JP2003065843A - 紫外線受光器及び紫外線受光装置 - Google Patents

紫外線受光器及び紫外線受光装置

Info

Publication number
JP2003065843A
JP2003065843A JP2001254366A JP2001254366A JP2003065843A JP 2003065843 A JP2003065843 A JP 2003065843A JP 2001254366 A JP2001254366 A JP 2001254366A JP 2001254366 A JP2001254366 A JP 2001254366A JP 2003065843 A JP2003065843 A JP 2003065843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultraviolet light
ultraviolet
light
substrate
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001254366A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Yagi
茂 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2001254366A priority Critical patent/JP2003065843A/ja
Publication of JP2003065843A publication Critical patent/JP2003065843A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線の強度を広い入射角で正確に測定可能
であり、かつ遠隔操作が可能な、小型で薄型の紫外線受
光器及び紫外線受光装置を提供する。 【解決手段】 基板上に、少なくとも、Al、Ga及び
Inから選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含む光半
導体層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子を有
し、前記基板の端面が受光面である紫外線受光器であ
る。また、基板上に、少なくとも、Al、Ga及びIn
から選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含む光半導体
層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子を有し、前
記光半導体層に光を入射する光伝送部材を備えてなる紫
外線受光器である。さらに、前記紫外線受光器を並置し
た紫外線受光装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離れた場所や狭い
場所での紫外線を測定することのできる小型の紫外線受
光器及び紫外線受光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、紫外線や短波長光の工業的利用は
多方面に渡っている。特に、紫外線は、半導体集積素子
の製造工程において、露光時の解像度の向上を図るため
に盛んに利用されており、近年の半導体集積素子の超微
細化に伴って、製造工程の縮小光学系によるフォトリソ
工程において使用される紫外線の光源は、水銀灯(36
5nm)から、さらに短波長のエキシマーレーザのKr
F(248nm)やArF(193nm)へと変化して
きている。このように、光(紫外線や短波長を含む)を
工業的に利用する際には、それらの光の強度を正確に測
定する技術が要求される。
【0003】従来から、紫外線の強度測定には、シリコ
ンフォトダイオードなどの汎色性の検出器に、長波長カ
ット短波長透過フィルターと、該フィルターの可視域で
の二次光透過域をカットする長波長カット短波長透過フ
ィルターとを組み合わせたものが紫外線検出センサーと
して使用されている。しかしながら、このようなカット
フィルターは、良好な組み合わせを得ることが困難であ
ると共に、積層化により紫外光感度が低くなり、また、
常に透過可視光に対する誤差やフィルター劣化による経
時変化が大きく、寿命が短いという問題を有していた。
【0004】さらに、シリコンフォトダイオードは、短
波長光の場合には表面吸収により活性部に光が届かなか
ったり、表面欠陥による再結合等により400nm以下
の波長域において低感度になるという問題を有してい
た。加えて、300nm以下では感度が波長により大き
く変動するため正確な光量を求められないという問題も
有していた。
【0005】また、短波長に感度のあるGaPなどの半
導体と長波長カット短波長透過フィルターの組み合わせ
も使用されている。この場合も、300nm以下の紫外
線の場合には、二次光域に感度を持つため、短波長透過
長波長カットフィルターも必要になる。このようなフィ
ルターは短波長領域に透過する材料が限られるため、フ
ィルターが高価になる。結果として、このような領域の
紫外線センサーは寿命が短く、低感度でかつ高価であっ
た。
【0006】さらに、このような短波長透過フィルター
を使用する場合、目的の紫外光を得るためにはフィルタ
ーの角度依存性が大きいため、目的の波長領域を正確に
測定するためには入射角のふれ幅は限りなく小さくする
必要があり、理想的には垂直入射が望まれる。光路を垂
直に保つためには、受光器への導光部を長くせざるを得
ず、このため正確な受光器ほど長いものになる。また、
そのため受光部は大きくならざるを得なかった。
【0007】一方、紫外線強度を正確に測定する用途に
よっては、狭い隙間により光源から隔てられた場所や、
光源から離れた場所を、外部から測定をすることが必要
となる場合がある。かかる場合には、測定する紫外線を
受光する方向や、測定器を操作する空間が制限されるこ
とから、種々の角度からの光入射に対応でき、かつ遠隔
操作が可能な、小型で薄型の測定器が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、上記従来における問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本
発明は、紫外線の強度を広い入射角で正確に測定可能で
あり、かつ遠隔操作が可能な、小型で薄型の紫外線受光
器及び紫外線受光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、薄型の紫外
線受光素子における紫外線入射特性を検討した結果、紫
外線受光素子を構成する基板が光導波路としても機能し
得ることから、該基板の端面からの光入射が有効である
ことを見出した。さらには、紫外線受光素子に接続され
た光伝送部材を介した光入射も有効であることを見出
し、本発明を完成するに至った。前記課題を解決するた
めの手段は、以下の通りである。
【0010】<1> 基板上に、少なくとも、Al、G
a及びInから選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含
む光半導体層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子
を有し、前記基板の端面が受光面であること特徴とする
紫外線受光器である。
【0011】<2> 基板上に、少なくとも、Al、G
a及びInから選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含
む光半導体層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子
を有し、前記光半導体層に光を入射する光伝送部材を備
えてなることを特徴とする紫外線受光器。
【0012】<3> 前記光伝送部材の光出射口が、前
記基板の端面に接続されてなることを特徴とする前記<
2>に記載の紫外線受光器である。
【0013】<4> 前記光伝送部材の光出射口が、前
記紫外線受光素子の基板側又はその反対側の表面に接続
されてなることを特徴とする前記<2>に記載の紫外線
受光器である。
【0014】<5> 前記光伝送部材が、棒状であるこ
とを特徴とする前記<2>から<4>のいずれかに記載
の紫外線受光器である。
【0015】<6> 前記光伝送部材が、板状であるこ
とを特徴とする前記<2>から<4>のいずれかに記載
の紫外線受光器である。
【0016】<7> 前記光伝送部材が、屈曲性を有す
ることを特徴とする前記<2>から<6>のいずれかに
記載の紫外線受光器である。
【0017】<8> 前記光伝送部材が、集光機能を有
することを特徴とする前記<2>から<7>のいずれか
に記載の紫外線受光器である。
【0018】<9> 前記<1>から<8>のいずれか
に記載の紫外線受光器を並置したことを特徴とする紫外
線受光装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の紫外線受光器及び紫外線
受光装置について詳細に説明する。
【0020】[紫外線受光器]本発明の紫外線受光器の
一態様としては、基板上に、少なくとも、Al、Ga及
びInから選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含む光
半導体層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子を有
し、前記基板の端面が受光面であること特徴とする(以
下、第1の本発明という)。
【0021】また、本発明の紫外線受光器の他の態様と
しては、基板上に、少なくとも、Al、Ga及びInか
ら選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含む光半導体
層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子を有し、前
記光半導体層に光を入射する光伝送部材を備えてなるこ
とを特徴とする(以下、第2の本発明という)。
【0022】以下、好ましい実施形態を挙げて、本発明
の紫外線受光器を詳細に説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態を
表す模式図である。本実施形態は、第1の本発明の実施
形態であり、紫外線受光素子自体が、紫外線受光素子と
光伝送部材との機能を兼ね備えた紫外線受光器となって
いる。かかる態様とすることにより、紫外線受光素子の
基板側又はその反対側の表面以外から紫外線が入射した
場合であっても、正確に紫外線強度を測定することが可
能となる。
【0023】図1において、100は紫外線受光素子で
あり、該紫外線受光素子100は、基板103上に、電
極101aが形成され、その上にAl、Ga及びInか
ら選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含む光半導体層
102が形成され、さらに、電極101bが形成されて
なるものである。
【0024】本実施形態においては、基板103自体が
光導波路としても機能し、受光面である基板103の端
面から入射した光が、基板103内の各面で反射して、
光半導体層102に集光されることにより光起電力が発
生する。なお、本実施形態の紫外線受光器においては、
基板103の端面を受光面として紫外線受光素子100
に対し光入射する以外に、基板103側及び/又はその
反対側の表面を受光面として光入射を行うこともでき
る。
【0025】光半導体層102は、単層であっても複数
の層であってもよい。例えばn型半導体、i型半導体、
p型半導体の組み合わせでもよい。光半導体層の詳細に
ついては後述する。
【0026】電極101a及び101bは、透明導電膜
を全体に形成したものでも格子状やストライプ状、リン
グ状に形成したものでもよい。また、基板103自体を
透明導電性基板として、電極101bの機能を併せ持た
せてもよい。
【0027】本発明の紫外線受光器における電極は、図
1の如く2つ設けてもよいし、1つであってもよい。ま
た、電極を2つ設ける場合は、電極101a及び101
bのように、半導体層23を介して対向配置されていて
も、光半導体層102を基準として基板103側にのみ
形成されていても、その反対側にのみ形成されていても
構わない。光半導体層102を基準として一方の面にの
み電極を形成する場合、1の電極とその対向電極との少
なくとも2つが当該面に設けられる。
【0028】紫外線受光素子100には、表面層を設け
てもよい。表面層は、物理的な傷等に対する保護の役目
を果たす他、湿度や化学物質等から受光器活性部の影響
を低減することができる。また、集積化した受光器を加
工する場合の保護膜としての役割も果たす。表面層につ
いての詳細は後述する。
【0029】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施形態を表す模式図である。本実施形態は、第2の
本発明の実施形態であり、紫外線受光素子に、光伝送部
材を設けた態様の紫外線受光器となっている。かかる態
様とすることにより、狭い隙間からの測定や、離れた場
所からの測定を容易にすることが可能となる。
【0030】図2において、(a)は、第2の実施形態
にかかる紫外線受光器の上面図、(b)は、その側面図
を示す。
【0031】図2において、100は紫外線受光素子で
あり、図1における紫外線受光素子100と同様のもの
である。110aは板状の光伝送部材であり、一方の端
部に光Aが入射すると、それを紫外線受光素子100に
伝送する機能を有する。
【0032】本実施形態においては、光伝送部材110
aの端部の一方は、光出射口として紫外線受光素子10
0の基板の端面側に接続され、他方の端部は光Aの入射
口となっている。また、本実施形態においては、図2に
示されるように、光伝送部材110a中の光Aの進行方
向と紫外線受光素子10の基板面とが一致するように、
両者が接続されているが、両者が所定の角度をもって接
続されていてもよい。
【0033】なお、紫外線受光素子100と光伝送部材
110aとの接続は、光学的に接続がなされていれば、
接触していても離れていても構わない。
【0034】120は、光伝送部材110aと紫外線受
光素子100とを同一平面上に保持するための保持部材
である。保持部材120の材料は、特に限定されず、紫
外線受光器の形状を保持し得る材料であればよい。
【0035】光伝送部材110aとしては、ガラス、石
英、シリカガラス、等の無機材料のほかに、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、塩化ビニール、アクリル、ポリス
チレン、ポリカーボネート等の有機材料を使用すること
ができるが、紫外線吸収材が含まれていないものが好ま
しい。また、光伝送部材110aが紫外線受光素子10
0の基板103を兼ねていてもよい。
【0036】光伝送部材110aの形状としては、薄板
を細く切断加工したものやシート状のものを細く切断加
工したもの、等を用いることができる。保持部材120
と光伝送部材110aとが、同一に加工されたものであ
ってもよい。
【0037】光伝送部材110aが切断加工したもので
ある場合は、端面は反射効率が高くなるようにミラー状
になるように平滑加工や表面加工をすることが好まし
い。また、光伝送部材110aの側面からの光入射は、
ノイズとなるので、遮光することが望ましいが、紫外線
受光器の波長領域と、伝送部材の周辺に存在する光の波
長領域が、例えば可視光のみであるような場合には、遮
光する必要はない。
【0038】紫外線受光素子100の光入射部(受光
面)以外(即ち、端面の1つを受光面とする本実施形態
においては、当該端面以外の全ての面)は、遮光材によ
り遮光することが望ましい。可視光域にも少しの受光感
度が有る場合には、可視/紫外感度比が悪くなるため、
遮光材としては、紫外光から可視光に亘って不透過の材
料を用いるのが好ましい。遮光材の色としては、黒が望
ましいが、黄色、赤、茶色等、短波長の光に対して不透
過でかつ紫外線を透過しないものであれば、特に制限無
く使用できる。
【0039】(第3の実施形態)図3は、本発明の第3
の実施形態を表す模式図である。本実施形態は、第2の
本発明の実施形態である。図3において、(a)は紫外
線受光器の上面図、(b)は紫外線受光器の側面図、
(c)は(b)における紫外線受光素子及び光伝送部材
の接続部分の拡大図である。
【0040】本実施形態においては、光伝送部材110
aの端部の一方が、光出射口として紫外線受光素子10
0の基板側の表面に接続されている点が、第1又は第2
の実施形態と異なっている。その他、第2の実施形態と
同様の機能を有する部材については、同一の符号を付し
てその説明は省略する。かかる態様とすることにより、
狭い隙間からの測定や、離れた場所からの測定を容易に
することが可能となる。
【0041】なお、本実施形態においては、基板の反対
側の表面に光伝送部材110の端部の一方を接続して光
入射口とすることもできる。また、本実施形態では、図
3に示されるように、光伝送部材110aと紫外線受光
素子100の基板面とが所定の角度をもって接続されて
いるが、両者が垂直に接続されていてもよい。
【0042】(第4の実施形態)図4は、本発明の第4
の実施形態を表す模式図である。本実施形態は、第2の
本発明の実施形態である。本実施形態では、第2の実施
形態における光伝送部材110aに代えて、集光機能を
有する光伝送部材110bを用いた点が、第2の実施形
態と異なっている。なお、光伝送部材110bにおける
形状以外の点については、光伝送部材110aと共通す
る。その他、第2の実施形態と同様の機能を有する部材
については、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0043】本実施形態において、光伝送部材110b
の一端である紫外線受光素子100との接続面は、該紫
外線受光素子100の端面と同じ大きさになっており、
光入射口側は広くなっている。これにより、入射した光
Aは、他端の光伝送部材110b中を伝送される間に集
光され、紫外線受光素子100に到達する。このよう
に、光伝送部材が集光機能を有することにより、紫外線
強度のより正確な測定が可能となる。
【0044】(第5の実施形態)図5は、本発明の第5
の実施形態を表す模式図である。本実施形態は、第2の
本発明の実施形態である。本実施形態は、第2の実施形
態における光伝送部材110aに代えて、棒状の光伝送
部材110cを用いた点で、第2の実施形態と異なって
いる。なお、光伝送部材110cにおける形状以外の点
については、光伝送部材110aと共通する。その他、
第2の実施形態と同様の機能を有する部材については、
同一の符号を付してその説明は省略する。
【0045】本実施形態の如く光伝送部材を棒状とした
場合は、保持部材を用いずに、紫外線受光器を作製する
ことができる。
【0046】(第6の実施形態)図6は、本発明の第6
の実施形態を表す模式図である。本実施形態は、第2の
本発明の実施形態である。本実施形態は、第2の実施形
態における光伝送部材110aに代えて、屈曲性を有す
る光伝送部材110dを用いた点で、第2の実施形態と
異なっている。なお、光伝送部材110dにおける形状
以外の点については、光伝送部材110aと共通する。
その他、第2の実施形態と同様の機能を有する部材につ
いては、その説明は省略する。
【0047】本実施態様において、光伝送部材110d
の形状としては、屈曲性を有するものであれば特に制限
はなく、図6に示されるようなファイバー状のもの(例
えば、一般的な光ファイバー等)が挙げられる。このよ
うな態様とすることにより、屈曲した空間においても容
易に測定が可能となる。
【0048】[紫外線受光装置]本発明の紫外線受光装
置は、本発明の紫外線受光器を並置してなることを特徴
とする。図7は、本発明の紫外線受光装置の実施形態を
示す模式図である。本実施形態においては、保持部材1
20’上に、第2の実施形態と同様(但し、保持部材1
20を除したもの)の紫外線受光器130が、複数並置
された態様となっている。かかる態様とすることによ
り、非常に薄い隙間でもあっても紫外線の分布を正確に
測定することができる。
【0049】本発明の紫外線受光装置において、並置さ
れる紫外線受光器130の数としては、特に制限される
ものではなく、適宜設定することが可能である。また、
保持部材120’としては、既述のものが好適に用いら
れる。
【0050】以上、本発明の紫外線受光器及び紫外線受
光装置について、実施形態を挙げて具体的に説明した
が、本発明は、これら実施形態の構成に限定されるもの
ではない。また、当業者は、目的に応じて適宜公知の知
見を本発明に組み合わせること、あるいは置き換えるこ
とができる。
【0051】[紫外線受光素子]既述の如く、本発明に
おける紫外線受光素子は、少なくとも、基板上に形成さ
れるAl、Ga及びInから選ばれる1種以上の元素
と、窒素とを含む光半導体層と、電極と、を設けてな
る。以下、本発明の紫外線受光器及び紫外線受光装置に
用いられる紫外線受光素子を構成する要素について、詳
細に説明する。
【0052】本発明における紫外線受光素子に用いられ
る基板としては、導電性であっても絶縁性であってもよ
く、また、結晶であるか非晶質であるかは問わない。導
電性基板としては、アルミニウム、ステンレススチー
ル、ニッケル、クロム等の金属及びその合金結晶、S
i、GaAs、GaP、GaN、SiC、ZnOなどの
半導体を挙げることができる。また、基板表面に導電化
処理を施した(すなわち、電極を形成した)絶縁性基板
を使用することもできる。
【0053】基板が光の入射側に配される場合、該基板
は透明性を有する必要がある。透明性を有する基板(以
下、「透明基板」と称する場合がある)としては、ガラ
ス、石英、サファイア、MgO、LiF、CaF2、透
明セラミック等の透明な無機材料;フッ素樹脂、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、エポキシ樹脂等の透明な有機樹脂の
フィルム又は板状体;オプチカルファイバー、セルフォ
ック光学プレート等が挙げられる。前記透明基板として
は、ガラスが好ましい。ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、
ソーダガラス、青板ガラス等が好ましく用いられる。
【0054】本発明における紫外線受光素子に設けられ
る電極は、前記基板上に設けてよいし、光半導体層上に
設けることもできる。また、前記基板自体が電極として
機能してもよい。
【0055】電極としては、例えば、Al、Ni、A
u、Cr、Co、Ag及びPtなどの金属及びその合金
結晶や多層膜などを用いることができる。また、光の入
射側に配される場合、前記電極は透明性を有する必要が
ある。そのため、透明性電極としては、ITO、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透
明導電性材料を用いることができるが、入射光が300
nm以下の場合には、Al、Ni、Au、Cr、Co、
Ag及びPt等の金属を蒸着やスパッタリングにより光
が透過するように薄く成膜したものが用いられる。前記
膜の厚さは、5nm〜100nmであり、薄すぎると光
透過率は大きいが電気抵抗が高くなり、また厚すぎると
光が透過しない。
【0056】[光半導体層]紫外線受光素子における光
半導体層は、Al、GaおよびInのうち少なくとも1
以上の元素と、窒素とを含有し、必要に応じてその他の
成分を含有する。光半導体層としては、非単結晶質状で
もよく、単結晶質状でもよい。非単結晶質状である場合
には、非晶質状でもよく、微結晶質状でもよく、これら
の混合された状態であってもよい。
【0057】結晶質状の場合、その結晶系は、立方晶あ
るいは6方晶系のいずれか1つであっても、複数の結晶
系が混合された状態でもよい。結晶としては、柱状成長
した結晶でもよく、X線回折スペクトルで単一ピークで
あり、結晶面方位が高度に配向したものでもよく、単結
晶でもよい。
【0058】光半導体層が非単結晶の場合には、当該光
半導体層に0.5at%〜50at%の水素が含有して
いてもよく、一配位のハロゲン元素が含有されていても
よい。前記光半導体層の水素含有量が0.5at%未満
では、結晶粒界での結合欠陥とあるいは非晶質相内部で
の結合欠陥や未結合手を水素との結合によって無くし、
バンド内に形成する欠陥準位を不活性化するのに不十分
であり、結合欠陥や構造欠陥が増大し、暗抵抗が低下し
光感度がなくなるため実用的な半導体紫外線受光素子と
して機能することができない場合がある。
【0059】これに対し、光半導体層の水素含有量が5
0at%を超えると、電気的な特性が劣化すると共に硬
度などの機械的性質が低下することがある。さらに、前
記光半導体層が酸化されやすくなり、耐候性が悪化する
こともある。
【0060】ここで、光半導体層の水素含有量(at
%)については、ハイドジェンフォワードスキャタリン
グ(HFS)により絶対値を測定することができる。ま
た、加熱による水素放出量の測定によっても水素含有量
を推定することができる。さらに、本発明の紫外線受光
素子の製造工程において、光半導体層の形成時に、同時
にシリコン、サファイア等の赤外透明な基板に同様の光
半導体層を形成することで、赤外吸収スペクトルによっ
て該光半導体の水素含有量を容易に測定することでき
る。なお、赤外吸収スペクトルによって水素結合状態も
判明する。
【0061】水素を含む光半導体層の構造は、例えば、
透過電子線回折で測定した場合、全くリング状の回折パ
ターンがなく、ぼんやりしたハローパターンの完全に長
距離秩序の欠如しているものから、ハローパターンの中
にリング状の回折パターンが見られるもの、さらに、そ
の中に輝点が見られるものまで使用できる。このような
光半導体層は、透過電子線回折より広範囲を観測するX
線回折測定においては、ほとんど何もピークが得られな
いことが多い。
【0062】また、透過電子線回折の測定いおいて、リ
ング状の回折パターンと共に輝点が多数見られるもの、
さらに、ほとんどスポット状の輝点のみであってもX線
回折測定において、多結晶あるいは最も強いピーク強度
が単結晶にくらべると弱く、かつ、他に弱い他の面方位
のピークが混在している場合もある。さらに、ほとんど
一つの面方位からなるX線回折スペクトルを示す場合も
ある。
【0063】水素を含む光半導体層の赤外吸収スペクト
ル測定では、水素との結合ピークが存在すると共に、II
I族原子(Al、GaおよびIn)とN原子との結合の
振動吸収ピークの半値幅が、非晶質構造が主体の場合に
は150cm-1以上であり、微結晶性の場合には100
cm-1以下である。ここで、半値幅とは、III族原子と
N原子の結合を主体とする吸収位置での複数のピークか
らなる吸収帯の最高強度とバックグランドを除いた強度
の1/2の値での吸収帯の幅である。
【0064】微結晶の大きさは、その径として、5nm
〜5μmであり、X線回折や電子線回折および断面の電
子顕微鏡写真を用いた形状測定などによって測定するこ
とができる。
【0065】また、光半導体層の吸光係数は、分光光度
計で吸収量を測定し、層厚で除したものを自然対数系で
表したものであり、400nmの光透過量は、透明(こ
こでは、紫外線透過性)とみなせるためには20000
cm-1以下が好ましく、10000cm-1以下がより好
ましい。これらの値は、バンドギャップとしてはほぼ
3.0eV以下に相当する。
【0066】光半導体層の原料としては、Al、Gaお
よびInのうちから選ばれる1以上の元素を含む有機金
属化合物を用いることができる。前記有機金属化合物と
しては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、ターシャリーブチルアルミニウム、トリ
メチルガリウム、トリエチルガリウム、ターシャリーブ
チルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルイン
ジウム、ターシャリーブチルインジウム等の液体や固体
を気化して単独にあるいはキャリアガスでバブリングす
ることによって混合状態で使用することができる。キャ
リアガスとしては、水素、N2、メタン、エタンなどの
炭化水素、CF4、C26などのハロゲン化炭素などを
用いることができる。
【0067】窒素原料としては、N2、NH3、NF3
24、メチルヒドラジンなどの気体、または、液体を
気化あるいはキャリアガスでバブリングすることによっ
て使用することができる。
【0068】光半導体層の組成において、III族元素の
量の総和mと、窒素の量nとの関係が、0.5:1.0
≦m:n≦1.0:0.5を満たすことが好ましく、こ
の範囲を外れると、III族元素とV族元素(N)との結合
において四面体型結合を取る部分が少なく、欠陥が多く
なり、良好な光半導体層として機能しなくなる場合があ
る。
【0069】光半導体層の光学ギャップは、III族元素
の混合比によって任意に変えることができる。GaN:
Hを基準にすると、3.2〜3.5eVより大きくする
場合には、Alを加えることによって6.5eV程度ま
で大きくすることができ、3.2eV以下にする場合I
nを加えることによって1.9eV程度まで、それぞれ
に透明のまま波長域を変化させることができる。
【0070】ここで、光学ギャップは波長(eV)と吸
収係数(αe)の2乗のプロットより、低エネルギーの
直線部分を外挿した点から求める。あるいは、吸収係数
が10000cm-1の波長(eV)としてもよい。吸収
係数は、バックグランドを除外した吸光度を用いるか、
膜厚依存性を測定して求められる。
【0071】また、光半導体層は、p、n制御のために
元素を膜中にドープすることができる。ドープし得るn
型用の元素としてはIa族のLi、Ib族のCu、Ag、
Au、IIa族のMg、IIb族のZn、IVa族のSi、G
e、Sn、Pb、VIa族のS、Se、Teを用いること
ができる。
【0072】ドープし得るp型用の元素としては、Ia
族のLi、Na、K、Ib族のCu、Ag、Au、IIa
族のBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、IIb族のZ
n、Cd、Hg、IVa族のC、Si、Ge、Sn、P
b、VIa族のS、Se、Te、VIb族のCr、Mo、
W、VIIIa族のFe、Co、Niなどを用いることがで
きる。
【0073】光半導体層中の水素は、ドーパントに結合
し不活性化しないように、欠陥準位をパッシベーション
するための水素が、ドーパントよりもIII族元素および
窒素元素に選択的に結合する必要があり、この点から、
特に、n型用の元素としては、特に、Si、Ge、Sn
が好ましく、p型用の元素としては、特に、Be、M
g、Ca、Zn、Srが好ましい。
【0074】ドーピングの際には、n型用としては、S
iH4、Si26、GeH4、GeF 4、SnH4を、p型
用としては、BeH2、BeCl2、BeCl4、シクロ
ペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジ
メチルストロンチウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛な
ど、をガス状態で使用できる。また、これらの元素を光
半導体層にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入
法等の公知の方法を採用することができる。
【0075】本発明の紫外線受光素子は、簡単には、単
層の光半導体層を形成することによってショットキー型
の素子とすることもできるし、pnダイオード構成やp
in構成などを作製することによつてさらに高効率化す
ることができる。
【0076】光半導体層は、Al、Ga、およびInの
うち少なくとも一種以上の元素と窒素(と水素)とを含
むn型あるいはp型の半導体層から構成されてもよい
し、さらに高濃度のドーピングを行った膜p+あるいは
+層を挿入してもよいし、低濃度のドーピングを行っ
た膜p-あるいはn-層を挿入してもよい。
【0077】また、光半導体層は、多層構造であっても
よい。この場合、光半導体層は、透明性や障壁の形成の
ために、p型半導体層、i型半導体層、および、n型半
導体層の各層は、それぞれ異なるAlxGayInz(x
=0〜1.0、y=0〜1.0、z=0〜1.0)で表
せるAl、Ga、InとNの組成を持っていてもよい
し、p型半導体層122、i型半導体層124、およ
び、n型半導体層のそれぞれの層が、複数のAlxGay
InzN:H(x=0〜1.0、y=0〜1.0、z=
0〜1.0)の組成から成っていてもよい。
【0078】以下、図8を参照して、光半導体層の形成
方法を説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。ここで、図8は光半導体層を形成する層形成装置
の概略構成図である。なお、層形成装置は、プラズマを
活性化手段とするものである。図8に示すように、層形
成装置は、排気して真空にし得る容器1と、排気口2
と、基板ホルダー3と、基板加熱用ヒーター4と、容器
1に接続された石英管5、6と、高周波コイル7と、マ
イクロ波導波管8と、石英管5、6にそれぞれ連通して
いるガス導入管9、10と、石英管5、6にそれぞれ接
続しているガラス導入管11、12とを有する。
【0079】この層形成装置においては、窒素元素源と
して、例えば、N2を用い、ガス導入管9から石英管5
に導入する。例えば、マグネトロンを用いたマイクロ波
発振器(図示せず)に接続されたマイクロ波導波管8
に、2.45GHzのマイクロ波が供給され、石英管5
内に放電を発生させる。別のガス導入管10から、例え
ばH2を石英管6に導入する。高周波発振器(図示せ
ず)から高周波コイル7に13.56MHzの高周波を
供給し、石英管6内に放電を発生させる。放電空間の下
流側に配されたガス導入管12より、例えば、トリメチ
ルガリウムを導入することによって、基板ホルダー3に
セットされた基板上に、窒素ガリウムからなる光半導体
層を形成(成膜)することができる。
【0080】なお、前記ガス導入管12から導入された
ガスは、トリメチルガリウムであったが、代わりにイン
ジウム、アルミニウムを含む有機金属化合物を用いるこ
ともできるし、またそれらを混合することもできる。ま
た、これらの有機金属化合物は、ガス導入管11から混
合して導入してもよいし、別々に導入してもよい。
【0081】基板の温度としては、100℃〜600℃
が好ましい。一般に、基板の温度が高い場合、及び/又
は、III族原料ガスの流量が少ない場合には、微結晶の
光半導体層が形成されやすい。また、基板の温度が30
0℃より低く、III族原料ガスの流量が少ない場合に
は、微結晶の光半導体層が形成されやすく、基板温度が
300℃より高く、低温条件よりもIII族原料ガスの流
量が多い場合であっても、微結晶の光半導体層が形成さ
れやすい。さらに、例えば、H2放電を行った場合に
は、行なわない場合よりも光半導体層120の微結晶化
を進めることができる。
【0082】また、C、Si、Ge、Snから選ばれた
少なくとも一種以上の元素を含むガス、あるいはBe、
Mg、Ca、Zn、Srから選ばれた少なくとも1つ以
上の元素を含むガスを放電空間の下流側(ガス導入管1
1またはガス導入管12)から導入することによってn
型、p型などの任意の伝導型の非晶質あるいは微結晶の
窒化物半導体を得ることができる。C元素を導入する場
合には、条件によっては有機金属化合物の炭素を使用し
てもよい。
【0083】上述のような層形成装置において、放電エ
ネルギーにより形成される活性窒素あるいは活性水素を
独立に制御してもよいし、NH3のような窒素と水素原
子を同時に含むガスを用いてもよい。さらにH2を加え
てもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生
成する条件を用いることもできる。このようにすること
によって、基板上には活性化されたIII族原子、窒素原
子が制御された状態で存在し、かつ、水素原子がメチル
基やエチル基をメタンやエタン等の不活性分子にするた
めに低温にも拘わらず、炭素がほとんど入らないか、入
っても極低量の、膜欠陥が抑えられた非晶質あるいは微
結晶の膜が生成できる。
【0084】上述のような層形成装置において、活性化
手段としては、高周波発振器、マイクロ波発振器、エレ
クトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式
であってもよいし、これらを1つ用いてもよいし、2つ
以上を用いてもよい。また、2つともマイクロ波発振器
であってもよいし、2つとも高周波発振器であってもよ
い。また、高周波発振器とマイクロ波発振器とを用いて
もよい。さらに、2つともエレクトロサイクロトロン共
鳴方式やヘリコンプラズマ方式を用いてもよい。高周波
発振器による高周波放電の場合、誘導型でも容量型でも
よい。
【0085】異なる活性化手段(励起手段)を用いる場
合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする
必要があり、放電内と容器1内の層形成部(成膜部)と
の間に圧力差を設けてもよい。また、同一圧力で行う場
合、異なる活性化手段(励起手段)、例えば、マイクロ
波発振器と高周波発振器とを用いると、励起種の励起エ
ネルギーを大きく変えることができ、膜質制御に有効で
ある。光半導体層は、反応性蒸着法やイオンプレーティ
ング、リアクティブスパッターなど少なくとも水素が活
性化された雰囲気で形成されることが可能である。
【0086】このような構成の紫外線受光素子とするこ
とにより、透明電極と基板上の導電性電極間から電流を
取り出すことができる。
【0087】本発明における紫外線受光素子には、表面
層を設けることもできる。表面層は、表面層側から光入
射する場合には、少なくとも、光半導体層で受光・検出
したい光を吸収することのないものを使用する。好まし
い表面層としては、例えば、石英やシリカガラス、シリ
コン窒化膜やサファイア等でもよいし、シリコーン樹脂
でもよい。これらの材料は、浸漬法やスプレー法で塗布
し加熱して硬化あるいは反応させて硬化物を形成しても
よいし、あるいはプラズマCVD法等で成膜してもよ
い。また、予め板状としておいた前記材料を、透明性を
有する接着剤により貼り合わせたり、熱を利用して融着
させるなどの方法を用いてラミネート構造を有していて
もよい。
【0088】さらに、表面層1を構成する材料は、紫外
線を透過することのできる有機化合物であってもよい。
該有機化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、
アクリル等が挙げられる。前記有機化合物を表面層とし
て形成する場合は、適当な溶媒に溶解して、塗布・乾燥
させてもよいし、融点や軟化点まで加熱し、塗布あるい
は貼り付けてもよい。また、真空蒸着法やプラズマ重合
法などで形成されてもよい。また、前記有機化合物を板
状に成形し、透明性を有する接着剤によって貼り合わせ
たり、熱を利用して融着させるなどの方法を用いラミネ
ート構造を有する表面層としてもよい。
【0089】前記表面層としては、紫外領域での透明性
と物理的強度及び化学的安定性、耐熱性、電気絶縁性等
の点からAl、Ga、Inから選ばれる1種以上の元素
と、窒素とを含む窒化物よりなる膜が好適である。特
に、該窒化物膜は、低温で形成することができるため、
記述の光半導体層と、同じ装置、同じ方法を利用するこ
とができる。さらに、膜中には水素が含まれていてもよ
いし、また絶縁性を調整するためドーピングされていて
もよい。ドーピング元素としては、C、Si、Ge、S
nから選ばれる少なくとも1種以上の元素、あるいはB
e、Mg、Ca、Zn、Srから選ばれる少なくとも1
つ以上の元素を1種以上用いることができる。
【0090】前記窒化膜が、光半導体層が感度を有する
波長領域より短波長側に吸収を持つようにする場合に
は、Al、GaおよびInの元素の原子番号が小さい元
素の量を増加させ、原子番号の大きい元素の量を減少さ
せる。つまり、光半導体層が、AlxGa1-xN、表面層
がAlyGa1-yNで表されるならば、x<yとすること
で、表面層の吸収波長領域が短波長側に変化する。この
結果、表面層側から光が入射した場合には、ある波長を
ピークとして、短波長側と長波長側に感度が無い選択的
な紫外線受光素子が製造可能となる。例えば、AlNを
表面層とした場合には、吸収の立ち上がりが200nm
から始まるため、感度としては180nmから長波長の
紫外線受光素子に適用できる。
【0091】
【実施例】(実施例1)洗浄したコーニング7059
(ガラス基板、コーニング社製)上に、ITOをスパッ
ター法により200nmで形成した基板を真空容器1内
に設置した。排気口2を介して容器1内を真空排気後、
ヒーター4により基板を380℃に加熱した。ガス導入
管9より、直径25mmの石英管5内にN2ガスを20
00sccm導入し、マイクロ波導波管8を介して2.
45GHzのマイクロ波を出力250Wにセットし、チ
ューナでマッチングを取り放電を行った。この時の反射
波は0Wであった。H2ガスは、ガス導入管10より、
直径30mmの石英管6内に1000sccm導入し
た。13.56MHzの高周波電力の出力を100Wに
セットした。反射波は0Wであった。
【0092】この状態でガス導入管12より0℃で保持
されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水素
をキヤリアガスとして用い、バブリングしながらマスフ
ローコントローラーを通して0.3sccm導入した。
さらに、水素をキヤリアガスとしたシクロペンタジエニ
ルマグネシウムを1sccm導入した。この時バラトロ
ン真空計で測定した反応圧力は66.5Pa(0.5T
orr)であった。成膜を60分行い0.2μmのi型
のGaN:H膜(光半導体層)を作製した。
【0093】成膜されたGaN:H膜(光半導体層)上
に、直径2mmのAu膜電極を10nmの厚さで蒸着法
で形成し半透明電極とした。Au膜電極とITO部に導
線を導電性接着剤で固定した。次いで、ガラス基板の端
面のうち一つの面を受光面として、他の3つの面には銀
のペーストで遮光すると同時にミラーの機能をもたせる
ように塗装した。受光面を紫外線の入射を行えるように
平滑なステンレス板に設置し、図1に示す構成の第1の
本発明の紫外線受光器を作製した。この紫外線受光器に
電流計を接続し出力を測定したところ、暗電流が1×1
-10Aであり、前記受光面からレーザを入射した時に
は、2mAの電流出力が得られた。
【0094】(実施例2)実施例1で作製した紫外線受
光器の受光面と、光伝送部材〔厚さ0.5mmで3mm
×50mmの細線状の硼珪酸ガラス(コーニング705
9)〕の一端とを接触させて設置し、第2の本発明の紫
外線受光器を作製した。さらに、光伝送部材の他端に
は、He−Cdレーザの325nmの光を入射できるよ
うにした。この紫外線受光器に電流計を接続し出力を測
定したところ、暗電流が1×10 -10Aであり、レーザ
を入射した時には、2mAの電流出力が得られた。ま
た、本実施例の紫外線受光器は、直線性にも優れてい
た。
【0095】(実施例3)実施例2において、光伝送部
材を、細線状の硼珪酸ガラスに代えて、厚さ0.8mm
で3mm×100mmの紫外線吸収剤の入っていないア
クリル板とした以外は、実施例2と同じ方法で紫外線受
光器を作製した。さらに、実施例2と同様に、He−C
dレーザの325nmの光を入射できるようにした。こ
の紫外線受光器に電流計を接続し出力を測定したとこ
ろ、明所でも暗電流が1×10-10Aであり、レーザを
入射した時には、3mAの電流出力が得られた。また、
本実施例の紫外線受光器は、直線性にも優れていた。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線強度を広い入射
角で正確に測定可能であり、かつ遠隔操作が可能な、小
型で薄型の紫外線受光器及び紫外線受光装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の紫外線受光器の第1の実施形態を示
す模式図である。
【図2】 本発明の紫外線受光器の第2の実施形態を示
す模式図である。
【図3】 本発明の紫外線受光器の第3の実施形態を示
す模式図である。
【図4】 本発明の紫外線受光器の第4の実施形態を示
す模式図である。
【図5】 本発明の紫外線受光器の第5の実施形態を示
す模式図である。
【図6】 本発明の紫外線受光器の第6の実施形態を示
す模式図である。
【図7】 本発明の紫外線受光装置の実施形態を示す模
式図である。
【図8】 本発明における紫外線受光素子を製造するた
めの、光半導体層の形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 排気口 3 基板ホルダー 4 ヒーター 5,6 石英管 7 高周波コイル 8 マイクロ導波管 9〜12 ガス導入管 100 紫外線受光素子 101a、101b 電極 102 光半導体層 103 基板 110a〜110d 光伝送部材 120 保持部材 120’ 保持部材 130 紫外線受光素子

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも、Al、Ga及び
    Inから選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含む光半
    導体層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子を有
    し、前記基板の端面が受光面であること特徴とする紫外
    線受光器。
  2. 【請求項2】 基板上に、少なくとも、Al、Ga及び
    Inから選ばれる1種以上の元素と、窒素とを含む光半
    導体層、並びに電極を設けてなる紫外線受光素子を有
    し、前記光半導体層に光を入射する光伝送部材を備えて
    なることを特徴とする紫外線受光器。
  3. 【請求項3】 前記光伝送部材の光出射口が、前記基板
    の端面に接続されてなることを特徴とする請求項2に記
    載の紫外線受光器。
  4. 【請求項4】 前記光伝送部材の光出射口が、前記紫外
    線受光素子の基板側又はその反対側の表面に接続されて
    なることを特徴とする請求項2に記載の紫外線受光器。
  5. 【請求項5】 前記光伝送部材が、棒状であることを特
    徴とする請求項2から4のいずれかに記載の紫外線受光
    器。
  6. 【請求項6】 前記光伝送部材が、板状であることを特
    徴とする請求項2から4のいずれかに記載の紫外線受光
    器。
  7. 【請求項7】 前記光伝送部材が、屈曲性を有すること
    を特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の紫外線
    受光器。
  8. 【請求項8】 前記光伝送部材が、集光機能を有するこ
    とを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の紫外
    線受光器。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれかに記載の紫外
    線受光器を並置したことを特徴とする紫外線受光装置。
JP2001254366A 2001-08-24 2001-08-24 紫外線受光器及び紫外線受光装置 Pending JP2003065843A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001254366A JP2003065843A (ja) 2001-08-24 2001-08-24 紫外線受光器及び紫外線受光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001254366A JP2003065843A (ja) 2001-08-24 2001-08-24 紫外線受光器及び紫外線受光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003065843A true JP2003065843A (ja) 2003-03-05

Family

ID=19082540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001254366A Pending JP2003065843A (ja) 2001-08-24 2001-08-24 紫外線受光器及び紫外線受光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003065843A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4465941B2 (ja) 紫外線受光素子
US6432521B1 (en) Group III-V compound semiconductor, and semiconductor device using the compound semiconductor
JP3794142B2 (ja) 非単結晶光半導体およびその製造方法ならびに電子写真感光体
JP2004311783A (ja) 光検出装置、及びその実装方法
US6784435B2 (en) UV detector and method of measuring UV intensity and dose using the same
JP4182648B2 (ja) 半導体紫外線受光素子およびその製造方法
JP2002344001A (ja) 波長分離型紫外線受光器
JP2003065843A (ja) 紫外線受光器及び紫外線受光装置
JP2002277323A (ja) 紫外線受光器、紫外線光量測定装置、及び紫外線光量測定方法
JP3769921B2 (ja) 半導体受光素子とその製造方法、およびそれを用いた光センサ
JP2003028711A (ja) 紫外線受光器
JP2002022533A (ja) 紫外線センサー
JP2003046112A (ja) 紫外光/可視光分離型受光素子
JP3753811B2 (ja) 非晶質光半導体及びその製造方法並びに光半導体素子
JP3838121B2 (ja) 紫外線受光素子及び紫外線光量測定装置
JP2004311784A (ja) 光検出装置、及びその実装方法
JP2002350228A (ja) 紫外線センサー
JP2002094106A (ja) 紫外線光量測定装置および紫外線光量測定方法、並びに紫外線光源制御装置
JPH10256577A (ja) 微結晶化合物光半導体及びその製造方法並びに光半導体素子
JP2004251754A (ja) 紫外線センサー
JP4103346B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP2003249665A (ja) 半導体受光素子及びそれを用いた紫外線センサー、太陽電池
JP2001244495A (ja) 紫外線検出器
JP4111145B2 (ja) 光半導体素子
JP2002062257A (ja) オゾン濃度測定器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060704