JP3445128B2 - 金属製クローラ用弾性パッド - Google Patents
金属製クローラ用弾性パッドInfo
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- JP3445128B2 JP3445128B2 JP32500597A JP32500597A JP3445128B2 JP 3445128 B2 JP3445128 B2 JP 3445128B2 JP 32500597 A JP32500597 A JP 32500597A JP 32500597 A JP32500597 A JP 32500597A JP 3445128 B2 JP3445128 B2 JP 3445128B2
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- Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製クローラ用
弾性パッドに関するものである。
弾性パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】農業・土木・建設等の各種作業に用いら
れる無限軌道車のうち、金属製クローラを装備するもの
にあっては、舗装路面等を走行するに際して、クローラ
を構成する全ての金属製履板にゴム製等の弾性パッドを
装着することが好適とされ、また要請されている。
れる無限軌道車のうち、金属製クローラを装備するもの
にあっては、舗装路面等を走行するに際して、クローラ
を構成する全ての金属製履板にゴム製等の弾性パッドを
装着することが好適とされ、また要請されている。
【0003】この種、弾性パッドは、ゴム等の弾性材に
よって形成されたパッド本体と、このパッド本体の裏面
又は裏面寄りの内部に設けられた金属製等の芯材とを有
している。なお、以下では、クローラの幅方向を基準と
して、これと平行する方向を弾性パッド(パッド本体及
び芯材)についても幅方向として説明する。そして、こ
の弾性パッドをクローラの履板へ装着するための構造と
しては、芯材の幅方向一端部にフック部が設けられ、こ
のフック部を履板の一端部へ係合させた状態で、芯材の
他端寄りを厚さ方向へ貫通させるロックピンによって履
板へ連結するというものがある(特開平8−58647
号公報等参照)。
よって形成されたパッド本体と、このパッド本体の裏面
又は裏面寄りの内部に設けられた金属製等の芯材とを有
している。なお、以下では、クローラの幅方向を基準と
して、これと平行する方向を弾性パッド(パッド本体及
び芯材)についても幅方向として説明する。そして、こ
の弾性パッドをクローラの履板へ装着するための構造と
しては、芯材の幅方向一端部にフック部が設けられ、こ
のフック部を履板の一端部へ係合させた状態で、芯材の
他端寄りを厚さ方向へ貫通させるロックピンによって履
板へ連結するというものがある(特開平8−58647
号公報等参照)。
【0004】なお、上記公報に記載されたロックピンに
よる連結構造は、打込みによる装着が迅速に行えるもの
の、弾性パッドの交換時等にロックピンを抜き取るのは
むしろ面倒となり、またロックピンを抜き取り時に破損
させてコスト高となることもあったので、多くの場合、
ボルトを用いた連結構造が適用されている。
よる連結構造は、打込みによる装着が迅速に行えるもの
の、弾性パッドの交換時等にロックピンを抜き取るのは
むしろ面倒となり、またロックピンを抜き取り時に破損
させてコスト高となることもあったので、多くの場合、
ボルトを用いた連結構造が適用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】芯材のフック部は、芯
材自体をU字状等に折り曲げて一体的に設けたり、或い
はL字状に折曲させた別部材を芯材に溶接して設けたり
しているが、このフック部内の折り曲げ間隔は、クロー
ラの履板の厚さよりも若干、大きめに形成してあった。
これは、履板に対する係合・離脱を容易にすると共に、
フック部及び履板の各形成寸法のバラツキ(誤差)を吸
収させるための措置である。
材自体をU字状等に折り曲げて一体的に設けたり、或い
はL字状に折曲させた別部材を芯材に溶接して設けたり
しているが、このフック部内の折り曲げ間隔は、クロー
ラの履板の厚さよりも若干、大きめに形成してあった。
これは、履板に対する係合・離脱を容易にすると共に、
フック部及び履板の各形成寸法のバラツキ(誤差)を吸
収させるための措置である。
【0006】しかしそのため、フック部を履板へ係合さ
せたときでも、芯材は履板に対して接離方向へ若干のク
リアランスを有するものとなっている。なお、このクリ
アランスは、芯材の他端部をロックピンやボルト等によ
って履板へ連結させても解消されるものではない。この
ようなことから、弾性パッドに走行振動が加わったとき
には、フック部と履板との間のクリアランスを要因とし
てガタツキが発生しやすい状況になり、このガタツキの
発生に伴って騒音や振動が生じ、またフック部の早期磨
耗、ロックピン又はボルト等の弛緩、磨耗等を招来し、
甚だしい場合にはロックピン又はボルト等の折損等に至
ることにもなっていた。
せたときでも、芯材は履板に対して接離方向へ若干のク
リアランスを有するものとなっている。なお、このクリ
アランスは、芯材の他端部をロックピンやボルト等によ
って履板へ連結させても解消されるものではない。この
ようなことから、弾性パッドに走行振動が加わったとき
には、フック部と履板との間のクリアランスを要因とし
てガタツキが発生しやすい状況になり、このガタツキの
発生に伴って騒音や振動が生じ、またフック部の早期磨
耗、ロックピン又はボルト等の弛緩、磨耗等を招来し、
甚だしい場合にはロックピン又はボルト等の折損等に至
ることにもなっていた。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、履板に対して弾性パッドを強固に取り付けら
れるものとして、走行中のガタツキの発生を防止し、こ
れに伴う各種欠点を防止できるようにした金属製クロー
ラ用弾性パッドを提供することを目的とする。
であって、履板に対して弾性パッドを強固に取り付けら
れるものとして、走行中のガタツキの発生を防止し、こ
れに伴う各種欠点を防止できるようにした金属製クロー
ラ用弾性パッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る弾性パッドでは、弾性材製のパッド本体と、こ
のパッド本体の裏面側に設けられる芯材とを有し、芯材
の幅方向一端部に、金属製クローラを構成する履板に対
して係合可能となるフック部が設けられ、同他端部には
履板へのボルト連結部が設けられたものとしたうえで、
前記芯材は、フック部を履板の幅方向一端部へ係合させ
て履板へ重ねるようにしたときに、ボルト連結部まわり
と履板との対面間に、ボルト連結部を履板へ連結するこ
とによって解消できる程度の隙間が発生可能な構成とし
ている。
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る弾性パッドでは、弾性材製のパッド本体と、こ
のパッド本体の裏面側に設けられる芯材とを有し、芯材
の幅方向一端部に、金属製クローラを構成する履板に対
して係合可能となるフック部が設けられ、同他端部には
履板へのボルト連結部が設けられたものとしたうえで、
前記芯材は、フック部を履板の幅方向一端部へ係合させ
て履板へ重ねるようにしたときに、ボルト連結部まわり
と履板との対面間に、ボルト連結部を履板へ連結するこ
とによって解消できる程度の隙間が発生可能な構成とし
ている。
【0009】すなわち、芯材において、そのフック部を
履板に係合させ、ボルト連結部(芯材にナット部材が一
体的に設けられ履板側からボルトを螺合させる場合や、
芯材にボルトが固定され履板側からナットを螺合させる
場合等がある)で履板との連結を行うと、当初、このボ
ルト連結部まわりと履板との対面間に発生している隙間
は、芯材と履板とがピッタリと重なろうとすることで、
芯材自体に反りを誘発させつつ徐々に小さくなり、やが
て解消されることになる。
履板に係合させ、ボルト連結部(芯材にナット部材が一
体的に設けられ履板側からボルトを螺合させる場合や、
芯材にボルトが固定され履板側からナットを螺合させる
場合等がある)で履板との連結を行うと、当初、このボ
ルト連結部まわりと履板との対面間に発生している隙間
は、芯材と履板とがピッタリと重なろうとすることで、
芯材自体に反りを誘発させつつ徐々に小さくなり、やが
て解消されることになる。
【0010】従って、このとき芯材自体に生じる反り
は、芯材のフック部を履板から引き出す方向(クローラ
の周方向に対する径外方向)へ強く付勢するものとな
る。そのため、このフック部と履板との係合間にクリア
ランスが生じていて、且つこの部分に走行振動が加わっ
たとしても、このクリアランス内でフック部と履板とが
ガタツキを生じる余裕はない。
は、芯材のフック部を履板から引き出す方向(クローラ
の周方向に対する径外方向)へ強く付勢するものとな
る。そのため、このフック部と履板との係合間にクリア
ランスが生じていて、且つこの部分に走行振動が加わっ
たとしても、このクリアランス内でフック部と履板とが
ガタツキを生じる余裕はない。
【0011】芯材のボルト連結部まわりと履板との対面
間の隙間は、芯材の幅方向中途部に履板へ向けて凸とな
る屈曲部を設けることによって発生させる構造とした
り、芯材の幅方向中途部に履板へ向けた突起を設けるこ
とによって発生させる構造としたりできる。
間の隙間は、芯材の幅方向中途部に履板へ向けて凸とな
る屈曲部を設けることによって発生させる構造とした
り、芯材の幅方向中途部に履板へ向けた突起を設けるこ
とによって発生させる構造としたりできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明に係る弾性パッド
1の第1実施形態を、金属製クローラを構成する多数の
金属製履板2の各外面2aに装着する様子を示してい
る。この弾性パッド1は、パッド本体4と、このパッド
本体4の裏面部に設けられた芯材5とを有したものであ
って、パッド本体4は、ゴムやウレタン等の弾性材によ
って形成され、また芯材5は、鉄等の金属材(引抜、鋳
造、鍛造等された一体品又は複数部材の溶接組立品)に
よって形成されている。そして、これら両者は焼き付
け、インサート、接着等により互いに一体化されてい
る。
施の形態を説明する。図1は、本発明に係る弾性パッド
1の第1実施形態を、金属製クローラを構成する多数の
金属製履板2の各外面2aに装着する様子を示してい
る。この弾性パッド1は、パッド本体4と、このパッド
本体4の裏面部に設けられた芯材5とを有したものであ
って、パッド本体4は、ゴムやウレタン等の弾性材によ
って形成され、また芯材5は、鉄等の金属材(引抜、鋳
造、鍛造等された一体品又は複数部材の溶接組立品)に
よって形成されている。そして、これら両者は焼き付
け、インサート、接着等により互いに一体化されてい
る。
【0013】この弾性パッド1において、芯材5の幅方
向一端側には、履板2の一端部と係合可能となるフック
部6が設けられており、また芯材5の他端部には、ボル
ト連結部7が設けられている。本第1実施形態では、芯
材5を引抜鉄板より形成して、その一端部をU字状に折
曲することによってフック部6を設けている。このフッ
ク部6において、内側の折り返し間隔は履板2の板厚よ
りも若干大きくしてあり、このフック部6を履板2へ係
合させたときには、両者間に若干のクリアランスが生じ
るようにしてある。
向一端側には、履板2の一端部と係合可能となるフック
部6が設けられており、また芯材5の他端部には、ボル
ト連結部7が設けられている。本第1実施形態では、芯
材5を引抜鉄板より形成して、その一端部をU字状に折
曲することによってフック部6を設けている。このフッ
ク部6において、内側の折り返し間隔は履板2の板厚よ
りも若干大きくしてあり、このフック部6を履板2へ係
合させたときには、両者間に若干のクリアランスが生じ
るようにしてある。
【0014】また、ボルト連結部7は、芯材5にボルト
通孔8を形成させたうえで、パッド本体4が設けられる
方の面に対して、ボルト通孔8に合致させるようにナッ
ト部材9を溶接することによって設けてある。芯材5に
は、その幅方向中途部に、履板2側を凸として曲げられ
た屈曲部12が設けられている。従って、フック部6を
履板2の幅方向一端部へ係合させた状態でこの芯材5を
履板2へ重ねるようにしたときには、屈曲部12を境と
してボルト連結部7側が徐々に履板2から離れるように
なり、その結果、ボルト連結部7まわりと履板2との対
面間には隙間13が発生することになる。
通孔8を形成させたうえで、パッド本体4が設けられる
方の面に対して、ボルト通孔8に合致させるようにナッ
ト部材9を溶接することによって設けてある。芯材5に
は、その幅方向中途部に、履板2側を凸として曲げられ
た屈曲部12が設けられている。従って、フック部6を
履板2の幅方向一端部へ係合させた状態でこの芯材5を
履板2へ重ねるようにしたときには、屈曲部12を境と
してボルト連結部7側が徐々に履板2から離れるように
なり、その結果、ボルト連結部7まわりと履板2との対
面間には隙間13が発生することになる。
【0015】この隙間13は、履板2の裏側(図1上
側)からボルト通孔15へボルト16を差し込んだとき
に、ボルト16の先端が芯材5のボルト通孔8を通り抜
けてナット部材9へ達する(即ち、ボルト連結部7に螺
合可能となる)範囲であって、且つこの差込状態でボル
ト16をボルト連結部7に対して締め込んだときに、解
消できる程度の大きさのものとされている。
側)からボルト通孔15へボルト16を差し込んだとき
に、ボルト16の先端が芯材5のボルト通孔8を通り抜
けてナット部材9へ達する(即ち、ボルト連結部7に螺
合可能となる)範囲であって、且つこの差込状態でボル
ト16をボルト連結部7に対して締め込んだときに、解
消できる程度の大きさのものとされている。
【0016】なお、隙間13の大きさを上記のように設
定するには、履板2に対し、フック部6が係合する側の
端部から屈曲部12が対応する位置までの長さMを、履
板2の幅方向長さLの中心位置までで、且つ履板2に対
してフック部6が係合する長さNを超えた範囲(N<M
<2/L)で決定するのが好適となる。このような構成
の弾性パッド1を履板2へ装着するに際して、クローラ
の幅方向外側から弾性パッド1をそのフック部6が奥方
へ向くように差し入れて、このフック部6を履板2の奥
側の端部へ引っ掛けたうえで弾性パッド1を履板2の外
面2aへ重ねるようにすると、手前側では、上記したよ
うに弾性パッド1のボルト連結部7まわりと履板2との
対面間に隙間13が形成されることになる。
定するには、履板2に対し、フック部6が係合する側の
端部から屈曲部12が対応する位置までの長さMを、履
板2の幅方向長さLの中心位置までで、且つ履板2に対
してフック部6が係合する長さNを超えた範囲(N<M
<2/L)で決定するのが好適となる。このような構成
の弾性パッド1を履板2へ装着するに際して、クローラ
の幅方向外側から弾性パッド1をそのフック部6が奥方
へ向くように差し入れて、このフック部6を履板2の奥
側の端部へ引っ掛けたうえで弾性パッド1を履板2の外
面2aへ重ねるようにすると、手前側では、上記したよ
うに弾性パッド1のボルト連結部7まわりと履板2との
対面間に隙間13が形成されることになる。
【0017】そこで、履板2の裏側からボルト16を差
し込んで、ボルト連結部7への締め込みを行うと、弾性
パッド1の芯材5は、屈曲部12を境としてボルト連結
部7側の端部が履板2へ近づくような反りを生じる。従
って、上記隙間13は徐々に小さくなり、ボルト16を
強く締めつけた時点で完全に解消されて、芯材5と履板
2とがピッタリと重なり合う。
し込んで、ボルト連結部7への締め込みを行うと、弾性
パッド1の芯材5は、屈曲部12を境としてボルト連結
部7側の端部が履板2へ近づくような反りを生じる。従
って、上記隙間13は徐々に小さくなり、ボルト16を
強く締めつけた時点で完全に解消されて、芯材5と履板
2とがピッタリと重なり合う。
【0018】このとき、図2に示すように芯材5に生じ
たX方向の反り作用は、屈曲部12を越えた反対側領域
ではフック部6を履板2から引き出す方向(矢符Yで示
すようにクローラの周方向に対する径外方向)への強い
付勢力として作用し、これにより、フック部6内におい
て履板2との間に生じているクリアランス18は、履板
2の外面2a側に偏った状態で固定されることになる。
たX方向の反り作用は、屈曲部12を越えた反対側領域
ではフック部6を履板2から引き出す方向(矢符Yで示
すようにクローラの周方向に対する径外方向)への強い
付勢力として作用し、これにより、フック部6内におい
て履板2との間に生じているクリアランス18は、履板
2の外面2a側に偏った状態で固定されることになる。
【0019】従って、このクリアランス18内でフック
部6と履板2とがガタツキを生じる余裕はなくなり、履
板2に対する弾性パッド1の装着状態は極めて強固なも
のとなる。図3乃至図5は、本発明に係る弾性パッド1
の第2実施形態を示している。この第2実施形態は、芯
材5のボルト連結部7まわりと履板2との対面間の隙間
13を発生させるために、芯材5の幅方向中途部に、履
板2へ向けた突起20を設けたものである。
部6と履板2とがガタツキを生じる余裕はなくなり、履
板2に対する弾性パッド1の装着状態は極めて強固なも
のとなる。図3乃至図5は、本発明に係る弾性パッド1
の第2実施形態を示している。この第2実施形態は、芯
材5のボルト連結部7まわりと履板2との対面間の隙間
13を発生させるために、芯材5の幅方向中途部に、履
板2へ向けた突起20を設けたものである。
【0020】突起20は、芯材5自体に湾曲部を設ける
ことによって形成させてある。なお、突起20は、図4
に示すように芯材5を横切るように設けても、また図5
に示すように点在的に設けてもよい。このように芯材5
自体を湾曲させることで設けた突起20では、芯材5に
おいてパッド本体4が設けられる方の面に、必然的に凹
み21を形成させることになる。この凹み21は、芯材
5とパッド本体4との接触面積を拡大することになるた
め、それだけ両者の接着強度が強くなるという副次的効
果がある。
ことによって形成させてある。なお、突起20は、図4
に示すように芯材5を横切るように設けても、また図5
に示すように点在的に設けてもよい。このように芯材5
自体を湾曲させることで設けた突起20では、芯材5に
おいてパッド本体4が設けられる方の面に、必然的に凹
み21を形成させることになる。この凹み21は、芯材
5とパッド本体4との接触面積を拡大することになるた
め、それだけ両者の接着強度が強くなるという副次的効
果がある。
【0021】図6は、本発明に係る弾性パッド1の第3
実施形態を示している。この第3実施形態でも、芯材5
のボルト連結部7まわりと履板2との対面間の隙間13
を発生させるために、芯材5の幅方向中途部に、履板2
へ向けた突起20を設けたものである。ただ、この突起
20は、チップの溶接又は溶接自体の肉盛り等として形
成するか、芯材5に対するネジのねじ込みによるネジ頭
によって形成するか、或いは芯材5を鋳造又は鍛造等で
製造するものとしてこの製造時に一体的に形成させるか
して設けたものとなっている。
実施形態を示している。この第3実施形態でも、芯材5
のボルト連結部7まわりと履板2との対面間の隙間13
を発生させるために、芯材5の幅方向中途部に、履板2
へ向けた突起20を設けたものである。ただ、この突起
20は、チップの溶接又は溶接自体の肉盛り等として形
成するか、芯材5に対するネジのねじ込みによるネジ頭
によって形成するか、或いは芯材5を鋳造又は鍛造等で
製造するものとしてこの製造時に一体的に形成させるか
して設けたものとなっている。
【0022】この突起20についても、図4に示すよう
に芯材5を横切るように設けたり、また図5に示すよう
に点在的に設けたりすればよい。ところで、本発明は、
上記実施形態に限定されるものではない。例えば、フッ
ク部6は、U字状に折曲したものに限らずL字状に折曲
したものでもよく、また芯材5と一体とせず、L字状等
に折曲させた別部材を芯材5に溶接又はボルト結合する
ことによって形成させるものでもよい。
に芯材5を横切るように設けたり、また図5に示すよう
に点在的に設けたりすればよい。ところで、本発明は、
上記実施形態に限定されるものではない。例えば、フッ
ク部6は、U字状に折曲したものに限らずL字状に折曲
したものでもよく、また芯材5と一体とせず、L字状等
に折曲させた別部材を芯材5に溶接又はボルト結合する
ことによって形成させるものでもよい。
【0023】ボルト連結部7は、芯材5から履板2へ向
けてボルトを突出させておき、履板2の裏側からナット
を螺合させる構造としてもよい。また、芯材5にボルト
通孔を形成すると共に、このボルト通孔に合致させるよ
うにパッド本体4に踏面側へ抜ける径大孔を形成させて
おき、これらボルト通孔と径大孔とを、履板2のボルト
通孔15との間でボルト及びナットによって締結させる
構造としてもよい。
けてボルトを突出させておき、履板2の裏側からナット
を螺合させる構造としてもよい。また、芯材5にボルト
通孔を形成すると共に、このボルト通孔に合致させるよ
うにパッド本体4に踏面側へ抜ける径大孔を形成させて
おき、これらボルト通孔と径大孔とを、履板2のボルト
通孔15との間でボルト及びナットによって締結させる
構造としてもよい。
【0024】
【他の開示】図7及び図8に示す弾性パッド30は、パ
ッド本体31と、このパッド本体31の裏面部に設けら
れた芯材32とを有したものであって、パッド本体31
は、ゴムやウレタン等の弾性材によって形成され、また
芯材32は、鉄等の金属材(引抜、鋳造、鍛造等された
一体品又は複数部材の溶接組立品)によって形成されて
いる。そして、これら両者は焼き付け、インサート、接
着等により互いに一体化されている。
ッド本体31と、このパッド本体31の裏面部に設けら
れた芯材32とを有したものであって、パッド本体31
は、ゴムやウレタン等の弾性材によって形成され、また
芯材32は、鉄等の金属材(引抜、鋳造、鍛造等された
一体品又は複数部材の溶接組立品)によって形成されて
いる。そして、これら両者は焼き付け、インサート、接
着等により互いに一体化されている。
【0025】なお、図示は省略するが、この弾性パッド
30をクローラの履板2に対して装着するには、パッド
本体31の踏面側から芯材32を貫通してボルトを挿通
可能にし、このボルトに対して履板2の裏側でナットを
螺合させるような構造を採るものとする。パッド本体3
1の平面形状は長方形状となっているのに対して、芯材
32の平面形状は、その幅方向両端部を先細り状にした
形状になっている。すなわち、この弾性パッド1の幅方
向両端部では、クローラの周方向に沿った前方及び後方
(図7の上下方向)の両隅部がパッド本体31だけによ
って形成され、芯材32が及ばない構造となっている。
30をクローラの履板2に対して装着するには、パッド
本体31の踏面側から芯材32を貫通してボルトを挿通
可能にし、このボルトに対して履板2の裏側でナットを
螺合させるような構造を採るものとする。パッド本体3
1の平面形状は長方形状となっているのに対して、芯材
32の平面形状は、その幅方向両端部を先細り状にした
形状になっている。すなわち、この弾性パッド1の幅方
向両端部では、クローラの周方向に沿った前方及び後方
(図7の上下方向)の両隅部がパッド本体31だけによ
って形成され、芯材32が及ばない構造となっている。
【0026】また芯材32は、パッド本体31の幅方向
長さよりも短く形成されており、パッド本体31の幅方
向両端部までは及ばないものとされ、更に芯材32を側
面視した状態では、幅方向両端部が徐々に薄くなる傾斜
形状に形成されている。このような構造であると、パッ
ド本体31における幅方向両端部の前後隅部が、走行中
のカーブ通過時や旋回時等において磨耗し難くなると共
に、段差や石等と芯材32との間で挟圧により欠損する
ことも生じ難くなる。また更に、このような磨耗や欠損
が生じたとしても、これらの部分において芯材32が露
出するといったことが殆ど無くなる。
長さよりも短く形成されており、パッド本体31の幅方
向両端部までは及ばないものとされ、更に芯材32を側
面視した状態では、幅方向両端部が徐々に薄くなる傾斜
形状に形成されている。このような構造であると、パッ
ド本体31における幅方向両端部の前後隅部が、走行中
のカーブ通過時や旋回時等において磨耗し難くなると共
に、段差や石等と芯材32との間で挟圧により欠損する
ことも生じ難くなる。また更に、このような磨耗や欠損
が生じたとしても、これらの部分において芯材32が露
出するといったことが殆ど無くなる。
【0027】すなわち、図9に示した従来技術の弾性パ
ッド35のように、芯材36がパッド本体31と同様な
長方形状である場合には、上記のようにしてパッド本体
31における幅方向両端部の前後隅部が磨耗や欠損等を
起こし易く、また磨耗や欠損等の発生時には、芯材36
の各隅部が露出して、路面を傷つけたり騒音や振動を発
生させたりするおそれがあったが、図7及び図8に示し
た弾性パッド30では、これらを防止できるということ
になる。
ッド35のように、芯材36がパッド本体31と同様な
長方形状である場合には、上記のようにしてパッド本体
31における幅方向両端部の前後隅部が磨耗や欠損等を
起こし易く、また磨耗や欠損等の発生時には、芯材36
の各隅部が露出して、路面を傷つけたり騒音や振動を発
生させたりするおそれがあったが、図7及び図8に示し
た弾性パッド30では、これらを防止できるということ
になる。
【0028】また、この弾性パッド30では、結果とし
て芯材32が小型化されることになるため、これが軽量
化に繋がり、製造コストや走行経済性等において低廉化
が図れると共に、走行性能の向上も図れるものである。
なお、芯材32の幅方向両端部を、平面先細り状とする
うえでは、小判型の滑らかなカーブとしたり、面取り状
の角張った形状にしたりすることが可能である。
て芯材32が小型化されることになるため、これが軽量
化に繋がり、製造コストや走行経済性等において低廉化
が図れると共に、走行性能の向上も図れるものである。
なお、芯材32の幅方向両端部を、平面先細り状とする
うえでは、小判型の滑らかなカーブとしたり、面取り状
の角張った形状にしたりすることが可能である。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る弾性パッドでは、芯材に設けたフック部を履板の幅
方向一端部へ係合させて芯材を履板へ重ねるようにした
ときに、芯材におけるフック部とは反対側の端部に設け
たボルト連結部まわりと履板との対面間に所定の隙間が
生じるようにしてあるので、ボルト連結部において履板
との連結を行うと、この隙間が解消されるのに伴って、
芯材自体に反りが生じることになる。そのため、この反
りが、芯材のフック部を履板から引き出す方向へ強く付
勢すべく作用し、このフック部と履板との係合間に生じ
るクリアランス内でフック部と履板とがガタツキを生じ
る余裕はなくなる。
係る弾性パッドでは、芯材に設けたフック部を履板の幅
方向一端部へ係合させて芯材を履板へ重ねるようにした
ときに、芯材におけるフック部とは反対側の端部に設け
たボルト連結部まわりと履板との対面間に所定の隙間が
生じるようにしてあるので、ボルト連結部において履板
との連結を行うと、この隙間が解消されるのに伴って、
芯材自体に反りが生じることになる。そのため、この反
りが、芯材のフック部を履板から引き出す方向へ強く付
勢すべく作用し、このフック部と履板との係合間に生じ
るクリアランス内でフック部と履板とがガタツキを生じ
る余裕はなくなる。
【0030】このようなことから、弾性パッドは、走行
振動等を受けても履板との確実な装着状態が得られ、騒
音や振動等を防止できることはもとより、フック部の早
期磨耗をはじめ、ボルト連結部の弛緩や磨耗、及び折損
等を防止できるものである。
振動等を受けても履板との確実な装着状態が得られ、騒
音や振動等を防止できることはもとより、フック部の早
期磨耗をはじめ、ボルト連結部の弛緩や磨耗、及び折損
等を防止できるものである。
【図1】本発明に係る弾性パッドの第1実施形態を金属
製クローラの履板へ装着する様子を示した正面断面図で
ある。
製クローラの履板へ装着する様子を示した正面断面図で
ある。
【図2】図1の主要部(フック部周辺)において履板へ
の装着後の状況を示した拡大正面断面図である。
の装着後の状況を示した拡大正面断面図である。
【図3】本発明に係る弾性パッドの第2実施形態におけ
る主要部を示す拡大正面断面図である。
る主要部を示す拡大正面断面図である。
【図4】第2実施形態の弾性パッドについて突起が設け
られた方の面から示した部分平面図である。
られた方の面から示した部分平面図である。
【図5】図4とは突起の配置を変えた例を図4と比較し
易いように示した部分平面図である。
易いように示した部分平面図である。
【図6】本発明に係る弾性パッドの第3実施形態におけ
る主要部を示す拡大正面断面図である。
る主要部を示す拡大正面断面図である。
【図7】他の開示に係る弾性パッドをその踏面側から示
した底面図である。
した底面図である。
【図8】図7の弾性パッドを示す正面断面図である。
【図9】他の開示に係る弾性パッドと対比関係にある従
来技術の弾性パッドをその踏面側から示した底面図であ
る。
来技術の弾性パッドをその踏面側から示した底面図であ
る。
1 弾性パッド
2 履板
2a 外面
4 パッド本体
5 芯材
6 フック部
7 ボルト連結部
12 屈曲部
13 隙間
18 クリアランス
20 突起
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B62D 55/28
Claims (3)
- 【請求項1】 多数の金属製履板(2)をエンドレスに
連結した金属製クローラに対し各履板(2)の外面(2
a)に装着される弾性パッドにおいて、 弾性材製のパッド本体(4)と、該パッド本体(4)の
裏面側に設けられる芯材(5)とを有し、芯材(5)の
幅方向一端部には履板(2)に係合可能なフック部
(6)が設けられ、同他端部には履板(2)へのボルト
連結部(7)が設けられており、 前記芯材(5)は、フック部(6)を履板(2)の幅方
向一端部へ係合させて履板(2)へ重ねるようにしたと
きに、ボルト連結部(7)と履板(2)との対面間に、
ボルト連結部(7)を履板(2)へ連結することによっ
て解消できる程度の隙間(13)を発生すべく、芯材
(5)の幅方向中途部に履板(2)へ向けて凸となる屈
曲部(12)を設けていることを特徴とする金属製クロ
ーラ用弾性パッド。 - 【請求項2】 多数の金属製履板(2)をエンドレスに
連結した金属製クローラに対し各履板(2)の外面(2
a)に装着される弾性パッドにおいて、 弾性材製のパッド本体(4)と、該パッド本体(4)の
裏面側に設けられる芯材(5)とを有し、芯材(5)の
幅方向一端部には履板(2)に係合可能なフック部
(6)が設けられ、同他端部には履板(2)へのボルト
連結部(7)が設けられており、 前記芯材(5)は、フック部(6)を履板(2)の幅方
向一端部へ係合させて履板(2)へ重ねるようにしたと
きに、ボルト連結部(7)と履板(2)との対面間に、
ボルト連結部(7)を履板(2)へ連結することによっ
て解消できる程度の隙間(13)を発生すべく、芯材
(5)の幅方向中途部を弯曲して履板(2)へ向けて突
出した突起(20)を形成していることを特徴とする 金
属製クローラ用弾性パッド。 - 【請求項3】 多数の金属製履板(2)をエンドレスに
連結した金属製クローラに対し各履板(2)の外面(2
a)に装着される弾性パッドにおいて、 弾性材製のパッド本体(4)と、該パッド本体(4)の
裏面側に設けられる芯材(5)とを有し、芯材(5)の
幅方向一端部には履板(2)に係合可能なフッ ク部
(6)が設けられ、同他端部には履板(2)へのボルト
連結部(7)が設けられており、 前記芯材(5)は、フック部(6)を履板(2)の幅方
向一端部へ係合させて履板(2)へ重ねるようにしたと
きに、ボルト連結部(7)と履板(2)との対面間に、
ボルト連結部(7)を履板(2)へ連結することによっ
て解消できる程度の隙間(13)を発生すべく、芯材
(5)の幅方向中途部に履板(2)へ向けて突出した突
起(20)を一体成形していることを特徴とする 金属製
クローラ用弾性パッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32500597A JP3445128B2 (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 金属製クローラ用弾性パッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32500597A JP3445128B2 (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 金属製クローラ用弾性パッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11157472A JPH11157472A (ja) | 1999-06-15 |
JP3445128B2 true JP3445128B2 (ja) | 2003-09-08 |
Family
ID=18172080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32500597A Expired - Fee Related JP3445128B2 (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 金属製クローラ用弾性パッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3445128B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11286284A (ja) * | 1998-04-01 | 1999-10-19 | Fukuyama Rubber Kogyo Kk | 脱着式パッド |
-
1997
- 1997-11-26 JP JP32500597A patent/JP3445128B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11157472A (ja) | 1999-06-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |