JP2002047425A - 透明性高分子材料及びその製造方法 - Google Patents

透明性高分子材料及びその製造方法

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JP2002047425A
JP2002047425A JP2000234288A JP2000234288A JP2002047425A JP 2002047425 A JP2002047425 A JP 2002047425A JP 2000234288 A JP2000234288 A JP 2000234288A JP 2000234288 A JP2000234288 A JP 2000234288A JP 2002047425 A JP2002047425 A JP 2002047425A
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inorganic fine
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JP2000234288A
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Tomoyoshi Sasagawa
知由 笹川
Takashi Kawaseki
孝志 河関
Toyoji Hayashi
豊治 林
Tokuo Nakayama
徳夫 中山
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機微粒子を高濃度で含有する安定で成形加
工の可能な高分子材料を得ること。特に、透明で高屈折
率化が可能な眼鏡レンズ等の光学材料に好適に使用可能
な上記高分子材料を得ること。 【構成】 無機微粒子が有機高分子と結合してお
り、熱可塑性あるいは溶剤溶解性を有し、実質的に成形
加工が可能であることを特徴とする微粒子含有高分子材
料。 官能基を有し熱可塑性を有する高分子と、該高分子
の官能基と反応し結合を生成し得る官能基を有する表面
修飾半導体微粒子とを反応させることにより得られる、
熱可塑性あるいは溶剤溶解性を有し、実質的に成形加工
が可能であることを特徴とする微粒子含有高分子材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、高屈折率を有
する透明性高分子材料に関する。より詳細には、本発明
は無機微粒子を含有する高分子材料に関するものであ
り、なかでも透明性を保ったまま、高濃度で、かつ、均
一に微粒子が分散され、溶媒溶解性あるいは熱可塑性を
有し、成形加工が容易で特に光学材料として好適に使用
可能な無機微粒子含有高分子材料に関する。 本発明は、高屈折率を有する透明性高分子材料の製
造方法に関する。 本発明は、高屈折率を有する透明性高分子材料を含
んでなる光学成形体に関する。 本発明は、高屈折率を有する透明性高分子材料を含
んでなるレンズに関する。 本発明は、高屈折率を有する透明性高分子材料を含
んでなる眼鏡用レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無機微粒子の作成法の進展により
各種の無機微粒子が作成されさまざまな用途に応用され
ている。このような用途の具体例としては、例えば、酸
化チタン微粒子の光触媒能や親水性を利用した防汚材
料、半導体微粒子を利用した非線型光学材料、シリカ等
の硬質微粒子を利用したハードコート材料等が挙げられ
る。特に光学材料の分野では、ハードコート、着色、反
射防止膜等で幅広く無機微粒子が利用されてきた。例え
ば、特開昭56−99236号、特開昭57−1689
22号、特開昭60−221702号等には、主に熱硬
化シリコン樹脂中に酸化チタン、酸化アンチモン、シリ
カ等を分散した光学材料用のハードコート材料、導電性
コート材料が開示されている。
【0003】さらに、特開平3−145602号、特開
平8−217991号、特開平11−311702号等
には、微粒子の分散性を良好にするために、微粒子を反
応性基(二重結合、エポキシ)含有カップリング材で処
理した後、硬化させてハードコートを作成する手法が開
示されている。また、特開昭60−159013号に
は、熱硬化性樹脂中にシランカップリング材および無機
微粒子を添加し加熱重合させることによる通常より硬度
の高い眼鏡用プラスチックレンズの作成法か記載されて
いる。
【0004】これらの先行技術では、全て、熱又は紫外
線等の光により硬化する樹脂材料に無機微粒子を添加し
て、その材料を塗布したり、型に注入したりした後硬化
を行うことにより加工品を得ている。このような加工方
法では、例えば、射出成形のような方法と比べると操作
が煩雑で非常に時間がかかるという欠点がある。硬化後
の樹脂は架橋構造を有し不溶不融であるため、硬化後の
樹脂を用いて成形加工する方法も非常に限られてしま
う。
【0005】また、これらの方法では無機微粒子をその
ままで、あるいはシランカップリング剤等で表面を処理
したのみで樹脂と混合している。このような場合、樹脂
と微粒子の相溶性が不十分で、無機微粒子を高濃度で添
加すると微粒子どうしが凝集し大きな粒子を作るため透
明性が失われる。例えばプラスチック中に高屈折率の無
機微粒子を添加し高屈折率のプラスチックレンズを得よ
うとする場合は当然の事ながら透明性を保ったまま無機
微粒子の濃度を高める必要があり、これらの先行技術を
用いることは困難であった。
【0006】事実、前記特開昭60−159013号に
おけるレンズ中でのシリカ微粒子の添加濃度は最高でも
1重量%である。熱硬化性樹脂以外の樹脂に無機微粒子
を高濃度で分散した例としては、特開昭61−2916
50号公報の実施例1にチタニア微粉末をポリメチルメ
タクリレートに33%分散させた例が示されているが、
この場合微粒子の分散安定性が著しく低く、微粒子が凝
集しすぐに不透明化してしまうため実用化は不可能であ
った。
【0007】射出成形のような高能率の成形加工が可能
で、無機の微粒子を高濃度で含有し透明な高分子材料が
あれば、眼鏡レンズを始めとする光学材料やその他の無
機微粒子応用材料として非常に広い範囲への応用が可能
であるが、そのような高分子材料の有効な作成法はほと
んど知られていなかった。このような無機微粒子含有高
分子材料の構造としては、熱可塑性を有する非架橋の高
分子に無機微粒子が、結合したものが有効と考えられ
る。微粒子が高分子と結合していれば、微粒子どうしの
凝集を防ぐことができる。また、非架橋の高分子は熱可
塑性や溶剤溶解性があるため、それを利用した射出成形
等各種の効率的な成形法が利用可能になる。
【0008】このような微粒子結合高分子の作成法とし
て、特開平11−310733号ではポリマーの末端に
シランカップリング性を有する基を導入し、この高分子
シランカップリング剤で無機微粒子の表面を修飾する方
法が述べられている。しかしながら、この技術の解決課
題は、本願発明の解決課題とは異なり、微粒子状の形状
を有する材料の安定性の向上を目指したものであり、こ
の技術により、一つの微粒子の周囲に多数の比較的低分
子量の高分子が結合した球状の分子形状を有する材料が
提供され得る。このような微粒子状の形状を有する材料
を成形したとしても、通常の直鎖状高分子とは異なり十
分な高分子鎖間のからみあいが存在せず強度が弱い成形
加工品しか得られず、この材料単独で成形品を得ること
は困難である。この技術の解決課題からも明らかなよう
に、当然のことながら、当該公報の中には得られた微粒
子状の形状を有する材料を成形加工する点については全
く触れられていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題の一つは、上記した従来の技術の問題点に鑑
み、有機高分子(成分(B))中に、無機微粒子(成分
(A))を、高密度で、かつ、均一に分散せしめること
により、熱可塑性、及び/又は、溶剤溶解性を有し、か
つ、数式(1)〜数式(3)の全てを満足する高屈折率
を有する透明性高分子材料を提供することである。 [数28] 0[nm] < R[nm] ≦ λ[nm] (1) [数29] 1.55 ≦ K (2) [数30] 75% ≦ T% ≦ 100% (3) (数式(1)において、Rは、無機微粒子の平均直径で
あり、λは本請求項発明に係る高分子材料を透過する光
の波長である。数式(2)において、Kは、本請求項発
明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際
の屈折率である。数式(3)において、Tは、本請求項
発明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する
際のフィルム厚さ1.0[mm]に換算したときの透過
する際の透過率%である。)
【0010】また、本発明が解決しようとする課題の一
つは、上記した従来の技術の問題点に鑑み、射出成形の
ような高能率の成形加工が可能で、無機の微粒子を高濃
度で含有し、透明性と高屈折率を有する成形物を得るこ
とのできる、微粒子含有高分子材料を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
従来の技術の問題点に鑑み、このような課題を解決する
ため鋭意研究を行ってきた。その成果の一つが、特開平
11−43556号に開示されている発明である。この
発明は、ZnS等の半導体微粒子を、アミノ基等の反応
性基を有する微粒子修飾剤で修飾し、ポリメチルメタア
クリレート(PMMA)等の透明性高分子と反応させる
ことにより半導体微粒子を含有する高分子材料を得る方
法である。この発明は一定の成果を上げており、極めて
有意義なものである。
【0012】本発明者らは、この発明と比較して、使用
可能な高分子や微粒子の種類のレパートリーをさらに広
範囲なものとし、微粒子含有高分子の不溶化を抑制し、
成形加工性をより改善すべく、さらに検討を進めた。
【0013】本発明者らは、微粒子含有高分子材料の製
造を更に改良するため鋭意検討した結果、より応用範囲
が広い製造法を開発し、新規な成形加工が可能な微粒子
含有高分子材料を見出し本発明を完成させた。
【0014】すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3
0]に記載した事項により特定される。
【0015】[1] 無機微粒子(成分(A))が結合
した有機高分子(成分(B))を含有してなり、熱可塑
性、及び/又は、溶剤溶解性を有し、かつ、数式(1)
〜数式(3)の全てをを満足することを特徴とする高屈
折率を有する透明性高分子材料。 [数31] 0[nm] < R[nm] ≦ λ[nm] (1) [数32] 1.55 ≦ K (2) [数33] 75% ≦ T% ≦ 100% (3) (数式(1)において、Rは、無機微粒子の平均直径で
あり、λは本請求項発明に係る高分子材料を透過する光
の波長である。数式(2)において、Kは、本請求項発
明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際
の屈折率である。数式(3)において、Tは、本請求項
発明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する
際のフィルム厚さ1.0[mm]に換算したときの透過
する際の透過率%である。)
【0016】[2] 無機微粒子(成分(A))と有機
高分子(成分(B))を含有してなる高分子材料であっ
て、前記無機微粒子(成分(A))が、有機高分子(成
分(B))と結合しており、前記有機高分子(成分
(B))が、熱可塑性、及び/又は、溶剤溶解性を有
し、かつ、数式(1)〜数式(3)を満足することを特
徴とする、高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数34] 0[nm] < R[nm] ≦ λ[nm] (1) [数35] 1.55 ≦ K (2) [数36] 75% ≦ T% ≦ 100% (3) (数式(1)において、Rは、無機微粒子の平均直径で
あり、λは本請求項発明に係る高分子材料を透過する光
の波長である。数式(2)において、Kは、本請求項発
明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際
の屈折率である。数式(3)において、Tは、本請求項
発明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する
際のフィルム厚さ1.0[mm]に換算したときの透過
する際の透過率%である。)
【0017】[3] 成形加工性を有することを特徴と
する[1]又は[2]に記載した、高屈折率を有する透
明性高分子材料。
【0018】[4] 成形加工性が、溶融成形法、射出
成形法、押出成形法、及び、キャスト成形法からなる一
群の成形法から選択された少なくとも一つの成形法によ
り成形加工することが可能な性質であることを特徴とす
る、[3]に記載した高屈折率を有する透明性高分子材
料。
【0019】[5] 数式(4)で表される屈折率差Δ
Kが、数式(5)を満足することを特徴とする[1]乃
至[4]の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高
分子材料。 [数37] ΔK = K − K0 (4) [数38] ΔK ≧ 0.015 (5) (数式(4)及び数式(5)において、ΔKは、屈折率
差である。
【0020】数式(4)において、本請求項発明に係る
高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率
である。数式(4)において、K0は、無機微粒子(成
分(A))を含まない有機高分子(成分(B))単独の
高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率
である。)
【0021】[6] 数式(4)で表される屈折率差Δ
Kが、数式(5’)を満足することを特徴とする[1]
乃至[4]の何れかに記載した高屈折率を有する透明性
高分子材料。 [数39] ΔK = K − K0 (4) [数40] ΔK ≦ −0.015 (5’) (数式(4)及び数式(5’)において、ΔKは、屈折
率差である。
【0022】数式(4)において、Kは、本請求項発明
に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の
屈折率である。数式(4)において、K0は、無機微粒
子(成分(A))を含まない有機高分子(成分(B))
単独の高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の
屈折率である。)
【0023】[7] 成形品としたときに、数式(6)
を満足する透明性を有することを特徴とする、[1]乃
至[6]の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高
分子材料。 [数41] 75% ≦ T’% ≦ 100% (6) (数式(6)においてT’は、成形品を波長λ[nm]
の光が透過する際の、フィルム厚さ1.0mmに換算し
た透過率%である。)
【0024】[8] 数式(7)で表される無機微粒子
(成分(A))の組成比RAが、数式(8)を満足する
ものであることを特徴とする、[1]乃至[7]の何れ
かに記載した高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数42] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7) [数43] 1% ≦ RA ≦ 99% (8) (数式(7)及び数式(8)において、RAは、無機微
粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数式
(7)において、WAは、高分子材料中に含まれる無機
微粒子(成分(A))の重量[g]であり、WBは、高
分子材料中に含まれる有機高分子(成分(B))の重量
である。)
【0025】[9] 数式(7)で表される無機微粒子
(成分(A))の組成比RAが、数式(8’)を満足す
るものであることを特徴とする、[1]乃至[7]の何
れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数44] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7) [数45] 5% ≦ RA ≦ 99% (8’) (数式(7)及び数式(8’)において、RAは、無機
微粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数式
(7)において、WAは、高分子材料中に含まれる無機
微粒子(成分(A))の重量[g]であり、WBは、高
分子材料中に含まれる有機高分子(成分(B))の重量
である。)
【0026】[10] 無機微粒子(成分(A))が、
無機元素の酸化化合物、硫化化合物、セレン化化合物、
及び、テルル化化合物からなる化合物群から選択された
少なくとも一種の化合物を含んでなるものであることを
特徴とする、[1]乃至[9]の何れかに記載した高屈
折率を有する透明性高分子材料。
【0027】[11] 無機元素が、Ti、Zn、P
b、及び、Sbからなる群から選択された少なくとも一
種であることを特徴とする、[10]に記載した高屈折
率を有する透明性高分子材料。
【0028】[12] 有機高分子(成分(B))が、
ポリスチレン系高分子、ポリアクリレート系高分子、ポ
リメタクリレート系高分子、ポリカーボネート系高分
子、ポリスルフォン系高分子、ポリアミド系高分子、及
び、ポリヒドロキシエーテル系高分子からなる群から選
択された少なくとも一種であることを特徴とする、
[1]乃至[11]の何れかに記載した高屈折率を有す
る透明性高分子材料。
【0029】[13] 結合が、共有結合、イオン結
合、配位結合、水素結合、及び、ファンデルワールス結
合からなる結合様式群から選択された少なくとも一つで
あることを特徴とする、[1]乃至[12]の何れかに
記載した高屈折率を有する透明性高分子材料。
【0030】[14] 屈折率Kが、数式(2’)で表
されることを特徴とする、[1]乃至[13]の何れか
に記載した高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数46] 1.60 ≦ K (2’) (数式(2’)において、Kは、本請求項発明に係る高
分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率で
ある。)
【0031】[15] 無機微粒子(成分(A))が共
有結合した有機高分子(成分(B))を含有してなり、
熱可塑性、及び/又は、溶剤溶解性を有し、かつ、数式
(1)〜数式(3)を満足することを特徴とする高屈折
率を有する透明性高分子材料の製造方法であって、未反
応有機高分子(B0)の有する官能基と反応性のある官
能基を有することを特徴とする未反応無機微粒子(A
0)と、前記未反応無機微粒子(A0)の有する官能基と
反応性のある官能基を有することを特徴とする未反応有
機高分子(B0)を反応させることを特徴とする、前記
した高屈折率を有する透明性高分子材料の製造方法。 [数47] 0[nm] < R[nm] ≦ λ[nm] (1) [数48] 1.55 ≦ K (2) [数49] 75% ≦ T% ≦ 100% (3) (数式(1)において、Rは、無機微粒子の平均直径で
あり、λは本請求項発明に係る製造方法により得られる
高分子材料を透過する光の波長である。数式(2)にお
いて、Kは、本請求項発明に係る製造方法により得られ
る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折
率である。数式(3)において、Tは、本請求項発明に
係る製造方法により得られる高分子材料を波長λ[n
m]の光が透過する際の透過する際のフィルム厚さ1.
0[mm]に換算したときの透過率%である。)
【0032】[16] 未反応有機高分子(B0)が、
表面化学修飾無機微粒子であることを特徴とする、[1
5]に記載した、高屈折率を有する透明性高分子材料の
製造方法。
【0033】[17] 表面化学修飾無機微粒子が、ト
シル基、アミノ基、水酸基、チオール基、イソシアネー
ト基、及び、活性水素基からなる官能基群から選択され
た少なくとも一つの官能基を有するものであることを特
徴とする、[16]に記載した、高屈折率を有する透明
性高分子材料の製造方法。
【0034】[18] 未反応無機微粒子(A0)の有
する官能基、及び、未反応有機高分子(B0)の有する
官能基が、一方の官能基が、イソシアネート基であり、
他方の官能基が、活性水素基であることを特徴とする、
[15]乃至[17]の何れかに記載した高屈折率を有
する透明性高分子材料の製造方法。
【0035】[19] 未反応無機微粒子(A0)の有
する官能基、及び、未反応有機高分子(B0)の有する
官能基が、一方の官能基が、トシル基であり、他方の官
能基が、アミノ基、水酸基、及び、チオール基からなる
官能基群から選択された少なくとも一つであることを特
徴とする、[15]乃至[17]の何れかに記載した高
屈折率を有する透明性高分子材料の製造方法。
【0036】[20] 数式(4’)で表される屈折率
差ΔKが、数式(5)を満足することを特徴とする[1
5]乃至[19]の何れかに記載した高屈折率を有する
透明性高分子材料の製造方法。 [数50] ΔK = K − K0 (4’) [数51] ΔK ≧ 0.015 (5) (数式(4’)及び数式(5)において、ΔKは、屈折
率差である。
【0037】数式(4’)において、Kは、無機微粒子
(成分(A))が共有結合した有機高分子(成分
(B))を含有してなる高分子材料を波長λ[nm]の
光が透過する際の屈折率である。数式(4)において、
K0は、未反応有機高分子(B0)単独の高分子材料を波
長λ[nm]の光が透過する際の屈折率である。)
【0038】[21] 数式(4’)で表される屈折率
差ΔKが、数式(5)を満足することを特徴とする[1
5]乃至[19]の何れかに記載した高屈折率を有する
透明性高分子材料の製造方法。 [数52] ΔK = K − K0 (4’) [数53] ΔK ≦ −0.015 (5’) (数式(4’)及び数式(5’)において、ΔKは、屈
折率差である。
【0039】数式(4’)において、Kは、無機微粒子
(成分(A))が共有結合した有機高分子(成分
(B))を含有してなる高分子材料を波長λ[nm]の
光が透過する際の屈折率である。数式(4’)におい
て、K0は、未反応有機高分子(B0)単独の高分子材料
を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率である。)
【0040】[22] 数式(7’)で表される無機微
粒子(成分(A))の組成比RAが、数式(8'')を満
足するものであることを特徴とする、[15]乃至[2
1]の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子
材料の製造方法。 [数54] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7’) [数55] 1% ≦ RA ≦ 99% (8'') (数式(7’)及び数式(8'')において、RAは、無
機微粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数
式(7’)において、WAは、未反応無機微粒子(A0)
の重量[g]であり、WBは、未反応有機高分子(B0)
の重量である。) [23] 数式(7’)で表される無機微粒子(成分
(A))の組成比RAが、数式(8''')を満足するもの
であることを特徴とする、[15]乃至[21]の何れ
かに記載した高屈折率を有する透明性高分子材料の製造
方法。 [数56] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7’) [数57] 5% ≦ RA ≦ 99% (8''') (数式(7’)及び数式(8''')において、RAは、無
機微粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数
式(7’)において、WAは、未反応無機微粒子(A0)
の重量[g]であり、WBは、未反応有機高分子(B0)
の重量である。)
【0041】[24] 無機微粒子(成分(A))が、
無機元素の酸化化合物、硫化化合物、セレン化化合物、
及び、テルル化化合物からなる化合物群から選択された
少なくとも一種の化合物を含んでなるものであることを
特徴とする、[15]乃至[23]の何れかに記載した
高屈折率を有する透明性高分子材料の製造方法。
【0042】[25] 無機元素が、Ti、Zn、P
b、及び、Sbからなる群から選択された少なくとも一
種であることを特徴とする、[24]に記載した高屈折
率を有する透明性高分子材料の製造方法。
【0043】[26] 有機高分子(成分(B))が、
ポリスチレン系高分子、ポリアクリレート系高分子、ポ
リメタクリレート系高分子、ポリカーボネート系高分
子、ポリスルフォン系高分子、ポリアミド系高分子、及
び、ポリヒドロキシエーテル系高分子からなる群から選
択された少なくとも一種であることを特徴とする、[1
5]乃至[25]の何れかに記載した高屈折率を有する
透明性高分子材料の製造方法。
【0044】[27] [15]乃至[26]の何れか
に記載した製造方法により得られた、無機微粒子(成分
(A))が共有結合した有機高分子(成分(B))を含
有してなり、熱可塑性、及び/又は、溶剤溶解性を有す
ることを特徴とする高屈折率を有する透明性高分子材
料。
【0045】[28] [1]乃至[14]の何れか、
又は、[27]に記載した高屈折率を有する透明性高分
子材料を含んでなる光学成形体。
【0046】[29] [1]乃至[14]の何れか、
又は、[27]に記載した高屈折率を有する透明性高分
子材料を含んでなるレンズ。
【0047】[30] [1]乃至[14]]の何れ
か、又は、[27]に記載した高屈折率を有する透明性
高分子材料を含んでなる眼鏡用レンズ。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の詳細
につき説明する。
【0049】[語『微粒子』の概念]本出願明細書にお
いて使用する『微粒子』なる語の概念は、本発明に係る
微粒子含有高分子材料を、成形加工して光学素子(例え
ば、光学成形体やレンズ等)として使用する際に、その
光学素子を透過する光の少なくとも一部(好ましくは透
過率50〜100%)を散乱させずに直行させるに十分
なほどの粒径(粒子直径)を有する粒子を包含する。例
えば、本発明に係る微粒子含有高分子材料を、成形加工
して光学素子(例えば、光学成形体やレンズ等)として
使用する際に、その光学素子を透過する光の波長以下の
粒径(粒子直径)を有する粒子を包含する。
【0050】[微粒子の粒径]微粒子の粒径(粒子直
径)の最大限度は、本発明に係る微粒子含有高分子材料
を、成形加工して光学素子(例えば、光学成形体やレン
ズ等)として使用する際に、その光学素子を透過する光
の透明性(好ましくは透過率50〜100%)を担保で
きる限り制限はない。微粒子の粒径(粒子直径)の最大
限度は、例えば、平均粒径が1000nm以下、好まし
くは300nm以下、さらに好ましくは100nm以下
であることが好ましい。また、特定の波長でこの材料を
用いる場合には、微粒子の平均粒径(平均粒子直径)は
少なくとも、好ましくはその波長の100%以下、より
好ましくはその波長の80%以下、さらに好ましくはそ
の波長の60%以下、さらに好ましくはその波長の50
%以下であることが望ましい。微粒子の粒径(粒子直
径)の最低限度は、高屈折性等利用する微粒子の特性が
保てる限り特に制限はないが、通常は平均粒径(平均粒
子直径)は0.1nm以上、好ましくは1nm以上であ
る。微粒子が有機物により修飾されている場合には、こ
こでいう微粒子の粒径とは有機成分を除いた無機部分の
みの粒径(粒子直径)を意味する。粒径(粒子直径)の
分布にも最終的な材料の透明性を保てる限り特に制限は
ない。下記に示すような官能基導入微粒子の作成法を用
いた場合には、ほとんどの場合粒径分布は十分小さく問
題を生じない。
【0051】[微粒子と高分子の結合]本発明の最大の
特徴は、無機微粒子と高分子が結合している点にある。
この結合により微粒子の凝集を防ぐことが可能になる。
さらに、一部の先行技術のように、架橋性樹脂と微粒子
を混合し、硬化と同時に微粒子と樹脂を結合させた溶媒
溶解性、成形加工性の無い架橋高分子ではなく、微粒子
と高分子が結合した状態でも溶媒溶解性、成形加工性を
有する点に特徴がある。ここでいう結合は、微粒子の凝
集を防ぐために十分なとは強度を持ち、実際の使用条件
で十分な安定性を持つ結合であれば特に制限はないが、
結合の強度、安定性の点からは物理的結合よりは、共有
結合、イオン結合、配位結合等の化学結合が望ましく、
特に共有結合が最も望ましい。
【0052】[微粒子の材料]本発明に用いられる無機
微粒子の種類としては、安定な固体状無機物質であれば
特に制限はないが、例を挙げればシリコン、ゲルマニウ
ム微粒子等の4族元素微粒子、TiO2やZnO、Cd
O、PbO、SiO2、Sb2O5等の酸化物微粒子、C
dS、CdSe、ZnSe、CdTe、ZnS、Hg
S、HgSe、PbS、PbSe等の硫化物、セレン化
物、テルル化物微粒子、窒化チタン、窒化シリコン等の
窒化物、CaF2等のフッ素化物、Ag、Cu等の金属
微粒子等が挙げられる。このうち、透明性が必要な用途
においては、透明性を有し無色の酸化物、硫化物等の微
粒子が好ましい。特に好ましい微粒子の例はTiO2、
ZnS、PbO、Sb2O5等である。
【0053】[官能基導入表面化学修飾微粒子の作成
法]本発明で用いられる無機微粒子は、表面に官能基を
導入する必要がある。また、微粒子どうしの凝集を防ぐ
ためには表面が有機物で修飾されていることが望まし
い。微粒子に官能基を導入する方法としては、特開平1
1−43556号に記載されている官能基を有する表面
修飾剤の存在下で微粒子を作成する方法、微粒子分散溶
液に官能基を有するシランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤等のカップリング剤例えばγグリシジルプロ
ピルトリメトキシシランを加えて表面修飾する方法等既
知の方法が使用可能である。この中で、微粒子の粒径お
よびその分布の制御、導入する表面修飾剤と官能基の量
の制御等が容易なため、特開平11−43556号に記
載されている官能基を有する表面修飾剤の存在下で微粒
子を作成する方法が好ましい。微粒子への官能基の導入
量は、最終的に得られる高分子の微粒子による架橋を防
ぐため必要最小限にする必要がある。これは、官能基を
有する修飾剤、カップリング剤と官能基を持たない修飾
剤、カップリング剤との比率を調節することにより制御
可能である。この比率は高分子との反応における官能基
の反応性によっても変化するが、官能基を有する修飾剤
等のモル比の上限はは通常50%以下、好ましくは30
%以下であるさらに好ましくは10%以下である。ま
た、下限は通常0.01%以上好ましくは0.1%以上
である。
【0054】[使用する高分子の種類]本発明におい
て、微粒子と高分子を反応させて微粒子含有高分子を作
成する場合に使用可能な高分子材料は、熱可塑性を有し
成形可能で、反応性官能基を有する無機微粒子と反応す
る官能基を有するものであればどのようなものでも使用
可能である。但し、無機微粒子と反応させる必要がある
ため溶剤に可溶なものが望ましい。基本的な高分子の骨
格としては、ビニル系重合体として、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のオレフィン系重合体、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン等ジエン重合体、ポリスチレンおよ
びその誘導体、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エ
ステル等アクリル系重合体、ポリメタクリル酸およびポ
リメタクリル酸エステル等メタクリル系重合体、ポリ酢
酸ビニル等ポリビニルエステルおよびその誘導体、ポリ
ビニルアルコールおよびポリビニルブチラール等ポリビ
ニルアルコールの誘導体、ポリアクリロニトリル等が挙
げられる。また、縮合系高分子としては、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、
ナイロン等のポリアミド、ポリイミドやその前駆体のポ
リアミック酸、ポリヒドロキシエーテル、ポリエーテル
等が挙げられる。これらの中では、透明性や強度の点か
らポリスチレン誘導体(ポリスチレン系高分子)、アク
リル系重合体(ポリアクリレート系高分子)、メタクリ
ル系重合体(PMMAのようなポリメタクリレート系高
分子)、ポリカーボネート系高分子、ポリスルフォン系
高分子、ポリアミド系高分子、ポリヒドロキシエーテル
系高分子等が望ましいまた、セルロースおよびその誘導
体等天然高分子も使用可能である。高分子の分子量は、
良好な成形性を有し、材料としての十分な強度を有すれ
ば特に制限はない。分子量が低すぎると材料としての強
度が低下し、分子量が高すぎると成形加工が困難になる
傾向がある。好適な分子量の範囲は高分子の種類、微粒
子の含有量によって当然変化するが、例えば、重量平均
分子量(MW)として、一般的には、1,000〜1
0,000,000、より好ましくは5,000〜5,
000,000程度である。
【0055】[高分子中の反応性官能基の種類、量]高分
子中に微粒子と反応させるために必要な官能基が存在し
ない場合は、高分子中に官能基を導入する必要がある。
その方法としては、例えばヒドロキシ化等の後処理を行
い高分子を変成する方法、高分子の合成時にグリシジル
メタクリレートや、イソシアナート基を含有するメタク
リレート等高反応性の官能基を有するモノマーを共重合
させる方法等各種の既知の方法を用いれば良い。高分子
中に導入する官能基の量は、官能基の反応性と微粒子中
の官能基の数にもよるが、反応性の高い官能基をあまり
多く導入すると微粒子との反応の際に架橋を起こしてし
まうため必要最小限にする必要がある。例えば、ビニル
系共重合体の場合官能基を有するモノマーの比率は50
モル%以下、好ましくは20%以下である。但し、一つ
の微粒子上の官能基数が十分小さい場合、例えば平均2
個以下程度であれば架橋の可能性は十分小さくなるので
官能基を有するモノマーの比率が100%近い場合でも
使用可能である。
【0056】[微粒子と高分子中の官能基]微粒子と高
分子を反応させる場合の官能基の組み合わせとしては、
アミノ基、ヒドロキシ基等活性水素化合物とイソシアナ
ート基、トシル基、酸クロライド基、カルボキシル基等
活性水素化合物と反応する官能基の組み合わせ、エポキ
シ基とそれと反応するアミノ基、カルボキシル基との組
み合わせ等各種のものが使用可能である。無機微粒子は
酸や熱に対して不安定な場合もあるため、強酸や強アル
カリの使用、高温での反応等はあまり好ましくない。こ
のような点から、活性水素化合物とトシル基、イソシア
ナート基の反応や、エポキシ基とアミノ基の反応等が好
ましい。
【0057】[反応方法]このようにして合成した官能
基を有する高分子と、官能基を有する無機微粒子を反応
させることにより、無機微粒子が高分子に結合した微粒
子含有高分子材料を得ることができる。反応方法は、無
機微粒子、高分子の変質を起こさず、実用的な条件で反
応させることができれば特に制限はないが、適切な溶媒
中で、場合によっては加熱・冷却を行い、攪拌しながら
反応させることが好ましい。
【0058】[無機微粒子の含有量]無機微粒子の材料
中への含有量には特に制限はないが、無機微粒子の性質
を発現するためには高濃度であることが望ましく、通常
は1重量%以上、好ましくは5重量%以上さらに好まし
くは10重量%以上である。また、本方法を用いれば、
35重量%以上無機微粒子を混合させることも可能であ
る。一方、無機微粒子の濃度をあまり高くすると成形加
工性や材料強度の低下、透明性の低下等が起きる可能性
がある。従って無機微粒子の含有量は通常80重量%以
下、好ましくは70重量%以下である。
【0059】[結合の確認方法]無機微粒子と高分子が
結合していることを確認すること自体は必ずしも本発明
に必須ではないが、必要に応じて例えば以下の〜よ
うな各種の方法で確認することができる。 反応により生成する化学結合を核磁気共鳴(NM
R)、赤外分光(IR)等の分析方法により検出する方
法。 溶解性の変化を確認する方法。例えば、反応により
合成された無機微粒子を含有する高分子材料が、原料の
無機微粒子が溶解しない溶媒に可溶化することにより確
認する方法。 抽出による方法。例えば原料の無機微粒子を溶解
し、原料の高分子を溶解しない溶媒でソックスレー法等
により抽出を行い、抽出後の無機微粒子含有高分子材料
中の無機微粒子の存在を確認する方法。
【0060】[成形加工法]得られた高分子材料はその
熱可塑性を利用し、射出成形法、プレス成形法、キャス
ト成形法、等用途に応じた方法で成形加工が可能であ
る。また、溶媒溶解性を利用して溶液からのフィルム等
の成形も可能である。 [透明性]得られた材料を眼鏡レンズ等のレンズに使用
する場合には、無色で可視光領域で透明であることが望
ましい。例えば、1mmの厚さに換算したときの光線透
過率が、好ましくは70%以上、より好ましくは80%
以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは
95%以上である。
【0061】[屈折率]得られた材料を眼鏡レンズ等の
レンズに使用する場合には、屈折率が高いことが必要で
ある。屈折率は、好ましくは1.55以上、より好まし
くは1.6以上、さらに好ましくは1.65以上であ
る。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
するが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるも
のではない。
【0063】[実施例1]過塩素酸亜鉛6水和物1.0
×10-2mol、チオフェノール2.74×10-2mo
l、アミノチオフェノール0.30×10-2molを溶
解したアセトニトリルーメタノール(1:1)混合溶液
400mlをフラスコに入れ、スターラーチップで溶液
を攪拌しながらアルゴンガスで置換した後、組成が5容
量%の硫化水素/ヘリウム混合ガスを流量270ml/
minで溶液中に2分間供給することにより反応を進行
させた。得られた半導体超微粒子含んだコロイド溶液を
濃縮し、トルエンと混ぜ、半導体超微粒子を沈殿させ
た。沈殿物を取り出し、再度メタノールに溶解させ後ト
ルエンを混合することによって半導体超微粒子を沈殿さ
せ未反応物を除去する精製をおこなった。この操作は5
回繰り返しおこなった。最後に沈殿物を取り出し、乾燥
させることにより、目的とする表面修飾半導体超微粒子
を得た。生成したこの表面修飾半導体超微粒子は、水、
メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド等の極
性溶媒に可溶であり、見かけ上散乱のない黄色透明な溶
液であった。この溶液を取り出し透過型電子顕微鏡(T
EM)により観察したところ、粒子直径が約3nmであ
るZnS微粒子が確認された。また、得られた表面修飾
半導体超微粒子をKBrと混合し、錠剤にして赤外吸収
スペクトルを測定したところ、芳香族アミンに特徴的
な、C−N伸縮(1340〜1250cm-1)、芳香族
C−H伸縮に重なってNH3+に起因する幅広い吸収(3
000〜2800cm-1)、残存SH基の伸縮の吸収
(2600〜2550cm-1)が観測されるのが特徴的
であり、CdS半導体超微粒子表面にアミノ基の存在が
確認された。続いて、製造した表面化学修飾ZnS半導
体超微粒子0.05gを脱水したジメチルホルムアミド
2mlに溶かし、スチレン(95%)とイソシアナート
基含有メタクリルエステルであるカレンズBOM(5
%)の共重合体0.5gを加え、3時間攪拌し、メタノ
ール中に沈殿させ乾燥した。その結果、白色の粉末が得
られた。この反応物は、ジメチルホルムアミドに可溶で
あった。反応物をジメチルホルムアミド/メタノールで
再沈殿を行い精製した後乾燥させ、赤外吸収スペクトル
の測定をおこなった結果、ウレア結合の存在が示唆さ
れ、高分子中のイソシアナート基と微粒子のアミノ機が
反応し結合していることが示唆された。得られた微粒子
結合高分子材料は熱可塑性を有し、100℃でヒートプ
レスを行うことにより透明なフィルムを成形することが
できた。このフィルムの屈折率をエリプソメーターで測
定したところ1.63と微粒子と反応させる前のポリマ
ーの屈折率である1.59に比べて0.04増加してお
り、この高分子が光学用の高屈折材料として好適である
ことが確認された。また、この材料の1mmの厚さでの
可視光線透過率は85%で光学材料として十分な透明性
を有していた。さらに、このフィルムの光線透過率は室
温で1週間放置後も変化せず、無機微粒子の凝集も観察
されなかった。
【0064】[実施例2]Japanese Jour
nal of Applied Physics, 37巻
(1998年),4603〜4608頁に記載の方法に
よりTiOCl2の9.2mol/l水溶液を調製し
た。得られたTiOCl2溶液2mlをイオン交換水1
7.4mlに溶解した。この溶液10mlを、トリデカ
ン酸0.96gと12アミノドデカン酸0.11gをエ
タノール150mlとイオン交換水100mlに溶解し
60℃に加熱した溶液中に加え30分間攪拌した。生成
したゲル状の沈殿物を遠心分離(4000rpm、2分
間)により取り出し、酢酸エチル15mlを加え攪拌し
再度遠心分離(4000rpm、2分間)により表面ア
ミノ修飾TiO2微粒子の約7重量%の分散物が得られ
た。Journal of Applied Poly
mer Science,44巻(1992年),175
1〜1757頁に記載の方法に従い、ビスフェノールA
とグリシジルアルコールから重合したポリヒドロキシエ
ーテルのOH基の90%を常法によりトシル化した。ト
シル化の確認は13C−NMRにより行った。このポリマ
ー1.5gをジメチルスルホキシド5mlに溶解し、上
記7重量%TiO2分散物15gをジメチルスルホキシ
ド45mlに分散させた溶液を加え130℃で40時間
攪拌する。溶液は最初は濁っているが30分程度で透明
になった。ポリマーを微量のNaOHを添加したメタノ
ール中に沈殿させ、遠心分離により粉末を取り出すこと
によりTiO2微粒子40重量%が結合した高分子が得
られた。13C−NMRにより、原料高分子のトシル基の
16%がアミノ基で置換されていることが確認され、T
iO2微粒子が高分子と結合していることが確認され
た。また、得られたポリマーはジメチルホルムアミド
(DMF)に可溶であり、100℃に加熱すると軟化す
ることが確認されたので、各種の成形加工が可能であ
る。得られたポリマーを極微量のHClを含むDMFに
溶解しスピンコートにより石英基板状に80nmのフィ
ルムを作成した。このフィルムを分光エリプソメーター
により測定したところ633nmで1.69という眼鏡
レンズとしての使用に好適な高い屈折率が得られた。こ
の屈折率は原料であるポリヒドロキシエーテルのトシル
化物の1.58から0.11増加しており、TiO2を
高濃度で分散した効果が現れていた。また、同時に測定
した吸光係数から可視光の光線透過率も80%以上であ
ることが確認された。
【0065】[比較例]特開昭61−291650号公
報の実施例1に記載の方法でチタニア微粉末をポリメチ
ルメタクリレートに33%分散させた高分子を作成し
た。この高分子から作成したフィルム中でのチタニア微
粒子の安定性は非常に低く、フィルム作成後すぐにチタ
ニア微粒子が凝集して白色に濁って不透明化してしまっ
た。
【0066】
【発明の効果】このように、本発明に従えば無機微粒子
を高濃度で含有する安定で成形加工の可能な高分子材料
が得られる。さらに、この高分子は透明で高光屈折率化
が可能なため眼鏡レンズ等の光学材料に好適に使用可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02C 7/02 G02C 7/02 (72)発明者 中山 徳夫 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA33 AA50 AA54 AA64 AB17 AB23 AF30 BB01 4J002 BC031 BG031 CG001 CH001 CL001 CN031 CP01 DB006 DE106 DE126 DE136 DE156 DG026 FB266

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機微粒子(成分(A))が結合した有
    機高分子(成分(B))を含有してなり、熱可塑性、及
    び/又は、溶剤溶解性を有し、かつ、数式(1)〜数式
    (3)の全てを満足することを特徴とする高屈折率を有
    する透明性高分子材料。 [数1] 0[nm] < R[nm] ≦ λ[nm] (1) [数2] 1.55 ≦ K (2) [数3] 75% ≦ T% ≦ 100% (3) (数式(1)において、Rは、無機微粒子の平均直径で
    あり、λは本請求項発明に係る高分子材料を透過する光
    の波長である。数式(2)において、Kは、本請求項発
    明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際
    の屈折率である。数式(3)において、Tは、本請求項
    発明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する
    際のフィルム厚さ1.0[mm]に換算したときの透過
    する際の透過率%である。)
  2. 【請求項2】 無機微粒子(成分(A))と有機高分子
    (成分(B))を含有してなる高分子材料であって、前
    記無機微粒子(成分(A))が、有機高分子(成分
    (B))と結合しており、前記有機高分子(成分
    (B))が、熱可塑性、及び/又は、溶剤溶解性を有
    し、かつ、数式(1)〜数式(3)の全てを満足するこ
    とを特徴とする、高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数4] 0[nm] < R[nm] ≦ λ[nm] (1) [数5] 1.55 ≦ K (2) [数6] 75% ≦ T% ≦ 100% (3) (数式(1)において、Rは、無機微粒子の平均直径で
    あり、λは本請求項発明に係る高分子材料を透過する光
    の波長である。数式(2)において、Kは、本請求項発
    明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際
    の屈折率である。数式(3)において、Tは、本請求項
    発明に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する
    際のフィルム厚さ1.0[mm]に換算したときの透過
    する際の透過率%である。)
  3. 【請求項3】 成形加工性を有することを特徴とする請
    求項1又は2に記載した、高屈折率を有する透明性高分
    子材料。
  4. 【請求項4】 成形加工性が、溶融成形法、射出成形
    法、押出成形法、及び、キャスト成形法からなる一群の
    成形法から選択された少なくとも一つの成形法により成
    形加工することが可能な性質であることを特徴とする、
    請求項3に記載した高屈折率を有する透明性高分子材
    料。
  5. 【請求項5】 数式(4)で表される屈折率差ΔKが、
    数式(5)を満足することを特徴とする請求項1乃至4
    の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子材
    料。 [数7] ΔK = K − K0 (4) [数8] ΔK ≧ 0.015 (5) (数式(4)及び数式(5)において、ΔKは、屈折率
    差である。数式(4)において、本請求項発明に係る高
    分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率で
    ある。数式(4)において、K0は、無機微粒子(成分
    (A))を含まない有機高分子(成分(B))単独の高
    分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率で
    ある。)
  6. 【請求項6】 数式(4)で表される屈折率差ΔKが、
    数式(5’)を満足することを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子材
    料。 [数9] ΔK = K − K0 (4) [数10] ΔK ≦ −0.015 (5’) (数式(4)及び数式(5’)において、ΔKは、屈折
    率差である。数式(4)において、Kは、本請求項発明
    に係る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の
    屈折率である。数式(4)において、K0は、無機微粒
    子(成分(A))を含まない有機高分子(成分(B))
    単独の高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の
    屈折率である。)
  7. 【請求項7】 成形品としたときに、数式(6)を満足
    する透明性を有することを特徴とする、請求項1乃至6
    の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子材
    料。 [数11] 75% ≦ T’% ≦ 100% (6) (数式(6)においてT’は、成形品を波長λ[nm]
    の光が透過する際の、フィルム厚さ1.0mmに換算し
    た透過率%である。)
  8. 【請求項8】 数式(7)で表される無機微粒子(成分
    (A))の組成比RAが、数式(8)を満足するもので
    あることを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記載
    した高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数12] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7) [数13] 1% ≦ RA ≦ 99% (8) (数式(7)及び数式(8)において、RAは、無機微
    粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数式
    (7)において、WAは、高分子材料中に含まれる無機
    微粒子(成分(A))の重量[g]であり、WBは、高
    分子材料中に含まれる有機高分子(成分(B))の重量
    である。)
  9. 【請求項9】 数式(7)で表される無機微粒子(成分
    (A))の組成比RAが、数式(8’)を満足するもの
    であることを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記
    載した高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数14] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7) [数15] 5% ≦ RA ≦ 99% (8’) (数式(7)及び数式(8’)において、RAは、無機
    微粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数式
    (7)において、WAは、高分子材料中に含まれる無機
    微粒子(成分(A))の重量[g]であり、WBは、高
    分子材料中に含まれる有機高分子(成分(B))の重量
    である。)
  10. 【請求項10】 無機微粒子(成分(A))が、無機元
    素の酸化化合物、硫化化合物、セレン化化合物、及び、
    テルル化化合物からなる化合物群から選択された少なく
    とも一種の化合物を含んでなるものであることを特徴と
    する、請求項1乃至9の何れかに記載した高屈折率を有
    する透明性高分子材料。
  11. 【請求項11】 無機元素が、Ti、Zn、Pb、及
    び、Sbからなる群から選択された少なくとも一種であ
    ることを特徴とする、請求項10に記載した高屈折率を
    有する透明性高分子材料。
  12. 【請求項12】 有機高分子(成分(B))が、ポリス
    チレン系高分子、ポリアクリレート系高分子、ポリメタ
    クリレート系高分子、ポリカーボネート系高分子、ポリ
    スルフォン系高分子、ポリアミド系高分子、及び、ポリ
    ヒドロキシエーテル系高分子からなる群から選択された
    少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1乃至
    11の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子
    材料。
  13. 【請求項13】 結合が、共有結合、イオン結合、配位
    結合、水素結合、及び、ファンデルワールス結合からな
    る結合様式群から選択された少なくとも一つであること
    を特徴とする、請求項1乃至12の何れかに記載した高
    屈折率を有する透明性高分子材料。
  14. 【請求項14】 屈折率Kが、数式(2’)で表される
    ことを特徴とする、請求項1乃至13の何れかに記載し
    た高屈折率を有する透明性高分子材料。 [数16] 1.60 ≦ K (2’) (数式(2’)において、Kは、本請求項発明に係る高
    分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率で
    ある。)
  15. 【請求項15】 無機微粒子(成分(A))が共有結合
    した有機高分子(成分(B))を含有してなり、熱可塑
    性、及び/又は、溶剤溶解性を有し、かつ、数式(1)
    〜数式(3)の全てを満足することを特徴とする高屈折
    率を有する透明性高分子材料の製造方法であって、 未反応有機高分子(B0)の有する官能基と反応性のあ
    る官能基を有することを特徴とする未反応無機微粒子
    (A0)と、 前記未反応無機微粒子(A0)の有する官能基と反応性
    のある官能基を有することを特徴とする未反応有機高分
    子(B0)を反応させることを特徴とする、前記した高
    屈折率を有する透明性高分子材料の製造方法。 [数17] 0[nm] < R[nm] ≦ λ[nm] (1) [数18] 1.55 ≦ K (2) [数19] 75% ≦ T% ≦ 100% (3) (数式(1)において、Rは、無機微粒子の平均直径で
    あり、λは本請求項発明に係る製造方法により得られる
    高分子材料を透過する光の波長である。数式(2)にお
    いて、Kは、本請求項発明に係る製造方法により得られ
    る高分子材料を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折
    率である。数式(3)において、Tは、本請求項発明に
    係る製造方法により得られる高分子材料を波長λ[n
    m]の光が透過する際の透過する際のフィルム厚さ1.
    0[mm]に換算したときの透過率%である。)
  16. 【請求項16】 未反応有機高分子(B0)が、 表面化学修飾無機微粒子であることを特徴とする、請求
    項14に記載した、高屈折率を有する透明性高分子材料
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 表面化学修飾無機微粒子が、 トシル基、アミノ基、水酸基、チオール基、イソシアネ
    ート基、及び、活性水素基からなる官能基群から選択さ
    れた少なくとも一つの官能基を有するものであることを
    特徴とする、請求項16に記載した、高屈折率を有する
    透明性高分子材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 未反応無機微粒子(A0)の有する官
    能基、及び、未反応有機高分子(B0)の有する官能基
    が、 一方の官能基が、イソシアネート基であり、 他方の官能基が、活性水素基であることを特徴とする、
    請求項15乃至17の何れかに記載した高屈折率を有す
    る透明性高分子材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 未反応無機微粒子(A0)の有する官
    能基、及び、未反応有機高分子(B0)の有する官能基
    が、 一方の官能基が、トシル基であり、 他方の官能基が、アミノ基、水酸基、及び、チオール基
    からなる官能基群から選択された少なくとも一つである
    ことを特徴とする、請求項15乃至17の何れかに記載
    した高屈折率を有する透明性高分子材料の製造方法。
  20. 【請求項20】 数式(4’)で表される屈折率差ΔK
    が、数式(5)を満足することを特徴とする請求項15
    乃至19の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高
    分子材料の製造方法。 [数20] ΔK = K − K0 (4’) [数21] ΔK ≧ 0.015 (5) (数式(4’)及び数式(5)において、ΔKは、屈折
    率差である。数式(4’)において、Kは、無機微粒子
    (成分(A))が共有結合した有機高分子(成分
    (B))を含有してなる高分子材料を波長λ[nm]の
    光が透過する際の屈折率である。数式(4)において、
    K0は、未反応有機高分子(B0)単独の高分子材料を波
    長λ[nm]の光が透過する際の屈折率である。)
  21. 【請求項21】 数式(4’)で表される屈折率差ΔK
    が、数式(5)を満足することを特徴とする請求項15
    乃至19の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高
    分子材料の製造方法。 [数22] ΔK = K − K0 (4’) [数23] ΔK ≦ −0.015 (5’) (数式(4’)及び数式(5’)において、ΔKは、屈
    折率差である。数式(4’)において、Kは、無機微粒
    子(成分(A))が共有結合した有機高分子(成分
    (B))を含有してなる高分子材料を波長λ[nm]の
    光が透過する際の屈折率である。数式(4’)におい
    て、K0は、未反応有機高分子(B0)単独の高分子材料
    を波長λ[nm]の光が透過する際の屈折率である。)
  22. 【請求項22】 数式(7’)で表される無機微粒子
    (成分(A))の組成比RAが、数式(8'')を満足す
    るものであることを特徴とする、請求項15乃至21の
    何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子材料の
    製造方法。 [数24] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7’) [数25] 1% ≦ RA ≦ 99% (8'') (数式(7’)及び数式(8'')において、RAは、無
    機微粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数
    式(7’)において、WAは、未反応無機微粒子(A0)
    の重量[g]であり、WBは、未反応有機高分子(B0)
    の重量である。)
  23. 【請求項23】 数式(7’)で表される無機微粒子
    (成分(A))の組成比RAが、数式(8''')を満足す
    るものであることを特徴とする、請求項15乃至21の
    何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分子材料の
    製造方法。 [数26] RA = WA ÷ ( WA + WB) × 100 (7’) [数27] 5% ≦ RA ≦ 99% (8''') (数式(7’)及び数式(8''')において、RAは、無
    機微粒子(成分(A))の組成比[重量%]である。数
    式(7’)において、WAは、未反応無機微粒子(A0)
    の重量[g]であり、WBは、未反応有機高分子(B0)
    の重量である。)
  24. 【請求項24】 無機微粒子(成分(A))が、無機元
    素の酸化化合物、硫化化合物、セレン化化合物、及び、
    テルル化化合物からなる化合物群から選択された少なく
    とも一種の化合物を含んでなるものであることを特徴と
    する、請求項15乃至23の何れかに記載した高屈折率
    を有する透明性高分子材料の製造方法。
  25. 【請求項25】 無機元素が、Ti、Zn、Pb、及
    び、Sbからなる群から選択された少なくとも一種であ
    ることを特徴とする、請求項24に記載した高屈折率を
    有する透明性高分子材料の製造方法。
  26. 【請求項26】 有機高分子(成分(B))が、ポリス
    チレン系高分子、ポリアクリレート系高分子、ポリメタ
    クリレート系高分子、ポリカーボネート系高分子、ポリ
    スルフォン系高分子、ポリアミド系高分子、及び、ポリ
    ヒドロキシエーテル系高分子からなる群から選択された
    少なくとも一種であることを特徴とする、請求項15乃
    至25の何れかに記載した高屈折率を有する透明性高分
    子材料の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項15乃至26の何れかに記載し
    た製造方法により得られた、無機微粒子(成分(A))
    が共有結合した有機高分子(成分(B))を含有してな
    り、熱可塑性、及び/又は、溶剤溶解性を有することを
    特徴とする高屈折率を有する透明性高分子材料。
  28. 【請求項28】 請求項1乃至14の何れか、又は、請
    求項27に記載した高屈折率を有する透明性高分子材料
    を含んでなる光学成形体。
  29. 【請求項29】 請求項1乃至14の何れか、又は、請
    求項27に記載した高屈折率を有する透明性高分子材料
    を含んでなるレンズ。
  30. 【請求項30】 請求項1乃至14の何れか、又は、請
    求項27に記載した高屈折率を有する透明性高分子材料
    を含んでなる眼鏡用レンズ。
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