JP2002062257A - オゾン濃度測定器 - Google Patents

オゾン濃度測定器

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JP2002062257A
JP2002062257A JP2000252171A JP2000252171A JP2002062257A JP 2002062257 A JP2002062257 A JP 2002062257A JP 2000252171 A JP2000252171 A JP 2000252171A JP 2000252171 A JP2000252171 A JP 2000252171A JP 2002062257 A JP2002062257 A JP 2002062257A
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ozone
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茂 八木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分光器を使用せず、オゾン層の濃度を短時間
でかつ高精度に測定でき、また、地球上で発生するオゾ
ン濃度を簡易に測定できるオゾン濃度測定器の提供。 【解決手段】 基板20上に、少なくとも、1以上のII
IA族元素と窒素元素とを含む窒化物系化合物半導体又
は金属酸化物系半導体を含有する半導体層21、及び電
極23,24をこの順に有する半導体受光素子を備える
ことを特徴とするオゾン濃度測定器である。前記半導体
受光素子による出力が、280nmより長波長の異なる
波長領域の紫外線量に比例した出力である態様、前記半
導体受光素子による出力が、300nmより短波長の紫
外線量に比例した出力である態様等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中のオゾン濃
度を簡易に検出できるオゾン濃度測定器と地上のオゾン
を簡易に検出できるオゾン濃度測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の環境問題の最大の問題の一
つとして、オゾン層の破壊による地上での紫外線量が増
加していることが挙げられる。このような紫外線は皮膚
ガンの発生やDNAの損傷による光過敏症の増大、光老
化等の健康に重大な影響を及ぼす。このため広い範囲で
の高密度でのオゾン量の観測が必要である。現在成層圏
中のオゾンは主にドブソン分光法によって測定されてい
る。この方法は、大気中のオゾンが減少することによっ
て330nm以下の紫外線吸収量が低下し、地上へ到達
する紫外線量に変動が起こるため、330nm以下のオ
ゾンの吸収領域の紫外線の強度と、オゾンの吸収領域と
異なる330nmより長波長の紫外線の強度とを比較
し、オゾン濃度を検出するものであり、太陽光を分光器
によって分光し、330nm以下の紫外線のオゾンの吸
収波長と、330nmより20nm程度長波長の非吸収
波長で測定を行い、その吸収量の変化を検出するもので
あり、測定に時間がかかりまた装置は大型で高価であっ
た。
【0003】当初、オゾンの減少は特に南極上空でのオ
ゾンホールの発生として注目された。しかしながら、そ
の後低緯度地方においてもオゾン量の減少が観測され、
紫外線の増加が観測されている。現在は限られた気象観
測所や環境観測所においてのみオゾン層の濃度測定が行
われている。地球大気中のオゾンを太陽光を用いて測定
するため、気象条件や季節条件で大きく変化するため、
オゾン層の減少を細かく測定するためには長期にわたっ
た連続的な測定が、地球上の広範囲の測定ポイントで高
密度に行う必要がある。このためには手軽に安価な大気
中オゾン濃度の測定器が必要とされる。
【0004】また、工業用や各種の環境で発生するオゾ
ン量を測定するためには、オゾンの吸収が強い254n
mの水銀灯に高感度でかつ長時間安定で安価な紫外線測
定器が求められているが、従来のシリコン系の光検出器
を用いた紫外線検出素子では素子の劣化が大きく、連続
で測定を行うことができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、分光器を使用せず、オゾン層
の濃度を短時間でかつ高精度で測定できる紫外線吸収法
による安価なオゾン濃度測定器を提供することを目的と
する。また、本発明は、地球上で発生するオゾン濃度を
簡易に測定できるオゾン濃度測定器を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ドブソン分光法として知
られる300nmより長波長のオゾンの吸収を測定する
ことによる大気中(成層圏)のオゾン量を測定する方法
と、オゾンの強い吸収が主に300nmより短波長の紫
外線領域で起こることを利用し、光半導体としてワイド
バンドギャップの窒化物系化合物半導体又は金属酸化物
系半導体を用いた短波長光受光素子によって、上記目的
を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】前記課題を解決するための手段は、以下の
通りである。即ち、 <1> 基板上に、少なくとも、1以上のIIIA族元素
と窒素元素とを含む窒化物系化合物半導体又は金属酸化
物系半導体を含有する半導体層、及び電極をこの順に有
する半導体受光素子を備えることを特徴とするオゾン濃
度測定器である。 <2> 前記半導体層が、水素を0.5〜50atom
%含む前記<1>に記載のオゾン濃度測定器である。 <3> 前記半導体受光素子を2以上備える前記<1>
又は<2>に記載のオゾン濃度測定器である。 <4> 前記半導体受光素子が、同一平面上に形成され
てなる前記<3>に記載のオゾン濃度測定器である。 <5> 前記半導体受光素子が、基板上に、複数の半導
体層を積層してなる前記<1>又は<2>に記載のオゾ
ン濃度測定器である。 <6> 前記半導体受光素子による出力が、280nm
より長波長の異なる波長領域の紫外線量に比例した出力
である前記<1>から<5>のいずれかに記載のオゾン
濃度測定器である。 <7> 前記半導体受光素子による出力が、300nm
より短波長の紫外線量に比例した出力である前記<1>
から<5>のいずれかに記載のオゾン濃度測定器であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。地上に到達する太陽光の短波長限界はまず酸素の
吸収のため、200nmよりも長波長となる。その次に
限界を決めるのがオゾンであり、オゾンの光吸収は、3
70nmから300nmにわたっているHuggins
帯と呼ばれる吸収と、200nmから300nmにわた
る強い吸収であるHartley帯と呼ばれる吸収があ
る。後者のHartley帯は、255nmをピークに
対称的なブロードな吸収スペクトルを示し、吸収係数は
最高で150cm−1であり、300nmでは10cm
−1程度である。地上でのオゾン分析には通常この強い
吸収を使用する。これに対し前者のHuggins帯の
吸収係数は、300nmで5cm −1、343nmで
0.5cm−1、365nmで0.0003cm−1
弱くなり、地上に紫外線が到達するようになり、上層大
気の状態を測定することができる。この弱い吸収帯は振
動構造が明確であり、特に328nm、325nm、3
23nm、322nm、320nm、318nm、31
4nm、311nm、309nmに強い吸収がある。こ
のため、半導体受光素子により、このHuggins帯
の吸収のある紫外線波長と吸収の無い紫外線波長を同時
に測定することによって、成層圏オゾンによる吸収を測
定することができる。
【0009】成層圏のオゾンを測定するためには、例え
ば吸収の強い280nmより長波長で330nm以下の
紫外線を測定し、吸収の影響の少ない330nmよりも
長波長の紫外線を測定し比較することによって、オゾン
の吸収係数を用いて、成層圏オゾンによる吸収の変化を
測定することができる。更に空気による散乱係数等によ
り補正することにより、より正確な値を求めることがで
きる。この場合には、少なくとも二つの感度波長の異な
る半導体受光素子を用いて同時に測定することによっ
て、大気状態の変化に影響されずに測定することができ
る。測定した吸収比からオゾンの吸収係数を用いて、0
℃1気圧でのオゾンの厚さを求めることができる。大気
中のオゾンの量は、0℃1気圧でのオゾンの厚さに換算
し、これを1000倍にしたものがドブソン単位として
使用されている。通常0.3〜0.4cmで300〜4
00(m atm−cm)となる。
【0010】具体的には、オゾン濃度は以下のように測
定することができる。320nmの光出力(I)と3
30nmより長波長の光出力、例えば340nmの光出
力(I)を測定する。数値として公表されているデー
タを用いて波長補正を行い、吸収波長での真の吸収光量
を求める。その結果をR=I/Iとする。この変
動を観測することで紫外線量のオゾン層による吸収を求
めることができ、この量から吸収係数を用いてオゾン濃
度を知ることができる。また、280nmから320n
mの範囲のUV−Bの紫外線と、320nmから400
nmの範囲のUV−Aの紫外線とを比較してもよい。こ
のオゾン濃度測定器では、簡単にまた時間的にズレが無
い状況でリアルタイムで成層圏のオゾン濃度を測定する
ことができる。
【0011】また、地上のオゾンを測定するためには、
吸収係数の大きい255nm付近の吸収を、例えば低圧
水銀灯の254nmを用いて、オゾンを含む気体と含ま
ない気体の紫外線透過強度を比較することにより、オゾ
ン濃度を測定することができる。この場合には、一つの
半導体受光素子を用い、オゾンを含む気体と含まない気
体で紫外線強度を測定し比較するか、二つの半導体受光
素子に別々のセル(例えば石英セル)を設け、光源から
の透過紫外線を測定することにより行うことができる。
【0012】以下、本発明のオゾン濃度測定器の構成に
ついて説明する。本発明のオゾン濃度測定器は、半導体
受光素子を備え、更に必要に応じて、バンドパスフィル
ター等のその他の部材を備えてなる。本発明のオゾン濃
度測定器は、感度波長の異なる半導体受光素子を同一平
面上に並べて設けてもよく、一つの基板上に成長したも
のを用いてもよい。更に、基板上に、複数の半導体層を
積層してなる半導体受光素子を用いてもよい。
【0013】[半導体受光素子]前記半導体受光素子
は、基板上に、半導体層及び電極をこの順に有し、更に
必要に応じて、その他の層等を有してなる。前記半導体
受光素子は、基板上に、複数の半導体層を有していても
よく、その場合、半導体層と半導体層との間に、中間電
極や分離層等を設けることができる。
【0014】(半導体層)前記半導体層は、窒化物系化
合物半導体又は金属酸化物系半導体を含有し、更に必要
に応じて、その他の成分を含有してなる。前記窒化物系
化合物半導体は、少なくとも、1以上のIIIA族元素と
窒素元素とを含んでなるが、Al,Ga及びInから選
ばれる1以上の元素と窒素元素とを含む化合物半導体で
あることが好ましい。また、前記金属酸化物系半導体と
しては、酸化チタンや酸化亜鉛等が好ましい。これらの
半導体は、非晶質あるいは微結晶からなる非単結晶光半
導体の場合は、非晶質相でも微結晶相でもよく、また微
結晶相と非晶質相との混合状態でもよい。また単結晶状
の膜でもよい。結晶系は、立方晶あるいは6方晶系のい
ずれか一つであっても複数の結晶系が混合された状態で
もよい。微結晶の大きさは5nmから5μmであり、X
線回折や電子線回折及び断面の電子顕微鏡写真を用いた
形状測定等によって測定することができる。また柱状成
長したものでもよく、X線回折スペクトルで単一ピーク
であり、結晶面方位が高度に配向した膜でもよく、また
単結晶でもよい。
【0015】−窒化物系化合物半導体− 前記窒化物系化合物半導体の原料には、Al、Ga及び
Inから選ばれる1以上の元素を含む有機金属化合物が
好ましく使用される。具体的には、例えば、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、t−ブチルア
ルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウ
ム、t−ブチルガリウム、トリメチルインジウム、トリ
エチルインジウム、t−ブチルインジウム等の液体や固
体を気化して単独に又はキャリアガスでバブリングされ
た混合状態のガスを使用することができる。これらは、
1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記キャリアガスとしては、He,Ar等の希ガス、H
,N等の単元素ガス、メタンやエタン等の炭化水
素、CF,C等のハロゲン化炭素等を用いるこ
とができる。
【0016】また、前記窒化物系化合物半導体の窒素原
料としては、N、NH、NF、N、モノメ
チルヒドラジン、ジメチルヒドラジン等の気体又はこれ
らをキャリアガスでバブリングした混合ガスを使用する
ことができる。ここで使用されるキャリアガスは、先に
例示したものを使用することができる。
【0017】IIIA族元素(Al、Ga及びIn)の総
量と窒素元素との原子数比は0.5:1.0〜1.0:
0.5が好ましい。この範囲外の場合には、IIIA族元
素と窒素元素との結合において四面体型配置を取る部分
が少なくなるため欠陥が多くなり、良好な半導体として
機能しなくなることがある。半導体層中の各元素組成
は、X線光電子分光(XPS)、エレクトロンマイクロ
プローブ、ラザフォードバックスキャタリング(RB
S)、二次イオン質量分析計等により測定することがで
きる。
【0018】半導体層の光学ギャップは、IIIA族元素
の混合比によって任意に変えることができる。GaN:
Hを基準にすると3.2−3.5eVより大きくする場
合には、Alを加えることによって300nmから33
0nmの吸収が可能なバンドギャップ程度まで変化させ
ることができる。また、AlとInを加えることによっ
てもバンドギャップを調整することができる。
【0019】前記窒化物系化合物半導体は、非単結晶の
場合には、0.5〜50atom%の水素を含むことが
好ましい。また一配位のハロゲン元素が含まれていても
よい。この半導体に含まれる水素が0.5atom%未
満では、結晶粒界での結合欠陥あるいは非晶質相内部で
の結合欠陥や未結合手を水素との結合によって無くし、
バンド内に形成する欠陥準位を不活性化するのに不十分
であり、結合欠陥や構造欠陥が増大し、暗抵抗が低下し
光感度がなくなるため、実用的な光導電体として機能さ
せることが困難となる。
【0020】これに対し、前記半導体に含まれる水素が
50atom%を超えると、水素がIIIA族元素(A
l、Ga、In)及び窒素元素に二つ以上結合する確率
が増え、これらの元素が3次元構造を保たず、2次元及
び鎖状のネットワークを形成するようになり、特に結晶
粒界でボイドを多量に発生するため結果としてバンド内
に新たな準位を形成し、電気的な特性が劣化すると共
に、硬度等の機械的性質が低下することがある。更に該
半導体からなる膜(以下、単に「膜」と呼ぶことがあ
る。)が酸化されやすくなり、結果として膜中に不純物
欠陥が多量に発生することとになり、良好な光電気特性
が得られ難くなる。また、前記半導体中の水素が50a
tom%を超えると、電気的特性を制御するためにドー
プするドーパントを水素が不活性化するようになるた
め、結果として電気的に活性な非晶質あるいは微結晶か
らなる非単結晶光半導体が得られ難くなる。
【0021】水素量については、ハイドロジェンフォワ
ードスキャタリング(HFS)により絶対値を測定する
ことができる。また、加熱による水素放出量の測定、あ
るいはIRスペクトルの測定によっても推定することが
できる。また、これらの水素結合状態は、赤外吸収スペ
クトルによって容易に測定することできる。
【0022】また、前記窒化物系化合物半導体には、
p、n制御のための元素を含む化合物を導入して、膜中
にドープすることができる。ドーピング用ガスはIIIA
族元素(Al、Ga及びIn)を含む有機金属化合物と
混合してもよいし別々に導入してもよい。また前記有機
金属化合物と同時に導入してもよいし、連続導入でもよ
い。
【0023】n型用の元素としては、IA族(IUPA
Cの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は1)の
Li、IB族(IUPACの1989年無機化学命名法改訂
版による族番号は11)のCu,Ag,Au、IIA族
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番
号は2)のMg、IIB族(IUPACの1989年無機化学
命名法改訂版による族番号は12)のZn、IVA族(I
UPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は
14)のC,Si,Ge,Sn,Pb、VIA族(IUP
ACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は1
6)のS,Se,Teを用いることができる。中でも
C,Si,Ge,Snが電荷担体の制御性の点から好ま
しい。
【0024】p型用の元素としては、IA族のLi,N
a,K、IB族のCu,Ag,Au、IIA族のBe,M
g,Ca,Sr,Ba,Ra、IIB族のZn,Cd,H
g、IVA族のC,Si,Ge,Sn,Pb、VIA族(I
UPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は
16)のS,Se,Te、VIB族(IUPACの1989年
無機化学命名法改訂版による族番号は6)のCr,M
o,W、VIII族のFe(IUPACの1989年無機化学命
名法改訂版による族番号は8)、Co(IUPACの19
89年無機化学命名法改訂版による族番号は9)、Ni
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番
号は10)等を用いることができる。中でもBe,M
g,Ca,Zn,Srが電荷担体の制御性の点から好ま
しい。
【0025】i型用の元素としては、p型用の元素と同
じものを低濃度で使用することができる。
【0026】本発明における半導体層は、アンドープ膜
の場合は弱いn型であり、光感度を得るためにショット
キーバリアを形成したり、pn接合を形成したりして、
内部に電界を形成することができる。また内部の空乏層
を広げるためにi型とすることもできる。この点から、
特に、Be,Mg,Ca,Zn,Srが好ましい。
【0027】ドーピングにはn型用としては、Si
、Si、GeH、GeF、SnHを、
p型用としては、BeH、BeCl、BeCl
シクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウ
ム、ジメチルストロンチウム、ジメチル亜鉛、ジエチル
亜鉛等を、i型用としては、p型用の元素と同じ化合物
を、ガス状態で使用することができる。また、ドーピン
グ元素を元素のまま膜中に拡散させたり、イオンとして
膜中に取り込ませることもでき、熱拡散法、イオン注入
法等の公知の方法を採用することができる。
【0028】以下に図を参照して、前記窒化物系化合物
半導体からなる半導体層の作製方法について説明する。
図4は、前記窒化物系化合物半導体からなる半導体層の
製造装置の一例を示す概略構成図である。この製造装置
は、円筒状の反応器1と、反応器1と上部開口を介して
連続する第1及び第2の原料活性化−供給部13、14
と、反応器1と下部開口を介して連続し、且つ反応器1
内のガスを排気するための排気管2と、反応器1内に配
置され、且つ基板を支持するための基板ホルダー3と、
基板ホルダー3の基板設置面側とは反対側に配置された
ヒーター4と、を備える。
【0029】第1及び第2の原料活性化−供給部13、
14は、それぞれ、反応器1と連通し、且つ反応器1の
径方向外側に配置された円筒状の石英管5、6と、これ
ら石英管5、6の反応器1とは反対側と連通するガス導
入管9、10とを備える。第1の原料活性化−供給部1
3は、更に石英管5と交差するように配置されたマイク
ロ波導波管8と、石英管5とマイクロ波導波管8との交
差位置より反応器1側で石英管5と連続するガス導入管
11とを備える。マイクロ波導波管8は筐体状であり、
その中を石英管5が貫通している。また、第2の原料活
性化−供給部14では、マイクロ波放電管8の代わりに
高周波コイル7が使用され、高周波コイル7は石英管6
の外周に巻き付けられ、図示しない高周波発振器に接続
されている。
【0030】そして、第1及び第2の原料活性化−供給
部13、14のガス導入管9、10、11、12は原料
ガスを供給する図示しない原料供給手段としてのボンベ
等にそれぞれ接続されている。更にガス導入管11、1
2には原料ガスを間欠的に供給するための流量調節器
(マスフローコントローラ)(図示せず)が接続されて
いる。また、マイクロ波導波管8は図示しないマグネト
ロンを用いたマイクロ波発振器に接続されており、石英
管5内で放電させる。更に、排気管2は図示しない排気
手段としてのポンプに接続されており、反応器1内を略
真空まで排気可能とする。
【0031】この装置において、窒素元素源として、例
えば、Nを用いガス導入管9から石英管5に導入す
る。マグネトロンを用いたマイクロ波発振器(図示せ
ず)に接続されたマイクロ波導波管8にマイクロ波が供
給され、石英管5内に放電を発生させる。別のガス導入
管10から、例えばHを石英管6に導入する。高周波
発振器(図示せず)から高周波コイル7に高周波を供給
し、石英管6内に放電を発生させる。放電空間の下流側
より例えばトリメチルガリウムをガス導入管12より導
入することによって、基板上に窒化ガリウム半導体を成
膜することができる。
【0032】非晶質になるか、微結晶になるか、あるい
は高度に配向した柱状成長した多結晶、単結晶になるか
は、基板の種類、基板温度、ガスの流量圧力、放電条件
に依存する。基板温度は100〜600℃が好ましい。
基板温度が高い場合及び/又はIIIA族元素の原料ガス
の流量が少ない場合には、微結晶や単結晶状になりやす
い。基板温度が300℃より低い場合には、IIIA族原
料ガスの流量が少ない場合に結晶性となりやすく、基板
温度が300℃より高い場合には、IIIA族元素の原料
ガスの流量が低温条件よりも多くても結晶性となりやす
い。また、例えばH放電を行った場合には、行わない
場合よりも微結晶化を進めることができる。トリメチル
ガリウムの代わりに、例えば、インジウム、アルミニウ
ムを含む有機金属化合物を用いることもでき、また混合
することもできる。また、これらの有機金属化合物は、
ガス導入管11から別々に導入してもよい。
【0033】また、C、Si、Ge、Snから選択され
る1以上の元素を含むガス、あるいはBe、Mg、C
a、Zn、Srから選択される1以上の元素を含むガス
を放電空間の下流側(ガス導入管11又はガス導入管1
2)から導入することによってn型、p型等の任意の伝
導型の非晶質又は微結晶若しくは結晶の半導体層を得る
ことができる。Cの場合には条件によっては有機金属化
合物の炭素を使用してもよい。
【0034】上記装置において放電エネルギーにより形
成される活性窒素あるいは活性水素を独立に制御しても
よく、NHのような窒素原子と水素原子とを同時に含
むガスを用いてもよい。更にHを加えてもよい。ま
た、前記有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条
件を用いることもできる。このようにすることによっ
て、基板上には活性化されたIIIA族元素の原子、窒素
原子が制御された状態で存在し、かつ水素原子がメチル
基やエチル基をメタンやエタン等の不活性分子にするた
め低温にも拘わらず炭素が入らず、膜欠陥が抑えられた
非晶質膜又は微結晶膜若しくは結晶膜を生成することが
できる。また、プラズマCVD装置を用いてもよい。
【0035】上記装置における原料活性化−供給部の活
性化方法としては、直流放電、低周波放電、高周波放
電、マイクロ波放電、エレクトロンサイクロトロン共鳴
方式、ヘリコンプラズマ方式のいずれであってもよく、
また加熱フィラメントによるものでもよい。これらは1
種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、高周波放電の場合、誘導結合形でも、容量形でも
よい。1つの空間において、2種以上の活性化方法を用
いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるよう
にする必要があり、マイクロ波導波管内(又は高周波導
波管内)と石英管内(又は反応器内)とに圧力差を設け
てもよい。またこれらの圧力を同一とする場合、異なる
原料活性化手段、例えば、マイクロ波放電と高周波放電
とを用いることによって活性種の励起エネルギーを大き
く変えることができ、これによって膜質を制御すること
ができる。本発明のオゾン濃度測定器に用いる半導体層
は、反応性蒸着法やイオンプレーティング、リアクティ
ブスパッター等、少なくとも水素が活性化された雰囲気
で成膜を行うことも可能である。
【0036】−金属酸化物系半導体− 前記半導体層は、酸化チタンや酸化亜鉛等の金属酸化物
系半導体からなる場合には、蒸着法や反応性蒸着、スパ
ッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティ
ング法等を用いて作製することができる。暗電流を低下
させ、感度を向上させ、応答性を向上させるため水素に
よる還元処理を行うことが望ましい。前記金属酸化物系
半導体は、前記窒化物化合物半導体と同様に、水素を
0.5〜50atom%含むことが好ましい。また、伝
導型を制御するためにドーピングを行ってもよい。ドー
ピング元素としてはIIIA族元素のAl,Ga,Inや
VA族元素のN,P,As等を用いることができる。こ
れらを別々にドープしてもよいし、同時にドープしても
よい。同時にドープすることによって、局在準位に存在
する多様な欠陥を補償し、半導体としてよりよく機能さ
せることが可能になる。
【0037】(電極)本発明における半導体受光素子
は、前記半導体層の上に電極が設けられる。該電極とし
ては、透光性電極が用いられ、例えば、ITO、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透
明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、ス
パッタリング等の方法により形成したもの、又はアルミ
ニウム、ニッケル、クロム、金、銀、銅、白金、パラジ
ウム等の金属あるいはそれらの合金を蒸着やスパッタリ
ングにより半透明になる程度に薄く形成したものが用い
られる。これらの電極は、半導体層の上に直接設けても
よく、また、電極が一定の隙間を挟んで設置された一対
の電極であってもよい。
【0038】(基板)前記基板上には、前記半導体層及
び電極がこの順に形成される。本発明で使用される基板
は、絶縁性でも導電性でもよい。導電性基材を基板とし
て使用する場合、そのまま電極とすることができ、基材
が絶縁性であれば、絶縁性基材に導電化処理を施すこと
によって電極として使用してもよい。また、本発明で使
用される基板は、結晶又は非晶質でもよい。前記導電性
基材としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニ
ッケル、クロム等の金属及びその合金結晶、Si,Ga
As,GaP,GaN,SiC,ZnO等の半導体が挙
げられる。また、前記絶縁性基材としては、高分子フィ
ルム、ガラス、石英、セラミック等が挙げられ、絶縁性
基材には、上記の金属又は金、銀、銅等を、蒸着法、ス
パッター法、イオンプレーティング法等により成膜し導
電化処理を施すことができる。
【0039】光(紫外線)の入射は、基板側からでも、
半導体層及び電極側からでもよい。透明基板を構成する
透光性基材としては、例えば、ガラス、石英、サファイ
ア、MgO、LiF、CaF等の透明な無機材料、ま
た、弗素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の
透明な有機樹脂のフィルム又は板状体、更に、オプチカ
ルファイバー、セルフォック光学プレート等が挙げられ
る。330nm以下の紫外線を測定する場合には、石
英、サファイア、MgO、LiF、CaF等が好まし
い。
【0040】上記透光性基材が絶縁性である場合には、
導電化処理を施して使用してもよく、例えば、ITO、
酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅
等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティン
グ、スパッタリング等の方法により形成したもの、ある
いはAl,Ni,Au等の金属を蒸着やスパッタリング
により半透明になる程度に薄く形成したものが用いられ
る。前記導電化処理により形成された膜は、透光性電極
として用いることができる。330nm以下の短波長を
測定する場合には、蒸着した半透明の金属電極が好まし
い。本発明においては、前記透光性電極と半導体層上の
電極との間に流れる光起電流を取り出してもよいし、電
圧を印加することによって、光電流を取り出してもよ
い。
【0041】本発明における半導体受光素子は、単層型
であっても、以下に示すように積層型であってもよい。
単層型では二つのセンサーを用いる場合には、オゾンの
吸収の無い波長と吸収のある波長に対応する各々に異な
る波長のバンドパスフィルターを設置し、各々の出力を
測定する。測定結果は前述した方法でオゾン濃度に換算
する。積層型の場合には、以下のような構成とする。導
電性基板上に、第一の半導体層を形成し、その上に第二
の半導体層を形成する。光入射を基板側より行う場合に
は、第一の半導体層の光学ギャップを第二の半導体層の
光学ギャップより大きくする。光入射を半導体及び電極
側より行う場合には、第一の半導体層の光学ギャップを
第二の半導体層の光学ギャップより小さくする。第一の
半導体層と第二の半導体層との間には、透明導電層ある
いは半透明導電層(透光性導電性層)を第一の透明導電
性中間電極として形成し、この上に絶縁性かつ透明な分
離層、あるいは実質的に光電流に寄与しない光半導体層
を設け、更に透光性導電性層を第二の透明導電性中間電
極として設けることができる。第二の半導体層の上に設
けられる電極は、光入射を半導体及び電極側より行う場
合には、330nm以下の紫外線を効率よく透過するも
のが望ましく、前述したものを使用することができる。
【0042】前記透明導電性中間電極を構成する材料と
しては、前述の透光性電極を用いることができる。IT
Oや酸化亜鉛、酸化錫等の酸化物は、透過波長域があ
り、フィルターとしても機能する。また、前記分離層を
構成する材料としては、AlN、SiN、SiC、ダイ
ヤモンド膜、SiO等の絶縁性であるか、光吸収のない
半導体等が挙げられる。
【0043】[その他の部材] (バンドパスフィルター)異なる波長で紫外線量を分離
測定するためには、短波長感度のある前記の半導体を用
いた受光素子に、透過率が変化するフィルターを付けた
ものと付けないものを用いてもよい。また、更には前述
したオゾンの特性吸収波長と吸収の無い波長に合わせた
バンドパスフィルターを組み合わせて設けてもよい。こ
の場合、バンドパスフィルターは長波長部に透過する領
域があるものが多く、この長波長部分の透過もカットす
る場合にはフィルター構造は複雑になり、フィルターも
厚く、紫外部の透過率も低下する。本発明における半導
体受光素子の場合には、長波長に吸収が無く、結果とし
て高感度でかつ低コストなオゾン濃度測定器が可能とな
る。
【0044】以下に、本発明のオゾン濃度測定器の実施
形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明のオゾ
ン濃度測定器の第1の実施形態を示す概略構成図であ
り、単層型の半導体受光素子を二つ同一基板(同一平
面)上に形成したものである。第1の実施形態のオゾン
濃度測定器は、導電性基板20上に、半導体層21及び
電極23をこの順に有する半導体受光素子と、導電性基
板20上に、半導体層21及び電極24をこの順に有す
る半導体受光素子と、各々の半導体受光素子の電極2
3,24上に設けられたバンドパスフィルター25,2
6とからなる。第1の実施形態のオゾン濃度測定器は、
同一基板上に半導体受光素子を設けているが、これらの
半導体受光素子は別々の基板に設けられたものでもよ
い。更に、一つの半導体受光素子を用いてもよい。以下
の第2の実施形態のオゾン濃度測定器についても同様で
ある。
【0045】図2は、本発明のオゾン濃度測定器の第2
の実施形態を示す概略構成図であり、単層型の半導体受
光素子を二つ同一基板上に形成したものである。図2に
おいて、図1と同じ符号は、図1と同様の部材及び構成
を示している。第2の実施形態のオゾン濃度測定器は、
第1の実施形態のオゾン濃度測定器と異なり、導電性基
板20上に、波長感度の異なる2種類の半導体層21及
び22が形成されている。図のように、バンドパスフィ
ルター25,26を設けてもよい。
【0046】図3は、本発明のオゾン濃度測定器の第3
の実施形態を示す概略構成図であり、積層型の半導体受
光素子からなる。第3の実施形態のオゾン濃度測定器
は、導電性基板20上に、第1の半導体層21、透明導
電性中間電極27、分離層29、透明導電性中間電極2
8、第2の半導体層22、及び電極23をこの順に有す
る半導体受光素子からなる。第1の半導体層21と第2
の半導体層22は、それぞれ波長感度の異なる半導体層
である。
【0047】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 (実施例1) [オゾン濃度測定器の作製]洗浄した硼珪酸ガラス基材
に、透光性電極として酸化インジウムスズ(ITO)を
1000Åスパッタした基板を基板ホルダー3に載せ、
排気管2を介して反応器1内を真空排気後、ヒーター4
により基板を350℃に加熱した。Nガスを第1の原
料活性化−供給部13のガス導入管9より直径25mm
の石英管5内に1000sccm導入し、マイクロ波導
波管8を介して2.45GHzのマイクロ波を出力25
0Wにセットしチューナでマッチングを取り、放電を行
った。この時の反射波は0Wであった。一方、Hガス
を第2の原料活性化−供給部14のガス導入管10より
直径30mmの石英管6内に500sccm導入し、1
3.56MHzの高周波放電を行った。高周波電力の出
力は100Wであり、反射波は0Wであった。この状態
で第2の原料活性化−供給部14のガス導入管12より
0℃で保持されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸
気を水素をキャリアガスとして用い、10Pa圧でバ
ブリングしながらマスフローコントローラーを通して
0.5sccm導入した。更に、第2の原料活性化−供
給部14のガス導入管12より20℃に保持したシクロ
ペンタジエニルマグネシウムにHガスを圧力6500
0Paで導入し、マスフローコントローラーを通して1
sccm反応領域に導入した。この時バラトロン真空計
で測定した反応圧力は66.5Paであった。成膜を3
0分行い、0.1μmのMgドープGaN:H膜(半導
体層)を作製した。水素量は7atom%であった。水
素はIRスペクトル測定によってGa−H,N−Hとし
てこのGaN膜中に含まれていた。電子線回折スペクト
ルではスポット的なリングパターンが見られ、結晶性の
膜であることを示していた。膜は透明であった。
【0048】この半導体層上に、直径2mmのAuの半
透明電極を二つ真空蒸着で作製し、基板上に半導体層及
び電極を有する二つの半導体受光素子を得た(図1参
照)。これらのAu電極と上記ITOの透光性電極に銀
線を端子として接続した。次に、340nmを中心にバ
ンド幅10nmで透過するバンドパスフィルターと、3
20nmを中心にバンド幅10nmで透過するバンドパ
スフィルターとを、それぞれの電極上に設け、オゾン濃
度測定器を作製した。このフィルターは600nmより
長波長域に透過域があったが、半導体層には感度がなか
った。
【0049】<評価>得られたオゾン濃度測定器によっ
て、オゾンによる吸収の無い波長領域と吸収のある波長
領域を同時に分離測定することができる。別に測定した
それぞれの光感度を用いて、340nmと320nmの
領域での紫外線光量に変換することができる。成層圏の
オゾン量は、太陽光に含まれるこれらの波長の紫外線量
を測定し、太陽スペクトル強度と吸収係数を用いて簡易
的にオゾン量を求めることができる。より精確には、太
陽光の波長の放射光量を補正したり、太陽光の大気中で
の波長による散乱係数を補正することにより、吸収波長
でのオゾンの無い時の太陽輻射光量をより精確に推定す
ることができるため、オゾン量を精確に求めることがで
きる。
【0050】(実施例2) [オゾン濃度測定器の作製]実施例1と同様の半導体受
光素子に、254nmを透過し、300nmより長波長
をカットするフィルターを重ねて用いた。この長波長カ
ットフィルターは、450nmより長波長側に透過域が
あった。これに低圧水銀灯の254nmの輝線を照射し
た。この低圧水銀灯の発光は254nmの発光強度に対
して、435.8nmの発光が1/100、また577
−560nmの発光が1/10であった。これら半導体
受光素子の感度は、254nmに比べ435.8nmは
1/10であり、577−560nmに対しては1/5
0であった。これら半導体受光素子の上に、オゾン測定
用の厚さ10mmの石英セルと、参照用に窒素を封入し
た同様の石英セルを、それぞれの受光素子上に設置し、
オゾン濃度測定器を作製した。
【0051】<評価>この測定用の石英セルと参照用の
石英セルに対して、同等に低圧水銀灯の254nmの輝
線を照射した。この時、それぞれの半導体受光素子から
の出力を測定し、比を取ることによりオゾン吸収量がわ
かり、吸収係数から濃度を知ることができる。半導体受
光素子からの出力比から、透過光量は3%と求められ
た。吸収係数は、150cm−1であるため、オゾン濃
度は1%と求められた。
【0052】(実施例3) [オゾン濃度測定器の作製]実施例1と同様の半導体受
光素子を用い、二つの半導体受光素子に254nmを透
過するバンドパスフィルターを設けた。これらのバンド
パスフィルターは500nmより長波長域に透過域があ
った。これらバンドパスフィルターの上に、オゾン測定
用の厚さ10mmの石英セルと、参照用に窒素を封入し
た同様の石英セルを、それぞれの上に設置し、オゾン濃
度測定器を作製した。
【0053】<評価>この測定用の石英セルと参照用の
石英セルに対して、同等に低圧水銀灯の254nmの輝
線を照射した。254nm以外の紫外線による吸収の影
響を除去することができる。この時、それぞれの半導体
受光素子からの出力を測定し、比を取ることによりオゾ
ン吸収量がわかり、吸収係数から濃度を知ることができ
る。半導体受光素子からの出力比から、透過光量は97
%と求められた。吸収係数は、150cm−1であるた
め、オゾン濃度は100ppmと求められた。
【0054】(実施例4) [オゾン濃度測定器の作製]厚さ1mmのITO基板上
に、厚さ0.2μmの酸化チタン膜(半導体層)をスパ
ッター法にて形成した。結晶性はアナターゼ型が主であ
った。この膜を水素圧0.5Torr(65Pa)の雰
囲気で高周波放電による水素プラズマ処理を行った。次
に、この膜に直径3mmの金電極を二つ設け、基板上
に、半導体層及び電極を有する二つの半導体受光素子を
作製した。これらの半導体受光素子は、400nmより
短波長での紫外線感度を有していることがわかった。1
Vの電圧を印加したときに、0.5mAの光電流が流れ
た。これらの半導体受光素子を用い、実施例3と同様の
バンドパスフィルターをそれぞれ設け、オゾン濃度測定
器を作製した。
【0055】<評価>実施例3と同じ条件で測定を行っ
た。その結果、二つの半導体受光素子からの出力比か
ら、透過光量は3%と求められた。吸収係数は、150
cm−1であるため、オゾン濃度は1%と求められた。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、分光器を使用せず、オ
ゾン層の濃度を短時間でかつ高精度で測定できる紫外線
吸収法による安価なオゾン濃度測定器を提供することが
できる。また、本発明によれば、地球上で発生するオゾ
ン濃度を簡易に測定できるオゾン濃度測定器を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のオゾン濃度測定器の第1の実施形態
を示す概略構成図である。
【図2】 本発明のオゾン濃度測定器の第2の実施形態
を示す概略構成図である。
【図3】 本発明のオゾン濃度測定器の第3の実施形態
を示す概略構成図である。
【図4】 本発明のオゾン濃度測定器の製造装置の一例
を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 排気管 3 基板ホルダー 4 ヒーター 5,6 石英管 7 高周波コイル 8 マイクロ波導波管 9〜12 ガス導入管 13 第1の原料活性化−供給部 14 第2の原料活性化−供給部 20 導電性基板 21 第1の半導体層 22 第2の半導体層 23 透明電極 24 透明電極 25 バンドパスフィルター 26 バンドパスフィルター 27 透明導電性中間電極 28 透明導電性中間電極 29 分離層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも、1以上のIIIA
    族元素と窒素元素とを含む窒化物系化合物半導体又は金
    属酸化物系半導体を含有する半導体層、及び電極をこの
    順に有する半導体受光素子を備えることを特徴とするオ
    ゾン濃度測定器。
  2. 【請求項2】 前記半導体層が、水素を0.5〜50a
    tom%含む請求項1に記載のオゾン濃度測定器。
  3. 【請求項3】 前記半導体受光素子を2以上備える請求
    項1又は2に記載のオゾン濃度測定器。
  4. 【請求項4】 前記半導体受光素子が、同一平面上に形
    成されてなる請求項3に記載のオゾン濃度測定器。
  5. 【請求項5】 前記半導体受光素子が、基板上に、複数
    の半導体層を積層してなる請求項1又は2に記載のオゾ
    ン濃度測定器。
  6. 【請求項6】 前記半導体受光素子による出力が、28
    0nmより長波長の異なる波長領域の紫外線量に比例し
    た出力である請求項1から5のいずれかに記載のオゾン
    濃度測定器。
  7. 【請求項7】 前記半導体受光素子による出力が、30
    0nmより短波長の紫外線量に比例した出力である請求
    項1から5のいずれかに記載のオゾン濃度測定器。
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