JP2003061679A - オリゴヌクレオチドの巨視的な自己集合体の検出方法及びその形成方法。 - Google Patents

オリゴヌクレオチドの巨視的な自己集合体の検出方法及びその形成方法。

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JP2003061679A
JP2003061679A JP2001259819A JP2001259819A JP2003061679A JP 2003061679 A JP2003061679 A JP 2003061679A JP 2001259819 A JP2001259819 A JP 2001259819A JP 2001259819 A JP2001259819 A JP 2001259819A JP 2003061679 A JP2003061679 A JP 2003061679A
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assembly
macroscopic
macroscopic self
probe
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JP2001259819A
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Mitsugi Usui
貢 薄井
Chikako Hakii
千雅子 波木井
Mari Mitsuzuka
真理 三塚
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Sanko Junyaku Co Ltd
Original Assignee
Sanko Junyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特殊な機械を使用せず、またアガロースゲル電
気泳動のような煩雑な操作を用いずに簡便にPALSA
R法により形成された自己集合体を確認する方法を提供
する。 【解決手段】お互いに相補的な部分がn(n≧3)カ所
の数から構成される一対のプローブの複数対を用いて、
互い違いに交差するようにハイブリダイゼーションさせ
ることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本
鎖の巨視的な自己集合体を形成させ、この巨視的な自己
集合体を目視で検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微視的なオリゴヌ
クレオチドの自己集合により形成される巨視的な自己集
合体の目視による検出方法、巨視的な自己集合体の形成
方法、及び形成された巨視的な自己集合体に関する。
【0002】
【関連技術】現在市販されている遺伝子診断キットにお
ける遺伝子の検出法では、遺伝子増幅法であるPCR法
(USP 4,683,195, USP 4,683,202)やLCR法(USP 5,
792,607)は、遺伝子の増幅産物をEIA(エンザイム
・イムノ・アッセイ)による発色・発光を使用し、ま
た、シグナル増幅法であるブランチ(分岐)DNAアッ
セイやRCA(ローリング・サイクル・アンプリフィケ
ーション)も同様にEIAを使用して標的遺伝子を検出
していた。
【0003】しかし、EIAを用いた測定では、特殊な
機械と試薬が必要であり、操作も煩雑で判定するまでに
1時間以上の時間を要していた。
【0004】一方、本出願人は、酵素を使用しない新規
な等温核酸増幅法(プローブ自己集合体の作製方法)を
既に提案した(USP 6,261,846、特開2000−201
687号及びEP 1,002,877A)。この方法は、3個所の
領域から構成される一対のプローブ(HoneyComb Prob
e、以下HCPと称する)を用いる方法であり、第1プ
ローブと第2プローブの各々の3個所の領域はお互いに
相補的な塩基配列を有し、両者を反応させた場合、領域
の1個所のみとハイブリダイズする様に各領域の塩基配
列を工夫したものである。この工夫により、複数の一対
のプローブを反応させた場合、お互いにハイブリダイズ
しプローブの自己集合体を形成させることができる(Pr
obe alternation link self-assembly reaction、以
下、PALSAR法と称する)。
【0005】さらに本出願人は、上記PALSAR法を
利用した新規な遺伝子の検出方法を提案した(特願20
00−261687号)。この検出方法においては、切
断されたHCPが自己集合体を形成しないことに着眼
し、標的遺伝子の存在とリガーゼ酵素によって連結され
るHCPと、その連結されたHCPのPALSAR法に
よる自己集合体の形成状態をアガロースゲル電気泳動、
およびインターカレーターの挿入による蛍光測定で確認
していた。
【0006】しかし、アガロースゲル電気泳動やインタ
ーカレーターの挿入による蛍光測定では、特殊な機械が
必要であり、操作も煩雑で判定するまでに30分以上の
時間を要していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特殊な機械
を使用せず、またアガロースゲル電気泳動のような煩雑
な操作を用いずに簡便にPALSAR法により形成され
た自己集合体を確認する方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】PALSAR法によって
溶液中で形成された自己集合体は、そのままでは透明で
あるためにアガロースゲル電気泳動やインターカレータ
ーの挿入による蛍光測定が必要であった。
【0009】本発明ではこの透明の自己集合体を簡便に
目視で確認できることを目的に鋭意研究し、煩雑な操作
を必要とせず、短時間に自己集合体を確認することを可
能にした。
【0010】本発明の巨視的な自己集合体の検出方法の
態様は、お互いに相補的な部分がn(n≧3)カ所の数
から構成される一対のプローブの複数対を用いて、互い
違いに交差するようにハイブリダイゼーションさせるこ
とにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の
巨視的な自己集合体を形成させ、この巨視的な自己集合
体を目視で検出することを特徴とする。なお、目視での
検出とは、肉眼での検出を意味するものである。
【0011】上記巨視的な自己集合体の検出方法は、第
一に、上記形成された巨視的な自己集合体を、濁度によ
り検出することを特徴とする。
【0012】上記巨視的な自己集合体の検出方法は、第
二に、上記形成された巨視的な自己集合体を、核酸と結
合する色素を添加させ、変色により検出することを特徴
とする。核酸と結合する色素の添加時期は、特に限定さ
れず、巨視的な自己集合体形成前でもよく、巨視的な自
己集合体形成後でもよい。
【0013】上記一対のプローブは、1対1でハイブリ
ダイゼーションする時に必ずn(n≧3)カ所の相補的
な部分の中で、1カ所ずつが特異的にハイブリダイゼー
ションするように構成される。
【0014】上記プローブの相補的塩基配列領域の分岐
点に、少なくとも1つのG(グアニン)またはC(シト
シン)を配置させ、プローブがハイブリダイズした際に
少なくとも1つのC−G結合を相補的塩基配列領域の端
部に形成させることにより、安定した二本鎖の巨視的な
自己集合体を形成させることが可能となる。
【0015】上記ハイブリダイゼーションの反応温度を
プローブのTm値付近にすることが好適であり、プロー
ブのTm値に対し+5℃〜−40℃の範囲の反応温度と
することが好適である。
【0016】上記核酸と結合する色素としては、蛍光を
有するインターカレーター等が好適に用いられる。
【0017】本発明の巨視的な自己集合体の形成方法の
第一の態様は、お互いに相補的な部分がn(n≧3)カ
所の数から構成される一対のプローブの複数対を用い
て、プローブのTm値付近の反応温度にて、互い違いに
交差するようにハイブリダイゼーションさせることによ
り、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の巨視的
な自己集合体を形成させることを特徴とする。
【0018】本発明の巨視的な自己集合体の形成方法の
第二の態様は、お互いに相補的な部分がn(n≧3)カ
所の数から構成される一対のプローブの複数対を用い
て、プローブのTm値に対し+5℃〜−40℃の範囲の
反応温度にて、互い違いに交差するようにハイブリダイ
ゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自
己集合し、二本鎖の巨視的な自己集合体を形成させるこ
とを特徴とする。
【0019】上記巨視的な自己集合体の形成方法にて形
成された巨視的な自己集合体は、濁度により、目視で検
出することが可能である。
【0020】核酸と結合する色素を添加し、変色によ
り、目視で検出される巨視的な自己集合体を形成するこ
とが可能である。
【0021】本発明の巨視的な自己集合体は上記巨視的
な自己集合体の形成方法によって形成されるものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明するが、これらの実施の形態は例示
的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない
限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0023】本発明は、お互いに相補的な部分をnカ所
(n≧3)有する一対のプローブであるHCPを使用
し、両者を等温で酵素不在の条件下で反応させることに
より二本鎖の巨視的な自己集合体を形成させ、形成され
た巨視的な自己集合体を目視により検出するものであ
る。なお、目視による検出とは、肉眼による検出を意味
するものである。使用するプローブの本数は、特に限定
されないが、102〜101 5本の範囲で用いられる。反
応緩衝液の組成、濃度は特に限定されず、核酸増幅に常
用される通常の緩衝液が好適に使用できる。pHも常用
の範囲で好適であり、好ましくはpH7.0〜pH9.
0の範囲のものが使用できる。これら条件は特に限定さ
れない。巨視的な自己集合体を形成させるためのオリゴ
ヌクレオチドの濃度は、100pmol〜100μmo
l、好ましくは1nmol〜1μmolの範囲で使用す
る。
【0024】HCPをさらに具体的な例でいえば、一本
のプローブの中でお互いに相補的な部分の長さ(塩基の
数)は、同一であっても異なってもよく特に限定されな
い。
【0025】図1は、相補的な領域が3箇所からなる一
対のHCP(No.1プローブ及びNo.2プローブ)
より形成された巨視的な自己集合体の検出方法の一例を
示す模式図である。同図において、No.1プローブ
は、X1領域、X2領域及びX3領域を有し、No.2プ
ローブは、X'1領域、X'2領域及びX'3領域を有してい
る[図1(a)]。このNo.1プローブとNo.2プ
ローブは、両者をハイブリダイゼーションさせたとき、
1領域はX'1領域とだけ結合し、X2領域はX'2領域と
だけ結合し、X3領域はX'3領域とだけ結合するような
構成とされており、3つの結合パターンで一対のプロー
ブが互い違いにハイブリダイゼーションする。[図1
(b)]。
【0026】3つの結合パターンで互い違いにハイブリ
ダイゼーションした一対のHCPの複数対は、図1
(c)に模式的な一例を示したように、PALSAR法
の原理に従い、オリゴヌクレオチドの自己集合により、
二本鎖の巨視的な自己集合体を形成させることができ
る。
【0027】図2はお互いに相補的な部分が4カ所の数
から構成される一対のHCPの一例を示す模式図であ
る。同図において、No.3プローブは、X1領域、X2
領域、X3領域及びX4領域を有し、No.4プローブ
は、X'1領域、X'2領域、X'3領域及びX'4領域を有し
ている。このNo.3プローブとNo.4プローブは、
両者をハイブリダイゼーションさせたとき、X1領域は
X'1領域とだけ結合し、X2領域はX'2領域とだけ結合
し、X3領域はX'3領域とだけ結合し、X4領域はX'4
域とだけ結合するような構成とされており、4つの結合
パターンで一対のプローブが互い違いにハイブリダイゼ
ーションする。
【0028】4つの結合パターンで互い違いにハイブリ
ダイゼーションした一対のHCPの複数対は、図3に模
式的な一例を示したように、PALSAR法の原理に従
い、オリゴヌクレオチドの自己集合により、二本鎖の巨
視的な自己集合体を形成させることができる。
【0029】図4はお互いに相補的な部分が5カ所の数
から構成される一対のHCPの一例を示す模式図であ
る。同図において、No.5ローブは、X1領域、X2
域、X 3領域、X4領域及びX5領域を有し、No.6プ
ローブは、X'1領域、X'2領域、X'3領域、X'4領域及
びX'5領域を有している。このNo.5プローブとN
o.6プローブは、両者をハイブリダイゼーションさせ
たとき、X1領域はX'1領域とだけ結合し、X2領域は
X'2領域とだけ結合し、X3領域はX'3領域とだけ結合
し、X4領域はX'4領域とだけ結合し、X5領域はX'5
域とだけ結合するような構成とされており、5つの結合
パターンで一対のプローブが互い違いにハイブリダイゼ
ーションする。
【0030】5つの結合パターンで互い違いにハイブリ
ダイゼーションした一対のHCPの複数対は、図5に模
式的な一例を示したように、PALSAR法の原理に従
い、オリゴヌクレオチドの自己集合により、二本鎖の巨
視的な自己集合体を形成させることができる。
【0031】図1〜図5に示したように、一対のHCP
の相補的な部分が3ヵ所、4ヵ所及び5ヵ所の数から構
成される一対のプローブをハイブリダイゼーションさせ
る方法をもってすれば、理論的にはそれ以上の相補的塩
基配列領域を増すことが可能である。
【0032】図6はお互いに相補的な部分がnカ所(n
≧3)の数から構成される一対のHCPのさらに別の例
を示す模式図である。同図において、No.7プローブ
は、X1領域、X2領域、X3領域……Xn-1領域、Xn
域を有し、No.8プローブは、X'1領域、X'2領域、
X'3領域……X'n-1領域、X'n領域を有している。この
No.7プローブとNo.8プローブは、両者をハイブ
リダイゼーションさせたとき、X1領域はX'1領域とだ
け結合し、X2領域はX'2領域とだけ結合し、X 3領域は
X'3領域とだけ結合し、Xn-1領域はX'n-1とだけ結合
し、Xn領域はX' n領域とだけ結合するような構成とさ
れており、n個の結合パターンで一対のプローブが互い
違いにハイブリダイゼーションする。
【0033】n個の結合パターンで互い違いにハイブリ
ダイゼーションした一対のHCPの複数対は、PALS
AR法の原理に従い、オリゴヌクレオチドの自己集合に
より、二本鎖の巨視的な自己集合体を形成させることが
できる。
【0034】PALSAR法で使用する一対のプローブ
を、互い違いに交差してハイブリダイゼーションする時
の分岐点の塩基配列をG(グアニン)とC(シトシン)
の結合にすることにより、塩基の積み重ね(stacking o
f base)により塩基のπ電子の特殊な相互作用を生じさ
せ、より安定した二本鎖の巨視的な自己集合体を形成さ
せることができる。
【0035】図7に示したように、HCPの互い違いに
交差する円形で示した部分の結合をGとCにし、円形で
示した分岐点の結合を強固にすることによって、積み重
ね効果(stacking effect、スタッキング効果と称すこ
ともある)が増し、結果的にその分岐点にはさまれてい
る領域のハイブリダイゼーションが安定すると考えられ
る。
【0036】上記の相補的領域分岐点に配置されるCま
たはGの数は少なくとも1塩基であり、複数個であって
も差し支えない。各相補領域の塩基配列を考慮し適宜選
択することができる。複数個のCまたはGを配置させる
場合、C、Gの順序は特に限定されず自由に組み合わせ
ることができる。
【0037】上記PALSAR法の原理に従い形成され
る巨視的な自己集合体は、DNA又はオリゴヌクレオチ
ドの260nmにおける紫外部の吸収度の強度が減ずる
「ハイポクロミズム」という淡色効果を発現する特徴を有
する、塩基の積み重ねが規則的な高次構造をとるもので
ある。
【0038】巨視的な自己集合体を形成させるためのハ
イブリダイゼーションの反応温度は、HCPのTm値付
近の温度を用いることが好ましい。また、巨視的な自己
集合体を形成させるためのハイブリダイゼーションの反
応温度は、好ましくは、HCPのTm値の+5℃〜−4
0℃の範囲の反応温度であり、さらに好ましくは、Tm
値の−5℃〜−30℃の範囲の反応温度を用いる。
【0039】プローブのTm値は、「細胞工学別冊 バ
イオ実験イラストレイテッド(株)秀潤社(著者:中
山広樹)」に記載の方法に従い、以下の数式(I)にて
求めることができる。
【0040】
【数1】 Tm(℃)=81.5+16.6×log10[S] +0.41×(%GC)−(500/n) ・・・(I)
【0041】(上記数式(I)において、[S]は塩のモ
ル濃度(M)を、(%GC)はオリゴヌクレオチド中のGC
含量(%)を、nはオリゴヌクレオチドの長さ(bp)
をそれぞれ示す。)
【0042】上記形成された巨視的な自己集合体は、結
晶化されており、その形状の変化から検出することが可
能である。また、形成された巨視的な自己集合体の濁度
により目視検出が可能である。目視検出の方法は、特に
限定されないが、好ましくは、白色光等の光にかざし
て、その透過光によって確認するか、又は、白板あるい
は黒板等の前にて確認し、さらに好ましくは、遠心分離
にて、沈澱させて確認することが可能である。
【0043】上記形成された巨視的な自己集合体は、核
酸と結合する色素の添加により、変色による目視検出が
可能となる。本発明における変色とは、色の濃淡の変
化、色素の沈殿、粒子状の発色等、発色の変化を指すも
のである。
【0044】巨視的な自己集合体の目視検出の方法とし
ては、例えば、巨視的な自己集合体を形成させた反応チ
ューブ(例えば、0.2mLのPCR用チューブ、25
μlのスマートサイクラー用チューブ等)の中に核酸と
結合する色素を添加させることにより、巨視的な自己集
合体中の核酸に色素が結合し、変色により、特殊な機械
を用いずに目視で簡便に確認することができる。
【0045】また、アガロースゲルで電気泳動させなく
ても、アガロースゲル上に反応液を滴下するだけで、巨
視的な自己集合体に結合した色素の変色により、特殊な
機械を用いずに目視で容易に確認することができる。
【0046】用いられる色素は、核酸と結合されるもの
であれば、いかなるものでもよく、限定されないが、蛍
光を有するインターカレーターが好適である。
【0047】すなわち、例えば、巨視的な自己集合体を
形成させた反応チューブ(例えば、0.2mLのPCR
用チューブ、25μlのスマートサイクラー用チューブ
等)の中に核酸と結合する色素を添加させることによ
り、巨視的な自己集合体を形成している2重鎖の中にイ
ンターカレーターが挿入されるため、紫外線ランプを反
応チューブにあてることによりインターカレーターが蛍
光を発するため、特殊な機械を用いずに目視で簡便に確
認することができる。
【0048】また、アガロースゲルで電気泳動させなく
ても、アガロースゲル上に反応液を滴下するだけで、巨
視的な自己集合体に挿入されたインターカレーターが蛍
光を発するため、特殊な機械を用いずに目視で容易に確
認することができる。
【0049】核酸と結合する色素として、好適に用いら
れるものとしては、SYBR Green I stain、SYBR Green I
I stain、SYBR Green Gold stain、Vistra Green stai
n、Gelstar stain、Radlant Red stain、PicoGreen、Ri
boGreen、OllGreen、Hoechst33258(Bis-Benzimide)、Pr
opidium lodide、YO-PRO-1 lodide、YO-PRO-3 lodide
(以上、Molecular Probes社製)、臭化エチジウム、Di
stamycin A、TOTO、Psoralen、アクリニジウムオレンジ
(Acridine Orange)、AOAO (homodimer) 等がある。
【0050】また、使用する色素の濃度は、特に限定さ
れないが、1pg/ml〜100mg/mlの濃度が好
適であり、10ng/ml〜100μg/mlの濃度が
さらに好適である。
【0051】色素を挿入させる時間は、特に限定されな
いが、30秒以上置くことが好ましい。
【0052】色素を挿入における反応温度は、特に限定
されないが、0℃〜80℃が好適であり、さらに好適に
は15℃〜45℃であり、最も好適には常温(15℃〜
25℃)である。
【0053】色素の挿入時期は特に限定されず、巨視的
な自己集合体形成反応前でもよく、巨視的な自己集合体
形成後でもよい。
【0054】蛍光の確認に使用する紫外線ランプとして
は、長波長のブラックライト、またはトランスイルミネ
ーター等を用いることができる。
【0055】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明がこれらの実施例に限定されるものでないこ
とは勿論である。
【0056】以下に、使用したプローブの塩基配列を記
す。使用したプローブのTm値は83.3℃である(但
し、1領域のTm値を示すものである)。 [1]プローブ1(HCP−1) 5'-CTGAGACGCTAACTGCGTTC GACACCCTAT CAGGCAGTAC GTCC
TCACAGTTACAGCGAG-3' [2]プローブ2(HCP−2) 5'-GAACGCAGTTAGCGTCTCAG GTACTGCCTG ATAGGGTGTC CTCG
CTGTAACTGTGAGGAC-3' [3]プローブ3(パート−1) 5'-CTGAGACGCTAACTGCGTTC GACACCCTAT-3' [4]プローブ4(パート−2) 5'-CAGGCAGTAC GTCCTCACAGTTACAGCGAG-3' [5]プローブ5(パート−3) 5'-GAACGCAGTTAGCGTCTCAG GTACTGCCTG-3' [6]プローブ6(パート−4) 5'-ATAGGGTGTC CTCGCTGTAACTGTGAGGAC-3'
【0057】(材料) 1.互い違いにハイブリダイゼーションできる3つの領
域からなる相補的塩基配列をもった一対のプローブを、
以下、「HCP」とよぶ。用いたHCPは各60塩基
で、各々「HCP−1、HCP−2」とする[図8
(a)]。対照にはHCPと同じ配列のプローブを各々
の中間点で切断してできる計4本の30塩基のプローブ
を用い、以下、「4パーツ(4parts)」とよぶ。
4パーツは各30塩基で、各々「パート−1(part
−1)、パート−2(part−2)、パート−3(p
art−3)、パート−4(part−4)」とする
[図8(b)]。切断されたHCPは、連結されている
HCPとは異なり、巨視的な自己集合体は形成されな
い。これらのプローブは、それぞれ上記したTm値を有
し、HCP−1及びHCP−2のTm値の平均より、H
CPのTm値を、パート1〜パート4のTm値の平均よ
り4パーツのTm値をそれぞれ求めた。HCP、4パー
ツのTm値はそれぞれ83.3℃である。本実施例にお
いては、Tm値に対し17.3℃低い66℃をハイブリ
ダイゼーションにおいて用いる反応温度とした。 2.緩衝液として20×SSC(3M−NaCl,0.
3M−C657Na3・2H2O,pH 7.0)を用
いた。
【0058】(実施例1〜4及び比較例1〜4) 1.目的 巨視的な自己集合体形成に関するプローブ濃度と反応時
間について検討した。
【0059】2.方法 (1)反応液の調製 [実施例1〜4] 0.2mLチューブに、100pm
ol/μLに調製したHCP−1及びHCP−2をそれ
ぞれ、実施例1では各0.25μL、実施例2では各
0.5μL、実施例3では各1μL、及び実施例4では
各2μLずつ加え、20×SSCを12μL加えて、滅
菌蒸留水で20μLに調製した。すなわち、各反応液中
の一対のHCPの濃度は、それぞれ1.25nmol/
mL(実施例1)、2.5nmol/mL(実施例
2)、5nmol/mL(実施例3)、及び10nmo
l/mL(実施例4)である。これらを反応時間の検討
用にそれぞれ6本ずつ調製した。
【0060】[比較例1〜4] 対照の4パーツの場合
は、HCPと同じ量がチューブ内に含まれるように10
0pmol/μLに調製したパート1、パート2、パー
ト3及びパート4をそれぞれ、比較例1では各0.25
μL、比較例2では各0.5μL、比較例3では各1μ
L、及び比較例4では各2μLずつ加え、20×SSC
を12μL加えて、滅菌蒸留水で20μLとした。
【0061】(2)巨視的な自己集合体の形成反応 上記反応溶液を94℃にて30秒間処理した後、66℃
で0(on ice)、0.5、1、2、4、20時間反応さ
せ、15℃まで下げた。反応溶液は4℃で保存した。
【0062】(3)臭化エチジウムの添加 巨視的な自己集合体の目視による観察の為、反応後の溶
液を別の0.2mLチューブに3μLとり、臭化エチジ
ウムの1/1000希釈液(10μg/mL)3μLを
添加し(臭化エチジウム濃度:5μg/mL)、室温、
暗所で30分放置後、滅菌蒸留水50μLを添加して希
釈した(即ち、臭化エチジウムの最終濃度は、約0.5
μg/mLである)。
【0063】(4)チューブ内の液中における観察 滅菌蒸留水で希釈後、チューブごとトランスイルミネー
ター(UVP社製)上で302nmにて観察した。
【0064】3.結果図9に実施例1〜4及び比較例1
〜4の結果を示す。図9(a)〜(d)に示すように、
実施例1〜4のHCPでは、チューブ内に粒子状のもの
が目視により観察できた。これはHCPが巨視的な自己
集合体を形成し、その巨視的な自己集合体に臭化エチジ
ウムがインターカレートして蛍光を発しているためであ
る。また、巨視的な自己集合体は実施例2の場合は1〜
2時間[図9(b)]、実施例3の場合は0.5〜1時
間[図9(c)]の反応で確認でき、形成される巨視的
な自己集合体の量と大きさは、プローブ濃度および反応
時間に依存している。
【0065】一方、図9(e)〜(h)に示すように、
比較例1〜4の対照の4パーツは反応時間に関わらず粒
子状のものは観察されない。また、プローブ濃度をあげ
てもぼんやりと光る溶液全体の蛍光強度が強くなるだけ
で、いずれの反応時間においても目視で確認できる粒子
状の巨視的な自己集合体は観察されなかった。
【0066】よって、チューブ内の液中において、巨視
的な自己集合体の形成を目視により確認できることがわ
かった。
【0067】(実施例5〜7及び比較例5〜7) 1.目的 巨視的な自己集合体形成に関するプローブ濃度と反応時
間について検討した。
【0068】2.方法 (1)反応液の調製 [実施例5〜7]0.2mLチューブに100pmol
/μLに調製したHCP−1及びHCP−2をそれぞ
れ、実施例5では各0.5μL、実施例6では各1μ
L、及び実施例7では各2μLずつ加え、20×SSC
を12μL加えて、滅菌蒸留水で20μLに調製した。
すなわち、各反応液中の一対のHCPの濃度は、それぞ
れ2.5nmol/mL(実施例5)、5nmol/m
L(実施例6)、及び10nmol/mL(実施例7)
である。これらを反応時間の検討用にそれぞれ6本ずつ
調製した。
【0069】[比較例5〜7]対照の4パーツの場合
は、HCPと同じ量がチューブ内に含まれるように10
0pmol/μLに調製したパート1、パート2、パー
ト3及びパート4をそれぞれ、比較例5では各0.5μ
L、比較例6では各1μL、及び比較例7では各2μL
ずつ加え、20×SSCを12μL加えて、滅菌蒸留水
で20μLとした。
【0070】(2)巨視的な自己集合体の形成反応 上記反応溶液を94℃にて30秒間処理した後、66℃
で0(on ice)、0.5、1、2、4、20時間反応さ
せ、15℃まで下げた。反応溶液は4℃で保存した。
【0071】(3)臭化エチジウムの添加 実施例1〜4及び比較例1〜4と同様の手順及び条件に
より、巨視的な自己集合体の形成反応後の反応溶液に対
し、臭化エチジウムを添加した。
【0072】(4)アガロースゲル上における観察 この反応溶液を静置後、チューブの底部から8μLをと
り1%(ヌーシブ3:1)アガロースゲル(宝酒造社
製)上に滴下して、トランスイルミネーター(UVP社
製)上で302nmにて観察した。
【0073】3.結果 図10に実施例5〜7及び比較例5〜7の結果を示す。
図10(a)〜(c)に示すように、実施例5〜7のH
CPでは、アガロースゲル上に粒子状のものが目視によ
り観察できた。これはHCPが巨視的な自己集合体を形
成し、その巨視的な自己集合体に臭化エチジウムがイン
ターカレートして蛍光を発しているためである。また、
巨視的な自己集合体は実施例5の場合は1〜2時間、実
施例6の場合は0.5〜1時間の反応で確認でき、形成
される巨視的な自己集合体の量と大きさは、プローブ濃
度および反応時間に依存している。
【0074】一方、図10(d)〜(f)に示すよう
に、比較例5〜7の対照の4パーツは反応時間に関わら
ず粒子状のものは観察されない。また、プローブ濃度を
あげてもぼんやりと光る溶液全体の蛍光強度が強くなる
だけで、いずれの反応時間においても目視で確認できる
粒子状の巨視的な自己集合体は観察されなかった。
【0075】よって、反応液を滴下したアガロースゲル
上において、巨視的な自己集合体の形成を目視により確
認できることがわかった。
【0076】(実施例8〜9及び比較例8〜9) 1.目的 巨視的な自己集合体形成に関する反応温度と反応時間に
ついて検討した。ハイブリダイゼーションの反応温度と
して、66℃(Tm値−17.3℃)と56℃(Tm値
−27.3℃)を用いた。
【0077】2.方法 (1)反応液の調製 [実施例8及び9]0.2mLチューブに100pmo
l/μLに調製したHCP−1及びHCP−2をそれぞ
れ1.5μL、20×SSCを36μL加え、滅菌蒸留
水で60μLに調製した。すなわち、各反応液中の一対
のHCPの濃度は、2.5nmol/mLである。これ
らを反応温度と反応時間の検討用にそれぞれ14本ずつ
調製した。
【0078】[比較例8及び9]対照の4パーツの場合
は、HCPと同じ量がチューブ内に含まれるように10
0pmol/μLに調製したパート1、パート2、パー
ト3及びパート4をそれぞれ1.5μL加え、20×S
SCを36μL加え、滅菌蒸留水で60μLとした。
【0079】(2)巨視的な自己集合体の形成反応 上記反応溶液を94℃にて30秒間処理した後、66℃
(実施例8及び比較例8)もしくは56℃(実施例9及
び比較例9)で0(on ice)、0.5、1、2、4、1
6、20時間反応させ、15℃まで下げた。反応溶液は
4℃で保存した。
【0080】(3)アガロースゲル電気泳動法による検
出 この反応溶液8μLを、0.5%(ヌーシブ3:1)ア
ガロースゲル(宝酒造社製)を用いて、100V、30
分間の電気泳動を行った。電気泳動後、ゲルを臭化エチ
ジウムで染色した。
【0081】3.結果 図11に実施例8及び比較例8の結果を示し、図12に
実施例9及び比較例9の結果を示す。図11に示される
ように、66℃反応における0.5%アガロースゲル電
気泳動による検出では、実施例8のHCPの方はウェル
にとどまる大きさの巨視的な自己集合体が形成されてお
り、0.5時間反応においてもすでに形成が開始されて
いる。また、アガロースゲルの下流まで泳動される、巨
視的な自己集合体を形成しなかった未反応のプローブの
残量から、反応時間に依存してより多くの巨視的な自己
集合体が形成されていることが確認できる。比較例8の
対照の4パーツではいずれもアガロースゲルの下流まで
泳動されており、反応時間に関わらず巨視的な自己集合
体が形成されていないことがわかる。
【0082】一方、図12に示されるように、56℃反
応における0.5%アガロースゲル電気泳動による検出
では、実施例9のHCPの方は4時間反応でウェルにと
どまる大きさの巨視的な自己集合体が形成された。比較
例9の対照の4パーツでは66℃反応と同様、反応時間
に関わらずアガロースゲルの下部まで反応物が泳動さ
れ、巨視的な自己集合体が形成されていないことがわか
る。
【0083】(実施例10〜11及び比較例10〜1
1) 1.目的 巨視的な自己集合体形成に関する反応温度と反応時間に
ついて検討した。
【0084】2.方法 (1)巨視的な自己集合体の形成反応 実施例10は実施例8(HCP・66℃)、実施例11
は実施例9(HCP・56℃)、比較例10は比較例8
(4パーツ・66℃)、及び比較例11は比較例9(4
パーツ・56℃)と、それぞれ同様の手順及び条件によ
り巨視的な自己集合体の形成反応を行った。
【0085】(2)臭化エチジウムの添加 実施例1〜4及び比較例1〜4と同様の手順及び条件に
より、巨視的な自己集合体の形成反応後の反応溶液に対
し、臭化エチジウムを添加した。
【0086】(3)アガロースゲル上における観察 実施例5〜7及び比較例5〜7と同様の手順及び条件に
より、臭化エチジウム添加後の反応液に対し、アガロー
スゲル上における観察を行った。
【0087】3.結果 図13に実施例10〜11及び比較例10〜11の結果
を示す。図13(a)に示すように、実施例10のHC
Pでは、66℃の反応において、アガロースゲル上に粒
子状のものが目視により観察できた。これはHCPが巨
視的な自己集合体を形成し、その巨視的な自己集合体に
臭化エチジウムがインターカレートして蛍光を発してい
るためである。また、巨視的な自己集合体は1〜2時間
の反応で確認でき、形成される巨視的な自己集合体の量
と大きさは反応時間に依存している。
【0088】図13(b)に示すように、比較例10の
対照の4パーツは反応時間に関わらず粒子状のものは観
察されない。また、プローブ濃度をあげてもぼんやりと
光る溶液全体の蛍光強度が強くなるだけで、いずれの反
応時間においても目視で確認できる粒子状の巨視的な自
己集合体は観察されなかった。
【0089】一方、56℃反応において、HCP(実施
例11)および対照(比較例11)のいずれも臭化エチ
ジウムがインターカレートして光る粒子状の巨視的な自
己集合体が目視により確認できなかった[図13(c)
(d)]。これにより、図12に示された、実施例9の
0.5%アガロースゲル電気泳動でウェル付近までのび
ているバンドは、66℃反応において確認できる巨視的
な自己集合体とは違うものが形成されていることがわか
る。
【0090】よって、反応液を滴下したアガロースゲル
上において、反応時間に依存して量と大きさが増大する
巨視的な自己集合体の形成を目視により確認することが
できること、及び巨視的な自己集合体の形成には至適な
反応温度が関与していることがわかった。
【0091】(実施例12及び比較例12) 1.目的 巨視的な自己集合体の蛍光顕微鏡による検出を行った。
【0092】2.方法 (1)反応液の調製 実施例8及び9と同様の手順及び条件により、反応液を
調製した。
【0093】(2)巨視的な自己集合体の形成反応 上記反応溶液を94℃にて30秒間処理した後、66℃
(実施例12)で0(on ice)、1、2、4、16、2
0時間、又は56℃(比較例12)で0(on ice)、
4、16、20時間反応させ、15℃まで下げた。反応
溶液は4℃で保存した。
【0094】(3)臭化エチジウムの添加 実施例1〜4及び比較例1〜4と同様の手順及び条件に
より、巨視的な自己集合体の形成反応後の反応溶液に対
し、臭化エチジウムを添加した。
【0095】(4)蛍光顕微鏡による検出 蛍光顕微鏡の観察では、希釈した溶液中の巨視的な自己
集合体を集める目的で0.2mLチューブをスピンダウ
ンした後、チューブの下部から5μLをとりスライドガ
ラス上に滴下する。カバーグラスをかけて、200倍率
で観察した。
【0096】3.結果 図14、図15に実施例12の結果を示し、図16に比
較例12の結果を示す。蛍光顕微鏡の観察では、HCP
を用いた反応では、未反応の状態(0時間)では光る粒
子状の巨視的な自己集合体は観察されないが、実施例1
2の66℃反応において、臭化エチジウムがインターカ
レートして光る粒子状の巨視的な自己集合体が確認さ
れ、反応時間に依存して巨視的な自己集合体の大きさが
増大することが目視により確認できた。一方、比較例1
2の56℃反応においては長時間反応させても、小さい
粒子しか観察されず、66℃反応において確認できる巨
視的な自己集合体とは違うものが形成されていることが
わかる。
【0097】よって、蛍光顕微鏡の観察において、反応
時間に依存して大きさが増大する巨視的な自己集合体の
形成を目視により確認することができること、及び巨視
的な自己集合体の形成には至適な反応温度が関与してい
ることがわかった。
【0098】(実施例13及び比較例13) 1.目的 マイクロプレート内における巨視的な自己集合体の観察
を行った。
【0099】2.方法 (1)反応液の調製 [実施例13]0.2mLチューブに、100pmol
/μLに調製したHCP−1及びHCP−2をそれぞれ
0.5μL、20×SSCを12μL加え、滅菌蒸留水
で20μLに調製した。すなわち、各反応液中の一対の
HCPの濃度は、2.5nmol/mLである。
【0100】[比較例13]対照の4パーツの場合は、
HCPと同じ量がチューブ内に含まれるように100p
mol/μLに調製したパート1、パート2、パート3
及びパート4をそれぞれ0.5μL、20×SSCを1
2μL加え、滅菌蒸留水で20μLとした。
【0101】(2)巨視的な自己集合体の形成反応 上記反応溶液を94℃にて30秒間処理した後、66℃
で20時間反応させ、15℃まで下げた。反応溶液は4
℃で保存した。
【0102】(3)マイクロプレート内における観察 マイクロプレート内における検出においては、臭化エチ
ジウムを1/1000希釈(10μg/mL)または1
/10000希釈(1μg/mL)し、96ウェルマイ
クロプレート内に予め40μLを分注し、その中にHC
P、もしくは対照の4パーツの反応溶液を66℃で20
時間反応した溶液を10μL滴下した。(この時点で臭
化エチジウムは各々、1/1250希釈(8μg/m
L)および1/12500希釈(0.8μg/mL)さ
れていることになる。)
【0103】そして、ただちにトランスイルミネーター
(UVP社製)上で302nmにて観察した。
【0104】3.結果 図17に実施例13及び比較例13の結果を示す。実施
例13のHCPでは、臭化エチジウムが1/1250希
釈および1/12500希釈のいずれにおいてもマイク
ロプレートウェル内の溶液中に粒子状のものが観察でき
た。これはHCPが巨視的な自己集合体を形成し、その
巨視的な自己集合体に臭化エチジウムがインターカレー
トして蛍光を発しているためである。
【0105】一方、比較例13の対照の4パーツは粒子
状のものは観察されず、また、臭化エチジウムの濃度が
高い場合でもぼんやりと光る溶液全体の蛍光強度が強く
なるだけで、いずれの希釈濃度においても目視で確認で
きる粒子状の巨視的な自己集合体は観察されなかった。
【0106】よって、マイクロプレート内の液中におい
て、巨視的な自己集合体の形成を目視により確認できる
ことがわかった。
【0107】(実施例14及び比較例14〜16) 1.目的 紫外部吸収による巨視的な自己集合体検出を行った。
【0108】2.方法 (1)巨視的な自己集合体形成反応 実施例14は実施例8(HCP・66℃)、比較例14
は比較例8(4パーツ・66℃)、比較例15は実施例
9(HCP・56℃)、及び比較例16は比較例9(4
パーツ・56℃)と、それぞれ同様の手順及び条件によ
り巨視的な自己集合体の形成反応を行った。
【0109】(2)紫外部吸収による検出 紫外部吸収による検出においては、反応溶液を分光光度
計(ウルトラスペック3000、ファルマシアバイオテ
ク製)で紫外部吸収により260nm付近のピークを測
定した。
【0110】3.結果 図18に実施例14及び比較例14〜16の結果を示
す。分光光度計による測定では、66℃反応において、
実施例14のHCPの方は反応時間に依存して吸光度が
下がることが確認された。これは、塩基の積み重ねが規
則的な高次構造をとることにより、DNA、またはオリ
ゴヌクレオチドの260nmにおける紫外部の吸収帯の
強度が減ずる「ハイポクロミズム」という淡色効果の発
現によるものであり、規則的な高次構造の巨視的な自己
集合体が形成されていることがわかる。比較例14の対
照の方は反応時間を延長しても吸光度に変化はなく、淡
色効果はみられない。
【0111】一方、56℃反応においては、HCP(比
較例15)と対照(比較例16)のいずれにおいても反
応時間による吸光度の変化はみられない。
【0112】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の巨視的な自己
集合体の検出方法により、特殊な機械や煩雑な操作を用
いずに、簡便にPALSAR法により形成された自己集
合体を目視により確認することができる。さらには、巨
視的な自己集合体形成の有無により、遺伝子検査におけ
る検出の有用性が考えられる。
【0113】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Sanko Junyaku Co., Ltd. <120> Process For Detecting Macroscopic Self-Assembled Oligonucleotides And Forming Thereof <130> 76160-P <160> 6 <210> 1 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: probe 1 <400> 1 ctgagacgct aactgcgttc gacaccctat caggcagtac gtcctcacag ttacagcgag 60 <210> 2 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: probe 2 <400> 2 gaacgcagtt agcgtctcag gtactgcctg atagggtgtc ctcgctgtaa ctgtgaggac 60 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: probe 3 <400> 3 ctgagacgct aactgcgttc gacaccctat 30 <210> 4 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: probe 4 <400> 4 caggcagtac gtcctcacag ttacagcgag 30 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: probe 5 <400> 5 gaacgcagtt agcgtctcag gtactgcctg 30 <210> 6 <211> 45 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: probe 6 <400> 6atagggtgtc ctcgctgtaa ctgtgaggac 30
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一対のHCPにより形成された巨視
的な自己集合体を目視により検出する方法を示した模式
図であり、お互いに相補的な部分がnカ所(n=3)か
らなる一対のプローブ(a)の複数対を用いて、プロー
ブが互い違いに交差するようにハイブリダイゼーション
させることにより(b)、オリゴヌクレオチドが自己集
合し、二本鎖の巨視的な自己集合体を形成させ(c)、
濁度により、もしくは核酸と結合する色素を添加させ変
色により、目視で巨視的な自己集合体を検出することが
できることを示した図面である。
【図2】 n=4の場合の一対のHCPの結合様態の一
例を示す模式図である。
【図3】 n=4の場合の一対のDNAプローブが互い
違いにハイブリダイゼーションした場合にできる巨視的
な自己集合体の形成の一例を示す模式図である。
【図4】 n=5の場合の一対のHCPの結合様態の一
例を示す模式図である。
【図5】 n=5の場合の一対のDNAプローブが互い
違いにハイブリダイゼーションした場合にできる巨視的
な自己集合体の形成の一例を示す模式図である。
【図6】 相補的な部分がnカ所の場合の一対のDNA
プローブの結合態様の一例を示す模式図である。
【図7】 スタッキング効果による巨視的な自己集合体
の形成の安定化の原理を示す模式図である。
【図8】 実施例及び比較例において用いたプローブに
よる巨視的な自己集合体の形成を示す図であり、(a)
はHCP、(b)は4パーツの場合をそれぞれ示す。
【図9】 実施例1〜4及び比較例1〜4の結果を示す
写真であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2、
(c)は実施例3、(d)は実施例4、(e)は比較例
1、(f)は比較例2、(g)は比較例3、及び(h)
は比較例4の結果を示す写真である。
【図10】 実施例5〜7及び比較例5〜7の結果を示
す写真であり、それぞれ(a)は実施例5、(b)は実
施例6、(c)は実施例7、(d)は比較例5、(e)
は比較例6、及び(f)は比較例7の結果を示す写真で
ある。
【図11】 実施例8及び比較例8の結果を示す写真で
ある。
【図12】 実施例9及び比較例9の結果を示す写真で
ある。
【図13】 実施例10、11、比較例10及び11の
結果を示す写真であり、(a)は実施例10、(b)は
比較例10、(c)は実施例11及び(d)は比較例1
1の結果を示す写真である。
【図14】 実施例12の結果を示す写真であり、
(a)は66℃/0時間、(b)は66℃/0時間(可
視光)、(c)は66℃/1時間、(d)は66℃/2
時間、の場合の蛍光顕微鏡による巨視的な自己集合体の
検出の結果を示す写真である。
【図15】 実施例12の結果を示す写真であり、
(e)は66℃/4時間、(f)は66℃/4時間(可
視光)、(g)は66℃/16時間、(h)は66℃/
20時間、の場合の蛍光顕微鏡による巨視的な自己集合
体の検出の結果を示す写真である。
【図16】 比較例12の結果を示す写真である。
【図17】 実施例13及び比較例13の結果を示す写
真である。
【図18】 実施例14及び比較例14〜16の結果を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三塚 真理 千葉県柏市明原1−6−2−201 Fターム(参考) 4B024 AA20 CA04 CA09 EA04 HA19 4B063 QA01 QA12 QA13 QQ43 QR32 QR55 QS34

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 お互いに相補的な部分がn(n≧3)カ
    所の数から構成される一対のプローブの複数対を用い
    て、互い違いに交差するようにハイブリダイゼーション
    させることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、
    二本鎖の巨視的な自己集合体を形成させ、この巨視的な
    自己集合体を目視で検出することを特徴とする巨視的な
    自己集合体の検出方法。
  2. 【請求項2】 前記形成された巨視的な自己集合体を、
    濁度により検出することを特徴とする請求項1記載の巨
    視的な自己集合体の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記形成された巨視的な自己集合体を、
    核酸と結合する色素を添加させ、変色により検出するこ
    とを特徴とする請求項1記載の巨視的な自己集合体の検
    出方法。
  4. 【請求項4】 前記一対のプローブの構成は、1対1で
    ハイブリダイゼーションする時に必ずn(n≧3)カ所
    の相補的な部分の中で、1カ所ずつが特異的にハイブリ
    ダイゼーションするように構成されることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の巨視的な自己集合
    体の検出方法。
  5. 【請求項5】 前記プローブの相補的塩基配列領域の分
    岐点に、少なくとも1つのG(グアニン)またはC(シ
    トシン)を配置させ、プローブがハイブリダイズした際
    に少なくとも1つのC−G結合を相補的塩基配列領域の
    端部に形成させることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の巨視的な自己集合体の検出方法。
  6. 【請求項6】 前記ハイブリダイゼーションの反応温度
    を、前記プローブのTm値付近とすることを特徴とする
    請求項項1〜5のいずれか1項に記載の巨視的な自己集
    合体の検出方法。
  7. 【請求項7】 前記ハイブリダイゼーションの反応温度
    を、前記プローブのTm値に対し+5℃〜−40℃の範
    囲とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の巨視的な自己集合体の検出方法。
  8. 【請求項8】 前記核酸と結合する色素が、蛍光を有す
    るインターカレーターであることを特徴とする請求項3
    〜7のいずれか1項に記載の巨視的な自己集合体の検出
    方法。
  9. 【請求項9】 お互いに相補的な部分がn(n≧3)カ
    所の数から構成される一対のプローブの複数対を用い
    て、プローブのTm値付近の反応温度にて、互い違いに
    交差するようにハイブリダイゼーションさせることによ
    り、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の巨視的
    な自己集合体を形成させることを特徴とする巨視的な自
    己集合体の形成方法。
  10. 【請求項10】 お互いに相補的な部分がn(n≧3)
    カ所の数から構成される一対のプローブの複数対を用い
    て、プローブのTm値に対し+5℃〜−40℃の範囲の
    反応温度にて、互い違いに交差するようにハイブリダイ
    ゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自
    己集合し、二本鎖の巨視的な自己集合体を形成させるこ
    とを特徴とする巨視的な自己集合体の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記巨視的な自己集合体が、濁度によ
    り、目視で検出可能であることを特徴とする請求項9又
    は10記載の巨視的な自己集合体の形成方法。
  12. 【請求項12】 核酸と結合する色素を添加させ、変色
    により、目視で検出可能な巨視的な自己集合体を形成す
    ることを特徴とする請求項9又は10記載の巨視的な自
    己集合体の形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれか1項に記載
    の方法で形成された巨視的な自己集合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004072302A1 (ja) * 2003-02-14 2004-08-26 Eisai Co., Ltd. 発現遺伝子検出のためのシグナル増幅方法
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