JP2003028711A - 紫外線受光器 - Google Patents

紫外線受光器

Info

Publication number
JP2003028711A
JP2003028711A JP2001212514A JP2001212514A JP2003028711A JP 2003028711 A JP2003028711 A JP 2003028711A JP 2001212514 A JP2001212514 A JP 2001212514A JP 2001212514 A JP2001212514 A JP 2001212514A JP 2003028711 A JP2003028711 A JP 2003028711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light receiver
ultraviolet light
ultraviolet
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001212514A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Yagi
茂 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2001212514A priority Critical patent/JP2003028711A/ja
Publication of JP2003028711A publication Critical patent/JP2003028711A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線の強度を広い入射角で正確に測定で
き、安価でかつ安定で長寿命の紫外線受光器を提供する
こと。 【解決手段】少なくともIIIA族元素から選択される
少なくとも種の元素とチッ素とを含む半導体層を有する
半導体素子を備える紫外線受光器であって、紫外線受光
器の厚さが7mm以下であり、且つ垂直入射する光に対
してθ度(0〜60度)で斜入射する光の出力が、垂直
入射する光の出力のCosθ倍の40%以内であるこ
と、又は、紫外線受光器端面からの光の入射を遮る遮蔽
部材を備えることを特徴とする紫外線受光器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線を検出する
紫外線受光器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線や短波長の光の工業的利用におい
て、とくに近年半導体集積素子の超微細化に伴って、製
造工程の縮小光学系によるフォトリソ工程で使用される
紫外線の波長も水銀灯の365nmからさらに短波長の
エキシマーレーザのKrFの248nmやArFの19
3nmの紫外線を用いるようになってきた。
【0003】従来、紫外線の強度測定はシリコンフォト
ダイオードなどの汎色性の検出器に長波長カット短波長
透過フィルターとこのフィルターの可視域での二次光透
過域をカットする長波長カット短波長透過フィルターを
合わせて使用することによって、紫外線受光器として使
用されている。このようなカットフィルターの組み合わ
せを得ることが難しいため紫外光感度は低くなり、また
常に透過可視光に対する誤差やフィルター劣化による経
時変化が大きく寿命が短いという問題があった。さらに
シリコンフォトダイオードは短波長では表面吸収によ
り、活性部に光が届かない、表面欠陥による再結合等に
より400nm以下の短波長では低感度になる問題があ
る。特に、300nm以下では感度が波長により大きく
変動するため精確な光量を求められないという問題があ
る。
【0004】また、短波長に感度のあるGaPなどの半
導体と長波長カット短波長透過フィルターの組み合わせ
も使用されている。この場合も300nm以下の紫外線
の場合には二次光域に感度を持つため短波長透過長波長
カットフィルターも必要になる。このようなフィルター
は短波長領域に透過する材料が限られるため、フィルタ
ーが高価になる。結果としてこのような領域の紫外線受
光器は寿命が短く、低感度でかつ高価である。
【0005】このような短波長透過フィルターは、目的
の紫外光を得るためにはフィルターの角度依存性が大き
く、目的の波長領域を正確に測定するためには入射角の
ふれ幅は限りなく小さくする必要があり、理想的には垂
直入射が望まれる。このため、光路を垂直に保つために
受光器への導光部が長くせざるを得ずこのため正確な受
光器ほど長いものになる。したがって受光素子の厚さと
受光素子の測定入射角度分布の広さは相反するものであ
った。
【0006】一方、紫外線強度を正確に測定するために
は全方位からの紫外線を測定入射角度分布として、いわ
ゆるcosθ則に合った受光素子を使用することが必要
である。理想的な紫外線受光器は薄型でcosθ則に出
来る限り合った受光器が望ましいが角度が60°程度ま
でcosθ則に合う受光素子は8〜10mmの厚さが限
界(照明学会報告資料)であった。
【0007】また、基板が紫外線を透過する材料で構成
された受光器の場合に、受光器端面から光が入射する
と、低角度から入射する光に対する光出力が増大し、光
入射角特性が劣化する。このような受光器を用いて、全
方位からの紫外線強度を正確に測定するためには、この
問題は重要であり改善することが強く求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明の目的は、紫外線の強度を広い
入射角で正確に測定でき、安価でかつ安定で長寿命の紫
外線受光器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>少なくともIIIA族元素から選択される少なく
とも種の元素とチッ素とを含む半導体層を有する半導体
素子を備える紫外線受光器であって、前記紫外線受光器
の厚さが7mm以下であり、且つ垂直入射する光に対し
てθ度(0〜60度)で斜入射する光の出力が、垂直入
射する光の出力のcosθ倍の40%以内であることを
特徴とする紫外線受光器である。 <2>半導体素子が、少なくとも、基板上に前記半導体
層及び少なくとも二つの電極を有する素子であることを
特徴とする前記<1>に記載の紫外線受光器である。
【0010】<3>少なくともIIIA族元素から選択
される少なくとも種の元素とチッ素とを含む半導体層を
有する半導体素子を備える紫外線受光器であって、前記
紫外線受光器端面からの光の入射を遮る遮蔽部材を備え
ることを特徴とする紫外線受光器である。 <4>前記遮蔽部材が、前記紫外線受光器端面に備えら
れることを特徴とする前記<3>に記載の紫外線受光器
である。 <5>前記紫外線受光器端面に備えられる前記遮蔽部材
が、着色塗料を用いて塗布形成されてなることを特徴と
する前記<4>に記載の紫外線受光器である。 <6>前記遮蔽部材が、前記紫外光受光器受光面周縁部
に備えられ、当該周縁部から外側へと延在する板状部材
であることを特徴とする前記<3>に記載の紫外線受光
器である。 <7>前記紫外線受光器が、少なくとも受光面全面を覆
う保護部材を備え、当該保護部材に前記遮蔽部材が設け
られてなることを特徴とする前記<3>〜<6>のいず
れかに記載の紫外線受光器である。 <8>前記紫外線受光器の厚さが7mm以下であり、且
つ垂直入射する光に対してθ度(0〜60度)で斜入射
する光の出力が、垂直入射する光の出力のcosθ倍の
40%以内であることを特徴とする前記<3>〜<7>
のいずれかに記載の紫外線受光器である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、図面を参照しつつ説明する場合があるが、同様の
機能を有するものには、全図面通して同じ符号を付し、
その説明を省略する場合がある。
【0012】本発明の紫外線受光器は、少なくともII
IA族元素から選択される少なくとも種の元素とチッ素
とを含む半導体素子を備えてなり、以下の第1〜2の本
発明から構成される。
【0013】(第1の本発明)第1の本発明の紫外線受
光器は、その厚さが7mm以下であり、且つ垂直入射す
る光に対してθ度(0〜60度)で斜入射する光の出力
が、垂直入射する光の出力のcosθ倍の40%以内で
あることを特徴とする。第一の本発明の紫外線受光器
は、上記特定の半導体層を有する半導体素子を備え、厚
さが7mmと薄く、斜入射する光の出力が垂直入射する
光の出力のcosθ倍の40%以内なので、薄型であり
ながらも、紫外線の強度を広い入射角で正確に測定で
き、安価でかつ安定で長寿命である。
【0014】第1の本発明の紫外線受光器では、その厚
さが7mm以下であるが、好ましくは5mm以下、より
好ましくは4mm以下である。さらに、垂直入射する光
に対してθ度(0〜60度)で斜入射する光の出力は、
垂直入射する光の出力のcosθ倍の40%以内である
が、好ましくは、30%以内であり、さらに好ましくは
20%以内である。斜入射する光の出力が垂直入射する
光の出力のcosθ倍の40%を越えると、光入射角依
存性が大きくなり、太陽や紫外線ランプから測定位置に
広角で入射する紫外線強度を正確に測定できなくなる。
【0015】第1の本発明の紫外線受光器の構成として
は、上記特定の半導体層を有する半導体素子を備え、受
光器の厚さが7mm以下であり、且つ垂直入射する光に
対してθ度(0〜60度)で斜入射する光の出力が、垂
直入射する光の出力のcosθ倍の40%以内であれ
ば、特に限定されないが、例えば、少なくとも、基板上
に上記特定の半導体層及び少なくとも二つの電極を有す
る半導体素子を備える構成が挙げられ、特に好ましい構
成としては、以下に示す第二の本発明の紫外線受光器が
好適に挙げられる。
【0016】(第2の本発明)第2の本発明の紫外線受
光器は、紫外線受光器端面からの光の入射を遮る遮蔽部
材を備えることを特徴とする。第2の本発明の紫外線受
光素子は、受光器端面からの光の入射を遮る遮蔽部材を
備えることで、低角度での光入射角特性を劣化させる受
光器端面からの光を遮断し、光入射角依存性を少なくす
ることができるため、紫外線の強度を広い入射角で正確
に測定でき、安価でかつ安定で長寿命である。また、第
2の本発明の紫外線受光器は、優れた光入射角特性を維
持しつつ、例えば、厚さ7mm以下と薄型の受光器とす
ることができる。
【0017】以下、図面参照しつつ、第2の本発明の紫
外線受光器をより詳細に説明するが、これに限定される
わけではない。図1に示す紫外線受光器は、透明導電性
基板20と、半導体層22と、電極24とを備え、半導
体層22が透明導電性基板20及び電極24で挟持され
てなる半導体素子からなる。さらに受光器(半導体素
子)端面に、当該受光器端面から入射する光を遮る遮蔽
部材26を備える。
【0018】図1に示す紫外線受光器では、紫外線が透
明導電性基板20側から入射する。この入射光には垂直
入射光(矢印A)、該垂直入射光に対して傾斜して入射
してくる傾斜入射光(矢印B)がある。図1に示す紫外
線受光器では、端面に遮蔽部材26を備えるので、簡易
な構成で長期間安定して端面からの光を遮断し、傾斜入
射光(矢印B)のように低角度からの入射角特性を劣化
させることなく、紫外線の強度を広い入射角で正確に測
定することができる。
【0019】図1に示す紫外線受光器において、遮蔽部
材26は、紫外線を通さない材料により構成させること
が好ましいが、半導体層22が可視光域にも少しの受光
感度が有る場合には可視/紫外感度比が悪くなるため紫
外光から可視光に亘って不透過の材料がよい。このよう
な材料としては、黒色物が望ましいが、黄色や赤、茶色
などの短波長で不透過でかつ紫外線を透過しないもので
あれば使用できる。また、受光器端面に設けられる遮蔽
部材26は、上記材料からなる、シール状のテープを用
いて貼着してもよいし、枠状部材を用いて端面周辺に嵌
合させてもよいし、また着色塗料も用いて塗布形成させ
てもよい。これらの中でも、着色塗料も用いて塗布形成
させることが、簡易且つ低コストで設けることができる
観点から好ましい。
【0020】図1に示す紫外線受光器において、遮蔽部
材26は、受光器端面に備えられてなるが、図2に示す
ように透明導電性基板20周縁部(受光器受光面周縁
部)に備えることもできる。図2に示す紫外線受光器の
場合、遮蔽部材26は、透明導電性基板20周縁部から
外側へと延在する板状部材である。また、板状の遮蔽部
材26は、受光器の受光面を露出可能な貫通孔が設けら
れ、且つ外側から貫通孔周辺に向けて厚みが薄くなるテ
ーパー構造を有し、貫通孔から受光面を露出させるよう
にして、透明導電性基板20周縁部に設けられてなる。
板状の遮蔽部材26が、透明導電性基板20周縁部から
外側へと延在することで、簡易な構成で長期間安定して
端面からの光を遮断し、傾斜入射光(矢印B)のように
低角度からの入射角特性を劣化させることなく、紫外線
の強度を広い入射角で正確に測定することができる。こ
のような板状の遮蔽部材26は、大きさの限度はある
が、受光部(半導体層22)からできるだけ遠くに延在
させることが、効率良く端面からの光を遮断し入射角度
依存性を改善するため好ましい。また、板状の遮蔽部材
26は、上述のようにテーパー構造を有することで、低
角度から入射する光(例えば矢印Bで示すような斜入射
光)により影をできにくく難くし、低角度から入射する
光を受光部(半導体層22)に到達させ易くすることが
できる。また、薄肉化が可能な材料からなる薄板状部材
を用い、これを板状の遮蔽部材26としてもよい。さら
に、薄板状部材とテーパー状部材とを貼り合わせて、こ
れを、これを板状の遮蔽部材26としてもよい。板状の
遮蔽部材26は、金属や硬化樹脂等の硬質な材料からな
ってもよいし、ゴム等の柔軟な材料からなってもよい。
板状の遮蔽部材26が柔軟な材料からなる場合、受光器
を電極24側から測定位置へ設置したとき、測定位置面
に遮蔽部材端部が接触し、受光面以外は完全に入射する
光を遮蔽することが可能となる。また、例えば、受光器
の受光面(透明導電性基板20上)に、該受光面よりも
大きな板状の保護部材(透明でもよいし、着色していて
もよい(所謂フィルター))を設け、保護部材表面(受
光面側)における透明導電性基板20周縁部から外側
を、上記材料からなる、シール状のテープを用いて貼着
したり、着色塗料などで塗布形成(印刷)し、これを遮
蔽部材26としてもよい。このような遮蔽部材26とし
て薄板状部材を用いる場合、厚さは0.1〜0.4mm
であることが好ましく、より好ましく0.1〜0.3m
mであり、具体的には、ステンレス箔、ニッケル箔、イ
ンコネル箔などが好適に用いられる。
【0021】図1に示す紫外線受光器においては、紫外
線が透明導電性基板20側から入射するが、図3に示す
ように電極24側から紫外光が入射するように配置して
もよい。この場合、図4に示すように、受光面側(電極
24面)に、受光面と同等な大きさの板状の保護部材2
8(透明でもよいし、着色していてもよい(所謂フィル
ター))を設け、板状の保護部材28周縁部に図2に示
す紫外線受光器における遮蔽部材26と同様な部材を設
けることができる。さらに、図5に示すように、受光面
側(電極24側)に、受光面よりも大きな板状の保護部
材28(透明でもよいし、着色していてもよい(所謂フ
ィルター))を設け、保護部材28裏面(受光面側とは
逆の面)における受光部(半導体層22)周縁部から外
側を、シール状のテープを用いて貼着したり、着色塗料
などで塗布形成(印刷)し、これを遮蔽部材26として
もよい。図5に示す紫外線受光器の場合、遮蔽部材26
(シール状のテープを用いて貼着部や着色塗料などによ
る印字部)は、保護部材28裏面に設けられることで、
より確実に受光器端面からの入射する光を遮断すること
ができる。また、遮蔽部材26(シール状のテープを用
いて貼着部や着色塗料などによる印字部)は、受光面の
垂直入射光側(矢印A側)から見たとき、受光部(半導
体層22)周縁部と重複するように配設されることが好
ましい。この重複がないと受光部(半導体層22)周縁
部から光が入射する可能性があり入射角度依存性が劣化
することがある。
【0022】図1〜5に示す紫外線受光器では、受光面
とは逆の面側の素子の露出部分は、環境安定性等の観点
から、容器等の筐体に収容したり、樹脂封止することが
好ましい。
【0023】以下、半導体素子について説明する。な
お、以下、図1〜5における上記各部材の符号を省略し
て説明する。 −基板(透明導電性基板20も含む)− 基板は、基板自体が導電性であっても、絶縁性であって
もよく、また、結晶であるか非晶質であるかは問わな
い。導電性を有する場合、基板自体を一つの電極として
用いることができる。また、導電性の基板は、絶縁性の
基板を導電化処理したものであってもよい。基板自体が
導電性であるものとしては、アルミニウム、ステンレス
スチール、ニッケル、クロム等の金属およびその合金結
晶、Si、GaAs、GaP、GaN、SiC、ZnO
などの半導体を挙げることができる。
【0024】また、絶縁性の基板としては、高分子フィ
ルム、ガラス、石英、セラミック等を挙げることができ
る。絶縁性の基板の導電化処理は、上記導電性基板の具
体例で挙げた金属または金、銀、銅等を蒸着法、スパッ
ター法、イオンプレーティング法などにより成膜して行
うことができる。また、この導電化処理は、非単結晶半
導体層と同様に、パターニングされてもよい。
【0025】基板側から光の入射する場合、当該基板は
透明性を有する必要がある。そのため、透明性を有する
基板(以下、透明性基板とする)としては、ガラス、石
英、サファイア、MgO、SiC、ZnO、LiF、C
aF2等の透明な無機材料、また、弗素樹脂、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、エポキシ等の透明な有機樹脂のフィル
ムまたは板状体、さらに、オプチカルファイバー、セル
フォック光学プレート等が使用できる。
【0026】前記透明性基板を導電化処理する場合、I
TO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨ
ウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレー
ティング、スパッタリングなどの方法により形成したも
の、あるいはAl,Ni,Au等の金属を蒸着やスパッ
タリングなどにより半透明になる程度に薄く成膜して行
われる。また、この導電化処理は、非単結晶半導体層と
同様に、パターニングされてもよい。 ―半導体層(半導体層22)― 半導体層は、少なくともIIIA族元素(IUPACの
1989年無機化学命名法改訂版による族番号は13)
から選択される少なくとも種の元素とチッ素とを含有
し、必要に応じてその他の成分を含有する。III族元
素としては、具体的にはB、Al、Ga、In、Tlが
挙げられるが、Al、Ga、Inから選ばれる少なくと
も1種であることが好ましい。
【0027】半導体層としては、非単結晶質状でもよ
く、単結晶質状でもよい。非単結晶質状である場合に
は、非晶質状でもよく、微結晶質状でもよく、これらの
混合された状態であってもよい。結晶質状の場合、その
結晶系は、立方晶あるいは6方晶系のいずれか一つであ
っても、複数の結晶系が混合された状態でもよい。結晶
としては、柱状成長した結晶でもよく、X線回折スペク
トルで単一ピークであり、結晶面方位が高度に配向した
ものでもよく、単結晶でもよい。
【0028】半導体層が非単結晶の場合には、当該半導
体層に0.5at%〜50at%の水素が含有していて
もよく、一配位のハロゲン元素が含有されていてもよ
い。前記半導体層の水素含有量が0.5at%未満で
は、結晶粒界での結合欠陥とあるいは非晶質相内部での
結合欠陥や未結合手を水素との結合によって無くし、バ
ンド内に形成する欠陥準位を不活性化するのに不十分で
あり、結合欠陥や構造欠陥が増大し、暗抵抗が低下し光
感度がなくなるため実用的な半導体受光素子として機能
することができない場合がある。
【0029】これに対し、半導体層の水素含有量が50
at%を超えると、電気的な特性が劣化すると共に硬度
などの機械的性質が低下することがある。さらに、前記
半導体層が酸化されやすくなり、耐候性が悪化すること
もある。
【0030】ここで、半導体層の水素含有量(at%)
については、ハイドジェンフォワードスキャタリング
(HFS)により絶対値を測定することができる。ま
た、加熱による水素放出量の測定によっても水素含有量
を推定することができる。さらに、半導体層の形成時
に、同時にシリコン、サファイア等の赤外透明な基板に
同様の光半導体層を形成することで、赤外吸収スペクト
ルによって該光半導体の水素含有量を容易に測定するこ
とできる。なお、赤外吸収スペクトルによって水素結合
状態も判明する。
【0031】水素を含む半導体層の構造は、例えば、透
過電子線回折で測定した場合、全くリング状の回折パタ
ーンがなく、ぼんやりしたハローパターンの完全に長距
離秩序の欠如しているものから、ハローパターンの中に
リング状の回折パターンが見られるもの、さらに、その
中に輝点が見られるものまで使用できる。このような半
導体層は、透過電子線回折より広範囲を観測するX線回
折測定においては、ほとんど何もピークが得られないこ
とが多い。
【0032】また、透過電子線回折の測定いおいて、リ
ング状の回折パターンと共に輝点が多数見られるもの、
さらに、ほとんどスポット状の輝点のみであってもX線
回折測定において、多結晶あるいは最も強いピーク強度
が単結晶にくらべると弱く、かつ、他に弱い他の面方位
のピークが混在している場合もある。さらに、ほとんど
一つの面方位からなるX線回折スペクトルを示す場合も
ある。
【0033】水素を含む半導体層の赤外吸収スペクトル
測定では、水素との結合ピークが存在すると共に、III
族原子(Al、GaおよびIn)とN原子との結合の振
動吸収ピークの半値幅が、非晶質構造が主体の場合には
150cm-1以上であり、微結晶性の場合には100c
-1以下である。ここで、半値幅とは、III族原子とN
原子の結合を主体とする吸収位置での複数のピークから
なる吸収帯の最高強度とバックグランドを除いた強度の
1/2の値での吸収帯の幅である。
【0034】微結晶の大きさは、その径として、5nm
〜5μmであり、X線回折や電子線回折および断面の電
子顕微鏡写真を用いた形状測定などによって測定するこ
とができる。
【0035】また、半導体層の吸光係数は、分光光度計
で吸収量を測定し、層厚で除したものを自然対数系で表
したものであり、400nmの光透過量は、透明(ここ
では、紫外線透過性)とみなせるためには20000c
-1以下が好ましく、10000cm-1以下がより好ま
しい。これらの値は、バンドギャップとしてはほぼ3.
0eV以下に相当する。
【0036】半導体層の原料としては、IIIA族元
素、好ましくはAl、GaおよびInのうちから選ばれ
る1以上の元素を含む有機金属化合物を用いることがで
きる。前記有機金属化合物としては、例えば、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ターシャリ
ーブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチ
ルガリウム、ターシャリーブチルガリウム、トリメチル
インジウム、トリエチルインジウム、ターシャリーブチ
ルインジウムなどの液体や固体を気化して単独にあるい
はキャリアガスでバブリングすることによって混合状態
で使用することができる。キャリアガスとしては、水
素、N2、メタン、エタンなどの炭化水素、CF4、C2
6などのハロゲン化炭素などを用いることができる。
【0037】窒素原料としては、N2、NH3、NF3
24、メチルヒドラジンなどの気体、または、液体を
気化あるいはキャリアガスでバブリングすることによっ
て使用することができる。
【0038】半導体層の組成において、III族元素の量
の総和mと、窒素の量nとの関係が、0.5:1.0≦
m:n≦1.0:0.5を満たすことが好ましく、この
範囲を外れると、III族元素とV族元素(N)との結合に
おいて四面体型結合を取る部分が少なく、欠陥が多くな
り、良好な半導体層として機能しなくなる場合がある。
【0039】半導体層の光学ギャップは、III族元素の
混合比によって任意に変えることができる。GaN:H
を基準にすると、例えば、3.2〜3.5eVより大き
くする場合には、Alを加えることによって、200n
m〜330nmの波長領域を吸収可能な(波長領域に感
度を持つ)、ハンドギャップ(例えば6.5eV)程度
まで大きくすることができる。また、Inを加えること
でも、それぞれに透明のまま波長域を吸収可能なハンド
ギャップを変化させことができる。例えば、Inを加え
ることによって、ハンドギャップを3.2eV以下程度
に変化させることができる。
【0040】ここで、光学ギャップは波長(eV)と吸
収係数(αe)の2乗のプロットより、低エネルギーの
直線部分を外挿した点から求める。あるいは、吸収係数
が10000cm-1の波長(eV)としてもよい。吸収
係数は、バックグランドを除外した吸光度を用いるか、
膜厚依存性を測定して求められる。
【0041】また、半導体層は、p、n制御のために元
素を膜中にドープすることができる。ドープし得るn型
用の元素としてはIa族のLi、Ib族のCu、Ag、A
u、IIa族のMg、IIb族のZn、IVa族のSi、G
e、Sn、Pb、VIa族のS、Se、Teを用いること
ができる。
【0042】ドープし得るp型用の元素としては、Ia
族のLi、Na、K、Ib族のCu、Ag、Au、IIa
族のBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、IIb族のZ
n、Cd、Hg、IVa族のC、Si、Ge、Sn、P
b、VIa族のS、Se、Te、VIb族のCr、Mo、
W、VIIIa族のFe、Co、Niなどを用いることがで
きる。
【0043】半導体層中の水素は、ドーパントに結合し
不活性化しないように、欠陥準位をパッシベーションす
るための水素が、ドーパントよりもIII族元素および窒
素元素に選択的に結合する必要があり、この点から、特
に、n型用の元素としては、特に、Si,Ge,Snが
好ましく、p型用の元素としては、特に、Be,Mg,
Ca,Zn,Srが好ましい。
【0044】ドーピングの際には、n型用としては、S
iH4、Si26、GeH4、GeF 4、SnH4を、p型
用としては、BeH2、BeCl2、BeCl4、シクロ
ペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジ
メチルストロンチウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛な
ど、をガス状態で使用できる。また、これらの元素を半
導体層にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法
等の公知の方法を採用することができる。
【0045】単層の半導体層を形成することによってシ
ョットキー型の素子とすることもできるし、pnダイオ
ード構成やpin構成などを作製することによつてさら
に高効率化することができる。
【0046】半導体層は、IIIA族元素(好ましくは
Al、Ga、およびIn)のうち少なくとも一つ以上の
元素と窒素(と水素)とを含むn型あるいはp型の半導
体層から構成されてもよいし、さらに高濃度のドーピン
グを行った膜p+あるいはn+層を挿入してもよいし、低
濃度のドーピングを行った膜p-あるいはn-層を挿入し
てもよい。
【0047】また、半導体層は、多層構造であってもよ
い。この場合、半導体層は、透明性や障壁の形成のため
に、p型半導体層、i型半導体層、および、n型半導体
層の各層は、それぞれ異なるAlxGayInz(x=0
〜1.0、y=0〜1.0、z=0〜1.0)で表せる
Al、Ga、InとNの組成を持っていてもよいし、p
型半導体層、i型半導体層、および、n型半導体層のそ
れぞれの層が複数のAlxGayInzN:H(x=0〜
1.0、y=0〜1.0、z=0〜1.0)の組成から
成っていてもよい。
【0048】以下、図6を参照して、半導体層の形成方
法を説明するが、これに限定されるものではない。な
お、以下の製造方法においては、IIIA族元素とし
て、Al、Ga、およびInのうち少なくとも一つ以上
の元素を用いた例で説明する。
【0049】ここで、図6は半導体層を形成する層形成
装置100の概略構成図である。なお、層形成装置10
0は、プラズマを活性化手段とするものである。図6に
示すように、層形成装置100は、排気して真空にし得
る容器1と、排気口2と、基板ホルダー3と、基板加熱
用ヒーター4と、容器1に接続された石英管5、6と、
高周波コイル7と、マイクロ波導波管8と、石英管5、
6にそれぞれ連通しているガス導入管9、10と、石英
管5、6にそれぞれ接続しているガス導入管11、12
とを有する。
【0050】この層形成装置100においては、窒素元
素源として、例えば、N2を用い、ガス導入管9から石
英管5に導入する。例えば、マグネトロンを用いたマイ
クロ波発振器(図示せず)に接続されたマイクロ波導波
管8に、2.45GHzのマイクロ波が供給され、石英
管5内に放電を発生させる。別のガス導入管10から、
例えばH2を石英管6に導入する。高周波発振器(図示
せず)から高周波コイル7に13.56MHzの高周波
を供給し、石英管6内に放電を発生させる。放電空間の
下流側に配されたガス導入管12より、例えば、トリメ
チルガリウムを導入することによって、基板ホルダー3
にセットされた導電性基板上に、窒素ガリウムからなる
半導体層を形成(成膜)することができる。
【0051】なお、前記ガス導入管12から導入された
ガスは、トリメチルガリウムであったが、代わりにイン
ジウム、アルミニウムを含む有機金属化合物を用いるこ
ともできるし、またそれらを混合することもできる。ま
た、これらの有機金属化合物は、ガス導入管11から混
合して導入してもよいし、別々に導入してもよい。
【0052】導電性基板の温度としては、100℃〜6
00℃が好ましい。一般に、導電性基板の温度が高い場
合、および/または、III族原料ガスの流量が少ない場
合には、微結晶の半導体層が形成されやすい。また、導
電性基板の温度が300℃より低く、III族原料ガスの
流量が少ない場合には、微結晶の半導体層が形成されや
すく、基板温度が300℃より高く、低温条件よりもII
I族原料ガスの流量が多い場合であっても、微結晶の半
導体層が形成されやすい。さらに、例えば、H 2放電を
行った場合には、行なわない場合よりも半導体層の微結
晶化を進めることができる。
【0053】また、C,Si,Ge,Snから選ばれた
少なくとも一つ以上の元素を含むガス、あるいはBe,
Mg,Ca,Zn,Srから選ばれた少なくとも1つ以
上の元素を含むガスを放電空間の下流側(ガス導入管1
1またはガス導入管12)から導入することによってn
型、p型などの任意の伝導型の非晶質あるいは微結晶の
窒化物半導体を得ることができる。C元素を導入する場
合には、条件によっては有機金属化合物の炭素を使用し
てもよい。
【0054】上述のような層形成装置100において、
放電エネルギーにより形成される活性窒素あるいは活性
水素を独立に制御してもよいし、NH3のような窒素と
水素原子を同時に含むガスを用いてもよい。さらにH2
を加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が
遊離生成する条件を用いることもできる。このようにす
ることによって、導電性基板上には活性化されたIII族
原子、窒素原子が制御された状態で存在し、かつ、水素
原子がメチル基やエチル基をメタンやエタン等の不活性
分子にするために低温にも拘わらず、炭素がほとんど入
らないか、入っても極低量の、膜欠陥が抑えられた非晶
質あるいは微結晶の膜が生成できる。なお、水素化アモ
ルファスシリコン膜は窒素の代わりに水素を用い、シラ
ン、ジシラン、トリシラン等のガスを有機金属ガスの代
わりに用いればよい。また、プラズマCVD装置を用い
ても形成することができる。
【0055】上述のような層形成装置100において、
活性化手段としては、高周波発振器、マイクロ波発振
器、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラ
ズマ方式であってもよいし、これらを一つ用いてもよい
し、二つ以上を用いてもよい。また、二つともマイクロ
波発振器であってもよいし、2つとも高周波発振器であ
ってもよい。また、図6においては、高周波発振器とマ
イクロ波発振器とを用いたが、2つともマイクロ波発振
器であってもよいし、2つとも高周波発振器であっても
よい。さらに、2つともエレクトロサイクロトロン共鳴
方式やヘリコンプラズマ方式を用いてもよい。高周波発
振器による高周波放電の場合、誘導型でも容量型でもよ
い。
【0056】異なる活性化手段(励起手段)を用いる場
合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする
必要があり、放電内と容器1内の層形成部(成膜部)と
の間に圧力差を設けてもよい。また、同一圧力で行う場
合、異なる活性化手段(励起手段)、例えば、マイクロ
波発振器と高周波発振器とを用いると、励起種の励起エ
ネルギーを大きく変えることができ、膜質制御に有効で
ある。半導体層は、反応性蒸着法やイオンプレーイン
グ、リアクティブスパッターなど少なくとも水素が活性
化された雰囲気で形成されることが可能である。
【0057】以上説明した、III族元素から選択され
る少なくとも種の元素とチッ素とを含有してなる半導体
層は、可視光に感度がないものであり、紫外線受光器を
保護する保護体に遮光性を持たせる必要がなく、各種フ
ィルター等を介在させる必要もなく、また耐熱性や安定
性に優れている。このため、材料と構成を簡単にするこ
とができ、小さい構成としやすく、素子の厚さを薄くす
ることができる。このため、薄い紫外線受光器を、好適
に作製可能である。
【0058】−電極(電極24)− 電極は、電極側から光を入射させる場合は、前記電極は
透明性を有する必要がある。そのため、透明性電極とし
ては、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジ
ウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用いることができ
るが、入射光が300nm以下の場合には、Al,N
i,Au,Ni,Co,Ag等の金属を蒸着やスパッタ
リングにより光が透過するように薄く成膜したものが用
いられる。前記膜の厚さは、好適には5nm〜100n
mであり、薄すぎると光透過率は大きいが電気抵抗が高
くなり、また厚すぎると光が透過しない。
【0059】―保護部材(保護部材28)― 保護部材は、保護部材層側から光入射する場合には半導
体層で検出したい紫外線を入射する必要があるためより
短波長に吸収がある材料を使用することが好ましい。こ
のような材料は、例えば石英やシリカガラス、シリコン
窒化膜やサファイアなどでもよいし、シリコーン樹脂で
もよい。保護層は、これらの材料を用いて、浸漬法やス
プレー法で塗布し加熱して硬化あるいは反応させた硬化
物により構成されてもよいし、あるいはプラズマCVD
法などで成膜された膜状物で構成されてもよいし、また
板状のものを貼り合わせて構成されてもよい。また、こ
のような保護部材は、半導体素子表面に設けられ、物理
的な傷などに対する保護の役目を果たすほか、湿度や化
学物質などから受光器活性部の影響を低減することがで
きる。また、集積化した受光器を加工する場合の保護膜
としての役割も果たすことができる。保護部材としては
紫外領域での透明性と物理的強度および化学的安定性、
耐熱性、電気絶縁性などの点からAl,Ga,Inの一
つ以上の元素とチッ素を含む窒化物よりなる膜が好適で
ある。特に低温で作製することができるため、半導体層
と同じ方法が利用できる。さらに膜中には水素が含まれ
ていてもよいし、また絶縁性を調整するためドーピング
されていてもよい。ドーピング元素としてはC,Si,
Ge,Snから選ばれた少なくとも一つ以上の元素、あ
るいはBe,Mg,Ca,Zn,Srから選ばれた少な
くとも1つ以上の元素を一つ以上用いることができる。
保護部材が半導体層よりも短波長に吸収を持つようにす
る場合にはAl,Ga,Inの元素の原子番号の小さい
元素の量を増加させ、原子番号の大きい元素の量を減少
させる。たとえば光導電層がAlxGa1−xNの場合
にはAlの量を増加、あるいはGaを減少させることが
好適である。このようにすることによって、保護部材側
からから光入射した場合には、ある波長をピークとして
短波長側と長波長側に感度が無い選択的な紫外線受光器
が可能となる。例えばAlNを保護部材とした場合には
吸収の立ち上がりが200nmからはじまるため感度と
しては180nmから長波長の受光器に適用できる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体
的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制
限するものではない。
【0061】(実施例1)図6に示す装置を用いて、以
下のようにして半導体素子を作製し、この半導体素子か
らなる紫外線受光器を作製した。洗浄したコーニング7
059上にITOをスパッター法により2000Åで形
成した基板(透明導電性基板20(厚さ0.3mm))
を真空容器1内に設置した。排気口2を介して容器1内
を真空排気後、ヒーター4により基板を380℃に加熱
した。N2 ガスをガス導入管9より直径25mmの石英
管5内に2000sccm導入し、マイクロ波導波管8
を介して2.45GHzのマイクロ波を出力250Wに
セットしチューナでマッチングを取り放電を行った。こ
の時の反射波は0Wであった。H2 ガスはガス導入管1
0より直径30mmの石英管6内に1000sccm導
入した。13.56MHzの高周波電力の出力を100
Wにセットした。反射波は0Wであった。この状態でガ
ス導入管12より0℃で保持されたトリメチルガリウム
(TMGa)の蒸気を水素をキヤリアガスとして用いバ
ブリングしながらマスフローコントローラーを通して
0.3sccm導入した。さらに水素をキヤリアガスと
したシクロペンタジエニルマグネシウムを1sccm導
入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は
0.5Torrであった。成膜を60分行い0.2μm
のi型のGaN:H膜(半導体層22)を作製した。こ
のGaN:H膜の上に直径2mmのAu膜電極(電極2
4)を10nmの厚さで蒸着法で作製し半透明電極とし
た。このようにして半導体素子を作製し、金電極とIT
O部に導線を導電性接着剤で固定し紫外線受光器(大き
さ4×5mm、厚さ3mm)とした。
【0062】この紫外線受光器をガラス基板(透明導電
性基板)側を受光面として紫外線の入射角度依存性を測
定した。まず、キセノンランプに干渉フィルターを設け
コリメートレンズで平行光とし20×20mmの紫外線
のほぼ平行な光束を用意した。この光に対して、受光面
を回転して測定したところ角度が45度から60度で光
電流出力が極大となった。つぎにAu電極側を受光面と
して紫外線の入射角度依存性を同様にして測定した。こ
の時受光面を回転して測定したところ角度が45度から
60度で光電流出力が極大となった。つぎに、この受光
器のガラス基板側面を黒い塗料で塗装し、ガラス基板
(透明導電性基板)側を受光面として紫外線の入射角度
依存性を測定したところ、受光面の垂直入射する光に対
してθ度(0〜60度)で斜入射する光の出力(光電出
力)が、垂直入射する光の出力のcosθ倍の30%以
内であることが分かった。
【0063】(実施例2)実施例1と同じ半導体素子を
用いて、次のようにして紫外線受光器を作製した。半導
体素子のガラス基板(透明導電性基板20)上に、10
×10mmの石英板(保護部材28)をシリコーン樹脂
にて接着した。この石英板は予め下面(ガラス基板接着
面)周縁部をガラス基板周縁部に0.1mm重複するよ
うに、紫外光を遮断する黒色塗料を用いて幅2mmで印
字し、これを遮蔽部材を形成してなる。この印刷部(遮
蔽部材)は半導体素子端面を隠し、かつ端面から入射す
る光を遮断できるようになっている。受光面をガラス基
板側とし、この紫外線受光器の入射角度依存性を実施例
1と同様に測定したところ、受光面の垂直入射する光に
対してθ度(0〜60度)で斜入射する光の出力(光電
出力)が、垂直入射する光の出力のcosθ倍の30%
以内であることが分かった。
【0064】(実施例3)実施例1と同じ半導体素子を
用いて、図5に示す紫外線受光器を作製した。具体的に
は、直径7mmの石英板(保護部材28)を、半導体素
子のAu電極側に当てて設置した。さらにこの石英板を
テーパの付いた金属性のふた状の板(遮蔽部材26)に
貼りつけ、半導体素子のガラス基板側から厚さ5mmの
缶状の容器に収容した。このときガラス基板端面は、受
光面垂直方向から見たときふた状の板よりわずかに外側
にあり、Au電極はふた状の板の縁より1mm内側にあ
った。受光面をAu基板側とし、この紫外線受光器の入
射角度依存性を実施例1と同様に測定したところ、受光
面の垂直入射する光に対してθ度(0〜60度)で斜入
射する光の出力(光電出力)が、垂直入射する光の出力
のcosθ倍の20%以内であることが分かった。さら
に、70度まで斜入射する光の出力(光電出力)も、垂
直入射する光の出力のcosθ倍の20%以内であるこ
とがわかった。
【0065】実施例で作製した紫外線受光器は、いずれ
も薄型であるにもかかわらず、入射角依存性がcosθ
側の理論値に近く、あらゆる方向からの紫外線を正確に
測定することができることがわかる。また、容器内に収
納することにより、環境安定性にすぐれた受光器として
使用することもできることがわかる。
【0066】
【発明の効果】以上、本発明によれば、紫外線の強度を
広い入射角で正確に測定でき、安価でかつ安定で長寿命
の紫外線受光器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の紫外線受光器の一例を示す概略構成
図である。
【図2】 本発明の紫外線受光器の一例を示す概略構成
図である。
【図3】 本発明の紫外線受光器の一例を示す概略構成
図である。
【図4】 本発明の紫外線受光器の一例を示す概略構成
図である。
【図5】 本発明の紫外線受光器の一例を示す概略構成
図である。
【図6】 本発明における半導体素子を製造するための
装置の好ましい実施の形態を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
100 層形成装置 1 容器 2 排気口 3 基板ホルダー 4 基板加熱用ヒーター 5、6 石英管 7 高周波コイル 8 マイクロ波導波管 9〜12 ガス導入管 20 透明導電性基板 22 半導体層 24 電極 26 遮蔽部材 28 保護部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともIIIA族元素から選択され
    る少なくとも種の元素とチッ素とを含む半導体層を有す
    る半導体素子を備える紫外線受光器であって、 前記紫外線受光器の厚さが7mm以下であり、且つ垂直
    入射する光に対してθ度(0〜60度)で斜入射する光
    の出力が、垂直入射する光の出力のcosθ倍の40%
    以内であることを特徴とする紫外線受光器。
  2. 【請求項2】 半導体素子が、少なくとも、基板上に前
    記半導体層及び少なくとも二つの電極を有する素子であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の紫外線受光器。
  3. 【請求項3】 少なくともIIIA族元素から選択され
    る少なくとも種の元素とチッ素とを含む半導体層を有す
    る半導体素子を備える紫外線受光器であって、 前記紫外線受光器端面からの光の入射を遮る遮蔽部材を
    備えることを特徴とする紫外線受光器。
  4. 【請求項4】 前記遮蔽部材が、前記紫外線受光器端面
    に備えられることを特徴とする請求項3に記載の紫外線
    受光器。
  5. 【請求項5】 前記紫外線受光器端面に備えられる前記
    遮蔽部材が、着色塗料を用いて塗布形成されてなること
    を特徴とする請求項4に記載の紫外線受光器。
  6. 【請求項6】 前記遮蔽部材が、前記紫外光受光器受光
    面周縁部に備えられ、当該周縁部から外側へと延在する
    板状部材であることを特徴とする請求項3に記載の紫外
    線受光器。
  7. 【請求項7】 前記紫外線受光器が、少なくとも受光面
    全面を覆う保護部材を備え、当該保護部材に前記遮蔽部
    材が設けられてなることを特徴とする請求項3〜6のい
    ずれかに記載の紫外線受光器。
  8. 【請求項8】 前記紫外線受光器の厚さが7mm以下で
    あり、且つ垂直入射する光に対してθ度(0〜60度)
    で斜入射する光の出力が、垂直入射する光の出力のco
    sθ倍の40%以内であることを特徴とする請求項3〜
    7のいずれかに記載の紫外線受光器。
JP2001212514A 2001-07-12 2001-07-12 紫外線受光器 Pending JP2003028711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001212514A JP2003028711A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 紫外線受光器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001212514A JP2003028711A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 紫外線受光器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003028711A true JP2003028711A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19047664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001212514A Pending JP2003028711A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 紫外線受光器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003028711A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009302319A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Rohm Co Ltd 分光機能を有する光電変換素子およびこれを用いたイメージセンサー
JP2009300307A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Furukawa Co Ltd 放射線検出器およびこれを用いる放射線検査装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009302319A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Rohm Co Ltd 分光機能を有する光電変換素子およびこれを用いたイメージセンサー
JP2009300307A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Furukawa Co Ltd 放射線検出器およびこれを用いる放射線検査装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4465941B2 (ja) 紫外線受光素子
AU610231B2 (en) Pin junction photovoltaic element having I-type semiconductor layer comprising non-single crystal material containing at least Zn, Se and H in an amount of 1 to 40 atomic per cent
JP2001320451A (ja) 携帯型情報機器
US6297442B1 (en) Solar cell, self-power-supply display device using same, and process for producing solar cell
US7095089B2 (en) Light detecting device and method for mounting the same
US6432521B1 (en) Group III-V compound semiconductor, and semiconductor device using the compound semiconductor
JPH11186571A (ja) 非単結晶光半導体およびその製造方法ならびに電子写真感光体
AU629187B2 (en) Pin junction photovoltaic element with P or N-type semiconductor layer comprising a non-single crystal material containing Zn,Se,Te,H in an amount of 1 to 4 atomic per cent and a dopant and I-type semiconductor layer comprising non-single crystal SI(H,F) material
US6784435B2 (en) UV detector and method of measuring UV intensity and dose using the same
JP2003028711A (ja) 紫外線受光器
JP4182648B2 (ja) 半導体紫外線受光素子およびその製造方法
JP2002277323A (ja) 紫外線受光器、紫外線光量測定装置、及び紫外線光量測定方法
JP2002344001A (ja) 波長分離型紫外線受光器
JP2003046112A (ja) 紫外光/可視光分離型受光素子
JP2004311784A (ja) 光検出装置、及びその実装方法
JPH11214737A (ja) 半導体受光素子とその製造方法、およびそれを用いた光センサ
JP2003065843A (ja) 紫外線受光器及び紫外線受光装置
JP2004251754A (ja) 紫外線センサー
JP2002022533A (ja) 紫外線センサー
JP4103346B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP3838121B2 (ja) 紫外線受光素子及び紫外線光量測定装置
JP2002350228A (ja) 紫外線センサー
JPH10256577A (ja) 微結晶化合物光半導体及びその製造方法並びに光半導体素子
JP2001244495A (ja) 紫外線検出器
JP2003249665A (ja) 半導体受光素子及びそれを用いた紫外線センサー、太陽電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060523