JP2003055965A - 芯材として細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体及び築造方法 - Google Patents
芯材として細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体及び築造方法Info
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Abstract
用するものでありながら、軟弱地盤に建築される低層の
店舗等の、比較的軽量な建築物の基礎として充分な支持
力を発揮できる芯材としての細径の鋼管パイプが存在す
るソイルセメント柱体(杭状体)を提供する。 【解決手段】 地盤中に、外径30〜60mmの細径の
鋼管パイプが芯材として鉛直方向に存在し、その側面周
囲の全長にわたって前記鋼管パイプ外径の0.5〜1倍
の厚さを有するセメント分に富む固化層が存在し、該セ
メント分に富む固化層の側面外周の全長にわたって前記
鋼管パイプ外径の1〜2倍の厚さを有するソイルセメン
ト層が存在することを特徴とする。
Description
される低層の店舗等の、比較的軽量な建築物の基礎とし
て充分な支持力を発揮できるソイルセメント柱体(杭状
体)に関する。
公報や、特開平5−14129号公報に開示されている
図9に示すような鋼管外径が400mm以上の鋼管杭2
2を使用し、ソイルセメント柱体23と鋼管杭22が一
体化されたソイルセメント合成杭21は知られている。
その場合、支持層地盤に形成され硬化した後の圧縮強度
の高い根固め部24に鋼管杭22の先端を挿入させて定
着することにより、杭の支持力を向上させていた。この
場合、鋼管杭22の先端は根固め部24の下端より上部
に位置させることにより、高い支持力が得られるように
している。
60mm以下の細い鋼管パイプを使用すると、小径であ
るが故に根固め部の形成が困難になり、単にソイルセメ
ント柱中に細い鋼管パイプを埋め込んだものしか形成で
きないのが現状である。ところがこのようなソイルセメ
ント柱中に単に細い鋼管パイプを埋め込んだものは、あ
たかもハイヒールの踵で足を踏まれた場合非常に痛いこ
とでも判るように、細い鋼管パイプの下端に位置するソ
イルセメント部分に対して、細い鋼管パイプに上部から
荷重が加わると下端のソイルセメント部分が破壊してし
まうために、ソイルセメント柱と細い鋼管パイプを使用
することによって予想した所期の支持力を得ることがで
きない課題がある。だからといって、軟弱地盤に建築さ
れる低層の店舗等の、比較的軽量な建築物の基礎にまで
図9に示すようなソイルセメント柱体23と鋼管杭22
が一体化されたソイルセメント合成杭21を使用するの
では、造成に手数と時間を要するし、費用も多くかかる
ので、施工上及び経済上好ましくない。
せんと提案されたものであり、その目的は、ソイルセメ
ント柱と細い鋼管パイプを使用するものでありながら、
軟弱地盤に建築される低層の店舗等の、比較的軽量な建
築物の基礎として充分な支持力を発揮できるソイルセメ
ント柱体(杭状体)を提供することにある。また、鋼管
杭の外周にソイルセメントが存在していても鋼管表面が
腐食する恐れがあるので、鋼管外周から1mmの厚さを
除外して構造設計していた。
め、この発明の請求項1に係る芯材として細径の鋼管パ
イプが存在するソイルセメント柱体は、地盤中に、細径
の鋼管パイプが芯材として鉛直方向に存在し、その側面
周囲の全長にわたってセメント分に富む固化層が存在
し、該セメント分に富む固化層の側面外周の全長にわた
ってソイルセメント層が存在し、前記セメント分に富む
個化層及び前記ソイルセメント層の下端深度と前記鋼管
パイプの先端深度がほぼ一致するように築造されている
ことを特徴とする。
て細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体は、
前記芯材としての細径の鋼管パイプは、外径30〜60
mmであり、前記セメント分に富む固化層は、芯材とし
ての鋼管パイプ外径の0.5〜1倍の厚さであり、前記
ソイルセメント層は、芯材として鋼管パイプ外径の1〜
2倍の厚さであることを特徴とする。
て細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体は、
前記芯材としての鋼管パイプの中空部にもセメント分に
富む固化材が充填されていることを特徴とする。
て細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体は、
前記芯材としての鋼管パイプの先端側は、有底であるこ
とを特徴とする。
て細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体は、
前記芯材としての鋼管パイプの先端には、セメント分に
富む個化層の外径と同等以上の大きな外径の板状体が、
鋼管パイプの開口を閉塞して設けられていることを特徴
とする。
て細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体は、
前記芯材として細径の鋼管パイプが存在するソイルセメ
ント柱体の頭部には、径が最外層のソイルセメント層を
覆うことができる大きさの板状体の下面に、鋼管パイプ
の上端部に嵌合可能な嵌合部を有するキャップ体が設け
られていることを特徴とする。
て細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体の築
造方法は、中空の掘削ロッドと、その外周下端部に設け
られた掘削羽根と、その上部に設けられた攪拌翼と、掘
削羽根を取り付けたロッドの部分に設けたセメントミル
ク吐出口を少なくとも設けた掘削装置を使用し、更に掘
削ロッドの内径より大きくした先端部を下端に設けた細
径鋼管パイプを使用して、前記掘削装置の下端から細径
の鋼管パイプを挿入し、掘削ロッドの下端部を閉塞する
と共に掘削ロッドの中心に細径の鋼管パイプを位置さ
せ、このような状態で軟弱地盤を掘削し、下部から吐出
されるセメントミルクと掘削土を混合・攪拌しながら、
ソイルセメントを掘削ロッドの周辺に形成しながら、軟
弱地盤を掘削し、このように所定の深さのソイルセメン
トが形成されたならば、芯材としての細径鋼管を残した
状態で、セメントミルクを供給し続けた状態で掘削ロッ
ドを引き上げることを特徴とする。
して細径の鋼管パイプが存在するソイルセメンと柱体の
築造方法は、掘削ロッドが細径の鋼管パイプの上面を過
ぎた状態でも掘削ロッドからセメントミルクを供給する
ことにより、細径の鋼管パイプの中空部にもセメント分
に富む固化物としてのセメントミルクを充填させること
を特徴とする。
あるが故に、曲げ耐力が大きいので鋼管パイプを使用
し、しかも前述したように細くて問題を生じていた60
mm以下の鋼管パイプを対象とするものである。しか
し、外径が30mmよりも細いと支持力等が不足するの
で、この発明では使用する鋼管パイプの外径を30〜6
0mmとした。この鋼管パイプは、施工時にその中空内
にソイルセメントなどが入り込まないように先端側が有
底のものであることが好ましい。この鋼管パイプの長さ
は特に限定されるものではないが、この発明のソイルセ
メント柱体は、周辺地盤との摩擦により支持力が大きい
ので、3〜12mの長さのものが使用可能である。
側面全長にセメント分に富む固化層を存在させる。この
固化層は、鋼管パイプとの接着力がソイルセメント層よ
りもこのセメント分に富む固化層の方が高くなることに
着目して使用するものであり、また、この固化層は、セ
メント分に富むため、ソイルセメント層との界面で一体
化できる。このセメント分に富む固化層の強度の特に望
ましい強度は、3000〜1000KN/m2程度であ
る。
材としての鋼管パイプ外径の0.5〜1倍の厚さであ
る。このことはセメント分に富む固化層の外径は、芯材
としての鋼管パイプ外径の2〜3倍であることを意味す
る。芯材として鋼管パイプが存在するソイルセメント柱
体は、その全体の外径が大きいほど支持力が大きくなる
傾向があり、全体径はできるだけ大きいことが望まれ
る。このような条件下でセメント分に富む固化層の厚み
を薄くすると、ソイルセメント層の厚みを大きくする必
要があるが、このようにすると上部から大きな荷重が加
わるとソイルセメント層の部分で破棄が生じ、所期の支
持力が得られなくなる。また、セメント分に富む固化層
の厚みは、芯材としての鋼管パイプ外径の1倍を超えて
大きくしても、セメントの使用量が多くなるだけの支持
力の向上が望めなくなる。そのためセメント分に富む固
化層の厚みは、芯材としての鋼管パイプ外径の0.5〜
1倍の厚みとした。このセメント分に富む固化層は、鋼
管パイプとの接着性が良くなり、鋼管パイプ表面はセメ
ント分に富む固化層と一体化される。また、鋼材の周囲
に高いアルカリ性を示す物質が存在していれば腐食を起
こさないことは鉄筋コンクリートの原理から明らかであ
るが、この発明では、地中において存在する細径の鋼管
パイプの周辺には、鋼管パイプと一体化されたセメント
分に富む個化層が存在するので、鋼管パイプ表面の錆を
防ぐことができる。
は、芯材としての鋼管パイプ外径の1〜2倍の厚さであ
る。また上記したように、セメント分に富む固化層の外
径は、芯材としての鋼管パイプの2〜3倍であるので、
ソイルセメント層の外径は、芯材としての鋼管パイプ外
径の4〜7倍になる。ソイルセメント層が芯材としての
鋼管パイプ外径の1倍未満であると、掘削土がソイルセ
メント層に留まらずに、ソイルセメント層の内側の、セ
メント分に富む固化層にも入り込み、このセメント分に
富む固化層の圧縮強度を低下させるので、全体としての
支持力が低下するので好ましくない。また、ソイルセメ
ント層の厚みが芯材としての鋼管パイプ外径の2倍を超
えると、逆に上部から大きな荷重が加わるとソイルセメ
ント層の部分において破棄が生じ、所期の支持力が得ら
れなくなる。そのためにソイルセメント層の厚みは、芯
材としての鋼管パイプ外径の1〜2倍とした。このソイ
ルセメント層は、前記セメント分に富む固化層の外周側
面の全長にわたって存在する。このソイルセメント層の
特に望ましい強度は、2000〜1000KN/m2程
度である。
イプが存在するソイルセメント柱体は、セメント分に富
む固化層やソイルセメント層の最上部から最深部まで芯
材としての細径の鋼管パイプが存在することが必須であ
る。このようにすることによって、所望の支持力を発揮
できる。
もセメント分に富む固化材が充填されると、曲げ及び変
形に対し強化されると共に、中空部で空気にさらされる
恐れが無くなり、中空部での鋼管パイプの腐食を防止で
き、長期に安定した支持力を発揮できる。
あると、鋼管パイプの中に掘削土が入らないようにする
ことができ、鋼管パイプの中空部は空洞状態で存在させ
ることができ、この空洞内にある空気が浮力として働
き、支持性能が向上する。また、芯材としての鋼管パイ
プの先端部が有底であると、鋼管パイプの中に掘削土が
入らないようにすることができ、上気したように、鋼管
パイプ内にセメント分に富む固化剤を充填することもで
きる。そして、セメント分に富む固化層の外径と同等以
上の大きな外径の板状体で鋼管パイプの尖端開口が閉塞
されている場合は、その板状体は施工時に使用する中空
の掘削ロッド内径よりも大きな外径となるので、掘削ロ
ッド下端部を閉塞することができる。それ故、掘削ロッ
ド内部と鋼管パイプ外側面との間に掘削土が入らないよ
うにすることができ、鋼管パイプの外周面に掘削土が混
入しないセメント分に富む固化材層を存在させることが
可能となる。
頭部に、板状体のキャップ体が被嵌されていると、上部
の荷重を全体的に分散して、芯材も含めて最も強い層で
負担することが可能となり、支持力を十二分に発揮する
ことができる。また、ソイルセメント柱体の頭部(上端
部)にキャップ体が存在するとソイルセメント柱体造成
後の工事等で、その上を装置が通ったりしてもソイルセ
メント柱体が踏み割れをすることがなくなり好ましいも
のとなる。
削ロッドと、その外周下端部に設けられた掘削羽根と、
その上部に設けられた攪拌翼と、掘削羽根を取り付けた
ロッドの部分に設けたセメントミルク吐出口を少なくと
も設けた掘削装置を使用するので、掘削羽根によって掘
削された掘削土を攪拌翼でセメントミルクと混合攪拌す
ることができるので、ロッドの周辺にソイルセメント層
を造ることができると共に、図6に示すように、中空の
掘削ロッドの下端部は閉塞されているので、中空の掘削
ロッド内に掘削土が入り込むことがなく、芯材としての
細径鋼管パイプを残した状態で、セメントミルクを供給
し続けた状態で掘削ロッドを引き上げることにより、芯
材の周辺にセメントミルクの固化層を存在させることが
でき、請求項1のソイルセメント柱体を容易に築造する
ことができる。
面を過ぎた状態でも掘削ロッドからセメントミルクを供
給することにより、細径の鋼管パイプ中空部にもセメン
ト分に富む固化物としてのセメントミルクを充填させる
ことにより、曲げ及び変形に対し更に強化されたソイル
セメント柱体を容易に築造することができる。この場
合、鋼管パイプへのセメントミルクの充填の際に鋼管パ
イプ内の空気が抜け出しやすいように、例えば空気抜き
用の孔が側面に設けられたプラスチック管を差し込み、
このプラスチック管を空気排出口としてもよい。
いて図面と共に詳細に説明する。図1はこの発明の実施
の形態を示す一部破断斜視図、図2はこの発明の実施の
形態を示す横断面図(a)及び縦断面図(b)である。
同図において、1は芯材として細径の鋼管パイプが存在
するソイルセメント柱体を示し、細径の鋼管パイプ2が
芯材として鉛直方向に存在し、その側面周囲の全長にわ
たってセメント分に富む固化層3が存在し、該セメント
分に富む固化層3の側面外周の全長にわたってソイルセ
メント層4が存在する。芯材としての細径の鋼管パイプ
2は、固化層3及びソイルセメント層4の全長にわたっ
て存在する。
外径30〜60mmであり、前記セメント分に富む固化
層3は、芯材としての鋼管パイプ2外径の0.5〜1倍
の厚さであり、前記ソイルセメント層4の厚さは、芯材
としての鋼管パイプ2外径の1〜2倍の厚さであること
が好ましい。その理由は前記した通りである。なお、本
例の芯材としての鋼管パイプ2の中空部には、セメント
ミルク等の固化材は充填されていない。
断面図(a)及び縦断面図(b)である。本例は、芯材
としての鋼管パイプ2の中空部にセメント分に富む固化
材5が充填されているもので、他は前記実施の形態と同
様であるので同一構成要素には同一符号を付して詳細な
説明は省略する。本例によれば、鋼管パイプ2の中空部
にセメント分に富む固化材5、例えばセメントミルクが
充填されているので、圧潰及び曲げ等の変形に対し強固
となるし、鋼管パイプ2の中空部が空気にさらされるこ
となく腐食が防止されるものである。
す断面図であり、同一符号は前記実施の形態と同一構成
要素を示す。本例は、芯材としての細径の鋼管パイプ2
の先端(下端)に、後述する中空の掘削ロッド内径より
大きな外径の板状体6が、鋼管パイプ2の開口を閉塞し
て設けられている。この板状体6は、鋼管パイプ2の開
口を閉塞するので、施工中に鋼管パイプ2内にソイルセ
メント等が入り込むのを防止するし、後述するように施
工時に中空の掘削ロッドの下端(先端)開口を閉塞して
セメントミルク等の固化材を、吐出口より吐出させる働
きをする。
す断面図であり、同一符号は前記実施の形態と同一構成
要素を示す。本例は、芯材として細径の鋼管パイプ2が
存在するソイルセメント柱体1の頭部にキャップ体7が
被嵌されているものである。このキャップ体7は、最外
層のソイルセメント層4を覆うことができる大きさ
(径)の板状体8の下面に、鋼管パイプ2の上端部に嵌
合可能な嵌合部9を有し、この嵌合部9が鋼管パイプ2
の上端に嵌合して被嵌される。本例によれば、ソイルセ
メント柱体1の上部からかかる荷重を全体的に分散して
芯材2も含めて最も強い層で負担することが可能とな
り、支持力を十二分に発揮することができる。また、ソ
イルセメント柱体1造成後の工事等で、その上を装置、
例えば、上部に土間コンクリートを作るために、砕石等
を敷くための作業装置、がとおっても、ソイルセメント
柱体1の部分で踏み割れが発生することもない。
鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体1を造成する
施工方法の一例を、図6及び図7について説明する。図
6はソイルセメント柱体1の造成に使用するオーガの正
面図を示す。このオーガ10は、中空の掘削ロッド11
の先端側に、掘削羽根12、攪拌翼13及び共廻り防止
翼14が設けられており、施工に際しては図示の通り掘
削ロッド11内には、先端開口側より芯材としての細径
の鋼管パイプ2が挿入され、掘削ロッド11と鋼管パイ
プ2との間がセメントミルク等の固化材の通路16とな
り、この通路16より注入された固化材は、吐出口15
より吐出される。本例に示す芯材としての鋼管パイプ1
は、図4に示す下端に板状体6が設けられたもので、図
6に示すように掘削ロッド11中に挿入すると板状体6
が掘削ロッド11の先端開口を閉塞し、通路16より注
入される固化材を吐出口15より確実に吐出するように
している。
セメント柱体の造成工程(a)(b)(c)(d)
(e)を示す説明図である。まず、図7(a)に示すよ
うにオーガ10の掘削ロッド11に芯材としての鋼管パ
イプ2を挿入してセットする。このセットされた状態
は、図6に示す通りである。次に、図7(b)に示すよ
うに掘削ロッド11の通路16より固化材(例えばセメ
ントを主体とした固化材をスラリーとしたもの)を注入
し、吐出口15より吐出しつつオーガ10に回転と給進
を与えて掘削する。すると地盤の掘削土と吐出された固
化材とが攪拌翼13及び共廻り防止翼14の働きで混合
・攪拌され、掘削ロッド11の周辺にソイルセメント層
4が形成されつつ掘削され、これを所定深度まで掘削す
る。図7(c)は所定深度まで掘削した状態を示す。
されたならば、図7(d)に示すように芯材としての細
径の鋼管パイプ2を残した状態で、固化材を供給し続け
つつオーガ10を逆回転させて引き上げると、鋼管パイ
プ2の外周側面にセメント分に富む固化層3が形成さ
れ、所望のソイルセメント柱体1が造成されて、オーガ
10は地上に回収される。図7(e)は造成が終了した
状態を示す。芯材としての鋼管パイプ2の中空部に、セ
メント分に富む固化層を充填させる場合には、鋼管パイ
プ2の上端開口より上方から通路16に固化材を注入す
るようにすると、その際に上端開口より中空部に充填さ
れる。この中空部への固化材の充填方法は、この方法に
限定されるわけではない。
削ロッド11の下端部に、外径250mmの掘削羽根1
2、その上方に外径250mmの攪拌翼13及び掘削羽
根12、攪拌翼13より少し大径の共廻り防止翼14を
設けたオーガ10を使用し、この掘削ロッド11内に、
長さ6m、外径48.6mm、肉厚2.4mmの鋼管パ
イプ2を挿入し、前記造成方法によりソイルセメント柱
体1を造成した。この造成されたソイルセメント柱体1
は、芯材としての鋼管パイプ2が、長さ6m、外径4
8.6mm、肉厚2.4mm、その鋼管パイプ2の外周
側面の全長に存在するセメント分に富む固化層3が、外
径127mm、その固化層3の外周側面の全長に存在す
るソイルセメント層4が、外径250mmであった。な
お、鋼管パイプ2の下端には、掘削ロッド11の下端開
口を閉塞する手段が設けられていた。施工後7日後の、
このソイルセメント柱体1の支持力は図8に示すように
110KNであった。なお、この試験を行った地盤自体
の支持力は、図8に比較例1として示すように、20K
Nよりも低かった。
メント層4の長さを4mとした以外は、前記実施例1と
同一条件で施工したソイルセメント柱体1の支持力は、
図8に示すように90KNであった。
みを打ち込んで支持力を測定したが、図8に比較例2と
して示すように比較例1の現地盤の支持力を少し上まわ
る程度の支持力しか発揮できず、また、芯材としての鋼
管パイプを存在させることなく外径250mmのソイル
セメント柱を造成した場合は、図8に比較例3として示
すように50KNの支持力しか発現できなかった。さら
に、図8には示していないが、芯材としての鋼管パイプ
の下部にソイルセメント層が存在するようにした点のみ
前記実施例1と異ならせた比較例の場合の支持力は、せ
いぜい70KN程度であり、充分に支持力を発揮させる
ことができず、芯材としての鋼管パイプの全長にわたっ
てセメント分に富む固化層及びソイルセメント層が存在
する方が、効果の高いことが判明した。
材としての細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント
柱体は、次のような効果を奏する。 (1)軟弱地盤に建築される低層の店舗等の軽量な建築
物の基礎として充分な支持力を発揮できる。 (2)先端が支持層に達していない短いソイルセメント
柱体の場合でも、芯材としての鋼管パイプとセメント分
に富む固化層とソイルセメント層の三者が一体化された
構造になっているので、最外周面での摩擦による支持力
が高くなっており、そのために充分な杭の支持力が得ら
れる。 (3)この発明のソイルセメント柱体を存在させる軟弱
地盤が、途中に腐敗土層が存在している場合でも、その
腐敗土層を貫いてソイルセメント柱体を存在させるよう
にすると、この発明のソイルセメント柱体は、腐敗土層
の上側の地盤層と腐敗土層の下側の地盤層で、前記した
周辺摩擦による支持力を発揮できるので、このような地
盤でもこの発明のソイルセメント柱体を築造しても十分
に効果を発揮する。 (4)この発明のソイルセメント柱体は、芯材として存
在する細径の鋼管パイプが、その表面でセメント分に富
む固化層と一体化されているので、鋼管パイプの表面の
錆を防ぐことができる。 (5)この発明のソイルセメント柱体を、例えば1m間
隔で多数築造し、その上に土間コンクリートを設けた場
合は、不同沈下を防止することも可能である。
ある。
び縦断面図(b)である。
(a)及び縦断面図(b)である。
ある。
ある。
るオーガの正面図である。
(a)(b)(c)(d)(e)を示す説明図である。
に示すグラフ図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 地盤中に、細径の鋼管パイプが芯材とし
て鉛直方向に存在し、その側面周囲の全長にわたってセ
メント分に富む固化層が存在し、該セメント分に富む固
化層の側面外周の全長にわたってソイルセメント層が存
在し、前記セメント分に富む個化層及び前記ソイルセメ
ント層の下端深度と前記鋼管パイプの先端深度がほぼ一
致するように築造されていることを特徴とする芯材とし
て細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱体。 - 【請求項2】 前記芯材としての細径の鋼管パイプは、
外径30〜60mmであり、前記セメント分に富む固化
層は、芯材としての鋼管パイプ外径の0.5〜1倍の厚
さであり、前記ソイルセメント層は、芯材としての鋼管
パイプ外径の1〜2倍の厚さであることを特徴とする請
求項1記載の芯材として細径の鋼管パイプが存在するソ
イルセメント柱体。 - 【請求項3】 前記芯材としての鋼管パイプの中空部に
もセメント分に富む固化材が充填されていることを特徴
とする請求項1または2記載の芯材として細径の鋼管パ
イプが存在するソイルセメント柱体。 - 【請求項4】 前記芯材としての鋼管パイプの先端側
は、有底であることを特徴とする請求項1、2または3
記載の芯材として細径の鋼管パイプが存在するソイルセ
メント柱体。 - 【請求項5】 前記芯材としての鋼管パイプの先端に
は、セメント分に富む固化層の外径と同等以上の大きな
外径の板状体が、鋼管パイプの開口を閉塞して設けられ
ていることを特徴とする請求項1、2または3記載の芯
材として細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント柱
体。 - 【請求項6】 前記芯材として細径の鋼管パイプが存在
するソイルセメント柱体の頭部には、径が最外層のソイ
ルセメント層を覆うことができる大きさの板状体の下面
に、鋼管パイプの上端部に嵌合可能な嵌合部を有するキ
ャップ体が設けられていることを特徴とする請求項1乃
至5のいずれか1項記載の芯材として細径の鋼管パイプ
が存在するソイルセメント柱体。 - 【請求項7】 中空の掘削ロッドと、その外周下端部に
設けられた掘削羽根と、その上部に設けられた攪拌翼
と、掘削羽根を取り付けたロッドの部分に設けたセメン
トミルク吐出口を少なくとも設けた掘削装置を使用し、
更に掘削ロッドの内径より大きくした先端部を下端に設
けた細径鋼管パイプを使用して、前記掘削装置の下端か
ら細径の鋼管パイプを挿入し、掘削ロッドの下端部を閉
塞すると共に掘削ロッドの中心に細径の鋼管パイプを位
置させ、このような状態で軟弱地盤を掘削し、下部から
吐出されるセメントミルクと掘削土を混合・攪拌しなが
ら、ソイルセメントを掘削ロッドの周辺に形成しなが
ら、軟弱地盤を掘削し、このように所定の深さのソイル
セメントが形成されたならば、芯材としての細径鋼管を
残した状態で、セメントミルクを供給し続けた状態で掘
削ロッドを引き上げることを特徴とする請求項1記載の
芯材として細径の鋼管パイプが存在するソイルセメント
柱体の築造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の芯材として細径の鋼管パ
イプが存在するソイルセメント柱体の築造方法におい
て、掘削ロッドが細径の鋼管パイプの上面を過ぎた状態
でも掘削ロッドからセメントミルクを供給することによ
り、細径の鋼管パイプの中空部にもセメント分に富む固
化物としてのセメントミルクを充填させることを特徴と
する請求項3記載の芯材として細径の鋼管パイプが存在
するソイルセメント柱体の築造方法。
Priority Applications (1)
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