JP2006275964A - 走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高精度、高性能な測定及び画像解析を確保できる共焦点レーザ走査型顕微鏡と走査型サイトメータの機能を兼備した走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法を提供する。
【解決手段】 スライドグラス101上に測定対象となる試料の大きさと略同じ直径の蛍光ビーズ102を散布した校正用サンプル100を用意し、この校正用サンプル100に対しレーザ光を2次元方向に走査し、該走査により取得された走査画像中の蛍光ビーズの位置とその明るさのデータから走査範囲に対応する照度校正係数マップを生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、共焦点レーザ走査型顕微鏡と走査型サイトメータのそれぞれの機能を兼備した走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法に関する。
最近、走査型蛍光顕微鏡として、蛍光色素を標識した標本に所定波長の光を照射して蛍光色素を励起し、この励起により発せられる蛍光をから細胞構造などを観察する共焦点レーザ走査型顕微鏡(以下、「CLSM:Conforcal Laser Scanning Microscope」と呼ぶ)が注目されている。このCLSMは、従来の蛍光顕微鏡と比べて高解像に光学的切断面を観察することができるもので、光軸(Z)方向の移動手段を用いて光軸(Z)方向の光学的切断画像データ列を取得するとともに、三次元画像を構築し表示する画像処理手段を組み合わせることにより、細胞構造を立体的に観察し形態解析できるという特長を有する。
一方、走査型蛍光顕微鏡として、スライドグラス上の細胞集団をレーザ(レーザビーム)を収束させたスポットで走査し、これら細胞集団の個々の細胞が発する蛍光を検出し、走査画像データとして画像処理して個々の細胞データを抽出して測定する、例えば特許文献1に開示されレーザ走査型サイトメータ(以下、「LSC:Laser Scanning CYtometer」と呼ぶ)も知られている。
LSCの典型的な医学生物学的研究用途として、がん腫瘍の細胞周期解析が挙げられる。がん腫瘍においては、特に「増殖性」という性質が重要で、これは細胞一個一個を顕微鏡観察しても何ら知見は得られるものでなく、腫瘍組織を構成する数百から数千個の細胞のうち、細胞分裂周期の安定期・DNA合成期・分裂期に属する細胞個数比率によって統計的な数値指標として客観的に表現することができる。LSCは、このような統計的数値指標を提供するもので、また、一方で、細胞分裂周期内の特定の期(例えば、分裂中期)に属する細胞データを指定して個々の細胞を顕徴鏡視野内に順次呼び出すリコール観察機能により形態的な検討を顕微鏡下で行うこともできる。
このようにLSCは、細胞周期の解析事例において、特に細胞分裂期における前記・中期・後期における染色体の挙動を立体的に形態解析することが重要な用途となっている。
ところで、最近になって、LSCによるがん腫瘍などの細胞周期解析機能に対し、さらに前述したCLSMによる高解像、共焦点観察機能を付加した多機能の装置が期待されている。これらLSCとCLSMは、装置構成技術の観点から見た場合、レー一ザの照射、2次元走査、蛍光検出、画像データの取り込みといった機能項目は、両者共通している。
そこで、従来、これらLSCとCLSMの機能を兼備したものとして、特許文献2に開示されたものが考えられている。
特許第3090679号公報 特開2000-97857号公報
しかしなから、特許文献2のものについては、光路折り曲げ用ミラー含めた光学部品の数や、これらミラーを光路に対し挿脱するためのスライド機構などの駆動手段の数が多い等の弱点があり、特に、LSCの動作にとって、最も重要なステップの一つである走査範囲内の照度校正係数マップを算出するシェーディング補正方法については、何も開示されていない。
前述したように、LSCとCLSMには、構成上の多くの共通点かある反面、いくつかの相違点も存在する。大きな相違点の一つに励起光の走査方法がある。つまり、従来のLSCでは、X方向のみについてガルバノミラー等で高速走査を行ない、Y方向についてはステージ走査を行なう(特許文献1参照)のに対し、CLSMでは、X方向、Y方向の両方をガルバノミラー等で高速走査を行なう(特許文献2参照)ようにしている。
これは、LSCでは蛍光量の正確な測定が重要であり、ガルハノミラーを正確に対物レンズの瞳面と共役な位置で振動させることにより、X方向の軸外光に対しても軸上と可能な隈り同等な走査光スポット形状を保てることを考慮したことによる。これに対し、CLSMでは、X方向とY方向の励起光走査を対物レンズの瞳面と共役な位置の近傍に配置された2枚のガルハノミラーで行うことにより、励起光の軸外性能に対して、高速性をより重要視していることによる。
さらに励起光のスポット径についても、LSCでは、細胞と同等かそれ以上(例えぱ5〜6μm)の大きさであるのに対して、CLSMでは、細胞内の徴細構造が観察できることも重要なため、可能な限り細く絞られた励起光が要求される。
これらのことから、従来のLSCについては、X走査方向の走査線上の照度補正を行えばよく、2次元画像全体のシェーディング補正は、考慮されていなかった。特許文献1では、染色された研磨面スライド、または、静止期にある細胞を多数含んだ標本自体を1回又は複数回予備走査して、1ライン分の照度補正データを取得するようにしている(自己校正法)。
これに対し、CLSMでは、細胞内組織の解析等、高解像の画像を必要とするところから、1μmm、又はそれ以下の径を持った蛍光ビーズをX、Y視野内に適当数散布した校正用サンプルを使用し、スプライン補完方等により2次元のシェーディング補正データを得るようにしている。
この場合、LSCの自己校正法をそのまま2次元に拡張しようとしても、染色されたスライドを用いる方法では、実際の細胞サンプルと厚み方向の効果の違い、隣接する蛍抗体の影響の違いがあるため、必ずしも正確な補正値が得られない。また、自己校正法では測定サンプルを全領域1回以上余計に励起光にさらすことになり、退色の影響が生じてしまうという問題も生じる。
一方、CLSMに用いられるシェーディング補正の方法では、ビーズの大きさと細胞の大きさが全く異なるのと、ビーズの数がそれほど多くないことから、正確な蛍光量測定を必要するサイトメータ用として機能させるにはシェーディングの補正方法として不十分である。さらに、CLSM自身についても、今後さらに正確な細胞内物質の微細構造観察が要求されることから、より正確なシェーディング補正が必要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高精度、高性能な測定及び画像解析を確保できる共焦点レーザ走査型顕微鏡と走査型サイトメータの機能を兼備した走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、共焦点レーザ走査型顕微鏡と走査型サイトメータのそれぞれの機能を兼備した走査型蛍光顕微鏡において、スライドグラス上に測定対象となる標本の大きさと略同じ直径の蛍光ビーズを散布したサンプルを用意し、このサンプルに対しレーザ光を2次元方向に走査し、該走査により取得された走査画像中の蛍光ビーズの位置とその明るさのデータから、前記走査範囲に対応する照度校正係数マップを生成することを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サンプルを所定方向に複数回移動させ、それぞれの移動ごとに前記サンプルに対しレーザ光を2次元方向に走査し、それぞれ取得される複数の走査画像中の蛍光ビーズの位置とその明るさのデータから照度校正係数マップを生成することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、複数個の蛍光ビーズが接触して1個と認識された場合、該誤認識された蛍光ビーズに対応するデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、隣接する蛍光ビーズの間隔が前記レーザ光のスポット径以下である場合、前記隣接する蛍光ビーズの片方又は双方に対応するデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないことを特徴としている。
本発明によれば、高精度、高性能な測定及び画像解析を確保できる共焦点レーザ走査型顕微鏡と走査型サイトメータの機能を兼備した走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法を提供できる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のシェーディング補正方法が適用される走査型蛍光顕微鏡として、CLSM機能とLSC機能を兼備した走査型蛍光顕微鏡のの概略構成を示している。つまり、ここでの走査型蛍光顕微鏡は、LSC測定とCLSM測定を選択的に行なえるようになっている。
図1において、1はレーザ光源で、このレーザ光源1から発せられるレーザ光の光路上には、集光レンズ2、コリメータレンズ3、光束絞り4及びダイクロイックミラー5が配置されている。集光レンズ2は、レーザ光源1から発せられるレーザ光を集光し、コリメータレンズ3は、集光されたレーザ光を平行光に変換する。光束絞り4は、所定形状の孔を有するもので、コリメータレンズ3により平行光に変換されたレーザ光の光束径を所定の光束径に絞り込み、収束されるレーザ光の実効的開口数(NA)を小さくする。この場合、光束絞り4は、平行光の照明光路に対し挿脱可能になっている。ダイクロイックミラー5は、コリメータレンズ3からの平行光を反射し、後述する標本10上で励起された蛍光を透過するような特性を有している。
ダイクロイックミラー5の反射光路上には、XYスキャナミラー6が配置されている。XYスキャナミラー6は、直交する2方向に光を偏向するための不図示の2枚のガルバノミラーを有し、これらのミラーによりレーザ光を2次元方向、つまりX、Y方向に走査するようになっている。
XYスキャナミラー6で2次元走査されたレーザ光の光路上には、瞳投影レンズ7、対物レンズ8が配置されている。この場合、XYスキャナミラー6で2次元走査されたレーザ光は、瞳投影レンズ7、対物レンズ8を介して標本10上の焦点位置に集光され、標本10上で励起された蛍光は、レーザ光と逆の光路をたどって対物レンズ8、瞳投影レンズ7、XYスキャナミラー6を介してダイクロイックミラー5まで戻される。ここで、標本10は、XYステージ9上に載置され、このXYステージ9によりXY方向に移動可能になっている。
ダイクロイックミラー5の蛍光の反射光路上には、結像レンズ11、ダイクロイックミラー12が配置されている。また、結像レンズ11とダイクロイックミラー12の間の光路には、共焦点ピンホール13が配置されている。結像レンズ11は、標本10からの蛍光を集光する。共焦点ピンホール13は、対物レンズ8の焦点と光学的に共役な位置に配置され、標本10からの蛍光のうち合焦の成分を通過し、非合焦の成分を遮断して高い空間分解能を与える。この場合、共焦点ピンホール13は、蛍光光路に対し挿脱可能になっている。ダイクロイックミラー12は、蛍光の波長によって光路を分割する。
ダイクロイックミラー12により分割された反射側光路には、バリアフィルタ14aを介して光電変換素子(PMT)15aが配置され、また、透過側光路には、バリアフィルタ14bを介して光電変換素子(PMT)15bが配置されている。バリアフィルタ14a、14bは、所定の波長以外の蛍光を遮断する。また、光電変換素子(PMT)15a、15bは、入射される蛍光の強度を検出し、この蛍光強度を電気信号に変換して出力する。
光電変換素子(PMT)15a、15bには、制御手段として制御部16が接続されている。制御部16には、XYスキャナミラー6及びXYステージ9が接続され、さらに駆動部17及び表示部18が接続されている。駆動部17は、制御部16の指示により光束絞り4及び共焦点ピンホール13を光路に挿脱させる。
制御部16には、画像処理機能16a及びシェーディング補正処理機能16bが設けられている。画像処理機能16aは、XYスキャナミラー6によるレーザ光の2次元走査に対応させて光電変換素子(PMT)15a、15bからの電気信号を取り込み、この電気信号をデジタル値に変換し、さらに2次元走査にしたがって標本10上の蛍光の強度に応じた濃淡画面を生成して表示部18に表示させる。また、シェーディング補正処理機能16bは、2次元走査により取得される画像に基づいて照度校正係数マップを生成するための各種の演算を実行する。
このように構成された走査型サイトメータ(LSC)について簡単に説明する。まず、LSCとして機能させる場合、制御部16は、駆動部17を介して光束絞り4を照明光路に挿入させるとともに、共焦点ピンホール13を蛍光光路から退避させる。
この状態で、レーザ光源1からレーザ光が発生すると、集光レンズ2を透過し、コリメータレンズ3で平行光に変換され、光束絞り4に入射して光束径が絞られる。光束絞り4で光束径が絞られたレーザ光は、ダイクロイックミラー5で反射し、XYスキャナミラー6、瞳投影レンズ7、対物レンズ8を介して標本10上の焦点位置に集光される。この場合、レーザ光は、光束絞り4により光束径が絞られ開口数(NA)が小さくなっており、対物レンズ8から出射するレーザ光のNAも小さくなることから、標本10上において集光されるスポット径は、大きなものとなる。
ここで、XYスキャナミラー6によってレーザ光を標本10上で2次元走査させると、このレーザ光で励起された蛍光は、標本10を照射したレーザ光と同じ光路をダイクロイックミラー5まで逆行し、ダイクロイックミラー5を透過し、結像レンズ11を介してダイクロイックミラー12に入射し、さらに蛍光波長の違いによって透過と反射とに分岐され、バリアフィルタ14a,14bを介して光電変換素子(PMT)15a、15bに入射する。この場合、共焦点ピンホール13が蛍光光路から外されているため、標本10からの蛍光の合焦成分および非合焦成分の全てが光電変換素子(PMT)15a、15bに入射する。
光電変換素子(PMT)15a、15bは、入射される蛍光の強度を電気信号に変換し、制御部16に出力する。制御部16は、画像処理機能16aにより光電変換素子(PMT)15a、15bからの電気信号をデジタル値に変換し、さらにXYスキャナミラー6による2次元走査にしたがって標本10上の蛍光の強度に応じた濃淡画面を生成して表示部18に表示させる。この場合、表示部18に表示される走査画像は、共焦点ピンホール13を介した画像ではないため、分解能は低くいが、標本10をZ方向をも含めた細胞全体を捉えたものとなり、蛍光測定を行う上でS/N比の良いLSC機能を十分満たすものが得られる。
次に、CLSMとして機能させる場合、制御部16は、駆動部17を介して光束絞り4を照明光路から退避させるとともに、共焦点ピンホール13を蛍光光路に挿入させる。
この状態で、レーザ光源1からのレーザ光は、集光レンズ2を透過し、コリメータレンズ3で平行光に変換され、ダイクロイックミラー5で反射し、XYスキャナミラー6、瞳投影レンズ7、対物レンズ8を介して標本10上の焦点位置に結像される。この場合、光束絞り4が照明光路より退避されていて、レーザ光は、光束径が絞られることがないので、対物レンズ8から出射するレーザ光のNAが大きくなり、標本10上において集光されるスポット径は、小さなものとなる。
ここで、XYスキャナミラー6によってレーザ光を標本10上で2次元走査させると、このレーザ光で励起された蛍光は、標本10を照射したレーザ光と同じ光路をダイクロイックミラー5まで逆行し、ダイクロイックミラー5を透過し、結像レンズ11を介して共焦点ピンホール13を通過する。そして、共焦点ピンホール13を通過した蛍光は、ダイクロイックミラー12に入射し、さらに蛍光波長の違いによって透過と反射とに分岐され、バリアフィルタ14a,14bを介して光電変換素子(PMT)15a、15bに入射する。この場合、共焦点ピンホール13が蛍光光路に挿入されているため、標本10からの蛍光の合焦成分のみが光電変換素子(PMT)15a、15bに入射する。
光電変換素子(PMT)15a、15bは、入射される蛍光の強度を電気信号に変換し、制御部16に出力する。制御部16は、画像処理機能16aにより光電変換素子(PMT)15a、15bからの電気信号をデジタル値に変換し、さらにXYスキャナミラー6による2次元走査にしたがって標本10上の蛍光の強度に応じた濃淡画面を生成して表示部18に表示させる。この場合、表示部18に表示される走査画像は、共焦点ピンホール13を介した画像で、蛍光の合焦成分のみによる高分解能の画像として取得できる。つまり、薄い標本10の厚みの中の部位も識別可能な立体的な蛍光画像として、CLSM機能を十分満たすものが得られる。
次に、本発明によるシェーディング補正の方法について説明する。
図2は、上述した走査型サイトメータ(LSC)に適用される理想的な校正用サンプル100の一部を示している。この校正用サンプルは、スライドグラス101上に測定対象となる標本(細胞)の大きさとほぼ同じ直径(図示例では6μm)の蛍光ビーズ102が散布されている。この場合、これら蛍光ビーズ102は、励起光であるレーザ光のスポット径以上の間隔を明けて、できるだけ高密度に散布する。
このような校正用サンプル100を標本10の代わりにXYステージ9上に載置する。そして、校正用サンプル100の有効範囲に対して、XYスキャナミラー6によりレーザ光を1回だけ2次元方向、つまりX,Y方向に走査し、走査画像を画像処理機能16aにより取得する。
この場合、校正用サンプル100の有効範囲について、所定の座標範囲X±△X(又はY±△Y)に対する蛍光ビーズ102の存在頻度の関係を調べると、図3に示すように表わすことができる。ここで、図3は、横軸に所定の座標範囲X±△X(Y±△Y)を示し、縦軸に蛍光ビーズ102の数を示している。図3では、座標範囲X±△X(又はY±△Y)に蛍光ビーズ102の中心が1乃至3個存在している。
そして、取得された走査画像中に存在するすべての蛍光ビーズ102の位置とその明るさのデータを記録し、これらデータを用いて照度校正係数マップを生成する。その後、照度校正係数マップに対し、シェーディング補正処理機能16bにより明るさの計算を行ない、この結果からシェーディング補正データを求める。ここでの明るさ計算には、公知の画像認識処理プログラムが用いられ、蛍光ビーズと認識された範囲内の照度合計又は平均が計算される。
ところで、図3では、座標範囲X±△X(又はY±△Y)に蛍光ビーズ102の中心が1乃至3個存在しているが、座標範囲によっては、蛍光ビーズ102が1個も存在しない可能性も考えられる。つまり、座標範囲X±△X(Y±△Y)によっては、蛍光ビーズ102のないところも多く存在することがある。
このような状態では、走査範囲の画素数に比ベてシェーディング補正に利用できるサンプル点数が少なくなり、必要とする精度のシェーディング補正を行うことが難しくなる(上述した特許文献1によると、3%の精度は確保するべきとある)。
そこで、本発明では、シェーディング補正が指示されると、制御部16は、シェーディング補正処理機能16bにより、校正用サンプル100を載置したXYステージ9を所定方向、ここでは、X、Y方向に複数回ずつ移動させる。具体的には、XYステージ9を±X方向に各1回、±Y方向に各1回の合計4回移動させる。そして、この移動の度に、XYスキャナミラー6によりレーザ光をX,Y方向に走査し、走査画像を取得する。つまり、校正用サンプル100を所定方向に複数回移動させ、それぞれの移動ごとに、校正用サンプル100に対しレーザ光を2次元方向に走査し、複数の走査画像を取得する。
そして、これら複数枚の走査画像について、画像中に存在する全ての蛍光ビーズ102の位置とその明るさのデータを記録し、これらデータを用いて照度校正係数マップを生成する。図4(a)は、このようにして生成された照度校正係数マップを示している。ここで、図4(b)は、XYステージ9の±X方向と±Y方向のそれぞれの移動方向を示している。また、図4(a)では、XYステージ9を+X方向に移動して取得される蛍光ビーズ102aを白丸、−X方向に移動して取得される蛍光ビーズ102bを黒丸、+Y方向に移動して取得される蛍光ビーズ102cを二重丸、−Y方向に移動して取得される蛍光ビーズ102dを×丸で表わしている。
その後、照度校正係数マップに対し、シェーディング補正処理機能16bにより明るさの計算を行ない、この結果からシェーディング補正データを求める。ここでの明るさ計算には、公知の画像認識処理プログラムが用いられ、蛍光ビーズと認識された範囲内の照度合計又は平均が計算される。勿論、この場合、所定の座標範囲X±△X(又はY±△Y)に複数個の蛍光ビーズがあるときは1個あたりの明るさに正規化する。
一方、所定の座標範囲X±△X(又はY±△Y)に対する蛍光ビーズ102の存在頻度の関係を調べると、図5に示すように表わすことができる。この場合、所定の座標範囲X±△X(又はY±△Y)には、図3で述べた校正用サンプル100の場合と比べ、万遍なく蛍光ビーズの中心が存在するようになり、蛍光ビーズ中心が存在しない場所を大幅に少なくすることができる。これにより、走査範囲の画素数に対するシェーディング補正に利用できるサンプル点数を十分に得られるようになり、必要とする精度のシェーディング補正を行うことが可能となる。
なお、本発明では、レーザ光のX,Y方向の走査により取得される走査画像において、例えば、図6に示すように、複数個の蛍光ビーズ102が接触(図示A参照)していて、これらを1個の蛍光ビーズ102と誤認識したような場合は、この誤認識された蛍光ビーズに対応するデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないようにしている。これは蛍光ビーズの範囲内に存在する全画素の照度合計が異常に大きくなることや、蛍光ビーズ102の面積が異常に大きくなること等から簡単に判定できる。一般に蛍光ビーズ102は、径が大きくなると、スライドグラス101と蛍光ビーズ102の間の吸着力よりも、蛍光ビーズ102同士の吸着力が強くなり、こうした現象が起こりやすくなる。
また、走査画像の画像認識において、1個ごとの蛍光ビーズ102として分離して認識された場合でも、隣接する蛍光ビーズ102との間隔が励起光のレーザ光のスポット径以下である場合は、該当する蛍光ビーズの片方又は双方に対応するデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないようにもしている。
従って、このようにすれば、CLSM機能とLSC機能を兼備し、LSC測定とCLSM測定を選択的に可能にした走査型蛍光顕微鏡であって、スライドグラス101上に、測定対象の細胞の大きさとほぼ同じ直径の蛍光ビーズ102を高密度に散布した校正用サンプル100を用意し、この校正用サンプル100に対しレーザ光を2次元方向のX,Y方向に走査し、これにより取得された画像中に存在する蛍光ビーズ102の位置とその明るさのデータから照度校正係数マップを生成するようにしたので、走査範囲、つまり所望する測定範囲に対する最適な照度校正係数マップを生成することができる。これにより、このような照度校正係数マップを用いてシェーディング補正を実行することにより、特に、LSCとして要求される高精度、高性能な蛍光量測定を行なうことができ、また、CLSMとしても高精度、高性能な画像解析を実現することが可能になる。
また、蛍光ビーズ102を散布した校正用サンプル100をXYステージ9とともにXY方向に複数回ずつ移動させ、それぞれの移動ごとにレーザ光をX,Y方向に走査し、それぞれ取得される複数の画像について、画像中に存在するすべての蛍光ビーズ102の位置とその明るさを記録して照度校正係数マップを生成することにより、走査範囲の画素数に対するシェーディング補正に利用できるサンプル点数を十分に得ることができ、必要とする精度のシェーディング補正を行うことが可能となる。
さらに、複数個の蛍光ビーズ102が接触していて、1個のビーズと誤認識した場合は、この誤認識したビーズに対応するデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないようにし、また、1個ごとの蛍光ビーズ102として分離して認識された場合でも、隣接する蛍光ビーズ102との間隔が励起光のレーザ光のスポット径以下である場合、該当する蛍光ビーズ102の片方又は双方のデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないようにしたので、精度の高いシェーディング補正を行なうことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
本発明の一実施の形態に適用される走査型サイトメータの概略構成を示す図。 一実施の形態に適用される校正用サンプルの一部を示す図。 一実施の形態における所定の座標範囲に対する蛍光ビーズの存在頻度の関係を説明する図。 一実施の形態により作成される照度校正係数マップを示す図。 一実施の形態における所定の座標範囲に対する蛍光ビーズの存在頻度の関係を説明する図。 一実施の形態の変形例を説明するための図。
符号の説明
1…レーザ光源、2…集光レンズ
3…コリメータレンズ、4…光束絞り
5…ダイクロイックミラー
6…XYスキャナミラー
7…瞳投影レンズ、8…対物レンズ
9…XYステージ、10…標本
11…結像レンズ、12…ダイクロイックミラー
13…共焦点ピンホール
14a.14b…バリアフィルタ
15a.15b…光電変換素子(PMT)
16…制御部、16a…画像処理機能
16b…シェーディング補正処理機能
17…駆動部、18…表示部
100…校正用サンプル、101…スライドグラス
102…蛍光ビーズ、102a〜102d…蛍光ビーズ

Claims (4)

  1. 共焦点レーザ走査型顕微鏡と走査型サイトメータのそれぞれの機能を兼備した走査型蛍光顕微鏡において、
    スライドグラス上に測定対象となる標本の大きさと略同じ直径の蛍光ビーズを散布したサンプルを用意し、このサンプルに対しレーザ光を2次元方向に走査し、該走査により取得された走査画像中の蛍光ビーズの位置とその明るさのデータから、前記走査範囲に対応する照度校正係数マップを生成することを特徴とする走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法。
  2. 前記サンプルを所定方向に複数回移動させ、それぞれの移動ごとに前記サンプルに対しレーザ光を2次元方向に走査し、それぞれ取得される複数の走査画像中の蛍光ビーズの位置とその明るさのデータから照度校正係数マップを生成することを特徴とする請求項1記載の走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法。
  3. 複数個の蛍光ビーズが接触して1個と認識された場合、該誤認識された蛍光ビーズに対応するデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないことを特徴とする請求項1又は2記載の走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法。
  4. 隣接する蛍光ビーズの間隔が前記レーザ光のスポット径以下である場合、前記隣接する蛍光ビーズの片方又は双方に対応するデータを照度校正係数マップの生成処理に使用しないことを特徴とする請求項1又は2記載の走査型蛍光顕微鏡のシェーディング補正方法。
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