JP2003061392A - 電動車制御装置 - Google Patents
電動車制御装置Info
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Abstract
流検出を安価で精度良く行うことのできる電流検出方式
を備えた電動車制御装置を提供すること。 【解決手段】 回転指令信号、起動スイッチ信号、正、
逆転信号などの外部信号をもらってモータを駆動させる
モータ制御装置において、モータに流れる電機子電流及
び界磁電流の検出手段として、電機子チョッパ及び界磁
チョッパに用いているパワーMOSFETのON期間の
ドレイン−ソース間電圧を検出する手段、チョッパのP
WMに同期させて検出する手段、検出した電圧を増幅す
る手段、パワーMOSFETの温度上昇を検出する手
段、パワーMOSFETのオン抵抗の温度による変化を
補正する手段により、パワーMOSFETの電流を検出
し、等価的にモータの電機子電流及び界磁電流を検出す
るようにする。
Description
係り、特に直流電動機の制御装置に関する。
平3−48752号公報に記載されるように、電流検出
については設定した最大値が検出された場合のみフィー
ドバックして最大値となるよう制限を行っている。そし
て、電流検出値の温度変化に対する補償は、ダイオード
のオン電圧の温度変化を用いて、パワーMOSFETの
オン電圧変動の補償を行っている。
しては、特開平6−54591号公報に記載されるよう
に、モータに流れる電流を、モータに直列に接続した抵
抗器の電圧降下によって検出する方法が知られている。
MOSFETのオン電圧による電流検出法によると、パ
ワーMOSFETのオン抵抗は、周囲温度の変化によっ
て1〜2倍も大きく変わる。したがって、パワーMOS
FETのオン抵抗の温度変化に合わせて、温度係数が異
なり、しかも、変化値が小さいダイオードで温度補償を
することは難しいため、従来の電流検出法では精度良く
電流検出を行うことができないという問題があった。
電圧を検出する方法は、PWMのデューティが常に変化
するために不安定であり、PWM同期型検出法を用いな
いと難しい。また、上記従来技術の電流検出において
は、検出用抵抗にモータ電流が直接流れるために損失が
増加し、制御装置としての効率が低下する。
アを用いて磁界の変化を検出する磁気抵抗素子などを用
いる方法もあるが、価格が高価であり、取り付け場所等
も制限される等の問題がある。
に制御するための電流検出を安価で精度良く行うことの
できる電流検出方式を備えた電動車制御装置を提供する
ことを目的とする。
請求項1に記載の電動車制御装置は、回転指令信号、起
動スイッチ信号、正、逆転信号などの外部信号をもらっ
てモータを駆動させるモータ制御装置において、モータ
に流れる電機子電流及び界磁電流の検出手段として、電
機子チョッパ及び界磁チョッパに用いているパワーMO
SFETのON期間のドレイン−ソース間電圧を検出す
る手段、チョッパのPWMに同期させて検出する手段、
検出した電圧を増幅する手段、パワーMOSFETの温
度上昇を検出する手段、パワーMOSFETのオン抵抗
の温度による変化を補正する手段により、パワーMOS
FETの電流を検出し、等価的にモータの電機子電流及
び界磁電流を検出するようにしたものである。このよう
に構成することにより請求項1に記載の発明によると、
電動機の電流を所望の値に制御するための電流検出を安
価で精度良く行うことができる電動車制御装置を提供す
ることができる。
電動車制御装置は、電機子電流検出回路を、電機子チョ
ッパにハーフブリッジ方式を用い、上側アームのパワー
MOSFETの端子電圧を回生制動用電流検出に、下側
アームのパワーMOSFETの端子電圧を加速制御用電
流検出に用い、界磁電流検出回路を、界磁チョッパにH
ブリッジ方式を用い、下側アームの2個のパワーMOS
FET端子電圧を、それぞれ、正転用及び逆転用界磁電
流検出に用いて構成したものである。このように構成す
ることにより請求項2に記載の発明によると、電動機の
電流を所望の値に制御するための電流検出を安価で精度
良く行うことができる電動車制御装置を提供することが
できる。
電動車制御装置は、界磁電流検出回路及び電機子チョッ
パの走行用電機子電流検出回路に、パワーMOSFET
の端子電圧を検出して増幅する増幅手段と、界磁PWM
の出力を分周するカウンタと、チョッパのターンオフ、
ターンオン遅れによる検出不能領域の発生防止のために
PWMの出力の立上がり立下りを遅延させる遅延回路
と、界磁PWMの出力を分周したカウンタの出力と界磁
PWMの出力を遅延させた遅延回路の出力との論理積を
とる論理積回路とを、パワーMOSFETの端子電圧を
検出して増幅する増幅手段の入力抵抗部に、パワーMO
SFETがOFFし端子電圧が高い期間(バッテリ電圧
Vbの状態)では検出をマスクするマスク信号発生手段
を、パワーMOSFETの端子電圧を検出して増幅する
増幅手段の出力に、論理回路の出力をトリガ信号として
増幅手段の出力をサンプルしてホールドするサンプルホ
ールド手段と、界磁PWMの出力を分周するカウンタ出
力の立ち下がりに同期させマイコンのA/D変換器の外
部トリガ信号(ADTREG)に入力する手段とを設
け、サンプルホールド手段の出力を、トリガ信号に同期
させて界磁チョッパオフ直前の界磁電流をA/D変換機
を介してマイコンに検出値を取り込むようにしたもので
ある。このように構成することにより請求項3に記載の
発明によると、電動機の電流を所望の値に制御するため
の電流検出を安価で精度良く行うことができる電動車制
御装置を提供することができる。
電動車制御装置は、電機子チョッパの回生制動用電流検
出回路に、パワーMOSFETの端子電圧を検出して増
幅する第一の増幅手段と、第一増幅手段の出力を増幅す
る第二の増幅手段と、第一増幅手段と第二の増幅手段と
にバイアスをかけるバイアス回路手段と、電機子PWM
の出力の立上がり、立下りを遅延させる遅延回路とを設
け、第二の増幅手段の入力抵抗部に、パワーMOSFE
TがOFFし端子電圧が高い期間(バッテリ電圧Vbの
状態)では検出をマスクするマスク信号発生手段を設け
ると共に、第二増幅手段の出力に、論理回路の出力をト
リガ信号として増幅手段の出力をサンプルしてホールド
するサンプルホールド手段と、界磁PWMの出力を分周
するカウンタ出力の立ち下がりに同期させマイコンのA
/D変換器の外部トリガ信号(ADTREG)に入力す
る手段とを設け、サンプルホールド手段の出力を、トリ
ガ信号に同期させて電機子チョッパオフ直前の電機子電
流をA/D変換機を介してマイコンに検出値を取り込む
ようにしたものである。このように構成することにより
請求項4に記載の発明によると、電動機の電流を所望の
値に制御するための電流検出を安価で精度良く行うこと
ができる電動車制御装置を提供することができる。
電動車制御装置は、電機子電流検出手段及び界磁電流検
出手段の出力を、界磁PWMと電機子PWMのOFFタ
イミングを同期させ、それぞれ、界磁電流及び電機子電
流OFF直前の電流値をサンプルホールドし、A/D変
換器でマイコンに取り込み、該マイコンで演算処理され
る温度補正手段と、オフセット補正手段とを用いて、温
度補正及びオフセット補正を行い、パワーMOSFET
のオン電圧より電機子電流、界磁電流を検出するように
したものである。このように構成することにより請求項
5に記載の発明によると、電動機の電流を所望の値に制
御するための電流検出を安価で精度良く行うことができ
る電動車制御装置を提供することができる。
電動車制御装置は、温度補正手段は、温度変化によるパ
ワーMOSFETのオン抵抗変化の関数の逆関数となる
値をマイコンのメモリにデータテーブルとして保有し、
温度変化に応じて補正演算を行うようにしたものであ
る。このように構成することにより請求項6に記載の発
明によると、電動機の電流を所望の値に制御するための
電流検出を安価で精度良く行うことができる電動車制御
装置を提供することができる。
電動車制御装置は、パワーMOSFETのHブリッジで
構成されるチョッパ装置の各パワーMOSFETのドレ
イン−ソース間電圧より各素子の電流を検出するように
したものである。このように構成することにより請求項
7に記載の発明によると、電動機の電流を所望の値に制
御するための電流検出を安価で精度良く行うことができ
る電動車制御装置を提供することができる。
ついて説明する。図1には、電動車制御装置の構成が示
されている。図において、制御装置1は、マイコン10
1、走行、回生用電機子電流検出回路143、144、
と正転、逆転用界磁電流検出回路162、163及び電
機子チョッパ12、界磁チョッパ13、ドライバ10
2、103等で構成されている。また、電機子チョッパ
12は、ハーフブリッジ方式と称され、下側アームのパ
ワーMOSFET M1を加速用チョッパに、上側アー
ムのパワーMOSFETM2を回生制動用チョッパにそ
れぞれ用いている。
式と称されるもので、パワーMOSFET M4正転用
チョッパにパワーMOSFETM6を逆転用チョッパ
に、そして、正・逆転切替え用のパワーMOSFET
M5及びM3で構成させている。そして、電機子チョッ
パの出力端子は、+Vbと−Vbが、バッテリのプラス
とマイナス端子へ、また、−Mはモータのマイナス端子
へそれぞれ接続される。一方、界磁チョッパの出力は+
Fと−Fが界磁巻線へ、+Vbと−Vbへ接続される。
する。回転指令信号や起動スイッチ、正・逆転信号等が
マイコン101のA/DやD/Iを介して取り込まれる
と後述する電流制御演算を実行し、電機子チョッパ用の
PWM出力PWM1、PWM2及び界磁用チョッパのP
WM出力FPWM1、FPWM2をマイコンより出力す
る。電機子チョッパ12と界磁チョッパは、これらのP
WM出力に応じてドライバ102、103を介して駆動
される。また、チョッパに流れる電流検出は、パワーM
OSFETのドレン−ソース間電圧で検出する。すなわ
ち、加速時電機子チョッパ電流は下側アームのパワーM
OSFET M1のドレン−ソース間電圧で、回生制動
時の電機子チョッパ電流は上側アームのパワーMOSF
ET M2のドレン−ソース間電圧を電機子電流検出回
路143、144へ入力する。そして、電機子電流検出
回路143、144の出力をマイコン101のA/D変
換器へ入力する。その場合のA/D変換器による電流検
出は、タイミングをとってA/D変換を行っている。す
なわち、界磁PWMの出力パルスFPWM1をA/D変
換器の外部割込み端子ADTRGへ入力し、パルスの立
下りに同期させてA/Dを起動し、電流を検出する。
磁電流を、パワーMOSFET M4の逆転側の界磁電
流を、パワーMOSFET M6のドレン−ソース間電
圧を界磁電流検出回路162、163へ入力し界磁PW
Mに同期させてそれぞれ検出する。尚、電流検出の詳細
については後述する。
界磁チョッパの主回路構成とその動作について図2、3
を用いて説明する。図2(a)は、電機子チョッパの主
回路構成を示す。この電機子チョッパの主回路構成は、
図1での説明のものと同一であり、詳細説明は省略す
る。この主回路の動作は、次の通りである。まず、図2
(a)のドライバ102の入力に図2(b)に示す入力
パルスが与えられると、例えば、加速の場合には、上側
アームのパワーMOSFET M2がOFF状態とな
り、下側アームのパワーMOSFET M1がON、O
FFのPWM動作をする。この加速モードにより電機子
2aに電流を流しモータを回転させる。その場合には、
当然のことながら界磁巻線2bには次の図3で示す方法
により界磁電流を流している。一方、回生制動時にはパ
ワーMOSFET M1がOFF状態となり、上側アー
ムのパワーMOSFET M2がON、OFFのPWM
動作となり回生モードとなる。同様に、図3(a)の界
磁チョッパ用ドライバ103の入力に図3(b)に示す
入力パルスが与えられると、例えば、モータを正転させ
る場合には、Hブリッジの上側アームのパワーMOSF
ET M5をONさせ、対角上の下側アームのパワーM
OSFET M4をON、OFFしPWM動作をさせて
界磁巻線2bに流れる電流を制御する。また、モータを
逆転させる場合には、Hブリッジ上側アームの逆側のパ
ワーMOSFET M3をONさせ、対角上の下側アー
ムのパワーMOSFET M4をON、OFFしPWM
動作をさせて界磁巻線2bに逆方向に電流を流し制御す
る。
ンを用いたソフトウエアで実現しており、その制御処理
内容を図4のフローチャートに示す。まず、ステップ1
00において、イニシャル値を設定し、ステップ101
において、キースイッチがONされているか、OFFさ
れているかの判定を行う。このステップ101において
キースイッチがOFFされていると判定すると、ステッ
プ102において、停止処理を行い、ステップ101へ
戻る動作を繰り返し待機状態となる。
チがONされていると判定すると、ステップ103にお
いて、サーミスタでパワーMOSFETの温度を検出す
る。このステップ103において温度検出を行うとステ
ップ104において、A/D変換器より電流の取り込み
を行う。すなわち、電機子の加速電流、回生制動電流や
界磁の正転電流、逆転電流をそれぞれ検出しマイコンの
RAMエリアに格納する。そして、このステップ104
において電流の取り込みを行うと、ステップ105にお
いて、加速か回生制動か運転モードの判定を行う。この
ステップ105において運転モードが加速であると判定
すると、ステップ106において、加速電機子電流の温
度補正演算を行う。すなわち、ステップ104において
得られた加速電機子電流に対してステップ103におい
て検出したパワーMOSFETの温度変化に応じて補正
演算を行い電機子電流検出値の精度向上を図る。そし
て、このステップ106において加速電機子電流の温度
補正演算を行うと、ステップ107において、ステップ
106において得られた加速電機子電流と図1で示した
回転指令信号とからモータ回転時の電機子電流制御演算
を行いPWMのデューティを算出する。
が回生制動であると判定すると、ステップ108におい
て、加速時と同様に温度補正演算を行い、ステップ10
9において、回生時の電機子電流制御演算処理を実行
し、ステップ110に進む。ステップ110において、
正転か逆転かの回転モードの判定を行い、このステップ
110において回転モードが正転であると判定すると、
ステップ111において、正転界磁電流の温度補正演算
処理を行い、ステップ110において回転モードが逆転
であると判定すると、ステップ112において、逆転界
磁電流の温度補正演算処理を行う。その後、電機子電流
の場合と同様に、ステップ113において、界磁電流制
御演算を実行し、ステップ114において、界磁及び電
機子チョッパのPWMデューティを設定し、ステップ1
01に戻る。以降、処理を繰返す。なお、温度検出法、
電流検出値の温度補正法については詳細を後述する。
図5には、図1に示す制御装置1の構成において、電流
検出部の詳細ブロック図が示されている。図において、
電機子電流検出回路は、加速電流検出回路143と回生
電流検出回路144によって構成されている。また界磁
電流検出回路は、正転用電流検出回路162と逆転用電
流検出回路163によって構成されている。さらに、パ
ワーMOSFETの温度検出用として温度検出部21が
設けられており、パワーMOSFETの近傍に取り付け
られたサーミスタ210、抵抗211を加えて電流検出
部が構成されている。それぞれの検出回路の入力は、パ
ワーMOSFETのドレイン−ソース間に接続されのO
N電圧Vds検出する。出力部はそれぞれマイコンのA
/D1〜A/D4へ、また、サーミスタの出力電圧もA
/D5入力される。
いて説明する。図6には、パワーMOSFETの特性が
示されており、オン抵抗Ronが10〜15mΩの場合
を例にとって示してある。一般的に電流Iaを増加させ
るとドレイン−ソース電圧Vdsが比例関係に増加する
といわれている。しかしながら、オン抵抗が図7に示す
如く周囲温度変化により大きく変動する欠点がある。
記したように検出特性が周囲温度により大きく変動する
ことである。第二点目は、検出部のパワーMOSFET
のドレイン−ソース間電圧がチョッパ動作によって、O
FF時が48〜60Vで、ON時が数十mV〜数百mV
と大きく変動することである。
補正する手段により問題を解決できる。すなわち、図5
で示した温度検出回路21のサーミスタの温度検出特性
は図8に示す特性であり、これと、図7に示した温度変
化係数Ktの特性をもつパワーMOSFETで検出した
検出回路の出力を図5のマイコン101のA/D変換器
に入力し、ソフトによる補正演算を行う。具体的には、
図7に示したパワーMOSFETの温度変化係数より図
9に示す逆関数を求めて得られた温度補償係数yをマイ
コン内でデータテーブルとして保管する。そして、A/
D変換器で得られた値から、 電流値=A/D値×温度補償係数y×変換係数a 但し、変換係数a:A/D値に対する電流換算値 温度補償係数y:1/温度変化係数Kt という式によって演算することによって電流値(マイコ
ン値)を求める。
て説明する。図5に示した加速電流検出回路143及び
回生電流検出回路144の詳細図を図10に示す。な
お、図5の正・逆転電流検出回路162,163の詳細
回路図は、図10の加速電流検出回路143と同じもの
を用いている。したがって、加速電流検出回路143の
みについて説明する。図10の加速電流検出回路143
には、演算増幅器OP1があり、入力抵抗R1、〜R4
及び帰還抵抗R5、R6を有している。また、入力抵抗
R1とR3間及びR2とR4間には電源電圧へのクラン
プ用ダイオードD1、D2及びR2とR4間と回路グラ
ンド間には入力信号をグランドへバイパスさせるアナロ
グスイッチS1がある。演算増幅器OP1の出力側には
サンプルホールド用のアナログスイッチS2とコンデン
サC1と抵抗R8で構成されている。
ロジック部があり、界磁のPWM信号F・PWMパルス
をカウントして分周するカウンタCOUT、その出力の
論理和をとるOR、F・PWMパルスの立ち上がり立下
りを遅らせるためのR9,C2、INV1及びR10,
C3、INV2、で構成される遅延回路、前記ORから
と遅延回路からの信号の論理積をとるAND1回路など
で構成される。
は上記した演算増幅器OP1で増幅後、上記したロジッ
ク回路によりF・PWM信号とタイミングをとりS2と
C1で構成されるサンプルホールド回路によりサンプル
ホールドされマイコン101のA/D2に入力される。
その場合にはA/Dの外部トリガADTRGにカウンタ
の出力で外部トリガをかけ、A/Dの起動とデータ取り
込みを実行する。
電流、正・逆転界磁電流検出時の動作は同じである。従
って、界磁チョッパの場合を一例として、界磁チョッパ
や検出回路の各部の動作タイミングを図11(a)に示
す。図11(a)から分かるようにパワーMOSFET
の端子電圧は界磁チョッパ(F・PWM)動作時には大
きくON、OFF変動する。電流検出はパワーMOSF
ETのONしている僅かな期間の微少電圧を検出するた
めにPWMに同期させる必要がある。すなわち、F・P
WM信号から得られるマスク信号(MASK)によりパ
ワーMOSFETのOFF時の電圧をマスク後、演算増
幅器OP1でON時のみの僅かな電圧を増幅し出力(V
f・A)を得る。検出電圧はON、OFF信号のため、
そのままマイコンのA/Dで取り込んでも、正確な界磁
電流を検出することができない。そこで、アンプ出力電
圧を、パワーMOSFETがON時にはサンプルしOF
F期間中はOFF直前の電圧をホールドする。このサン
プルホールドした信号を界磁チョッパのPWMの立ち下
がりでA/Dに外部トリガをかけA/Dを起動しデータ
をマイコンに取り込む。なお、PWM周期が62.5μ
s(f:16KHz)と早いので、外部トリガ周期は1
/8の500μsとした。
する。図10に戻って、回生用電機子電流検出回路14
4において、前記走行用電機子電流検出法と異なるとこ
ろは、パーMOSFET M2が図2(a)で示した如
く上側アームにあるためにグランド電位から浮いた状態
の電圧を検出する必要がある。したがって、アンプは一
段目ではアンプのコモンモード電圧の制限から電圧を低
下させ、二段目で増幅する方法をとした。
一段目の演算増幅器OP2があり、入力抵抗R11、〜
R14及び帰還抵抗R15、R16を有している。ま
た、入力抵抗R11とR12間及びR13とR14間に
はパワーMOSFET M2のOFF時の電圧をクラン
プするダイオードがある。また、二段目の演算増幅器O
P3には、入力抵抗R18、〜R19及び帰還抵抗R2
0、R21を有している。また、帰還抵抗R21に並列
に一段目の演算増幅器OP2の出力を短絡するアナログ
スイッチS3を設けている。さらに、演算増幅器OP4
は演算増幅器OP2と演算増幅器OP3にバイアス電圧
を加えるもので、その電圧は入力抵抗R24、R25で
決定される。また、同様に演算増幅器OP3の出力側に
はサンプルホールド用のアナログスイッチS4とコンデ
ンサC4と抵抗R23で構成され、その出力はマイコン
101のA/D変換器A/D1に入力されている。
グを取るためにロジック部があり、電機子のPWM信号
A・PWM・Hパルスの立ち上がり立下りを遅らせるた
めのR26,C5、INV3及びR27,C6、INV
4、で構成される遅延回路、前記ORからの信号C(F
PWM・S/H)と遅延回路からの信号の論理積をとる
AND2回路などで構成される。
イムチャートを図11(b)に示す。電流の検出動作
は、基本的には図11(a)の界磁電流検出の場合と同
じであるが、次の点が異なる。すなわち、界磁チョッパ
と電機子チョッパは当然のことながらそれぞれ独立して
PWMのデューティを制御する必要がある。また、電機
子電流検出もタイミングをとる必要があることから、図
11(b)に示した如く、界磁チョッパのPWM(F・
PWM)のOFFの立下りと電機子チョッパのPWM
(A・PWM)の立下りを同期させることにした。これ
により電機子電流もPWMに同期して電流検出が可能で
ある。電流検出時のパワーMOSFET電圧(Vds・
f)の動作とマスク信号(MASK)やアンプ出力(V
f・A)動作時の時間拡大波形を図12(a)、(b)
に示す。
オフ動作時には図12(a)のパワーMOS電圧(Vd
s・f)に示すごとく動作時間遅れが生じる。この影響
でパワーMOS電圧を増幅するアンプの出力は、図12
(a)に示すアンプ出力(a)の波形のごとくなり好ま
しくない。
には、パワーMOSFETのターンオン時及びターンオ
フ時にそれぞれ、td1、td2の遅延時間を設けてマ
スク信号を発生させて、アンプ出力の不要な信号の除去
を行っている。この結果パワーMOSFETのオン時の
電圧を確実に検出することが可能となる。
様であり省略する。以上述べた電流検出方式における実
際のモータに流れる界磁電流の検出特性を図13
(a)、(b)に示す。図13(a)はパワーMOSF
ETのオン抵抗の温度補償がない場合であり、周囲温度
変化によって大きく変わることを示している。一方、図
13(b)の場合にはサーミスタで温度変化を検出して
温度補正を行った場合であり、補償の効果が現われてい
ることが分かる。
に適用した場合について主に説明したが、次に他の実施
例について述べる。本発明を直流直巻電動機用制御装置
に適用した場合を図14に示す。主回路は電動機の電機
子4と直巻界磁4a,界磁4aに流れる界磁電流の方向
を変えて電動機を正・逆転させる切替スイッチ5a、5
b、フリーホイルダイオード6、モータを駆動するチョ
ッパのパワーMOSFET M7で構成され、切替スイ
ッチ5aとダイオードのカソード側はバッテリ3のプラ
ス側へ、パワーMOSFETのソース側はバッテリ3の
マイナス側へそれぞれ接続されている。また、モータ電
流の検出回路は前述したごとく、パワーMOSFET
M7の両端電圧を検出する電流検出回路7、その出力を
A/D6に入力するマイコン101で構成されている。
モータ電流の検出は、前述のごとくパワーMOSFET
M7がオン状態時の電圧の変化を電流検出回路7でア
ナログ信号として検出後、マイコン101のソフトウエ
ア処理により行っている。その検出動作の詳細は前述し
てあるので省略する。
タ駆動に適用した場合を図15に示す。モータ8はマグ
ネットモータで電機子8aと界磁用のマグネット8b、
8cで構成される。チョッパの駆動回路はパワーMOS
FET M8〜M11で構成されるHブリッジ方式と呼
ばれるもので、上側アームのパワーMOSFET M8
と下側アームのM9の接続点にモータ電機子8の端子を
接続する。同様に逆側アームのM10とM11の接続点
に電機子8のもう一方の端子を接続する。また、上側及
び下側アームどうしを接続してHブリッジを形成させ、
上側アームをバッテリ3のプラス側へ下側アームをバッ
テリ3のマイナス側へ接続する構成としている。
FETの全数のドレイン−ソース間電圧Vdsを検出す
るために上側正転電流検出回路9、上側逆転電流検出回
路10、下側正転電流検出回路11、下側逆転電流検出
回路12と、A/D変換器A/D7〜A/D10を有す
るマイコン101で構成される。
る。例えば、Hブリッジの動作を上側アームのパワーM
OSFET M8、M10を正転、逆転用のスイッチ
に、下側アームのパワーMOSFET M11を正転用
PWMに、M9を逆転用PWMに用いて動作させる場合
を考えてみる。M8をオンさせて、M11をPWM動作
させモータを正転方向に回転させた場合には、パワーM
OSFET M8に流れる電流を上側正転電流検出回路
9で検出し、A/D7を介してマイコン101へ入力す
る。またパワーMOSFET M11に流れる電流は下
側正転電流検出回路11で検出し、A/D9を介してマ
イコン101へ入力する。この場合に上側アームのM8
は常時オン状態であり、一方、下側アームのM11はP
WM動作である。いずれの場合でも電流が検出可能であ
る。検出法の詳細は前記した通りでありここでは省略す
る。また、モータが逆転駆動においても、同様にM10
をオンさせ、M9をPWM動作させた場合においても電
流が検出可能である。さらに、上側アームM8と下側ア
ームM11を同時にPWM動作させる両側PWM方式に
おいても同様に電流が検出可能である。
する方法においては、例えば、上側アームのM8と下側
アームのM9が誤動作等により同時にオンした場合に、
すなわち、電源短絡現象発生時においては、異常電流が
モータ側に流れないために検出不可能でありHブリッジ
チョッパの保護はできない。
からの短絡電流を速やかに検知可能なために、過電流を
検知した場合には保護回路等(図示せず)を動作させて
Hブリッジチョッパを保護することが可能である。
を必要としないために、制御装置システムとして安価と
なる効果がある。
の瞬時値を検出しサンプルホールドしているために、マ
イコンのA/D変換器に高速のものを必要とせずに、一
般に用いられているものが使用できる効果がある。
て電流の瞬時値を検出できるので応答性の速い電流検知
が可能となる効果がある。
ン電圧検出による電流検出法は、サーミスタによる温度
補償が可能なために、電流検出値の精度向上に効果があ
る。
ブリッジチョッパに用いた場合において、誤動作等によ
る電源短絡時の過電流検知が可能となり過電流保護がで
きる効果がある。
縁型等の電流センサを用いなくても電動機電流を検出で
きるので制御装置のコストが安価となる効果がある。
に直列挿入する電流検出用センサ等不要なために、セン
サによる駆動回路の損失を発生させない効果がある。
ては、加速制御用と回生制動制御用に、界磁チョッパに
おいては、正転用と逆転制御にそれどれ独立して電流検
出が可能なために、一部の電流センシング不良が発生し
ても他のものでチョッパを駆動できる効果がある。
パ動作において、パワーMOSFETのオン電圧をチョ
ツパのPWMに同期させて検出しているのでパワーMO
SFETのオン期間に流れている電流を確実に検出でき
る効果がある。
電流を検出し、サンプルホールドさせてマイコンのA/
Dへ取り込んでいるので、検出応答の早い電流検出がで
きる効果がある。
ワーMOSFETのオン電圧の温度変化による変動を、
パワーMOSFETの温度係数の逆関数となるような補
正データテーブルを用いて温度補正を行っているので温
度による変動の少ない電流検出ができる効果がある。
成図、(b)は(a)の動作タイムチャート。
図、(b)は(a)の動作タイムチャート。
チャート。
ック構成図。
図。
るタイムチャート、(b)は図10の電機子電流検出動
作を説明するタイムチャート。
時間拡大特性図、(b)は図11(b)の遅延動作を説
明する時間拡大特性図。
電流検出特性図、(b)は本発明を適用した場合の界磁
電流検出特性図。
Claims (7)
- 【請求項1】 回転指令信号、起動スイッチ信号、正、
逆転信号などの外部信号をもらってモータを駆動させる
モータ制御装置において、モータに流れる電機子電流及
び界磁電流の検出手段として、電機子チョッパ及び界磁
チョッパに用いているパワーMOSFETのON期間の
ドレイン−ソース間電圧を検出する手段、チョッパのP
WMに同期させて検出する手段、検出した電圧を増幅す
る手段、パワーMOSFETの温度上昇を検出する手
段、パワーMOSFETのオン抵抗の温度による変化を
補正する手段により、パワーMOSFETの電流を検出
し、等価的にモータの電機子電流及び界磁電流を検出す
ることを特徴とする電動車制御装置。 - 【請求項2】 前記電機子電流検出回路は、電機子チョ
ッパにハーフブリッジ方式を用い、上側アームのパワー
MOSFETの端子電圧を回生制動用電流検出に、下側
アームのパワーMOSFETの端子電圧を加速制御用電
流検出に用い、上記界磁電流検出回路は、界磁チョッパ
にHブリッジ方式を用い、下側アームの2個のパワーM
OSFET端子電圧を、それぞれ、正転用及び逆転用界
磁電流検出に用いて構成したことを特徴とする請求項1
に記載の電動車制御装置。 - 【請求項3】 前記界磁電流検出回路及び電機子チョッ
パの走行用電機子電流検出回路には、パワーMOSFE
Tの端子電圧を検出して増幅する増幅手段と、界磁PW
Mの出力を分周するカウンタと、チョッパのターンオ
フ、ターンオン遅れによる検出不能領域の発生防止のた
めにPWMの出力の立上がり立下りを遅延させる遅延回
路と、界磁PWMの出力を分周したカウンタの出力と界
磁PWMの出力を遅延させた遅延回路の出力との論理積
をとる論理積回路とを、 前記パワーMOSFETの端子電圧を検出して増幅する
増幅手段の入力抵抗部には、パワーMOSFETがOF
Fし端子電圧が高い期間(バッテリ電圧Vbの状態)で
は検出をマスクするマスク信号発生手段を、 前記パワーMOSFETの端子電圧を検出して増幅する
増幅手段の出力には、前記論理回路の出力をトリガ信号
として増幅手段の出力をサンプルしてホールドするサン
プルホールド手段と、前記界磁PWMの出力を分周する
カウンタ出力の立ち下がりに同期させマイコンのA/D
変換器の外部トリガ信号(ADTREG)に入力する手
段とを設け、 前記サンプルホールド手段の出力は、前記トリガ信号に
同期させて界磁チョッパオフ直前の界磁電流をA/D変
換機を介してマイコンに検出値を取り込むようにしたこ
とを特徴とする請求項2に記載の電動車制御装置。 - 【請求項4】 電機子チョッパの回生制動用電流検出回
路には、パワーMOSFETの端子電圧を検出して増幅
する第一の増幅手段と、前記第一増幅手段の出力を増幅
する第二の増幅手段と、前記第一増幅手段と第二の増幅
手段とにバイアスをかけるバイアス回路手段と、前記電
機子PWMの出力の立上がり、立下りを遅延させる遅延
回路とを設け、 前記第二の増幅手段の入力抵抗部には、パワーMOSF
ETがOFFし端子電圧が高い期間(バッテリ電圧Vb
の状態)では検出をマスクするマスク信号発生手段を設
けると共に、 前記第二増幅手段の出力には、前記論理回路の出力をト
リガ信号として増幅手段の出力をサンプルしてホールド
するサンプルホールド手段と、前記界磁PWMの出力を
分周するカウンタ出力の立ち下がりに同期させマイコン
のA/D変換器の外部トリガ信号(ADTREG)に入
力する手段とを設け、 前記サンプルホールド手段の出力は、前記トリガ信号に
同期させて電機子チョッパオフ直前の電機子電流をA/
D変換機を介してマイコンに検出値を取り込むようにし
たことを特徴とする請求項2に記載の電動車制御装置。 - 【請求項5】 前記電機子電流検出手段及び界磁電流検
出手段の出力は、界磁PWMと電機子PWMのOFFタ
イミングを同期させ、それぞれ、界磁電流及び電機子電
流OFF直前の電流値をサンプルホールドし、A/D変
換器でマイコンに取り込み、該マイコンで演算処理され
る温度補正手段と、オフセット補正手段とを用いて、温
度補正及びオフセット補正を行い、パワーMOSFET
のオン電圧より電機子電流、界磁電流を検出するように
したことを特徴とする請求項3又は4に記載の電動車制
御装置。 - 【請求項6】 前記温度補正手段は、温度変化によるパ
ワーMOSFETのオン抵抗変化の関数の逆関数となる
値をマイコンのメモリにデータテーブルとして保有し、
温度変化に応じて補正演算を行うことを特徴とする請求
項5に記載の電動車制御装置。 - 【請求項7】 パワーMOSFETのHブリッジで構成
されるチョッパ装置のおいて、各パワーMOSFETの
ドレイン−ソース間電圧より各素子の電流を検出するこ
とを特徴とした電動車制御装置。
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