JP3848511B2 - 情報処理システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示媒体を用いた情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやネットワーク技術の進歩に伴ってプリンタなどによる紙の消費量が著しく増加しており、こうした紙の消費量の増加に伴って森林の減少、ごみ処理問題、二酸化炭素の増加による気温の上昇などのいわゆる環境問題が発生し、紙の消費量を減少することが求められている。このような課題を解決するために、記録・消去を繰り返して可逆的に行うことができる紙と同様の媒体である情報表示媒体が開発されている。そして、このような可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示媒体は、カード分野にとどまらず、オフィス等で従来より文書の出力に利用されている紙に置き換わるメディアとして今後急速に広まるものと考えられている。
【0003】
情報表示媒体の一例としては、熱によって発色する染料が塗布された白色ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)などの基板からなり、加熱により室温から所定の温度(発色温度)に達すると染料が発色し、温度が室温に戻っても発色を維持し、また、室温から別の所定の温度(消色温度)に加熱すると透明に戻り、室温に戻っても透明のままであり、それが塗布された基板の色を示す熱可逆性表示媒体が開発されている。
【0004】
また、別の情報表示媒体の一例としては、発色温度に達すると白濁し、消色温度に達すると透明になる熱可逆性表示媒体が開発されている。
【0005】
いずれの熱可逆性表示媒体においても、加熱による発色・消色サイクルは繰り返し可能であり、紙と同様の使い勝手を維持しながら、再利用することができる媒体となっている。
【0006】
つまり、熱可逆性表示媒体に対して熱エネルギーを付与することにより、その熱可逆性表示媒体上に表示および消去を繰り返して行うことができるので、熱可逆性表示媒体はリライタブル性を発揮することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような熱可逆性表示媒体等の情報表示媒体においては、文書作成者が自分の文書をパソコン等で作成した後、情報表示媒体に表示した文書や識別情報に対して作成者が望まない他の人が勝手に加筆または修正してしまったり、消去あるいはオーバーライトしてしまう可能性があり、作成者本人の意図とは異なった扱い方がされる場合がある。特に熱可逆性表示媒体は、適当な消去条件がわかれば、消去あるいは書き換えが簡単にできてしまう。
【0008】
ところで、このような情報表示媒体においては、リライタブル性や表示(印刷)する文書(ドキュメント)が何であるかについての識別ができるような機能(性質)を付加したものが提案されている。例えば、情報表示媒体を用いて文書を管理する場合においては、印刷する文書の識別情報を情報表示媒体に付加し、使用する際に自動的にその識別情報を認識させて文書管理に使用するというシステムはかなり有効であると考えられる。
【0009】
本発明の目的は、セキュリティとユーザビリティとに優れ、かつ、信頼性の高い、可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示媒体を用いた情報処理システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示面を有するとともに前記各種情報に対応付けられた識別情報を記憶する情報記憶手段を有する情報表示媒体と、この情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、所定の識別情報を予め記憶する識別情報蓄積媒体と、この識別情報蓄積媒体に予め記憶された前記所定の識別情報と前記識別情報検出手段により検出された前記識別情報とが同一であるか否かを比較判定する比較判定手段と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する加筆が可能な加筆手段と、前記比較判定手段により同一であると判定された場合に限り前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する加筆許可手段と、を有する筆記装置と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対して各種情報を表示および消去する情報表示・消去手段と、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に対して前記識別情報を付与する情報付与手段と、を有する印刷装置と、を備える。
【0011】
したがって、加筆手段による情報表示媒体の情報表示面に対する加筆が、比較判定手段により識別情報蓄積媒体に予め記憶された所定の識別情報と識別情報検出手段により検出された識別情報とが同一である場合に限り許可される。これにより、例えば、予め情報表示媒体の所有者が識別情報として暗証番号を識別情報蓄積媒体に記憶させた筆記装置を配布するか、予め解っている出席者の暗証番号又はそれに匹敵するもの(例えば社員番号など)を識別情報として識別情報蓄積媒体に記憶させておくことで、情報表示媒体に対する編集権限者を指定することが可能になり、会議における会議資料などに情報表示媒体を適用した場合には、特定の人だけがその会議資料に加筆・訂正・メモ書き等を行うことが可能になるので、セキュリティとユーザビリティとに優れ、信頼性の高いシステムを提供することが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆の可否に関する加筆可否情報が含まれ、前記識別情報検出手段により検出された前記加筆可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する第二加筆許可手段をさらに有する前記筆記装置を備える。
【0013】
したがって、加筆手段による情報表示媒体の情報表示面に対する加筆が、識別情報検出手段により検出された加筆可否情報が加筆を許容する情報である場合に限って許可される。これにより、例えば、任意な出席者で構成される会議等において、出席者の暗証番号又はそれに匹敵するもの(例えば社員番号など)を識別情報として識別情報蓄積媒体に記憶させておくことができない場合等であっても、情報表示媒体の所有者がその情報表示媒体に対する加筆の可否を情報表示媒体において指定することが可能になるので、加筆する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明は、可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示面を有するとともに前記情報表示面に対する加筆の可否に関する加筆可否情報を含む識別情報を記憶する情報記憶手段を有する情報表示媒体と、この情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記加筆可否情報を含む前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する加筆が可能な加筆手段と、前記識別情報検出手段により検出された前記加筆可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する第二加筆許可手段と、を有する筆記装置と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対して各種情報を表示および消去する情報表示・消去手段と、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に対して前記識別情報を付与する情報付与手段と、を有する印刷装置と、を備える。
【0015】
したがって、加筆手段による情報表示媒体の情報表示面に対する加筆が、識別情報検出手段により検出された加筆可否情報が加筆を許容する情報である場合に限って許可される。これにより、例えば、任意な出席者で構成される会議等において、情報表示媒体の所有者がその情報表示媒体に対する加筆の可否を情報表示媒体において指定することが可能になるので、加筆する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することが可能になる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記識別情報を検出する第二識別情報検出手段と、所定の識別情報を予め記憶する第二識別情報蓄積媒体と、この第二識別情報蓄積媒体に予め記憶された前記所定の識別情報と前記第二識別情報検出手段により検出された前記識別情報とが同一であるか否かを比較判定する第二比較判定手段と、この第二比較判定手段により同一であると判定された場合に限り前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する情報表示・消去許可手段と、をさらに有する前記印刷装置を備える。
【0017】
したがって、情報表示・消去手段による情報表示媒体の情報表示面に対する各種情報の表示および消去が、第二比較判定手段により第二識別情報蓄積媒体に予め記憶された所定の識別情報と第二識別情報検出手段により検出された識別情報とが同一である場合に限り許可される。これにより、例えば、自分の暗証番号を識別情報として情報表示媒体の情報記憶手段と印刷装置の第二識別情報蓄積媒体とにそれぞれ記憶させておくことで、自分が使用している印刷装置では自分が使用している専用の情報表示媒体に限って再印刷を可能とし、他人の情報表示媒体については再印刷しないようにすることが可能になるので、再印刷する権限が特定可能になり、セキュリティが高く、かつ信頼性の高いシステムを提供することが可能になる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去の可否に関する情報表示・消去可否情報が含まれ、前記第二識別情報検出手段により検出された前記情報表示・消去可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する第二情報表示・消去許可手段をさらに有する前記印刷装置を備える。
【0019】
したがって、情報表示・消去手段による情報表示媒体の情報表示面に対する各種情報の表示および消去が、第二識別情報検出手段により検出された情報表示・消去可否情報が各種情報の表示および消去を許容する情報である場合に限って許可される。これにより、所定の暗証番号等を識別情報として第二識別情報蓄積媒体に記憶させておくことができない場合等であっても、再利用する人を特定せずに、所定の情報表示媒体については再印刷しないようにすることが可能になるので、各種情報の表示および消去する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することが可能になる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去の可否に関する情報表示・消去可否情報が含まれ、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記情報表示・消去可否情報を含む前記識別情報を検出する第二識別情報検出手段と、この第二識別情報検出手段により検出された前記情報表示・消去可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する第二情報表示・消去許可手段と、をさらに有する前記印刷装置を備える。
【0021】
したがって、情報表示・消去手段による情報表示媒体の情報表示面に対する各種情報の表示および消去が、第二識別情報検出手段により検出された情報表示・消去可否情報が各種情報の表示および消去を許容する情報である場合に限って許可される。これにより、所定の情報表示媒体については再印刷しないようにすることが可能になるので、各種情報の表示および消去する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することが可能になる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記情報表示面は、熱エネルギーにより可逆的に可視情報の記録及び消去が可能である熱可逆性記録層を有する。
【0023】
したがって、可逆的に情報表示媒体の熱可逆性記録層に対する各種情報の表示及び消去が容易になり、ユーザビリティが高く、低コストで省資源化が図れるシステムの提供が可能になる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含んでいる。
【0025】
したがって、情報表示媒体に対する各種情報の書き換えが簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いることにより、低コストでユーザビリティの高いシステムの提供が可能になる。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層である。
【0027】
したがって、情報表示媒体に対する各種情報の書き換えが簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いることにより、低コストでユーザビリティの高いシステムの提供が可能になる。
【0028】
請求項10記載の発明は、請求項7記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、低分子液晶化合物または高分子液晶化合物を含んでいる。
【0029】
したがって、情報表示媒体に対する各種情報の書き換えが簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いることにより、低コストでユーザビリティの高いシステムの提供が可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。ここで、図1は情報処理システム1の一部を示す模式図である。図1に示すように、この情報処理システム1は、熱可逆性表示媒体2とペン型の筆記装置7とここでは図示しない印刷装置とを主体に構成されている。筆記装置7は、詳細については後述するが、熱可逆性表示媒体2の情報印刷エリア2aに対する筆記機能と、熱可逆性表示媒体2のバーコードBC上を走査することでそのバーコードBCの情報を読み取る読取機能とを備えている。
【0031】
まず、熱可逆性表示媒体2について説明する。この熱可逆性表示媒体2は、可逆性を有して書き換え自在なリライタブルな情報表示媒体であって、この構成材料については後述する。ここで、図2(a)は熱可逆性表示媒体2を示す斜視図、(b)はその縦断側面図である。図2(a)に示すように、熱可逆性表示媒体2には、情報表示面として機能する情報印刷エリア2aと、その情報印刷エリア2aの周囲を囲むように設けられる周辺部である周辺エリア2bとが形成されている。情報印刷エリア2aは、各種の文字データ等で構成される文書情報が印刷されるエリアである。また、周辺エリア2bの所定の位置には、バーコードBCがインクによって印刷されている。
【0032】
この熱可逆性表示媒体2は、図2(b)に示すように、支持体3の上に画像表示層4と中間層5と保護層6とが順次積層されている。この支持体3は、熱伝導性が良好の白色の樹脂からなり、中間層5と保護層6とは、透光性の良好な無色の樹脂(例えば、PET樹脂等)からなる。なお、支持体3は、これに限らず、普通紙と同様に筆記動作が容易な軽量で薄型のものであれば良い。また、その下地は普通紙と同様に白色であることが望ましいが、筆記軌跡が読み取れる色であれば必ずしも白色でなくても良い。
【0033】
画像表示層4は、情報の可視的表示を可逆的に行い表示できる熱可逆性記録層であり、CTC(Color Thermo Chromic)フィルム等を利用した感熱記録方式、磁気記録方式、フォトクロミック記録方式、エレクトロクロミック方式等が利用できる。特に、本実施の形態においては、感熱記録方式、すなわち、熱エネルギーにより可逆的に光学特性が変化し、可視情報の記録および消去が可能である熱可逆性記録層が好ましいものとして挙げられる。この熱エネルギーにより可逆記録が行えるものとしては、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含む層、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層、低分子または高分子液晶化合物を含む層等のいずれかで構成される熱可逆性記録層が好ましいものとして挙げられる。
【0034】
まず、画像表示層4として少なくともロイコ染料と顕色剤とを含む層を適用した場合について説明する。少なくともロイコ染料と顕色剤とを含む層は樹脂バインダー中にロイコ染料および顕色剤を分散させることにより形成されており、ロイコ染料としては、例えばフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物など公知の染料前駆体が挙げられる。具体的には、特開平05−124360号公報記載の公知のロイコ染料が使用できる。
【0035】
また、顕色剤としては、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能を有する構造を有する化合物が挙げられる。例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基等と分子間の凝集力を制御する構造や長鎖炭化水素基が連結した構造を有する化合物である。連結部分にはヘテロ原子を含む2価の基を介していても良く、また長鎖炭化水素基中にもヘテロ原子を含む2価の基または芳香族炭化水素基が含まれていても良い。具体的には、特開平05−124360号公報等に記載されている公知の顕色剤が使用できる。
【0036】
さらに、樹脂バインダーとしては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、マレイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げることができる。
【0037】
また、画像表示層4の皮膜の強度を挙げることを目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加しても良い。このような硬化剤、架橋剤の例としては、イソシアネート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジルコニウム化合物等が挙げられる。
【0038】
なお、画像表示層4は、電子線硬化性あるいは紫外線硬化性バインダーを用いて形成することもできる。かかるバインダーとしては、エチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。これらの具体例としては、
1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート
2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート
5.エポキシポリ(メタ)アクリレート
6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート
7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル
8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、または末端に有するビニル系またはジエン系化合物
9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合物
10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物
11.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等
12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体
13.ビニルラクタムおよびポリビニルラクタム化合物
14.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリエーテルおよびそのエステル
15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエステル
16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルコールおよびそのエステル
17.スチレン、ジビニルベンゼン等1個以上のエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物
18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物
19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物
20.上記1〜19記載の化合物の多量体あるいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変成物
等が挙げられる。
【0039】
紫外線硬化性バインダーを用いて画像表示層4を形成する場合には、光重合開始剤を混合して用いる。この光重合開始剤としては、ジクロロアセトフェノンあるいはトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、ビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物等が挙げられる。
【0040】
上述したようなロイコ染料および顕色剤を用いた画像表示層4は、図3に示すプロセスで発色・消色する。初期の消色状態(A)を加熱すると温度T1以上でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色し(B)、この状態を急冷すると発色状態のまま固定される(C)。発色状態(C)を加熱していくと、発色温度T1より低い温度T2で消色し(D)、冷却すれば初期と同様の消色状態となる。
【0041】
したがって、画像表示層4が透明な部分では保護層6を介して支持体3の白色が視認され、画像表示層4が黒色に発色変化した部分ではこの色が保護層6を介して視認される。これにより、熱可逆性表示媒体2の画像表示層4は、加熱により透明状態と黒色状態とに可逆的に変化するように調整されている。
【0042】
次に、変形例として、画像表示層4として有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層を適用した場合について説明する。この有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層の光散乱性は、温度に依存してその透明度が可逆的に変化する性質を有している。
【0043】
このような有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層に用いられる樹脂は、有機低分子物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良い樹脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート又はポリメタクリレートあるいはアクリレート-メタクリレート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上混合して使用される。
【0044】
また、この有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層に用いられる有機低分子化合物としては、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のものが使用される。このような有機低分子化合物としては、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまたはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ましくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機低分子化合物は、分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH、−COOH、−CONH−、−COOR、−NH−、−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが好ましい。さらに、透明化できる温度の幅を広げるには、上記の有機低分子化合物を適宜組合せるか、または、有機低分子化合物と融点の異なる他の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63−39378号、特開昭63−130380号などの公報や、特願昭63−14754号、特願平1−140109号などの明細書で明らかにされているが、これらに限定されるものではない。
【0045】
これらの有機低分子化合物と樹脂とからなる有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層で構成される画像表示層4は、図4に示すプロセスで透明化または白濁化する。図4は、熱による透明度の変化を表わしているグラフであり、樹脂及びこの樹脂中に分散された有機低分子化合物を主成分とする画像表示層4は、例えばT0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻しても透明のままである。更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合には透明と不透明との中間の状態をとることができる。また、常温で透明になったものも再びT3以上の温度に加熱した後に常温に戻せば再び白濁不透明状態に戻る。
【0046】
さらに、変形例として、画像表示層4に低分子または高分子液晶化合物を含む層を適用した場合について説明する。この画像表示層4に用いられる高分子液晶化合物としては、主鎖または側鎖にメソゲン(液晶性を示す分子)が結合された主鎖型および側鎖型分子液晶等が用いられる。高分子液晶化合物は、通常、重合可能なメソゲン化合物(メソゲンモノマーと呼ぶ)を重合するか、あるいは水素化ポリシリコーン等の反応性ポリマーに付加反応可能なメソゲン化合物を付加させて製造することができる。このような技術は
Makromol.Chem.,179,p273(1978),Eur,Poly.J.,18,p651(1982)及び
Mol.Cryst.Liq.Cryst.,169,p167(1989)等に開示されている。本発明に使用される高分子液晶化合物も同様な方法で製造することができる。
【0047】
メソゲンモノマーおよび付加反応可能なメソゲン化合物としては、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系等の剛直な分子(メソゲン)に、好ましくは所定の長さのアルキルスペーサーを介して、アクリル酸エステル基、メタクリル酸エステル基またはビニル基が結合した種々の化合物等が代表的なものとして挙げられる。
【0048】
ここで、熱可逆性表示媒体2の周辺エリア2bに印刷されるバーコードBCのデータ構成について図5を参照して説明する。バーコードBCは、熱可逆性表示媒体2の情報印刷エリア2aに印刷されている文字データ等を含む文書情報に対応付けられた識別情報である数桁の暗証番号情報aや可否情報b等で構成されている。可否情報bは、当該熱可逆性表示媒体2への再印刷が可能かどうかについての情報表示・消去可否情報や、当該熱可逆性表示媒体2への加筆が可能かどうかについての加筆可否情報であって、可の場合には“1”、不可の場合には“0”という2値で表現されている。したがって、例えば、使用者が当該熱可逆性表示媒体2を永久に保存したいと考える場合には、再印刷は不可とする“0”を入力するものとする。つまり、バーコードBCが情報記憶手段として機能することになる。なお、このバーコードBCは、本実施の形態においては、後述する印刷装置18(図6参照)によって印刷される。ここに、情報付与手段が実現されている。また、このバーコードBCは、熱可逆性表示媒体2の印刷装置18における搬送方向Aの下流側先端部分に形成されている。
【0049】
次に、上述したような熱可逆性表示媒体2に対して熱エネルギーによる印刷/消去を行う印刷装置18の内部構造について図6を参照して説明する。図6に示すように、印刷装置18には、モータM(図7参照)を駆動源として回転する複数のローラで構成されてその回転に伴って熱可逆性表示媒体2を搬送方向Aに向けて搬送する媒体搬送部材19が備えられており、これらの媒体搬送部材19によって媒体搬送経路20が構成されている。また、媒体搬送経路20上には、熱可逆性表示媒体2の媒体搬送経路20上の位置の開始点を検出する位置検出器21と、多数の発熱素子を有するサーマルヘッド22とが設けられている。このサーマルヘッド22は、熱可逆性表示媒体2の幅方向に略同一な長さを有しており、搬送方向Aに直交して配設されている。なお、このサーマルヘッド22は、消去用と印刷用とを兼用している。
【0050】
加えて、位置検出器21とサーマルヘッド22との間には、熱可逆性表示媒体2に形成されているバーコードBCに含まれる暗証番号情報aと可否情報bとを光学的に検出するバーコードリーダー23が設けられている。また、このバーコードリーダ−23は、搬送方向Aに向けて搬送される熱可逆性表示媒体2のバーコードBCに対向する位置に設けられている。したがって、印刷装置18の搬送方向Aの上流より順に、位置検出器21、バーコードリーダー23、サーマルヘッド22が配設されている。このバーコードリーダー23は、第二識別情報検出手段として機能するものであって、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などによって熱可逆性表示媒体2の表面を照射し、その熱可逆性表示媒体2の表面からの反射光の強度をCCD(Charge Coupled Device)やフォトダイオードなどによって検出し、バーコードBCに含まれる暗証番号情報aと可否情報bとを読み取るものである。
【0051】
なお、特に図示しないが、印刷装置18には、熱可逆性表示媒体2の情報印刷エリア2aに文書情報を印刷するサーマルヘッド22以外に、バーコードBCを印刷するためにサーマルインクリボンを加熱して書き込むサーマルヘッドやインクジェット方式等の書込みヘッドも内蔵されている。
【0052】
ここで、図7は印刷装置18のシステム制御の流れを概略的に示すブロック図である。印刷装置18には、CPU(Central Processing Unit)等により構成されるマイクロコンピュータを備えて各部を集中的に制御するシステム制御部24が内蔵されている。このシステム制御部24には、前述した位置検出器21、バーコードリーダー23、サーマルヘッド22、モータMが接続されている。つまり、システム制御部24は、モータMを駆動制御することで媒体搬送部材19により熱可逆性表示媒体2を搬送させ、サーマルヘッド22を適当な温度に加熱制御することで熱可逆性表示媒体2の画像表示層4に可視情報を表示および消去する。ここに、情報表示・消去手段の機能が実行される。加えて、システム制御部24は、バーコードリーダー23を駆動制御することでバーコードBCに含まれる暗証番号情報aと可否情報bとを取得する。
【0053】
さらに、システム制御部24には、メモリ25、比較回路26、判定回路27、印刷動作制御回路28が接続されている。メモリ25は、第二識別情報蓄積媒体であり、例えばフラッシュメモリからなる。このメモリ25には、所定の識別番号として所定の暗証番号等を予め記憶させておくためのものである。なお、テンキーなどの入力I/Fを備えることにより、所定の暗証番号等をメモリ25に記憶させるようにしても良い。また、比較回路26は、バーコードリーダー23によって読み取られた暗証番号情報aがメモリ25に記憶されている所定の暗証番号とを比較し、判定回路27は比較回路26によって比較したバーコードリーダー23によって読み取られた暗証番号情報aとメモリ25に記憶されている所定の暗証番号とが合致するか否かを判定するものである。ここに、第二比較判定手段の機能が実行される。このように、メモリ25内の所定の暗証番号とバーコードリーダー23によって読み取られた暗証番号情報aとを比較判定する回路はデジタル回路で簡単に作製できることが周知である。
【0054】
印刷動作制御回路28は、印刷装置18を比較回路26と判定回路27とにおける判断に従って駆動制御するものであって、暗証番号が一致したと判定された場合には印刷実行信号をシステム制御部24に出力してサーマルヘッド22を駆動し、暗証番号が一致しないと判定された場合には印刷禁止信号をシステム制御部24に出力してサーマルヘッド22の駆動を禁止するものとする。つまり、システム制御部24に印刷実行信号が送信された場合であっても、暗証番号が一致したと判定された場合にのみ、サーマルヘッド22によって熱可逆性表示媒体2の画像表示層4を変化させることができ、熱可逆性表示媒体2に対する表示および消去が可能となる。ここに、情報表示・消去許可手段の機能が実行される。
【0055】
したがって、例えば自分の暗証番号を印刷装置18のメモリ25に記憶させておけば、自分が使用している印刷装置18では自分が使用している専用の熱可逆性表示媒体2のみが再印刷可能とすることができ、他人が使用した熱可逆性表示媒体2については再印刷しないようにすることが可能になるので、再印刷する権限が特定可能になり、セキュリティが高く、かつ信頼性の高いシステムを提供することが可能になる。
【0056】
なお、再利用する人を特定しない場合には、所定の暗証番号をメモリ25に記憶させたりバーコードBCに暗証番号情報aを含める必要はなく、印刷動作制御回路28はバーコードリーダー23によって読み取られた可否情報bに基づいてシステム制御部24に印刷装置18を駆動制御させる。ここで、システム制御部24の備える機能の一つである印刷許可処理について図8に基づいて説明する。印刷許可処理は、可否情報bがバーコードリーダー23によって読み取られると(ステップS1)、ステップS2において、その可否情報bが“1”であるか“0”であるかが判断される。可否情報bが“1”の場合には(ステップS2のY)、印刷実行信号をシステム制御部24に出力してサーマルヘッド22を駆動して印刷を開始する(ステップS3)。一方、可否情報bが“0”の場合には(ステップS2のN)、印刷禁止信号をシステム制御部24に出力してサーマルヘッド22の駆動することなく、処理を終了する。以上により、第二情報表示・消去許可手段の機能が実行される。これにより、所定の暗証番号等を識別情報として印刷装置18のメモリ25に記憶させておくことができない場合等であっても、再利用する人を特定せずに、所定の熱可逆性表示媒体2については再印刷しないようにすることが可能になるので、各種情報の表示および消去する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することが可能になる。
【0057】
次に、ペン型の筆記装置7について説明する。ここで、図9は筆記装置7を模式的に示す説明図、図10は筆記装置7に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。筆記装置7は、前述した熱可逆性表示媒体2に対して熱エネルギーを付与して加筆するための加筆ペン8が設けられている。この加筆ペン8は、そのペン先に発熱抵抗体を備えることにより、加筆手段として機能し、熱可逆性表示媒体2の情報印刷エリア2aに対して熱エネルギーを付与して各種の情報を印刷することが可能になっている。また、筆記装置7には、熱可逆性表示媒体2の周辺エリア2bに印刷されているバーコードBCを読み取るためのバーコードリーダー9や無線通信I/F10、所定の情報を表示する表示用LCD(Liquid Crystal Display)11が設けられている。バーコードリーダー9は、識別情報検出手段として機能するものであって、バーコードBC上をそのバーコードBCに沿って走査する際に、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などによって熱可逆性表示媒体2の表面を照射し、その熱可逆性表示媒体2の表面からの反射光の強度をCCD(Charge Coupled Device)やフォトダイオードなどによって検出することで、バーコードBCに含まれる暗証番号情報aや可否情報bを読み取るものである。無線通信I/F10は、RF無線通信やIrDA等の赤外線通信などの無線通信インターフェースであって、パーソナルコンピュータPCとのデータの送受信を行うものである。
【0058】
また、筆記装置7には、ワンチップCPU(Central Processing Unit)等により構成されるマイクロコンピュータを備えて各部を集中的に制御する制御回路12が内蔵されており、この制御回路12には、無線通信I/F10や表示用LCD11の他、情報処理部13と切り替え部14とが接続されている。
【0059】
情報処理部13は、図10に示すように、メモリ15、比較回路16、判定回路17とにより構成されている。メモリ15は、識別情報蓄積媒体であり、例えばフラッシュメモリからなる。このメモリ15には、例えばパーソナルコンピュータPCから送信された所定の識別情報である所定の暗証番号を予め記憶させておくためのものである。なお、テンキーなどの入力I/Fを備えることにより、所定の暗証番号をメモリ15に記憶させるようにしても良い。また、比較回路16は、バーコードリーダー9によって読み取られた暗証番号情報aがメモリ15に記憶されている所定の暗証番号とを比較し、判定回路17は比較回路16によって比較したバーコードリーダー9によって読み取られた暗証番号情報aとメモリ15に記憶されている所定の暗証番号とが合致するか否かを判定するものである。ここに、比較判定手段の機能が実行される。このように、メモリ15内の所定の暗証番号とバーコードリーダー9によって読み取られた暗証番号情報aとを比較判定する回路はデジタル回路で簡単に作製できることが周知である。また、切り替え部14は、加筆ペン8の加筆可能か否かのモードを情報処理部13における判断に従って切り替えるものである。
【0060】
なお、ここでは、情報処理部13において暗証番号が一致した場合に限り、切り替え部14を加筆可能モードに切り替えるものとする。なお、本実施の形態においては、加筆ペン8は、ペン先に発熱抵抗体を備えていることにより、切り替え部14が加筆可能モードに切り替えられた場合には、ペン先の発熱抵抗体が発熱するものとする。ここに、加筆許可手段の機能が実行される。このように加筆可能モード時においては、熱可逆性表示媒体2の表面をペン先の発熱抵抗体が発熱した状態の加筆ペン8で筆記することで、熱可逆性表示媒体2の画像表示層4を変化させることができ、熱可逆性表示媒体2に対する表示(印刷)が可能となる。これにより、暗証番号が一致した特定の筆記装置7、言い換えればそれを持っている人に対して当該熱可逆性表示媒体2に印刷されている文書に対する加筆を許可することができる。
【0061】
なお、加筆可能モードの切り替えとしては、これに限るものではなく、例えば、加筆ペン8を筆記装置7に対して収納自在に設けるとともに通常のペンのようにインクが入った芯をノックすることにより押し出すノック式のノック機構を停止させるようなストッパーを設け、暗証番号が一致しない場合にはこのストッパーが働いてノックできないようにすることで、筆記装置7による筆記ができないようにしても良い。
【0062】
したがって、使用者の立場で考えると自分が作成した文書に対し、編集権限者を指定することができることになる。より具体的には、会議における会議資料など、特定の文書を特定の人にだけ加筆・訂正・メモ書きなどをして欲しい場合に有効となる。この場合、使用する筆記装置7はあらかじめ文書の所有者が暗証番号をメモリ15に記憶させたものを配布するか、あらかじめわかっている出席者の暗証番号又はそれに匹敵するもの(例えば社員番号など)をメモリ15に記憶させておく。こうすることで、熱可逆性表示媒体2に対する編集権限者を指定することが可能になり、会議における会議資料などに熱可逆性表示媒体2を適用した場合には、特定の人だけがその会議資料に加筆・訂正・メモ書き等を行うことが可能になるので、セキュリティとユーザビリティとに優れ、信頼性の高いシステムを提供することが可能になる。
【0063】
一方、特定の人ではなく任意の人を対象とする場合も考えられるが、このような場合には、所定の暗証番号をメモリ15に記憶させたりバーコードBCに暗証番号情報aを含める必要はなく、情報処理部13はバーコードリーダー9によって読み取られた可否情報bに基づいて制御回路12に筆記装置7を駆動制御させる。ここで、制御回路12の備える機能の一つである加筆許可処理について図11に基づいて説明する。加筆許可処理は、可否情報bがバーコードリーダー9によって読み取られると(ステップS11)、ステップS12において、その可否情報bが“1”であるか“0”であるかが判断される。可否情報bが“1”の場合には(ステップS12のY)、切り替え部14を加筆可能モードに切り替えて加筆ペン8を加筆可能な状態にする(ステップS13)。一方、可否情報bが“0”の場合には(ステップS12のN)、切り替え部14を加筆可能モードに切り替えることなく、処理を終了する。以上により、第二加筆許可手段の機能が実行される。これにより、使用者が作成した文書の加筆の可否についてのみ指定することができるので、例えば、任意な出席者で構成される会議等において、出席者の暗証番号又はそれに匹敵するもの(例えば社員番号など)を識別情報としてメモリ15に記憶させておくことができない場合等であっても、熱可逆性表示媒体2の所有者がその熱可逆性表示媒体2に対する加筆の可否を熱可逆性表示媒体2において指定することが可能になるので、加筆する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することが可能になる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、バーコードBCには識別情報として暗証番号情報aと可否情報bとを記憶したが、これに限るものではなく、バーコードBCには暗証番号情報aと可否情報bとのいずれか一方のみを熱可逆性表示媒体2の用途に合わせて記憶させるようにしても良い。
【0065】
また、本実施の形態においては、可否情報bを熱可逆性表示媒体2への再印刷が可能かどうかについての情報表示・消去可否情報と熱可逆性表示媒体2への加筆が可能かどうかについての加筆可否情報とで共通化したが、これに限るものではなく、情報表示・消去可否情報と加筆可否情報とを別々に有するようにしても良い。
【0066】
さらに、本実施の形態においては、コードシンボルとしてバーコードBCを適用したが、これに限るものではなく、二次元コード等を適用しても良い。また、コードシンボルとして二次元コード等を適用した場合には、その二次元コード等を光学的に読み取るコードシンボル読取装置をバーコードリーダー9およびバーコードリーダー23に代えて備える必要がある。
【0067】
次に、本発明の第二の実施の形態を図12に基づいて説明する。なお、本発明の第一の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。なお、以下の実施の形態についても同様とする。本実施の形態は、第一の実施の形態の熱可逆性表示媒体2に代えて熱可逆性表示媒体30を用いた点でのみ異なるものである。
【0068】
ここで、図12(a)は熱可逆性表示媒体30を示す斜視図、(b)はその縦断側面図である。図12(a)に示すように、熱可逆性表示媒体30には、情報表示面として機能する情報印刷エリア30aと、その情報印刷エリア30aの周囲を囲むように設けられる周辺部である周辺エリア30bとが形成されている。情報印刷エリア30aは、各種の文字データ等で構成される文書情報が印刷されるエリアである。また、図12(b)に示すように、この熱可逆性表示媒体30の構造は、第一の実施の形態の熱可逆性表示媒体2の構造と何ら変わるものではなく、バーコードBCの印刷方法のみが異なるものである。すなわち、第一の実施の形態の熱可逆性表示媒体2のバーコードBCはサーマルインクリボンを加熱して書き込むサーマルヘッドやインクジェット方式等の書込みヘッドにより周辺エリア2bに印刷されていたが、熱可逆性表示媒体30においては、印刷装置18のサーマルヘッド22によって周辺エリア30bに位置する画像表示層4を変化させることにより、バーコードBCが印刷されている。ここに、情報付与手段が実現されている。
【0069】
これにより、文書情報の印刷とバーコードBCの印刷とを一つのサーマルヘッド22で行うことができるので部品の共通化が図れるとともに、印刷装置18にサーマルインクリボンを加熱して書き込むサーマルヘッドやインクジェット方式等の書込みヘッドを不要とするので、印刷装置18の小型化およびコストダウンが図れることになる。
【0070】
次に、本発明の第三の実施の形態を図13ないし図16に基づいて説明する。本実施の形態は、第一の実施の形態の熱可逆性表示媒体2に代えて熱可逆性表示媒体40を用い、第一の実施の形態の印刷装置18に代えて印刷装置42を用い、第一の実施の形態の筆記装置7に代えて筆記装置44を用いたものである。
【0071】
ここで、図13(a)は熱可逆性表示媒体40を示す斜視図、(b)はその縦断側面図である。図13(a)に示すように、この熱可逆性表示媒体40には、情報表示面として機能する情報印刷エリア40aのみがその熱可逆性表示媒体40の全面に形成されている。また、図13(b)に示すように、熱可逆性表示媒体40は、第一の実施の形態の熱可逆性表示媒体2の保護層6とは反対側に、磁性体を含む磁気記録層41を設けた点で異なっている。
【0072】
磁気記録層41は、支持体3上に磁気記録層形成液をワイヤーバーで塗布乾燥し、約10μmの厚さに形成されたものである。なお、磁気記録層41は、支持体3上の全面に塗布する必要はなく、一部であっても良い。ここで、磁気記録層形成液は、下記の構成で調整されている。
【0073】
【表1】
Figure 0003848511
【0074】
そして、本実施の形態においては、熱可逆性表示媒体40の磁気記録層41には、前述した図5で示したように、熱可逆性表示媒体40の情報印刷エリア40aに印刷されている文字データ等を含む文書情報に関する数桁の暗証番号情報aや可否情報b等がコード化されて磁気記録層41に規則的に着磁されることで記録されている。つまり、磁気記録層41が情報記憶手段として機能することになる。なお、この磁気記録層41の暗証番号情報aや可否情報bは、本実施の形態においては、後述する印刷装置42の磁気ヘッド43(図14参照)によって書き込まれて記録される。ここに、情報付与手段が実現されている。なお、暗証番号情報aや可否情報bは、熱可逆性表示媒体40の印刷装置42における搬送方向Aの下流側先端部分に形成されている。
【0075】
次に、上述したような熱可逆性表示媒体40に対して熱エネルギーによる印刷/消去を行う印刷装置42の内部構造について図14を参照して説明する。図14に示すように、印刷装置42は、第一の実施の形態の印刷装置18のバーコードリーダー23に代えて磁気ヘッド43を用いた点でのみ異なるものである。この磁気ヘッド43は、搬送方向Aに向けて搬送される熱可逆性表示媒体40の磁気記録層41に対向する位置に設けられている。つまり、磁気ヘッド43は、第一の実施の形態の印刷装置18のバーコードリーダー23が設置されていた位置に対して媒体搬送経路20を挟んで対向する位置に設けられている。この磁気ヘッド43は、第二識別情報検出手段として機能するものであって、ホール素子や磁気抵抗素子などを用いて熱可逆性表示媒体40の磁気記録層41に磁気的に記録された暗証番号情報aや可否情報bを読み取るものである。また、特に図示しないが、システム制御部24は、磁気ヘッド43を駆動制御することにより、熱可逆性表示媒体40の磁気記録層41に含まれる暗証番号情報aと可否情報bとを取得する。
【0076】
このような構成の印刷装置42の有する他の作用効果については印刷装置18と同様であるため、説明は省略する。
【0077】
次に、筆記装置44について図15および図16を参照して説明する。筆記装置44は、第一の実施の形態の筆記装置7のバーコードリーダー9に代えて磁気コード検出部45を用いた点でのみ異なるものである。この磁気コード検出部45は、識別情報検出手段として機能するものであって、ホール素子や磁気抵抗素子などを用いて熱可逆性表示媒体40の磁気記録層41に磁気的に記録された暗証番号情報aや可否情報bを読み取るものである。そして、制御回路12は、磁気コード検出部45を駆動制御することにより、熱可逆性表示媒体40の磁気記録層41に含まれる暗証番号情報aと可否情報bとを取得する。
【0078】
このような構成の印刷装置42の有する他の作用効果については印刷装置18と同様であるため、説明は省略する。
【0079】
なお、磁気記録層41の暗証番号情報aや可否情報bは、その記録個所がわかるようにその旨を磁気記録層41に印刷して表示させた方が良い。そうすれば、使用者が筆記装置44の磁気コード検出部45を走査する個所を目視で確認することが可能になり、筆記装置44の磁気コード検出部45による暗証番号情報aや可否情報bの検出が容易になる。
【0080】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示面を有するとともに前記各種情報に対応付けられた識別情報を記憶する情報記憶手段を有する情報表示媒体と、この情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、所定の識別情報を予め記憶する識別情報蓄積媒体と、この識別情報蓄積媒体に予め記憶された前記所定の識別情報と前記識別情報検出手段により検出された前記識別情報とが同一であるか否かを比較判定する比較判定手段と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する加筆が可能な加筆手段と、前記比較判定手段により同一であると判定された場合に限り前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する加筆許可手段と、を有する筆記装置と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対して各種情報を表示および消去する情報表示・消去手段と、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に対して前記識別情報を付与する情報付与手段と、を有する印刷装置と、を備え、加筆手段による情報表示媒体の情報表示面に対する加筆について、識別情報蓄積媒体に予め記憶された所定の識別情報と識別情報検出手段により検出された識別情報とが比較判定手段により同一であると判定された場合に限り加筆を許可することにより、例えば、予め情報表示媒体の所有者が識別情報として暗証番号を識別情報蓄積媒体に記憶させた筆記装置を配布するか、予め解っている出席者の暗証番号又はそれに匹敵するもの(例えば社員番号など)を識別情報として識別情報蓄積媒体に記憶させておくことで、情報表示媒体に対する編集権限者を指定でき、会議における会議資料などに情報表示媒体を適用した場合には、特定の人だけがその会議資料に加筆・訂正・メモ書き等を行うことができるので、セキュリティとユーザビリティとに優れ、信頼性の高いシステムを提供できる。
【0081】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆の可否に関する加筆可否情報が含まれ、前記識別情報検出手段により検出された前記加筆可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する第二加筆許可手段をさらに有する前記筆記装置を備え、加筆手段による情報表示媒体の情報表示面に対する加筆について、識別情報検出手段により検出された加筆可否情報が加筆を許容する情報である場合に限って許可することにより、例えば、任意な出席者で構成される会議等において、出席者の暗証番号又はそれに匹敵するもの(例えば社員番号など)を識別情報として識別情報蓄積媒体に記憶させておくことができない場合等であっても、情報表示媒体の所有者がその情報表示媒体に対する加筆の可否を情報表示媒体において指定することができるので、加筆する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することができる。
【0082】
請求項3記載の発明によれば、可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示面を有するとともに前記情報表示面に対する加筆の可否に関する加筆可否情報を含む識別情報を記憶する情報記憶手段を有する情報表示媒体と、この情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記加筆可否情報を含む前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する加筆が可能な加筆手段と、前記識別情報検出手段により検出された前記加筆可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する第二加筆許可手段と、を有する筆記装置と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対して各種情報を表示および消去する情報表示・消去手段と、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に対して前記識別情報を付与する情報付与手段と、を有する印刷装置と、を備え、加筆手段による情報表示媒体の情報表示面に対する加筆について、識別情報検出手段により検出された加筆可否情報が加筆を許容する情報である場合に限って許可することにより、例えば、任意な出席者で構成される会議等において、情報表示媒体の所有者がその情報表示媒体に対する加筆の可否を情報表示媒体において指定することができるので、加筆する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することができる。
【0083】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記識別情報を検出する第二識別情報検出手段と、所定の識別情報を予め記憶する第二識別情報蓄積媒体と、この第二識別情報蓄積媒体に予め記憶された前記所定の識別情報と前記第二識別情報検出手段により検出された前記識別情報とが同一であるか否かを比較判定する第二比較判定手段と、この第二比較判定手段により同一であると判定された場合に限り前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する情報表示・消去許可手段と、をさらに有する前記印刷装置を備え、情報表示・消去手段による情報表示媒体の情報表示面に対する各種情報の表示および消去について、第二比較判定手段により第二識別情報蓄積媒体に予め記憶された所定の識別情報と第二識別情報検出手段により検出された識別情報とが同一である場合に限り許可することにより、例えば、自分の暗証番号を識別情報として情報表示媒体の情報記憶手段と印刷装置の第二識別情報蓄積媒体とにそれぞれ記憶させておくことで、自分が使用している印刷装置では自分が使用している専用の情報表示媒体に限って再印刷を可能とし、他人の情報表示媒体については再印刷しないようにすることができるので、再印刷する権限が特定可能になり、セキュリティが高く、かつ信頼性の高いシステムを提供することができる。
【0084】
請求項5記載の発明によれば、請求項記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去の可否に関する情報表示・消去可否情報が含まれ、前記第二識別情報検出手段により検出された前記情報表示・消去可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する第二情報表示・消去許可手段をさらに有する前記印刷装置を備え、情報表示・消去手段による情報表示媒体の情報表示面に対する各種情報の表示および消去について、第二識別情報検出手段により検出された情報表示・消去可否情報が各種情報の表示および消去を許容する情報である場合に限って許可することにより、所定の暗証番号等を識別情報として第二識別情報蓄積媒体に記憶させておくことができない場合等であっても、再利用する人を特定せずに、所定の情報表示媒体については再印刷しないようにすることができるので、各種情報の表示および消去する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することができる。
【0085】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去の可否に関する情報表示・消去可否情報が含まれ、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記情報表示・消去可否情報を含む前記識別情報を検出する第二識別情報検出手段と、この第二識別情報検出手段により検出された前記情報表示・消去可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する第二情報表示・消去許可手段と、をさらに有する前記印刷装置を備え、情報表示・消去手段による情報表示媒体の情報表示面に対する各種情報の表示および消去について、第二識別情報検出手段により検出された情報表示・消去可否情報が各種情報の表示および消去を許容する情報である場合に限って許可することにより、所定の情報表示媒体については再印刷しないようにすることができるので、各種情報の表示および消去する権限の設定が容易であって、ユーザビリティに優れたシステムを提供することができる。
【0086】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記情報表示面は、熱エネルギーにより可逆的に可視情報の記録及び消去が可能である熱可逆性記録層を有することにより、可逆的に情報表示媒体の熱可逆性記録層に対する各種情報の表示及び消去が容易になるので、ユーザビリティが高く、低コストで省資源化が図れるシステムを提供することができる。
【0087】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含んでいることにより、情報表示媒体に対する各種情報の書き換えが簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いることができるので、低コストでユーザビリティの高いシステムを提供することができる。
【0088】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層であることにより、情報表示媒体に対する各種情報の書き換えが簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いることができるので、低コストでユーザビリティの高いシステムを提供することができる。
【0089】
請求項10記載の発明は、請求項7記載の情報処理システムにおいて、前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、低分子液晶化合物または高分子液晶化合物を含んでいることにより、情報表示媒体に対する各種情報の書き換えが簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いることができるので、低コストでユーザビリティの高いシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の情報処理システムの一部を示す模式図である。
【図2】(a)は熱可逆性表示媒体を示す斜視図、(b)はその縦断側面図である。
【図3】ロイコ染料および顕色剤を用いた熱可逆性記録層が発色・消色するプロセスを説明するグラフである。
【図4】有機低分子と樹脂とからなる熱可逆性記録層が透明化・白濁化するプロセスを説明するグラフである。
【図5】熱可逆性表示媒体の周辺エリアに印刷されるバーコードのデータ構成を模式的に示す説明図である。
【図6】印刷装置の内部構造を概略的に示す断面図である。
【図7】印刷装置のシステム制御の流れを概略的に示すブロック図である。
【図8】印刷許可処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図9】筆記装置を模式的に示す説明図である。
【図10】筆記装置に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図11】加筆許可処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図12】本発明の第二の実施の形態の熱可逆性表示媒体を示し、(a)は熱可逆性表示媒体示す斜視図、(b)はその縦断側面図である。
【図13】本発明の第三の実施の形態の熱可逆性表示媒体を示し、(a)は熱可逆性表示媒体示す斜視図、(b)はその縦断側面図である。
【図14】印刷装置の内部構造を概略的に示す断面図である。
【図15】筆記装置を模式的に示す説明図である。
【図16】筆記装置に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 情報処理システム
2,30,40 情報表示媒体
2a,30a,40a 情報表示面
4 熱可逆性記録層
7,44 筆記装置
8 加筆手段
9,45 識別情報検出手段
15 識別情報蓄積媒体
18,42 印刷装置
23,43 第二識別情報検出手段
25 第二識別情報蓄積媒体
41,BC 情報記憶手段
a 識別情報
b 識別情報、加筆可否情報、情報表示・消去可否情報

Claims (10)

  1. 可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示面を有するとともに前記各種情報に対応付けられた識別情報を記憶する情報記憶手段を有する情報表示媒体と、
    この情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、所定の識別情報を予め記憶する識別情報蓄積媒体と、この識別情報蓄積媒体に予め記憶された前記所定の識別情報と前記識別情報検出手段により検出された前記識別情報とが同一であるか否かを比較判定する比較判定手段と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する加筆が可能な加筆手段と、前記比較判定手段により同一であると判定された場合に限り前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する加筆許可手段と、を有する筆記装置と、
    前記情報表示媒体の前記情報表示面に対して各種情報を表示および消去する情報表示・消去手段と、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に対して前記識別情報を付与する情報付与手段と、を有する印刷装置と、を備える
    ことを特徴とする情報処理システム。
  2. 前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆の可否に関する加筆可否情報が含まれ、
    前記識別情報検出手段により検出された前記加筆可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する第二加筆許可手段をさらに有する前記筆記装置を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  3. 可逆性を有して各種情報を書き換え自在に表示する情報表示面を有するとともに前記情報表示面に対する加筆の可否に関する加筆可否情報を含む識別情報を記憶する情報記憶手段を有する情報表示媒体と、
    この情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記加筆可否情報を含む前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する加筆が可能な加筆手段と、前記識別情報検出手段により検出された前記加筆可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記加筆手段による加筆を許可する第二加筆許可手段と、を有する筆記装置と、
    前記情報表示媒体の前記情報表示面に対して各種情報を表示および消去する情報表示・消去手段と、前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に対して前記識別情報を付与する情報付与手段と、を有する印刷装置と、を備える
    ことを特徴とする情報処理システム。
  4. 前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記識別情報を検出する第二識別情報検出手段と、所定の識別情報を予め記憶する第二識別情報蓄積媒体と、この第二識別情報蓄積媒体に予め記憶された前記所定の識別情報と前記第二識別情報検出手段により検出された前記識別情報とが同一であるか否かを比較判定する第二比較判定手段と、この第二比較判定手段により同一であると判定された場合に限り前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する情報表示・消去許可手段と、をさらに有する前記印刷装置を備える
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の情報処理システム。
  5. 前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去の可否に関する情報表示・消去可否情報が含まれ、
    前記第二識別情報検出手段により検出された前記情報表示・消去可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する第二情報表示・消去許可手段をさらに有する前記印刷装置を備える
    ことを特徴とする請求項記載の情報処理システム。
  6. 前記識別情報には前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去の可否に関する情報表示・消去可否情報が含まれ、
    前記情報表示媒体の前記情報記憶手段に記憶された前記情報表示・消去可否情報を含む前記識別情報を検出する第二識別情報検出手段と、この第二識別情報検出手段により検出された前記情報表示・消去可否情報に従って前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示媒体の前記情報表示面に対する前記情報表示・消去手段による各種情報の表示および消去を許可する第二情報表示・消去許可手段と、をさらに有する前記印刷装置を備える
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の情報処理システム。
  7. 前記情報表示媒体の前記情報表示面は、熱エネルギーにより可逆的に可視情報の記録及び消去が可能である熱可逆性記録層を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の情報処理システム。
  8. 前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含んでいる
    ことを特徴とする請求項7記載の情報処理システム。
  9. 前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層である
    ことを特徴とする請求項7記載の情報処理システム。
  10. 前記情報表示媒体の前記熱可逆性記録層は、低分子液晶化合物または高分子液晶化合物を含んでいる
    ことを特徴とする請求項7記載の情報処理システム。
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