JP2013014989A - 補強芯材、および、その補強芯材を利用した地盤改良工法 - Google Patents

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【課題】腐植物を多く含んだ軟弱地盤の改良工事であっても好適に用いることができ、柱状改良体内を突き抜ける事態を発生させず、高い支持力で上方の建造物を支えることが可能な地盤改良工事用の補強芯材を提供する。
【解決手段】補強芯材1は、芯材本体2が長尺な円筒状あるいは角柱状に形成されており、その芯材本体2の先端際の外周に、長尺な鉄棒6,6・・が、芯材本体2の長手方向に沿って固着されている。また、円板状部材3が、芯材本体2の基端に、芯材本体2の長手方向に対して直交するように取り付けられている。かかる補強芯材1を用いて軟弱地盤を強化する場合には、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に補強芯材1を立て込み、しかる後、改良土内に立て込まれた補強芯材1ごと改良土を固化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、柱状改良体を造成することにより軟弱地盤を強い地盤に改良するための地盤改良工法、および、その地盤改良工法に利用する補強芯材に関するものである。
従来の地盤改良工法としては、特許文献1の如く、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、掘削した現状土にセメント系固化材を混合して改良土を生成し、改良土と水またはセメント含有水とを縦穴内でスクリューオーガーにより混練してスラリー状の湿式改良土を生成し、しかる後に、湿式改良土を固化させることによって、地中に柱状改良体を造成する工法が知られている。
特開平11−247175号公報
上記の如き柱状改良体を造成する地盤改良工事においては、改良する地盤に腐植物を多く含んだ部分が存在するような場合には、その部分の改良土が十分に固化しない事態が起こり得る。そのような場合には、柱状改良体の中間(深さ方向の中間)に、著しく強度の低い部分ができてしまい、建造物を載せると荷重に耐えられなくなって柱状改良体が座屈する、という事態が起こり得る。そのような事態を防ぐために、柱状改良体の中心に鋼管を立て込む方法が採用されるが、立て込んだ鋼管と柱状改良体との付着強度が弱いと、改良後の地盤において鋼管の上に建造物を載せた場合に、建造物の荷重によって柱状改良体内を鋼管が突き抜けてしまい、建造物を十分な強度で支えられなくなる、という事態が起こり得る。また、柱状改良体の中間に著しく強度の低い部分が形成されると、柱状改良体の上部(低強度の部分の上方の部分)だけが沈下して、強度の低い部分へ減り込む事態も発生する。
本発明の目的は、上記従来の地盤改良工事用の補強芯材が有する問題点を解消し、腐植土を多く含んだ軟弱地盤の改良工事であっても好適に用いることができ、柱状改良体の中間に固化不良部分が形成されても、建造物の荷重によって柱状改良体内を突き抜ける事態や、柱状改良体の上部が減り込む事態を発生させず、高い支持力で上方の建造物を支えることが可能である上、安価かつ容易に製造することが可能な地盤改良工事用の補強芯材を提供することにある。
また、腐植物を多く含んだ軟弱地盤が中間(深さ方向の中間)に存在する場合でも、柱状改良体内を補強芯材が突き抜けてしまう事態や、柱状改良体の上部が減り込んで補強芯材から抜け落ちてしまう事態を発生させず、非常に効果的に強い地盤に改良することが可能な地盤改良工法を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、地盤を掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土にセメント含有水を加えて固化させることにより柱状改良体を造成する地盤改良工事において、柱状改良体が固化する前に当該柱状改良体の内部に立て込む補強芯材であって、芯材本体が、鋼鉄によって長尺な円筒状あるいは中空な角柱状に形成されており、その芯材本体の先端際の外周に、長尺な鉄棒が芯材本体の長手方向に沿って固着されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記芯材本体の基端に、平板状のベース板が、芯材本体の長手方向に対して直交するように取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、前記ベース板が、下面に係合部材を固着させたものであり、その係合部材を芯材本体の基端に重ね合わせて、その係合部材と芯材本体との重合部分に係止棒状体を貫通させることによって、ベース板が芯材本体に取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に、請求項1〜3のいずれかに記載の補強芯材を立て込んだ後、改良土内に立て込まれた補強芯材ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体を造成することを特徴とする地盤改良工法である。
請求項1に記載の補強芯材は、長尺な円筒状あるいは角柱状に形成された芯材本体の先端際の外周に、長尺な円柱状の鉄棒が芯材本体の長手方向に沿って固着されており、芯材本体の先端際の鉄棒を固着した部分の表面積が大きくなっているため、地盤改良工事(柱状改良体の造成工事)に用いられた場合に、広い面積で柱状改良体と接触して高い摩擦力を発揮するので、柱状改良体に固化不良の部分が形成された場合でも、上方に造成された建造物の荷重によって、柱状改良体内を突き抜けてしまう事態が起こりにくい。したがって、請求項1に記載の補強芯材によれば、腐植物を多く含んだ軟弱地盤が中間(深さ方向の中間)に存在する場合でも、非常に容易に、かつ、効率的に地盤を強化することが可能となる。また、請求項1に記載の補強芯材は、従来の螺旋翼付き鋼管杭のように、製造時に、鋼管の先端の外周に板状体を螺旋状に溶接する必要がないので、安価かつ容易に製造することができる。
請求項2に記載の補強芯材は、芯材本体の基端に、平板状のベース板が、芯材本体の長手方向に対して直交するように取り付けられているため、改良後の地盤において建造物が造成された場合に、芯材本体のみへ荷重が集中することなく、ベース板を介して芯材本体の周囲の柱状改良体の上にも及ぶので、建造物の荷重によって柱状改良体内を補強芯材が突き抜けてしまう事態をより精度良く防止することができる。また、柱状改良体の中間部分(深さ方向の中間部分)の改良土が十分に固化しない場合に、当該中間部分の上側の部分が減り込んでしまう事態を効果的に防止することができる。
請求項3に記載の補強芯材は、ベース板が、下面に係合部材を固着させたものであり、その係合部材を芯材本体の基端に重ね合わせて、それらの係合部材と芯材本体との重合部分に棒状体を貫通させることによって、芯材本体に取り付けられているため、運搬時には、芯材本体とベース板とを分割して、効率良く運搬することができる上、地盤改良工事の現場において、芯材本体とベース板とを容易に組み付けて、地盤改良工事に供することができる。
請求項4に記載の地盤改良工法によれば、腐植物を多く含んだ軟弱地盤が中間(深さ方向の中間)に存在する場合でも、柱状改良体内において改良土と補強芯材の芯材本体先端の鉄棒固着部分とが強固に固着して、柱状改良体内を補強芯材が突き抜ける事態、および、柱状改良体の上部が減り込でしまう事態を防止するので、非常に効果的に強い地盤に改良することができる。
補強芯材の正面図である(aは、全体の正面図であり、bは、鉄棒固着部分(aにおける破線の部分)の拡大図であり、cは、鉄棒の水平断面図である)。 補強芯材の平面図である。 補強芯材の底面図である。 補強芯材の斜視図である。 補強芯材を分解した状態を示す説明図(正面図)である。 円板状部材の底面図である。 補強芯材を分解した状態を示す説明図(斜視図)である。 柱状改良体を造成する様子を示す説明図である。 造成された柱状改良体改良を示す説明図(正面図)である。 造成された柱状改良体を示す説明図(平面図)である。 図8におけるA−A線断面を示す説明図である。
以下、本発明の補強芯材、およびその補強芯材を利用した地盤改良工法について、図面に基づいて詳細に説明する。
<補強芯材の構造>
図1〜図4は、本発明に係る補強芯材を示したものであり、図5〜図7は、補強芯材を分解した様子を示したものである。補強芯材1は、芯材本体2、ベース板である円板状部材3、係止棒状体4によって構成されている。
芯材本体2は、長尺な筒状体5の下端際に、4本の鉄棒6,6・・を固着(溶接)してなるものである。筒状体5は、鋼鉄(厚さ3.2mmの鉄板)によって長さ約4,500mmで中空な四角柱状に形成されており、水平断面の外形が一辺約75mmの正方形状になっている。そして、筒状体5の対向する2面の上端際(上端から約10mm下方の部分)には、それぞれ、円板状部材3を固着させるための直径約10mmの挿通孔7,7が、各面の中心(幅方向の中央)を貫通するように穿設されている(挿通孔7の上端と芯材本体2の上端との間隔が10mmになっている)。
また、各鉄棒6,6・・は、所謂、ねじ節鉄筋であり、鋼鉄によって、直径約13mmの円柱の側面2箇所を互いに平行になるように平面状にカッティングした形状(水平断面形状:略小判状)に形成されており、約500mmの長さを有している(図1(c)参照)。そして、上下幅約5mmのフランジ状の突起体9,9・・が、所定間隔(約5mm間隔)で螺旋状に設けられており、他の部分より、約2mmだけ外側に突出した状態になっている。それらの鉄棒6,6・・は、それぞれ、下端を筒状体5に合致させ、長手方向を筒状体5の長手方向に合致させた状態で、中心が筒状体5の各面の中央(幅方向の中央)に位置するように、筒状体5の各面に溶接されている(図1の溶接部分Y)。
一方、円板状部材(ベース板)3は、鋼鉄によって、厚さ約6mmで直径約350mmの扁平な円柱状に形成されており、中央に、直径約10mmの通気孔8が穿設されている。また、裏側の中央には、筒状体5と係合させるための係合部材13である2つのL字状鋼10,10が固着(溶接)されている。
各L字状鋼10,10は、鋼鉄(厚さ約3mmの鉄板)によって形成されており、幅方向の中心を境に2つの面が互いに直交した状態になっており、片面の基端際に、円板状部材3に溶接させるための直径約10mmの2つの溶接孔11,11が穿設されている。また、各L字状鋼10,10の溶接孔11,11の穿設面と異なる面の中央(幅方向の中央)には、下端から約15mm上方の部分に、円板状部材3を筒状体5に固着させるための直径約10mmのピン挿通孔12が穿設されている(ピン挿通孔12の下端とL字状鋼10の下端との間隔が15mmになっている)。さらに、各L字状鋼10,10の長さは、芯材本体2の筒状体5の一辺の長さより、わずかに短く(約65mm)なっている。かかるL字状鋼10,10は、溶接孔11,11を穿設した面の先端縁および溶接孔11,11の周囲を円板状部材3の裏面に溶接することによって、所定間隔を隔てて平行に向かい合って対称となるように固着(溶接)されている。
また、係止棒状体4は、鋼鉄によって、直径約9mmで長さ約150mmの細長な円柱状に形成されている。
補強芯材1においては、円板状部材3の裏面に固着された各L字状鋼10,10の各ピン挿通孔12,12を芯材本体2の各ピン挿通孔7,7と合致させるように、各L字状鋼10,10を芯材本体2の筒状体5の上端から内部へ挿入して筒状体5と重ね合わせ、その状態で、各L字状鋼10,10の各ピン挿通孔12,12と筒状体5の各ピン挿通孔7,7とを貫通するように、係止棒状体4を挿通させることによって、円板状部材3が芯材本体2の筒状体5に一体的に組み付けられている。
<補強芯材を用いた地盤改良工法>
上記の如く構成された補強芯材1を用いた軟弱地盤の改良工事の一例について、図に基づいて説明する。軟弱地盤の改良工事を行う場合には、掘削機械21およびプラント車(図示せず)を施工現場に搬入し、先端に掘削装置(オーガー)25を装着したロット21を掘削機械24に取り付けて、軟弱地盤の施工位置にセットする。
そして、ロット21に装着された掘削装置25を地盤の表面に突き立てて、プラント車によって供給されるセメントスラリー(たとえば、セメント固化材と水との混合物;セメント固化材の添加量=300kg/m,セメント固化材に対する水の重量比=80%)を、掘削装置25の刃先から噴出させながらロット21を回転させることによって地盤を掘削し、所定の大きさ(たとえば、直径約400mmφ、深さ約5,000mm)の鉛直な縦穴22を形成する(図8参照)。なお、ロット21は、リーダー23に導かれた状態で地盤を掘削するため、正確に鉛直方向を向いた縦穴22が形成される。また、縦穴22の深さは、予め行われた土質調査に基づいて、固い地層(N値5以上)に至るまでの深さに設定される。そのように縦穴22を掘削することによって、縦穴22の内部で、セメントスラリーと土壌とが均一に混合された柱状改良体(固化前)26が形成される。
上記の如く、柱状改良体(固化前)26を形成した後には、その未固化の柱状改良体(固化前)26の略中心に、補強芯材1の先端側を突っ込んで、十分な深さまで補強芯材1を鉛直に押し込む(立て込む)。なお、補強芯材1は、自重によって、大きな力を加えなくても、柱状改良体26の内部へ容易に押し込むことができる。また、補強芯材1は、円板状部材3の中央に通気孔8が穿設されており、押し込む際に、芯材本体2の筒状体5の内部の空気が通気孔8から排出されて抵抗力として作用しないので、未固化の柱状改良体26内にスムーズに押し込むことができる。
図9〜図11は、補強芯材1が柱状改良体26内に立て込まれた状態を示したものであり、補強芯材1は、下端際に鉄棒6,6・・が固着されているとともに、上端に面積の大きい円板状部材3が設けられているため、固化前でも柱状改良体26内に沈み込まず、円板状部材3を柱状改良体26の上端際に位置させた状態で固定される。上記の如く補強芯材1を立て込んだ後には、十分な時間をかけて柱状改良体26を養生して固化させる。かかる一連の作業により、地中に所定の深さを有する固化した柱状改良体(ソイルコラム)26が造成されることによって、周囲の軟弱地盤が強化される。
そして、上記の如く改良された地盤に建造物の基礎を造成する場合には、地盤に立て込まれた補強芯材1,1・・の円板状部材3の上方に位置するように、建造物の基礎(ベタ基礎あるいは布基礎)Bを造成する。そのように補強芯材1,1・・の上方(円板状部材3の上方)に基礎Bが造成された地盤においては、基礎Bに建造物の荷重が加わった場合でも、補強芯材1,1・・と一体となった柱状改良体26,26・・が充分な鉛直支持力を発現するため、基礎Bが沈下したりしない。
<補強芯材の効果>
補強芯材1は、上記の如く、芯材本体2が長尺な円筒状あるいは角柱状に形成されており、その芯材本体2の先端際の外周に、長尺な鉄棒6,6・・が芯材本体2の長手方向に沿って固着されており、芯材本体2の先端の鉄棒6,6・・を固着した部分の表面積が大きくなっているため、地盤改良工事(柱状改良体の造成工事)に用いられた場合に、当該鉄棒6,6・・固着部分が広い面積で柱状改良体26と接触して高い摩擦力を発揮するので、上方に造成された建造物の荷重によって、柱状改良体26内を突き抜けてしまう事態が起こりにくい。したがって、補強芯材1によれば、非常に容易に、かつ、効率的に地盤を強化することが可能となる。また、補強芯材1は、従来の螺旋翼付き鋼管杭のように、製造時に、鋼管の先端の外周に板状体を螺旋状に溶接する必要がないので、安価かつ容易に製造することができる。
また、補強芯材1は、芯材本体2の基端に、ベース板である円板状部材3が、芯材本体2の長手方向に対して直交するように取り付けられているため、改良後の地盤において建造物が造成された場合に、芯材本体2のみへ荷重が集中することなく、円板状部材3を介して芯材本体2の周囲の柱状改良体26の上にも及ぶので、建造物の荷重によって柱状改良体26内を補強芯材1が突き抜けてしまう事態をより精度良く防止することができる。また、柱状改良体26の中間部分(深さ方向の中間部分)の改良土が十分に固化しない場合に、当該中間部分の上側の部分が減り込んでしまう事態を効果的に防止することができる。
さらに、補強芯材1は、ベース板である円板状部材3が、下面に、係合部材13であるL字状鋼10,10を固着させたものであり、それらのL字状鋼10,10を芯材本体2の筒状体5の基端に挿通させて、それらのL字状鋼10,10と筒状体5との重合部分に係止棒状体4を貫通させることによって、円板状部材3が芯材本体2に取り付けられているため、運搬時には、芯材本体2と円板状部材3とを分割して、効率良く運搬することができる上、地盤改良工事の現場において、芯材本体2と円板状部材3とを容易に組み付けて、地盤改良工事に供することができる。
<補強芯材を用いた地盤改良工法の効果>
一方、上記実施形態における地盤改良工法は、地盤を掘削装置25で掘削して縦穴22を形成し、その縦穴22内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に、芯材本体2の外周に鉄棒6,6・・を固着させた補強芯材1を立て込み、しかる後、改良土内に立て込まれた補強芯材1ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体26を造成するものである。それゆえ、かかる地盤改良工法によれば、腐植物を多く含んだ軟弱地盤中間(深さ方向の中間)に存在する場合でも、柱状改良体26内において改良土と補強芯材1の芯材本体2先端の鉄棒6,6・・固着部分とが強固に固着して、柱状改良体26内を補強芯材1が突き抜ける事態、および、柱状改良体26の上部が減り込む事態を防止するので、非常に効果的に強い地盤に改良することができる。
<補強芯材の変更例>
なお、本発明の補強芯材の構成は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、芯材本体、ベース板(円板状部材)の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。また、本発明の地盤改良工法の構成も、上記実施形態の態様に何ら限定されず、掘削する縦穴の直径、深さ、立て込む補強芯材の種類等の構成を、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、補強芯材の芯材本体は、上記実施形態の如く、断面が略正方形の中空な四角柱状のものに限定されず、円筒状のものや、六角柱状のものや八角柱状のもの等に変更することも可能である。なお、上記実施形態の如く、中空な四角柱状の芯材本体を利用した場合には、補強芯材の製造コストがより安価なものとなる、というメリットがある。さらに、芯材本体は、補強芯材の先端に、バイト(掘削刃)を設けたものでも良いし、上記実施形態の如く、先端を完全に開口させたものに限定されず、先端の全部あるいは一部を閉口させたものに変更することも可能である。
また、芯材本体の先端際に固着させる鉄棒は、上記実施形態の如く、細長な円柱状体に螺旋状の突起体を設けたねじ節鉄筋に限定されず、単純な円柱状のものや、フランジ状の突起を所定間隔毎に設けたもの等に変更することも可能である。また、芯材本体の先端際に固着させる鉄棒の数も、上記実施形態の如く、4個に限定されず、六角柱状の芯材本体の場合には6個、八角柱状の芯材本体の場合には8個等、必要に応じて適宜変更することができる。
一方、芯材本体の上端に設けるベース板は、上記実施形態の如く、円板状のものに限定されず、三角形状のもの、矩形のものや、5個以上の辺を有する多角形状のもの等に変更することも可能である。
また、ベース板の裏面に設ける係合部材は、上記実施形態の如く、2つのL字状鋼からなるものに限定されず、芯材本体より一回り小さな外周を有する扁平な筒状体等の別の形状を有するものに変更することも可能である。なお、上記実施形態の如く、係合部材を2つのL字状鋼からなるものとした場合には、製造コストが一段と安価なものとなる、というメリットがある。
加えて、補強芯材は、上記実施形態の如く、芯材本体、円板状部材(ベース板)、および係止棒状体アームのすべてが鋼鉄によって形成されたものに限定されず、円板状部材および/または係止棒状体がステンレス、鋳物や鍛造等の別の素材によって形成されたものに変更することも可能である。加えて、それらの部材の少なくとも一部の表面に、防錆び塗装等の塗装を施すことも可能である。
一方、本発明に係る地盤改良工法は、上記実施形態の如く、補強芯材の先端を固化前の柱状改良体の先端まで至らせないものに限定されず、補強芯材の先端を固化前の柱状改良体(改良土)の先端まで至らせるものとすることも可能である。なお、かかる構成を採用する場合には、地盤を掘削して縦穴を形成する際に、上載荷重を支持可能な固い地層(たとえば、N値が5以上の地層)まで掘削することが必要である。そのように地盤改良工法を変更した場合でも、上記実施形態の工法と同様に、補強芯材が柱状改良体内を突き抜ける事態を防止して、非常に効果的に地盤を強化することが可能となる。
本発明の補強芯材は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、軟弱地盤の改良工事(柱状改良体の造成工事)に好適に用いることができる。また、本発明の地盤改良工法は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、軟弱地盤を安価に効果的に補強する方法として広く用いることができる。
1・・補強芯材
2・・芯材本体
3・・円板状部材(ベース板)
4・・係止棒状体
6・・鉄棒
24・・掘削機械
25・・掘削装置(オーガー)
26・・柱状改良体

Claims (4)

  1. 地盤を掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土にセメント含有水を加えて固化させることにより柱状改良体を造成する地盤改良工事において、柱状改良体が固化する前に当該柱状改良体の内部に立て込む補強芯材であって、
    芯材本体が、鋼鉄によって長尺な円筒状あるいは中空な角柱状に形成されており、その芯材本体の先端際の外周に、長尺な鉄棒が芯材本体の長手方向に沿って固着されていることを特徴とする地盤改良工事用の補強芯材。
  2. 前記芯材本体の基端に、平板状のベース板が、芯材本体の長手方向に対して直交するように取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良工事用の補強芯材。
  3. 前記ベース板が、下面に係合部材を固着させたものであり、その係合部材を芯材本体の基端に重ね合わせて、その係合部材と芯材本体との重合部分に係止棒状体を貫通させることによって、ベース板が芯材本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の地盤改良工事用の補強芯材。
  4. 地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に、請求項1〜3のいずれかに記載の補強芯材を立て込んだ後、改良土内に立て込まれた補強芯材ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体を造成することを特徴とする地盤改良工法。
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