JP2002366293A - 座標入力装置および情報処理システム - Google Patents

座標入力装置および情報処理システム

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JP2002366293A
JP2002366293A JP2001170126A JP2001170126A JP2002366293A JP 2002366293 A JP2002366293 A JP 2002366293A JP 2001170126 A JP2001170126 A JP 2001170126A JP 2001170126 A JP2001170126 A JP 2001170126A JP 2002366293 A JP2002366293 A JP 2002366293A
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JP2001170126A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Furuta
俊之 古田
Tomohiko Beppu
智彦 別府
Hitoshi Hattori
仁 服部
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像読取装置により読み取られる媒体上に形
成されたコードシンボルの画像に発生する歪みや被写界
深度の問題を解決する。 【解決手段】 画像読取装置6と装置本体7との間に設
けられ、画像読取装置6を装置本体7に対して回動自在
に支持する支持部材11と、画像読取装置6に設けら
れ、支持部材11により回動自在に支持された当該画像
読取装置6の撮像面を重力方向に向ける錘12と、を備
える。これにより、画像読取装置6の撮像面を、水平に
載置された媒体に対し、装置本体7の傾き方向にかかわ
らず正対させることができるので、画像読取装置6によ
り読み取られる媒体1上に形成されたコードシンボルの
画像に歪みは発生せず、かつ、被写界深度の問題も発生
しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座標入力装置およ
びこの座標入力装置を備えた情報処理システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子化された文書は、ディスプレイ上で
表示されるため、閲覧のし易さに問題がある。またディ
スプレイ上で表示するのでは可搬性にも問題がある。そ
こで、文書を印刷して、その印刷物を閲覧し、あるい
は、その印刷物を持ち運んで利用することが多い。一
方、こうした印刷物に加筆することも多々あるが、電子
的な元文書と加筆事項とは何らリンクされておらず、後
で元文書を電子的に編集しなおす必要がある。そこで、
印刷された文書に加筆すると電子的な元文書に自動的に
反映されるシステム、端的にいえば、紙ベースのタブレ
ットシステムの実現が望まれている。このようなシステ
ムを実現するためには、まず、紙面上における位置座標
を取得する必要がある。
【0003】そこで、特開昭61−296421号公報
では、光学的に読取可能なコードシンボルを座標板上に
マトリックス状に並べ、それを読むことによって座標情
報を取得する技術が開示されている。特開平7−141
104号公報にも、同様の技術内容が開示されている。
【0004】一方、特開平7−244657号公報に
は、紙面にファイル情報(ファイル名など)をバーコー
ドで印刷しておいて、タブレット上で加筆する際に紙面
上のバーコードを読み取って、文書の編集を行う技術が
開示されている。
【0005】ところが、ユーザビリティの観点からみる
と、すでに情報が書き込まれ、または印字されている複
数枚の情報表示媒体をタブレットにのせて、その文書の
上に加筆入力するようなものでは、情報表示媒体を持ち
歩く場合でもタブレットを随時携帯する必要があり不便
になる。
【0006】また、個人のパーソナル的な使い方として
は、伝統的な紙に筆記具で書く場合と同等な利便性と機
能性の実現が必要となる。しかし、タブレットを用いる
筆記作業は、紙に筆記具で書く場合とは異なった感触と
なり、ユーザにとって違和感のあるものとなる。
【0007】これらの不具合は、前記特開昭61−29
6421号公報や、特開平7−141104号公報に開
示の技術についても同様である。
【0008】特開平7−244657号公報に開示の技
術では、タブレット上で加筆する際に紙面上のバーコー
ドを読み取って文書の編集を行うものであるが、編集の
際に、紙面上のバーコードをいちいち読み込んでから行
う必要があり面倒であるという不具合がある。
【0009】そこで、近年では、例えば被筆記媒体上の
全領域に座標認識パターンを設けて絶対座標を検出しな
がら指示部材の移動軌跡を検出する場合に比べて座標を
高速に検出することができるとともに、被筆記媒体上の
全領域に座標認識パターンを設けて絶対座標を検出しな
がら指示部材の移動軌跡を検出する場合と同様に座標を
精緻に検出することができる情報処理システムが開発さ
れている。
【0010】ここで、図16は従来の情報処理システム
の座標入力装置203を手に持って媒体201に筆記を
行っている状態を示す斜視図である。図16に示すよう
に、媒体201には、コードシンボル202がマトリッ
クス状に並べられている。コードシンボル202には、
媒体201のコードシンボル202が印刷されている面
におけるコードシンボル202の座標を意味するマーク
がエンコードされている。使用者は、座標入力装置20
3を手に持って媒体201に対して筆記を行うことにな
る。
【0011】座標入力装置203は、人が手に持って筆
記動作を行うことができる筆記具状の装置本体204を
備えている。この装置本体204の先端部205には、
筆記具が取り付けられており、現実に筆記可能とされて
いる。装置本体204の側部には画像読取装置206が
設けられている。画像読取装置206には、例えばCC
D(Charge Coupled Device)やレンズなどからなる光
学系(図示せず)が備えられており、媒体201上の画
像を読み取ることが可能になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図17は、座
標入力装置203で図16のような媒体201を読み取
った画像例である。座標入力装置203による撮影範囲
を、コードシンボル202の幅の少なくとも倍以上にし
ておけば、少なくとも1つのコードシンボル202は画
像の読み取り範囲内に入る。実際には、隣接のコードシ
ンボル202も読み取り範囲内に入るが、図17では省
略している。
【0013】ところで、画像読取装置206が装置本体
204に一体に設けられている場合には、媒体201の
表面と画像読取装置206の撮像面とは必ずしも正対し
ていないので(図16参照)、画像読取装置206は媒
体201を斜方向から撮影することになる。このような
場合には、画像読取装置206により読み取られたコー
ドシンボル202の画像は、図17に示すように、歪み
を有することになるとともに、画像読取装置206の被
写界深度が十分に得られない。このように画像読取装置
206の被写界深度が十分に得られない場合、座標入力
装置203の装置本体204の傾き角によっては画像
(コードシンボル202の読み取り画像)の一端側がボ
ケてしまい、画像処理が困難となる場合がある。例え
ば、物体面と撮像面の距離が60mmで20mm四方を
撮影した場合には、おおむね±30°ぐらいが被写界深
度の範囲となるが、筆記中における座標入力装置203
の装置本体204の傾きの変化によって、この範囲から
はみ出てしまうことがある。このような傾きの変化によ
る画像のボケは、特に、上下方向の傾きの変化において
顕著に現れる。
【0014】本発明の目的は、画像読取装置により読み
取られる媒体上に形成されたコードシンボルの画像に発
生する歪みや被写界深度の問題を解決することである。
【0015】本発明の目的は、コードシンボルと他の部
分との分離性を向上させ、座標検出精度を向上させるこ
とである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の座
標入力装置は、人が手に持って筆記動作を行うことがで
きる装置本体と、この装置本体に設けられ、媒体上に形
成されたコードシンボルを光学的に読み取る画像読取装
置と、を備え、前記装置本体の先端部分で指示した前記
媒体上の座標位置を、前記画像読取装置で読み取った前
記コードシンボルの当該画像中における前記装置本体の
先端部分が指示した座標と前記コードシンボルに予めエ
ンコードされている座標情報とに基づいて検出する座標
入力装置において、前記装置本体の傾き方向にかかわら
ず前記画像読取装置の撮像面と前記媒体とを対向させる
ようにした。
【0017】したがって、画像読取装置の撮像面が、水
平に載置された媒体に対し、装置本体の傾き方向にかか
わらず正対することになる。これにより、画像読取装置
により読み取られる媒体上に形成されたコードシンボル
の画像に歪みは発生せず、かつ、被写界深度の問題も発
生しない。
【0018】請求項2記載の発明の座標入力装置は、人
が手に持って筆記動作を行うことができる装置本体と、
この装置本体に設けられ、媒体上に形成されたコードシ
ンボルを光学的に読み取る画像読取装置と、を備え、前
記装置本体の先端部分で指示した前記媒体上の座標位置
を、前記画像読取装置で読み取った前記コードシンボル
の当該画像中における前記装置本体の先端部分が指示し
た座標と前記コードシンボルに予めエンコードされてい
る座標情報とに基づいて検出する座標入力装置におい
て、前記画像読取装置と前記装置本体との間に設けら
れ、前記画像読取装置を前記装置本体に対して回動自在
に支持する支持部材と、前記画像読取装置に設けられ、
前記支持部材により回動自在に支持された当該画像読取
装置の撮像面を重力方向に向ける錘と、を備える。
【0019】したがって、画像読取装置の撮像面が、水
平に載置された媒体に対し、装置本体の傾き方向にかか
わらず正対することになる。これにより、画像読取装置
により読み取られる媒体上に形成されたコードシンボル
の画像に歪みは発生せず、かつ、被写界深度の問題も発
生しない。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の座標入力装置において、前記画像読取装置には、
所定の波長域の光のみの透過を許容する光学フィルタが
設けられている。
【0021】したがって、コードシンボルと他の部分と
の分離性が向上することにより、座標検出精度を向上さ
せることが可能になる。
【0022】請求項4記載の発明の情報処理システム
は、請求項1または2記載の座標入力装置と、その表面
上にコードシンボルが形成された媒体と、を備え、前記
コードシンボルは、前記媒体上での座標を示す座標情報
を少なくともエンコードしたものである。
【0023】したがって、請求項1または2記載の発明
と同様の作用を奏する情報処理システムを提供すること
が可能になる。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項4記載の情
報処理システムにおいて、前記媒体は、支持体上に、前
記コードシンボルを形成したコードシンボル層と、書き
換え可能に筆記することができる記録層とを形成してい
る。
【0025】したがって、媒体が書き換え可能になるの
で、紙資源を節約することが可能になる。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項5記載の情
報処理システムにおいて、前記媒体の前記記録層は、熱
エネルギーにより可逆的に光学特性を変化させることに
より可視情報の記録及び消去が可能である。
【0027】したがって、ユーザビリティが高く、低コ
ストで省資源化が図れるシステムの提供が可能になる。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項4ないし6
のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、前記コ
ードシンボルは不可視である。
【0029】したがって、コードシンボルに妨げられる
ことなく文書等を読み取ることが可能になることによ
り、利便性が高くなる。
【0030】請求項8記載の発明の情報処理システム
は、請求項3記載の座標入力装置と、その表面上にコー
ドシンボルが形成された媒体と、を備え、前記コードシ
ンボルは、前記媒体上での座標を示す座標情報を少なく
ともエンコードしたものである。
【0031】したがって、請求項3記載の発明と同様の
作用を奏する情報処理システムを提供することが可能に
なる。
【0032】請求項9記載の発明は、請求項8記載の情
報処理システムにおいて、可視の波長領域をBバンド
(400nm〜500nm)、Gバンド(500nm〜6
00nm)、Rバンド(600nm〜700nm)とす
る時、前記コードシンボルをGバンドからRバンドまで
の波長を含む波長域により光学的に読み取り可能に形成
し、文書等の情報をBバンド内の波長を含む波長域によ
り読み取り可能に形成し、前記画像読取装置の光学フィ
ルタは、Bバンド内の波長を含む波長域の光のみの透過
を許容する。
【0033】したがって、波長領域がBバンド(400
nm〜500nm)である青色で文書を印刷し、波長領
域がGバンド(500nm〜600nm)からRバンド
(600nm〜700nm)である黄色でコードシンボ
ルを印刷し、光学フィルタを500nm以下の波長を透
過するものにした場合、青色で印刷した文書の文書情報
を検出せずに、黄色で印刷したコードシンボルのシンボ
ル情報のみを検出することが可能になる。これにより、
Bバンド(400nm〜500nm)の波長領域の青色で
印刷した文書を人間は読むことができるが、Gバンド
(500nm〜600nm)からRバンド(600nm〜
700nm)の波長領域の黄色で印刷したコードシンボ
ルについては、人間の目ではかろうじて認識されてしま
うが他の波長域のものと比較して光学強度が同じ場合で
も人間の目には目立ちにくくなり目障り感が低減するこ
とから、コードシンボルを人間にとって不可視なもの
(赤外領域または紫外領域)にした場合に比べ、広く普
及している印刷手段を適用することが可能になり、低コ
ストでシステムを提供することが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図6に基づいて説明する。
【0035】ここで、図1は本実施の形態の情報処理シ
ステムで用いる媒体1を示す平面図である。媒体1に
は、人間が視覚的に読み取り可能な状態で文書が記録さ
れており、一般的には、紙、布、プラスチック等で構成
され、シート状である。符号2は、人間が読み取り可能
な文書そのものであり、文字、図、表などである。符号
3は、光学的に読み取り可能なコードシンボルであり、
詳しくは後述するが、一般にはバーコード、2次元コー
ド等である。
【0036】文書2とコードシンボル3のインクの吸光
波長または発光波長を互いに重ならないようにして、文
書2を人間が視覚的に読み取り可能な波長域に、コード
シンボル3を人間にとっては読み取り不可能であるが、
光学的には読み取り可能な波長域で印刷した場合、文書
2とコードシンボル3を重ねて印刷し、かつ、独立して
読み取ることができる。人間に不可視のインクとして
は、例えば、日立マクセル社製のステルスインクがあ
り、これには熱転写プリンタ用のシートも用意されてい
る。これは人間にはほとんど見えず、赤外領域で光学的
に読み取り可能である。一方、逆に赤外領域では、透明
な黒色インクも市販されているので、これらのインクを
用いて市販の熱転写方式プリンタを用いれば、人間にと
って可視の文書2と不可視のコードシンボル3とをプリ
ンタで印刷することが容易に可能となる。
【0037】このように、コードシンボル3を不可視に
することにより、コードシンボル3に妨げられることな
く媒体1上の文書2を読み取ることができるので、利便
性を高くすることができる。
【0038】ここで、不可視の材料について説明する。
不可視の材料の中で光学的に検知できるものとしては、
光を吸収し、その反射強度の差により検知できる材料、
または、光の吸収により励起し、蛍光を発し、それを検
知できる材料が用いられる。光を吸収しその反射強度の
差により検知できる材料は、可視域での吸収は低く、そ
れ以外の波長領域での吸収を有する材料を用いることが
できる。前記の文書2、コードシンボル3は、これらの
材料で形成された吸収する部分と反射する部分から形成
され、これらの吸収/反射による可視域外での光学濃度
の差から情報を検知できる。また、これらは可視域の光
学濃度の差が極めて小さいため、肉眼ではほとんど視認
されない。照射光については、紫外光による媒体含有物
の劣化等の配光性を考慮し、赤外光の照射により、光学
的に認識できることが望ましい。
【0039】有機系の赤外吸収材料としては、シアニン
系色素、ナフトキノン系色素、フタロシアニン系色素、
アントラキノン系色素、ジオール系色素、トリフェニル
メタン系色素等が挙げられる。これらは可視域にも吸収
があるため、赤味がかったクリーム色を呈している。こ
れに対し、可視域では吸収を持たず、赤外域に吸収を有
する無機系の材料がより望ましい。例えば、少なくと
も、Nd,Yb,In,Sn,Znを含有した化合物を
用いることができる。特に、これら金属およびこれらの
酸化物、硫化物、ハロゲン化物などの化合物が望まし
く、これら化合物は白色、または淡い青色であり、情報
担体を不可視化するに適している。これら化合物の具体
的な例として、酸化イッテルビウム、酸化錫、酸化亜
鉛、硫化イッテルビウム、硫化亜鉛、塩化イッテルビウ
ム、塩化インジウム、重化錫、塩化亜鉛、臭化イッテル
ビウム、臭化インジウム、インジウム−錫混合酸化物、
またはインジウム−錫混合酸化物とアルミナ、硫酸バリ
ウム、二酸化珪素、炭酸カルシウムから選ばれる1種と
の混合物等が挙げられる。
【0040】また、Yb,In,Sn,Znを含み、こ
れらと酸との塩も有効な赤外吸収材料である。これらの
具体的な例として、硫酸イッテルビウム、硫酸亜鉛、硫
酸インジウム、硝酸イッテルビウム、硝酸錫、過塩素酸
イッテルビウム、炭酸イッテルビウム、炭酸亜鉛、炭酸
インジウム、酢酸イッテルビウム、酢酸亜鉛、酢酸錫、
ニコチン酸イッテルビウム、リン酸イッテルビウム、リ
ン酸亜鉛、リン酸錫、シュウ酸イッテルビウム、シュウ
酸亜鉛、シュウ酸錫等が挙げられる。
【0041】また、光の吸収により励起し、蛍光を発
し、それを検知できる材料は、発せられる蛍光波長、強
度差で検知できるものが用いられる。特に、紫外光によ
る媒体含有物の劣化等の耐光性を考慮し、赤外光により
励起し、蛍光を発する材料が好ましい。この赤外光を吸
収し、蛍光を発する材料としては、光学活性元素として
少なくともNdを含む有機金属化合物がある。これら有
機金属化合物中の有機化合物としては、カルボン酸類、
ケトン類、エーテル類、アミン類から選択される。これ
らの具体的な例としては、桂皮酸ネオジム、ナフトエ酸
ネオジム等が挙げられる。また、光学活性元素として、
NdおよびYbを含む有機金属化合物がより望ましく、
これらの具体的な例としては、桂皮酸ネオジム・イッテ
ルビウム複合塩、安息香酸ネオジム・イッテルビウム複
合塩、ナフトエ酸ネオジム・イッテルビウム複合塩等が
挙げられる。
【0042】また、Nd,Yb,Erの1種以上の元素
を含む含酸素酸塩化合物も赤外蛍光材料として使用でき
る。この含酸素酸塩化合物の具体的な例としては、リン
酸塩化合物、バナジン酸塩化合物、ホウ酸重化合物、モ
リブデン酸塩化合物等が挙げられる。さらに、光学活性
元素としてFeおよびErを含有し、他にSc,Ga,
Al,In,Y,Bi,Ce,Gd,Lu,Laから選
択された少なくとも1種以上の元素を含有した化合物も
赤外蛍光材料として使用できる。また、光学活性元素と
してYbを含有し、この他、Sc,Ga,Al,In,
Y,Bi,Ce,Gd,Lu,Laから選択された少な
くとも1種以上の元素を含有した化合物も赤外蛍光材料
として用いることができる。さらに、赤外領域に吸収を
有する有機化合物を把持させた、Nb,Yb,Erから
選択された1種以上の希土類含有有機化合物も赤外蛍光
材料として用いることができる。これら赤外領域に吸収
を有する有機化合物としては、ポリメチン系色素、アン
トラキノン系色素、ジオール系色素、フタロシアニン系
色素、インドフェノール系色素、アゾ系色素等から選択
できる。
【0043】図1の例では、コードシンボル3はマトリ
クス状に並べられている。コードシンボル3には、媒体
1のコードシンボル3が印刷されている面におけるコー
ドシンボル3の座標を意味するマークがエンコードされ
ている。例えば、図1の左上のコードシンボル3aは
「0101」がエンコードされ、コードシンボル3bは
「0102」、コードシンボル3cは「0201」、コ
ードシンボル3dは「0202」とエンコードされてい
る。あるいは他の例として、コードシンボル3aの部分
が「aa」、コードシンボル3bの部分が「ab」、コ
ードシンボル3cの部分が「ba」、コードシンボル3
dの部分が「bb」とエンコードされていてもよい。こ
のように複数のコードシンボル3が各々一意的に識別で
きるならば何でもよく、また配置にも特に制約はない
が、図1のように、規則的にエンコードし、かつ、規則
的にコードシンボル3を配置するのが望ましい。
【0044】より具体的に例をあげると、紙面の左上を
原点とし、右および下方向にx軸およびy軸をとる。こ
こで、x軸、y軸の、(10mm,10mm)の位置に
「0101」のコードシンボル3の中心が位置するよう
に配置し、(10mm,20mm)の位置には「010
2」のコードシンボル3、(20mm,10mm)の位置
に「0201」のコードシンボル3を配置する。
【0045】また、光学的に読み取り可能なコードシン
ボル3として、図1には、DataMatrixコード
を示しているが、同様なコードシンボル3としては他に
もいくつか周知であるものがあり、例えば、CodeO
ne,AztecCode,MaxiCode,QRC
ode等を用いることができる。また1次元のバーコー
ドや独自コードを用いてもよい。
【0046】さらに、コードシンボル3としてエンコー
ドされている情報は、媒体1上の物理的な位置を意味す
るものではなく、文書の論理的な位置を意味するもの、
例えば第1章第2節第5段落第6文字目といったことを
意味する「01020506」のようなものでも構わな
い。
【0047】コードシンボル3は媒体1のなるべく広い
範囲に記録することが望ましいが、必ずしも全面に記録
する必要はない。例えば、プリンタで印刷する場合、紙
面の周囲は印字できない範囲である場合が多い。このよ
うなとき、このような部分に必ずしも印刷する必要はな
い。
【0048】図1の例では、コードシンボル3には、媒
体1の表面上における位置を示す座標情報のみがエンコ
ードされているが、これに加えて、文書2を一意的に識
別するための情報である文書情報もエンコードして記録
するのが望ましい。文書を一意的に識別する文書情報と
しては、例えば、ファイル名の情報や、ドライブ名、デ
ィレクトリ名およびファイル名を合わせた情報や、UR
L等がある。また、単純な連番にしておき、実際のファ
イル名との対応は別に設けたテーブルを用いるようにし
ても良い。どの範囲の情報をエンコードするかは、使用
目的に応じて定めればよい。この文書情報をエンコード
したコードシンボル3は、座標情報を表すコードシンボ
ル3とは別に媒体1に配置してもよいが、座標情報を表
すコードシンボル3に同時にエンコードすることもでき
る。
【0049】例えば、コードシンボル3aを「c:\MyFil
e\Patent.doc0101」をエンコードしたものとし、コード
シンボル3bを「c:\MyFi1e\Patent.docO102」をエンコ
ードしたものとするように、文書情報および座標情報を
1つのコードシンボル3にエンコードしてもよい。例え
ば2次元コードの場合、この程度の情報量は数ミリ角く
らいのサイズになるので、両者を併せても十分エンコー
ド可能である。
【0050】次に、本実施の形態の情報処理システムで
用いる座標入力装置4の概略構成を図2を参照しつつ説
明する。図2に示すように、この座標入力装置4は、人
が手に持って筆記動作を行うことができる筆記具状の装
置本体7を備えている。この装置本体7の先端部5に
は、必要であれば、筆記具、すなわち、ボールペン、シ
ャープペンシルの先端部部分等を取り付けて、現実に筆
記可能としてもよい。装置本体7の側部などに設けられ
た画像読取装置6は、例えば、CCD(Charge Coupled
Device)などの光電変換素子6aと、レンズなどから
なる光学系6bとから構成されていて、媒体1上の画像
を読み取る装置である。なお、CCDの他にも、CMO
Sイメージセンサ等を適用することができる。また、画
像読取装置6には、必要に応じて照明を設けることがで
きる。このような座標入力装置4を手に持って媒体1に
筆記を行っている状態の斜視図を、図3に示す。
【0051】座標入力装置4には、MICROCOMPUTER(以
下、マイコンという)8が搭載されていて、このマイコ
ン8には、画像読取装置6が接続されている。画像読取
装置6で読み取った媒体1上の画像に基づいた各種処理
がマイコン8でなされる。すなわち、読み取ったコード
シンボル3をデコードし、読み取った画像上におけるコ
ードシンボル3の位置を検出する。
【0052】また、マイコン8は、外部のPC(Person
al Computer)などの情報処理装置9と接続可能であ
り、マイコン8内に蓄積したデータを情報処理装置9に
出力可能である。なお、マイコン8を装置本体7に搭載
するのに代えて、画像読取装置6を情報処理装置9と接
続し、マイコン8で行う前記処理を情報処理装置9で実
行するようにしてもよい。なお、図2では、画像読取装
置6、マイコン8などに電力を供給する電源や、マイコ
ン8と情報処理装置9とのインターフェイスなどは図示
を省略している。
【0053】なお、装置本体7には、先端部5の部分が
筆記面に接触しているかどうかを検出する装置を設ける
のが望ましい。すなわち、先端部5部分をペン軸に沿っ
た方向に可動とし、先端部5が筆記面に接触することに
より先端部5部分が移動し、それを機械的にまたは導電
性の変化等により検出する技術は、既にタブレットのペ
ン等に適用されている技術としては周知である。
【0054】ところで、画像読取装置6が装置本体7に
一体に設けられている場合には、媒体1の表面と画像読
取装置6の撮像面とは必ずしも正対していないので(図
3参照)、画像読取装置6は媒体1を斜方向から撮影す
ることになる。このような場合には、画像読取装置6に
より読み取られたコードシンボル3の画像は、図17に
示したように、歪みを有することになるとともに、画像
読取装置6の被写界深度が十分に得られない。このよう
に画像読取装置6の被写界深度が十分に得られない場
合、座標入力装置4の装置本体7の傾き角によっては画
像(コードシンボル3の読み取り画像)の一端側がボケ
てしまい、画像処理が困難となる場合がある。例えば、
物体面と撮像面の距離が60mmで20mm四方を撮影
した場合には、おおむね±30°ぐらいが被写界深度の
範囲となるが、筆記中における座標入力装置4の装置本
体7の傾きの変化によって、この範囲からはみ出てしま
うことがある。このような傾きの変化による画像のボケ
は、特に、上下方向の傾きの変化において顕著に現れ
る。
【0055】そこで、本実施の形態の情報処理システム
で用いる座標入力装置4においては、画像読取装置6を
常に媒体1に対して正対するように装置本体7に対して
取り付けたものである。ここで、図4は媒体1に対して
画像読取装置6が正対している状態を示す正面図であ
る。図4に示すように、画像読取装置6は、支持部材1
1を介して装置本体7に取り付けられている。この支持
部材11には、画像読取装置6を回動自在に保持する回
動保持部11aが設けられている。一方、画像読取装置
6には、光電変換素子6a及び光学系6b(つまり、撮
像面)を常に重力方向に向けるための錘12が備えられ
ている。
【0056】このような構成により、装置本体7を上下
方向に傾けた場合であっても、画像読取装置6は支持部
材11の回動保持部11aにおいて回動し、光電変換素
子6a及び光学系6bが常に重力方向に向くことにな
る。これにより、装置本体7の傾きにかかわらず、水平
に載置された媒体1に対して画像読取装置6の光電変換
素子6a及び光学系6bが常に正対することになるの
で、被写界深度の問題を回避することができる。
【0057】図5は、座標入力装置4で図1のような媒
体1を読み取った画像例である。座標入力装置4による
撮影範囲を、コードシンボル3の幅の少なくとも倍以上
にしておけば、少なくとも1つのコードシンボル3は画
像の読み取り範囲内に入る。実際には、隣接のコードシ
ンボル3も読み取り範囲内に入るが、図5では省略して
いる。図4に示したように媒体1の表面と画像読取装置
6の撮像面は常に略正対することになるので、図5に示
すように、読み取ったコードシンボル3の画像に歪みは
発生しない。
【0058】ここで、画像読取装置6で読み取った画像
Aをマイコン8で処理することによる先端部5の位置に
対応する媒体1の紙面上の座標検出について説明する。
図5に示すような画像Aでコードシンボル3をデコード
すると、例えば「0102」というデータが得られる。
コードシンボル3の印刷位置は既知であるので、例えば
「0102」であるコードシンボル3の中心が媒体1の
紙面の左上から、xy座標で(10mm、20mm)で
あるとわかる。一方、コードシンボル3のサイズも既知
であり、例えば縦横5mmであるとすると、コードシン
ボル3の4角の座標位置も、それぞれ、(7.5mm,
17.5mm),(7.5mm,22.5mm),(1
2.5mm,17.5mm),(12.5mm、22.
5mm)にあると求めることができる。これらコードシ
ンボル3の4角の座標位置の関係式は次式で与えられる
ことが知られている。
【0059】
【数1】
【0060】この式で、添え字rは媒体1の紙面上の座
標、添え字sは画像読取装置6で読み取った画像上の座
標である。この式には未知数が8個あるので、前述のよ
うにコードシンボル3の4角の座標位置がわかっていれ
ば、係数(射影変換係数)がすべて求まる。次に、この
係数と式を用いれば、画像上の任意の点に対する紙面上
の座標を求めることができる。したがって、先端部5の
位置に対応する媒体1の紙面上の座標を求めることがで
きる。
【0061】なお、先端部5に対応する画像上の点は、
画像上に先端部5が写っているので、実測すればよい。
この際、先端部5の形状によるテンプレートマッチング
を行えば容易に先端部5の座標を求めることができる。
さらに、テンプレートマッチングを行いやすいように先
端部5に印等を設ければより確実に求めることができ
る。
【0062】このような座標入力装置4を用い、先端部
5の位置の検出を連続的に行えば、先端部5の移動軌跡
を求めることができる。前記のとおり、先端部5が筆記
面に接触しているかどうかを検出する装置を設けるなら
ば、筆記軌跡を求めることができる。筆記軌跡データは
装置本体7内のマイコン8の記憶装置に記憶させてもよ
いし、情報処理装置9にリアルタイムに取り出してもよ
い。
【0063】ここで、コードシンボル3の読み取り画像
をエンコードしたデータが得られたときに、マイコン8
が、そのデータから先端部5の位置に対応する媒体1の
紙面上の座標を求める場合の処理手順について、前記の
内容を整理し、図6のフローチャートを参照して説明す
る。まず、マイコン8は、コードシンボル3のエンコー
ド結果から、コードシンボル3の中心における媒体1の
紙面上の座標を求める(ステップS1)。そして、この
コードシンボル3の中心における媒体1の紙面上の座標
から、コードシンボル3の4角における媒体1の紙面上
の座標を求める(ステップS2)。このコードシンボル
3の4角における紙面上の座標と、画像上の座標とか
ら、前記のように射影変換係数を求める(ステップS
3)。そして、先端部5と画像読取装置6の位置関係
と、射影変換係数とから、先端部5における媒体1の紙
面上の座標を求めることができる(ステップS4)。
【0064】さて、コードシンボル3は、前記のよう
に、文書2を一意的に識別できるデータである文書情報
をエンコードしていることが望ましい。そのときに、座
標情報を表すコードシンボル3とは別に、文書情報を表
すコードシンボル3を付加する場合、まず、座標入力装
置4の画像読取装置6を用いて、文書情報を読み取り、
その後、筆記動作を行う。すると、座標入力装置4に
は、例えば、「c:\MyDocument\Patent.doc」「1O,10」
「10,11」「10,12.5」「11,14」・・・のように、文書
情報と座標情報とが入力される。これは、筆記動作後に
文書情報を読み取っても同様である。
【0065】また、座標情報を表すコードシンボル3
に、文書情報を付加してある場合、座標入力装置4に
は、例えば、「c:\MyDocument\Patent.doc,1O,10」「c:
\MyDocument\Patent.doc,10,11」「c:\MyDocument\Pate
nt.doc,10,12.5」「c:\ MyDocument\Patent.doc,11,1
4」のように、座標情報と文書情報を合わせた情報が入
力される。なお、先端部5が筆記面から離れたときに
は、所定のセパレータデータを挿入するようにすればよ
い。
【0066】いずれの場合でも、元文書を一意的に識別
でき、かつ、筆記軌跡が求まるので、これらの情報を元
文書に自動的に付加するのは容易である。文書名等の文
書情報から電子的な元文書を読み出し、その文書に座標
情報による筆記軌跡を付加すればよい。座標入力装置4
より前記の座標情報、文書情報を得て、元文書に付加す
るような電子文書編集のシステムは容易に構築すること
ができるし、また周知のいわゆるワードプロセッサソフ
トを用いても、そのマクロ機能を用いれば容易に実現で
きる。
【0067】なお、元文書への筆記軌跡の加筆を行う前
記の処理は、必ずしもリアルタイムに行う必要はなく、
例えば、マイコン8内のメモリに一旦蓄え、後でマイコ
ン8と情報処理装置9を接続し、元文書へ加筆を実行す
るようにしてもよい。このとき、いきなり元文書への加
筆を行うのではなく、情報処理装置9の操作者に確認を
求めてから行うようにするのが望ましい。さらに、加筆
を行う元文書も情報処理装置9の操作者が情報処理装置
9の操作により選択可能とするのが望ましく、この場合
はコードシンボル3に元文書を識別する文書情報がない
場合でも、適切な元文書を選び出して加筆を行うことが
可能である。
【0068】なお、本実施の形態においては、装置本体
7を上下方向に傾けた場合であっても、画像読取装置6
を支持部材11の回動保持部11aにおいて回動させ、
錘12によって光電変換素子6a及び光学系6bが常に
重力方向に向くようにしたが、これに限るものではな
い。例えば、支持部材11にモータを設けるとともに、
装置本体7に減速装置を設け、媒体1を読み取ったコー
ドシンボル3の画像の4頂点からコードシンボル3の上
辺と下辺の長さを演算し、同程度の長さになるまで画像
読取装置6を回転させるようにしても良い。
【0069】次に、本発明の第二の実施の形態を図7な
いし図10に基づいて説明する。なお、本発明の第一の
実施の形態において説明した部分と同一部分については
同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態は、第
一の実施の形態の媒体1に代えて、被筆記媒体として書
換自在な媒体100を用いた点でのみ異なるものであ
る。なお、媒体100は、第一の実施の形態の媒体1と
略同一の大きさを有し、全体が紙状に形成されたA4判
サイズとされている。
【0070】ここで、図7は媒体100を示す縦断側面
図である。図7に示すように、この媒体100は、支持
体13を有しており、この支持体13上に、コードシン
ボル3が埋め込まれているコードシンボル層14、記録
層15、中間層16、保護層17が順次積層されて形成
されている。この支持体13は、熱伝導性が良好な白色
の樹脂からなり、中間層16、保護層17は、透光性の
良好な無色の樹脂(例えば、PET樹脂等)からなる。
なお、コードシンボル3は、前記したように不可視イン
クで形成されている(不可視の材料については第一の実
施の形態を参照)。
【0071】また、図8に示すように、与えた熱を有効
に利用するため、支持体13と記録層15との間に断熱
性の下引き層18を設けることができる。下引き層18
は、有機または無機の微小中空体粒子を、バインダ樹脂
を用いて塗布することにより形成できる。筆記軌跡を示
す座標情報や、文書の所在、文書名、ぺージなどを示す
文書情報を有するコードシンボル層14は、下引き層1
8中に設けられている。さらに、支持体13と記録層1
5の接着性の改善や、支持体13への記録層材料の浸透
防止を目的としたアンダーコート層を設けることもでき
る。
【0072】記録層15は、情報の可視的表示を可逆的
に行うことができる可逆性記録層であり、CTC(Colo
r Thermo Chromic)フィルム等を利用した感熱記録方
式、磁気記録方式、フォトクロミック記録方式、エレク
トロクロミック方式等が利用できる。特に、本実施の形
態においては、感熱記録方式、すなわち、熱エネルギー
により可逆的に光学特性が変化し、可視情報の記録およ
び消去が可能である記録層15が望ましいものとして挙
げられる。この熱エネルギーにより可逆記録が行えるも
のとしては、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含む
層、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層、低分子
または高分子液晶化合物を含む層等のいずれかで構成さ
れる可逆性記録層が好ましいものとして挙げられる。
【0073】まず、記録層15として少なくともロイコ
染料と顕色剤とを含む層を適用した場合について説明す
る。少なくともロイコ染料と顕色剤とを含む層は樹脂バ
インダー中にロイコ染料および顕色剤を分散させること
により形成されており、ロイコ染料としては、例えばフ
タリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオラン系
化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系
化合物など公知の染料前駆体が挙げられる。具体的に
は、特開平05−124360号公報記載の公知のロイ
コ染料が使用できる。
【0074】また、顕色剤としては、分子内にロイコ染
料を発色させる顕色能を有する構造を有する化合物が挙
げられる。例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸
基、リン酸基等と分子間の凝集力を制御する構造や長鎖
炭化水素基が連結した構造を有する化合物である。連結
部分にはヘテロ原子を含む2価の基を介していても良
く、また長鎖炭化水素基中にもヘテロ原子を含む2価の
基または芳香族炭化水素基が含まれていても良い。具体
的には、特開平05−124360号公報等に記載され
ている公知の顕色剤が使用できる。
【0075】さらに、樹脂バインダーとしては、例えば
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラ
ール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、
フッソ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン
系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体、マレイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、
アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、デンプン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げる
ことができる。
【0076】また、記録層15の皮膜の強度を挙げるこ
とを目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加しても良い。こ
のような硬化剤、架橋剤の例としては、イソシアネート
基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、
エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジルコニウ
ム化合物等が挙げられる。
【0077】なお、記録層15は、電子線硬化性あるい
は紫外線硬化性バインダーを用いて形成することもでき
る。かかるバインダーとしては、エチレン性不飽和結合
を有する化合物が挙げられる。これらの具体例として
は、 1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコール及びポリ
アルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート 2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコ
ールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アル
コールのポリ(メタ)アクリレート 3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート 4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート 5.エポキシポリ(メタ)アクリレート 6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート 7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エ
ステル 8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、または末端に有す
るビニル系またはジエン系化合物 9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、
(メタ)アクリロイル化合物 10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物 11.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリ
カルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アミン塩等 12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたは
アルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体 13.ビニルラクタムおよびポリビニルラクタム化合物 14.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリ
エーテルおよびそのエステル 15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエス
テル 16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルコールお
よびそのエステル 17.スチレン、ジビニルベンゼン等1個以上のエチレ
ン性不飽和結合を有する芳香族化合物 18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末
端に有するポリオルガノシロキサン系化合物 19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物 20.上記1〜19記載の化合物の多量体あるいはオリ
ゴエステル(メタ)アクリレート変成物 等が挙げられる。
【0078】紫外線硬化性バインダーを用いて記録層1
5を形成する場合には、光重合開始剤を混合して用い
る。この光重合開始剤としては、ジクロロアセトフェノ
ンあるいはトリクロロアセトフェノンのようなアセトフ
ェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベ
ンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサ
ントン類、アゾ化合物、ジアリールヨードニウム塩、ト
リアリールスルフォニウム塩、ビス(トリクロロメチ
ル)トリアジン化合物等が挙げられる。
【0079】上述したようなロイコ染料および顕色剤を
用いた記録層15は、図9に示すプロセスで発色・消色
する。初期の消色状態(A)を加熱すると温度T以上
でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色し(B)、こ
の状態を急冷すると発色状態のまま固定される(C)。
発色状態(C)を加熱していくと、発色温度Tより低
い温度Tで消色し(D)、冷却すれば初期と同様の消
色状態となる。
【0080】したがって、記録層15が透明な部分では
中間層16、保護層17を介して支持体13の白色が視
認され、記録層15が黒色に発色変化した部分ではこの
色が中間層16、保護層17を介して視認される。これ
により、媒体100の記録層15は、加熱により透明状
態と黒色状態とに可逆的に変化するように調整されてい
る。このような性質を利用し、媒体100にはワードプ
ロセッサによる文書や描画ソフトによる図などがあらか
じめ目視可能状態で印字される。
【0081】このような媒体100に対する熱エネルギ
ーによる書込みは、たとえばサーマルヘッドを用いた熱
昇華型の印刷装置で印字することが容易である。また、
このような熱昇華型の印刷装置によれば、加熱温度や時
間等の条件を変更することにより、同じ書込み用サーマ
ルヘッドで消去することも容易となる。したがって、こ
の場合は各種情報が印刷装置で印字できるので、最初か
ら媒体100に固定情報として埋め込むのではなく、印
刷時に使用者が適宜設定することができる。すなわち、
媒体100は繰り返し利用することができるので、紙資
源の節約を図ることができる。
【0082】次に、変形例として、記録層15として有
機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層を適用した場合
について説明する。この有機低分子化合物の粒子を含有
する樹脂層の光散乱性は、温度に依存してその透明度が
可逆的に変化する性質を有している。
【0083】このような有機低分子化合物の粒子を含有
する樹脂層に用いられる樹脂は、有機低分子物質を均一
に分散保持した層を形成すると共に、最大透明時の透明
度に影響を与える材料である。このため樹脂母材は透明
性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良い樹脂が好
ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニル;塩
化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル
-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-
マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共重合
体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩
化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン-ア
クリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合
体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート又はポ
リメタクリレートあるいはアクリレート-メタクリレー
ト共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これらは単
独であるいは2種以上混合して使用される。
【0084】また、この有機低分子化合物の粒子を含有
する樹脂層に用いられる有機低分子化合物としては、一
般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度
のものが使用される。このような有機低分子化合物とし
ては、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアル
カノールまたはハロゲンアルカンジオール;アルキルア
ミン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカ
ン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアル
カン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和または不
飽和モノまたはジカルボン酸又はこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂
肪酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウム
塩;アリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド
又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸または
それらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオア
ルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミ
ンまたはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸
エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上
混合して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜
60、好ましくは10〜38、特に10〜30が好まし
い。エステル中のアルコール基部分は飽和していても飽
和していなくてもよく、またハロゲン置換されていても
よい。いずれにしても有機低分子化合物は、分子中に酸
素、窒素、硫黄及びハロゲンの少なくとも1種、例えば
−OH、−COOH、−CONH−、−COOR、−N
H−、−NH、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲ
ン等を含む化合物であることが好ましい。さらに、透明
化できる温度の巾を広げるには、上記の有機低分子化合
物を適宜組合せるか、または、有機低分子化合物と融点
の異なる他の材料とを組合せればよい。これらは例えば
特開昭63−39378号、特開昭63−130380
号などの公報や、特開平3−2089号公報などの明細
書で明らかにされているが、これらに限定されるもので
はない。
【0085】これらの有機低分子化合物と樹脂とからな
る有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層で構成され
る記録層15は、図10に示すプロセスで透明・白濁す
る。図10は、熱による透明度の変化を表わしているグ
ラフであり、樹脂及びこの樹脂中に分散された有機低分
子化合物を主成分とする記録層15は、例えばT以下
の常温では白濁不透明状態にある。これを温度Tに加
熱すると透明になり、この状態で再びT以下の常温に
戻しても透明のままである。更にT以上の温度に加熱
すると、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状
態になる。次に、この温度を下げて行くと、再び透明状
態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。なお、
この不透明状態のものをT〜T間の温度に加熱した
後、常温即ちT以下の温度に冷却した場合には透明と
不透明との中間の状態をとることができる。また、常温
で透明になったものも再びT以上の温度に加熱した後
に常温に戻せば再び白濁不透明状態に戻る。
【0086】さらに、変形例として、記録層15に低分
子または高分子液晶化合物を含む層を適用した場合につ
いて説明する。この記録層15に用いられる高分子液晶
化合物としては、主鎖または側鎖にメソゲン(液晶性を
示す分子)が結合された主鎖型および側鎖型分子液晶等
が用いられる。高分子液晶化合物は、通常、重合可能な
メソゲン化合物(メソゲンモノマーと呼ぶ)を重合する
か、あるいは水素化ポリシリコーン等の反応性ポリマー
に付加反応可能なメソゲン化合物を付加させて製造する
ことができる。このような技術はMakromol.Chem.,179,p
273(1978),Eur,Poly.J.,18,p651(1982)及びMol.Cryst.L
iq.Cryst.,169,p167(1989)等に開示されている。本発明
に使用される高分子液晶化合物も同様な方法で製造する
ことができる。
【0087】メソゲンモノマーおよび付加反応可能なメ
ソゲン化合物としては、ビフェニル系、フェニルベンゾ
エート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼ
ン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミ
ジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエ
ート系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系
等の剛直な分子(メソゲン)に、好ましくは所定の長さ
のアルキルスペーサーを介して、アクリル酸エステル
基、メタクリル酸エステル基またはビニル基が結合した
種々の化合物等が代表的なものとして挙げられる。
【0088】以上のような媒体100を用いることによ
り、ユーザビリティが高く、低コストで省資源化が図れ
るシステムを提供することができる。
【0089】次に、本発明の第三の実施の形態を図11
ないし図13に基づいて説明する。なお、本発明の第一
の実施の形態において説明した部分と同一部分について
は同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態は、
概略的には、第一の実施の形態の媒体1に代えて媒体2
0を用いるとともに、第一の実施の形態の座標入力装置
4に代えて座標入力装置23を用いた点で異なるもので
ある。
【0090】ここで、図11は本実施の形態の情報処理
システムで用いる媒体20を示す平面図である。媒体2
0には、人間が視覚的に読み取り可能な状態で文書が記
録されており、一般的には、紙、布、プラスチック等で
構成され、シート状である。符号21は、人間が読み取
り可能な文書そのものであり、文字、図、表などであ
る。符号22は、光学的に読み取り可能なコードシンボ
ルであり、一般にはバーコード、2次元コード等であ
る。
【0091】媒体20上のコードシンボル22は、他の
波長域のものと比較して光学強度が同じ場合でも人間の
目には目立ちにくくなり目障り感を低減させることが可
能な黄色で印刷されており、媒体20上の文書21は、
青色で印刷されている。
【0092】次に、本実施の形態の情報処理システムで
用いる座標入力装置23について図12を参照しつつ説
明する。図12に示すように、この座標入力装置23
は、第一の実施の形態で説明した座標入力装置4とは、
画像読取装置6に光学フィルタ6cが設けられている点
で異なるものである。この光学フィルタ6cは、図11
に示したようなコードシンボル22と他の画像(文書2
1等)が混在する媒体20を読み取る場合に、コードシ
ンボル22の画像のみを取り出し、他の画像は取り出さ
ないためのものである。具体的には、光学フィルタ6c
は、500nm以下の波長を透過するフィルタである。
【0093】ここで、光学フィルタ6cの一例について
図13を参照しつつ説明する。可視の波長領域をBバン
ド(400nm〜500nm)、Gバンド(500nm〜
600nm)、Rバンド(600nm〜700nm)と
すると、Bバンドはその範囲の波長を含めば実質的には
青色の波長であり、この波長範囲で文書21を印刷すれ
ば人間は文書情報を青色で読む事ができる。一方、Gバ
ンドからRバンドまでの波長を含む波長である黄色でコ
ードシンボル22を印刷すれば、人間の目ではかろうじ
て認識されてしまうが、他の波長域のものと比較して光
学強度が同じ場合でも人間の目には目立ちにくくなり目
障り感が低減することができる。この青色と黄色は補色
の関係であり、図13に示すように、RGB表色系はシ
アン、マゼンダ、イエローの減法混色として作製する事
ができる(図中Tは透過率)。そして、500nm以下
の波長を透過する光学フィルタ6cを介せば、画像読取
装置6の光学系は、青色で印刷した文書21(図11参
照)の文書情報を検出せずに、黄色で印刷したコードシ
ンボル22(図11参照)のシンボル情報のみを検出す
ることができ、座標情報を取得する事ができる。
【0094】これにより、コードシンボル22と他の部
分(文書21等)との分離性が向上することにより、座
標検出精度を向上させることが可能になる。また、コー
ドシンボル22を人間にとって不可視なもの(赤外領域
または紫外領域)にした場合に比べ、広く普及している
印刷手段を適用することができ、低コストでシステムを
提供することができる。
【0095】次に、本発明の第四の実施の形態を図14
及び図15に基づいて説明する。なお、本発明の第一の
実施の形態及び本発明の第三の実施の形態において説明
した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も
省略する。本実施の形態は、概略的には、第三の実施の
形態の変形例である。
【0096】ここで、図14は本実施の形態の画像読取
装置6の光電変換素子6aに備えられるカラーフィルタ
30を示す正面図である。図14に示すように、本実施
の形態の画像読取装置6の光電変換素子6aに備えられ
る光学フィルタであるカラーフィルタ30は、原色カラ
ーフィルタである。
【0097】このようなカラーフィルタ30を光電変換
素子6aに備えた場合の各検出画素からの出力信号の大
きさを、図15に示す。図15は、カラーフィルタ30
の各検出画素からの出力信号の大きさを表現したもので
ある(ただし、ここでは便宜上相対的に表現したもので
あって絶対値ではない)。図15(a)は、黒で印刷し
た文書情報を読み取った場合の出力を示し、図15
(b)は、白地部分を読み取った場合の出力を示す。
【0098】ここで、第三の実施の形態で説明した媒体
20を読み取った場合について説明する。図15(c)
は、黄色で印刷したコードシンボル22を読み取った場
合の出力を示し、図15(d)は、青色で印刷した文書
21を読み取った場合の出力を示すものである。したが
って、例えばマイコン8により出力信号を区別して処理
すれば、黄色で印刷したコードシンボル22と、青色で
印刷した文書21とを識別する事が可能になっている。
【0099】なお、本実施の形態においては、文書21
を黒で印刷した場合であっても、黄色で印刷したコード
シンボル22との識別は可能である。
【0100】これにより、コードシンボル22と他の部
分(文書21等)との分離性が向上することにより、座
標検出精度を向上させることが可能になる。また、コー
ドシンボル22を人間にとって不可視なもの(赤外領域
または紫外領域)にした場合に比べ、広く普及している
印刷手段を適用することができ、低コストでシステムを
提供することができる。
【0101】
【発明の効果】請求項1記載の発明の座標入力装置によ
れば、人が手に持って筆記動作を行うことができる装置
本体と、この装置本体に設けられ、媒体上に形成された
コードシンボルを光学的に読み取る画像読取装置と、を
備え、前記装置本体の先端部分で指示した前記媒体上の
座標位置を、前記画像読取装置で読み取った前記コード
シンボルの当該画像中における前記装置本体の先端部分
が指示した座標と前記コードシンボルに予めエンコード
されている座標情報とに基づいて検出する座標入力装置
において、前記装置本体の傾き方向にかかわらず前記画
像読取装置の撮像面と前記媒体とを対向させるようにし
たことにより、画像読取装置の撮像面を、水平に載置さ
れた媒体に対し、装置本体の傾き方向にかかわらず正対
させることができるので、画像読取装置により読み取ら
れる媒体上に形成されたコードシンボルの画像に歪みは
発生せず、かつ、被写界深度の問題も発生しない。
【0102】請求項2記載の発明の座標入力装置によれ
ば、人が手に持って筆記動作を行うことができる装置本
体と、この装置本体に設けられ、媒体上に形成されたコ
ードシンボルを光学的に読み取る画像読取装置と、を備
え、前記装置本体の先端部分で指示した前記媒体上の座
標位置を、前記画像読取装置で読み取った前記コードシ
ンボルの当該画像中における前記装置本体の先端部分が
指示した座標と前記コードシンボルに予めエンコードさ
れている座標情報とに基づいて検出する座標入力装置に
おいて、前記画像読取装置と前記装置本体との間に設け
られ、前記画像読取装置を前記装置本体に対して回動自
在に支持する支持部材と、前記画像読取装置に設けら
れ、前記支持部材により回動自在に支持された当該画像
読取装置の撮像面を重力方向に向ける錘と、を備えるこ
とにより、画像読取装置の撮像面を、水平に載置された
媒体に対し、装置本体の傾き方向にかかわらず正対させ
ることができるので、画像読取装置により読み取られる
媒体上に形成されたコードシンボルの画像に歪みは発生
せず、かつ、被写界深度の問題も発生しない。
【0103】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の座標入力装置において、前記画像読取装置
には、所定の波長域の光のみの透過を許容する光学フィ
ルタが設けられていることにより、コードシンボルと他
の部分との分離性を向上させることができるので、座標
検出精度を向上させることができる。
【0104】請求項4記載の発明の情報処理システムに
よれば、請求項1または2記載の座標入力装置と、その
表面上にコードシンボルが形成された媒体と、を備え、
前記コードシンボルは、前記媒体上での座標を示す座標
情報を少なくともエンコードしたものであることによ
り、請求項1または2記載の発明と同様の作用・効果を
奏する情報処理システムを提供することができる。
【0105】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の情報処理システムにおいて、前記媒体は、支持体上
に、前記コードシンボルを形成したコードシンボル層
と、書き換え可能に筆記することができる記録層とを形
成していることにより、媒体が書き換え可能になるの
で、紙資源を節約することができる。
【0106】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の情報処理システムにおいて、前記媒体の前記記録層
は、熱エネルギーにより可逆的に光学特性を変化させる
ことにより可視情報の記録及び消去が可能であることに
より、ユーザビリティが高く、低コストで省資源化が図
れるシステムを提供することができる。
【0107】請求項7記載の発明によれば、請求項4な
いし6のいずれか一記載の情報処理システムにおいて、
前記コードシンボルは不可視であることにより、コード
シンボルに妨げられることなく文書等を読み取ることが
できるので、利便性を高くすることができる。
【0108】請求項8記載の発明の情報処理システムに
よれば、請求項3記載の座標入力装置と、その表面上に
コードシンボルが形成された媒体と、を備え、前記コー
ドシンボルは、前記媒体上での座標を示す座標情報を少
なくともエンコードしたものであることにより、請求項
3記載の発明と同様の作用・効果を奏する情報処理シス
テムを提供することができる。
【0109】請求項9記載の発明によれば、請求項8記
載の情報処理システムにおいて、可視の波長領域をBバ
ンド(400nm〜500nm)、Gバンド(500nm
〜600nm)、Rバンド(600nm〜700nm)
とする時、前記コードシンボルをGバンドからRバンド
までの波長を含む波長域により光学的に読み取り可能に
形成し、文書等の情報をBバンド内の波長を含む波長域
により読み取り可能に形成し、前記画像読取装置の光学
フィルタは、Bバンド内の波長を含む波長域の光のみの
透過を許容することにより、波長領域がBバンド(40
0nm〜500nm)である青色で文書を印刷し、波長
領域がGバンド(500nm〜600nm)からRバンド
(600nm〜700nm)である黄色でコードシンボ
ルを印刷し、光学フィルタを500nm以下の波長を透
過するものにした場合、青色で印刷した文書の文書情報
を検出せずに、黄色で印刷したコードシンボルのシンボ
ル情報のみを検出することができるので、Bバンド(4
00nm〜500nm)の波長領域の青色で印刷した文
書を人間は読むことができるが、Gバンド(500nm
〜600nm)からRバンド(600nm〜700n
m)の波長領域の黄色で印刷したコードシンボルについ
ては、人間の目ではかろうじて認識されてしまうが他の
波長域のものと比較して光学強度が同じ場合でも人間の
目には目立ちにくくなり目障り感が低減することから、
コードシンボルを人間にとって不可視なもの(赤外領域
または紫外領域)にした場合に比べ、広く普及している
印刷手段を適用することができ、低コストでシステムを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の情報処理システム
で用いる媒体を示す平面図である。
【図2】座標入力装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】座標入力装置を手に持って媒体に筆記を行って
いる状態を示す斜視図である。
【図4】媒体に対して画像読取装置が正対している状態
を示す正面図である。
【図5】座標入力装置で図1の媒体を読み取った画像例
を示す平面図である。
【図6】媒体上のコードシンボルの読み取り画像をエン
コードしたデータから装置本体の先端部の位置に対応す
る媒体の紙面上の座標を求める場合の処理の流れを示す
フローチャートである。
【図7】本発明の第二の実施の形態の情報処理システム
で用いる媒体を示す縦断側面図である。
【図8】その変形例を示す縦断側面図である。
【図9】ロイコ染料および顕色剤を用いた可逆性記録層
が発色・消色するプロセスを説明するグラフである。
【図10】有機低分子と樹脂とからなる可逆性記録層が
透明化・白濁化するプロセスを説明するグラフである。
【図11】本発明の第三の実施の形態の情報処理システ
ムで用いる媒体を示す平面図である。
【図12】座標入力装置の概略構成を示す説明図であ
る。
【図13】光学フィルタにおける可視の波長領域と透過
率との関係を示すグラフである。
【図14】本発明の第四の実施の形態の情報処理システ
ムで用いる画像読取装置に備えられるカラーフィルタを
示す正面図である。
【図15】カラーフィルタの各検出画素からの出力信号
の大きさを示すグラフである。
【図16】従来の情報処理システムの座標入力装置を手
に持って媒体に筆記を行っている状態を示す斜視図であ
る。
【図17】座標入力装置で図16の媒体を読み取った画
像例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,20,100 媒体 3,22 コードシンボル 4,23 座標入力装置 6 画像読取装置 6c,30 光学フィルタ 7 装置本体 11 支持部材 12 錘 13 支持体 14 コードシンボル層 15 記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 仁 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5B068 AA05 BC05 BD02 BD09 CC08 CC11 CC15 5B087 AA09 BC03 BC32 DD13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人が手に持って筆記動作を行うことがで
    きる装置本体と、この装置本体に設けられ、媒体上に形
    成されたコードシンボルを光学的に読み取る画像読取装
    置と、を備え、前記装置本体の先端部分で指示した前記
    媒体上の座標位置を、前記画像読取装置で読み取った前
    記コードシンボルの当該画像中における前記装置本体の
    先端部分が指示した座標と前記コードシンボルに予めエ
    ンコードされている座標情報とに基づいて検出する座標
    入力装置において、 前記装置本体の傾き方向にかかわらず前記画像読取装置
    の撮像面と前記媒体とを対向させるようにしたことを特
    徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 人が手に持って筆記動作を行うことがで
    きる装置本体と、この装置本体に設けられ、媒体上に形
    成されたコードシンボルを光学的に読み取る画像読取装
    置と、を備え、前記装置本体の先端部分で指示した前記
    媒体上の座標位置を、前記画像読取装置で読み取った前
    記コードシンボルの当該画像中における前記装置本体の
    先端部分が指示した座標と前記コードシンボルに予めエ
    ンコードされている座標情報とに基づいて検出する座標
    入力装置において、 前記画像読取装置と前記装置本体との間に設けられ、前
    記画像読取装置を前記装置本体に対して回動自在に支持
    する支持部材と、 前記画像読取装置に設けられ、前記支持部材により回動
    自在に支持された当該画像読取装置の撮像面を重力方向
    に向ける錘と、を備えることを特徴とする座標入力装
    置。
  3. 【請求項3】 前記画像読取装置には、所定の波長域の
    光のみの透過を許容する光学フィルタが設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の座標入力装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の座標入力装置
    と、 その表面上にコードシンボルが形成された媒体と、を備
    え、 前記コードシンボルは、前記媒体上での座標を示す座標
    情報を少なくともエンコードしたものであることを特徴
    とする情報処理システム。
  5. 【請求項5】 前記媒体は、支持体上に、前記コードシ
    ンボルを形成したコードシンボル層と、書き換え可能に
    筆記することができる記録層とを形成していることを特
    徴とする請求項4記載の情報処理システム。
  6. 【請求項6】 前記媒体の前記記録層は、熱エネルギー
    により可逆的に光学特性を変化させることにより可視情
    報の記録及び消去が可能であることを特徴とする請求項
    5記載の情報処理システム。
  7. 【請求項7】 前記コードシンボルは不可視であること
    を特徴とする請求項4ないし6のいずれか一記載の情報
    処理システム。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の座標入力装置と、 その表面上にコードシンボルが形成された媒体と、を備
    え、 前記コードシンボルは、前記媒体上での座標を示す座標
    情報を少なくともエンコードしたものであることを特徴
    とする情報処理システム。
  9. 【請求項9】 可視の波長領域をBバンド(400nm
    〜500nm)、Gバンド(500nm〜600nm)、
    Rバンド(600nm〜700nm)とする時、前記コ
    ードシンボルをGバンドからRバンドまでの波長を含む
    波長域により光学的に読み取り可能に形成し、文書等の
    情報をBバンド内の波長を含む波長域により読み取り可
    能に形成し、 前記画像読取装置の光学フィルタは、Bバンド内の波長
    を含む波長域の光のみの透過を許容することを特徴とす
    る請求項8記載の情報処理システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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