JP2009132201A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の高性能ラジアルタイヤが有する欠点を改良して、ロードノイズ性と乗り心地性能との双方に優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス2と、スチールコードを補強材として用いた交錯ベルト層3とを備える空気入りタイヤである。交錯ベルト層3のタイヤ半径方向外側に、ベルト補強層4が、トレッド部13の全体および/または両端部にて配設され、ベルト補強層4が、有機繊維コードを含む狭幅のストリップをタイヤ周方向に対し0°〜5°になるよう螺旋状にエンドレスに巻き付けることにより形成され、交錯ベルト層3中の単位幅あたりのスチールコードの剛性が下記式で表される関係を満足する。
(A−800)/B≧20
A:1%引張時の応力で定義されるコード引張剛性×打込み本数
B:コード3点曲げ試験で得られる、応力−曲げ変位曲線の2〜6mm押し込み変形時の傾きで定義されるコード曲げ剛性×打込み本数
【選択図】図1

Description

本発明は空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、交錯ベルト層の近傍に有機繊維コードからなるベルト補強層を有する空気入りラジアルタイヤに関する。
車輌の高級化および高品質化に伴い、特に乗用車においては車輌の低振動化および乗心地性の改良が近年急激に進みつつある中、タイヤとしての要求特性にも、低騒音、高乗心地化が求められている。中でも特に、車内に生じるノイズの低減が望まれており、かかるノイズの一つとして走行中のタイヤが路面の凹凸をひろい、その振動が伝達されて車内の空気を振動させることに基づいて発生する、いわゆるロードノイズの改良要求は、極めて高くなってきている。また、車輌の高級化に伴い、ロードノイズと乗心地性、操縦安定性等とを高いレベルで維持することが必要となる。
特に近年、改良が進められているタイヤのロードノイズ低減方法としては、交差ベルト層の外層側の全幅または両端部に、コードをゴム引きした補強層をタイヤ周方向に配置する方法がある。例えば、特許文献1には、ベルト層の少なくとも両端部を、ナイロンコードを螺旋状に巻き付けることにより形成された補強層で被覆することにより、ベルトの周方向剛性を強化する技術が開示されている。この技術は、本来スチールラジアルタイヤの高速耐久性を向上する目的で実施されることが多いが、同時にロードノイズも低減可能な手法である。
また、ロードノイズのさらなる大幅な低減を目的とする上記の改良技術として、例えば、特許文献2,3には、ベルト層の外側に配置するタイヤ周方向の補強層に、高弾性率コードを用いる技術が開示されている。さらに、特許文献4には、ベルト層の外側に配置するタイヤ周方向の補強層に、高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせ、応力−伸度曲線に変曲点を持たせた複合コードを用いる技術が開示されている。
さらにまた、特許文献5〜7には、ベルト層の外側に配置するタイヤ周方向の補強層に用いる繊維コードの特性や材質を限定する技術が開示されており、特許文献8には、ベルト層の外側に配置するタイヤ周方向の補強層を、少なくともタイヤ幅方向中央部はナイロンコードからなるものとするとともに、補強層の少なくとも一層のタイヤ幅方向両端部はポリエステルコードからなるものとする技術が開示されている。
しかし、上記したロードノイズを低減するための従来技術のうち、特許文献1等に開示されているような技術では、高速耐久性の向上とともにロードノイズの低減にも若干の効果は得られるものの、依然として、十分満足できる程度のものではなかった。また、特許文献2〜4に係る技術ではまずまずの効果が期待でき、特に、特許文献5〜7に係る技術によれば、大きなロードノイズ低減効果が得られるものであるが、その反面、乗り心地性、特に、段差乗り越し時のショックの突き上げ性については、十分満足できるものではなかった。したがって、従来技術においては、現在のタイヤにおける要求性能の必須条件ともいえる乗り心地性を十分に満足し、かつ、ロードノイズを大幅に低減できるものは存在しなかった。
特開平6−24208号公報(特許請求の範囲等) 特開平2−147407号公報(特許請求の範囲等) 特開平1−145203号公報(特許請求の範囲等) 特開平1−247204号公報(特許請求の範囲等) 特開平9−66705号公報(特許請求の範囲等) 特開2000−142025号公報(特許請求の範囲等) 特開平10−86607号公報(特許請求の範囲等) 特開平11−208212号公報(特許請求の範囲等)
上述のように、上記従来技術によれば、ロードノイズ性については満足し得るタイヤが得られるものの、タイヤの周方向剛性が高まることから、振動乗り心地性能が悪化するという別の問題が生じていた。これは、凹凸や段差のある路面を走行する場合に特に重大であり、かかる周方向の補強層を付加することで、段差乗り越し時の当たりの大きさ(ショック)およびその収まり(ダンピング)を大きく悪化させてしまうという問題点があった。したがって、段差乗り越し時等の振動乗り心地の悪化を生ずることなく、ロードノイズ性を向上できる技術の確立が望まれていた。
そこで本発明の目的は、従来の高性能ラジアルタイヤが有する上記のような欠点を改良して、ロードノイズ性と乗り心地性能との双方に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ロードノイズ改良のためのベルト補強層に用いる繊維コードの弾性率と、このベルト補強層の下に配置する主たる交錯ベルト層とが所定の関係を満足するものとすることで、上記ベルト補強層に従来のナイロン繊維以上か、従来のナイロン繊維を高弾性で処理したものを用いた場合、または、他の材質の繊維を用いた場合でも、上記の諸要求特性を同時に満足し得る空気入りタイヤが得られることを見出した。
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部間に連なるトレッド部とを有し、該ビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置され、スチールコードを補強材として用いた少なくとも2層の交錯ベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、
前記交錯ベルト層のタイヤ半径方向外側に、少なくとも1層のベルト補強層が、前記トレッド部の全体および/または両端部にて配設され、該ベルト補強層が、複数本の有機繊維コードを含むゴム引きされた狭幅のストリップを、該有機繊維コードがタイヤ周方向に対し0°〜5°になるよう、螺旋状にエンドレスに巻き付けることにより形成されてなり、かつ、
前記交錯ベルト層中の単位幅あたりのスチールコードの剛性が、下記式で表される関係を満足することを特徴とするものである。
(A−800)/B≧20
A:1%引張時の応力で定義されるコード引張剛性(kg)×打込み本数(本/50mm)
B:コード3点曲げ試験で得られる、応力−曲げ変位曲線の2〜6mm押し込み変形時の傾きで定義されるコード曲げ剛性(g/mm)×打込み本数(本/50mm)
本発明においては、前記有機繊維コードの引張り弾性率が、4400MPa以上であることが好ましい。また、前記有機繊維コードが、総表示デニール数の30%以上がポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)繊維で構成されるコード、総表示デニール数の30%以上がポリエチレンテレフタレート(PET)繊維で構成されるコード、総表示デニール数の30%以上がアラミド繊維で構成されるコード、総表示デニール数の30%以上がアラミド繊維とナイロン繊維とで構成される複合コード、総表示デニール数の30%以上がポリオレフィンケトン(POK)繊維で構成されるコードのうちのいずれかからなることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、良好なロードノイズ性と振動乗り心地性能とを両立させるとともに、操縦安定性についても向上した空気入りタイヤを実現することが可能となった。
以下、本発明の好適実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の一好適例に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図を示す。図示するように、本発明の空気入りタイヤは、左右一対のビード部11およびサイドウォール部12と、両サイドウォール部12間に連なるトレッド部13とを有している。
また、両ビード部11間にトロイド状に延在する少なくとも1枚、図示例では1枚のカーカスプライからなるカーカス2は、各ビード部11内にそれぞれ埋設されたビードコア1の周りにタイヤ内側から外側に折返して係止され、これら各部11〜13を補強している。さらに、このカーカス2のクラウン部タイヤ半径方向外側には、スチールコードを補強材として用いた少なくとも2層、図示例では2層の交錯ベルト層3が配置されている。
本発明においては、図示するように、交錯ベルト層3のタイヤ半径方向外側に、少なくとも1層のベルト補強層4が、トレッド部11の全体および/または両端部にて配設されている。図示例では、交錯ベルト層3の外周側に、トレッド部11の全体にてセリアル側〜反セリアル側にわたりベルト補強層4を一層配置し、さらに、その外周側の両端部にベルト補強層4を一層配置している。かかるベルト補強層4は、複数本の有機繊維コードを含むゴム引きされた狭幅のストリップを、この有機繊維コードがタイヤ周方向に対し0°〜5°になるよう、螺旋状にエンドレスに巻き付けることにより形成されてなるタイヤ周方向の補強層である。
このようにトレッド全体および/またはトレッド部の両端のサイド部に近い位置に、ベルト補強層4を螺旋状に巻きつけ、特には、このベルト補強層4に用いるコードのモジュラスを高めて、タイヤ周方向の張力の高いバリヤー状補強層とすることにより、トレッド部11の周方向の張力剛性が大きくなって、ベルトのいわゆるタガ効果が高まる。そのため、タイヤが走行時に路面の大小の凹凸の振動をトレッド面でひろいにくくなり、タイヤサイド部からリム部、ホイールへと伝達されて車内に伝わる振動が減少して、結果として、ロードノイズを低減する効果が得られるのである。なお、本発明において、ベルト補強層4は、図示するように、交錯ベルト層3のタイヤ軸方向外側まで延在して設けることが好ましい。
なお、ベルト補強層4に用いる有機繊維コードとしては、コード径や、コード構造、撚り数等については特に限定されるものではないが、一般の66ナイロン繊維より高弾性であることがより好ましく、その引張り弾性率が、4400MPa以上、特には10800MPa以上であるものを用いることが好適である。引張り弾性率の高い有機繊維コードを用いることで、ロードノイズ低減効果に加えて、操縦安定性の向上効果についても得ることができる。かかる有機繊維コードの材質としては、具体的には例えば、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アラミド繊維、アラミド−ナイロン複合コード、ポリオレフィンケトン繊維等が非常に好適である。ただし、66ナイロン繊維でもある程度の効果は得られる。より好ましくは、総表示デニール数の30%以上が、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アラミド繊維若しくはポリオレフィンケトン繊維で構成されるコードを挙げることができる。また、有機繊維コードとしては、単一の有機繊維からなるものの他、上記有機繊維と他の有機繊維とを合糸、または複合コードとしたものを用いてもよい。具体的には例えば、総表示デニール数の30%以上、特には45%以上がアラミド繊維とナイロン繊維とで構成されるアラミド−ナイロン複合コードを好適に用いることができる。
一方で、段差乗り心地性を確保するために、交錯ベルト層3を構成するスチールコードに必要な重要特性は、コードの曲げ剛性が低いこと、および、コード方向の引張り剛性が高いことである。これは以下の2つの理由による。(1)交錯ベルト層を構成するスチールコードは段差乗り越し時に曲げ変形を受けるので、曲げ剛性が小さいスチールコードのほうが当たりを低下することができる。(2)段差乗り越し時の当たりによって発生するスチールコードの微小振動は、コード方向の引張張力が高いほど減衰が速く、収まりが向上する。そのため、スチールコードは高い引張剛性を有する必要がある。
段差乗り越し時に発生するショックおよびダンピングには、スチールコードの微小振動および減衰特性が大きく影響する反面、ベルト層全体の振動の影響は小さく、ベルト層の配置、例えば、2層ベルト層の間の中間ゴム層の厚さや、ベルト角度の影響は小さい。なお、本発明者は実際に、中間ゴム層の厚さを0.1mmから2.0mmまで変更して段差乗り心地性評価を実施したが、乗り心地の改善は確認されなかった。また、ベルト層の角度を45度から75度まで変更した場合についても段差乗り心地性能評価を実施したが、乗り心地の改善は確認されなかった。
かかる観点から、本発明においては、交錯ベルト層3のスチールコードとして、以下の特定の物性を満足するコードを用いることにより、上記段差乗り心地性の改善効果についても得ることが可能となった。すなわち、本発明においては、交錯ベルト層3中の単位幅あたりのスチールコードの剛性が、下記式、
(A−800)/B≧20
で表される関係を満足するものである。ここで、AおよびBは以下のように定義される。
A:1%引張時の応力で定義されるコード引張剛性(kg)×打込み本数(本/50mm)
B:コード3点曲げ試験で得られる、応力−曲げ変位曲線の2〜6mm押し込み変形時の傾きで定義されるコード曲げ剛性(g/mm)×打込み本数(本/50mm)
スチールコードの曲げ剛性(曲げ抵抗)と引張剛性との関係が上記式を満足するものとすることで、ショックとダンピングとの両者を総合して評価される段差乗り心地性を、明確に向上することが可能となる。一方、(A−800)/Bの値が20未満であると、ショックとダンピングとの両立ができなくなり、段差乗り心地性が悪化してしまう。より好ましくは、下記式、
25≦(A−800)/B≦170
の関係を満足するスチールコードを用いる。性能面では(A−800)/Bの値が大きいほどよいが、170を超えると、生産性に不具合が出て製造不良率悪化の問題も出てくるため、170以下が好ましい。
交錯ベルト層3に用いるスチールコードとしては、上記関係式を満足するものであれば、いかなる撚り構造やフィラメント径(素線径)を有するものを用いてもよく、これにより、段差乗り心地性を改善することができる。例えば、撚り構造としては、単撚り、層撚り、複撚り、無撚り、偏平断面等のいかなるものであってもよい。
また、本発明においては、素線径が小さいコードを多い打込み本数で用いるほど、本発明の効果を有利に利用することができるが、層内で隣接するスチールコード間の距離は、好適には0.3mm以上とする。層内で隣接するスチールコード間の距離が0.3mm未満であると、スチールコード端部で発生した微細なクラックが、隣接するスチールコード相互間にまたがって成長し、その後、ベルトの積層相互間にもつながって急拡大し、ベルトセパレーションに至る亀裂進展速度が格段に速くなってしまう。層内で隣接するスチールコード間の距離は、より好適には0.4mm以上であり、例えば、0.5〜1.5mmの範囲内である。
さらに、本発明においては、スチールコードの断面形状を偏平として、かかる偏平コードを、その長径方向がベルト層の面内方向に沿うように配列させることが好ましい。これにより、より低い面外曲げ剛性を得ることができ、また、操縦安定性に必要な面内剛性も向上することができる。さらに、ゴムペネ性(ゴムペネトレーション性)の確保に対しても有効である。
断面形状が偏平なスチールコード構造としては、素線の螺旋形状が一方向に押しつぶされた単撚り構造や、互いに撚り合わされずに並列した2本の素線をコアとし、このコアの外周に沿ってシース素線を巻きつけた構造等を挙げることができる。中でも特に、2並列+4〜7構造等の、互いに撚り合わされずに並列した2本の素線をコアとし、コアの周囲に残りの素線を、少なくとも1組の隣接素線間にゴム侵入可能な隙間を有するよう撚り合わせた構造のスチールコードを適用することが好ましく、これにより、より高い面内曲げ剛性、より低い面外曲げ剛性および良好なゴムペネ性を得ることができる。
図2〜図7に、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図を示す。これらはいずれもベルト補強層4の配置例を示したものであるが、本発明において、ベルト補強層4の配置はこれら例示に限定されない。図2は、トレッド部13の両端部にベルト補強層4を一層巻き付けた場合を示す。図3は、トレッド部13の両端部に、ベルト補強層4を2層巻き付けた例を示す。図4は、トレッド部13の全体に1層、および、両端部に2層、ベルト補強層4を巻き付けた例を示す。図5は、トレッド部13の全体に、ベルト補強層4を1層巻き付けた例を示す。図6は、トレッド部13の全体に2層、および、両端部に1層、ベルト補強層4を巻き付けた例を示す。図7は、トレッド部13の全体に、ベルト補強層4を2層巻き付けた例を示す。例えば、このうち図2,図3のような構造は、軽量化の点から、通常の乗用車に好ましく使用される。また、図1,図4〜図6のような構造は、補強効果の点から、重荷重用の乗用車および高速性能を重視したスポーツカー等に好ましく用いられる。
本発明においては、ベルト補強層および交錯ベルト層に用いるスチールコードについて上記条件を満足するものであればよく、それ以外のタイヤ構造の詳細や各部材の材質等については、特に制限されるものではなく、従来公知のもののうちから適宜選択して構成することができる。例えば、本発明のタイヤにおいて、交錯ベルト層の層数は少なくとも2層、好適には1〜4層であって、コードが互いに異なる方向に交差するように重ね合わされており、そのタイヤ周方向に対する角度は、例えば、タイヤ周方向に対し10°〜60°、特には25°〜40°とすることができる。また、カーカス2は好適にはラジアルカーカスとし、その配設枚数は1〜4枚とすることができる。さらに、図示はしないが、ビードコア1のタイヤ半径方向外側にはビードフィラーが配置されており、トレッド部の表面には適宜トレッドパターンが形成され、タイヤの最内層にはインナーライナーが配置される。また、本発明のタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を変えた空気、または窒素等の不活性ガスを用いることが可能である。
以下、本発明を、実施例を用いてより具体的に説明する。
以下に示す条件にしたがって、タイヤサイズ225/45R17の供試タイヤを作製した。交錯ベルト層は2層とし、下記の表中に示すコード構造のスチールコードをそれぞれ適用した。交錯ベルト層のタイヤ周方向に対する角度は±27°であり、互いに交差するように重ね合わせて配置した。
また、ベルト補強層は、下記の表中にそれぞれ示す有機繊維コード(ポリオレフィンケトン繊維コード、ポリエチレンテレフタレート繊維コード、ポリエチレン2,6−ナフタレート繊維コード、ナイロン−アラミド複合撚り繊維コード、アラミド繊維コードおよび66ナイロン繊維コード)を複数本含むゴム引きされた狭幅のストリップを、有機繊維コードがタイヤ周方向に対し0°〜5°になるよう、螺旋状にエンドレスに巻き付けることにより形成した。ベルト補強層の有機繊維コードとしては、表示デシテックスが1670dtex/2、下撚りが39回/10cm、上撚りが39回/10cm(撚り数が下×上(回/10cm)39×39と表示)のものを用いた。また、その配置形態は、実施例6については図5に示す配置、実施例8については図4に示す配置とし、それ以外はすべて図1に示すように配置した。
得られた各供試タイヤについて、以下の試験を実施した。その結果を、下記の表中に併せて示す。
<乗り心地性試験>
各供試タイヤに標準規定内圧を充填し、JATMA規格に定める標準リムに装着して、タイヤ実車テストを行った。テストは、各供試タイヤをセダンタイプの自動車に4輪とも装着し、2名が乗車して、乗り心地性評価テストコースを走行させることにより実施した。具体的には、速度60km/時で、路面幅×高さ2センチメートル×長さ3センチメートルの突起段差を乗り越した際の突き上げ感の、(1)大きさ(ショック)および(2)収まり(ダンピング)について、それぞれ1〜5点の評点をつけ、各項目を平均して、段差乗り心地性の評点とした。なお、評価は専門のドライバー2名で行い、2名の評点の平均を求めた。段差乗り心地性の総合評価が3点以上であれば問題なく、3点未満であると、ドライバーは明確に不快に感じる。
<ロードノイズ試験>
各供試タイヤをセダンタイプの自動車に4輪とも装着し、テストコースのロードノイズ評価路を速度60km/時で走行させ、1〜5点の評点を付け、各項目を平均してロードノイズの評点とした。なお、評価は専門ドライバー3名で行い、3名の評点の平均を求めた。この値が高いほど、ロードノイズ性が良好である。
<操縦安定性試験>
各供試タイヤをセダンタイプの自動車に4輪とも装着し、操縦安定性評価テストコースを走行させた。具体的には、各供試タイヤを乗用車に装着し、速度60〜200km/時で実車フィーリングテストを実施し、(i)直進安定性、(ii)旋回安定性、(iii)剛性感、(iv)ハンドリング等の項目について1〜5点の評価をつけ、各項目を平均して操縦安定性の評点とした。なお、評価は専門ドライバー3名で行い、3名の評点の平均を求めた。この値が高いほど、操縦安定性が良好である。
Figure 2009132201
*1)B:コード3点曲げ試験で得られる、応力−曲げ変位曲線の2〜6mm押し込み変形時の傾きで定義されるコード曲げ剛性(g/mm)×打込み本数(本/50mm)
*2)A:1%引張時の応力で定義されるコード引張剛性(kg)×打込み本数(本/50mm)
Figure 2009132201
Figure 2009132201
上記表中に示すように、本発明の条件を満足するベルト補強層および交錯ベルト層を用いた実施例の供試タイヤにおいては、ロードノイズを低減しつつ段差乗り心地性を改善することができ、さらに、操縦安定性についても向上できることが確かめられた。
本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向片側断面図である。
符号の説明
1 ビードコア
2 カーカス
3 交錯ベルト層
4 ベルト補強層
11 ビード部
12 サイドウォール部
13 トレッド部

Claims (7)

  1. 左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部間に連なるトレッド部とを有し、該ビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置され、スチールコードを補強材として用いた少なくとも2層の交錯ベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記交錯ベルト層のタイヤ半径方向外側に、少なくとも1層のベルト補強層が、前記トレッド部の全体および/または両端部にて配設され、該ベルト補強層が、複数本の有機繊維コードを含むゴム引きされた狭幅のストリップを、該有機繊維コードがタイヤ周方向に対し0°〜5°になるよう、螺旋状にエンドレスに巻き付けることにより形成されてなり、かつ、
    前記交錯ベルト層中の単位幅あたりのスチールコードの剛性が、下記式で表される関係を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
    (A−800)/B≧20
    A:1%引張時の応力で定義されるコード引張剛性(kg)×打込み本数(本/50mm)
    B:コード3点曲げ試験で得られる、応力−曲げ変位曲線の2〜6mm押し込み変形時の傾きで定義されるコード曲げ剛性(g/mm)×打込み本数(本/50mm)
  2. 前記有機繊維コードの引張り弾性率が4400MPa以上である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記有機繊維コードが、総表示デニール数の30%以上がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維で構成されるコードからなる請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記有機繊維コードが、総表示デニール数の30%以上がポリエチレンテレフタレート繊維で構成されるコードからなる請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記有機繊維コードが、総表示デニール数の30%以上がアラミド繊維で構成されるコードからなる請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記有機繊維コードが、総表示デニール数の30%以上がアラミド繊維とナイロン繊維とで構成される複合コードからなる請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記有機繊維コードが、総表示デニール数の30%以上がポリオレフィンケトン繊維で構成されるコードからなる請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
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