JP2003072607A - 弾性パッド - Google Patents

弾性パッド

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JP2003072607A JP2001267980A JP2001267980A JP2003072607A JP 2003072607 A JP2003072607 A JP 2003072607A JP 2001267980 A JP2001267980 A JP 2001267980A JP 2001267980 A JP2001267980 A JP 2001267980A JP 2003072607 A JP2003072607 A JP 2003072607A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性パッド装着用の孔を形成していない履板
に対しても弾性パッドを装着可能とする。 【解決手段】 芯材2の表面に弾性材料よりなる接地ブ
ロック3を固着して構成され、クローラ走行体の金属製
履板4に装着手段5を介して着脱自在に装着され、該装
着手段5は、芯材2との間で履板4を挟み込むように同
履板4の裏面側に配設され押さえ具11と、この押さえ
具11を前記芯材2に対して前記履板4の幅方向外側で
厚さ方向に締結する締結具12とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラ走行体の
金属製履板に装着される弾性パッドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】土木・建設機械等に用いられる無限軌道
車として、無端状に連結されたチェーンリンクの外周側
に多数の金属製履板を設けたものが公知であるが、近年
では、舗装路面を走行する機会が増えていることから、
振動や騒音の抑制、路面の保護等のために金属製履板に
対してゴム製等の弾性パッドを装着するケースが増えて
きている(例えば、特開平9−95267号公報、特開
平11−157472号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の弾性パッド
は、帯板材により形成された芯材の表面にゴム製の接地
ブロックを固着したものとなっており、芯材の幅方向一
端にフックを形成し、幅方向他端側の接地ブロック内に
ナットを設け、前記フックを履板の幅方向一端に係合し
た状態で、履板に形成した孔を介して裏面側からボルト
を挿入し、該ボルトをナットに螺合して締め付けること
によって、弾性パッドを取り付けるものとなっていた。
【0004】しかしながら、上記従来技術では、履板に
対してボルトを挿入するための孔が形成されてなければ
装着不能であり、かかる孔を形成するために加工を施す
とコストが高騰化するという問題が生じる。また、上記
孔が適正に穿けられていないと弾性パッドが幅方向に位
置ズレしたりガタつく原因となり、却って振動や騒音を
招く恐れがある。他方、上記のような弾性パッドは、芯
材に接地ブロックを接着した形態であるので、左右側方
や前後方向から外力が作用することによって接地ブロッ
クが芯材から剥離してしまう恐れがあり、このような金
属製履板にはない欠点を解消して耐久性を高めることが
弾性パッドの開発に欠かせない重要課題の一つである。
【0005】本発明は、ボルト孔を形成していない履板
に対しても好適に装着することができる弾性パッドを提
供することを目的とする。また、芯材からの接地ブロッ
クの剥離を防止して耐久性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本発明は、芯材の表面に弾性材料よりなる接地ブロ
ックを固着して構成され、クローラ走行体の金属製履板
に装着手段を介して着脱自在に装着される弾性パッドに
おいて、前記装着手段は、芯材との間で履板を挟み込む
ように同履板の裏面側に配設され押さえ具と、この押さ
え具を前記芯材に対して前記履板の幅方向外側で厚さ方
向に締結する締結具とを備えていることを特徴とするも
のである。
【0007】これによれば、芯材と押さえ具とによって
履板を挟み、該履板の幅方向外側で芯材と押さえ具とを
締結具により締結することによって、当該履板には、締
結具を挿通するための孔等がなくとも好適に弾性パッド
を装着できるものとなる。また、締結具を履板の厚さ方
向に締め付けることにより、芯材と押さえ具との間で履
板を強固に挟み込むことができる。前記芯材の幅方向端
部に、履板よりも幅方向外側に突出する突出部を設け、
該突出部の突出端には裏面側に屈曲する屈曲片を設ける
ことができ、この場合、前記装着手段は、この屈曲片と
履板の幅方向端部との幅方向間隔を保持するスペーサを
備えた構成とするのが好ましい。
【0008】これにより、スペーサによって芯材と履板
との幅方向の位置ズレやガタつきが防止されるようにな
り、締結具による厚さ方向のガタつき等の防止と、スペ
ーサによる幅方向のガタつき等の防止とによって、より
一層強固に弾性パッドを装着することができ、振動や騒
音の抑制が確実になされるものとなる。前記スペーサ
は、押さえ具と一体に形成するのが好ましく、これによ
って部品点数の削減が図れ、装着も容易になる。また、
前記スペーサは、前記締結具を構成する締結ナットにて
構成することができる。
【0009】この場合、締結ナットを、屈曲片と履板と
の間で芯材に対して固着することができ、また、芯材に
前記屈曲片の端部より幅方向内側に屈曲する折り返し片
が形成されている場合には、前記突出部、屈曲片、折り
返し片及び履板の端部により囲まれた空所に、スペーサ
を構成する締結ナットを前後方向に挿脱可能として設け
ることができる。いずれにおいても、締結ナットをスペ
ーサとして用いることで、別部材としてのスペーサが必
要なく、部品点数の削減に繋がる。また、締結ナットを
挿脱可能として備えている場合には、当該締結ナットが
損傷した場合等に交換できるようになる。
【0010】前記芯材の前後方向端部には、接地ブロッ
ク内に埋設されるように屈曲する埋設片が形成され、該
埋設片に接地ブロックの弾性材料が入り込む孔又は切欠
が形成されていることが推奨される。このように芯材に
埋設片を形成することによって該芯材と接地ブロックと
の接着力が増強され、芯材からの接地ブロックの剥離が
防止されるようになる。さらに埋設片に、接地ブロック
の弾性材料が入り込む孔又は切欠を形成することによっ
て、より一層の接着力の増強が図れるとともに、剥離が
生じた場合でもその進行を抑えることが可能となる。
【0011】前記芯材は、履板の踏面の前後範囲で面接
触する主部と、この主部の前後端から履板のグローサに
沿って屈曲する立ち上がり部と、さらに立ち上がり部か
ら接地ブロック内に埋設されるように屈曲する埋設片と
を有して構成するのが好ましい。これによれば、芯材の
主部の前後端からグローサに沿って屈曲する立ち上がり
部を形成することにより、芯材と履板との前後方向の位
置ズレが規制され、接地ブロックと芯材との境界点から
剥離が生じることが少なくなり、更に、立ち上がり部か
ら埋設片を形成することにより、接地ブロックとの接着
力が増強される。
【0012】前記芯材は、その幅方向中間部が幅方向両
端部より段差部を介して接地側へ突出された構成とする
ことができ、この場合、前記接地ブロックの弾性材を中
間部の裏面側にまわり込ませて配設するのが好ましい。
これによって、芯材の幅方向中間部では接地ブロックが
強固に接着されるとともに、幅方向両端部では、接地ブ
ロックの肉厚が確保できて亀裂や欠け等の損傷を防止で
きるようになる。前記芯材には、接地ブロックの弾性材
料が入り込む孔又は切欠が形成されるとともに、この孔
又は切欠に入り込んだ弾性材料が芯材の裏面側にまわり
込むことによって抜止部が形成されていることが推奨さ
れる。
【0013】これによって芯材と接地ブロックとの接着
が強固になるとともに、芯材と接地ブロックとの間で剥
離が生じたとしても前記抜止部により剥離の進行を食い
止めることができ、耐久性の向上が図れるようになる。
また、本発明は、芯材の表面に弾性材料よりなる接地ブ
ロックを固着して構成され、クローラ走行体の金属製履
板に着脱自在に装着される弾性パッドにおいて、前記芯
材に、接地ブロックの弾性材料が入り込む孔又は切欠が
形成されるとともに、この孔又は切欠に入り込んだ弾性
材料が芯材の裏面側にまわり込むことによって抜止部が
形成されていることを特徴とするものである。
【0014】これにより、上記と同様、芯材と接地ブロ
ックとの接着が強固となり、芯材と接地ブロックとの間
で剥離が生じたとしても抜止部によりその進行を食い止
めることができ、耐久性の向上が図れるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態について図
面を参照して説明する。図1〜図3に示すように、本発
明にかかる弾性パッド1は、帯板形状とされている芯材
2の表面に弾性材料よりなる接地ブロック3を固着する
ことにより構成されており、前記芯材2をクローラ走行
体を構成する履板4の表面にあてがって装着手段5によ
り着脱自在に装着するものとなっている。前記芯材2
は、鉄板、鋼板等の金属製材料や硬質樹脂、ファイバー
等を混入した強化樹脂材料にて形成され、接地ブロック
3は、その素材として耐摩耗性、耐候性等に優れたゴム
材料、ウレタン等が採用される。
【0016】また、芯材2と接地ブロック3との固着
は、接着剤による接着やゴム焼き付け、加硫型による加
硫接着等を採用することができ、いずれにしても芯材2
と接地ブロック3の構成材料に適合した固着方法が採用
される。クローラ走行体の履板4は所謂鉄シューと呼ば
れるものであり、その裏面側が無端状に連結されたチェ
ーンリンク6に溶接やボルトによって連結されている。
また、履板4は、その表面側に、略平坦とされた踏面4
Aと該踏面4Aより下方に突出するグローサ4Bとを備
えており、本実施形態では、グローサ4Bを前後に2つ
備えたダブルグローサタイプとして構成されている。な
お、上記履板4は、所謂シングルグローサタイプ又はト
リプルグローサタイプとして構成してもよい。
【0017】前記装着手段5は、前記芯材2の幅方向一
端部を裏面側にコの字状に屈曲したフック部10を有し
ており、このフック部10が履板4の幅方向一端部に係
止されるようになっている。また、装着手段5は、芯材
2の幅方向他端部との間で履板4を挟み込むように同履
板4の裏面側に配設される押さえ具11と、この押さえ
具11を芯材2に締結する締結具12とを有している。
なお、前記芯材2は、その幅方向一端部のフック部10
を履板4に係止した状態で、幅方向他端部側が履板4よ
りも外側に突出するようになっており、その突出部14
の端部には、裏面側に90°屈曲する屈曲片15が形成
されるようになっている。そして、突出部14及び屈曲
片15と、履板4の幅方向端面との間には上方(厚さ方
向)及び前後方向に開放した溝16が形成されるように
なっている。
【0018】前記押さえ具11は、金属製や硬質合成樹
脂製の部材によって板状若しくはブロック状に形成され
ている。また、この押さえ具11の下面には、ブロック
状のスペーサ17が一体に形成されるようになってお
り、このスペーサ17は、前記溝16に挿脱自在に挿入
されるようになっている。そして、このスペーサ17に
よって、芯材2の屈曲片15と履板4の端面との間隔が
保持され、芯材2と履板4との幅方向の位置ズレやガタ
つきが防止されるようになっている。
【0019】前記締結具12は、履板4の幅方向外側に
おいて押さえ具11及びスペーサ17を上下(履板の厚
さ方向)に貫通する締結ボルト19と、芯材2の突出部
14に形成された雌ネジ20とによって構成されてお
り、この雌ネジ20に対して締結ボルト19を締め付け
ることにより押さえ具11の幅方向内側が履板4を押さ
えつけ、芯材2との間で強固に挟み込むようになってい
る。そのため、履板4と芯材2との厚さ方向のガタつき
等も防止されるようになり、前記スペーサ17による幅
方向のガタつき防止と合わせて一層強固に弾性パッド1
を装着することができ、振動等の発生を確実に抑制する
ことが可能となっている。
【0020】また、締結具12は、履板4の幅方向外側
に配設されることから、同履板4には締結ボルト19の
挿通孔等は必要なく、この挿通孔の有無により弾性パッ
ド1の装着が影響されることはない。芯材2は履板4よ
りも幅方向外側に突出しており、その分接地ブロック3
も幅広く形成することができるようになっているため、
接地ブロック3の接地面積を拡大して面圧を下げること
が可能であり、これによって無限軌道車の荷重による弾
性パッド1の過度の圧縮が防止でき、振動の抑制や接地
ブロック3の損傷防止が図られるようになっている。
【0021】また、前記溝16は、上方(厚さ方向)に
開放されたものとなっているため、スペーサ17を上方
から挿入することが可能であり、そのため、クローラ走
行体の一部の弾性パッド1を着脱する場合に、その前後
に隣接する履板4及び弾性パッド1がスペーサ17の挿
入の邪魔になることはほとんどない。なお、上記スペー
サ17は、押さえ具11とは別部材として構成すること
も可能であるが、一体とすることによって芯材2への取
付が容易になるとともに部品点数の削減が図れ、部品の
紛失等も極力防止できるようになる。
【0022】図3に示すように、芯材2の前後端部に
は、接地ブロック3内に埋入するように接地側へ向けて
屈曲する埋設片2Aが形成されている。この埋設片2A
の高さはグローサ4Bの高さと略同じか低く形成されて
おり、この埋設片2Aによって芯材2と接地ブロック3
との接着が増強され、前後方向からの外力等によって接
地ブロック3が芯材2から剥離するようなことが防止さ
れている。また、前記埋設片2Aには、接地ブロック3
の弾性材料が入り込む孔23が形成され、これにより接
地ブロック3と芯材2との接着が更に増強されるように
なっており、より一層確実に接地ブロック3の剥離を防
止し、また、万が一剥離した場合でもその進行を抑える
ことができるようになっている。
【0023】なお、上記のように埋設片2Aや孔23を
形成する構成は、図4に示すように、トリプルグローサ
タイプの履板4に適用される弾性パッド1の芯材2に対
しても採用することが可能である。この例では、芯材2
は履板4の踏面4A及び中間のグローサ4Bに面接触す
るように形成されるとともに、前後両端部に接地ブロッ
ク3内に埋入されるように屈曲する埋設片2Aを形成
し、埋設片2Aに接地ブロック3の弾性材料が入り込む
孔23を形成したものとなっている。また、図3及び図
4に示す場合において、前記芯材2には孔23に代えて
前後端縁(埋設片2A)に切欠を形成してもよく、この
切欠に対して接地ブロック3の弾性材料を入り込ませる
ことによって上記と略同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0024】図3及び図4に示す芯材2では、埋設片2
Aと前後のグローサ4Bとの間に接地ブロック3が介在
され、接地ブロック3と芯材2との境界点Pが履板4の
踏面4Aに接触するようになっているため、埋設片2A
や孔23等を設けているといっても、境界点Pが履板4
との間で擦れて接地ブロック3が剥がれてしまう恐れが
ある。そこで、図5には、かかる欠点を解消することが
できる芯材2を示しており、この芯材2は、履板4の踏
面4Aに対してその前後範囲に渡って面接触する主部2
Bと、この主部2Bの前後端から前後グローサ4Bに沿
って面接触しながら立ち上がる立ち上がり部2Cと、こ
の立ち上がり部2Cから接地ブロック3内に埋入するよ
うに前後内方へ屈曲する埋設片2Aとを備えた構成とな
っている。
【0025】この実施形態では、芯材2が履板4に対し
てほとんど隙間無く嵌り込み、立ち上がり部2Cによっ
て前後方向の動きが規制されるようになっているため、
接地ブロック3との境界点Pからの剥離が好適に防止で
きるようになっている。なお、本実施形態の埋設片2A
に対しても接地ブロック3の弾性材料が入り込む孔又は
切欠を形成してもよい。図6及び図7は、装着手段5に
かかる他の実施形態を示すものであり、本実施形態の芯
材2は、フック部10と、突出部14及び屈曲片15と
をそれぞれ別体として備えて溶接にて固着したものとな
っており、また、締結具12が締結ボルト19と締結ナ
ット21とによって構成され、該締結ナット21は、袋
ナットとされて突出部14の接地側に溶接にて固着さ
れ、締結ボルト19は、押さえ具11、スペーサ17及
び突出部14を貫通して締結ナット21に螺合されるよ
うになっている。
【0026】また、屈曲片15の上端には切欠24が形
成され、この切欠24に対して押さえ具11の幅方向外
端部が係止するようになっており、そのため、芯材2に
対する押さえ具11の廻り止めがなされるようになって
いる。なお、本実施形態や図2に示した実施形態におい
ては、スペーサ17を屈曲片15と履板4の端縁とに面
接触するように直方体ブロックに形成してやれば上記の
廻り止め構造は不要であるが、上記廻り止め構造を採用
することによってスペーサ17の形状に自由度が増すこ
ととなり、例えば、円柱状等に形成するようなことが可
能となる。
【0027】図8は、装着手段5の更に他の実施形態を
示しており、本実施形態では、芯材2の屈曲片15に対
し、締結具12を構成する上下方向の雌ネジ20を形成
したものとなっている。また、屈曲片15は、履板4の
端面に当接することにより、履板4と芯材2との幅方向
の位置ズレやガタつきを防止する当止め片25として構
成され、上記実施形態のようなスペーサ17を不要とし
ている。図9は、装着手段5の更に他の実施形態を示し
ており、この実施形態では、屈曲片15に対して雌ネジ
20を形成した点では上記実施形態と同様であるが、こ
の屈曲片15と履板4との間に間隔を空け、この間隔に
対して押さえ具11と一体に形成したスペーサ17を挿
入するようにしたものとなっている。
【0028】また、上記スペーサ17は、先端が先細り
形状に形成されており、屈曲片15と履板4との間に挿
入し易くなるとともに、クサビ作用が働くことによって
履板4と屈曲片15との間に密に嵌り込んで幅方向の位
置ずれやガタつきをより一層確実に防止できるようにな
っている。図10は、装着手段5の更に他の実施形態を
示すものであり、本実施形態では、押さえ具11として
締結ボルト19を挿通したワッシャを利用したものとな
っている。その他の構成は図8に示した実施形態と略同
様である。
【0029】図11は、装着手段5の更に他の実施形態
を示すものであり、本実施形態では、芯材2には突出部
14を形成するのみで屈曲片を形成せず、突出部14に
対して締結ボルト19を上向きに固着したものとなって
いる。また、押さえ具11の幅方向外端部には、芯材2
と履板4とに当接する当止め片25が下方突出状に形成
され、この当止め片25には締結ボルト19が挿通する
ボルト孔25Aが形成され、該孔25Aから突出する締
結ボルト19に袋ナットよりなる締結ナット21を螺合
して押さえ具11を取り付ける構成となっている。
【0030】本実施形態では、押さえ具11に形成した
当止め片25によって芯材2と履板4との幅方向の位置
ズレやガタつきが防止されるようになっている。図12
は、装着手段5の更に他の実施形態を示すものであり、
本実施形態では、芯材2の突出部14と屈曲片15と履
板4との間に形成された溝16に締結ナット21が配設
され、該締結ナット21が芯材2に溶接等により固着さ
れたものとなっている。そして、この締結ナット21に
対して押さえ具11を貫通した締結ボルト19が螺合す
るようになっている。
【0031】本実施形態では、締結ナット21がスペー
サとしての機能を奏するものとなり、押さえ具11に対
してスペーサを形成する必要が無く、該押さえ具11の
構造を簡素化できる。また、締結ナット21を接地ブロ
ック3内に埋設しなくてもよいことから、接地ブロック
3の肉厚を十分に確保でき、側部からの亀裂等の発生が
防止されるようになっている。図13は、装着手段5の
更に他の実施形態を示すものであり、本実施形態では、
芯材2に、屈曲片15から更に幅方向内側に屈曲する折
り返し片26が形成され、この折り返し片26と屈曲片
15と突出部14と履板4の端面との間に囲まれた空所
Sに対して締結ナット21が前後方向に挿脱可能に挿入
されるようになっている。
【0032】また、折り返し片26には締結ボルト19
が挿通されるボルト孔26Aが形成され、このボルト孔
26Aに締結ボルト19を挿通するとともに、該締結ボ
ルト19を締結ナット21に螺合することにより押さえ
具11が取り付けられる。また、押さえ具11の幅方向
外端部には上方へ突出して締結ボルト19の頭部を側方
から覆うガード部27が一体的に形成されており、この
ガード部27によって、側方からの接触から締結ボルト
19を保護し、該締結ボルト19の緩みを防止できるよ
うになっている。
【0033】本実施形態においても、締結ナット21が
スペーサとしての機能を奏することとなり、押さえ具1
1に対してスペーサを形成する必要がなく、また、締結
ナット21を接地ブロック3内に埋設しなくてもよいこ
とから、接地ブロック3の肉厚を確保できる。また、締
結ナット21のネジ山が潰れた場合等には、空所Sから
取り外すことによって交換可能となっている。図14及
び図15は、芯材2にかかる他の実施形態を示すもので
ある。この芯材2は、正面視において幅方向の中間部2
8が両端部29より段差部30を介して接地側に突出し
た形態となっており、この中間部28と履板4との間の
スペースには、接地ブロック3の弾性材料31が芯材2
の前後からまわり込んで配設され、該芯材2の中間部2
8が弾性材3,31により包み込まれた形態となってい
る。
【0034】そのため、芯材2の幅方向中間部では接地
ブロック3との接着力の増強が図れ、更に、幅方向両端
部では接地ブロック3の肉厚が確保できて側部からの亀
裂や欠け等の発生を防止できるようになっている。ま
た、図14に点線で示すように、芯材2の中間部28に
は、上下に貫通する複数の孔32を形成して該孔32を
介して芯材2表裏の弾性材3,31を繋げた構成として
もよい。図16〜図18は、芯材2の他の実施形態を示
すものであり、この芯材2は幅方向中間部分28が段差
部30を介して両端部29よりも接地側に突出した形状
となっており、その中間部分の前後端部に複数の孔32
が形成され、この孔32に接地ブロック3の弾性材が入
り込むとともに芯材2に裏面側にまわり込むことによっ
て孔32よりも大径の抜止部34が形成されたものとな
っている。
【0035】また、本実施形態では、トリプルグローサ
タイプの履板4に対して適用したものとなっており、芯
材2の幅方向中間部28がグローサ4Bの先端部に配置
され、芯材2の幅方向両端部29は前後二股状に形成さ
れて、履板4の踏面4Aに当接されるようになってい
る。本実施形態では、弾性パッド1に対して前後方向の
外力が作用した場合などに、芯材2と接地ブロック3と
の間に剥離が生じたとしても、接地ブロック3が抜止部
34によって芯材2に保持されることとなるために、剥
離の進行を食い止めることができ、耐久性が向上される
ようになっている。
【0036】なお、上記実施形態において、前記芯材2
に形成した孔32は、図19及び図20に示すような切
欠33に置換することが可能である。この場合も、図1
9に示すように、接地ブロック3の弾性材は切欠33に
入り込み、芯材2の裏面側にまわり込んで抜止部34を
形成するようになっており、上記実施形態と略同様の作
用効果を奏するものとなっている。図21は、本発明の
弾性パッド1にかかる他の実施形態を示しており、本実
施形態の芯材2は、図16に示したものと同様に、幅方
向の中間部28が両端部29より段差部30を介して突
出した形状となっており、更に、この中間部28には、
接地ブロック3の弾性材が入り込む孔32又は切欠33
が形成され、該接地ブロック3の裏面側には抜止部34
が形成されたものとなっている。
【0037】また、装着手段5として、芯材2の幅方向
一端部には履板4端部に係合するフック部10が形成さ
れ、他端部には、締結ボルト36が上向きに突出するよ
うに溶接にて固着されており、この締結ボルト36を履
板4の孔37に挿通して裏面側から締結ナット38を螺
合することにより弾性パッドを装着する構成となってい
る。また、芯材2の幅方向他端部は、接地ブロック3内
に埋入されるように斜め下方に屈曲する埋設片39が形
成されており、これによって芯材2からの接地ブロック
3の剥離を防止している。
【0038】なお、上記のように埋設片39が斜め下方
に屈曲されていると、斜め下側からの外力によって埋設
片39の端部を起点として亀裂が生じる恐れがあるた
め、同図(b)に示すように、芯材2の端部をL字状に
屈曲させることによって埋設片39を形成してもよい。
さらに、この場合には、斜め下側や側方からの外力によ
って芯材2端部から接地ブロック3に亀裂が生じないよ
う、同端部にR又は面取り加工を施すのが好ましい。本
発明は上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更
可能であり、例えば、装着手段は、芯材の両端部を押さ
え具及び締結具によって履板に装着する構成とすること
ができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
履板に対して弾性パッド装着用の孔等が形成されていな
くとも、弾性パッドを好適に装着することができる。ま
た、芯材からの接地ブロックの剥離を防止し、耐久性を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる弾性パッドを示す正
面断面図である。
【図2】図1のA矢示図である。
【図3】弾性パッドの側面断面図である。
【図4】芯材の他の実施形態を示す側面断面図である。
【図5】芯材の他の実施形態を示す側面断面図である。
【図6】弾性パッドの他の実施形態を示す正面断面図で
ある。
【図7】図6のB矢示図である。
【図8】装着手段の他の実施形態を示す正面断面図であ
る。
【図9】装着手段の他の実施形態を示す正面断面図であ
る。
【図10】装着手段の他の実施形態を示す正面断面図で
ある。
【図11】装着手段の他の実施形態を示す正面断面図で
ある。
【図12】装着手段の他の実施形態を示す正面断面図で
ある。
【図13】装着手段の他の実施形態を示す正面断面図で
ある。
【図14】弾性パッドの他の実施形態を示す正面断面図
である。
【図15】同側面断面図である。
【図16】弾性パッドの他の実施形態を示す正面断面図
である。
【図17】同側断面図である。
【図18】同芯材の斜視図である。
【図19】弾性パッドの他の実施形態を示す側断面図で
ある。
【図20】同芯材の斜視図である。
【図21】(a)は弾性パッドの他の実施形態を示す正
面断面図、(b)はその芯材の変形例である。
【符号の説明】
1 弾性パッド 2 芯材 2A 埋設片 2B 主部 2C 立ち上がり部 3 接地ブロック 4 履板 4A 踏面 4B グローサ 5 装着手段 11 押さえ具 12 締結具 14 突出部 15 屈曲片 16 溝 17 スペーサ 19 締結ボルト 21 締結ナット 23 孔 28 幅方向中間部 29 幅方向両端部 30 段差部 31 弾性材料 32 孔 33 切欠 34 抜止部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材(2)の表面に弾性材料よりなる接
    地ブロック(3)を固着して構成され、クローラ走行体
    の金属製履板(4)に装着手段(5)を介して着脱自在
    に装着される弾性パッドにおいて、 前記装着手段(5)は、芯材(2)との間で履板(4)
    を挟み込むように同履板(4)の裏面側に配設される押
    さえ具(11)と、この押さえ具(11)を前記芯材
    (2)に対して前記履板(4)の幅方向外側で厚さ方向
    に締結する締結具(12)とを備えていることを特徴と
    する弾性パッド。
  2. 【請求項2】 前記芯材(2)の幅方向端部に履板
    (4)よりも幅方向外側に突出する突出部(14)が設
    けられ、該突出部(14)の突出端に裏面側に屈曲する
    屈曲片(15)が設けられており、前記装着手段(5)
    は、この屈曲片(15)と履板(4)の幅方向端部との
    幅方向間隔を保持するスペーサ(17)を備えているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の弾性パッド。
  3. 【請求項3】 前記スペーサ(17)が押さえ具(1
    1)に一体に形成されていることを特徴とする請求項2
    に記載の弾性パッド。
  4. 【請求項4】 前記スペーサ(17)が、前記締結具
    (12)を構成する締結ナット(21)よりなり、該締
    結ナット(21)が芯材(2)に固着されていることを
    特徴とする請求項2に記載の弾性パッド。
  5. 【請求項5】 前記屈曲片(15)の端部より幅方向内
    側に屈曲する折り返し片(26)が形成され、前記突出
    部(14)、屈曲片(15)、折り返し片(26)及び
    履板(4)の端部により囲まれた空所に、前記スペーサ
    (17)を構成するとともに締結具(12)を構成する
    締結ナット(21)が前後方向に挿脱可能として設けら
    れていることを特徴とする請求項2に記載の弾性パッ
    ド。
  6. 【請求項6】 前記芯材(2)の前後方向端部に、接地
    ブロック(3)内に埋設されるように屈曲する埋設片
    (2A)が形成され、該埋設片(2A)に接地ブロック
    (3)の弾性材料が入り込む孔(23)又は切欠が形成
    されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の弾性パッド。
  7. 【請求項7】 前記芯材(2)は、履板(4)の踏面
    (4A)の前後範囲で面接触する主部(2B)と、この
    主部(2B)の前後端から履板(4)のグローサ(4
    B)に沿って屈曲する立ち上がり部(2C)と、さらに
    立ち上がり部(2C)から接地ブロック(3)内に埋設
    されるように屈曲する埋設片(2A)とを有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の弾性パ
    ッド。
  8. 【請求項8】 前記芯材(2)は、その幅方向中間部
    (28)が幅方向両端部(29)より段差部(30)を
    介して接地側へ突出され、この中間部(28)の裏面側
    に接地ブロック(3)の弾性材料がまわり込んで配設さ
    れていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載の弾性パッド。
  9. 【請求項9】 前記芯材(2)に、接地ブロック(3)
    の弾性材料が入り込む孔(32)又は切欠(33)が形
    成されるとともに、この孔(32)又は切欠(33)に
    入り込んだ弾性材料が芯材(2)の裏面側にまわり込む
    ことによって抜止部(34)が形成されていることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の弾性パッド。
  10. 【請求項10】 芯材(2)の表面に弾性材料よりなる
    接地ブロック(3)を固着して構成され、クローラ走行
    体の金属製履板(4)に着脱自在に装着される弾性パッ
    ドにおいて、 前記芯材(2)に、接地ブロック(3)の弾性材料が入
    り込む孔(32)又は切欠(33)が形成されるととも
    に、この孔(32)又は切欠(33)に入り込んだ弾性
    材料が芯材(2)の裏面側にまわり込むことによって抜
    止部(34)が形成されていることを特徴とする弾性パ
    ッド。
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