞれを表6記載のように代えた他は試料101と同様
にして感光材料試料601〜614を作製した。
【0355】〈現像シート1の作製〉厚さ85μmの下
引済透明PEN支持体上に、以下に示す組成の層を順次
塗設して、現像シート1を作製した。なお、各化合物の
添加量は1m2当りの塗設量としてg/m2の単位で示し
た。
【0356】 〔第1層(最下層)〕 ゼラチン 10.0 本発明の一般式(1−7)、(1−8)の化合物等(発色現像主薬)(表6記 載) 8.86* トリクレジルフォスフェート 0.72 SU−1 0.024 〔第2層〕 ゼラチン 10.0 酸化亜鉛(水難溶性金属化合物) 5.0 SU−1 0.037 〔第3層(最外層)〕 ゼラチン 0.22 硬膜剤(H−1) 0.4 *:mmol/m2 〈現像フィルム1の作製〉厚さ85μmの下引処理を施
していない透明PEN支持体上に、以下に示す組成の層
を順次塗設して乾燥とエージング処理を施した後、支持
体より塗布層を剥離して現像フィルム1を作製した。な
お、各化合物の添加量は1m2当りの塗設量としてg/
2の単位で示した。
【0357】 〔第1層〕 ゼラチン 20.0 ピコリン酸ナトリウム(錯形成化合物) 3.6 SU−1 0.5 硬膜剤(H−1) 0.4 〈現像処理1〉感光材料に光学楔と赤フィルターを介し
て1000luxで1/100秒の露光を施した後に水
15g/m2を付与し、現像シートには20g/m2を付
与した後、感光材料、現像フィルム、現像シートをこの
順に重ね合わせて、85℃のヒートドラムに90秒間接
触させ熱現像を行った。現像終了後に感光材料から現像
フィルム1と現像シートを引き剥がし現像済み感光材料
を得た。
【0358】〈発色性、経時保存性の評価〉上記で作製
した現像済み感光材料試料に対して、赤色光で透過濃度
をX−rite社製濃度計を用いて測定し、ベースライ
ン濃度補正を加え、得られた縦軸濃度D−横軸露光量L
ogE特性曲線より、最高濃度と最低濃度を求めた。ま
た最低濃度+0.10の濃度を与える露光量の逆数を感
度と定義して感度を算出し感光材料601(保存前)の
現像済み試料の感度を100とした相対感度で示す。
【0359】一方、感光材料を40℃80%RHの条件
下で14日間密封保存した後、上記と同様に露光、現像
処理を行い、前記と同様に最高濃度、最低濃度、感度を
求めた。
【0360】結果を表6に示す。
【0361】
【表6】
【0362】CD−4:4−アミノ−3−メチル−N−
エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン・硫酸
塩 * :特開平6−347963記載の例示化合物5 ** :特開平6−347963記載の例示化合物25 ***:特開昭53−135628記載の例示化合物8 表6から、本発明のカプラー、発色現像主薬(本発明の
請求項7の発明の構成)では最大赤色濃度が高く発色性
が良好であった。また、保存性も優れていることがわか
る。
【0363】実施例7 〈感光材料701〜712の作製〉実施例1の感光材料
101の作製においてシアンカプラー(C−1)及び現
像主薬(D−1)を表7に示すように換えた以外は同様
にして感光材料701〜712を作製した。
【0364】〈試料の評価〉上記のようにして作製した
感光材料701〜712について下記の様に処理を施し
た。また、40℃80%の条件で7日間保存したものを
同様に処理した。すなわち、それぞれの感光材料に光学
楔と赤フィルターを介して1000luxで1/100
秒の露光を施した後、下記アクチベーター処理液にて3
8℃で30秒間処理を行った。 アクチベーター液 水 800ml 5−スルホサルチル酸ナトリウム(40%) 200ml UVX(下記構造) 5g ベンゾトリアゾール 0.02g 塩化カリウム 2.5g ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(30%溶液) 4ml 過酸化水素水(30%) 10ml 水を加えて1リットルにする(pH11.6)。
【0365】
【化77】
【0366】それぞれの試料に対し、赤色光で透過濃度
を測定し、特性曲線を得た。カブリ濃度よりも0.30
高い濃度に対応する露光量の逆数を感度として求め、感
光材料701(保存前)の現像済み試料の赤感度を10
0とした場合の相対感度で示す。
【0367】
【表7】
【0368】* :特開平11−231482号記載の
例示化合物(D−9) **:特開平11−231482号記載の例示化合物
(D−2) 表7から、本発明のカプラー、発色現像主薬を用いた場
合(本発明の請求項8または9の発明の構成)では最大
赤色濃度が高く発色性が良好であった。また、保存性も
優れていることがわかる。
【0369】実施例8 〈感光材料801〜810の作製〉実施例1の感光材料
101の作製においてシアンカプラーC−A、C−Bそ
れぞれを表8記載のようにそれぞれ代えた他は試料10
1と同様にして感光材料試料801〜810を作製し
た。
【0370】〈現像シートの作製〉実施例6の現像シー
トについて、現像主薬をそれぞれ表8記載のように代え
た他は同様にして表8記載のように現像シートを作製し
た。
【0371】〈現像フィルム1の作製〉実施例6の現像
フィルム1と同じにして現像フィルム1を作製した。
【0372】〈現像処理2〉感光材料に光学楔と赤フィ
ルターを介して1000luxで1/100秒の露光を
施した後に水15g/m2を付与し、現像シートには
0.3過酸化水素水溶液を20g/m2付与した後、感
光材料、現像フィルム、現像シートをこの順に重ね合わ
せて、85℃のヒートドラムに90秒間接触させ熱現像
を行った。現像終了後に感光材料から現像フィルム1と
現像シートを引き剥がし現像済み感光材料を得た。
【0373】〈発色性、経時保存性の評価〉上記で作製
した現像済み感光材料試料に対して、赤色光で透過濃度
をX−rite社製濃度計を用いて測定し、ベースライ
ン濃度補正を加え、得られた縦軸濃度D−横軸露光量L
ogE特性曲線より、最高濃度と最低濃度を求めた。ま
た最低濃度+0.10の濃度を与える露光量の逆数を感
度と定義して感度を算出し感光材料801(保存前)の
現像済み試料の感度を100とした相対感度で示す。
【0374】一方、感光材料を40℃80%RHの条件
下で7日間密封保存した後、上記と同様に露光、現像処
理を行い、前記と同様に最高濃度、最低濃度、感度を求
めた。
【0375】結果を表8に示す。
【0376】
【表8】
【0377】表8から、本発明のカプラー、発色現像主
薬を用いた場合(本発明の請求項10の発明の構成)で
は最大赤色濃度が高く発色性が良好であった。また、保
存性も優れていることがわかる。
【0378】実施例9 実施例6〜8の画像データをスキャナーで読取り、適宜
デジタル処理した後プリント試料を得たが、同様の結果
が得られた。本発明の感光材料はスキャナー読取りし、
ディジタル処理することによって画像を得るための感光
材料として適したものであることがわかる。
【0379】
【発明の効果】本発明により、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料、特に発色現像主薬を内蔵したハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料において、発色性が良好で、色分離性
(色再現性)、画質及び保存性が優れたハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料、その画像形成方法およびデジタル画
像情報作製方法を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 紀生 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H016 AC01 AD02 BA00 BD00 BE01 BF00 BK00 2H023 CD06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I]で表される化合物を含
    有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。 【化1】 〔式中、Yは酸素原子、硫黄原子又は−NH−を表し、
    Ra1はハロゲン原子を表す。Ra2は水素原子、アルキ
    ル基、アリール基又は複素環基を表す。但し、Yが−N
    H−の場合Ra2は−CORc4、−CONRc4Rc5
    −COORc4、−SO2NRc4Rc5、アルキル基、ア
    リール基又は複素環基を表し、Rc4及びRc5は各々ア
    ルキル基、アリール基又は複素環基を表す。Ra3は置
    換可能な基を表し、nは0から4の整数を表す。Xaは
    水素原子、ハロゲン原子又は発色現像主薬酸化体との反
    応により離脱し得る基を表す。〕
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化
    銀、バインダーを含む層を有するカラー写真感光材料に
    おいて、下記一般式(1−1)又は(1−2)で表され
    る発色現像主薬及び下記一般式[II]又は[III]で表
    される化合物を含有することを特徴とするカラー写真感
    光材料。 【化2】 〔式中、Rb1及びRd1はハロゲン原子を表し、Rb2
    及びRd2は各々−CORc4、−CONRc4Rc5、−
    COORc4、−SO2Rc4、−SO2NRc4Rc 5、ア
    ルキル基、アリール基又は複素環基を表し、Rc4及び
    Rc5はアルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
    Rb3及びRd3は各々置換可能な基を表す。m及びlは
    0から4の整数を表す。Xb及びXdは各々水素原子、
    ハロゲン原子又は発色現像主薬酸化体との反応により離
    脱し得る基を表す。〕 【化3】 〔式中、R1〜R4は各々水素原子又は置換基を表し、R
    5、R6及びR7は各々アルキル基、アリール基または複
    素環基を表す。〕
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化
    銀、バインダーを含む層を有するカラー写真感光材料に
    おいて、下記一般式(1−3)、(1−4)、(1−
    5)又は(1−6)で表される発色現像主薬及び前記一
    般式[II]で表される化合物を含有することを特徴とす
    るカラー写真感光材料。 【化4】 〔式中、R5はアルキル基、アリール基又は複素環基を
    表し、R8はアルキル基を表し、R9〜R12は各々水素原
    子又は置換基を表す。R9又はR11と、R10又はR 12
    互いに結合し二重結合又は環を形成してもよい。Xは酸
    素原子、硫黄原子、セレン原子又はアルキル基置換もし
    くはアリール基置換の三級窒素原子を表す。Zは芳香環
    (複素芳香環も含む)を形成するのに必要な非金属原子
    群を表し、Zがベンゼン環である場合その置換基のハメ
    ット定数(σp)の合計値は1以上3以下である。〕
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のカラー写真感光
    材料と、処理部材とを、該感光材料の露光後、水を存在
    させた状態で貼り合わせて加熱することにより該感光材
    料中に画像を形成させることを特徴とする画像形成方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2または3記載のカラー写真感光
    材料を実質的に現像主薬を含まないアクチベータ液で処
    理することにより該カラー写真感光材料中に画像を形成
    させることを特徴とする画像形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の画像形成方法に
    より作製した画像をスキャナーで読みとりデジタル画像
    情報に変換することを特徴とするデジタル画像情報作製
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真
    感光材料と、下記一般式(1−7)又は(1−8)で表
    される化合物を含有する熱現像感光材料用現像部材と
    を、該感光材料の露光後、水を存在させた状態で貼り合
    わせて加熱することにより該感光材料中に画像を形成さ
    せることを特徴とする画像形成方法。 一般式(1−7) BL−(Time)p−CD 〔式中、BLはブロック基を表し、Timeはタイミン
    グ基を表し、CDは芳香族1級アミン現像主薬残基を表
    し、pは0から3の整数を表す。〕 一般式(1−8) Ar−SO2CH2CH2OCO−CD 〔式中、Arはアリール基又は芳香族複素環基を表し、
    CDは芳香族1級アミン現像主薬残基を表す。〕
  8. 【請求項8】 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化
    銀、バインダーを含む層を有するカラー写真感光材料に
    おいて、下記一般式(1−9)で表される化合物及び前
    記一般式[II]又は[III]で表される化合物を含有す
    ることを特徴とするカラー写真感光材料。 一般式(1−9) OHC−Ar−X−(L)q−CD 〔式中、Arはアリール基又は芳香族複素環基を表し、
    Xはホルミル基が酸化作用を受けて発色現像主薬を放出
    しうる位置に置換されたメチレン基を表し、Lは2価の
    連結基を表し、qは0から3の整数を表す。CDは発色
    現像主薬を表す。〕
  9. 【請求項9】 請求項8記載のカラー写真感光材料を実
    質的に現像主薬を含まない過酸化物を含有するアクチベ
    ータ液で処理することにより該感光材料中に画像を形成
    させることを特徴とする画像形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料と、前記一般式(1−9)で表される化合物
    を含有する熱現像感光材料用現像部材とを、該感光材料
    の露光後、過酸化物を含有する水溶液を存在させた状態
    で貼り合わせて加熱することにより該感光材料中に画像
    を形成させることを特徴とする画像形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項7、9または10記載の画像形
    成方法により作製した画像をスキャナーで読みとりデジ
    タル画像情報に変換することを特徴とするデジタル画像
    情報作製方法。
JP2001263344A 2001-08-31 2001-08-31 ハロゲン化銀カラー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法 Pending JP2003075970A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263344A JP2003075970A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ハロゲン化銀カラー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263344A JP2003075970A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ハロゲン化銀カラー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003075970A true JP2003075970A (ja) 2003-03-12

Family

ID=19090115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001263344A Pending JP2003075970A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ハロゲン化銀カラー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003075970A (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005114326A1 (en) * 2004-05-13 2005-12-01 Eastman Kodak Company 2-halonapthol couplers
US7175975B2 (en) 2004-05-13 2007-02-13 Eastman Kodak Company Photographic material with improved development inhibitor releases
WO2015116061A1 (en) * 2014-01-29 2015-08-06 Global Blood Therapeutics, Inc. 1:1 adducts of sickle hemoglobin
US9248199B2 (en) 2014-01-29 2016-02-02 Global Blood Therapeutics, Inc. 1:1 adducts of sickle hemoglobin
US9981939B2 (en) 2013-03-15 2018-05-29 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10017491B2 (en) 2013-03-15 2018-07-10 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
WO2018133859A1 (en) * 2017-01-20 2018-07-26 The University Of Hong Kong Compounds and methods for detection of hydrogen peroxide
US10034879B2 (en) 2011-12-28 2018-07-31 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted benzaldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10077249B2 (en) 2016-05-12 2018-09-18 Global Blood Therapeutics, Inc. Process for synthesizing 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)-pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US10100040B2 (en) 2013-03-15 2018-10-16 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10100043B2 (en) 2013-03-15 2018-10-16 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted aldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10137118B2 (en) 2014-02-07 2018-11-27 Global Blood Therapeutics, Inc. Crystalline polymorphs of the free base of 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US10266551B2 (en) 2013-03-15 2019-04-23 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10315991B2 (en) 2013-03-15 2019-06-11 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10377741B2 (en) 2011-12-28 2019-08-13 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted heteroaryl aldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10450269B1 (en) 2013-11-18 2019-10-22 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10493035B2 (en) 2016-10-12 2019-12-03 Global Blood Therapeutics, Inc. Tablets comprising 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US11014884B2 (en) 2018-10-01 2021-05-25 Global Blood Therapeutics, Inc. Modulators of hemoglobin
US11020382B2 (en) 2015-12-04 2021-06-01 Global Blood Therapeutics, Inc. Dosing regimens for 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1h-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US11053195B2 (en) 2013-03-15 2021-07-06 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US11236109B2 (en) 2013-03-15 2022-02-01 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin

Cited By (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7175975B2 (en) 2004-05-13 2007-02-13 Eastman Kodak Company Photographic material with improved development inhibitor releases
WO2005114326A1 (en) * 2004-05-13 2005-12-01 Eastman Kodak Company 2-halonapthol couplers
US10034879B2 (en) 2011-12-28 2018-07-31 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted benzaldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10822326B2 (en) 2011-12-28 2020-11-03 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted heteroaryl aldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10377741B2 (en) 2011-12-28 2019-08-13 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted heteroaryl aldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10806733B2 (en) 2011-12-28 2020-10-20 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted benzaldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10100043B2 (en) 2013-03-15 2018-10-16 Global Blood Therapeutics, Inc. Substituted aldehyde compounds and methods for their use in increasing tissue oxygenation
US10315991B2 (en) 2013-03-15 2019-06-11 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10017491B2 (en) 2013-03-15 2018-07-10 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10100040B2 (en) 2013-03-15 2018-10-16 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US9981939B2 (en) 2013-03-15 2018-05-29 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10858317B2 (en) 2013-03-15 2020-12-08 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10266551B2 (en) 2013-03-15 2019-04-23 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US11053195B2 (en) 2013-03-15 2021-07-06 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US11236109B2 (en) 2013-03-15 2022-02-01 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10435393B2 (en) 2013-03-15 2019-10-08 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US11530191B2 (en) 2013-03-15 2022-12-20 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10829470B2 (en) 2013-03-15 2020-11-10 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US10450269B1 (en) 2013-11-18 2019-10-22 Global Blood Therapeutics, Inc. Compounds and uses thereof for the modulation of hemoglobin
US9248199B2 (en) 2014-01-29 2016-02-02 Global Blood Therapeutics, Inc. 1:1 adducts of sickle hemoglobin
WO2015116061A1 (en) * 2014-01-29 2015-08-06 Global Blood Therapeutics, Inc. 1:1 adducts of sickle hemoglobin
US11452720B2 (en) 2014-02-07 2022-09-27 Global Blood Therapeutics, Inc. Crystalline polymorphs of the free base of 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US10722502B2 (en) 2014-02-07 2020-07-28 Global Blood Therapeutics, Inc. Crystalline polymorphs of the free base of 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US10137118B2 (en) 2014-02-07 2018-11-27 Global Blood Therapeutics, Inc. Crystalline polymorphs of the free base of 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US11020382B2 (en) 2015-12-04 2021-06-01 Global Blood Therapeutics, Inc. Dosing regimens for 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1h-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US11944612B2 (en) 2015-12-04 2024-04-02 Global Blood Therapeutics, Inc. Dosing regimens for 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US10077249B2 (en) 2016-05-12 2018-09-18 Global Blood Therapeutics, Inc. Process for synthesizing 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)-pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US10577345B2 (en) 2016-05-12 2020-03-03 Global Blood Therapeutics, Inc. Process for synthesizing 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)-pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US10493035B2 (en) 2016-10-12 2019-12-03 Global Blood Therapeutics, Inc. Tablets comprising 2-hydroxy-6-((2-(1-isopropyl-1H-pyrazol-5-yl)pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
CN110325502A (zh) * 2017-01-20 2019-10-11 香港大学 化合物和用于检测过氧化氢的方法
CN110325502B (zh) * 2017-01-20 2023-03-31 港大科桥有限公司 化合物和用于检测过氧化氢的方法
WO2018133859A1 (en) * 2017-01-20 2018-07-26 The University Of Hong Kong Compounds and methods for detection of hydrogen peroxide
US11014884B2 (en) 2018-10-01 2021-05-25 Global Blood Therapeutics, Inc. Modulators of hemoglobin

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003075970A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料、カラー写真感光材料、その画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法
JPH10221829A (ja) 画像形成方法
JP3725631B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2000075453A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料、感光性ハロゲン化銀乳剤製造方法、これを用いたレンズ付きフィルムユニット及び画像形成方法並びにディジタル画像情報作成方法
JP2000147704A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料、これを用いた画像形成方法及びデジタル画像情報作成方法
JP3558181B2 (ja) カラー感光材料
JP2001092091A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び熱現像カラー写真感光材料
JP2001201813A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料、処理部材、画像形成方法およびデジタル画像情報作製方法
JP2000199947A (ja) 画像形成方法及び画像読み取り装置
JP2000147728A (ja) 画像形成方法及びデジタル画像情報作成方法
JP2002023296A (ja) 固体微粒子分散物を含有するハロゲン化銀感光材料および画像形成方法
JP2000171933A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法並びにデジタル画像情報作成方法
JP2001033922A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH08146579A (ja) 拡散転写型熱現像感光材料
JP2000122245A (ja) 熱現像感光材料用処理材料、該処理材料を含有するハロゲン化銀写真感光材料、それを用いる画像形成方法及びデジタル画像情報作製方法
JP3782190B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2001005154A (ja) 画像形成方法
JP2003344972A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料、それを用いたデジタル画像作成方法及び資源利用方法
JP2003322943A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料、画像形成方法及び画像情報記録方法
JP3816175B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2000347370A (ja) カラー感光材料、レンズ付きフィルムユニット、画像形成方法、デジタル画像情報作製方法、画像表示方法及び画像出力方法
JPH1078638A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2003295404A (ja) カラー画像形成方法、デジタル画像作成方法及び資源利用方法
JP2001013648A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料、現像処理方法及び画像形成方法
JP2000258878A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法