JP2003057555A - 走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents

走査型レーザ顕微鏡

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JP2003057555A
JP2003057555A JP2001245594A JP2001245594A JP2003057555A JP 2003057555 A JP2003057555 A JP 2003057555A JP 2001245594 A JP2001245594 A JP 2001245594A JP 2001245594 A JP2001245594 A JP 2001245594A JP 2003057555 A JP2003057555 A JP 2003057555A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走査型レーザ顕微鏡において、試料からの蛍光
の分光データを短時間に一度に全て取得可能にするこ
と。 【解決手段】レーザ光源1からのレーザ光を観察対象の
試料に集束させて照射させると共に試料に対して前記レ
ーザ光を移動走査させ、試料から得られた光を分光手段
15により分光させて検出器17で検出することにより、ス
ペクトルのデータを得るようにした走査型レーザ顕微鏡
において、検出器17は入射光量対応に電気信号を発生す
る複数の微小受光素子を直線的に配列させた1次元光検
出手段を用い、分光手段14の分光出力をこの1次元光検
出手段の微小受光素子配列範囲にその入射位置と波長域
とが所定の関係を以て入射される配置関係とすることに
より画素単位でスペクトルのデータを得ることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は染色した標本上をレ
ーザ光により走査することにより、得られる標本からの
光を分光し、分光データを得ることのできる走査型レー
ザ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞や組織を観察し易くするために、染
色用の試薬で染色することが行われている。染色用の試
薬には種々のものがあり、生体組織は成分により、染ま
り易い試薬と、染まり難い試薬とがある。これを利用し
て、目的に応じた所望の試薬により試料(標本)を染色
して、顕微鏡観察に供することが行われている。そし
て、現在では更に一歩進めて、複数種の蛍光試薬で染色
した試料にレーザ光を照射し、このレーザ光照射により
試薬から励起された蛍光放射を分光して得られたスペク
トルのデータを収集し、分析に用いることが行われてい
る。
【0003】そのために用いるのが走査型レーザ顕微鏡
であり、これは、レーザ光を対物レンズを介して集光し
て走査装置により標本上を走査し、標本からの光を分光
器に与えて分光するとともに、前記走査装置からの走査
信号に同期して分光データを得ることで、試料における
レーザ照射位置からの光のスペクトル情報を得るもので
ある。
【0004】(従来技術1)走査型レーザ顕微鏡の一例
をあげると、特表平9−502269号公報に示す如き
の技術がある。ここに開示された技術は蛍光光束をプリ
ズム等のスペクトル分解手段により分光し、一方では第
一スペクトル範囲を絞り込み、他方では絞りを通過しな
いスペクトル範囲の少なくとも一部分を反射して第二ス
ペクトル範囲をなす二つの光路を構成し、それぞれの光
路に対して光検出器を設けて構成した共焦点走査型レー
ザ顕微鏡である。
【0005】図5は、上記共焦点走査型レーザ顕微鏡の
構成を示す図である。レーザ光源202から出射された
レーザ光束203は、方向変更ミラー204、レーザラ
インフィルタ205、レンズ206、絞り207を介し
てダイクロイックミラー208に導かれて、ここで反射
させ、レンズ209、X−Y走査光学系210、瞳投影
レンズ211、対物レンズ212を経て試料213に達
する。
【0006】試料213からの反射光および蛍光からな
る光束214は、対物レンズ212、瞳投影レンズ21
1、X−Y走査光学系210、レンズ209を経てダイ
クロイックミラー208に戻る。そして、光束214の
うち、蛍光分はダイクロイックミラー208を透過して
蛍光光束217となり、このうち、共焦点絞り215を
通過したものが分光器216へと入射する。
【0007】図6は、分光器216の構成を示す図であ
る。選択装置225は、光束217を分解するスペクト
ル分解手段227と、一方では第一スペクトル範囲22
9を絞り込み、他方では絞りを通過しないスペクトル範
囲の少なくとも一部分230を反射する手段228とを
有している。光検出器226は、絞り込まれた第一スペ
クトル範囲229の光路に配置された第一光検出器23
1と、反射されたスペクトル範囲の光路に設置された第
二光検出器232とを有している。
【0008】さらに選択装置225は、反射されたスペ
クトル範囲230の光路に設置され、第二スペクトル範
囲234を絞り込む手段233を有する。第二光検出器
232は、絞り込まれた第二スペクトル範囲234の光
路に設置されている。
【0009】(従来技術2)また、別の例として、特開
2000−56244号公報には、反射光や蛍光のよう
な、分散しながら分割される照明光と対象物からの光と
の両方または一方を波長選択するための、照明と検出工
程との両方または一方に、選択的に切り替え可能な少な
くとも1基の微小鏡配列(DMD)を持つ走査型レーザ
顕微鏡が開示されている。
【0010】この公報に開示された走査型レーザ顕微鏡
の構成は図7に示す如きである。すなわち、この構成に
おいて、レーザ光源Lsからのレーザ光LBは走査手段Scn
により間欠的に位置を移動させるかたちで走査されるこ
とにより試料Smp上をX−Y走査され、その走査位置に
ある試料Smpからレーザ光LBにより励起された蛍光が放
射される。
【0011】試料Smpから放出される(蛍光)放射は対
象物と共役な平面内に位置する共焦点ピンホールPh上へ
焦点を結ぶ。このピンホールPhは同時に分光装置の開口
部でもあり、プリズムPを用いた分光器は当該プリズム
Pの分散作用によって試料放射をそのスペクトル成分へ
分離する。試料放射の焦点面には1次元のDMDがあ
り、ここに試料スペクトルが光学的に結像される。
【0012】1次元のDMDは個別に駆動可能な多数の
切り替え鏡からなる。そして、レーザ光源Lsからのレー
ザ光LBが試料Smpの上に留まる間、逐次的に鏡が1つず
つ個別に駆動(そしてこれにより切り替え)されること
により、その位置に分光されて到達した光を検出器Dtc
に送る。こうして試料放射の個々のスペクトル成分が逐
次的に検出器Dtcにて検出され、試料Smpから放出される
(蛍光)放射の全スペクトルデータが得られる。
【0013】また別の方法として、複数の鏡を同時に駆
動して、試料からの所望のスペクトル域の光を選択的に
検出器に導くこともできる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】近年蛍光観察において
は、単染色のみならず多重染色が多用されている。もと
より、蛍光染色は細胞、組織内の特定対象を視認可能に
するために行われる。このため多重染色観察では、各染
色部位が明確な色の差、すなわち、蛍光波長の違いとし
て検出されなければならない。しかも、蛍光波長の部分
的な重なり(クロスオーバ部分)を効率良く除去して検
出する必要がある。
【0015】さらに、細胞機能の研究を行う上で、細胞
内のカルシウムイオン濃度を検出するための蛍光プロー
ブが広く利用されるようになった。カルシウムイオンは
細胞の活動状況に密接な関係を持つためである。カルシ
ウムイオンの染色には蛍光試薬として“INDO−1”
が良く知られているが、この“INDO−1”を用いる
ことで、定量的に細胞内カルシウムイオン濃度を測定で
きる。
【0016】“Indo−1”で染色した試料(標本)
は、UV光(紫外線)を照射することにより、蛍光を発
する。そして、発生した当該蛍光を2つの異なる波長域
(中心波長405[nm]と480[nm])で検出し、検
出光量の比(中心波長405[nm]の蛍光/中心波長4
80[nm]の蛍光)を演算して求めることにより、カル
シウムイオン濃度を測定できる。
【0017】走査型レーザ顕微鏡を用いて試料に対し、
レーザ光の走査を繰り返し行い、前記演算により細胞内
カルシウムイオン濃度の時間変化を測定する。なお、一
般的には特定波長帯の光を反射し、他は透過させる光学
特性を持つダイクロイックミラーにより、試料からの蛍
光を450[nm]で二つの光路に分岐し、一方は中心波
長405[nm]、バンド幅約20[nm]、他方は中心波
長480[nm]、バンド幅約20[nm]のバンドパスフ
ィルタBPF1,BPF2を使用して検出波長領域を絞
るようにしている。
【0018】しかしながら、前記蛍光の中心波長は細胞
の状態、例えばpH(ペーハー;水素イオン濃度)によ
りシフトする。例えば、上記Ca2+maxおよびCa2+minなる
蛍光が図8に示すようにその中心波長がO1,O2にシフ
トしたとすると、この場合、バンドパスフィルタBPF
1,BPF2の中心波長BPF1o,BPF2oと蛍光Ca2+maxお
よびCa2+minの中心波長O1,O2との間にズレが生じ、
その結果、本来得られるべき光量が得られなくなるの
で、データのS/N(信号/雑音)が劣化するだけでな
く、光量比で表わされる演算結果も本来得られるべき値
とは違ったものとなる可能性がある。
【0019】つまり、従来技術1における前述したよう
なフィルタのセットは常に最良であるとは限らない。
【0020】一方、特表平9−502269号公報の装
置は各検出器に導く試料からの蛍光の波長域を自由に変
更できるので、従来技術1における上記のような問題点
を解決する上で、有効と考えられる。事実、多重染色観
察において蛍光波長の部分的な重なり(クロスオーバ部
分)を効率良く除去して検出する目的においては、繰り
返し走査して画像を確認しながらスリットを制御するこ
とにより、試料からの蛍光スペクトルを自由に選択でき
るので、光学的なバンドパスフィルタを利用する方式よ
り遙かに良い。但し、繰り返しレーザ走査を行うことに
より試料は退色するのでレーザ走査は可能な限り少なく
できることが望ましい。
【0021】しかしながら、上記細胞内カルシウムイオ
ン濃度を測定する例では、細胞の状態、例えば、pHは
検査者にとっては未知であり、蛍光の中心波長がどこに
あるのか、蛍光波長の部分的な重なり(クロスオーバ部
分)がどのレベルであるかを事前に正確に知る術はない
ことから、得られた結果が最善か否かがわからないと言
う問題がある。
【0022】すなわち、カルシウムイオン濃度の変化を
捉えることができたとしても、その結果が最善のもので
あるかどうかは検査者は全くわからないということであ
り、最善の結果が得られている保証はないわけである。
【0023】試行錯誤的に繰り返し試験を行うことが可
能であれば、得られる結果を最適なものに近づけること
は可能ではある。しかし、この種の試験は一度データ取
得を行うと、基本的には試料を交換しなければならず
(一般的には薬品で刺激を与えることにより試験を開始
するが、一旦刺激を与えると2度目の刺激は効果がな
い。)、したがって、細胞の準備等に莫大な手間と費用
が必要であり、現実的には困難と言わざるを得ない。
【0024】このように、上記従来技術の根本的な欠点
は、試料の像を作るために、あらかじめ設定したスペク
トル、つまり、スリットを通過する蛍光の平均強度だけ
しか利用できない点にある。
【0025】一方、特開2000−56244号公報の
技術は、試料からの蛍光の分光データを得るに際して、
全分光データを収集しようとする場合、DMDのミラー
素子を一枚ずつ駆動して光検出器に試料からの蛍光の分
光スペクトルを導かなければならないので、全スペクト
ル領域のスペクトルデータを得るには時間がかかるとい
う欠点がある。そのため、細胞内カルシウムイオン濃度
のような変化の速い現象を観察、測定するには不向きな
装置となる。従って、従来技術では、細胞内カルシウム
イオン濃度のような変化の速い現象を観察、測定の対象
とすることはできなかった。故に、これを打開する技術
の早急な開発が嘱望されている。
【0026】従って、本発明の目的とするところは、細
胞内カルシウムイオン濃度を測定するような場合のよう
に、試料からの蛍光スペクトルを正確に知ることができ
ない試験や撮像を行うに当たり、最適な解析結果を確実
に得ることのできる走査型レーザ顕微鏡を提供すること
にある。
【0027】また、本発明の目的とするところは、染色
した試料の放出する光の全スペクトルを一度にデータ収
集できるようにした走査型レーザ顕微鏡を提供すること
にある。
【0028】また、本発明の目的とするところは、多重
染色観察において、試料の退色を防止するために、少な
い走査回数で、所望のスペクトルについて反映された画
像を表示できるようにした走査型レーザ顕微鏡を提供す
ることにある。
【0029】また、本発明の目的とするところは、多重
染色観察において、試料の退色を防止するために、少な
い走査回数で、望ましくは1回の走査で蛍光波長の部分
的な重なり(クロスオーバ部分)を効率良く除去して画
像表示することのできる走査型レーザ顕微鏡を提供する
ことにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、目的
を達成するために、本発明の走査型レーザ顕微鏡は以下
のように構成する。
【0031】[1] レーザ光源からのレーザ光を観察
対象の試料に集束させて照射させると共に試料に対して
前記レーザ光を移動走査させ、試料から得られた光を分
光手段により分光させて検出器で検出することにより、
スペクトルのデータを得るようにした走査型レーザ顕微
鏡において、前記検出器は入射光量対応に電気信号を発
生する複数の微小受光素子を直線的に配列させた1次元
光検出手段を用い、前記分光手段の分光出力をこの1次
元光検出手段の微小受光素子配列範囲にその入射位置と
波長域とが所定の関係を以て入射される配置関係とする
ことにより画素単位でスペクトルのデータを得ることを
特徴とする。
【0032】レーザ光源からのレーザ光を観察対象の試
料に集束させて照射させると共に試料に対して前記レー
ザ光を移動走査させ、試料から得られた光を分光手段に
より分光させ、検出手段で検出することにより、試料に
おける1地点毎のスペクトルデータを得るが、スペクト
ルデータは例えばプリズム等による分光手段を用い、こ
の分光手段により分光して1次元光検出手段に入射させ
ることで得る。1次元光検出手段は、複数の微小受光素
子を直線的(1次元的)に配列させた構成であり、前記
分光手段の分光出力をこの1次元光検出手段の微小受光
素子配列範囲にその入射位置と波長域とが対応関係を以
て入射される配置関係としてあることから、微小受光素
子はその位置がどこであるかにより、入射される波長域
が定まる。従って、特定位置の微小受光素子にはスペク
トルの特定波長域の光が入射する構成となるから、この
各微小受光素子よりその入射光量対応の信号を得てこれ
を受光素子個別にディジタルデータ化し、受光素子の並
び順に収集すると波長成分が特定できるデータ、すなわ
ち、全てのスペクトル分布がわかるデータとして収集さ
れると言う効果がある。
【0033】しかも、試料に照射するレーザ光は、試料
上を移動走査させるので、その時々で収集される上記デ
ータは試料に対するレーザ光の照射点における放出光の
データであり、走査範囲で定まる画面を構成する画素単
位でのスペクトル分布データとなる。そのため、画素毎
に全てのスペクトル分布が把握できるデータとして収集
できる。
【0034】従って、本発明によれば、試料からの蛍光
の分光データを短時間に一度に全て取得することが可能
な技術が確立する。また、本発明によれば、細胞内カル
シウムイオン濃度を測定するような場合のように、試料
からの蛍光スペクトルを正確に知ることができない試験
や撮像を行うに当たり、最適な解析結果を確実に得るこ
とのできる走査型レーザ顕微鏡を提供できる。
【0035】また、多重染色観察において、試料の退色
を防止するために、少ない走査回数で、必要な蛍光スペ
クトルのデータを収集できるようになる走査型レーザ顕
微鏡を提供できる。
【0036】[2] また、[1]項の構成において、
前記検出器の各微小受光素子より得られる電気信号を収
集してデータとして保持する手段と、この保持されたデ
ータを用い、これらのうち、所望に指定されたスペクト
ル域のデータを抽出して加算し、画像を生成する手段と
を更に備えることを特徴とする。
【0037】この構成によれば、前記検出器の各微小受
光素子より得られる電気信号を収集して得たデータを画
面構成分収集し、記憶保存し、この保存データを用いて
画像を生成するが、画素毎に全てのスペクトル分布が把
握できるデータとして収集されていることから、所望に
スペクトル範囲を種々指定してその指定範囲のスペクト
ルによる画像を表示でき、従って、1度データを収集し
てしまえば、そのデータを利用して種々に画像を生成す
ることで、最適な画像を見付けることができる。
【0038】従って、本発明によれば、多重染色観察に
おいて、試料の退色を防止するために、少ない走査回数
で、所望のスペクトルについて反映された画像を表示で
きるようになる走査型レーザ顕微鏡を提供できる。
【0039】[3] また、[1]項の構成において、
前記検出器の各微小受光素子より得られる電気信号を収
集してデータとして保持する手段と、この保持されたデ
ータを用い、これらのうち、レーザ光源の出力レーザ波
長より長い波長であって所望に指定された少なくとも二
種のスペクトル域のデータをそれぞれ抽出してそれぞれ
のスペクトル域における抽出データを加算すると共に、
両者の比を求めて当該比に基づく画像を生成し、次の画
像が生成されるまでの間、この生成画像出力する手段
と、この出力された生成画像を表示する手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0040】この構成においては、1画面分の走査を終
えると時間をおいて再びレーザ光による試料の1画面分
の走査を実施する間欠走査において、一つの走査が終了
するたびに画像表示されるので、検査者は画像の変化の
様子を確認できる。そのため、もし、試験が上手くいっ
ていないようなら、そこで試験を中止する等の対応がで
き、時間の浪費をせずに済むようになる。
【0041】その他、本発明は次のような態様が包含さ
れ得る。
【0042】(1)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、レ
ーザ光を対物レンズを介して集光して走査装置により試
料上を走査し、試料からの光を分光器に投射するととも
に、前記走査装置からの走査信号に同期して所定のスペ
クトル帯に対応する分光データを得ることのできる走査
型レーザ顕微鏡であって、前記分光データにおいて、所
望のスペクトル域のデータのみを抽出して演算し、この
演算結果をもとに、走査終了後に画像表示を行うもので
ある。
【0043】(2)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(1)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、所望のス
ペクトル域を変更することによりデータの演算を再度行
い、この演算結果をもとに再度画像表示を行うものであ
り、またこのシーケンスを繰り返し行うものである。
【0044】(3)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(1)、(2)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、
前記分光データにおいて、複数の所望のスペクトル域を
指定し、これら各スペクトル域のデータのみを抽出して
演算し、この演算結果をもとに、少なくとも1枚の画像
プレーンに画像表示するものである。
【0045】(4)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(1)、(2)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、
前記分光データにおいて、複数の所望のスペクトル域を
指定し、これら各スペクトル域のデータのみを抽出して
演算し、この演算結果をもとに、前記指定された複数の
スペクトル域に対応する画像をそれぞれ各画像プレーン
に表示するものである。
【0046】(5)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(1)〜(4)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、
前記画像表示は、所望のスペクトル域のデータ(光強度
データ)の合計値をもとに行うものである。
【0047】(6)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(3)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、2つの所
望のスペクトル域を指定し、各スペクトル域のデータの
みを抽出して、それぞれの合計値を演算するとともに、
これら合計値の比を演算し、この演算結果をもとに画像
表示するものである。
【0048】(7)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(1)〜(6)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、
前記画像表示は、レーザ波長を除く全スペクトル域のデ
ータ(光強度データ)の合計値またはレーザ波長を除
く、これよりも長いスペクトル域のデータ(光強度デー
タ)の合計値をもとに行うことが、あらかじめ設定され
ている。
【0049】(8)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(1)〜(6)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、
前記画像表示は、レーザ波長を除く全スペクトル域のデ
ータ(光強度データ)の合計値またはレーザ波長を除
く、これよりも短いスペクトル域のデータ(光強度デー
タ)の合計値をもとに行うことが、あらかじめ設定され
ている。
【0050】(9)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、上
記(1)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、前記分光
器は1次元、または2次元のCCD配列を含んでいる。
【0051】(10)本発明の走査型レーザ顕微鏡は、
上記(1)に記載の走査型レーザ顕微鏡であり、時間経
過観察のために試料走査は所定回数だけ間欠的に行わ
れ、前記画像表示は走査後に所定回数行われる。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明は、試薬により染色された
試料からの蛍光の分光データを全スペクトル範囲に亙
り、短時間に全て取得することができるようにし、この
取得した全スペクトル範囲の分光データの中から、所望
のスペクトル領域の分光データを用いて解析や画像表示
を行えるようにしたもので、以下、図面を参照して本発
明の実施例の詳細を説明する。
【0053】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係わる共焦点走査型レーザ顕微鏡の構成を
示す図である。図において、1は所望の波長のレーザ光
を発振出力するレーザ光源であり、測定対象を例えば、
Indo−1で標識された細胞内カルシウムイオン濃度
とする場合にはレーザ光源1として、351[nm]の発
振線を有するアルゴンレーザ光源を用いる。2はこのレ
ーザ光源1から出射されたレーザ光束(レーザビーム)
である。
【0054】3はビームエキスパンダであり、レーザ光
源1から出射されたレーザ光束2を、対物レンズ瞳径に
略一致するようにビーム径を拡大させるための光学系で
ある。4はレーザラインフィルタであって、予め設定し
た所望の波長の光を選択的に透過させるフィルタであ
る。測定対象をIndo−1で標識された細胞内カルシ
ウムイオン濃度とする場合には、351[nm]の波長を
選択的に透過させる光学フィルタとする。また、5はダ
イクロイックミラーであって、特定波長帯の光を反射
し、他は透過させる光学特性を持つハーフミラーであ
る。測定対象物を細胞内カルシウムイオン濃度とする場
合には、351[nm]の波長を選択的に反射させ、他は
透過させる光学特性を持つミラーを用いる。
【0055】また、6はX−Y走査光学系であって、7
は瞳投影レンズ、8は結像レンズ、9は対物レンズ、1
0は試料である。試料10は目的に応じた試薬で染色し
てある。対物レンズ9は試料10に近接して進退調整可
能であって、試料10に対する光学系の焦点を合わせる
ためのレンズであり、結像レンズ8および瞳投影レンズ
7はその光軸を対物レンズ9の光軸に一致させて配され
ている。
【0056】また、11は共焦点レンズ、12は共焦点
絞り、13はコリメートレンズ、15はプリズムであっ
て、これら共焦点レンズ11、共焦点絞り12、コリメ
ートレンズ13は試料10からの光をプリズム15に導
く光学経路上にその光軸を一致させて配置されている。
【0057】プリズム15は、入射された各波長の光を
分光するためのものである。
【0058】ダイクロイックミラー5は試料10からの
光をプリズム15に導く光学経路上であって共焦点レン
ズ11とX−Y走査光学系6との間の光路にその面を斜
めにして配置され、レーザラインフィルタ4を介してレ
ーザ光源1から導かれたレーザ光束2を、ここで反射さ
せて試料10側に導くと共に、試料10側からの光を共
焦点レンズ11側に導くよう、レーザ光源1の光軸上と
の交点に配置してある。
【0059】共焦点レンズ11は試料10に対する対物
レンズ9の焦点位置と共役な焦点位置を持つレンズであ
り、共焦点絞り12はこの共焦点レンズ11の共焦点位
置に配置された絞りである。共焦点絞り12はピンホー
ルの役割を担うものであり、抽出対象の光の持つ波長に
より理想のピンホール径は異なるので、調整できるよ
う、絞りとしての機能も備えている。
【0060】試料10から放出される蛍光は試料におけ
る観察対象物部分と共役な平面内に位置するこの共焦点
絞り12上へ焦点を結ぶので、この共焦点絞り12を通
った光が分光器14に入射し、当該分光器14のプリズ
ム15に入射されて分光される仕組みである。
【0061】X−Y走査光学系6はダイクロイックミラ
ー5と、瞳投影レンズ7との間の光路中に配され、所定
の範囲内で光路を光学的に移動させることができるもの
である。16は集光レンズ、17は1次元CCD(画素
が一列に配列された固体撮像素子)であって、集光レン
ズ16はプリズム15により分光された光を所定範囲に
集めるためのレンズであり、1次元CCD 17上に集
光するためのものである。なお、1次元CCD 17は
集光レンズ16の焦点位置に配置されている。
【0062】図2に示すように、1次元CCD 17は
画素に相当する複数の受光セルを一列に密に配列してな
るラインイメージセンサであり、プリズム15により分
光された光を集光レンズ16により1次元CCD 17
の受光セル配列範囲内に集めることにより、特定のスペ
クトルの光は特定のセル位置に入射して検出される構成
となっている。そして、CCD 17は光の入射によっ
てそのセルに生成された電荷による画素信号(輝度信
号)を、読み出し時にはセルの並ぶ順番に直列データで
出力する構成であるから、画素信号の直列データの位置
がそれぞれ特定スペクトルの検出信号となる対応関係を
持つ構成である。
【0063】尚、プリズム15、集光レンズ16、1次
元CCD 17で分光器14を構成している。レーザ光
はX−Y走査光学系6により試料10に対してX−Y走
査するものであり、ある瞬間でのレーザ光により励起さ
れた蛍光のプリズム15による分光後の1次元CCD
17出力は、レーザ光が照射された位置での励起蛍光
(或いは反射光)に含まれる全てのスペクトル分を個別
に含む検出画素信号ということになる。
【0064】31は制御装置であって、X−Y走査光学
系6を駆動制御するものであり、30は信号処理装置で
あって、1次元CCD 17で検出された入射光強度対
応の信号を、制御装置31のサンプリング信号に同期し
て、ディジタル信号に変換して出力するものであり、3
2はコンピュータであって、信号処理装置30の出力す
るデータを受けてこれをファイルとして記憶手段に保存
すると共に、保存されたこれらファイルを用いてスペク
トル画像を生成したり、スペクトルのグラフ表示をした
り、スペクトル範囲を指定することで、その指定したス
ペクトル範囲の画像を生成したりするといった機能を有
する。33はモニタ装置であり、コンピュータ32の出
力画面を表示する画像表示装置である。
【0065】尚、コンピュータ32は、画像生成のアプ
リケーションと、検査者の操作や指示を行い易くサポー
トするインタフェースであるGUI(Graphical User I
nterface;画面上に表示されたアイコンやウインドウな
どのグラフィカルな要素を、マウスなどのポインティン
グ・デバイスを用いてコンピュータを操作する方式のイ
ンタフェース)を持ち、画像毎に収集された全てのスペ
クトル分布を画面に表示したり、表示されたスペクトル
分布の中から、所望のスペクトル範囲を少なくとも1つ
以上個別に指定したり、その指定スペクトル領域につい
てのデータを記憶手段から抽出して画像を生成して表示
したりすると云った機能を有する。
【0066】次にこのような構成の本装置の作用を説明
する。いま、細胞内カルシウムイオン濃度に関する測定
を実施しようとする場合を考える。この場合、試料10
の染色には蛍光試薬として“INDO−1”を用いる。
また、この場合、レーザ光源1としてはアルゴンレーザ
光源を用いる。“INDO−1”により染色された試料
10を対物レンズ9の下に置き、対物レンズ9の焦点を
合わせる。
【0067】その後、レーザ光源1からレーザ光を出射
させる。レーザ光源1は351[nm]の発振線(レーザ
光)を有するアルゴンレーザ光源であり、当該レーザ光
源1から出射された351[nm]のレーザ光束2は、
ビームエクスパンダ3により対物レンズ瞳径に略一致す
るようにビーム径が拡大される。そして、レーザライン
フィルタ4を介してダイクロイックミラー5へと導かれ
る。
【0068】レーザラインフィルタ4では351[nm]
の発振線を選択的に透過させる。レーザラインフィルタ
4を透過した351[nm]の波長を有するレーザ光はダ
イクロイックミラー5で反射され、X−Y走査光学系
6、瞳投影レンズ7、結像レンズ8、対物レンズ9を経
て試料10に達する。
【0069】ここで、試料10に対するレーザ光集束点
は対物レンズ9で定まり、試料10上でのレーザ光集束
位置はレーザ光をX−Y走査するためのX−Y走査光学
系6によるX−Y走査位置により定まる。
【0070】試料10は蛍光試薬“INDO−1”で標
識されており、351[nm]の波長を有するレーザ光が
試料10に照射されることにより、その照射点となった
試料10からは反射光もしくはレーザ光による励起によ
って蛍光が生じる。試料10からの反射光および蛍光か
らなる光束20は、対物レンズ9、結像レンズ8、瞳投
影レンズ7、X−Y走査光学系6、を経てダイクロイッ
クミラー5に戻る。そして、光束20はダイクロイック
ミラー5を透過し、ここで、元のレーザ光波長成分の光
が除去されて、蛍光成分の光のみとなり、これはさらに
共焦点レンズ11を透過し、前記試料10の前記照射点
となった位置からの光が集束されて共焦点絞り12の側
に焦点を結ぶ。そして、その集束点にある共焦点絞り1
2により、前記試料10の前記照射点となった位置から
の光が取り出され、それ以外は共焦点絞り12の絞り開
口部(ピンホール)から外れることにより除去される。
共焦点絞り12を通過した光はコリメートレンズ13に
よりコリメート(平行光線化)され、分光器14に入
る。
【0071】分光器14はプリズム15、集光レンズ1
6、および1次元CCD 17からなり、共焦点絞り1
2を通過してコリメートレンズ13により平行光線化さ
れた光束はプリズム15でスペクトル分解され、集光レ
ンズ16を介して1次元CCD 17上に集光される。
1次元CCD 17は集光レンズ16の焦点位置に配置
されており、しかも、微少なサイズの複数の受光セル
が、リニアに、且つ、密に配列されたものであって、分
光されるスペクトルの分布範囲が1次元CCD 17に
おける受光セルの配列範囲に見合うように、集光レンズ
16により集光される。
【0072】従って、各受光セルの配列位置と、分光さ
れるスペクトルの波長域は特定の関係にある。分光され
て得られたスペクトルの波長と1次元CCD 17にお
けるその波長のスペクトルを検出する受光セルの位置が
定まっているわけである。
【0073】従って、プリズム15によりスペクトル分
解されることにより、各波長別に分離された光は、1次
元配列された1次元CCD 17上における分光光路対
応位置の受光セルに入射する。そして、1次元CCD
17には試料10におけるその時点でのレーザ光照射位
置における出力光の持つスペクトル成分が、その成分対
応の受光セルに入射する結果、その受光セルは入射光量
相当の電荷を生成する。
【0074】このようにして生成された電荷は受光セル
の並び順にしたがって順番に読み出され、受光セル単位
で連なる光強度信号として信号処理装置30に与える。
信号処理装置30は制御装置31からのサンプリング信
号に同期して1次元CCD17で検出された光強度信号
をディジタル信号に変換処理し、そして、例えば、パソ
コンの標準バスであるPCIバスを経由してコンピュー
タ32に転送する。
【0075】コンピュータ32では、これを受け取って
記憶手段に記憶する。この記憶した1ライン分の各受光
セルのディジタル信号は、試料10における特定走査位
置での出力光の持つ全スペクトル成分の成分別データ
(スペクトル分布特性のデータ)である。そのため、試
料10における特定走査位置での出力光の持つ全スペク
トル成分の成分別データが一度に収集できることにな
る。
【0076】一地点でのデータ収集が終わったならば、
制御装置31は自己の発生するサンプリング信号に同期
させながらX−Y走査光学系6を駆動制御して次の画素
のスペクトルデータを取得すべく、試料10に対するレ
ーザ光2の位置を移動させる。そして、上述のようにそ
の位置からの光をプリズム15により分光してその位置
での試料10のスペクトル成分の全データ(スペクトル
分布特性のデータ)を収集する。
【0077】制御装置31はサンプリング信号に同期さ
せながらX−Y走査光学系6を駆動制御して試料10に
対するレーザ光2の位置を移動させることで、試料10
の各位置を網羅するようにX−Y走査し、各位置での試
料10のスペクトル成分の全データを収集していくこと
になる。
【0078】上述した1次元CCD 17は、例えば、
受光セル数が256素子相当のラインイメージセンサで
あり、最短波長350[nm]、1素子あたり約1[nm]
に相当するようにプリズム15と集光レンズ16の焦点
距離が光学的に設定されていたとすると、この場合、1
次元CCD 17は350[nm]から605[nm]まで
の範囲のスペクトルが検出可能な構成となる。
【0079】そして、信号処理装置30は1次元CCD
17の出力を各素子毎に、例えば、8ビット分解能で
ディジタル化処理する構成であったとする。するとこの
場合には、制御装置31の一つのサンプリング信号毎に
(つまり画像上の1ピクセル(1画素)に対して)、2
56[Byte](バイト)の容量のデータ(スペクトル分
布特性のデータ)が収集されることになる。X−Y走査
光学系6は256×256ピクセルに亙り、走査するも
のとすれば、1画面当たり、256×256回分のサン
プリング信号が出力されることになるので、画像1枚
(256×256ピクセル)につきデータ容量は17
[MByte]の容量を持つことになる。
【0080】256×256ピクセル構成の1枚の画像
を1秒で取得するものとする場合、信号処理装置30か
らコンピュータ32にデータ転送する転送レートは17
[MByte/秒]程度であるから、一般的なコンピュータ
に搭載されているPCIバス経由で十分に転送可能であ
る。
【0081】また、コンピュータ32に1[GByte]の
メモリを搭載しておくことにより、少なくとも画像50
枚分のピクセル別のスペクトル分布特性のデータをコン
ピュータに転送し、コンピュータメモリ上に記録するこ
とが可能である。
【0082】以上のことから、観察対象の試料につい
て、ピクセル毎に、全スペクトルに亙り、各成分別の光
強度のデータ(ピクセル別のスペクトル分布特性のデー
タ)を含んだ50秒間(画像50枚)分の経時観察デー
タを得ることができるようになる。
【0083】ここで、以下に示すように、各画像ピクセ
ル(Xi,Yj)n(但し、(Xi,Yj)は画素位
置、nはn枚目の走査画像を指す)についての全スペク
トルデータ列を、そのスペクトル成分別にI(K1)
n,I(K2)n,I(K3)n,…,…, …,I
(Km)n、例えば、I(350)n,I(351)
n,I(352)n,…,…,…,I(605)nと表
記することにする(n=1〜50、また、K1,K2,…
は波長を示していて、I(350)nならば、n枚目の
画像の波長350[nm]の入射光量値,I(351)nな
らば、n枚目の画像の波長351[nm]の入射光量値,…
であることを示している)。
【0084】以上が、本発明の走査型レーザ顕微鏡にお
けるスペクトル成分のデータ収集である。次に画像表示
方法について説明する。
【0085】データ取得後、検査者は画像表示するため
のスペクトル範囲を選択する。これはコンピュータ32
の持つソフトウエアにより実施する。
【0086】コンピュータ32は、画像生成のアプリケ
ーションと、検査者の操作や指示を行い易くサポートす
るインタフェースであるGUIや操作手段等を持つ。そ
して、これらのソフトウエアによるメニュー画面をモニ
タ装置33に表示して検査者に何の処理を行わせたいの
か、指示させる。今、収集されたスペクトルのデータか
ら検査者が所望のスペクトル成分の画像を生成する指示
をしたとすると、この指示を受けてコンピュータ32
は、そのスペクトル範囲の指定画面を生成し、モニタ装
置33に送って表示させる。そして、検査者は所望のス
ペクトル範囲を指示する。
【0087】例えば、収集されたスペクトルのデータか
らスペクトル特性の分布図をグラフ表示し、その表示さ
れた分布図上で所望のスペクトル範囲を指定する。その
結果、図3(a)において符号p,qを付したハッチン
グ領域で示すように、2つのスペクトル範囲を指定した
とする。すなわち、一つは波長390[nm]から420
[nm]までの範囲(p)、他方は465[nm]から48
5[nm]までの範囲(q)である。
【0088】この指定情報を受けてコンピュータ32
は、その指定範囲のスペクトルデータ積算値ΣI(K)
nをそれぞれピクセル単位で求める。上述の例の場合、
【数1】 として演算するわけである。そして、画面全体の構成ピ
クセルそれぞれについての当該演算を行い、その結果を
反映させた画像を生成する。
【0089】390[nm]から420[nm]のスペクト
ルに対応する画像をA、465[nm]から485[nm]
のスペクトルに対応する画像をBとする。カルシウムイ
オン濃度の上昇とともに試料10からの蛍光スペクトル
はそれまでの図3(a)のような特性から図3(b)に
示すように、短波長側に移動したとすると、これによ
り、画像Aは明るさを増し、画像Bは暗くなることが認
められる。
【0090】そして、カルシウムイオン濃度を求めるた
めに、
【数2】 但し、αは検査者が定めることのできる適宜な定数であ
る。を演算する。
【0091】例えば、“INDO−1”で染色した試料
(標本)は、UV光(紫外線)を照射することにより、
当該試料から励起される蛍光を2つの異なる波長域(中
心波長405[nm]と480[nm])で検出し、検出光
量の比(中心波長405[nm]の蛍光/中心波長480
[nm]の蛍光)を演算して求めることにより、カルシウ
ムイオン濃度を測定できる。
【0092】従って、このことを利用して[数2]の演算
をコンピュータ32にて行うことで、カルシウムイオン
濃度を求めることができる。
【0093】各ピクセル別にこのようなカルシウムイオ
ン濃度を求め、1画面全てのピクセルについてこのよう
な演算を終えたならば、次にコンピュータ32はピクセ
ル毎に求めたカルシウムイオン濃度を反映させた画像を
生成する。
【0094】そして、得られたカルシウムイオン濃度を
表わす画像表示のためのデータをCとすれば、1画像毎
に図1(b)に示すように、画像A,B,Cが得られる
ので、上記の例では50枚分それぞれにおけるA,B,
Cの画像が得られることになる。得られたこれらの画像
はモニタ装置33に表示させ、検査者はこの表示画像を
観察することになる。
【0095】尚、上述の例では50枚分の画像を得てい
るので、これら50枚の画像を順次表示すれば、細胞内
カルシウムイオン濃度の変化を動画として表示すること
ができる。
【0096】本実施形態に示した走査型レーザ顕微鏡装
置は、もとになる全てのスペクトル成分のデータを、コ
ンピュータ32のメモリ上に保持させてあるので、選択
するスペクトル範囲はコンピュータ32に対して指定す
ることにより、何度でも再設定できる。そのため、選択
するスペクトルの範囲を種々変更して画像の状態を比較
することにより、カルシウムイオン濃度の変化を表わす
最善の画像を得ることができる。
【0097】以上、この実施形態に示したものは、レー
ザ光源からのレーザ光を観察対象の試料に集束させて照
射させると共に試料に対して前記レーザ光を移動走査さ
せ、試料から得られた光を分光手段により分光させて検
出器で検出することにより、スペクトルのデータを得る
ようにした走査型レーザ顕微鏡において、前記検出器は
入射光量対応に電気信号を発生する複数の微小受光素子
を密に直線的に配列させた1次元光検出手段を用い、前
記分光手段の分光出力をこの1次元光検出手段の微小受
光素子配列範囲にその入射位置と波長域とが所定の関係
を以て入射される配置関係とするようにしたものであ
る。
【0098】また、前記分光手段の分光出力をこの1次
元光検出手段の微小受光素子配列範囲にその入射位置と
波長域とが所定の関係を持つよう集光させる光学系を設
けて構成した。
【0099】また、前記1次元光検出手段の各微小受光
素子の出力電気信号をディジタル信号化して微小受光素
子配列順のデータを得る信号処理手段(信号処理装置3
0)と、この得られたデータを保持する保持手段とを設
けた。
【0100】更には、保持手段に保持したデータを用い
て指定のスペクトル範囲のデータを抽出しその指定範囲
のスペクトル成分による画像を生成する構成とした。
【0101】レーザ光源からのレーザ光を観察対象の試
料に集束させて照射させると共に試料に対して前記レー
ザ光を移動走査させ、試料から得られた光を分光手段に
より分光させて検出器で検出することにより、試料にお
ける1地点毎のスペクトルデータを得るが、スペクトル
データは例えばプリズム等による分光手段を用い、この
分光手段により分光して1次元光検出手段に入射させる
ことで得る。1次元光検出手段は、複数の微小受光素子
(受光セル)を密に直線的(1次元的)に配列させた構
成であり、前記分光手段の分光出力をこの1次元光検出
手段の微小受光素子配列範囲にその入射位置と波長域と
が関係を以て入射される配置関係としてあることから、
微小受光素子はその位置がどこであるかにより、入射さ
れる波長域が定まる。従って、特定位置の微小受光素子
にはスペクトルの特定波長域の光が入射する構成とな
る。そのため、この各微小受光素子よりその入射光量対
応の信号を得てこれを受光素子個別にディジタルデータ
化し、受光素子の並び順に収集すると波長成分が特定で
きるデータ、すなわち、全てのスペクトル分布がわかる
データとして収集されると言う効果がある。
【0102】しかも、試料に照射するレーザ光は、試料
上をX−Y走査させるべく移動させるので、その時々で
収集される上記データは試料に対するレーザ光の照射点
における放出光のデータであり、X−Y走査範囲で定ま
る画面を構成する画素単位でのスペクトル分布データと
なる。そのため、画素毎に全てのスペクトル分布が把握
できるデータとして収集できる。このデータを画面構成
分収集し、記憶保存し、この保存データを用いて画像を
生成するが、画素毎に全てのスペクトル分布が把握でき
るデータとして収集されていることから、所望にスペク
トル範囲を種々指定してその指定範囲のスペクトルによ
る画像を表示でき、従って、1度データを収集してしま
えば、そのデータを利用して種々に画像を生成すること
で、最適な画像を見付けることができる。
【0103】蛍光試薬による試料染色した試料(蛍光染
色試料)の蛍光観察においては、単染色のみならず多重
染色が多用されており、特に、蛍光染色は細胞、組織内
の特定対象を視認可能にするために行われることが多
い。このため、多重染色観察では、各染色部位が明確な
色の差、すなわち、蛍光波長の違いとして検出されなけ
ればならない。しかも、蛍光波長の部分的な重なり(ク
ロスオーバ部分)を除去して検出する必要がある。
【0104】本発明では画素毎に全てのスペクトル分布
が把握できるデータとして収集でき、このデータを画面
構成分収集して記憶保存し、この保存データを用いて所
望のスペクトル範囲の画像を生成するが、データが保存
されているので、スペクトル範囲を繰り返し何度でも種
々指定し直して画像を表示できることから、1度データ
を収集してしまえば、そのデータを利用して種々に画像
を生成することで、最適な状態の画像を見付けることが
できるようになる。
【0105】また、スペクトル領域の範囲指定は同時に
複数可能であり、しかも、指定したスペクトル領域内の
スペクトル成分のデータを加算してその指定領域のスペ
クトル成分による画像を生成し、さらにそれを利用して
イオン濃度などを演算にて求めることができ、その求め
たイオン濃度の画像を表示したり他の画像と合成したり
して表示できるので、検査者に試験結果についての詳細
な情報を提供できる効果もある。
【0106】なお、上記例では2次元画像を対象とした
が、ライン走査(1次元)であってもよいことは言うま
でもない。この場合には画像の横方向には走査の空間軸
が、縦軸には時間(または走査回数)がとられる。ま
た、分光にはプリズムを用いた例を示したが、これは回
折格子を利用しても良く、分光可能な手段であれば利用
することができる。
【0107】以上は、ピクセル毎のスペクトル分布のデ
ータを収集して保持しておき、その保持データを用いて
所望のスペクトル領域を定めてその領域の成分による画
像を求める方式であったが、試験を実施しながらその状
況を把握できるようにし、状況如何により試験継続か中
止かを判断できるようにして、もし、試験が上手くいっ
ていないようであるならば、そこで試験を中止する等の
対応ができて、時間の浪費をせずに済むようにした実施
形態を次に第2の実施形態として説明する。
【0108】(第2の実施形態)この実施形態では、ス
ペクトルデータの収集時に、あらかじめレーザ光源の出
力レーザ波長成分を除く、これよりも長い二つのスペク
トル域のデータの合計値を演算するとともに、ピクセル
毎の比を演算し、これらの演算結果をもとに画像表示す
るように構成するとともに、試料に対する1画面分のレ
ーザ走査終了のたびに画像表示を更新するようにして経
過を逐次、把握できるようにするものである。
【0109】図4(a)は、本発明の第2の実施の形態
に係わる共焦点走査型レーザ顕微鏡の構成を示す図であ
る。この実施形態においても、基本構成は第1の実施形
態で説明したものと同じで良い。但し、第2の実施形態
では、レーザ光源1として442[nm]の発振線を有す
るヘリウムカドミウムレーザ光源を用いている点、X−
Y走査光学系6は512×512ピクセルに亙り、走査
するようにした点、1次元CCD 17は例えば、10
24素子相当のラインセンサであり、最短波長430
[nm]、1画素当たり約0.25[nm]に相当するよう
に、プリズム15と集光レンズ16の焦点距離が光学的
に設定されていて、1次元CCD 17は400[nm]
から685[nm]のスペクトルが検出可能に構成されて
いる点、コンピュータ32は予めレーザ波長(442
[nm])成分を除く、これよりも長い二つのスペクトル
域のデータの合計値を求めるとともに、ピクセル毎の比
を演算し、これらの演算結果をもとに画像を生成し、モ
ニタ装置33に画像表示するように設定されており、X
−Y走査光学系6による1画面分の画素範囲のレーザ光
走査終了のたびにモニタ装置33に対する画像表示の更
新をするようにした点が第1の実施形態と異なる。尚、
34はコンピュータ32に接続されたハードディスクな
どの大容量記憶装置である。
【0110】このような本実施形態で開示した構成の装
置の作用を説明する。ここで観察対象とする試料10は
2種類の蛍光蛋白(例えば、CFPとYFPの2種類の
蛍光蛋白)を遺伝子発現させた細胞であるとする。
【0111】442[nm]の発振線を有するヘリウムカ
ドミウムレーザ光源1から出射されたレーザ光束2は、
ビームエクスパンダ3により対物レンズ瞳径に略一致す
るようにビーム径が拡大されレーザラインフィルタ4に
導かれる。レーザラインフィルタ4は442[nm]の発
振線を選択的に透過させる。
【0112】レーザラインフィルタ4を透過した442
[nm]の波長を有するレーザ光束はダイクロイックミラ
ー5で反射され、X−Y走査光学系6、瞳投影レンズ
7、結像レンズ8、対物レンズ9を経て試料10に達す
る。
【0113】試料10は、CFPとYFPの2種類の蛍
光蛋白を遺伝子発現させた細胞であり、細胞内カルシウ
ムイオン濃度の変化により、CFPからYFPへのエネ
ルギ移動の変化が生じ、これにより蛍光量が変化するも
ので、この光量の比を測定することで細胞内カルシウム
イオン濃度を測定することができる。
【0114】試料10に到達したレーザ光によってその
到達位置での蛍光蛋白を励起し、または反射光を生じ
る。
【0115】ここで、試料10に対するレーザ光集束点
は対物レンズ9で定まり、試料10上でのレーザ光集束
位置はレーザ光をX−Y走査するためのX−Y走査光学
系6によるX−Y走査位置により定まる。
【0116】試料10からの反射光および蛍光からなる
光束20は、対物レンズ9、結像レンズ8、瞳投影レン
ズ7、X−Y走査光学系6、を経てダイクロイックミラ
ー5に戻る。そして光束20はダイクロイックミラー
5、共焦点レンズ11を透過し、共焦点絞り12、コリ
メートレンズ13を介して分光器14に入る。
【0117】分光器14はプリズム15、集光レンズ1
6、および1次元CCD17からなり、ダイクロイック
ミラー5を透過した光束はプリズム15でスペクトル分
解され、集光レンズ16を介して1次元CCD 17上
に集光される。なお1次元CCD 17は集光レンズ1
6の焦点位置に配置されている。
【0118】X−Y走査光学系6を駆動制御する制御装
置31のサンプリング信号に同期して、信号処理装置3
0は1次元CCD 17で検出された光強度信号をディ
ジタル信号に変換し、PCIバス経由でコンピュータ3
2に転送する。
【0119】1次元CCD 17は例えば、受光セルが
1024素子相当のラインセンサであり、最短波長43
0[nm]、1画素当たり約0.25[nm]に相当するよ
うに、プリズム15と集光レンズ16の焦点距離が光学
的に設定されている。したがって、受光セル1024素
子は、順に400[nm]から685[nm]のスペクトル
範囲をカバーしている。そして、その各受光セルは、自
己の対応する波長成分の光の強度に対応する電気信号を
発生することになる。すなわち、1次元CCD17は4
00[nm]から685[nm]のスペクトルが検出可能に
構成されているわけである。
【0120】信号処理装置30は1次元CCD 17の
出力を各素子毎に8ビット分解能で処理し、その並び順
に並ぶデータとして出力する。
【0121】したがって、この信号処理装置30の出力
するデータは、制御装置31の一つのサンプリング信号
に対して(つまり画像上の1ピクセルに対して)、1
[KByte](キロバイト)のデータ容量を有する。
【0122】X−Y走査光学系6によるX−Y走査の範
囲は、1画像当たり512×512ピクセル相当である
から、制御装置31はこれに対応するサンプリング信号
を出力することとなるので、画像1枚(512×512
ピクセル)につき268[MByte]のデータ容量とな
る。
【0123】1枚の画像を60秒おきに取得する場合、
信号処理装置30からコンピュータ32に必要な転送レ
ートは、一般的なコンピュータに搭載されているPCI
バス経由で十分に対応可能である。また、このデータを
コンピュータ32に接続されたハードディスクなどの大
容量記憶装置34に、試料に対する1画面分のレーザ走
査終了ごとに書き込むことにより、少なくとも画像50
枚分のデータを記録することが可能である。信号処理装
置30からコンピュータ32へのデータ転送時間とハー
ドディスク(大容量記憶装置34)ヘの書き込み時間の
合計が画面毎のレーザ走査間隔時間に対して小さければ
良いことになる。
【0124】この実施形態では、コンピュータ31での
処理は、あらかじめレーザ波長(442[nm])成分を
除く、これよりも長い二つのスペクトル域のデータの合
計値を演算するとともに、ピクセル毎の比を演算し、こ
れらの演算結果をもとに画像を生成して画像表示するよ
うに設定されており、レーザ走査終了のたびに画像表示
を更新するようになっている。
【0125】すなわち、二つのスペクトル範囲をあらか
じめ指定しておく。一つは465[nm]から495[n
m]までを、他方は520[nm]から550[nm]まで
である。
【0126】この指定情報を受けてコンピュータ32
は、その指定範囲のスペクトルデータ積算値ΣI(K)
nを、それぞれピクセル単位で求める。上述の例の場
合、
【数3】 として演算するわけである。そして、画面全体の構成ピ
クセルそれぞれについての当該演算を行い、その結果を
反映させた画像を生成する。
【0127】465[nm]から495[nm]のスペクト
ルに対応する画像をA、520[nm]から550[nm]
のスペクトルに対応する画像をBとする。カルシウムイ
オン濃度の上昇とともに試料からの蛍光スペクトルはエ
ネルギ移動により、画像Bは明るさを増し、画像Aは暗
くなる。
【0128】そしてカルシウムイオン濃度を求めるため
に、
【数4】 但し、αは検査者が定めることのできる適宜な定数であ
る。を演算する。
【0129】そして、演算により求めたカルシウムイオ
ン濃度を表わす画像表示のためのデータによる画像をC
とすれば、1画像毎に図4(b)に示すように、画像
A,B,Cが得られるので、例えば、n=1の画像のた
めの走査が終了段階でそのn=1の画像は生成が可能で
あるから、その生成画像を表示するようにする。得られ
たこれらの画像は大容量記憶装置34に保存させ、ま
た、モニタ装置33に表示させるので、検査者はこの表
示画像を観察することになる。
【0130】n=2の画像のためのレーザ走査が終了し
た段階で、n=2の画像を生成し、大容量記憶装置34
に保存し、また、n=1の画像に代えてそのn=2の画
像を表示し、n=3の画像のためのレーザ走査が終了し
た段階でn=3の画像を生成し、大容量記憶装置34に
保存し、また、n=2の画像に代えてそのn=3の画像
を表示し、…と云う具合に、画像A,B,Cを走査終了
の度に画像の生成とその生成した画像のモニタ装置33
への更新表示を実施する。これにより試験の状況を把握
しながら、時間経過観察ができることになる。
【0131】また、生成画像は大容量記憶装置34に保
持させてあるので、所定回(前記例では50画面に亘っ
て)のレーザ走査終了後に当該保持させてある所定枚
(前記例では50枚)の画像を順次表示すれば細胞内カ
ルシウムイオン濃度の変化を動画として表示して時間経
過観察することができる。
【0132】すなわち、この実施形態においては時間経
過観察のために試料走査は所定回数だけ間欠的に行わ
れ、前記画像表示は各レーザ走査終了毎にあるいは全枚
数分の画像取得のためのレーザ走査全てが完了した後に
所定回数行われるようにした。
【0133】また、レーザ走査によって収集された各ピ
クセル毎のスペクトル分布のデータは保存されているの
で、選択するスペクトル範囲は何度でも再設定し直して
画像表示できることから、カルシウムイオン濃度の変化
を表わす最善の画像を得ることができる。
【0134】このようにこの実施形態に示したものは、
レーザ光源からのレーザ光を観察対象の試料に集束させ
て照射させると共に試料に対して前記レーザ光を移動走
査させ、試料から得られた光を分光手段により分光させ
て検出器で検出することにより、スペクトルのデータを
得るようにした走査型レーザ顕微鏡において、スペクト
ルデータの収集時に、あらかじめレーザ光源の出力レー
ザ波長成分を除く、これよりも長い二つのスペクトル域
のデータの合計値を演算するとともに、ピクセル毎の比
を演算し、これらの演算結果をもとにした画像を表示す
るように構成したものであり、レーザ光による試料の走
査終了のたびに画像表示を更新するようにして経過を逐
次、把握できるようにしたものである。
【0135】そのため、試験を実施しながらその状況を
把握できるので、状況如何により試験継続か中止かを判
断できるようになり、もし、試験が上手くいっていない
ようであるならば、そこで試験を中止する等の対応がで
きて、時間の浪費をせずに済むようになる等の効果が得
られる。
【0136】従って、この実施形態においては、1画面
分の走査を終えると時間をおいて再びレーザ光による試
料の1画面分の走査を実施する間欠走査において、一つ
の走査が終了するたびに画像表示されるので、検査者は
試験途中でCFP,YFPそれぞれの画像と、カルシウ
ムイオン濃度の変化を確認できる。そのため、もし、試
験がうまくいっていないようならば、そこで試験を中止
する等の対応をとることができ、時間の浪費をせずに済
むようになる。
【0137】尚、上記例ではレーザ光源としてヘリウム
カドミウムレーザ光源を用いて1光子励起で観察を行っ
ているが、モードロックチタンサファイヤレーザ等の赤
外域の波長を有する超短パルスレーザ光源を用いて、2
光子励起観察を行い、これよりも短い2つのスペクトル
域のデータの合計値を演算するとともに、ピクセル毎の
比を演算し、これらの演算結果をもとに画像表示するよ
うに設定し、走査終了のたびに演算結果の画像表示を更
新するようにしてもよい。ここで、2光子励起(2光子
励起法)とは吸収波長の何倍化の波長を有する長波長の
レーザ光を高密度で照射することにより、焦点面で局所
的に蛍光分子を励起する方式で多光子励起法とも呼ばれ
るものであり、ピンホールなしで共焦点観察法と同等な
セクショニング画像を得ることができる手法である。
【0138】そして、このような超短パルスの長波長レ
ーザ光を用いて、2光子励起によりデータを取得する方
法は細胞に対する光毒性が少なく、より長時間に亙る観
察が可能になる。
【0139】また、この例では1次元のCCDを用いた
が、試料からの光束が集光レンズ16により集光され、
ここで形成される回折スポット径がCCDの画素サイズ
よりも大きい場合は2次元CCDを用いる構成としても
よい。これにより、スポット径が大きい場合に、試料か
らの光を効率良く検出でき、S/Nの良いデータを取得
することができるようになる。
【0140】なお、本発明は上述した実施形態に示す例
に限定されるものではなく、種々変形して実施可能であ
る。
【0141】また、本発明において、上記実施形態には
種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構
成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽
出され得るものである。例えば、実施形態に示される全
構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が
解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1
つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の
少なくとも1つが得られる場合には、当該実施形態での
構成要件が一部削除された構成についても発明として成
立し得るものである。
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、走査ピクセル毎にスペ
クトルデータを有しており、画像表示のためのスペクト
ル域を自由に選択することができ、しかも何度でもスペ
クトル域の指定を変更できるので、細胞内カルシウムイ
オン濃度を測定するような、試料からの蛍光スペクトル
を正確に知ることができない試験や撮像を行う場合で
も、最適な解析結果を得ることのできる、自由度の高い
走査型レーザ顕微鏡を提供することができる。
【0143】さらに、多重染色観察において、試料の退
色を防止するために、少ない走査回数で蛍光波長の部分
的な重なり(クロスオーバ部分)を効率良く除去して画
像表示することのできる走査型レーザ顕微鏡を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための図で
ある。
【図2】本発明を説明するための図であって、本発明の
走査型レーザ顕微鏡における分光器の構成例を説明する
ための図である。
【図3】得られたスペクトルの例とスペクトル範囲指定
の例およびその遷移状況の例を説明するための図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明するための図で
ある。
【図5】従来技術を説明するための図である。
【図6】従来技術を説明するための図である。
【図7】従来技術を説明するための図である。
【図8】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
1…レーザ光源、 2…レーザ光束 3…ビームエクスパンダ、 4…レーザラインフィルタ 5…ダイクロイックミラー、6…X−Y走査光学系 7…瞳投影レンズ、 8…結像レンズ 9…対物レンズ、 10…試料 11…共焦点レンズ、 12…共焦点絞り 13…コリメートレンズ、14…分光器 15…プリズム、 16…集光レンズ 17…1次元CCD、 20…試料からの光束 30…信号処理装置、 31…制御装置 32…コンピュータ、 33…モニタ装置 34…ハードディスク装置(HDD)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 21/16 G02B 21/16 Fターム(参考) 2G020 AA04 BA02 BA20 CA01 CB04 CB23 CB43 CC02 CC13 CC26 CC63 CD06 CD14 CD24 CD36 CD37 2G043 AA01 BA16 DA02 DA06 EA01 FA02 GA07 GB19 HA01 HA09 HA15 JA02 JA04 JA05 KA02 KA05 KA09 LA03 NA01 NA05 2H052 AA07 AA08 AA09 AC04 AC12 AC15 AC34 AD35 AF07 AF14 AF25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光源からのレーザ光を観察対象の試
    料に集束させて照射させると共に試料に対して前記レー
    ザ光を移動走査させ、試料から得られた光を分光手段に
    より分光させて検出器で検出することにより、スペクト
    ルのデータを得るようにした走査型レーザ顕微鏡におい
    て、 前記検出器は入射光量対応に電気信号を発生する複数の
    微小受光素子を直線的に配列させた1次元光検出手段を
    用い、前記分光手段の分光出力をこの1次元光検出手段
    の微小受光素子配列範囲にその入射位置と波長域とが所
    定の関係を以て入射される配置関係とすることにより画
    素単位でスペクトルのデータを得ることを特徴とする走
    査型レーザ顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記検出器の各微小受光素子より得られる
    電気信号を収集してデータとして保持する手段と、この
    保持されたデータを用い、これらのうち、所望に指定さ
    れたスペクトル域のデータを抽出して加算し、画像を生
    成する手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の走査型レーザ顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記検出器の各微小受光素子より得られる
    電気信号を収集してデータとして保持する手段と、この
    保持されたデータを用い、これらのうち、レーザ光源の
    出力レーザ波長より長い波長であって所望に指定された
    少なくとも二種のスペクトル域のデータをそれぞれ抽出
    してそれぞれのスペクトル域における抽出データを加算
    すると共に、両者の比を求めて当該比に基づく画像を生
    成し、次の画像が生成されるまでの間、この生成画像出
    力する手段と、この出力された生成画像を表示する手段
    と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の走査型レ
    ーザ顕微鏡。
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