JP2003072316A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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Abstract
ら、通過騒音の悪化を抑制する。 【解決手段】 帯状プライ13を螺旋巻きしてなるエッ
ジバンドプライ9Aの伸び抗力値Kを次式(1)で定め
たとき、 K=S×M×D/100 −−−(1) (式中、Sはバンドコード1本当たりの断面積(単位;
mm2 )、Mは伸び2%時におけるモジュラス(単位、N
/mm2 )、Dはバンドコードの配列密度(単位;本/c
m))この伸び抗力値Kと、エッジバンドプライの巾W
Aのベルト層7の巾WBに対する巾比WA/WBとにお
いて、エッジバンドプライは、以下の範囲とした。K=
120〜246かつWA/WB=0.2〜0.5、又は
K=246〜276かつWA/WB=0〜0.5、又は
K=276〜450かつWA/WB=0〜0.41
Description
抑えながらロードノイズを低減しうる空気入りラジアル
タイヤに関する。
りラジアルタイヤでは、高速耐久性を向上するために、
ベルト層の外側に、バンドコードを螺旋状に巻回させた
バンドプライからなるバンド層を設けることが行われて
いる。そして、このようなバンド層を設けると、周波数
250Hz付近のロードノイズ(車内騒音)が低減される
ことが判明し、特にバンドコードのモジュラスを大とす
ることにより、ロードノイズ低減効果をより大きくしう
ることも分かってきた。
果、バンド層に高モジュラスのバンドコードを用いた場
合、ロードノイズは低減されるものの、車室外で聴取さ
れる通過騒音(車外騒音)が悪化することが判明した。
ためには、バンドプライとして、ベルト層の両端部を覆
う左右一対のエッジバンドプライを用いることが望まし
く、しかも、エッジバンドプライのベルト層への拘束
力、及びエッジバンドプライの巾を所定範囲に規制する
ことにより、ロードノイズの低減効果を有効に発揮させ
ながら通過騒音の悪化を抑制しうることを見出し得た。
るとともに、このエッジバンドプライのベルト層への拘
束力、及び巾を所定範囲に規制することを基本として、
ロードノイズの低減効果を有効に発揮させながら通過騒
音の悪化を抑制しうる空気入りラジアルタイヤの提供を
目的としている。
に、本願請求項1の発明は、トレッド部の内方かつカー
カスの外側に配されるベルト層と、このベルト層の両端
部かつその外側に配される両側のエッジバンドプライか
らなるバンド層とを具える空気入りラジアルタイヤであ
って、前記エッジバンドプライは、1本又は複数本のバ
ンドコードを引揃えてトッピングゴム中に埋設したテー
プ状の帯状プライを螺旋巻きすることにより形成される
とともに、このエッジバンドプライは、前記バンドコー
ドの1本当たりの断面積をS(単位;mm2 )、伸び2%
時におけるモジュラスをM(単位;N/mm2 )、エッジ
バンドプライの巾1cm当たりのバンドコードの配列密度
をD(単位;本/cm)としたき、次式 K=S×M×D/100 −−−(1) で定まる伸び抗力値K(単位;N・本/cm)と、前記エ
ッジバンドプライの巾WAのベルト層の巾WBに対する
巾比WA/WBとにおいて、前記エッジバンドプライ
は、前記伸び抗力値Kが120以上かつ246未満の範
囲、しかも巾比WA/WBが0.2以上かつ0.5以下
の範囲とするか、前記伸び抗力値Kが246以上かつ2
76未満の範囲、しかも巾比WA/WBが0より大かつ
0.5以下の範囲とするか、又は前記伸び抗力値Kが2
76以上かつ450以下の範囲、しかも巾比WA/WB
が0より大かつ0.41以下の範囲としたことを特徴と
している。
プライは、前記伸び抗力値Kが120以上かつ246未
満の範囲、しかも巾比WA/WBが0.41以上かつ
0.5以下の範囲とするか、又は前記伸び抗力値Kが2
46以上かつ450以下の範囲、しかも巾比WA/WB
が0より大かつ0.14以下の範囲としたことを特徴と
している。
図示例とともに説明する。図1は、本実施形態の空気入
りラジアルタイヤの子午断面図を示している。
(以下タイヤ1という)は、トレッド部2からサイドウ
ォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカー
カス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半
径方向外側に配されるベルト層7と、該ベルト層7の半
径方向外側に配されるバンド層9とを具えている。
ヤ赤道Cに対して例えば75゜〜90゜の角度で配列し
た1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構
成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア
5、5間に跨る本体部6aの両端に、前記ビードコア5
の廻りで内側から外側に折り返される折返し部6bを有
するとともに、該本体部6aと折返し部6bとの間に
は、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状
にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配
置される。
エステルコードが採用されるが、これ以外にもナイロ
ン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや必要に
よりスチールコードをも採用しうる。
ヤ赤道Cに対して例えば15〜45°の角度で配列した
2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bを前
記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成され
る。なお半径方向内側のベルトプライ7Aのプライ巾
は、外側のベルトプライ7Bに比べて巾広に形成される
ことにより、このプライ巾が前記ベルト層7の巾BWを
なす。前記ベルトコードとしては、本例ではスチールコ
ードを採用しているが、ポリエチレンナフタレート(P
EN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、芳香
族ポリアミド等の高モジュラスの有機繊維コードも必要
に応じて用いうる。
を、ベルト層7の両端部を覆う左右一対のエッジバンド
プライ9A、9Aにより形成している。その理由は、エ
ッジバンドプライ9Aは、ベルト層7の全体を覆うフル
バンドプライに比して重量の増加が少なく、しかもほぼ
同レベルのロードノイズ低減効果を発揮しながら、通過
騒音の悪化を低く抑えることが可能になるからである。
ヤ軸方向外端が、巾広の前記ベルトプライ7Aの外端と
ほぼ整一して配されている。
ように、1本又は複数本のバンドコード11を引揃えて
トッピングゴム12中に埋設した小巾テープ状の帯状プ
ライ13をタイヤ周方向に沿って螺旋巻することにより
形成され、このバンドコード11とタイヤ周方向とのな
す角度を5度以下に設定している。このような帯状プラ
イ13の螺旋巻により形成されたエッジバンドプライ9
Aは、継ぎ目のないいわゆるジョイントレス構造をなす
ため、タイヤのユニフォミティに優れかつベルト層7を
強固かつ確実に拘束するのに役立つ。
バンドコード11を埋設した、巾W1が例えば10mm
程度の帯状プライ13を用いている。
に螺旋巻きするに際しては、隣り合う帯状プライ13の
側縁が接するように巻き付けることが、均一性のために
好ましいが、側縁を離間させて巻き付ける、或いは側縁
を重ね合わせて巻き付けるなど種々の巻き付け方法が採
用できる。
ードノイズ低減効果を得るために、例えばポリエチレン
ナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、芳香族ポリアミド、ポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾール(PBO)等の高モジュラスの有
機繊維コードを用いている。そして、このような高モジ
ュラスの有機繊維コードを使用することによる通過騒音
の悪化を極力抑えるために、バンド層9をエッジバンド
プライ9A、9Aで形成する一方、次式(1)で定める
エッジバンドプライ9Aの伸び抗力値Kと、前記エッジ
バンドプライの巾WAのベルト層の巾WBに対する巾比
WA/WBとにおいて、前記エッジバンドプライ9A
を、 伸び抗力値Kが120以上かつ246未満の範囲、
しかも巾比WA/WBが0.2以上かつ0.5以下の範
囲、とするか 伸び抗力値Kが246以上かつ276未満の範囲、
しかも巾比WA/WBが0より大かつ0.5以下の範
囲、とするか 伸び抗力値Kが276以上かつ450以下の範囲、
しかも巾比WA/WBが0より大かつ0.41以下の範
囲、に規制している。
mm2 )、Mはバンドコードの1本当たりの伸び2%時に
おけるモジュラス(単位、N/mm2 )、Dはフルバンド
プライの巾1cm当たりのバンドコードの配列密度(単
位;本/cm)である。なお、前記モジュラスMは、JI
S L1017に準拠して測定した値でり、また前記配
列密度Dは、エッジバンドプライ9Aにおけるバンドコ
ード11のトータル本数をその巾WAで除すことにより
求めた平均値である。
ドプライ9Aの単位巾当たりかつ単位長さ当たりの伸び
に対する抗力の指標を示す値であって、この値Kが大き
いほどベルト層7への拘束力は大となる。
5、即ち、左右のエッジバンドプライ9A、9Aがタイ
ヤ赤道C上で実質的に接する場合を包含するが、バンド
コードが一端から他端に至り連続する一般のフルバンド
プライとは明確に区別される。
えた種々のタイヤを試作し、伸び抗力値Kと、巾比WA
/WBとをそれぞれ変化させたときの、ロードノイズ及
び通過騒音に与える影響について研究した。その結果を
図3、4に示す。
をx軸、巾比WA/WBをy軸、そのときのロードノイ
ズをz軸にそれぞれプロットして得た、伸び抗力値Kと
巾比WA/WBとロードノイズとの三次元的関係を、z
軸側からみた鳥瞰図である。図中の曲線は、各プロット
値から推測されるロードノイズの等高線に相当してい
る。なおロードノイズは、後述する
測定した比較例1(ナイロンコードのエッジバンドプラ
イ(伸び抗力値Kが80N・本/cm、巾比WA/WBが
0.5))の250Hzバンドの騒音レベル(dB)を基
準とし、この基準からの変化量としている。マイナス表
示は、比較例1よりロードノイズが小さく良好である。
Kが大、かつ巾比WA/WBが大な領域で、ロードノイ
ズ低減効果が高い。従って、斜線で示す領域Y1、即
ち、(a) 伸び抗力値Kが120以上かつ246未満
で、しかも巾比WA/WBが0.2以上かつ0.5以下
の範囲、及び(b) 伸び抗力値Kが246以上かつ4
50以下で、しかも巾比WA/WBが0より大かつ0.
5以下の範囲、において、少なくとも−0.3dB以上
の低減効果が確保できる。
Kをx軸、巾比WA/WBをy軸、そのときの通過騒音
をz軸にそれぞれプロットして得た、伸び抗力値Kと巾
比WA/WBと通過騒音との三次元的関係を、z軸側か
らみた鳥瞰図として示している。図中の曲線は、各プロ
ット値から推測される通過騒音の等高線に相当してい
る。この通過騒音も同様に、後述する
した前記比較例1の通過騒音の最大レベルdB(A)を
基準とし、この基準からの変化量としている。マイナス
表示は、比較例1より通過騒音が小さく良好である。
Kが大、かつ巾比WA/WBが0.5に近い領域で、通
過騒音が大きく悪化する傾向にある。従って、斜線で示
す領域Y2、即ち、(c) 伸び抗力値Kが276以上
かつ450以下、しかも巾比WA/WBが0.41より
大かつ0.5以下の範囲、においては、エッジバンドプ
ライ9Aを用いた構造であった場合にも、ロードノイズ
と通過騒音とを両立させるのが難しいことが判明した。
Y2を削除した領域、即ち前記、、の領域におい
ては、ロードノイズと通過騒音とを両立させることが可
能であることを意味し、このことから本願が見出された
のである。
の結果、エッジバンドプライ9Aを用いた構造にあって
は、このエッジバンドプライ9Aが配されるトレッドシ
ョルダ部と、その内側のトレッドクラウン部との間の剛
性差が大となるため、接地時にすべりが生じやすくな
り、またトレッドクラウン部が丸くなって接地時のトレ
ッド部の変形量が大きくなるため、転がり抵抗が悪化す
る場合があることも判明した。
値Kと、巾比WA/WBとをそれぞれ変化させたとき
の、転がり抵抗に与える影響について研究した。その結
果を図5に示す如く、エッジバンドプライとして一般的
な巾比WA/WBが0.3付近を中心として、伸び抗力
値Kが大きくなるにつれ、転がり抵抗が悪化する傾向が
あることが判明した。
(d) 伸び抗力値Kが120以上かつ246未満、し
かも巾比WA/WBが0.2より大かつ0.41未満の
範囲、および(e) 伸び抗力値Kが246以上かつ4
50以下、しかも巾比WA/WBが0.14より大かつ
0.5以下の範囲においては、エッジバンドプライ9A
の構造に起因して、ロードノイズと転がり抵抗とを両立
させるのが難しことが判明した。
Y3を削除した領域、即ち 伸び抗力値Kが120以上かつ246未満、しかも
巾比WA/WBが0.41以上かつ0.5以下の範囲、
又は 伸び抗力値Kが246以上かつ450以下、しかも
巾比WA/WBが0より大かつ0.14以下の範囲にお
いては、ロードノイズと通過騒音と転がり抵抗との両立
を達成することが可能となる。
スM、配列密度Dの個々の値については特に規制しない
が、モジュラスMにおいては、10000N/mm2 以
上、さらには12000N/mm2 以上が好ましい。この
モジュラスMが小さすぎると、伸び抗力値Kを高めるた
めに断面積Sや配列密度Dが大となってタイヤの成形が
困難になりやすい他、耐久性が低下しやすい。
上、さらには0.08mm2 以上、さらには0.13〜
0.35mm2 が好ましく、断面積Sが小さすぎると、伸
び抗力値Kを高めるためにモジュラスMや配列密度Dを
大とする必要があり、材料の選定が困難となる他、前記
同様の不具合がある。逆に断面積Sが大きすぎると、タ
イヤの成形性が低下する傾向がある。
/cm)、さらには7〜13(本/cm)とするのが好まし
く、配列密度Dが小さすぎると、伸び抗力値Kを高める
ために断面積SやモジュラスMが大となるため、タイヤ
の製造コストが増大したり、またタイヤの耐久性が低下
しやすい。逆に配列密度Dが大きすぎてもゴム付着性が
低下しタイヤの耐久性を低下させる傾向がある。
が、本発明の空気入りラジアルタイヤは、乗用車用のみ
ならず、小型トラック用、重荷重用、さらには自動二輪
車用など各種のラジアルタイヤに適用できるなど、図示
の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形し
て実施しうる。
のタイヤを、表1〜4の仕様に基づき試作するととも
に、各試供タイヤのロードノイズ性能、通過騒音性能、
及び転がり抵抗性能をテストし比較した。テスト方法は
次の通りである。
kPa)にて国産FF乗用車(排気量2000cc)の
全輪に装着し、スムース路面を速度60km/hにて走
行させ、運転席左耳許位置にて1/3オクターブの25
0Hzバンドの騒音レベル(dB)を測定し、比較例1を
基準とした騒音レベルの変化量として示している。従っ
て、マイナス表示は比較例1からのロードノイズの低減
値を示す。
て、直線状のテストコース(アスファルト路面)を通過
速度53km/hで50mの距離を惰行走行させるととも
に、コースの中間点において走行中心線から側方に7.
5m、かつ路面から1.2mの位置に設置した定置マイ
クロフォンにより通過騒音の最大レベルdB(A)を測
定し、比較例1を基準とした騒音レベルの変化量として
示している。従って、マイナス表示が比較例1からの通
過騒音の低減値を示し良好である。
J)、内圧(230kPa)、荷重(4.0kN)、速
度(80km/h)の条件にて転がり抵抗を測定し、比較
例1を基準とした変化量として示している。従って、プ
ラス表示が比較例1からの転がり抵抗の増加(悪化)値
を示している。
イヤは、バンド層にエッジバンドプライを用いるととも
に、このエッジバンドプライの伸び抗力値Kと、エッジ
バンドプライのベルト層に対する巾比とをそれぞれ所定
範囲に規制しているため、ロードノイズの低減効果を有
効に発揮させながら通過騒音の悪化を抑制することがで
きる。
示す断面図である。
である。
との関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】トレッド部の内方かつカーカスの外側に配
されるベルト層と、このベルト層の両端部かつその外側
に配される両側のエッジバンドプライからなるバンド層
とを具える空気入りラジアルタイヤであって、 前記エッジバンドプライは、1本又は複数本のバンドコ
ードを引揃えてトッピングゴム中に埋設したテープ状の
帯状プライを螺旋巻きすることにより形成されるととも
に、 このエッジバンドプライは、前記バンドコードの1本当
たりの断面積をS(単位;mm2 )、伸び2%時における
モジュラスをM(単位;N/mm2 )、エッジバンドプラ
イの巾1cm当たりのバンドコードの配列密度をD(単
位;本/cm)としたき、次式 K=S×M×D/100 −−−(1) で定まる伸び抗力値K(単位;N・本/cm)と、前記エ
ッジバンドプライの巾WAのベルト層の巾WBに対する
巾比WA/WBとにおいて、 前記エッジバンドプライは、前記伸び抗力値Kが120
以上かつ246未満の範囲、しかも巾比WA/WBが
0.2以上かつ0.5以下の範囲とするか、前記伸び抗
力値Kが246以上かつ276未満の範囲、しかも巾比
WA/WBが0より大かつ0.5以下の範囲とするか、
又は前記伸び抗力値Kが276以上かつ450以下の範
囲、しかも巾比WA/WBが0より大かつ0.41以下
の範囲としたことを特徴とする空気入りラジアルタイ
ヤ。 - 【請求項2】前記エッジバンドプライは、前記伸び抗力
値Kが120以上かつ246未満の範囲、しかも巾比W
A/WBが0.41以上かつ0.5以下の範囲とする
か、又は前記伸び抗力値Kが246以上かつ450以下
の範囲、しかも巾比WA/WBが0より大かつ0.14
以下の範囲としたことを特徴とする請求項1記載の空気
入りタイヤ。
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