JP4224228B2 - 文書管理システム及び文書管理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文書管理システム、文書管理方法、及び情報読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子化された文書は、パーソナルコンピュータ等のような端末において利用されることが一般的である。しかしながら、上記のような端末に接続されているディスプレイでは、紙面等に印刷された文書と比較して解像度が低いため、閲覧のし易さに問題がある。また、ディスプレイ上に表示して利用するのでは可搬性にも問題がある。そこで、利用者は、文書を印刷して、その印刷物を閲覧したり、その印刷物を持ち運んで利用することが多い。一方、こうした印刷物に加筆することも多々あるが、加筆事項は元文書の電子データに対して何らかのリンクを有してはいないため、利用者は、後で元文書を電子的に編集しなおす必要がある。
【0003】
このような問題に対処するために、電子化された文書データと加筆事項とを関連づける従来技術としては、特開平9−101864号公報が開示するところの情報処理装置及びその各種装置が存在する。以下、これを従来技術1という。
【0004】
従来技術1によれば、全体が紙状で各種情報を書き換え自在に表示して維持する情報表示媒体と、この情報表示媒体に表示・維持させる情報を蓄積する情報蓄積媒体と、情報表示媒体に手書き入力された情報を取り込む情報記録装置と、が設けられており、情報記録装置上に置かれた情報表示媒体に対して入力された加筆事項を画像情報として情報蓄積媒体に蓄積するよう構成されている。また、情報表示媒体は、表示した情報を維持することも、それに対して消去や修正を施すことも自在である。従って、従来技術1によれば、紙を消費することなく書類の作成や蓄積を実現することができる。
【0005】
一方、電子化された文書とこれを印刷した物との対応を管理する技術としては、特開平7−244657号公報が開示するところの文書編集装置が存在する。これによれば、電子化された文書が印刷された紙面に、この文書のファイル情報(ファイル名など)もバーコードで印刷しておき、この文書の電子データを編集する際に紙面上のバーコードを読み取って、対象のファイルを特定する技術が、特開平7−244657号公報に開示されている。更に、同様な技術として、文書印刷時に、文書情報を埋め込んだコードシンボルを同時に印刷し、そのコードシンボルを用いて文書の複製や管理などを行うものが、特開平8−87564号公報や特開平10−308868号公報に開示されている。これらを、以下において従来技術2という。
【0006】
また、特開2000−99378号公報では、電子文書の更新履歴管理に関する技術が開示されている。これを、以下において従来技術3という。この従来技術3では、コンピュータ上で更新履歴管理用のアプリケーションを使用して、電子的に加筆・修正された文書の更新履歴を管理する。また、この更新履歴管理は、対象の電子文書が更新された日付や版(バージョン)などの情報に基づいて行われる。更に、従来技術3では、電子的に加筆・修正された内容をユーザにわかり易く呈示するために、時系列に沿って更新履歴の情報を呈示するよう構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術2や従来技術3を用いて、電子化された文書とこの印刷物とを関係付けることや、電子化された文書の更新履歴を管理することは可能であるが、印刷物に対して手書きで入力された事項と電子化された文書とを関係付けることは不可能である。ここで、従来技術1において開示されている情報表示媒体及び情報記録装置を用いた場合では、印刷物に対応する情報表示媒体が、紙等の汎用性が高いものでなく、専用に製造されたものであるため、紙などを印刷物とする場合に対して利便性が損なわれる。更に、従来技術1では、情報表示媒体上における書き込み位置を特定するために情報記録装置を必要としているため、余分な費用がかかる。
【0008】
但し、従来技術1で開示された情報記録装置を用いずに、印刷された文書に加筆した事項を、電子的な元文書に自動的に反映させる、端的にいえば、紙ベースのタブレットシステムを実現するためには、まず、紙面上における書き込み先の座標を取得する必要がある。
【0009】
例えば、特開昭61−296421号公報では、光学的に読取可能なコードシンボルを座標板上にマトリックス状に並べ、それを読むことによって座標情報を取得する技術が開示されている。また、特開平7−141104号公報にも、同様の技術内容が開示されている。これらを、以下において従来技術4という。
【0010】
しかしながら、従来技術4が開示するところの座標情報を示すコードシンボルを印刷物の大半に添付したのでは、肝心の文書と重畳してしまい、文書自体が閲覧できなくなってしまう。
【0011】
また、例えば従来技術4により文書の履歴管理をし、この履歴情報を印刷物に印字していたとしても、これから加筆しようとする文書が最新の履歴のものかどうかを、その場で判断することは不可能である。
【0012】
上記のように、印刷された文書に加筆すると電子的な元文書に自動的に反映されるシステムにおいては、印刷された文書に加筆された場合には電子的ではない加筆・修正がなされるため、従来の履歴管理アプリケーションで文書を履歴管理する方法では対応できず、印刷された文書に加筆・修正が幾度繰り返されても履歴が更新されない。
【0013】
したがって、従来において開示されている技術では、電子的に加筆・修正した文書の履歴管理と、印刷した文書に手書きで加筆・修正した内容を元の電子文書に反映するものとを統一的に扱うことが不可能であるという問題が存在する。
【0014】
更には、従来技術において、文書が最新履歴のものであるかどうか判断することができないという問題がある。
【0015】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、電子文書の管理・修正を容易にする文書管理システム、文書管理方法、及び情報読取装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するために、本発明に係る文書管理システムは、印刷媒体に割り当てられているユニークな識別情報と対応して、印刷媒体に印刷された文書に対応する電子データの更新情報を管理することを特徴としている。
【0017】
これにより、電子文書の管理・修正を容易にすることが可能となる。また、本発明によれば、電子文書だけでなく印刷した文書の履歴をも管理することが可能になる。
【0018】
更に、本発明に係る文書管理システムは、ユニークな識別情報が、印刷媒体の所定の領域に記録されており、印刷媒体からユニークな識別情報を読み取り、読み取った当該ユニークな識別情報を、電子データと関連付けて管理することを特徴としている。
【0019】
これにより、自動的に文書の管理及び履歴の管理が文書管理システムに登録されるので、ユーザが文書の履歴管理を意識しないで使用することが可能になる。
【0020】
更に、本発明に係る文書管理システムは、印刷媒体の前記所定の領域に、当該印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報が記録されており、印刷媒体から座標情報を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図形オブジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子データに貼り付けることを特徴としている。
【0021】
これにより、加筆情報を文書にオブジェクトとして貼り付けることで、ユーザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわかるようになり、利便性を向上させた文書管理システムを提供することが可能となる。
【0022】
更に、本発明に係る文書管理システムは、読み取った座標情報と関係付けられた電子データを、関係付けられる前の電子データとは別の電子データとして、更新情報を管理することを特徴としている。
【0023】
これにより、加筆した文書の履歴を更新することで、電子的な修正、紙上での加筆の両方の更新履歴を扱えるようになる。
【0024】
更に、本発明に係る文書管理システムは、印刷媒体から前記ユニークな識別情報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情報に対応する電子データを特定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定した当該電子データに対応する更新情報に基づく文書情報を、表示装置を介してユーザに呈示することを特徴としている。
【0025】
これにより、現在加筆している文書が最新のものであるか否か等を判別することが可能になる。
【0026】
更に、本発明に係る文書管理システムは、読み取った前記座標情報に基づいて、描画された図形を表示装置に再現することを特徴としている。
【0027】
これにより、電子文書の管理・修正を容易にすることが可能となる。また、本発明によれば、現在加筆している内容が正しく文書に反映されているかどうかを確認することが可能となる。
【0028】
また、本発明に係る文書管理方法は、印刷媒体に割り当てられているユニークな識別情報と対応して、印刷媒体に印刷された文書に対応する電子データの更新情報を管理することを特徴としている。
【0029】
これにより、電子文書だけでなく印刷した文書の履歴をも管理することが可能になる。
【0030】
更に、本発明に係る文書管理方法は、印刷媒体の所定の領域に記載されたユニークな識別情報を読み取り、読み取った当該ユニークな識別情報を、電子データと関連付けて管理することを特徴としている。
【0031】
これにより、文書印刷時に、自動的に文書の管理及び履歴の管理が登録されるので、ユーザが文書の履歴管理を意識しないで使用することが可能になる。
【0032】
更に、本発明に係る文書管理方法は、印刷媒体の所定の領域に記載された所定の位置を基準とする座標情報を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図形オブジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子データに貼り付けることを特徴としている。
【0033】
これにより、加筆情報を文書にオブジェクトとして貼り付けることで、ユーザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわかるようになり、利便性を向上させることが可能となる。
【0034】
更に、本発明に係る文書管理方法は、読み取った座標情報と関係付けられた電子データを、関係付けられる前の電子データとは別の電子データとして、更新情報を管理することを特徴としている。
【0035】
これにより、加筆した文書の履歴を更新することで、電子的な修正、紙上での加筆の両方の更新履歴を扱えるようになる。
【0036】
更に、本発明に係る文書管理方法は、印刷媒体からユニークな識別情報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情報に対応する電子データを特定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定した当該電子データに対応する更新情報に基づく文書情報を、ユーザに呈示することを特徴としている。
【0037】
これにより、現在加筆している文書が最新のものであるか否か等を判別することが可能になる。
【0038】
更に、本発明に係る文書管理方法は、読み取った座標情報に基づいて、描画された図形を再現して表示することを特徴としている。
【0039】
これにより、現在加筆している内容が正しく文書に反映されているかどうかを確認することが可能となる。
【0040】
また、本発明に係る情報読取装置は、印刷媒体の所定の領域に記載されているユニークな識別情報、及び/又は、印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報を読み取る情報読取手段と、情報読取手段により読み取ったユニークな識別情報及び/又は座標情報を送信する読取情報送信手段と、を有し、ユニークな識別情報及び/又は座標情報を読み取った場合、ユニークな識別情報及び/又は座標情報を読取情報送信手段より送信することを特徴としている。
【0041】
これにより、印刷した文書に関する履歴等の管理を実現することが可能になる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0043】
本実施形態を説明するにあたり、まず、本実施形態において電子文書が印刷される印刷媒体について説明する。
【0044】
・印刷媒体1
図1は、本実施形態による文書管理システムで用いる印刷媒体1の平面図である。印刷媒体1には、人間が視覚的に読み取り可能な文書が印刷可能であり、一般的には、紙、布、プラスチック等で構成されるシート状のものである。但し、本実施形態では、以下に説明するようなコードシンボルが添付されている、又は、添付することができるものであれば、いかなるものでも適用することが可能である。
【0045】
・コードシンボル2
図1において、2は光学的に読み取り可能なコードシンボル2である。図1の例では、コードシンボル2はマトリクス状に並べられている。但し、本実施形態では、コードシンボル2を光学的に読み取り可能なものとして構成しているが、これを磁気的又は電気的に読み取り可能なものとして構成することも可能である。
【0046】
また、コードシンボル2のコード構成としては、例えば以下に例示するような2通りのものが考えられる。
【0047】
・・印刷媒体毎の識別情報と座標毎の情報とを用いる場合
まず、第1のコード構成例として、コードシンボル2に、印刷媒体1及びこの印刷媒体1におけるコードシンボル2が印刷されている面を一意に識別するためのユニークな識別情報と、各コードシンボル2が配置された印刷媒体1上の座標を意味する情報と、がエンコードされている場合を説明する。
【0048】
この場合、例えば、図1に示すコードシンボル2を例にあげて説明すると、左上のコードシンボル2aは「1234560101」がエンコードされ、コードシンボル2bは「1234560102」がエンコードされ、コードシンボル2cは「1234560201」がエンコードされ、コードシンボル2dは「1234560202」とエンコードされている。
【0049】
あるいは他の例として、コードシンボル2aの部分が「123456aa」、コードシンボル2bの部分が「123456ab」、コードシンボル2cの部分が「123456ba」、コードシンボル2dの部分が「123456bb」とエンコードされていてもよい。
【0050】
ここで、上記に挙げたコードシンボル2の例では、各コードシンボル2の左から6桁が、印刷媒体1及びこの印刷媒体1におけるコードシンボル2が印刷された面にユニークな識別情報であり、残りの部分が、各コードシンボル2が配置された座標を示す情報である。このように、各コードシンボル2は、各々他の全てのコードシンボル2に対してユニークな(重複しない)値が割り当てられている。これにより、本実施形態では、各コードシンボル2を例えば光学的に読み取ることで、読み取った印刷媒体1の判別と位置の検出とを行うことが可能となる。
【0051】
また、このように印刷媒体1及び印刷媒体1におけるコードシンボル2が印刷された面に対してユニークな識別情報と、この印刷媒体1における所定の位置を基準とした座標情報と、が区別して定義されている場合では、ユニークな識別情報を印刷媒体1における所定の1箇所のみに記載し、印刷媒体1の面上に記載するコードシンボル2を座標情報のみとすることで、各コードシンボル2にコード化するデータ量を削減することができる。
【0052】
・・一桁で構成する場合
また、第2のコード構成例として、コードシンボル2に、英数字36文字を一桁とする36進数が使用されている場合を説明する。この場合、例えば、印刷媒体1上の二次元の座標において、x座標,y座標にそれぞれ8桁ずつを割り当てる。これにより、各座標系において、それぞれ2.8兆もの座標を指定することができる。これは、例えば、各座標点を1mmおきに与えた場合、約8兆平方kmという広大な面積の座標位置を指定することが可能になることを示しており、実に地球の表面積の約15000倍にもなる範囲である。これによりA4サイズの媒体を事実上一意に決めることができ、世界に一枚しかない印刷媒体の存在が可能になる。
【0053】
以上、2通りの構成例を説明したが、本実施形態では、上記のように複数のコードシンボル2が各々一意的に識別できるならば、いかなるコードシンボル2の形態でもよく、また、各コードシンボル2の配列方法にも特に制約はない。但し、図1のように、規則的にエンコードし、かつ、規則的にコードシンボル2を配置することが望ましい。
【0054】
・・コードシンボル2の配列の具体例
また、上記のように構成されているコードシンボル2の配置例を、より具体的な例を挙げて説明する。ここで、例えば、紙面の左上を原点とし、右方向にx軸、及び下方向にy軸をとる。
【0055】
この構成において、図1を用いて説明すると、(x座標,y座標)が(10mm,10mm)の位置に「1234560101」のコードシンボル2の中心がくるように配置し、(10mm,20mm)の位置には「1234560102」のコードシンボル2の中心がくるように配置し、(20mm,10mm)の位置に「1234560201」のコードシンボル2の中心がくるように配置する。また、他の図示しない点は、それぞれ上記の間隔等に準じて配置する。
【0056】
これのように、コードシンボル2を配置させることで、本実施形態では、x軸,y軸共に10mm間隔で印刷媒体1上の位置を検出することが可能となる。但し、これは、一例にすぎなく、間隔等はいかようにも変更することが可能である。
【0057】
また、コードシンボル2は、印刷媒体1のなるべく広い範囲に記録することが望ましいが、必ずしも全面に記録する必要はない。例えば、プリンタで印刷する場合、紙面の周囲は印字できない範囲である場合が多い。このようなとき、このような部分に必ずしも印刷する必要はない。
【0058】
・・コードシンボル2の構成例
また、光学的に読み取り可能なコードシンボル2として、図1には、DataMatrixコードを適用した場合を例示しているが、同様なコードシンボル2としては他にもいくつか周知であるものがあり、例えば、CodeOne,AztecCode,MaxiCode,QRCode,DotCode,SnowflakeCode,ドット位置を位相変調するコード等を用いることができる。また独自コードを用いてもよい。
【0059】
・・コードシンボル2を光学的に読み取り可能とする方法
また、以下に、実際に印刷媒体1上に添付されるコードシンボル2について、以下に具体例を挙げて説明する。
【0060】
まず、コードシンボル2を印刷媒体1上のある程度広範囲な領域(文書が印刷される領域に重なる領域)にコードシンボル2を印刷する場合、文書を印刷するインクとコードシンボル2を印刷するインクとの吸光波長または発光波長を互いに重ならないようにして、文書を人間が視覚的に読み取り可能な波長域に、コードシンボル2を人間にとっては読み取り不可能であるが、光学的には読み取り可能な波長域で印刷する。これにより、文書とコードシンボル2とを重ねて印刷しても、各々光学的に独立して読み取ることが可能となる。
【0061】
・・・人間に不可視のインク例
ここで、人間に不可視のインクとしては、例えば、目立マクセル社製のステルスインクがあり、これには熱転写プリンタ用のシートも用意されている。これは人間にはほとんど見えず、赤外領域で光学的に読み取り可能である。
【0062】
一方、逆に赤外領域では透明な黒色インクも市販されているので、このようなインクを用いて市販の熱転写方式プリンタを用いることにより、あらかじめ不可視のコードシンボル2が印刷された印刷媒体1に人間にとって可視の文書をプリンタで印刷することが容易に可能となる。
【0063】
ここで、不可視インクの材料について説明する。不可視の材料の中で光学的に検知できるものとしては、光を吸収し、その反射強度の差により検知できる材料、または、光の吸収により励起し、蛍光を発し、それを検知できる材料が用いられる。
【0064】
光を吸収しその反射強度の差により検知できる材料としては、可視域での吸収は低く、それ以外の波長領域での吸収を有する材料を用いることができる。上記のコードシンボル2や文書情報を、これらの材料で形成された吸収する部分と反射する部分とから形成することにより、これらの吸収/反射による可視域外での光学濃度の差から各々の情報を独立して検知することが可能となる。また、これらは可視域の光学濃度の差が極めて小さいため、肉眼ではほとんど視認されない。また、照射光を紫外線とした場合、この紫外光による媒体含有物の劣化等により配光性が変化することが考えられるため、照射光を赤外光として光学的に認識できる材料を適用することが望ましい。
【0065】
ここで、有機系の赤外吸収材料としては、シアニン系色素、ナフトキノン系色素、フタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、ジオール系色素、トリフェニルメタン系色素等が挙げられる。これらは可視域にも吸収があるため、赤味がかったクリーム色を呈している。
【0066】
また、より望ましいのは、可視域では吸収を持たず、赤外域に吸収を有する無機系の材料である。この材料としては、例えば、少なくともNd(ネオジム),Yb(イッテルビウム),In(インジウム),Sn(スズ),Zn(亜鉛)を含有した化合物を用いることができる。特に、これら金属及びこれらの酸化物、硫化物、ハロゲン化物などの化合物が望ましく、これら化合物は白色、または淡い青色であり、情報担体を不可視化するのに適している。
【0067】
これら化合物の具体的な例としては、酸化イッテルビウム、酸化錫、酸化亜鉛、硫化イッテルビウム、硫化亜鉛、塩化イッテルビウム、塩化インジウム、重化錫、塩化亜鉛、臭化イッテルビウム、臭化インジウム、インジウム−錫混合酸化物、又はインジウム−錫混合酸化物とアルミナ、硫酸バリウム、二酸化珪素、炭酸カルシウムから選ばれる1種との混合物等が挙げられる。
【0068】
また、Yb,In,Sn,Znのいずれか1つ以上を含み、これらと酸との塩も有効な赤外吸収材料である。これらの具体的な例として、硫酸イッテルビウム、硫酸亜鉛、硫酸インジウム、硝酸イッテルビウム、硝酸錫、過塩素酸イッテルビウム、炭酸イッテルビウム、炭酸亜鉛、炭酸インジウム、酢酸イッテルビウム、酢酸亜鉛、酢酸錫、ニコチン酸イッテルビウム、リン酸イッテルビウム、リン酸亜鉛、リン酸錫、シュウ酸イッテルビウム、シュウ酸亜鉛、シュウ酸錫等が挙げられる。
【0069】
また、光の吸収により励起し、蛍光を発し、それを検知できる材料としては、発せられる蛍光波長、強度差で検知できるものが用いられる。但し、紫外光による媒体含有物の劣化等の耐光性を考慮するため、上記と同様に、赤外光により励起し、蛍光を発する材料が好ましい。
【0070】
この赤外光を吸収し、蛍光を発する材料としては、光学活性元素として少なくともNdを含む有機金属化合物がある。これら有機金属化合物中の有機化合物としては、カルボン酸類、ケトン類、エーテル類、アミン類から選択される。これらの具体的な例としては、桂皮酸ネオジム、ナフトエ酸ネオジム等が挙げられる。
【0071】
また、光学活性元素としては、Nd及びYbを含む有機金属化合物がより望ましい。このような有機金属化合物の具体的な例としては、桂皮酸ネオジム・イッテルビウム複合塩、安息香酸ネオジム・イッテルビウム複合塩、ナフトエ酸ネオジム・イッテルビウム複合塩等が挙げられる。
【0072】
また、Nd,Yb,Er(エルビウム)の1種以上の元素を含む含酸素酸塩化合物も赤外蛍光材料として使用できる。この含酸素酸塩化合物の具体的な例としては、リン酸塩化合物、バナジン酸塩化合物、ホウ酸重化合物、モリブデン酸塩化合物等が挙げられる。
【0073】
さらに、光学活性元素としてFe(鉄)およびErを含有し、他にSc(スカンジウム),Ga(ガリウム),Al(アルミニウム),In,Y(イットリウム),Bi(ビスマス),Ce(セリウム),Gd(ガドリニウム),Lu(ルテチウム),La(ランタン)から選択された少なくとも1種以上の元素を含有した化合物も赤外蛍光材料として使用できる。
【0074】
また、光学活性元素としてYbを含有し、この他、Sc,Ga,Al,In,Y,Bi,Ce,Gd,Lu,Laから選択された少なくとも1種以上の元素を含有した化合物も赤外蛍光材料として用いることができる。
【0075】
さらに、赤外領域に吸収を有する有機化合物を把持させた、Nb,Yb,Erから選択された1種以上の希土類含有有機化合物も赤外蛍光材料として用いることができる。これら赤外領域に吸収を有する有機化合物としては、ポリメチン系色素、アントラキノン系色素、ジオール系色素、フタロシアニン系色素、インドフェノール系色素、アゾ系色素等から選択できる。
【0076】
このコードシンボル2は上述したように不可視インクで形成される。ここで用いられているコードシンボル2は、座標情報の他に文書IDも含むとしていることから、一次元のバーコードではIDが不足してしまう可能性が存在するため、二次元コードを使用するとよい。二次元へ拡大することにより、前述したように20桁程度のコードを生成することができるので、全世界で使用している媒体1の数に対して、絶対的な識別番号(例えば通し番号)を文書情報として付けることも可能となる。つまり一度作成した文書のIDが固定されて、世界に1つしかないIDの付いた文書、つまり、世界で一つしかない文書とすることができる。
【0077】
また、前述したような可視光以外の光を反射して使用者が見えにくくなる不可視材料を使用し、文書のIDが即座に判別できないようにすることで、各文書に関するセキュリティを高めるようにすることもできる。
【0078】
・印刷媒体1の識別情報と文書データとの関係付け
このように、不可視インクを用いてコードシンボル2が形成されている印刷媒体1と、この印刷媒体1に印刷した文書とを関係付ける方法について、以下に説明する。
【0079】
この場合に、印刷媒体1の作成時に絶対的にユニークな識別番号を付すので、実際に印刷媒体1に対してプリンタで文書の印刷を行う場合に、印刷したい文書の識別情報(例えば、「c:\MyDocument\Patent.doc」などのファイル名やアドレスやパス等:以下、文書情報という)とユニークな識別番号との関連付けを行う必要がある。これにより、どの印刷媒体1に何の文書を印刷したかを判別することが可能となる。更に、この構成により、利用者におけるコンピュータ端末等の情報処理システムにおいて、文書に対して入力された加筆事項を、文書の電子データに格納する、又は、文書の電子データにリンク付けして保存することが可能となる。
【0080】
これを図6に示す本実施形態による文書管理システムを引用して説明すると、「123456」というユニークな識別情報がついた印刷媒体1に対して、情報処理装置604に接続されたプリンタ601を用いて、「c:\MyDocument\Patent.doc」という文書情報が附された文書を印刷する。この際、プリンタ601において印刷媒体1の「123456」というユニークな識別情報を読み取る。本実施形態では、この読み取った印刷媒体1のユニークな識別情報(「123456」)と文書情報(「c:\MyDocument\Patent.doc」)との関係付けを、情報処理装置604,609又はプリンタ601において自動的に行う。このように構成することで、本実施形態では、印刷媒体1のユニークな識別情報と文書情報との関連付けを行う手段が実現されている。
【0081】
この関連付けの内容を示すデータ(以下、関係データという)は、印刷媒体1に印刷された文書の文書データと共に、情報処理装置609に接続された記憶装置605などに記憶される。
【0082】
・文書データに対する加筆事項の付加方法
このように関連づけられた文書に対して、本実施形態によるペン型座標入力装置607を用いて行った加筆事項を付加する方法を以下に説明する。
【0083】
文書が印刷された印刷媒体1に対して、図8で示すようなペン型座標入力装置607を用いて筆記を行った場合、ペン型座標入力装置607における画像読取装置806により印刷媒体1のユニークな識別情報を読み取る。この読み取った印刷媒体1のユニークな識別情報を、記憶装置605において記憶されている関連データと照合することで、本実施形態では、印刷媒体1に印刷された文書の文書データが特定される。更に、特定された文書データには、画像読取装置806で読み取った座標情報や色情報等が自動的に添付される。本実施形態では、このように構成することで、文書データに対して座標情報や色情報等を付加する手段を実現している。
【0084】
次に、ペン型座標入力装置607を用いて印刷媒体1への書き込みを行う場合、ペン型座標入力装置607では、「123456」,「10,10」,「10,11」,「10,12.5」,「11,14」,…のように、印刷媒体1からユニークな識別情報と座標情報とが取得される。
【0085】
ここで、ペン型座標入力装置607に赤色インクを使用している場合、本実施形態では、次のようなデータが作成される。つまり、色情報、印刷媒体1のユニークな識別情報、座標情報とからなる、「red\123456,10,10」(又は「123456,red,10,10」),「red\123456,10,11」,「red\123456,10,12.5」,「red\123456,11,14」,…が、ペン型座標入力装置607又は情報処理装置604において生成される。但し、ペン型座標入力装置607と情報処理装置604とは、無線又は有線により接続されているものである。無線で接続する場合では、赤外線を用いる方法やBluetoothを適用する方法等が考えられる。ここで、赤外線を用いる場合では、ペン型座標入力装置607においてデータを送信する赤外線発信手段を設け、情報処理装置604においてこの受信装置を設ける。また、Bluetoothを適用した場合では、例えば情報処理装置604をマスター端末として、双方にBluetoothインタフェースを設ける。これに対して、有線で接続する場合では、USBやIEEE1394等を適用することができる。
【0086】
このようにして、情報処理装置604にデータが与えられると、情報処理装置604は、このデータをネットワーク600を介して情報処理装置609へ転送する。情報処理装置609は、上記のように関連付けられた情報、「123456」と「c:\MyDocument\Patent.doc」とに基づき、通知されたデータに対応する元文書の電子データを特定し、この元文書(電子データ)「c:\MyDocument\Patent.doc」上の対応する座標に、赤色の加筆事項を上書きする。
【0087】
・印刷媒体1を書き換え可能とする場合
また、上記で説明したコードシンボル2が印刷されている印刷媒体1としては、通常の紙状シートを用いるだけでなく、書き換えが可能である印刷媒体を用いることも考えられる。以下に、印刷媒体1として書換え可能な媒体を用いる場合について、図2を参照して説明する。
【0088】
この媒体1は、支持体13を有しており、この支持体13上に、コードシンボル2が埋め込まれているコードシンボル層14、記録層15、中間層16、保護層17が順次積層されている。この支持体13は、熱伝導性が良好な白色の樹脂からなり、中間層16、保護層17は、透光性の良好な無色の樹脂からなる。
【0089】
また、図3に示すように、与えた熱を有効に利用するために、支持体13と記録層15との間に断熱性の下引き層18を設けてもよい。下引き層18は、有機又は無機の微小中空体粒子を、バインダ樹脂を用いて塗布することにより形成できる。筆記軌跡を示す座標情報や、文書の所在、文書名、ぺ一ジなどを示す文書情報を有するコードシンボル層14は、下引き層18中に設けている。更に、支持体13と記録層15との接着性の改善や、支持体13への記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を、支持体13と記録層15との間に設けてもよい。
【0090】
また、記録層15は、情報の可視的表示を可逆的に行うことができる可逆性記録層であり、感熱方式、磁気記録方式、フォトクロミック記録方式、エレクトロクロミック方式等が利用できる。特に、本実施形態においては、感熱記録方式、即ち、熱エネルギーにより可逆的に光学特性が変化し、可視情報の記録及び消去が可能である記録層15が望ましいものとして挙げられる。熱エネルギーによる書込みは、例えば熱昇華型のプリンタで印字することが容易である。
【0091】
この熱エネルギーにより可逆記録が行える材料としては、少なくとも、ロイコ染料と顕色剤とを含む記録層、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層、さらに、低分子または高分子液晶化合物を含む記録層から構成される可逆性記録層が望ましいものとして挙げられる。
【0092】
ロイコ染料と顕色剤を含む可逆性記録層は、例えば樹脂バインダ中にロイコ染料及び顕色剤を分散させることにより形成することができる。ロイコ染料としては、例えばフタリド系化合物、アサフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物などの染料前駆体が挙げられる。顕色剤は、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能を有する構造、例えばフェノール性水酸基,カルボン酸基,リン酸基等と、分子間の凝集力を制御する構造、例えば長鎖炭化水素基と、が連結した構造をもつ化合物である。連結部分には、ヘテロ原子を含む2価の基を介していてもよく、また、長鎖炭化水素基中にもヘテロ原子を含む2価の基または芳香族炭化水素基が含まれていてもよい。
【0093】
このように、記録層15は、少なくともロイコ染料と顕色剤を含む樹脂層からなり、また、記録層15を形成する樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、マレイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げることができる。
【0094】
また記録層15の皮膜の強度を上げることを目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加することもできる。このような硬化剤、架橋剤の例として、イソシアネート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジルコニウム化合物等を挙げることができる。更に、電子線硬化性又は紫外線硬化性バインダを用いて記録層15を設けることもできる。係るバインダとしては、エチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
【0095】
これらの具体例としては、以下に挙げるものが存在する。
1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート
2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート
5.エポキシポリ(メタ)アクリレート
6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート
7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル
8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、又は末端に有するビニル系またはジエン系化合物
9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合物
10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物
11.エチレン性不飽和結合を有するモノ又はポリカルボン酸及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等
12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はアルキル置換(メタ)アクリルアミド及びその多量体
13.ビニルラクタム及びポリビニルラクタム化合物
14.エチレン性不飽和結合を有するモノ又はポリエーテル及びそのエステル
15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエステル
16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルゴール及びそのエステル
17.スチレン、ジビニルベンゼン等、1個以上のエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物
18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、又は末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物
19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物
20.前記1〜19記載の化合物の多量体又はオリゴエステル(メタ)アクリレート変成物
紫外線硬化性バインダを用いて記録層15を形成する場合には、光重合開始剤を混合して用いる。光重合開始剤としては、ジ又はトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイト、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物等が挙げられる。
【0096】
これらのロイコ染料及び顕色剤を用いた記録層15は、図4に示すプロセスで発色・消色する。図4において、横軸は温度を示しており、縦軸は発色の状態を示している。
【0097】
初期の消色状態(A)を加熱すると、温度Th以上でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色し(B)、この状態を急冷すると発色状態のまま固定される(C)。発色状態(C)を加熱していくと、発色温度Thより低い温度Tlで消色し(D)、冷却すれば初期と同様の消色状態となる。また、記録層15が有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層は、温度に依存してその透明度が可逆的に変化する記録層であり、この記録層15の光散乱性が温度に依存して可逆的に変化する性質を利用し構成される。
【0098】
記録層15に用いられる樹脂は、有機低分子物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂母材は透明性がよく、機械的に安定で、かつ、成膜性のよい樹脂が望ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の重化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート又はポリメタクリレート又はアクリレート−メタクリレート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0099】
記録層15に用いられる有機低分子化合物としては、一般に融点30〜200℃、好ましくは50〜150℃程度のものが使用される。このような有機低分子化合物としては、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール又はハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アノレキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和又は不飽和モノ又はジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和又は不飽和ハロゲン脂肪酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミン又はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用される。
【0100】
これらの化合物の炭素数は、10〜60、好ましくは10〜38、特に10〜30がよい。エステル中のアルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。
【0101】
いずれにしても、有機低分子化合物は分子中に酸素、窒素、硫黄およびハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH、−COOH、―CONH、−COOR、−NH−、−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが望ましい。更に、透明化できる温度の幅を広げるには、上記の有機低分子化合物を適宜組合せるか、又は、そうした有機低分子化合物と融点の異なる他の材料とを組合せればよい。
【0102】
これらの有機低分子と樹脂とからなる記録層15は、図5に示すプロセスで透明・白濁する。熱による透明度の変化を表わしている図5において、樹脂及びこの樹脂中に分散された有機低分子化合物を主成分とする可逆記録層は、例えばT0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻しても透明のままである。更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。
【0103】
次に、この温度を下げて行くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合には、透明と不透明との中間の状態をとることができる。また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻る。
【0104】
さらに、記録層15が低分子または高分子液晶を含む記録層に用いられる高分子液晶としては、主鎖または側鎖にメソゲン(液晶性を示す分子)が結合された主鎖型および側鎖型分子液晶等が用いられる。高分子液晶は、通常、重合可能なメソゲン化合物(メソゲンモノマーと呼ぶ)を重合するか、あるいは水素化ポリシリコーン等の反応性ポリマーに付加反応可能なメソゲン化合物を付加させて製造することができる。
【0105】
メソゲンモノマー及び付加反応可能なメソゲン化合物としては、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系等の剛直な分子(メソゲン)に、好ましくは所定の長さのアルキルスペーサを介して、アクリル酸エステル基、メタクリル酸エステル基またはビニル基が結合した種々の化合物等が代表的なものとしてあげられる。
【0106】
・文書管理システムの構成
次に、図6を用いて、本実施形態による文書管理システムの構成例を説明する。
【0107】
図6を参照すると、本実施形態による文書管理システムは、プリンタ601、複写機602、スキャナ603、情報処理装置604,609がネットワーク600を介して接続されている。このネットワーク600としては、イーサネット等を用いたLANであっても、インターネット等であってもよい。
【0108】
また、情報処理装置604は、上述のように、ペン型座標入力装置607や携帯情報端末608等と、それぞれ有線あるいは無線により接続されている。また、情報処理装置609には、ハードディスク等を用いて構成された記憶装置605が接続されており、文書管理データベース606と履歴管理データベース610と文書10と履歴管理文書フォルダ611とが構成されている。
【0109】
ここで、記憶装置605を、情報処理装置609に内蔵されたハードディスクやUSB,IEEE1394等を介して接続されたハードディスク等で構成するだけでなく、シリアル又はパラレル回線、イーサネット等のLANを介して接続されたファイルサーバ等として構成してもよい。即ち、情報処理装置609と通信を行い、対象とする文書10に関する必要な情報を提供する構成であればいかようにも変更することが可能である。
【0110】
上記構成において、作成された文書10は、情報処理装置609に接続された記憶装置605に格納される。文書10は、例えば携帯情報端末608又は情報処理装置604で作成されたものであり、これが情報処理装置609を介して記憶装置605に格納される。
【0111】
記憶装置605に格納されている文書10に対して情報処理装置604又は情報処理装置609又は携帯情報端末608のようなユーザが利用する端末から印刷命令がなされると、文書10は、指定されたプリンタ601又は複写機602において印刷される。但し、文書10が印刷される印刷媒体1は既述のコードシンボルがあらかじめ印刷されているものとする。
【0112】
この際、文書10には、履歴番号と加筆履歴番号とが付与される。ここで、印刷時に履歴番号が予め付与されていなければ、情報処理装置609は、新たに履歴番号‘0’を付与し、既に付与されているならば、この履歴番号を1インクリメントする。また、同時に情報処理装置609は、この文書10に対して加筆履歴番号‘0’を付与する。
【0113】
このようにして各履歴が付与・更新された文書10は、履歴管理データベース610へ登録される。この際、文書10は、履歴管理データベース610へ該当する項目が入力されるだけでなく、文書10そのものもコピーして記憶装置605における履歴管理文書フォルダ611に格納される。履歴管理文書フォルダ611は、履歴管理データベース610の管轄下にあり、登録された文書10と、履歴管理データベース610に格納された各項目と、が関係を有するように構成される。
【0114】
このような履歴管理データベース610への登録及び履歴管理文書フォルダ611への格納は、本文書管理システムで印刷を行うたびにその印刷が行われたすべての文書について行われる。
【0115】
履歴管理データベース610に登録されている項目としては、文書ID、文書名、履歴番号、更新日時、作成者、加筆座標情報ファイルなどである。加筆座標情報ファイルは、ペン型座標情報入力装置607を用いて印刷された文書10に対して加筆した際に取得される座標列が保存されているファイルである。
【0116】
以上、説明した文書の印刷から文書管理データベース606、履歴管理データベース610への登録までを行う方法を、図18のフローチャートを用いて説明する。但し、文書管理データベース606及び履歴管理データベース610は、リレーショナルデータベースで作成されており、予め文書10に関する各項目が登録されているものとする。即ち、対象とする文書10は、今回の更新前の段階で少なくとも1回は印刷されているものとする。
【0117】
図18を参照すると、本動作において、まず、印刷対象の文書10が、例えば情報処理装置604又は609、又は携帯情報端末608、ペン型座標情報入力装置607等で編集される(ステップS801)。この際の動作は、後述の図19の説明において詳細に触れる。
【0118】
対象の文書10を編集後、ユーザがいずれかの装置又は端末から文書10の印刷要求を行うと、この印刷要求がネットワーク600を介して情報処理装置609へ通知され、情報処理装置609よりプリンタ601又は複写機602に対して印刷が命令され、指定したプリンタ601又は複写機606において印刷が実行される(ステップS802)。この際、プリンタ601又は複写機602からは、印刷した文書10の各ページ毎に、印刷媒体1の識別番号(コードシンボル2)を読み取り、これをページ番号と対応させて情報処理装置609へ通知する。
【0119】
また、情報処理装置609では、印刷を命令した文書10に対して、印刷前に履歴番号が付与してあればこれを1インクリメントし、付与してなければ、新たに履歴番号‘0’と加筆履歴番号‘0’とを付与する(ステップS803)。
【0120】
その後、プリンタ601又は複写機602において印刷が正常に完了すると(ステップS804のYes)、情報処理装置609は、印刷された文書10に対して文書IDを付与し、また、プリンタ601又は複写機602から通知された印刷媒体1の識別番号毎に、印刷された文書10の文書名とパス名(文書10の実体が格納されたアドレス)とページ(番号)と総ページ数と文書IDとを文書管理データベース606の同一レコードへ格納する(ステップS805)。更に、情報処理装置609は、上記で付与した文書IDに対応して、ステップS803で付与した履歴番号と加筆履歴番号とを履歴管理データベース610における同一レコードに格納する(ステップS806)。但し、この動作において、図14及び図16における説明されていない項目については、必要に応じて特定し、格納されるものである。
【0121】
このように動作することで、印刷した文書10に関し、各ページ毎が印刷された印刷媒体1の識別番号と更新履歴とを管理することが可能となり、ユーザがペン型座標入力装置607等を用いて加筆入力した際の更新情報を情報処理装置609側で管理することが可能となる。
【0122】
但し、上記構成において、印刷時にプリンタ601又は複写機602に対して文書10の内容だけでなく、文書管理データベース606及び履歴管理データベース610に格納されている各項目内容のうち、必要なものも印刷時に通知することにより、上記の動作におけるステップS803を、プリンタ601又は複写機602において実行することが可能となる。
【0123】
・印刷動作
次に、上記図18の動作におけるステップS802(印刷)に関して、以下に詳細に説明する。但し、本説明では、印刷先をプリンタ601とした場合を例に挙げる。また、プリンタ601において対象とする文書10を印刷する際、情報処理装置609からは対象とする文書10の情報(印刷用データ)が通知される。
【0124】
プリンタ601は、ネットワーク600を介して通知された情報を受け取り、文書10の印刷用データを印刷イメージに展開し、コードシンボル2付き印刷媒体1に印刷する。印刷媒体1が通常の紙でできている場合、プリンタ601は電子写真方式で良いが、既述の書き換え可能な媒体である場合、熱転写方式を使用する。印刷時には、プリンタ601は印刷媒体1のコードシンボル2を読み取る。この読取りに関して図7を用いて説明する。
【0125】
・・コードシンボル読み取り動作
図7は、本実施形態による電子写真方式のプリンタ(601)の例を示す構成図である。
【0126】
図7を参照すると、本実施形態によるプリンタ601は、給紙カセット702とコードシンボル読取り部703,703’と印刷カートリッジ704とコントローラ705と定着ローラ706と排紙トレイ707と通信ポート708と排紙ローラ709とを有して構成される。また、プリンタ601の最下部分に装着された給紙カセット702には、コードシンボル2付き用紙として印刷媒体1がセットされている。
【0127】
この構成において、通信ポート708を介して例えば図6の情報処理装置609との通信により、印刷命令を受けてプリンタ601は印刷を開始する。印刷時に印刷媒体1は、給紙カセット702からローディングされる。給紙中にコードシンボル読取り部703により印刷媒体1にあらかじめ印刷されているコードシンボル2が読み取られる。読み取った画像(コードシンボル2)は、コントローラ705へ転送され、コードシンボル2のデコードやエンコードされている情報の取得、あるいは通信ポート708を通じて外部への送信などの処理が行われる。
【0128】
印刷カートリッジ704で形成されたトナー画像が転写され、定着ローラ706でトナーの定着が行われた印刷媒体1は、その後、排紙ローラ709を通って排紙トレイ707に排紙される。また、コードシンボル読取り部703は給紙部分にある必要性はなく、定着ローラの直後(図中、703’)にあっても構わない。
【0129】
ここで、コードシンボル読取り部703の詳細な構成について説明する。コードシンボル読取り部703は図6のペン型座標入力装置607に具備されている画像読取装置806と同様な構成で実施することができる。従って、まず、ペン型座標入力装置607について図8を用いて説明する。
【0130】
図8は、本文書管理処理システムで用いるペン型座標入力装置607の概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、このペン型座標入力装置607は、人が手に持って筆記動作を行うことができる筆記具状の装置本体807を備えている。従って、装置本体807の先端部805には、必要であれば、ボールペン、シャープペンシル等の加筆機能部分等を取り付けて、現実に筆記可能としてもよい。
【0131】
また、装置本体807の側部に設けられた画像読取装置806は、例えば、CCDなどの光電変換素子806aと、レンズなどからなる光学系806bとから構成されており、印刷媒体1上の画像(コードシンボル2)を読み取ることが可能なように構成されている。尚、画像読取装置806には、必要に応じて照明を設けてもよい。また、画像読取装置806の搭載場所としては、図8のように、装置本体807の側部に設けてもよいし、装置本体807内部に設けてもよい。これは、加筆された(先端部805が接する)座標を読み取ることが可能な場所であればいかなる場所でもよい。即ち、読み取った座標に対して所定の処理を施すことにより、正確に先端部805が位置する座標を特定することができる程度の十分な画像を読み取ることができるのであれば、いかなるように設けてもよい。
【0132】
装置本体807には、マイコン808が搭載されていて、このマイコン808には、画像読取装置806が接続されている。従って、マイコン808は、画像読取装置806で読み取った印刷媒体1上の画像に基づいた各種処理を行うものである。即ち、読み取ったコードシンボル2をデコードし、読み取った画像上におけるコードシンボル2の位置、向き、歪み量を検出する。本実施形態では、このようにデコード手段、歪み量等算出手段を実現している。但し、詳細については後述する。
【0133】
また、マイコン808は、装置本体807の外部のPCなどの情報処理装置604と通信可能であり、マイコン808内に蓄積したデータを情報処理装置604に送信する。尚、マイコン808を装置本体807に搭載するのに代えて、画像読取装置806を情報処理装置604と接続し、マイコン808で行う処理を情報処理装置604で実行する、即ち、ペン型座標入力装置607側では、画像読取装置806に通信手段を設け、読み取った画像データをそのまま情報処理装置604へ送信するように構成してもよい。これにより、ペン型座標入力装置607の携帯性の向上及び消費電力の削減を行うことが可能となる。
【0134】
図8では、画像読取装置806、マイコン808などに電力を供給する電源や、マイコン808と情報処理装置604とのインターフェイスなどは図示を省略しているが、実際には情報処理装置604又は内部に設けられた電池等から電力は供給される。
【0135】
また、マイコン808に、LCD表示装置809、LED810、又はブザー811を接続し、情報処理装置604から受信した情報をLCD表示装置809に表示したり、特定の情報を受信した場合にLED810を点滅させたり、ブザー811を鳴らしたりすることで、ユーザに対して必要な情報を呈示することが可能となる。
【0136】
また、装置本体807には、先端部805の部分が筆記面に接触しているかどうかを検出する手段を設けるのが望ましい。すなわち、先端部805部分にペン軸に沿った方向に可動するスイッチや電気に紙面との接触を検知するスイッチを設け、先端部805が筆記面に接触した場合に、それを機械的又は導電性の変化等により検出して、先端部805が筆記面に触れているか否かを検出するよう構成する。これにより、ペン型座標入力装置607の動作を最小限に抑え、消費電力を削減することが可能となり、更に、ユーザが所望するときのみ、印刷媒体1上から情報を取得することが可能となる。
【0137】
・・・撮像画像例1
図9は、ペン型座標入力装置607を用いて、図1に示す印刷媒体1を読み取った画像例である。ペン型座標入力装置607による撮影範囲を、コードシンボル2の幅の少なくとも倍以上にしておけば、少なくとも一つのコードシンボル2を常時画像の読み取り範囲内に捉えることが可能となる。
【0138】
ここで、例えば、図9の枠91内のコードシンボル2を読み取り、それに含まれている座標情報をマイコン808でデコードした結果が「1234560102」と得られれば、ペン型座標入力装置607は、少なくとも図9に示す四角の枠91の大きさの精度で印刷媒体1上の座標位置を検出することができる。
【0139】
本実施形態では、図9に示すような画像をマイコン808又は情報処理装置604で処理して、この画像内のコードシンボル2の位置、向き、歪み量を検出する。即ち、コードシンボル2内に座標情報のデータ領域のほか、位置、向き、歪み量を検出しやすいような特殊なパターン領域を設ける。図9では、QR(Quick Response)コードを例に挙げているが、本実施形態では、このQRコードにおいて3ヶ所ある特殊領域a,b,cをそれぞれ探し出し、それぞれの位置や互いの位置関係、サイズ比較等により、コードシンボル2全体の画像上における、位置、向き、歪み量を検出する。
【0140】
ここで、説明の簡易化のため、図9に示す画像上における中心が先端部805の位置であり、且つ、紙面に対して垂直にペン型座標入力装置607のペン軸が向いていると仮定して以下の説明を行う。図9に示す画像が得られたとすると、この画像で2次元コードをデコードすると、図9のコードシンボル2がデコードされ、例えば「1234560102」という座標情報が得られる。
【0141】
一方、説明のため、撮像画像12とコードシンボル2をの位置関係を図示したものを図10に示す。この図10では、撮像画像12の中心とコードシンボル2の中心とが一致している(すなわち両中心間のオフセットが0である)例を示している。コードシンボル2の印刷位置は既知であるので、例えば座標情報が「1234560102」のコードシンボル2の中心が紙面の左上から(10mm,20mm)と得られる。一方、撮像画像12の中心とコードシンボル2の中心とが一致しているので、先端部805は、紙面座標における(10mm,20mm)の位置にあると求めることができる。
【0142】
・・・撮像画像例2
また、図11は、撮像された枠91内に含まれる画像(コードシンボル2)の別の例である(図9の別の例)。また、図12は、図11に示す例に対して、図10に相当する別の例である。この図11、図12に示す例では、コードシンボル2の位置は、撮影画像12の中心にはなく、コードシンボル2の中心と撮影画像12の中心とが、撮像画像12の中心からオフセット値d,eを持っている。この撮影画像上のオフセット量(例えば画素数値)は、例えば撮像画像12の中心や左上隅等の所定の点を基準として容易に求めることができる。更に、コードシンボル2の実寸が既知であるので、オフセット値d,eの実寸を求めることができる。例えば、オフセット値が(2mm,5mm)と求まれば、先端部805の座標は(12mm,15mm)と求めることができる。
【0143】
・・・撮像画像例3
図9、図11の例は、説明を簡易化するための理想的な画像であったが、一般的には、画像読取装置806で読み取られる画像は、コードシンボル2が傾いたり、歪んだりした画像となる。このような場合のコードシンボル2を外枠でのみ図示した撮像画像12が図13である。このとき、撮像画像12中におけるコードシンボル2の傾きαにより装置本体807の回転量が求まる。また、コードシンボル2の歪fにより、装置本体807の傾き量がわかる。さらに、先端部805の位置は撮像画像12の中心とは限らないが、撮像画像12と先端部805との位置関係は一定であるので、これも求めることができる。したがって、コードシンボル2をデコードしたデータと、コードシンボル2の位置、傾き、歪み量の各量の計算値より、先端部805の位置をより正確に求めることができ、これにより座標検出手段を実現することができる。
【0144】
このようなペン型座標入力装置607を用い、印刷媒体1上での先端部805の位置検出を連続的に行えば、印刷媒体1上での先端部805の移動軌跡を求めることができる。また、上記のような先端部805が筆記面に接触しているかどうかを検出する装置を設ければ、装置本体807で印刷媒体1上に筆記を行ったときの筆記軌跡のみを求めることができる。そのときの筆記軌跡のデータ(座標情報の集合)は、マイコン808の記憶装置(RAM等で構成されたもの)に記憶させる。また、上記のようにペン型座標入力装置607内部にマイコン808を設けない場合は、情報処理装置604の記憶装置(RAM等で構成されたもの)に記憶する。
【0145】
また、前述したように、プリンタ601のコードシンボル読取部703又は703’も、上述のようなペン型座標入力装置607の画像読取装置806と同様の構成とすることが可能である。
【0146】
このコードシンボル読取部703(703’)は、プリンタ601のコントローラ705に接続される。コントローラ705は、ペン型座標入力装置607に具備するマイコン808に相当し、印刷媒体1のコードシンボル2の画像と、そのコードシンボル2が添付されている印刷媒体1に印刷する文書の情報(文書情報)とを関連付け、通信ポート708を介して情報処理装置609等の外部装置へ送信する。
【0147】
これに対し、情報処理装置609等の外部装置は、関連付けされた情報のうちのコードシンボル2の画像をデコードし、コードシンボル2に埋め込まれた印刷媒体1の識別情報「123456」を取得し、この識別情報と文書情報とを文書管理データベース606の新たなレコードへ登録する。
【0148】
・・文書管理データベース606
文書管理データベース606で管理される項目を図14に示す。図14を参照すると、文書管理データベース606に格納される項目は、印刷媒体の識別情報、文書名、パス名、作成者、履歴管理データベースでの文書ID、更新日時、ページ、総ページ数、複写フラグなどである。
【0149】
また、コントローラ705でコードシンボル2の画像をデコードし、コードシンボル2に埋め込まれた印刷媒体1の識別情報「123456」を取得してもよい。このように関連付けする場合は、関連付けを行うためのデータにコードシンボル2の画像を含まないため、情報処理装置609等の外部装置でデコードを行う場合よりも送信データが小さく、通信に時間がかからないので効果的である。
【0150】
尚、この関連付けされた情報は、印刷媒体1への印刷が1ページずつ正常に終了する毎に作成され、情報処理装置609へ送信される。但し、印刷媒体1への印刷がエラーなどにより中止された場合、関連付けされた情報は破棄される。
【0151】
また、ペン型座標入力装置607により取得した座標情報は、そのままの画像情報として、又は、ペン型座標入力装置607内部でデコードされて、情報処理装置604等の外部装置へ送信され、外部装置において必要に応じて所定の処理(デコード等)が行われる。
【0152】
以上の説明において、コードシンボル読取部703,703’には二次元素子を使用したが、一次元のラインセンサを用いても良い。この際、密着型のCCDラインセンサを用いることにより、光学系のとるスペースも必要ないので、ペン型座標入力装置607やコードシンボル読取装置806を小型化することが可能となる。また、一次元ラインセンサを用いた場合には図15に示すように、密着型ラインセンサ151に読み出し制御回路152を設け、コードシンボル2の画像をデコードするために必要十分なライン数だけを読み出すようにする。読み出された画像はプリンタ601のコントローラ705へ出力される。
【0153】
・プリンタ601として熱転写プリンタ1701を適用した場合
また、プリンタ601の他の例として熱転写方式のプリンタがある。図17はその概略構成図である。図17を参照すると、本構成による熱転写プリンタ本体1701と図7に示すプリンタ601との構成上の相違点は、印刷カートリッジ704が印刷ヘッド704’に変更され、それに伴いコントローラ705の印刷エンジン制御が変更されコントローラ705’とされた点である。また、本構成において、定着ローラ706は必要なくなる。その他の機能はプリンタ601と同等であり本文書管理システムに必要な機能は備わっている。
【0154】
この熱転写方式のプリンタの用紙として前述した書き換え可能な印刷媒体1を使用することができ、同じ印刷媒体1に何度も印刷することができ、媒体の節約になる。再書き込みする場合には、上書きされる文書と印刷媒体1の識別情報との関連付けは無効になり、あらたな文書と印刷媒体1の識別情報との関連付けが発生するので、文書管理データベース606の更新が行われる。
【0155】
・文書管理システムの全体動作
さて、印刷した後の文書にペン型座標入力装置607で加筆した際に本実施形態による文書管理システムがどのように動作するかを図6を用いて説明する。本動作を説明するにあたり、印刷媒体1上に文書が予め上述した手順により印刷されているとする。
【0156】
・・加筆時の動作
本実施形態によるペン型座標入力装置607を用いて、その文書に加筆すると、前述したように、印刷媒体1上のコードシンボル2が読み取られ、座標情報がペン型座標入力装置607で取得される。このとき、印刷媒体1のユニークな識別情報も取得されるが、これは、以下の説明において座標情報に含まれるものとして説明する。
【0157】
取得された座標情報は、ペン型座標入力装置607から情報処理装置604へ送信される。ここで、ペン型座標入力装置604は、座標を読み取る度に、逐次情報処理装置604へ送信するよう構成してもよいし、所定の量、座標情報が蓄えられた時点で情報処理装置604へ送信するよう構成してもよい。また、情報処理装置604側では、加筆が終了するまで座標情報を内部の記憶装置に蓄える。但し、加筆の終了の判断は、ユーザが情報処理装置604又はペン型座標入力装置607に対して所定の操作を行った場合とする。
【0158】
また、情報処理装置604は、座標情報を受け取った場合、その座標情報の一部(印刷媒体1のユニークな識別情報)を文書管理データベース606を管理する情報処理装置609へ転送する。情報処理装置609は、受信した座標情報を元に、文書管理データベース606から現在加筆される文書を特定する。ここで特定された文書が図14の識別番号「123456」の「patent.doc」であるとする。この際、履歴管理データベース606の文書IDも特定されるので、この文書IDを基に、履歴管理データベース610の対応するレコードを特定する。
【0159】
もし、文書管理データベース606において、識別番号(「123456」)と同一レコードに格納された文書ID(1)に対応する履歴管理データベース610の各レコードにおいて、履歴番号が同一のものが複数存在するならば、この文書は、ペン型座標入力装置607で加筆された文書であるということがわかる。この場合、情報処理装置609は、該当するレコードの中から加筆履歴番号の最も大きい「patent.doc」を選択することで、履歴管理されているファイルの実体「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」を特定することができる。ファイル名「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」における後部の‘2’は履歴番号、‘1’は加筆履歴番号を指す。このように特定された文書情報は、ペン型座標入力装置607へ送信され、ペン型座標入力装置607のLCD表示装置809においてユーザへ表示する。
【0160】
また、加筆しようとしている文書が履歴管理データベース610において最新のものでない、即ち、現在加筆使用としている文書よりも後に印刷した文書(この場合、後の文書が先の文書に対して加筆更新されてることを問わない)が存在する場合(例えば図16の履歴管理データベース610において、加筆しようとする文書が文書ID=‘1’のものであった場合、この文書が最新履歴のものではなく、最新履歴の文書が文書ID=‘6’の「patent_doc_2_1」であることがわかる)、最新履歴ではないという情報が情報処理装置604からペン型座標入力装置607へ送信される。
【0161】
ペン型座標入力装置607では、最新履歴でない旨の情報を受信すると、LCD表示装置809に、警告として「最新情報ではありません」という意味の表示を行う。あるいは、同時にLED810を点滅させてもよいし、ブザー811を鳴らして外部に知らせても良い。このように構成することで、ユーザが今加筆しようとしている文書がどの履歴に該当するのか、それが最新履歴のものであるか等をすぐに判断することが可能になる。
【0162】
上記のように構成・動作することで、履歴管理されているファイルの実体が特定できたので、情報処理装置604は「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_0」をそれが関連付けられているアプリケーション(例えばワープロソフト)で開き、情報処理装置604に接続されたディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示し、これを編集状態とする。その後、情報処理装置604は、編集状態とされた文書「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_0」に、ペン型座標入力装置607から順次送信されてくる座標情報を描画する。
【0163】
描画する方法としては、文書のウィンドウに新たな描画オブジェクトを開き、受信した座標を線でつないで描画することで実現することができる。加筆が終了した時点で、ペン型座標入力装置607は加筆終了の信号を情報処理装置604へ送信し、加筆終了の信号を受け取った情報処理装置604は、ウィンドウへの描画を終了し、加筆内容を保存する。これにより、文書「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_0」に一つのオブジェクトが加えられたことになる。
【0164】
本実施形態では、加筆した情報をリアルタイムでコンピュータのディスプレイ上に表示し、実際に加筆した情報が正しく処理されているかどうかがすぐさま確認できるのでユーザにとって大きなメリットになる。また、情報処理装置604では受信した座標情報を数列テキストとして同時に別ファイルとして保存する。このように構成することで、文書が巨大な場合など、ユーザが後にアプリケーションを開いて加筆されたデータを確認するときに一目で確認することが不可能な場合に、加筆されたデータのみを表示・確認させることができるので有効である。
【0165】
・・加筆済み文書保存時の動作
次に、加筆が終了し、加筆された文書を保存する時の動作を説明する。座標情報を数列テキストとして保存したファイル「patent_doc_2_0.ary」を履歴管理文書フォルダ611へ保存する。加筆された文書は、加筆履歴番号が更新され、履歴管理文書フォルダ611に「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」として保存される。同時に履歴管理データベース610に「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_1」に対応する新規のレコードが登録され、「\\machine609\履歴管理文書フォルダ\patent_doc_2_0」に対応するレコードの項目「加筆座標情報ファイル」に「patent_doc_2_0.ary」が追加され、履歴管理データベース610が更新される。この際、新たなレコードには新たな文書IDが付与される。
【0166】
・・全体動作
以上、説明した加筆時の文書の取得、編集、履歴更新、各データベースの更新の方法を、図19のフローチャートを用いて説明する。
【0167】
図19に示す動作では、まず、ユーザによりペン型座標入力装置607を用いて加筆されることで開始される。ペン型座標入力装置607で印刷媒体1上の座標情報(印刷媒体1の識別情報も含む)を取得すると(ステップS1901)、これが情報処理装置604を介して情報処理装置609へ通知され、情報処理装置609において文書管理データベース606が参照されて、対応する文書IDが特定される(ステップS1902)。その後、情報処理装置609は、特定した文書IDを用いて履歴管理データベース610を参照し、該当するレコードを特定して、印刷媒体1上に印刷された文書に対する各項目を取得し、この項目情報よりペン型座標入力装置607のLCD表示装置809へ表示する情報を特定(作成)して、これをペン型座標入力装置607へ送信する(ステップS1903)。但し、この動作において、同一の識別情報及び履歴番号に対応するレコードが、履歴管理データベース610において複数存在する場合、情報処理装置609は、最も加筆履歴番号が大きいレコードを選択する。また、ペン型座標入力装置607では、受信した情報がLCD表示装置809においてユーザへ呈示される。
【0168】
また、情報処理装置609は、取得した各項目に基づいて、対象の文書が最新のものであるか(後に印刷されたものがないか)を判定し(ステップS1904)、最新のものでなければ(ステップS1904のNo)、このことをペン型座標入力装置607へ通知する(ステップS1905)。この際、ペン型座標入力装置607では、このことがLCD表示装置809やLED810やブザー811等を介してユーザへ通知される。
【0169】
その後、情報処理装置604は、該当する文書を対応するアプリケーションでディスプレイ上に開き、ユーザに対してペン型座標入力装置607を用いた文書の表示や編集を開始させる(ステップS1906)。
【0170】
また、情報処理装置604は、ペン型座標入力装置607より入力された座標情報に基づいて作成される図形を保存するためのファイルを、新規図形オブジェクトとして作成する(ステップS1907)。
【0171】
その後、情報処理装置604は、ペン型座標入力装置607から読み取った座標情報を順次取得し(ステップS1908)、この座標情報に基づいて描画される図形を上記で開いた文書上に重畳して表示し(ステップS1909)、また、取得した座標情報を新規図形オブジェクトファイルに保存する(ステップS1910)。
【0172】
情報処理装置1911は、ユーザによるペン型座標入力装置607を用いた加筆が終了する(ステップS1911のYes)まで、ステップS1908からステップ1910のプロセスを繰り返す。
【0173】
その後、ユーザによる加筆が終了すると、情報処理装置604は、加筆対象の文書の加筆履歴番号を1インクリメントし、且つ、この文書を保存する(ステップS1912)。また、情報処理装置604は、ステップS1912で更新・保存した内容を情報処理装置609へ送信し、情報処理装置609において履歴管理データベース610の該当するレコードの項目を更新する(ステップS1913)。
【0174】
これにより、本実施形態では、ペン型座標入力装置607で加筆された内容に基づいて、該当する文書の更新が行われる。
【0175】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る文書管理システムによれば、印刷媒体に割り当てられているユニークな識別情報と対応して、印刷媒体に印刷された文書に対応する電子データの更新情報を管理することを特徴とし、これにより、電子文書の管理・修正を容易にすることが可能となる。また、本発明によれば、電子文書だけでなく印刷した文書の履歴をも管理することが可能になる。
【0176】
更に、本発明に係る文書管理システムによれば、ユニークな識別情報が、印刷媒体の所定の領域に記録されており、印刷媒体からユニークな識別情報を読み取り、読み取った当該ユニークな識別情報を、電子データと関連付けて管理することを特徴とし、これにより、文書印刷時に、自動的に文書の管理及び履歴の管理が文書管理システムに登録されるので、ユーザが文書の履歴管理を意識しないで使用することが可能になる。
【0177】
更に、本発明に係る文書管理システムによれば、印刷媒体の前記所定の領域に、当該印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報が記録されており、印刷媒体から座標情報を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図形オブジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子データに貼り付けることを特徴とし、これにより、加筆情報を文書にオブジェクトとして貼り付けることで、ユーザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわかるようになり、利便性を向上させた文書管理システムを提供することが可能となる。
【0178】
更に、本発明に係る文書管理システムによれば、読み取った座標情報と関係付けられた電子データを、関係付けられる前の電子データとは別の電子データとして、更新情報を管理することを特徴とし、これにより、加筆した文書の履歴を更新することで、電子的な修正、紙上での加筆の両方の更新履歴を扱えるようになる。
【0179】
更に、本発明に係る文書管理システムによれば、印刷媒体から前記ユニークな識別情報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情報に対応する電子データを特定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定した当該電子データに対応する更新情報に基づく文書情報を、表示装置を介してユーザに呈示することを特徴とし、これにより、現在加筆している文書が最新のものであるか否か等を判別することが可能になる。
【0180】
更に、本発明に係る文書管理システムによれば、読み取った前記座標情報に基づいて、描画された図形を表示装置に再現することを特徴とし、これにより、電子文書の管理・修正を容易にすることが可能となる。また、本発明によれば、現在加筆している内容が正しく文書に反映されているかどうかを確認することが可能となる。
【0181】
また、本発明に係る文書管理方法によれば、印刷媒体に割り当てられているユニークな識別情報と対応して、印刷媒体に印刷された文書に対応する電子データの更新情報を管理することを特徴とし、これにより、電子文書だけでなく印刷した文書の履歴をも管理することが可能になる。
【0182】
更に、本発明に係る文書管理方法によれば、印刷媒体の所定の領域に記載されたユニークな識別情報を読み取り、読み取った当該ユニークな識別情報を、電子データと関連付けて管理することを特徴とし、これにより、文書印刷時に、自動的に文書の管理及び履歴の管理が登録されるので、ユーザが文書の履歴管理を意識しないで使用することが可能になる。
【0183】
更に、本発明に係る文書管理方法によれば、印刷媒体の所定の領域に記載された所定の位置を基準とする座標情報を読み取り、読み取った座標情報に基づいて図形オブジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを電子データに貼り付けることを特徴とし、これにより、加筆情報を文書にオブジェクトとして貼り付けることで、ユーザが文書のどの部分に加筆されたかを一目でわかるようになり、利便性を向上させることが可能となる。
【0184】
更に、本発明に係る文書管理方法によれば、読み取った座標情報と関係付けられた電子データを、関係付けられる前の電子データとは別の電子データとして、更新情報を管理することを特徴とし、これにより、加筆した文書の履歴を更新することで、電子的な修正、紙上での加筆の両方の更新履歴を扱えるようになる。
【0185】
更に、本発明に係る文書管理方法によれば、印刷媒体からユニークな識別情報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情報に対応する電子データを特定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定した当該電子データに対応する更新情報に基づく文書情報を、ユーザに呈示することを特徴とし、これにより、現在加筆している文書が最新のものであるか否か等を判別することが可能になる。
【0186】
更に、本発明に係る文書管理方法によれば、読み取った座標情報に基づいて、描画された図形を再現して表示することを特徴とし、これにより、現在加筆している内容が正しく文書に反映されているかどうかを確認することが可能となる。
【0187】
また、本発明に係る情報読取装置は、印刷媒体の所定の領域に記載されているユニークな識別情報、及び/又は、印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報を読み取る情報読取手段と、情報読取手段により読み取ったユニークな識別情報及び/又は座標情報を送信する読取情報送信手段と、を有し、ユニークな識別情報及び/又は座標情報を読み取った場合、ユニークな識別情報及び/又は座標情報を読取情報送信手段より送信することを特徴とし、これにより、印刷した文書に関する履歴等の管理を実現することが可能になる。
【0188】
また、発明の実施の形態に記載の本発明によれば、別ファイルとして加筆情報を保存することにより、加筆情報の検索が容易になる。
【0189】
また、発明の実施の形態に記載の本発明によれば、文字あるいは記号を用いて、加筆しようとしている文書の情報を確認することが可能になる。
【0190】
また、発明の実施の形態に記載の本発明によれば、光によって加筆しようとしている文書の情報を確認することが可能になる。
【0191】
また、発明の実施の形態に記載の本発明によれば、音声によって加筆しようとしている文書の情報を確認することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による印刷媒体1上に配置されるコードシンボル2を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態による印刷媒体1の層構造例を示す図である。
【図3】図2に示す印刷媒体1における記録層15と支持体13との間に下引き層18を設けた場合の層構造を示す図である。
【図4】ロイコ染料及び顕色剤を用いた可逆性記録層が発色・消色するプロセスを説明するための図である。
【図5】有機低分子と樹脂とからなる可逆性記録層が透明・白濁するプロセスを説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態による文書管理システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態によるプリンタ601の構成を示す図である。
【図8】図6に示す文書管理システムにおけるペン型座標入力装置607の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態によるペン型座標入力装置607により読み取ったコードシンボル2の画像例を示す図であり、コードシンボル2の中心が撮像画像12の中心と合致している場合の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態において、撮像画像12とコードシンボル2とをの位置関係を示す図であり、コードシンボル2の中心が撮像画像12の中心と合致している場合の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態によるペン型座標入力装置607により読み取ったコードシンボル2の画像例を示す図であり、コードシンボル2の中心が撮像画像12の中心からオフセットを持っている場合の例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態において、撮像画像12とコードシンボル2とをの位置関係を示す図であり、コードシンボル2の中心が撮像画像12の中心からオフセットを持っている場合の例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態において、読み取られた撮像画像12に含まれるコードシンボル2の中心からのオフセットや傾きや歪みを示す図である。
【図14】本発明の一実施形態による文書管理データベース606のデータ構造を示すテーブルである。
【図15】本発明の一実施形態によるプリンタ601において一次元ラインセンサを適用した場合の概略構成及び動作を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施形態による履歴管理データベース610のデータ構造を示すテーブルである。
【図17】本発明の一実施形態によるプリンタ601として熱転写方式を利用した場合の概略構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の一実施形態における文書の印刷から各データベースへの項目の登録までを行う動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態における加筆時の文書の取得、編集、履歴更新、各データベースの更新の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 印刷媒体
2 コードシンボル
10 文書
13 支持体
12 撮像画像
14 コードシンボル層
15 記録層
16 中間層
17 保護層
18 下引き層
91 画像
601 プリンタ
602 複写機
603 スキャナ
604、609 情報処理装置
605 ハードディスク
606 文書管理データベース
607 ペン型座標入力装置
608 携帯情報端末
610 履歴管理データベース
611 履歴管理文書フォルダ
702 給紙カセット
703、703’ コードシンボル読取り部
704 印刷カートリッジ
704’ 印刷ヘッド
705、705’ コントローラ
706 定着ローラ
707 排紙トレイ
708 通信ポート
709 排紙ローラ
805 先端部
806 画像読取装置
806a 光電変換素子
806b 光学系
807 装置本体
808 マイコン
809 LCD表示装置
810 LED
811 ブザー
151 密着型ラインセンサ
152 読み出し制御回路
1701 熱転写プリンタ本体

Claims (8)

  1. 電子データと、前記電子データを印刷媒体に印刷した文書との更新情報を管理する文書管理システムであって、
    ユニークな識別情報を有し当該印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報が記録されている印刷媒体に、電子データを印刷したとき、当該印刷媒体に印刷された当該電子データに係る文書の印刷履歴を、当該印刷媒体から光学的に読み取った前記識別情報と対応付けて管理し、
    前記文書への加筆がなされると、前記文書から、前記識別情報及び前記座標情報を読み取り、読み取った前記座標情報に対応する座標を線でつないで描画された図形オブジェクトを作成し、
    当該図形オブジェクトを、前記文書に対応する電子データに貼り付けて、前記電子データを更新するとともに、当該電子データの加筆履歴番号を1インクリメントして、読み取った前記識別情報に基づいて前記文書に対応する電子データへの加筆履歴を、電子データの更新情報として管理すること、
    を特徴とする文書管理システム。
  2. 読み取った前記座標情報と関係付けられた前記電子データを、関係付けられる前の前記電子データとは別の電子データとして、更新情報を管理することを特徴とする請求項記載の文書管理システム。
  3. 前記文書から、前記識別情報及び前記座標情報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情報に対応する前記電子データを特定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定した当該電子データに対応する加筆履歴に基づく文書情報を、表示装置を介してユーザに呈示することを特徴とする請求項1又は2に記載の文書管理システム。
  4. 読み取った前記座標情報に基づいて、前記図形オブジェクトを前記表示装置に再現することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の文書管理システム。
  5. 電子データと、前記電子データを印刷媒体に印刷した文書との更新情報を管理する文書管理システムにおける文書管理方法であって、
    前記文書管理システムは、
    ユニークな識別情報を有し当該印刷媒体の所定の位置を基準とする座標情報が記録されている印刷媒体に、電子データを印刷したとき、当該印刷媒体に印刷された当該電子データに係る文書の印刷履歴を、当該印刷媒体から光学的に読み取った前記識別情報と対応付けて管理し、
    前記文書への加筆がなされると、前記文書から、前記識別情報及び前記座標情報を読み取り、読み取った前記座標情報に対応する座標を線でつないで描画された図形オブジェクトを作成し、当該図形オブジェクトを、前記文書に対応する電子データに貼り付けて、前記電子データを更新するとともに、当該電子データの加筆履歴番号を1インクリメントして、読み取った前記識別情報に基づいて前記文書に対応する電子データへの加筆履歴を、電子データの更新情報として管理すること、
    を特徴とする文書管理方法。
  6. 前記文書管理システムは、読み取った前記座標情報と関係付けられた前記電子データを、関係付けられる前の前記電子データとは別の電子データとして、更新情報を管理することを特徴とする請求項5記載の文書管理方法。
  7. 前記文書管理システムは、前記文書から、前記識別情報及び前記座標情報を読み取った際、読み取った当該ユニークな識別情報に対応する前記電子データを特定し、特定した当該電子データの文書内容、又は、特定した当該電子データに対応する加筆履歴に基づく文書情報を、ユーザに呈示することを特徴とする請求項5又は6に記載の文書管理方法。
  8. 前記文書管理システムは、読み取った前記座標情報に基づいて、前記図形オブジェクトを再現して表示することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の文書管理方法。
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