JP3794142B2 - 非単結晶光半導体およびその製造方法ならびに電子写真感光体 - Google Patents

非単結晶光半導体およびその製造方法ならびに電子写真感光体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロニクス用の光半導体に関し、詳細には、新規にして優れた光半導体に適する非単結晶光半導体およびその製造方法並びにこの非単結晶光半導体を用いた光半導体素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体受光素子用の光電変換部材として、非晶質や微結晶の非単結晶光半導体が使用されている。たとえば、セレン、テルルなどの非晶質カルコゲナイド化合物が、撮像管、受光素子、電子写真感光体などに広く用いられている(オーム社、「アモルファス半導体の基礎」)。また、近年では、水素化アモルファスシリコンが、太陽電池、イメージセンサー、Thin Film Transistor、電子写真感光体などに用いられている。
【0003】
しかしながら、非晶質カルコゲナイド化合物や水素化アモルファスシリコンから形成される従来の非単結晶光半導体には種々の問題があった。
非晶質カルコゲナイド化合物は、熱に対して不安定で結晶化が起こり易く使用できる条件が限られており、価電子制御ができないなどの欠点があった。
また、水素化アモルファスシリコンでは、価電子制御は可能であり、pn接合や界面での電界効果などが実現でき、耐熱性も250℃程度まであるが、強い光により光導電性が劣化する現象があり(Staebler-Wronski効果:応用物理ハンドブックなど)、たとえば、太陽電池の効率が使用中に低下する問題がある。さらに非晶質や微結晶シリコンのband gapは約1.7eV から1.5eV 程度であり太陽光の光を有効に利用するためや活性領域へ十分な光が到達できるようにGeやCを加えることによってband gapを狭めたり広めたりすることができるが, これらの元素を加えて3eV 程度変化させても光導電特性が大きく劣化し、広い範囲の光を有効に利用できないという問題があった。また、GeやC等の元素を含む半導体はその結晶が間接遷移型であり、発光素子に用いることができず、用途が限られていた。
【0004】
また、近年地球の環境問題の最大の問題の一つとしてオゾン層の破壊による地上での紫外線量の増加があげられる。このため、明るい場所でも紫外線量が測定できるいわゆるソーラーブラインド型の紫外線受光素子が望まれている。[M.Razeghi and A.Rogalski,J.Appl.Physics,79(1996)7466]。
さらに、季節変動や気象変動などの影響もふくめ全波長全体光量との割合において簡易に測定できる波長分離受光素子が望まれているが、高感度で、低暗電流で高速応答でき、かつ湿度温度などの耐候性にすぐれたものはなかった。
また、従来、測色素子においては光半導体が広く用いられているが、例えば、Siなどでは短波長の感度が著しく低下し、紫外領域などではシンチレーション等の方法を取ることが必要になり構成が複雑になるという問題があった。
【0005】
一方、III-V族化合物半導体の多くは、直接遷移型半導体に属し、光吸収係数が大きく、またバンドギャップが組成により変化できるという特徴を有している。特に、窒素系の化合物は、InNの1.9 eVからGaNの3.2 eVまで、またAlNの6.5 eVまでと、紫外領域から可視領域まで広くバンドギャップを変えることができる。そこで、バンドギャップを自由に設定できる非単結晶光半導体として、III-V族化合物からなる非単結晶光半導体、特に、窒素系のIII-V族化合物からなる非単結晶光半導体に期待が寄せられている。
【0006】
しかしながら、窒素系のIII-V族化合物半導体は、一般に、基板としてサファイア基板、GaAs基板、SiC基板を用いて結晶成長させているが、これらの基板は高価であるとともに、格子常数がこれらの半導体とは適合しないため、そのままで結晶成長させることができず、バッファ層の挿入や基板の窒化処理などが行われている。 この結晶成長は、通常800-1100℃の温度でおこなわれているが、このような高温に適合する材料が限られるとともに、基板用バルク結晶の大きさがかぎられ任意の大面積の膜が得られないという問題があった。また、光の入出力用材料としては光の透過性が不十分なものが多く、また、光の透過性が良いものは絶縁性であるという問題があった。
このため、比較的面積の大きい二次元デバイスには非晶質や微結晶材料が適しているが、III-V族化合物の非単結晶材料はN系も含め、光導電性材料として、実用上使用できるものは、従来、得られていなかった。
【0007】
従来、非単結晶のIII-V族化合物は、製造温度を、結晶作製する場合(600-1000℃)よりも低い温度に設定することによって得られている。具体的には、III-V族化合物結晶膜は、III-V族結晶の蒸着やスパッターによって、あるいは、III 族金属を原子状としたものとV族元素を含む分子や活性分子との反応によって[H.Reuter,H.Schmitt,M.Boffgen,Thin Solid Films,254(1995)94]、あるいは、III 族金属を含む有機金属化合物とV族元素を含む化合物を用いて、いわゆる有機金属CVD(MOCVD)法によって、加熱した基板上に作製されているが、非単結晶のIII-V族化合物は、これらの方法において、基板温度を、結晶作製する場合(600-1000℃)よりも低い温度に設定することによって得られている。
【0008】
しかしながら、原料に結晶を用いスパッターで作製する方法では、膜中の欠陥が多く、光導電性が不良であり、また、MOCVD法では、非晶質化するために低温成膜が必要であり、有機金属からの炭素が膜中に残ったり、膜中欠陥準位が多い等の問題があり、光導電材料として機能できる非単結晶のIII-V族化合物半導体は得られていなかった[H.Reuter,H.Schmitt,M.Boffgen,Thin Solid Films25 4,94(1995)]。
【0009】
一方、非晶質アモルファスシリコンは、水素化されることによってバンド間の欠陥準位密度が低下し、価電子制御が可能になることが知られている。
さらに、結晶のIII-V族化合物半導体の欠陥に対する水素の役割については多く調べられており、
(1) 結晶転位欠陥が改善されること[Y.Okada,S.Ohta,H.Shimomura,A.Kawabata and M.Kawabe,J.J.Appl.Phys.,32,L1556(1993)]、
(2) 表面酸化膜との界面欠陥が改善されること[Y.Chang,W.Widdra,S.I.Yi,J.Merz,W.E.WeinBerg and E Hu,J.Vac.Sci.Tech.B12.2605(1994)]、
(3) n+ -p 接合面が改善されること[S.Min,W.C.Choi,H.Y.Cho,M.Yamaguchi,Appl.Phys.Lett 64,1280 (1994)]、
(4) 格子不整合による欠陥が改善されること[B.Chatterjee,S.A.Ringel,R.Sieg,R.Hoffman and I.Weinberg,Appl.Phys.Lett 65,58(1994)]、
(5) 結合欠陥をパッシベーションすること、
などが分かっている。
これら結晶のIII-V族化合物半導体の欠陥に対する水素の役割、および、結晶シリコンからアモルファスシリコンにしたときのバンド間の欠陥準位密度が増大の問題を、水素化によって解決した事実から、非結晶のIII-V族化合物半導体においても、水素化の効果が期待できる。
【0010】
水素を含む非晶質のIII-V族化合物半導体に関しては、H2との反応性蒸着法で水素化した水素化a-GaPの光導電性が報告され[M.Onuki,T.Fujii and H.Kubota,J.non-Cryst,Solids,114,79 2(1989)]、また、水素化a-GaAsの光導電性も報告されている[V.Coscia,R.Murri,N.Pinto,L.Trojani,J.Non.Cryst.Solid,194(1996)103] 。しかし、これらの半導体では、明暗抵抗比は2桁程度で小さく、また、半導体材料として実用上必要なpn制御ができないという問題があった。
また、非晶質材料や微結晶材料の非単結晶III-V族化合物半導体の欠陥を水素によりパッシベーションしたものとしては、III 族の原料として有機金属化合物を使用したプラズマCVD法によって、水素を含む微結晶膜のGaNが得られているが、光導電性を示さず、絶縁性であった[J.Knights and R.A.Lujan,J.Appl.Phys.,42(1978)1291] 。また、プラズマCVD法によって作製した水素化非晶質GaAsについても10%程度の微小の光導電性しかなく実用には程遠いものであった[Y.Segui,F.Carrere and A.Bui,Thin Solid Films,92(1982)303.] 。
さらに、この水素の導入により、膜中でIII 族原子とV族原子とが結合して非単結晶化することによって生ずる未結合手のパッシベーションが期待できるが、水素原子との結合形態や水素の含有量が多い場合には、得られた膜が空気に対して敏感に反応し、酸化反応が起こりやすいという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、このような非晶質や微結晶の非単結晶III-V族化合物半導体の欠点を改善し、アモルファス半導体における水素の役割を生かし、優れた光導電特性、高速応答性であり、経時変化が少なく耐環境特性および耐高温性を有し、光学的に活性であり、かつ、安価な新しいオプトエレクトロニクス材料として好適な非晶質光半導体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、また紫外領域から可視全域での高変換効率で光電変換が可能な半導体受光素子を提供することにある。
本発明の第3の目的は、広範囲の光学ギャップが自由に選べ、優れた光導電特性と高速応答性かつ耐環境特性や耐高温度特性を有し大面積で安価な新しいオプトエレクトロニクス材料となりえる新規の非晶質や微結晶の非単結晶光半導体を用いた半導体素子を提供することにある。
本発明の第4の目的は、上記の特性を有する非晶質や微結晶の非単結晶光半導体を安全に製造でき、かつ、低コストで製造することができる非単結晶光半導体の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、アモルファスシリコン半導体における水素化の手法に着目し、従来の非晶質あるいは微結晶III-V族化合物半導体の光電子材料としての欠点の改善について、鋭意検討した結果、窒素系III-V族化合物半導体において、膜中に含まれる元素と水素の結合状態を制御することによって、これら欠点が改善できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の非単結晶光半導体は、少なくとも水素と周期律表におけるIII 族元素と窒素とを含む非単結晶光半導体であって、該非単結晶光半導体の赤外吸収スペクトルの、窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) と、炭素と水素との結合を示す吸収ピーク(C-H) との、吸光度の比IN-H /IC-H が3以上であり、かつ、窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) と、III 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との、吸光度の比IN-H /IIII-H が0.05以上であり、かつ、III 族元素と窒素との結合を示す吸収ピーク(III -N)と、III 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との、吸光度の比IIII-N /IIII-H が1.5 以上であり、かつ、吸収ピーク(III -N)が単一状の吸収帯で、かつ、吸収ピーク(III -N)の半値幅が250 cm-1以下であることを特徴とする。
【0013】
これら強度比等を、非単結晶材料の原料や製造方法を変えることによって変化させ、前記範囲内に調整することにより、III 族元素および窒素と水素との比率が好適に保たれて、良好な結合状態を示すとともに、非単結晶材料を構成する材料中に存在する炭素の量が少なく、より、好ましくは、検出限界以下となって、非単結晶材料中の各元素の組成比が好適な状態となり、得られる非単結晶材料が安定で高い性能を示すことになる。
【0014】
また、本発明の非単結晶光半導体においては、水素が、0.5 原子%以上50原子%以下の範囲で含まれることが好ましく、周期律表におけるIII 族元素は、その原子数の総和xと窒素原子の原子数yの比が、1.0:0.5 から1.0:2.0 の間にあり、Al,Ga,Inからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
さらに、C,Si,Ge,Snからなる群から選ばれた少なくとも1つ以上の元素および/またはBe,Mg,Ca,Zn,Srからなる群から選ばれた少なくとも1つ以上の元素を含むことが好ましい。
【0015】
本発明の非単結晶光半導体は、窒素を含む化合物を活性化した活性種と、周期律表におけるIII 族元素を含む有機金属化合物とを、活性化水素を含む雰囲気下で、反応させることにより製造することができる。また、本発明の非単結晶光半導体は、活性化手段により窒素を含む化合物を活性化することで生成した活性種と、活性化手段により水素を含む化合物を活性化することで生成した活性種と、前記少なくとも1方の活性化手段の下流側から導入された周期律表における III 族元素を含む有機金属化合物と、を反応させることによっても製造することができる。活性化水素は、水素を含む化合物を活性化することにより供給されてもよく、活性化手段としては、高周波放電および/またはマイクロ波放電を利用することができる。また、周期律表におけるIII 族元素を含む有機金属化合物の少なくとも一種以上を、前記活性化手段の下流側から導入することが好ましい。
【0016】
このような方法で製造することにより、非晶質膜や微結晶膜が成長できる低温でも有機金属から安定分子として有機基が分離し、膜中に取り込まれず、膜成長時に未結合手の欠陥が除去でき、さらに有機基より生成する活性水素あるいは別に加えられた水素および水素化合物による活性水素が膜成長時に膜表面の炭素を除去する働きをし、不純物を極微量まで低減することができる。
【0017】
また、本発明の非単結晶光半導体は、電子写真感光体における電荷発生層、電荷輸送層、表面層に応用することができる。また、導電性基板として透明基板を用い、非単結晶光半導体上に電極を配置して、光起電力素子、受光素子へも応用することができる。特に、紫外線用の光起電力素子、受光素子として使用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の非単結晶光半導体(以下、非単結晶材料という場合がある。)は、少なくとも水素と周期律表におけるIII 族元素と窒素とを含んでいる。
【0019】
非単結晶とは、非晶質あるいは微結晶であることを意味し、非晶質相、微結晶相、微結晶相と非晶質相の混合状態のいずれであっても良い。微結晶の結晶系は、立方晶系あるいは6方晶系のいずれか一つであってもよく、また、複数の結晶系が混合された状態でもよい。なお、微結晶の大きさは5nmから5μmであり、X線回折や電子線回折および断面の電子顕微鏡写真を用いた形状測定などによって測定することができる。
ここで、非晶質とは、例えば、透過電子線回折パターンにおいて全くリング状の回折パターンがなくぼんやりしたハローパターンの完全に長距離秩序の欠如しているものから、ハローパターンの中にリング状の回折パターンが見られるもの、さらにその中に輝点が見られるものまでを指している。このような膜は透過電子線回折より広範囲を観測するX線回折測定においては、ほとんど何のピークも得られないことが多い。
また、微結晶とは、例えば、透過電子線回折パターンにおいてリング状の回折パターンとともに輝点が多数見られるもの、スポット状の輝点のみ見られるものを指している。微結晶からなる膜は、X線回折測定においては、わずかに結晶面に相当するピークが得られるが、多結晶であると、ピーク強度が単結晶にくらべて弱く、かつ、ピーク幅が単結晶に比べて広いことが多い。
このような、非晶質あるいは微結晶の材料を用いることで、自由な基板材料に低温で成膜することができるため、低コストで、形状、サイズに制限がなく、高機能なオプトエレクトロニクスデバイスを作製することができる。
【0020】
本発明の非単結晶材料中の水素濃度は、0.5 原子%以上50原子%以下の範囲にあることが好ましい。3次元的な構造を維持しながら非晶質構造を実現するためには、III 族元素と窒素の両方に未結合手が発生する。また、微結晶により3次元的構造を実現するためには、粒界においてIII 族元素と窒素の両方に未結合手が発生する。この未結合手を補償するために水素またはハロゲン等の一配位の原子を用いることができる。本発明においては、水素により、このような未結合手を補償するため、水素がIII 族元素と窒素に共に結合するようにする。
非単結晶材料に含まれる水素が0.5 原子%未満では、結晶粒界での結合欠陥、非晶質相内部での結合欠陥、および未結合手を、水素との結合によってなくし、バンド内に形成する欠陥準位を不活性化するのに不十分であり、結合欠陥や構造欠陥が維持される結果、暗抵抗が低下し、光感度がなくなるため、実用的な光導電体として機能することができない。
一方、非単結晶材料に含まれる水素が50原子%をこえると、水素がIII 族元素および窒素に2つ以上結合する確率が増え、これらの元素が3次元構造を保たず、2次元および鎖状のネットワークを形成するようになり、とくに結晶粒界でボイドを多量に発生するため結果としてバンド内に新たな準位を形成し、電気的な特性が劣化するとともに、硬度などの機械的性質が低下する。さらに膜が酸化されやすくなり、結果として膜中に不純物欠陥が多量に発生することとになり、良好な光電気特性が得られなくなる。また、非単結晶材料に含まれる水素が50原子%をこえると、電気的特性を制御するためにドープするドーパントを水素が不活性化するようになるため、結果として、電気的に活性な非晶質あるいは微結晶からなる非単結晶光半導体が得られない。
水素量についてはハイドロジェンフォワードスキャタリング(HFS)により絶対値を測定することができる。また加熱による水素放出量の測定あるいは赤外吸収スペクトルの測定によっても推定することができる。
【0021】
本発明の非単結晶材料中の周期律表におけるIII 族元素とは、IUPAC無機化学命名法改訂版(1989)が発刊される以前の旧分類における周期律表のIII 族に属する、B,Al,Ga,In,Tl 等の元素であり、この中でも、導電性や光学ギャップ等、窒化物としての半導体性能の点で、Al,Ga,Inが、特に好ましい。
本発明の非単結晶材料中のIII 族元素は、III 族元素の原子数の総和をx、窒素の原子数をyとした場合に、xとyとの比が、1.0:0.5 から1.0:2.0 の間にあることが好ましい。xとyとの比が、この範囲外であると、III 族元素と窒素との結合において、立方晶や閃亜鉛鉱(Zincblende)型を取る部分が少なくなり、その結果、欠陥が多くなり、良好な半導体として機能しなくなる。非単結晶材料中の各元素組成はX線光電子分光(XPS)、エレクトロンマイクロプローブ、ラザフォードバックスキャタリング(RBS)、二次イオン質量分析計等の方法で測定することができる。
【0022】
また、膜の光学ギャップはIII 族元素の混合比によって任意にかえることができる。GaN:H 膜の光学ギャップ3.2-3.5eV を基準にすると、これにAlを加えることによって6.5eV 程度まで大きくすることができ、紫外領域にも対応でき、Inを加えることによって1.9eV 程度まで変化させることができ、可視領域にも対応できる。
【0023】
本発明の非単結晶材料における水素とIII 族元素、水素と窒素、窒素とIII 族元素のそれぞれの結合状態は赤外吸収スペクトルによって容易に測定することできる。すなわち、膜中の化学結合状態は、おもにIII 族元素、窒素、および水素の結合状態と、その量関係によって規定することが可能である。さらに不純物としての炭素との関係を複合的にとらえることによって膜構造、さらには膜の特性を規定することができる。
【0024】
本発明の非単結晶材料は、赤外吸収スペクトルにおける吸収ピークが以下の4つの要件を満たすものでなければならない。
(1) 窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) と、炭素と水素との結合を示す吸収ピーク(C-H) との、吸光度の比IN-H /IC-H が3 以上
(2) 窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) と、III 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との、吸光度の比IN-H /IIII-H が0.05以上
(3) III 族元素と窒素との結合を示す吸収ピーク(III -N)と、III 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との、吸光度の比IIII-N /IIII-H が1.5 以上
(4) 吸収ピーク(III -N)がほぼ単一の吸収帯で、かつ、吸収ピーク(III -N)の半値幅が250 cm-1以下
【0025】
これら赤外吸収スペクトルにおける吸収ピークの吸光度の関係を、具体例を挙げて説明する。図1は、実施例1で作製した膜の赤外吸収スペクトル(以下、IRスペクトルという場合がある。)を示すスペクトル図である。ここでは、III 族元素としてガリウムを用いているので、このスペクトルによれば、3230cm-1付近にN-H の伸縮振動による吸収ピーク、2100cm-1付近にGa-Hの伸縮振動による吸収ピークがある。さらに2950cm-1付近にC-H の伸縮振動による吸収ピークがある。さらに550 cm-1付近にGa-Nの骨格振動による吸収ピークがある。
【0026】
この場合には、窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) とIII 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との吸光度の比IN-H /IIII-H は、3230cm-1付近と2100cm-1付近の吸収ピークの吸収強度の比で表すことができ、本発明においては、この値が0.05以上でなければならない。IN-H /IIII-H が0.05未満では、窒素原子で未結合手の補償が行われなくなり、欠陥が多くなる。
かつ、窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) と、炭素と水素との結合を示す吸収ピーク(C-H) との、吸光度の比IN-H /IC-H は、3230cm-1と2950cm-1の吸収ピークの吸収強度の比で表すことができ、本発明においては、この値が3 以上でなければならない。IN-H /IC-H が3未満では、膜中に炭素が多く含まれるようになり、III 族元素と窒素とのネットワークの形成を阻害する。
かつ、III 族元素と窒素との結合を示す吸収ピーク(III -N)と、III 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との、吸光度の比IIII-N /IIII-H は、550 cm-1と2100cm-1の吸収ピークの吸収強度の比で表すことができ、本発明においては、この値が1.5 以上でなければならない。IIII-N /IIII-H が1.5 未満では、III 族原子や窒素の水素との結合が多くなり、III 族元素と窒素との結合が少なくなる。
【0027】
さらに、550 cm-1付近のGa-Nの吸収ピーク(III -N)が、本発明においては、単一の吸収帯で、かつ、半値幅で250 cm-1以下でなければならない。
Siを基板に用いて赤外吸収スペクトルで550 cm-1付近を測定した結果から、III 族原子とN原子との結合の振動吸収ピークは、非晶質から微結晶構造に近づくに従って、単一でシャープな形状を呈するようになる。電子回折パターンから判定した相状態と照合すると、具体的には、半値幅が250 cm-1を超える範囲では、有機物的な非晶質膜であり、半値幅が250 cm-1以下では、非晶質であり、半値幅が200 cm-1以下では、非晶質構造が主体ではあるが微結晶が混ざり始め、半値幅が100 cm-1以下では、微結晶が主体となる。
本発明においては、微結晶が、多く含まれるほど、光導電特性、高速応答性が向上するため好ましく、Ga-Nの吸収ピーク(III -N)の半値幅は150 cm-1以下が好ましい。
一方、この吸収ピーク位置での吸収帯は、例えば、C-H 結合などが膜中に多く含まれるような有機的な膜では複数の吸収帯によって300 cm-1以上に広がり、この様な膜は本目的には適さない。
【0028】
従って、以上の要件を満たす非単結晶材料は、大気中に長期間放置して置いても、赤外吸収スペクトルは変化せず、クラックや密着性不良が発生せず、表面硬度も高く電気、光特性も良好な優れた非単結晶光半導体材料となる。
【0029】
赤外吸収スペクトルの吸収波長ピークは非晶質である場合と微結晶的である場合とでは、波長が10-40 cm-1の範囲で高波数側にシフトするが同様な関係を適用する。
また、本発明において、半値幅とは、III 族原子と窒素との結合を主体とする吸収位置での複数のピークからなる吸収帯の場合も含みそのピークの最高強度からバックグランドを除いた強度を1/2 とした位置での幅である。あるいは低波数側が完全に測定できない場合には高波数側の片側半分の半値幅を二倍としたものである。
【0030】
III 族元素としてガリウムの他に、インジウム、アルミニウム等を含む膜の赤外吸収スペクトルの場合においても、同様な関係を適用することができる。このようにIII 族元素を複数用いる場合のIII 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)は、各元素と水素との結合を示す吸収ピーク(例えば、Ga-H、In-H、Al-H結合における各ピーク)を加算して求めることができる。例えばInを加えた場合には低波数側に10-50 cm-1シフトするが同様な関係を適用する。このほかの結合に由来する吸収ピークも同様に状態や含有元素によりシフトするが、吸収ピーク強度関係は同様に扱う。
【0031】
本発明の非単結晶材料中、酸素と炭素は、合計で15原子%以下であることが望ましい。酸素が材料中に含まれると、この酸素原子がIII 族元素のAl,Ga,Inと安定な結合を形成し、Al,Ga,Inと窒素原子による3次元構造を部分的に2次元的柔構造を形成するため、電気的制御のための置換型ドーパントが3次元剛構造の中で電気的に活性な結合配置をとることを妨げることとなり、結果としてpn制御ができない。一方、炭素が材料中に含まれると、炭素と水素との結合はIII 族原子としてのAl,Ga,Inと水素との結合より安定であり、水素が炭素と多く結合するようになり、さらに炭素は -CH2-, -CH3結合を取りやすくなり鎖状構造やボイドの発生により、材料全体として欠陥準位が増えると共にドーパントをドープしたときに構造的柔軟性のためpn制御ができない。また、ワイドギャップの材料では材料が着色して黄色から茶褐色となるため光学的な特性も悪化する。
【0032】
本発明の非単結晶材料には、pn制御のために他の元素を材料中にドープすることができる。n型用の元素としては、Ia族のLi、Ib族のCu,Ag,Au、IIa族のMg、IIb族のZn、IVa族のSi,Ge,Sn,Pb 、IVb族のS,Se,Te を用いることができる。p型用の元素としてはIa族のLi,Na,K 、Ib族のCu,Ag,Au、IIa族のBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Ra 、IIb族のZn,Cd,Hg、IVb族のC,Si,Ge,Sn,Pb 、VIb族のS,Se,Te 、VIa族のCr,Mo,W 、VIII族のFe,Co,Niなどを用いることができる。なお、各族の分類は、IUPAC無機化学命名法改訂版(1989)が発刊される以前の旧分類による。
【0033】
ドーパントは活性化された水素のIII 族元素および窒素への結合、即ち、活性化された水素による欠陥準位のパッシベーションを阻害しないものが好ましい。すなわち、活性化された水素が、III 族元素および窒素と選択的に結合し、ドーパントに結合して不活性化しないことが必要である。この点から、n型用の元素としては、特に、Si,Ge,Snが好ましく、p型用の元素としては、特に、Be,Mg,Ca,Zn,Srが好ましい。
【0034】
本発明の非単結晶光半導体を使用する場合には、基板上に、少なくとも上記非単結晶光半導体を設ければよい。すなわち、本発明の非単結晶光半導体は、Al, Ga, Inの少なくとも一つ以上の元素と窒素と水素を含むn型あるいはp型の非単結晶光半導体からなるものでもよいし、さらに高濃度のドーピングを行った膜p+ あるいはn+ 層を挿入しても良いし、低濃度のドーピングを行った膜p= あるいはn- 層を挿入しても良い。
さらに透明性や障壁の形成のためにこれらのp型、i型、n型の層は各々異なるAlx Gay Inz (x=0-1.0,y=0-1.0,z=0-1.0) で表せるAl,Ga,InとN の組成を持っていてもよいし、p型、i型、n型それぞれの膜が複数のAlx Gay Inz N:H(x=0-1.0,y=0-1.0,z=0-1.0)の組成から成っていてもよい。
【0035】
また、本発明の非単結晶光半導体からなる膜の厚さは、用途により異なるが、光起電力素子や光受光素子の場合には、0.01〜10μmが好ましく、電子写真感光体の場合には、 1〜50μmが好ましい。
【0036】
本発明で使用する基板としては導電性でも絶縁性でも良く、結晶あるいは非晶質でも良い。導電性基板としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、クロム等の金属およびその合金結晶、Si,GaAs,GaP,GaN,SiC,ZnOなどの半導体を挙げることができる。
また、基板表面に導電化処理を施した絶縁性基板を使用することもできる。絶縁性基板としては、高分子フィルム、ガラス、石英、セラミック等を挙げることができる。導電化処理は、上記の金属または金、銀、銅等を蒸着法、スパッター法、イオンプレーティング法などにより成膜して行う。
【0037】
本発明において、光の入射用の透明導電性基板を用いた場合には、透光性支持体を使用するのが好ましい。透光性支持体としては、ガラス、石英、サファイア、MgO 、LiF 、CaF2等の透明な無機材料、また、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の透明な有機樹脂のフィルムまたは板状体、さらにまた、オプチカルファイバー、セルフォック光学プレート等が使用できる。
【0038】
さらに、上記透光性支持体上に設ける透光性電極としては、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成したもの、あるいはAl、Ni、Au等の金属を蒸着やスパッタリングにより半透明になる程度に薄く形成したものが用いられる。また光半導体層の上にこれらの透光性電極を直接設けても良い。
【0039】
次に、本発明の非単結晶光半導体の製造方法について説明する。
本発明の非単結晶光半導体は、窒素を含む化合物を活性化した活性種と、周期律表におけるIII 族元素を含む有機金属化合物とを、活性化された水素を含む雰囲気下で反応させ、基板上に層を形成することにより製造することができる。
上記の製造方法は、周期律表におけるIII 族元素の供給原料として有機金属化合物を用いる点、および活性化された窒素および水素の存在下で反応を低温で行う点に、特徴がある。また、本発明の非単結晶光半導体は、活性化手段により窒素を含む化合物を活性化することで生成した活性種と、活性化手段により水素を含む化合物を活性化することで生成した活性種と、前記少なくとも1方の活性化手段の下流側から導入された周期律表における III 族元素を含む有機金属化合物と、を反応させて形成することもできる。
【0040】
本発明の窒素を含む化合物の活性化とは、窒素を含む化合物を、III 族元素を含む有機金属化合物との反応に必要なエネルギー状態にすること、または、窒素を含む化合物を分解して生成する励起種にすることをいう。また、活性化された水素は、励起された水素ガスを活性化することにより得ることができる他、水素を含有する化合物を活性化することにより得ることができる。水素を含有する化合物としては、H2 、炭化水素、ハロゲン化水素、有機金属化合物が挙げられ、不純物が混入しない点で、H2 が好ましい。
また、放電エネルギーにより形成される活性化水素と活性化窒素とは独立に制御してもよいし、NH3 のような窒素と水素原子を同時に含むガスを用いて同時に活性化してもよい。この場合には、さらにH2 を加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いることもできる。
このようにすることで、基板上には活性化されたIII 族原子、窒素原子が制御された状態で存在し、かつ水素原子がメチル基やエチル基をメタンやエタン等の不活性分子にするために低温にも拘わらず、炭素がほとんど入らないか、極く低量の、膜欠陥が抑えられた非晶質あるいは微結晶の膜が形成できる。
【0041】
活性化手段としては、高周波放電、マイクロ波放電、エレクトロサイクロトロン共鳴方式、またはヘリコンプラズマ方式等を用いることができる。これら活性化手段は、単独で用いても良いし、二つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、高周波発放電同士、マイクロ波放電同士、またはエレクトロンサイクロトロン共鳴方式同士を組み合わせて用いてもよい。
また、高周波放電の場合は、誘導型でも容量型でも良い。異なる活性化手段(励起手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする必要があり、放電管内と成膜部に圧力差を設けても良い。
また、同一圧力で行う場合、異なる活性化手段(励起手段)、例えば、マイクロ波と高周波放電を用いると、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質制御に有効である。
【0042】
本発明の周期律表におけるIII 族元素を含む有機金属化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ターシャリーブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、ターシャリーブチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、ターシャリーブチルインジウムなどの液体や固体を気化して単独にあるいはキャリアガスでバブリングすることによって混合状態で使用することができる。
【0043】
本発明の窒素を含む化合物としては、 N2 、NH3 、NF3 、N2H4、メチルヒドラジンなどの気体、液体の窒素化合物を、用いることができる。
【0044】
本発明の非単結晶光半導体は反応性蒸着法やイオンプレーティング、リアクティブスパッターなどにおいては、原料あるいは補助原料に水素が無い場合が多いので、水素を含ませるため、少なくとも活性化された水素の雰囲気下で成膜を行うことにより得ることができる。
【0045】
以下、本発明の非単結晶材料の製造方法を、使用する製造装置とともに、具体的に説明する。図3は、プラズマ活性化MOCVD法に用いる装置の概略図である。
プラズマ活性化MOCVD法は、プラズマを活性化手段とする薄膜作製方法である。図2において、1は真空に排気しうる容器、2は排気口、3は基板ホルダー、4は基板加熱用のヒーター、5,6は容器1に接続された石英管であり、それぞれガス導入管9,10に連通している。また、石英管5にはガス導入管11が接続され、石英管6にはガス導入管12が接続されている。
【0046】
この装置においては、窒素源として、例えば、N2 を用いガス導入管9から石英管5に導入する。マグネトロンを用いたマイクロ波発振器(図示せず)に接続されたマイクロ導波管8に2.45 GHzのマイクロ波が供給され石英管5内に放電を発生させる。これによりN2 が活性化され、活性種が容器1中に導入される。別のガス導入口10から、水素元素源として、例えば、H2 を石英管6に導入する。高周波発振器(図示せず)から高周波コイル7に13.56MHzの高周波を供給し、石英管6内に放電を発生させる。これによりH2 が活性化され、活性種が容器1中に導入される。放電空間の下流側よりトリメチルガリウムをガス導入管12より導入することによって、窒素を活性化した活性種と、水素を活性化した活性種と、トリメチルガリウムとを、反応させ、基板上に水素を含んだ非晶質あるいは微結晶の非単結晶チッ化ガリウム光半導体を成膜することができる。
【0047】
本発明の非単結晶材料が、非晶質あるいは微結晶になるかは、基板の種類、基板温度、ガスの流量・圧力、放電出力等の条件に依存する。また、光学ギャップの値を決定する非単結晶材料の組成は、原料ガスとキャリアガスの濃度・流量に依存する。また、膜厚は、原料ガスとキャリアガスの濃度・流量の他、放電のエネルギーにも依存する。ただし、膜厚の制御に関しては、成膜時間の制御によるものが好ましい。
【0048】
基板の種類は、結晶性の基板あるいは表面をエッチング処理した結晶基板の場合に、微結晶となりやすく、例えば、Si基板等を好適に用いることができる。また、基板温度は、非単結晶とするためには100 ℃〜600 ℃が好ましく、基板温度が300 ℃より高い場合に微結晶になりやすく、好ましい。
【0049】
各種原料ガスの導入は、ガス導入口から行われ、キャリアガスとしては、水素,N2 、メタン、エタンなどの炭化水素、CF4 , C2F6などのハロゲン化炭素などを用いることができる。原料ガスの実質的流量は、膜質等の点で、0.001〜10sccmとすることが好ましい。また、III 族原料ガスの流量が少ない場合に、微結晶になりやすく好ましい。ただし、基板温度とIII 族原料ガスの流量とでは、基板温度の影響の方が大きく、基板温度が300 ℃より高い場合には、III 族族原料ガスの流量が多い場合でも微結晶となりやすい。一方、III 族原料ガスの流量が多く、かつ、放電出力が不足する場合には、有機物的な膜になりやすく、好ましくない。
【0050】
特に、III 族元素を含む有機金属化合物は、放電空間での成膜を避けるため、放電空間の下流側(図3においては、ガス導入管11またはガス導入管12)に設けたガス導入管より導入するのが好ましい。また、数種のIII 族元素を含む有機金属化合物を導入する場合には、同一のガス導入管から導入してもよく、異なるガス導入管から導入しても良い。
【0051】
また、C,Si,Ge,Snから選ばれた少なくとも一つ以上の元素を含むガス、あるいはBe,Mg,Ca,Zn,Srから選ばれた少なくとも1つ以上の元素を含むガスを導入することによってn型、p型等任意の伝導型の非晶質あるいは微結晶のチッ化物半導体を得ることができる。C の場合には条件によっては有機金属化合物の炭素を使用してもよい。また、これらは、III 族元素を含む有機金属化合物と同様に、放電空間の下流側に設けたガス導入管より導入するのが好ましい。
【0052】
C,Si,Ge,Snの元素源としては、SiH4 , Si2H6 , GeH4 , GeF4 , SnH4 等の化合物を、Be,Mg,Ca,Zn,Srの元素源としては、BeH2 , BeCl2 , BeCl4 ,ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛等の化合物をガス状態で用いることができる。
ドーピングの方法としては、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用することができる。
【0053】
また、放電出力は、高い場合に、微結晶となりやすく、例えば、水素放電により活性水素を併用して成膜を行った場合には、行なわない場合よりも、微結晶化を進めることができるので好ましい。
【0054】
本発明の非晶質あるいは微結晶からなる非単結晶光半導体を用いた光半導体素子とするためには導電性あるいは導電処理した基板上に前述した方法によって光半導体を形成する。膜厚を 1μm〜10μmとすることによって電子写真感光体とすることができる。この光半導体を電荷発生層とし、この上に有機化合物を中心とする電荷輸送層を形成しても良い。またこの光半導体は透過光を任意に設定できるため無機や有機の電荷発生層の上に電荷輸送層とすることもできる。また電荷輸送層として下層に設けても良い。また表面に設けて電荷輸送層の機能をもたせた表面保護層とすることもできる。
【0055】
本発明の非晶質あるいは微結晶からなる非単結晶光半導体を導電性あるいは導電処理した基板上に前述した方法によって光半導体を形成し光起電力素子とすることもできる。最も簡単には、この光半導体の上にITOや酸化亜鉛の透明導電性膜や薄い金属膜を電極としてショットキー障壁での光起電力を発生することができる。さらにp型とn型あるいはp型とi型とn型からなる層を積層形成することで光起電力素子とすることができる。本発明の非晶質あるいは微結晶からなる非単結晶光半導体は光学ギャップを任意に変化させることができ、光キャリア発生のための活性域として吸収波長に合わせタンデム型の多層構成とすることができるため高効率の太陽電池を作製することができる。タンデム型の場合には光学ギャップが順次大きくなるように導電性基板上に積層する。このうえに透明絶縁層を設ける。また透明導電性基板上に光学ギャップが順次小さくなるように形成し、導電層を電極として形成する。
【0056】
本発明の非晶質あるいは微結晶からなる非単結晶光半導体を導電性あるいは導電処理した基板上に前述した方法によって光半導体を形成し受光素子とすることもできる。
この場合、単層でも良いし、光の入射側に向かって光学ギャップを順次大きくなるようにしたタンデム型の多層構成とすることもできる。また光学ギャップの異なる層から独立に光電流を取り出すことによって波長分離受光素子とすることもできる。この場合には最下層以外の複数の光半導体の電極は光が透過出来るように中間透明導電性電極あるいは下層の光半導体の感度波長を透過する中間導電性電極を設ける。
また透明導電性電極と光半導体の間あるいは/および中間電極と光半導体の間および/または導電性基板と光半導体の間に暗時の電流注入を抑えダイナミックレンジを広げる目的や応答速度を向上させる目的で中間層を設けてもよい。この中間層には、AlN ,Alx Ga(1-x) N , Alx Gay Inz N などを用いることができる。
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0057】
実施例1
図2に示す製造装置を用い、洗浄したAl基板、石英基板、Siウェハーを基板ホルダー3に載せ、排気口2を介して容器1内を真空排気後、ヒーター4により基板を250 ℃に加熱した。窒素ガスをガス導入管9より直径25mmの石英管5内に1000sccm導入し、マイクロ導波管8を介して2.45 GHzのマイクロ波を出力250Wにセットし、チューナでマッチングを取り、第一のプラズマ放電を行った。この時の反射波は0Wであった。水素ガスはガス導入管10より直径30mmの石英管6内に 200sccm導入した。2.45GHz のマイクロ波の出力を100Wにセットし、第二のプラズマ放電を行った。反射波は0Wであった。この状態でガス導入管11より0℃で保持されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水素をキャリアガスとして用い、バブリングしながらマスフローコントローラーを通して 4sccm導入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.5Paであった。成膜を30分行い、0.5 μmのGaN:H 膜を作製した。
【0058】
このa-GaN:H 膜と同時にSi基板上に作製した膜の組成をRBS(ラザフォード・バック・スキャタリング)にて測定したところ、Ga/N比は0.95でほぼ化学量論比となっていた。またHFS測定による水素は22原子%であった。IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,N-HとしてこのGaN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図1に示す。図1から分かるように、Ga-H,Ga-N の結合による吸収ピークはそれぞれ、2099cm-1と 554cm-1であり、N-H とC-H の吸光度の強度比、N-H とGa-Hの吸光度の強度比、さらにGa-NとGa-Hの吸光度の強度比はそれぞれ、9 と0.38と2.86であった。また、Ga-N吸収ピークの半値幅は 180cm-1とブロードであり、非晶質であることがわかった。また、電子線回折スペクトルでもハローパターンしか検出できず非晶質であることを示していた。光学ギャップは3.2eV であった。
【0059】
暗抵抗を測定したところ10+15 Ωcmであり、ヘリウム−カドミウム(He-Cd) レーザの 325nmの光を照射したところ、応答は0.1s以下で光電流は 1μA 流れ、高速でon/offを繰り返したところ3桁以上のダイナミックレンジがあることがわかった。測定結果を図3に示す。
また、光量と出力電流は、ほぼ一次の関係にあり、また連続照射においても出力は安定で光検出器として使用できることがわかった。この検出器は紫外光を含まない光源のもとでは応答せず強い可視光の存在下でも紫外光の検出も可能であった。
さらに、この膜は12ヵ月大気中に放置することによっても、IRスペクトルにおいて、変化が見られず、大気中でも安定であることが分かった。
【0060】
比較例1
窒素ガスの流量を 500sccmとし、トリメチルガリウムを 0℃で保持し直接バブリングせずに 3sccm導入し、水素ガスによる第二のプラズマ放電を行わない以外は、実施例1と同じ条件で成膜を行った。成膜を30分行い、1.0 μmのGaN:H 膜を作製した。水素濃度は55原子%で、IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,N-HとしてこのGaN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図4に示す。図4から分かるように、Ga-Hの吸収ピークは2105cm-1,Ga-N の吸収ピークに相当する 571cm-1の吸収帯は複数の吸収帯よりなっており、この分解能では重なっている。この場合の吸収強度と半値幅はこのような複数吸収ピークを含んだ状態での吸収強度と半値幅を用いる。N-H とC-H の吸光度の強度比、N-H とGa-Hの吸光度の強度比、さらにGa-NとGa-Hの吸光度の強度比はそれぞれ、0.8 と0.19と2.1 であった。また、Ga-N吸収ピークの半値幅は 270cm-1でブロードであり非晶質膜であることがわかった。
この膜は4ヶ月大気中に放置することによってIRスペクトルの1600cm-1〜1700cm-1付近に新しい吸収が出現するとともに、3000cm-1〜3500cm-1付近の吸収帯の形が大きく変化し、膜構造が変化していることがわかった。また、光導電特性は著しく悪く、光電流がほとんど流れなかった。
【0061】
比較例2
ガス導入管10より水素ガスを導入する際に、マイクロ波放電を行わなかった以外は、実施例1と同じ条件で成膜を行った。成膜を30分行い、0.5 μmのGaN:H 膜を作製した。水素濃度は35原子%で、IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,N-HとしてこのGaN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図5に示す。図5から分かるように、Ga-Hの吸収ピークは2105cm-1,Ga-N の吸収ピークに相当する 571cm-1の吸収帯は複数の吸収帯よりなっており、この分解能では重なっている。この場合の吸収強度と半値幅はこのような複数吸収ピークを含んだ状態での吸収強度と半値幅を用いる。N-H とC-H の吸光度の強度比、N-H とGa-Hの吸光度の強度比、さらにGa-NとGa-Hの吸光度の強度比はそれぞれ、2.7 と0.2 と1.2 であった。
また、Ga-N吸収ピークの半値幅は 210cm-1でブロードであり非晶質膜であることがわかった。この膜は4ヶ月大気中に放置することによってIRスペクトルの1600cm-1〜1700cm-1付近に新しい吸収が出現し、膜構造が変化していることがわかった。初期の光導電特性は良好であったが、経時後は、劣化した。
【0062】
実施例2
実施例1と同じ基板条件で、ガス導入管12より、30℃に保持したトリメチルインジウム(TMIn)を水素ガスをキヤリアガスとして用い、圧力 1.01 ×105Pa で、マスフローコントローラーを通して 3sccm導入した。この状態でガス導入管11より−10℃で保持されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を水素ガスをキヤリアガスとして用いバブリングしながら、圧力 1.01 ×105Pa で、マスフローコントローラーを通して 3sccm導入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.5Paであった。成膜を30分行い、0.5 μmのInGaN:H 膜を作製した。
【0063】
このa-GaInN:H 膜と同条件で作製した膜の組成は(In+Ga)/N 比で0.65であった。また、In/Ga 濃度比は0.25であった。またHFS測定による水素は26原子%であった。IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,In-H,N-H としてこのGaInN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図6に示す。図6から分かるように、(Ga+In)-H,(Ga+In)-N の吸収ピークは2077cm-1,518cm-1でN-H とC-H の吸光度の強度比、N-H と(Ga+In)-H の吸光度の強度比、さらに(Ga+In)-N と(Ga+In)-H の吸光度の強度比はそれぞれ、∞と0.09と1.67であった。また、Ga,In-N 吸収ピークの半値幅は 240cm-1でブロードであり非晶質であることがわかった。光学ギャップは2.3eV であった。
キセノンランプ光を分光器で中心波長500 nmで分光し照射したところ、光電流は160 μA 流れ、高速でon/offを繰り返したところ2桁以上のダイナミックレンジがあることがわかった。また光量と出力電流は、ほぼ一次の関係にあり、また連続照射においても出力は安定で光検出器として使用できることがわかった。
さらに、この膜は12ヵ月大気中に放置することによっても、IRスペクトルにおいて、変化が見られず、大気中でも安定であることが分かった。
【0064】
実施例3
実施例2と同じ条件で水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルインジウム(TMIn)5 sccm反応領域に導入し、水素ガスをキヤリアガスとしてトリメチルガリウム1 sccm導入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.5Paであった。成膜を30分行い0.5 μmのInGaN:H 膜を作製した。
【0065】
このa-GaInN:H 膜と同条件で作製した膜の組成は(In+Ga)/N 比で0.75であった。また、In/Ga 濃度比は0.6 であった。またHFS測定による水素は20原子%であった。IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,In-H,N-H としてこのGaInN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図7に示す。図7から分かるように、(Ga+In)-H,(Ga+In)-N の吸収ピークは2060cm-1,508cm-1でN-H とC-H の吸光度の強度比、N-H と(Ga+In)-H の吸光度の強度比、さらに(Ga+In)-N と(Ga+In)-H の吸光度の強度比はそれぞれ、∞と0.12と1.59であった。
また、Ga,In-N 吸収ピークの半値幅は 220cm-1でブロードであり非晶質であることがわかった。光学ギャップは2.0eV であった。キセノンランプ光を分光器で中心波長 600nmで分光し照射したところ、光電流は 200μA 流れ、高速でon/offを繰り返したところ2桁以上のダイナミックレンジがあることがわかった。また光量と出力電流は、ほぼ一次の関係にあり、また連続照射においても出力は安定で光検出器として使用できることがわかった。
さらに、この膜は12ヵ月大気中に放置することによっても、IRスペクトルにおいて、変化が見られず、大気中でも安定であることが分かった。
【0066】
実施例4
図2に示す製造装置を用い、洗浄したAl基板、石英基板、Siウェハーを基板ホルダー3に載せ、排気口2を介して容器1内を真空排気後、ヒーター4により基板を300 ℃に加熱した。窒素ガスをガス導入管9より直径25mmの石英管5内に1000sccm導入し、マイクロ導波管8を介して2.45 GHzのマイクロ波を出力300 W にセットしチューナでマッチングを取り放電を行った。この時の反射波は0 W であった。水素ガスはガス導入管10より直径30mmの石英管6内に1000sccm導入した。13.56MHzの高周波の出力を100 W にセットした。反射波は0Wであった。この状態でガス導入管11より−10℃で保持されたトリメチルガリウム(TMGa)を、水素ガスをキヤリアガスとして用い、圧力 1.01 ×105Pa で、マスフローコントローラーを通して 2sccm導入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.5Paであった。成膜を60分行い、0.4 μmのGaN:H 膜を作製した。
このGaN:H 膜の組成は、Ga/N比は0.95で化学量論化となっていた。水素は10原子%であった。IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,N-HとしてこのGaN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図8に示す。図8から分かるように、N-H,Ga-Hのピークは3224cm-1と2113cm-1,Ga-N のピークは 555cm-1であった。N-H とC-H の吸光度の強度比、N-H とGa-Hの吸光度の強度比、さらにGa-NとGa-Hの吸光度の強度比はそれぞれ、∞と0.9 と11.1であった。
また、Ga-N吸収ピークの半値幅は、 110cm-1でシャープであり微結晶性であることがわかった。電子線回折スペクトルではスポットパターンが検出でき微結晶であることを示していた。光学ギャップは2.9eV であった。
暗抵抗を測定したところ10+10 Ωcmであり、ヘリウム−カドミウム(He-Cd) レーザの 325nmの光を照射したところ、応答は0.1s以下で光電流は 100μA 流れ、明抵抗は10+6Ωcm台までになることがわかった。高速でon/offを繰り返したところ3桁以上のダイナミックレンジがあることがわかった。また光量と出力電流はほぼ一次の関係にあり、また連続照射においても出力は安定で受光素子としてつかえることがわかった。この受光素子は紫外光を含まない光源のもとでは応答せず強い可視光の存在下でも紫外光の検出が可能であった。
さらに、この膜は12ヵ月大気中に放置することによっても、IRスペクトルにおいて、変化が見られず、大気中でも安定であることが分かった。
【0067】
実施例5
高周波放電を行わず水素ガスをキャリアとしてトリメチルガリウム(TMGa)を 5sccm導入しこと以外は、実施例4と同じ条件で成膜を行った。成膜を60分行い、0.2 μmのGaN:H 膜を作製した。
このGaN:H 膜の組成は、Ga/N比が0.98で化学量論化となっていた。水素は15原子%であった。IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,N-HとしてこのGaN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図10に示す。図10から分かるように、Ga-Hのピークは2100cm-1,Ga-N のピークは546 cm-1であった。N-H とC-H の吸光度の強度比、N-H とGa-Hの吸光度の強度比、さらにGa-NとGa-Hの吸光度の強度比はそれぞれ、∞と0.30と6.7 であった
また、Ga-N吸収ピークの半値幅は 120cm-1でシャープであり微結晶性であることがわかった。電子線回折スペクトルではスポットパターンが検出でき微結晶であることを示していた。光学ギャップは2.9eV であった。
暗抵抗を測定したところ10+10 Ωcmであり、ヘリウム−カドミウム(He-Cd) レーザの 325nmの光を照射したところ、応答は0.1s以下で光電流は 150μA 流れ、明抵抗は10+5Ωcm台までになることがわかった。高速でon/offを繰り返したところ3桁以上のダイナミックレンジがあることがわかった。また光量と出力電流はほぼ一次の関係にあり、また連続照射においても出力は安定で受光素子として使用できることがわかった。この受光素子は紫外光を含まない光源のもとでは応答せず強い可視光の存在下でも紫外光の検出が可能であった。
さらに、この膜は12ヵ月大気中に放置することによっても、IRスペクトルにおいて、変化が見られず、大気中でも安定であることが分かった。
【0068】
実施例6
基板温度を400 ℃とし高周波放電を100Wで行ったこと以外は、実施例4と同じ条件で成膜を行った。成膜を60分行い、0.2 μmのGaN:H 膜を作製した。
このGaN:H 膜の組成は、Ga/N比で0.98であり化学量論化となっていた。水素は5原子%であった。IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,N-HとしてこのGaN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図11に示す。図11から分かるように、Ga-Hのピークは2128cm-1,Ga-N のピークは558 cm-1であった。N-H とC-H の吸光度の強度比、N-H とGa-Hの吸光度の強度比、さらにGa-NとGa-Hの吸光度の強度比はそれぞれ、∞と0.5 と11.4であった。
また、Ga-N吸収ピークの半値幅は80cm-1でシャープであり微結晶性であることがわかった。電子線回折スペクトルではスポットパターンが検出でき微結晶であることを示していた。光学ギャップは2.9eV であった。
暗抵抗を測定したところ10+9Ωcmであり、ヘリウム−カドミウム(He-Cd) レーザの 325nmの光を照射したところ、応答は0.1s以下で光電流は150 μA 流れ、明抵抗は10+5Ωcm台までになることがわかった。高速でon/offを繰り返したところ3桁以上のダイナミックレンジがあることがわかった。また光量と出力電流はほぼ一次の関係にあり、また連続照射においても出力は安定で受光素子としてつかえることがわかった。この受光素子は紫外光を含まない光源のもとでは応答せず強い可視光の存在下でも紫外光の検出が可能であった。
さらに、この膜は12ヵ月大気中に放置することによっても、IRスペクトルにおいて、変化が見られず、大気中でも安定であることが分かった。
【0069】
実施例7
図2に示す製造装置を用い、洗浄したAl基板、石英基板、Siウェハーを基板ホルダー3に載せ、排気口2を介して容器1内を真空排気後、ヒーター4により基板を250 ℃に加熱した。窒素ガスをガス導入管9より直径25mmの石英管5内に1000sccm導入し、マイクロ導波管8を介して2.45 GHzのマイクロ波を出力250Wにセットし、チューナでマッチングを取り、第一のプラズマ放電を行った。この時の反射波は0Wであった。水素ガスはガス導入管10より直径30mmの石英管6内に 200sccm導入した。2.45GHz のマイクロ波の出力を100Wにセットし、第二のプラズマ放電を行った。反射波は0Wであった。この状態でガス導入管12より0℃で保持されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水素をキャリアガスとして用い、バブリングしながらマスフローコントローラーを通して 1sccm導入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.5Paであった。成膜を30分行い、0.2 μmのGaN:H 膜を作製した。
【0070】
このa-GaN:H 膜と同時にSi基板上に作製した膜の組成をRBS(ラザフォード・バック・スキャタリング)にて測定したところ、Ga/N比は0.98でほぼ化学量論比となっていた。またHFS測定による水素は25原子%であった。IRスペクトル測定によって、これらの水素はGa-H,N-HとしてこのGaN 膜中に含まれていることを確認した。作製した膜のIRスペクトルを図12に示す。図12から分かるように、Ga-H,Ga-N の結合による吸収ピークはそれぞれ、2100cm-1と 550cm-1であり、N-H とC-H の吸光度の強度比、N-H とGa-Hの吸光度の強度比、さらにGa-NとGa-Hの吸光度の強度比はそれぞれ、11と0.42と2.5 であった。また、Ga-N吸収ピークの半値幅は 190cm-1とブロードであり、非晶質であることがわかった。また、電子線回折スペクトルでもハローパターンしか検出できず非晶質であることを示していた。
【0071】
暗抵抗を測定したところ10+15 Ωcmであり、ヘリウム−カドミウム(He-Cd) レーザの 325nmの光を照射したところ、応答は0.1s以下で光電流は 1μA 流れ、高速でon/offを繰り返したところ3桁以上のダイナミックレンジがあることがわかった。
また、光量と出力電流は、ほぼ一次の関係にあり、また連続照射においても出力は安定で光検出器として使用できることがわかった。この検出器は紫外光を含まない光源のもとでは応答せず強い可視光の存在下でも紫外光の検出も可能であった。
さらに、この膜は12ヵ月大気中に放置することによっても、IRスペクトルにおいて、変化が見られず、大気中でも安定であることが分かった。
【0072】
実施例8
シランガスをガス導入管12より直径30mmの石英管6内に水素ガスとともに1000sccm導入し、GaN に対し500ppmの濃度になるようにした以外は、実施例6と同じ条件で、ITO基板の上に作製した膜に金(Au)電極を真空蒸着して光導電性を測定した。表面での吸収が支配的になる低圧水銀灯の254nmの光で露光しITO側に正電位と負電位を印加した時の光電流は負電位の場合が正電位の場合より100倍多く流れることが分かり、n型となっていることが示された。
【0073】
実施例9
50℃で保持したビスシクロペンタジエニルを、ガス導入管12より直径30mmの石英管6内に水素ガスとともに1000sccm導入し、GaN に対し1000ppm の濃度になるようにした以外は、実施例6と同じ条件で、ITO基板の上に作製した膜に金(Au)電極を真空蒸着して光導電性を測定した。表面での吸収が支配的になる低圧水銀灯の254 nmの光で露光しITO側に正電位と負電位を印加した時の光電流は正電位の場合が負電位の場合より多く流れることが分かり、p型となっていることが示された。
【0074】
実施例 10
膜作製の時間を5時間まで長くした以外は、実施例1と同じ条件で、Al基板の上に、5μmのa-GaN:H 膜を作製し、電子写真特性を測定した。
−5kV のコロトロンで帯電させ、キセノン−水銀 (Xe-Hg)ランプを用いて光照射したところ光照射前は−100Vに帯電していたものが、光照射後は0Vとなり、電子写真感光体として使用できることが分かった。
【0075】
実施例 11
実施例2と同じ条件で、Al基板の上に、0.25μmのInGaN:H 膜を作製し、この上にポリカーボネートにトリメチルアミン系の電荷輸送剤を40重量%分散した膜を10μm塗布乾燥して形成し、電子写真特性を測定した。
回転させながら−5kV のコロトロンで帯電させ、キセノンランプを用いて光照射したところ光照射前は−500Vに帯電していたものが、光照射後は−20V となり、電子写真感光体として使用できることが分かった。
【0076】
実施例 12
実施例1と同じ条件で、Al基板の上に、0.25μmのInGaN:H 膜を作製し、この上に実施例10と同じ条件で、5 μmのa-GaN:H膜を形成し、電子写真特性を測定した。
回転させながら−5kV のコロトロンで帯電させ、キセノンランプと干渉フィルターを用いて500nmの光を照射したところ、光照射前は−90V に帯電していたものが光照射後は−0Vとなり、電子写真感光体として使用できることが分かった。
【0077】
実施例 13
実施例4と同じ条件で、ITO基板の上に膜を形成した。この膜に金(Au)電極を蒸着して、電圧を1.0Vから−0.5Vまで変化させ、キセノン−水銀 (Xe-Hg)ランプの光を石英製レンズで集光してITO側から照射し、光電流を測定した結果、0Vにおいて1.5 μA の光電流が流れた。また0.5Vで光電流は0Aとなり、電圧としては0.5Vが得られることが分かり、この素子は光起電力素子として使用可能であることが示された。
【0078】
実施例 14
実施例3と同じ条件で、ITO基板の上に膜を形成した。この膜に金(Au)電極を蒸着して、電圧を1.0Vから−0.5Vまで変化させ、キセノン−水銀 (Xe-Hg)ランプの光を石英製レンズで集光して照射し、光電流を測定した結果、0Vにおいて10μA の光電流が流れた。また0.5Vで光電流は0Aとなり、電圧としては0.5Vが得られることが分かり、この素子は光起電力素子として使用可能であることが示された。
【0079】
実施例 15
実施例8、実施例9と同じ条件で、ITO基板の上に、2層の膜を積層し、0.2 μmのpn型の光起電力素子形成した。この膜に金(Au)電極を蒸着して、電圧を1.0Vから−0.5Vまで変化させ、キセノン−水銀 (Xe-Hg)ランプの光を石英製レンズで集光して照射し、光電流を測定した結果、0Vにおいて15μA の光電流が流れた。また0.8Vで光電流は0Aとなり、電圧としては0.8Vが得られることが分かり、この素子は光起電力素子として使用可能であることが示された。
【0080】
実施例1〜7と比較例1,2とから、本発明の非単結晶光半導体は、大気中でも安定であり、紫外光導電特性、可視光導電特性、および高速応答性に優れていることが分かる。また、実施例4〜6から、微結晶の含有量が増えると、暗抵抗の値が下がり、流れる光電流の量が増加することが分かる。また、実施例8〜15から、本発明の非単結晶光半導体は、電子写真感光体、光起電力素子として使用できることが分かる。
【0081】
【発明の効果】
本発明の本発明の非単結晶光半導体は、従来の非晶質や微結晶のIII -V族化合物半導体の欠点を改善し、優れた光導電特性と高速応答性を有し、ゴーストや疲労のなく高速応答性かつ経時安定性に優れ、耐環境特性や耐高温度特性を備え、また紫外領域から可視全域での高変換効率で光電変換が可能であるという優れた効果を示した。
また、本発明の非単結晶光半導体は、光学ギャップが赤色から紫外までの全領域にて可変であり、高光透過性と低暗伝導率と高光感度により可視から紫外域までのはば広い光の有効利用が可能となる。
また、本発明の非単結晶光半導体の応用により、耐光性、耐熱性、耐酸化性にすぐれ高速応答が可能な、電子写真感光体、高効率太陽電池、高速TFT、高機能受光素子等が実現できる。
さらに、本発明の非晶質あるいは微結晶からなる非単結晶光半導体は、低温でかつ安全に作製することができるため低コストで高機能な素子を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図2】プラズマ活性化MOCVD法に用いる装置の概略図である。
【図3】実施例1で作製した膜の光照射on/off時の電流の変化を示すグラフである。
【図4】比較例1で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図5】比較例2で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図6】実施例2で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図7】実施例3で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図8】実施例4で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図9】実施例4で作製した膜の電子線回折スペクトルを示すスペクトル図である。
【図10】実施例5で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図11】実施例6で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【図12】実施例7で作製した膜のIRスペクトルを示すスペクトル図である。
【符号の説明】
1 真空容器
2 排気口
3 基板ホルダー
4 ヒーター
5,6 石英管
7 高周波コイル
8 マイクロ導波管
9 〜12 ガス導入管

Claims (24)

  1. 少なくとも水素と周期律表におけるIII 族元素と窒素とを含む非単結晶光半導体であって、該非単結晶光半導体の赤外吸収スペクトルの、窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) と、炭素と水素との結合を示す吸収ピーク(C-H) との、吸光度の比IN-H /IC-H が3以上であり、かつ、窒素と水素との結合を示す吸収ピーク(N-H) と、III 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との、吸光度の比IN-H /IIII-H が0.05以上であり、かつ、III 族元素と窒素との結合を示す吸収ピーク(III -N)と、III 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III -H)との、吸光度の比IIII-N /IIII-H が1.5 以上であり、かつ、吸収ピーク(III -N)が単一状の吸収帯で、かつ、吸収ピーク(III -N)の半値幅が250 cm-1以下であることを特徴とする非単結晶光半導体。
  2. 前記水素が、0.5 原子%以上50原子%以下の範囲で含まれることを特徴とする請求項1に記載の非単結晶光半導体。
  3. 前記周期律表におけるIII 族元素の原子数の総和xと窒素の原子数yの比が、1.0:0.5 から1.0:2.0 の間にあることを特徴とする請求項1または2に記載の非単結晶光半導体。
  4. 前記周期律表におけるIII 族元素が、Al,Ga,Inからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体。
  5. C,Si,Ge,Snからなる群から選ばれた少なくとも一つ以上の元素を、更に含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体。
  6. Be,Mg,Ca,Zn,Srからなる群から選ばれた少なくとも1つ以上の元素を、更に含むことを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非単結晶光半導体を製造する非単結晶光半導体の製造方法であって、窒素を含む化合物を活性化した活性種と、周期律表におけるIII 族元素を含む有機金属化合物とを、活性化水素を含む雰囲気下で、反応させることを特徴とする非単結晶光半導体の製造方法。
  8. 前記活性化水素が、水素を含む化合物を活性化することにより供給されることを特徴とする請求項7に記載の非単結晶光半導体の製造方法。
  9. 前記活性化水素が、周期律表における III 族元素と水素を含有する有機金属化合物を活性化することにより供給されることを特徴とする請求項8に記載の非単結晶光半導体の製造方法。
  10. 活性化手段として、高周波放電および/またはマイクロ波放電を利用することを特徴とする請求項7から9までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体の製造方法。
  11. 前記周期律表におけるIII 族元素を含む有機金属化合物の少なくとも一種以上を、前記活性化手段の下流側から導入することを特徴とする請求項10に記載の非単結晶光半導体の製造方法。
  12. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体を、少なくとも構成材料の一つとして用いたことを特徴とする電子写真感光体。
  13. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体を、電荷発生層として用いたことを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体。
  14. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体を、電荷輸送層として用いたこと特徴とする請求項12または13に記載の電子写真感光体。
  15. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体を、表面層として用いたことを特徴とする請求項12から14までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  16. 導電性基板上に、請求項1から6までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体を、少なくとも一層、積層してなることを特徴とする光起電力素子。
  17. 導電性基板上に、請求項1から6までのいずれか一項に記載の非単結晶光半導体を、少なくとも一層、積層してなることを特徴とする受光素子。
  18. 前記導電性基板が透明基板である請求項16に記載の光起電力素子。
  19. 更に、前記非単結晶光半導体上に電極を配置した請求項16に記載の光起電力素子。
  20. 紫外線用の光起電力素子である請求項19に記載の光起電力素子。
  21. 前記導電性基板が透明基板である請求項17に記載の受光素子。
  22. 更に、前記非単結晶光半導体上に電極を配置した請求項17に記載の受光素子。
  23. 紫外線用の受光素子である請求項22に記載の受光素子。
  24. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非単結晶光半導体を製造する非単結晶光半導体の製造方法であって、活性化手段により窒素を含む化合物を活性化することで生成した活性種と、活性化手段により水素を含む化合物を活性化することで生成した活性種と、前記少なくとも1方の活性化手段の下流側から導入された周期律表における III 族元素を含む有機金属化合物と、を反応させることを特徴とする非単結晶光半導体の製造方法。
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