JPH10153529A - 蛍光標準試料 - Google Patents
蛍光標準試料Info
- Publication number
- JPH10153529A JPH10153529A JP31218496A JP31218496A JPH10153529A JP H10153529 A JPH10153529 A JP H10153529A JP 31218496 A JP31218496 A JP 31218496A JP 31218496 A JP31218496 A JP 31218496A JP H10153529 A JPH10153529 A JP H10153529A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorescent
- inorganic material
- standard sample
- fluorescence
- material particles
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- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長時間に亘って安定して蛍光を発生すること
ができ、蛍光顕微鏡の調整や光学系の特性の検定に用い
るのに好適な蛍光標準試料を提供する。 【解決手段】 スライドガラス1とカバーガラス2とが
シリコン接着剤4により貼り合わされており、そのシリ
コン接着剤4中に蛍光性の無機材料粒3がカバーガラス
2の面に接して散点状に混入されてなる。スライドガラ
ス1およびカバーガラス2それぞれは、無蛍光性のもの
が用いられ、石英ガラスが好適に用いられる。また、シ
リコン接着剤4も無蛍光性の接着剤である。したがっ
て、蛍光を発生するのは無機材料粒3のみである。
ができ、蛍光顕微鏡の調整や光学系の特性の検定に用い
るのに好適な蛍光標準試料を提供する。 【解決手段】 スライドガラス1とカバーガラス2とが
シリコン接着剤4により貼り合わされており、そのシリ
コン接着剤4中に蛍光性の無機材料粒3がカバーガラス
2の面に接して散点状に混入されてなる。スライドガラ
ス1およびカバーガラス2それぞれは、無蛍光性のもの
が用いられ、石英ガラスが好適に用いられる。また、シ
リコン接着剤4も無蛍光性の接着剤である。したがっ
て、蛍光を発生するのは無機材料粒3のみである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光顕微鏡の調整
を行ったり光学系の特性を検定したりする際に用いられ
る蛍光標準試料に関するものである。
を行ったり光学系の特性を検定したりする際に用いられ
る蛍光標準試料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、蛍光顕微鏡を用いて細胞や生
体試料等の試料を観察する際に、実際にこれらを観察す
る前段階において、適当な蛍光標準試料を使用して蛍光
顕微鏡の調整を行ったり光学系の特性を検定したりする
ことが行われている。従来より市販され使用されている
蛍光標準試料は、蛍光性のプラスチック製のビーズをス
ライドガラスとカバーガラスとの間に挟んで構成された
ものである。
体試料等の試料を観察する際に、実際にこれらを観察す
る前段階において、適当な蛍光標準試料を使用して蛍光
顕微鏡の調整を行ったり光学系の特性を検定したりする
ことが行われている。従来より市販され使用されている
蛍光標準試料は、蛍光性のプラスチック製のビーズをス
ライドガラスとカバーガラスとの間に挟んで構成された
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の蛍光標準試料は、励起光が長時間照射されると、褪
色現象を起こし蛍光発生が弱くなる。したがって、蛍光
顕微鏡の調整や光学系の特性の検定を短時間に行わざる
を得ないため充分に行うことができず、実際に使用する
には問題があった。
来の蛍光標準試料は、励起光が長時間照射されると、褪
色現象を起こし蛍光発生が弱くなる。したがって、蛍光
顕微鏡の調整や光学系の特性の検定を短時間に行わざる
を得ないため充分に行うことができず、実際に使用する
には問題があった。
【0004】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、長時間に亘って安定して蛍光を発生す
ることができ、蛍光顕微鏡の調整や光学系の特性の検定
に用いるのに好適な蛍光標準試料を提供することを目的
とする。
れたものであり、長時間に亘って安定して蛍光を発生す
ることができ、蛍光顕微鏡の調整や光学系の特性の検定
に用いるのに好適な蛍光標準試料を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蛍光標準試
料は、無蛍光性の第1および第2の透明板の間に充填さ
れた無蛍光性の充填剤中に蛍光性の無機材料の粒が散点
状に混入されていることを特徴とする。この蛍光標準試
料によれば、取り扱いが容易となり、蛍光顕微鏡等の調
整を容易に行うことができる。すなわち、蛍光顕微鏡で
この蛍光標準試料を用いて励起光を照射すれば、無蛍光
性の充填剤中に散点状に混入された蛍光性の無機材料の
粒から褪色の無い蛍光が発生し、一方、この無機材料の
粒が存在しない領域の無蛍光性の充填剤からノイズ光が
発生し、これら蛍光およびノイズ光それぞれの強度に基
づいて蛍光顕微鏡の調整が行われる。
料は、無蛍光性の第1および第2の透明板の間に充填さ
れた無蛍光性の充填剤中に蛍光性の無機材料の粒が散点
状に混入されていることを特徴とする。この蛍光標準試
料によれば、取り扱いが容易となり、蛍光顕微鏡等の調
整を容易に行うことができる。すなわち、蛍光顕微鏡で
この蛍光標準試料を用いて励起光を照射すれば、無蛍光
性の充填剤中に散点状に混入された蛍光性の無機材料の
粒から褪色の無い蛍光が発生し、一方、この無機材料の
粒が存在しない領域の無蛍光性の充填剤からノイズ光が
発生し、これら蛍光およびノイズ光それぞれの強度に基
づいて蛍光顕微鏡の調整が行われる。
【0006】無機材料は希土類イオンを含有するフツリ
ン酸塩系ガラスであるのが好適であり、この場合には、
強度の強い蛍光が発生する。また、無機材料はそれぞれ
互いに異なる波長の蛍光を発生する2種以上の材料から
なることとしてもよく、この場合には、無機材料粒の配
置に基づいて目的の蛍光体を探すことが容易になる。ま
た、無機材料の粒は第1および第2の透明板の何れか一
方の面に付着していることとしてもよく、この場合に
は、無機材料の粒は蛍光顕微鏡の同一焦点面上に存在す
ることになるので、少量の無機材料を有効に利用するこ
とができる。
ン酸塩系ガラスであるのが好適であり、この場合には、
強度の強い蛍光が発生する。また、無機材料はそれぞれ
互いに異なる波長の蛍光を発生する2種以上の材料から
なることとしてもよく、この場合には、無機材料粒の配
置に基づいて目的の蛍光体を探すことが容易になる。ま
た、無機材料の粒は第1および第2の透明板の何れか一
方の面に付着していることとしてもよく、この場合に
は、無機材料の粒は蛍光顕微鏡の同一焦点面上に存在す
ることになるので、少量の無機材料を有効に利用するこ
とができる。
【0007】充填剤はシリコン接着剤であってもよい
し、また、充填剤はシリコンオイルまたは水であるとと
もに、第1および第2の透明板の間の空間は封止されて
いることとしてもよい。何れの場合も、蛍光標準試料は
取り扱いが容易となる。
し、また、充填剤はシリコンオイルまたは水であるとと
もに、第1および第2の透明板の間の空間は封止されて
いることとしてもよい。何れの場合も、蛍光標準試料は
取り扱いが容易となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。また、「無蛍光性」および「蛍光性」それぞれ
の語は、本発明に係る蛍光標準試料を用いて調整・検定
しようとしている光学器械において、この蛍光標準試料
に励起光が照射されたときに、「無蛍光性」のスライド
ガラス等から発生する蛍光の輝度が、「蛍光性」の無機
材料の粒から発生する蛍光の輝度に対して、測定上無視
し得る程度に弱いという意味で用いる。
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。また、「無蛍光性」および「蛍光性」それぞれ
の語は、本発明に係る蛍光標準試料を用いて調整・検定
しようとしている光学器械において、この蛍光標準試料
に励起光が照射されたときに、「無蛍光性」のスライド
ガラス等から発生する蛍光の輝度が、「蛍光性」の無機
材料の粒から発生する蛍光の輝度に対して、測定上無視
し得る程度に弱いという意味で用いる。
【0009】(第1の実施形態)先ず、第1の実施形態
について説明する。図1は、第1の実施形態に係る蛍光
標準試料の断面図である。
について説明する。図1は、第1の実施形態に係る蛍光
標準試料の断面図である。
【0010】本実施形態に係る蛍光標準試料は、スライ
ドガラス(第1の透明板)1とカバーガラス(第2の透
明板)2とがシリコン接着剤(充填剤)4により貼り合
わされており、そのシリコン接着剤4中に蛍光性の無機
材料粒3がカバーガラス2の面に接して散点状に混入さ
れてなるものである。ここで、スライドガラス1および
カバーガラス2それぞれは、無蛍光性のものが用いら
れ、例えば、石英ガラスが好適に用いられる。また、シ
リコン接着剤4も無蛍光性の接着剤である。したがっ
て、蛍光を発生するのは無機材料粒3のみである。
ドガラス(第1の透明板)1とカバーガラス(第2の透
明板)2とがシリコン接着剤(充填剤)4により貼り合
わされており、そのシリコン接着剤4中に蛍光性の無機
材料粒3がカバーガラス2の面に接して散点状に混入さ
れてなるものである。ここで、スライドガラス1および
カバーガラス2それぞれは、無蛍光性のものが用いら
れ、例えば、石英ガラスが好適に用いられる。また、シ
リコン接着剤4も無蛍光性の接着剤である。したがっ
て、蛍光を発生するのは無機材料粒3のみである。
【0011】無機材料粒3は、例えば、希土類イオンを
含有するフツリン酸塩系ガラスを細かく砕いた粒や、希
土類酸化物を含有するケイ酸系ガラスを細かく砕いた粒
が好適に用いられる。特に前者の場合には、発生する蛍
光の強度が強いだけでなく、特徴あるスペクトルを有
し、万一ゴミを同時に封埋した場合であっても識別可能
であるので好適である。この無機材料粒3は、シリコン
接着剤4中に散点状に混入されており、したがって、カ
バーガラス2の面に垂直な方向から見たときに、無機材
料粒3が存在する領域と存在しない領域とに分かれてい
る。また、無機材料粒3は、カバーガラス2の面に付着
しているので、蛍光顕微鏡の同一焦点面上に存在するこ
とになる。
含有するフツリン酸塩系ガラスを細かく砕いた粒や、希
土類酸化物を含有するケイ酸系ガラスを細かく砕いた粒
が好適に用いられる。特に前者の場合には、発生する蛍
光の強度が強いだけでなく、特徴あるスペクトルを有
し、万一ゴミを同時に封埋した場合であっても識別可能
であるので好適である。この無機材料粒3は、シリコン
接着剤4中に散点状に混入されており、したがって、カ
バーガラス2の面に垂直な方向から見たときに、無機材
料粒3が存在する領域と存在しない領域とに分かれてい
る。また、無機材料粒3は、カバーガラス2の面に付着
しているので、蛍光顕微鏡の同一焦点面上に存在するこ
とになる。
【0012】この蛍光標準試料は、例えば、以下のよう
にして作成される。蛍光性の無機材料(例えば、希土類
イオンを含有するフツリン酸塩系ガラス)をアルミナの
乳鉢で破砕し、この破砕した無機材料粒をメチルアルコ
ールで縣濁する。縣濁したのち放置しておくと、粒径の
大きな無機材料粒は、粒径の小さな無機材料粒と比較し
て速く沈殿するので、適当な時刻に上澄みまたは沈殿物
を含むメチルアルコールをピペットで採取することによ
り、所望の粒径範囲にある無機材料粒を選別する。この
ピペットで採取した無機材料粒を含むメチルアルコール
をカバーガラス2に滴下したのち放置しておくと、メチ
ルアルコールは蒸発し、そのカバーガラス2の面上には
無機材料粒3が残留して付着する。そして、この無機材
料粒3が付着したカバーガラス2の面とスライドガラス
1の一方の面とをシリコン接着剤4で接着する。
にして作成される。蛍光性の無機材料(例えば、希土類
イオンを含有するフツリン酸塩系ガラス)をアルミナの
乳鉢で破砕し、この破砕した無機材料粒をメチルアルコ
ールで縣濁する。縣濁したのち放置しておくと、粒径の
大きな無機材料粒は、粒径の小さな無機材料粒と比較し
て速く沈殿するので、適当な時刻に上澄みまたは沈殿物
を含むメチルアルコールをピペットで採取することによ
り、所望の粒径範囲にある無機材料粒を選別する。この
ピペットで採取した無機材料粒を含むメチルアルコール
をカバーガラス2に滴下したのち放置しておくと、メチ
ルアルコールは蒸発し、そのカバーガラス2の面上には
無機材料粒3が残留して付着する。そして、この無機材
料粒3が付着したカバーガラス2の面とスライドガラス
1の一方の面とをシリコン接着剤4で接着する。
【0013】このようにして作成された蛍光標準試料で
は、無機材料粒3の形状は不定形であるが、寸法は1μ
mから数十μmの範囲であった。なお、無機材料粒3の
形状や寸法が一定でなくばらついていることは使用上何
等問題はない。また、破砕した無機材料粒をメチルアル
コールで縣濁するときの稀釈濃度を調整することによ
り、最終的にカバーガラス2の面上に付着する無機材料
粒3の密度を調整することが可能であり、例えば、顕微
鏡視野内に無機材料粒3が1個だけ存在するような標準
蛍光試料を作成することも可能であり、極微弱蛍光の研
究を行う場合の顕微鏡の調整に用いるのに好適な標準蛍
光試料となる。また、ピペットで採取した上澄みまたは
沈殿物を含むメチルアルコールをカバーガラス2に滴下
するのではなく、スライドガラス1に滴下したのちカバ
ーガラス2と接着してもよい。
は、無機材料粒3の形状は不定形であるが、寸法は1μ
mから数十μmの範囲であった。なお、無機材料粒3の
形状や寸法が一定でなくばらついていることは使用上何
等問題はない。また、破砕した無機材料粒をメチルアル
コールで縣濁するときの稀釈濃度を調整することによ
り、最終的にカバーガラス2の面上に付着する無機材料
粒3の密度を調整することが可能であり、例えば、顕微
鏡視野内に無機材料粒3が1個だけ存在するような標準
蛍光試料を作成することも可能であり、極微弱蛍光の研
究を行う場合の顕微鏡の調整に用いるのに好適な標準蛍
光試料となる。また、ピペットで採取した上澄みまたは
沈殿物を含むメチルアルコールをカバーガラス2に滴下
するのではなく、スライドガラス1に滴下したのちカバ
ーガラス2と接着してもよい。
【0014】次に、本実施形態に係る蛍光標準試料から
発生した蛍光のスペクトルについて説明する。測定条件
は以下のとおりである。すなわち、蛍光顕微鏡の視野内
に蛍光性の無機材料粒3が1個だけ存在するような蛍光
標準試料を作成した。蛍光顕微鏡の像面にピンホールを
配置し、蛍光標準試料から到達した光のうちこのピンホ
ールを通過した光を分光器により分光し、波長毎に光電
子増倍管を用いて光子計数法により測定した。そして、
無機材料粒3から発生した蛍光のスペクトルを測定する
ときには、蛍光標準試料の無機材料粒3の像の位置にピ
ンホールを合わせて測定し、一方、ノイズ光を測定する
ときには、蛍光標準試料の無機材料粒3の像の位置以外
の位置にピンホールを合わせて測定した。
発生した蛍光のスペクトルについて説明する。測定条件
は以下のとおりである。すなわち、蛍光顕微鏡の視野内
に蛍光性の無機材料粒3が1個だけ存在するような蛍光
標準試料を作成した。蛍光顕微鏡の像面にピンホールを
配置し、蛍光標準試料から到達した光のうちこのピンホ
ールを通過した光を分光器により分光し、波長毎に光電
子増倍管を用いて光子計数法により測定した。そして、
無機材料粒3から発生した蛍光のスペクトルを測定する
ときには、蛍光標準試料の無機材料粒3の像の位置にピ
ンホールを合わせて測定し、一方、ノイズ光を測定する
ときには、蛍光標準試料の無機材料粒3の像の位置以外
の位置にピンホールを合わせて測定した。
【0015】図2は、このようにして測定した蛍光スペ
クトル図である。この図に示すように、蛍光強度がピー
クとなる波長は、490nm付近、540nm付近、5
90nm付近および620nm付近に見られる。このス
ペクトル図から、例えば蛍光顕微鏡における蛍光波長4
90nmでのS/B比は、その蛍光強度測定値からノイ
ズ光強度を差し引いたもの(図中でAで示した領域の面
積)とノイズ光強度(図中でBで示した領域の面積)と
の比から容易に求めることができる。
クトル図である。この図に示すように、蛍光強度がピー
クとなる波長は、490nm付近、540nm付近、5
90nm付近および620nm付近に見られる。このス
ペクトル図から、例えば蛍光顕微鏡における蛍光波長4
90nmでのS/B比は、その蛍光強度測定値からノイ
ズ光強度を差し引いたもの(図中でAで示した領域の面
積)とノイズ光強度(図中でBで示した領域の面積)と
の比から容易に求めることができる。
【0016】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について説明する。図3は、第2の実施形態に係る蛍光
標準試料の断面図である。
について説明する。図3は、第2の実施形態に係る蛍光
標準試料の断面図である。
【0017】本実施形態に係る蛍光標準試料は、スライ
ドガラス(第1の透明板)1とカバーガラス(第2の透
明板)2とが、その間にシリコンオイル(充填剤)5を
挟んで封止剤6により封止されており、そのシリコンオ
イル5中に蛍光性の無機材料粒3が散点状に混入されて
なるものである。ここで、スライドガラス1およびカバ
ーガラス2それぞれは、無蛍光性のものが用いられ、例
えば、石英ガラスが好適に用いられる。また、シリコン
オイル5も無蛍光性の液体である。封止剤6は、蛍光性
のものでも無蛍光性のものでもよい。封止剤6が蛍光性
のものである場合には、この蛍光標準試料が蛍光顕微鏡
で用いられる際に、その視野内に封止剤6が入らないよ
う用いられる。
ドガラス(第1の透明板)1とカバーガラス(第2の透
明板)2とが、その間にシリコンオイル(充填剤)5を
挟んで封止剤6により封止されており、そのシリコンオ
イル5中に蛍光性の無機材料粒3が散点状に混入されて
なるものである。ここで、スライドガラス1およびカバ
ーガラス2それぞれは、無蛍光性のものが用いられ、例
えば、石英ガラスが好適に用いられる。また、シリコン
オイル5も無蛍光性の液体である。封止剤6は、蛍光性
のものでも無蛍光性のものでもよい。封止剤6が蛍光性
のものである場合には、この蛍光標準試料が蛍光顕微鏡
で用いられる際に、その視野内に封止剤6が入らないよ
う用いられる。
【0018】無機材料粒3は、第1の実施形態の場合と
同様に、例えば、希土類イオンを含有するフツリン酸塩
系ガラスを細かく砕いた粒や、希土類酸化物を含有する
ケイ酸系ガラスを細かく砕いた粒が好適に用いられる。
この無機材料粒3は、シリコンオイル5中に散点状に混
入されており、したがって、カバーガラス2の面に垂直
な方向から見たときに、無機材料粒3が存在する領域と
存在しない領域とに分かれている。
同様に、例えば、希土類イオンを含有するフツリン酸塩
系ガラスを細かく砕いた粒や、希土類酸化物を含有する
ケイ酸系ガラスを細かく砕いた粒が好適に用いられる。
この無機材料粒3は、シリコンオイル5中に散点状に混
入されており、したがって、カバーガラス2の面に垂直
な方向から見たときに、無機材料粒3が存在する領域と
存在しない領域とに分かれている。
【0019】この蛍光標準試料は、例えば、以下のよう
にして作成される。蛍光性の無機材料(例えば、希土類
イオンを含有するフツリン酸塩系ガラス)をアルミナの
乳鉢で破砕し、この破砕した無機材料粒をシリコンオイ
ルで縣濁する。縣濁したのち放置し適当な時刻に上澄み
または沈殿物を含むシリコンオイルをピペットで採取
し、これをスライドガラス1に滴下する。そして、その
滴下した上にカバーガラス2を被せて、そのカバーガラ
ス2の周囲を封止剤6で封止する。
にして作成される。蛍光性の無機材料(例えば、希土類
イオンを含有するフツリン酸塩系ガラス)をアルミナの
乳鉢で破砕し、この破砕した無機材料粒をシリコンオイ
ルで縣濁する。縣濁したのち放置し適当な時刻に上澄み
または沈殿物を含むシリコンオイルをピペットで採取
し、これをスライドガラス1に滴下する。そして、その
滴下した上にカバーガラス2を被せて、そのカバーガラ
ス2の周囲を封止剤6で封止する。
【0020】なお、ピペットで採取した上澄みまたは沈
殿物を含むシリコンオイルをスライドガラス1に滴下し
たのちにカバーガラス2を被せるのではなく、軽く重ね
られたスライドガラス1とカバーガラス2との間の隙間
に浸み込ませてもよい。また、シリコンオイル5に替え
て、他の無蛍光性の液体(例えば、水)を用いてもよ
い。
殿物を含むシリコンオイルをスライドガラス1に滴下し
たのちにカバーガラス2を被せるのではなく、軽く重ね
られたスライドガラス1とカバーガラス2との間の隙間
に浸み込ませてもよい。また、シリコンオイル5に替え
て、他の無蛍光性の液体(例えば、水)を用いてもよ
い。
【0021】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、蛍光性の無
機材料粒として、それぞれ互いに異なる波長の蛍光を発
生する2種以上のものを無蛍光性の充填剤に散点状に混
入させてもよい。このようにすることにより、無機材料
粒の配置に基づいて目的の蛍光体を探すことが容易にな
る。
ではなく種々の変形が可能である。例えば、蛍光性の無
機材料粒として、それぞれ互いに異なる波長の蛍光を発
生する2種以上のものを無蛍光性の充填剤に散点状に混
入させてもよい。このようにすることにより、無機材料
粒の配置に基づいて目的の蛍光体を探すことが容易にな
る。
【0022】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、蛍光標準試料は、無蛍光性の第1および第2の透
明板の間に充填された無蛍光性の充填剤中に蛍光性の無
機材料の粒が散点状に混入されて構成される。このよう
な構成とすることにより、取り扱いが容易となり、蛍光
顕微鏡等の調整を容易に行うことができる。すなわち、
蛍光顕微鏡でこの蛍光標準試料を用いて励起光を照射す
れば、無蛍光性の充填剤中に散点状に混入された蛍光性
の無機材料の粒から褪色の無い蛍光が発生し、一方、こ
の無機材料の粒が存在しない領域の無蛍光性の充填剤か
らノイズ光が発生し、これら蛍光およびノイズ光それぞ
れの強度に基づいて蛍光顕微鏡の調整や光学系の特性の
検定が行われる。また、褪色の問題が無いので、蛍光顕
微鏡の調整等を充分な時間を掛けて行うことができる。
れば、蛍光標準試料は、無蛍光性の第1および第2の透
明板の間に充填された無蛍光性の充填剤中に蛍光性の無
機材料の粒が散点状に混入されて構成される。このよう
な構成とすることにより、取り扱いが容易となり、蛍光
顕微鏡等の調整を容易に行うことができる。すなわち、
蛍光顕微鏡でこの蛍光標準試料を用いて励起光を照射す
れば、無蛍光性の充填剤中に散点状に混入された蛍光性
の無機材料の粒から褪色の無い蛍光が発生し、一方、こ
の無機材料の粒が存在しない領域の無蛍光性の充填剤か
らノイズ光が発生し、これら蛍光およびノイズ光それぞ
れの強度に基づいて蛍光顕微鏡の調整や光学系の特性の
検定が行われる。また、褪色の問題が無いので、蛍光顕
微鏡の調整等を充分な時間を掛けて行うことができる。
【図1】第1の実施形態に係る蛍光標準試料の断面図で
ある。
ある。
【図2】第1の実施形態に係る蛍光標準試料から発生し
た蛍光のスペクトル図である。
た蛍光のスペクトル図である。
【図3】第2の実施形態に係る蛍光標準試料の断面図で
ある。
ある。
1…スライドガラス、2…カバーガラス、3…無機材料
粒、4…シリコン接着剤、5…シリコンオイル、6…封
止剤。
粒、4…シリコン接着剤、5…シリコンオイル、6…封
止剤。
Claims (6)
- 【請求項1】 無蛍光性の第1および第2の透明板の間
に充填された無蛍光性の充填剤中に蛍光性の無機材料の
粒が散点状に混入されている、ことを特徴とする蛍光標
準試料。 - 【請求項2】 前記無機材料は希土類イオンを含有する
フツリン酸塩系ガラスである、ことを特徴とする請求項
1記載の蛍光標準試料。 - 【請求項3】 前記無機材料はそれぞれ互いに異なる波
長の蛍光を発生する2種以上の材料からなる、ことを特
徴とする請求項1記載の蛍光標準試料。 - 【請求項4】 前記無機材料の粒は前記第1および前記
第2の透明板の何れか一方の面に付着している、ことを
特徴とする請求項1記載の蛍光標準試料。 - 【請求項5】 前記充填剤はシリコン接着剤である、こ
とを特徴とする請求項1記載の蛍光標準試料。 - 【請求項6】 前記充填剤はシリコンオイルまたは水で
あるとともに、前記第1および前記第2の透明板の間の
空間は封止されている、ことを特徴とする請求項1記載
の蛍光標準試料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31218496A JPH10153529A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 蛍光標準試料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31218496A JPH10153529A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 蛍光標準試料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10153529A true JPH10153529A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18026236
Family Applications (1)
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-
1996
- 1996-11-22 JP JP31218496A patent/JPH10153529A/ja active Pending
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