JP2000258878A - ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法

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JP2000258878A
JP2000258878A JP2000002485A JP2000002485A JP2000258878A JP 2000258878 A JP2000258878 A JP 2000258878A JP 2000002485 A JP2000002485 A JP 2000002485A JP 2000002485 A JP2000002485 A JP 2000002485A JP 2000258878 A JP2000258878 A JP 2000258878A
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Yoshihiko Suda
美彦 須田
Naoko Morita
直子 森田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 環境負荷が低減された簡便かつ迅速な画像形
成方法及びデジタル情報作成方法及び、簡便かつ迅速な
処理であっても、高感度で解像度が高く、さらに最高濃
度が高く、最低濃度が低いとともに発色バランスの優れ
た熱現像感光材料の提供。 【解決手段】 支持体上に感光性ハロゲン化銀、下記一
般式(1)〜(3)などで表される現像主薬、この現像
主薬の酸化体とのカップリング反応によって色素を形成
する化合物、難溶性金属塩化合物、及びバインダーを含
有し、複数の写真構成層によって構成されるハロゲン化
銀写真感光材料において、3以上の写真構成層に難溶性
金属塩化合物が含まれることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関し、短時間で熱現像処理が可能であり、かつ
解像度の高い写真感光材料、及びそれを用いた画像形成
方法、ならびにデジタル画像情報作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を利用した写真感光材料は
近年ますます発展し、現在では簡易に高画質のカラー画
像を入手することが可能となっている。たとえば通常カ
ラー写真と呼ばれる方式ではカラーネガフィルムを用い
て撮影を行い、現像後のカラーネガフィルムに記録され
た画像情報を光学的にカラー印画紙に焼き付けることで
カラープリントを得る。近年ではこのプロセスは高度に
発達し、大量のカラープリントを高効率で生産する大規
模な集中拠点であるカラーラボあるいは店舗に設置され
た小型、簡易のプリンタプロセッサである所謂ミニラボ
の普及により誰でもがカラー写真を手軽に楽しめるよう
になっている。
【0003】現在普及しているカラー写真の原理は、減
色法による色再現を採用している。一般的なカラーネガ
では透過支持体上に青、緑、そして赤色領域に感光性を
付与した感光素子であるハロゲン化銀乳剤を用いた感光
性層を設け、それらの感光性層中には各々が補色となる
色相であるイエロー、マゼンタそしてシアンの色素を形
成する所謂カラーカプラーを組合せて含有させている。
【0004】撮影により像様の露光を施されたカラーネ
ガフィルムは芳香族第一級アミン現像主薬を含有するカ
ラー現像液中で現像される。この時、感光したハロゲン
化銀粒子は現像主薬によって現像すなわち還元され、同
時に生成する現像主薬の酸化体と上記のカラーカプラー
のカップリング反応によって各色素が形成される。現像
によって生じた金属銀(現像銀)と、未反応のハロゲン
化銀とをそれぞれ漂白および定着処理によって取り除く
ことで色素画像が得られる。
【0005】同様な感光波長領域と発色色相の組合せを
有する感光性層を反射支持体上に塗設したカラー感光材
料であるカラー印画紙に現像処理後のカラーネガフィル
ムを通して光学的な露光を与え、これも同様の発色現像
と漂白、定着処理とを施すことでオリジナルの光景を再
現した、色素画像よりなるカラープリントを得ることが
できる。
【0006】これらのシステムは現在広く普及している
が、その簡易性を高める要求はますます強くなりつつあ
る。第一には、上述した発色現像および漂白、定着処理
を行うための処理浴は、その組成や温度を精密に制御す
る必要があり、専門的な知識と熟練した操作を必要とす
る。第二に、これらの処理液中には発色現像主薬や漂白
剤である鉄キレート化合物など環境的にその排出の規制
が必要な物質が含有されており、現像機器類の設置には
専用の設備を必要とする場合が多い。第三に、近年の技
術開発によって短縮されたとはいえ、これらの現像処理
には時間を要し、迅速に記録画像を再現する要求に対し
ては未だ不十分といわざるを得ない。こうした背景か
ら、現在のカラー画像形成システムにおいて用いられて
いる発色現像主薬や漂白剤を使用しないシステムを構築
することで環境上の負荷を軽減し、簡易性を改良するこ
とへの要求はますます高まりつつある。
【0007】これらの観点に鑑み、多くの改良技術の提
案がなされている。例えば、IS& T’s 48th
Annual Conference Procee
dings 180頁には、現像反応で生成した色素を
媒染層に移動させた後、剥離することで現像銀や未反応
のハロゲン化銀を除去し、従来カラー写真処理に必須で
あった漂白定着浴を不要にするシステムが開示されてい
る。
【0008】しかしながら、ここで提案されている技術
では発色現像主薬を含有する処理浴での現像処理は依然
として必要であり、環境上の問題は解決されているとは
言い難い。
【0009】又、発色現像主薬を含む処理液の不要なシ
ステムとして、富士写真フイルム株式会社よりピクトロ
グラフィーシステムが提供されている。このシステム
は、塩基プレカーサーを含有する感光部材に少量の水を
供給し、受像部材と貼り合わせ、加熱することで現像反
応を生じさせている。この方式は、先に述べた処理浴を
用いない点で環境上有利である。この方式は形成された
色素を色素固定層に拡散転写して固定し、これを色素画
像として観賞する用途に用いるものものであるため、撮
影用の記録材料として利用できるシステムの開発が望ま
れていた。しかしながら、上記の方式に用いられるカラ
ー感光材料では着色した色素供与物質が含有さるため、
撮影用カラー感光材料として十分な感度を得ることが困
難である。また拡散転写の際に生じる色素画像の滲みは
鑑賞用としては問題ないものの、引き伸ばしなどの目的
に使われる撮影用のカラー感光材料(以降単に感光材料
ということがある)に要求される品質を満足するもので
はない。
【0010】又、特開平8−234388号、同10−
90848号には感光性ハロゲン化銀乳剤、親水性バイ
ンダー、水に難溶性の塩基性化合物を有するハロゲン化
銀写真感光材料を像様露光後又は像様露光と同時に、錯
形成化合物、マット剤等を有する処理シートと重ね合わ
せ、水の存在下で熱現像をすることで画像を形成する方
法が開示されている。これらは着色した化合物を含有し
ない点で撮影用感光材料として好ましいが、撮影用感光
材料としての感度や、解像度を考えたとき、未だに十分
な性能を有しているとは言い難い。
【0011】一般に撮影用感光材料には透過型支持体上
に乳剤層が塗布されたものが使用され、現像によって生
成した透過画像を投影したり、光学的に読みとることに
よって観賞用の画像が形成される。このような目的に供
するために十分な透過濃度を熱現像によって得るために
は、反射型画像形成に比べて感光材料中にさらに多量の
塩基プレカーサーを必要とする。しかしながら、塩基プ
レカーサーが分散物として感光材料に含まれる場合に
は、その添加量の増加は光学的な散乱を増大させること
になり、感光材料の解像度を低下させてしまう。ところ
が塩基生成量が不足すると画像全体の透過濃度が低下し
たり、特定の色だけ透過濃度が不足し発色バランスが保
てなくなり、特定の層の感度が低くなってしまうという
問題も生じてしまう。このことは上記のような熱現像可
能な撮影用の感光材料を作成するためには非常に大きな
問題であり、これに対して十分な解決がされていないの
が現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、環境負荷が低減された簡便かつ迅速な画像形成方法
及びデジタル情報作成方法の提供であり、第2の目的と
して、簡便かつ迅速な処理であっても、高感度で解像度
が高く、さらに最高濃度が高く、最低濃度が低いととも
に発色バランスの優れた熱現像感光材料の提供である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成される。
【0014】1.支持体上に感光性ハロゲン化銀、下記
一般式(1)〜(5)で表される現像主薬の少なくとも
1つ、該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によっ
て色素を形成する化合物、難溶性金属塩化合物、及びバ
インダーを含有し、複数の写真構成層によって構成され
るハロゲン化銀写真感光材料において、3以上の写真構
成層に難溶性金属塩化合物が含まれることを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0015】
【化2】
【0016】式中、R1〜R4は各々水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミ
ド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンア
ミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
ルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カル
バモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスル
ファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカル
ボニル基、アリールカルボニル基、またはアシルオキシ
基を表す。R5はアルキル基、アリール基、または複素
環基を表す。R6は置換または無置換のアルキル基を表
す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキ
ル置換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表す。R
7、R8、R9、R10は水素原子または置換基を表し、
7、R8、R9、R10が互いに結合して2重結合または
環を形成してもよい。Zは芳香環を形成する原子群を表
す。
【0017】2.感光材料に含まれる難溶性金属塩化合
物の総量(モル数)に対し、一層当たりの最大添加量が
45%未満であることを特徴とする前記1に記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料。
【0018】3.感光波長領域が互いに異なり、カップ
リング反応によって形成される色素の色相が互いに異な
る少なくとも3種類の感光層が存在し、支持体から最も
遠い場所に位置する感光層及び該感光層に対し支持体か
ら遠い写真構成層に含まれる難溶性金属塩化合物の総量
(モル数)が、該感光層に対し支持体に近い各写真構成
層に含まれる難溶性金属塩化合物の総量(モル数)より
少ないことを特徴とする前記1又は2に記載のハロゲン
化銀写真感光材料。
【0019】4.難溶性金属塩化合物の総量(モル数)
が15ミリモル/m2以上であることを特徴とする前記
1、2又は3に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0020】5.平均粒径0.1μm以下の微粒子から
なる難溶性金属塩化合物を含有する写真構成層が存在す
ることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0021】6.支持体上に感光性ハロゲン化銀、前記
一般式(1)〜(5)で表される現像主薬の少なくとも
1つ、該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によっ
て色素を形成する化合物、難溶性金属塩化合物、及びバ
インダーを含有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、難溶性金属塩化合物の総量が15ミリモル/m2
上であり、かつ、平均粒径0.1μm以下の微粒子から
なる難溶性金属塩化合物を含有する写真構成層を有する
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0022】7.難溶性金属塩化合物が酸化亜鉛である
ことを特徴とする、前記1〜6のいずれか1項に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0023】8.前記1〜7のいずれか1項に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料を、予め撮影可能な状態に装填
したことを特徴とするレンズ付きフィルムユニット。
【0024】9.ハロゲン化銀写真感光材料がシート状
フィルムとして実質的に単一平面を保って装填されてい
ることを特徴とする前記8に記載のレンズ付きフィルム
ユニット。
【0025】10.EV値が6.5以上11未満である
ことを特徴とする前記8又は9に記載のレンズ付きフィ
ルムユニット。
【0026】11.前記1〜7のいずれか1項に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料、もしくは前記8〜10のい
ずれか1項に記載のレンズ付きフィルムユニットに装填
されたハロゲン化銀写真感光材料を露光後、難溶性金属
塩化合物と錯形成して塩基を発生する錯形成化合物を含
有する処理材料と、水を存在させた状態で貼り合わせて
加熱することにより該ハロゲン化銀写真感光材料中に画
像を形成させる画像形成方法。
【0027】12.前記11に記載の画像形成方法によ
りハロゲン化銀写真感光材料中に画像を形成させた後、
スキャナーで読みとることによりデジタル画像情報に変
換するデジタル画像情報作成方法。
【0028】13.ハロゲン化銀又は現像銀の全部また
は一部が残存した状態でスキャナー読みとりを行うこと
を特徴とする前記12に記載のデジタル画像情報作成方
法。
【0029】14.1コマ当たりの露光領域面積が50
mm2以上、300mm2以下であることを特徴とする前
記11に記載の画像形成方法。
【0030】15.1コマ当たりの露光領域面積が50
mm2以上、300mm2以下であることを特徴とする前
記12又は13に記載のデジタル画像情報作成方法。
【0031】16.前記12、13又は15に記載のデ
ジタル画像情報作成方法にて作成したデジタル画像情報
を用い、画像表示機器に画像を出力することを特徴とす
る画像表示方法。
【0032】17.前記12、13又は15に記載のデ
ジタル画像情報作成方法にて作成したデジタル画像情報
を用い、画像出力材料に画像を出力することを特徴とす
る画像出力方法。
【0033】本発明は感光性ハロゲン化銀、前記一般式
(1)〜(5)で表される現像主薬の少なくとも1つ、
該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によって色素
を形成する化合物、難溶性金属塩化合物、及びバインダ
ーを含有する複数の写真構成層によって構成されるハロ
ゲン化銀写真感光材料及び、これを錯形成化合物を含有
する処理材料と水の存在下で張り合わせ加熱し現像する
画像形成方法に関するものである。
【0034】この中で錯形成化合物は後述する難溶性金
属塩化合物と反応しアルカリを放出するものであり両者
で塩基プレカーサーとしての効果をもつものであるが、
2成分の反応により塩基が放出されるためこれらを感光
材料と、処理材料に分けて内蔵できるため、安定性がよ
く優れた塩基プレカーサーである。しかしながら、前述
したように撮影用感光材料においては、観賞用のプリン
ト材料の場合におけるよりもより一層、塩基プレカーサ
ーの感光材料中への内蔵について工夫する必要があり、
本発明者らは種々検討を行った結果、本発明をなすに至
った。
【0035】先ず、本発明に塩基プレカーサーとして用
いる錯形成化合物と難溶性金属塩化合物について説明す
る。
【0036】本発明に用いる錯形成化合物は、後述する
難溶性金属塩化合物を構成する金属イオンと、安定度定
数がlogKで1以上の値を示す錯塩を生成するもので
ある。
【0037】本発明で用いる錯形成化合物は分析化学に
おけるキレート剤、写真化学における硬水軟化剤として
公知のものである。その詳細は前述の特許明細書の他、
A.リングボム著、田中信行、杉晴子訳「錯形成反応」
(産業図書)等にも記載されている。
【0038】また、これらの錯形成化合物については、
例えばエー・イー・マーテル、アール・エム・スミス
(A.E.Martell,R.M.Smith)共
著、“クリティカル スタビリティ コンスタンツ(C
ritical Stability Constan
ts)、第1〜5巻”、プレナム プレス(Plenu
mPress)にも詳述されている。
【0039】具体的にはアミノポリカルボン酸類、イミ
ノジ酢酸、およびその誘導体、アニリンカルボン酸類、
ピリジンカルボン酸類、アミノホスホン酸類、カルボン
酸類(モノ、ジ、トリ、テトラカルボン酸およびさらに
フォスフォノ、ヒドロキシ、オキソ、エステル、アミ
ド、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、フォスフ
ィノなどの置換基をもつ化合物)、ヒドロキサム酸類、
ポリアクリレート類、ポリリン酸類等とアルカリ金属、
グアニジン類、アミジン類もしくは4級アンモニウム等
との塩が挙げられる。
【0040】好ましい具体例としては、ピコリン酸、
2,6−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカ
ルボン酸、4−ジメチルアミノピリジン−2,6−ジカ
ルボン酸、5−エチル−2−ピコリン酸、キノリン−2
−カルボン酸、2−ピリジル酢酸、シュウ酸、クエン
酸、酒石酸、イソクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロトリ酢酸
(NTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDT
A)、ジエチレントリアミン五酢酸、ヘキサメタリン
酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ポリアクリン酸、
アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミ
ンテトラメチレンホスホン酸、
【0041】
【化3】
【0042】とアルカリ金属、グアニジン類、アミジン
類もしくは4級アンモニウムとの塩などが挙げられる。
なかでも、−CO2Mを少なくとも1つ有し、かつ環の
中に窒素原子を1つ有する芳香族複素環化合物が好まし
い。環としては単環でも縮合環でもよく、例えばピリジ
ン環、キノリン環などが挙げられる。そして、−CO2
Mが環に結合する位置は、N原子に対してα位であるこ
とが特に好ましい。Mはアルカリ金属、グアニジン、ア
ミジンおよび4級アンモニウムイオンのうちのいずれか
である。
【0043】さらに好ましい化合物としては、下記一般
式(B)で表されるものが挙げられる。
【0044】
【化4】
【0045】上記式において、R1は水素原子、アリー
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、−CO2M、ヒド
ロキシカルボニル基、アミノ基又はアルキル基を表す。
ここにおいてMはアルカリ金属、グアニジン、アミジン
及び4級アンモニウムイオンのうちのいずれかを表す。
2つのR1は同一でも異なっていてもよい。Z1とZ
2は、それぞれR1における定義と同じであり、またZ1
とZ2は結合してピリジン環に縮合する環を形成しても
よい。アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アルキル
基は、置換されていてもよく、置換基としてはアルキル
基、カルボキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0046】次に、好ましい錯形成化合物の例を列挙す
る(ここで、M+はアルカリ金属イオン、置換もしくは
非置換のグアニジウムイオン、アミジニウムイオンもし
くは4級アンモニウムイオンを表す)が、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0047】
【化5】
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
【0051】これらの錯形成化合物は、単独でも、2種
以上を併用しても使用できる。また後述の公知の塩基ま
たは塩基プレカーサーと併用することができる。
【0052】本発明においては、難溶性金属塩化合物と
この難溶性金属塩化合物を構成する金属イオンと上記錯
形成反応する化合物(以後錯形成化合物という)とを、
前記感光材料と処理材料にそれぞれどちらか一方を含有
させ、感光材料の露光後、水の存在下で処理材料と貼り
合わせて加熱することにより、画像形成反応系のpHを
上昇させる。
【0053】本発明における画像形成反応系とは、画像
形成反応が起こる領域を意味する。具体的には、感光材
料と処理材料のそれぞれに属する層が挙げられる。2つ
以上の層が存在する場合には、その全層でも一層でも良
い。
【0054】本発明における水と難溶性金属塩化合物及
び錯形成化合物を用いてアルカリ発生させる技術は、特
開昭62−245262号等に記載されている公知の技
術を用いることができる。つまり、本発明において、媒
体として用いる水は、外から水を供給する方法、予め水
を含むカプセル等を画像形成反応系に存在させ、加熱等
によりカプセルを破壊して水を供給する方法などによ
り、供給できる。
【0055】感光材料に含有させる難溶性金属塩化合物
に必要な特性は、水に対する溶解度が低く、かつ処理材
料に含まれた塩基プレカーサーと速やかに反応して塩基
を発生することである。
【0056】本発明に用いる難溶性金属塩化合物の例と
しては、水に対する溶解度(水100g中に溶解する物
質のグラム数)が0.5以下の炭酸塩、リン酸塩、ケイ
酸塩、ホウ酸塩、アルミン酸塩、水酸化物、酸化物、お
よび塩基性塩のようなこれらの化合物の複塩が挙げられ
る。
【0057】そして、下記一般式(A)で表されるもの
が好ましい。 一般式(A) Tpq ここでTは多価金属イオン、例えばZn2+、Ni2+、C
2+、Fe3+、Mn2+、Ca2+、Ba2+、Mg2+、Sr
2+、Sn4+、Al3+、Sb3+、Bi3+等を表し、Qとし
ては水の中で錯形成化合物を構成するイオンの対イオン
となることができ、かつアルカリ性を示すものを表し、
後述する錯形成化合物の説明にでてくるMの対イオンと
なることができ、かつアルカリ性を示すものが好まし
く、Mがアルカリ金属、グアニジン、アミジン又は4級
アンモニウムイオンを表す場合の対イオンとなることが
でき、かつアルカリ性を示すものが好ましく、例えば炭
酸イオン、リン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオ
ン、アルミン酸イオン、ヒドロキシイオン、酸素原子を
表す。pとqは、それぞれ、TとQの各々の原子価が均
衡を保てるような整数を表す。
【0058】以下に好ましい具体例を列挙する。炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜
鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウムカルシウム
(CaMg(CO32)、酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、酸化スズ、酸化コバルト、水酸化亜鉛、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水
酸化アンチモン、水酸化スズ、水酸化鉄、水酸化ビスマ
ス、水酸化マンガン、リン酸カルシウム、リン酸マグネ
シウム、ホウ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ
酸マグネシウム、アルミン酸亜鉛、アルミン酸カルシウ
ム、塩基性炭酸亜鉛(2ZnCO3・3Zn(OH)2
2O)、塩基性炭酸マグネシウム(3MgCO3・Mg
(OH)2・3H2O)、塩基性炭酸ニッケル(NiCO
3・2Ni(OH)2)、塩基性炭酸ビスマス(Bi
2(CO3)O2・H2O)、塩基性炭酸コバルト(2Co
CO3・3Co(OH)2)、酸化アルミニウムマグネシ
ウム。
【0059】難溶性金属塩化合物として好ましく用いら
れるのものは、亜鉛またはアルミニウムの酸化物、水酸
化物、塩基性炭酸塩であり、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩
基性炭酸亜鉛が更に好ましい。本発明においては1種類
の難溶性金属塩化合物が使われてもよいし、複数種の難
溶性金属塩化合物が組み合わされて使われても良い。
【0060】ここで、本発明において反応系のpHを上
昇させる機構について、ピコリン酸カリウムと水酸化亜
鉛の組合せを例に挙げて説明する。
【0061】両者の反応は例えば次式で示される。
【0062】
【化9】
【0063】すなわち、水が媒体として存在するように
なると、ピコリン酸イオンが亜鉛イオンと錯形成反応を
起こして上記式で示される反応が進行する結果、高いア
ルカリ性を呈することになる。
【0064】本発明において難溶性金属塩化合物と錯形
成化合物はそれぞれ別の支持体上の少なくとも一層に含
有させる。例えば、難溶性金属塩化合物は感光材料に、
錯形成化合物は処理材料に含有させることが好ましい。
【0065】難溶性金属塩化合物の添加量は熱現像中に
必要な塩基の量に合わせて調整すればよいが、本発明に
おいては難溶性金属塩化合物および錯形成化合物の使用
量は画像形成反応系のpHを8以上、好ましくは9〜1
3に上昇させるに十分な量であればよい。より具体的に
は、難溶性金属塩化合物または錯形成化合物の添加量
は、化合物種、難溶性金属塩化合物の粒子サイズ、錯形
成反応速度等に依存するが、各々塗布膜を質量に換算し
て50質量%以下で用いるのが適当であり、更に好まし
くは0.01質量%から40質量%の範囲が有用であ
る。さらに本発明において反応系の錯形成化合物の含有
量は、難溶性金属塩化合物の含有量に対しモル比で1/
100倍ないし100倍、特に1/10倍ないし20倍
が好ましい。
【0066】前述のように、撮影用感光材料においては
観賞用感光材料に比べて多量の塩基を必要とする。また
本発明に用いられる一般式(1)〜(5)の現像主薬に
よる発色現像を短時間で行うためには、比較的高濃度の
塩基を必要とする。本発明において、難溶性金属塩化合
物の好ましい添加量は15ミリモル/m2〜100ミリ
モル/m2、さらに好ましい添加量は20ミリモル/m2
〜50ミリモル/m2である。
【0067】上記量の難溶性金属塩化合物によりはじめ
て撮影用感光材料、デジタル画像読みとり媒体としてと
して用いるに十分な濃度、感度が得られ、本発明に好ま
しい効果が得られる。
【0068】難溶性金属塩化合物は感光材料中のどの写
真構成層に含ませても構わないが、本発明では3以上の
写真構成層に分割して添加することが好ましい。1つの
写真構成層に難溶性金属塩化合物が高密度で添加される
と非常に光散乱が大きくなり、撮影用カラー感光材料に
必要な解像度を得ることが困難になる。特に前記の如
く、多量に難溶性金属塩化合物を含有する本発明の感光
材料では、難溶性金属塩化合物が3以上の写真構成層に
分割して添加されていることが好ましい結果を与える。
ここで写真構成層とは支持体上に塗設されて感光材料を
構成する全ての層のことを表し、感光性ハロゲン化銀乳
剤を含むいわゆる感光性乳剤層も、感光性ハロゲン化銀
乳剤を含まない中間層や保護層などのいわゆる非感光性
層のいずれをも含む。又各感光層の発色のバランス上も
このように分割して含有させる事は好ましい。
【0069】難溶性金属塩化合物は特開昭59−174
83号等に記載のように親水性バインダー中に微粒子分
散して使用されるのが好ましい。
【0070】本発明において、難溶性金属塩化合物は感
光性乳剤層、非感光性層のいずれに含まれてもよいが、
非感光性層に含まれるのが好ましい。特に、保護層や中
間層に含まれるのが好ましい。またそれぞれの写真構成
層に含まれる難溶性金属塩化合物の量は、感光材料に含
まれる難溶性金属塩化合物の総量に対し、モル換算で4
5%を超えないことが好ましく、40%を超えないこと
が更に好ましい。
【0071】難溶性金属塩化合物を含有する写真構成層
においては、難溶性金属化合物1部に対し、バインダー
が0.1〜10部含まれることが好ましく、バインダー
が0.5〜5部含まれることがより好ましい。
【0072】本発明において好ましい形態の一つは、難
溶性金属塩化合物を支持体に近い位置に多く配置するこ
とである。支持体から最も遠い場所に位置する感光層及
び該感光層に対し支持体から遠い位置にある写真構成層
に含まれる難溶性金属塩化合物の総量(モル数)が、該
感光層に対し支持体に近い側に含まれる難溶性金属塩化
合物の量(モル数)より少ないことが好ましい。難溶性
金属塩化合物をこのように配置することによって、光散
乱と塩基の発生速度をコントロールし、解像度と発色バ
ランスの両方を高めることができる。
【0073】難溶性金属塩化合物は親水性バインダー中
に微粒子分散して、感光材料中に含有させるのが好まし
い。微粒子の粒径は感光材料を露光する際の光散乱が起
こりにくい範囲に設定することが好ましい。特に本発明
の感光材料を撮影用感光材料として用いる場合には光散
乱に対して細心の注意を払う必要がある。一般に用いら
れる平均粒径の範囲は0.001μm〜0.2μmであ
るが、本発明においては平均粒径が0.1μm以下の難
溶性金属塩化合物微粒子を用いることが好ましい。さら
に好ましい平均粒径は0.07μm以下であり、0.0
5μm以下であることが特に好ましい。これらの粒径の
難溶性金属塩化合物微粒子を用いる事で上記の量におい
て撮影用の感光材料として必要な特性を得ることができ
る。
【0074】上述のような光散乱に配慮した感光材料の
構成は、フォーマットの小さい撮影用感光材料を熱現像
用として用いる場合に重要である。1コマの撮影領域面
積が300mm2以下であるような小フォーマットの撮
影感材において、本発明が用いられることは特に好まし
い。そのような例としては、本出願人による特願平10
−170624に記載されたようなレンズ付フィルムユ
ニットに装填される写真フィルムに本発明を適用するこ
とができる。
【0075】本発明においては微粒子酸化亜鉛を用いる
ことが好ましい。酸化亜鉛は水酸化亜鉛や塩基性炭酸亜
鉛に比べ分散安定性が高く、感光材料の経時安定性を高
める点でも好ましい化合物であるが、熱現像する際の塩
基発生速度が遅く、そのため現像時間が長くなるという
欠点があった。しかし本発明の如く、平均粒径0.1μ
m以下の酸化亜鉛微粒子を用いることにより塩基発生速
度が速くなり、短時間の熱現像が可能となる。
【0076】上述の難溶性金属塩化合物の粒径について
は、一般に微粒子の粒径測定に用いられている各種の方
法によって確認することができる。例えば調製した分散
液中の微粒子の粒径を測定する方法としては、電子顕微
鏡観察、レーザー光等を用いた光散乱や光回折による測
定、細孔やオリフィス内を微粒子が通過する際の電気抵
抗を測定、これらと遠心分離による粒子の沈降速度の測
定、ゼータ電位測定などを挙げることができる。
【0077】本発明においては感光材料として支持体上
にこれら難溶性金属塩化合物の微粒子が塗布された状態
での粒径が重要であり、その測定方法としては下記の方
法を挙げることができる。すなわち、難溶性金属塩化合
物の微粒子を塗布した試料をウルトラミクロトームで厚
さ約100nmの超薄切片に前処理した後、透過型電子
顕微鏡(Transmission Electron
Microscope:以下TEMと略す。)で観察
する方法である。分散粒径を測定する手順は、具体的に
は以下の通りである。
【0078】難溶性金属塩化合物を塗布した試料を「現
像銀層に関する電子顕微鏡超薄切片試料観察について」
日本写真学会研究発表会要旨集、22、(1962)に
示されているように、電子顕微鏡観察前処理用のビーム
カプセルないしはゼラチンカプセル内に内接するように
切り出す。その後、電子顕微鏡観察前処理用のエポキシ
包理樹脂(主剤:EPON812、硬化剤:DDSA、
MNA、重合促進剤:DMP−30、以上すべてTAA
B社製)を混合し、ビームカプセルないしはゼラチンカ
プセルに満たす。その中に切り出した塗布試料細片を立
てて入れ、60℃の恒温器中に24時間置き、エポキシ
包理樹脂を硬化させる。包理樹脂硬化後、カプセルから
硬化したブロックを取り出し、先端をヤスリとカミソリ
でトリミングし、ガラスナイフを装着したウルトラミク
ロトームにより、切削面を整える。その後、ダイヤモン
ドナイフを装着したウルトラミクロトームにより、厚さ
約100nmの超薄切片を作成する。超薄切片はTEM
観察用メッシュの上に採取し、試料ホルダーに装着し
て、TEMで観察する。TEMの加速電圧は、高い方が
透過能力が高まるので有利であるが、あまり高すぎると
観察像のコントラストが低下するので、200kV程度
が好ましい。観察画像はTEM用フィルムに撮影した
後、現像プリントを行う。得られたプリント画像中に見
られる難溶性金属塩化合物の微粒子から無作為に100
個を選択し、それぞれの粒径を測定することによって平
均粒径や粒径分布を算出することができる。
【0079】本発明の主要な他の構成成分について説明
する。前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)で表される化合物について説明する。
【0080】一般式(1)において、R1〜R4は各々水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アル
キルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、ア
ルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカル
バモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル
基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シ
アノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、
またはアシルオキシ基を表す。R1〜R4の中で、R2
よびR4は好ましくは水素原子である。R5はアルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。
【0081】一般式(2)において、Zは芳香環を形成
する原子群を表す。R5はアルキル基、アリール基、ま
たは複素環基を表す。
【0082】一般式(3)において、R5はアルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。R6は置換ま
たは無置換のアルキル基を表す。Xは酸素原子、硫黄原
子、セレン原子またはアルキル置換もしくはアリール置
換の3級窒素原子を表す。R7、R8、R9、R10は水素
原子または置換基を表し、R7、R8、R9、R10が互い
に結合して2重結合または環を形成してもよい。
【0083】一般式(4)において、Zは芳香環を形成
する原子群を表す。R5はアルキル基、アリール基、ま
たは複素環基を表す。
【0084】一般式(5)において、R5はアルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。R6は置換ま
たは無置換のアルキル基を表す。Xは酸素原子、硫黄原
子、セレン原子またはアルキル置換もしくはアリール置
換の3級窒素原子を表す。R7、R8、R9、R10は水素
原子または置換基を表し、R7、R8、R9、R10が互い
に結合して2重結合または環を形成してもよい。
【0085】一般式(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)で表される化合物は発色現像主薬であり、本発明
においてはこれらが感光材料中に内蔵されており、銀塩
を現像することによって自らは酸化され、その酸化体が
後述のカプラーとカップリングして色素を生成するもの
である。これらの中でも特に一般式(1)あるいは
(4)の化合物が好ましく用いられる。以下にこれらの
化合物について詳細に説明する。
【0086】一般式(1)で表される化合物はスルホン
アミドフェノールと総称される化合物である。式中、R
1〜R4は各々水素原子、ハロゲン原子(例えばクロル
基、ブロム基)、アルキル基(例えばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基)、
アリール基(例えばフェニル基、トリル基、キシリル
基)、アルキルカルボンアミド基(例えばアセチルアミ
ノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基)、
アリールカルボンアミド基(例えばベンゾイルアミノ
基)、アルキルスルホンアミド基(例えばメタンスルホ
ニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基)、アリール
スルホンアミド基(例えばベンゼンスルホニルアミノ
基、トルエンスルホニルアミノ基)、アルコキシ基(例
えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ基)、アルキルチオ基(例
えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、ア
リールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリルチオ
基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモ
イル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル
基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイ
ル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカル
バモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフ
ェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル
基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例
えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル
基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル
基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルファモ
イル基、モルホリルスルファモイル基)、アリールスル
ファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、メチ
ルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファ
モイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例え
ばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、アリー
ルスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、4−ク
ロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル基)、アルキルカルボニル基(例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、アリールカル
ボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベンゾイル
基)、またはアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ
基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基)を表
す。これらの置換基はさらに置換基を有するものを含
む。R1〜R4の中で、R2およびR4は好ましくは水素原
子である。また、R1〜R4のハメット定数σp値の合計
は0以上となることが好ましい。
【0087】R5はアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、
ステアリル基)、アリール基(例えばフェニル基、トリ
ル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシル
フェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル
基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニ
ル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−
(メトキシカルボニル)基)、または複素環基(例えば
ピリジル基)を表す。これらの置換基はさらに置換基を
有するものを含む。
【0088】一般式(2)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラジンと総称される化合物である。また、一般式
(4)で表される化合物はカルバモイルヒドラジンと総
称される化合物である。
【0089】式中、Zは芳香環を形成する原子群を表
す。Zによって形成される芳香環は、本化合物に銀現像
活性を付与するため、十分に電子吸引的であることが必
要である。このため、含窒素芳香環を形成するか、或い
はベンゼン環に電子吸引性基を導入したような芳香環が
好ましく使用される。このような芳香環としては、ピリ
ジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キナ
ゾリン環、キノキサリン環等が好ましい。
【0090】ベンゼン環の場合、その置換基としては、
アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エ
タンスルホニル基)、ハロゲン原子(例えばクロル基、
ブロム基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカ
ルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバ
モイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモ
イル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバ
モイル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニル
カルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチ
ルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモ
イル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキ
シカルボニル基)、アルキルカルボニル基(例えばアセ
チル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、またはアリ
ールカルボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベン
ゾイル基)等が挙げられるが、上記置換基のハメット定
数σp値の合計は1以上である。これらの置換基はさら
に置換基を有するものを含む。
【0091】一般式(3)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一般式
(5)で表される化合物はカルバモイルヒドラゾンと総
称される化合物である。
【0092】式中、R6は置換または無置換のアルキル
基(例えばメチル基、エチル基)を表す。Xは酸素原
子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換もしくは
アリール置換の3級窒素原子を表すが、アルキル置換の
3級窒素原子が好ましい。R7、R8、R9、R10は水素
原子または置換基を表し、R7、R8、R9、R10が互い
に結合して2重結合または環を形成してもよい。
【0093】以下に、一般式(1)〜(5)で表される
化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこ
れによって限定されるものではない。
【0094】
【化10】
【0095】
【化11】
【0096】
【化12】
【0097】
【化13】
【0098】
【化14】
【0099】
【化15】
【0100】
【化16】
【0101】
【化17】
【0102】
【化18】
【0103】
【化19】
【0104】
【化20】
【0105】
【化21】
【0106】
【化22】
【0107】
【化23】
【0108】
【化24】
【0109】
【化25】
【0110】
【化26】
【0111】
【化27】
【0112】
【化28】
【0113】
【化29】
【0114】
【化30】
【0115】
【化31】
【0116】
【化32】
【0117】
【化33】
【0118】本発明に用いられるこれらの現像主薬は、
発色層1層当たり0.05〜10mmol/m2使用す
ることが好ましい。更に好ましい使用量は0.1〜5m
mol/m2であり特に好ましい使用量は0.2〜2.
5mmol/m2である。
【0119】本発明に用いる上記現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応によって色素を形成する化合物について
説明する。これらは一般的にはカプラーと呼ばれ、以下
の一般式Cp−1〜Cp−12に記載するような構造の
化合物がある。これらはそれぞれ一般に活性メチレン、
ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、ナフトー
ルと総称される化合物であり、パラフェニレンジアミン
を用いた発色現像系にイエローカプラー、マゼンタカプ
ラー、シアンカプラーとして用いられているものであ
り、本発明に有利に用いることが出来る。
【0120】
【化34】
【0121】
【化35】
【0122】
【化36】
【0123】
【化37】
【0124】
【化38】
【0125】一般式Cp−1〜Cp−4は活性メチレン
系カプラーと称されるカプラーを表し、一般式Cp−1
からCp−4において、式中、R24は置換基を有しても
良いアシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテ
ロ環基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基である。
【0126】一般式Cp−1〜Cp−3において、R25
は置換基を有しても良いアルキル基、アリール基、また
はヘテロ環基である。一般式Cp−4においてR26は置
換基を有してもよいアリール基またはヘテロ環基であ
る。R24、R25、R26が有してもよい置換基としては、
例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アシ
ルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スル
ファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ
基、水酸基、スルホ基等、種々の置換基を挙げることが
できる。R24の好ましい例としてはアシル基、シアノ
基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が挙げら
れる。
【0127】一般式Cp−1〜Cp−4において、Yは
水素原子または現像主薬酸化体とのカップリング反応に
より脱離可能な基である。Yの例として、2当量カプラ
ーのアニオン性離脱基として作用する基としては、ハロ
ゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基
(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、4−
アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキルチオ基
(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ
基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリル
チオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイ
ル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモ
イル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカ
ルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチル
フェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイ
ル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0128】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0129】一般式Cp−1〜Cp−4において、R24
とR25、R24とR26は互いに結合して環を形成してもよ
い。
【0130】一般式Cp−5は5−ピラゾロン系マゼン
タカプラーと称されるカプラーを表し、式中、R27はア
ルキル基、アリール基、アシル基、またはカルバモイル
基を表す。R28はフェニル基または1個以上のハロゲン
原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基、またはアシルアミノ基が置換したフェ
ニル基を表す。Yについては一般式Cp−1〜Cp−4
と同様である。
【0131】一般式Cp−5で表される5−ピラゾロン
系マゼンタカプラーの中でも、R27がアリール基または
アシル基、R28が1個以上のハロゲン原子が置換したフ
ェニル基のものが好ましい。
【0132】これら好ましい基について詳しく述べる
と、R27はフェニル、2−クロロフェニル、2−メトキ
シフェニル、2−クロロ−5−テトラデカンアミドフェ
ニル、2−クロロ−5−(3−オクタデセニル−1−ス
クシンイミド)フェニル、2−クロロ−5−オクタデシ
ルスルホンアミドフェニルまたは2−クロロ−5−〔2
−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシ)テト
ラデカンアミド〕フェニル等のアリール基、またはアセ
チル、ピバロイル、テトラデカノイル、2−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシ)アセチル、2−(2,4
−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブタノイル、ベンゾイ
ル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシアセトア
ミド)ベンゾイル等のアシル基であり、これらの基はさ
らに置換基を有してもよく、それらは炭素原子、酸素原
子、窒素原子、またはイオウ原子で連結する有機置換基
またはハロゲン原子である。
【0133】R28は2,4,6−トリクロロフェニル、
2,5−ジクロロフェニル、2−クロロフェニル、ペン
タクロロフェニル基等の置換フェニル基が好ましい。
【0134】一般式Cp−6はピラゾロアゾール系カプ
ラーと称されるカプラーを表し、式中、R29は水素原子
または置換基を表す。Zは窒素原子を2〜4個含む5員
のアゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表
し、該アゾール環は置換基(縮合環を含む)を有しても
よい。Yについては、一般式Cp−1〜Cp−4と同様
である。
【0135】一般式Cp−6で表されるピラゾロアゾー
ル系カプラーの中でも、発色色素の吸収特性の点で、米
国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,
2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリ
アゾール類、米国特許第3,725,067号に記載の
ピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類
が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類が好まし
い。
【0136】置換基R29、YおよびZで表されるアゾー
ル環の置換基の詳細については、例えば米国特許第4,
540,654号明細書の第2カラム第41行〜第8カ
ラム第27行に記載されている。好ましくは特開昭61
−65245号に記載されているような分岐アルキル基
がピラゾロトリアゾール基の2、3または6位に直結し
たピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−65245
号に記載されている分子内にスルホンアミド基を含んだ
ピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254
号に記載されるアルコキシフェニルスルホンアミドバラ
スト基を持つピラゾロアゾールカプラー、特開昭62−
209457号もしくは同63−307453号に記載
されている6位にアルコキシ基やアリールオキシ基を持
つピラゾロトリアゾールカプラー、および特開平2−2
01443号に記載される分子内にカルボンアミド基を
持つピラゾロトリアゾールカプラーである。
【0137】一般式Cp−7、Cp−8はそれぞれフェ
ノール系カプラー、ナフトール系カプラーと称されるカ
プラーであり、式中、R30は水素原子または−NHCO
32、−SO2NR3233、−NHSO232、−NHC
OR32、−NHCONR32 33、−NHSO2NR32
33から選ばれる基を表す。ここでR32、R33は水素原子
または置換基を表す。一般式Cp−7、Cp−8におい
て、R31は置換基を表し、pは0〜2から選ばれる整
数、mは0〜4から選ばれる整数を表す。Yについては
一般式Cp−1〜Cp−4と同様である。R31〜R33
しては前記R24〜R26の置換基として述べたものが挙げ
られる。
【0138】一般式Cp−7で表されるフェノール系カ
プラーの好ましい例としては、米国特許第2,369,
929号、同第2,801,171号、同第2,77
2,162号、同第2,895,826号、同第3,7
72,002号等に記載の2−アルキルアミノ−5−ア
ルキルフェノール系、米国特許第2,772,162
号、同第3,758,308号、同第4,126,39
6号、同第4,334,011号、同第4,327,1
73号、西独特許公開第3,329,729号、特開昭
59−166956号等に記載の2,5−ジアシルアミ
ノフェノール系、米国特許第3,446,622号、同
第4,333,999号、同第4,451,559号、
同第4,427,767号等に記載の2−フェニルウレ
イド−5−アシルアミノフェノール系等を挙げることが
できる。
【0139】一般式Cp−8で表されるナフトールカプ
ラーの好ましい例としては、米国特許第2,474,2
93号、同第4,052,212号、同第4,146,
396号、同第4,228,233号、同第4,29
6,200号等に記載の2−カルバモイル−1−ナフト
ール系および米国特許第4,690,889号等に記載
の2−カルバモイル−5−アミド−1−ナフトール系等
を挙げることができる。
【0140】一般式Cp−9〜Cp−12はピロロトリ
アゾールと称されるカプラーであり、R42、R43、R44
は水素原子または置換基を表す。Yについては一般式C
p−1〜Cp−4と同様である。R42、R43、R44の置
換基としては、前記R24〜R 26の置換基として述べたも
のが挙げられる。一般式Cp−9〜Cp−12で表され
るピロロトリアゾール系カプラーの好ましい例として
は、欧州特許第488,248A1号、同第491,1
97A1号、同第545,300号に記載の、R 42、R
43の少なくとも一方が電子吸引基であるカプラーが挙げ
られる。
【0141】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0142】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0143】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0144】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0145】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0146】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0147】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0148】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0149】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同64−32261号、特
開平2−297547号、同2−44340号、同2−
110555号、同3−7938号、同3−16044
0号、同3−172839号、同4−172447号、
同4−179949号、同4−182645号、同4−
184437号、同4−188138号、同4−188
139号、同4−194847号、同4−204532
号、同4−204731号、同4−204732号等に
記載されているカプラーも使用できる。
【0150】これらの化合物はすでに述べたように一般
のカラー写真に用いられ、パラフェニレンジアミン系の
発色現像主薬で現像した時にそれぞれ青色域(波長35
0〜500nm)、緑色域(波長500〜600n
m)、赤色域(波長600〜750nm)に分光吸収極
大波長を持つような化合物である。しかるに、本発明に
関わる一般式(1)〜(5)の現像主薬、特に一般式
(2)〜(5)の現像主薬とともに用いた場合には、カ
ップリングによって生成する色素が、これらの波長とは
異なる波長域に分光吸収極大を有する事があるので、使
用する現像主薬の種類に応じて、適宜カプラーの種類を
選択する必要がある。また本発明の感光材料は、必ずし
も発色色素が上記の青色域、緑色域、赤色域に分光吸収
極大波長を持つように設計される必要はない。発色色素
が紫外域や赤外域に分光吸収を有してもよく、これらと
可視光域の吸収をもつものと組み合わせて用いてもよ
い。
【0151】本発明に使用できるカプラーは耐拡散性基
がポリマー鎖をなしていてもよい。また、4当量カプラ
ーでも、2当量カプラーでも用いることができるが、発
色現像主薬の種類によって使い分けるのが好ましい。ま
ず、一般式(1)、(2)、(3)の現像主薬に対して
は4当量カプラーを使用するのが好ましく、一般式
(4)、(5)の現像主薬に対しては2当量カプラーを
使用するのが好ましい。
【0152】カプラーの具体例は、4当量、2当量の両
者ともセオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロ
セス(4th Ed.T.H.James編集、Mac
millan,1977)291頁〜334頁、および
354頁〜361頁、特開昭58−12353号、同5
8−149046号、同58−149047号、同59
−11114号、同59−124399号、同59−1
74835号、同59−231539号、同59−23
1540号、同60−2951号、同60−14242
号、同60−23474号、同60−66249号、特
開平8−110608号、同8−146552号、同8
−146578号、同9−204031号等及び前掲し
た文献・特許に詳しく記載されている。
【0153】本発明の感光材料は、以下のような機能性
カプラーを含有しても良い。発色色素の不要な吸収を補
正するためのカプラーとして、欧州特許第456,25
7A1号に記載のイエローカラードシアンカプラー、該
欧州特許に記載のイエローカラードマゼンタカプラー、
米国特許第4,833,069号に記載のマゼンタカラ
ードシアンカプラー、米国特許第4,837,136号
の(2)、WO92/11575のクレーム1の式
(A)で表される無色のマスキングカプラー(特に36
−45頁の例示化合物)。現像主薬酸化体と反応して写
真的に有用な化合物残査を放出する化合物(カプラーを
含む)としては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤
放出化合物:欧州特許第378,236A1号の11頁
に記載の式(I)〜(VI)で表される化合物、欧州特許
第436,938A2号の7頁に記載の式(I)で表さ
れる化合物、特願平4−134523号の式(1)で表
される化合物、欧州特許第440,195A2号の5、
6頁に記載の式(I)(II)(III)で表される化合
物、特願平4−325564号の請求項1の式(I)で
表される化合物−リガンド放出化合物、米国特許第4,
555,478号のクレーム1に記載のLIG−Xで表
される化合物。
【0154】本発明に用いられるカプラーは、1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができ、さらに他
の種類のカプラーと併用することができる。カプラーは
本発明の現像主薬およびハロゲン化銀と同一の層に添加
されることが好ましく、その好ましい使用量は現像主薬
1モルに対して0.05〜20モル、更に好ましくは
0.1〜10モル、特に好ましくは0.2〜5モルであ
る。また、本発明においてカプラーはハロゲン化銀1モ
ル当たり0.01〜1モル使用することが好ましく、
0.02〜0.6モルがより好ましい。この範囲である
と十分な発色濃度が得られる点で好ましい。
【0155】上記のカプラー、発色現像主薬などの疎水
性添加剤は米国特許第2,322,027号記載の方法
などの公知の方法により本発明の感光材料の層中に導入
することができる。この場合には、米国特許第4,55
5,470号、同第4,536,466号、同第4,5
36,467号、同第4,587,206号、同第4,
555,476号、同第4,599,296号、特公平
3−62256号などに記載のような高沸点有機溶媒
を、必要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶
媒と併用して、用いることができる。またこれらカプラ
ー、高沸点有機溶媒などは2種以上併用することができ
る。高沸点有機溶媒の量は用いられる疎水性添加剤1g
に対して10g以下、好ましくは5g以下、より好まし
くは1g〜0.1gである。また、バインダー1gに対
して1ml以下、更には0.5ml以下、特に0.3m
l以下が適当である。特公昭51−39853号、特開
昭51−59943号に記載されている重合物による分
散法や特開昭62−30242号等に記載されている微
粒子分散物にして添加する方法も使用できる。
【0156】水に実質的に不溶な化合物の場合には、前
記方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含有させ
ることができる。疎水性化合物を親水性コロイドに分散
する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。
例えば特開昭59−157636号の第(37)〜(3
8)頁、記載の界面活性剤また、特願平5−20432
5号、同6−19247号、西独公開特許第1,93
2,299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤等が
使用できる。
【0157】又これらの添加剤は分子量が小さいとき、
例えば、水溶性溶剤(例えば、水、メタノール、エタノ
ール、プロピルアルコール、アセトン、フッソ化アルコ
ール等の低沸点溶媒、ジメチルフォルムアミド、メチル
セルソルブ、フェニルセルソルブ等の高沸点溶媒)単独
またはそれらの混合溶媒に溶解して添加する方法等を用
いる事もできる。
【0158】本発明に使用する感光性ハロゲン化銀は、
臭化銀、沃臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、或
いは沃塩化銀等の任意のハロゲン組成のものでよい。一
般に感度を重視する場合には沃臭化銀、臭化銀、塩沃臭
化銀が、処理速度を重視する場合には塩化銀、塩臭化銀
等が好ましく用いられる。これらの粒子を含むハロゲン
化銀乳剤は、ピー・グラフキデス著のシミー・エ・フィ
ジック・フォトグラフィック(Paul Montel
社,1967年);ジー・エフ・デュフィン著のフォト
グラフィック・エマルジョン・ケミストリー(The
Focal Press刊,1966年);ヴイ・エル
・ジェリクマン等共著のメイキング・アンド・コーティ
ング・フォトグラフィック・エマルジョン(The F
ocalPress刊,1964年)等に記載された方
法、特開昭51−39027号、同55−142329
号、同58−113928号、同54−48521号及
び同58−4938号、同60−138538号等の各
公報、日本写真学会昭和58年年次大会要旨集88頁の
方法によって調製できる。即ち、酸性法、中性法、アン
モニア法等のいづれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性
ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時
混合法、それらの組合せ、或は粒子を銀イオン過剰の下
に於て形成させる方法(逆混合法)、微細な種結晶に可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を供給して成長させる方法
等のいづれを用いてもよい。
【0159】ハロゲン化銀写真乳剤のハロゲン化銀粒子
サイズ分布は狭くとも広くともいづれでもよいが、粒子
サイズの揃ったいわゆる単分散性であることが好まし
い。具体的には、 (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって表せる相対標準偏差(変動係数)で分布の広さ
を定義したとき25%以下のものが好ましく、更に好ま
しくは20%以下のものである。本発明に用いられるハ
ロゲン化銀粒子の平均粒径は特に限定されないが、体積
を立方体に換算したときの一辺の長さが0.05〜2.
0μm、好ましくは、0.1〜1.2μmである。
【0160】本発明のハロゲン化銀乳剤中に含まれるハ
ロゲン化銀粒子は立方体、8面体、14面体の様な規則
的な形状でもよく、平板状となる双晶の様な不規則な形
状でもよく、また両者の混合でもよいが、平板状粒子を
含むことが好ましい。本発明に好ましく用いられる平板
状ハロゲン化銀粒子は、粒子直径/厚さの比(アスペク
ト比)の平均値(平均アスペクト比)が2以上であり、
平均アスペクト比としては3〜20が好ましく、更に好
ましくは4〜15である。これら平板状ハロゲン化銀粒
子は、結晶の外壁は実質的に殆どが{111}面から成
るもの、或いは{100}面から成るものであってもよ
い。また、{111}面と{100}面とを併せ持つも
のであってもよい。
【0161】沃臭化銀、あるいは臭化銀平板粒子を使用
する場合には、粒子表面の50%以上が{111}面で
あり、より好ましくは60%〜90%が{111}面で
あり、特に好ましくは70〜95%が{111}面であ
る粒子が好ましい。{111}面以外の面は主として
{100}面であることが好ましい。この面比率は増感
色素の吸着における{111}面と{100}面との吸
着依存性の違いを利用した「T.Tani,J.Ima
gingSci.,29,165(1985年)」によ
り求めることができる。
【0162】平板状(沃)臭化銀粒子に於ては六角形で
あることが好ましい。六角形の平板状粒子(以下六角平
板粒子と略す場合もある。)とは、その主平面({11
1}面)の形状が六角形であり、その、最大隣接辺比率
が1.0〜2.0であることを言う。ここで最大隣接辺
比率とは六角形を形成する最小の長さを有する辺の長さ
に対する最大の長さを有する辺の長さの比である。六角
平板粒子は最大隣接辺比率が1.0〜2.0であればそ
の角が丸みを帯びていてもよく、更に角がとれ、ほぼ、
円形の平板粒子となっていてもよい。角が丸味をおびて
いる場合の辺の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣
接する辺の直線部分を延長した線との交点との間の距離
で表される。六角平板粒子の六角形を形成する各辺はそ
の1/2以上が実質的に直線からなることが好ましく、
隣接辺比率が1.0〜1.5であることがより好まし
い。
【0163】平板状(沃)臭化銀粒子は転位を有してい
ることが好ましい。ハロゲン化銀粒子の転位は、例えば
J.F.Hamilton,Photogr.Sci.
Eng.,57(1967)や、T.Shiozaw
a,J.Soc.Photogr.Sci.Japa
n,35,213(1972)に記載の、低温での透過
型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察すること
ができる。ハロゲン化銀粒子の転位の位置は、ハロゲン
化銀粒子の中心から外表面に向けて0.58〜1.0L
までの領域に発生していることが望ましいが、より好ま
しくは0.80〜0.98Lの領域に発生しているもの
である。転位線の方向は、おおよそ中心から外表面に向
かう方向であるが、しばしば蛇行している。ハロゲン化
銀粒子の転位の数については、1本以上の転位を含む粒
子が50%(個数)以上存在することが望ましく、転位
線を有する平板粒子数の比率(数)が高いほど好まし
い。
【0164】本発明においては、塩化銀、塩臭化銀、塩
沃化銀あるいは塩沃臭化銀平板粒子を用いることもでき
る。この場合、{100}面を主平面とする平板粒子、
{111}面を主平面とする平板粒子のいずれをも使用
することができる。{100}面を有する塩化銀平板粒
子に関しては、米国特許第5,314,798号、欧州
特許第534,395A号、同第617,321A号、
同第617,317A号、同第617,318A号、同
第617,325A号、WO94/22051号、欧州
特許第616,255A号、米国特許第5,356,7
64号、同第5,320,938号、同第5,275,
930号、特開平5−204073号、同5−2816
40号、同7−225441号、同6−30116号な
どに記載されている。また、主として{111}面から
なる平板粒子については、以前から種々の報告がなされ
ていてたとえば、米国特許第4,439,520号など
に詳しく記載されている。また、米国特許第5,25
0,403には等価円相当径0.7μm以上でかつ厚み
が0.07μm以下の所謂極薄平板粒子について記載さ
れている。さらに米国特許第4,435,501号には
平板粒子表面にエピタキシャルに銀塩を成長させる技術
が開示されている。
【0165】平板状粒子に於て、粒径とは粒子の投影像
を同面積の円像に換算したときの直径である。粒子の投
影面積は、この粒子面積の和から求めることができる。
何れも粒子の重なりが生じない程度に試料台上に分布さ
れたハロゲン化銀結晶サンプルを、電子顕微鏡観察する
ことによって得ることができる。平板状ハロゲン化銀粒
子の平均投影面積径は、該粒子の投影面積の円相当直径
で表し、好ましくは0.30μm以上であるが、より好
ましくは0.30〜5μm、更に好ましくは0.40〜
2μmである。粒径は、該粒子を電子顕微鏡で1万〜7
万倍に拡大投影して、そのプリント上の投影時の面積を
実測することによって得ることができる。また、平均粒
径(φ)は測定粒径個数をnとし、粒径φiを有する粒
子頻度をniとしたときに次式により求めることができ
る。
【0166】平均粒径(φ)=(Σni・φi)/n (測定粒子個数は無差別に1,000個以上であるとす
る。) 粒子の厚さは電子顕微鏡によって試料を斜めから観察す
ることによって得ることができる。本発明の平板状粒子
の好ましい厚みは、0.03〜1.0μmであり、より
好ましくは、0.05〜0.5μmである。本発明に用
いられる平板状ハロゲン化銀粒子は厚さの分布が小さい
ことが好ましい。具体的には、 (厚さの標準偏差/平均厚さ)×100=厚さ分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものである。更
に、アスペクト比と粒子の厚みの因子を加味して、次式
で表現される 平板性:A=ECD/b2 が20以上であることが好ましい。ここでECDは平板
粒子の平均投影直径(μm)を指し、bは粒子の厚みで
ある。ここで、平均投影直径とは、平板粒子の投影面積
と等しい面積を有する円の直径の数平均を表す。
【0167】更に、本発明に用いられる平板状ハロゲン
化銀粒子乳剤中の個々の粒子のハロゲン含量率の分布も
小さいことが好ましい。具体的には、 (ハロゲン含有率の標準偏差/平均ハロゲン含有率)×
100=ハロゲン含有率の広さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものである。
【0168】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
ハロゲン化銀粒子内に実質的にハロゲン組成の異なる少
なくとも2つの層構造をもつコア/シェル型構造でも均
一な組成のものでもよい。本発明に係るハロゲン化銀乳
剤の平均沃化銀含有率は、20モル%以下が好ましく、
より好ましくは0.1〜10モル%である。本発明にお
いて、いわゆるハロゲン変換型(コンバージョン型)の
粒子であっても構わない。ハロゲン変換量は銀量に対し
て0.2〜2.0モル%が好ましく、変換の時期は物理
熟成中でも物理熟成終了後でも良い。ハロゲン変換の方
法としては、通常ハロゲン変換前の粒子表面のハロゲン
組成よりも銀との溶解度積の小さいハロゲン水溶液又は
ハロゲン化銀微粒子を添加する。この時の微粒子サイズ
としては、0.2μm以下が好ましく、より好ましくは
0.02〜0.1μmである。
【0169】更に、ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成す
る過程及び/又は成長する過程で、カドミウム塩、亜鉛
塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、
ロジウム塩(錯塩を含む)及び鉄塩(錯塩を含む)から
選ばれる少なくとも1種の金属イオンを添加し、粒子内
部に及び/又は粒子表面層にこれらの金属元素を含有さ
せることができる。
【0170】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了時に不要な可溶性塩
類を除去してもよいし、或いは含有させたままでもよ
い。該塩類を除去する場合には、リサーチ・ディスクロ
ージャー(ResearchDisclosure、以
下RDともいう)17643号II項に記載の方法に基づ
いて行うことができる。
【0171】本発明に於ては各々別個に形成した2種以
上のハロゲン化銀乳剤を任意に混合して用いることがで
きる。
【0172】感光性ハロゲン化銀乳剤は通常は化学増感
されたハロゲン化銀乳剤である。本発明の感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の化学増感には、通常型感光材料用乳剤で公
知の硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法などのカ
ルコゲン増感法、金、白金、パラジウムなどを用いる貴
金属増感法および還元増感法などを単独または組合わせ
て用いることができる(例えば特開平3−110555
号、特願平4−75798号など)。
【0173】ハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増
感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤が好ましく
用いられる。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリル
チオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、
シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニ
ン、無機イオウ等が挙げられる。イオウ増感剤の添加量
としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待す
る効果の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロ
ゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの
範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が
好ましい。
【0174】金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の
他、各種の金錯体として添加することができる。用いら
れる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオ
シアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリア
ゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、
ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成
条件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀
1モル当たり1×10 -4〜1×10-8モルであることが
好ましい。更に好ましくは1×10-5〜1×10-8モル
である。
【0175】これらの化学増感を含窒素複素環化合物の
存在下で行うこともできる(特開昭62−253159
号)。また後掲するカブリ防止剤を化学増感終了後に添
加することができる。具体的には、特開平5−4583
3号、特開昭62−40446号記載の方法を用いるこ
とができる。化学増感時のpHは好ましくは5.3〜1
0.5、より好ましくは5.5〜8.5であり、pAg
は好ましくは6.0〜10.5、より好ましくは6.8
〜9.0である。本発明において使用される感光性ハロ
ゲン化銀の塗設量は、銀換算1mgないし10g/m2
の範囲である。
【0176】本発明に用いられるハロゲン化銀の調製に
おいては、還元増感を併用する事も出来る。ハロゲン化
銀乳剤を適当な還元的雰囲気におくことにより、ハロゲ
ン化銀粒子内部及び/又は粒子表面に還元増感核を付与
することができる。該還元増感は、後述するハロゲン化
銀粒子の成長途中に施すのが好ましい。成長途中に施す
方法としては、ハロゲン化銀粒子が成長しつつある状態
で還元増感を施す方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の
成長を中断した状態で還元増感を施し、その後に還元増
感されたハロゲン化銀粒子を成長せしめる方法をも含
み、具体的にはハロゲン化銀乳剤に還元剤および/また
は水溶性銀塩を添加することによって行われる。
【0177】還元剤の好ましい例としては、二酸化チオ
尿素およびアスコルビン酸およびそれらの誘導体があげ
られる。また別の好ましい還元剤としてはヒドラジン、
ジエチレントリアミンのごときポリアミン類、ジメチル
アミンボラン類、亜硫酸塩類等があげられる。還元剤の
添加量は還元増感剤の種類、ハロゲン化銀粒子の粒径、
組成及び晶癖、反応系の温度、pH、pAgなどの環境
条件によって変化させることが好ましいが、例えば二酸
化チオ尿素の場合はハロゲン化銀1モル当たり0.01
〜2mgの範囲が好ましい。アスコルビン酸の場合はハ
ロゲン化銀1モル当たり0.2〜50gの範囲が好まし
い。還元増感の条件としては、温度は40〜80℃、時
間は10〜200分、pHは5〜11、pAgは1〜1
0の範囲が好ましい。
【0178】水溶性銀塩としては硝酸銀を用いるのが好
ましい。水溶性銀塩の添加により還元増感技術の一種で
あるいわゆる銀熟成が行われる。銀熟成時のpAgは1
〜6が適当であり、より好ましくは2〜4である。温
度、時間、pHなどの条件は上記の範囲が好ましい。
【0179】また、粒子形成の所望の時点で添加した還
元剤の作用を過酸化水素(水)及びその付加物、ペルオ
キソ酸塩、オゾン、I2、チオスルフォン酸等の酸化剤
を所望の時点で添加することによって失活させ、還元剤
を抑制又は停止することが好ましい。酸化剤の添加時期
は、ハロゲン化銀粒子形成時から化学増感工程の金増感
剤(金増感剤を用いない場合には、化学増感剤)添加前
までならば任意である。
【0180】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
緑感性、赤感性等の感色性を持たせるためには、感光性
ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その他によって分光増
感する。また、必要に応じて青感性乳剤に青色領域の分
光増感を施してもよい。用いられる色素には、シアニン
色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包
含される。具体的には、米国特許第4,617,257
号、特開昭59−180550号、同64−13546
号、特開平5−45828号、同5−45834号など
に記載の増感色素が挙げられる。
【0181】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合
わせは特に、強色増感や分光増感の波長調節の目的でし
ばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増
感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収し
ない化合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に
含んでもよい(例えば米国特許第3,615,641
号、特開昭63−23145号等に記載のもの)。これ
らの増感色素を乳剤中に添加する時期は化学熟成時もし
くはその前後でもよいし、米国特許第4,183,75
6号、同4,225,666号に従ってハロゲン化銀粒
子の核形成前後でもよい。またこれらの増感色素や強色
増感剤は、メタノールなどの有機溶媒の溶液、ゼラチン
などの分散物あるいは界面活性剤の1液で添加すればよ
い。添加量は一般にハロゲン化銀1モル当り10-8ない
し10-2モル程度である。
【0182】本発明のハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化
銀写真感光材料を作製するために用いられる親水性保護
コロイドには、プロダクト・ライセシング・インデック
ス、第92巻P108の「Vehicles」の項に記
載されているような通常のハロゲン化銀乳剤に用いられ
るゼラチンの他にアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチ
ン等のゼラチン誘導体、水溶性セルロース誘導体その他
の合成又は天然の親水性ポリマーが含まれる。
【0183】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好
ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成するの
に使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,50
0,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾ
ール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許第
4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.01〜
10モル、好ましくは0.05〜3モルを併用すること
ができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計
は銀換算で0.05〜10g/m2、好ましくは0.1
〜4g/m2が適当である。
【0184】本発明の感光材料には、種々のカブリ防止
剤または写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用
することができる。その具体例としては、前記リサーチ
・ディスクロージャー、米国特許第5,089,378
号、同第4,500,627号、同第4,614,70
2号、特開昭64−13564号(7)〜(9)頁、
(57)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、米
国特許第4,775,610号、同第4,626,50
0号、同第4,983,494号、特開昭62−174
747号、同62−239148号、特開平1−150
135号、同2−110557号、同2−178650
号、RD17643号(1978年)(24)〜(2
5)頁等記載の化合物が挙げられる。これらの化合物
は、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1モルが好ま
しく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好ましく用
いられる。
【0185】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
は、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で
種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができ
る。従来のカラー感光材料の黄色フィルター層、アンチ
ハレーション層にはコロイド銀微粒子がしばしば用いら
れてきたが、感光材料を現像後コロイド銀を除去するた
めに漂白工程を設ける必要が生じる。処理の簡便性を求
めるという本発明の目的からは、漂白工程を必要としな
い感材が好ましい。したがって本発明においては、コロ
イド銀に替えて染料、特に現像処理中に消色、あるいは
溶出、転写し、処理後の濃度への寄与が小さい染料を使
用することが好ましい。染料が現像時に消色あるいは除
去されるとは、処理後に残存する染料の量が、塗布直前
の1/3以下、好ましくは1/10以下となることであ
り、現像時に染料の成分が感材から溶出あるいは処理材
料中に転写しても良いし、現像時に反応して無色の化合
物に変わっても良い。
【0186】これらの染料はハロゲン化銀乳剤層に添加
してもよく、非感光性層に添加してもよい。感度と鮮鋭
度を両立させるという観点からは、ある波長域に感光す
るハロゲン化銀乳剤が存在する層に対し、露光源と反対
側に同一波長域の光を吸収する染料が添加されるのが好
ましい。本発明の感光材料中に使用する染料としては、
公知の染料を用いることができる。例えば、現像液のア
ルカリに溶解する染料や、現像液中の成分、亜硫酸イオ
ンや主薬、アルカリと反応して消色するタイプの染料を
用いることができる。具体的には、欧州特許出願EP5
49,489A号記載の染料や、特開平7−15212
9号のExF2〜6の染料が挙げられる。これらの染料
は、感光材料を処理液で現像する場合にも用いることが
できるが、感光材料を後述する処理シートを用いて熱現
像する場合に特に好ましい。
【0187】処理液で処理する場合には、可視域に吸収
を有する染料として、特開平3−251840号公報3
08ページに記載のAI−1〜11の染料及び特開平6
−3770号公報明細書記載の染料が好ましく用いられ
る。赤外線吸収染料としては、特開平1−280750
号公報の2ページ左下欄に記載の一般式(I)、(I
I)、(III)で表される化合物が好ましい分光特性を有
し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真特性への影響もなく、
また残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合物の
具体例として、同公報3ページ左下欄から5ページ左下
欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げるこ
とができる。
【0188】また、媒染剤とバインダーに染料を媒染さ
せておくことも出来る。この場合媒染剤と染料は写真分
野で公知のものを用いることが出来、米国特許第4,5
0,626号第58〜59欄や、特開昭61−8825
6号32〜41頁、特開昭62−244043号、同6
2−244036号等に記載の媒染剤を挙げることがで
きる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放出する化
合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可動性色素を
放出させ、処理液に溶出あるいは、処理シートに転写除
去させることもできる。具体的には、米国特許第4,5
59,290号、同第4,783,369号、欧州特許
第220,746A2号、公開技報87−6119号に
記載されている他、特願平6−259805号の段落番
号0080〜0081に記載されている。
【0189】消色するロイコ染料などを用いることもで
きる。具体的には特開平1−150132号に有機酸金
属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ
色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。ロ
イコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応し
て消色するため、本発明において熱現像を行う場合に
は、このロイコ色素と顕色剤の組み合わせが好ましい。
ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森賀、吉田「染
料と薬品」9、84頁(化成品工業協会)、「新版染料
便覧」242頁(丸善、1970)、R.Garner
「Reportson the Progress o
f Appl.Chem」56、199頁(197
1)、「染料と薬品」19、230頁(化成品工業協
会、1974)、「色材」62、288頁(198
9)、「染料工業」32、208頁等に記載がある。顕
色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノールホルムア
ルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好ましく用いら
れる。
【0190】感光材料の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前記のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−135
46号の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙
げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バインダ
ーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋
白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デ
キストラン、プルラン、カラギーナン等の多糖類のよう
な天然化合物や、ポリビニールアルコール、ポリビニル
ピロリドン、アクリルアミド重合体等の合成高分子化合
物が挙げられる。また、米国特許第4,960,681
号、特開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポ
リマー、すなわち−COOMまたは−SO3M(Mは水
素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの
単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他の
ビニルモノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナト
リウム、メタクリル酸アンモニウム、アクリル酸カリウ
ムなど)も使用される。これらのバインダーは2種以上
組み合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上記
バインダーの組み合わせが好ましい。またゼラチンは、
種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチ
ン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼ
ラチンから選択すれば良く、組み合わせて用いる事も好
ましい。本発明において、バインダーの塗布量は1m2
あたり20g以下が好ましく、特に10g以下にするの
が適当である。
【0191】本発明の感光材料は硬膜剤で硬膜されてい
ることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特許第4,
678,739号第41欄、同第4,791,042
号、特開昭59−116655号、同62−24526
1号、同61−18942号、同61−249054
号、同61−245153号、特開平4−218044
号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、ア
ルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジ
ン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜
剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセ
タミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメ
チロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分
子硬膜剤(特開昭62−234157号などに記載の化
合物)が挙げられる。これらの硬膜剤の中で、ビニルス
ルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独又は
併用して使用する事が好ましい。これらの硬膜剤は、親
水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好ましく
は0.005〜0.5gが用いられる。
【0192】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を作製
する為に用いる親水性保護コロイドには、前述のプロダ
クト・ライセシング・インデックス、第92巻P108
の「Vehicles」の項に記載されているような通
常のハロゲン化銀乳剤に用いられるゼラチンの他にアセ
チル化ゼラチンやフタル化ゼラチン等のゼラチン誘導
体、水溶性セルロース誘導体その他の合成又は天然の親
水性ポリマーを挙げることが出来る。
【0193】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には必
要に応じて当業界公知の各種技術、添加剤を用いること
ができる。例えば、感光性ハロゲン化銀乳剤層、保護
層、前記フィルター層、ハレーション防止層の他にも各
種の中間層、下塗り層、クロスオーバー光カット層、バ
ッキング層等の様々な補助層を設けることができる。具
体的には、米国特許第5,051,335号記載のよう
な下塗り層、特開平1−167838号、特開昭61−
20943号記載のような固体顔料を有する中間層、特
開平1−120553号、同5−34884号、同2−
64634号記載のような還元剤やDIR化合物を有す
る中間層、米国特許第5,017,454号、同第5,
139,919号、特開平2−235044号記載のよ
うな電子伝達剤を有する中間層、特開平4−24924
5号記載のような還元剤を有する保護層またはこれらを
組み合わせた層などこれらの層中には、各種の化学増感
剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、
高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白
促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベン
ジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑
剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染
料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテッ
クス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を各種の方法で
含有させることができる。
【0194】上述したこれらの添加剤は、より詳しく
は、リサーチ・ディスクロージャー第176巻Item
/17643(1978年12月)、同184巻Ite
m/18431(1979年8月)、同187巻Ite
m/18716(1979年11月)及び同308巻I
tem/308119(1989年12月)に記載され
ている。
【0195】これら三つのリサーチ・ディスクロージャ
ーに示されている化合物種類と記載箇所を以下の表1に
掲載した。
【0196】
【表1】
【0197】本発明に使用できる適当な支持体は、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリ
カーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩
化ビニル等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用
できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類
も好ましい。これらは特開昭62−117708号、特
開平1−46912号に記載された方法により重合する
ことにより得ることができる。さらに本発明の感光材料
に利用できる支持体は写真用原紙、印刷用紙、バライタ
紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラ
スチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62
−253195号(29〜31頁)に支持体として記載
されたものが挙げられる。前述のRD17643の28
頁、同18716の647頁右欄から648頁左欄、及
び同307105の879頁に記載されたものも好まし
く使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチ
レン類も好ましい。これらは特開昭62−117708
号、特開平1−46912号、同1−178505号に
記載された方法により重合することにより得ることがで
きる。これらの支持体には米国特許第4,141,73
5号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖を
つきにくくしたものを用いることができる。また、これ
らの支持体表面を支持体と乳剤下塗り層との接着の向上
を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー
放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表
面処理として用いることができる。更に公知技術第5号
(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の4
4〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。ポ
リエチレンジナフタレンジカルボキシラートなどの透明
支持体やその上に透明磁性体を塗布したような支持体を
用いることができる。
【0198】本発明に係る感光材料に用いることのでき
る支持体としては、例えば前述のRD17643の28
頁及びRD308119の1009頁やプロダクト・ラ
イセシング・インデックス、第92巻P108、の「S
upports」の項に記載されているものが挙げられ
る。
【0199】本発明の感光材料を後述する熱現像処理に
用いる場合には、支持体としては処理温度に耐えること
のできるものを用いる必要がある。
【0200】また、支持体として例えば、特開平4−1
24645号、同5−40321号、同6−35092
号、特願平5−58221号、同5−106979号記
載の磁気記録層を有する支持体を用い、撮影情報などを
記録することもできる。
【0201】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe22など
の強磁性酸化鉄、Co被着γFe23、Co被着マグネ
タイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、
強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、
Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなど
を使用できる。Co被着γFe23などのCo被着強磁
性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球
状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積ではS
BETで20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が
特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好まし
くは3.0×104〜3.0×105A/mであり、特に
好ましくは4.0×104〜2.5×105A/mであ
る。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや
有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性
体粒子は特開平6−161032号に記載された如くそ
の表面にシランカップリング剤またはチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。又特開平4−259911
号、同5−81652号に記載の表面に無機、有機物を
被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0202】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、
質量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3mol
とトリメチロールプロパン1molの反応生成物)、及
びこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリ
イソシアネートなどが挙げられ、例えば特開平6−59
357号に記載されている。
【0203】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−88283
号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの質量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.0
1〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g
/m2である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.
01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20がより
好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記
録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全
面またはストライプ状に設けることができる。磁気記録
層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、
エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トラン
スファロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、
ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、
特開平5−341436号等に記載の塗布液が好まし
い。
【0204】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化硅素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化硅素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、米国特許第5,336,589
号、同第5,250,404号、同第5,229,25
9号、同第5,215,874号、欧州特許第466,
130号に記載されている。
【0205】上述の磁気記録層を有する感材に好ましく
用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感
材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技報番号94−6023(発明協会;19
94.3.15)に記載されている。ポリエステルはジ
オールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成さ
れ、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、
1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモ
ポリマーを挙げることができる。特に好ましいのは2,
6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜100モル
%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのはポ
リエチレン−2,6−ナフタレートである。平均分子量
の範囲は約5,000ないし200,000である。ポ
リエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以
上が好ましい。次にポリエステル支持体は、巻き癖をつ
きにくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、
より好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2やSb25等の導電性無機微粒子を塗布し)面
状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し端
部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止す
るなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は
支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止
剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施して
もよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。このポ
リエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ラ
イトパイピング防止のため、三菱化成製のDiares
in、日本化薬製のKayaset等ポリエステル用と
して市販されている染料または顔料を塗り込むことによ
り目的を達成することが可能である。
【0206】前述及び後述の種々の添加剤を含有する本
発明の感光材料及び熱現像に用いる下記処理材料は、前
記又は後述する支持体上に当業界において公知の方法を
用い塗布することが出来る。
【0207】本発明の感光材料の好ましい処理形態の1
つは熱現像処理である。熱現像においては、感光材料と
は別の処理材料を用いることが好ましい。処理材料とし
ては、支持体上に塩基および/または塩基プレカーサー
を含有した処理層を有するシート(以下処理シートとも
いう)を挙げることができる。処理層は親水性バインダ
ーにより構成されていることが好ましい。感光材料を像
様に露光した後、感光材料と処理材料とを、感光材料の
感光性層面と処理材料の処理層面で貼り合わせて加熱す
ることにより画像形成が行われる。感光材料および処理
材料を構成する全塗布膜の最大膨潤に要する水の1/1
0から1倍に相当する水を感光材料または処理材料に供
給後、貼り合わせて加熱することにより発色現像を行う
方法は好ましく用いられる。また、前記補助現像剤を必
要に応じて感光材料または処理材料に内蔵する、あるい
は水とともに塗布する方法も用いることができる。
【0208】感光材料の加熱処理は当該技術分野では公
知であり、熱現像感光材料とそのプロセスについては、
例えば、写真工学の基礎(1970年、コロナ社発行)
の553頁〜555頁、1978年4月発行映像情報4
0頁、Nabletts Handbook of P
hotography and Reprograph
y 7th Ed.(Vna Nostrand an
d ReinholdCompany)の32〜33
頁、米国特許第3,152,904号、同第3,30
1,678号、同第3,392,020号、同第3,4
57,075号、英国特許第1,131,108号、同
第1,167,777号およびリサーチ・ディスクロー
ジャー誌1978年6月号9〜15頁(RD1702
9)に記載されている。熱現像工程の加熱温度は、約5
0℃から250℃であるが、特に60℃から150℃が
有用である。
【0209】本発明の感光材料には、熱現像を促進する
目的で熱溶剤を添加しても良い。熱溶剤は加熱時に液状
化し、画像形成を促進する作用を有する化合物である。
常温では白色、固体状態であることが好ましく、加熱時
の揮散性が小さいことが望まれる。好ましい融点は70
〜170℃である。その例としては、米国特許第3,3
47,675号および同第3,667,959号に記載
されているような極性を有する有機化合物が挙げられ
る。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミド等)、尿素
誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、スルホンアミ
ド誘導体(特公平1−40974号および同4−137
01号に記載されている化合物等)、ポリオール化合物
(ソルビトール類)、およびポリエチレングリコール類
が挙げられる。このほか本発明で用いることのできる熱
溶剤として、例えば米国特許第3,347,675号、
同第3,438,776号、同第3,666,477
号、同第3,667,959号、RD17643号、特
開昭51−19525号、同53−24829号、同5
3−60223号、同58−118640号、同58−
198038号、同59−68730号、同59−84
236号、同59−229556号、同60−1424
1号、同60−191251号、同60−232547
号、同61−52643号、同62−42153号、同
62−44737号、同62−78554号、同62−
136645号、同62−139545号、同63−5
3548号、同63−161446号、特開平1−22
4751号、同1−227150号、同2−863号、
同2−120739号、同2−123354号等の各公
報に記載された化合物を挙げることができる。さらに本
発明に用いられる好ましい熱溶剤の具体的な例として、
特開平2−297548号、8頁左上〜9頁左上に記載
のTS−1〜TS−21が挙げられる。上記本発明の熱
溶剤は、2種以上併用して使用することもできる。
【0210】本発明の感光材料及び/または処理材料に
は本発明の難溶性金属塩化合物及び錯形成化合物からな
る塩基プレカーサーの他、さらに銀現像および色素形成
反応促進の目的で、別の塩基又は塩基プレカーサーを用
いてもよい。塩基プレカーサーとしては、熱により脱炭
酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセ
ン転移またはベックマン転移によりアミン類を放出する
化合物がある。その具体例は、米国特許第4,514,
493号、同第4,657,848号および公知技術第
5号(1991年3月22日、アズテック有限会社発
行)の55頁から86頁等に記載されている。
【0211】これら処理材料の処理層に含有させてもよ
い別の塩基、又は塩基プレカーサーに用いる塩基として
は有機塩基、無機塩基のいずれでもよい。
【0212】無機の塩基としては、特開昭62−209
448号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
水酸化物(例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム等)、リン酸塩(例えばリン酸水素二カリウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸水素アンモニウム・ナトリ
ウム、リン酸水素カルシウム等の第二または第三リン酸
塩等)、炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム等)、ホウ
酸塩(例えばホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、メタ
ホウ酸ナトリウム等)、有機酸塩(例えば酢酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸ナト
リウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸
ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム等)、特開昭63−25208号記載のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属のアセチリド、などが挙
げられる。
【0213】また有機の塩基としては、アンモニア、脂
肪族あるいは芳香族アミン類例えば1級アミン(例えば
メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、n−ヘキ
シルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシ
ルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、1,4−
ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、
アニシジン、p−トルイジン、α−ナフチルアミン、m
−フェニレンジアミン、1,8−ジアミノナフタレン、
ベンジルアミン、フェネチルアミン、エタノールアミン
等)、2級アミン(例えばジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン、N−メチルア
ニリン、N−メチルベンジルアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等)、3級アミン(例
えば特開昭62−170954号記載のN−メチルモル
ホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−メチル
ピぺリジン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、N,
N′−ジメチルピペラジン、N,N′−ジヒドロキシエ
チルピペラジン、ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタ
ン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメ
チルプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミ
ン、N−メチルジプロパノールアミン、トリエタノール
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジ
アミン、N,N,N′,N′−テトラヒドロキシエチル
エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル
トリメチレンジアミン、N−メチルピロリジン等)、ポ
リアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビ
ニルベンジルアミン、ポリ−(N,N−ジエチルアミノ
エチルメタクリレート)、ポリ−(N,N−ジメチルビ
ニルベンジルアミン)等)、ヒドロキシルアミン類(例
えばヒドロキシルアミン、N−ヒドロキシ−N−メチル
アニリン等)、複素環状アミン類(例えばピリジン、ル
チジン、イミダゾール、アミノピリジン、N,N−ジメ
チルアミノピリジン、インドール、キノリン、イソキノ
リン、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリ−2−ビニルピ
リジン等)、アミジン類例えばモノアミジン、(例えば
アセトアミジン、2−メチルイミダゾール、1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン、2−メチル−1,
4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2−フェニル−
1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、イミノピペ
リジン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデ
セン(DBU)等)、ビスあるいはトリスあるいはテト
ラアミジン、グアニジン類例えば水溶性のモノグアニジ
ン(例えばグアニジン、ジメチルグアニジン、テトラメ
チルグアニジン、2−アミノイミダゾリン、2−アミノ
−1,4,5−テトラヒドロピリミジン等)、特開昭6
3−70845号記載の水不溶性のモノあるいはビスグ
アニジン、ビスあるいはトリスあるいはテトラグアニジ
ン、4級アンモニウムの水酸化物(例えばテトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウム
ハイドロオキサイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ハイドロオキサイド、トリオクチルメチルアンモニウム
ハイドロオキサイド、メチルピリジニウムハイドロオキ
サイド等)などが挙げられる。
【0214】本発明の熱現像工程において用いられる処
理材料は、上記塩基および/または塩基プレカーサーを
含有することの他に、加熱現像時に空気を遮断したり、
感材からの素材の揮散を防止したり、塩基以外の処理用
の素材を感光材料に供給したり、現像後に不要になる感
光材料中の素材(YF染料、AH染料等)あるいは現像
時に生成する不要成分を除去したりする機能を併せ持つ
こともできる。また、処理材料には脱銀機能をもたせて
も良い。例えば、感光材料を像様露光後処理材料と重ね
合わせ処理する際ハロゲン化銀及び/または現像銀の一
部または全てを可溶解する場合、処理材料にハロゲン化
銀溶剤として定着剤を含ませておいても良い。
【0215】処理材料の支持体とバインダーには、感光
材料と同様のものを用いることが出来る。処理材料に
は、前述の染料の除去その他の目的で、媒染剤を添加し
ても良い。媒染剤は写真分野で公知のものを用いること
が出来、米国特許第4,50,626号第58〜59欄
や、特開昭61−88256号32〜41頁、特開昭6
2−244043号、同62−244036号等に記載
の媒染剤を挙げることが出来る。また、米国特許第4,
463,079号記載の色素受容性の高分子化合物を用
いても良い。また前記した熱溶剤を含有させてもよい。
【0216】処理材料を用いて熱現像する際には、現像
促進あるいは、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促
進の目的で少量の水を用いることが好ましい。上記の如
き、水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属
化合物を構成する金属イオンと錯形成化合物の組合せで
塩基を発生させる方法を採用する場合には、水を用いる
ことが必須である。水には無機のアルカリ金属塩や有機
の塩基、低沸点溶媒、界面活性剤、カブリ防止剤、難溶
性金属塩との錯形成化合物、防黴剤、防菌剤を含ませて
もよい。水としては一般に用いられる水であれば何を用
いても良い。具体的には蒸留水、水道水、井戸水、ミネ
ラルウォーター等を用いることができる。また本発明の
感光材料および処理材料を用いる熱現像装置においては
水を使い切りで使用しても良いし、循環し繰り返し使用
してもよい。後者の場合材料から溶出した成分を含む水
を使用することになる。また特開昭63−144354
号、同63−144355号、同62−38460号、
特開平3−210555号等に記載の装置や水を用いて
も良い。水は感光材料、処理材料またはその両者に付与
する方法を用いることができる。その使用量は感光材料
および処理材料の(バック層を除く)全塗布膜を最大膨
潤させるに要する量の1/10〜1倍に相当する量であ
る。この水を付与する方法としては、例えば特開昭62
−253159号(5)頁、特開昭63−85544号
等に記載の方法が好ましく用いられる。また、溶媒をマ
イクロカプセルに閉じ込めたり、水和物の形で予め感光
材料もしくは処理材料またはその両者に内蔵させて用い
ることもできる。付与する水の温度は前記特開昭63−
85544号等に記載のように30℃〜60℃であれば
良い。
【0217】本発明の感光材料を熱現像する際には、公
知の加熱手段を適用することが出来、例えば、加熱され
たヒートブロックや面ヒータに接触させる方式、熱ロー
ラや熱ドラムに接触させる方式、赤外および遠赤外ラン
プヒーターなどに接触させる方式、高温に維持された雰
囲気中を通過させる方式、高周波加熱方式を用いる方式
などを用いることができる。このほか、感光材料又は受
像部材の裏面にカーボンブラック層の様な発熱導電性物
質を設け、通電することにより生ずるジュール熱を利用
する方式を適用することもできる。この発熱の発熱要素
には、特開昭61−145544号等に記載のものを利
用できる。感光材料と処理材料を感光層と処理層が向か
い合う形で重ね合わせる方法は特開昭62−25315
9号、同61−147244号(27)頁記載の方法が
適用できる。加熱温度としては70℃〜100℃が好ま
しい。
【0218】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
には種々の熱現像装置のいずれもが使用できる。例え
ば、特開昭59−75247号、同59−177547
号、同59−181353号、同60−18951号、
実開昭62−25944号、特願平4−277517
号、同4−243072号、同4−244693号、同
6−164421号、同6−164422号等に記載さ
れている装置などが好ましく用いられる。また市販の装
置としては富士写真フイルム(株)製ピクトロスタット
100、同ピクトロスタット200、同ピクトロスタッ
ト300、同ピクトロスタット330、同ピクトロスタ
ット50、同ピクトログラフィー3000、同ピクトロ
グラフィー2000などが使用できる。
【0219】本発明の熱現像処理においては、処理材料
に現像停止剤を含ませておき、現像と同時に現像停止剤
を働かせても良い。ここでいう現像停止剤とは、適正現
像後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の
塩基濃度を下げ現像を停止する化合物または銀および銀
塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体的
には、加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱に
より共存する塩基と置換反応を起す親電子化合物、また
は含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物及びその前
駆体等が挙げられる。更に詳しくは特開昭62−253
159号(31)〜(32)頁に記載されている。ま
た、特願平6−190529号等に記載のメルカプトカ
ルボン酸の亜鉛塩を感光材料に含有させ、前述した錯形
成化合物を処理部材に含有させた組合せは有利である。
また、同様にハロゲン化銀のプリントアウト防止剤を処
理材料に含ませておき、現像と同時にその機能を発現さ
せても良い。プリントアウト防止剤の例としては特公昭
54−164号記載のモノハロゲン化合物、特開昭53
−46020号記載のトリハロゲン化合物、特開昭48
−45228号記載のハロゲンが脂肪族炭素原子に結合
する化合物、特公昭57−8454号に記載のテトラブ
ロムキシレンに代表されるポリハロゲン化合物が挙げら
れる。また、英国特許第1,005,144号に記載さ
れている1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールの
ような現像抑制剤も有効である。また、特願平6−33
7531号に記載されているビオロゲン化合物も有効で
ある。プリントアウト防止剤の使用量は好ましくは10
-4〜1モル/Agモル、特に好ましくは10-3〜10-1
モル/Agモルである。
【0220】本発明の熱現像処理においては、熱現像に
よって感光材料中生成した現像銀を除去するために、処
理材料中に漂白剤として作用する銀の酸化剤を含有させ
ておき、熱現像時にこれらの反応を生じさせることがで
きる。また、画像形成の現像終了後に銀の酸化剤を含有
させた第二の処理材料を感光材料と貼り合わせて現像銀
の除去を行うこともできる。しかしながら、処理時に現
像銀を漂白しない方が、処理が簡易であり好ましい。
【0221】現像銀を除去することのできる漂白剤とし
ては、常用されている銀漂白剤を任意に使用できる。こ
のような漂白剤は米国特許第1,315,464号およ
び同第1,946,640号、およびPhotogra
phic Chemistry Vol.2,Chap
ter30,Foundation Press Lo
ndon Englandに記載されている。これらの
漂白剤は写真銀像を効果的に酸化しそして可溶化する。
有用な銀漂白剤の例には、アルカリ金属重クロム酸塩、
アルカリ金属フェリシアン化物がある。好ましい漂白剤
は水に可溶な物であり、そしてニンヒドリン、インダン
ジオン、ヘキサケトシクロヘキサン、2,4−ジニトロ
安息香酸、ベンゾキノン、ベンゼンスルホン酸、2,5
−ジニトロ安息香酸を包含する。また、金属有機錯体、
たとえばシキロヘキシルジアルキルアミノ4酢酸の第2
鉄塩およびエチレンジアミン4酢酸の第2鉄塩、クエン
酸の第2鉄塩がある。第二の処理材料に用いるバインダ
ー、支持体、その他の添加剤に関しても、前記の感光材
料を現像する処理材料(第一の処理材料)と同じ物を用
いることが出来る。漂白剤の塗布量は、張り合わせられ
る感光材料の含有銀量に応じて変えられるべきである
が、感光材料の単位面積当たりの塗布銀量の0.01モ
ル〜10モル/感光材料の塗布銀モルの範囲で使用され
る。好ましくは0.1から3モル/感光材料の塗布銀モ
ルであり、さらに好ましくは0.1〜2モル/感光材料
の塗布銀モルである。
【0222】また、画像形成後に不要となったハロゲン
化銀を除去するために、処理材料中に定着機能をもつ化
合物を含有させておくこともできる。このような方式の
具体的な例のひとつは、処理材料に物理現像核及びハロ
ゲン化銀溶剤を含ませておき、加熱中に感光材料のハロ
ゲン化銀を可溶化し、処理層に固定する方式が挙げられ
る。物理現像核は、感光材料より拡散してきた可溶性銀
塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固定させる
ものである。物理現像核としては、亜鉛、水銀、鉛、カ
ドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバルト、銅、
ルテニウムなどの重金属、あるいはパラジウム、白金、
銀、金等の貴金属、あるいはこれらの硫黄、セレン、テ
ルル等のカルコゲン化合物のコロイド粒子等の物理現像
核として公知のものはすべて使用できる。これらの物理
現像核物質は、対応する金属イオンをアスコルビン酸、
水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロキノン等の還元剤で
還元して、金属コロイド分散物をつくるか、あるいは、
可溶性硫化物、セレン化物またはテルル化物溶液を混合
して、水不溶性の金属硫化物、金属セレン化物または金
属テルル化物のコロイド分散物をつくることによって得
られる。これら分散物は、ゼラチンのような親水性バイ
ンダー中で形成させるのが好ましい。コロイド銀粒子の
調製法は、米国特許第2,688,601号等に記載さ
れている。必要に応じて、ハロゲン化銀乳剤調製法で知
られている過剰の塩を除去する、脱塩法をおこなっても
よい。これらの物理現像核の大きさは、2〜200nm
の粒径のものが好ましく用いられる。これらの物理現像
核は、処理層に、通常、10-3〜100mg/m2、好
ましくは、10-2〜10mg/m2含有させる。物理現
像核は、別途調製して塗布液中に添加することもできる
が、親水性バインダーを含有する塗布液中で、例えば、
硝酸銀と硫化ナトリウム、または、塩化金と還元剤等を
反応させて作製してもよい。物理現像核としては、銀、
硫化銀、硫化パラジウム等が好ましく用いられる。
【0223】このような方式でハロゲン化銀の定着を行
う場合には、物理現像核を含有する層に物理現像を生じ
させ得る還元剤が存在する必要がある。非拡散性の還元
剤を用いる場合には、該層に添加する必要があるが、拡
散性の還元剤を使用する場合には感光材料、処理材料の
いずれの層に還元剤が添加されていても構わない。この
ような機能をもった還元剤としては、後述する補助現像
剤が好ましく用いられる。
【0224】物理現像核や還元剤を用いずにハロゲン化
銀を定着してもよい。この場合にはいわゆるハロゲン化
銀溶剤によって銀イオンに対して塩置換がおこり、感光
性のない銀塩の生成することが望まれる。
【0225】いずれの場合においても、ハロゲン化銀溶
剤は、公知のものを使用できる。例えば、チオ硫酸塩、
亜硫酸塩、チオシアン酸塩、特公昭47−11386号
記載の1,8−ジ−3,6−ジチアオクタン、2,2′
−チオジエタノール、6,9−ジオキサ−3,12−ジ
チアテトラデカン−1,14−ジオールのようなチオエ
ーテル化合物、特願平6−325350号記載のウラシ
ル、ヒダントインの如き5ないし6員環のイミド環を有
する化合物、メルカプト化合物、チオウラシル類、特開
平4−365037号や同5−66540号に記載のの
スルフィド基を有する含窒素ヘテロ環系化合物、特開昭
53−144319号記載の一般式(I)の化合物を用
いることができる。アナリティカ・ケミカ・アクタ(A
nalytica Chemica Acta)248
巻 604〜614頁(1991年)記載のトリメチル
トリアゾリウムチオレートにメソイオンチオレート化合
物も好ましい。特願平6−206331号記載のハロゲ
ン化銀を定着して安定化しうる化合物もハロゲン化銀溶
剤として使用しうる。また、これらのハロゲン化銀溶剤
を併用して用いてもよい。上記化合物の中でも、亜硫酸
塩、ウラシルやヒダントインのような5ないし6員のイ
ミド環を有する化合物が特に好ましい。特にウラシルや
ヒダントインはカリウム塩として添加すると、処理材料
の保存時の光沢低下が改善できる点で好ましい。
【0226】処理層中の全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は、0.01〜100ミリモル/m2であり、好ましく
は、0.1〜50ミリモル/m2である。より好ましく
は、1〜30ミリモル/m2である。感光材料の塗布銀
量に対してモル比で、1/20〜20倍で、好ましくは
1/10〜10倍で、より好ましくは、1/3〜3倍で
ある。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルプロピル
グリコール等の溶媒或いはアルカリまたは酸性水溶液に
添加してもよいし、固体微粒子分散させて塗布液に添加
してもよい。
【0227】処理材料は最低一つのタイミング層を有す
ることが出来る。このタイミング層は、所望とするハロ
ゲン化銀と現像主薬、さらにカプラーとの反応が実質的
に完了するまでの間、漂白反応や定着反応を遅延させる
ことを目的とするものである。タイミング層は、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、または、ポリビニルアルコ
ール−ポリビニルアセテートからなることが出来る。こ
の層はまた、例えば米国特許第4,056,394号、
同第4,061,496号および、同第4,229,5
16号に記載されているようなバリアータイミング層で
あっても良い。
【0228】本発明の熱現像処理においては、発色現像
を行うための処理材料、漂白および/または定着を行う
ための処理材料など機能を分離した2つ以上の処理材料
と順次感光材料を重ね合わせて加熱処理を行うことも可
能である。この場合には、現像用の処理材料には上で述
べたような、漂白や定着機能をもつ化合物は含有されな
いのが好ましい。感光材料は現像用処理材料と重ね合わ
せて加熱処理された後、再び漂白のための処理材料とそ
れぞれ感光性層と処理層を向かい合わせて重ね合わされ
る。このとき予め、双方のバック層を除く全塗布膜を最
大膨潤させるに要する量の0.1から1倍に相当する水
を感光材料または第2処理材料を与えておく。この状態
で、40℃から100℃の温度で5秒から60秒間加熱
することにより、漂白処理や定着処理が施される。水の
量、水の種類、水の付与方法、および感光材料と処理材
料を重ね合わせる方法については現像用の処理材料と同
様のものを用いることができる。
【0229】本発明の感光材料を処理後、長期間に渡っ
て保管あるいは鑑賞する目的で用いるためには、上述の
漂白処理や定着処理を行うことが好ましいが、後述のよ
うに、本発明の感光材料を処理後直ちにスキャナー等で
読取り、電子画像に変換する目的で用いる場合には、漂
白処理や定着処理は必ずしも必要ではない。しかし通常
は定着処理は行うのがこのましい。これは残存するハロ
ゲン化銀が可視波長域に吸収を持つため、スキャナー読
取り時にノイズ源となって得られる電子画像に悪影響を
与えるからである。定着処理をおこなわず、現像だけの
簡易な処理を実現するためには、前述の薄い平板ハロゲ
ン化銀粒子や塩化銀粒子を用いることが好ましい。
【0230】本発明の感光材料の別の好ましい処理形態
はアクチベーター処理である。アクチベーター処理と
は、発色現像主薬を感光材料の中に内蔵させておき、発
色現像主薬を含まない処理液で現像処理を行う処理方法
をさしている。この場合の処理液は通常の現像処理液成
分に含まれている発色現像主薬を含まないことが特徴
で、その他の成分(例えばアルカリ、補助現像主薬な
ど)を含んでいても良い。アクチベーター処理について
は欧州特許第545,491A1号、同第565,16
5A1号などの公知文献に例示されている。本発明に用
いるアクチベーター処理液のpHは9以上であることが
好ましく、10以上であることが更に好ましい。
【0231】本発明の感光材料に対しアクチベーター処
理を行う場合、補助現像剤が好ましく用いられる。ここ
で補助現像剤とはハロゲン化銀現像の現像過程におい
て、発色現像主薬からハロゲン化銀への電子の移動を促
進する作用を有する物質である。補助現像剤はアクチベ
ーター処理液に添加してもよいが、予め感光材料に内蔵
させておくこともできる。補助現像剤を含むアルカリ水
溶液で現像する方法は、RD17643の28〜29
頁、同18716の651左欄〜右欄、および同307
105の880〜881頁に記載されている。
【0232】本発明における補助現像主薬は好ましくは
一般式(ETA−I)又は一般式(ETA−II)で表さ
れるケンダール−ペルツ則に従う電子放出性の化合物で
ある。この中で(ETA−I)で表されるものが特に好
ましい。
【0233】
【化39】
【0234】一般式(ETA−I)、(ETA−II)に
おいて、R51〜R54は水素原子、アルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基を表
す。
【0235】R55〜R59は水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シクロア
ルキルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アニ
リノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、ヘテロ環チオ基、シリル基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロアル
キルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボ
ニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイル
オキシ基、アルカンスルホニルオキシ基、アレーンスル
ホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレ
イド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
リールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、
スルファモイルアミノ基、アルキルスルフィニル基、ア
レーンスルフィニル基、アルカンスルホニル基、アレー
ンスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、ホスフ
ィノイル基、ホスフィノイルアミノ基を表す。
【0236】qは0〜5の整数を表し、qが2以上のと
きにはR55はそれぞれ異なっていても良い。R60はアル
キル基、アリール基を表す。
【0237】一般式(ETA−I)又は(ETA−II)
で表される化合物の具体的な例としては、本出願人によ
る特願平10−44518号明細書P26〜30に記載
の化合物(ETA−1)〜(ETA−32)が挙げられ
る。
【0238】また補助現像剤を感光材料に内蔵させる場
合、感光材料の保存安定性を高めるために、補助現像剤
を前駆体の形で内蔵させることもできる。ここで用いら
れる補助現像剤前駆体としては、特開平1−13855
6号に記載の化合物を挙げることができる。これらの化
合物は、水やアルコール類やアセトン、ジメチルホルム
アミド、グリコール類等の適当な溶媒に溶解させる、ま
たは、微粒子固体分散状、または、トリクレジルフォス
フェート等の高沸点有機溶媒に溶解の後に親水性バイン
ダー中で微粒子分散を行うなどして添加し、塗布するこ
とができる。これら補助現像剤前駆体は2種以上併用し
て用いてもよいし、補助現像剤と併用して用いてもよ
い。
【0239】本発明の感光材料および処理材料には、塗
布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促
進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができ
る。界面活性剤の具体例は公知技術第5号(1991年
3月22日、アズテック有限会社発行)の136〜13
8頁、特開昭62−173463号、同62−1834
57号等に記載されている。感光材料には、スベリ性防
止、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合
物を含ませてもよい。有機フロオロ化合物の代表例とし
ては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭6
1−20944号、同62−135826号等に記載さ
れているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオ
イル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂な
どの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物
が挙げられる。
【0240】感光材料および処理材料には滑り性がある
事が好ましい。滑り剤含有量は感光層面、バック面とも
に用いることが好ましい。好ましい滑り性としては動摩
擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測
定は直径5mmのステンレス球に対し、60cm/分で
搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。この評
価において相手材として感光層面に置き換えてもほぼ同
レベルの値となる。使用可能な滑り剤としては、ポリオ
ルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属
塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、
ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキ
サン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシ
ロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いるこ
とができる。添加層としては乳剤層の最外層やバック層
が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキ
ル基を有するエステルが好ましい。
【0241】また本発明の感光材料および処理材料にお
いては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯
電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スル
ホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界
面活性剤化合物を挙げることができる。帯電防止剤とし
て最も好ましいものは、ZnO、TiO2、SnO2、A
23、In23、SiO2、MgO、BaO、Mo
3、V25の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗
率が107Ω・cm以下、より好ましくは105Ω・cm
以下である粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の
金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子、更に
はゾル状や金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微
粒子である。感材への含有量としては5〜500mg/
2が好ましく、特に好ましくは10〜350mg/m2
である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバ
インダーの量の比は1/300〜100/1が好まし
く、より好ましくは1/100〜100/5である。
【0242】感光材料および処理材料の構成(バック層
を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜
のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目的
で種々のポリマーラテックスを含有させることができ
る。具体的には、特開昭62−245258号、同62
−136648号、同62−110066号等に記載の
ポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、ガラ
ス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックスを媒
染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することがで
き、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバッ
ク層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0243】本発明の感光材料および処理材料にはマッ
ト剤が有る事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バ
ック面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加する
のが特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液
不溶性でもよく、好ましくは両者を併用することであ
る。例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメ
タクリレート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル
比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径として
は0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方
が好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子
数の90%以上が含有させることが好ましい。又、マッ
ト性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添
加することも好ましく、例えばポリメチルメタクリレー
ト(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタ
クリル酸=9/1(モル比)0.3μm)、ポリスチレ
ン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03
μm)が挙げられる。具体的には、特開昭61−882
56号(29)頁に記載されている。その他、ベンゾグ
アナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、A
S樹脂ビーズなどの特開昭63−274944号、同6
3−274952号記載の化合物がある。その他前記リ
サーチ・ディスクロージャー記載の化合物が使用でき
る。
【0244】次に、感光材料を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1−312537号、同1
−312538号に記載されている。特に25℃、25
%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。
【0245】通常プラスチックパトローネは、遮光性を
付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込ん
だプラスチックを使って製作される。パトローネのサイ
ズは現在135サイズのままでもよいし、カメラの小型
化には、現在の135サイズの25mmのカートリッジ
の径を22mm以下とすることも有効である。パトロー
ネのケースの容積は、30cm3以下、好ましくは25
cm3以下とすることが好ましい。パトローネおよびパ
トローネケースに使用されるプラスチックの質量は5g
〜15gが好ましい。
【0246】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは米
国特許第4,834,306号、同第5,226,61
3号に開示されている。
【0247】本発明の感光材料は一般に市販されている
レンズ付きフィルムユニットに装填して用いることがで
きる。
【0248】また本発明の感光材料は、特願平10−1
58427号、同10−170624号、同10−18
8984号明細書に記載のレンズ付きフィルムユニット
に装填して好ましく用いることができる。
【0249】レンズ付きフィルムユニットとしては従来
のロールフィルムに替わって、シートフィルムが装填さ
れているものも好ましく用いることができる。シート状
写真フィルムはユニット内に予め露光可能な状態で実質
的に単一平面を保って装填されている。つまり、フィル
ムがロール状に巻かれているようなことはない。本発明
のレンズ付きフィルムユニットのひとつの形態において
は、複数枚の撮影を行う場合、該シート状写真フィルム
が形成する面と平行な平面内で該レンズの位置を順次動
かして撮影する。シートフィルムは固定されており、全
コマ撮影終了まで動くことはない。そのためロールフィ
ルムを使用した従来のレンズ付きフィルムユニットに比
べ、巻き上げ用の部材が無いため、カメラを薄く設計す
ることができる。
【0250】また、1コマあたりのは写真フィルム上の
露光面積は50mm2乃至300mm2が好ましい。こう
することによって焦点距離の短いレンズを採用すること
が可能になり、このような短焦点距離レンズでは絞り値
の小さい(すなわち明るい)レンズを採用しても被写界
深度が大きいため、近距離から無限遠に近い遠距離まで
ピントの合った画像を撮影することができる。また暗い
所でも撮影することが可能となるため、ストロボが無く
ても室内撮影が可能となる。
【0251】本発明において、レンズ付フィルムユニッ
トのEV値は6.5以上11未満であることが好まし
い。さらに好ましいEV値は7.5以上10未満であ
る。本発明においてEV値(イクスポージャーバリュ
ー)とは一般的な定義と同じであり、絞り値(F)とシ
ャッタースピード(Tsec)との組み合わせによって
カメラが光量を通過させる能力を示す値をいい、以下の
式で表される。
【0252】2EV=F2/T すなわち EV=3.32log10(F2/T) 上記範囲のEv値を得るための絞り値とシャッタースピ
ードは以下の通りである。本発明において好ましい絞り
値は2以上8.5未満であり、さらに好ましくは2.5
以上6.5未満、特に好ましくは2.8以上5.6未満
である。シャッタースピードは1/150秒以上1/2
5秒以下、特に好ましくは1/100秒以上1/50秒
以下である。本発明のレンズ付きフィルムユニットのレ
ンズは焦点距離が5〜20mm程度であることが好まし
い。
【0253】本発明の感光材料を撮影用感材として用い
る場合、カメラ等を用いて風景や人物などを直接撮影す
るのが一般的である。上記のようなレンズ付きフィルム
ユニットに装填されて用いられる場合もこれに類する。
そのほか、本発明の感光材料は、プリンターや引伸機等
を用いてリバーサルフィルムやネガフィルムを通して露
光する方法、複写機の露光装置等を用いて、原画をスリ
ットなどを通して走査露光する方法、画像情報と電気信
号を経由して発光ダイオード、各種レーザー(レーザー
ダイオード、ガスレーザーなど)などを発光させ走査露
光する方法(特開平2−129625号、特開平5−1
76144号、同5−199372号、同6−1270
21号等に記載の方法)、画像情報をCRT、液晶ディ
スプレー、エレクトロルミネッセンスディスプレー、プ
ラズマディスプレーなどの画像表示装置に出力し、直接
又は光学系を介して露光する方法などにも用いられる。
【0254】感光材料へ画像を記録する光源としては、
上記のように自然光、タングステンランプ、発光ダイオ
ード、レーザー光源、CRT光源などの米国特許第4,
500,626号第56欄、特開平2−53378号、
同2−54672号記載の光源や露光方法を用いること
ができる。また、非線形光学材料とレーザー光等のコヒ
ーレントな光源を組み合わせた波長変換素子を用いて画
像露光することもできる。ここで非線形光学材料とは、
レーザー光のような強い光電界を与えたときに現れる分
局と電界との非線形性を発現可能な材料であり、ニオブ
酸リチウム、リン酸二水素カリウム(KDP)、沃素酸
リチウム、BaB24などに代表される無機化合物や、
尿素誘導体、ニトロアニリン誘導体、例えば、3−メチ
ル−4−ニトロピリジン−N−オキシド(POM)のよ
うなニトロピリジン−N−オキシド誘導体、特開昭61
−53462号、同62−210432号に記載の化合
物が好ましく用いることができる。波長変換素子の形態
としては、単結晶光導波路型、ファイバー型等が知られ
ており、その何れもが有用である。
【0255】また、前記の画像情報はビデオカメラ、電
子スチルカメラ等から得られる画像信号、日本テレビジ
ョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、原
画をスキャナー等多数の画素に分割して得た画像信号、
CG、CADで代表されるコンピューターを用いて作成
された画像を利用できる。
【0256】本発明によって得られた画像は、スキャナ
ー等を用いて読み取り、電子画像情報に変換することが
できる。本発明においてスキャナーとは感光材料を光学
的に走査して反射、または透過の光学濃度を画像情報に
変換する装置である。走査する際にはスキャナーの光学
部分を感光材料の移動方向とは異なった方向に移動させ
ることによって感光材料の必要な領域を走査することが
一般的であり、推奨されるが、感光材料を固定してスキ
ャナーの光学部分のみを移動させたり、感光材料のみを
移動させてスキャナーの光学部分を固定してもよい。ま
たはこれらの組み合わせであってもよい。
【0257】感光材料中に生じた画像の画像情報を読み
取る場合には、少なくとも3つの各々の色素の吸収が出
来る波長領域の光を全面照射あるいはスリット走査して
その反射光、あるいは透過光の光量を測定する方法が好
ましい。この場合、拡散光を用いた方が、平行光を用い
るより、フィルムのマット剤、傷などの情報が除去でき
るので好ましい。また、受光部には、半導体イメージセ
ンサー(例えば、エリア型CCDまたはCCDラインセ
ンサー)を用いているのが好ましい。また画像読み取り
時の処理シートも有無は問わない。
【0258】このようにして得られた画像データは、各
種画像表示装置を用いて見ることができる。画像表示装
置としては、カラーもしくはモノクロCRT、液晶ディ
スプレイ、プラズマ発光ディスプレイ、ELディスプレ
イなど、任意の装置が用いられる。
【0259】本発明ではこのようにして読み取られた画
像信号を出力して別の記録材料上に画像を形成すること
ができる。出力する材料はハロゲン化銀感光材料の他、
各種ハードコピー装置が用いられる。例えばインクジェ
ット方式、昇華型熱転写方式、電子写真方式、サイカラ
ー方式、サーモオートクロム方式、ハロゲン化銀カラー
ぺーパーに露光する方法、ハロゲン化銀熱現像方式など
様々な方式が用いられる。いずれの方法でも本発明の効
果は充分に発揮される。
【0260】本発明においては、現像によって得られた
画像情報をデジタルデータとして取り込むことを主な目
的としているが、従来の方法である撮影した情報をカラ
ーペーパーのようなプリント材料にアナログ的に光学露
光して使用することもできる。
【0261】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0262】実施例1 〈種乳剤T−1の調製〉以下に示す方法によって、2枚
の平行な双晶面を有する種乳剤T−1を調製した。
【0263】 (A−1液) オセインゼラチン 38.0g 臭化カリウム 11.7g 水で 34.0l に仕上げる。
【0264】 (B−1液) 硝酸銀 810.0g 水で 3815ml に仕上げる。
【0265】 (C−1液) 臭化カリウム 567.3g 水で 3815ml に仕上げる。
【0266】 (D−1液) オセインゼラチン 163.4g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)の10%メタノール溶液 5.5ml 水で 3961ml に仕上げる。
【0267】 (E−1液) 硫酸(10%) 91.1ml (F−1液) 56%酢酸水溶液 必要量 (G−1液) アンモニア水(28%) 105.7ml (H−1液) 水酸化カリウム水溶液(10%) 必要量 特開昭62−160128号記載の撹拌装置を用い、3
0℃で激しく撹拌したA−1液にE−1液を添加し、そ
の後B−1液とC−1液とをダブルジェット法により各
々279mlを1分間定速で添加し、ハロゲン化銀核の
生成を行った。
【0268】その後D−1液を添加し、31分かけて温
度を60℃に上げ、さらにG−1液を添加し、H−1液
でpHを9.3に調整し、6.5分間熟成を行った。そ
の後、F−1液でpHを5.8に調整し、その後、残り
のB−1液とC−1液とをダブルジェット法により37
分で加速添加し、直ちに常法にて脱塩を行った。この種
乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、互いに平行な2
枚の双晶面をもつECD=0.72μm、粒径分布の変
動係数16%の単分散平板種乳剤であった。
【0269】〈平板状粒子乳剤Em−1の調製〉種乳剤
T−1と以下に示す溶液を用い、乳剤Em−1を調製し
た。
【0270】 (A−2液) オセインゼラチン 519.9g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)の10%メタノール溶液 4.5ml 種乳剤T−1 5.3モル相当 水で 18.0l に仕上げる。
【0271】 (B−2液) 3.5N硝酸銀水溶液 2787ml (C−2液) 臭化カリウム 1020g 沃化カリウム 29.1g 水で 2500ml に仕上げる。
【0272】 (D−2液) 臭化カリウム 618.5g 沃化カリウム 8.7g 水で 1500ml に仕上げる。
【0273】 (E−2液) 臭化カリウム 208.3g 水で 1000ml に仕上げる。
【0274】 (F−2液) 56%酢酸水溶液 必要量 (G−2液) 臭化カリウム 624.8g 水で 1500ml に仕上げる。
【0275】 (H−2液) 3.0質量質量%のゼラチンと沃化銀粒子(ECD=0.05μm) からなる微粒子乳剤 0.672モル相当 調整法を以下に示す 0.254モルの沃化カリウムを含む5.0%のゼラチ
ン溶液9942mlに10.59モルの硝酸銀と10.
59モルの沃化カリウムを含む水溶液各々3092ml
を35分間かけて等速添加し、微粒子を形成した。微粒
子形成中の温度は40℃に制御し、pH、EAgは成り
行きとした。
【0276】 (J−2液) エチルチオスルホン酸ナトリウムをハロゲン化銀1モル当たり 2.3×10-5モル含む水溶液 100ml (K−2液) 10%水酸化カリウム水溶液 必要量 反応容器内にA−2液を添加し、75℃にて激しく撹拌
しながら、B−2液、C−2液、D−2液を表2に示し
た組み合わせに従って同時混合法によって添加を行い、
種結晶を成長させ、Em−1を調製した。ここで、B−
2液、C−2液、D−2液の添加速度は、臨界成長速度
を考慮し、添加時間に対して関数様に変化させ、成長し
ている種粒子以外の小粒子の発生や、成長粒子間のオス
トワルド熟成による粒径分布の劣化が起こらないように
した。
【0277】結晶成長はまず、第1添加を反応容器内の
溶液温度を75℃、pAgを8.9、pHを5.8にコ
ントロールして行った。この第一添加でB−2液の6
5.8%を添加した。その後J−2液を添加し、30分
間で反応容器内の溶液温度を40℃に下げ、pAgを1
0.3に調整し、H−2液を2分間定速で全量を添加
し、直ちに第二添加を行った。第二添加は反応容器内の
溶液温度を40℃、pAgを10.3、pHを5.0に
コントロールして行い、B−2液の残りをすべて添加し
た。pAg及びpHのコントロールのために、必要に応
じてE−2液、F−2液、K−2液を添加した。
【0278】粒子形成後に、特開平5−72658号に
記載の方法に従い脱塩処理を行い、その後ゼラチンを加
えて分散し、40℃においてpAg8.06、pH5.
8の乳剤を得た。この乳剤の沃化銀含有率は5.3%で
あり、この乳剤中のハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡にて
観察したところ、ECD(投影面積円換算粒径)=1.
50μm、粒径分布の変動係数14%の平均アスペクト
比7.0の六角平板状単分散ハロゲン化銀粒子であっ
た。
【0279】
【表2】
【0280】〈化学増感および分光増感〉Em−1を少
量に分割して各々に下記分光増感色素を加え、さらに最
適量のチオシアン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、
トリエチルチオウレア、塩化金酸、1−(3−アセトア
ミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(AF−
5)を添加し、50℃に加熱した。各々最適反応時間の
熟成を行った後冷却し、安定化剤ST−1およびカブリ
防止剤AF−5を添加して、赤感性ハロゲン化銀乳剤−
1、緑感性ハロゲン化銀乳剤−1、および青感性ハロゲ
ン化銀乳剤−1を得た。各乳剤に添加した増感色素の種
類と添加量は下記のとおりである。尚、添加量はハロゲ
ン化銀1モル当たりの添加量として示した。 赤感性ハロゲン化銀乳剤−1 増感色素(SD−1) 0.04ミリモル 増感色素(SD−2) 0.07ミリモル 増感色素(SD−3) 0.04ミリモル 増感色素(SD−4) 0.13ミリモル 緑感性ハロゲン化銀乳剤−1 増感色素(SD−5) 0.04ミリモル 増感色素(SD−6) 0.03ミリモル 増感色素(SD−7) 0.17ミリモル 増感色素(SD−8) 0.02ミリモル 増感色素(SD−9) 0.02ミリモル 増感色素(SD−10) 0.02ミリモル 青感性ハロゲン化銀乳剤−1 増感色素(SD−11) 0.19ミリモル 増感色素(SD−12) 0.06ミリモル 又、前記調製例と基本的には同様の方法により調製した
沃化銀含有率3モル%、ECD(投影面積円換算粒径)
=0.59、平均アスペクト比3.4、粒径分布の変動
係数16%の単分散沃臭化銀平板粒子を含むハロゲン化
銀乳剤に対し、赤感性ハロゲン化銀乳剤−1、緑感性ハ
ロゲン化銀乳剤−1、及び青感性ハロゲン化銀乳剤−1
と同様にして分光増感、化学増感を施すことにより、赤
感性ハロゲン化銀乳剤−2、緑感性ハロゲン化銀乳剤−
2、及び青感性ハロゲン化銀乳剤−2を得た。各乳剤に
添加した増感色素の種類と添加量は下記の通りである。
尚、添加量はハロゲン化銀1モル当たりの添加量として
示した。 赤感性ハロゲン化銀乳剤−2 増感色素(SD−1) 0.08ミリモル 増感色素(SD−3) 0.08ミリモル 増感色素(SD−4) 0.42ミリモル 緑感性ハロゲン化銀乳剤−2 増感色素(SD−5) 0.04ミリモル 増感色素(SD−6) 0.15ミリモル 増感色素(SD−7) 0.35ミリモル 増感色素(SD−9) 0.05ミリモル 青感性ハロゲン化銀乳剤−2 増感色素(SD−11) 0.38ミリモル 増感色素(SD−12) 0.11ミリモル ここで用いた増感色素は以下に示す。
【0281】
【化40】
【0282】
【化41】
【0283】〈難溶性金属塩化合物の調製〉 〔酸化亜鉛分散液(1)〕平均粒径0.02μmの酸化
亜鉛粉末(堺化学工業株式会社製、FINEX−50)
15g、分散剤としてTRITON X−200(固形
分濃度28%;UNION CARBIDE CHEM
ICALS AND PLASTICSCOMPANY
INC.製)5.4g、オセインゼラチン4g、蒸留
水75mlを混合し、この混合物をガラスビーズを用い
たミルで3時間分散した。
【0284】分散後、ガラスビーズを濾別し、酸化亜鉛
プレ分散液を得た。このプレ分散液を超高圧ホモジナイ
ザーGM−1((株)エス・エム・テー製)を用いて5
00barの圧力でさらに分散し、酸化亜鉛分散液
(1)を得た。
【0285】この分散液を用いて塗布した感光材料の切
片を電子顕微鏡観察したところ平均粒径0.02μmの
酸化亜鉛微粒子が均一に分布していることが確認され
た。
【0286】〔酸化亜鉛分散液(2)〕酸化亜鉛とし
て、平均粒径0.06μmの酸化亜鉛粉末(堺化学工業
株式会社製、FINEX−25)を用いた他は酸化亜鉛
分散液(1)と全く同様にして酸化亜鉛分散液(2)を
調製した。
【0287】この分散液を用いて塗布した感光材料の切
片を電子顕微鏡観察したところ平均粒径0.06μmの
酸化亜鉛微粒子が均一に分布していることが確認され
た。
【0288】〔酸化亜鉛分散液(3)〕平均粒径0.2
8μmの酸化亜鉛粉末(堺化学工業株式会社製、微細亜
鉛華)15g、分散剤としてTRITON X−200
(固形分濃度28%;UNION CARBIDE C
HEMICALS AND PLASTICS COM
PANY INC.製)5.4g、オセインゼラチン4
g、水75mlを混合し、この混合物をガラスビーズを
用いたミルで5時間分散した。分散後、ガラスビーズを
濾別し、酸化亜鉛分散液(3)を得た。
【0289】この分散液を用いて塗布した感光材料の切
片を電子顕微鏡観察したところ平均粒径0.25μmの
酸化亜鉛微粒子が均一に分布していることが確認され
た。
【0290】〔水酸化亜鉛分散液(4)〕一次粒子サイ
ズが約0.5μmの水酸化亜鉛の粉末10g、分散剤と
してSU−4の1%水溶液1.5ml、オセインゼラチ
ン3g、水87mlを混合しこの混合物をガラスビーズ
を用いたミルで24時間分散した。分散後、ガラスビー
ズを濾別し水酸化亜鉛分散液(4)を得た。
【0291】この分散液を用いて塗布した感光材料の切
片を電子顕微鏡観察したところ平均粒径0.23μmの
水酸化亜鉛微粒子が均一に分布していることが確認され
た。
【0292】〈感光材料101〜107の作製〉このよ
うにして得られたハロゲン化銀乳剤乳剤及び難溶性金属
塩化合物分散液を用い、下引済透明PENベース(厚さ
85μm)上に以下に示す組成の写真構成層を順次塗設
して、多層構成の感光材料101〜107を作製した。
尚これらの感光材料は、難溶性金属塩化合物として表3
に記載の如く酸化亜鉛を添加したものである。各素材の
添加量は1m2当りの塗設量としてmg/m2の単位で示
した。但し、ハロゲン化銀は銀に換算して表示した。
【0293】 第1層(ハレーション防止層) ゼラチン 800 紫外線吸収剤(UV−1) 200 高沸点溶媒(OIL−2) 200 染料(AI−1) 280 染料(AI−2) 240 染料(AI−3) 400 第2層(シアン発色層) ゼラチン 1000 赤感性ハロゲン化銀乳剤−1 700 赤感性ハロゲン化銀乳剤−2 580 発色現像主薬(A−64) 520 シアンカプラー(C−1) 230 シアンカプラー(C−2) 160 高沸点溶媒(OIL−1) 460 高沸点溶媒(OIL−2) 130 カブリ防止剤(AF−6) 1 第3層(中間層) ゼラチン 1200 染料(AI−2) 160 添加剤(HQ−2) 20 高沸点溶媒(OIL−2) 60 水溶性ポリマー(PS−1) 60 第4層(マゼンタ発色層) ゼラチン 1800 緑感性ハロゲン化銀乳剤−1 700 緑感性ハロゲン化銀乳剤−2 580 発色現像主薬(A−64) 520 マゼンタカプラー(M−1) 400 高沸点溶媒(OIL−1) 460 高沸点溶媒(OIL−2) 90 カブリ防止剤(AF−6) 1 水溶性ポリマー(PS−1) 20 第5層(中間層) ゼラチン 1200 染料(AI−1) 320 添加剤(HQ−1) 6 添加剤(HQ−2) 20 高沸点溶媒(OIL−1) 75 第6層(イエロー発色層) ゼラチン 3200 青感性ハロゲン化銀乳剤−1 1340 青感性ハロゲン化銀乳剤−2 1100 発色現像主薬(A−64) 1040 イエローカプラー(Y−1) 1060 高沸点溶媒(OIL−1) 150 高沸点溶媒(OIL−2) 480 カブリ防止剤(AF−6) 2 水溶性ポリマー(PS−1) 40 第7層(中間層) ゼラチン 2000 水溶性ポリマー(PS−1) 60 第8層(保護層) ゼラチン 500 マット剤(WAX−1) 200 水溶性ポリマー(PS−1) 120 尚、上記の組成物の他に、塗布助剤SU−1、SU−
2、SU−3、分散助剤SU−4、安定剤ST−1、S
T−2、カブリ防止剤AF−1、AF−2、AF−3、
AF−4、AF−5、硬膜剤H−1、H−2、H−3、
H−4を添加した。また、F−2、F−3、F−4及び
F−5をそれぞれ全量が15.0mg/m 2、60.0
mg/m2、50.0mg/m2及び10.0mg/m2
になるように各層に分配して添加した。上記使用した素
材は以下の通りである。
【0294】
【化42】
【0295】
【化43】
【0296】
【化44】
【0297】
【化45】
【0298】
【化46】
【0299】
【化47】
【0300】
【化48】
【0301】
【表3】
【0302】〈処理シートP−1の作製〉下引済透明P
ENベース(厚さ85μm)上に以下に示す組成の層を
順次塗設して、処理シートP−1を作製した。各素材の
添加量は1m2当りの塗設量としてmg/m2の単位で示
した。又、使用素材については前記のもの、及びそこに
ないものについては下記に示した。
【0303】 第1層 添加量(mg/m2) ゼラチン 460 水溶性ポリマー(PS−2) 20 界面活性剤(SU−3) 23 硬膜剤(H−5) 360 第2層 ゼラチン 2400 水溶性ポリマー(PS−3) 360 水溶性ポリマー(PS−1) 700 水溶性ポリマー(PS−4) 600 高沸点溶媒(OIL−3) 2000 ピコリン酸グアニジン 2400 界面活性剤(SU−3) 24 第3層 ゼラチン 2400 水溶性ポリマー(PS−1) 700 界面活性剤(SU−3) 24 ピコリン酸グアニジン 2150 水溶性ポリマー(PS−3) 360 水溶性ポリマー(PS−4) 600 第4層 ゼラチン 220 水溶性ポリマー(PS−2) 60 水溶性ポリマー(PS−3) 200 硝酸カリウム 12 マット剤(PM−2) 10 界面活性剤(SU−3) 7 界面活性剤(SU−5) 7 界面活性剤(SU−6) 10 硬膜剤(H−5) 370
【0304】
【化49】
【0305】〈試料の評価〉上記のようにして作製され
た感光材料及び処理シートを用い以下の評価試験を行っ
た。先ず感光材料No.101〜107に、光学楔とを
介して1000luxで1/100秒の白色露光を施し
た。それぞれの感光材料表面に40℃の温水を15ml
/m2付与し、処理シートP−1と互いの膜面同士を重
ね合わせた後、ヒートドラムを用いて85℃で35秒間
及び45秒間熱現像した。処理後、感光材料と処理シー
トを剥離すると感光材料上にグレーの楔形画像が得られ
た。それぞれの試料に対し、青色光、緑色光、赤色光そ
れぞれで透過濃度を測定し、所謂特性曲線を得た。各測
定光、各現像時間における最低濃度と最高濃度を表4に
示す。
【0306】
【表4】
【0307】表4から判るように、難溶性金属塩化合物
を二つの層に含む感光材料No.101では赤の濃度が
低く、発色バランスが崩れている。特に短時間処理を意
図し、35秒で現像したときに、この傾向は著しくなっ
ている。
【0308】3以上の層に難溶性金属塩化合物を含む感
光材料No.102、103、104等では各層のバラ
ンスが揃っている。特に、難溶性金属塩化合物の総量に
対し、その45%以上を含む層が存在しない感光材料で
は35秒という短時間の現像処理においても発色バラン
スが揃っており、好ましい画像を得ることができる。
【0309】難溶性金属塩化合物の添加量をへらすに従
って、発色濃度が低下することは、感光材料No.10
5〜107の結果から明らかである。形成された画像を
スキャナーで読みとってデジタル画像情報に変換する為
には最高濃度が1.5以上であることが好ましい。この
観点でいえば、感光材料No.106に含まれる難溶性
金属塩化合物の量以上が好ましい添加量であるが、35
秒現像の如き短時間処理を意図するのであれば、感光材
料No.105に含まれる量以上が好ましい添加量であ
る。
【0310】実施例2 実施例1の感光材料No.101〜107と同様にし
て、感光材料No.201〜206を作製した。尚、こ
れらの感光材料には表5に記載のごとく、難溶性金属塩
化合物として酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛を添加した。
【0311】
【表5】
【0312】これらの感光材料及び実施例1で作製した
感光材料No.101、104にたいし白色露光を与
え、実施例と同じく、85℃45秒間熱現像を行って得
られた色像に対しMTF(Modulation Tr
ansfer Function)を測定することによ
り鮮鋭性を評価した。MTFの測定は、ジャーナル・オ
ブ・アプライド・フォトグラフィック・エンジニアリン
グ第6巻(1)1〜8(1980)に記載の方法によっ
て行った。MTFの値はGreen及びBlueフィル
ターにより、それぞれ濃度1.5を与えるところの50
サイクル/mmで測定した。MTFを求め、感光材料N
o.101のMTF値を100としたときの相対値とし
て算出し、表6に示した。この相対値が大きいほど鮮鋭
性が優れている。
【0313】
【表6】
【0314】表6から判るように、平均粒径が0.1μ
m以下の酸化亜鉛微粒子を用いる事により、鮮鋭度の高
い感光材料を作製することが可能となる。
【0315】又、難溶性金属塩化合物を3以上の層に添
加する事は、感光材料の鮮鋭性を高めうる点でも好まし
い方法である。
【0316】実施例3 実施例2と同様にして、感光材料No.301〜303
を作製した。尚これらの感光材料には表7に記載の如
く、酸化亜鉛もしくは水酸化亜鉛を添加した。
【0317】
【表7】
【0318】これらの感光材料、及び実施例1及び2で
作製した感光材料No.101、104、105及びN
o.201〜206に対して実施例1と同じく、白色光
で露光を与えた後、85℃にて35秒、45秒熱現像を
行い発色バランスを評価した。
【0319】結果を表8に示す。平均粒径の大きい難溶
性金属塩化合物を用いた感光材料では最高濃度が低くな
る傾向にあり、特に平均粒径が0.1μm以上の時に顕
著である。これらの感光材料では特に現像時間が35秒
の時にRedの最高濃度が低くなり発色バランスが崩れ
る傾向にある。又、難溶性金属塩化合物がとして水酸化
亜鉛を用いた試料では最低濃度が高くなる傾向にある。
【0320】
【表8】
【0321】実施例4 実施例1の感光材料No.101〜107の作製におい
て、各層に添加する化合物を下記のように変更した以外
は全く同様にして、感光材料No.401〜407を作
製した。第2層の発色現像主薬(A−64)、520を
発色現像主薬(A−5)、450(単位はmg/m2
以下同じ)に、シアンカプラー(C−1)、(C−2)
をシアンカプラー(C−3)680に代え、第4層の発
色現像主薬(A−64)をやはり(A−5)、450に
代え、マゼンタカプラー(M−1)をマゼンタカプラー
(M−2)、360に代え、第6層の発色現像主薬(A
−64)を発色現像主薬A−5、900に代え、イエロ
ーカプラー(Y−1)をイエローカプラー(Y−2)9
50に代えた。
【0322】(以上、単位は1m2当たりの塗設量)
【0323】
【化50】
【0324】このようにして作製した感光材料No.4
01〜407に対し実施例1と同様にして露光後、熱現
像処理を施し、センシトメトリーを行い発色バランスを
評価した。結果は実施例1と同様であり、酸化亜鉛を3
以上の層に含む感光材料においては各層のバランスが揃
った、好ましい画像が得られた。
【0325】実施例5 実施例1の感光材料101、104を特願平10−17
0624号実施例1で作製した撮影ユニット2にシート
フィルムとして装填して、レンズ付きフィルムユニット
を作製し、撮影を行った。撮影後の各感光材料を実施例
1と同様に水付与後、処理シートP−1を用いて85℃
で35秒間熱現像した。
【0326】感光材料上に得られたカラー画像をスキャ
ナーで読みとり、適宜ディジタル処理した後、インクジ
ェットプリンター(PM−750C;エプソン社製)に
てプリントを作製した。感光材料No.101から得た
プリントはNo.104から得たプリントにたいし色再
現性と解像度が劣るものであった。このことから、本発
明の感光材料はスキャナー読みとりしディジタル処理に
よって画像を得る為の感光材料として適したものである
ことがわかる。
【0327】実施例6 実施例2で作製した感光材料No.201〜206を、
特願平10−170624号実施例1で作製した撮影ユ
ニット2にシートフィルムとして装填してレンズ付きフ
ィルムユニットを作製し、撮影を行った後、実施例5と
同様にしてインクジェットプリントを得た。
【0328】実施例5で感光材料No.101、104
から得たプリントも含めて解像度を評価した。その結果
解像度の評価は、実施例2で表4に示したMTFの評価
結果を反映したものであった。
【0329】
【発明の効果】解像度の高い高感度で発色バランスに優
れた撮影用感光材料を得ることができ、しかも簡易な熱
現像処理により環境適性に優れた画像形成方法を提供で
きる。又、生成した画像からデジタル画像情報を容易に
作成する事が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 7/407 G03C 7/407 7/46 7/46

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀、下記一
    般式(1)〜(5)で表される現像主薬の少なくとも1
    つ、該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によって
    色素を形成する化合物、難溶性金属塩化合物、及びバイ
    ンダーを含有し、複数の写真構成層によって構成される
    ハロゲン化銀写真感光材料において、3以上の写真構成
    層に難溶性金属塩化合物が含まれることを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 〔式中、R1〜R4は各々水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリ
    ールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ア
    リールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカル
    バモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル
    基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイ
    ル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニ
    ル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル
    基、アリールカルボニル基、またはアシルオキシ基を表
    す。R5はアルキル基、アリール基、または複素環基を
    表す。R6は置換または無置換のアルキル基を表す。X
    は酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換
    もしくはアリール置換の3級窒素原子を表す。R7
    8、R9、R10は水素原子または置換基を表し、R7
    8、R9、R10が互いに結合して2重結合または環を形
    成してもよい。Zは芳香環を形成する原子群を表す。〕
  2. 【請求項2】 感光材料に含まれる難溶性金属塩化合物
    の総量(モル数)に対し、一層当たりの最大添加量が4
    5%未満であることを特徴とする請求項1に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 感光波長領域が互いに異なり、カップリ
    ング反応によって形成される色素の色相が互いに異なる
    少なくとも3種類の感光層が存在し、支持体から最も遠
    い場所に位置する感光層及び該感光層に対し支持体から
    遠い写真構成層に含まれる難溶性金属塩化合物の総量
    (モル数)が、該感光層に対し支持体に近い各写真構成
    層に含まれる難溶性金属塩化合物の総量(モル数)より
    少ないことを特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 難溶性金属塩化合物の総量(モル数)が
    15ミリモル/m2以上であることを特徴とする請求項
    1、2又は3に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 平均粒径0.1μm以下の微粒子からな
    る難溶性金属塩化合物を含有する写真構成層が存在する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 支持体上に感光性ハロゲン化銀、前記一
    般式(1)〜(5)で表される現像主薬の少なくとも1
    つ、該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によって
    色素を形成する化合物、難溶性金属塩化合物、及びバイ
    ンダーを含有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    難溶性金属塩化合物の総量が15ミリモル/m2以上で
    あり、かつ、平均粒径0.1μm以下の微粒子からなる
    難溶性金属塩化合物を含有する写真構成層を有すること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 難溶性金属塩化合物が酸化亜鉛であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料を、予め撮影可能な状態に装填
    したことを特徴とするレンズ付きフィルムユニット。
  9. 【請求項9】 ハロゲン化銀写真感光材料がシート状フ
    ィルムとして実質的に単一平面を保って装填されている
    ことを特徴とする請求項8に記載のレンズ付きフィルム
    ユニット。
  10. 【請求項10】 EV値が6.5以上11未満であるこ
    とを特徴とする請求項8又は9に記載のレンズ付きフィ
    ルムユニット。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料、もしくは請求項8〜10の
    いずれか1項に記載のレンズ付きフィルムユニットに装
    填されたハロゲン化銀写真感光材料を露光後、難溶性金
    属塩化合物と錯形成して塩基を発生する錯形成化合物を
    含有する処理材料と、水を存在させた状態で貼り合わせ
    て加熱することにより該ハロゲン化銀写真感光材料中に
    画像を形成させる画像形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の画像形成方法によ
    りハロゲン化銀写真感光材料中に画像を形成させた後、
    スキャナーで読みとることによりデジタル画像情報に変
    換するデジタル画像情報作成方法。
  13. 【請求項13】 ハロゲン化銀又は現像銀の全部または
    一部が残存した状態でスキャナー読みとりを行うことを
    特徴とする請求項12に記載のデジタル画像情報作成方
    法。
  14. 【請求項14】 1コマ当たりの露光領域面積が50m
    2以上、300mm2以下であることを特徴とする請求
    項11に記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 1コマ当たりの露光領域面積が50m
    2以上、300mm2以下であることを特徴とする請求
    項12又は13に記載のデジタル画像情報作成方法。
  16. 【請求項16】 請求項12、13又は15に記載のデ
    ジタル画像情報作成方法にて作成したデジタル画像情報
    を用い、画像表示機器に画像を出力することを特徴とす
    る画像表示方法。
  17. 【請求項17】 請求項12、13又は15に記載のデ
    ジタル画像情報作成方法にて作成したデジタル画像情報
    を用い、画像出力材料に画像を出力することを特徴とす
    る画像出力方法。
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