JP2003249665A - 半導体受光素子及びそれを用いた紫外線センサー、太陽電池 - Google Patents

半導体受光素子及びそれを用いた紫外線センサー、太陽電池

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JP2003249665A
JP2003249665A JP2002046834A JP2002046834A JP2003249665A JP 2003249665 A JP2003249665 A JP 2003249665A JP 2002046834 A JP2002046834 A JP 2002046834A JP 2002046834 A JP2002046834 A JP 2002046834A JP 2003249665 A JP2003249665 A JP 2003249665A
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light receiving
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ultraviolet
light
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Shigeru Yagi
茂 八木
Masayuki Torigoe
誠之 鳥越
Takeshi Iwanaga
剛 岩永
Seiji Suzuki
星児 鈴木
Hiroshi Kojima
博 小島
Toshihiko Suzuki
俊彦 鈴木
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 320nm以下の短波長の紫外線を安定に、
かつ高感度で検出できる小型の半導体受光素子及びそれ
を用いた紫外線センサー、太陽電池を提供することであ
る。 【解決手段】 少なくとも320nm以下の波長の紫外
線を透過する基板表面に、前記紫外線を透過するように
酸化物導電層を形成し、該酸化物導電層表面に、IIIA
族元素から選択される少なくとも1以上の元素と窒素と
を含む半導体層を形成してなる半導体受光素子であっ
て、前記紫外線が、前記基板側から酸化物導電層を通し
て半導体層に入射されることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UV−BやUV−
C等の300nmより短波長の紫外線を受光する半導体
受光素子及びそれを用いた紫外線センサー、太陽電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球上の環境保護に関する最大の
問題の一つとして、オゾン層の破壊による地上での紫外
線量の増加が挙げられる。このような紫外線の増加は、
皮膚ガンの発生やDNAの損傷による光過敏症の増大、
光老化など、人間の健康に重大な影響を及ぼす。成層圏
のオゾンが減少した場合には、特に、オゾン層における
330nm以下の紫外線吸収量が低下し、地上へ到達す
る当該紫外線量に変動が起こる。このうち、UV−Bと
呼ばれる高エネルギーの300nm以下の紫外線は、D
NAの破壊などを引き起こし皮膚のさまざまな障害を与
えることが知られている。このため、上記問題への対応
として、広い範囲での紫外線の測定が必要となってい
る。
【0003】また、産業への紫外線の応用としては、カ
ラー画像出力装置やオゾン発生器、あるいは半導体製造
装置等の工業用機器分野、光造形分野など多方面に渡っ
ており、波長が254nmや365nmである水銀灯用
として、高感度かつ長時間安定で、安価な紫外線検出器
が求められている。これらの紫外線利用分野において、
紫外線を常時測定し、管理された光量のもとで反応や生
産や加工を行うことは製品の安定した品質を得るために
重要である。
【0004】これらの中で、特に衛生や殺菌などのため
には低圧水銀灯の波長254nmの紫外線、半導体製造
には低圧水銀灯の波長185nmの紫外線やKrF、A
rFエキシマーレーザの波長248nm、193nmの
紫外線等、いわゆるUV−Cと呼ばれる280nm以下
の短波長紫外線が使用されており、これらの検出に対応
した、長時間安定で安価な紫外線検出器が求められてい
る。
【0005】このように、UV−BやUV−Cの領域の
紫外線量を測定することは、環境評価や産業用としても
重要であるが、従来のシリコン系の光検出器を用いた紫
外線検出素子では、短波長の紫外線や高光量の紫外線に
対し、素子や後述する長波長カットフィルターの劣化が
大きく、連続で測定・監視を行うことができなかった。
【0006】また、前記水銀灯の輝線の発光波長は紫外
線のほかに、可視光領域にも435.8nmや546.
0nm、578nm等に強い輝線があるため、可視光領
域に感度のある光検出器の場合には、前記長波長の輝線
をカットするフィルターを用いる必要があり、例えばシ
リコンフォトダイオードのような広い範囲に感度を持つ
受光素子の場合には、長波長カットフィルターの組み合
わせが複雑になり、紫外線透過率が低下して感度が低く
なる問題があった。
【0007】さらに、UV−BやUV−Cの波長領域の
紫外線を測定するためには、多層膜などのバンドパスフ
ィルターを用いられるが、この多層膜フィルターは、膜
中の多重反射により透過度を制御するものであるため、
短波長領域に透過領域を有する場合には通常長波長領域
にも2次光などの透過域を有することとなる。このた
め、紫外領域だけを取り出す場合には、別のフィルター
を重ねて用いなければならないなど、検出部の構成が複
雑になり、センサー自体が大きくなるという欠点もあっ
た。
【0008】一方、特開平8−136340号公報では
紫外線センサーをランプから離して設置する方法が提案
されているが、当該公報に示されているように、紫外線
光源からは大量の熱放射もあるため被測定物の周辺は高
温になつていることが多く、シリコンのようなバンドギ
ャップの小さい半導体の場合には、熱キヤリアにより暗
電流が増加して動作できなくなる場合があり、冷却手段
や設置場所の工夫が必要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。すなわち、本発明の目的は、300nm以下の
短波長の紫外線を安定に、かつ高感度で検出できる小型
の半導体受光素子及びそれを用いた紫外線センサーや太
陽電池を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、 <1> 少なくとも300nm以下の波長の紫外線を透
過する基板表面に、前記紫外線を透過するように酸化物
導電層を形成し、該酸化物導電層表面に、IIIA族元素
から選択される少なくとも1以上の元素と窒素とを含む
半導体層を形成してなる紫外線センサーであって、前記
紫外線が、前記基板側から酸化物導電層を通して半導体
層に入射されることを特徴とする半導体受光素子であ
る。
【0011】<2> 前記酸化物導電層が、亜鉛、錫、
インジウム、ガリウムのうち少なくとも一つを含むこと
を特徴とする<1>に記載の半導体受光素子である。
【0012】<3> 前記基板の、前記紫外線を受光す
る面の表面に、光学フィルターを設けたことを特徴とす
る<1>または<2>のいずれかに記載の半導体受光素
子である。
【0013】<4> 請求項1〜3のいずれかに記載の
半導体受光素子からなることを特徴とする紫外線センサ
ーである。
【0014】<5> 請求項1〜3のいずれかに記載の
半導体受光素子からなることを特徴とする太陽電池であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の半導体受光素子は、少なくとも300n
m以下の波長の紫外線を透過する基板表面に、前記紫外
線を透過するように酸化物導電層を形成し、該酸化物導
電膜表面に、IIIA族元素から選択される少なくとも1
以上の元素と窒素とを含む半導体層を形成してなる。当
該半導体受光素子においては、前記紫外線が、前記基板
側から酸化物導電層を通して半導体層に入射される。
【0016】<半導体受光素子>図1及び図2は、本発
明の半導体受光素子の構成を例示する拡大断面図であ
る。図1において、20は基板であり、21は酸化物導
電層、22は半導体層、23は電極である。図2におい
ては、基板20の半導体層22の反対側に光学フィルタ
ー24が設けられている。以下、本発明の半導体受光素
子を構成ごとに説明する。
【0017】−基板− 本発明で使用する基板20としては、導電性でも絶縁性
でもよく、結晶あるいは非晶質でもよい。但し、前記の
ように、本発明においては、300nm以下の波長の紫
外線が、基板20側から酸化物導電層21を通して半導
体層22に入射されるため、基板20は、少なくとも3
00nm以下の波長の紫外線を透過する必要がある。こ
こで、上記少なくとも300nm以下の波長の紫外線を
透過するとは、300nmにおける光透過率が50%以
上であることをいう。
【0018】前記紫外線を透過する基板20としては、
シリカガラス;商品名バイコール、コーニング874
1、コーニング9720等のガラス;溶融石英、合成石
英;サファイア、MgO、LiF、CaF2等の透明な
無機材料;また、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル樹脂等の透明な有機樹脂のフィ
ルムまたは板状体等を用いることができる。
【0019】−酸化物導電層− 上記基板20は一般に絶縁性であるため、基板20の表
面に導電層が設けられる。該導電層についても、前記と
同様の理由から、300nm以下の波長の紫外線を透過
する必要があり、本発明においては、この目的のため、
300nm以下の波長の紫外線を透過できるように層厚
を制御した酸化物導電層21を、前記300nmより短
波長の紫外線を透過する基板20の表面に形成する。
【0020】この場合、前記光透過性と導電性とが両立
するように酸化物導電層21の層厚を制御する必要があ
るが、光透過性及び導電性と層厚との相関は、用いる材
料によって異なるため、前記制御は、形成された酸化物
導電層21のシート抵抗及び酸化物導電層21が形成さ
れた基板20の光透過率を規定することによって行われ
る。但し、酸化物導電層21の光透過性と導電性とは通
常反比例の関係にあり、導電性を高めると短波長の透過
波長領域が長波長シフトしてしまう。一方、半導体受光
素子の感度は、半導体層22に入射される光量と酸化物
導電層21の導電率とに依存する。
【0021】上記を考慮すると、前記酸化物導電層21
のシート抵抗は、10kΩ/□以下であることが必要で
あり、1kΩ/□以下であることが好ましい。また、前
記酸化物導電層21が形成された基板20の250nm
における光透過率は、1%以上であることが必要であ
り、10%以上であることが好ましい。なお、前記シー
ト抵抗は、形成された酸化物導電層21に市販の表面抵
抗計の端子プローブを接触させて測定することによって
求めた。
【0022】前記酸化物導電層21を形成するための材
料としては、特に制限されるものではないが、酸化物導
電層21のシート抵抗値、光透過率を前記の範囲内とす
るためには、酸化物導電層21が、亜鉛、スズ、インジ
ウム、ガリウムのうち少なくとも一つを含むものである
ことが好ましく、これらの中では、スズを含むものであ
ることが特に好ましい。
【0023】具体的には、前記酸化物導電層21は、酸
化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸
化鉛、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化チタン等の
透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、
スパッタリング等の方法により形成される。これらの中
では、酸化物導電層21の形成は、光透過率、シート抵
抗を前記好ましい範囲とする観点から、スパッタリング
法により形成されることが好ましい。
【0024】このようにして基板20の表面に形成され
る前記酸化物導電層21の厚さは、用いる材料によって
異なるが、50〜2000Åの範囲であることが好まし
い。
【0025】−半導体層− 本発明に用いられる半導体層22は、IIIA族元素(I
UPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番
号は13)から選択される少なくとも1以上の元素と窒
素とを含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。
IIIA族元素としては、具体的にはB、Al、Ga、I
n、Tlが挙げられるが、Al、Ga、Inから選ばれ
る少なくとも1種であることが好ましい。
【0026】前記半導体層22は、単結晶でも非単結晶
でもよい。さらに当該半導体層22は、非晶質相であっ
ても微結晶相からなっていても、また微結晶相と非晶質
相の混合状態であってもよく、単結晶状の膜であっても
よい。結晶系は立方晶系あるいは6方晶系のいずれか一
つであっても、複数の結晶系が混合された状態でもよ
い。
【0027】微結晶の大きさは5nmから5μmであ
り、X線回折や電子線回折および断面の電子顕微鏡写真
を用いた形状測定などによって測定することができる。
また柱状成長したものでもよいし、X線回折スペクトル
で単一ピークであり、結晶面方位が高度に配向した膜で
もよいし、また単結晶でもよい。
【0028】前記半導体層22は、水素濃度0.5at
om%以上50atom%以下の水素を含んでもよい。
また、一配位のハロゲン元素が含まれていてもよい。前
記半導体層22に含まれる水素が0.5atom%未満
では、結晶粒界での結合欠陥、あるいは非晶質相内部で
の結合欠陥や未結合手を、水素との結合によってなく
し、バンド内に形成する欠陥準位を不活性化するのに不
十分であり、結合欠陥や構造欠陥が増大し、暗抵抗が低
下し光感度がなくなるため実用的な光導電体として機能
することができない。
【0029】これに対し、前記半導体層22中の水素が
50atom%を超えると、水素がIIIA族元素及び窒
素に2つ以上結合する確率が増え、これらの元素が3次
元構造を保たず、2次元および鎖状のネットワークを形
成するようになり、特に結晶粒界でボイドを多量に発生
するため、結果としてバンド内に新たな準位を形成し、
電気的な特性が劣化すると共に、硬度などの機械的性質
が低下する。さらに半導体層22が酸化されやすくな
り、結果として半導体層22中に不純物欠陥が多量に発
生することとになり、良好な光電気特性が得られなくな
る。
【0030】また、前記半導体層22中の水素が50a
tom%を超えると、電気的特性を制御するためにドー
プするドーパントを水素が不活性化するようになるた
め、結果として電気的に活性な非晶質あるいは微結晶か
らなる光半導体層が得られない。
【0031】水素量についてはハイドロジェンフォワー
ドスキャタリング(HFS)により絶対値を測定するこ
とができる。また加熱による水素放出量の測定あるいは
IRスペクトルの測定によっても推定することができ
る。また、これらの水素結合状態は赤外吸収スペクトル
によって容易に測定することできる。
【0032】前記半導体層22において、IIIA族元素
の原子数mと、窒素の原子数nとの関係としては、下記
式(1)を満たすことが望ましい。 0.5/1.0≦m/n≦1.0/0.5 式(1) 上記m/nが、この範囲を外れると、IIIA族元素と窒
素との結合において四面体型結合を取る部分が少なくな
るため、欠陥が多くなり、良好な半導体として機能しな
くなる場合がある。
【0033】前記半導体層22の光学ギャップは、III
A族元素の混合比によって任意に変えることができる。
GaN:Hを基準にすると3.2〜3.5eVより大き
くする場合には、Alを加えることによって300nm
から330nmより短波長のみの吸収が可能なバンドギ
ャップ程度から、250nm以下の吸収のみ可能なバン
ドギャップ(6.0〜6.5eV程度)まで、変化させ
ることができる。また、Inを加えることによってもバ
ンドギヤップを調整することができる。
【0034】前記半導体層22中の各元素組成は、X線
光電子分光(XPS)、エレクトロンマイクロプロー
ブ、ラザフォードバックスキャタリング(RBS)、二
次イオン質量分析計等の方法で測定することができる。
【0035】前記半導体層22は、次のように製造する
ことができる。しかし、本発明はこれに限定されるもの
ではない。なお、以下の製造方法においては、IIIA族
元素として、Al、Ga、Inから選ばれる少なくとも
一つ以上の元素を用いた例で説明する。
【0036】図6は、本発明における半導体層22の形
成装置の概略構成図であり、プラズマを活性化手段とす
るものである。図6中、1は排気して真空にしうる容
器、2は排気口、3は基板ホルダー、4は基板加熱用の
ヒーター、5及び6は容器1に接続された石英管であ
り、それぞれガス導入管9、10に連通している。ま
た、石英管5にはガス導入管11が接続され、石英管6
にはガス導入管12が接続されている。
【0037】この装置においては、窒素源として、例え
ばN2ガスを用い、ガス導入管9から石英管5に導入す
る。次に、例えば、マグネトロンを用いたマイクロ波発
振器(図示せず)に接続されたマイクロ波導波管8に
2.45GHzのマイクロ波が供給され、石英管5内を
放電させる。一方、別のガス導入管10から、例えばH
2ガスを石英管6に導入する。次いで、高周波発振器
(図示せず)から高周波コイル7に13.56MHzの
高周波を供給し、石英管6内を放電させる。さらに、放
電空間の下流側に配されたガス導入管12より、例えば
トリメチルガリウムを導入することによって、基板ホル
ダー3にセットされた基板表面に、非晶質あるいは微結
晶の非単結晶窒化ガリウム光半導体を成膜することがで
きる。
【0038】非晶質、微結晶、高度に配向した柱状成長
した多結晶、及び単結晶のいずれになるかは、基板の種
類、基板温度、ガスの流量圧力、放電条件に依存する。
基板温度は100℃〜600℃であることが好ましい。
基板温度が高い場合、及び/または、IIIA族元素の原
料ガスの流量が少ない場合には、微結晶あるいは単結晶
になりやすい。例えば、基板温度が300℃より低くく
てもIIIA族元素の原料ガスの流量が少ない場合には、
結晶性となりやすく、基板温度が300℃より高いと、
低温条件よりもIIIA族元素の原料ガスの流量が多い場
合でも結晶性となりやすい。また、例えばH2放電を行
った場合には、行わない場合よりも結晶化を進めること
ができる。前記トリメチルガリウムの代わりにインジウ
ム、アルミニウムを含む有機金属化合物を用いることも
できるし、またこれらを混合することもできる。また、
これらの有機金属化合物は、ガス導入管11から別々に
導入してもよい。
【0039】また、C、Si、Ge、Snから選ばれた
少なくとも一つ以上の元素を含むガス、あるいはBe、
Mg、Ca、Zn、Srから選ばれた少なくとも一つ以
上の元素を含むガスを、放電空間の下流側(ガス導入管
11またはガス導入管12)から導入することによって
n型、p型等任意の伝導型の非晶質、微結晶の窒化物半
導体を得ることができる。前記元素のうちCの場合に
は、条件によっては有機金属化合物の炭素を使用しても
よい。
【0040】上述のような装置においては、放電エネル
ギーにより形成される活性窒素あるいは活性水素を独立
に制御してもよいし、NH3ガスのような窒素原子と水
素原子を同時に含むガスを用いてもよい。さらに、水素
ガスを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水
素が遊離生成する条件を用いることもできる。このよう
にすることによって、基板表面には、活性化されたIII
A族原子、窒素原子が、制御された状態で存在し、かつ
水素原子が、メチル基やエチル基をメタンやエタン等の
不活性分子にするため、低温にも拘わらず、炭素がほと
んど入らないか、全く入らない、膜欠陥が抑えられた非
晶質あるいは結晶性の膜を形成することができる。
【0041】上述の装置において、活性化手段として
は、高周波放電、マイクロ波放電の他、エレクトロンサ
イクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式であって
もよいし、これらを一つ用いてもよいし、二つ以上を用
いてもよい。また、図6においては高周波放電とマイク
ロ波放電とを用いたが、二つともマイクロ波放電、ある
いは高周波放電であってもよい。さらに、二つともエレ
クトロンサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方
式であってもよい。高周波放電により放電する場合、高
周波発振器としては、誘導型であっても容量型であって
もよい。このときの周波数としては、50kHzから1
00MHzが好ましい。
【0042】異なる活性化手段(励起手段)を用いる場
合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする
必要があり、放電領域内と成膜部(容器1内)に圧力差
を設けてもよい。また、同一圧力で行う場合、異なる活
性化手段(励起手段)、例えば、マイクロ波と高周波放
電を用いると、励起種の励起エネルギーを大きく変える
ことができ、膜質制御に有効である。また、本発明に用
いられる半導体層22は、反応性蒸着法やイオンプレー
イング、リアクティブスパッターなど、少なくとも水素
が活性化された雰囲気で形成することも可能である。な
お、半導体層22の厚さは、0.01〜5.0μmの範
囲であることが好ましい。
【0043】前記半導体層22における、前記IIIA族
元素の原料としては、Al、Ga、Inのなかから選ば
れる一つ以上の元素を含む有機金属化合物を用いること
ができる。これらの有機金属化合物としてはトリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、ターシャリー
ブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチル
ガリウム、ターシャリーブチルガリウム、トリメチルイ
ンジウム、トリエチルインジウム、ターシャリーブチル
インジウムなどの液体や固体を、気化して単独にあるい
はキャリアガスでバブリングすることによって混合状態
で使用することができる。キャリアガスとしてはH2
2、メタン、エタンなどの炭化水素、CF4、C26
どのハロゲン化炭素等を用いることができる。
【0044】窒素原料としては、N2、NH3、NF3
24、メチルヒドラジンなどの気体、液体を気化ある
いはキャリアガスでバブリングすることによって使用す
ることができる。
【0045】また、前記半導体層22では、p、n制御
のために元素を膜中にドープすることができる。ドープ
し得るn型用の元素としては、IA族(IUPACの1
989年無機化学命名法改訂版による族番号は1)のL
i;IB族(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は11)のCu、Ag、Au;IIA族
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による
族番号は2)のMg;IIB族(IUPACの1989年
無機化学命名法改訂版による族番号は12)のZn;IV
A族(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版に
よる族番号は14)のSi、Ge、Sn、Pb;VIA族
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による
族番号は16)のS、Se、Te;を挙げることができ
る。
【0046】ドープし得るp型用の元素としては、IA
族のLi、Na、K;IB族のCu、Ag、Au;IIA
族のBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra;IIB族のZ
n、Cd、Hg;IVA族のC、Si、Ge、Sn、P
b;VIA族(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は16)のS、Se、Te;VIB族
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による
族番号は6)のCr、Mo、W;VIII族のFe(IUP
ACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は
8)、Co(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は9)、Ni(IUPACの1989
年無機化学命名法改訂版による族番号は10);などを
挙げることができる。
【0047】前記半導体層22は、アンドープでは弱い
n型であり、光感度を得るためにショットキーバリアを
形成したり、pn接合を形成したりして、内部に電界を
形成することができる。また内部の空乏層を広げるため
にi型とすることもできる。この点から、ドープする元
素としては、特に、Be、Mg、Ca、Zn、Srが好
ましい。
【0048】ドーピングするに際しては、n型用として
はSiH4、Si26、GeH4、GeF4、SnH4
を、i型化及びp型用としてはBeH2、BeCl2、B
eCl 4、シクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチ
ルカルシウム、ジメチルストロンチウム、ジメチル亜
鉛、ジエチル亜鉛等を、ガス状態で使用できる。またこ
れらの元素を膜中にドーピングするには、熱拡散法、イ
オン注入法等の公知の方法を採用することができる。
【0049】−電極− 図1における半導体層22の、基板20とは反対側の表
面に設けられる電極23としては、ITO、酸化亜鉛、
酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の導電性
材料を蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等
の方法により形成したもの、あるいはAl、Ni、A
u、Pt、Ti、Cr、Fe等の金属を、蒸着やスパッ
タリングにより形成したものが用いられる。
【0050】また、前記のように光の入射は基板20側
から行われるため、基板20側から入射した光が、電極
23により反射して半導体層22に吸収されことによ
り、感度を向上させることができる。このため、電極2
3は屈折率の差が大きいものが望ましく、前記の金属で
あることが好ましい。また、前記電極23の厚さは、5
〜10000nmの範囲であることが好ましい。
【0051】−光学フィルター− 本発明の半導体受光素子としては、図2に示すように、
基板20の、紫外線を受光する面の表面に、光学フィル
ター24を設けることが好ましい。本発明の半導体受光
素子は、300nm以下の波長の紫外線を検出するもの
であるため、前記光学フィルター24としては、340
nm以上の長波長光を95%以上カットできるような、
短波長透過フィルターを用いることが好ましい。
【0052】上記光学フィルター24の透過領域と半導
体層22の感度領域との関係については、既述の如く、
光学フィルター24が短波長領域に透過領域を有する場
合には、通常2次光などにより長波長領域にも透過域が
あることから、光学フィルター24の長波長透過領域で
半導体層22の感度がないことが望ましい。
【0053】この点、本発明に用いられる半導体層22
は、長波長領域に吸収がなく、光感度がないため、例え
ば光学フィルター24として、UV−Bに対応する30
0nm以下の短波長を透過するものを使用した場合、当
該光学フィルター24は可視域の長波長領域に2次光な
どの透過領域があってもよい。したがって、光学フィル
ター24の組み合わせが少なくて済むため、高感度でか
つ安定な紫外線センサーとすることができる。
【0054】本発明に用いられる光学フィルター24と
しては、紫外線透過性の膜を積層した多層膜フィルタ
ー、特に誘電体多層膜を組み合わせたものを用いること
ができる。しかし、この光学フィルター24は多重反射
を利用したものであるため、多層膜中の光路長により干
渉波長が異なる。したがって、垂直入射光と斜入射光と
では透過波長が異なることとなり、垂直入射光に対して
透過波長領域と不透過波長領域とを設計したものでは、
斜めからの入射光に対してはこれらの波長領域が大きく
ズレてしまう。
【0055】例えば、垂直入射光に対して320nm以
下の短波長に透過領域を設け、320〜450nmまで
は不透過領域で、450nm以上で透過領域となる光学
フィルター24では、45度入射光に対しては不透過領
域が280〜380nmとなり、380nm以上で透過
領域が発生する。特に、UV−Bの測定では太陽からの
直射光のほかに、散乱光の影響が大きいため、UV−B
の測定では斜入射光の測定が正確に行われることが重要
である。
【0056】斜入射光に対しても、決められた波長領域
の紫外線を測定できるようにするために、本発明におい
ては、入射光の方向性を均一化する手段を設けることが
できる。前記手段としては、基板20に密着した光学フ
ィルター24の表面に、斜めから入射した光の方向性を
均一化あるいは垂直入射光に変更する手段を挙げること
ができる。
【0057】図3、4は、光学フィルター24の表面
に、光散乱や拡散等により入射光の方向性を均一化する
手段(以下、単に「均一化手段」という場合がある。)
を設けた紫外線センサーの例を示す拡大断面図である。
図において、25が前記均一化手段である。
【0058】図3においては、光学フィルター24の表
面に、前記均一化手段25として光散乱機能を有する半
透明板が設けられている。該半透明板としては、紫外線
透過しかつ白濁している例えばテフロン(R)のような
不透明なフィルムや、白く着色あるいは白色微粉が分散
している材料、例えば乳白色ガラスなどが用いられる。
【0059】また、図4に示すように、光学フィルター
24の表面に、前記均一化手段25として表面を粗面化
した板材を設けることもできる。当該板材としては、表
面をフッ化水素でエッチングしたり、サンドブラストな
どの機械的手段を行って、粗面化した石英板を挙げるこ
とができる。粗面化させる対象としては、石英板には限
定されない。この場合、粗面化した石英板の中心線平均
粗さRa75としては、0.1〜10μmであることが好
ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
【0060】さらに、本発明では基板20側から光を入
射させるため、用いられる基板20を粗面化してもよ
い。この場合の粗面化の程度は、上記粗面化した石英板
と同様である。また、同様に光学フィルター24の表面
を粗面化してもよい。
【0061】図5は、光学フィルター24の表面に、
入射光を垂直入射光に変更する手段(以下、単に「変更
手段」という場合がある。)を設けた紫外線センサーの
例を示す拡大断面図である。図において、26が前記変
更手段である。
【0062】上記斜入射光を垂直入射光に変更する手段
としては、光学フィルター24の受光面側に、複数の貫
通孔を有する光透過材料、ファイバー状のものを束ねた
もの、あるいは直線方向に集光するセルフォック板等を
挙げることができる。上記複数の貫通孔を有する光透過
材料としては、陽極酸化膜のAl基材をエッチングし自
立した構造のものを用いることができるし、機械的に穿
孔したものを用いることもできる。厚さと孔径の関係
は、厚さ2に対して孔径1以上が望ましい。
【0063】なお、入射光方向が一定である水銀灯など
の光源の紫外線を検出する場合には、前記均一化手段2
5、変更手段26を用いずに、光学フィルター24だけ
を設けたものを用いてもよい。
【0064】以上述べたように、本発明の半導体受光素
子は、300nmより短波長の紫外線を透過する基板表
面に、酸化物導電層及びIIIA族元素から選択される1
以上の元素と窒素とを含む半導体層を形成し、300n
mより短波長の紫外線が、前記基板側から酸化物導電層
を通して入射されることを特徴とする半導体受光素子で
ある。
【0065】また、本発明の半導体受光素子において
は、前記基板の、紫外線を受光する面の表面に、任意の
紫外線波長の透過領域を有し、半導体層に感度がない長
波長領域で透過領域を有するような光学フィルターを積
層して設けてもよい。さらに、この光学フィルターの表
面に、入射光方向を均一化する手段を積層して設けても
よいし、光学フィルターの表面が、入射方向を均一化す
る粗面化処理等がされていてもよい。
【0066】このような構成とすることによって、UV
−BやUV−C等の300nm以下の短波長の紫外線
を、高感度で、かつ、安定的に検出できる半導体受光素
子を作製することができる。
【0067】<紫外線センサー>本発明の半導体受光素
子は、300nm以下の波長の紫外線を安定に、かつ高
感度で検出できるものであるため、そのまま短波長の紫
外線センサーの受光素子として用いることができる。前
記半導体受光素子を本発明の紫外線センサーとして用い
るには、本発明における半導体層を光半導体層として用
い、例えば、前記酸化物導電層を形成した基板表面に、
当該光半導体層及び電極を設けることにより、紫外線セ
ンサーとする。
【0068】前記紫外線センサーの具体的な構成として
は、前記半導体受光素子として説明した構成と同様とす
ることができる。また、同様に受光面側に特定の長波長
光をカットする光学フィルターを設けることができる。
さらに、当該光学フィルターの表面に光入射の方向性を
均一化する手段を設けてもよい。
【0069】上記構成にすることによって、長波長領域
で発生する2次光には感度を持たず、300nm以下の
波長のみに感度を有する紫外線センサーを作製すること
ができる。さらに、光入射の方向性を均一化する手段を
設けることにより、斜入射による波長の変化を抑えるこ
とができる。
【0070】このような紫外線センサーは、UV−Bや
UV−Cの領域の紫外線量を効率よく、連続で測定する
ことができるため、前記環境評価や産業用として有効に
用いられるものである。また、センサー検出部である受
光素子の構成が複雑でないため、センサー自体が小型化
できるという利点も有する。
【0071】<太陽電池>本発明の半導体受光素子は、
上記紫外線センサーとして前述の環境問題への対応や、
種々の工業用機器などにおける短波長紫外線の検出器と
して用いられるだけでなく、例えば、300nm以下の
波長の紫外線が強い、大気圏外で使用される太陽電池と
して応用も可能である。
【0072】前記半導体受光素子を本発明の太陽電池と
して用いるには、本発明における半導体層を光半導体層
として用い、例えば、前記酸化物導電層を形成した基板
表面に、当該光半導体層及び電極を設けることにより、
太陽電池とする。
【0073】前記太陽電池においては、電極とショット
キー構造を形成したり、半導体層を光学ギャップの異な
る層を積層させてpnダイオード構造としたりすること
により、活性部が形成され、基板側から入射される紫外
光により発生するキヤリアを電流として取り出すことが
できる。このような太陽電池は、光半導体層のバンドギ
ャップが大きいため、取り出せる電圧が従来の太陽電池
に比べ大きく、結果として同一面積でも利用できる電気
量は大きく、さらに耐光性、耐熱性等に優れるという利
点を有する。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)洗浄した厚さ0.5mmの溶融石英基板
(10×10mm、200nmにおける光透過率:60
%、300nmにおける光透過率:80%)に、酸化イ
ンジウムスズ(ITO)を150Åスパッタリングし酸
化物導電層を形成した。この酸化物導電層を形成した基
板のUV(紫外光)透過率は、254nmで50%であ
り、230nmで30%であった。また、シート抵抗は
シート抵抗測定器(ロレスタMP:三菱化学社製)によ
り測定したところ、400Ω/□であった。この基板を
基板ホルダー3に載せ、排気口2を介して容器1内を真
空に排気後、ヒーター4により基板を350℃に加熱し
た。N2ガスをガス導入管9より直径25mmの石英管
5内に1000sccm導入し、マイクロ波導波管8を
介して2.45GHzのマイクロ波を出力250Wにセ
ットし、チューナでマッチングを取りながら放電を行っ
た。この時の反射波は0Wであった。H2ガスは、ガス
導入管10より直径30mmの石英管6内に500sc
cm導入した。13.56MHzの高周波の出力を10
0Wにセットしたところ、反射波は0Wであった。
【0075】この状態で、ガス導入管12より0℃で保
持されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水
素をキヤリアガスとして用い、圧力106Paでバブリ
ングしながら、マスフローコントローラーを通して0.
5sccm導入した。次に、ガス導入管12より、20
℃に保持したシクロペンタジエニルマグネシウムにH 2
ガスを圧力65000Paで導入し、マスフローコント
ローラーを通して1sccm反応領域に導入した。この
時、バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.7P
aであった。
【0076】上記状態で成膜を30分間行い、基板表面
に膜厚0.1μmのMgドープGaN:H膜を形成し
た。当該膜は透明であった。このMgドープGaN:H
膜の表面に、直径3mmのAuの電極を真空蒸着で形成
し、基板側のITO膜(酸化物導電層)と前記Au電極
に、導電性ペースト(ドータイト:藤倉化成(株)社
製)により導線を接続し、半導体受光素子を作製した。
【0077】この半導体受光素子を紫外線センサーの受
光素子として用い、Xeランプからの白色光を分光器に
て230nmから500nmの単色光として、前記紫外
線センサーの基板側から照射し、分光感度を測定した。
その結果、このセンサーは300nmで最高感度であ
り、230nmでもピーク感度の約40%の感度がある
ことがわかった。また、長波長側は400nmで2%以
下の最高感度であり、230nmから400nmまでの
広い領域での紫外線が測定できることがわかった。
【0078】(実施例2)実施例1と同様に作製した半
導体受光素子について、基板の紫外線を受光する側の面
に、厚さ0.3mmの石英基板表面に300nm以下の
短波長の紫外線を透過し、320〜450nmまでの紫
外線を不透過とする誘電体多層膜を形成した長波長カッ
トフィルターを重ねた。この光学フィルターは、450
nmより長波長領域でも透過領域を有する。
【0079】上記長波長カットフィルターを重ねた半導
体受光素子を紫外線センサーの受光素子として用い、セ
ンサー部分に、前記光学フィルターを透過した光以外を
入射しないようにして、垂直入射光による分光感度を測
定したところ、当該紫外線センサーは、透過光に対し3
00nmから230nmの範囲で感度が有り、300n
mより長波長では感度がなかった。この結果から、この
紫外線センサーは、低圧水銀灯の254nmの光を、他
の365nmの輝線に邪魔されることなく測定すること
ができ、オゾンやDNAなどの分析用の短波長紫外線セ
ンサーとして使用できるほか、火炎センサーとしても使
用することができることがわかった。
【0080】(実施例3)実施例1と同様にして半導体
層までを形成した。この半導体層の表面に、導電性ペー
スト(ドータイト:藤倉化成(株)社製)を用いて直径
0.4mmの電極を形成し、同時に導線を接続した。基
板側のITO膜(酸化物導電層)からも同様に導線を引
き出すことにより、半導体受光素子を作製した。
【0081】上記半導体受光素子をパルス光用紫外線セ
ンサーの受光素子として用い、この紫外線センサーに、
YAGレーザ(波長266nm)のパルス光(半値幅1
0ns)を基板側から照射し、デジタルオシロスコープ
(レクロイ社製)を用い、1Gサンプリング/sのサン
プリングレート、50Ωの入力インピーダンスで応答を
測定したところ、立ち上がり時間1ns以下、減衰時間
12nsの光電流パルス出力を得た。この結果から、こ
の紫外線センサーはUV−Cパルス光用センサーとして
使用できることがわかった。
【0082】(実施例4)洗浄した厚さ0.5mmの合
成石英基板(10×10mm、200nmにおける光透
過率:60%、300nmにおける光透過率:90%)
に、酸化インジウムスズ(ITO)を100Åスパッタ
リングすることにより、酸化物導電層を形成した。この
酸化物導電層を形成した基板のUV透過率は、254n
mで60%であり、230nmで40%であった。ま
た、シート抵抗は500Ω/□であった。この基板
を。、基板ホルダー3に載せ、排気口2を介して容器1
内を真空に排気後、ヒーター4により基板を350℃に
加熱した。N2ガスをガス導入管9より直径25mmの
石英管5内に1000sccm導入し、マイクロ波導波
管8を介して、2.45GHzのマイクロ波を出力25
0Wにセットし、チューナでマッチングを取りながら放
電を行った。この時の反射波は0Wであった。H2 ガス
は、ガス導入管10より直径30mmの石英管6内に5
00sccm導入した。13.56MHzの高周波の出
力を100Wにセットしたところ、反射波は0Wであっ
た。
【0083】この状態で、ガス導入管12より0℃で保
持されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水
素をキヤリアガスとして用い、圧力106Paでバブリ
ングしながら、マスフローコントローラーを通して0.
3sccm導入した。さらに、40℃で保持されたトリ
メチルアルミニウム(TMA)の蒸気を、水素をキヤリ
アガスとして用い、圧力106Paでバブリングしなが
ら、マスフローコントローラーを通して0.2sccm
混合して導入した。次に、ガス導入管12より、20℃
に保持したシクロペンタジエニルマグネシウムにH2
スを圧力65000Paで導入し、マスフローコントロ
ーラーを通して1sccm反応領域に導入した。この
時、バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.7P
aであった。
【0084】上記状態で成膜を120分間行い、基板表
面に膜厚0.1μmのMgドープAl0.3Ga0.7N:H
膜を形成した。この膜は透明であった。このMgドープ
Al 0.3Ga0.7N:H膜表面に、直径3mmのAuの電
極を真空蒸着で形成し、基板側のITO電極(酸化物導
電層)と上記電極とに導線を接続し、半導体受光素子を
作製した。
【0085】この半導体受光素子を紫外線センサーの受
光素子として用い、Xeランプからの白色光を分光器に
て230nmから500nmの単色光として、前記紫外
線センサーの基板側から照射し、分光感度を測定した。
その結果、このセンサーは280nmで最高感度であ
り、230nmでもピーク感度の約50%の感度がある
ことがわかった。また、長波長側は340nmで2%以
下の最高感度であり、230nmから340nmまでの
広い範囲での紫外線が測定できることがわかった。
【0086】(実施例5)実施例1と同様にして作製し
た半導体受光素子の基板側に、実施例2で用いた長波長
カットフィルターを重ねたものを用い、太陽電池として
の性能評価を行った。上記構成の素子に対し、基板側か
ら長波長カットフィルターを通して低圧水銀灯の254
nmの紫外線を照射したところ、0Vでの短絡電流(I
sc)は1.0mA/cm2、開放電圧(Voc)は
0.9Vであり、太陽電池としても十分使用可能である
ことがわかった。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、300nm以下の短波
長の紫外線も測定でき、長波長の紫外線の影響を受けず
に、高感度かつ小型で、安定な半導体受光素子及びそれ
を用いた紫外線センサー、太陽電池を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体受光素子の構成の一例を示す
拡大断面図である。
【図2】 本発明の半導体受光素子の他の構成の一例を
示す拡大断面図である。
【図3】 本発明の半導体受光素子の他の構成の一例を
示す拡大断面図である。
【図4】 本発明の半導体受光素子の他の構成の一例を
示す拡大断面図である。
【図5】 本発明の半導体受光素子の他の構成の一例を
示す拡大断面図である。
【図6】 本発明に用いられる半導体層を形成するため
の装置の好ましい一例を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 排気口 3 基板ホルダー 4 ヒーター 5、6 石英管 7 高周波コイル 8 マイクロ導波管 9〜12 ガス導入管 20 基板 21 酸化物導電層 22 半導体層 23 電極 24 光学フィルター 25 入射光方向均一化手段 26 入射光方向変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩永 剛 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 鈴木 星児 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 小島 博 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 鈴木 俊彦 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA08 CB12 DA05 FA04 GA03 HA14 5F088 AA12 AB07 CB04 DA05 FA04 GA02 HA05 LA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも300nm以下の波長の紫外
    線を透過する基板表面に、前記紫外線を透過するように
    酸化物導電層を形成し、該酸化物導電層表面に、IIIA
    族元素から選択される少なくとも1以上の元素と窒素と
    を含む半導体層を形成してなる紫外線センサーであっ
    て、前記紫外線が、前記基板側から酸化物導電層を通し
    て半導体層に入射されることを特徴とする半導体受光素
    子。
  2. 【請求項2】 前記酸化物導電層が、亜鉛、スズ、イン
    ジウム、ガリウムのうち少なくとも一つを含むことを特
    徴とする請求項1に記載の半導体受光素子。
  3. 【請求項3】 前記基板の、前記紫外線を受光する面の
    表面に、光学フィルターを設けたことを特徴とする請求
    項1または2のいずれかに記載の半導体受光素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体
    受光素子からなることを特徴とする紫外線センサー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体
    受光素子からなることを特徴とする太陽電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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