JP2011132670A - 鋼管杭、および、その鋼管杭を利用した地盤改良工法 - Google Patents

鋼管杭、および、その鋼管杭を利用した地盤改良工法 Download PDF

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Abstract

【課題】どのようなタイプの軟弱地盤であっても、柱状改良体内において鋼管杭が沈下してしまう事態を発生させることなく、容易かつ効率的に強い地盤に改良することが可能な地盤改良工法を提供する。
【解決手段】鋼管杭1は、先端を開口した長尺な円筒状に形成された管本体2と、管本体2の先端際に外周を捲回するように設けられた螺旋状の突起体3,3と、管本体2の基端際に水平方向に突出するように設けられた棒状の沈没防止アーム4とを有している。鋼管杭1を用いて軟弱地盤を強化する場合には、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に鋼管杭1を立て込むとともに、地表際において鋼管杭1の沈没防止アーム4の両端縁際の部分を、縦穴の外側に配置させ、しかる後、改良土内に立て込まれた鋼管杭1ごと改良土を固化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟弱地盤を強い地盤に改良するための地盤改良工法、および、その地盤改良工法に利用する鋼管杭に関するものである。
従来の地盤改良工法としては、特許文献1の如く、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、掘削した現状土にセメント系固化材を混合して改良土を生成し、改良土と水またはセメント含有水とを縦穴内でスクリューオーガーにより混練してスラリー状の湿式改良土を生成し、その湿式改良土中に、平板状の螺旋翼を先端に設けた鋼管杭を立て込み(埋め込み)、しかる後に、湿式改良土を固化させることによって、地中に柱状改良体を造成する工法が知られている。かかる地盤改良工法によれば、強度の高い柱状改良体を造成することができ、軟弱地盤を容易に強化することが可能である。
特開2003−3462号公報
しかしながら、上記した特許文献1の地盤改良工法に用いられる鋼管杭は、製造時に、鋼管の先端の外周に略2周に亘って板状体を螺旋状に溶接しなければならないため、多大な手間およびコストを要する、という不具合がある。また、特許文献1の地盤改良工法においては、改良する地盤が腐植土を多く含んでいるような場合には、改良土が十分に固化せず、柱状改良体とその中に立て込んだ鋼管杭とが固着しないこともあり得る。そして、そのように柱状改良体と鋼管杭との固着強度が不十分であると、改良後の地盤において鋼管杭の上に建造物が造成された場合に、当該建造物の重量により柱状改良体内で鋼管杭が沈下してしまい(抜け落ちてしまい)、十分な強度を発現し得ない、という事態が起こり得る。
本発明の目的は、上記従来の地盤改良工法が有する問題点を解消し、どのようなタイプの軟弱地盤であっても、柱状改良体内において鋼管杭が沈下してしまう事態を発生させることなく、容易かつ効率的に強い地盤に改良することが可能な地盤改良工法を提供することにある。また、そのような地盤改良工法に好適に用いることができ、安価かつ容易に製造することが可能な鋼管杭を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、地盤を掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土にセメント含有水を加えて固化させることにより柱状改良体を造成する地盤改良工事において、柱状改良体が固化する前に当該柱状改良体の内部に立て込む鋼管杭であって、管本体が、長尺な円筒状に形成されており、その管本体の先端際に、突起体が外周を捲回するように螺旋状に設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記突起体が、直線状の鋼材を螺旋状に屈曲させたものであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、前記管本体の基端際に、棒状の沈没防止アームが、管本体の直径方向を貫通して水平方向に突出するように設けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、管本体が、突起体を外周に螺旋状に捲回させた扁平な円筒状体の上方に、その円筒状体よりも薄肉な円筒体を接続(溶接、あるいはネジ山、ネジ溝を利用した螺合等)することによって形成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に、請求項1に記載の鋼管杭を立て込んだ後、改良土内に立て込まれた鋼管杭ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体を造成することを特徴とする地盤改良工法である。
請求項6に記載された発明は、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に、請求項2に記載の鋼管杭を立て込むとともに、地表際において鋼管杭の沈没防止アームの両端縁際の部分を、前記縦穴の外側に配置させ、しかる後、改良土内に立て込まれた鋼管杭ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体を造成することを特徴とする地盤改良工法である。
請求項7に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成する際に、上載荷重を支持可能な地層(たとえば、N値が5以上の地層)まで掘削するとともに、前記改良土内に鋼管杭を立て込む際に、鋼管杭の先端を縦穴の先端まで至らせることを特徴とするものである。
請求項1に記載の鋼管杭は、管本体の先端に突起体を螺旋状に設けたものであるため、従来の鋼管杭のように、製造時に、鋼管の先端の外周に板状体を螺旋状に溶接する必要がないので、安価かつ容易に製造することができる。
請求項2に記載の鋼管杭は、突起体が直線状の鋼材を螺旋状に屈曲させたものであるため、非常に安価に、かつ、きわめて容易に製造することができる。
請求項3に記載の鋼管杭は、沈没防止アームが管本体の直径方向を貫通して水平方向に突出するように設けられているため、柱状改良体の固化前において、沈没防止アームを柱状改良体の周囲の地表に架け渡すことによって、柱状改良体内で沈下する事態を防止することができる。したがって、鋼管杭を柱状改良体の中で浮かせた状態で、その柱状改良体を固化させることができる。それゆえ、請求項3に記載の鋼管杭によれば、軟弱地盤を安価にかつ効率的に強化することが可能となる。
請求項4に記載の鋼管杭は、突起体を外周に螺旋状に捲回させた扁平な円筒状体の上方に、その円筒状体よりも薄肉な円筒体を接続することによって形成されているため、管本体全体を一定厚みとする場合に比べて安価に構築することができる。また、全体の重量を低く抑えることが可能であるので、地盤改良工事の際の運搬作業を容易なものとすることができる。
請求項5に記載の地盤改良工法によれば、柱状改良体内において改良土と鋼管杭の管本体および突起体とが強固に固着するため、効果的に地盤を強化することが可能となる。また、大径の鋼管杭を使用しなくても、効果的に地盤を強化することができるので、従来の地盤改良工法に比べて安価に地盤を強化することができる。
請求項6に記載の地盤改良工法によれば、鋼管杭の沈没防止アームが未固化の柱状改良体の周囲の地表に架け渡されるため、未固化の柱状改良体内で鋼管杭が沈下する、という事態が生じない。したがって、請求項6に記載の地盤改良工法によれば、柱状改良体の造成長と同じあるいは当該造成長以下の長さの鋼管杭を用いれば良いので、非常に効果的にかつ安価に地盤を強化することが可能となる。
請求項7に記載の地盤改良工法によれば、柱状改良体の先端が上載荷重を支持可能な地盤まで至っているため、立て込まれた鋼管杭の先端が、柱状改良体の十分に固化した部分まで達していれば、鋼管杭の上に建造物の基礎が造成された場合でも、鋼管杭が柱状改良体内で沈下する(抜け落ちてしまう)、という事態が生じない。したがって、請求項7に記載の地盤改良工法によれば、非常に効果的に地盤を強化することができる。
鋼管杭の正面図である。 鋼管杭の底面図である。 鋼管杭を一部透視して示す説明図(正面図)である(aは、鋼管杭全体を示したものであり、bは、aの一部(円筒状体と円筒体との接合部分)を拡大して示したものである)。 地盤改良工事の様子(柱状改良の様子)を示す説明図である。 鋼管杭が改良体内に立て込まれた様子を示す説明図である。 強化された地盤において建造物の基礎を造成した様子を示す説明図である。 鋼管杭の変更例を示す説明図である。 鋼管杭の変更例を示す説明図である。 地盤改良工法の変更例を示す説明図である。
以下、本発明の鋼管杭、およびその鋼管杭を利用した地盤改良工法について、図面に基づいて詳細に説明する。
<鋼管杭の構造>
図1、図2は、それぞれ、本発明に係る鋼管杭の正面、底面を示したものであり、図3は、鋼管杭の一部を透視した状態を示したものである。鋼管杭1は、管本体2、突起体3、沈没防止アーム4によって構成されている。
管本体2は、扁平な円筒状体5の上方に、その円筒状体5よりも薄肉な円筒体6を溶接することによって形成されている。円筒状体5は、鋼鉄によって形成されており、下側に位置した外径60.5mmで長さ(高さ)70.0mmのベース部分7の上部に、円筒体6に嵌入させるための薄肉部分8が設けられている。なお、溶接前の薄肉部分8の基端には、テーパ部(開先加工部)9が形成されている。また、ベース部分7の厚みは、6.0mmになっており、薄肉部分8の厚みは、3.0mmになっている。
そして、ベース部分7の外周には、一定幅の突起体3,3が、ベース部分7の外周を一周に亘って捲回するように螺旋状(上から見た場合に上端から下端にかけて右方向に回転する向きの螺旋状)に設けられている。各突起体3,3は、所定の長さを有する鉄製で外径9.0mmの円柱状の棒(所謂、丸棒)を、プレスすることによって、ベース部分7の外周を約半周に亘って捲回可能な螺旋状(半円弧状に近い形状)に形成されている。そして、それぞれ、ベース部分7の外周に捲き付けられて、片側の切断面同士を当接させ、かつ、他方の端部を、それぞれ、上下に互い違いに配置させた状態で、ベース部分7の外周に溶接されている(ベース部分7の外周に沿って周状に溶接されている)。なお、各突起体3,3の離れた端縁同士の間隔は、約50mmになっている。
一方、円筒体6も、鋼鉄によって形成されており、外径60.5mmで長さ(高さ)6.0mの大きさを有しており、厚みが、3.0mmになっている。また、円筒体6の上端から50mm下方の位置には、円筒体6の直径方向を貫くように、一対の円形の貫通孔10,10が穿設されている。
管本体2は、円筒体6の先端(下端)に、円筒状体5の薄肉部分8を挿入し、薄肉部分8の基端のテーパ部9を利用して、両者を溶接し(図3(b)の溶接部Y)、円筒体6の上端際の一対の貫通孔10,10に、直径9.0mmの直線状で鉄製の丸棒からなる沈没防止アーム4を貫通させることによって形成されている。
<鋼管杭を用いた地盤改良工法>
上記の如く構成された鋼管杭1を用いた軟弱地盤の改良工事の一例について、図4に基づいて説明する。軟弱地盤の改良工事を行う場合には、掘削機械14およびプラント車(図示せず)を施工現場に搬入し、先端に掘削装置(オーガー)15を装着したロット11を掘削機械14に取り付けて、軟弱地盤の施工位置にセットする。
そして、ロット11に装着された掘削装置15を地盤の表面に突き立てて、プラント車によって供給されるセメントスラリー(セメントと水との混合物;セメント固化材の添加量=150kg/m,セメントに対する水の重量比=100%)を、掘削装置15の刃先から噴出させながらロット11を回転させることによって地盤を掘削し、所定の大きさ(たとえば、直径約300mmφ、深さ約3,500mm)の鉛直な縦穴12を形成する(図4(a)参照)。なお、ロット11は、リーダー13に導かれた状態で地盤を掘削するため、正確に鉛直方向を向いた縦穴12が形成される。また、縦穴12の深さは、予め行われた土質調査に基づいて、固い地層に至るまでの深さに設定される。そのように縦穴12を掘削することによって、縦穴12の内部で、セメントスラリーと土壌とが均一に混合された柱状改良体(固化前)16が形成される。
上記の如く、柱状改良体(固化前)16を形成した後には、その未固化の柱状改良体(固化前)16の略中心に、鋼管杭1の先端側を突っ込んで、十分な深さまで鋼管杭1を鉛直に押し込む(立て込む)。図5は、鋼管杭1が柱状改良体16内に立て込まれた状態を示したものである。鋼管杭1を立て込んだ後には、十分な時間をかけて柱状改良体16を養生して固化させる。かかる一連の作業により、地中に所定の深さを有する固化した柱状改良体(ソイルコラム)16が造成されることによって、周囲の軟弱地盤が強化される。
図6は、上記の如く改良された地盤を利用して、建造物の基礎を造成した一例を示したものであり、改良後の地盤に建造物の基礎を造成する場合には、地盤に立て込まれた複数の鋼管杭1,1・・の基端の周囲に砂利を敷き詰めて、鋼管杭1,1・・の鉛直上方に位置するように、建造物の基礎(ベタ基礎あるいは布基礎)Bを造成する。しかる後に、造成された基礎Bの周囲を現状土で埋め直す。
上記の如く鋼管杭1,1・・の上に基礎Bが造成された地盤においては、基礎Bに建造物の荷重が加わった場合でも、鋼管杭1,1・・と一体となった柱状改良体16,16・・が摩擦力、鉛直支持力を発現するため、基礎Bが沈下したりしない。また、柱状改良体16の固化前においては、沈没防止アーム4が柱状改良体16の周囲の地表に架け渡されるので、鋼管杭1が柱未固化の状改良体16内に沈没せず、所定の高さに保持される。
<鋼管杭の効果>
鋼管杭1は、上記の如く、先端を開口した長尺な円筒状に形成された管本体2の先端際に、外周を捲回するように突起体3,3を螺旋状に設けたものであるため、従来の鋼管杭のように、製造時に、鋼管の先端の外周に板状体を螺旋状に溶接する必要がないので、安価かつ容易に製造することができる。
また、鋼管杭1は、突起体3,3が直線状の丸棒を螺旋状に屈曲させたものであるため、非常に安価に、かつ、きわめて容易に製造することができる。
さらに、鋼管杭1は、管本体2の基端際に、棒状の沈没防止アーム4を、管本体2の直径方向を貫通して水平方向に突出するように設けたものであるため、柱状改良体16の固化前において、沈没防止アーム4を柱状改良体16の周囲の地表に架け渡すことによって、柱状改良体16内で沈下する事態を防止することができる。したがって、鋼管杭1によれば、軟弱地盤を効率的に強化することができる。
加えて、鋼管杭1は、突起体3,3を外周に螺旋状に捲回させた扁平な円筒状体5の上方に、その円筒状体5よりも薄肉な円筒体6を溶接することによって形成されているため、管本体2全体を一定厚みとする場合に比べて安価に構築することができる。また、全体の重量を低く抑えることが可能であるので、地盤改良工事の際の運搬作業を容易なものとすることができる。
<鋼管杭を用いた地盤改良工法の効果>
一方、上記実施形態における地盤改良工法は、地盤をオーガー15で掘削して縦穴12を形成し、その縦穴12内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に鋼管杭1を立て込むとともに、地表際において鋼管杭1の沈没防止アーム4の両端縁際の部分を、縦穴12の外側に配置させ、しかる後、改良土内に立て込まれた鋼管杭1ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体16を造成するものである。それゆえ、かかる地盤改良工法によれば、柱状改良体16内において改良土と鋼管杭1の管本体2および突起体3,3とが強固に固着するとともに、鋼管杭1の沈没防止アーム4が未固化の柱状改良体16の周囲の地表に架け渡されるため、未固化の柱状改良体16内で鋼管杭1が沈下する、という事態が生じず、非常に効果的に地盤を強化することが可能となる。また、大径の鋼管杭1を使用しなくても、効果的に地盤を強化することができるので、従来の地盤改良工法に比べて安価に地盤を強化することができる。
なお、本発明の鋼管杭の構成は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、管本体、突起体、沈没防止アーム等の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。また、本発明の地盤改良工法の構成も、上記実施形態の態様に何ら限定されず、押込部材の形状等の構成を、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、鋼管杭は、上記実施形態の如く、突起体を螺旋状に捲回させた扁平な円筒状体の上方に当該円筒状体よりも薄肉な円筒体を溶接したものに限定されず、単純な均一厚みの円筒体の先端際に突起体を螺旋状に捲回させたもの等でも良い。なお、鋼管杭を、上記実施形態の如く、突起体を螺旋状に捲回させた扁平で肉厚な円筒状体の上方に薄肉な円筒体を溶接したものとする場合には、突起体の溶接時に歪まないように円筒状体の厚みを決める必要がある。
また、鋼管杭は、上記実施形態の如く、突起体が連続した螺旋状に設けられたもの(すなわち、片方の突起体の上端の位置と他方の突起体の下端の位置とを合致させたもの)に限定されず、突起体が非連続の螺旋状に設けられたもの(すなわち、片方の突起体の上端の位置と他方の突起体の下端の位置とを異ならせたもの)に変更することも可能である。図7は、かかる構成を採用した一例を示したものであるが、このように片方の突起体の上端の位置より他方の突起体の下端の位置を低くした場合には、肉厚な円筒状体の長さを短くすることが可能となるので、鋼管杭をより安価に構築することが可能となる。
さらに、鋼管杭は、上記実施形態の如く、単純な円筒状の管本体の先端に螺旋状に屈曲させた丸棒を溶接したものに限定されず、図8の如く、所定幅の扁平なドーナッツ状の板材(平鋼等)21を螺旋状に捲回させたものや、円筒状の管本体の先端に螺旋状に屈曲させた角鋼を溶接したものでも良いし、鋼管杭の先端に、バイト22,22を設けたものでも良い。なお、上記実施形態の如く、突起体を螺旋状に屈曲させた丸棒とする場合には、製造する際に管本体と丸棒との接点(螺旋状の接点)の上下に形成される開先形状を利用することにより容易に丸棒を管本体に溶接することができる、というメリットがある。加えて、鋼管杭の管本体は、上記実施形態の如く、先端を完全に開口させたものに限定されず、先端の全部あるいは一部を閉口させたものに変更することも可能である。
また、鋼管杭は、上記実施形態の如く、沈没防止アームが管本体の直径方向を貫通するように設けられた丸棒であるものに限定されず、沈没防止アームが管本体の周囲から放射状に突出するように溶接されているものや、沈没防止アームが角棒、H鋼、I鋼であるもの等に変更することも可能である。加えて、鋼管杭は、上記実施形態の如く、沈没防止アームを設けたものに限定されず、円筒状の管本体の先端に突起体を螺旋状に設けただけのものでも良い。
加えて、鋼管杭は、上記実施形態の如く、管本体、螺旋状の突起体および支持アームが、すべて鉄によって形成されたものに限定されず、螺旋状の突起体および/または支持アームがステンレス、鋳物や鍛造等の別の素材によって形成されたものに変更することも可能である。加えて、少なくとも一部の表面に、防錆び塗装等の塗装を施すことも可能である。
一方、本発明に係る地盤改良工法は、上記実施形態の如く、沈没防止アームを設けた鋼管杭を用い、縦穴を掘削した後に、地表際において鋼管杭の沈没防止アームの両端縁際の部分を未固化の柱状改良体の外側に配置させるものに限定されず、図9の如く、管本体の先端に突起体を螺旋状に設けたのみで沈没防止アームを有さない鋼管杭を用い、未固化の柱状改良体(改良土)内に鋼管杭を立て込む際に、鋼管杭の先端を縦穴の先端まで至らせるものとすることも可能である。なお、かかる構成を採用する場合には、地盤を掘削して縦穴を形成する際に、上載荷重を支持可能な固い地層(たとえば、N値が5以上の地層、図9におけるH)まで掘削することが必要である。そのように地盤改良工法を変更した場合でも、上記実施形態の工法と同様に、鋼管杭が柱状改良体内で沈下する(抜け落ちてしまう)という事態の発生を防止して、非常に効果的に地盤を強化することが可能となる。
本発明の鋼管杭は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、軟弱地盤の改良工事に好適に用いることができる。また、本発明の地盤改良工法は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、軟弱地盤を安価に効果的に補強する方法として広く用いることができる。
1・・鋼管杭
2・・管本体
3・・突起体
4・・沈没防止アーム
5・・円筒状体
6・・円筒体
15・・オーガー
14・・掘削機械
16・・柱状改良体

Claims (7)

  1. 地盤を掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土にセメント含有水を加えて固化させることにより柱状改良体を造成する地盤改良工事において、柱状改良体が固化する前に当該柱状改良体の内部に立て込む鋼管杭であって、
    管本体が、長尺な円筒状に形成されており、その管本体の先端際に、突起体が外周を捲回するように螺旋状に設けられていることを特徴とする鋼管杭。
  2. 前記突起体が、直線状の鋼材を螺旋状に屈曲させたものであることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭。
  3. 前記管本体の基端際に、棒状の沈没防止アームが、管本体の直径方向を貫通して水平方向に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の鋼管杭。
  4. 前記突起体を外周に螺旋状に捲回させた扁平な円筒状体の上方に、その円筒状体よりも薄肉な円筒体を接続することによって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋼管杭。
  5. 地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に、請求項1に記載の鋼管杭を立て込んだ後、改良土内に立て込まれた鋼管杭ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体を造成することを特徴とする地盤改良工法。
  6. 地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成し、その縦穴内で、掘削した現状土とセメント含有水とを混練して改良土を生成し、その改良土内に、請求項2に記載の鋼管杭を立て込むとともに、地表際において鋼管杭の沈没防止アームの両端縁際の部分を、前記縦穴の外側に配置させ、しかる後、改良土内に立て込まれた鋼管杭ごと改良土を固化させることによって地中に柱状改良体を造成することを特徴とする地盤改良工法。
  7. 地盤をオーガーで掘削して縦穴を形成する際に、上載荷重を支持可能な地層まで掘削するとともに、前記改良土内に鋼管杭を立て込む際に、鋼管杭の先端を縦穴の先端まで至らせることを特徴とする請求項5に記載の地盤改良工法。
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