JP3457608B2 - 履帯シュ− - Google Patents
履帯シュ−Info
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Description
用車両に用いる履帯シュ−に関するものであり、更に詳
しくは耐久性に優れたそして鉄製履板に装着容易とした
履帯シュ−に係るものである。 【0002】 【従来の技術】建設車両や土木作業用車両に用いるクロ
−ラは、多数の履板をリンクによりブッシュ及びピンを
介して無端状に連結したものであり、この踏面側にゴム
パッドを備えた履帯シュ−をボルトにて装着した構造の
ものが広く用いられている。しかるに、ゴムパッドにあ
けられたボルト孔内に砂や小石が入り込み、このボルト
孔近傍からゴムパッドに亀裂が入り耐久性を著しく悪く
しているのが現状である。又、履板への装着時にあって
も、通常は4本のボルトをクロ−ラ内周側でナットにて
装着するものであり、装着作業性が悪く特に車両の内側
に位置するボルトにあっては締め付ける作業が容易では
ない。又、履板の裏面側にボルトが必要以上に突出する
ことともなり、車両側のフレ−ム等とのスペ−スをせば
める結果、ここに土砂が噛み込みやすくなり、かつ、ナ
ットを損傷して履帯シュ−の取り外しができなくなる等
の欠点があった。 【0003】以上のような欠点を解決するために、ボル
トを履帯シュ−のゴムパッド内に予め埋設する技術も開
発されているが、ゴムパッドの亀裂等の発生は低減され
るものの、履板との装着のための作業性は改善されてい
ない。更に改良されたものとして、例えば実開平6−7
4594号にて履帯シュ−のゴムパッド内にナットを埋
設する技術が開発されている。この履帯シュ−にあって
は、ゴムパッドの亀裂等の発生も少なく、かつ履板との
装着性もある程度改善され、従来のものに比べてすぐれ
た性能をもっている。 【0004】図11はこの履帯シュ−を示す断面図であ
り、帯板21に袋ナット22が溶接されたもので、この
帯板21に袋ナット22を囲んでゴムパッド23が加硫
接着されているものである。従って、履板24の裏側よ
り挿入されたボルト25が袋ナット22と螺合されるこ
とによって履帯シュ−が装着されることとなる。前記し
たように、通常履板24と履帯シュ−とは4本のボルト
25をもって装着されるため、袋ナット22もゴムパッ
ド23中に4個埋設されるものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この提案の履帯シュ−
のゴムパッドには装着のためのボルト孔がなく、ここか
らのゴムパッドの亀裂等の発生はなくなるが、装着時の
作業は基本的には4本のボルトをもって装着されるた
め、装着作業性の悪さは従来のものとそれほど差異はな
く、特に車両の内側に位置するボルトの締め付けは容易
ではなくこの点での問題は解決されていない。 【0006】本発明は、前記のような課題の解決を目的
とし、更に耐久性に優れた履帯シューを提供するもので
あって、ゴムパッドの亀裂等の低減は勿論のこと、履板
との装着作業性を改良することをその主目的とするもの
である。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、リンク
にて無端状に連結される履板に装着される履帯シューで
あって、当該履帯シューは帯板とこの帯板の外周側に接
着されたゴムパッドと帯板の一方端縁に内向きのフック
金具とを備えたものであり、帯板の他方側にはゴムパッ
ド内にナットを埋設してなり、車両の進行方向に直交す
る履帯シュー幅方向の前記帯板長さは、同方向の前記ゴ
ムパッド長さよりも短く形成され、前記フック金具を前
記履板の幅方向の端縁に係止し、リンク側から履板を挟
んでボルトを差し込んで前記ナットと装着することを特
徴とする履帯シュー。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の履帯シュ−は、基本的に
は帯板の一方側に内向きにフック金具を備えており、こ
のフック金具をもって履板の一方縁部に引っ掛けて履帯
シュ−を係止するものであって、特に車両機体の内側に
位置する履板の縁部に引っ掛けることによって装着が極
めて容易となったものである。そして、他方側を(この
例では車両機体の外側)履板を挟んでリンク側から履帯
シュ−側のナットに向かってボルトを差し込んで螺着し
履帯シュ−を装着するものである。 【0009】このため、装着に要する作業は端的に言え
ばボルトを締め付けるだけで完了するものであり、フッ
ク金具における履板と履帯シュ−の係止はワンタッチで
行えるためほとんど作業時間を要さない。このフック金
具の先端は履板の端縁が嵌り易いように面取りが施され
たり、或いは拡開されていたり、更にはフック金具の中
間部が狭まっているのが好ましい。しかも、前記したよ
うにフック金具を車両機体の内側に配置することによ
り、ボルトの締付けは車両機体の外側の作業だけとなる
ため、装着に要する作業性は著しく短縮し、装着作業性
が向上したこととなる。 【0010】そして、帯板が履帯シュ−の幅方向におい
てゴムパッドより幅狭のものが用いられており、この帯
板の幅方向の端部が確実に多量のゴムにて覆われること
となる。このため、帯板の幅方向端部でのゴムのめくれ
はなくなり、耐久性のアップが図られることとなる。 【0011】 【実施例】以下、図面をもって本発明を更に詳細に説明
する。図1は本発明の履帯シュ−の接地面側の平面図で
あり、図2は正面図、図3は主要部での側断面図であ
る。図中、1は帯板であり、この帯板1には接地面側に
向けてグロ−サ−10 が形成されている。そして、この
グロ−サ−10 、10 間の底面11 にフック金具3が溶
接されている。即ち、このフック金具3は帯板1の一方
端に溶接されて履板との係止に供されるものであり、そ
の先端がリンク側に曲げられている。他方、帯板1には
フック金具3と反対側にボルト孔4が穿孔されている。
このような構造をもつ帯板1の接地側及び履帯シューの
幅方向にゴムパッド5が加硫接着され、このゴムパッド
5内にフック金具3の溶接部が埋設されるものである。
そして帯板1の幅方向端部1aがゴム5aによって覆わ
れる。 【0012】ゴムパッド5内にはボルト孔4に対応して
袋ナット2が配置される。この袋ナット2の背丈につい
て言えば、図示するようにグロ−サ−の背丈と帯板1の
厚さとの合計よりも背丈の高いものもあるが、ナット2
が保護され、耐久性を向上させるためには、グロ−サ−
の背丈と帯板1の厚さの合計よりもナット2の背丈を同
等乃至はこれよりも背丈の低い方が好ましい。尚、袋ナ
ット2は帯板1のグロ−サ−10 、10 間の底面に配置
され、好ましくは、この底面に溶接されるものである。 【0013】図中、一点鎖線で示すものはリンクにて無
端状に連結されてなる履板11であって、図示するよう
に、履板11の一方端縁110 にフック金具3をもって
履帯シュ−を係止し、次いでその反対側の袋ナット2に
履板11のボルト孔12を介してボルト13を螺合して
履帯シュ−を装着するものである。尚、前述したよう
に、フック金具3側は車両の内側に配置するのが作業性
の面からみて好ましいことは明らかである。 【0014】図4は、本発明の履帯シュ−の別例を示す
もので、帯板1のみを取り出した正面図である。即ち、
そのフック金具3の先端30 は拡開されて曲げられてい
る。このようにフック金具3の先端30 が拡開されてい
ることにより、履板11の端縁110 がワンタッチで係
止できることとなったものである。勿論、場合によって
は先端30 が曲げられなくとも面取りを施すだけでもよ
い。尚、この例にあって、帯板1の一方端にフック金具
3が溶接されている。 【0015】図4中、二点鎖線で示すものはフック金具
3の接地面側に加硫接着されたゴム弾性体14であり、
これは走行時に小石等が直接フック金具に衝突すること
を阻止するための保護ブロックである。フック金具3が
帯板1の履板11側の底面11 に備えることによって、
特にこの保護ブロック14の厚さを確保できるため耐久
性が著しく向上することとなる。この保護ブロック14
は、帯板1の接地面側に加硫接着されるゴムパッド5と
同時に加硫成形されるのが一般的である。 【0016】図5は本発明の履帯シュ−の別例の側断面
図である。この例にあっては、履板11のグロ−サ−1
11 全体に接触するように帯板1の幅が広くなっている
ものであり、言い換えればゴムパッド5の全面に帯板1
が存在する形態である。このため、履板11と履帯シュ
−とは金属同士(履板11と帯板1)の接触面となるた
めに一体化が強まり、かつゴムパッド5は帯板1に加硫
接着されているためこの間に異物が入り込むことなくゴ
ムの損傷を防ぐことができる。 【0017】この図5において、履帯シュ−は図1にお
けるフック金具3によって履板11との係止が先ず行わ
れることとなるが、図5における帯板1の形態はフック
金具3のない従来の履帯シュ−にも適用可能である。 【0018】図6は本発明の履帯シュ−の別例を示す接
地面側の平面図、図7はその正面図、図8は主要部での
断面図である。この履帯シュ−にあっては、そのコ−ナ
−部を曲面とするのが好ましく、この図例ではゴムパッ
ド5の各コ−ナ−部50 が曲面をなしており、このため
ゴムパッド5のコ−ナ−部50 からのゴムのめくれがな
く履帯シュ−の耐久性が向上することとなる。 【0019】更に特徴的には、図1〜図3に示した例も
同様であるが、帯板1が履帯シュ−の幅方向においてゴ
ムパッド5より幅狭のものが用いられており、この帯板
1の幅方向端部1aが確実に多量のゴム5aにて覆われ
ることとなる。このため、帯板1の幅方向端部1aでの
ゴムのめくれはなくなり、耐久性のアップが図られるこ
ととなる。 【0020】更に、フック金具3は帯板1に溶接される
が、この例ではフック金具3は履帯シューのゴムパッド
5の幅端より外側に突出せず、ほぼ同じ位置構造とした
ので、フック金具3の耐久性が向上する。 【0021】又、この帯板1の幅方向端部1aに配置さ
れたフック金具3もゴム中に埋設されることとなり、耐
久性の向上にも寄与することになる。又、ここに用いら
れるフック金具3の拡大図を図9に示すが、フック金具
3の材質は例えば圧延鋼又はバネ鋼等であり、フックの
金具3の先端を内側に湾曲させてフック金具3の間隔d
を狭めてあり、履板の厚さよりも狭い間隔とするのが履
板11の固定に都合がよい。 【0022】図6に示した履板シュ−の耐久試験を行っ
た。この試験にあって、用いた履板シュ−は6トン用の
ものであり、ゴムパッド5の幅は450mm、帯板11
の幅は430mmであり、従って帯板11の幅端1aに
はゴム5aが10mm存在している。一方、比較例とし
ては帯板11の幅も450mmであり、帯板11の幅端
にはゴムが存在しない履帯シュ−を用いた。連続走行試
験の結果、本発明の履帯シュ−にあっては連続走行50
時間以上の耐久性が確保されたのに対し、比較例のもの
にあっては5時間でゴムの剥離が発生した。このことよ
り、帯板の幅端1aには10mm以上のゴム5aが存在
するのが望ましいことが分かった。 【0023】図10は本発明の履帯シュ−の更に別例を
示す断面図である。この例から分かるように履帯シュ−
の長手方向の前後には帯板1が達していない例である。
そして、好ましくは帯板1の前後端12 、13 が履板1
1のグロ−サ−111 の背丈より短く形成され、グロ−
サ−111 よりも帯板1の前後端12 、13 が突出しな
いことが望まれる。もし、帯板1の前後端12 、13 が
グロ−サ−111 よりも突出していると、この先端によ
ってゴムパッド5の亀裂破壊が簡単に発生してしまうか
らである。更に、履帯シュ−全体として前後端のゴムパ
ッド5の厚さは帯板の分だけ厚くなっており、このため
履板シュ−の走行時に石等に乗り上げた際に生じるゴム
パッド5の圧壊がゴム厚が厚くなることで改善されると
いう効果もある。 【0024】 【発明の効果】本発明は以上の通りであって、履帯シュ
−と履板とがフック金具で装着される方法を採用したた
め、その装着作業性は著しく向上した。そして、履帯シ
ュ−の耐久性が極めて高くなるという特徴を兼ね備えて
いる。
である。 【図2】図2は図1における履帯シュ−の正面図であ
る。 【図3】図3は図1における履帯シュ−の主要部での切
断側面図である。 【図4】図4は本発明の履帯シュ−の別例を示すもの
で、帯板のみを取り出した正面図である。 【図5】図5は本発明の履帯シュ−の別例の切断側面図
である。 【図6】図6は本発明の履帯シュ−の別例を示す接地面
側の平面図である。 【図7】図7は図6の正面図である。 【図8】図8は図6の主要部での断面図である。 【図9】図9は図6に示したフック金具の拡大斜視図で
ある。 【図10】図10は本発明の履帯シュ−の更に別例を示
す断面図である。 【図11】図11は従来の履帯シュ−を示す断面図であ
る。 【符号の説明】 1‥‥帯板、10 ‥‥帯板のグロ−サ−、11 ‥‥帯板
のグロ−サ−間の底面、1a‥‥帯板の幅方向端部、2
‥‥袋ナット、3‥‥フック金具、30 ‥‥フック金具
の先端、4‥‥ボルト孔、5‥‥ゴムパッド、5a‥‥
帯板の幅方向端部を覆うゴム部、11‥‥リンクにて無
端状に連結された履板、110 ‥‥履板の一方端縁、1
11 ‥‥履板のグロ−サ−、12‥‥履板のボルト孔、
13‥‥ボルト、14‥‥フック金具の接地面側に接着
されたゴム弾性体。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 リンクにて無端状に連結される履板に装
着される履帯シューであって、当該履帯シューは帯板と
この帯板の外周側に接着されたゴムパッドと帯板の一方
端縁に内向きのフック金具とを備えたものであり、帯板
の他方側にはゴムパッド内にナットを埋設してなり、車
両の進行方向に直交する履帯シュー幅方向の前記帯板長
さは、同方向の前記ゴムパッド長さよりも短く形成さ
れ、前記フック金具を前記履板の幅方向の端縁に係止
し、リンク側から履板を挟んでボルト差し込んで前記ナ
ットと装着することを特徴とする履帯シュー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000018023A JP3457608B2 (ja) | 1995-11-06 | 2000-01-25 | 履帯シュ− |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31398398A JPH11198874A (ja) | 1995-11-06 | 1998-10-16 | 履帯シュ− |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31398398A Division JPH11198874A (ja) | 1995-11-06 | 1998-10-16 | 履帯シュ− |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8011739B2 (en) | 2006-09-13 | 2011-09-06 | Wirtgen Gmbh | Replaceable wear pad |
-
2000
- 2000-01-25 JP JP2000018023A patent/JP3457608B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000159163A (ja) | 2000-06-13 |
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