JP2000330718A - 筆記記録システム - Google Patents

筆記記録システム

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JP2000330718A
JP2000330718A JP14281399A JP14281399A JP2000330718A JP 2000330718 A JP2000330718 A JP 2000330718A JP 14281399 A JP14281399 A JP 14281399A JP 14281399 A JP14281399 A JP 14281399A JP 2000330718 A JP2000330718 A JP 2000330718A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で検出精度の高い筆記記録システ
ムを得る。 【解決手段】 “0”と“1”との並びを「2N−1」
個繰り返した系列であるM系列に従い、例えば“0”に
対応した直線の幅を細くして“1”に対応した直線の幅
を太くした格子模様7を被筆記媒体2に記す。また、被
筆記媒体2上を移動させた筆記装置が格子模様7を横切
った場合に出力される電気信号に基づくその格子模様7
の幅に応じて“0”と“1”との並びにデコードしたN
個の系列情報に基づいて検出した座標位置と電気信号に
基づいて検出した移動方向とに基づいて筆記軌跡を検出
する。これにより、正確な筆跡を再現することができる
ので、簡単な構成で検出精度の高い筆記記録システムを
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記情報を電子化
する筆記記録システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの高度化、ネットワ
ークの高速化に伴いさまざまな書類処理の電子情報化が
進んでおり、その量も増加している。このように書類処
理を電子情報化するものとしては、いわゆるペンベース
コンピュータと呼ばれるものが考えられている。このペ
ンベースコンピュータは、紙を使用せず、LCD(Liqu
id Crystal Display)等の上に座標入力装置である透明
パッドを重ねあわせて形成されており、パッドから得ら
れた座標に従い、入力点をLCDに直接表示するもので
ある。
【0003】しかしながら、このペンベースコンピュー
タは、製造コストが高く、また、LCDはガラス板など
を用いるものが多いために、重いと同時に非常に壊れ易
いものとなってしまっている。また、ペンベースコンピ
ュータは一般に携帯型の情報機器として利用されるため
に電池によって駆動されることが多いが、LCDの表示
には多くの電力を消費するため、常時表示することが困
難になっている。さらに、ペンベースコンピュータは、
電子書類の表示をLCDなどのディスプレイに行なうも
のであるが、未だにLCD等の表示装置の解像度は印刷
装置による紙等に対する印刷の解像度には及ばず、ま
た、LCDでは複数ページにわたる書類全体を一覧する
ことは不可能であるという理由から、ペーパーレス化へ
の要求にしたがって利用される電子書類さえも、一旦紙
等に印刷されているのが現状であり、紙の使用量の増加
の原因となっている。加えて、LCDや透明パッドの厚
さを紙と同様に1mm程度に形成することは、現状では
不可能である。
【0004】一方、パーソナルコンピュータ等への電子
書類の入力の観点から考えた場合、紙とペンを利用した
記入インタフェースは、長く人間が慣れ親しんだもので
あるため、コンピュータ化が進んだ今日でもキーボード
やマウスによる入力に対して依然として大きな利点を持
ち続けている。
【0005】以上のように、容易な一覧性や慣れ親しん
だ記入のし易さ等の紙が持つ長所によって、書類処理の
電子化が進んだ今日においてもなお、紙を用いた業務は
減少せず、紙の使用量はむしろ増加する傾向にあり、紙
の使用量を減少させるような電子機器の開発が要望され
ている。つまり、紙と同等の表示品質を持つ表示装置
と、ペンを用いた筆記動作を記録するとともに紙と同程
度の薄さ・軽さを有する座標検出装置とを備えた電子機
器が要望されている。
【0006】このような要望に応えるため、紙とペンを
用いて書類処理の電子情報化を可能とし、業務のコンピ
ュータ化を図ることを可能にする装置が考えられてい
る。このような装置の一例としては、特開平5−274
082号公報に提案されているペン型座標入力装置があ
る。このペン型座標入力装置によれば、ペンに設置され
た光学センサがプレートに印刷された等間隔の直線から
なる格子模様を通過する回数をカウントすることにより
プレート上のペンの動きを検出し、そのペンが示した座
標を検出するものである。
【0007】また、別の例としては、特開平8−364
52号公報に提案されている筆記ペン及び筆記ペン装置
がある。この装置によれば、筆記用紙上にその筆記用紙
の絶対座標に応じたインク濃度でパターンを印刷し、筆
記用紙上の反射率をペンに備えられた受光素子によって
計測してインク濃度を検出することで絶対座標を検出す
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−274082号公報に提案されているペン型座標入
力装置によれば、プレートとペンとが接触している間の
ペンの動きを検出することはできるが、筆記中にペンが
プレート上を離れた場合にはペンの移動を検出できない
ため、一旦ペンがプレートを離れた後に再びプレートに
接触した場合、新しい点の位置がどこにあるのかを判定
することが不可能であり、プレート上の任意の位置に入
力することができず、使い勝手の悪いものとなってい
る。
【0009】また、特開平8−36452号公報に提案
されている筆記ペン及び筆記ペン装置によれば、多段階
のインク濃度を正確に検出する必要があるが、筆記用紙
表面の状態は利用状態によって著しく変動し、また周囲
の照明条件も大きく変動するためインク濃度の正確な計
測は困難になっている。
【0010】本発明の目的は、簡単な構成で検出精度の
高い筆記記録システムを得ることである。
【0011】本発明の目的は、紙資源の節約を図ること
ができ、対環境性に優れた筆記記録システムを得ること
である。
【0012】本発明の目的は、ユーザビリティが高く、
低コストで省資源化が図れる筆記記録システムを得るこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
幅の異なる二種類の直線をM系列に従ってX軸方向とY
軸方向とにそれぞれ並べることによって二次元方向に形
成された格子模様を記された紙状の被筆記媒体と、前記
格子模様を光学的に読み取って電気信号として出力する
読取手段と、この読取手段から出力された前記電気信号
に基づいて読み取った前記格子模様をデコードするデコ
ード手段と、前記M系列に従ったコード配列を記憶する
M系列記憶手段と、このM系列記憶手段に記憶された前
記M系列に従ったコード配列と前記デコード手段による
デコード後の情報とを比較して前記被筆記媒体上の座標
位置を検出する座標検出手段と、前記読取手段により出
力された前記電気信号に基づいて前記被筆記媒体上の移
動方向を検出する移動方向検出手段と、この移動方向検
出手段により検出された前記移動方向と前記座標検出手
段により検出された前記座標位置とに基づいて筆記軌跡
を検出する筆記軌跡検出手段とを有し、前記被筆記媒体
上を移動する筆記装置と、を備える。
【0014】したがって、“0”と“1”との並びが
「2N−1」個繰り返す系列であるM系列に従い、例え
ば“0”に対応した直線の幅を細くして“1”に対応し
た直線の幅を太くした格子模様が被筆記媒体に記され
る。また、筆記軌跡が、被筆記媒体上を移動した筆記装
置が格子模様を横切った場合に出力される電気信号に基
づくその格子模様の幅に応じた“0”と“1”との並び
にデコードされたN個の系列情報に基づいて検出される
座標位置と電気信号に基づいて検出される移動方向とに
基づいて検出される。これにより、正確な筆跡を再現す
ることが可能になり、簡単な構成で検出精度の高い筆記
記録システムを得ることが可能になる。
【0015】請求項2記載の発明は、濃度の異なる二種
類の直線をM系列に従ってX軸方向とY軸方向とにそれ
ぞれ並べることによって二次元方向に形成された格子模
様を記された紙状の被筆記媒体と、前記格子模様を光学
的に読み取って電気信号として出力する読取手段と、こ
の読取手段から出力された前記電気信号に基づいて読み
取った前記格子模様をデコードするデコード手段と、前
記M系列に従ったコード配列を記憶するM系列記憶手段
と、このM系列記憶手段に記憶された前記M系列に従っ
たコード配列と前記デコード手段によるデコード後の情
報とを比較して前記被筆記媒体上の座標位置を検出する
座標検出手段と、前記読取手段により出力された前記電
気信号に基づいて前記被筆記媒体上の移動方向を検出す
る移動方向検出手段と、この移動方向検出手段により検
出された前記移動方向と前記座標検出手段により検出さ
れた前記座標位置とに基づいて筆記軌跡を検出する筆記
軌跡検出手段とを有し、前記被筆記媒体上を移動する筆
記装置と、を備える。
【0016】したがって、“0”と“1”との並びが
「2N−1」個繰り返す系列であるM系列に従い、例え
ば“0”に対応した直線の濃度を淡くして“1”に対応
した直線の濃度を濃くした格子模様が被筆記媒体に記さ
れる。また、筆記軌跡が、被筆記媒体上を移動した筆記
装置が格子模様を横切った場合に出力される電気信号に
基づくその格子模様の濃度に応じた“0”と“1”との
並びにデコードされたN個の系列情報に基づいて検出さ
れる座標位置と電気信号に基づいて検出される移動方向
とに基づいて検出される。これにより、正確な筆跡を再
現することが可能になり、簡単な構成で検出精度の高い
筆記記録システムを得ることが可能になる。
【0017】請求項3記載の発明は、蛍光波長の異なる
二種類の直線をM系列に従ってX軸方向とY軸方向とに
それぞれ並べることによって二次元方向に形成された格
子模様を記された紙状の被筆記媒体と、前記格子模様を
形成する一の蛍光波長の直線のみを光学的に読み取って
電気信号として出力する第一読取手段と、前記格子模様
を形成する他の蛍光波長の直線のみを光学的に読み取っ
て電気信号として出力する第二読取手段と、前記第一読
取手段と前記第二読取手段とから出力された前記電気信
号に基づいて読み取った前記格子模様をデコードするデ
コード手段と、前記M系列に従ったコード配列を記憶す
るM系列記憶手段と、このM系列記憶手段に記憶された
前記M系列に従ったコード配列と前記デコード手段によ
るデコード後の情報とを比較して前記被筆記媒体上の座
標位置を検出する座標検出手段と、前記読取手段により
出力された前記電気信号に基づいて前記被筆記媒体上の
移動方向を検出する移動方向検出手段と、この移動方向
検出手段により検出された前記移動方向と前記座標検出
手段により検出された前記座標位置とに基づいて筆記軌
跡を検出する筆記軌跡検出手段とを有し、前記被筆記媒
体上を移動する筆記装置と、を備える。
【0018】したがって、“0”と“1”との並びが
「2N−1」個繰り返す系列であるM系列に従い、例え
ば“0”に対応した直線の蛍光波長と“1”に対応した
直線の蛍光波長とを異ならせた格子模様が被筆記媒体に
記される。また、筆記軌跡が、被筆記媒体上を移動した
筆記装置が格子模様を横切った場合に出力される電気信
号に基づくその格子模様の蛍光波長に応じた“0”と
“1”との並びにデコードされたN個の系列情報に基づ
いて検出される座標位置と電気信号に基づいて検出され
る移動方向とに基づいて検出される。これにより、正確
な筆跡を再現することが可能になり、簡単な構成で検出
精度の高い筆記記録システムを得ることが可能になる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、前記格
子模様を不可視性を有するインクによって前記被筆記媒
体に印刷した。
【0020】したがって、被筆記媒体に対して筆記装置
を格子模様に妨げられることなく自分が筆記した跡を読
み取ることが可能になることにより、利便性が高くな
る。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、前記格
子模様を可視性を有するインクによって前記被筆記媒体
に印刷した。
【0022】したがって、広く普及している印刷手段を
適用することが可能になり、低コストでシステムを提供
することが可能になる。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項4記載の筆
記記録システムにおいて、前記被筆記媒体を透明部材に
より構成した。
【0024】したがって、例えば図面等の原稿に被筆記
媒体を重ね合わせてトレースすることが可能になり、入
力が容易になる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、前記筆
記装置は、前記被筆記媒体上に筆跡を残す筆記手段を備
える。
【0026】したがって、筆記内容が視認されることに
より、違和感のない処理が可能になる。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項1ないし6
のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、前記被
筆記媒体は、少なくとも情報の表示を可逆的に行なうこ
とにより書き換え自在な可逆性記録層を有している。
【0028】したがって、被筆記媒体を書き換え自在に
何回も使用可能にすることにより、紙資源の節約が図れ
るので、対環境性に優れたシステムの提供が可能にな
る。
【0029】請求項9記載の発明は、請求項8記載の筆
記記録システムにおいて、前記被筆記媒体の前記可逆性
記録層は、熱エネルギーにより可逆的に光学特性を変化
させることにより可視情報の記録及び消去が可能であ
る。
【0030】したがって、情報等が熱可逆的に被筆記媒
体の可逆性記録層に対して容易に記録及び消去可能にな
り、ユーザビリティが高く、低コストで省資源化が図れ
るシステムの提供が可能になる。
【0031】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
筆記記録システムにおいて、前記被筆記媒体の前記可逆
性記録層は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含んで
いる。
【0032】したがって、被筆記媒体の情報の書き換え
が簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いるこ
とにより、低コストでユーザビリティの高いシステムの
提供が可能になる。
【0033】請求項11記載の発明は、請求項9記載の
筆記記録システムにおいて、前記被筆記媒体の前記可逆
性記録層は、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層
である。
【0034】したがって、被筆記媒体の情報の書き換え
が簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いるこ
とにより、低コストでユーザビリティの高いシステムの
提供が可能になる。
【0035】請求項12記載の発明は、請求項9記載の
筆記記録システムにおいて、前記被筆記媒体の前記可逆
性記録層は、低分子液晶化合物または高分子液晶化合物
を含んでいる。
【0036】したがって、被筆記媒体の情報の書き換え
が簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いるこ
とにより、低コストでユーザビリティの高いシステムの
提供が可能になる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図14に基づいて説明する。ここで、図1は筆記
記録システム1の全体構成を示す模式図である。図1に
示すように、この筆記記録システム1は、被筆記媒体で
ある筆記パッド2とペン型の筆記装置3とを主体に構成
されている。この筆記装置3は、従来の筆記用具(ボー
ルペン等)で紙等に筆記するのと同様に筆記パッド2へ
と筆記することにより、その筆記に基づくデジタルデー
タである筆跡データを生成し、その生成した筆跡データ
をデータ転送装置4を介して情報機器(ここでは、パー
ソナルコンピュータとする。)5に対して送信するもの
である。
【0038】次に、筆記パッド2について説明する。こ
こで、図2は筆記パッド2を示す平面図である。図2に
示すように、筆記パッド2は、例えば紙状の薄い透明部
材である透明プラスチックのシートによって形成される
ベース部6を備えている。また、そのベース部6の表面
上には、互いに直交し、等間隔に平行して配置された直
線からなる格子模様7が、ベース部6とは光学的特性
(反射率、吸収率、蛍光特性等)の異なる不可視のイン
クによって印刷されている。不可視のインクとしては、
例えば赤外波長に対する蛍光特性を有する日立マクセル
社製のステルスインクがある。このインクによれば、人
間にはほとんど格子模様7を見ることができず、赤外領
域で機械読取可能となるので、可視インクによる筆記や
印刷を妨げることなく格子模様7をベース部6の表面上
に印刷することができる。そのため利用者は、格子模様
7に妨げられることなく自分が筆記した跡を読み取るこ
とができ、利便性が高くなる。以下、インクは赤外線蛍
光特性を持つものとして記述するが、ベース部6に対し
て光学特性が検出可能な程度異なっていれば良く、紫外
波長に対する蛍光特性を有するRhodamine B等を用いる
ことも可能である。なお、図2においては、説明のため
に人間に目視可能なように表示しているが、格子模様7
は実際には不可視状態にある。
【0039】続いて、格子模様7について説明する。格
子模様7を構成し、等間隔に平行配置されて互いに直交
して格子を形成する直線は、筆記パッド2の絶対座標を
表すために、M系列(最長系列)に従ったコード“0,
1”に応じて太さを違えて印刷されている。ここでは、
図2に示すように、格子模様7の幅の太い直線はデジタ
ルデータ“1”、格子模様7の幅の細い直線はデジタル
データ“0”を表すものとする。また、M系列とは、あ
る長さのシフトレジスタとフィードバックによって生成
される符号系列のうち、その周期が最長になる系列をい
う。Nをシフトレジスタの段数とすると、 L=2N−1 で示すLビットがM系列の長さ、すなわち最長系列であ
る。このM系列は、あるM系列とそれをシフトさせたM
系列との排他的論理和(mod 2)による帰還タップ
を持つN段の線形帰還シフトレジスタに全ゼロ(例え
ば、“00000”)以外の初期値を与えることによっ
て生成される。例えば、図3に示すように、 h(x)=x5+x4+x2+x+1 で示す5次の原始多項式に基づく発生回路によれば、初
期条件として“10000”から出発すると、発生する
系列は、 “10000101011101100011111001101001” となり、系列長、すなわち周期が“25−1=31”ビ
ットのM系列が得られる。つまり、N=5の場合には、
31個の“0,1”の並びが得られることになる。また、
この場合、どの5個の“0,1”の並びを取り出してもす
べて異なるため、全系列中のどの部分であるかを特定す
ることができる。したがって、M系列に基づいて並べら
れた“0,1”の「2のN乗マイナス1個」の並びのう
ち、N個の並びを調べることにより、すべての系列の中
のどの位置に相当するかを特定することができることに
なる。格子模様7は、このようにして生成されたM系列
にしたがって印刷される。
【0040】ここで、図2に示した格子模様7は、N=
5とし、図の左下を原点とした場合の筆記パッド2上の
格子模様7のパターン例を示すが、実際には筆記パッド
2のベース部6を覆うに十分な“N”を選択する。前述
したように、例えばN=5の場合のM系列は、 “10000101011101100011111001101001” として表され、“1”の場合の格子模様7の幅は太く、
“0”の場合の格子模様7の幅は細くすることにより、
筆記パッド2の格子模様7の印刷幅は、横方向X軸上に
おいては図の左から順に、 “太・細・細・細・細・太・細・太・細・太・太・太・
細・太・太・・・” のようにM系列に従っている。また、縦方向Y軸上につ
いても同様に、図の下から順に、 “太・細・細・細・細・太・細・太・細・太・太・太・
細・太・太・・・” のようにM系列に従っている。
【0041】例えば筆記パッド2の大きさをA4サイズ
とし、格子の間隔を0.3mm(現在の光学式マウス用
パッドではこの程度である。)と仮定した場合には、A
4の長辺には210mm/0.3mm=700本の直線
が存在することになる。この本数は、“210−1=10
23”より小さいことから、筆記パッド2の格子模様7
は、N=10のM系列にしたがって作成すれば十分であ
る。ここで、10本の格子の間隔は0.3mm×10=
3.0mmであり、3mmの移動によってA4のパッド
上の絶対位置を検出することができる。このような筆記
パッド2の格子模様7によれば、一般に見やすい文字の
大きさは3mm程度であることから、1文字を入力する
間に絶対座標を取得することが可能になる。
【0042】このようにベース部6を薄い透明プラスチ
ックのシートによって形成し、格子模様7を不可視のイ
ンクによって印刷したことにより、筆記パッド2を例え
ば図面などのトレースに有効に利用することもできる。
【0043】なお、ベース部6を白色の普通紙等により
構成しても良く、また、格子模様7を可視インクで印刷
するようにしても良い。さらに、格子模様7は必ずしも
ベース部6の表面にある必要はなく、表面に透明な保護
層を有するようにしても良い。
【0044】なお、格子模様7は、利用に先立って工場
等からの出荷時にあらかじめ印刷されていても良いし、
利用者が利用するにあたってプリンタなどを用いて印刷
するようにしても良い。また、ワードプロセッサによる
文書や描画ソフトによる図などがあらかじめ目視可能な
インクで印刷されていても良い。
【0045】また、格子模様7は、互いに交差する2方
向に平行に設置されて印刷されていれば良く、その方向
は必ずしも直交する必要はなく、また、筆記パッド2の
ベース部6の各辺と平行である必要もない。
【0046】次に、筆記パッド2とともに筆記記録シス
テム1を構成する筆記装置3について説明する。ここ
で、図4は筆記装置3の構造を概略的に示す斜視図であ
る。図4に示すように、筆記装置3は、従来のボールペ
ン等と同様の外観をもつ円筒形の筐体8の先端に筆記手
段として機能するペン先9を有している。このペン先9
は、フェルトペンやボールペンなどと同様に筆記可能に
構成されている。この場合、筆記に用いられるインクは
目視可能で筆記パッド2に印刷されている格子模様7の
検出を妨げないものである。格子模様7が不可視赤外線
蛍光インクで印刷されている場合、筆記用インクは赤外
光を透過するインクである必要があり、カーボンブラッ
クなどを含まないものである。また、筐体8の内部に
は、筆記パッド2のベース部6とそのベース部6上に印
刷された格子模様7との光学的特性の違いを検出する格
子模様検出装置10、筆記パッド2とペン先9との接触
を検出するための筆圧検出装置11、充電可能な2次電
池で構成される電源12等が設けられている。
【0047】格子模様検出装置10について詳細に説明
する。ここで、図5は筆記装置3の格子模様検出装置1
0付近を示す横断面図、図6は図5におけるA−A’断
面図である。図5に示すように、筆記装置3の格子模様
検出装置10は、レーザダイオードやLED等で構成さ
れる発光素子13(13a,13b,13c,13d)
と、フォトダイオード(PD)等で構成される受光素子
14(14a,14b,14c,14d)とを組み合わ
せて構成されている。これらの発光素子13と受光素子
14との組み合わせは、発光素子13aと受光素子14
a、発光素子13bと受光素子14b、発光素子13c
と受光素子14c、発光素子13dと受光素子14dの
4組となっている。また、各発光素子13(13a,1
3b,13c,13d)はペン先9を中心にして点対称
に配置され、各受光素子14(14a,14b,14
c,14d)もペン先9を中心にして点対称に配置され
ている。さらに、図6に示すように、各発光素子13に
はそれぞれ光ファイバー15が接続され、各受光素子1
4にはそれぞれ光ファイバー16が接続されており、筆
記装置3の先端付近に導かれている。加えて、筆記装置
3の先端付近に位置する光ファイバー15の近傍には集
光レンズ17が設けられており、筆記装置3の先端付近
に位置する光ファイバー16の近傍には集光レンズ18
と光学フィルタ19とが設けられている。この光学フィ
ルタ19は、筆記パッド2の格子模様7の印刷が赤外光
等の不可視波長に感度がある不可視赤外線蛍光インクで
行われている場合、それらの波長を通過させるものであ
る。このような光学フィルター19を備えることによ
り、外乱光による検出の妨害が生じにくくなり安定した
検出が可能となる。
【0048】発光素子13からの光は、光ファイバー1
5によって筆記装置3の先端に導かれ、集光レンズ17
によって筆記パッド2の一点を照らす。この輝点に格子
模様7が印刷されている場合、インクによって光が反
射、散乱あるいは蛍光を発する。筆記パッド2からの蛍
光は、受光素子14側の集光レンズ18、光学フィルタ
ー19、光ファイバー16を介して受光素子14に集め
られる。受光素子14は集光された光の強度に応じて電
流を生じるため、筆記パッド2の格子模様7とベース部
6とではその電流値が異なることになる。
【0049】加えて、このような格子模様検出装置10
は、室内の蛍光灯などの外光の影響等によって筆記パッ
ド2の格子模様7が安定した光学特性を示すものとは限
らないため、出力電圧の微分回路20(図7参照)を設
け、受光素子14の出力変化を捉えて格子模様7を安定
して検出できるようにしている。ここで、図7は微分回
路20を示す回路図である。図7に示すように、微分回
路20は、発光素子13によって筆記パッド2上の不可
視赤外線蛍光インクに生じた蛍光を検出した受光素子1
4から出力された電流を電流−電圧変換素子21によっ
て電圧に変換し、比較器26においてツェナダイオード
22,23とコンデンサ24とによって構成されたΔV
電圧発生回路25で発生する電圧と比較し、ΔVを検出
する。図8に出力例を示すが、図8(a)が受光素子1
4の出力波形を示し、図8(b)が微分回路20による
変換後の波形を示す。
【0050】また、図6に示すように、筆圧検出装置1
1は、格子模様検出装置10の受光素子14(14a,
14b,14c,14d)への入力光の強度を計測する
ことにより、筆記パッド2とペン先9との距離を測定す
る構成とされている。例えば、筆記装置3のペン先9が
空中にあるときは受光素子14への入力光の強度は弱く
なり、筆記パッド2に筆記装置3が近づくと受光素子1
4への入力光の強度が強くなることにより、筆記パッド
2とペン先9との距離が計測される。なお、筆圧検出装
置11としては、このような構成に限るものではなく、
ペン先9にそのペン軸に沿った方向にわずかなストロー
クを持たせるとともに、ストロークの終端にマイクロス
イッチ(図示せず)を備えることにより、ペン先9がそ
のペン軸方向に押圧されてマイクロスイッチを押すこと
により、ペン先9と筆記パッド2との接触を検知する構
成等であっても良い。
【0051】次に、筆記装置3に内蔵される各部の電気
的接続について図9を参照して説明する。筆記装置3に
は、制御プログラムを格納するワンチップCPU等によ
り構成されるマイクロコンピュータを備えて各部を集中
的に制御する駆動・制御回路27が内蔵されている。こ
の駆動・制御回路27には、前述した格子模様検出装置
10と筆圧検出装置11との他、RF無線通信やIrD
A等の赤外線通信などの無線通信インターフェースであ
ってデータ転送装置4とのデータの送受信を行なうデー
タ送受信回路28、EEPROM等により構成される記
憶回路29、データバッファ30、相対移動記録装置3
1、座標変換装置32、前述した筆記パッド2上の格子
模様7のパターンを示すM系列を予め記憶するM系列記
憶手段として機能するM系列絶対座標テーブル33、相
対移動記録バッファ34、データデコーダ35等が接続
されている。
【0052】このような構成の筆記装置3において、制
御プログラムが駆動・制御回路20に実行させる機能で
ある筆跡記録機能について説明する。ここで、図10は
筆跡記録処理の流れを概略的に示すフローチャートであ
る。図10に示すように、筆跡記録処理は、まず、電源
12の投入後、筆圧検出装置11によるペンダウンの検
出に待機する(ステップS1)。筆記パッド2と筆記装
置3のペン先9との距離の計測に基づいてペンダウンが
検出されると(ステップS1のY)、格子模様検出装置
10を駆動し、筆記パッド2と筆記装置3のペン先9と
の接触位置における格子模様7に基づく電気信号を出力
する(ステップS2)。ここに、読取手段の機能が実行
される。
【0053】続くステップS3においては、格子模様の
太さの検出処理が実行される。格子模様の太さの検出
は、等間隔に並んだ格子模様7の各直線の間隔と格子模
様7の各直線の幅との比較を行い、その大小に応じて格
子模様7の直線の太さの判断が実行される。ここで、図
11は受光素子14における電気信号の出力例を示すタ
イムチャートである。図11に示すように、Thigh1〜
5は受光素子14からの電気信号の出力が高い時間を表
し、Tlow1〜4は受光素子14からの電気信号の出力
が低い時間を表す。ここで、信号の出力が高くなってい
るThigh1〜5が格子模様7を検出している時間であっ
て、格子模様7の幅が太い場合には信号の出力時間が長
くなっている。また、信号が低くなっているTlow1〜
4は、格子模様7を検出していない時間であって、格子
模様7の各直線の間隔が等間隔であることから、その時
間は一定になっている。また、格子模様7の幅が太い場
合の信号の出力時間は格子模様7を検出していない時間
より長く、格子模様7の幅が細い場合の信号の出力時間
は格子模様7を検出していない時間より短くなってい
る。そこで、信号の出力が高い時間をThighNとし、そ
の直前の信号の出力が低い時間をTlowNとすると、 ThighN>TlowN の場合には、検出した格子模様7は太いと識別すること
ができ、 ThighN<TlowN の場合には、検出した格子模様7は細いと識別すること
ができる。図11の例においては、Thigh1とThigh3
とが細いと判断することができる。
【0054】ここで、図12は格子模様太さ検出処理の
流れを概略的に示すフローチャートである。図12に示
すように、格子模様太さ検出処理は、連続する格子模様
7を検出したために電気信号の出力が高い時間(Thigh
N)と格子模様7を検出しない場合の電気信号の出力が
低い時間(TlowN)とを計測し(ステップS31、3
2)、各時間(ThighN、TlowN)を比較する(ステ
ップS33)。
【0055】“ThighN>TlowN”である場合には
(ステップS33のY)、格子模様7が太いと判断する
(ステップS34)。
【0056】一方、“ThighN<TlowN”である場合
には(ステップS33のN)、格子模様7が細いと判断
する(ステップS35)。以上により、格子模様太さ検
出処理(ステップS3)が終了する。
【0057】続いて、ステップS4において、移動方向
検出処理が実行される。移動方向の検出は、複数設置さ
れた受光素子14間の計測時間の遅れと相対向した受光
素子14間の位相のずれとに基づいて実行される。ここ
で、図13は格子模様7に対する筆記装置3の移動状態
の一例を示す模式図、図14は図13における各受光素
子14の電気信号の出力波形を示すタイムチャートであ
る。図13に示すように、筆記装置3が筆記パッド2の
格子模様7上を左方向から右方向(矢印で示すX方向)
に移動した場合において、各受光素子14における電気
信号の出力波形を比較してみると、図14に示すよう
に、筆記装置3の進行方向先頭に位置する発光素子13
cから出射された光を受光する受光素子14cの出力に
対し、筆記装置3の進行方向後方に位置する他の発光素
子13a,13b,13dから出射された光を受光する
受光素子14a,14b,14dは位相が遅れて出力さ
れる。また、X方向に直交して相対向する発光素子13
aから出射された光を受光する受光素子14aと発光素
子13dから出射された光を受光する受光素子14dと
からの出力は同位相になる。また、図13で示す下方向
から上方向(矢印で示すY方向)に移動した場合にも同
様であって、特に図示はしないが、筆記装置3の進行方
向先頭に位置する発光素子13aから出射された光を受
光する受光素子14aの出力に対し、筆記装置3の進行
方向後方に位置する他の発光素子13b,13c,13
dから出射された光を受光する受光素子14b,14
c,14dは位相が遅れて出力されるとともに、Y方向
に直交して相対向する発光素子13bから出射された光
を受光する受光素子14bと発光素子13cから出射さ
れた光を受光する受光素子14cとからの出力は同位相
になる。これにより、受光素子14間の計測時間の遅れ
と互いに相対向した受光素子14間の位相のずれとを検
出することにより、筆記装置3の横(X方向)と縦(Y
方向)との移動をそれぞれ検出することが可能となり、
かつ、こららの組み合わせによって斜め方向の移動など
の任意の移動も検出することが可能になる。ここに、移
動方向検出手段の機能が実行される。格子模様7は筆記
パッド2のベース部6上に等間隔に配置されているた
め、筆記装置3の移動方向が検出された場合には、筆記
装置3は検出された移動方向に基づいて横切った格子模
様7の数をカウントし(相対座標を追加または減少す
る。)、相対的な移動を検出する。例えば、右に設置さ
れた受光素子14の信号の立ち上がり時間が左に設置さ
れた受光素子14の信号の立ち上がり時間より早い場
合、筆記装置3は右に移動していると判断し、相対座標
を一つ増加させる。また、左に設置された受光素子14
の信号の立ち上がり時間が右に設置された受光素子14
の信号の立ち上がり時間より早い場合、筆記装置3は左
に移動していると判断し、相対座標を一つ減少させる。
【0058】ステップS5においては、データデコーダ
35によって、格子模様太さ検出処理により格子模様7
が太いと判断された場合にはデジタルデータ“1”をデ
ータバッファ30に記録し、格子模様太さ検出処理によ
り格子模様7が細いと判断された場合にはデジタルデー
タ“0”をデータバッファ30に記録する。ここに、デ
コード手段の機能が実行される。続くステップS6にお
いては、移動方向検出処理により検出された筆記装置3
の相対的な移動データを相対移動記録バッファ34に一
時的に記録した後、相対移動記録装置31に記録する。
【0059】ステップS7においては、データバッファ
30に記録されているデータが絶対座標検出可能な分だ
け有るか否か、言いかえれば、筆記パッド2の格子模様
7のパターンを形成するM系列のN個の並び分だけのデ
ータがデータバッファ30に記憶されているか否かを判
断する。ステップS1〜S6までの処理が繰り返され、
筆記パッド2の格子模様7のパターンを形成するM系列
のN個の並び分だけのデータがデータバッファ30に記
憶された場合には(ステップS7のY)、座標変換装置
32において、そのデータバッファ30に記憶されたデ
ータとM系列絶対座標テーブル33に予め記憶されてい
るM系列によって定義された一連の“0,1”の並んだ数
列とを比較し、数列中のどの部分にあたるかを検証する
ことにより絶対座標を求める(ステップS8)。ここ
に、座標検出手段の機能が実行される。たとえば検出さ
れたデータの並びが、“01010”であれば、M系列絶対
座標テーブル33に記憶されたM系列である “10000101011101100011111001101001” と照らし合わせて、31桁の並びの中で左から5桁目で
あることがわかる。同様に、検出されたデータ並びが
“01101”であれば、右から8桁目であることがわか
る。
【0060】次に、相対移動記録装置31に蓄えられた
相対移動量を読み出し(ステップS9)、絶対座標を補
正する(ステップS10)。ここに、筆記軌跡検出手段
の機能が実行される。例えば、検出されたデータの並び
がX方向に“01010”であって、横切った格子線の数が
“5”であれば、その“01010”に応じた絶対座標の位
置から5カウント移動したことになる。なお、ステップ
S1〜S10は、ペンアップが検出されるまで(ステッ
プS1のN)、繰り返される。
【0061】以上の処理により、得られた絶対座標デー
タは記憶回路29に一時的に格納された後、データ送受
信回路28とデータ転送装置4とを介してパーソナルコ
ンピュータ5に筆跡データとして送られ、利用される。
絶対座標データの記憶は利用者が筆記中に自動的に行わ
れ、絶対座標データの送信はデータ入力がある程度区切
りがついた時点でスイッチ(図示せず)等により利用者
によって明示的に指示される。パーソナルコンピュータ
5上のソフトウェアでは、筆記装置3からの筆跡データ
の受信・保存、筆跡の再現、筆順を含む筆跡からの文字
認識、筆記パッド2に印刷されたデータの元データと筆
跡データからの加筆情報との連携が行われる。
【0062】また、絶対座標データを記憶回路29に記
憶する場合の必要なデータ量は、例えばサンプリング周
波数1kHzでサンプリングした場合、筆記パッド2上
からの蛍光の強度を閾値処理し、2値化した場合には1
時間の記憶に1Mbyteで十分である。また、保存に必要
なデータ量は、いわゆる圧縮技術を用いることによって
さらに1/10程度になることが見込まれる。
【0063】なお、本実施の形態の筆記装置3の筐体8
を円筒形として図示したが、この場合、筆記する利用者
の持ち方によって格子模様検出装置10の向きが一定に
ならない場合がある。そこで、利用者の持ち方や筆記動
作による回転を検出するためにジャイロセンサなどを備
えてもよい。また、筆記装置3の筐体8を三角柱型に形
成してもよい。
【0064】また、移動方向の検出には加速度センサな
どのセンサを用いて検出するようにしても良い。このよ
うなセンサとしては、圧電効果やカンチレバーに形成し
た半導体の抵抗変動を利用した加速度センサを用いるこ
とができる。加速度センサを筆記装置3の長軸に対して
直交する方向に設置することにより、筆記装置3の移動
方向を検出することができる。さらに、センサによる移
動方向の検出と格子模様7による移動方向の検出を併用
してもかまわない。
【0065】次に、本発明の第二の実施の形態を図15
ないし図17に基づいて説明する。なお、本発明の第一
の実施の形態において説明した部分と同一部分について
は同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態は、
第一の実施の形態の筆記パッド2に代えて、被筆記媒体
として書換自在な筆記パッド40を用いた点でのみ異な
るものである。なお、筆記パッド40は、第一の実施の
形態の筆記パッド2と略同一の大きさを有し、全体が紙
状に形成されたA4判サイズとされている。
【0066】ここで、図15は筆記パッド40を示す縦
断側面図である。図15に示すように、この筆記パッド
40は、格子模様7が不可視赤外線蛍光インクで印刷さ
れたベースフィルム41を有しており、このベースフィ
ルム41の格子模様7上に画像表示層42と保護層43
とが順次積層されている。このベースフィルム41は、
熱伝導性が良好の白色の樹脂からなり、保護層43は、
透光性の良好な無色の樹脂(例えば、PET樹脂等)か
らなる。
【0067】画像表示層42は、情報の可視的表示を可
逆的に行い表示できる可逆性記録層であり、CTC(Co
lor Thermo Chromic)フィルム等を利用した感熱記録方
式、磁気記録方式、フォトクロミック記録方式、エレク
トロクロミック方式等が利用できる。特に、本実施の形
態においては、感熱記録方式、すなわち、熱エネルギー
により可逆的に光学特性が変化し、可視情報の記録およ
び消去が可能である熱可逆性記録層が好ましいものとし
て挙げられる。この熱エネルギーにより可逆記録が行え
るものとしては、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含
む層、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層、低分
子または高分子液晶化合物を含む層等のいずれかで構成
される可逆性記録層が好ましいものとして挙げられる。
【0068】まず、画像表示層42として少なくともロ
イコ染料と顕色剤とを含む層を適用した場合について説
明する。少なくともロイコ染料と顕色剤とを含む層は樹
脂バインダー中にロイコ染料および顕色剤を分散させる
ことにより形成されており、ロイコ染料としては、例え
ばフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミ
ン系化合物など公知の染料前駆体が挙げられる。具体的
には、特開平05−124360号公報記載の公知のロ
イコ染料が使用できる。ロイコ染料は、赤外波長の光を
吸収しないため、赤外蛍光インクを用いた格子模様7の
検出を妨げない。
【0069】また、顕色剤としては、分子内にロイコ染
料を発色させる顕色能を有する構造を有する化合物が挙
げられる。例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸
基、リン酸基等と分子間の凝集力を制御する構造や長鎖
炭化水素基が連結した構造を有する化合物である。連結
部分にはヘテロ原子を含む2価の基を介していても良
く、また長鎖炭化水素基中にもヘテロ原子を含む2価の
基または芳香族炭化水素基が含まれていても良い。具体
的には、特開平05−124360号号公報等に記載さ
れている公知の顕色剤が使用できる。
【0070】さらに、樹脂バインダーとしては、例えば
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラ
ール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、
フッソ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン
系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体、マレイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、
アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、デンプン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げる
ことができる。
【0071】また、画像表示層42の皮膜の強度を挙げ
ることを目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加しても良
い。このような硬化剤、架橋剤の例としては、イソシア
ネート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン
樹脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジル
コニウム化合物等が挙げられる。
【0072】なお、画像表示層42は、電子線硬化性あ
るいは紫外線硬化性バインダーを用いて形成することも
できる。かかるバインダーとしては、エチレン性不飽和
結合を有する化合物が挙げられる。これらの具体例とし
ては、 1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコール及びポリ
アルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート 2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコ
ールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アル
コールのポリ(メタ)アクリレート 3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート 4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート 5.エポキシポリ(メタ)アクリレート 6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート 7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エ
ステル 8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、または末端に有す
るビニル系またはジエン系化合物 9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、
(メタ)アクリロイル化合物 10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物 11.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリ
カルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アミン塩等 12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたは
アルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体 13.ビニルラクタムおよびポリビニルラクタム化合物 14.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリ
エーテルおよびそのエステル 15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエス
テル 16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルコールお
よびそのエステル 17.スチレン、ジビニルベンゼン等1個以上のエチレ
ン性不飽和結合を有する芳香族化合物 18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末
端に有するポリオルガノシロキサン系化合物 19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物 20.上記1〜19記載の化合物の多量体あるいはオリ
ゴエステル(メタ)アクリレート変成物 等が挙げられる。
【0073】紫外線硬化性バインダーを用いて画像表示
層42を形成する場合には、光重合開始剤を混合して用
いる。この光重合開始剤としては、ジクロロアセトフェ
ノンあるいはトリクロロアセトフェノンのようなアセト
フェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、
ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサ
ントン類、アゾ化合物、ジアリールヨードニウム塩、ト
リアリールスルフォニウム塩、ビス(トリクロロメチ
ル)トリアジン化合物等が挙げられる。
【0074】上述したようなロイコ染料および顕色剤を
用いた画像表示層42は、図16に示すプロセスで発色
・消色する。初期の消色状態(A)を加熱すると温度T
1以上でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色し
(B)、この状態を急冷すると発色状態のまま固定され
る(C)。発色状態(C)を加熱していくと、発色温度
1より低い温度T2で消色し(D)、冷却すれば初期と
同様の消色状態となる。
【0075】したがって、画像表示層42が透明な部分
では保護層43を介してベースフィルム41の白色が視
認され、画像表示層42が黒色に発色変化した部分では
この色が保護層43を介して視認される。これにより、
筆記パッド40の画像表示層42は、加熱により透明状
態と黒色状態とに可逆的に変化するように調整されてい
る。このような性質を利用し、筆記パッド40にはワー
ドプロセッサによる文書や描画ソフトによる図などがあ
らかじめ目視可能状態で印字される。
【0076】このような筆記パッド40に対する熱エネ
ルギーによる書込みは、たとえばサーマルヘッドを用い
た熱昇華型の印刷装置で印字することが容易である。ま
た、このような熱昇華型の印刷装置によれば、加熱温度
や時間等の条件を変更することにより、同じ書込み用サ
ーマルヘッドで消去することも容易となる。したがっ
て、この場合は各種情報が印刷装置で印字できるので、
最初から筆記パッド40に固定情報として埋め込むので
はなく、印刷時に使用者が適宜設定することができる。
すなわち、筆記パッド40は繰り返し利用することがで
きるので、紙資源の節約を図ることができる。
【0077】次に、変形例として、画像表示層42とし
て有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層を適用した
場合について説明する。この有機低分子化合物の粒子を
含有する樹脂層の光散乱性は、温度に依存してその透明
度が可逆的に変化する性質を有している。
【0078】このような有機低分子化合物の粒子を含有
する樹脂層に用いられる樹脂は、有機低分子物質を均一
に分散保持した層を形成すると共に、最大透明時の透明
度に影響を与える材料である。このため樹脂母材は透明
性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良い樹脂が好
ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニル;塩
化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル
-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-
マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共重合
体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩
化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン-ア
クリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合
体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート又はポ
リメタクリレートあるいはアクリレート-メタクリレー
ト共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これらは単
独であるいは2種以上混合して使用される。
【0079】また、この有機低分子化合物の粒子を含有
する樹脂層に用いられる有機低分子化合物としては、一
般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度
のものが使用される。このような有機低分子化合物とし
ては、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアル
カノールまたはハロゲンアルカンジオール;アルキルア
ミン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカ
ン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアル
カン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和または不
飽和モノまたはジカルボン酸又はこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂
肪酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウム
塩;アリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド
又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸または
それらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオア
ルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミ
ンまたはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸
エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上
混合して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜
60、好ましくは10〜38、特に10〜30が好まし
い。エステル中のアルコール基部分は飽和していても飽
和していなくてもよく、またハロゲン置換されていても
よい。いずれにしても有機低分子化合物は、分子中に酸
素、窒素、硫黄及びハロゲンの少なくとも1種、例えば
−OH、−COOH、−CONH−、−COOR、−N
H−、−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲ
ン等を含む化合物であることが好ましい。さらに、透明
化できる温度の巾を広げるには、上記の有機低分子化合
物を適宜組合せるか、または、有機低分子化合物と融点
の異なる他の材料とを組合せればよい。これらは例えば
特開昭63−39378号、特開昭63−130380
号などの公報や、特願昭63−14754号、特願平1
−140109号などの明細書で明らかにされている
が、これらに限定されるものではない。
【0080】これらの有機低分子化合物と樹脂とからな
る有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層で構成され
る画像表示層42は、図17に示すプロセスで透明・白
濁する。図17は、熱による透明度の変化を表わしてい
るグラフであり、樹脂及びこの樹脂中に分散された有機
低分子化合物を主成分とする画像表示層42は、例えば
0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度
2に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の
常温に戻しても透明のままである。更にT3以上の温度
に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間の半
透明状態になる。次に、この温度を下げて行くと、再び
透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。
なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温度に加熱
した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合には透
明と不透明との中間の状態をとることができる。また、
常温で透明になったものも再びT3以上の温度に加熱し
た後に常温に戻せば再び白濁不透明状態に戻る。
【0081】さらに、変形例として、画像表示層42に
低分子または高分子液晶化合物を含む層を適用した場合
について説明する。この画像表示層42に用いられる高
分子液晶化合物としては、主鎖または側鎖にメソゲン
(液晶性を示す分子)が結合された主鎖型および側鎖型
分子液晶等が用いられる。高分子液晶化合物は、通常、
重合可能なメソゲン化合物(メソゲンモノマーと呼ぶ)
を重合するか、あるいは水素化ポリシリコーン等の反応
性ポリマーに付加反応可能なメソゲン化合物を付加させ
て製造することができる。このような技術はMakromol.C
hem.,179,p273(1978),Eur,Poly.J.,18,p651(1982)及びM
ol.Cryst.Liq.Cryst.,169,p167(1989)等に開示されてい
る。本発明に使用される高分子液晶化合物も同様な方法
で製造することができる。
【0082】メソゲンモノマーおよび付加反応可能なメ
ソゲン化合物としては、ビフェニル系、フェニルベンゾ
エート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼ
ン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミ
ジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエ
ート系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系
等の剛直な分子(メソゲン)に、好ましくは所定の長さ
のアルキルスペーサーを介して、アクリル酸エステル
基、メタクリル酸エステル基またはビニル基が結合した
種々の化合物等が代表的なものとして挙げられる。
【0083】次に、本発明の第三の実施の形態を図18
及び図19に基づいて説明する。なお、本発明の第一ま
たは第二の実施の形態において説明した部分と同一部分
については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の
形態は、第一の実施の形態の筆記パッド2に用いた格子
模様7に代えてM系列をインク濃度で表した格子模様5
1を印刷した筆記パッド50を被筆記媒体として用いた
点でのみ異なるものである。
【0084】ここで、図18は筆記パッド50を示す平
面図である。図18に示すように、筆記パッド50は、
例えば紙状の薄い透明プラスチックのシートによって形
成されるベース部6を備えている。また、そのベース部
6の表面上には、互いに直交し、等間隔に平行して配置
された直線からなる格子模様51が、ベース部6とは光
学的特性(反射率、吸収率、蛍光特性等)の異なる不可
視のインクによって印刷されている。なお、図18にお
いては、説明のために人間に目視可能なように表示して
いるが、格子模様51は実際には不可視状態にある。
【0085】次に、格子模様51について説明する。図
18には、N=5とし、図の左下を原点とした場合の筆
記パッド50上の格子模様51のパターン例を示すが、
実際には筆記パッド51のベース部6を覆うに十分な
“N”を選択する。前述したように、例えばN=5の場
合のM系列は、 “10000101011101100011111001101001” として表され、“1”の場合の格子模様51のインク濃
度は濃く、“0”の場合の格子模様51のインク濃度は
淡くすることにより、筆記パッド50の格子模様51を
印刷したインクの濃度は、横方向X軸上においては図の
左から順に、 “濃・淡・淡・淡・淡・濃・淡・濃・淡・濃・濃・濃・
淡・濃・濃・・・” のようにM系列に従っている。また、縦方向Y軸上につ
いても同様に、図の下から順に、 “濃・淡・淡・淡・淡・濃・淡・濃・淡・濃・濃・濃・
淡・濃・濃・・・” のようにM系列に従っている。
【0086】このような筆記パッド50上を筆記装置3
を移動させた場合、受光素子14における電気信号の出
力波形は、例えば図19に示すような波形となる。図1
9に示すように、筆記装置3がインク濃度の濃い格子模
様51上を移動した場合には受光素子14からの電気信
号の出力が高くなり、筆記装置3がインク濃度の淡い格
子模様51上を移動した場合には受光素子14からの電
気信号の出力が低くなる。本実施の形態においては、こ
のような電気信号の出力の違いに基づき、格子模様51
のインク濃度が濃いと判断された場合にはデジタルデー
タ“1”をデータバッファ30に記録し、格子模様51
のインク濃度が淡いと判断された場合にはデジタルデー
タ“0”をデータバッファ30に記録することになる。
例えば、図19に示すインクの濃度は、順に“濃、淡、
濃、淡、濃…”であることにより、この場合のデジタル
データは、“10101…”とデコードされることになる。
【0087】したがって、このような筆記パッド50と
筆記装置3とを利用することによっても、絶対座標デー
タを得ることができる。
【0088】なお、特に図示しないが、第二の実施の形
態で説明した筆記パッド40の格子模様7を格子模様5
1に代えても同様の作用効果が得られる。
【0089】次に、本発明の第四の実施の形態を図20
ないし図22に基づいて説明する。なお、本発明の第一
及び第二の実施の形態において説明した部分と同一部分
については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の
形態は、第一の実施の形態の筆記パッド2に代えて筆記
パッド60を被筆記媒体として用い、筆記装置3に代え
て筆記装置70を用いている点で異なっている。
【0090】ここで、図20は筆記パッド60を示す平
面図である。図20に示すように、筆記パッド60は、
例えば紙状の薄い透明プラスチックのシートによって形
成されるベース部6を備えている。また、そのベース部
6の表面上には、互いに直交し、等間隔に平行して配置
された直線からなる格子模様61が印刷されている。な
お、格子模様61は、蛍光波長の異なる2種類のインク
によって印刷されている。
【0091】次に、格子模様61について説明する。図
20には、N=5とし、図の左下を原点とした場合の筆
記パッド60上の格子模様61のパターン例を示すが、
実際には筆記パッド61のベース部6を覆うに十分な
“N”を選択する。前述したように、例えばN=5の場
合のM系列は、 “10000101011101100011111001101001” として表され、“1”の場合の格子模様61のインクの
蛍光波長を長く、“0”の場合の格子模様61のインク
の蛍光波長を短くすることにより、筆記パッド60の格
子模様61を印刷したインクの蛍光波長は、横方向X軸
上においては図の左から順に、 “長・短・短・短・短・長・短・長・短・長・長・長・
短・長・長・・・” のようにM系列に従っている。また、縦方向Y軸上につ
いても同様に、図の下から順に、 “長・短・短・短・短・長・短・長・短・長・長・長・
短・長・長・・・” のようにM系列に従っている。
【0092】次に、筆記装置70について説明する。こ
こで、図21は筆記装置70の格子模様検出装置71付
近を示す横断面図、図22は図21におけるB−B’断
面図である。図21に示すように、筆記装置70の格子
模様検出装置71には、四つの受発光装置72(72
a,72b,72c,72d)がペン先9を中心にして
点対称に配置されている。これらの受発光装置72は、
レーザダイオードやLED等で構成される発光素子73
と、フォトダイオード(PD)等で構成される二つの受
光素子74とを組み合わせて構成されている。より詳細
には、受発光装置72は、発光素子73の両端に受光素
子74を配して一列に並べて構成されている。さらに、
図22に示すように、発光素子73には光ファイバー7
5が接続され、受光素子74にはそれぞれ光ファイバー
76が接続されており、筆記装置70の先端付近に導か
れている。加えて、筆記装置70の先端付近に位置する
光ファイバー75の近傍には集光レンズ77が設けられ
ており、筆記装置70の先端付近に位置する光ファイバ
ー76の近傍には集光レンズ78が設けられている。さ
らに、一方の光ファイバー76と集光レンズ78との間
には光学フィルタ79が設けられており、他方の光ファ
イバー76と集光レンズ78との間には光学フィルタ8
0が設けられている。光学フィルタ79と光学フィルタ
80とは、波長選択フィルタであって、所定の波長の光
のみを通過させるものである。ここでは、光学フィルタ
79は筆記パッド60の格子模様61の印刷に用いる蛍
光波長の長いインクから光のみを透過し、光学フィルタ
80は筆記パッド60の格子模様61の印刷に用いる蛍
光波長の短いインクからの光のみを透過する。このよう
な構成により、発光素子73からの光は、光ファイバー
75によって筆記装置70の先端に導かれ、集光レンズ
77によって筆記パッド60の一点を照らす。この輝点
に格子模様61が印刷されている場合、インクによって
光が反射、散乱あるいは蛍光を発する。筆記パッド60
の格子模様61の印刷に用いる蛍光波長の長いインクか
らの光は、光学フィルター79、光ファイバー76を介
して一方の受光素子74に集められる。ここに、第一読
取手段が実現されている。また、筆記パッド60の格子
模様61の印刷に用いる蛍光波長の短いインクからの光
は、光学フィルター80、光ファイバー76を介して他
方の受光素子74に集められる。ここに、第二読取手段
が実現されている。つまり、受発光装置72の各受光素
子74は、所定の蛍光波長を受光した場合のみ電流を生
じることになる。
【0093】したがって、筆記パッド60上を筆記装置
70が移動した場合、このような電気信号の出力先の違
いに基づき、格子模様61のインクの蛍光波長が長いと
判断された場合にはデジタルデータ“1”をデータバッ
ファ30に記録し、格子模様61のインクの蛍光波長が
短いと判断された場合にはデジタルデータ“0”をデー
タバッファ30に記録することになる。
【0094】したがって、このような筆記パッド60と
筆記装置70とを利用することによっても、絶対座標デ
ータを得ることができる。
【0095】特に図示しないが、第二の実施の形態で説
明した筆記パッド40の格子模様7を格子模様61に代
えても同様の作用効果が得られる。
【0096】なお、各実施の形態においては、移動方向
の検出を受光素子の検出時間差に基づいて行なったが、
これに限るものではなく、例えば、横(X方向)と縦
(Y方向)とでそれぞれ蛍光波長の異なる2種類(計4
種類)のインクを使用し、筆記装置には各蛍光波長に対
応する光学フィルタを二つずつ設けた格子模様検出装置
を横(X方向)用と縦(Y方向)用とにそれぞれ備える
ようにしても良い。また、CTCフィルム等を用いて層
状に形成することが可能な筆記パッドを使用する場合に
は、横(X方向)用と縦(Y方向)用とで格子模様の深
さを変えることにより、移動方向の検出を行なうように
しても良い。
【0097】さらに、各実施の形態においてはペン型の
筆記装置を用いたが、これに限るものではなく、従来知
られているマウスと同様の外形に形成するようにしても
良い。この場合においても、相対移動しか検出できない
従来の光学式マウスとは異なり、絶対座標を入力するこ
とが可能となり、使い勝手が向上する。
【0098】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、“0”と
“1”との並びを「2N−1」個繰り返した系列である
M系列に従い、例えば“0”に対応した直線の幅を細く
して“1”に対応した直線の幅を太くした格子模様を被
筆記媒体に記し、また、被筆記媒体上を移動させた筆記
装置が格子模様を横切った場合に出力される電気信号に
基づくその格子模様の幅に応じて“0”と“1”との並
びにデコードしたN個の系列情報に基づいて検出した座
標位置と電気信号に基づいて検出した移動方向とに基づ
いて筆記軌跡を検出することにより、正確な筆跡を再現
することができるので、簡単な構成で検出精度の高い筆
記記録システムを得ることができる。
【0099】請求項2記載の発明によれば、“0”と
“1”との並びを「2N−1」個繰り返した系列である
M系列に従い、例えば“0”に対応した直線の濃度を淡
くして“1”に対応した直線の濃度を濃くした格子模様
を被筆記媒体に記し、また、被筆記媒体上を移動させた
筆記装置が格子模様を横切った場合に出力される電気信
号に基づくその格子模様の濃度に応じて“0”と“1”
との並びにデコードしたN個の系列情報に基づいて検出
した座標位置と電気信号に基づいて検出した移動方向と
に基づいて筆記軌跡を検出することにより、正確な筆跡
を再現することができるので、簡単な構成で検出精度の
高い筆記記録システムを得ることができる。
【0100】請求項3記載の発明によれば、“0”と
“1”との並びを「2N−1」個繰り返した系列である
M系列に従い、例えば“0”に対応した直線の蛍光波長
と“1”に対応した直線の蛍光波長とを異ならせた格子
模様を被筆記媒体に記し、また、被筆記媒体上を移動さ
せた筆記装置が格子模様を横切った場合に出力される電
気信号に基づくその格子模様の蛍光波長に応じて“0”
と“1”との並びにデコードしたN個の系列情報に基づ
いて検出した座標位置と電気信号に基づいて検出した移
動方向とに基づいて筆記軌跡を検出することにより、正
確な筆跡を再現することができるので、簡単な構成で検
出精度の高い筆記記録システムを得ることができる。
【0101】請求項4記載の発明によれば、請求項1な
いし3のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、
格子模様を不可視性を有するインクによって被筆記媒体
に印刷することにより、格子模様に妨げられることなく
自分が筆記した跡を読み取ることができるので、利便性
を高めることができる。
【0102】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし3のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、
格子模様を可視性を有するインクによって被筆記媒体に
印刷したことにより、広く普及している印刷手段を適用
することができるので、低コストでシステムを提供する
ことができる。
【0103】請求項6記載の発明によれば、請求項4記
載の筆記記録システムにおいて、被筆記媒体を透明部材
により構成したことにより、例えば図面等の原稿に被筆
記媒体を重ね合わせてトレースすることができるので、
入力を容易にすることができる。
【0104】請求項7記載の発明によれば、請求項1な
いし6のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、
筆記装置に被筆記媒体上に筆跡を残す筆記手段を備える
ことにより、筆記内容を視認することができるので、違
和感のなく処理を実行することができる。
【0105】請求項8記載の発明によれば、請求項1な
いし6のいずれか一記載の筆記記録システムにおいて、
被筆記媒体は、少なくとも情報の表示を可逆的に行なう
ことにより書き換え自在な可逆性記録層を有しているこ
とにより、被筆記媒体を書き換え自在に何回も使用する
ことができるので、紙資源の節約を図ることができ、対
環境性に優れたシステムを提供することができる。
【0106】請求項9記載の発明によれば、請求項8記
載の筆記記録システムにおいて、被筆記媒体の可逆性記
録層は、熱エネルギーにより可逆的に光学特性を変化さ
せることにより可視情報の記録及び消去が可能であるこ
とにより、情報等を熱可逆的に被筆記媒体の可逆性記録
層に対して容易に記録及び消去することができるので、
ユーザビリティが高く、低コストで省資源化が図れるシ
ステムを提供することができる。
【0107】請求項10記載の発明によれば、請求項9
記載の筆記記録システムにおいて、被筆記媒体の可逆性
記録層は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含むこと
により、被筆記媒体の情報の書き換えを簡単に、かつ、
高品質でできるような材料を用いることができるので、
低コストでユーザビリティの高いシステムを提供するこ
とができる。
【0108】請求項11記載の発明によれば、請求項9
記載の筆記記録システムにおいて、被筆記媒体の可逆性
記録層は、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層で
あることにより、被筆記媒体の情報の書き換えを簡単
に、かつ、高品質でできるような材料を用いることがで
きるので、低コストでユーザビリティの高いシステムを
提供することができる。
【0109】請求項12記載の発明によれば、請求項9
記載の筆記記録システムにおいて、被筆記媒体の可逆性
記録層は、低分子液晶化合物または高分子液晶化合物を
含んでいることにより、被筆記媒体の情報の書き換えを
簡単に、かつ、高品質でできるような材料を用いること
ができるので、低コストでユーザビリティの高いシステ
ムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の筆記記録システム
の全体構成を示す模式図である。
【図2】筆記パッドを示す平面図である。
【図3】5次の原始多項式に基づくM系列発生回路を示
す回路図である。
【図4】筆記装置の構造を概略的に示す斜視図である。
【図5】筆記装置の格子模様検出装置付近を示す横断面
図である。
【図6】図5におけるA−A’断面図である。
【図7】微分回路を示す回路図である。
【図8】(a)は受光素子の出力波形を示すタイムチャ
ート、(b)は微分回路による変換後の波形を示すタイ
ムチャートである。
【図9】筆記装置に内蔵される各部の電気的接続を示す
ブロック図である。
【図10】筆跡記録処理の流れを概略的に示すフローチ
ャートである。
【図11】受光素子における電気信号の出力例を示すタ
イムチャートである。
【図12】格子模様太さ検出処理の流れを概略的に示す
フローチャートである。
【図13】格子模様に対する筆記装置の移動状態の一例
を示す模式図である。
【図14】図13における各受光素子の電気信号の出力
波形を示すタイムチャートである。
【図15】本発明の第二の実施の形態の筆記パッドを示
す縦断側面図である。
【図16】ロイコ染料および顕色剤を用いた可逆性記録
層が発色・消色するプロセスを説明するグラフである。
【図17】有機低分子と樹脂とからなる可逆性記録層が
透明・白濁するプロセスを説明するグラフである。
【図18】本発明の第三の実施の形態の筆記パッドを示
す平面図である。
【図19】受光素子の電気信号の出力波形の一例を示す
タイムチャートである。
【図20】本発明の第四の実施の形態の筆記パッドを示
す平面図である。
【図21】筆記装置の格子模様検出装置付近を示す横断
面図である。
【図22】図21におけるB−B’断面図である。
【符号の説明】
2,40,50,60 被筆記媒体 3,70 筆記装置 7,51,61 格子模様 9 筆記手段 33 M系列記憶手段 42 可逆性記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 俊之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5B068 AA04 AA11 AA33 AA36 BC07 BD02 BD09 BD13 BD17 BE08 BE12 CC14 CC17 5B087 AA02 AE00 BC03 BC12 BC19 BC22 BC26 BC32 DD03 DD17 DJ01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅の異なる二種類の直線をM系列に従っ
    てX軸方向とY軸方向とにそれぞれ並べることによって
    二次元方向に形成された格子模様を記された紙状の被筆
    記媒体と、 前記格子模様を光学的に読み取って電気信号として出力
    する読取手段と、この読取手段から出力された前記電気
    信号に基づいて読み取った前記格子模様をデコードする
    デコード手段と、前記M系列に従ったコード配列を記憶
    するM系列記憶手段と、このM系列記憶手段に記憶され
    た前記M系列に従ったコード配列と前記デコード手段に
    よるデコード後の情報とを比較して前記被筆記媒体上の
    座標位置を検出する座標検出手段と、前記読取手段によ
    り出力された前記電気信号に基づいて前記被筆記媒体上
    の移動方向を検出する移動方向検出手段と、この移動方
    向検出手段により検出された前記移動方向と前記座標検
    出手段により検出された前記座標位置とに基づいて筆記
    軌跡を検出する筆記軌跡検出手段とを有し、前記被筆記
    媒体上を移動する筆記装置と、を備える筆記記録システ
    ム。
  2. 【請求項2】 濃度の異なる二種類の直線をM系列に従
    ってX軸方向とY軸方向とにそれぞれ並べることによっ
    て二次元方向に形成された格子模様を記された紙状の被
    筆記媒体と、 前記格子模様を光学的に読み取って電気信号として出力
    する読取手段と、この読取手段から出力された前記電気
    信号に基づいて読み取った前記格子模様をデコードする
    デコード手段と、前記M系列に従ったコード配列を記憶
    するM系列記憶手段と、このM系列記憶手段に記憶され
    た前記M系列に従ったコード配列と前記デコード手段に
    よるデコード後の情報とを比較して前記被筆記媒体上の
    座標位置を検出する座標検出手段と、前記読取手段によ
    り出力された前記電気信号に基づいて前記被筆記媒体上
    の移動方向を検出する移動方向検出手段と、この移動方
    向検出手段により検出された前記移動方向と前記座標検
    出手段により検出された前記座標位置とに基づいて筆記
    軌跡を検出する筆記軌跡検出手段とを有し、前記被筆記
    媒体上を移動する筆記装置と、を備える筆記記録システ
    ム。
  3. 【請求項3】 蛍光波長の異なる二種類の直線をM系列
    に従ってX軸方向とY軸方向とにそれぞれ並べることに
    よって二次元方向に形成された格子模様を記された紙状
    の被筆記媒体と、 前記格子模様を形成する一の蛍光波長の直線のみを光学
    的に読み取って電気信号として出力する第一読取手段
    と、前記格子模様を形成する他の蛍光波長の直線のみを
    光学的に読み取って電気信号として出力する第二読取手
    段と、前記第一読取手段と前記第二読取手段とから出力
    された前記電気信号に基づいて読み取った前記格子模様
    をデコードするデコード手段と、前記M系列に従ったコ
    ード配列を記憶するM系列記憶手段と、このM系列記憶
    手段に記憶された前記M系列に従ったコード配列と前記
    デコード手段によるデコード後の情報とを比較して前記
    被筆記媒体上の座標位置を検出する座標検出手段と、前
    記読取手段により出力された前記電気信号に基づいて前
    記被筆記媒体上の移動方向を検出する移動方向検出手段
    と、この移動方向検出手段により検出された前記移動方
    向と前記座標検出手段により検出された前記座標位置と
    に基づいて筆記軌跡を検出する筆記軌跡検出手段とを有
    し、前記被筆記媒体上を移動する筆記装置と、を備える
    筆記記録システム。
  4. 【請求項4】 前記格子模様を不可視性を有するインク
    によって前記被筆記媒体に印刷した請求項1ないし3の
    いずれか一記載の筆記記録システム。
  5. 【請求項5】 前記格子模様を可視性を有するインクに
    よって前記被筆記媒体に印刷した請求項1ないし3のい
    ずれか一記載の筆記記録システム。
  6. 【請求項6】 前記被筆記媒体を透明部材により構成し
    た請求項4記載の筆記記録システム。
  7. 【請求項7】 前記筆記装置は、前記被筆記媒体上に筆
    跡を残す筆記手段を備える請求項1ないし6のいずれか
    一記載の筆記記録システム。
  8. 【請求項8】 前記被筆記媒体は、少なくとも情報の表
    示を可逆的に行なうことにより書き換え自在な可逆性記
    録層を有している請求項1ないし6のいずれか一記載の
    筆記記録システム。
  9. 【請求項9】 前記被筆記媒体の前記可逆性記録層は、
    熱エネルギーにより可逆的に光学特性を変化させること
    により可視情報の記録及び消去が可能である請求項8記
    載の筆記記録システム。
  10. 【請求項10】 前記被筆記媒体の前記可逆性記録層
    は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含んでいる請求
    項9記載の筆記記録システム。
  11. 【請求項11】 前記被筆記媒体の前記可逆性記録層
    は、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層である請
    求項9記載の筆記記録システム。
  12. 【請求項12】 前記被筆記媒体の前記可逆性記録層
    は、低分子液晶化合物または高分子液晶化合物を含んで
    いる請求項9記載の筆記記録システム。
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