JP3852134B2 - 非晶質材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオプトエレクトロニクス用の光半導体に関し、詳細には、新規にして優れた光半導体に適する非晶質材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで非晶質の光半導体としては、「アモルファス半導体の基礎」(オーム社刊)に記載の如く、光電変換部材として従来セレン、テルルなどの非晶質カルコゲナイド化合物が撮像管や受光素子や電子写真感光体などに広く用いられてきた。また近年では水素化アモルファスシリコンが太陽電池やイメージセンサー、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)、電子写真感光体などに用いられている。
【0003】
しかしながら非晶質カルコゲナイド化合物は熱に対して不安定で結晶化が起こり易いため使用できる条件が限られており、価電子制御ができないなどの欠点があった。
【0004】
一方、水素化アモルファスシリコンは、価電子制御が可能であり、pn接合や界面での電界効果などが実現でき、耐熱性も250℃程度まであるが、強い光により光導電性が劣化する現象により(Staebler,Wronski効果:応用物理ハンドブックなど)太陽電池などに使用した場合、光による劣化で効率が使用中に低下する問題がある。また、これらの元素からなる半導体は結晶も含めて間接遷移型であり、発光素子に用いることができず、用途が限られていた。これらの非晶質半導体の有する問題点を解決する材料として、III −V族化合物半導体の非晶質材料が検討されている。
【0005】
従来III −V族化合物半導体の非晶質材料は、III −V族結晶の蒸着やスパッターによって、あるいはIII 族金属を原子状としたものとV族元素を含む分子や活性分子との反応による成膜などがおこなわれていた。また、III 族金属を含む有機金属化合物とV族元素を含む有機金属化合物を用いて、加熱した基板上にIII −V族膜が作製されていた(MOCVD法)。これらの方法を用い基板上に結晶作製する場合(600−1000°C)、基板温度をより低温に設定することによって非晶質のIII −V族化合物が得られている。しかしながら、この場合有機金属からの炭素が膜中に残ったり膜中欠陥準位が多い等の問題により、非晶質III −V族化合物は光電材料としては機能できるものはなかった。〔H.Reuterら、「スィン ソリッド フィルムズ」(Thin Solid Films)第254巻、第94頁(1995年)〕
一方、非晶質アモルファスシリコンは水素化されることによってバンド間の欠陥準位密度が低下し、価電子制御が可能なことが知られており、同様に、従来、反応性蒸着法や反応性スパッター法によって、III −V族の非晶質化合物半導体を水素化することが行われている。〔ジャーナル オブ ノンクリスタル ソリッズ(J.non−Cryst. Solids)第114巻、第732頁、(1989年)、同第194巻、第103頁(1996年)など〕
この水素の導入により、膜中でIII 族原子とV族原子とが結合して非晶質化することによって生ずる未結合手のパッシベーションが期待されている。しかしながら、水素原子との結合形態や導入量によっては、空気に対して敏感に反応し、酸化反応が起こりやすい問題があった。
【0006】
また、III −V族化合物半導体において、水素を導入することにより、未結合手のパッシベーションのみならず、同時に、pn制御用のドーパントを不活性化させる虞があることが結晶の場合において知られており、非晶質膜の場合には、特に膜中での水素の含有量と結合部位が問題となると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような非晶質III −V族化合物半導体の欠点を改善しアモルファス半導体における水素の役割を生かし、優れた光導電特性、高速応答性であり、経時変化が少なく耐環境特性及び耐高温性を有し、光学的に活性であり、且つ、安価な新しいオプトエレクトロニクス材料として好適な非晶質材料を提供するものである。
【0008】
本発明は特に非晶質チッ化物III −V族化合物半導体を提供するものである。また本発明の目的は安全に製造でき、かつ低コストで高機能の新しい光半導体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非晶質III −V族チッ化物系化合物半導体の従来の欠点を、膜中に含まれる元素と水素の結合状態によって改善できることを見い出したことによって完成された。
【0010】
即ち、本発明の非晶質材料は、少なくとも水素と周期律表におけるIII 族元素とチッ素とを含む非晶質材料であって、該非晶質材料の赤外吸収スペクトルを測定した場合、チッ素と水素との結合を示す吸収ピーク(N−H)と炭素と水素との結合を示す吸収ピーク(C−H)における吸収ピークの吸光度の比IN-H /IC-H が2以上であり、且つ、赤外吸収スペクトルのチッ素と水素との結合を示す吸収ピーク(N−H)とIII 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III −H)とにおける吸収ピークの吸光度の比IN-H /IIII-H が0.2以上であることを特徴とする。
【0011】
また、前記III 族元素がガリウム(Ga)であることが好ましい。
ここで、本発明の非晶質材料の赤外吸収スペクトルを測定した場合、チッ素と水素との結合を示す吸収ピーク(N−H)と炭素と水素との結合を示す吸収ピーク(C−H)における吸収ピークの吸光度の比IN-H /IC-H とは、具体的には、例えば、III 族元素がガリウム(Ga)である場合を挙げれば、3230cm-1付近に非晶質材料中のN−Hの伸縮振動による吸収ピーク、2950cm-1付近にC−Hの伸縮振動による吸収ピークが見られ、その吸収ピークの吸光度の比IN-H /IC-H (即ち、I3230/I2950)が2以上であることを示し、同様に、赤外吸収スペクトルのチッ素と水素との結合を示す吸収ピーク(N−H)とIII 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III −H)とにおける吸収ピークの吸光度の比IN-H /IIII-H とは、2100cm-1〜2140cm-1付近にGa−Hの伸縮振動による吸収ピークが見られることから、IN-H /IIII-H (即ち、I3230/I2100)が0.2以上であること示す。
【0012】
これらの吸収ピークの強度は非晶質材料の原料や製造方法によっても変化する。これらの強度比を前記範囲に調整することは、即ち、III 族元素及びチッ素と水素との比率が好適に保たれて良好な結合状態を示すとともに、非晶質材料を構成する材料中に存在する炭素の量が少なく、より、好ましくは、検出限界以下となって、非晶質材料中の各元素の組成比が好適な状態となり、得られる非晶質材料が安定で高い性能を示すものである。
【0013】
また、前記III 族元素の原料としてはIII 族元素を含有する有機金属化合物を用いることが好ましく、前記チッ素の原料としてはチッ素ガス又はアンモニア、ヒドラゾンなどの水素化物を用いることが好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を製造方法に従って、詳細に説明する。
【0015】
本発明の光半導体に好適な非晶質材料は、次のように製造することができる。図1は、本発明の非晶質材料を製造するのに適した半導体製造装置を示す概念図である。この半導体製造装置はプラズマを活性化手段とする方法に適用される。図1の半導体製造装置10には、排気口12を備えた真空に排気しうる容器14内に基板ホルダー16及び基板加熱ヒーター18が配置されており、該容器14には、容器14内にガスを導入するための石英管(以下、適宜ガス導入管と称する)20、22が接続されている。
【0016】
チッ素源として例えば、N2 ガスを用いて、ガス導入管20から容器14内にN2 ガスを導入する。このガス導入管20には、マグネトロンを用いたマイクロ波発振器に接続されたマイクロ波導波管24が備えられ、導波管24に2.45GHzのマイクロ波が供給されガス導入管(石英管)20内に放電を発生され、この放電によって、ガス導入管20内のN2 ガスが活性化される。
【0017】
他方のガス導入管22には、例えばH2 が導入される。このガス導入管22は、高周波発振器からの高周波をガス導入管22内に供給するための高周波コイル26が備えられている。この高周波コイル26に13.56MHzの高周波を供給し、ガス導入管(石英管)22内に放電を発生させる。放電空間の下流側に備えられた第3のガス導入管28よりトリメチルガリウムをガス導入管22内に導入する。それぞれのガス導入管20、22においてマイクロ波や高周波により活性化された材料が容器14内に導入され、ここで基板上に非晶質チッ化ガリウムが形成される。
【0018】
図2はSiウェハーを基板として成膜した膜の赤外吸収スペクトルに一例を示すグラフである。ここでは、III 族元素としてガリウムを用いているので、このスペクトルによれば3230cm-1付近にN−Hの伸縮振動による吸収ピーク、2100cm-1付近にGa−Hの伸縮振動による吸収ピークがある。さらに2950cm-1付近にC−Hの伸縮振動による吸収ピークがある。これらの吸収ピークの強度は、放電電力、III 族元素を含む有機金属化合物の流量、V族元素を含む化合物の流量、圧力、さらに補助原料を使用する場合には原料の種類、量などによって変化する。
【0019】
赤外吸収スペクトルの吸収強度はバックグランドを補正した強度を用い、強度比として3230cm-1付近と2100cm-1付近の吸収ピークの吸収強度を赤外吸光度比として表すことができる。これをI3230/I2100とし、IN-H /IIII-H を意味する。また、3230cm-1と2950cm-1の赤外吸光度比としてI3230/I2950と表すことができ、これはIN-H /IC-H を意味する。このように表す時、IN-H /IC-H (具体的には、I3230/I2950)の値が2以上で、かつIN-H /IIII-H (具体的には、I3230/I2100)の値が0.2以上の膜で非晶質III −Vチッ化物化合物半導体(即ち、Ga−N半導体)として安定状態となる。このような膜は大気に長期間放置して置いても、赤外吸収スペクトルは変化せず,クラックや密着性不良が発生せず、表面硬度も高く電気、光特性も良好な優れた非晶質光半導体材料となる。
【0020】
前記の例では、III 族元素としてガリウムを含む有機金属化合物を用いたが、さらにこれに加えてインジウム、アルミニウム等のIII 族元素を含む有機金属化合物を混合することもできる。この場合においてもIN-H /IIII-H 比で0.2以上である膜を形成することにより良好な非晶質材料となる。このようにIII 族元素を複数用いる場合のIII 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III −H)は、各元素と水素との結合を示す吸収ピーク(例えば、Ga−H、In−H、Al−H結合における各ピーク)を加算して求めることができる。
【0021】
III 族元素原料としての有機金属化合物は、ガス導入管28に変えてマイクロ波導波管24よりも下流に設けられたガス導入管30から導入しても良い。またSiやMgを含んだガスをさらに導入することによってn型、p型等任意の伝導型の非晶質チッ化物III −V族化合物半導体を得ることができる。
【0022】
この方法における基板温度は20℃〜600℃の範囲にあることが好ましい。
上述のように少なくとも2つのガス導入管を有する半導体製造装置を用いることにより、活性チッ素あるいは活性水素を独立に制御することもできる。このようにチッ素原料と水素原料を別々に供給せず、一方でNH3 のようなチッ素と水素原子を同時に含むガスを用いる場合においても、III 族とV族原料の活性種を前記の如き装置を用いて独立に制御することによって好ましい結果を得ることができる。即ち、容器内に配置された基板上に、活性化されたIII 族原子、V族原子が制御された状態で存在し、且つ、活性化された水素原子が、メチル基やエチル基等を成膜に対し不活性なメタンやエタン等の分子に変換させるために、低温にも拘わらず、炭素がほとんど混入せず、膜欠陥が抑えられた非晶質膜を生成しうるものである。
【0023】
前記装置において2つの活性化手段として配置されるのは、片方づつが異なる活性化手段、例えば、一方はマイクロ波発振器であり、他方が共高周波発振器であってもよく、両方ともマイクロ波発振器或いは共高周波発振器であってもよい。
【0024】
また高周波放電を用いる場合、誘導型でも容量型でもよい。またエレクトロンサイクロトロン共鳴方式を用いてもよい。
【0025】
異なる励起手段(活性化手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする必要があり、放電内と成膜部に圧力差を設けても良い。また同一圧力で行う場合、異なる励起手段、例えばマイクロ波と高周波放電を用いると励起種の励起エネルギーを大きく変えることができるため、膜質制御に有効である。
【0026】
次に、本発明の非晶質材料を製造するのに好適な材料について説明する。
本発明で使用する基板としては導電性でも絶縁性でもよく、結晶質あるいは非晶質であってもよい。
【0027】
導電性基板としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、クロム等の金属及びその合金結晶、例えば、Si、GaAs、SiCなどの半導体やサファイア等の結晶を用いることができる。
【0028】
また、基板表面に導電化処理を施した絶縁性基板を使用することもできる。絶縁性基板としては、高分子フィルム、ガラス、セラミック等を挙げることができる。これらの導電化処理は、上記導電性基材の原料として例示した金属又は金、銀、銅等を蒸着法、スパッター法、イオンプレーティング法などにより成膜して行うことができる。
【0029】
また、光の入出力用の透明導電性基板の透光性支持体としては、ガラス、石英、サファイア等の透明な無機材料、また、弗素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の透明な有機樹脂のフィルム又は板状体、さらには、オプチカルファイバー、セルフォック光学プレート等も使用することができる。
【0030】
上記透光性支持体上に設ける透光性電極としては、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成したもの、あるいはAl、Ni、Au等の金属を蒸着やスパッタリングにより光透過性を損なわない程度に薄く形成したもの等が用いられる。
【0031】
本発明の光素子部材として好適な非晶質材料の原料であるIII 族元素としては、Al、Ga、Inからなる群より選ばれることが好ましい。
【0032】
III 族元素原料としては、III 族元素そのものの他、これら一つ以上の元素を含む有機金属化合物を用いることができる。有機金属化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、tert−ブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、tert−ブチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、tert−ブチルインジウムなどの液体や固体を気化して単独にあるいはキャリアガスでバブリングすることによって混合状態で使用することができる。
【0033】
バブリングを行う場合に用いられるキャリアガスとしては水素、N2 ガスなどの単元素ガス、He、Ar、Neなどの希ガス、メタン、エタンなどの炭化水素ガス、CF4 、C2 6 などのハロゲン化炭素などを用いることができる。
【0034】
チッ素原料としてはN2 、NH3 、NF3 、N2 4 、メチルヒドラジンなどの含チッ素気体、液体を気化あるいは先の述べた如きキャリアガスでバブリングすることによって使用することができる。
【0035】
また、本発明の非晶質材料においては、前記の必須材料の他に、例えば、p,n制御のために元素を膜中にドープすることができる。
【0036】
n型用の元素としては、IA族のLi、IB族のCu、Ag、Au、IIA族のMg、IIB族のZn、IV族のSi、Ge、Sn、Pb、VIB族のS、Se、Teを用いることができる。中でもSi、Ge、Snが好ましい。
【0037】
p型用の元素としてはIA族のLi、Na、IB族のCu、Ag、Au、IIA族のBe、Mg、Ca、Sr、Ra、IIB族のZn、Cd、Hg、Ba、IVB族のC、Si、Ge、Sn、Pb、VIA族のCr、VIB族のS、Se、Te、VIII族のFe、Co、Niなどを用いることができる。中でもBe、Mg、Ca、Zn、Srが好ましい。
【0038】
これらの元素をドーピングする方法としては、n型用ではSiH4 、Si2 6 、GeH4 、GeF4 、SnH4 を、p型用ではBeH2 、BeCl2 、BeCl4 、シクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、などをガス状態で使用できる。また元素として膜中に拡散させたりイオンとして膜中に取り込ませるなどの公知のドーピング方法を適用することもできる。
【0039】
このような少なくともAl,Ga,Inの一つ以上のIII 族元素とチッ素を含む非晶質材料は、バンドギャップを赤色から紫外までの全領域にて可変であり、高光透過性と低暗伝導率と高光感度により可視から紫外域までのはば広い光の有効利用が可能となる。さらにこの非晶質材料は耐光性、耐熱性、耐酸化性にすぐれ高速応答が可能であるほか、従来の非晶質半導体に無い発光機能を全波長領域で合わせ持つことができるため、電子デバイスと発光デバイスを組み合せたハイブリッドデバイスにも使用できる。具体的には高効率太陽電池、高速TFT、高感度アバランシェ光センサー、大面積LED、フルカラーディスプレー、光変調子、光インターコネクト用素子等が挙げられる。また結晶層の成長緩衡層、電荷注入阻止層、絶縁層などに使用することもできる。
【0040】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0041】
(実施例1)
前記図1に示した如き半導体製造装置10の容器内の基板ホルダー16に洗浄したAl基板、石英基板、Siウェハーを載せ、真空排気後250℃に加熱した。
【0042】
ガスをガス導入管20より直径25mmの石英管内に500sccm導入し、マイクロ波導波管24により、2.45GHzのマイクロ波を出力200Wにセットしチューナでマッチングを取り放電を行った。この時の反射波は0Wであった。Hガスをガス導入管22より直径30mmの石英管に200sccm導入し高周波コイル26を用いて13.56MHzの高周波で出力100Wで放電を行った。反射波は0Wであった。この状態でマイクロ波導波管下流のガス導入管30より室温で保持されたトリメチルガリウム(TMG)の蒸気をマスフローコントローラーを通して1sccm導入した。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は0.2Torrであった。この条件下で成膜させ、非晶質材料を得た。この膜組成をXPSにて測定したところGa/N比1.1でほぼ化学量論化に等しいことが分かった。光学Gapは3.5eVであり、無色透明であった。
【0043】
実施例1で得られた非晶質材料のIRスペクトル測定の結果を図3に示す。X線回折スペクトルは明確なピークが見られず非晶質であることを示した。この非晶質GaN膜のIRスペクトルを1週間後、1ヶ月後、2ヶ月後に測定したところ変化は全く無かった。
【0044】
3230cm-1付近のピークと2950cm-1付近のピークおよび2100cm-1付近のピークについてベースラインを補正して吸光度を求め、I3230/I2950とI3230/I2100を求めたところ、それぞれ17と0.28であった。
【0045】
(実施例2)
ガスは900sccmで導入し、TMGを第3のガス導入管28より導入したことを除いて、実施例1と同様の装置を用いて非晶質材料の成膜を行った。
【0046】
実施例2で得られた非晶質材料のIRスペクトル測定した結果、X線回折スペクトルは明確なピークが見られず非晶質であることを示した。この非晶質GaN膜のIRスペクトルを1週間後、1ヶ月後、2ヶ月後に測定したところ変化は全く無かった。また、2ヶ月後の観測においても、非晶質GaN膜の外観に変化は見られなかった。
【0047】
3230cm−1付近のピークと2950cm−1付近のピークおよび2100cm−1付近のピークについてベースラインを補正して吸光度を求め、I3230/I2950とI3230/I2100を求めたところ、それぞれ5.2と0.22であった。
【0048】
(実施例3)
マイクロ波を出力250Wにセットした他は、実施例1と同様の条件で成膜させ、非晶質材料を得た。
【0049】
実施例3で得られた非晶質材料のIRスペクトル測定した結果、X線回折スペクトルは明確なピークが見られず非晶質であることを示した。この非晶質GaN膜のIRスペクトルを1週間後、1ヶ月後、2ヶ月後に測定したところ変化は全く無かった。また、2ヶ月後の観測においても、非晶質GaN膜の外観に変化は見られなかった。
【0050】
3230cm-1付近のピークと2950cm-1付近のピークおよび2100cm-1付近のピークについてベースラインを補正して吸光度を求め、I3230/I2950とI3230/I2100を求めたところ、それぞれ5.6と0.24であった。
【0051】
(実施例4)
マイクロ波を出力300Wにセットした他は、実施例1と同様の条件で成膜させ、非晶質材料を得た。
【0052】
実施例4で得られた非晶質材料のIRスペクトル測定した結果、X線回折スペクトルは明確なピークが見られず非晶質であることを示した。この非晶質GaN膜のIRスペクトルを1週間後、1ヶ月後、2ヶ月後に測定したところ変化は全く無かった。また、2ヶ月後の観測においても、非晶質GaN膜の外観に変化は見られなかった。
【0053】
3230cm-1付近のピークと2950cm-1付近のピークおよび2100cm-1付近のピークについてベースラインを補正して吸光度を求め、I3230/I2950とI3230/I2100を求めたところ、それぞれ9.0と0.24であった。
【0054】
(比較例1)
ガスは300sccmで導入し、マイクロ波出力は150Wとして放電を行い、ガスを導入せず高周波電力を供給しないこと、及び、TMG3sccmをガス導入管28より導入したことを除いて、実施例1と同様の装置を用いて非晶質材料の成膜を行った。この条件で成膜させ、非晶質材料を得た。
【0055】
成膜後の膜の色は薄い茶色を帯びていた。成膜直後のこの非晶質材料のIRスペクトルを図4に示す。この膜のIRスペクトルを1週間後、2週間後と測定したところ、このIRスペクトルは大きな変化を示した。図5に2週間後のIRスペクトルを示す。図4の成膜直後のIRスペクトルに比べて、Ga−水素、炭素−水素結合に係る強度が減少しており、非晶質材料中のGaや炭素に結合した水素が減少し、酸化していることがわかる。また、この膜を2週間後観察したところ、膜の色は無色透明となり、微小クラックの発生が見られた。成膜直後のIRスペクトルから3230cm-1付近のピークと2950cm-1付近のピーク及び2100cm-1付近のピークについてベースラインを補正して吸光度を求めI3230/I2950とI3230/I2100を求めたところ、それぞれ0.8と0.1であった。
【0056】
(比較例2)
2 ガスを500sccmで導入した他は、比較例1と同様の条件で成膜させ、非晶質材料を得た。
【0057】
成膜後の膜の色は薄い茶色を帯びていた。成膜直後のこの非晶質材料のIRスペクトルを測定し、さらに、IRスペクトルを1週間後、2週間後と測定したところ、このIRスペクトルは比較例1の場合と同様に大きな変化を示した。2週間後には、膜の色は無色透明となり、微小クラックの発生が見られた。成膜直後のIRスペクトルから3230cm-1付近のピークと2950cm-1付近のピーク及び2100cm-1付近のピークについてベースラインを補正して吸光度を求めI3230/I2950とI3230/I2100を求めたところ、それぞれ1.9と0.09であった。
【0058】
(比較例3)
ガスを500sccmで導入し、マイクロ波出力は200Wとして放電を行い、2 ガスを200sccmで導入し、高周波電力を供給しなかったこと、及び、TMGをガス導入管30より導入した他は、比較例1と同様の条件で成膜させ、非晶質材料を得た。
【0059】
成膜後の膜の色は薄い茶色を帯びていた。成膜直後のこの非晶質材料のIRスペクトルを測定し、さらに、IRスペクトルを1週間後、2週間後と測定したところ、このIRスペクトルにはやや変化が見られた。また、週間後には膜の色は無色透明となり、膜と基材との密着性が低下し、剥離した部分が見られた。成膜直後のIRスペクトルから3230cm-1付近のピークと2950cm-1付近のピーク及び2100cm-1付近のピークについてベースラインを補正して吸光度を求めI3230/I2950とI3230/I2100を求めたところ、それぞれ1.5と0.11であった。
【0060】
これらの非晶質材料のI3230/I2950、I3230/I2100及び膜の性状とIRスペクトルの経時変化、キセノンランプ照射による光導電性について明暗伝導度比を、下記表1に示した。
【0061】
【表1】
Figure 0003852134
【0062】
表1に明らかな如く、吸光度の比IN-H /IC-H 及びIN-H /IIII-H が本発明の範囲内である実施例1〜4の非晶質材料は、いずれも均一、透明な膜を形成し、光導電性にも優れており、さらに、経時変化が殆どみられず、耐環境特性に優れていた。一方、吸光度の比IN-H /IC-H 及びIN-H /IIII-H が本発明の範囲である比較例1〜3の非晶質材料は、光導電性が不十分であり、また、1〜2週間という短い期間中に経時的に変色し、さらには微小クラックの発生や基材との密着性低下がみられ、安定性にも劣るものであった。
【0063】
本発明に係る好適な非晶質材料を得る条件としては、原料や条件等の種々の相関により選択しうるが、前記実施例、比較例の結果より、N2 ガスの導入量が多い、N2 ガスに付与されるマイクロ波のエネルギーが強い、III 族元素の導入量が少ない、H2 ガスを供給し、高周波により活性化することなどが好ましく挙げられることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の非晶質材料は、従来の非晶質III −V族化合物半導体の欠点を改善し、優れた光導電特性と高速応答性を有し、且つ、経時的に安定で、耐環境特性や耐高温を有するという優れた効果を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非晶質材料の製造に好適に用い得る半導体製造装置を示す概略図である。
【図2】本発明の非晶質材料のモデルIRスペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例1の非晶質材料の成膜直後のIRスペクトルを示すグラフである。
【図4】比較例1の非晶質材料の成膜直後のIRスペクトルを示すグラフである。
【図5】比較例1の非晶質材料の成膜2週間経過後のIRスペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
10 半導体製造装置
12 排気口
14 真空に排気しうる容器
16 基板ホルダー
18 基板加熱ヒーター
20 ガスを導入するための石英管(ガス導入管)
22 ガスを導入するための石英管(ガス導入管)
24 マイクロ波導波管
26 高周波コイル
28 第3のガス導入管
30 マイクロ波導波管下流のガス導入管

Claims (5)

  1. 少なくとも水素と周期律表におけるIII 族元素とチッ素とを含む非晶質材料であって、
    該非晶質材料の赤外吸収スペクトルを測定した場合、チッ素と水素との結合を示す吸収ピーク(N−H)と炭素と水素との結合を示す吸収ピーク(C−H)における吸収ピークの吸光度の比IN-H /IC-H が2以上であり、且つ、赤外吸収スペクトルのチッ素と水素との結合を示す吸収ピーク(N−H)とIII 族元素と水素との結合を示す吸収ピーク(III −H)とにおける吸光度の比IN-H /IIII-H が0.2以上であることを特徴とする非晶質材料。
  2. 前記III 族元素がガリウム(Ga)であり、
    該非晶質材料の赤外吸収スペクトルの3230cm-1付近と2950cm-1付近における吸収ピークの吸光度の比I3230/I2950が2以上であり、且つ、赤外吸収スペクトルの3230cm-1付近と2100cm-1付近における吸収ピークの吸光度の比I3230/I2100が0.2以上であることを特徴とする請求項1に記載の非晶質材料。
  3. 前記III 族元素の原料としてIII 族元素を含有する有機金属化合物を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の非晶質材料。
  4. 前記チッ素の原料としてチッ素ガスを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非晶質材料。
  5. 前記非晶質材料の光導電性が、明暗伝導度比で10 2 以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非晶質材料。
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