JP2012189322A - 液状生体ファントム及び液状生体ファントムの作製方法 - Google Patents

液状生体ファントム及び液状生体ファントムの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特性のムラ、バラツキ、経時変化が極めて少なく、長期保存、運搬、装置の校正・性能評価が可能な液状生体ファントム及びその作製方法を提供する。
【解決手段】顕微鏡対物レンズを経由し撮像手段を介して撮像されたプレパラート(1)内の検査試料の画像およびその画像から得られる所定の光学特性を用いて該顕微鏡対物レンズの性能評価を行う際の、プレパラート(1)内の検査試料として用いられる生体ファントム(4)であって、水と屈折率調整剤と散乱体とを少なくとも含む溶媒又は屈折率調整剤と散乱体とを少なくとも含む溶媒と、増粘剤と、を少なくとも含む、非ゲル状の溶液からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡対物レンズを経由し撮像手段を介して撮像されたプレパラート内の検査試料の画像およびその画像から得られる所定の光学特性を用いて顕微鏡対物レンズの性能評価を行う際の、プレパラート内の検査試料として用いられる液状生体ファントム及びその作製方法に関するものである。
電磁波等の生体への影響の調査や、生体内の状態・品質を非破壊で測定する装置の開発等に、生体に特性等を類似させた模擬生体(生体ファントム)が用いられる。
従来、生体ファントムとしては、例えば、次の特許文献1〜4に記載のものが開示されている。
特許文献1に記載の生体ファントムは、青果物等の内部品質を非破壊で測定するための対象物内部品質測定装置の調整に用いられる青果模倣体であり、透明容器と、透明容器に収容された光透過体からなり、光透過体は、水と散乱体とゲル化剤と酸と糖からなる。
特許文献2に記載の生体ファントムは、電磁波が人体に与える影響を調査・研究するために人体の代わりに用いられる、電磁波に対する電気的特性が人体と等価な人体等価電磁ファントムであり、水とタルク(Mg3Si410(OH)2)を含む固体ファントムとして構成され、寒天がゲル化剤として添加されている。
特許文献3に記載の生体ファントムは、外部から電気的なエネルギーを非接触に伝送するカプセル内視鏡のエネルギー伝送システムの試作における、送電用コイル近辺の生体組織における電磁界による生体への影響を解析・評価を行うために用いられる、送電用コイルと、皮膚、脂肪、筋からなる、人の胴体を模擬したモデルであり、イオン交換水、ゲル化剤としてのポリエチレン粉末、塩化ナトリウム、増粘剤、ホウ酸からなり、円筒形のポリプロピレン容器に収容されている。
このように、特許文献1〜3に記載の生体ファントムには、ゲル化剤が用いられている。
特許文献4に記載の生体ファントムは、動物や植物を電気的に忠実に模擬するために用いられるファントムであり、電解質水溶液又は純水と、有極性有機物化合物である1価又は多価アルコールとを均一に混合した液体を、電磁波透過率0.9以上の容器に封入してなる。
特開2000−199743号公報 特開2009−216691号公報 特開2008−061909号公報 特開平05−046074号公報
ところで、顕微鏡対物レンズの評価が、顕微鏡対物レンズを経由し撮像手段を介して撮像されたプレパラート内の検査試料の画像およびその画像から得られる所定の光学特性を用いて行われている。
ここで、検査試料として生体を用いると、長時間の検査をするような場合に生体の特性が経時的に影響を受けやすく、また、個々の生体に特性のバラツキが生じ易い。その結果、顕微鏡対物レンズの評価にバラツキが生じ、定量性・再現性のあるデータを得ることができない。
そこで、顕微鏡対物レンズの評価を行う際に用いるプレパラート内の検査試料として、生体に代わる模擬生体として、生体ファントムを用いることが検討されている。このような生体ファントムには、生体と同様の特性を長期にわたって保つことと、撮像手段を介して撮像しても画像がブレない程度に粒子などの観察対象物の運動を抑えることが望まれる。
しかるに、特許文献1には、光透過量を再現したゲル化剤を含む生体ファントムが報告されている。ゲル化剤を含む生体ファントムを用いると、粒子などの観察対象物が固定されるので、顕微鏡対物レンズの評価を行う際に用いるプレパラート内の検査試料に用いた場合、観察中に観察対象物が移動せず、ブレのない画像を得ることができる。
しかし、特許文献1に記載のようなゲル化剤を含む生体ファントムは、ゲル化時の散乱体の凝集などにより特性にバラツキ(ムラ)が生じ、作製後には水の蒸発に伴う経時変化が大きく生じ易い。また、ゲル化後に、水を添加して特性を微調整することができない。このため、所望の特性通りに生体ファントムを作製するのが難しい。また、所望の特性を有する生体ファントムを作製することが出来たとしても、測定中に生体ファントムの特性が大きく変化し易いため、得られる測定データの信頼性は低く、生体ファントムを作製した直後しか測定に使用することができない。このため、顕微鏡対物レンズを測定・評価するたびに生体ファントムを作製する必要が生じてしまう。
また、特許文献1に記載のものにおいては、生体ファントムを構成する光透過体の特性の安定性や長期保存性について、何ら検討がなされていない。
また、特許文献2に記載のものにおいては、生体ファントムの表面にポリマー樹脂を被覆することで、ゲル化剤を含む生体ファントムの経時変化に伴う質量変化についての改善が検討されている。
しかし、特許文献2に記載のポリマー樹脂を被覆した生体ファントムは、ポリマー膜の被覆がない生体ファントムよりは質量の変化が抑えられているが、2日後には作製直後の約90%、10日後には約70%の質量となっている。このため、特許文献2に記載の生体ファントムは、数日レベルでの使用しかできず長期間での使用に適さない。
また、特許文献2に記載のものにおいては、生体ファントムの質量減少のみの検討に留まっており、経時変化、質量変化に伴う生体ファントムの特性変化について、何ら検討がされていない。
しかも、特許文献2に記載のものにおいては、生体ファントムの表面にポリマー被覆を行う必要があるため、作製プロセスが増え、リードタイム、製造コストが余計にかかるという課題があった。
また、特許文献3に記載のものにおいては、特許文献1に記載のものと同様、生体ファントムを構成する光透過体の特性の安定性や長期保存性について、何ら検討がなされていない。
このように特許文献1〜3に記載の生体ファントムは、ゲル化剤を含んでおり、ゲル化時の散乱体の凝集などにより特性にバラツキ(ムラ)が生じ、作製後には水の蒸発に伴う経時変化が大きく生じ易く、長期間での使用に適さない。また、例えば、特許文献1に記載のものは、透明容器に収容して構成された青果模倣体、特許文献2に記載のものは、水とタルク(Mg3Si410(OH)2)を含む固体ファントムとして構成された人体等価電磁ファントム、特許文献3に記載のものは、イオン交換水、ゲル化剤としてのポリエチレン粉末、塩化ナトリウム、増粘剤、ホウ酸からなり、円筒形のポリプロピレン容器に収容された、人の胴体を模擬したモデルというように、いずれも、水の蒸発に伴う大きな特性の変化を極力抑えるために、生体ファントムとしての完成体として構成されており、保管・運搬用の容器に収容して、必要な場所・時間に応じて生体ファントムの完成体を構成するような使用ができなかった。
一方、特許文献4に記載の生体ファントムは、ゲル化剤を含んでいない。
しかし、特許文献4に記載のゲル化剤を含まない生体ファントムは、生体ファントムを構成する溶液中の粒子などの観察対象物が固定されず、粒子などの観察対象物の移動速度や移動幅が大きくなり易く、その結果、測定時に撮像する画像にブレが生じやすくなってしまう。
このように、特許文献1〜4に記載の生体ファントムを、顕微鏡対物レンズの評価を行う際に用いるプレパラート内の検査試料として用いた場合、長期間の使用が難しく、顕微鏡対物レンズを測定・評価するたびに生体ファントムを作製する必要が生じる上、作製した生体ファントムの夫々にバラツキやムラを生じてしまう、また、保管・運搬に適さず、随時プレパラート内の検査試料に用いることが難しい(特許文献1〜3)、あるいは、生体ファントム内の粒子の移動速度や移動幅が大きく画像にブレを生じてしまう(特許文献4)等の問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、特性のムラ、バラツキ、経時変化が極めて少なく、長期保存、運搬、装置の校正・性能評価が可能な液状生体ファントム及びその作製方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による液状生体ファントムは、顕微鏡対物レンズを経由し撮像手段を介して撮像されたプレパラート内の検査試料の画像およびその画像から得られる所定の光学特性を用いて該顕微鏡対物レンズの性能評価を行う際の、前記プレパラート内の検査試料として用いられる生体ファントムであって、水と屈折率調整剤と散乱体とを少なくとも含む溶媒又は屈折率調整剤と散乱体とを少なくとも含む溶媒と、増粘剤と、を少なくとも含む、非ゲル状の溶液からなることを特徴としている。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、前記非ゲル状の溶液の20℃での粘度が40mPa・s以上300mPa・s以下であるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、前記非ゲル状の溶液の20℃での粘度が50mPa・s以上100mPa・s以下であるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、前記増粘剤の添加量は、前記溶媒の質量を100としたときの質量比が、0.5以上3以下となる所定量であるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、さらに、蛍光物質を含むのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、生体の屈折率、散乱係数、吸収係数、非等方散乱パラメータのうちの少なくとも一つの光学特性と同等な光学特性を有するのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、前記散乱体が球状粒子であるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、前記散乱体の粒子径が、100nm以上10μm以下であるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、前記蛍光物質が、蛍光ビーズであるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、前記蛍光ビーズの粒子径、形状が、前記散乱体の粒子径、形状と同じであるのが好ましい。
また、本発明による液状生体ファントムの作製方法は、水と屈折率調整剤と散乱体、又は屈折率調整剤と散乱体を均一に混合して溶媒を作製する第1の工程と、第1の工程で作製した溶媒に対し、増粘剤を、前記溶媒の質量を100としたときの質量比が、0.5以上3以下となる所定量添加して、20℃での粘度が40mPa・s以上300mPa・s以下となる非ゲル状の溶液を作製する第2の工程と、からなることを特徴としている。
また、本発明の液状生体ファントムの作製方法においては、前記第2の工程において、20℃での粘度が50mPa・s以上100mPa・s以下となる非ゲル状の溶液を作製するのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムの作製方法においては、前記第1の工程において、前記水と屈折率調整剤と散乱体、又は前記屈折率調整剤と散乱体とともに、蛍光物質を均一に混合するのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムの作製方法においては、前記散乱体が球状粒子であるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムの作製方法においては、前記散乱体の粒子径が、100nm以上10μm以下であるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムの作製方法においては、前記蛍光物質が、蛍光ビーズであるのが好ましい。
また、本発明の液状生体ファントムの作製方法においては、前記蛍光ビーズの粒子径、形状が、前記散乱体の粒子径、形状と同じであるのが好ましい。
本発明によれば、ゲル化剤を含まずに、生体ファントム内の粒子などの観察対象物の移動幅が画像にブレが生じない程度に規制できる。このため、特性のバラツキがなく、均一で、経時変化が極めて少なく、測定データの信頼性がある装置の構成・性能評価が可能となる。そして、測定毎に生体ファントムを作製する必要がなく、繰り返し再利用できようになる。また、作製後、半年以上特性を保持でき、腐敗なく、保存・運搬のための容器に入れた状態で長期保存や運搬ができ、取り扱い易く、サンプル形状を選ばなくて済む。さらに、水の蒸発に対し水を添加することで調整できるなど特性の微調整が可能で、より生体に近い特性を再現可能で、観察中における粒子などの観察対象物の擬似的な固定化が可能で、ゲル化(固化)のための冷却、ポリマー被覆をする必要がなくて済む。その結果、作製プロセスの簡略化、作業時間の短縮が可能で、コスト削減が可能で、工業的な利用価値が増大する液状生体ファントムが得られる。
本発明の実施例及び比較例それぞれの生体ファントムを用いて作製したプレパラートの説明図で、(a)は平面図、(b)は断面面である。 実施例1の液状生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の液状生体ファントムの経過時間に対する屈折率変化特性を示すグラフである。 実施例1の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフである。 実施例1の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する散乱係数変化特性を示すグラフである。 実施例2の液状生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の液状生体ファントムの経過時間に対する屈折率変化特性を示すグラフである。 実施例2の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフである。 実施例2の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する散乱係数変化特性を示すグラフである。 実施例3の液状生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の液状生体ファントムの経過時間に対する屈折率変化特性を示すグラフである。 実施例3の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフである。 実施例3の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する散乱係数変化特性を示すグラフである。 比較例1の生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフである。 比較例1の生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の生体ファントムの経過時間に対する散乱係数変化特性を示すグラフである。 比較例1の生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の生体ファントムの経過時間に対するサイズ変化量を示すグラフである。
生体の特性を模倣した生体ファントムは、生体特性を再現するために、特許文献1〜3に記載のようなゲル化剤を添加することによって、粒子を固定化した固体状の生体ファントムが多く報告されている。特に、実際の触感や形状も再現するために、寒天のようなゲル化剤を用いた生体ファントムの検討が非常に多くなされている。
しかし、このような固体状の生体ファントムは、上述したように、水分の蒸発による特性の変化が大きく、長期保存に適さないという問題がある。
一方、特許文献4に記載のようなゲル化剤を添加しない液状の生体ファントムは、上述したように、生体ファントムを構成する溶液中の粒子などの観察対象物が固定されず、粒子などの観察対象物の移動速度や移動幅が大きくなり、撮像する画像にブレが生じてしまう。
しかし、生体ファントム中に含まれる粒子などの観察対象物は必ずしも固定化されている必要はなく、生体ファントムの測定・評価時に粒子などの観察対象物の動きが止まっていれば、実際の測定・評価が可能である。
一般的に生体ファントムに使用される観察対象物である粒子はコロイド粒子であり、液体中ではブラウン運動により常に動いている。その動きは次の(1)式によって示される。
Figure 2012189322
但し、Aは粒子がブラウン運動を行う際の振幅、Kは定数、ηは溶液の粘度、Nは溶液1g中の粒子数、rは粒子の半径、τはブラウン運動の周期、Tは絶対温度、Rは気体定数である。
(1)式より粒子のブラウン運動を行う際の振幅Aは、溶液の粘度ηの平方根に逆比例することがわかる。このため、増粘剤を用いて溶液の粘度ηを高くすると、粒子のブラウン運動を行う際の振幅Aを抑制することができる。
また、増粘剤のような高分子を粒子が分散しているゾルなどへ添加すると、高分子が粒子表面に吸着し、粒子の拡散運動が抑制されるため、巨視的な視点では高分子によって粒子が固定化された一つの大きな凝集体と捉えることができる。従って、ゲルやポリマーのように粒子を固定化しなくても、粒子のブラウン運動を制御することができれば擬似的に粒子が固定化されている状態を作り出すことができる。
粒子のブラウン運動を行う際の振幅Aの制御に必要な溶液の粘度ηの値は、生体ファントムの測定・評価に用いる装置や求められる精度によって決まる。例えば、生体ファントムに含まれる蛍光粒子を30秒間観察するような場合においては、20℃での溶液の粘度ηを50mPa・s以上にしておくのがよい。
すなわち、本発明の液状生体ファントムにおいては、20℃での溶液の粘度ηは、40mPa・s以上300mPa・s以下、より望ましくは50mPa・s以上100mPa・sであるのが望ましい。
なお、本発明の液状生体ファントムに用いる増粘剤は、特に制限はなく、例えば、キサンタンガムなど、市販品のものを自由に選択し、使用することができる。
また、そのような増粘剤を用いて構成した液状生体ファントムの溶液が上記のような範囲の粘度ηを達成するためには、本発明の液状生体ファントムにおける増粘剤の添加量は、例えば、水と屈折率調整剤と散乱体とからなる溶媒又は屈折率調整剤と散乱体とからなる溶媒の質量を100としたときの質量比が、0.5以上3.0以下、好ましくは0.5以上1.0以下となる量であるのが望ましい。
増粘剤添加量の溶媒に対する質量比が0.5よりも少ないと、溶液の粘度ηが粒子の固定化に必要な値とならない。一方、増粘剤添加量の溶媒に対する質量比が3.0よりも多いと、増粘剤が溶解せず、得られる生体ファントムの特性にムラ(不均一性)が生じてしまう。
また、本発明の液状生体ファントムは、さらに蛍光物質を含んでいてもよい。蛍光物質を含む液状生体ファントムであれば、蛍光測定を目的とする装置、例えば、蛍光顕微鏡、2光子顕微鏡といった装置における顕微鏡対物レンズの評価、校正に用いることが可能となる。
また、本発明の液状生体ファントムは、生体の屈折率、散乱係数、吸収係数、非等方散乱パラメータ(gパラメータ)のうちの少なくとも一つの光学特性と同等な光学特性を有する。
生体の光学特性は、主に媒質の屈折率、細胞小器官などによる散乱、血管などによる吸収で決定される。このため、これらの光学特性の少なくとも一つと同等な光学特性を有すると、より生体の光学特性を再現した生体ファントムが得られる。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、溶液中に含まれる散乱体は球状粒子であるのが望ましい。
球状粒子を用いると、楕円状、針状などの粒子を用いた場合と比べて均一性の高い液状生体ファントムを作製することができる。また、散乱係数、非等方散乱パラメータ(gパラメータ)といった生体の光学特性を再現性よく制御することが可能となる。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、散乱体の粒子径は、100nm以上、10μm以下であるのが望ましい。
生体の細胞内において光学特性に影響する散乱体は、核、小胞体などの細胞小器官由来であり、これらの細胞小器官の大きさは、およそ100nmから10μmである。このため、この範囲の粒子径を有する粒子を散乱体として用いると、より実際の生体特性に近い生体ファントムを作製することが可能となる。
また、本発明の液状生体ファントムにおいては、溶液中に含まれる蛍光物質が、蛍光ビーズであるのが望ましい。
蛍光ビーズを用いると、上述したような蛍光観察を目的とする装置において、蛍光観察している標本が実際の形状、大きさのまま正確に観察できているかどうか、どのくらいの分解能を有しているかを確認することができる。従来、このような評価を行うことのできるサンプルは存在しなかった。
また、本発明の液状生体ファントムに用いられる蛍光ビーズの粒子径、形状は、散乱体と同じ粒子径、形状であるのが望ましい。
散乱特性は散乱体の粒子径や形状によって大きく変化するため、散乱体と同じ粒子径、形状の蛍光ビーズを用いれば、本発明の液状生体ファントムの散乱特性への影響を最小限に留めることが可能となる。
実施例
以下、本発明の液状生体ファントムの実施例について説明する。
<ファントムの作製>
材料
実施例1〜3の液状生体ファントムの作製に際し、次の材料を用いた。なお、実施例3の液状生体ファントムの作製においては、溶媒の作製に水は用いていない。
・水:超純水
・屈折率調整剤:蛍光顕微鏡用グリセリン(メルク(株)製)
・散乱体:粒子径標準粒子(水分散) 3500A(Thermo Fisher Scientific製)
・増粘剤:Xanthan Gum XANTHAN G(三晶(株)製)
・蛍光体:蛍光粒子(水分散) G500(Duke Scientific Corp.製)
また、比較例1の生体ファントムの作製に際しては、上記材料における増粘剤の代わりに、次の材料を用いた。
・ゲル化剤:SeaKem HGT Agarose(タカラバイオ(株)製)
作製手順
上記材料を用いて、実施例1〜3の生体ファントムを次の手順で作製した。
(1)まず、サンプル管瓶にグリセリン、水を秤量し均一に混ざるまで攪拌する。なお、後述の実施例3の液状生体ファントムの作製に際しては、サンプル瓶にグリセリンのみを秤量し、水は混合しない。
(2)次に、(1)の工程を経た液体に散乱体を秤量・添加し、均一に混ざるまで攪拌する(なお、蛍光体の入った生体ファントムを作製するときは、この段階で散乱体とともに秤量・添加し、攪拌する)。
(3)次に、薬包紙に増粘剤を秤量する。
(4)次に、(2)の工程を経た液体を攪拌させた状態で、(3)の工程で秤量した増粘剤を少量ずつ添加する。
(5)全ての増粘剤を添加後、増粘剤が均一に溶解するまで攪拌(3時間以上)し、生体ファントムの溶液を完成させる。
なお、完成後の生体ファントムの溶液の粘度を、ラボ用ハンディ型デジタル式粘度計(マルヤス工業社製)を用いて測定し、粘度が40mPa・s以上300mPa・sであることを確認した。
<ファントム特性評価>
屈折率
作製した生体ファントムの屈折率は、デジタル屈折率計((株)アタゴ製)を用いて、25℃における屈折率を測定した。
屈折率の測定に際しては、後述するプレパラート収容時の保存性の試験においては、測定に必要な数量のプレパラートを予め準備し、1回の測定毎にプレパラート1つを使用した。プレパラートは、液状生体ファントムをスライドガラスの上面に被膜されたシリコンゴムの穴の中に注入し、その上面にカバーガラスを被せることにより作製した。例えば、プレパラート状にしたときの経時変化を5分おきに10サンプル測定したい場合には、最初に10個のプレパラート(No.1〜No.10)を同時に作製しておき、5分後はNo.1から、10分後はNo.2から…といったように各経過時間に対応したプレパラートから生体ファントムを採取し測定を行った。
また、後述する容器保管時の保存性の試験においては、保管している容器から生体ファントムを採取し測定を行った。
散乱係数
作製した生体ファントムの散乱係数は、光路長Lのときの入射光強度と透過光強度を測定し、次の(2)式を用いて算出した。
I=I0exp(−μsL) …(2)
但し、I0は入射光強度、Iは透過光強度、μsは散乱係数、Lは光路長である。
なお、それぞれの光強度の測定は、保管している容器から生体ファントムを採取して行った。
実施例1
図1は本発明の実施例1〜3及び比較例1それぞれの生体ファントムを用いて作製したプレパラートの説明図で、(a)は平面図、(b)は断面面である。図2は実施例1の液状生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の液状生体ファントムの経過時間に対する屈折率変化特性を示すグラフである。図3は実施例1の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフ、図4は実施例1の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する散乱係数変化特性を示すグラフである。
表1に示した材料組成比にて上記材料を混合・攪拌して実施例1の液状生体ファントムを作製した。溶液の粘度ηは、表1に示すとおりである。
増粘剤、蛍光体は、水と屈折率調整剤と散乱体とからなる溶媒の合計質量を100としたときに、この3成分の組成物である溶媒に対して、質量比がそれぞれ0.5、1となるように添加した。
プレパラート収容時の保存性
作製した実施例1の液状生体ファントムを用いて、図1で示されるプレパラートを作製し、室温(ここでは、23℃)にて静置した。プレパラート1は、スライドガラス2の上面に被膜された厚さ2mm程度のシリコンゴム3に設けられた穴3aに液状生体ファントム4を注入し、注入した面の上部にカバーガラス5を被せて作製した。プレパラート作製後から経時的に、屈折率を測定したところ図2に示すような結果が得られた。
図2に示すように、実施例1の液状生体ファントムは、プレパラート作製から8時間経過後も、屈折率が保持されることが確認された。
容器保管時の保存性
また、作製した実施例1の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下で保管した。
経過日数に対する密閉容器に保管した実施例1の液状生体ファントムの屈折率、散乱係数の測定結果を図3、図4に夫々の変化量で示す。
図3、図4に示すように、実施例1の液状生体ファントムは、温度も湿度も調節していない状態の環境下で保管状態は一定ではないラフな条件下でも保存が可能であって、変質せず、液状生体ファントムの作製から半年後経過後も、作製当初と略同じ特性(屈折率、散乱係数の変化量が、屈折率±0.1%以下、散乱係数±4%以下)を保持することが確認された。
液状生体ファントムの光学特性再現性
なお、実施例1においては、同じ組成・作製法で液状生体ファントムを作製した場合における液状生体ファントムの光学特性の再現性についても試験した。
詳しくは、実施例1に示す組成の液状生体ファントムを複数回(例えば5回)作製した。夫々の回で作製した液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下で保管し、経過日数に対する屈折率、散乱係数を測定した。
そして、夫々密閉容器に入れて保管した液状生体ファントムに対して測定した保管直後から200日までの間の経過日数に対する屈折率、散乱係数のバラツキ量を算出した。作製直後の算出結果を表2に示す。なお、200日の日数が経過するまでの間、屈折率、散乱係数のバラつき量は、作製直後の値の範囲内で推移していることを確認した。
表2に示すように、実施例1の液状生体ファントムは、作製による光学特性のバラツキが小さく、再現性が良好であった。
液状生体ファントムの光学特性の目標値からの乖離
さらに、実施例1においては、作製した液状生体ファントムの光学特性の目標値からの乖離割合についても算出した。
詳しくは、実施例1の液状生体ファントムの作成時における屈折率及び散乱係数を測定し、液状生体ファントムが擬似対象とする所定の生体の屈折率及び散乱係数を目標値としたときの目標値からの乖離割合を算出した。算出結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1の液状生体ファントムは、屈折率及び散乱係数のいずれも目標値からの乖離が小さく、擬似生体として信頼性の高いものとなった。
実施例2,3
図5は実施例2の液状生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の液状生体ファントムの経過時間に対する屈折率変化特性を示すグラフである。図6は実施例2の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフ、図7は実施例2の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する散乱係数変化特性を示すグラフである。図8は実施例3の液状生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の液状生体ファントムの経過時間に対する屈折率変化特性を示すグラフである。図9は実施例3の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフ、図10は実施例3の液状生体ファントムを密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下での容器内の液状生体ファントムの経過日数に対する散乱係数変化特性を示すグラフである。
表1に示した材料組成で実施例1と同様に、実施例2,3の液状生体ファントムをそれぞれ作製した。また、実施例1と同様、プレパラート収容時、容器保管時のそれぞれにおける保存性として実施例2,3の液状生体ファントムの屈折率と散乱係数を測定した。保管に際しては、実施例1と同様、作製した実施例2,3の液状生体ファントムを夫々密閉容器に入れ、温度・湿度を一定に保つための調節をせず、保管状態が一定とならない環境下で保管した。
経過時間、経過日数に対するプレパラートに収容、密閉容器に保管した実施例2,3の液状生体ファントムの屈折率、散乱係数の測定結果を図5〜図10に夫々の変化量で示す。
図5〜図7(実施例2)、図8〜図10(実施例3)に示すように、実施例2,3の液状生体ファントムは、実施例1と同様、経時変化が極めて少なく長期保存安定性を有することが確認された。
また、実施例2においては、同じ組成・作製法で液状生体ファントムを作製した場合における液状生体ファントムの光学特性の再現性についても、実施例1と同様の手法で試験した。
夫々密閉容器に入れて保管した液状生体ファントムに対して測定した保管直後から200日までの間の経過日数に対する屈折率、散乱係数のバラツキ量を算出した。作製直後の算出結果を表2に示す。なお、実施例2においても実施例1と同様、200日の日数が経過するまでの間、屈折率、散乱係数のバラつき量は、作製直後の値の範囲内で推移していることを確認した。
表2に示すように、実施例2の液状生体ファントムは、作製による光学特性のバラツキが小さく、再現性が良好であった。
さらに、実施例2,3においては、作製した液状生体ファントムの光学特性の目標値からの乖離割合についても、実施例1と同様に算出した。算出結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例2,3の液状生体ファントムは、屈折率及び散乱係数のいずれも目標値からの乖離が小さく、擬似生体として信頼性の高いものとなった。
比較例1
図11は比較例1の生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の生体ファントムの経過日数に対する屈折率変化特性を示すグラフである。図12は比較例1の生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の生体ファントムの経過時間に対する散乱係数変化特性を示すグラフ、図13は比較例1の生体ファントムを用いて図1に示すように作製したプレパラートを室温で静置した状態でのプレパラート内の生体ファントムの経過時間に対するサイズ変化量を示すグラフである。
表1に示すように、増粘剤の代わりにゲル化剤を用いて下記の作製手順により比較例1の生体ファントムを作製した。ゲル化剤は、実施例1,2と同様の水と屈折率調整剤と散乱体とからなる溶媒の合計質量100に対して、質量比が0.5となる量添加した。
ゲル化剤を用いた生体ファントムの作製手順
比較例1の生体ファントムを次の手順で作製した。
(1')まず、サンプル瓶にグリセリン、水、ゲル化剤を秤量する。
(2')次に、ゲル化剤が溶解するまでサンプル瓶を加熱、攪拌する(95℃)。
(3')次に、散乱体を数回に分けて添加し、混合する。この場合、蛍光体が溶媒分散タイプのときはこのとき一緒に、粉状タイプのときは(1')の工程のときに秤量・添加し、攪拌する。
(4')次に、(3')の工程を経たゲル化剤を用いた生体ファントム4の溶液を、冷めて固体になる前に、図1に示すように、スライドガラス2の上面に被膜された厚さ2mm程度のシリコンゴム3に設けられた穴3aに注入し、注入した面の上部にカバーガラス5を被せてプレパラート1を作製する。
なお、ゲル化剤を用いた比較例1の生体ファントムは、固化し易く、密閉容器に入れた状態から採取して測定することが困難であるため、密閉容器に収容せず、プレパラート状に作製したもののみを測定対象とした。
実施例1と同様、プレパラート収容時における保存性として比較例1の生体ファントムの屈折率と散乱係数を測定した。さらに、比較例1の生体ファントムのサイズの経時変化についても測定した。
経過日数、経過時間に対する比較例1の生体ファントムの屈折率、散乱係数の測定結果を図11、図12に、経過時間に対する比較例1の生体ファントムのサイズの測定結果を図13に夫々の変化量で示す。なお、比較例1の生体ファントムのサイズの経時変化については、5つのプレパラート状の生体ファントムを作製し、夫々についてサイズを測定した。
図11、図12に示すように、比較例1のゲル化剤を用いた生体ファントムは、プレパラート作製直後は屈折率、散乱係数を保持していたが、数時間経過後から収縮し始めた。図13に示すように、最も変化量が大きいものでは作製から90時間経過後には、作製直後の50%まで収縮しており、測定ごとに数値が大きく変動して信頼性に欠ける測定値となった。また、比較例1のゲル化剤を用いた生体ファントムは、プレパラート作製から1週間経過後には乾いたタブレット状となっており、生体ファントムとしての使用および屈折率、散乱係数の測定が不可能な状態となった。
このように、比較例1のゲル化剤を用いた生体ファントムは、経時変化が大きく、長期保存が困難であることが確認された。
また、比較例1においては、同じ組成・作製法で生体ファントムを作製した場合における生体ファントムの光学特性の再現性についても試験した。
詳しくは、比較例1に示す組成のゲル化剤を用いたプレパラート状の生体ファントムを複数回(例えば5回)作製した。夫々の回でプレパラート状に作製したゲル化剤を用いた生体ファントムの経過時間に対する屈折率、散乱係数を測定した。
そして、夫々のプレパラート状のゲル化剤を用いた生体ファントムに対して測定したプレパラート状に作製直後から3時間までの経過時間に対する散乱係数のバラツキの割合、およびプレパラート状に作製直後から30日までの経過日数に対する屈折率のバラツキの割合を算出した。作製直後の算出結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例1のゲル化剤を用いた生体ファントムは、作製による光学特性のバラツキが、実施例1〜3の液状生体ファントムに比べて、屈折率において非常に大きく、再現性が悪いものとなった。
さらに、比較例1においては、作製した生体ファントムの光学特性の目標値からの乖離割合についても算出した。
詳しくは、比較例1のゲル化剤を用いた生体ファントムの作製時における屈折率及び散乱係数を測定し、ゲル化剤を用いた生体ファントムが擬似対象とする所定の生体の屈折率及び散乱係数を目標値としたときの目標値からの乖離割合を算出した。算出結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例1のゲル化剤を用いた生体ファントムは、散乱係数の目標値からの乖離が非常に大きく、擬似生体として信頼性に欠けるものとなった。
表1
Figure 2012189322
表2
Figure 2012189322
本発明の液状生体ファントム及びその作製方法は、顕微鏡対物レンズの性能評価を行う分野以外にも、生体ファントムを用いるあらゆる分野に有用である。
1 プレパラート
2 スライドガラス
3 シリコンゴム
3a 穴
4 生体ファントム
5 カバーガラス

Claims (17)

  1. 顕微鏡対物レンズを経由し撮像手段を介して撮像されたプレパラート内の検査試料の画像およびその画像から得られる所定の光学特性を用いて該顕微鏡対物レンズの性能評価を行う際の、前記プレパラート内の検査試料として用いられる生体ファントムであって、
    水と屈折率調整剤と散乱体とを少なくとも含む溶媒又は屈折率調整剤と散乱体とを少なくとも含む溶媒と、
    増粘剤と、
    を少なくとも含む、非ゲル状の溶液からなることを特徴とする液状生体ファントム。
  2. 前記非ゲル状の溶液の20℃での粘度が40mPa・s以上300mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の液状生体ファントム。
  3. 前記非ゲル状の溶液の20℃での粘度が50mPa・s以上100mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の液状生体ファントム。
  4. 前記増粘剤の添加量は、前記溶媒の質量を100としたときの質量比が、0.5以上3以下となる所定量であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液状生体ファントム。
  5. さらに、蛍光物質を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液状生体ファントム。
  6. 生体の屈折率、散乱係数、吸収係数、非等方散乱パラメータのうちの少なくとも一つの光学特性と同等な光学特性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液状生体ファントム。
  7. 前記散乱体が球状粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液状生体ファントム。
  8. 前記散乱体の粒子径が、100nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液状生体ファントム。
  9. 前記蛍光物質が、蛍光ビーズであることを特徴とする請求項5、請求項5に従属する請求項6〜8のいずれかに記載の液状生体ファントム。
  10. 前記蛍光ビーズの粒子径、形状が、前記散乱体の粒子径、形状と同じであることを特徴とする請求項9に記載の液状生体ファントム。
  11. 水と屈折率調整剤と散乱体、又は屈折率調整剤と散乱体を均一に混合して溶媒を作製する第1の工程と、
    第1の工程で作製した溶媒に対し、増粘剤を、前記溶媒の質量を100としたときの質量比が、0.5以上3以下となる所定量添加して、20℃での粘度が40mPa・s以上300mPa・s以下となる非ゲル状の溶液を作製する第2の工程と、
    からなることを特徴とする液状生体ファントムの作製方法。
  12. 前記第2の工程において、20℃での粘度が50mPa・s以上100mPa・s以下となる非ゲル状の溶液を作製することを特徴とする請求項11に記載の液状生体ファントムの作製方法。
  13. 前記第1の工程において、前記水と屈折率調整剤と散乱体、又は前記屈折率調整剤と散乱体とともに、蛍光物質を均一に混合することを特徴とする請求項11又は12に記載の液状生体ファントムの作製方法。
  14. 前記散乱体が球状粒子であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の液状生体ファントムの作製方法。
  15. 前記散乱体の粒子径が、100nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の液状生体ファントムの作製方法。
  16. 前記蛍光物質が、蛍光ビーズであることを特徴とする請求項13、請求項13に従属する請求項14又は15のいずれかに記載の液状生体ファントムの作製方法。
  17. 前記蛍光ビーズの粒子径、形状が、前記散乱体の粒子径、形状と同じであることを特徴とする請求項16に記載の液状生体ファントムの作製方法。
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