JP2003067363A - 文書管理システム、文書管理方法、及び情報読取装置 - Google Patents

文書管理システム、文書管理方法、及び情報読取装置

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JP2003067363A JP2001254972A JP2001254972A JP2003067363A JP 2003067363 A JP2003067363 A JP 2003067363A JP 2001254972 A JP2001254972 A JP 2001254972A JP 2001254972 A JP2001254972 A JP 2001254972A JP 2003067363 A JP2003067363 A JP 2003067363A
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Toshiyuki Furuta
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子文書の管理・修正を容易にする文書管理
システム、文書管理方法、及び情報読取装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 プリンタ601において文書を印刷する
印刷媒体1に記載された識別情報及び座標情報を読み取
り、これを文書10と対応して文書管理データベース6
06に格納する。また、この文書10の印刷や更新等に
関する履歴情報を文書管理データベース606の対応す
るレコードと関係を有するレコードに格納する。文書が
更新されると、履歴管理データベース610における加
筆履歴番号を1インクリメントして、更新後の文書を新
たなレコードに登録する。加筆時に読み取った識別情報
に基づいて更新情報をユーザに呈示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文書管理システ
ム、文書管理方法、及び情報読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子化された文書は、パーソナル
コンピュータ等のような端末において利用されることが
一般的である。しかしながら、上記のような端末に接続
されているディスプレイでは、紙面等に印刷された文書
と比較して解像度が低いため、閲覧のし易さに問題があ
る。また、ディスプレイ上に表示して利用するのでは可
搬性にも問題がある。そこで、利用者は、文書を印刷し
て、その印刷物を閲覧したり、その印刷物を持ち運んで
利用することが多い。一方、こうした印刷物に加筆する
ことも多々あるが、加筆事項は元文書の電子データに対
して何らかのリンクを有してはいないため、利用者は、
後で元文書を電子的に編集しなおす必要がある。
【0003】このような問題に対処するために、電子化
された文書データと加筆事項とを関連づける従来技術と
しては、特開平9−101864号公報が開示するとこ
ろの情報処理装置及びその各種装置が存在する。以下、
これを従来技術1という。
【0004】従来技術1によれば、全体が紙状で各種情
報を書き換え自在に表示して維持する情報表示媒体と、
この情報表示媒体に表示・維持させる情報を蓄積する情
報蓄積媒体と、情報表示媒体に手書き入力された情報を
取り込む情報記録装置と、が設けられており、情報記録
装置上に置かれた情報表示媒体に対して入力された加筆
事項を画像情報として情報蓄積媒体に蓄積するよう構成
されている。また、情報表示媒体は、表示した情報を維
持することも、それに対して消去や修正を施すことも自
在である。従って、従来技術1によれば、紙を消費する
ことなく書類の作成や蓄積を実現することができる。
【0005】一方、電子化された文書とこれを印刷した
物との対応を管理する技術としては、特開平7−244
657号公報が開示するところの文書編集装置が存在す
る。これによれば、電子化された文書が印刷された紙面
に、この文書のファイル情報(ファイル名など)もバー
コードで印刷しておき、この文書の電子データを編集す
る際に紙面上のバーコードを読み取って、対象のファイ
ルを特定する技術が、特開平7−244657号公報に
開示されている。更に、同様な技術として、文書印刷時
に、文書情報を埋め込んだコードシンボルを同時に印刷
し、そのコードシンボルを用いて文書の複製や管理など
を行うものが、特開平8−87564号公報や特開平1
0−308868号公報に開示されている。これらを、
以下において従来技術2という。
【0006】また、特開2000−99378号公報で
は、電子文書の更新履歴管理に関する技術が開示されて
いる。これを、以下において従来技術3という。この従
来技術3では、コンピュータ上で更新履歴管理用のアプ
リケーションを使用して、電子的に加筆・修正された文
書の更新履歴を管理する。また、この更新履歴管理は、
対象の電子文書が更新された日付や版(バージョン)な
どの情報に基づいて行われる。更に、従来技術3では、
電子的に加筆・修正された内容をユーザにわかり易く呈
示するために、時系列に沿って更新履歴の情報を呈示す
るよう構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術2や従来技術3を用いて、電子化された文書とこ
の印刷物とを関係付けることや、電子化された文書の更
新履歴を管理することは可能であるが、印刷物に対して
手書きで入力された事項と電子化された文書とを関係付
けることは不可能である。ここで、従来技術1において
開示されている情報表示媒体及び情報記録装置を用いた
場合では、印刷物に対応する情報表示媒体が、紙等の汎
用性が高いものでなく、専用に製造されたものであるた
め、紙などを印刷物とする場合に対して利便性が損なわ
れる。更に、従来技術1では、情報表示媒体上における
書き込み位置を特定するために情報記録装置を必要とし
ているため、余分な費用がかかる。
【0008】但し、従来技術1で開示された情報記録装
置を用いずに、印刷された文書に加筆した事項を、電子
的な元文書に自動的に反映させる、端的にいえば、紙ベ
ースのタブレットシステムを実現するためには、まず、
紙面上における書き込み先の座標を取得する必要があ
る。
【0009】例えば、特開昭61−296421号公報
では、光学的に読取可能なコードシンボルを座標板上に
マトリックス状に並べ、それを読むことによって座標情
報を取得する技術が開示されている。また、特開平7−
141104号公報にも、同様の技術内容が開示されて
いる。これらを、以下において従来技術4という。
【0010】しかしながら、従来技術4が開示するとこ
ろの座標情報を示すコードシンボルを印刷物の大半に添
付したのでは、肝心の文書と重畳してしまい、文書自体
が閲覧できなくなってしまう。
【0011】また、例えば従来技術4により文書の履歴
管理をし、この履歴情報を印刷物に印字していたとして
も、これから加筆しようとする文書が最新の履歴のもの
かどうかを、その場で判断することは不可能である。
【0012】上記のように、印刷された文書に加筆する
と電子的な元文書に自動的に反映されるシステムにおい
ては、印刷された文書に加筆された場合には電子的では
ない加筆・修正がなされるため、従来の履歴管理アプリ
ケーションで文書を履歴管理する方法では対応できず、
印刷された文書に加筆・修正が幾度繰り返されても履歴
が更新されない。
【0013】したがって、従来において開示されている
技術では、電子的に加筆・修正した文書の履歴管理と、
印刷した文書に手書きで加筆・修正した内容を元の電子
文書に反映するものとを統一的に扱うことが不可能であ
るという問題が存在する。
【0014】更には、従来技術において、文書が最新履
歴のものであるかどうか判断することができないという
問題がある。
【0015】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、電子文書の管理・修正を容易にする文書管
理システム、文書管理方法、及び情報読取装置を提供す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】係る目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、印刷媒体に割り当てられて
いるユニークな識別情報と対応して、印刷媒体に印刷さ
れた文書に対応する電子データの更新情報を管理するこ
とを特徴としている。
【0017】これにより、請求項1に記載の発明では、
電子文書の管理・修正を容易にすることが可能となる。
また、本発明によれば、電子文書だけでなく印刷した文
書の履歴をも管理することが可能になる。
【0018】更に、請求項2記載の発明は、ユニークな
識別情報が、印刷媒体の所定の領域に記録されており、
印刷媒体からユニークな識別情報を読み取り、読み取っ
た当該ユニークな識別情報を、電子データと関連付けて
管理することを特徴としている。
【0019】これにより、請求項2に記載の発明では、
文書印刷時に、自動的に文書の管理及び履歴の管理が文
書管理システムに登録されるので、ユーザが文書の履歴
管理を意識しないで使用することが可能になる。
【0020】更に、請求項3記載の発明は、印刷媒体の
前記所定の領域に、当該印刷媒体の所定の位置を基準と
する座標情報が記録されており、印刷媒体から座標情報
を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図形オブジ
ェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子データに
貼り付けることを特徴としている。
【0021】これにより、請求項3に記載の発明では、
加筆情報を文書にオブジェクトとして貼り付けること
で、ユーザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわ
かるようになり、利便性を向上させた文書管理システム
を提供することが可能となる。
【0022】更に、請求項4記載の発明は、読み取った
座標情報と関係付けられた電子データを、関係付けられ
る前の電子データとは別の電子データとして、更新情報
を管理することを特徴としている。
【0023】これにより、請求項4に記載の発明では、
加筆した文書の履歴を更新することで、電子的な修正、
紙上での加筆の両方の更新履歴を扱えるようになる。
【0024】更に、請求項5記載の発明は、印刷媒体か
ら前記ユニークな識別情報を読み取った際、読み取った
当該ユニークな識別情報に対応する電子データを特定
し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定し
た当該電子データに対応する更新情報に基づく文書情報
を、表示装置を介してユーザに呈示することを特徴とし
ている。
【0025】これにより、請求項5に記載の発明では、
現在加筆している文書が最新のものであるか否か等を判
別することが可能になる。
【0026】更に、請求項6記載の発明は、読み取った
前記座標情報に基づいて、描画された図形を表示装置に
再現することを特徴としている。
【0027】これにより、請求項6記載の発明では、電
子文書の管理・修正を容易にすることが可能となる。ま
た、本発明によれば、現在加筆している内容が正しく文
書に反映されているかどうかを確認することが可能とな
る。
【0028】また、請求項7記載の発明は、印刷媒体に
割り当てられているユニークな識別情報と対応して、印
刷媒体に印刷された文書に対応する電子データの更新情
報を管理することを特徴としている。
【0029】これにより、請求項7に記載の発明では、
電子文書だけでなく印刷した文書の履歴をも管理するこ
とが可能になる。
【0030】更に、請求項8記載の発明は、印刷媒体の
所定の領域に記載されたユニークな識別情報を読み取
り、読み取った当該ユニークな識別情報を、電子データ
と関連付けて管理することを特徴としている。
【0031】これにより、請求項8に記載の発明では、
文書印刷時に、自動的に文書の管理及び履歴の管理が登
録されるので、ユーザが文書の履歴管理を意識しないで
使用することが可能になる。
【0032】更に、請求項9記載の発明は、印刷媒体の
所定の領域に記載された所定の位置を基準とする座標情
報を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図形オブ
ジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子データ
に貼り付けることを特徴としている。
【0033】これにより、請求項9に記載の発明では、
加筆情報を文書にオブジェクトとして貼り付けること
で、ユーザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわ
かるようになり、利便性を向上させることが可能とな
る。
【0034】更に、請求項10記載の発明は、読み取っ
た座標情報と関係付けられた電子データを、関係付けら
れる前の電子データとは別の電子データとして、更新情
報を管理することを特徴としている。
【0035】これにより、請求項10に記載の発明で
は、加筆した文書の履歴を更新することで、電子的な修
正、紙上での加筆の両方の更新履歴を扱えるようにな
る。
【0036】更に、請求項11記載の発明は、印刷媒体
からユニークな識別情報を読み取った際、読み取った当
該ユニークな識別情報に対応する電子データを特定し、
特定した当該電子データの文書内容、又は、特定した当
該電子データに対応する更新情報に基づく文書情報を、
ユーザに呈示することを特徴としている。
【0037】これにより、請求項11に記載の発明で
は、現在加筆している文書が最新のものであるか否か等
を判別することが可能になる。
【0038】更に、請求項12記載の発明は、読み取っ
た座標情報に基づいて、描画された図形を再現して表示
することを特徴としている。
【0039】これにより、請求項12記載の発明では、
現在加筆している内容が正しく文書に反映されているか
どうかを確認することが可能となる。
【0040】また、請求項13記載の発明は、印刷媒体
の所定の領域に記載されているユニークな識別情報、及
び/又は、印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報
を読み取る情報読取手段と、情報読取手段により読み取
ったユニークな識別情報及び/又は座標情報を送信する
読取情報送信手段と、を有し、ユニークな識別情報及び
/又は座標情報を読み取った場合、ユニークな識別情報
及び/又は座標情報を読取情報送信手段より送信するこ
とを特徴としている。
【0041】これにより、請求項13に記載の発明で
は、印刷した文書に関する履歴等の管理を実現すること
が可能になる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適に実施した形
態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0043】本実施形態を説明するにあたり、まず、本
実施形態において電子文書が印刷される印刷媒体につい
て説明する。
【0044】・印刷媒体1 図1は、本実施形態による文書管理システムで用いる印
刷媒体1の平面図である。印刷媒体1には、人間が視覚
的に読み取り可能な文書が印刷可能であり、一般的に
は、紙、布、プラスチック等で構成されるシート状のも
のである。但し、本実施形態では、以下に説明するよう
なコードシンボルが添付されている、又は、添付するこ
とができるものであれば、いかなるものでも適用するこ
とが可能である。
【0045】・コードシンボル2 図1において、2は光学的に読み取り可能なコードシン
ボル2である。図1の例では、コードシンボル2はマト
リクス状に並べられている。但し、本実施形態では、コ
ードシンボル2を光学的に読み取り可能なものとして構
成しているが、これを磁気的又は電気的に読み取り可能
なものとして構成することも可能である。
【0046】また、コードシンボル2のコード構成とし
ては、例えば以下に例示するような2通りのものが考え
られる。
【0047】・・印刷媒体毎の識別情報と座標毎の情報
とを用いる場合 まず、第1のコード構成例として、コードシンボル2
に、印刷媒体1及びこの印刷媒体1におけるコードシン
ボル2が印刷されている面を一意に識別するためのユニ
ークな識別情報と、各コードシンボル2が配置された印
刷媒体1上の座標を意味する情報と、がエンコードされ
ている場合を説明する。
【0048】この場合、例えば、図1に示すコードシン
ボル2を例にあげて説明すると、左上のコードシンボル
2aは「1234560101」がエンコードされ、コ
ードシンボル2bは「1234560102」がエンコ
ードされ、コードシンボル2cは「123456020
1」がエンコードされ、コードシンボル2dは「123
4560202」とエンコードされている。
【0049】あるいは他の例として、コードシンボル2
aの部分が「123456aa」、コードシンボル2b
の部分が「123456ab」、コードシンボル2cの
部分が「123456ba」、コードシンボル2dの部
分が「123456bb」とエンコードされていてもよ
い。
【0050】ここで、上記に挙げたコードシンボル2の
例では、各コードシンボル2の左から6桁が、印刷媒体
1及びこの印刷媒体1におけるコードシンボル2が印刷
された面にユニークな識別情報であり、残りの部分が、
各コードシンボル2が配置された座標を示す情報であ
る。このように、各コードシンボル2は、各々他の全て
のコードシンボル2に対してユニークな(重複しない)
値が割り当てられている。これにより、本実施形態で
は、各コードシンボル2を例えば光学的に読み取ること
で、読み取った印刷媒体1の判別と位置の検出とを行う
ことが可能となる。
【0051】また、このように印刷媒体1及び印刷媒体
1におけるコードシンボル2が印刷された面に対してユ
ニークな識別情報と、この印刷媒体1における所定の位
置を基準とした座標情報と、が区別して定義されている
場合では、ユニークな識別情報を印刷媒体1における所
定の1箇所のみに記載し、印刷媒体1の面上に記載する
コードシンボル2を座標情報のみとすることで、各コー
ドシンボル2にコード化するデータ量を削減することが
できる。
【0052】・・一桁で構成する場合 また、第2のコード構成例として、コードシンボル2
に、英数字36文字を一桁とする36進数が使用されて
いる場合を説明する。この場合、例えば、印刷媒体1上
の二次元の座標において、x座標,y座標にそれぞれ8
桁ずつを割り当てる。これにより、各座標系において、
それぞれ2.8兆もの座標を指定することができる。こ
れは、例えば、各座標点を1mmおきに与えた場合、約
8兆平方kmという広大な面積の座標位置を指定するこ
とが可能になることを示しており、実に地球の表面積の
約15000倍にもなる範囲である。これによりA4サ
イズの媒体を事実上一意に決めることができ、世界に一
枚しかない印刷媒体の存在が可能になる。
【0053】以上、2通りの構成例を説明したが、本実
施形態では、上記のように複数のコードシンボル2が各
々一意的に識別できるならば、いかなるコードシンボル
2の形態でもよく、また、各コードシンボル2の配列方
法にも特に制約はない。但し、図1のように、規則的に
エンコードし、かつ、規則的にコードシンボル2を配置
することが望ましい。
【0054】・・コードシンボル2の配列の具体例 また、上記のように構成されているコードシンボル2の
配置例を、より具体的な例を挙げて説明する。ここで、
例えば、紙面の左上を原点とし、右方向にx軸、及び下
方向にy軸をとる。
【0055】この構成において、図1を用いて説明する
と、(x座標,y座標)が(10mm,10mm)の位置
に「1234560101」のコードシンボル2の中心
がくるように配置し、(10mm,20mm)の位置には
「1234560102」のコードシンボル2の中心が
くるように配置し、(20mm,10mm)の位置に「1
234560201」のコードシンボル2の中心がくる
ように配置する。また、他の図示しない点は、それぞれ
上記の間隔等に準じて配置する。
【0056】これのように、コードシンボル2を配置さ
せることで、本実施形態では、x軸,y軸共に10mm
間隔で印刷媒体1上の位置を検出することが可能とな
る。但し、これは、一例にすぎなく、間隔等はいかよう
にも変更することが可能である。
【0057】また、コードシンボル2は、印刷媒体1の
なるべく広い範囲に記録することが望ましいが、必ずし
も全面に記録する必要はない。例えば、プリンタで印刷
する場合、紙面の周囲は印字できない範囲である場合が
多い。このようなとき、このような部分に必ずしも印刷
する必要はない。
【0058】・・コードシンボル2の構成例 また、光学的に読み取り可能なコードシンボル2とし
て、図1には、DataMatrixコードを適用した
場合を例示しているが、同様なコードシンボル2として
は他にもいくつか周知であるものがあり、例えば、Co
deOne,AztecCode,MaxiCode,
QRCode,DotCode,SnowflakeC
ode,ドット位置を位相変調するコード等を用いるこ
とができる。また独自コードを用いてもよい。
【0059】・・コードシンボル2を光学的に読み取り
可能とする方法 また、以下に、実際に印刷媒体1上に添付されるコード
シンボル2について、以下に具体例を挙げて説明する。
【0060】まず、コードシンボル2を印刷媒体1上の
ある程度広範囲な領域(文書が印刷される領域に重なる
領域)にコードシンボル2を印刷する場合、文書を印刷
するインクとコードシンボル2を印刷するインクとの吸
光波長または発光波長を互いに重ならないようにして、
文書を人間が視覚的に読み取り可能な波長域に、コード
シンボル2を人間にとっては読み取り不可能であるが、
光学的には読み取り可能な波長域で印刷する。これによ
り、文書とコードシンボル2とを重ねて印刷しても、各
々光学的に独立して読み取ることが可能となる。
【0061】・・・人間に不可視のインク例 ここで、人間に不可視のインクとしては、例えば、目立
マクセル社製のステルスインクがあり、これには熱転写
プリンタ用のシートも用意されている。これは人間には
ほとんど見えず、赤外領域で光学的に読み取り可能であ
る。
【0062】一方、逆に赤外領域では透明な黒色インク
も市販されているので、このようなインクを用いて市販
の熱転写方式プリンタを用いることにより、あらかじめ
不可視のコードシンボル2が印刷された印刷媒体1に人
間にとって可視の文書をプリンタで印刷することが容易
に可能となる。
【0063】ここで、不可視インクの材料について説明
する。不可視の材料の中で光学的に検知できるものとし
ては、光を吸収し、その反射強度の差により検知できる
材料、または、光の吸収により励起し、蛍光を発し、そ
れを検知できる材料が用いられる。
【0064】光を吸収しその反射強度の差により検知で
きる材料としては、可視域での吸収は低く、それ以外の
波長領域での吸収を有する材料を用いることができる。
上記のコードシンボル2や文書情報を、これらの材料で
形成された吸収する部分と反射する部分とから形成する
ことにより、これらの吸収/反射による可視域外での光
学濃度の差から各々の情報を独立して検知することが可
能となる。また、これらは可視域の光学濃度の差が極め
て小さいため、肉眼ではほとんど視認されない。また、
照射光を紫外線とした場合、この紫外光による媒体含有
物の劣化等により配光性が変化することが考えられるた
め、照射光を赤外光として光学的に認識できる材料を適
用することが望ましい。
【0065】ここで、有機系の赤外吸収材料としては、
シアニン系色素、ナフトキノン系色素、フタロシアニン
系色素、アントラキノン系色素、ジオール系色素、トリ
フェニルメタン系色素等が挙げられる。これらは可視域
にも吸収があるため、赤味がかったクリーム色を呈して
いる。
【0066】また、より望ましいのは、可視域では吸収
を持たず、赤外域に吸収を有する無機系の材料である。
この材料としては、例えば、少なくともNd(ネオジ
ム),Yb(イッテルビウム),In(インジウム),
Sn(スズ),Zn(亜鉛)を含有した化合物を用いる
ことができる。特に、これら金属及びこれらの酸化物、
硫化物、ハロゲン化物などの化合物が望ましく、これら
化合物は白色、または淡い青色であり、情報担体を不可
視化するのに適している。
【0067】これら化合物の具体的な例としては、酸化
イッテルビウム、酸化錫、酸化亜鉛、硫化イッテルビウ
ム、硫化亜鉛、塩化イッテルビウム、塩化インジウム、
重化錫、塩化亜鉛、臭化イッテルビウム、臭化インジウ
ム、インジウム−錫混合酸化物、又はインジウム−錫混
合酸化物とアルミナ、硫酸バリウム、二酸化珪素、炭酸
カルシウムから選ばれる1種との混合物等が挙げられ
る。
【0068】また、Yb,In,Sn,Znのいずれか
1つ以上を含み、これらと酸との塩も有効な赤外吸収材
料である。これらの具体的な例として、硫酸イッテルビ
ウム、硫酸亜鉛、硫酸インジウム、硝酸イッテルビウ
ム、硝酸錫、過塩素酸イッテルビウム、炭酸イッテルビ
ウム、炭酸亜鉛、炭酸インジウム、酢酸イッテルビウ
ム、酢酸亜鉛、酢酸錫、ニコチン酸イッテルビウム、リ
ン酸イッテルビウム、リン酸亜鉛、リン酸錫、シュウ酸
イッテルビウム、シュウ酸亜鉛、シュウ酸錫等が挙げら
れる。
【0069】また、光の吸収により励起し、蛍光を発
し、それを検知できる材料としては、発せられる蛍光波
長、強度差で検知できるものが用いられる。但し、紫外
光による媒体含有物の劣化等の耐光性を考慮するため、
上記と同様に、赤外光により励起し、蛍光を発する材料
が好ましい。
【0070】この赤外光を吸収し、蛍光を発する材料と
しては、光学活性元素として少なくともNdを含む有機
金属化合物がある。これら有機金属化合物中の有機化合
物としては、カルボン酸類、ケトン類、エーテル類、ア
ミン類から選択される。これらの具体的な例としては、
桂皮酸ネオジム、ナフトエ酸ネオジム等が挙げられる。
【0071】また、光学活性元素としては、Nd及びY
bを含む有機金属化合物がより望ましい。このような有
機金属化合物の具体的な例としては、桂皮酸ネオジム・
イッテルビウム複合塩、安息香酸ネオジム・イッテルビ
ウム複合塩、ナフトエ酸ネオジム・イッテルビウム複合
塩等が挙げられる。
【0072】また、Nd,Yb,Er(エルビウム)の
1種以上の元素を含む含酸素酸塩化合物も赤外蛍光材料
として使用できる。この含酸素酸塩化合物の具体的な例
としては、リン酸塩化合物、バナジン酸塩化合物、ホウ
酸重化合物、モリブデン酸塩化合物等が挙げられる。
【0073】さらに、光学活性元素としてFe(鉄)お
よびErを含有し、他にSc(スカンジウム),Ga
(ガリウム),Al(アルミニウム),In,Y(イッ
トリウム),Bi(ビスマス),Ce(セリウム),G
d(ガドリニウム),Lu(ルテチウム),La(ラン
タン)から選択された少なくとも1種以上の元素を含有
した化合物も赤外蛍光材料として使用できる。
【0074】また、光学活性元素としてYbを含有し、
この他、Sc,Ga,Al,In,Y,Bi,Ce,G
d,Lu,Laから選択された少なくとも1種以上の元
素を含有した化合物も赤外蛍光材料として用いることが
できる。
【0075】さらに、赤外領域に吸収を有する有機化合
物を把持させた、Nb,Yb,Erから選択された1種
以上の希土類含有有機化合物も赤外蛍光材料として用い
ることができる。これら赤外領域に吸収を有する有機化
合物としては、ポリメチン系色素、アントラキノン系色
素、ジオール系色素、フタロシアニン系色素、インドフ
ェノール系色素、アゾ系色素等から選択できる。
【0076】このコードシンボル2は上述したように不
可視インクで形成される。ここで用いられているコード
シンボル2は、座標情報の他に文書IDも含むとしてい
ることから、一次元のバーコードではIDが不足してし
まう可能性が存在するため、二次元コードを使用すると
よい。二次元へ拡大することにより、前述したように2
0桁程度のコードを生成することができるので、全世界
で使用している媒体1の数に対して、絶対的な識別番号
(例えば通し番号)を文書情報として付けることも可能
となる。つまり一度作成した文書のIDが固定されて、
世界に1つしかないIDの付いた文書、つまり、世界で
一つしかない文書とすることができる。
【0077】また、前述したような可視光以外の光を反
射して使用者が見えにくくなる不可視材料を使用し、文
書のIDが即座に判別できないようにすることで、各文
書に関するセキュリティを高めるようにすることもでき
る。
【0078】・印刷媒体1の識別情報と文書データとの
関係付け このように、不可視インクを用いてコードシンボル2が
形成されている印刷媒体1と、この印刷媒体1に印刷し
た文書とを関係付ける方法について、以下に説明する。
【0079】この場合に、印刷媒体1の作成時に絶対的
にユニークな識別番号を付すので、実際に印刷媒体1に
対してプリンタで文書の印刷を行う場合に、印刷したい
文書の識別情報(例えば、「c:\MyDocument\Patent.do
c」などのファイル名やアドレスやパス等:以下、文書
情報という)とユニークな識別番号との関連付けを行う
必要がある。これにより、どの印刷媒体1に何の文書を
印刷したかを判別することが可能となる。更に、この構
成により、利用者におけるコンピュータ端末等の情報処
理システムにおいて、文書に対して入力された加筆事項
を、文書の電子データに格納する、又は、文書の電子デ
ータにリンク付けして保存することが可能となる。
【0080】これを図6に示す本実施形態による文書管
理システムを引用して説明すると、「123456」と
いうユニークな識別情報がついた印刷媒体1に対して、
情報処理装置604に接続されたプリンタ601を用い
て、「c:\MyDocument\Patent.doc」という文書情報が附
された文書を印刷する。この際、プリンタ601におい
て印刷媒体1の「123456」というユニークな識別
情報を読み取る。本実施形態では、この読み取った印刷
媒体1のユニークな識別情報(「123456」)と文
書情報(「c:\MyDocument\Patent.doc」)との関係付け
を、情報処理装置604,609又はプリンタ601に
おいて自動的に行う。このように構成することで、本実
施形態では、印刷媒体1のユニークな識別情報と文書情
報との関連付けを行う手段が実現されている。
【0081】この関連付けの内容を示すデータ(以下、
関係データという)は、印刷媒体1に印刷された文書の
文書データと共に、情報処理装置609に接続された記
憶装置605などに記憶される。
【0082】・文書データに対する加筆事項の付加方法 このように関連づけられた文書に対して、本実施形態に
よるペン型座標入力装置607を用いて行った加筆事項
を付加する方法を以下に説明する。
【0083】文書が印刷された印刷媒体1に対して、図
8で示すようなペン型座標入力装置607を用いて筆記
を行った場合、ペン型座標入力装置607における画像
読取装置806により印刷媒体1のユニークな識別情報
を読み取る。この読み取った印刷媒体1のユニークな識
別情報を、記憶装置605において記憶されている関連
データと照合することで、本実施形態では、印刷媒体1
に印刷された文書の文書データが特定される。更に、特
定された文書データには、画像読取装置806で読み取
った座標情報や色情報等が自動的に添付される。本実施
形態では、このように構成することで、文書データに対
して座標情報や色情報等を付加する手段を実現してい
る。
【0084】次に、ペン型座標入力装置607を用いて
印刷媒体1への書き込みを行う場合、ペン型座標入力装
置607では、「123456」,「10,10」,
「10,11」,「10,12.5」,「11,1
4」,…のように、印刷媒体1からユニークな識別情報
と座標情報とが取得される。
【0085】ここで、ペン型座標入力装置607に赤色
インクを使用している場合、本実施形態では、次のよう
なデータが作成される。つまり、色情報、印刷媒体1の
ユニークな識別情報、座標情報とからなる、「red\1234
56,10,10」(又は「123456,red,10,10」),「red\1234
56,10,11」,「red\123456,10,12.5」,「red\123456,1
1,14」,…が、ペン型座標入力装置607又は情報処理
装置604において生成される。但し、ペン型座標入力
装置607と情報処理装置604とは、無線又は有線に
より接続されているものである。無線で接続する場合で
は、赤外線を用いる方法やBluetoothを適用する方法等
が考えられる。ここで、赤外線を用いる場合では、ペン
型座標入力装置607においてデータを送信する赤外線
発信手段を設け、情報処理装置604においてこの受信
装置を設ける。また、Bluetoothを適用した場合では、
例えば情報処理装置604をマスター端末として、双方
にBluetoothインタフェースを設ける。これに対して、
有線で接続する場合では、USBやIEEE1394等
を適用することができる。
【0086】このようにして、情報処理装置604にデ
ータが与えられると、情報処理装置604は、このデー
タをネットワーク600を介して情報処理装置609へ
転送する。情報処理装置609は、上記のように関連付
けられた情報、「123456」と「c:\MyDocument\Pa
tent.doc」とに基づき、通知されたデータに対応する元
文書の電子データを特定し、この元文書(電子データ)
「c:\MyDocument\Patent.doc」上の対応する座標に、赤
色の加筆事項を上書きする。
【0087】・印刷媒体1を書き換え可能とする場合 また、上記で説明したコードシンボル2が印刷されてい
る印刷媒体1としては、通常の紙状シートを用いるだけ
でなく、書き換えが可能である印刷媒体を用いることも
考えられる。以下に、印刷媒体1として書換え可能な媒
体を用いる場合について、図2を参照して説明する。
【0088】この媒体1は、支持体13を有しており、
この支持体13上に、コードシンボル2が埋め込まれて
いるコードシンボル層14、記録層15、中間層16、
保護層17が順次積層されている。この支持体13は、
熱伝導性が良好な白色の樹脂からなり、中間層16、保
護層17は、透光性の良好な無色の樹脂からなる。
【0089】また、図3に示すように、与えた熱を有効
に利用するために、支持体13と記録層15との間に断
熱性の下引き層18を設けてもよい。下引き層18は、
有機又は無機の微小中空体粒子を、バインダ樹脂を用い
て塗布することにより形成できる。筆記軌跡を示す座標
情報や、文書の所在、文書名、ぺ一ジなどを示す文書情
報を有するコードシンボル層14は、下引き層18中に
設けている。更に、支持体13と記録層15との接着性
の改善や、支持体13への記録層材料の浸透防止を目的
としたアンダーコート層を、支持体13と記録層15と
の間に設けてもよい。
【0090】また、記録層15は、情報の可視的表示を
可逆的に行うことができる可逆性記録層であり、感熱方
式、磁気記録方式、フォトクロミック記録方式、エレク
トロクロミック方式等が利用できる。特に、本実施形態
においては、感熱記録方式、即ち、熱エネルギーにより
可逆的に光学特性が変化し、可視情報の記録及び消去が
可能である記録層15が望ましいものとして挙げられ
る。熱エネルギーによる書込みは、例えば熱昇華型のプ
リンタで印字することが容易である。
【0091】この熱エネルギーにより可逆記録が行える
材料としては、少なくとも、ロイコ染料と顕色剤とを含
む記録層、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層、
さらに、低分子または高分子液晶化合物を含む記録層か
ら構成される可逆性記録層が望ましいものとして挙げら
れる。
【0092】ロイコ染料と顕色剤を含む可逆性記録層
は、例えば樹脂バインダ中にロイコ染料及び顕色剤を分
散させることにより形成することができる。ロイコ染料
としては、例えばフタリド系化合物、アサフタリド系化
合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、
ロイコオーラミン系化合物などの染料前駆体が挙げられ
る。顕色剤は、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能
を有する構造、例えばフェノール性水酸基,カルボン酸
基,リン酸基等と、分子間の凝集力を制御する構造、例
えば長鎖炭化水素基と、が連結した構造をもつ化合物で
ある。連結部分には、ヘテロ原子を含む2価の基を介し
ていてもよく、また、長鎖炭化水素基中にもヘテロ原子
を含む2価の基または芳香族炭化水素基が含まれていて
もよい。
【0093】このように、記録層15は、少なくともロ
イコ染料と顕色剤を含む樹脂層からなり、また、記録層
15を形成する樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリフェニレンオキシド、フッソ樹脂、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェ
ノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリ
ウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸
エステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、マレ
イン酸系共重合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、シ
リコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デン
プン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げることができる。
【0094】また記録層15の皮膜の強度を上げること
を目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加することもでき
る。このような硬化剤、架橋剤の例として、イソシアネ
ート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹
脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジルコ
ニウム化合物等を挙げることができる。更に、電子線硬
化性又は紫外線硬化性バインダを用いて記録層15を設
けることもできる。係るバインダとしては、エチレン性
不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
【0095】これらの具体例としては、以下に挙げるも
のが存在する。 1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコール及びポリ
アルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート 2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコ
ールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アル
コールのポリ(メタ)アクリレート 3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート 4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート 5.エポキシポリ(メタ)アクリレート 6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート 7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エス
テル 8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、又は末端に有するビ
ニル系またはジエン系化合物 9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、
(メタ)アクリロイル化合物 10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物 11.エチレン性不飽和結合を有するモノ又はポリカル
ボン酸及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、
アミン塩等 12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はアル
キル置換(メタ)アクリルアミド及びその多量体 13.ビニルラクタム及びポリビニルラクタム化合物 14.エチレン性不飽和結合を有するモノ又はポリエー
テル及びそのエステル 15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエス
テル 16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルゴール及
びそのエステル 17.スチレン、ジビニルベンゼン等、1個以上のエチ
レン性不飽和結合を有する芳香族化合物 18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、又は末端に
有するポリオルガノシロキサン系化合物 19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物 20.前記1〜19記載の化合物の多量体又はオリゴエ
ステル(メタ)アクリレート変成物 紫外線硬化性バインダを用いて記録層15を形成する場
合には、光重合開始剤を混合して用いる。光重合開始剤
としては、ジ又はトリクロロアセトフェノンのようなア
セトフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイ
ン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケ
タール、テトラメチルチウラムモノサルファイト、チオ
キサントン類、アゾ化合物、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールスルホニウム塩、ビス(トリクロロメ
チル)トリアジン化合物等が挙げられる。
【0096】これらのロイコ染料及び顕色剤を用いた記
録層15は、図4に示すプロセスで発色・消色する。図
4において、横軸は温度を示しており、縦軸は発色の状
態を示している。
【0097】初期の消色状態(A)を加熱すると、温度
Th以上でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色し
(B)、この状態を急冷すると発色状態のまま固定され
る(C)。発色状態(C)を加熱していくと、発色温度
Thより低い温度Tlで消色し(D)、冷却すれば初期
と同様の消色状態となる。また、記録層15が有機低分
子化合物の粒子を含有する樹脂層は、温度に依存してそ
の透明度が可逆的に変化する記録層であり、この記録層
15の光散乱性が温度に依存して可逆的に変化する性質
を利用し構成される。
【0098】記録層15に用いられる樹脂は、有機低分
子物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大
透明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹
脂母材は透明性がよく、機械的に安定で、かつ、成膜性
のよい樹脂が望ましい。このような樹脂としては、ポリ
塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
アクリレート共重合体等の重化ビニル系共重合体;ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩
化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;
ポリアクリレート又はポリメタクリレート又はアクリレ
ート−メタクリレート共重合体;シリコン樹脂等が挙げ
られる。これらは単独で或いは2種以上混合して使用さ
れる。
【0099】記録層15に用いられる有機低分子化合物
としては、一般に融点30〜200℃、好ましくは50
〜150℃程度のものが使用される。このような有機低
分子化合物としては、アルカノール;アルカンジオー
ル;ハロゲンアルカノール又はハロゲンアルカンジオー
ル;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アノレキ
ン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲンア
ルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアル
キン;飽和又は不飽和モノ又はジカルボン酸又はこれら
のエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和又は不飽
和ハロゲン脂肪酸又はこれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;アリルカルボン酸又はそれらのエステ
ル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボ
ン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモニウム
塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそれらのエス
テル、アミン又はアンモニウム塩;チオアルコールのカ
ルボン酸エステル等が挙げられる。これらは単独で又は
2種以上混合して使用される。
【0100】これらの化合物の炭素数は、10〜60、
好ましくは10〜38、特に10〜30がよい。エステ
ル中のアルコール基部分は飽和していても飽和していな
くてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。
【0101】いずれにしても、有機低分子化合物は分子
中に酸素、窒素、硫黄およびハロゲンの少なくとも1
種、例えば−OH、−COOH、―CONH、−COO
R、−NH−、−NH2、−S−、−S−S−、−O
−、ハロゲン等を含む化合物であることが望ましい。更
に、透明化できる温度の幅を広げるには、上記の有機低
分子化合物を適宜組合せるか、又は、そうした有機低分
子化合物と融点の異なる他の材料とを組合せればよい。
【0102】これらの有機低分子と樹脂とからなる記録
層15は、図5に示すプロセスで透明・白濁する。熱に
よる透明度の変化を表わしている図5において、樹脂及
びこの樹脂中に分散された有機低分子化合物を主成分と
する可逆記録層は、例えばT0以下の常温では白濁不透
明状態にある。これを温度T2に加熱すると透明にな
り、この状態で再びT0以下の常温に戻しても透明のま
まである。更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明
度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。
【0103】次に、この温度を下げて行くと、再び透明
状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。な
お、この不透明状態のものをT1〜T2間の温度に加熱
した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合には、
透明と不透明との中間の状態をとることができる。ま
た、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度
に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻
る。
【0104】さらに、記録層15が低分子または高分子
液晶を含む記録層に用いられる高分子液晶としては、主
鎖または側鎖にメソゲン(液晶性を示す分子)が結合さ
れた主鎖型および側鎖型分子液晶等が用いられる。高分
子液晶は、通常、重合可能なメソゲン化合物(メソゲン
モノマーと呼ぶ)を重合するか、あるいは水素化ポリシ
リコーン等の反応性ポリマーに付加反応可能なメソゲン
化合物を付加させて製造することができる。
【0105】メソゲンモノマー及び付加反応可能なメソ
ゲン化合物としては、ビフェニル系、フェニルベンゾエ
ート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン
系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミジ
ン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエー
ト系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系等
の剛直な分子(メソゲン)に、好ましくは所定の長さの
アルキルスペーサを介して、アクリル酸エステル基、メ
タクリル酸エステル基またはビニル基が結合した種々の
化合物等が代表的なものとしてあげられる。
【0106】・文書管理システムの構成 次に、図6を用いて、本実施形態による文書管理システ
ムの構成例を説明する。
【0107】図6を参照すると、本実施形態による文書
管理システムは、プリンタ601、複写機602、スキ
ャナ603、情報処理装置604,609がネットワー
ク600を介して接続されている。このネットワーク6
00としては、イーサネット等を用いたLANであって
も、インターネット等であってもよい。
【0108】また、情報処理装置604は、上述のよう
に、ペン型座標入力装置607や携帯情報端末608等
と、それぞれ有線あるいは無線により接続されている。
また、情報処理装置609には、ハードディスク等を用
いて構成された記憶装置605が接続されており、文書
管理データベース606と履歴管理データベース610
と文書10と履歴管理文書フォルダ611とが構成され
ている。
【0109】ここで、記憶装置605を、情報処理装置
609に内蔵されたハードディスクやUSB,IEEE
1394等を介して接続されたハードディスク等で構成
するだけでなく、シリアル又はパラレル回線、イーサネ
ット(登録商標)等のLANを介して接続されたファイ
ルサーバ等として構成してもよい。即ち、情報処理装置
609と通信を行い、対象とする文書10に関する必要
な情報を提供する構成であればいかようにも変更するこ
とが可能である。
【0110】上記構成において、作成された文書10
は、情報処理装置609に接続された記憶装置605に
格納される。文書10は、例えば携帯情報端末608又
は情報処理装置604で作成されたものであり、これが
情報処理装置609を介して記憶装置605に格納され
る。
【0111】記憶装置605に格納されている文書10
に対して情報処理装置604又は情報処理装置609又
は携帯情報端末608のようなユーザが利用する端末か
ら印刷命令がなされると、文書10は、指定されたプリ
ンタ601又は複写機602において印刷される。但
し、文書10が印刷される印刷媒体1は既述のコードシ
ンボルがあらかじめ印刷されているものとする。
【0112】この際、文書10には、履歴番号と加筆履
歴番号とが付与される。ここで、印刷時に履歴番号が予
め付与されていなければ、情報処理装置609は、新た
に履歴番号‘0’を付与し、既に付与されているなら
ば、この履歴番号を1インクリメントする。また、同時
に情報処理装置609は、この文書10に対して加筆履
歴番号‘0’を付与する。
【0113】このようにして各履歴が付与・更新された
文書10は、履歴管理データベース610へ登録され
る。この際、文書10は、履歴管理データベース610
へ該当する項目が入力されるだけでなく、文書10その
ものもコピーして記憶装置605における履歴管理文書
フォルダ611に格納される。履歴管理文書フォルダ6
11は、履歴管理データベース610の管轄下にあり、
登録された文書10と、履歴管理データベース610に
格納された各項目と、が関係を有するように構成され
る。
【0114】このような履歴管理データベース610へ
の登録及び履歴管理文書フォルダ611への格納は、本
文書管理システムで印刷を行うたびにその印刷が行われ
たすべての文書について行われる。
【0115】履歴管理データベース610に登録されて
いる項目としては、文書ID、文書名、履歴番号、更新
日時、作成者、加筆座標情報ファイルなどである。加筆
座標情報ファイルは、ペン型座標情報入力装置607を
用いて印刷された文書10に対して加筆した際に取得さ
れる座標列が保存されているファイルである。
【0116】以上、説明した文書の印刷から文書管理デ
ータベース606、履歴管理データベース610への登
録までを行う方法を、図18のフローチャートを用いて
説明する。但し、文書管理データベース606及び履歴
管理データベース610は、リレーショナルデータベー
スで作成されており、予め文書10に関する各項目が登
録されているものとする。即ち、対象とする文書10
は、今回の更新前の段階で少なくとも1回は印刷されて
いるものとする。
【0117】図18を参照すると、本動作において、ま
ず、印刷対象の文書10が、例えば情報処理装置604
又は609、又は携帯情報端末608、ペン型座標情報
入力装置607等で編集される(ステップS801)。
この際の動作は、後述の図19の説明において詳細に触
れる。
【0118】対象の文書10を編集後、ユーザがいずれ
かの装置又は端末から文書10の印刷要求を行うと、こ
の印刷要求がネットワーク600を介して情報処理装置
609へ通知され、情報処理装置609よりプリンタ6
01又は複写機602に対して印刷が命令され、指定し
たプリンタ601又は複写機606において印刷が実行
される(ステップS802)。この際、プリンタ601
又は複写機602からは、印刷した文書10の各ページ
毎に、印刷媒体1の識別番号(コードシンボル2)を読
み取り、これをページ番号と対応させて情報処理装置6
09へ通知する。
【0119】また、情報処理装置609では、印刷を命
令した文書10に対して、印刷前に履歴番号が付与して
あればこれを1インクリメントし、付与してなければ、
新たに履歴番号‘0’と加筆履歴番号‘0’とを付与す
る(ステップS803)。
【0120】その後、プリンタ601又は複写機602
において印刷が正常に完了すると(ステップS804の
Yes)、情報処理装置609は、印刷された文書10
に対して文書IDを付与し、また、プリンタ601又は
複写機602から通知された印刷媒体1の識別番号毎
に、印刷された文書10の文書名とパス名(文書10の
実体が格納されたアドレス)とページ(番号)と総ペー
ジ数と文書IDとを文書管理データベース606の同一
レコードへ格納する(ステップS805)。更に、情報
処理装置609は、上記で付与した文書IDに対応し
て、ステップS803で付与した履歴番号と加筆履歴番
号とを履歴管理データベース610における同一レコー
ドに格納する(ステップS806)。但し、この動作に
おいて、図14及び図16における説明されていない項
目については、必要に応じて特定し、格納されるもので
ある。
【0121】このように動作することで、印刷した文書
10に関し、各ページ毎が印刷された印刷媒体1の識別
番号と更新履歴とを管理することが可能となり、ユーザ
がペン型座標入力装置607等を用いて加筆入力した際
の更新情報を情報処理装置609側で管理することが可
能となる。
【0122】但し、上記構成において、印刷時にプリン
タ601又は複写機602に対して文書10の内容だけ
でなく、文書管理データベース606及び履歴管理デー
タベース610に格納されている各項目内容のうち、必
要なものも印刷時に通知することにより、上記の動作に
おけるステップS803を、プリンタ601又は複写機
602において実行することが可能となる。
【0123】・印刷動作 次に、上記図18の動作におけるステップS802(印
刷)に関して、以下に詳細に説明する。但し、本説明で
は、印刷先をプリンタ601とした場合を例に挙げる。
また、プリンタ601において対象とする文書10を印
刷する際、情報処理装置609からは対象とする文書1
0の情報(印刷用データ)が通知される。
【0124】プリンタ601は、ネットワーク600を
介して通知された情報を受け取り、文書10の印刷用デ
ータを印刷イメージに展開し、コードシンボル2付き印
刷媒体1に印刷する。印刷媒体1が通常の紙でできてい
る場合、プリンタ601は電子写真方式で良いが、既述
の書き換え可能な媒体である場合、熱転写方式を使用す
る。印刷時には、プリンタ601は印刷媒体1のコード
シンボル2を読み取る。この読取りに関して図7を用い
て説明する。
【0125】・・コードシンボル読み取り動作 図7は、本実施形態による電子写真方式のプリンタ(6
01)の例を示す構成図である。
【0126】図7を参照すると、本実施形態によるプリ
ンタ601は、給紙カセット702とコードシンボル読
取り部703,703’と印刷カートリッジ704とコ
ントローラ705と定着ローラ706と排紙トレイ70
7と通信ポート708と排紙ローラ709とを有して構
成される。また、プリンタ601の最下部分に装着され
た給紙カセット702には、コードシンボル2付き用紙
として印刷媒体1がセットされている。
【0127】この構成において、通信ポート708を介
して例えば図6の情報処理装置609との通信により、
印刷命令を受けてプリンタ601は印刷を開始する。印
刷時に印刷媒体1は、給紙カセット702からローディ
ングされる。給紙中にコードシンボル読取り部703に
より印刷媒体1にあらかじめ印刷されているコードシン
ボル2が読み取られる。読み取った画像(コードシンボ
ル2)は、コントローラ705へ転送され、コードシン
ボル2のデコードやエンコードされている情報の取得、
あるいは通信ポート708を通じて外部への送信などの
処理が行われる。
【0128】印刷カートリッジ704で形成されたトナ
ー画像が転写され、定着ローラ706でトナーの定着が
行われた印刷媒体1は、その後、排紙ローラ709を通
って排紙トレイ707に排紙される。また、コードシン
ボル読取り部703は給紙部分にある必要性はなく、定
着ローラの直後(図中、703’)にあっても構わな
い。
【0129】ここで、コードシンボル読取り部703の
詳細な構成について説明する。コードシンボル読取り部
703は図6のペン型座標入力装置607に具備されて
いる画像読取装置806と同様な構成で実施することが
できる。従って、まず、ペン型座標入力装置607につ
いて図8を用いて説明する。
【0130】図8は、本文書管理処理システムで用いる
ペン型座標入力装置607の概略構成を示すブロック図
である。図8に示すように、このペン型座標入力装置6
07は、人が手に持って筆記動作を行うことができる筆
記具状の装置本体807を備えている。従って、装置本
体807の先端部805には、必要であれば、ボールペ
ン、シャープペンシル等の加筆機能部分等を取り付け
て、現実に筆記可能としてもよい。
【0131】また、装置本体807の側部に設けられた
画像読取装置806は、例えば、CCDなどの光電変換
素子806aと、レンズなどからなる光学系806bと
から構成されており、印刷媒体1上の画像(コードシン
ボル2)を読み取ることが可能なように構成されてい
る。尚、画像読取装置806には、必要に応じて照明を
設けてもよい。また、画像読取装置806の搭載場所と
しては、図8のように、装置本体807の側部に設けて
もよいし、装置本体807内部に設けてもよい。これ
は、加筆された(先端部805が接する)座標を読み取
ることが可能な場所であればいかなる場所でもよい。即
ち、読み取った座標に対して所定の処理を施すことによ
り、正確に先端部805が位置する座標を特定すること
ができる程度の十分な画像を読み取ることができるので
あれば、いかなるように設けてもよい。
【0132】装置本体807には、マイコン808が搭
載されていて、このマイコン808には、画像読取装置
806が接続されている。従って、マイコン808は、
画像読取装置806で読み取った印刷媒体1上の画像に
基づいた各種処理を行うものである。即ち、読み取った
コードシンボル2をデコードし、読み取った画像上にお
けるコードシンボル2の位置、向き、歪み量を検出す
る。本実施形態では、このようにデコード手段、歪み量
等算出手段を実現している。但し、詳細については後述
する。
【0133】また、マイコン808は、装置本体807
の外部のPCなどの情報処理装置604と通信可能であ
り、マイコン808内に蓄積したデータを情報処理装置
604に送信する。尚、マイコン808を装置本体80
7に搭載するのに代えて、画像読取装置806を情報処
理装置604と接続し、マイコン808で行う処理を情
報処理装置604で実行する、即ち、ペン型座標入力装
置607側では、画像読取装置806に通信手段を設
け、読み取った画像データをそのまま情報処理装置60
4へ送信するように構成してもよい。これにより、ペン
型座標入力装置607の携帯性の向上及び消費電力の削
減を行うことが可能となる。
【0134】図8では、画像読取装置806、マイコン
808などに電力を供給する電源や、マイコン808と
情報処理装置604とのインターフェイスなどは図示を
省略しているが、実際には情報処理装置604又は内部
に設けられた電池等から電力は供給される。
【0135】また、マイコン808に、LCD表示装置
809、LED810、又はブザー811を接続し、情
報処理装置604から受信した情報をLCD表示装置8
09に表示したり、特定の情報を受信した場合にLED
810を点滅させたり、ブザー811を鳴らしたりする
ことで、ユーザに対して必要な情報を呈示することが可
能となる。
【0136】また、装置本体807には、先端部805
の部分が筆記面に接触しているかどうかを検出する手段
を設けるのが望ましい。すなわち、先端部805部分に
ペン軸に沿った方向に可動するスイッチや電気に紙面と
の接触を検知するスイッチを設け、先端部805が筆記
面に接触した場合に、それを機械的又は導電性の変化等
により検出して、先端部805が筆記面に触れているか
否かを検出するよう構成する。これにより、ペン型座標
入力装置607の動作を最小限に抑え、消費電力を削減
することが可能となり、更に、ユーザが所望するときの
み、印刷媒体1上から情報を取得することが可能とな
る。
【0137】・・・撮像画像例1 図9は、ペン型座標入力装置607を用いて、図1に示
す印刷媒体1を読み取った画像例である。ペン型座標入
力装置607による撮影範囲を、コードシンボル2の幅
の少なくとも倍以上にしておけば、少なくとも一つのコ
ードシンボル2を常時画像の読み取り範囲内に捉えるこ
とが可能となる。
【0138】ここで、例えば、図9の枠91内のコード
シンボル2を読み取り、それに含まれている座標情報を
マイコン808でデコードした結果が「1234560
102」と得られれば、ペン型座標入力装置607は、
少なくとも図9に示す四角の枠91の大きさの精度で印
刷媒体1上の座標位置を検出することができる。
【0139】本実施形態では、図9に示すような画像を
マイコン808又は情報処理装置604で処理して、こ
の画像内のコードシンボル2の位置、向き、歪み量を検
出する。即ち、コードシンボル2内に座標情報のデータ
領域のほか、位置、向き、歪み量を検出しやすいような
特殊なパターン領域を設ける。図9では、QR(Quick
Response)コードを例に挙げているが、本実施形態で
は、このQRコードにおいて3ヶ所ある特殊領域a,
b,cをそれぞれ探し出し、それぞれの位置や互いの位
置関係、サイズ比較等により、コードシンボル2全体の
画像上における、位置、向き、歪み量を検出する。
【0140】ここで、説明の簡易化のため、図9に示す
画像上における中心が先端部805の位置であり、且
つ、紙面に対して垂直にペン型座標入力装置607のペ
ン軸が向いていると仮定して以下の説明を行う。図9に
示す画像が得られたとすると、この画像で2次元コード
をデコードすると、図9のコードシンボル2がデコード
され、例えば「1234560102」という座標情報
が得られる。
【0141】一方、説明のため、撮像画像12とコード
シンボル2をの位置関係を図示したものを図10に示
す。この図10では、撮像画像12の中心とコードシン
ボル2の中心とが一致している(すなわち両中心間のオ
フセットが0である)例を示している。コードシンボル
2の印刷位置は既知であるので、例えば座標情報が「1
234560102」のコードシンボル2の中心が紙面
の左上から(10mm,20mm)と得られる。一方、
撮像画像12の中心とコードシンボル2の中心とが一致
しているので、先端部805は、紙面座標における(1
0mm,20mm)の位置にあると求めることができ
る。
【0142】・・・撮像画像例2 また、図11は、撮像された枠91内に含まれる画像
(コードシンボル2)の別の例である(図9の別の
例)。また、図12は、図11に示す例に対して、図1
0に相当する別の例である。この図11、図12に示す
例では、コードシンボル2の位置は、撮影画像12の中
心にはなく、コードシンボル2の中心と撮影画像12の
中心とが、撮像画像12の中心からオフセット値d,e
を持っている。この撮影画像上のオフセット量(例えば
画素数値)は、例えば撮像画像12の中心や左上隅等の
所定の点を基準として容易に求めることができる。更
に、コードシンボル2の実寸が既知であるので、オフセ
ット値d,eの実寸を求めることができる。例えば、オ
フセット値が(2mm,5mm)と求まれば、先端部8
05の座標は(12mm,15mm)と求めることがで
きる。
【0143】・・・撮像画像例3 図9、図11の例は、説明を簡易化するための理想的な
画像であったが、一般的には、画像読取装置806で読
み取られる画像は、コードシンボル2が傾いたり、歪ん
だりした画像となる。このような場合のコードシンボル
2を外枠でのみ図示した撮像画像12が図13である。
このとき、撮像画像12中におけるコードシンボル2の
傾きαにより装置本体807の回転量が求まる。また、
コードシンボル2の歪fにより、装置本体807の傾き
量がわかる。さらに、先端部805の位置は撮像画像1
2の中心とは限らないが、撮像画像12と先端部805
との位置関係は一定であるので、これも求めることがで
きる。したがって、コードシンボル2をデコードしたデ
ータと、コードシンボル2の位置、傾き、歪み量の各量
の計算値より、先端部805の位置をより正確に求める
ことができ、これにより座標検出手段を実現することが
できる。
【0144】このようなペン型座標入力装置607を用
い、印刷媒体1上での先端部805の位置検出を連続的
に行えば、印刷媒体1上での先端部805の移動軌跡を
求めることができる。また、上記のような先端部805
が筆記面に接触しているかどうかを検出する装置を設け
れば、装置本体807で印刷媒体1上に筆記を行ったと
きの筆記軌跡のみを求めることができる。そのときの筆
記軌跡のデータ(座標情報の集合)は、マイコン808
の記憶装置(RAM等で構成されたもの)に記憶させ
る。また、上記のようにペン型座標入力装置607内部
にマイコン808を設けない場合は、情報処理装置60
4の記憶装置(RAM等で構成されたもの)に記憶す
る。
【0145】また、前述したように、プリンタ601の
コードシンボル読取部703又は703’も、上述のよ
うなペン型座標入力装置607の画像読取装置806と
同様の構成とすることが可能である。
【0146】このコードシンボル読取部703(70
3’)は、プリンタ601のコントローラ705に接続
される。コントローラ705は、ペン型座標入力装置6
07に具備するマイコン808に相当し、印刷媒体1の
コードシンボル2の画像と、そのコードシンボル2が添
付されている印刷媒体1に印刷する文書の情報(文書情
報)とを関連付け、通信ポート708を介して情報処理
装置609等の外部装置へ送信する。
【0147】これに対し、情報処理装置609等の外部
装置は、関連付けされた情報のうちのコードシンボル2
の画像をデコードし、コードシンボル2に埋め込まれた
印刷媒体1の識別情報「123456」を取得し、この
識別情報と文書情報とを文書管理データベース606の
新たなレコードへ登録する。
【0148】・・文書管理データベース606 文書管理データベース606で管理される項目を図14
に示す。図14を参照すると、文書管理データベース6
06に格納される項目は、印刷媒体の識別情報、文書
名、パス名、作成者、履歴管理データベースでの文書I
D、更新日時、ページ、総ページ数、複写フラグなどで
ある。
【0149】また、コントローラ705でコードシンボ
ル2の画像をデコードし、コードシンボル2に埋め込ま
れた印刷媒体1の識別情報「123456」を取得して
もよい。このように関連付けする場合は、関連付けを行
うためのデータにコードシンボル2の画像を含まないた
め、情報処理装置609等の外部装置でデコードを行う
場合よりも送信データが小さく、通信に時間がかからな
いので効果的である。
【0150】尚、この関連付けされた情報は、印刷媒体
1への印刷が1ページずつ正常に終了する毎に作成さ
れ、情報処理装置609へ送信される。但し、印刷媒体
1への印刷がエラーなどにより中止された場合、関連付
けされた情報は破棄される。
【0151】また、ペン型座標入力装置607により取
得した座標情報は、そのままの画像情報として、又は、
ペン型座標入力装置607内部でデコードされて、情報
処理装置604等の外部装置へ送信され、外部装置にお
いて必要に応じて所定の処理(デコード等)が行われ
る。
【0152】以上の説明において、コードシンボル読取
部703,703’には二次元素子を使用したが、一次
元のラインセンサを用いても良い。この際、密着型のC
CDラインセンサを用いることにより、光学系のとるス
ペースも必要ないので、ペン型座標入力装置607やコ
ードシンボル読取装置806を小型化することが可能と
なる。また、一次元ラインセンサを用いた場合には図1
5に示すように、密着型ラインセンサ151に読み出し
制御回路152を設け、コードシンボル2の画像をデコ
ードするために必要十分なライン数だけを読み出すよう
にする。読み出された画像はプリンタ601のコントロ
ーラ705へ出力される。
【0153】・プリンタ601として熱転写プリンタ1
701を適用した場合 また、プリンタ601の他の例として熱転写方式のプリ
ンタがある。図17はその概略構成図である。図17を
参照すると、本構成による熱転写プリンタ本体1701
と図7に示すプリンタ601との構成上の相違点は、印
刷カートリッジ704が印刷ヘッド704’に変更さ
れ、それに伴いコントローラ705の印刷エンジン制御
が変更されコントローラ705’とされた点である。ま
た、本構成において、定着ローラ706は必要なくな
る。その他の機能はプリンタ601と同等であり本文書
管理システムに必要な機能は備わっている。
【0154】この熱転写方式のプリンタの用紙として前
述した書き換え可能な印刷媒体1を使用することがで
き、同じ印刷媒体1に何度も印刷することができ、媒体
の節約になる。再書き込みする場合には、上書きされる
文書と印刷媒体1の識別情報との関連付けは無効にな
り、あらたな文書と印刷媒体1の識別情報との関連付け
が発生するので、文書管理データベース606の更新が
行われる。
【0155】・文書管理システムの全体動作 さて、印刷した後の文書にペン型座標入力装置607で
加筆した際に本実施形態による文書管理システムがどの
ように動作するかを図6を用いて説明する。本動作を説
明するにあたり、印刷媒体1上に文書が予め上述した手
順により印刷されているとする。
【0156】・・加筆時の動作 本実施形態によるペン型座標入力装置607を用いて、
その文書に加筆すると、前述したように、印刷媒体1上
のコードシンボル2が読み取られ、座標情報がペン型座
標入力装置607で取得される。このとき、印刷媒体1
のユニークな識別情報も取得されるが、これは、以下の
説明において座標情報に含まれるものとして説明する。
【0157】取得された座標情報は、ペン型座標入力装
置607から情報処理装置604へ送信される。ここ
で、ペン型座標入力装置604は、座標を読み取る度
に、逐次情報処理装置604へ送信するよう構成しても
よいし、所定の量、座標情報が蓄えられた時点で情報処
理装置604へ送信するよう構成してもよい。また、情
報処理装置604側では、加筆が終了するまで座標情報
を内部の記憶装置に蓄える。但し、加筆の終了の判断
は、ユーザが情報処理装置604又はペン型座標入力装
置607に対して所定の操作を行った場合とする。
【0158】また、情報処理装置604は、座標情報を
受け取った場合、その座標情報の一部(印刷媒体1のユ
ニークな識別情報)を文書管理データベース606を管
理する情報処理装置609へ転送する。情報処理装置6
09は、受信した座標情報を元に、文書管理データベー
ス606から現在加筆される文書を特定する。ここで特
定された文書が図14の識別番号「123456」の
「patent.doc」であるとする。この際、履歴管理データ
ベース606の文書IDも特定されるので、この文書I
Dを基に、履歴管理データベース610の対応するレコ
ードを特定する。
【0159】もし、文書管理データベース606におい
て、識別番号(「123456」)と同一レコードに格
納された文書ID(1)に対応する履歴管理データベー
ス610の各レコードにおいて、履歴番号が同一のもの
が複数存在するならば、この文書は、ペン型座標入力装
置607で加筆された文書であるということがわかる。
この場合、情報処理装置609は、該当するレコードの
中から加筆履歴番号の最も大きい「patent.doc」を選択
することで、履歴管理されているファイルの実体「\\ma
chine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」を特
定することができる。ファイル名「\\machine609\履歴
管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」における後部の
‘2’は履歴番号、‘1’は加筆履歴番号を指す。このよ
うに特定された文書情報は、ペン型座標入力装置607
へ送信され、ペン型座標入力装置607のLCD表示装
置809においてユーザへ表示する。
【0160】また、加筆しようとしている文書が履歴管
理データベース610において最新のものでない、即
ち、現在加筆使用としている文書よりも後に印刷した文
書(この場合、後の文書が先の文書に対して加筆更新さ
れてることを問わない)が存在する場合(例えば図16
の履歴管理データベース610において、加筆しようと
する文書が文書ID=‘1’のものであった場合、この
文書が最新履歴のものではなく、最新履歴の文書が文書
ID=‘6’の「patent_doc_2_1」であることがわか
る)、最新履歴ではないという情報が情報処理装置60
4からペン型座標入力装置607へ送信される。
【0161】ペン型座標入力装置607では、最新履歴
でない旨の情報を受信すると、LCD表示装置809
に、警告として「最新情報ではありません」という意味
の表示を行う。あるいは、同時にLED810を点滅さ
せてもよいし、ブザー811を鳴らして外部に知らせて
も良い。このように構成することで、ユーザが今加筆し
ようとしている文書がどの履歴に該当するのか、それが
最新履歴のものであるか等をすぐに判断することが可能
になる。
【0162】上記のように構成・動作することで、履歴
管理されているファイルの実体が特定できたので、情報
処理装置604は「\\machine609\履歴管理文書フォル
ダ\patent_doc_2_0」をそれが関連付けられているアプ
リケーション(例えばワープロソフト)で開き、情報処
理装置604に接続されたディスプレイ等の表示装置
(図示せず)に表示し、これを編集状態とする。その
後、情報処理装置604は、編集状態とされた文書「\\
machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_0」
に、ペン型座標入力装置607から順次送信されてくる
座標情報を描画する。
【0163】描画する方法としては、文書のウィンドウ
に新たな描画オブジェクトを開き、受信した座標を線で
つないで描画することで実現することができる。加筆が
終了した時点で、ペン型座標入力装置607は加筆終了
の信号を情報処理装置604へ送信し、加筆終了の信号
を受け取った情報処理装置604は、ウィンドウへの描
画を終了し、加筆内容を保存する。これにより、文書
「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_
0」に一つのオブジェクトが加えられたことになる。
【0164】本実施形態では、加筆した情報をリアルタ
イムでコンピュータのディスプレイ上に表示し、実際に
加筆した情報が正しく処理されているかどうかがすぐさ
ま確認できるのでユーザにとって大きなメリットにな
る。また、情報処理装置604では受信した座標情報を
数列テキストとして同時に別ファイルとして保存する。
このように構成することで、文書が巨大な場合など、ユ
ーザが後にアプリケーションを開いて加筆されたデータ
を確認するときに一目で確認することが不可能な場合
に、加筆されたデータのみを表示・確認させることがで
きるので有効である。
【0165】・・加筆済み文書保存時の動作 次に、加筆が終了し、加筆された文書を保存する時の動
作を説明する。座標情報を数列テキストとして保存した
ファイル「patent_doc_2_0.ary」を履歴管理文書フォル
ダ611へ保存する。加筆された文書は、加筆履歴番号
が更新され、履歴管理文書フォルダ611に「\\machin
e609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」として保
存される。同時に履歴管理データベース610に「\\ma
chine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」に対
応する新規のレコードが登録され、「\\machine609\履
歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_0」に対応するレコ
ードの項目「加筆座標情報ファイル」に「patent_doc_2
_0.ary」が追加され、履歴管理データベース610が更
新される。この際、新たなレコードには新たな文書ID
が付与される。
【0166】・・全体動作 以上、説明した加筆時の文書の取得、編集、履歴更新、
各データベースの更新の方法を、図19のフローチャー
トを用いて説明する。
【0167】図19に示す動作では、まず、ユーザによ
りペン型座標入力装置607を用いて加筆されることで
開始される。ペン型座標入力装置607で印刷媒体1上
の座標情報(印刷媒体1の識別情報も含む)を取得する
と(ステップS1901)、これが情報処理装置604
を介して情報処理装置609へ通知され、情報処理装置
609において文書管理データベース606が参照され
て、対応する文書IDが特定される(ステップS190
2)。その後、情報処理装置609は、特定した文書I
Dを用いて履歴管理データベース610を参照し、該当
するレコードを特定して、印刷媒体1上に印刷された文
書に対する各項目を取得し、この項目情報よりペン型座
標入力装置607のLCD表示装置809へ表示する情
報を特定(作成)して、これをペン型座標入力装置60
7へ送信する(ステップS1903)。但し、この動作
において、同一の識別情報及び履歴番号に対応するレコ
ードが、履歴管理データベース610において複数存在
する場合、情報処理装置609は、最も加筆履歴番号が
大きいレコードを選択する。また、ペン型座標入力装置
607では、受信した情報がLCD表示装置809にお
いてユーザへ呈示される。
【0168】また、情報処理装置609は、取得した各
項目に基づいて、対象の文書が最新のものであるか(後
に印刷されたものがないか)を判定し(ステップS19
04)、最新のものでなければ(ステップS1904の
No)、このことをペン型座標入力装置607へ通知す
る(ステップS1905)。この際、ペン型座標入力装
置607では、このことがLCD表示装置809やLE
D810やブザー811等を介してユーザへ通知され
る。
【0169】その後、情報処理装置604は、該当する
文書を対応するアプリケーションでディスプレイ上に開
き、ユーザに対してペン型座標入力装置607を用いた
文書の表示や編集を開始させる(ステップS190
6)。
【0170】また、情報処理装置604は、ペン型座標
入力装置607より入力された座標情報に基づいて作成
される図形を保存するためのファイルを、新規図形オブ
ジェクトとして作成する(ステップS1907)。
【0171】その後、情報処理装置604は、ペン型座
標入力装置607から読み取った座標情報を順次取得し
(ステップS1908)、この座標情報に基づいて描画
される図形を上記で開いた文書上に重畳して表示し(ス
テップS1909)、また、取得した座標情報を新規図
形オブジェクトファイルに保存する(ステップS191
0)。
【0172】情報処理装置1911は、ユーザによるペ
ン型座標入力装置607を用いた加筆が終了する(ステ
ップS1911のYes)まで、ステップS1908か
らステップ1910のプロセスを繰り返す。
【0173】その後、ユーザによる加筆が終了すると、
情報処理装置604は、加筆対象の文書の加筆履歴番号
を1インクリメントし、且つ、この文書を保存する(ス
テップS1912)。また、情報処理装置604は、ス
テップS1912で更新・保存した内容を情報処理装置
609へ送信し、情報処理装置609において履歴管理
データベース610の該当するレコードの項目を更新す
る(ステップS1913)。
【0174】これにより、本実施形態では、ペン型座標
入力装置607で加筆された内容に基づいて、該当する
文書の更新が行われる。
【0175】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1記載の
発明によれば、印刷媒体に割り当てられているユニーク
な識別情報と対応して、印刷媒体に印刷された文書に対
応する電子データの更新情報を管理することを特徴と
し、これにより、電子文書の管理・修正を容易にするこ
とが可能となる。また、本発明によれば、電子文書だけ
でなく印刷した文書の履歴をも管理することが可能にな
る。
【0176】更に、請求項2記載の発明によれば、ユニ
ークな識別情報が、印刷媒体の所定の領域に記録されて
おり、印刷媒体からユニークな識別情報を読み取り、読
み取った当該ユニークな識別情報を、電子データと関連
付けて管理することを特徴とし、これにより、文書印刷
時に、自動的に文書の管理及び履歴の管理が文書管理シ
ステムに登録されるので、ユーザが文書の履歴管理を意
識しないで使用することが可能になる。
【0177】更に、請求項3記載の発明によれば、印刷
媒体の前記所定の領域に、当該印刷媒体の所定の位置を
基準とする座標情報が記録されており、印刷媒体から座
標情報を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図形
オブジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子デ
ータに貼り付けることを特徴とし、これにより、加筆情
報を文書にオブジェクトとして貼り付けることで、ユー
ザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわかるよう
になり、利便性を向上させた文書管理システムを提供す
ることが可能となる。
【0178】更に、請求項4記載の発明によれば、読み
取った座標情報と関係付けられた電子データを、関係付
けられる前の電子データとは別の電子データとして、更
新情報を管理することを特徴とし、これにより、加筆し
た文書の履歴を更新することで、電子的な修正、紙上で
の加筆の両方の更新履歴を扱えるようになる。
【0179】更に、請求項5記載の発明によれば、印刷
媒体から前記ユニークな識別情報を読み取った際、読み
取った当該ユニークな識別情報に対応する電子データを
特定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特
定した当該電子データに対応する更新情報に基づく文書
情報を、表示装置を介してユーザに呈示することを特徴
とし、これにより、現在加筆している文書が最新のもの
であるか否か等を判別することが可能になる。
【0180】更に、請求項6記載の発明によれば、読み
取った前記座標情報に基づいて、描画された図形を表示
装置に再現することを特徴とし、これにより、電子文書
の管理・修正を容易にすることが可能となる。また、本
発明によれば、現在加筆している内容が正しく文書に反
映されているかどうかを確認することが可能となる。
【0181】また、請求項7記載の発明によれば、印刷
媒体に割り当てられているユニークな識別情報と対応し
て、印刷媒体に印刷された文書に対応する電子データの
更新情報を管理することを特徴とし、これにより、電子
文書だけでなく印刷した文書の履歴をも管理することが
可能になる。
【0182】更に、請求項8記載の発明によれば、印刷
媒体の所定の領域に記載されたユニークな識別情報を読
み取り、読み取った当該ユニークな識別情報を、電子デ
ータと関連付けて管理することを特徴とし、これによ
り、文書印刷時に、自動的に文書の管理及び履歴の管理
が登録されるので、ユーザが文書の履歴管理を意識しな
いで使用することが可能になる。
【0183】更に、請求項9記載の発明によれば、印刷
媒体の所定の領域に記載された所定の位置を基準とする
座標情報を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図
形オブジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子
データに貼り付けることを特徴とし、これにより、加筆
情報を文書にオブジェクトとして貼り付けることで、ユ
ーザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわかるよ
うになり、利便性を向上させることが可能となる。
【0184】更に、請求項10記載の発明によれば、読
み取った座標情報と関係付けられた電子データを、関係
付けられる前の電子データとは別の電子データとして、
更新情報を管理することを特徴とし、これにより、加筆
した文書の履歴を更新することで、電子的な修正、紙上
での加筆の両方の更新履歴を扱えるようになる。
【0185】更に、請求項11記載の発明によれば、印
刷媒体からユニークな識別情報を読み取った際、読み取
った当該ユニークな識別情報に対応する電子データを特
定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定
した当該電子データに対応する更新情報に基づく文書情
報を、ユーザに呈示することを特徴とし、これにより、
現在加筆している文書が最新のものであるか否か等を判
別することが可能になる。
【0186】更に、請求項12記載の発明によれば、読
み取った座標情報に基づいて、描画された図形を再現し
て表示することを特徴とし、これにより、現在加筆して
いる内容が正しく文書に反映されているかどうかを確認
することが可能となる。
【0187】また、請求項13記載の発明によれば、印
刷媒体の所定の領域に記載されているユニークな識別情
報、及び/又は、印刷媒体の所定の位置を基準とする座
標情報を読み取る情報読取手段と、情報読取手段により
読み取ったユニークな識別情報及び/又は座標情報を送
信する読取情報送信手段と、を有し、ユニークな識別情
報及び/又は座標情報を読み取った場合、ユニークな識
別情報及び/又は座標情報を読取情報送信手段より送信
することを特徴とし、これにより、印刷した文書に関す
る履歴等の管理を実現することが可能になる。
【0188】また、発明の実施の形態に記載の本発明に
よれば、別ファイルとして加筆情報を保存することによ
り、加筆情報の検索が容易になる。
【0189】また、発明の実施の形態に記載の本発明に
よれば、文字あるいは記号を用いて、加筆しようとして
いる文書の情報を確認することが可能になる。
【0190】また、発明の実施の形態に記載の本発明に
よれば、光によって加筆しようとしている文書の情報を
確認することが可能になる。
【0191】また、発明の実施の形態に記載の本発明に
よれば、音声によって加筆しようとしている文書の情報
を確認することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による印刷媒体1上に配置
されるコードシンボル2を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態による印刷媒体1の層構造
例を示す図である。
【図3】図2に示す印刷媒体1における記録層15と支
持体13との間に下引き層18を設けた場合の層構造を
示す図である。
【図4】ロイコ染料及び顕色剤を用いた可逆性記録層が
発色・消色するプロセスを説明するための図である。
【図5】有機低分子と樹脂とからなる可逆性記録層が透
明・白濁するプロセスを説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態による文書管理システムの
構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態によるプリンタ601の構
成を示す図である。
【図8】図6に示す文書管理システムにおけるペン型座
標入力装置607の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態によるペン型座標入力装置
607により読み取ったコードシンボル2の画像例を示
す図であり、コードシンボル2の中心が撮像画像12の
中心と合致している場合の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態において、撮像画像12
とコードシンボル2とをの位置関係を示す図であり、コ
ードシンボル2の中心が撮像画像12の中心と合致して
いる場合の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態によるペン型座標入力装
置607により読み取ったコードシンボル2の画像例を
示す図であり、コードシンボル2の中心が撮像画像12
の中心からオフセットを持っている場合の例を示す図で
ある。
【図12】本発明の一実施形態において、撮像画像12
とコードシンボル2とをの位置関係を示す図であり、コ
ードシンボル2の中心が撮像画像12の中心からオフセ
ットを持っている場合の例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態において、読み取られた
撮像画像12に含まれるコードシンボル2の中心からの
オフセットや傾きや歪みを示す図である。
【図14】本発明の一実施形態による文書管理データベ
ース606のデータ構造を示すテーブルである。
【図15】本発明の一実施形態によるプリンタ601に
おいて一次元ラインセンサを適用した場合の概略構成及
び動作を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施形態による履歴管理データベ
ース610のデータ構造を示すテーブルである。
【図17】本発明の一実施形態によるプリンタ601と
して熱転写方式を利用した場合の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図18】本発明の一実施形態における文書の印刷から
各データベースへの項目の登録までを行う動作を示すフ
ローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態における加筆時の文書の
取得、編集、履歴更新、各データベースの更新の動作を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 印刷媒体 2 コードシンボル 10 文書 13 支持体 12 撮像画像 14 コードシンボル層 15 記録層 16 中間層 17 保護層 18 下引き層 91 画像 601 プリンタ 602 複写機 603 スキャナ 604、609 情報処理装置 605 ハードディスク 606 文書管理データベース 607 ペン型座標入力装置 608 携帯情報端末 610 履歴管理データベース 611 履歴管理文書フォルダ 702 給紙カセット 703、703’ コードシンボル読取り部 704 印刷カートリッジ 704’ 印刷ヘッド 705、705’ コントローラ 706 定着ローラ 707 排紙トレイ 708 通信ポート 709 排紙ローラ 805 先端部 806 画像読取装置 806a 光電変換素子 806b 光学系 807 装置本体 808 マイコン 809 LCD表示装置 810 LED 811 ブザー 151 密着型ラインセンサ 152 読み出し制御回路 1701 熱転写プリンタ本体
フロントページの続き (72)発明者 古田 俊之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 別府 智彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 土井 信幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 淺野 大雅 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山崎 真湖人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5B009 KA08 NA01 SA14 5B072 BB00 CC01 5B075 NR02 NR20 PP05 UU06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷媒体に割り当てられているユニーク
    な識別情報と対応して、前記印刷媒体に印刷された文書
    に対応する電子データの更新情報を管理することを特徴
    とする文書管理システム。
  2. 【請求項2】 前記ユニークな識別情報は、前記印刷媒
    体の所定の領域に記録されており、 前記印刷媒体から前記ユニークな識別情報を読み取り、
    読み取った当該ユニークな識別情報を、前記電子データ
    と関連付けて管理することを特徴とする請求項1記載の
    文書管理システム。
  3. 【請求項3】 前記印刷媒体の前記所定の領域には、当
    該印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報が記録さ
    れており、 前記印刷媒体から座標情報を読み取り、読み取った前記
    座標情報に基づいて図形オブジェクトを作成し、当該図
    形オブジェクトを前記電子データに貼り付けることを特
    徴とする請求項2記載の文書管理システム。
  4. 【請求項4】 読み取った前記座標情報と関係付けられ
    た前記電子データを、関係付けられる前の前記電子デー
    タとは別の電子データとして、更新情報を管理すること
    を特徴とする請求項3記載の文書管理システム。
  5. 【請求項5】 前記印刷媒体から前記ユニークな識別情
    報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情報
    に対応する前記電子データを特定し、特定した当該電子
    データの文書内容、又は、特定した当該電子データに対
    応する更新情報に基づく文書情報を、表示装置を介して
    ユーザに呈示することを特徴とする請求項1から4のい
    ずれか1項に記載の文書管理システム。
  6. 【請求項6】 読み取った前記座標情報に基づいて、描
    画された図形を前記表示装置に再現することを特徴とす
    る請求項3から5のいずれか1項に記載の文書管理シス
    テム。
  7. 【請求項7】 印刷媒体に割り当てられているユニーク
    な識別情報と対応して、前記印刷媒体に印刷された文書
    に対応する電子データの更新情報を管理することを特徴
    とする文書管理方法。
  8. 【請求項8】 前記印刷媒体の所定の領域に記載された
    前記ユニークな識別情報を読み取り、読み取った当該ユ
    ニークな識別情報を、前記電子データと関連付けて管理
    することを特徴とする請求項7記載の文書管理方法。
  9. 【請求項9】 前記印刷媒体の所定の領域に記載された
    所定の位置を基準とする座標情報を読み取り、読み取っ
    た前記座標情報に基づいて図形オブジェクトを作成し、
    当該図形オブジェクトを前記電子データに貼り付けるこ
    とを特徴とする請求項8記載の文書管理方法。
  10. 【請求項10】 読み取った前記座標情報と関係付けら
    れた前記電子データを、関係付けられる前の前記電子デ
    ータとは別の電子データとして、更新情報を管理するこ
    とを特徴とする請求項9記載の文書管理方法。
  11. 【請求項11】 前記印刷媒体から前記ユニークな識別
    情報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情
    報に対応する前記電子データを特定し、特定した当該電
    子データの文書内容、又は、特定した当該電子データに
    対応する更新情報に基づく文書情報を、ユーザに呈示す
    ることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に
    記載の文書管理方法。
  12. 【請求項12】 読み取った前記座標情報に基づいて、
    描画された図形を再現して表示することを特徴とする請
    求項9から11のいずれか1項に記載の文書管理方法。
  13. 【請求項13】 印刷媒体の所定の領域に記載されてい
    るユニークな識別情報、及び/又は、前記印刷媒体の所
    定の位置を基準とする座標情報を読み取る情報読取手段
    と、 該情報読取手段により読み取った前記ユニークな識別情
    報及び/又は前記座標情報を送信する読取情報送信手段
    と、を有し、 前記ユニークな識別情報及び/又は前記座標情報を読み
    取った場合、該ユニークな識別情報及び/又は該座標情
    報を前記読取情報送信手段より送信することを特徴とす
    る情報読取装置。
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