JP2003073564A - 熱可塑性材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品 - Google Patents

熱可塑性材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】屈折率nおよびアッベ数νについて、数式
(H)及び(J)を満たす光学特性を有し、かつガラス
転移温度80℃以上の耐熱性、光線透過率70%以上の
透明性、密度2.0g/cm3以下の特性を有する熱可
塑性及び/または溶融成形性を併せ持つ材料組成物、及
びそれを含んで構成される光学部品。1.45<n≦
1.80 (H)ν≧205−100n
(J) 【解決手段】特定の物性を有する熱可塑性樹脂と、平均
粒子直径diが数式(C)で示されるチタンを主成分と
する酸化物微粒子から成り、該酸化物微粒子中のチタン
の含有量Ciが数式(D)で示される範囲である、数式
(E)、(F)及び(G)を満たす屈折率n2及びアッ
ベ数ν2を有する熱可塑性材料組成物。1nm≦di≦2
00nm (C)50重量%≦Ci≦5
9.5重量% (D)1.45<n2≦1.80
(E)ν2≧205−100n2
(F)n2≧n1+0.01
(G)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性材料組成物、
及びそれを含んで構成される光学部品に関し、より詳細
には、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、
透明性、軽量性に優れる、熱可塑性を有する材料組成
物、及びそれを含んで構成される光学部品(例えば、レ
ンズ(例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプト
エレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、CDピ
ックアップ用レンズ、自動車用ランプレンズ、OHP用
レンズ等)、光ファイバー、光導波路、光フィルター、
光学用接着剤、光ディスク基盤、ディスプレー基盤、コ
ーティング材、プリズム等)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会に向けたオプトエ
レクトロニクスの研究が精力的に行われ、その実現に向
けて光学材料の研究も盛んに行われている。光通信、光
記録、光加工、光計測、光演算等、オプトエレクトロニ
クスの様々な展開を支える光学材料として、次のような
特性が求められている。すなわち、高屈折性、低分散性
(すなわち高いアッベ数)、耐熱性、透明性、無色性、
クリーン性、易成形性、軽量性、耐薬品性・耐溶剤性等
である。
【0003】これまで光学材料として、石英や光学ガラ
スなどの無機系材料が主に用いられてきた。これら無機
系材料は、優れた光学特性や耐熱性を有しているもの
の、加工性やコスト、密度が大きいなどの問題を抱えて
いる。例えば、屈折率1.70を有する光学用ガラスの
密度は約3.0g/cm3と非常に大きい。これらに対
応すべく近年、優れた光学特性と加工性、軽量性等を兼
ね備えた材料開発が進められ、有機光学材料、特に熱可
塑性を有する樹脂材料に対する期待が高まっている。熱
可塑性を有する樹脂材料は、軽量で可とう性に優れる、
電気的誘導を受けない、成形加工が容易であるなどの多
くの特徴を有し、光ファイバー、光導波路、光ディスク
基盤、光フィルター、レンズ、光学用接着剤等の用途に
向けた展開が図られている。
【0004】代表的な熱可塑性樹脂材料としてポリカー
ボネート樹脂があり、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)を原料とし
たものは、透明性に優れているうえにガラスに比べて軽
く、耐衝撃性に優れ、溶融成形が可能であるため大量生
産が容易である等の特徴から、多くの分野において、光
学部品として応用が図られている。しかし、屈折率は
1.58程度と比較的高い値を有しているものの、屈折
率の分散性の程度を表すアッベ数が30と低く、屈折率
と分散特性とのバランスが悪く、光学部品を構成する樹
脂として、その用途が限られているのが現状である。例
えば光学部品の代表例である眼鏡レンズは、視覚機能を
考慮すると眼鏡レンズ素材のアッベ数は40以上が望ま
しいことが知られており(季刊化学総説No.39 透
明ポリマーの屈折率制御 日本化学会編、学会出版セン
ター 等)、ビスフェノールAを原料としたポリカーボ
ネート樹脂をそのまま使用しても所望の特性を得ること
は難しい。
【0005】これらの問題点を解決しようとする多くの
試みがこれまでになされており、酸素を含む環から成る
特定構造を導入したポリカーボネート樹脂(特開平10
−251500等)、芳香族系と脂肪族系を共重合した
ポリカーボネート樹脂(特開2000−230044
等)、特定の脂肪族系構造を有するポリカーボネート樹
脂(特開2000−63506等)等が提案されてい
る。しかし、例えば眼鏡レンズに適用した場合に視覚機
能から必要であるアッベ数40以上を有する樹脂は数少
なく、30〜38程度のものが大半である。またアッベ
数40以上を有する樹脂も幾つか提案されているが、屈
折率は高くても1.56程度であり、高い屈折率と高い
アッベ数が望まれる用途には適用できない。例えば眼鏡
レンズであれば、屈折率1.58以上であり、かつアッ
ベ数40以上を有する樹脂が望まれている。
【0006】さらには、例えば光ファイバーや光導波
路、一部のレンズのように、異なる屈折率を有する複数
の材料を併用したり、屈折率に分布を有する材料の開発
も望まれている。これらの材料に対応するためには、屈
折率を任意に調節できることが不可欠となる。
【0007】一方において、特に眼鏡レンズを対象とし
た熱硬化性樹脂の開発が盛んに行われてきた。これまで
に多くの樹脂が上市されており、その多くは1.60以
上の高屈折率と40以上のアッベ数を併せ持った光学特
性に大変優れたものであり、これまで主流であった光学
ガラスに比べて軽量であるといった特徴を有する(季刊
化学総説No.39 透明ポリマーの屈折率制御 日本
化学会編 学会出版センター 等)。しかしながら、こ
れら全ては熱可塑性樹脂であるため、その加工に煩雑な
工程と数十時間以上の多大な時間を要するのが一般であ
り、これらは生産効率の面から非常に大きな問題となっ
ている。
【0008】従って、高屈折性、低分散性(高いアッベ
数)、耐熱性、透明性、及び軽量性を併せ持ち、さらに
は屈折率を任意に制御できる熱可塑性を有する材料、お
よびそれを含んで構成される光学部品は未だ見出されて
おらず、その開発が切に望まれていた。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上
記従来技術の問題点に鑑み、数式(H)及び(J)で
表される屈折率nおよびアッベ数νを有する優れた光学
特性、ガラス転移温度80℃以上の耐熱性、光線透
過率70%以上の透明性、密度2.0g/cm3以下
の軽量性、及び熱可塑性及び/または溶融成形性を併
せ持つ材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部
品を提供することにある。
【0010】 1.45<n≦1.80 (H) ν≧205−100n (J)
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の光学特
性を有する熱可塑性樹脂と、特定の平均粒子直径と特定
の組成を有するチタンを主成分とする酸化物微粒子とか
ら成る材料組成物が、高屈折性、低分散性(高いアッベ
数)、耐熱性、透明性、及び軽量性を併せ持ち、さらに
は屈折率を任意に制御できる熱可塑性を有する材料組成
物であり、それを含んで構成される光学部品が、高屈折
性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、透明性、及び
軽量性を併せ持ち、成形加工性に優れることを見い出
し、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、以下の[1]〜[1
0]に記載した事項により特定される。 [1] 数式(A)及び(B)で示される屈折率n1
びアッベ数ν1を有する熱可塑性樹脂100重量部と、
平均粒子直径diが数式(C)で示されるチタンを主成
分とする酸化物微粒子1〜200重量部とから成り、該
酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciが数式(D)で示
される範囲である、数式(E)、(F)及び(G)で示
される屈折率n2及びアッベ数ν2を有する熱可塑性材料
組成物。
【0013】 1.45≦n1≦1.65 (A) ν1≧195−100n1 (B) 1nm≦di≦200nm (C) 50重量%≦Ci≦59.5重量% (D) 1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
【0014】[2] 熱可塑性樹脂が、溶融成形可能な
熱可塑性樹脂であり、熱可塑性材料組成物が、溶融成形
可能な熱可塑性材料組成物である、[1]記載の熱可塑
性材料組成物。
【0015】[3] 熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、
環状オレフィン樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリカーボ
ネート樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエステル樹脂、
環状脂肪族鎖を有するポリエーテル樹脂、環状脂肪族鎖
を有するポリアミド樹脂、または環状脂肪族鎖を有する
ポリイミド樹脂である[1]〜[2]記載の熱可塑性材
料組成物。
【0016】[4] [1]〜[3]記載の熱可塑性材
料組成物を含んで構成される光学部品。
【0017】[5] 光学部品が、レンズであることを
特徴とする[4]記載の光学部品。
【0018】[6] レンズが、眼鏡レンズ、光学機器
用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー
用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプ
レンズまたはOHP用レンズであることを特徴とする
[5]記載のレンズ。
【0019】[7] 光学部品が、光ファイバーである
ことを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0020】[8] 光学部品が、光導波路であること
を特徴とする[4]記載の光学部品。
【0021】[9] 光学部品が、光フィルターである
ことを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0022】[10] 光学部品が、光学用接着剤であ
ることを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性材料組成物は、
数式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ
数ν1を有する熱可塑性樹脂100重量部と、平均粒子
直径diが数式(C)で示されるチタンを主成分とする
酸化物微粒子1〜200重量部とから成り、該酸化物微
粒子中のチタンの含有量Ciが数式(D)で示される範
囲である、数式(E)、(F)及び(G)で示される屈
折率n2及びアッベ数ν2を有する熱可塑性材料組成物で
ある。
【0024】 1.45≦n1≦1.65 (A) ν1≧195−100n1 (B) 1nm≦di≦200nm (C) 50重量%≦Ci≦59.5重量% (D) 1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
【0025】本発明において用いる熱可塑性樹脂は、数
式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数
ν1を有する熱可塑性樹脂である。屈折率n1及びアッベ
数ν1が、数式(A)及び(B)で示される範囲を外れ
ると、得られる熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びア
ッベ数ν2が、数式(E)、(F)及び(G)で示され
る範囲を外れる恐れがある。
【0026】本発明における屈折率(n、n1、n2)と
は、「季刊化学総説No.39 透明ポリマーの屈折率
制御 日本化学会編、学会出版センター」に記載されて
いるとおり、588nmの波長における屈折率を示す。
また本発明におけるアッベ数νとは、「季刊化学総説N
o.39 透明ポリマーの屈折率制御 日本化学会編、
学会出版センター」に記載されているとおり、数式
(K)で示される値である。但し数式(K)において、
nd、nf、ncはそれぞれ、588nm、486n
m、656nmにおける屈折率を示す。
【0027】 ν=(nd−1)/(nf−nc) (K)
【0028】本発明において用いる熱可塑性樹脂は、ガ
ラス転移温度が80℃以上400℃以下であることが好
ましく、100℃以上300℃以下であることがより好
ましい。ガラス転移温度が80℃未満であると、十分な
耐熱性が得られない恐れがあり、またガラス転移温度が
400℃を超えると、成形加工する際に高温が必要とな
り、プロセス的に不利となるばかりでなく、材料が変色
する等の問題が生じる恐れがある。
【0029】本発明において用いる熱可塑性樹脂は、光
線透過率が70%以上であることが好ましく、80%以
上であることがより好ましい。光線透過率が70%未満
であると、得られる熱可塑性材料組成物の光線透過率が
70%未満となる恐れがある。なお本発明における光線
透過率とは、樹脂を加熱成形して厚さ3.2mmの基板
を作成し、ASTM D1003に従って得られる値で
ある。
【0030】本発明において用いる熱可塑性樹脂は、密
度が2.0g/cm3以下であることが好ましく、1.
5g/cm3以下であることがより好ましい。密度が
2.0g/cm3を超えると、得られる熱可塑性材料組
成物の密度が2.0g/cm3を超える恐れがある。
【0031】本発明において用いる熱可塑性樹脂とし
て、溶融成形が可能な熱可塑性樹脂を用いることによ
り、本発明の熱可塑性材料組成物として、溶融成形が可
能な熱可塑性材料組成物を得ることができる。
【0032】本発明における熱可塑性樹脂とは、ある温
度範囲で加熱により軟化し、その軟化した状態で成形や
押し出し等により製品加工ができることを示す。具体的
には、例えば、加熱状態でプレスすることにより、0.
1〜5000μm程度の厚さを有するフィルムを成形で
きる性能を有する。また、本発明における溶融成形が可
能な熱可塑性樹脂とは、熱的に安定な温度域で溶融成形
が可能な溶融粘度を有しており、押し出しや射出等によ
り成形加工ができることを示す。具体的には、例えば、
空気中において加熱により樹脂の5重量%が減少する温
度、すなわち5%重量減少温度に比べ、1〜100パス
カル・秒程度の溶融粘度を有する温度が30℃以上、好
ましくは50℃以上低いことをいう。溶融成形性を有す
ることにより、押し出し成形、射出成形、真空成形、ブ
ロー成形、圧縮成型、ブロー成形、カレンダー成形、積
層成形等が可能となり、ディスク、ファイバー等の様々
な成形体を得ることができる。
【0033】本発明において用いる熱可塑性樹脂は、上
述の光学特性(屈折率及びアッベ数)を満たすものであ
り、より好ましくはさらに、上述のガラス転移温度、光
線透過率、密度、及び樹脂加工性(熱可塑性及び/また
は溶融成形性)をも満たす樹脂である。例えば、アクリ
ル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリカーボネート樹脂、
環状脂肪族鎖を有するポリエステル樹脂、環状脂肪族鎖
を有するポリエーテル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリ
アミド樹脂、または環状脂肪族鎖を有するポリイミド樹
脂等が挙げられる。より具体的には、例えば、第1表
(表1)記載の化学式(1)〜(14)で示される構造
骨格を有する樹脂を挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。
【0034】
【表1】
【0035】また、環状脂肪族鎖の一部を芳香環に置き
換えた共重合体を用いることもでき、硫黄を結合鎖など
に一部含んだチオカーボネートやチオエステル、チオエ
ーテル等も好適に用いることができる。なお、芳香環や
硫黄はアッベ数の低減を伴うことがあるので、本発明で
提示している熱可塑性樹脂の光学特性を外れない範囲で
選択することが重要である。
【0036】本発明において用いる熱可塑性樹脂の製造
方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの
方法を用いることもできる。また樹脂に含まれる不純物
の種類及び量についても、特に制限されるものではない
が、用途によっては不純物が本発明の効果を損なう恐れ
があるので、総不純物量は1重量%以下、特にナトリウ
ムや塩素などのイオン性不純物は0.5重量%以下であ
ることが望ましい。
【0037】本発明において用いる熱可塑性樹脂の分子
量は、特に限定されるものではなく、用途や加工方法に
応じ、任意の分子量とすることができるが、成形加工性
を勘案すると、樹脂を0.5g/100ミリリットルの
濃度で溶解可能な溶剤に溶解した後の35℃で測定した
対数粘度の値が、0.1〜3.0デシリットル/gであ
ることが好ましい。
【0038】また、着色の抑制や溶融成形における流動
性の改善などを目的として、メタノールやエタノールな
どのモノアルコール類、フェノールやターシャリーブチ
ルフェノールといった芳香族モノヒドロキシ化合物など
の末端封止用化合物を併用してもよい。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂は、構成単位の繰り
返しに特に制限はなく、交互構造、ランダム構造、ブロ
ック構造等のいずれの場合でも良い。また、通常用いら
れる分子形状は線状であるが、分岐している形状を用い
ても良い。また、グラフト状でも良い。
【0040】本発明において用いる酸化物微粒子は、平
均粒子直径diが数式(C)で示される酸化物微粒子で
ある。平均粒子直径diが1nm未満であると、得られ
る熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、
数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲を外れる
恐れがある。また平均粒子直径diが200nmを超え
ると、得られる熱可塑性材料組成物が濁るなどして透明
性が低下し、光線透過率が70%未満となる恐れがあ
る。
【0041】 1nm≦di≦200nm (C)
【0042】本発明において用いる酸化物微粒子の形状
は、特に限定されるものではないが、好適には球状の微
粒子が用いられる。また、粒子径の分布に関しても特に
制限されるものではないが、本発明の効果をより効率よ
く発現させるためには、広範な分布を有するものより
も、比較的狭い分布を持つものが好適に用いられる。
【0043】本発明において用いる酸化物微粒子は、チ
タンを主成分とする酸化物微粒子であり、酸化物微粒子
中のチタンの含有量Ciは数式(D)で示される範囲で
ある。酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciが59.5
重量%を超える場合、または50重量%未満の場合、得
られる熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2
が、数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲から
外れる恐れがある。
【0044】 50重量%≦Ci≦59.5重量% (D) 1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
【0045】本発明において用いる酸化物微粒子に含ま
れる、チタンおよび酸素以外の元素については特に制限
されるものではなく、例えば、亜鉛、鉄、銅、マンガ
ン、クロム、コバルト、ニッケル、マグネシウム、炭
素、ホウ素、硫黄などが挙げられる。これらの元素は、
一種類でもよく、また複数種類から構成されていてもよ
い。また、ベンゼンなどの有機化合物でもよい。チタン
および酸素以外のこれらの元素は、酸化物微粒子の中に
おいて高分散に含有されていることが望ましい。より好
ましくは、原子又は分子レベルで分散されていることが
望ましい。
【0046】本発明において用いる酸化物微粒子の製造
方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの
方法も用いることができる。例えば、ハロゲン化チタン
やアルコキシチタンを原料に用い、水を含有する反応系
において加水分解してチタン酸化物微粒子を合成する
際、ハロゲン化ケイ素やアルコキシシランなどのハロゲ
ン化金属やアルコキシ金属、アルコキシフェニルシラン
などの加水分解性のアルコキシ基と非加水分解性の有機
基を併有する金属化合物、クロロフェニルシランなどの
ハロゲン基と非加水分解性の有機基を併有する金属化合
物などを共存させる方法により、所望の酸化物微粒子を
得ることができる。この際、微粒子の安定化のために有
機酸や有機アミンなどを併用する方法も用いられる。
【0047】本発明における熱可塑性材料組成物は、数
式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数
ν1を有する熱可塑性樹脂100重量部と、平均粒子直
径diが数式(C)で示され、チタンの含有量Ciが数式
(D)で示される範囲であるチタンを主成分とする酸化
物微粒子1〜200重量部とから成り、より好適には、
熱可塑性樹脂100重量部と酸化物微粒子5〜150重
量部から成る。熱可塑性樹脂100重量部に対して酸化
物微粒子が1重量部未満であると、得られる熱可塑性材
料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、数式(E)、
(F)及び(G)で示される範囲を外れる恐れがある。
また、酸化物微粒子が200重量部を超えると、得られ
る熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、
数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲を外れる
恐れがあるばかりでなく、材料組成物の熱可塑性という
特性が損なわれる恐れがある。
【0048】 1.45≦n1≦1.65 (A) ν1≧195−100n1 (B) 1nm≦di≦200nm (C) 50重量%≦Ci≦59.5重量% (D) 1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
【0049】本発明における熱可塑性材料組成物は、熱
可塑性樹脂と酸化物微粒子から成るが、その作成方法は
特に限定されるものではない。すなわち、熱可塑性樹脂
と酸化物微粒子をそれぞれ独立して作成し、その後に両
者を混合させる方法、予め作成した酸化物微粒子が存在
する条件で熱可塑性樹脂を作成する方法、予め作成した
熱可塑性樹脂が存在する条件で酸化物微粒子を作成する
方法、熱可塑性樹脂と酸化物微粒子の両者を同時に作成
させる方法など、いずれの方法をも採用できる。具体的
には、例えば、熱可塑性樹脂が溶解した溶液と、酸化物
微粒子が均一に分散した分散液の二液を均一に混合し、
熱可塑性樹脂に対して溶解性が乏しい溶液中に打ち合わ
せることにより、目的とする材料組成物を得る方法を好
適に挙げることができるが、これに限定されるものでは
ない。
【0050】本発明における熱可塑性材料組成物におい
て、熱可塑性樹脂と酸化物微粒子の混合の程度は特に限
定されるものではないが、本発明の効果をより効率よく
発現させるためには、均一に混合していることが望まし
い。混合の程度が不十分の場合には、特に屈折率やアッ
ベ数、光線透過率などの光学特性に影響を及ぼすことが
懸念され、また熱可塑性や溶融成形性などの樹脂加工性
にも悪影響する恐れがある。混合の程度は、その作成方
法に影響されることが考えられ、用いる熱可塑性樹脂及
び酸化物微粒子の特性を十分に勘案して、方法を選択す
ることが重要である。熱可塑性樹脂と酸化物微粒子の両
者がより均一に混合するために、熱可塑性樹脂と酸化物
微粒子を直接結合させる方法等も、本発明において好適
に用いることができる。
【0051】本発明の熱可塑性材料組成物は、数式
(E)、(F)及び(G)を満たす屈折率n2及びアッ
ベ数ν2を有する光学的に優れた材料組成物であり、さ
らには熱可塑性及び/または射出成形性を有するため
に、成形加工性に非常に優れた材料組成物である。この
優れた光学特性と成形加工性を併せ持った材料は、これ
までに開示されている材料では達成することができなか
った特性であり、特定の熱可塑性樹脂と特定の無機微粒
子から成ることが、この特性に寄与していることが考え
られる。
【0052】 1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
【0053】本発明の熱可塑性材料組成物は、数式
(H)及び(J)を満たす屈折率nおよびアッベ数νを
有する優れた光学特性、ガラス転移温度80℃以上の
耐熱性、光線透過率70%以上の透明性、密度2.
0g/cm3以下の軽量性、成形加工性を併せ持ち、
これらの優れた性能を損なうことなく、さらに屈折率n
を数式(H)で表されるの範囲で任意に調節ができる。
屈折率の調節は、用いる熱可塑性樹脂と無機微粒子の構
成比を調節すること等により、精度よく調節することが
できる。
【0054】 1.45<n≦1.80 (H) ν≧205−100n (J)
【0055】本発明の熱可塑性材料組成物は、高屈折
性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、光線透過性、
軽量性、成形加工性を併せ持ち、さらには屈折率を任意
に調節できる、光学特性に優れた熱可塑性材料組成物で
あり、光学用部品に好適に使用できる。
【0056】本発明の熱可塑性材料組成物を含んで構成
される光学部品に特に制限はなく、例えば、部品の一部
あるいは全部に使用することができ、高屈折性と低分散
性が必要とされる部品、高い透明性を必要とされる部
品、あるいは透明性と高屈折性を必要とされる部品等が
挙げられる。また、任意に屈折率を調節できるため、例
えば光ファイバーや光導波路、一部のレンズのように、
異なる屈折率を併用したり、屈折率に分布を必要とする
光学用部品にも好適に用いることができる。より具体的
には、例えば、レンズ(例えば、眼鏡レンズ、光学機器
用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー
用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプ
レンズ、OHP用レンズ等)、光ファイバー、光導波
路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基盤、デ
ィスプレー基盤、コーティング材、プリズム等が挙げら
れる。
【0057】本発明の熱可塑性材料組成物は、原料に溶
融成形可能な熱可塑性樹脂を用いることにより、溶融成
形性を有するようになるため、従来用いられている熱硬
化性樹脂に比べ、これら上述の光学部品を効率よく製造
することができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。尚、実施例中の熱可塑性樹脂、無機微粒子、熱可塑
性材料組成物等の物性及び光学特性は以下の方法により
測定した。 対数粘度η:熱可塑性樹脂を、その樹脂が溶解可能な
溶媒(例えばクロロホルム、1−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、オルト−ジクロロベンゼ
ン、クレゾール等)に、0.5g/100ミリリットル
の濃度で溶解した後、35℃において測定した。 屈折率n及びアッベ数ν:通常の熱プレス機を用いて
厚さ約0.1〜1mmの板上サンプルを作成し、アッベ
屈折計(アタゴ社DR−M2)により測定した。 ガラス転移温度Tg:DSC(島津DT−40シリー
ズ,DSC−41M)により測定した。 光線透過率:材料組成物を加熱成形して厚さ3.2m
mの基板を作成し、ASTM D1003に従って測定
した。 5%重量減少温度Td5:空気中でDTA−TG(島
津DT−40シリーズ、DTG−40M)により測定し
た。 溶融粘度:高化式フローテスター(島津CFT−50
0)で直径0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用い
て溶融粘度を測定した。所定の温度で5分間保った後、
10万ヘクトパスカルの圧力で押し出した。
【0059】
【合成例1】第2表(表2)に示した化学式(15)の
繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を溶液
重合法にて合成した。窒素導入ライン、攪拌機、温度計
を備えた重合容器に、4,4’−ビシクロヘキサノール
19.8g(0.1mol)、及びピリジン200gを
仕込み、撹拌して完全に溶解させた。溶液を温水浴で4
0℃に保ち、溶液を激しく撹拌させながら、ホスゲンを
約0.25g/分の速度で吹き込んだ。約25分後にピ
リジン塩酸塩が析出し始め、さらに約15分後、溶液の
粘性が徐々に増し始めた。さらに10分ホスゲンを吹き
込んだ後に供給を止め、そのまま1時間激しく撹拌を続
けた。その後、その状態で上部よりメタノール200g
とイオン交換水100gの混合液300gを5分かけて
導入し、析出したポリカーボネート樹脂を濾別した。ピ
リジン塩酸塩などの残留物を除くため、得られたポリカ
ーボネート樹脂をメタノール600gとイオン交換水3
00gの混合液900gに懸濁させ、ホモミキサーを用
いて激しく撹拌し、再度濾別した。この操作を3回繰り
返した後、メタノール900gで洗浄し、80℃で2時
間真空乾燥させて樹脂22.0gを得た。得られたポリ
カーボネート樹脂について、C、Hの元素分析を行った
ところ、その含有量はそれぞれ70.1wt%、8.8
wt%であり、それぞれの理論値69.6wt%、8.
9wt%とほぼ同等であり、化学式(15)の繰り返し
構造単位を有するポリカーボネート樹脂であることを確
認した。得られたポリカーボネート樹脂について、上記
の方法に従って対数粘度η、屈折率n、アッベ数ν、ガ
ラス転移温度Tg、及び光線透過率、密度ρ、5%重量
減少温度Td5、及び溶融粘度の評価を行い、結果を第
2表(表2)に示した。この樹脂は、5%重量減少温度
に比べて50℃以上の十分に低い180℃において、9
パスカル・秒という、溶融成形を行うのに適した溶融粘
度を有しており、溶融成形が可能な熱可塑性樹脂である
ことがわかる。結果からわかるように、このポリカーボ
ネート樹脂は、数式(A)及び(B)で示される屈折率
1及びアッベ数ν1を有する溶融成形可能な熱可塑性樹
脂であり、本発明の条件に適した樹脂である。
【0060】1.45≦n1≦1.65 (A) ν1≧195−100n1 (B)
【0061】
【合成例2】4,4’−ビシクロヘキサノール19.8
g(0.1mol)の代わりに2,2−ビス(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)プロパン24.0g(0.1m
ol)に変えた以外は、合成例1と同様にして、表2に
示した化学式(16)の繰り返し構造単位を有するポリ
カーボネート樹脂を溶液重合法にて合成し、樹脂26.
2gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化
学式(16)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネ
ート樹脂であることを確認した。合成例1と同様にして
各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。
結果からわかるように、このポリカーボネート樹脂は本
発明の条件に適した樹脂である。
【0062】
【合成例3】第2表(表2)に示した化学式(17)の
繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂を、酸クロ
リド法にて合成した。窒素導入ライン、攪拌機、温度計
を備えた重合容器に、4,4’−ビシクロヘキサノール
19.8g(0.1mol)、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸クロリド20.9g(0.1mol)、及
びニトロベンゼン100gを仕込んだ。窒素雰囲気下で
撹拌しながらゆっくり加熱し、2時間で145℃まで昇
温した。この温度で6時間保持して重合させた後、ニト
ロベンゼンを減圧下で留去した。残ったポリマーを更に
この温度にて減圧下で2時間乾燥させ、樹脂32.4g
を得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式
(17)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂
であることを確認した。合成例1と同様にして各特性の
評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果から
わかるように、このポリエステル樹脂は本発明の条件に
適した樹脂である。
【0063】
【合成例4】4,4’−ビシクロヘキサノール19.8
g(0.1mol)の代わりに2,2−ビス(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)プロパン24.0g(0.1m
ol)に変えた以外は、合成例3と同様にして、表2に
示した化学式(18)の繰り返し構造単位を有するポリ
エステル樹脂を酸クロリド法にて合成し、樹脂36.4
gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学
式(18)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹
脂であることを確認した。合成例1と同様にして各特性
の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果か
らわかるように、このポリエステル樹脂は本発明の条件
に適した樹脂である。
【0064】
【合成例5】第2表(表2)に示した化学式(19)の
繰り返し構造単位を有するポリエーテル樹脂を、ポリマ
ー・マテリアル・サイエンス・エンジニアリング第60
巻170頁(1989年)に従って合成した。得られた
樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(19)の繰り返
し構造単位を有するポリエーテル樹脂であることを確認
した。合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果
を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、こ
のポリエーテル樹脂は本発明の条件に適した樹脂であ
る。
【0065】
【合成例6】第2表(表2)に示した化学式(20)の
繰り返し構造単位を有するポリアミド樹脂を、酸クロリ
ド法にて合成した。窒素導入ライン、攪拌機、温度計を
備えた重合容器に、1,4−シクロヘキサンジアミン1
1.4g(0.1mol)及びN,N−ジメチルアセト
アミド200gを仕込み、氷冷しながら撹拌した。1,
4−シクロヘキサンジアミンが溶解した後、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸クロリド20.9g(0.1
mol)を徐々に加え、その後3時間撹拌を続けた。そ
の後、その状態で上部よりメタノール200gとイオン
交換水100gの混合液300gを5分かけて導入し、
析出した樹脂を濾別した。ピリジン塩酸塩などの残留物
を除くため、得られた樹脂をメタノール600gとイオ
ン交換水300gの混合液900gに懸濁させ、ホモミ
キサーを用いて激しく撹拌し、再度濾別した。この操作
を3回繰り返した後、メタノール900gで洗浄し、8
0℃で2時間真空乾燥させて樹脂24.0gを得た。得
られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(20)の
繰り返し構造単位を有するポリアミド樹脂であることを
確認した。合成例1と同様にして各特性の評価を行い、
結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるよう
に、このポリアミド樹脂は本発明の条件に適した樹脂で
ある。
【0066】
【合成例7】4,4’−ビシクロヘキサノール19.8
g(0.1mol)の代わりに2,2−ビス(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)プロパン12.0g(0.05
mol)とビスフェノールA11.4g(0.05mo
l)に変えた以外は、合成例1と同様にして、表2に示
した化学式(23)の繰り返し構造単位を有するポリカ
ーボネート樹脂を溶液重合法にて合成し、樹脂23.2
gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学
式(23)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネー
ト樹脂であることを確認した。合成例1と同様にして各
特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結
果からわかるように、このポリカーボネート樹脂は本発
明の条件に適していない樹脂である。
【0067】
【合成例8】4,4’−ビシクロヘキサノール19.8
g(0.1mol)の代わりに1,4−シクロヘキサン
ジオール11.6g(0.1mol)、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸クロリド20.9g(0.1mo
l)の代わりにテレフタル酸クロリド20.3g(0.
1mol)に変えた以外は、合成例3と同様にして、表
2に示した化学式(24)の繰り返し構造単位を有する
ポリエステル樹脂を酸クロリド法にて合成し、樹脂2
3.8gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析か
ら、化学式(24)の繰り返し構造単位を有するポリエ
ステル樹脂であることを確認した。合成例1と同様にし
て各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示し
た。結果からわかるように、このポリエステル樹脂は本
発明の条件に適していない樹脂である。
【0068】
【表2】
【0069】
【合成例9】四塩化チタン及びジメチルジメトキシシラ
ンを原料に、チタンを主成分とする酸化物微粒子の合成
を行った。まず、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ア
プライド・フィジクス第37巻4603−4608頁
(1998年)に記載の方法に準じて、中間物であるT
iOCl2の合成を行った。四塩化チタン25.0g
(0.132mol)を窒素ボックス内で三口フラスコ
に装入し、メタノール・氷浴で−5℃程度に冷却した。
撹拌を行いながら、ここに蒸留水14.3g(0.79
2mol)を、30分かけてゆっくり滴下した。最終的
に黄色い透明な粘性のある液体が得られた。この液体を
125gの蒸留水で希釈し、TiOCl2の水溶液を得
た。また、ジメチルジメトキシシラン0.6g(0.0
05mol)を、50gの脱水したエタノールで希釈
し、ジメチルジメトキシシラン溶液を得た。次いで、蒸
留水1450g、エタノール1650g及びプロピオン
酸5.31g(0.072mol)から成り、50℃に
維持された混合液に、この両液、すなわちTiOCl2
水溶液とジメチルジメトキシシラン溶液を、別々に、か
つ同時に撹拌しながら一気に投入した。さらに50℃に
て撹拌を続けると、数十分で薄く白濁し始めた。この条
件で6時間熟成した後、10000rpmで2分間遠心
分離を行い、得られた白色のゲル状物を酢酸エチルに懸
濁させ、さらに同条件で遠心分離を行い、白色の微粒粉
末10.5gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒
子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであるこ
とを確認した。元素分析から、チタン57.5重量%で
あることを確認した。またエックス線回折から、この微
粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であること
を確認した。また、他にピークが観察されなかったこと
から、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されて
いることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表
3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子
は本発明の条件に適した微粒子である。
【0070】
【合成例10】ラングミュア第16巻第1号241−2
46頁(2000年)に記載の方法に準じて、テトライ
ソプロポキシチタン及びジメチルジメトキシシランを原
料に、チタンを主成分とする酸化物微粒子の合成を行っ
た。2−プロパノール1000gで希釈したテトライソ
プロポキシチタン2.8g(0.01mol)及びジメ
チルジメトキシシラン0.06g(0.0005mo
l)を、65℃に維持されたエタノール10000gで
希釈したプロピオン酸11.5g(0.1mol)に、
激しく撹拌しながら2分間かけて滴下した。そのまま6
5℃で10分間続けて激しく撹拌した後、蒸留水200
0gを激しく撹拌しながら10分かけて滴下した。その
ままの条件でさらに2時間維持した後、10000rp
mで2分間遠心分離を行い、得られた白色のゲル状物を
酢酸エチルに懸濁させ、さらに同条件で遠心分離を行
い、白色の微粒粉末0.8gを得た。この粒子を電子顕
微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が
4nmであることを確認した。元素分析から、チタン5
6.8重量%であることを確認した。またエックス線回
折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主
成分であることを確認した。また、他にピークが観察さ
れなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分
散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結
果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、こ
の酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0071】
【合成例11】用いるプロピオン酸の量を、5.31g
(0.072mol)から26.6g(0.36mo
l)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行
い、白色の微粒粉末10.6gを得た。この粒子を電子
顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径
が2nmであることを確認した。元素分析から、チタン
57.2重量%であることを確認した。またエックス線
回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが
主成分であることを確認した。また、他にピークが観察
されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高
分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価
結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、
この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子であ
る。
【0072】
【合成例12】用いるプロピオン酸の量を、5.31g
(0.072mol)から0.0531g(0.000
72mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合
成を行い、白色の微粒粉末10.6gを得た。この粒子
を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ球状であり、平均粒子
直径が150nmであることを確認した。元素分析か
ら、チタン57.5重量%であることを確認した。また
エックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸
化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピ
ークが観察されなかったことから、チタン以外の成分
は、比較的高分散に含有されていることが推察される。
微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわ
かるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した
微粒子である。
【0073】
【合成例13】用いるプロピオン酸の量を、5.31g
(0.072mol)から106.2g(1.44mo
l)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行
い、白色の微粒粉末10.6gを得た。この粒子を電子
顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径
が0.8nmであることを確認した。元素分析から、チ
タン57.5重量%であることを確認した。またエック
ス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタ
ンが主成分であることを確認した。また、他にピークが
観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較
的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の
評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるよう
に、この二酸化チタン微粒子は本発明の条件に適してい
ない無機微粒子である。
【0074】
【合成例14】用いるプロピオン酸の量を、5.31g
(0.072mol)から0.00531g(0.00
0072mol)に変えた以外は、合成例9と同様にし
て合成を行い、白色の微粒粉末9.2gを得た。この粒
子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均
粒子直径が250nmであることを確認した。元素分析
から、チタン57.5重量%であることを確認した。ま
たエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二
酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他に
ピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分
は、比較的高分散に含有されていることが推察される。
微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわ
かるように、この二酸化チタン微粒子は本発明の条件に
適していない無機微粒子である。
【0075】
【合成例15】用いるジメチルジメトキシシランの量
を、0.6g(0.005mol)から0.24g
(0.002mol)に変えた以外は、合成例9と同様
にして合成を行い、白色の微粒粉末10.2gを得た。
この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であ
り、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素
分析から、チタン59.0重量%であることを確認し
た。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ
型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。ま
た、他にピークが観察されなかったことから、チタン以
外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察
される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結
果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件
に適した微粒子である。
【0076】
【合成例16】用いるジメチルジメトキシシランの量
を、0.6g(0.005mol)から1.8g(0.
015mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして
合成を行い、白色の微粒粉末10.9gを得た。この粒
子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均
粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析か
ら、チタン53.2重量%であることを確認した。また
エックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸
化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピ
ークが観察されなかったことから、チタン以外の成分
は、比較的高分散に含有されていることが推察される。
微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわ
かるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した
微粒子である。
【0077】
【合成例17】用いるジメチルジメトキシシランの量
を、0.6g(0.005mol)から0.06g
(0.0005mol)に変えた以外は、合成例9と同
様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.2gを得
た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状で
あり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元
素分析から、チタン59.7重量%であることを確認し
た。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ
型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。ま
た、他にピークが観察されなかったことから、チタン以
外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察
される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結
果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件
に適していない微粒子である。
【0078】
【合成例18】用いるジメチルジメトキシシランの量
を、0.6g(0.005mol)から3.0g(0.
025mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして
合成を行い、白色の微粒粉末11.2gを得た。この粒
子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均
粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析か
ら、チタン49.5重量%であることを確認した。また
エックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸
化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピ
ークが観察されなかったことから、チタン以外の成分
は、比較的高分散に含有されていることが推察される。
微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわ
かるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適して
いない微粒子である。
【0079】
【合成例19】ジメチルジメトキシシラン0.6g
(0.005mol)の代わりに、ジメチルジクロロシ
ラン0.645g(0.005mol)を用いた以外
は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末
10.6gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子
はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであること
を確認した。元素分析から、チタン58.1重量%であ
ることを確認した。またエックス線回折から、この微粒
子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを
確認した。また、他にピークが観察されなかったことか
ら、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されてい
ることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表
3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子
は本発明の条件に適した微粒子である。
【0080】
【合成例20】ジメチルジメトキシシラン0.6g
(0.005mol)の代わりに、ジメチルジメトキシ
チタン1.4g(0.01mol)合成例9と同様にし
て合成を行い、白色の微粒粉末10.7gを得た。この
粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平
均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析か
ら、チタン58.3重量%であることを確認した。また
エックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸
化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピ
ークが観察されなかったことから、チタン以外の成分
は、比較的高分散に含有されていることが推察される。
微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわ
かるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した
微粒子である。
【0081】
【合成例21】ジメチルジメトキシシラン0.6g
(0.005mol)の代わりに、塩化マグネシウム
0.95g(0.01mol)合成例9と同様にして合
成を行い、白色の微粒粉末10.4gを得た。この粒子
を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒
子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、
チタン58.8重量%であることを確認した。またエッ
クス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チ
タンが主成分であることを確認した。また、他にピーク
が観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比
較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子
の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるよ
うに、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子
である。
【0082】
【表3】
【0083】
【実施例1】第3表(表3)記載の番号(U1)の酸化
物微粒子0.3gを1−ブタノール10gに懸濁させ、
超音波処理を30分行った後、100℃にて30分加熱
した。得られる白濁液を、表2記載の番号(P1)の樹
脂が10重量%で溶解したクロロホルム溶液10gに、
撹拌しながら常温で5分かけて滴下した。得られた混合
液は、ほんのり青白がかった無色透明な液であった。こ
の液を、ホモジナイザーを用いてメタノールと蒸留水の
等容量混合液中に析出させ、無機微粒子が樹脂中に混合
した材料組成物を得た。この組成物を加熱成形して、厚
さ3.2mmの基板を作成したところ、この基板はうす
く黄色味を帯びた透明であった。電子顕微鏡観察を行っ
たところ、無機微粒子が樹脂中に均一に分散しているこ
とを確認した。この材料組成物について、屈折率、アッ
ベ数、ガラス転移温度、光線透過率、密度、5%重量減
少温度、及び溶融粘度を測定し、その結果を表4に示し
た。結果からわかるように、この材料組成物は、数式
(E)、(F)及び(G)で示される屈折率n2及びア
ッベ数ν2を有する溶融成形可能な可塑性材料組成物、
すなわち光学特性および成形加工性に優れた材料組成物
であり、さらにはガラス転移温度80℃以上の耐熱性、
光線透過率70%以上の透明性、密度2.0g/cm3
以下の軽量性をも併せ持つものであることがわかる。従
って、このような特性が要求される光学部品に適した材
料組成物である。
【0084】1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
【0085】
【実施例2〜8】用いる樹脂を、第2表(表2)記載の
番号(P2)〜(P8)の樹脂に代えた以外は、実施例
1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果
を表4に記した。いずれの実施例においても、得られる
材料組成物は実施例1の材料組成物と同様な優れた特性
を有しており、光学部品に適した材料組成物であること
がわかる。
【0086】
【比較例1〜2】用いる樹脂を、第2表(表2)記載の
番号(P9)〜(P10)の樹脂に代えた以外は、実施
例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結
果を表4に記した。本発明の条件範囲の樹脂を用いてい
るため、得られた材料組成物は、数式(E)、(F)及
び(G)で示される屈折率n2及びアッベ数ν2を満たさ
ない。
【0087】
【実施例9〜11】用いる樹脂を、第2表(表2)記載
の番号(P3)の樹脂に、また用いる酸化物微粒子を、
表3記載の番号(U2)〜(U4)代えた以外は、実施
例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結
果を表4に記した。いずれの実施例においても、得られ
る材料組成物は実施例1の材料組成物と同様な優れた特
性を有しており、光学部品に適した材料組成物であるこ
とがわかる。
【0088】
【比較例3】用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号
(P3)の樹脂に、また用いる酸化物微粒子を、表3記
載の番号(U5)代えた以外は、実施例1と同様にして
材料組成物を作成した。得られた組成物から作成された
基板は白濁しており、光線透過率が低いために屈折率及
びアッベ数の測定ができなかった。電子顕微鏡観察か
ら、無機微粒子が凝集した状態であった。
【0089】
【比較例4】用いる樹脂を、表2記載の番号(P3)の
樹脂に、また用いる酸化物微粒子を、表3記載の番号
(U6)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成
物を作成した。得られた組成物から作成された基板は白
濁しており、光線透過率が低いために屈折率及びアッベ
数の測定ができなかった。電子顕微鏡観察から、無機微
粒子が凝集していることは観察されなかった。
【0090】
【実施例12〜13】用いる樹脂を、第2表(表2)記
載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒
子の量を代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成
物を作成し、その物性測定結果を表4に記した。いずれ
の実施例においても、得られる材料組成物は実施例1の
材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光学部品
に適した材料組成物であることがわかる。
【0091】
【比較例5】用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号
(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子の量を
代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成
し、その物性測定結果を表4に記した。酸化物微粒子の
使用量が本発明の条件の範囲外であるため、光学特性の
向上は図ることができず、得られた材料組成物は、数式
(G)で示される屈折率n2を満たすものではない。
【0092】 n2≧n1+0.01 (G)
【0093】
【比較例6】用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号
(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子の量を
代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成
した。しかし、得られた材料組成物は非常に脆く、熱プ
レス等でフィルムを作成することができなかった。すな
わち、熱可塑性を有していない材料組成物であった。
【0094】
【実施例14〜15】用いる樹脂を、第2表(表2)記
載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒
子を、第3表(表3)記載の番号(U7)〜(U8)代
えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成
し、その物性測定結果を第4表(表4)に記した。いず
れの実施例においても、得られる材料組成物は実施例1
の材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光学部
品に適した材料組成物であることがわかる。
【0095】
【比較例7〜8】用いる樹脂を、第2表(表2)記載の
番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子
を、第3表(表3)記載の番号(U9)〜(U10)代
えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成
し、その物性測定結果を第4表(表4)に記した。酸化
物微粒子の使用量が本発明の条件の範囲外であるため、
得られた材料組成物は、数式(E)、(F)及び(G)
で示される屈折率n2及びアッベ数ν2を有するものでは
ない。
【0096】 1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
【0097】
【実施例16〜18】用いる樹脂を、第2表(表2)記
載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒
子を、第3表(表3)記載の番号(U11)〜(U1
3)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を
作成し、その物性測定結果を第4表(表4)に記した。
いずれの実施例においても、得られる材料組成物は実施
例1の材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光
学部品に適した材料組成物であることがわかる。
【0098】
【表4】
【0099】
【発明の効果】本発明の熱可塑性材料組成物、及びそれ
を含んで構成される光学部品は、数式(H)及び
(J)で表される屈折率nおよびアッベ数νを有する優
れた光学特性、ガラス転移温度80℃以上の耐熱性、
光線透過率70%以上の透明性、密度2.0g/c
3以下の軽量性、及び熱可塑性及び/または溶融成
形性を併せ持つ材料組成物、及びそれを含んで構成され
る光学部品であり、例えば、レンズ(例えば、眼鏡レン
ズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レン
ズ、レーザー用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自
動車用ランプレンズ、OHP用レンズ等)、光ファイバ
ー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディス
ク基盤、ディスプレー基盤、コーティング材、プリズム
等の用途に好適である。 1.45<n≦1.80 (H) ν≧205−100n (J)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/20 G02B 6/00 391 4J040 6/00 391 6/12 M 6/13 1/10 Z Fターム(参考) 2H047 QA05 2H048 AA05 AA07 AA28 2H050 AB42 2K009 CC03 CC09 CC24 CC34 CC42 EE00 4J002 BG051 BK001 CE001 CF001 CG001 CH111 CL001 CM041 DE136 FD206 GP00 4J040 DA001 DF041 DF051 ED051 EE011 EG001 EH031 EL021 HA136 KA03 MA05 NA17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数式(A)及び(B)で示される屈折率
    1及びアッベ数ν1を有する熱可塑性樹脂100重量部
    と、平均粒子直径diが数式(C)で示されるチタンを
    主成分とする酸化物微粒子1〜200重量部とから成
    り、該酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciが数式
    (D)で示される範囲である、数式(E)、(F)及び
    (G)を満たす屈折率n2及びアッベ数ν2を有する熱可
    塑性材料組成物。 1.45≦n1≦1.65 (A) ν1≧195−100n1 (B) 1nm≦di≦200nm (C) 50重量%≦Ci≦59.5重量% (D) 1.45<n2≦1.80 (E) ν2≧205−100n2 (F) n2≧n1+0.01 (G)
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、溶融成形可能な熱可塑
    性樹脂であり、熱可塑性材料組成物が、溶融成形可能な
    熱可塑性材料組成物である、請求項1記載の熱可塑性材
    料組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、環状オ
    レフィン樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリカーボネート
    樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエステル樹脂、環状脂
    肪族鎖を有するポリエーテル樹脂、環状脂肪族鎖を有す
    るポリアミド樹脂、または環状脂肪族鎖を有するポリイ
    ミド樹脂である請求項1〜2記載の熱可塑性材料組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の熱可塑性材料組成物
    を含んで構成される光学部品。
  5. 【請求項5】 光学部品が、レンズであることを特徴と
    する請求項4記載の光学部品。
  6. 【請求項6】 レンズが、眼鏡レンズ、光学機器用レン
    ズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レン
    ズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプレンズ
    またはOHP用レンズであることを特徴とする請求項5
    記載のレンズ。
  7. 【請求項7】 光学部品が、光ファイバーであることを
    特徴とする請求項4記載の光学部品。
  8. 【請求項8】 光学部品が、光導波路であることを特徴
    とする請求項4記載の光学部品。
  9. 【請求項9】 光学部品が、光フィルターであることを
    特徴とする請求項4記載の光学部品。
  10. 【請求項10】 光学部品が、光学用接着剤であること
    を特徴とする請求項4記載の光学部品。
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