JP2003068896A - メモリ膜およびその製造方法、並びにメモリ素子、半導体記憶装置、半導体集積回路および携帯電子機器 - Google Patents

メモリ膜およびその製造方法、並びにメモリ素子、半導体記憶装置、半導体集積回路および携帯電子機器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧で動作可能な、メモリ膜を提供するこ
と。 【解決手段】 第1の電極となる半導体基板211と、
半導体基板211上に形成された第1の絶縁膜212
と、第1の絶縁膜212上に形成された第1の導電体膜
213と、第1の導電体膜213上に形成された第2の
導電体からなる微粒子221を含む窒化シリコン膜23
1と、シリコン窒化膜231上に形成された第2の電極
となる第3の導電体膜219とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メモリ膜およびそ
の製造方法、並びにメモリ素子、半導体記憶装置、半導
体集積回路、および携帯電子機器に関する。より具体的
には、窒化シリコンと導電体を含むメモリ膜、およびそ
の製造方法、並びにそのようなメモリ膜を有するメモリ
素子に関する。また、そのようなメモリ素子を有する半
導体記憶装置、半導体集積回路および携帯電子機器に関
する。
【0002】
【従来の技術】電荷を蓄積するメモリ膜をゲート絶縁膜
中に備えた電界効果トランジスタを、メモリ素子として
用いる従来技術として、フラッシュメモリが挙げられ
る。フラッシュメモリには、コントロールゲートとチャ
ネル領域との間の絶縁膜中に、フローティングゲートと
呼ばれる導電体膜がある。チャネル領域からフローティ
ングゲートへ、FN(ファウラーノルドハイム)トンネ
リングにより電子を注入または放出することにより、フ
ローティングゲート中の電荷量を変化させ、この電荷量
の寡多を記憶情報として保持する。記憶情報の読み出し
には、フローティングゲート中の電荷量の寡多を、電界
効果トランジスタの閾値の差として検知することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、動作電圧が高いという問題があった。フ
ラッシュメモリの動作例としては、例えば、書き込み時
には選択ワード線に−8V、選択ビット線に6Vを印加
し、消去時には選択ワード線に10V、ビット線に−8
Vを印加する。このように動作電圧が高いため、書き込
み及び消去時の消費電力が大きく、低消費電力化を阻害
していた。また、ゲート絶縁膜に高電界がかかるため、
素子の劣化が問題になっていた。
【0004】そこで、本発明の課題は、低電圧で動作可
能な、メモリ膜およびその製造方法を提供することにあ
る。また、本発明の課題は、そのようなメモリ膜を有す
るメモリ素子を提供することにある。さらに、本発明の
課題は、そのようなメモリ素子を有する半導体記憶装
置、半導体集積回路および携帯電子機器を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の発明であるメモリ膜は、第1の電極となる半
導体基板と、上記半導体基板上に形成された第1の絶縁
膜と、上記第1の絶縁膜上に形成された第1の導電体膜
と、上記第1の導電体膜上に形成された、シリコン窒化
膜と第2の導電体膜とからなる積層膜と、上記積層膜上
に形成された第2の電極となる第3の導電体膜とからな
ることを特徴としている。
【0006】この第1の発明によれば、上記半導体基板
と上記第3の導電体膜が夫々電極となり、上記第1の導
電体膜および上記積層膜とが電荷蓄積部となってメモリ
膜を構成する。このメモリ膜は、低電圧(例えば±3
V)で書き込み・消去が行われ、ヒステリシス特性を持
つ。特に、第2の導電体膜がシリコン窒化膜と積層膜を
なしているために、ヒステリシス特性が増大している。
しかも、例えば1Vでは、記憶は破壊されないため、非
破壊読出しが可能である。したがって、従来技術のフラ
ッシュメモリのメモリ膜に比べて著しく低電圧動作が可
能である。また、低電圧動作が可能なことにより、メモ
リ膜の劣化を抑制することができる。したがって、低電
圧で信頼性の高いメモリ膜が提供される。
【0007】一実施形態では、上記積層膜はシリコン窒
化膜と第2の導電体膜とを交互に複数回積層して形成さ
れていることを特徴としている。
【0008】この実施形態によれば、上記第2の導電体
膜が2層以上あるので、特に大きなヒステリシス特性が
現れる。なお、上記第2の導電体膜が3層以下であれ
ば、メモリ膜が薄く、素子の微細化が容易である。
【0009】また、第2の発明のメモリ膜は、第1の電
極となる半導体基板と、上記半導体基板上に形成された
第1の絶縁膜と、上記第1の絶縁膜上に形成された第1
の導電体膜と、上記第1の導電体膜上に形成された第2
の導電体からなる微粒子を含む窒化シリコン膜と、上記
シリコン窒化膜上に形成された第2の電極となる第3の
導電体膜とからなることを特徴としている。
【0010】この明細書において、「微粒子」とは、ナ
ノメートル(nm)オーダーの寸法を持つ粒子を意味す
る。
【0011】この第2の発明によってもまた、第1の発
明のメモリ膜と同様な作用・効果を得ることができる。
【0012】また、第3の発明のメモリ膜は、第1の電
極となる半導体基板と、上記半導体基板上に形成された
第1の絶縁膜と、上記第1の絶縁膜上に形成された第1
の導電体膜と、上記第1の導電体膜上に形成され、第2
の絶縁膜で覆われた第2の導電体からなる微粒子と、上
記微粒子間に散在する窒化シリコンと、上記微粒子上に
形成された第2の電極となる第3の導電体膜とからなる
ことを特徴としている。
【0013】この第3の発明によってもまた、第1の発
明のメモリ膜と同様な作用・効果を得ることができる。
【0014】一実施形態では、上記第2または第3の発
明のメモリ膜において、上記第1の絶縁膜の厚さは2n
m乃至5nmの範囲内であり、第2の導電体からなる微
粒子の直径は3nm乃至7nmの範囲内であることを特
徴としている。
【0015】この実施形態によれば、上記第1の絶縁膜
の厚さを2nm乃至5nmの範囲内としているので、電
荷がトンネル現象で絶縁膜を透過する確率が増して記憶
保持時間が減少したり、短チャネル効果が増して素子の
微細化が困難となることを防ぐことができる。また、上
記導電体の微粒子の直径を3nm乃至7nmの範囲内と
しているので、量子サイズ効果が大きくなって電荷の移
動に大きな電圧が必要となったり、素子の微細化に伴っ
て素子毎の微粒子数のばらつきが大きくなり、素子特性
がばらつくのを防ぐことができる。したがって、記憶保
持時間が長く、低電圧動作で、微細化が容易なメモリ素
子が提供される。
【0016】一実施形態では、上記第1乃至第3のいず
れかの発明のメモリ膜において、上記半導体基板、上記
第1の導電体及び第2の導電体はいずれもシリコンから
なり、上記第1の絶縁膜はシリコン酸化膜もしくはシリ
コン酸窒化膜であることを特徴としている。
【0017】この実施形態によれば、LSIの材料とし
て最も広く使われているシリコンを用いることで、メモ
リ膜を用いた素子を、他の素子と混載するのが容易とな
る。
【0018】また、第4の発明のメモリ膜の製造方法
は、第1の電極となる半導体基板上に第1の絶縁膜を形
成する工程と、上記第1の絶縁膜上に第1の導電体膜を
形成する工程と、上記第1の導電体膜上に窒化シリコン
を堆積する工程と、上記窒化シリコンを堆積する工程の
後に、第2の導電体を堆積する工程と窒化シリコンを堆
積する工程とからなる一連の工程を少なくとも1回以上
行い、上記一連の工程の後、第2の電極となる第3の導
電体膜を形成する工程とを行うことを特徴としている。
【0019】この第4の発明のメモリ膜の製造方法によ
れば、第1の電極となる上記半導体基板上に上記第1の
絶縁膜を介して上記第1の導電体膜が形成され、上記第
1の導電体膜上に窒化シリコン膜と第2の導電体膜との
積層膜、または第2の導電体からなる微粒子を含む窒化
シリコン膜、または第2の絶縁膜で覆われた第2の導電
体からなる微粒子と窒化シリコンとの混合膜のいずれか
が形成され、その後に第2の電極となる上記第3の導電
体膜が形成される。それゆえ、上記半導体基板と上記第
3の導電体膜が夫々電極となり、上記第1の導電体膜
と、窒化シリコン膜と第2の導電体膜との積層膜、また
は第2の導電体からなる微粒子を含む窒化シリコン膜、
または第2の絶縁膜で覆われた第2の導電体からなる微
粒子と窒化シリコンとの混合膜とが電荷蓄積部となっ
て、メモリ膜を構成する。このようにして形成されたメ
モリ膜は低電圧での書き込み・消去および非破壊読み出
しが可能である。さらには、窒化シリコンの存在によ
り、大きなヒステリシス特性を得ることができる。
【0020】一実施形態では、上記第1の導電体膜及び
上記第2の導電体はいずれもシリコンであり、上記第1
の絶縁膜上に第1の導電体膜を形成する工程と、上記第
2の導電体を堆積する工程と上記窒化シリコンを堆積す
る工程とは化学的気相成長法によることを特徴としてい
る。
【0021】この実施形態によれば、上記第1の導電体
膜の形成以降(第3の導電体膜の形成は除く)の工程
は、全て化学的気相成長法によるものである。このよう
に単純な工程の繰り返しにより、再現性よくヒステリシ
ス特性の顕著なメモリ膜を製造することができる。ま
た、上記化学的気相成長法による工程における堆積条件
(温度)を変えるだけで第1乃至第3の発明のメモリ膜
を作り分けることが可能である。
【0022】一実施形態では、上記窒化シリコンを堆積
する工程の後であって、上記第2の導電体を堆積する工
程の前に熱酸化工程を行うことを特徴としている。
【0023】上記実施形態によれば、上記第2の導電体
の微粒子または膜と窒化シリコンとの間に酸化膜が形成
される。この結果、メモリ膜の保持時間のばらつきを低
減し、メモリ膜の信頼性を高めることができる。
【0024】一実施形態では、上記第2の導電体を堆積
する工程の後であって、上記窒化シリコンを堆積する工
程の前に熱酸化工程を行うことを特徴としている。
【0025】この実施形態によってもまた、上記第2の
導電体の微粒子または膜と窒化シリコンとの間に酸化膜
が形成される。この結果、メモリ膜の保持時間のばらつ
きを低減し、メモリ膜の信頼性を高めることができる。
【0026】一実施形態では、上記一連の工程内で最後
に行われる上記窒化シリコンを堆積する工程の後であっ
て、上記第2の電極となる第3の導電体膜を形成する工
程の前に、熱酸化工程を行うことを特徴としている。
【0027】上記実施形態によってもまた、メモリ膜の
保持時間のばらつきを低減し、メモリ膜の信頼性を高め
ることができる。
【0028】また、第5の発明のメモリ素子は、浮遊ゲ
ートを有する電界効果型トランジスタを備え、上記浮遊
ゲートが上記第1乃至第3のいずれかの発明のメモリ膜
からなることを特徴としている。
【0029】この第5の発明のメモリ素子は、浮遊ゲー
トを有する電界効果型トランジスタを備え、上記浮遊ゲ
ートが上記第1乃至第3のいずれかの発明のメモリ膜か
らなる電界効果トランジスタ型メモリ素子である。これ
により、例えば、±3Vでの書きこみおよび消去、1V
での非破壊読出しが可能である。したがって、従来技術
のフラッシュメモリに比べて著しい低電圧動作が可能
で、低消費電力化が可能となり、素子の信頼性が向上す
る。
【0030】一実施形態では、上記電界効果型トランジ
スタがSOI基板上に形成されたことを特徴としてい
る。
【0031】この実施形態によれば、ソース領域および
ドレイン領域と、ボディとの接合容量を非常に小さくす
ることができる。さらにまた、SOI基板を用いると、
ソース領域およびドレイン領域の深さを浅くするのが容
易であり、短チャネル効果を抑制し、メモリ素子を更に
微細化することができる。
【0032】また、第6の発明である半導体集積回路
は、上記第5の発明のメモリ素子を集積したことを特徴
としている。
【0033】この第6の発明によれば、低電源電圧で動
作可能で、低消費電力であるメモリ集積回路が提供され
る。
【0034】また、第7の発明である半導体記憶装置
は、半導体基板の表面に、一方向に蛇行して延びる複数
の素子分離領域が上記一方向に垂直な方向に関して並ん
で形成されて、隣り合う素子分離領域の間にそれぞれ上
記一方向に蛇行して延びる活性領域が定められ、上記各
活性領域内の蛇行の各折り返し個所に、それぞれソース
領域またはドレイン領域として働く不純物拡散領域が形
成されて、同一の活性領域内で隣り合う上記不純物拡散
領域の間にそれぞれチャネル領域が定められ、上記半導
体基板上に、上記一方向に垂直な方向にストレートに延
びる複数のワード線が、それぞれメモリ機能を有する膜
を介して各活性領域内のチャンネル領域上を通るように
設けられ、上記半導体基板上に、上記一方向にストレー
トに延びる第1のビット線が、同一の活性領域内の蛇行
の片側の折り返し個所に設けられた上記不純物拡散領域
上を通るように設けられるとともに、上記一方向にスト
レートに延びる第2ビット線が、同一の活性領域内で蛇
行の他方の側の折り返し個所に設けられた上記不純物拡
散領域上を通るように設けられ、上記一方向に蛇行して
延びる活性領域は所定の導電型を持つウェル領域からな
り、このウェル領域が上記不純物拡散領域の下方を通し
て第3のビット線として働き、上記第1のビット線、第
2ビット線がそれぞれ直下に存する上記不純物拡散領域
とコンタクト孔を介して接続され、上記メモリ機能を有
する膜は、第1乃至第3のいずれかの発明のメモリ膜か
らなることを特徴としている。
【0035】この第7の発明によれば、各メモリセルの
メモリ膜として上記第1乃至第3のいずれかの発明のメ
モリ膜を用いているので、低電圧動作が可能である。ま
た、1つのセルの面積が4F(Fは最小加工ピッチ)
であり、従来のAND型メモリセルアレイよりも小さ
い。したがって、低消費電力化、高信頼性化、高集積化
が可能となる。
【0036】また、第8の発明である半導体記憶装置
は、半導体基板の表面に、一方向に延びる複数の素子分
離領域が上記一方向に垂直な方向に関して並んで形成さ
れて、隣り合う素子分離領域の間にそれぞれ上記一方向
に延びる活性領域が定められ、上記半導体基板上に、上
記一方向に垂直な方向に延びる複数のワード線が、それ
ぞれメモリ機能を有する膜を介して各活性領域上を通る
ように形成され、上記ワード線で覆われた上記活性領域
がチャネル領域となり、上記活性領域内の上記チャネル
領域の両側に、それぞれソース領域またはドレイン領域
として働く不純物拡散領域が形成され、上記半導体基板
上に、上記一方向に延びる第1のビット線が、上記各活
性領域上を通るように設けられ、上記第1のビット線が
直下に存する上記ソース領域とドレイン領域とのうちの
一方とコンタクト孔を介して接続され、上記半導体基板
上に、層状で上記コンタクト孔を囲むパターン孔を有す
るプレート電極が、上記ワード線および第1ビット線に
対して絶縁膜を介して電気的に絶縁された状態に形成さ
れ、上記プレート電極が直下に存する上記ソース領域と
上記ドレイン領域とのうちの他方と接続され、上記一方
向に延びる活性領域は所定の導電型を持つウェル領域か
らなり、このウェル領域が上記不純物拡散領域の下方を
通して第3ビット線として働き、上記メモリ機能を有す
る膜は、第1乃至第3のいずれかの発明のメモリ膜から
なることを特徴としている。
【0037】この第8の発明の半導体記憶装置によれ
ば、第7の発明の半導体記憶装置と同様な作用効果を奏
する上に、ビット線の1つを上記プレート電極に置きか
えているので、上記素子分離領域および上記活性領域を
蛇行させる必要がなく、ストレートに延ばすことができ
る。したがって、メモリセルの構造が単純になり、メモ
リセルアレイの歩留を向上することができる。
【0038】一実施形態の半導体記憶装置は、書き込み
時及び消去時において、選択されたメモリセルにおい
て、上記ワード線と上記第3のビット線との間の電位差
の絶対値VがV=VDDであるとき、選択ワード線もし
くは選択ビット線のどちらか一方にのみ接続されている
メモリセルにおいて、VDD/3≦V<VDD/2とな
ることを特徴としている。
【0039】この実施形態によれば、選択されたメモリ
セルのメモリ膜にかかる電圧と、非選択のメモリセルの
メモリ膜にかかる電圧の最大値との比が大きく、ランダ
ムアクセスが可能で、動作マージンの大きなメモリを実
現することが可能となる。
【0040】また、第9の発明の半導体集積回路は、第
7または第8の発明の半導体記憶装置と、ロジック回路
とを混載したことを特徴としている。
【0041】この第9の発明の半導体集積回路によれ
ば、第7または第8の発明の半導体記憶装置のセル面積
は4Fと、通常の1トランジスタ型不揮発性メモリの
メモリセル面積より小さいので,メモリが占める面積を
小さくできる。このため、チップ面積を小さくでき、歩
留りが向上すると共にチップの価格を安くすることがで
きる。更にチップ面積が一定の場合は、メモリ部の面積
が小さくなった分、論理回路や他のメモリの面積を大き
くとることができ、機能の向上を図ることができる。も
しくは、メモリの記憶容量を大きくとることができる。
その場合、例えば、大規模なプログラムを一時的に読込
み、電源を切断した後もそのプログラムを保持し、電源
を再投入した後もプログラムを実行するといったことが
可能になり、かつ、そのプログラムを他のプログラムと
入れかえることもできる。したがって、集積回路の集積
度を向上し、機能の向上を図ることができる。
【0042】また、第10の発明である携帯電子機器
は、第6または第9の発明の半導体集積回路を具備した
ことを特徴としている。
【0043】この第10の発明によれば、LSI部を高
機能化、低消費電力化することができるので、高機能で
電池寿命の長い携帯電子機器が提供される。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。
【0045】以下のメモリ膜に関する実施形態では、半
導体基板としてシリコン基板を用いた場合を示している
が、半導体であれば特にこれに限定されない。なお、以
下の実施形態では、Nチャネル型素子をメモリとした場
合について述べているが、Pチャネル型素子をメモリと
して用いてもよい。この場合は、不純物の導電型を全て
逆にすれば良い。
【0046】(第1実施形態)本発明の第1実施形態
を、図1〜図7を用いて説明する。本実施形態は、電荷
の保持が可能なメモリ膜及びその製造方法に関する。こ
の第1実施形態のメモリ膜は、第1の電極となる半導体
基板と、第2の電極となる導電体膜との間に、絶縁体お
よび導電体からなる電荷蓄積膜が挟まれた構造を有して
いる。
【0047】(1) 具体的には、この第1実施形態の
メモリ膜の構造は、次に述べる第1〜第3の構造の3種
類に分類される。
【0048】 第1の構造を有するメモリ膜の断面を
図1に示す。第1の電極となるシリコン基板111上
に、第1の絶縁膜としてのシリコン酸化膜112が形成
され、さらにシリコン酸化膜112上には第1の導電体
膜としてのポリシリコン膜113が形成されている。ポ
リシリコン膜113上には、上から順に窒化シリコン膜
118/ポリシリコン膜117/窒化シリコン膜116
/ポリシリコン膜115/窒化シリコン膜114という
ように、窒化シリコン膜とポリシリコン膜とを交互に複
数回積層してなる積層膜が形成されている。最上層の第
2の絶縁膜としての窒化シリコン膜118上には、第2
の電極となるポリシリコン膜119が形成されている。
なお、各ポリシリコン膜の表面には自然酸化膜が形成さ
れていても良いが、図1では省略している。
【0049】 第2の構造を有するメモリ膜の断面を
図2に示す。第1の電極となるシリコン基板211上
に、第1の絶縁膜としてのシリコン酸化膜212が形成
され、さらにシリコン酸化膜212上には第1の導電体
膜としてのポリシリコン膜213が形成されている。ポ
リシリコン膜213上には、第2の導電体としてのシリ
コンの微粒子を含んだ窒化シリコン膜231が形成され
ている。シリコン微粒子は、ポリシリコン膜213の近
くに存在する第1のシリコン微粒子221と、第1のシ
リコン微粒子221の斜め上方に隣接し、ポリシリコン
膜213とはやや離れた位置に存在する第2のシリコン
微粒子222とに大別される。シリコン微粒子の直径は
いずれも約5nmである。この窒化シリコン膜231上
には、第2の電極となるポリシリコン膜219が形成さ
れている。なお、各ポリシリコン膜の表面には自然酸化
膜が形成されていても良いが、図2では省略している。
なお、第1および第2のシリコン微粒子221,222
の直径は、あまりに小さいと量子サイズ効果が大きくな
って、電荷の移動に大きな電圧が必要となり、あまりに
大きいと、素子が微細化したときに素子毎の微粒子数の
ばらつきが大きくなり、素子特性がばらつく可能性があ
る。したがって、第1および第2のシリコン微粒子22
1,222の直径は3nm〜7nmであることが最も好
ましい。またシリコン酸化膜212の厚さは、あまりに
薄いとトンネル効果により電荷の保持時間が短くなり、
余りに厚いと短チャネル効果の増大により素子の微細化
が阻害されるので、2nm〜5nmであることが最も好
ましい。
【0050】 第3の構造を有するメモリ膜の断面を
図3に示す。第1の電極となるシリコン基板311上
に、第1の絶縁膜としてのシリコン酸化膜312が形成
され、さらにシリコン酸化膜312上には第1の導電体
膜としてのポリシリコン膜313が形成されている。ポ
リシリコン膜313上には、第2の絶縁膜としてのごく
薄い酸化膜332に覆われたシリコンからなる第1の微
粒子321と、第2の絶縁膜としてのごく薄い酸化膜3
32に覆われたシリコンからなる第2の微粒子322
と、これらの微粒子321,322間に散在する窒化シ
リコン331とが形成されている。また、これらを覆う
ように、第2の電極となるポリシリコン膜319が形成
されている。この第3の構造が第2の構造と異なるの
は、第1および第2の微粒子321,322が必ずしも
窒化シリコン膜で覆われていないことである。第1およ
び第2の微粒子321,322は、ポリシリコン膜31
3,319とごく薄い酸化膜332を介して接触してい
てもよい。なお、第1および第2の微粒子321,32
2の直径およびポリシリコン膜313の厚さは、第2の
構造で記載したものと同じであるのが最も好ましい。
【0051】(2) 上記第1〜第3の構造を有するメ
モリ膜の電気特性は次のようなものである。すなわち、
上記第1〜第3の構造を有するメモリ膜は、いずれもヒ
ステリシス特性を示した。例として、第2の構造を有す
るメモリ膜を用いて作製した電界効果トランジスタのゲ
ート電圧(Vg)対ドレイン電流(Id)の特性を図4に示
す。ゲート電極に−3Vおよび+3Vを印加した後の、
夫々の閾値の差(ΔVth)は、0.4Vを越えている。
第1および第3の構造を有するメモリ膜を用いて作製し
た電界効果トランジスタの電気測定においても、閾値の
差に多少の違いはあるものの、同様のヒステリシス特性
が現れた。なお、メモリ膜単独で両電極間の電圧対容量
の特性を測定しても、上記電界効果トランジスタでの測
定における閾値の差相当のヒステリシス特性が現れた。
また、ゲート電極に−1Vおよび+1Vを印加した後
は、閾値は変化しなかった。すなわち、メモリ膜に±3
Vの電圧が印加されるとメモリ膜の記憶情報が書き換え
られるが、±1Vでは書き換えが行われないことが分か
った。
【0052】なお、書き込み・消去が行われる電圧は窒
化シリコン膜の厚さにより変化した。窒化シリコン膜を
薄くしたときは、例えば、メモリ膜に±1.5Vの電圧
が印加されるとメモリ膜の記憶情報が書き換えられる
が、±0.5Vでは書き換えが行われなかった。
【0053】比較として、第2の構造と同様な構造を持
つが、窒化シリコン膜のかわりにシリコン酸化膜を用い
たメモリ膜を用いて作製した電界効果トランジスタの電
気特性を図5に示す。この場合も、ヒステリシス特性は
示すが、閾値の差は0.15V程度と小さい。すなわ
ち、窒化シリコンの存在がヒステリシスの増大に寄与し
ていることがわかった。
【0054】(3) この第1実施形態のメモリ膜の作
製手順を図6および図7を用いて説明する。ここでは、
例として第2の構造を有するメモリ膜を作製する場合を
説明するが、第1および第3の構造を有するメモリ膜を
作製する手順も同様であり、異なるのは各成膜条件のみ
である。
【0055】まず図6(a)に示すように、シリコン基
板211上に、900℃のNO雰囲気中で、2nmの
シリコン酸化膜212を形成した。なお、このシリコン
酸化膜212の形成にはCVD法を用いることもでき
る。また、シリコン酸化膜以外にも、シリコン窒化膜、
シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜、金属酸化膜
など、絶縁性を有する膜を用いても良い。なお、ゲート
酸化膜として電界効果トランジスタを形成する場合は界
面準位の少ない熱酸化法によるのが好ましい。
【0056】次に、620℃のSiH雰囲気中で減圧
化学的気相成長法(LPCVD法)によりポリシリコン
を成長させたところ、ポリシリコンは層状に成長し、厚
さ5nmのポリシリコン膜213が形成された。
【0057】次に図6(b)に示すように、800℃の
SiHClとNHとの混合気によるLPCVD法
により、ポリシリコン膜213上に厚さ約3nmの窒化
シリコン膜231を形成した。次いで、620℃のSi
雰囲気中でLPCVD法によりシリコンを成長させ
たところ、シリコンは層状には成長せず、シリコン微粒
子が散点状に形成された。かくして、窒化シリコン膜2
31上に直径約5nmの第1のシリコン微粒子221が
形成された。なお、窒化シリコン膜231の表面に沿っ
た平面内では、第1のシリコン微粒子221の形成位置
は実質的にランダムであった。
【0058】次に、800℃のSiHClとNH
との混合気によるLPCVD法により、窒化シリコンを
堆積したところ、図6(c)に示すように基板全面に膜
上に堆積し、第1のシリコン微粒子221の表面も窒化
シリコン231で覆われた。
【0059】次に、620℃のSiH雰囲気中でLP
CVD法によりシリコンを成長させたところ、図6
(d)に示すようにシリコン微粒子が散点状に形成さ
れ、直径約5nmの第2のシリコン微粒子222が形成
された。この第2のシリコン微粒子222は、第1のシ
リコン微粒子221の斜め上方に窒化シリコン膜231
を介して隣接して形成されるものが多かった。ただし、
平面方向には、第2のシリコン微粒子222の形成位置
は、第1のシリコン微粒子221の形成位置と同様に、
実質的にランダムであった。
【0060】次に、800℃のSiHClとNH
との混合気によるLPCVD法により、窒化シリコンを
堆積したところ、図7(e)に示すように基板全面に膜
状に堆積し、第2のシリコン微粒子222の表面も窒化
シリコン231で覆われた。
【0061】次に図7(f)に示すようにLPCVD法
により電極となるポリシリコン膜219を形成した。こ
れにより、電極となるシリコン基板211と電極ポリシ
リコン膜219とに挟まれたメモリ膜が完成した。第1
のシリコン微粒子と第2のシリコン微粒子を合わせたシ
リコン微粒子の数密度は、3×1011cm−2程度で
あった。
【0062】ポリシリコンをLPCVD法で堆積する際
の温度を高くすると、ポリシリコンはいずれも膜状に成
長し、第1の構造を有するメモリ膜が形成された。ま
た、窒化シリコンをLPCVD法で堆積する際の温度を
低くすると、窒化シリコンは膜状ではなく島状に成長
し、第3の構造を有するメモリ膜が形成された。
【0063】なお、基板としてシリコン基板を用いてい
るが、半導体であればこの限りではない。ポリシリコン
膜213、第1のシリコン微粒子221、第2のシリコ
ン微粒子222、電極ポリシリコン膜219は、ゲルマ
ニウム、ガリウム砒素などの半導体や、アルミニウム、
銅、銀、金などの金属でもよく、導電性を有すれば良
い。
【0064】上記製造手順によれば、ポリシリコン膜2
13、第1のシリコン微粒子221、第2のシリコン微
粒子222の形成は、いずれもLPCVD法により、窒
化シリコン膜の堆積(3回行っている)にも、いずれも
LPCVD法が用いられている。したがって、メモリ膜
部分の形成にあたっては、シリコン酸化膜212を形成
するための酸化工程1回と、LPCVD工程6回を行う
だけでよい。このように単純な工程で、大きなヒステリ
シスを持つメモリ膜を再現性よく形成することができ
る。
【0065】上記製造手順においては、1回目の窒化シ
リコン堆積工程の後、ポリシリコン堆積工程と窒化シリ
コン堆積工程とからなる一連の工程を2回繰り返してい
る。この上記一連の工程を全く行わずに電極ポリシリコ
ン219を形成したメモリ膜では、ヒステリシスはほと
んど観察されなかった。このメモリ膜の構造は、1層の
ポリシリコン膜が絶縁膜で挟まれているというものであ
った。一方、上記一連の工程を1回行った後、電極ポリ
シリコン219を形成したメモリ膜では0.2V程度の
比較的小さなヒステリシスが観察された。上記一連の工
程を3回行ったメモリ膜でも、2回行ったメモリ膜とほ
ぼ同等のヒステリシスが現れた。
【0066】以上のことから、上記一連の工程は少なく
とも1回行う必要があり、2回以上行うことがより好ま
しいことが分かった。なお、4回以上行うとメモリ膜の
実効的な膜厚がさらに厚くなる。このメモリ膜を電界効
果トランジスタのゲート絶縁膜中に導入した場合、メモ
リ膜の実効的な膜厚が厚いと短チャネル効果の抑制が難
しくなり、メモリ素子の微細化が難しくなるので、上記
一連の工程は2回〜3回とするのが最も好ましい。
【0067】なお、上記窒化シリコン堆積工程の後、ポ
リシリコン堆積工程前に熱酸化工程を行うのが好まし
い。熱酸化工程は、上記ポリシリコン堆積工程後、上記
窒化シリコン堆積前に行っても良い。これにより、シリ
コン微粒子またはポリシリコン膜と窒化シリコン膜との
間にシリコン酸化膜が形成される。この結果、メモリ膜
の保持時間のばらつきが低減し、メモリ膜の信頼性が増
した。この保持時間のばらつきの低減は、最後の窒化シ
リコン膜を堆積する工程の後、電極となるポリシリコン
膜の形成の前に熱酸化工程を行った時にも見られた。
【0068】本実施形態のメモリ膜の製造方法によれ
ば、酸化工程と、6回のLPCVD工程を含む簡単な工
程により、ヒステリシスの大きなメモリ膜を再現性よく
製造することが可能である。
【0069】また、本実施形態のメモリ膜によれば、低
電圧での書き込みおよび消去が可能であり、このメモリ
膜を電界効果トランジスタのゲート絶縁膜として用いた
場合、従来技術のフラッシュメモリのメモリ膜に比べて
著しく低電圧動作が可能なメモリ素子とすることができ
る。また、低電圧動作が可能なため、従来技術のフラッ
シュメモリで問題となっていた、高エネルギの電荷によ
るメモリ膜の劣化を抑制し、メモリ素子の信頼性を向上
することができる。
【0070】(第2実施形態)本発明の第2実施形態
を、図8を用いて説明する。本実施形態のメモリ素子
は、第1実施形態のメモリ膜を電界効果トランジスタの
浮遊ゲートとして組み込んで形成したものである。な
お、メモリ膜を構成する要素には図2中の符号と同一の
符号を付して個々の説明を省略する。
【0071】図8は、本実施形態であるメモリ素子の断
面図である。シリコン基板211上に、第1実施形態で
示した第2の構造を有するメモリ膜を介して電極ポリシ
リコン219(ゲート電極)が形成されている。メモリ
膜は、第1または第3の構造を有するものであってもよ
い。さらに、シリコン基板211表面のゲート電極21
9の両側に相当する領域にはソース領域241とドレイ
ン領域242が形成されている。
【0072】なお、本実施形態では、シリコン基板21
1はP型の導電型を持ち、ゲート電極、ソース領域及び
ドレイン領域はN型の導電型を持っており、Nチャネル
型の電界効果トランジスタとなっている。しかし、これ
に限らず、Pチャネル型の電界効果トランジスタ(N型
のシリコン基板と、P型のソース領域及びドレイン領域
を持つ)であっても良いし、ゲート電極はポリシリコン
に限らず、金属であっても良い。
【0073】本実施形態のメモリ素子は、第1実施形態
のメモリ膜を用いているので、大きなヒステリシス特性
を持つ。ヒステリシス特性は、既に図4に示した。
【0074】更に、本実施形態のメモリ素子は、第1実
施形態のメモリ膜を用いているので、低電圧での書き込
み及び消去及び非破壊読み出しが可能である。具体的に
は、例えば、±3Vでの書き込み・消去がおよび1Vで
の非破壊読み出しが可能である。したがって、低電圧動
作が可能で、低消費電力化が可能となり、素子の信頼性
が向上する。
【0075】本実施形態のメモリ素子を製造する手順
は、電界効果トランジスタを作製する公知の手順とほぼ
同じである。公知の手順と異なるのは、メモリ膜の形成
においてのみであり、メモリ膜を形成する手順は第1実
施形態に記載した通りである。すなわち、メモリ膜の形
成において必要なのは、酸化工程とLPCVD工程のみ
である。したがって、簡単な工程で電気特性が安定した
メモリ素子を形成することが可能である。
【0076】(第3実施形態)本発明の第3実施形態
を、図9を用いて説明する。本実施形態のメモリ素子
は、第2実施形態のメモリ素子を、単なるシリコン基板
上ではなく、SOI(Silicon on Insulator)基板上に
形成したものである。図9は、本実施形態の半導体装置
におけるメモリ素子の断面図である。251はシリコン
基板、253はボディ、252は埋め込み酸化膜であ
る。また、図9に示すメモリ素子は、第1実施形態の第
2の構造を有するメモリ膜を用いているが、第1または
第3の構造を有するメモリ膜を用いても良い。なお、図
9では、完全空乏型の場合を示しているが、部分空乏型
にしてもよい。
【0077】本実施形態のメモリ素子を製造する手順
は、SOI基板上に電界効果トランジスタを作製する公
知の手順とほぼ同じである。公知の手順と異なるのは、
メモリ膜の形成においてのみであり、メモリ膜を形成す
る手順は第1実施形態に記載した通りである。
【0078】本実施形態の半導体装置においては、第2
実施形態のメモリ素子で得られる効果に加えて以下の効
果が得られる。本実施形態のメモリ素子においては、ソ
ース領域241及びドレイン領域242と、ボディ25
3との接合容量を非常に小さくすることができる。さら
にまた、SOI基板を用いると、ソース領域241及び
ドレイン領域242の深さを浅くするのが容易であり、
短チャネル効果を抑制し、素子を更に微細化することが
できる。
【0079】(第4実施形態)本発明の第4実施形態に
ついて、図10〜図14に基づいて説明すれば以下の通
りである。
【0080】図10〜図13は、本発明の第4実施形態
となるメモリセルアレイの概略図である。図10は、平
面の概略図である。図11は図10の切断面線A−A’
から見た断面図であり、図12は図10の切断面線B−
B’から見た断面図であり、図13は図10の切断面線
C−C’から見た断面図である。図14は、上記メモリ
セルアレイの回路図である。
【0081】まず、本実施形態の半導体記憶装置の構成
を図10〜図13に基づいて説明する。図11〜図13
から分かるように、シリコン基板17内にはN型の深い
ウェル領域25とP型の浅いウェル領域26が形成され
ている。さらに、複数の素子分離領域16が、図10に
おける横方向に蛇行して延びるように形成されている
(図10中で、夫々蛇行した帯状の領域に斜線を施して
いる)。素子分離領域16の縦方向のピッチは2F(F
は最小加工ピッチ)に設定されている。これにより、ウ
ェル領域26の上部で隣り合う素子分離領域16の間
に、夫々横方向に蛇行して延びるシリコン活性領域が残
されている。素子分離領域16の深さは、素子分離領域
16をはさむ両側のP型の浅いウェル領域26が互いに
電気的に分離されるように設定される。
【0082】図10〜図13を統合すれば分かるよう
に、上記各シリコン活性領域内の蛇行の各折り返し個所
に、それぞれ不純物領域としてのN拡散層19が形成
されている。各N拡散層19は、このメモリの使用時
にビット線による選択に応じてソース領域またはドレイ
ン領域として働く。その時、同一の活性領域内で隣り合
うN拡散層19の間の領域がそれぞれチャネル領域と
なる。
【0083】ポリシリコンからなる複数のワード線11
が、素子分離領域16が延びる方向とは垂直方向(図1
0における縦方向)にストレートに延びるように形成さ
れている。ワード線11の横方向のピッチは2Fに設定
されている。ワード線11で覆われているシリコン活性
領域(ウェル領域26の上部)は、チャネル領域となっ
ている。チャネル領域とワード線11とは、第1実施形
態の第1〜第3のいずれかのメモリ膜21により隔てら
れている。このチャネル領域上で、ワード線11がコン
トロールゲートの役割をはたしている。
【0084】第1層メタルからなる複数の第1ビット線
12が、ワード線11とは垂直方向(図10における横
方向)にストレートに延びるように形成されている。第
1ビット線12の縦方向のピッチは2Fに設定され、同
一のシリコン活性領域内で蛇行の片側(図10では山
側)の折り返し個所に設けられたN拡散層19上を通
るように設けられている。この第1ビット線12とその
直下に存するN拡散層19とは、横方向に関してピッ
チ4Fで、第1ビット線コンタクト14により接続され
ている。また、第2層メタルからなる複数の第2ビット
線13が、第1ビット線の隙間となる位置に、第1ビッ
ト線と平行にストレートに延びるように形成されてい
る。第2ビット線13の縦方向のピッチは2Fに設定さ
れて、同一のシリコン活性領域内で蛇行の他方の側(図
10では谷側)の折り返し個所に設けられたN拡散層
19上を通るように設けられている。この第2ビット線
13とその直下に存するN拡散層19とは、横方向に
関してピッチ4Fで、第2ビット線コンタクト15によ
り接続されている。第1および第2ビット線12,13
は、互いに層間絶縁膜20で分離され、上述のようにそ
れぞれ必要なところでコンタクト14,15を介してN
拡散層19と接続されている。また、シリコン基板に
対してP型の浅いウェル領域26は、素子分離領域16
によって、第1ビット線及び第2ビット線と同じ方向に
走る細長い列状に分断されており、N拡散層19の下
方を通して第3ビット線を構成している。
【0085】上記構成によれば、1つのメモリセルは図
10中に二点鎖線で示す平行四辺形22で表され、その
面積は4Fである。
【0086】次に、本実施形態であるメモリセルアレイ
の回路構成を、図14に基づいて説明する。このメモリ
セルアレイは、いわゆるAND型で配列されている。す
なわち、一本の第1ビット線と一本の第2ビット線とが
一対をなしており、これらのビット線の間にn個のメモ
リセルが並列に接続されている。図14では、例えば1
番目のビット線対の第1ビット線をBa1、1番目のビ
ット線対の第2ビット線をBb1と表記している。ま
た、例えば1番目のビット線対に接続されているn番目
のメモリセルをM1nと表記している。各ビット線には
選択トランジスタが設けられている。図14では、例え
ば1番目のビット線対の第1ビット線選択トランジスタ
をSTBa1と表記している。本実施形態であるメモリ
セルアレイの特徴は、P型の浅いウェル領域が第3ビッ
ト線を形成している点である。この第3ビット線は、第
1ビット線及び第2ビット線からなる1対のビット線に
並列に接続されたメモリセルの浅いウェル領域を接続し
ている。この第3ビット線には選択トランジスタが接続
されている。図14では、例えば、1番目の第3ビット
線はBw1、それに対応する選択トランジスタはSTB
w1と表記されている。また、n本のワード線が、各ビ
ット線と垂直方向に走り、メモリセルのゲート間を接続
している。図18では、各ワード線をW1〜Wnで表記
している。
【0087】次に、本実施形態のメモリセルアレイを作
製する手順を説明する。
【0088】まず、図11〜図13中に示すシリコン基
板17内に電気絶縁性の素子分離領域16を形成し、続
いてN型の深いウェル領域25とP型の浅いウェル領域
26を形成する。N型の深いウェル領域とP型の浅いウ
ェル領域との接合の深さは、不純物の注入条件(注入エ
ネルギと注入量)とその後の熱工程(アニール工程や熱
酸化工程など)によって決まる。これら不純物注入条件
や熱工程条件と、素子分離領域の深さは、素子分離領域
16がP型の浅いウェル領域26を電気的に分離するよ
うに設定される。
【0089】その後、第1実施形態で示した手順でメモ
リ膜21を形成し、フォトリソグラフィとエッチングに
よりパターン加工する。このパターン加工後、メモリ膜
中のポリシリコン膜が露出し、後に形成するワード線と
短絡する恐れがあるので、熱酸化を行うのが好ましい。
その後、ポリシリコン膜を、化学的気相成長法(CVD
法)で形成し、このポリシリコン膜とメモリ膜21とを
フォトリソグラフィとエッチングによりパターン加工
し、ワード線11を形成する。ここで、N型の不純物
を、ワード線11をマスクとして低エネルギで注入する
と、自己整合的にN 拡散層19が形成される。この
後、層間絶縁膜の堆積、コンタクト工程、メタル工程を
繰り返し行い、第1ビット線12及び第2ビット線13
を形成する。
【0090】本実施形態のメモリセルアレイは、第1実
施形態で示したメモリ膜を用いている。したがって、大
きなヒステリシス特性のために動作マージンを大きくと
ることができる。また、低電圧駆動が可能であるから、
低消費電力化が可能となり、メモリセルアレイの信頼性
が向上する。
【0091】更にまた、本実施形態のメモリセルアレイ
は、1つのセルの面積が4Fであり、従来のAND型
メモリセルアレイよりも小さい。したがって、高集積化
が可能となり、製品の歩留りが向上し、製造コストを削
減することができる。
【0092】また、本実施形態の半導体装置であるメモ
リと、論理回路、その他のメモリ(DRAM、SRAM
等)とを混載した場合、集積回路の集積度を向上し、機
能の向上を図ることができる。
【0093】(第5実施形態)本発明の第5実施形態に
ついて、図15〜図19に基づいて説明すれば以下の通
りである。
【0094】図15〜図17は、本発明の第5実施形態
となるメモリセルアレイの概略図である。図15は、平
面の概略図である。図16は図15の切断面線A−A’
から見た断面図であり、図17は図15の切断面線B−
B’から見た断面図である。図18は、図15〜図17
で示すメモリセルアレイの変形の平面図である。図19
は、これらのメモリセルアレイの回路図である。
【0095】まず、本実施形態の半導体記憶装置の構成
を図15〜図17に基づいて説明する。図16および図
17から分かるように、シリコン基板67内にはN型の
深いウェル領域75とP型の浅いウェル領域76が形成
されている。さらに、複数の素子分離領域66が、図1
5における横方向にストレートに延びるように形成され
ている(図15中で、夫々帯状の領域に斜線を施してい
る)。素子分離領域66の縦方向のピッチは2F(Fは
最小加工ピッチ)に設定されている。これにより、P型
の浅いウェル領域76の上部で隣り合う素子分離領域6
6の間に、夫々横方向にストレートに延びるシリコン活
性領域が残されている。素子分離領域66の深さは、素
子分離領域66を挟む両側のP型の浅いウェル領域76
が互いに電気的に分離されるように設定される。
【0096】ポリシリコンからなる複数のワード線61
が、素子分離領域66が延びる方向とは垂直方向(図1
5における縦方向)にストレートに延びるように形成さ
れている。ワード線61の横方向のピッチは2Fに設定
されている。ワード線61で覆われているシリコン活性
領域(ウェル領域76の上部)は、チャネル領域となっ
ている。チャネル領域とワード線61とは、第1実施形
態の第1〜第3のいずれかの構造を持つメモリ膜71に
より隔てられている。このチャネル領域上で、ワード線
61がコントロールゲートの役割をはたしている。上記
各シリコン活性領域内のチャネル領域の両側には、それ
ぞれ不純物拡散領域としてのN拡散層69が形成さ
れ、それぞれソース領域またはドレイン領域となってい
る。
【0097】第1層メタルからなる複数の第1ビット線
62が、ワード線61とは垂直方向(図15における横
方向)に延びるように形成されている。第1ビット線6
2の縦方向のピッチは2Fに設定され、N拡散層69
上を通るように設けられている。この第1ビット線62
とその直下に存するN拡散層69(ソース領域とドレ
イン領域とのうちの一方)とは、横方向に関してピッチ
4Fで、第1ビット線コンタクト64により接続されて
いる。
【0098】不純物を導入した層状のポリシリコン、ポ
リサイド、メタル等からなり、第1ビット線コンタクト
64を囲むパターン孔65を有するプレート電極63
が、N 拡散層69上、素子分離領域66上及びワード
線61上を連なって覆っている。プレート電極63は、
その直下に存するN拡散層69(ソース領域とドレイ
ン領域とのうちの他方)と電気的に接続されている。プ
レート電極63とワード線61とは、絶縁膜77で電気
的に隔てられている。プレート電極63と第1ビット線
62とは、層間絶縁膜70で電気的に隔てられている。
【0099】第1ビット線62は、下部構造とは層間絶
縁膜70で分離され、プレート電極孔65がある位置で
第1ビット線コンタクト64を介してN拡散層69と
接続されている。また、P型の浅いウェル領域76は、
素子分離領域66によって、第1ビット線と同じ方向に
走る細長い列状に分断されており、N拡散層69の下
方を通して第3ビット線を構成している。
【0100】上記構成によれば、1つのメモリセルは図
15中に二点鎖線で示す平行四辺形72で表され、その
面積は4Fである。
【0101】次に、上述のメモリセルアレイの変形例
を、図18を用いて説明する。この変形例は、上述のメ
モリセルアレイとは、プレート電極63の形状と、第1
ビット線コンタクト64の配列が異なる。すなわち、上
述のメモリセルアレイでは、第1ビット線コンタクト6
4は、隣り合う列の間で横方向にピッチを2F分だけず
らして千鳥状に配置されていたが(図15参照)、この
メモリセルアレイでは、隣り合う列の間で横方向にピッ
チが揃った状態になっている。第1ビット線62は、そ
の直下に存するN拡散層69(ソース領域およびドレ
イン領域の一方)とそれぞれ接続されている。プレート
電極63の形状は、図18の縦方向に延びる短冊状であ
り、横方向に関して第1ビット線コンタクト64の列と
交互にピッチ4Fで配置されている。プレート電極63
は、その直下に存するN拡散層69(ソース領域とド
レイン領域とのうちの他方)とそれぞれ接続されてい
る。
【0102】次に、本実施形態のメモリセルアレイの回
路構成を、図19に基づいて説明する。一対の第1ビッ
ト線および第2ビット線に、n個のメモリセルが並列に
接続されている。図19では、例えば1番目の第1およ
び第3のビット線を、夫々Ba1,Bw1と表記してい
る。また、例えば1番目の第1ビット線に接続されてい
るn番目のメモリセルをM1nと表記している。また、
n本のワード線が、各ビット線と垂直方向に走り、メモ
リセルのゲート間を接続している。図19では、各ワー
ド線をW1〜Wnで表記している。なお、ソース・ドレ
イン領域の一方は第1ビット線と接続され、ソース・ド
レイン領域の他方はプレート電極(図19ではPltと
表記)で接続されている。また、第3ビット線はウェル
領域と接続されている。
【0103】次に、本実施形態のメモリセルアレイを作
製する手順を説明する。まず、シリコン基板67内に電
気絶縁性の素子分離領域66を形成し、続いてN型の深
いウェル領域75とP型の浅いウェル領域76を形成す
る。N型の深いウェル領域とP型の浅いウェル領域との
接合の深さは、不純物の注入条件(注入エネルギと注入
量)とその後の熱工程(アニール工程や熱酸化工程な
ど)によって決まる。これら不純物注入条件や熱工程条
件と、素子分離領域の深さは、素子分離領域16がP型
の浅いウェル領域26を電気的に分離するように設定さ
れる。
【0104】その後、第1実施形態で示した手順でメモ
リ膜71を形成し、フォトリソグラフィとエッチングに
よりパターン加工する。このパターン加工後、メモリ膜
中のポリシリコン膜が露出し、後に形成するワード線と
短絡する恐れがあるので、熱酸化を行うのが好ましい。
その後、ポリシリコン膜を、化学的気相成長法(CVD
法)で形成し、さらに、上記ポリシリコン膜上にシリコ
ン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜をCVD法で形
成する。この後、ポリシリコン膜上の絶縁膜、ポリシリ
コン膜、メモリ膜71をフォトリソグラフィとエッチン
グによりパターン加工し、ワード線61を形成する。こ
の時、フォトレジストをマスクとしてポリシリコン膜上
の絶縁膜のみをパターン加工し、フォトレジスト除去後
にパターン加工されたポリシリコン膜上の絶縁膜をマス
クとして、ポリシリコン膜、メモリ膜71をエッチング
によりパターン加工してもよい。その後、全面にシリコ
ン窒化膜をCVD法で堆積し、エッチングバックをする
ことにより、ワード線の側壁及を絶縁膜77で覆うこと
ができる。ここで、N型の不純物を、ワード線61をマ
スクとして低エネルギで注入すると、自己整合的にN
拡散層69が形成される。この後、ポリシリコン膜を全
面に堆積し、パターニングしてプレート電極63を形成
する。この後、層間絶縁膜の堆積、コンタクト工程、メ
タル工程を行い、第1ビット線62を形成する。
【0105】本実施形態のメモリセルアレイは、第4実
施形態と同様な作用効果を奏する上に、ビット線の1つ
をプレート電極に置きかえているので、素子分離領域お
よび活性領域を蛇行させる必要がなく、既述のようにス
トレートに延ばすことができる。したがって、メモリセ
ルの構造が単純になり、メモリセルアレイの歩留を向上
することができる。
【0106】また、本実施形態の半導体装置であるメモ
リと、論理回路、その他のメモリ(DRAM、SRAM
等)とを混載した場合、集積回路の集積度を向上し、機
能の向上を図ることができる。
【0107】(第6実施形態)本実施形態は、第4実施
形態および第5実施形態のメモリセルアレイにおいて、
選択されたメモリセルのメモリ膜にかかる電圧と、非選
択のメモリセルのメモリ膜にかかる電圧の比をできる限
り大きくした、ランダムアクセスが可能なメモリセルア
レイに関する。
【0108】一般に、メモリセルの書き込み時または消
去時には、選択されたメモリセルのメモリ膜に最大の電
圧がかかる。そして、非選択のメモリセルのメモリ膜に
もある程度の電圧がかかってしまう。したがって、誤動
作を防ぐためには、選択されたメモリセルのメモリ膜に
かかる電圧と、非選択のメモリセルのメモリ膜にかかる
電圧の最大値との比をできるだけ大きくするのが好まし
い。
【0109】一般的に行われている方法では、例えば消
去時には、選択ワード線の電位をVに、選択ビット線の
電位を接地電位に、その他のワード線及びビット線の電
位をV/2にする。このとき、選択されたメモリセルの
メモリ膜には電圧Vが、非選択のメモリセルのメモリ膜
には電圧0またはV/2がかかる。このとき、選択され
たメモリセルのメモリ膜にかかる電圧と、非選択のメモ
リセルのメモリ膜にかかる電圧の最大値との比は1/2
である。
【0110】本実施形態のメモリセルアレイにおける、
書き込み時及び消去時の各ワード線及びビット線への印
加電圧を表1および表2に示す。表1は第4実施形態の
メモリセルアレイにおける例であり、表2は第5実施形
態のメモリセルアレイにおける例である。第5実施形態
のメモリセルアレイは、プレート電極に常に0Vの電位
を与えることとした場合の例である。表1と表2の電圧
印加例は、全体に電圧Vだけシフトしただけの違いしか
なく、本質的には同じものである。なお、各ビット線
(第1および第2ビット線、表1ではさらに第3ビット
線も含む)には、同電位を与える。表1の例では、書き
込み時には、選択ワード線に電位0、非選択ワード線に
(1−A)×V、選択ビット線にV、非選択ビット線に
A×Vを印加する。また、消去時には、選択ワード線に
電位V、非選択ワード線にA×V、選択ビット線に0、
非選択ビット線に(1−A)×Vを印加する。ここで、
1/3≦A<1/2である(A=1/2のときは、上記
一般的に行われている例となる)。選択されたメモリセ
ルのメモリ膜にかかる電圧と、非選択のメモリセルのメ
モリ膜にかかる電圧の最大値との比は、A=1/3のと
き(絶対値で)最大値3をとる。したがって、A=1/
3とするのがもっとも好ましい。
【0111】
【表1】
【表2】
【0112】上記のように印加電圧を設定した場合、1
ビット毎の書き込み動作及び消去動作、すなわちランダ
ムアクセスが可能となる。Vの具体的な値は、膜質や膜
構造ごとに最適な値を決めればよい。具体的には、メモ
リ膜にかかる電圧の絶対値ががVのときには電荷の注入
または放出が起こり、メモリ膜にかかる電圧の絶対値が
がA×Vのときには電荷の注入または放出が起こらない
ようにする。なお、読み出し時には、メモリ膜にかかる
電圧がA×V以下となるようにするのが好ましく、その
場合、読み出しにより記憶を破壊することがない。
【0113】本実施形態のメモリセルアレイにおいて
は、選択されたメモリセルのメモリ膜にかかる電圧と、
非選択のメモリセルのメモリ膜にかかる電圧の最大値と
の比が大きく、ランダムアクセスが可能で、動作マージ
ンの大きなメモリを実現することが可能となる。
【0114】(第7実施形態)上記第2実施形態〜第6
実施形態のメモリ素子または半導体記憶装置を集積化し
て集積回路とすれば、この集積回路は低電源電圧で動作
させることが可能になり、集積回路を低消費電力化でき
る。
【0115】また、上記第2実施形態〜第6実施形態の
メモリ素子又は半導体記憶装置と、論理回路とを1つの
集積回路上に混載してもよい。更に、メモリ素子又は半
導体記憶装置と、論理回路とに加え、その他のメモリ
(DRAM、SRAM等)も混載しても良い。例えば、
第4実施形態または第5実施形態のメモリセルアレイを
用いれば、セル面積は4Fであり、通常の1トランジ
スタ型不揮発性メモリのメモリセル面積より小さい。し
たがって、メモリが占める面積を小さくできる分、論理
回路や他のメモリの面積を大きくとることができ、機能
の向上を図ることができる。もしくは、本実施形態の半
導体装置であるメモリの記憶容量を大きくとることがで
きる。その場合、例えば、大規模なプログラムを一時的
に読みこみ、電源を切断した後もそのプログラムを保持
し、電源を再投入した後もプログラムを実行するといっ
たことが可能になり、かつ、そのプログラムを他のプロ
グラムと入れかえることもできる。
【0116】また、上記集積回路を、電池駆動の携帯電
子機器に組み込むことができる。携帯電子機器として
は、携帯情報端末、携帯電話、ゲーム機器などが挙げら
れる。図20は、携帯電話の例を示している。制御回路
911には、上記集積回路が組み込まれている。なお、
制御回路911は、本発明の半導体装置からなるメモリ
回路と、論理回路とを混載したLSIから成っていても
よい。912は電池、913はRF回路部、914は表
示部、915はアンテナ部、916は信号線、917は
電源線である。本発明の半導体集積回路を携帯電子機器
に用いることにより、携帯電子機器を高機能化し、LS
I部の消費電力を大幅に下げることが可能になる。それ
により、電池寿命を大幅にのばすことが可能になる。
【0117】
【発明の効果】以上より明らかなように、上記第1の発
明のメモリ膜によれば、上記半導体基板と上記第3の導
電体膜が夫々電極となり、上記第1の導電体膜および上
記積層膜とが電荷蓄積部となってメモリ膜を構成する。
このメモリ膜は、低電圧(例えば±3V)で書き込み・
消去が行われ、ヒステリシス特性を持つ。特に、第2の
導電体膜がシリコン窒化膜と積層膜をなしているため
に、ヒステリシス特性が増大している。しかも、例えば
1Vでは、記憶は破壊されないため、非破壊読出しが可
能である。したがって、従来技術のフラッシュメモリの
メモリ膜に比べて著しく低電圧動作が可能である。ま
た、低電圧動作が可能なことにより、メモリ膜の劣化を
抑制することができる。したがって、低電圧で信頼性の
高いメモリ膜が提供される。
【0118】一実施形態によれば、上記積層膜はシリコ
ン窒化膜と第2の導電体膜とを交互に複数回積層して形
成されているので、特に大きなヒステリシス特性が現れ
る。なお、上記第2の導電体膜が3層以下であれば、メ
モリ膜が薄く、素子の微細化が容易である。
【0119】また、第2の発明のメモリ膜によってもま
た、第1の発明のメモリ膜と同様な作用・効果を得るこ
とができる。
【0120】また、第3の発明のメモリ膜によってもま
た、第1の発明のメモリ膜と同様な作用・効果を得るこ
とができる。
【0121】一実施形態によれば、上記第1の絶縁膜の
厚さを2nm乃至5nmの範囲内としているので、電荷
がトンネル現象で絶縁膜を透過する確率が増して記憶保
持時間が減少したり、短チャネル効果が増して素子の微
細化が困難となることを防ぐことができる。また、上記
導電体の微粒子の直径を3nm乃至7nmの範囲内とし
ているので、量子サイズ効果が大きくなって電荷の移動
に大きな電圧が必要となったり、素子の微細化に伴って
素子毎の微粒子数のばらつきが大きくなり、素子特性が
ばらつくのを防ぐことができる。したがって、記憶保持
時間が長く、低電圧動作で、微細化が容易なメモリ素子
が提供される。
【0122】一実施形態によれば、LSIの材料として
最も広く使われているシリコンを用いることで、メモリ
膜を用いた素子を、他の素子と混載するのが容易とな
る。
【0123】また、第4の発明のメモリ膜の製造方法に
よれば、第1の電極となる上記半導体基板上に上記第1
の絶縁膜を介して上記第1の導電体膜が形成され、上記
第1の導電体膜上に窒化シリコン膜と第2の導電体膜と
の積層膜、または第2の導電体からなる微粒子を含む窒
化シリコン膜、または第2の絶縁膜で覆われた第2の導
電体からなる微粒子と窒化シリコンとの混合膜のいずれ
かが形成され、その後に第2の電極となる上記第3の導
電体膜が形成される。それゆえ、上記半導体基板と上記
第3の導電体膜が夫々電極となり、上記第1の導電体膜
と、窒化シリコン膜と第2の導電体膜との積層膜、また
は第2の導電体からなる微粒子を含む窒化シリコン膜、
または第2の絶縁膜で覆われた第2の導電体からなる微
粒子と窒化シリコンとの混合膜とが電荷蓄積部となっ
て、メモリ膜を構成する。このようにして形成されたメ
モリ膜は低電圧での書き込み・消去および非破壊読み出
しが可能である。さらには、窒化シリコンの存在によ
り、大きなヒステリシス特性を得ることができる。
【0124】一実施形態によれば、上記第1の導電体膜
の形成以降(第3の導電体膜の形成は除く)の工程は、
全て化学的気相成長法によるものである。このように単
純な工程の繰り返しにより、再現性よくヒステリシス特
性の顕著なメモリ膜を製造することができる。また、上
記化学的気相成長法による工程における堆積条件(温
度)を変えるだけで第1乃至第3の発明のメモリ膜を作
り分けることが可能である。
【0125】一実施形態では、上記窒化シリコンを堆積
する工程の後であって、上記第2の導電体を堆積する工
程の前に熱酸化工程を行うので、上記第2の導電体の微
粒子または膜と窒化シリコンとの間に酸化膜が形成され
る。この結果、メモリ膜の保持時間のばらつきを低減
し、メモリ膜の信頼性を高めることができる。
【0126】一実施形態では、上記第2の導電体を堆積
する工程の後であって、上記窒化シリコンを堆積する工
程の前に熱酸化工程を行うので、上記第2の導電体の微
粒子または膜と窒化シリコンとの間に酸化膜が形成され
る。この結果、メモリ膜の保持時間のばらつきを低減
し、メモリ膜の信頼性を高めることができる。
【0127】一実施形態では、上記一連の工程内で最後
に行われる上記窒化シリコンを堆積する工程の後であっ
て、上記第2の電極となる第3の導電体膜を形成する工
程の前に、熱酸化工程を行うので、メモリ膜の保持時間
のばらつきを低減し、メモリ膜の信頼性を高めることが
できる。
【0128】また、第5の発明のメモリ素子は、浮遊ゲ
ートを有する電界効果トランジスタを備え、上記浮遊ゲ
ートが上記第1乃至第3のいずれかの発明のメモリ膜か
らなる電界効果トランジスタ型メモリ素子である。これ
により、例えば、±3Vでの書きこみおよび消去、1V
での非破壊読出しが可能である。したがって、従来技術
のフラッシュメモリに比べて著しい低電圧動作が可能
で、低消費電力化が可能となり、素子の信頼性が向上す
る。
【0129】一実施形態では、上記電界効果トランジス
タがSOI基板上に形成されたことを特徴としているの
で、ソース領域およびドレイン領域と、ボディとの接合
容量を非常に小さくすることができる。さらにまた、S
OI基板を用いると、ソース領域およびドレイン領域の
深さを浅くするのが容易であり、短チャネル効果を抑制
し、メモリ素子を更に微細化することができる。
【0130】また、第6の発明である半導体集積回路
は、上記第5の発明のメモリ素子を集積したことを特徴
としているので、低電源電圧で動作可能で、低消費電力
であるメモリ集積回路が提供される。
【0131】また、第7の発明である半導体記憶装置に
よれば、各メモリセルのメモリ膜として上記第1乃至第
3のいずれかの発明のメモリ膜を用いているので、低電
圧動作が可能である。また、1つのセルの面積が4F
(Fは最小加工ピッチ)であり、従来のAND型メモリ
セルアレイよりも小さい。したがって、低消費電力化、
高信頼性化、高集積化が可能となる。
【0132】また、第8の発明である半導体記憶装置に
よれば、第7の発明の半導体記憶装置と同様な作用効果
を奏する上に、ビット線の1つを上記プレート電極に置
きかえているので、上記素子分離領域および上記活性領
域を蛇行させる必要がなく、ストレートに延ばすことが
できる。したがって、メモリセルの構造が単純になり、
メモリセルアレイの歩留を向上することができる。
【0133】一実施形態によれば、選択されたメモリセ
ルのメモリ膜にかかる電圧と、非選択のメモリセルのメ
モリ膜にかかる電圧の最大値との比が大きく、ランダム
アクセスが可能で、動作マージンの大きなメモリを実現
することが可能となる。
【0134】また、第9の発明の半導体集積回路によれ
ば、第7または第8の発明の半導体記憶装置のセル面積
は4Fと、通常の1トランジスタ型不揮発性メモリの
メモリセル面積より小さいので,メモリが占める面積を
小さくできる。このため、チップ面積を小さくでき、歩
留りが向上すると共にチップの価格を安くすることがで
きる。更にチップ面積が一定の場合は、メモリ部の面積
が小さくなった分、論理回路や他のメモリの面積を大き
くとることができ、機能の向上を図ることができる。も
しくは、メモリの記憶容量を大きくとることができる。
その場合、例えば、大規模なプログラムを一時的に読込
み、電源を切断した後もそのプログラムを保持し、電源
を再投入した後もプログラムを実行するといったことが
可能になり、かつ、そのプログラムを他のプログラムと
入れかえることもできる。したがって、集積回路の集積
度を向上し、機能の向上を図ることができる。
【0135】また、第10の発明である携帯電子機器
は、第6または第9の発明の半導体集積回路を具備した
ことを特徴としているので、LSI部を高機能化、低消
費電力化することが可能で、高機能で電池寿命の長い携
帯電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の、第1の構造を有す
るメモリ膜の断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の、第2の構造を有す
るメモリ膜の断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の、第3の構造を有す
るメモリ膜の断面図である。
【図4】 上記第2の構造を有するメモリ膜を用いて作
製したメモリ素子の、書き込み時及び消去時のドレイン
電流対ゲート電圧の関係を示すグラフである。
【図5】 上記第2の構造を有するメモリ膜と同様な構
造を持ち、窒化シリコン膜をシリコン酸化膜で置き換え
たメモリ膜を用いて作製したメモリ素子の、書き込み時
及び消去時のドレイン電流対ゲート電圧の関係を示すグ
ラフである。
【図6】 上記第2の構造を有するメモリ膜の製造方法
を示す図である。
【図7】 上記第2の構造を有するメモリ膜の製造方法
を示す図である。
【図8】 本発明の第2実施形態のメモリ素子の断面図
である。
【図9】 本発明の第3実施形態のメモリ素子の断面図
である。
【図10】 本発明の第4実施形態のメモリセルアレイ
の平面図である。
【図11】 図10の切断面線A−A’から見た断面図
である。
【図12】 図10の切断面線B−B’から見た断面図
である。
【図13】 図10の切断面線C−C’から見た断面図
である。
【図14】 本発明の第4実施形態のメモリセルアレイ
の回路図である。
【図15】 本発明の第5実施形態のメモリセルアレイ
の平面図である。
【図16】 図15の切断面線A−A’から見た断面図
である。
【図17】 図15の切断面線B−B’から見た断面図
である。
【図18】 本発明の第5実施形態のメモリセルアレイ
の変形例を示す平面図である。
【図19】 本発明の第5実施形態のメモリセルアレイ
の回路図である。
【図20】 本発明の第7実施形態の携帯情報機器の構
成図である。
【符号の説明】
17,67,111,211,311,251 シリコ
ン基板 112,212,312 シリコン酸化膜 114,116,118,231 窒化シリコン膜 113,115,117,119,213,219,3
13,319 ポリシリコン膜 221 第1のシリコン微粒子 222 第2のシリコン微粒子 321 第1の微粒子 322 第2の微粒子 331 窒化シリコン 332 ごく薄い酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 洗 暢俊 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 小倉 孝之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 足立 浩一郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 柿本 誠三 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F083 EP17 EP23 EP79 ER30 GA05 GA09 HA02 JA53 LA12 LA16 PR21 PR39 5F101 BA45 BA54 BB02 BD22 BD30 BD34 BD36 BE06 BE07 BH02 BH05

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極となる半導体基板と、 上記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、 上記第1の絶縁膜上に形成された第1の導電体膜と、 上記第1の導電体膜上に形成された、シリコン窒化膜と
    第2の導電体膜とからなる積層膜と、 上記積層膜上に形成された第2の絶縁膜と、 上記第2の絶縁膜上に形成された第2の電極となる第3
    の導電体膜とからなることを特徴とするメモリ膜。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のメモリ膜において、 上記積層膜はシリコン窒化膜と第2の導電体膜とを交互
    に複数回積層して形成されていることを特徴とするメモ
    リ膜。
  3. 【請求項3】 第1の電極となる半導体基板と、 上記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、 上記第1の絶縁膜上に形成された第1の導電体膜と、 上記第1の導電体膜上に形成された第2の導電体からな
    る微粒子を含む窒化シリコン膜と、 上記シリコン窒化膜上に形成された第2の電極となる第
    3の導電体膜とからなることを特徴とするメモリ膜。
  4. 【請求項4】 第1の電極となる半導体基板と、 上記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、 上記第1の絶縁膜上に形成された第1の導電体膜と、 上記第1の導電体膜上に形成され、第2の絶縁膜で覆わ
    れた第2の導電体からなる微粒子と、 上記微粒子間に散在する窒化シリコンと、 上記微粒子上に形成された第2の電極となる第3の導電
    体膜とからなることを特徴とするメモリ膜。
  5. 【請求項5】 請求項3あるいは請求項4に記載のメモ
    リ膜において、 上記第1の絶縁膜の厚さは2nm乃至5nmの範囲内で
    あり、 第2の導電体からなる微粒子の直径は3nm乃至7nm
    の範囲内であることを特徴とするメモリ膜。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のメモ
    リ膜において、 上記半導体基板、上記第1の導電体及び第2の導電体は
    いずれもシリコンからなり、 上記第1の絶縁膜はシリコン酸化膜もしくはシリコン酸
    窒化膜であることを特徴とするメモリ膜。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載のメモ
    リ膜を製造する方法において、 第1の電極となる半導体基板上に第1の絶縁膜を形成す
    る工程と、 上記第1の絶縁膜上に第1の導電体膜を形成する工程
    と、 上記第1の導電体膜上に窒化シリコンを堆積する工程
    と、 上記窒化シリコンを堆積する工程の後に、第2の導電体
    を堆積する工程と窒化シリコンを堆積する工程とからな
    る一連の工程を少なくとも1回以上行い、 上記一連の工程の後、第2の電極となる第3の導電体膜
    を形成する工程とを行うことを特徴とするメモリ膜の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のメモリ膜の製造方法に
    おいて、 上記第1の導電体膜及び上記第2の導電体はいずれもシ
    リコンであり、 上記第1の絶縁膜上に第1の導電体膜を形成する工程
    と、 上記第2の導電体を堆積する工程と上記窒化シリコンを
    堆積する工程とは化学的気相成長法によることを特徴と
    するメモリ膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のメモリ膜の製造方法に
    おいて、 上記窒化シリコンを堆積する工程の後であって、上記第
    2の導電体を堆積する工程の前に熱酸化工程を行うこと
    を特徴とするメモリ膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載のメモリ膜の製造方法
    において、 上記第2の導電体を堆積する工程の後であって、上記窒
    化シリコンを堆積する工程の前に熱酸化工程を行うこと
    を特徴とするメモリ膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載のメモリ膜の製造方法
    において、 上記一連の工程内で最後に行われる上記窒化シリコンを
    堆積する工程の後であって、上記第2の電極となる第3
    の導電体膜を形成する工程の前に、熱酸化工程を行うこ
    とを特徴とするメモリ膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 浮遊ゲートを有する電界効果型トラン
    ジスタを備え、上記浮遊ゲートが請求項1乃至6のいず
    れかに記載のメモリ膜からなることを特徴とするメモリ
    素子。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のメモリ素子におい
    て、 上記電界効果型トランジスタがSOI基板上に形成され
    たことを特徴とするメモリ素子。
  14. 【請求項14】 請求項12あるいは請求項13に記載
    のメモリ素子を集積したことを特徴とする半導体集積回
    路。
  15. 【請求項15】 半導体基板の表面に、一方向に蛇行し
    て延びる複数の素子分離領域が上記一方向に垂直な方向
    に関して並んで形成されて、隣り合う素子分離領域の間
    にそれぞれ上記一方向に蛇行して延びる活性領域が定め
    られ、 上記各活性領域内の蛇行の各折り返し個所に、それぞれ
    ソース領域またはドレイン領域として働く不純物拡散領
    域が形成されて、同一の活性領域内で隣り合う上記不純
    物拡散領域の間にそれぞれチャネル領域が定められ、 上記半導体基板上に、上記一方向に垂直な方向にストレ
    ートに延びる複数のワード線が、それぞれメモリ機能を
    有する膜を介して各活性領域内のチャンネル領域上を通
    るように設けられ、 上記半導体基板上に、上記一方向にストレートに延びる
    第1のビット線が、同一の活性領域内の蛇行の片側の折
    り返し個所に設けられた上記不純物拡散領域上を通るよ
    うに設けられるとともに、上記一方向にストレートに延
    びる第2ビット線が、同一の活性領域内で蛇行の他方の
    側の折り返し個所に設けられた上記不純物拡散領域上を
    通るように設けられ、 上記一方向に蛇行して延びる活性領域は所定の導電型を
    持つウェル領域からなり、このウェル領域が上記不純物
    拡散領域の下方を通して第3のビット線として働き、 上記第1のビット線、第2ビット線がそれぞれ直下に存
    する上記不純物拡散領域とコンタクト孔を介して接続さ
    れ、 上記メモリ機能を有する膜は、請求項1乃至6のいずれ
    かに記載のメモリ膜からなることを特徴とする半導体記
    憶装置。
  16. 【請求項16】 半導体基板の表面に、一方向に延びる
    複数の素子分離領域が上記一方向に垂直な方向に関して
    並んで形成されて、隣り合う素子分離領域の間にそれぞ
    れ上記一方向に延びる活性領域が定められ、 上記半導体基板上に、上記一方向に垂直な方向に延びる
    複数のワード線が、それぞれメモリ機能を有する膜を介
    して各活性領域上を通るように形成され、 上記ワード線で覆われた上記活性領域がチャネル領域と
    なり、 上記活性領域内の上記チャネル領域の両側に、それぞれ
    ソース領域またはドレイン領域として働く不純物拡散領
    域が形成され、 上記半導体基板上に、上記一方向に延びる第1のビット
    線が、上記各活性領域上を通るように設けられ、 上記第1のビット線が直下に存する上記ソース領域とド
    レイン領域とのうちの一方とコンタクト孔を介して接続
    され、 上記半導体基板上に、層状で上記コンタクト孔を囲むパ
    ターン孔を有するプレート電極が、上記ワード線および
    第1ビット線に対して絶縁膜を介して電気的に絶縁され
    た状態に形成され、 上記プレート電極が直下に存する上記ソース領域と上記
    ドレイン領域とのうちの他方と接続され、 上記一方向に延びる活性領域は所定の導電型を持つウェ
    ル領域からなり、このウェル領域が上記不純物拡散領域
    の下方を通して第3ビット線として働き、 上記メモリ機能を有する膜は、請求項1乃至6のいずれ
    かに記載のメモリ膜からなることを特徴とする半導体記
    憶装置。
  17. 【請求項17】 請求項15あるいは請求項16に記載
    の半導体記憶装置において、 書き込み時及び消去時において、 選択されたメモリセルにおいて、上記ワード線と上記第
    3のビット線との間の電位差の絶対値VがV=VDD
    あるとき、 選択ワード線もしくは選択ビット線のどちらか一方にの
    み接続されているメモリセルにおいて、VDD/3≦V
    <VDD/2となることを特徴とする半導体記憶装置。
  18. 【請求項18】 請求項15乃至17のいずれかに記載
    の半導体記憶装置と、ロジック回路とを混載したことを
    特徴とする半導体集積回路。
  19. 【請求項19】 請求項14又は18に記載の半導体集
    積回路を具備したことを特徴とする携帯電子機器。
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