JP4507060B2 - 創薬スクリーニング方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、薬物の発見あるいは新しい種類の医薬品を開発する創薬などにおいて用いられる創薬スクリーニング方法および装置に関する。
医薬のスクリーニング装置としては、例えば蛍光試薬などで処理された細胞のスクリーニングを行う装置がよく知られている(例えば、特許文献1)。
図7は特許文献1に記載のスクリーニング装置の構成図である。この装置は、カメラに対して1−100倍の倍率を持つ標準的な対物レンズと、電源2を持つ光源(例えば、100W水銀−アーク灯または75Wキセノンンランプ)を使用するZeiss Axiovert倒立型蛍光顕微鏡のような倒立型蛍光顕微鏡1が使用される。顕微鏡対物レンズ上にはXY方向にプレート4を移動させるためのXYステージ3がある。
プレート4は標準的な96ウェルのプレートである。各ウェルには細胞が注入され、そして試薬が添加される。プレート4は顕微鏡アセンブリ1に載置された後、XYステージ3によりXY方向に移動され、各ウェルの細胞から発せられる蛍光像はカメラ7で受像される。カメラの出力信号は中央処理装置10に入力され、処理されてディスプレイ12上に蛍光像に対応した表示形式で表示される。また、ブリンタ13にはハードコピーの記録を印刷することができる。
このようにして、試薬の細胞に対する作用効果を検出することができる。
なお、Z軸焦点駆動機構5は、観測に先立って行う対物レンズ焦点調節のためのZ軸方向移動機構である。また、ジョイスティック6は、ステージをXYZ方向に手動で移動させるものである。その他、カメラ用の電源8、自動コントローラ9が備えられている。
特表2002−525603号公報
しかしながら、このようなスクリーニング装置では次のような課題がある。
(1)従来の装置では、生きている細胞の原形質流動と、死んだ細胞内のオルガネラのブラウン運動の違いが区別できず、画像処理では生きている細胞か死んでいる細胞かが判定できないという欠点がある。このため、十分時間が経過し、死ぬか生きるかに区別された状態で、食性をみるのが現実的な方法となっており、試薬の効果を観測するのに時間がかかるという問題があった。
(2)細胞に対する試薬の効果はオペレータが目視により判定しており、煩雑であるばかりでなく、誤判定もあるなどの問題があった。
(3)光学的な蛍光顕微鏡では、細胞の上から下までのすべての部分にピントの合った画像は得られず、焦点ボケしたぼやけた画像でしか検査できない。したがって、細胞全体にわたる形態や動態がよく把握できないという問題があった。
本発明の目的は、このような課題を解決するもので、細胞の蛍光画像に基づいて細胞の活性度(ADMETOX:absorption, distribution, metabolism, excretion and toxicity:吸収・分布・代謝・排泄・毒性)を求め、その活性度の良否を判定することにより、細胞に対する試薬の効果を把握できるようにした創薬スクリーニング方法および装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、蛍光画像の時間差分画像からオプティカルフローを演算により求め、これに基づいて細胞内の循環活動とブラウン運動を区別する推論を行って細胞の活性度を決定し、その活性度について良否判定が行われ、かつスクリーニング開始初期においてその良否判定結果が得られるようにした創薬スクリーニング方法および装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、細胞および試薬をあらかじめ設定した条件に従ってウェルへ自動注入できる創薬スクリーニング装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、測定後のプレートから最適ウェルや最悪ウェルなどを見出すのを容易にするために、着目ウェルにマーキングを施すことのできる創薬スクリーニング装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ニポウ方式の共焦点スキャナを用いて細胞の上から下までピントの合った画像を得て細胞の形態や動態などがよく把握できる創薬スクリーニング装置を提供することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の創薬スクリーニング方法の発明では、
試薬と蛍光標識された細胞とをプレート上の複数のウェルに注入しておき、各ウェルごとに細胞から発生する蛍光画像を読取り、その蛍光画像の時間差分画像から演算によりオプティカルフローを求め、このオプティカルフローに基づいて原形質流動とブラウン運動を区別し、前記原形質流動に基づいて細胞の活性度を求めて各ウェルごとに細胞の活性度の良否判定を行い、その良否判定に基づいて前記試薬の細胞に対する効果が確認できるようにしたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の創薬スクリーニング装置の発明では、
試薬と蛍光標識された細胞とをプレートの複数のウェルに注入するディスペンサと、
前記ウェルに励起光を照射して得られた細胞からの蛍光画像に基づいて細胞の画像を求める画像処理部と、
この画像処理部で処理された蛍光画像の時間差分画像からオプティカルフローを演算し、このオプティカルフローに基づいて原形質流動とブラウン運動を区別する推論部を持ち、前記原形質流動に基づいて細胞の活性度を求めて前記各ウェルについてその活性度の良否を判定する判定部と、
前記活性度の良否判定結果を各ウェルについて表示する表示部と、
を具備し、前記細胞の活性度の良否判定結果から試薬の効果が把握できるように構成したことを特徴とする。

このような発明によれば、細胞の蛍光画像を基に細胞の活性度を求め、その活性度の良否を判定し、その判定結果に基づいて細胞に対する試薬の効果を容易に確認することができる。
このとき、活性度はスクリーニング開始初期において素早く判定されるので、試薬の効果を短時間で検出することができる。
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
(1)細胞の活性度の判定により、各ウェルの薬効を迅速かつ正確に把握することができる。その際、表示画面上で各ウェルは活性度の判定結果に対応して色分け表示されるため、薬効の良否を容易に把握することができる。
(2)活性度の判定では、時間差分画像から演算されるオプティカルフローをもとに細胞内の循環活動とブラウン運動を区別するプログラムを組み込んだ推論部により判別するため、誤判定なく、細胞の活性度の判定することができる。
また、この活性度の判定によれば、スクリーニング開始初期において素早く判定でき、容易にスクリーニングの高速化を図ることができる。
(3)プレート上の最適ウェルや最悪ウェルなどの着目ウェルにマーキングしておくことができるため、観測後にプレート上で着目ウェルを容易に見出すことができる。
(4)細胞の活性度のトレンドも容易に把握できる。
(5)共焦点スキャナを用いると共に、対物レンズの焦点位置を光軸方向に変化させて細胞の画像を観測するため、細胞全体にわたってボケのない画像を得て、活性度決定に供することができる。
(6)ウェルへの細胞および試薬の注入条件を様々に設定でき、その条件に従って容易に自動注入することができる。
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係る創薬スクリーニング装置の一実施例を示す構成図である。図1において、100はセンサ部、200は機構制御部、300は画像処理部、400はプレート(図7のプレート4に相当)、500は判定部、600は制御部、700は表示部、800はディスペンサである。
センサ部100は、レーザ光源110、ニポウ方式の共焦点スキャナ120、対物レンズ130、焦点位置可変手段140、カメラ150から構成されている。
レーザ光源110から発生した励起光としてのレーザ光は、ニポウ方式の共焦点スキャナ120を通り、対物レンズ130によりプレート400のサンプル401上に集束する。レーザ光により励起され発光した細胞からの蛍光は対物レンズ130を経由して共焦点スキャナ120に戻って来て、カメラ150に入力される。カメラ150ではサンプル401のXY平面の蛍光像が得られる。
ニポウ方式の共焦点スキャナ120は、例えば図2に示すような構成である。ただし、図2では、図1とは上下が逆の関係で示してあり、また、対物レンズ130およびカメラ150の受光素子151を併せて示してある。
図2において、励起光であるレーザ121は、マイクロレンズディスク122に配置された各マイクロレンズ123により個別の光束に集光され、ダイクロイックミラー124を透過後、ピンホールディスク(ニポウディスクともいう)125に設けられた個々のピンホール126を通過し、対物レンズ130によりサンプル401に集光される。
サンプル401から発生した蛍光は再び対物レンズ130を通り、ピンホールディスク125の個々のピンホール上に集光される。個々のピンホール126を通過した蛍光はダイクロイックミラー124で反射され、リレーレンズ129により、カメラの受光素子151上に蛍光画像を結像する。
ここで使用されるダイクロイックミラー124は、励起光121を透過し、サンプル401からの蛍光を反射するように設計されている。
マイクロレンズディスク122とピンホールディスク125は部材127で機械的に連結され、回転軸128の周りを一体で回転する。個々のマイクロレンズ123とピンホール126は、ピンホールディスク125上に形成された個々のピンホール126からの励起光がサンプル401の観察平面を走査するように配置されている。また、ピンホール126が並んでいる平面と、サンプル401の観察平面と、カメラの受光素子151とが互いに光学的に共役な関係に配置されているため、受光素子151上にはサンプル401の光学的断面像、すなわち共焦点画像が結像される。
図1に戻って、焦点位置可変手段140は、対物レンズ130の焦点位置をZ軸方向(光軸方向)に連続的または不連続的に移動(以下走査ともいう)させるものである。焦点位置可変手段としては、例えばピエゾアクチュエータ(単にアクチュエータという)を用いることができる。以後アクチュエータを例にとって説明する。
機構制御部200は、プレート400を載置した基板ステージ(図示せず)をセンサ部100に対して所定位置に載置すると共に各ウェルを順次観測するために基板ステージを移動するためにXYZ軸方向へ適宜移動するためのXYZ方向駆動と、センサ部のXY軸方向位置調整のためのXY方向駆動を行うものである。
画像処理部300は、カメラ150からの画像信号を受けて、細胞の動態などを表すための適宜の画像処理やデータ処理を行う。なお、処理には、例えば、細胞の蛍光強度やカイネティクス、さらにヒストグラムや相関図などの統計的解析を行うための処理も含まれる。
処理した画像は制御部500により表示部600に表示される。
制御部600は、例えばマイクロコンピュータが使用され、機構制御部200、アクチュエータ140、画像処理部300、判定部500、ディスペンサ800を適宜制御する。
ディスペンサ800は、プレート400の各ウェルに細胞(あらかじめ蛍光標識された生きた細胞)と試薬を例えば電磁ポンプ(図示せず)などを用いてそれぞれ注入すると共に、測定後のプレート上にマーキングするための機構を備えている。試薬としては、1種類とは限らず、複数種類の試薬、また同じ種類であっても濃度の異なる試薬などと、多種のものが適宜適用される。ディスペンサ801は細胞注入用、ディスペンサ802は試薬A注入用、ディスペンサ803は試薬B注入用、ディスペンサ804はマーキング用の有色塗料塗布用である。なお、試薬や塗料用のディスペンサの個数は、実施例に限定されるものではない。
各ウェルに注入する細胞および試薬は、事前に制御部600で設定・記憶されていて、その設定に従ってディスペンサ801,802,803の電磁ポンプが駆動され、プレート400の各ウェルに自動注入される。このときプレート400は、制御部600によって制御される機構制御部200により、注入ディスペンサに対応した位置へ自動的に移動される。
判定部500は、画像処理部300にて得られた画像データを用いて細胞の活性度を決定する機能を有する。活性度を決定する機能の一例を次に記載する。
時間(t )の画像と、ある時間経過後(t+Δt)の画像との間の差分画像から、微粒子の動きベクトルを抽出する。このΔt 刻みのベクトルの流れの総体はオプティカルフローと呼ばれる。このオプティカルフローは、原形質流動の場合、一方向となり、ブラウン運動の場合、フロー方向はランダムで、積算しても長距離に行くことはない。
判定部500は、時間差分画像から演算されるオプティカルフローをもとに細胞内の循環活動と、ブラウン運動を区別するプログラムを組み込んだ推論部(AI推論エンジン)を持ち、誤判定なく、細胞の活性度の判定を可能にしている。特に、原形質流動の速度は、活性度と良い関係にあり、スクリーニング開始初期において素早い判定を可能にする。
判定部500は、このようにして求めた活性度について良否判定を行う。図3は試薬の種類の違いによる細胞の活性度の時間変化を概略的に示したものである。横軸は経過時間、縦軸は活性度である。図3において、線Aは試薬Aを注入したウェルの細胞の活性度、線Bは試薬Bを注入したウェルの細胞の活性度、線Cは試薬Cを注入したウェルの細胞の活性度の時間変化を示す。このように活性度は試薬の種類によりその時間変化が異なる。なお、このような活性度特性は試薬の濃度によってもまた異なる。
判定部500は、このような活性度に対し、ある閾値を適用し、閾値以上か閾値以下かで細胞の活性度の良否、換言すれば細胞に対する試薬の効目の良し悪しを判定する。この場合、図4の拡大図で例示するように1つのウェル401中には複数の細胞が存在する。判定部500は、各細胞の活性度の、例えば最大値あるいは平均値をもって、当該ウェルの活性度とし、その良否判定を行う。良否判定結果には、判定結果の識別を容易にするために良否に対応した表示色の色情報を付けて出力する。例えば活性度が閾値以上となったウェブには赤色情報を付けて出力する。
なお、判定結果は必要に応じて記憶手段(図示せず)に記憶しておくことができる。
表示部700は、図5に示すように、プレート400の各ウェル401について活性度の判定結果を表示する。この場合は、図3に示す試薬A,B,Cを左から第1列目、第2列目、第3列目に注入した場合である。同図(a)〜(c)は図3の経過時間t1,t2,t3における各判定結果の表示例である。図では、活性度が閾値以上のウェルを黒丸で示してある。
図6は各試薬で濃度の異なる場合の良否判定結果の表示例であり、上側から下側へかけて濃度が順次薄くなっている場合である。
なお、閾値を2つ以上用いて良否を判定するようにしても構わない。
このような構成における動作を次に説明する。あらかじめ制御部600に設定した情報に従って細胞および試薬のディスペンサからプレート400の各ウェルに注入が行われる。この場合、ディスペンサ800とプレートは制御部600の指示に従って機構制御部200により駆動され、相対的に移動する。
ウェルへの注入後、機構制御部200の駆動により、プレート400がセンサ部100上の所定位置に設置される。
センサ部100からのレーザ光(励起光)によりウェルのサンプルが照射され、細胞から蛍光が発生する。この蛍光は対物レンズ130、アクチュエータ140を通って、共焦点スキャナ120上に結像する。その像(細胞画像)はカメラ150で読取られる。
このとき、対物レンズ130はアクチュエータ140によりZ軸方向に連続的または不連続的に走査される。これにより、Z軸方向の上から下まで、異なる各断面位置での細胞のスライス画像がカメラ150でとらえられる。共焦点スキャナにより得た各スライス画像は綺麗でSN比の良い正確な画像である。本発明では共焦点スキャナとしてニポウ方式の共焦点スキャナを用いているため、綺麗でSN比の良い正確な画像をより高速に得ることができる。
このようにして各ウェルとも同様して画像測定する。この画像測定は所定の時間間隔で行われる。
画像処理部300では、カメラ150で得られた複数のスライス画像をもとに細胞の深さ方向の画像がはっきりと正確に映し出された超深度の画像を得る。この画像は、ウェル中での各細胞のZ軸方向のバラツキに関係なく、従来の蛍光顕微鏡によるボケた画像よりもより正確に細胞全体の動態をとらえた蛍光画像である。この画像データは図示しない記憶手段に適宜格納しておくことができる。
なお、画像処理にハフ変換を用いてもよい。また、アクチュエータ140をZ軸方向に連続走査し、超深度の蛍光画像がカメラ150上で撮影されるようにしてもよい。
画像処理部300により処理された画像データは、判定部500に渡される。
判定部500では、AI推論エンジンにより、時間(t )の画像と、ある時間経過後(t+Δt)の画像との差分画像からオプティカルフローを演算し、ウェルごとに細胞の活性度を求める。
続いて、ある閾値を基準として各ウェルごとに細胞の活性度の良否、換言すれば細胞に対する試薬の効果を判定する。閾値以上の活性度に対しては良と判断し、例えば赤色の表示色情報を付して判定結果を出力する。
判定結果は表示部700上に図5に示すような形式で表示される。なお、図では、活性度が良と判定されたウェルについては黒色で表示してある。図5(a)〜(c)は、図3に対応した経過時刻t1,t2,t3での各判定結果の表示である。
このような表示を観測することにより、細胞の活性度の良否、換言すれば細胞に対する試薬の効果を容易に判別し、確認することができる。
なお、図5は単純にウェルの各列ごとに種類の異なる試薬を注入した場合の良否判定結果の表示パターン例であるが、種類とその濃度の異なる試薬を各ウェルに注入した場合はより複雑な表示パターンとなる。
制御部600は、ウェルの注入条件、例えば各ウェルに注入した細胞や試薬の種類や濃度などについての情報を、上記判定結果の表示と併せて表示部700上に表示することができる。このようにして、各ウェルごとに細胞の活性度の良否を自動判定し、その判定結果を認識しやすい表示形式で表示することができる。
なお、1つのプレートに配置されるウェルの数は、96個から400個、さらに8000個へと増大傾向にあり、測定後のプレートから最適ウェルや最悪ウェルを見出すのは簡単ではなく、間違いやすいこともある。そこで、制御部600では、判定部500の判定結果に基づき、マーキング用のディスペンサ804と制御機構部200を駆動して測定後のプレート400の着目ウェルにのみマーキングを行う。例えば、有色塗料をプレート表面の着目ウェル近傍に付着させる。
なお、本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
例えば、ディスペンサは電磁ポンプを使用したものではなく、ピエゾアクチュエータを用いて高速化したものでもよい。
また、プレート400は1個とは限らず、それぞれ条件の異なる複数個のプレートについて、注入条件設定、観測、判定を連続的に行うことができる。
また、画像処理部300や判定部500は、図では独立の構成要素として示してあるが、制御部600に含めた構成としてもよい。
また、実施例では3次元対物レンズ130をピエゾアクチュエータ140でZ軸方向に走査するようにしたが、遠・中・近などのマルチヘッドを用いて3次元処理するようにしてもよい。
あるいはまた、対物レンズ130をピエゾアクチュエータで駆動するのではなく、対物レンズ130と共焦点スキャナ120の間に電圧制御型の可変焦点レンズを挿入して電圧制御により対物レンズのサンプルへの焦点位置を可変するようにしてもよい。
また、実施例ではレーザ光により励起するようにしたが、2光子吸収を利用し、励起光として赤外光を照射し、2光子吸収を誘起してサンプルから蛍光を発生させるようにしてもよい。これによれば、細胞には光エネルギーの少ない赤外光の照射で済み、細胞に対する光の影響をほぼなくすことができる。
また、量子ドットを用いて細胞を染色し、短波長のレーザ光で励起し、カメラのフィルターに識別機能を持つ分光特性を持たせて、サンプルの画像をカメラで撮像するようにしてもよい。これにより、感度と識別能力を容易に向上させることができる。
また、ニポウ方式の共焦点スキャナにおいて、その出力画像をラインセンサを用いて検出するようにしてもよい。これによれば、同時性と更なる高分解能性を同時に達成することができる。この場合、ラインセンサとして、マルチカラーラインセンサを用いてもよい。
また、生きた細胞を共焦点スキャナ下で長時間にわたって間歇的に観測し、細胞の活性状態をトレンド表示することもできる。
なお、画像処理部300で利用する画像としては、対物レンズを光軸方向に必要深さだけ走査して得られるサンプル(細胞)の断面の画像情報をカメラの同じフレーム期間内に露光させて得た画像(走査した厚さ分の長い焦点深度の画像。これを長焦点画像と呼ぶ)を用いるようにしてもよい。
本発明に係る創薬スクリーニング装置の一実施例を示す構成図である。 共焦点スキャナの一実施例図である。 活性度の特性を示す概略図である。 プレートとウェルの説明図である。 活性度の判定結果についての表示例である。 活性度の判定結果についての他の表示例である。 従来のスクリーニング装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
100 センサ部
110 レーザ光源
120 共焦点スキャナ
121 レーザ
122 マイクロレンズディスク
123 マイクロレンズ
124 ダイクロイックミラー
125 ピンホールディスク
126 ピンホール
127 部材
128 回転軸
129 リレーレンズ
130 対物レンズ
140 アクチュエータ
150 カメラ
151 受光素子
200 機構制御部
300 画像処理部
400 プレート
401 ウェル
500 判定部
600 制御部
700 表示部
800 ディスペンサ

Claims (12)

  1. 試薬と蛍光標識された細胞とをプレート上の複数のウェルに注入しておき、各ウェルごとに細胞から発生する蛍光画像を読取り、その蛍光画像の時間差分画像から演算によりオプティカルフローを求め、このオプティカルフローに基づいて原形質流動とブラウン運動を区別し、前記原形質流動に基づいて細胞の活性度を求めて各ウェルごとに細胞の活性度の良否判定を行い、その良否判定に基づいて前記試薬の細胞に対する効果が確認できるようにした創薬スクリーニング方法。
  2. 前記各ウェルの活性度の良否判定結果を色分け表示することを特徴とする請求項1に記載の創薬スクリーニング方法。
  3. 試薬と蛍光標識された細胞とをプレートの複数のウェルに注入するディスペンサと、
    前記ウェルに励起光を照射して得られた細胞からの蛍光画像に基づいて細胞の画像を求める画像処理部と、
    この画像処理部で処理された蛍光画像の時間差分画像からオプティカルフローを演算し、このオプティカルフローに基づいて原形質流動とブラウン運動を区別する推論部を持ち、前記原形質流動に基づいて細胞の活性度を求めて前記各ウェルについてその活性度の良否を判定する判定部と、
    前記活性度の良否判定結果を各ウェルについて表示する表示部と、
    を具備し、前記細胞の活性度の良否判定結果から試薬の効果が把握できるように構成したことを特徴とする創薬スクリーニング装置。
  4. 前記表示部では前記各ウェルの活性度が前記良否判定の結果に対応した表示色で色分け表示されるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の創薬スクリーニング装置。
  5. 前記ディスペンサは、前記プレート上に有色塗料を付着させるディスペンサを備え、
    前記判定部の判定結果に基づいて着目ウェルに対してのみその近傍に有色塗料を付着させるディスペンサでマーキングするように構成されたことを特徴とする請求項3ないし4のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
  6. 前記蛍光画像は、対物レンズと、この対物レンズを介して前記ウェルに励起光を照射して細胞から発生する蛍光を受け細胞の蛍光画像を得るニポウ方式の共焦点スキャナと、この共焦点スキャナの出力画像を撮像するカメラを含むセンサ部により得られるように構成したことを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
  7. 前記センサ部は、対物レンズまたはセンサ部全体を光軸方向に移動し、複数のスライス画像が得られるように構成されたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
  8. 前記画像処理部は、3次元データ処理によって前記複数のスライス画像または長焦点画像に基づいて細胞の画像を求める機能を備えたことを特徴とする請求項3ないし7のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
  9. 前記センサ部は、互いに焦点位置の異なるマルチヘッドを使用して、マルチヘッドを切り換えることにより焦点位置を切り換えるようにしたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
  10. 前記センサ部は、励起光として赤外光を使用し、2光子吸収を誘起して前記細胞から蛍光を発生させるようにしたことを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
  11. 前記ウェルに注入された細胞があらかじめ量子ドットを用いて染色されており、
    前記センサ部は、前記細胞に短波長のレーザ光を照射し、識別機能を持つ分光特性を持つフィルターを介して、共焦点スキャナの出力画像をカメラで撮像するように構成したことを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
  12. 前記センサ部は、前記共焦点スキャナの出力画像をラインセンサを用いて検出するように構成したことを特徴とする請求項6ないし11のいずれかに記載の創薬スクリーニング装置。
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