JP2003063901A - 小川型農薬製剤 - Google Patents

小川型農薬製剤

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JP2003063901A JP2001252216A JP2001252216A JP2003063901A JP 2003063901 A JP2003063901 A JP 2003063901A JP 2001252216 A JP2001252216 A JP 2001252216A JP 2001252216 A JP2001252216 A JP 2001252216A JP 2003063901 A JP2003063901 A JP 2003063901A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】農薬に対して有した害虫への効力増強と残効性
が付与される農薬製剤を提供すること。 【解決手段】農薬有効成分(但し、N−tert−ブチ
ル−N'−(3,5−ジメチルベンゾイル)−5−メチ
ル−6−クロマンカルボヒドラジド(一般名クロマフェ
ノジド)を除く)と油分を含有する農薬製剤であって、
水で散布濃度に希釈し、その希釈液をスライドガラスに
滴下し水を蒸散させた場合、前記油分の少なくとも1部
が油滴を形成するを特徴とする農薬製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤の基礎活性を
上げ、尚かつ薬剤抵抗性害虫に対する効果を増強させる
農薬製剤及び農薬散布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、動植物油及び/または鉱物油
を農薬の製剤に加え、殺虫、除草効果を高める製剤が幅
広く検討されている。田面水面に有効な油膜を形成する
方法として、特公昭44−17400では炭化水素系有
機溶媒、塩素化炭化水素系有機溶媒、動植物油及び脂肪
酸エステルにフェノール誘導体や樹脂等を混合した油中
懸濁製剤や乳剤等の水面施用剤が、特開昭62−198
602では粒状キャリアーに殺虫成分を混合した植物油
を含浸させてなる粒剤が検討され実施されている。ま
た、除草効果を高める方法として動植物油及び/または
鉱物油主体の油性懸濁製剤が検討されている(特開平1
−110605、特開平4−18002、特開平4−2
1611、特開平4−21613、特開平6−5660
2、特開平6−40823、特開平6−340509、
特開平7−33612、カナダ特許978766(19
75))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術では、薬剤抵抗性害虫への効力増強について
の技術はほとんどなく、また効力増強も十分ではなかっ
た。更には残効性を付与する効果も期待できなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために検討した結果、以下の発明に至った、すなわち本
発明は、(1)農薬有効成分(但し、N−tert−ブ
チル−N'−(3,5−ジメチルベンゾイル)−5−メ
チル−6−クロマンカルボヒドラジド(一般名クロマフ
ェノジド)を除く)と油分を含有する農薬製剤であっ
て、水で散布濃度に希釈し、その希釈液をスライドガラ
スに滴下し水を蒸散させた場合、前記油分の少なくとも
1部が油滴を形成することを特徴とする農薬製剤、
(2)前記油滴中に農薬有効成分が析出していることを
特徴とする(1)に記載の農薬製剤、(3)油滴の接触
角が20度以上であることを特徴とする(1)に記載の農
薬製剤、(4)両性界面活性剤及び植物油及び/又はパ
ラフィン系鉱物油を含有し、その他成分が、水に希釈し
散布した際に前記油成分がスライドガラス上での油滴化
を妨げないことを特徴とする(1)又は(2)に記載の
農薬製剤、(5)前記植物油のヨウ素価が150以下であ
ることを特徴とする(4)に記載の農薬製剤、(6)両
性界面活性剤がイミダゾリン系界面活性剤であることを
特徴とする(4)に記載の農薬製剤、(7)農薬有効成
分の水溶解度が500重量ppm(20℃)以下であ
り、常温(20℃)で固体であることを特徴とする
(1)〜(6)のいずれかに記載の農薬製剤、(8)農
薬有効成分(但し、N−tert−ブチル−N'−(3,
5−ジメチルベンゾイル)−5−メチル−6−クロマン
カルボヒドラジド(一般名クロマフェノジド)を除く)
がヒドラジン系農薬有効成分である(1)〜(7)のい
ずれかに記載の農薬製剤、(9)農薬有効成分(但し、
N−tert−ブチル−N'−(3,5−ジメチルベンゾ
イル)−5−メチル−6−クロマンカルボヒドラジド
(一般名クロマフェノジド)を除く)と油分を含有する
農薬製剤を、スライドガラスに100μl滴下し、希釈溶媒
を蒸散させた後、油滴が形成される濃度に希釈した後散
布することを特徴とする農薬散布方法、(10)農薬有
効成分(但し、N−tert−ブチル−N'−(3,5−
ジメチルベンゾイル)−5−メチル−6−クロマンカル
ボヒドラジド(一般名クロマフェノジド)を除く)と油
分を含有する農薬製剤を、スライドガラスに滴下し水を
蒸散させた時に前記油滴が形成される濃度に希釈して散
布することを特徴とする農薬散布方法、に関する。
【0005】本発明の農薬製剤は、農薬有効成分と油分
を含有し、散布濃度に水で希釈した希釈液をスライドガ
ラスに滴下し風乾させた時、油分の少なくとも1部が、
好ましくは油分の大部分が油滴を形成するものであり、
特に剤形については限定がない。本発明においては採用
しうる剤形としては、懸濁剤、乳剤、固形懸濁剤、固形
乳剤、粉剤、水和剤などが挙げられるが、好ましくは、
懸濁剤または乳剤である。
【0006】本発明の農薬製剤において、懸濁剤の剤形
を採用する場合、水で希釈して散布した後、水が揮散し
て、微粉砕された農薬有効成分が油滴で囲まれるように
調製するのが好ましい。このときの油滴の大きさはその
粉砕された農薬有効成分を十分囲える大きさがあればよ
いが、好ましくはその油滴の直径が5〜3000μm、
更に好ましくは30〜500μmが望ましい。従来は散
布液の水滴の大きさに主眼を置いた検討が幅広く行われ
てきたが、本発明のように水揮散後に油滴に関しての効
果、特に抵抗性を有する害虫/草/菌に対しての記述は
無く、また従来品はこのような油滴を水揮散後に形成す
ることはない。
【0007】本発明の農薬製剤においては、乳剤の剤形
を採用する場合、水で希釈し散布した後、油分が乳化し
た粒子が葉面に付着し、水が揮散した後、農薬有効成分
が微粒子化していない油滴が多数できる。この状態で
も、本発明の農薬製剤は従来の製剤に比べて高い効力を
示すが、農薬有効成分に常温で固体の成分が含まれてい
る場合はこの状態で、数時間〜数日、場合によっては数
十日放置することによって油滴中に農薬有効成分の結晶
が析出し、油滴が微細な有効成分粒子を取り囲む状態に
なり更に長期的な高い効力をしめす。また、油滴の接触
角は20度以上であることが好ましい。
【0008】さて、本明細書における油分の油滴の形成
の有無は、以下の方法で簡便に調査することができる。
まず供試品を散布濃度に水で希釈し(例えば、農薬有効
成分が5%の農薬製剤を1000倍希釈して散布する場合に
は、JIS11k瓶に蒸留水100mlを入れ、次いでサンプル100
μlを正確にマイクロピペットを用いて添加する。添加
後スパチュラでゆっくりと50回攪拌して農薬有効成分
の水希釈液を得る)、次いで同希釈液100μlを正確に採
取し、スライドガラス(7.6cm×2.6cm)に滴下し、その
まま50℃恒温槽に入れ、2時間そのまま放置し、完全
に水分が除去できた後、OLYMPUS BH-2 (OLYMPUS社製)の
光学顕微鏡を用いて、対物レンズ(Nikon社製、Nikon P
lan4 0.1 160/-)及び接眼レンズ(OLYMPUS社製、OLYMP
US WHK 10×/20L)を使用し40倍で状態を観察する。
尚、油滴の形成は水の希釈倍率に依存しており、油分
(鉱植物油等)の水希釈時の濃度が100ppm未満になる
と、油滴の崩壊や微細農薬有効成分への取り囲み不足が
生じるためおそれがあるので、100ppm以上とするのが好
ましい。
【0009】前記の光学顕微鏡での観察をもとに、本発
明の農薬製剤の油滴形成の状態を図面を用いて説明す
る。図1は、本発明の農薬製剤における典型的な油滴形
成の状態を示している顕微鏡写真である。なお、顕微鏡
写真は前記の条件にて設定された顕微鏡において写真を
撮影し、これをイメージスキャナ(600dpi)でデジタル
イメージとして取り込んだ後、モノクロ化するためにハ
ーフトーン処理したものであり、本明細書に添付された
その他の顕微鏡写真(図2〜図4)も同様である。ま
た、図1、2、4において、図面左下の黒いバーは約1
mmとなる。図1から明らかなように、油滴が形成され
ていることがわかる。このことは、一般的な従来の農薬
製剤である後記の参考例2を用い同様に希釈風乾したも
のである図4と比較すると更に明瞭となる。図4ではス
ライドガラス上に薄い膜が形成されているのみにであ
る。また、後記の参考例1を用いた顕微鏡写真を図2
に、図2のA部の拡大図を図3に示した。図1では大き
さが比較的均一な油滴が形成されているが、図2では図
面左上にその他の部分に存在するものより大きな油滴が
形成されている。油滴の大きさは特に限定はなく、均一
な大きさの油滴が形成されても、不均一な大きさの油滴
が形成されていてもよい。また、油滴中に黒い塊が見ら
れるものがある。これは農薬活性成分が析出したもので
あり、本発明における好ましい態様であるが、全ての油
滴中にこのような農薬有効成分が析出する必要はない。
【0010】本発明の製剤は、通常の適用植物/害虫/
菌に用いられるものであるが、特に抵抗性を獲得した植
物/害虫/菌に対して特に有効である。通常、薬剤に対
して抵抗性を獲得した植物/害虫/菌は、その薬剤に対
する半数致死量濃度が約10〜100倍になるため、従
来の10倍量、場合によってはそれ以上散布しないと効
果が得られなくなってしまうが、本発明の農薬製剤を使
用すると、薬剤に対する抵抗性が著しく減少し、通常通
りの散布濃度で十分駆除できる。
【0011】本発明のような油分が油滴を形成するよう
な農薬製剤は従来には全くなかったため、本発明者らは
当初、薬剤に対する抵抗性が著しく減少する作用は油滴
の物理的作用ではないかとも考えられ、農薬有効成分を
除いた対照製剤を作成し、生物試験を行い、薬剤なしで
も生物活性があるか調査したところ、ほとんど活性が無
く、これは物理的作用ではないことが確認されている。
おそらく、農薬有効成分のレセプターへの付着効果を著
しく上げているか、油滴中に農薬有効成分が凝集される
ため局所的に農薬有効成分濃度が極端に高まり死虫率、
殺菌率、除草率を上げているのではないかと考えられる
が、現在のところ定かではない。
【0012】本発明においては前述したように、油滴が
微細な農薬有効成分を取り囲むことが好ましいので、農
薬製剤の組成としてはこの状態を破壊しない組成のみを
用いるのが好ましい。例えば、農薬有効成分の製剤中の
沈降防止剤としてよく用いられる無機系の沈降防止剤で
ある、有機ベントナイトや含水無晶系二酸化珪素等はこ
の製剤に沈降防止の機能を有する量を添加すると、有機
ベントナイトの場合は粘土鉱物モンモリロナイトの層間
に油分が入り込むため、農薬有効成分を油滴が取り囲む
状態を著しく阻害する。また、含水無晶系二酸化珪素は
特有の吸油能から油分を含水無晶系二酸化珪素内に取り
込んでしまうため、これも油滴の取り囲みを阻害する作
用があることが実験から分かった。しかしながらこれら
油滴阻害物質も例えば極少量を用いるなどして、好まし
い状態を破壊しない程度であれば使用することはでき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の農薬製剤の各成分
について説明を行うが、いずれの成分も油分の油滴が形
成されるようになるものであれば特に限定はない。
【0014】本発明に使用ができる農薬有効成分として
は、油滴が微細農薬有効成分を包み込むことにより効力
を発揮するため、水に対する溶解度が500重量ppm
(20℃)以下であり、常温(20℃)で固体であるも
のが好ましい。しかしながら水に対する溶解度が500
ppm以上、常温で液体の農薬有効成分も、前記農薬有
効成分と混合して使用すれば適応が可能である。長期間
の効力維持に着目しなくてもよい農薬有効成分では、基
礎活性を上げるだけが主な目的であるため、水に対する
溶解度が500ppm以上、常温で液体の農薬有効成分
を単独、もしくは混合して使用することも可能である。
これらの具体例としては以下のものが挙げられるがこれ
に限定されるものではない。
【0015】殺虫,殺ダニ剤有効成分としては、N’−
tert-ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,
5−メジメチルベンゾヒドラジド(一般名:テブフェノ
ジド)等のヒドラジン系有効成分(但しN−tert−
ブチル−N'−(3,5−ジメチルベンゾイル)−5−
メチル−6−クロマンカルボヒドラジド(一般名クロマ
フェノジド)を除く)、1−ナフチル−N−メチルカー
バメート(一般名:NAC)、2−(エチルチオメチ
ル)フェニル=メチルカルバマート(一般名:エチオフ
ェンカルブ)、S−4−フェノキシブチル=ジメチルチ
オカルバマート(一般名:フェノチオカルブ)、2,3
−ジヒドロ−2,2−ヂメチルベンゾフラン−7−イル
(ジブチルアミノチオ)メチルカーバメート(一般名:
カルボスルファン)等のカーバメート系有効成分、O,
O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリ
ジルホスホロチオエート(一般名:クロルピリホス)、
3−ジエトキシホスホリルチオメチル−6−クロロベン
ズオキサゾロン(一般名:ホサロン)、2−メトキシ−
4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−ス
ルフィド(一般名:サリチオン)等の有機リン系有効成
分、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=
(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−(1,2,
2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキ
シラート(一般名:トラロメトリン)、(RS)−α−
シアノ−3−フェノキシベンジル=(RS)−2−(4
−クロロフェニル)−3−メチルブタノアート(一般
名:フェンバレレート)、2−(4−エトキシフェニ
ル)−2−メチルプロピル=3−フェノキシベンジル=
エーテル(一般名:エトフェンプロックス)等のピレス
ロイド系有効成分;trans −5−(4−クロロフェニ
ル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチ
アゾリジン−3−カルボキサミド(一般名:ヘキシチア
ゾクス)、1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6
−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:ジフルベン
ズロン)、1−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ
−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェ
ニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア
(一般名:クロルフルアズロン)等の尿素系有効成分が
挙げられる。
【0016】除草剤有効成分としては、1−(α,α−
ジメチルベンジル)−3−(4−メチルフェニル)ウレ
ア(一般名:ダイムロン)、1−(2−クロルベンジ
ル)−3−(α,α−ジメチルベンジル)ウレア(一般
名:JC−940)、o−(3−ターシャリーブチルフ
ェニル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メ
チルチオカーバメート(一般名:ピリブチカルブ)、
2,4−ジクロルフェニル−4−ニトロフェニルエーテ
ル(一般名:ニトロフェン)、2,4−ジクロルフェニ
ル−3−メトキシ−4−ニトロフェニルエーテル(一般
名:X−52)、メチル 5−(2,4−ジクロルフェ
ノキシ)−2−ニトロベンゾエート(一般名:ビフェノ
ックス)、2−ベンゾチアゾ−ル−2−イルオキシ−N
−メチルアセトアニリド(一般名:メフェナセット)、
2−ブロム−N−(α,α−ジメチルベンジル)−3,
3−ジメチルブタナミド(一般名:ブロモブチド)、2
−クロル−N−(3−メトキシ−2−チエニル)−メチ
ル−2’,6’−ジエチルアセトアニリド(一般名:N
SK−850)、2−(1,2−ジメチルプロピルアミ
ノ)−4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5
−トリアジン(一般名:ジメタメトリン)、5−ターシ
ャリーブチル−3−(2,4−ジクロル−5−イソプロ
ポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2
−(3H)−オン(一般名:オキサジアゾン)、4−
(2,4−ジクロルベンゾイル)−1,3−ジメチル−
5−フェナシルオキシ−1H−ピラゾール〔ピラゾキシ
フェン〕,4−(2,4−ジクロル−3−メチルベンゾ
イル)−1,3−ジメチル−5−(4−メチルフェナシ
ルオキシ)−1H−ピラゾール(一般名:ベンゾフェナ
ップ)、2−(2,4−ジクロル−3−メチルフェノキ
シ)−プロピオンアニリド〔クロメプロップ〕、2−
(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド(一般名:ナプ
ロアニリド)、2,4−ビス(イソプロピルアミノ)−
6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(一般名:プ
ロメトリン)、2,4−ビス(エチルアミノ)−6−メ
チルチオ−1,3,5−トリアジン(一般名:シメトリ
ン)等が挙げられる。
【0017】殺菌剤有効成分としては、O−2,6−ジ
クロロ−p−トリル=O,O−ジメチルホスホロチオア
ート(一般名:トルクロホスメチル)、3’−イソプロ
ポキシ−2−メチルベンズアニリド(一般名:メプロニ
ル)、α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキ
シ−O−トルアニリド(一般名:フルトラニル)、1−
(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フ
ェニル尿素(一般名:ペンシクロン)、N−トリクロロ
メチルチオテトラヒドロフタルイミド(一般名:キャプ
タン)、3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソ
プロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カル
ボキサミド(一般名:イプロジオン)、ジンクエチレン
ビスジチオカーバメート(一般名:ジネブ)、ビス(ジ
メチルチオカルバモイル)ジスルフィド(一般名:チウ
ラム)、テトラクロロイソフタロニトリル(一般名:T
PN)、4,5,6,7−テトラクロロフタリド(一般
名:フサライド)、3,4,5,6−テトラクロロ−N
−(2,3−ジクロロフェニル)フタルアミド酸(一般
名:テクロフタラム)、O−エチル−S,S−ジフェニ
ルジチオホスフェート(一般名:EDDP)、N−
(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシク
ロプロパン−1,2−ジカルボキシミド(一般名:プロ
シミドン)、(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフ
ルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロ
ポキシエチリデン)−O−トルイジン(一般名:トリフ
ルミゾール)、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフ
ェニル)−3(2H)−ピリダジノン(一般名:ジクロ
メジン)等が挙げられる。
【0018】本発明において用いられる油分としては、
特に限定はなく、例えば、植物由来の植物油や動物由来
の鯨油などの動物油、鉱物油などが挙げられる。
【0019】本発明において使用される植物油は限定さ
れないが、例えばオリーブ油、ヒマシ油、パパイヤ油、
椿油、ヤシ油、太白胡麻油、胡麻油、トウモロコシ油、
米ぬか油、落花生油、棉実油、大豆油、菜種油、亜麻仁
油、きり油、ひまわり油、紅花油、更にそれらの脂肪酸
並びに該脂肪酸のアルキルエステルの誘導体などが挙げ
られる。これらの中でも、水分揮散後に葉面等で炭素二
重結合が酸化され固化しやすい不飽和炭素を多く有する
乾性油よりも、酸化しにくい半乾性油及び/または不乾
性油がより好ましく、更に油滴が延びてしまうと効果的
に著しく劣るため、油滴化しやすいものが好ましく、ヒ
マシ油、大豆油、太白胡麻油等が本発明に特に有効であ
る。
【0020】鉱物油としても同様の理由で、飽和炭化水
素系の液状パラフィン、パラフィン系石油のようなパラ
フィンなどが挙げられるが、必要に応じてこれらを単独
または混合して使用してもよい。不乾性油及び半乾性油
の検査には一般に知られているヨウ素価を用いて行い、
ヨウ素価150以下が好ましい。製剤中の含有量に特に規
定はないが好ましくは10〜90重量%、更に好ましく
は30〜80重量%がよい。
【0021】本発明の農薬製剤においては、油分の油滴
形成のために、界面活性剤を用いることが好ましい。油
滴形成能を有する界面活性剤であれば特に制限なく用い
ることができるが、油滴形成能を有さない界面活性剤で
あっても、農薬製剤の水希釈散布後、希釈した水分が揮
発した後に油分の油滴が形成されるようになるものであ
れば、形成能を有する界面活性剤と混合して用いること
ができる。またさらに、農薬有効成分が常温において固
体の場合は、油滴による農薬有効成分粒子の取り囲みが
形成されるような界面活性剤を用いるのが更に好まし
い。このような油滴の形成能を有し、さらに農薬有効成
分の油滴への取り囲み能を有する界面活性剤としては、
両性界面活性剤を例示することができ、両性界面活性剤
の中でも特にイミダゾリン系、アルキルアミノカルボン
酸系、アルキルベタイン系等が例示することができ、そ
の中でもイミダゾリン系界面活性剤が特に好ましい。界
面活性剤の含有量は好ましくは0.1〜20重量%、更
に好ましくは1〜5重量%がよい。なお、油分の油滴形
成能を有する界面活性剤であれば、上記の界面活性剤に
限定されることなく採用することができる。
【0022】また、本発明においては、前記の両性界面
活性剤のほかにも、種々の界面活性剤が油滴の形成を妨
げない範囲で使用することができ、その具体例として
は、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポ
リカルボン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキ
ルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグ
ニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、
アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチ
レン硬化ひまし油、スチリルフェニル燐酸塩、安息香酸
塩、脂肪酸ポリグリセライド、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、脂肪酸アルコールポリグリコー
ルエーテルポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール燐酸エ
ステル塩、などが挙げられる。また必要に応じてこれら
を混合して使用してもかまわない。
【0023】また、本発明において、溶剤を使用するこ
とができるが、乳剤等の液剤で本発明の農薬製剤を作製
するためには、散布後、水が揮散して油滴が生じること
が必須であり、沸点が低くすぐに油滴が無くなり、その
ために結晶が生じ、油滴に囲まれない溶剤は本発明の農
薬製剤には使用することができない。そのため検討する
農薬有効成分によって結晶化と溶解度等を考慮して最適
なものを選択することが好ましい。
【0024】本発明で使用することができる溶剤の具体
例としては、例えばN−メチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノンのような含窒素・含硫黄溶
剤、プロパノール、イソブタノール等のアルコール類、
プロピレングリコール等のグリコール類、エーテル類、
シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、酢酸等の脂肪酸、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルの
ようなエステル類、ノルマルパラフィン、イソパラフィ
ン等の脂肪族炭化水素、アルキルベンゼン、ナフタレ
ン、アルキルナフタレン、ジフェニル、フェニルキシリ
ルエタン等の芳香族炭化水素などが挙げられるがこれに
限定されるものではない。
【0025】本発明に用いることができる沈降防止剤や
固形化剤は前述したように、油滴が微細な農薬有効成分
を取り囲む必要があるため、この状態を破壊する作用を
有するものは使用に適さない。例えば、農薬有効成分の
製剤中での沈降防止剤してよく用いられる無機系の沈降
防止剤である有機ベントナイトや含水無晶系二酸化珪素
等は沈降防止の機能を有する量を添加すると、有機ベン
トナイトの場合は粘土鉱物モンモリロナイトの層間に油
分が入り込むため、農薬有効成分を油滴が取り囲む状態
を著しく阻害する。また、含水無晶系二酸化珪素は特有
の吸油能から油分を含水無晶系二酸化珪素内に取り込ん
でしまうため、これも油滴の取り囲みを阻害する作用が
あることが実験から分かった。しかしながらこれら油滴
阻害物質も少量で、好ましい状態を破壊しない程度であ
れば使用することがきる。本発明の農薬製剤において沈
降防止剤及び固形化剤として適しているものは水溶性も
しくは水中に分散し、尚かつ油分を吸着しないものが好
ましく、以下のものが挙げられるがこれに限定されるも
のではない。水溶性の無機化合物、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸又は酢酸のカリウム塩、ナトリウム塩、マグネ
シウム塩、アンモニウム塩等が、更に有機化合物とし
て、キサンタンガム、グアーガム、蔗糖、乳糖、デキス
トリン、ポリビニルアルコール、結晶性セルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、ゼラチン、アルギン酸ナト
リウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アミノ酸、アルケ
ニルコハク酸エステル化澱粉等があげられ、これらは1
種で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0026】さらに、必要に応じてプロピレングリコー
ル、エチレングリコール等の凍結防止剤、BHT等の安
定化剤、ピペロニルブトキサイド等の協力剤,1,2−ベ
ンズイソチアゾリン−3−オン等の防黴剤,着色剤、芳
香剤などを添加することもできる。
【0027】施用作業者の有効成分への接触を防ぐため
に本発明の農薬製剤を水溶性フィルムで包装することも
できる。本発明で使用可能な水溶性フィルムとしては水
と接触し溶解するものであればいずれも使用することが
でき、使用しうる水溶性フィルムの具体例として以下の
ものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0028】ポリビニルアルコール、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸またはその塩、デンプン、
ゼラチン等の1種または2種以上のポリマーから得られ
たフィルム。フィルムの厚さは約20〜100μmが好
ましいが、より好ましくは約30〜60μmが適してい
る。
【0029】本発明の農薬製剤の製造方法を以下に具体
的に述べるがこれに限定されるものではない。 油性懸濁剤; (1)植物油及び/またはパラフィン系鉱物油等の分散
媒に、農薬有効成分及び必要により用いられる界面活性
剤等をサンドグラインダーミル(五十嵐機械製造(株))
等で湿式粉砕して油中懸濁液を得る方法。 (2)農薬有効成分を予めハンマーミル等で粗めに乾式
粉砕し、その後(1)方法と同様にサンドグラインダー
ミルで湿式粉砕して油中懸濁液を得る方法。 (3)農薬有効成分を超音速ジェット粉砕機(日本ニュ
ーマチック工業(株))等で乾式粉砕で微粉砕し、その微
粒子を分散媒及び界面活性剤等にそのまま加え、撹拌し
て油中懸濁液を得る方法。
【0030】乳剤; (4)農薬有効成分を適当な溶媒に溶解し、次いで植物
油及び/またはパラフィン系炭化水素更に界面活性剤等
を必要量添加して得る方法。 サスポエマルジョン; (5)農薬有効成分及び界面活性剤等を水溶媒中でサン
ドグラインダーミル(五十嵐機械製造(株))等で湿式粉
砕し、予め植物油及び/またはパラフィン系鉱物油等の
分散媒及び必要に応じ界面活性剤を添加して作製した溶
液に添加して得る方法。
【0031】固形化剤; (6)(1)又は(2)又は(3)の方法で作製した油
性懸濁液を吸油能がある固形化剤に吸着させて得る方
法。
【0032】また、本発明の農薬製剤は、一般的な農薬
製剤と同様の手法により散布することができる。本発明
の農薬製剤は農薬有効成分を常の散布濃度に希釈したも
のをスライドガラスに滴下風乾後油分によって油滴が形
成されるようになっているので、一般的な散布方法にし
たがって散布すると、植物の葉面上などでもスライドガ
ラス同様に油分の油滴が形成される。また、用いる農薬
有効成分によっては散布濃度の幅が広く、その中の一部
の濃度においては油滴が形成しにくいこともあるが、こ
の場合は、油滴が形成しやすい散布濃度を選択すること
が好ましい。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0034】実施例1 (1)ダイアジノン(純度95%)…5.5重量部 (2)ヒマシ油…84.5重量部 (3)ニューカルゲンD−212(商品名、竹本油脂社
製、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル)…5.0重
量部 (4)ホモゲノールL−95(商品名、花王社製、イミ
ダゾリン系界面活性剤)…5.0重量部 以上の成分を均一に混合して本発明のダイアジノン5%
乳剤を得た。本剤を一般的な希釈倍率である1000倍に希
釈し、風乾した結果、油滴が形成されていた。
【0035】実施例2 (1)テブフェノジド(純度99%)…5.0重量部 (2)ヒマシ油…85.0重量部 (3)ニューカルゲンD−212(商品名、竹本油脂社
製、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル)…5.0重
量部 (4)ホモゲノールL−95(商品名、花王社製、イミ
ダゾリン系界面活性剤)…5.0重量部 (1) をサンプルミルで乾式粉砕し、それを(2)〜
(4)の均一混合液に入れ、撹拌し、平均粒径5μmの
本発明の油性懸濁製剤を得た。本剤を一般的な希釈倍率
である1000倍に希釈し、風乾した結果、油滴が形成され
ていた。
【0036】実施例3 (1)カルボスルファン(純度95%)…5.5重量部 (2)ヒマシ油…84.5重量部 (3)ニューカルゲンD−212(商品名、竹本油脂社
製、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル)…5.0重
量部 (4)ホモゲノールL−95(商品名、花王社製、イミ
ダゾリン系界面活性剤)…5.0重量部 以上の成分を均一に混合して本発明の乳剤を得た。本剤
を一般的な希釈倍率である1000倍に希釈し、風乾した結
果、油滴が形成されていた。
【0037】比較例1 (1)ダイアジノン(純度95%)…5.5重量部 (2)シェルゾールAB(商品名、昭和シェル石油社
製、芳香族溶剤)…79.5重量部 (3)ニューカルゲン2720S−75(商品名、竹本
油脂社製、アニオン系界面活性剤) 以上の成分を均一に混合し、農薬乳剤を得た。本剤を一
般的な希釈倍率である1000倍に希釈し、風乾した結果、
油滴の形成は確認されなかった。
【0038】比較例2 (1) テブフェノジド(純度99%)…5.0重量部 (2) ニューカルゲンPS−P(商品名、竹本油脂社
製、ナフタレン縮合型アニオン界面活性剤)…7.0重
量部 (3) KF−96−100cp(商品名、信越化学工
業製、メチルシリコーン)…0.05重量部 (4) 水道水…86.40重量部 (5) キサンタンガム…0.05重量部 (6) クニピアF(商品名、クニミネ工業製、有機ベ
ントナイト)…0.5重量部 (7) PROXEL GXL(商品名、ゼネカ社製、防腐剤)…
0.05重量部 (1)〜(7)を均一に混合し、サンドグラインダーミ
ル1800rpmで40分間湿式粉砕を行い、平均粒径1.0μ
mのフロアブル剤を得た。本剤を一般的な希釈倍率であ
る1000倍に希釈し、風乾した結果、油滴の形成は確認さ
れなかった。
【0039】比較例3 (1)カルボスルファン(純度95%)…5.5重量部 (2)シェルゾールAB(商品名、昭和シェル石油社
製、芳香族溶剤)…79.5重量部 (3)ニューカルゲン2720S−75(商品名、竹本
油脂社製、アニオン系界面活性剤) 以上の成分を均一に混合し、農薬乳剤を得た。本剤を一
般的な希釈倍率である1000倍に希釈し、風乾した結果、
油滴の形成は確認されなかった。
【0040】参考例1 (1)クロマフェノジド(純度95%)…5.5重量部 (2)ヒマシ油…82.5重量部 (3)ニューカルゲンD−212(商品名、竹本油脂社
製、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル)…7.0重
量部 (4)ホモゲノールL−95(商品名、花王社製、イミ
ダゾリン系界面活性剤)…5.0重量部 以上の成分を均一に混合し、サンドグラインダーミル15
00rpmで30分間湿式粉砕を行い、平均粒径5μmの油
性懸濁製剤を得た。本剤を一般的な希釈倍率である1000
倍に希釈し、風乾した結果、油滴が形成されていた。上
記の条件による顕微鏡写真を図2および図3(図2にお
けるA部を拡大したもの)に示す。
【0041】参考例2 (1) クロマフェノジド(純度95%)…5.5重量
部 (2) ニューカルゲンPS−P(商品名、竹本油脂社
製、ナフタレン縮合型アニオン界面活性剤)…7.0重
量部 (3) KF−96−100cp(商品名、信越化学工
業製、メチルシリコーン)…0.05重量部 (4) 水道水…86.90重量部 (5) キサンタンガム…0.05重量部 (6) クニピアF(商品名、クニミネ工業製、有機ベ
ントナイト)…0.5重量部 (7) PROXEL GXL(商品名、ゼネカ社製、防腐剤)…
0.05重量部 (1)〜(7)を均一に混合し、サンドグラインダーミ
ル1800rpmで50分間湿式粉砕を行い、平均粒径1.0μ
mのフロアブル剤を得た。本剤を一般的な希釈倍率であ
る1000倍に希釈し、風乾した結果、油滴の形成は確認さ
れなかった。上記の条件による顕微鏡写真を図4に示
す。
【0042】試験例1(薬剤抵抗性チャハマキに対する
基礎活性試験) 供試薬剤を農薬有効性分を除く供試剤のその他成分(白
試料)を用いて希釈し、その白試料希釈液を新グラミン
(商品名、展着液)3000倍水希釈した希釈水で1000倍希
釈した。その希釈液に茶葉を浸漬し、風乾後、薬剤抵抗
性チャハマキ(静岡県牧ノ原系飼育3代目チャハマキ;
以下Rチャハマキ)を放虫し、2日後死虫数を調査し
た。
【0043】 第1表 :薬剤抵抗性チャハマキに対する基礎活性試験結果 単位:死虫率% a.ダイアジノン Rチャハマキ 200ppm 50ppm 実施例1 90 50 比較例1 40 20 無処理区 0 0 b.テブフェノジド Rチャハマキ 200ppm 50ppm 実施例2 100 100 比較例2 60 40 無処理区 0 0 c.カルボスルファン Rチャハマキ 25ppm 12.5ppm 6.3ppm 実施例3 80 50 40 比較例3 30 0 0 無処理区 0 0 -
【0044】表1の結果より、本発明の農薬製剤は比較
例よりも基礎活性が強く、抵抗性を獲得したチャハマキ
の防除に特に優れた効果を示した。
【0045】試験例2(ハスモンヨトウに対する基礎活
性試験) 供試薬剤を白試料(薬有効性分を除く供試剤のその他成
分)を用いて希釈し、その白試料希釈液を新グラミン
(商品名、展着液)3000倍水希釈した水で1000倍希釈し
た。その希釈液に厚さ5mm程度に切断した人工飼料(日
本農産工業社製)を10秒間浸漬し、風乾後、ハスモン
ヨトウ3令幼虫を10頭とともにプラスチック製のカッ
プに入れた。処理2日後死虫数を調査した。
【0046】 第2表 :ハスモンヨトウに対する基礎活性試験結果 単位:死虫率% a.ダイアジノン ハスモンヨトウ 100ppm 50ppm 25ppm 12.5ppm 実施例1 95 65 10 0 比較例1 60 20 15 0 無処理区 0 0 0 0 b.カルボスルファン ハスモンヨトウ 50pm 25ppm 12.5ppm 6.3ppm 3.1ppm 実施例3 100 100 85 25 0 比較例3 25 5 5 0 0 無処理区 0 0 0 0 0
【0047】表2より、ハスモンヨトウに対しても本発
明の農薬製剤の基礎活性の高さが示された。
【0048】
【発明の効果】本発明の農薬製剤は、従来の農薬製剤に
比較し、基礎活性が著しく向上し、長期間の残効性も期
待できる。抵抗性を獲得した植物/害虫/菌に対して特
に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製剤における典型的な油滴形成を示す
顕微鏡写真である。
【図2】本発明の製剤における別の典型的な油滴形成を
示す参考例1の顕微鏡写真である。
【図3】図2におけるA部拡大図である。
【図4】一般的な従来の製剤である参考例2の顕微鏡写
真である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】農薬有効成分(但し、N−tert−ブチ
    ル−N'−(3,5−ジメチルベンゾイル)−5−メチ
    ル−6−クロマンカルボヒドラジド(一般名クロマフェ
    ノジド)を除く)と油分を含有する農薬製剤であって、
    水で散布濃度に希釈し、その希釈液をスライドガラスに
    滴下し水を蒸散させた場合、前記油分の少なくとも1部
    が油滴を形成することを特徴とする農薬製剤。
  2. 【請求項2】前記油滴中に農薬有効成分が析出している
    ことを特徴とする請求項1に記載の農薬製剤。
  3. 【請求項3】油滴の接触角が20度以上であることを特徴
    とする請求項1に記載の農薬製剤。
  4. 【請求項4】両性界面活性剤及び植物油及び/又はパラ
    フィン系鉱物油を含有し、その他成分が、水に希釈し散
    布した際に前記油成分がスライドガラス上での油滴化を
    妨げないことを特徴とする請求項1又は2に記載の農薬
    製剤。
  5. 【請求項5】前記植物油のヨウ素価が150以下であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の農薬製剤。
  6. 【請求項6】両性界面活性剤がイミダゾリン系界面活性
    剤であることを特徴とする請求項4に記載の農薬製剤。
  7. 【請求項7】農薬有効成分の水溶解度が500重量pp
    m(20℃)以下であり、常温(20℃)で固体である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の農薬
    製剤。
  8. 【請求項8】農薬有効成分(但し、N−tert−ブチ
    ル−N'−(3,5−ジメチルベンゾイル)−5−メチ
    ル−6−クロマンカルボヒドラジド(一般名クロマフェ
    ノジド)を除く)がヒドラジン系農薬有効成分である請
    求項1〜7のいずれかに記載の農薬製剤。
  9. 【請求項9】農薬有効成分(但し、N−tert−ブチ
    ル−N'−(3,5−ジメチルベンゾイル)−5−メチ
    ル−6−クロマンカルボヒドラジド(一般名クロマフェ
    ノジド)を除く)と油分を含有する農薬製剤を、スライ
    ドガラスに100μl滴下し、希釈溶媒を蒸散させた後、油
    滴が形成される濃度に希釈した後散布することを特徴と
    する農薬散布方法。
  10. 【請求項10】農薬有効成分(但し、N−tert−ブ
    チル−N'−(3,5−ジメチルベンゾイル)−5−メ
    チル−6−クロマンカルボヒドラジド(一般名クロマフ
    ェノジド)を除く)と油分を含有する農薬製剤を、スラ
    イドガラスに滴下し水を蒸散させた時に前記油滴が形成
    される濃度に希釈して散布することを特徴とする農薬散
    布方法。
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