JP2003055664A - 液晶ゲル、光学異方体、及び液晶又は光学素子 - Google Patents

液晶ゲル、光学異方体、及び液晶又は光学素子

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JP2003055664A JP2001245677A JP2001245677A JP2003055664A JP 2003055664 A JP2003055664 A JP 2003055664A JP 2001245677 A JP2001245677 A JP 2001245677A JP 2001245677 A JP2001245677 A JP 2001245677A JP 2003055664 A JP2003055664 A JP 2003055664A
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Koichi Fujisawa
幸一 藤沢
Takashi Kato
隆史 加藤
Kenji Hanabusa
謙二 英
Michihiro Mizoshita
倫大 溝下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】屈折率異方性が高い等の様々な光学機能を発現
する液晶ゲル、光学異方体及び液晶又は光学素子を提供
すること。 【解決手段】式(1)〜(4)で表される液晶性化合物の少
なくとも1種と、ゲル化剤とを含むゲル用材料をゲル化
して得た液晶ゲル、これを備えた光学異方体及び液晶又
は光学素子。 【化1】 (A01〜A12、R11、R12、A13〜A24、A25〜A28
31、R32、A39〜A46、R41、R42:H、F等、
21:H等、R22:F、−SF5等、m、q:0又は
1、P31、P32:式(3a)等(A29〜A34:H、F等)、
34、R44:C1〜12のアルキル基等、Z41:−C≡
C−等) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶素子、光学素
子又は光学異方体等に利用可能な液晶ゲル、該ゲルを用
いた光学異方体及び液晶又は光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子の高性能化は、情報
化社会の進展に伴い不可欠となっている。また、液晶デ
ィスプレイは、その用途範囲が広いため、様々なニーズ
に対応させて、液晶素子のスイッチングモードや駆動方
式などデバイス面から、液晶材料そのものや液晶表示素
子を構成する部材などの材料面まで膨大な研究開発、改
良がなされてきている。例えば、表示材料においては、
よりすぐれた表示材料とするため、液晶性化合物と他の
物質とを組合わせた様々な複合体が提案、開発されてい
る。反射型LCDの表示モードの1つである散乱タイプの
ポリマー分散型液晶素子に使われる、ポリマー分散液晶
(PDLC)は、液晶材料とポリマーとの複合体である。PDLC
は、液晶材料と重合性基を有するモノマーとを混合した
のち、モノマーを重合させ、液晶材料とポリマーとの相
分離を利用して作製する。この際、ポリマーと液晶材料
との屈折率差による散乱を利用し十分な散乱強度を得る
ために、液晶材料とポリマーとの屈折率差はある程度以
上大きくする必要があり、そのためポリマーの含有量を
数十%以上にして作製されている。また、低分子液晶性
化合物と非晶質を形成する低分子化合物との液晶組成物
に関して、非晶質を形成する低分子化合物が水素結合に
よりネットワークを形成し、そのドメイン中に低分子液
晶性化合物を分散させる例(特開平8−254688号
公報)、水素結合により形成される側鎖型液晶性高分子
と低分子液晶性化合物等とからなる液晶組成物が、配向
膜のない自己支持性に優れた液晶素子になる例(特開平
6−43440号公報)が提案されている。液晶ゲルと
いう概念も1990年代始めから報告されている(例え
ばLiq.Cryst.,10,5,733(1991))。これらによると液晶中
にポリマーが分散し、このポリマーに液晶分子が取りこ
まれることにより材料全体として流動性を失ったゲルと
なることが報告されている。このような液晶ゲル中のポ
リマーはランダムにネットワークを形成している。さら
に、実用的な液晶スイッチング素子に応用したときに、
応答性に優れた特性を示す、ポリマーではなく、低分子
のゲル化剤を用いた液晶ゲル(特開平11−52341
号公報、特開2000−239663号公報)が提案さ
れている。このような液晶ゲルは、ゲル化剤の添加量が
1〜3質量%程度と、ポリマー分散型液晶のポリマー含
有量(30〜50質量%)と比べると極めて少ないため、
微細なサイズの繊維会合体が形成できることや、少量で
液晶性化合物の流動性を消失させることができるのが特
徴である。このような特徴を生かして、液晶ゲルをスイ
ッチング素子に利用し、応答速度などのスイッチング特
性を制御、改良する技術が報告されている。このスイッ
チング素子の表示モードは、TNタイプを採用するた
め、用いる液晶ゲル自体は、光散乱等が抑制されるよう
なものが望まれる。また、ゲル繊維が配向している液晶
ゲルを用いた液晶スイッチング素子も報告されているが
(特開2000−305087号公報)、利用している特
徴は、上記特開平11−52341号公報)等に記載さ
れた液晶ゲルと全く同じである。さらに、自己保持性の
あるスイッチング素子として、高分子液晶材料が提案さ
れている。この高分子液晶材料は、ポリマー鎖にメソー
ゲン部位がペンダント状に結合した側鎖型高分子液晶材
料が一般的であるが、応答性を改善するために、水素結
合を利用してメソーゲンをポリマー鎖に結合させた材
料、すなわち、低分子化合物とポリマーとの一種の複合
体も報告されている(特開平6−43440号公報)。し
かし、上記複合体は、様々な課題を有している。例え
ば、PDLCは十分な散乱強度を得るために多量のポリマー
を含有させる必要がある。このため、例えば、駆動電圧
の上昇が生じるなどの欠点がある。また、PDLCの作製に
おいては、液晶材料とモノマーとを混合させたのち、適
度な温度で熱重合又は光重合を行うプロセスが必要であ
る。またPDLC中のポリマーのネットワーク構造は、用い
る液晶材料とモノマーとの組合わせに大きく依存するの
で、用いる材料により、得られるネットワーク構造はか
なり限定される。さらに、PDLC中ではネットワーク構造
を形成するポリマーは通常ランダムに成長するため、一
方向に良好に配向するようなネットワーク構造を得るこ
とが困難である。配向自己保持性をもたせるために液晶
を高分子化したものは、PDLCの場合同様に重合プロセス
が必要であり、またスイッチング素子に用いる場合はポ
リマー鎖にひきずられて液晶の自由度が小さくなり、応
答性の低下が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、屈折
率異方性が高い等の様々な光学機能を発現する液晶ゲ
ル、これを備えた光学異方体及び液晶又は光学素子を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、フェニルアセチ
レン骨格を有する特定の液晶性化合物とゲル化剤とを含
むゲル用材料をゲル化して得た液晶ゲルが、様々な光学
特性を発現し、また組成や組み合わせを適宜選択するこ
とにより、必要に応じた形状保持性や光学異方性、大き
な光散乱を発現できることを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち本発明によれば、式(1)〜(4)で表され
る液晶性化合物の少なくとも1種と、ゲル化剤とを含む
ゲル用材料をゲル化して得たことを特徴とする液晶ゲル
が提供される。
【0005】
【化7】 (式(1)中、A01〜A12はそれぞれ独立に、水素原子、
フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭
素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコキシ基を示
す。R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素
原子、シアノ基、−SF5、−NCS、4−R13−(シク
ロアルキル)基、4−R13−(シクロアルケニル)基又は
14−(O)q基を示す(但し、R13は水素原子、又はフ
ッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12の直鎖
若しくは分枝のアルキル基を示し、R 14はフッ素原子で
置換されていても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分
枝のアルキル基を示す。qは0又は1を示す。))
【0006】
【化8】 (式(2)中、A13〜A24はそれぞれ独立に、水素原子、
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。R
21は水素原子、若しくはフッ素原子で置換されていても
良い炭素数1〜12の直鎖又は分枝のアルキル基を示
す。R22は、R21、フッ素原子、シアノ基、−SF5
−NCS、4−R23−(シクロアルキル)基、4−R23
(シクロアルケニル)基又はR24−(O)q基を示す(但
し、R23は水素原子、又はフッ素原子で置換されていて
も良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル基
を示す。R24はフッ素原子で置換されていても良い炭素
数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル基を示す。q
は0又は1を示す)。mは0又は1を示す。)
【0007】
【化9】 (式(3)中、A25〜A28はそれぞれ独立に、水素原子、
フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭
素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコキシ基を示
す。P31及びP32はそれぞれ独立に、式(3a)又は式
(3b)で示される構造を示し、少なくとも一方は式(3
a)で示される構造である。
【化10】 (ここで、式(3a)及び式(3b)において、A29〜A38
はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素
原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の、アルキ
ル基若しくはアルコキシ基を表す)。R31及びR32は、
それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、−
SF5、−NCS、4−R33−(シクロアルキル)基、4
−R33−(シクロアルケニル)基又はR34−(O)q基を示
す(但し、R 33は水素原子、又はフッ素原子で置換され
ていても良い炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝のアル
キル基を示す。R34はフッ素原子で置換されていても良
い、炭素数1〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、若し
くは炭素数3〜12の直鎖又は分枝の、アルケニル基又
はアルキニル基を示す。qは0又は1を示す。))
【0008】
【化11】 (式(4)中、A39〜A46はそれぞれ独立に、水素原子、
フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭
素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコキシ基を示
す。R41及びR42は、水素原子、フッ素原子、シアノ
基、−SF5、−NCS、4−R43−(シクロアルキル)
基、4−R43−(シクロアルケニル)基又はR 44−(O)q
基を示す(但し、R43は水素原子、又はフッ素原子で置
換されていても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝
のアルキル基を示し、R44はフッ素原子で置換されてい
ても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル
基を示す。qは0又は1を示す)。Z41は、単結合、−
CH=CH−(トランス体)又−C≡C−を示す。)
【0009】また本発明によれば、上記液晶ゲルを含む
光学異方体が提供される。更に本発明によれば、上記液
晶ゲルを備えた液晶又は光学素子が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の液晶ゲルは、上記式(1)〜(4)で表される
液晶性化合物の少なくとも1種と、ゲル化剤とを含むゲ
ル用材料をゲル化して得たものである。このような特定
の液晶性化合物を含むゲル用材料をゲル化した本発明の
液晶ゲルは、用いるゲル化剤の配合割合が微量であり、
ゲルを形成する会合体繊維のサイズが微細であるので、
大きな光散乱が得られる。本発明の液晶ゲルが、このよ
うな優れた光散乱性を示すのは、光散乱に、ゲル繊維と
液晶性化合物との屈折率差だけではなく、ゲル化剤によ
る繊維形成による配向変化も利用されているためと推測
される。従って、本発明の液晶ゲルは、従来のポリマー
分散型液晶や、TNタイプ等のスイッチング素子として
機能させるため、光散乱による著しいコントラスト低下
が生じないような、ゲル化剤を添加する前の液晶性化合
物の配向性を維持する材料構成となっている液晶ゲルと
は本質的に異なる。
【0011】前記ゲル用材料に用いられる式(1)で示さ
れる液晶性化合物において、A01〜A12はそれぞれ独立
に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換され
ていてもよい炭素数1〜10の、アルキル基若しくはア
ルコキシ基を示す。R11及びR12はそれぞれ独立に、水
素原子、フッ素原子、シアノ基、−SF5、−NCS、
4−R13−(シクロアルキル)基、4−R13−(シクロア
ルケニル)基又はR14−(O)q基を示す。但し、R13
水素原子、又はフッ素原子で置換されていても良い炭素
数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル基を示し、R
14はフッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12
の直鎖若しくは分枝のアルキル基を示す。qは0又は1
を示す。
【0012】式(1)においてR11及びR12としては、例
えば、水素原子;フッ素原子;メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基等のアルキル基及びこれらがフッ素原子
で置換されたフルオロアルキル基(例えばトリフルオロ
メチル基);メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オ
クチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウ
ンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアルコキシ基
及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロアルコキ
シ基(例えば1〜3個のフッ素原子で置換されたメトキ
シ基、1〜5個のフッ素原子で置換されたエトキシ
基);メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキ
シメチル基、ブトキシメチル基、ペンチルオキシメチル
基、ヘキシルオキシメチル基、ヘプチルオキシメチル
基、オクチルオキシメチル基、ノニルオキシメチル基、
デシルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエ
チル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペン
チルオキシエチル基、ヘキシルオキシエチル基、ヘプチ
ルオキシエチル基、オクチルオキシエチル基、ノニルオ
キシエチル基、デシルオキシエチル基、メトキシプロピ
ル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブ
トキシプロピル基、ペンチルオキシプロピル基、ヘキシ
ルオキシプロピル基、ヘプチルオキシプロピル基、オク
チルオキシプロピル基、ノニルオキシプロピル基、メト
キシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル
基、ブトキシブチル基、ペンチルオキシブチル基、ヘキ
シルオキシブチル基、ヘプチルオキシブチル基、オクチ
ルオキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペン
チル基、プロポキシペンチル基、ブトキシペンチル基、
ペンチルオキシペンチル基、ヘキシルオキシペンチル
基、ヘプチルオキシペンチル基等のアルコキシアルキル
基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロアルコ
キシアルキル基;2−メチルプロピル基、2−メチルブ
チル基、3−メチルブチル基、3−メチルペンチル基等
の分枝アルキル基及びこれらがフッ素原子で置換された
フルオロ分枝アルキル基;2−メチルプロピルオキシ
基、2−メチルブチルオキシ基、3−メチルブチルオキ
シ基、3−メチルペンチルオキシ基等の分枝アルキルオ
キシ基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロ分
枝アルキルオキシ基;4−メチルシクロヘキシル基、4
−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシ
ル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシク
ロヘキシル基、4−ヘキシルシクロヘキシル基、4−ヘ
プチルシクロヘキシル基、4−オクチルシクロヘキシル
基、4−ノニルシクロヘキシル基、4−デシルシクロヘ
キシル基等の4−アルキルシクロアルキル基およびこれ
らがフッ素原子で置換された4−フルオロアルキルシク
ロアルキル基;4−プロピルシクロヘキセニル基、4−
ペンチルシクロヘキセニル基等の4−アルキルシクロア
ルケニル基及びこれらがフッ素原子で置換された4−フ
ルオロアルキルシクロアルケニル基;シアノ基;−SF
5;−NCS等が挙げられる。
【0013】式(1)で表される液晶性化合物の具体例と
しては、以下の構造式で示される化合物等が挙げられ
る。構造式中のR11及びR12は、上記R11及びR12に対
応する具体例等から適宜選択することができる。
【化12】
【0014】
【化13】
【0015】
【化14】
【0016】
【化15】
【0017】
【化16】
【0018】
【化17】
【0019】
【化18】
【0020】
【化19】
【0021】前記ゲル用材料に用いられる式(2)で示さ
れる液晶性化合物において、A13〜A24は、それぞれ独
立に水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜10のアルキ
ル基を示す。R21は水素原子、フッ素原子で置換されて
いても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキ
ル基を示す。R22は、R21、フッ素原子、シアノ基、−
SF5、−NCS、4−R13−(シクロアルキル)基、4
−R13−(シクロアルケニル)基又はR14−(O)q基を示
す。但し、R13は水素原子、又はフッ素原子で置換され
ていても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝のアル
キル基を示す。R14はフッ素原子で置換されていても良
い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル基を示
す。qは0又は1を示す。またmは0又は1である。
【0022】式(2)中のR21及びR22の具体例として
は、上記式(1)のR11及びR12の具体例として列挙した
ものから相当する例を適宜選択して挙げることができ
る。
【0023】式(2)で表される液晶性物質の具体例とし
ては、以下の構造式で示される化合物等が挙げられる。
構造式中のR21及びR22は、上記R21及びR22として適
宜選択した具体例等に対応する具体例から適宜選択する
ことができる。
【化20】
【0024】
【化21】
【0025】
【化22】
【0026】
【化23】
【0027】
【化24】
【0028】
【化25】
【0029】
【化26】
【0030】
【化27】
【0031】
【化28】
【0032】
【化29】
【0033】
【化30】
【0034】
【化31】
【0035】
【化32】
【0036】
【化33】
【0037】
【化34】
【0038】
【化35】
【0039】前記式(1)及び式(2)で示される液晶性化
合物は、公知の有機合成方法を駆使して得ることがで
き、例えば、特開平2000−198755号公報、特
開平2000−281603号公報等に記載の方法で合
成することができる。
【0040】前記ゲル用材料に用いられる式(3)で示さ
れる液晶性化合物において、A25〜A28は、それぞれ独
立に水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換され
ていてもよい炭素数1〜10の、アルキル基若しくはア
ルコキシ基を示す。P31及びP32はそれぞれ独立に、式
(3a)又は式(3b)で示される構造を示し、少なくとも
一方は式(3a)で示される構造である。式(3a)及び式
(3b)において、A29〜A38はそれぞれ独立に、水素原
子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコキシ基
を表す。R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、フ
ッ素原子、シアノ基、−SF5、−NCS、4−R33
(シクロアルキル)基、4−R33−(シクロアルケニル)基
又はR34−(O)q基を示す。但し、R33は水素原子、又
はフッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12の
直鎖若しくは分枝のアルキル基を示す。R34はフッ素原
子で置換されていても良い、炭素数1〜12の直鎖又は
分枝のアルキル基、若しくは炭素数3〜12の直鎖又は
分枝の、アルケニル基又はアルキニル基を示す。qは0
又は1を示す。
【0041】式(3)中のR31及びR32の具体例として
は、例えば、水素原子;フッ素原子;メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデ
シル基、ドデシル基等のアルキル基及びこれらがフッ素
原子で置換されたフルオロアルキル基(例えばトリフル
オロメチル基);エテニル基、プロペニル基、ブテニル
基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オク
テニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、
ドデセニル基等のアルケニル基及びこれらがフッ素原子
で置換されたフルオロアルケニル基;プロピニル基、ブ
チニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル
基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニ
ル基等のアルキニル基及びこれらがフッ素原子で置換さ
れたフルオロアルキニル基;メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシ
ルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等
のアルコキシ基及びこれらがフッ素原子で置換されたフ
ルオロアルコキシ基(例えば1〜3個のフッ素原子で置
換されたメトキシ基、1〜5個のフッ素原子で置換され
たエトキシ基);ビニルオキシ基、プロペニルオキシ
基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基、ヘキセニ
ルオキシ基、ヘプテニルオキシ基、オクテニルオキシ
基、ノネニルオキシ基、デセニルオキシ基等のアルケニ
ルオキシ基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオ
ロアルケニルオキシ基;プロピオニルオキシ基、ブチニ
ルオキシ基、ペンチニルオキシ基、ヘキシニルオキシ
基、ヘプチニルオキシ基、オクチニルオキシ基、ノニニ
ルオキシ基、デシニルオキシ基、ウンデシニルオキシ
基、ドデシニルオキシ基等のアルキニルオキシ基及びこ
れらがフッ素置換されたフルオロアルキニルオキシ基;
メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチ
ル基、ブトキシメチル基、ペンチルオキシメチル基、ヘ
キシルオキシメチル基、ヘプチルオキシメチル基、オク
チルオキシメチル基、ノニルオキシメチル基、デシルオ
キシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、
プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチルオキ
シエチル基、ヘキシルオキシエチル基、ヘプチルオキシ
エチル基、オクチルオキシエチル基、ノニルオキシエチ
ル基、デシルオキシエチル基、メトキシプロピル基、エ
トキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプ
ロピル基、ペンチルオキシプロピル基、ヘキシルオキシ
プロピル基、ヘプチルオキシプロピル基、オクチルオキ
シプロピル基、ノニルオキシプロピル基、メトキシブチ
ル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、ブトキ
シブチル基、ペンチルオキシブチル基、ヘキシルオキシ
ブチル基、ヘプチルオキシブチル基、オクチルオキシブ
チル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、プ
ロポキシペンチル基、ブトキシペンチル基、ペンチルオ
キシペンチル基、ヘキシルオキシペンチル基、ヘプチル
オキシペンチル基等のアルコキシアルキル基及びこれら
がフッ素原子で置換されたフルオロアルコキシアルキル
基;2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−
メチルブチル基、3−メチルペンチル基等の分枝アルキ
ル基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロ分枝
アルキル基;2−メチルプロピルオキシ基、2−メチル
ブチルオキシ基、3−メチルブチルオキシ基、3−メチ
ルペンチルオキシ基等の分枝アルキルオキシ基及びこれ
らがフッ素原子で置換されたフルオロ分枝アルキルオキ
シ基;4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロ
ヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチ
ルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、
4−ヘキシルシクロヘキシル基、4−ヘプチルシクロヘ
キシル基、4−オクチルシクロヘキシル基、4−ノニル
シクロヘキシル基、4−デシルシクロヘキシル基等の4
−アルキル−シクロアルキル基およびこれらがフッ素原
子で置換された4−フルオロアルキル−シクロアルキル
基;4−プロピルシクロヘキセニル基、4−ペンチルシ
クロヘキセニル基等の4−アルキルシクロアルケニル基
及びこれらがフッ素原子で置換された4−フルオロアル
キルシクロアルケニル基;シアノ基;SF5;NCS等
が挙げられる。
【0042】式(3)で表される液晶性物質の具体例とし
ては、以下の構造式で示される化合物等が挙げられる。
構造式中のR31及びR32は、上記R31及びR32の具体例
から適宜選択することができる。
【化36】
【0043】
【化37】
【0044】
【化38】
【0045】
【化39】
【0046】前記ゲル用材料に用いる式(4)で示される
液晶性化合物において、A39〜A46はそれぞれ独立に、
水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されてい
てもよい炭素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコ
キシ基を示す。R41及びR42は、水素原子、フッ素原
子、シアノ基、−SF5、−NCS、4−R43−(シクロ
アルキル)基、4−R43−(シクロアルケニル)基又はR
44−(O)q基を示す。但し、R43は水素原子、又はフッ
素原子で置換されていても良い炭素数1〜12の直鎖若
しくは分枝のアルキル基を示し、R44はフッ素原子で置
換されていても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝
のアルキル基を示す。qは0又は1を示す。Z41は、単
結合、−CH=CH−(トランス体)又−C≡C−を示
す。式(4)中のR41及びR42の具体例としては、上記式
(1)のR11及びR12の具体例として列挙したものから相
当する例を適宜選択して挙げることができる。
【0047】式(4)で表される液晶性物質の具体例とし
ては、以下の構造式で示される化合物等が挙げられる。
構造式中のR41及びR42は、上記R41及びR42の適宜選
択した具体例等に対応する具体例から適宜選択すること
ができる。
【化40】
【0048】
【化41】
【0049】
【化42】
【0050】
【化43】
【0051】
【化44】
【0052】前記式(3)及び式(4)で示される液晶性化
合物は、公知の有機合成方法を駆使して得ることができ
る。
【0053】前記ゲル用材料に用いる液晶性化合物は、
屈折率異方性が大きいもの、例えば0.3以上の屈折率
異方性を有する液晶性材料が好ましい。ただし、液晶ゲ
ルという複合体として発現する光学機能を利用するの
で、ゲル化剤や形成する繊維サイズ等によって、液晶性
材料の屈折率異方性が0.3未満でも所望の特性を示す
材料を得ることは可能であり、総合的な性質を鑑みて、
屈折率異方性が大きい方が優れているとは限らない。
【0054】前記ゲル用材料には、式(1)〜(4)で表さ
れる液晶性化合物の少なくとも1種の他にも、例えば、
以下に示す液晶性化合物等を用いることができる。
【化45】
【0055】
【化46】
【0056】
【化47】
【0057】
【化48】
【0058】
【化49】
【0059】
【化50】
【0060】
【化51】
【0061】
【化52】
【0062】
【化53】
【0063】
【化54】
【0064】
【化55】
【0065】
【化56】
【0066】
【化57】
【0067】
【化58】
【0068】
【化59】
【0069】
【化60】
【0070】
【化61】
【0071】
【化62】
【0072】
【化63】
【0073】
【化64】
【0074】
【化65】
【0075】
【化66】
【0076】
【化67】
【0077】
【化68】
【0078】上記構造式において、R5及びR6は、例え
ば、水素原子;フッ素原子;メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基等のアルキル基及びこれらがフッ素原子で置
換されたフルオロアルキル基(例えばトリフルオロメチ
ル基);エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペン
テニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル
基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセ
ニル基等のアルケニル基及びこれらがフッ素原子で置換
されたフルオロアルケニル基;プロピニル基、ブチニル
基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オク
チニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基等の
アルキニル基及びこれらがフッ素原子で置換されたフル
オロアルキニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ
基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアルコ
キシ基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロア
ルコキシ基(例えば1〜3個のフッ素原子で置換された
メトキシ基、1〜5個のフッ素原子で置換されたエトキ
シ基);ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニ
ルオキシ基、ペンテニルオキシ基、ヘキセニルオキシ
基、ヘプテニルオキシ基、オクテニルオキシ基、ノネニ
ルオキシ基、デセニルオキシ基等のアルケニルオキシ基
及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロアルケニ
ルオキシ基;プロピオニルオキシ基、ブチニルオキシ
基、ペンチニルオキシ基、ヘキシニルオキシ基、ヘプチ
ニルオキシ基、オクチニルオキシ基、ノニニルオキシ
基、デシニルオキシ基、ウンデシニルオキシ基、ドデシ
ニルオキシ基等のアルキニルオキシ基及びこれらがフッ
素原子で置換されたフルオロアルキニルオキシ基;メト
キシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル
基、ブトキシメチル基、ペンチルオキシメチル基、ヘキ
シルオキシメチル基、ヘプチルオキシメチル基、オクチ
ルオキシメチル基、ノニルオキシメチル基、デシルオキ
シメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プ
ロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチルオキシ
エチル基、ヘキシルオキシエチル基、ヘプチルオキシエ
チル基、オクチルオキシエチル基、ノニルオキシエチル
基、デシルオキシエチル基、メトキシプロピル基、エト
キシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロ
ピル基、ペンチルオキシプロピル基、ヘキシルオキシプ
ロピル基、ヘプチルオキシプロピル基、オクチルオキシ
プロピル基、ノニルオキシプロピル基、メトキシブチル
基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、ブトキシ
ブチル基、ペンチルオキシブチル基、ヘキシルオキシブ
チル基、ヘプチルオキシブチル基、オクチルオキシブチ
ル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、プロ
ポキシペンチル基、ブトキシペンチル基、ペンチルオキ
シペンチル基、ヘキシルオキシペンチル基、ヘプチルオ
キシペンチル基等のアルコキシアルキル基及びこれらが
フッ素原子で置換されたフルオロアルコキシアルキル
基;2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−
メチルブチル基、3−メチルペンチル基等の分枝アルキ
ル基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロ分枝
アルキル基;2−メチルプロピルオキシ基、2−メチル
ブチルオキシ基、3−メチルブチルオキシ基、3−メチ
ルペンチルオキシ基等の分枝アルキルオキシ基及びこれ
らがフッ素原子で置換されたフルオロ分枝アルキルオキ
シ基;4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロ
ヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチ
ルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、
4−ヘキシルシクロヘキシル基、4−ヘプチルシクロヘ
キシル基、4−オクチルシクロヘキシル基、4−ノニル
シクロヘキシル基、4−デシルシクロヘキシル基等の4
−アルキル−シクロアルキル基およびこれらがフッ素原
子で置換された4−フルオロアルキル−シクロアルキル
基;4−プロピルシクロヘキセニル基、4−ペンチルシ
クロヘキセニル基等の4−アルキル−シクロアルケニル
基及びこれらがフッ素原子で置換された4−フルオロア
ルキル−シクロアルケニル基;シアノ基;SF5;NC
S等が挙げられる。
【0079】また、前記構造式において、Wは水素原子
又はフッ素原子を示し、Xは0〜3の整数を示す。環H
は、1,4−シクロヘキシレンを表し、環Gは、フッ素
置換されていてもよい、1,4−フェニレン、1,4−
シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、4,
1−シクロヘキセニレン、2,5−シクロヘキセニレ
ン、5,2−シクロヘキセニレン、3,6−シクロヘキ
セニレン、6,3−シクロヘキセニレン、2,5−ピリ
ミジンジイル、5,2−ピリミジンジイル、2,5−ピ
リジンジイル、5,2−ピリジンジイル、2,5−ジオ
キサンジイル又は5,2−ジオキサンジイルを示す。上
記環Gは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロ
ヘキセニレン、4,1−シクロヘキセニレン、2,5−
シクロヘキセニレン、5,2−シクロヘキセニレン、
3,6−シクロヘキセニレン又は6,3−シクロヘキセ
ニレンが更に好ましい。
【0080】本発明に用いるゲル化剤は、本来流動性の
液晶性化合物の流動性を消失させうるものであれば良
い。例えば、水素結合等の分子間相互作用により巨大繊
維状会合体を形成し、この巨大繊維状会合体がファンデ
ルワールス力等によって相互に結合して三次元化してネ
ットワーク構造を形成し、該ネットワーク構造中に上記
液晶性化合物の分子を取り込んでゲル化させうる化合物
等が挙げられる。前記ゲル化剤としては、式(G)で示さ
れる構成単位及び/又はアミド基を有するゲル化剤、更
に、炭素数6以上、好ましくは炭素数10〜20の直鎖
アルキル基を含むゲル化剤等が挙げられる。これら式
(G)で示される構成単位及び/又はアミド基は、ゲル化
剤の分子中に複数含まれていても良い。ゲル化剤の分子
量は特に限定されないが2000以下が好ましい。
【0081】
【化69】 式(G)中、RG1は分岐したアルキル基、好ましくは炭素
数3〜10の分岐したアルキル基を示す。
【0082】前記ゲル化剤は、上記液晶性化合物に合わ
せて適宜決定することができるが、例えば、以下に示す
構造の化合物等が挙げられる。なお、式中、RG2、RG3
は各々炭素数3〜20の直鎖又は分岐したアルキル基を
示し、nG、mGは各々3〜20の整数を示す。
【化70】
【0083】本発明の液晶ゲルにおいて、ゲル用材料中
のゲル化剤の配合割合は、通常0.01〜30質量%、
好ましくは0.1〜30質量%の範囲が好ましい。一
方、液晶性化合物の配合割合は、例えば、上記式(1)、
式(2)及び式(4)で示される液晶性化合物の場合、各々
0〜99.99質量%、特に、10〜90質量%が好ま
しいく、式(3)で示される液晶性化合物の場合は0〜5
0質量%、特に、0〜30質量%が好ましい。また、他
の例示した液晶性化合物の配合割合は、各々10〜9
9.99質量%が好ましく、更に好ましくは30〜9
9.99質量%である。
【0084】ゲル用材料には、更に、捩れ剤として、カ
イラル化合物を一種若しくは複数種含有させることがで
きる。カイラル化合物の配合割合は、配合組成等におい
て適宜選択することができ特に限定されない。カイラル
化合物としては、特に限定されないが、好ましくは以下
に示す化合物を例示できる。但し、例示中の*は不斉炭
素を表す。
【0085】
【化71】
【0086】本発明の液晶ゲルを調製するには、上記液
晶性化合物及びゲル化剤を含むゲル用材料を所望条件で
混合することにより得ることができ、ゲルが形成されれ
ば、その条件等は特に限定されない。
【0087】本発明の光学異方体は、上記液晶ゲルを含
み、該液晶ゲルが光学異方性を示すものであれば良く、
ゲル化剤及び液晶性化合物の組成を適宜選択することに
より得ることができる。このような光学異方体は、公知
の液晶表示素子やLCD用光学部材等に使用することが
できる。本発明の液晶又は光学素子は、上記液晶ゲルを
一対の電極基板に挟持した素子であれば、特に限定され
ず、公知の液晶表示素子と同様な構成のものが挙げられ
る。電極の種類及び形態も特に限定されず、公知の電極
等が使用できる。また、素子の目的に合わせてガラス基
板やフィルム上に上記液晶ゲルを形成したものを組み込
んで、表示素子を製造することもできる。本発明の液晶
又は光学素子は、通常の液晶表示素子等の作製方法に従
って作成でき、他の要素を適宜付加させることも可能で
ある。
【0088】
【実施例】以下実施例により、本発明に関してより詳細
に述べるが、本発明はこれらに限定されない。実施例1 式(1)で示される液晶性化合物として、式(1−1)で表
される液晶性化合物を用い、式(G―1)で表されるゲル
化剤を1質量%添加、混合し、液晶が等方相になる温度
まで昇温した。その後、得られた混合物を徐冷したとこ
ろ、87℃で等方相からネマティック相に転移し、更に
徐冷したところ60℃付近でゲル化が生じ、流動性を失
った液晶ゲルが得られた。次に、上記で調製した混合物
を、一方向にラビング処理したポリイミド配向膜を備え
るガラス製基板を貼り合わせて作製したセルに、上記で
調製した流動性を示す混合物を注入した。セルを偏光顕
微鏡で観察しながら等方相より徐冷したところ、60℃
付近でゲル化が始まり、ゲル化剤繊維がセルのラビング
方向とほぼ平行に成長するのが観察された。またゲル化
剤繊維の形成及び液晶の大きなΔnに由来する著しい光
散乱が観察された。なお式(1−1)の液晶性化合物のΔ
nは0.346(20℃、589nm、20℃での外挿
値)で、34〜85℃の範囲でネマティック相を示す。
【0089】
【化72】
【0090】実施例2 実施例1で用いた式(1−1)の液晶性化合物に、式(G
−1)のゲル化剤3質量%を添加、混合し、液晶が等方
相になる温度まで昇温した。その後、この混合物を徐冷
したところ、87℃で等方相からネマティック相に転移
し、更に徐冷したところ64℃付近でゲル化が生じ、ゲ
ル化剤の繊維が形成された。そして、ゲル化剤の繊維形
成及び液晶の大きなΔnに由来する著しい光散乱が観察
された。
【0091】
【発明の効果】本発明の液晶ゲルは、液晶の流動性や易
配向性を利用して、所望の形状や厚み、面積に加工する
ことが可能であり、またゲル化により、重合プロセスを
経ずに形状、配向性の固定が可能である。更に、反射、
透過、散乱等の光との相互作用が大きく、例えば、TN
(ねじれネマティック)型液晶素子やPDLC(ポリマー
分散型液晶)型液晶素子に代表される液晶素子、輝度向
上フィルムや偏光分離素子等に代表されるLCD用光学
部材等の構成材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 加藤 隆史 神奈川県川崎市宮前区土橋1−7−1− 502 (72)発明者 英 謙二 長野県上田市古里1918−16 (72)発明者 溝下 倫大 東京都北区堀船1−10−12−202 Fターム(参考) 2H049 BA05 BA42 BC04 BC05 BC09 4H027 BB03 BB11 BD07 BD12 BD24 CE03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)〜(4)で表される液晶性化合物の
    少なくとも1種と、ゲル化剤とを含むゲル用材料をゲル
    化して得たことを特徴とする液晶ゲル。 【化1】 (式(1)中、A01〜A12はそれぞれ独立に、水素原子、
    フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭
    素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコキシ基を示
    す。R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素
    原子、シアノ基、−SF5、−NCS、4−R13−(シク
    ロアルキル)基、4−R13−(シクロアルケニル)基又は
    14−(O)q基を示す(但し、R13は水素原子、又はフ
    ッ素原子で置換されていても良い炭素数1〜12の直鎖
    若しくは分枝のアルキル基を示し、R 14はフッ素原子で
    置換されていても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分
    枝のアルキル基を示す。qは0又は1を示す。)) 【化2】 (式(2)中、A13〜A24はそれぞれ独立に、水素原子、
    フッ素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。R
    21は水素原子、若しくはフッ素原子で置換されていても
    良い炭素数1〜12の直鎖又は分枝のアルキル基を示
    す。R22は、R21、フッ素原子、シアノ基、−SF5
    −NCS、4−R23−(シクロアルキル)基、4−R23
    (シクロアルケニル)基又はR24−(O)q基を示す(但
    し、R23は水素原子、又はフッ素原子で置換されていて
    も良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル基
    を示す。R24はフッ素原子で置換されていても良い炭素
    数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル基を示す。q
    は0又は1を示す)。mは0又は1を示す。) 【化3】 (式(3)中、A25〜A28はそれぞれ独立に、水素原子、
    フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭
    素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコキシ基を示
    す。P31及びP32はそれぞれ独立に、式(3a)又は式
    (3b)で示される構造を示し、少なくとも一方は式(3
    a)で示される構造である。 【化4】 (ここで、式(3a)及び式(3b)において、A29〜A38
    はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素
    原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の、アルキ
    ル基若しくはアルコキシ基を表す)。R31及びR32は、
    それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、−
    SF5、−NCS、4−R33−(シクロアルキル)基、4
    −R33−(シクロアルケニル)基又はR34−(O)q基を示
    す(但し、R 33は水素原子、又はフッ素原子で置換され
    ていても良い炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝のアル
    キル基を示す。R34はフッ素原子で置換されていても良
    い、炭素数1〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、若し
    くは炭素数3〜12の直鎖又は分枝の、アルケニル基又
    はアルキニル基を示す。qは0又は1を示す。)) 【化5】 (式(4)中、A39〜A46はそれぞれ独立に、水素原子、
    フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭
    素数1〜10の、アルキル基若しくはアルコキシ基を示
    す。R41及びR42は、水素原子、フッ素原子、シアノ
    基、−SF5、−NCS、4−R43−(シクロアルキル)
    基、4−R43−(シクロアルケニル)基又はR 44−(O)q
    基を示す(但し、R43は水素原子、又はフッ素原子で置
    換されていても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝
    のアルキル基を示し、R44はフッ素原子で置換されてい
    ても良い炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝のアルキル
    基を示す。qは0又は1を示す)。Z41は、単結合、−
    CH=CH−(トランス体)又−C≡C−を示す。)
  2. 【請求項2】 ゲル化剤が、式(G)で示される構造単位
    又はアミド基を有することを特徴とする請求項1に記載
    の液晶ゲル。 【化6】 (式(G)中、RG1は分岐したアルキル基を示す。)
  3. 【請求項3】 ゲル化剤が、炭素数10以上のアルキル
    基を有することを特徴とする請求項2に記載の液晶ゲ
    ル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液
    晶ゲルを含む光学異方体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液
    晶ゲルを備えた液晶又は光学素子。
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