JP2002012870A - フェニルアセチレン重合物、光学異方体及び光学又は液晶用素子 - Google Patents

フェニルアセチレン重合物、光学異方体及び光学又は液晶用素子

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JP2002012870A
JP2002012870A JP2001028796A JP2001028796A JP2002012870A JP 2002012870 A JP2002012870 A JP 2002012870A JP 2001028796 A JP2001028796 A JP 2001028796A JP 2001028796 A JP2001028796 A JP 2001028796A JP 2002012870 A JP2002012870 A JP 2002012870A
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幸一 藤沢
Masayoshi Minamii
正好 南井
Kazunori Iwakura
和憲 岩倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学補償板、偏光素子、反射板、散乱板、カラ
ー化機能を有するフィルム、輝度向上フィルム等の材料
に有用なフェニルアセチレン重合物と、大きい屈折率異
方性を有し、光に対する安定性が有利である光学異方体
及びこれを用いた液晶又は光学用素子を提供すること。 【解決手段】式(1)の化合物の1種又は2種以上を重合
してなるフェニルアセチレン重合物、光学異方体及びこ
れを用いた液晶又は光学用素子。 【化1】 (A1〜A12:H、F等、B1、B2:H等、p、q、r、
s、t:0又は1。但し、q=0の場合、A2、A4〜A
10の1つはFで置換されていてもよいC1〜10のアル
キル基、アルコキシ基。m、n:0〜14の整数である
が、sが1のときnは0でなく、tが1のときmが0で
ない。W:−CH2CH2−等を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料、表示材
料、記録材料に有用であり、また液晶デバイスに使用す
る、光学補償板、偏光素子、反射板、散乱板、カラー化
機能を有するフィルム、輝度向上フィルムに有用であ
り、あるいは液晶表示素子に使用する液晶材料の配合成
分として有用である、フェニルアセチレン重合物、光学
異方体及びこれを備えた液晶又は光学用素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶性物質はTNモード、STN
モード等のディスプレイのスイッチング素子部分だけで
なく、配向性及び屈折率等の光学的異方性を利用した位
相差板、偏光板、偏光プリズム、ビームスプリッター、
反射板、ホログラフィック素子、カラーセパレーター、
各種光学フィルター等への応用が検討されている。表示
素子の高性能化は、情報化社会の進展に伴い不可欠とな
っている。このような液晶材料から成る光学異方体の作
製を可能にする技術として、例えば、重合性官能基を有
する液晶性化合物又はそのような化合物を含む重合性液
晶組成物を、液晶状態で紫外光又は可視光を照射して光
重合させる方法が知られている。即ち、安定した光学機
能を得るために、液晶状態における液晶分子の配向状態
を半永久的に固定化した重合物とする方法である。重合
性官能基を有する液晶性化合物としては、例えば、特開
平11−6534号公報、特開平11−80090号公
報等において、主にフェニルベンゾエート骨格を有する
化合物や、フェニルベンゾエート、シクロヘキシルフェ
ニル、トラン骨格を有する化合物が提案されている。し
かし、これらは特にΔnが高い骨格構造を有していな
い。一方、屈折率異方性が比較的大きい液晶としては、
例えば、特開平2−83340号公報、特開平9−21
6841号公報等において、共役系化合物が提案されて
いる。しかしこの共役系化合物は、屈折率異方性が十分
大きくなく、他液晶への溶解性が低い等の課題があり、
また光重合性を有していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
補償板、偏光素子、反射板、散乱板、カラー化機能を有
するフィルム、輝度向上フィルム等の材料に有用なフェ
ニルアセチレン重合物を提供することにある。本発明の
別の目的は、大きい屈折率異方性を有し、かつ光に対す
る安定性がより有利である、光学異方体及びこれを、例
えば、光学補償板、偏光素子、反射板、散乱板、カラー
化機能を有するフィルム、輝度向上フィルム等に用いて
具備する液晶又は光学用素子を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を加えた結果、ある種のフェニ
ルアセチレン骨格を有する、2官能重合性化合物の重合
物の有用性を見出し本発明を完成するに至った。即ち、
本発明によれば、一般式(1)で示される化合物の1種又
は2種以上を重合してなるフェニルアセチレン重合物が
提供される。
【0005】
【化6】 (式中、A1〜A12はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原
子又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜1
0の、アルキル基もしくはアルコキシ基を示す。B1
びB2は各々水素原子又はメチル基を表す。p、q、
r、s及びtは各々0又は1である。但し、q=0の場
合、A2、A4〜A10の少なくとも1つはフッ素原子で置
換されていてもよい炭素数1〜10の、アルキル基又は
アルコキシ基を示す。また、m及びnはそれぞれ0〜1
4の整数であるが、sが1のときnは0でなく、tが1
のときmが0でない。Wは単結合、−CH2CH2−又は−C
≡C−を表す)
【0006】また本発明によれば、上記一般式(1)で示
されるフェニルアセチレン化合物の1種又は2種以上
と、液晶性化合物や、メタアクリレートエステル、アク
リレートエステル、エポキシ及びビニルエーテルからな
る群より選択される1種又は2種以上の重合性官能基を
有するモノマー(A)等の他の重合性モノマーとを重合さ
せてなるフェニルアセチレン重合物が提供される。更に
本発明によれば、上記フェニルアセチレン重合物を含む
光学異方体が提供される。更にまた本発明によれば、上
記光学異方体を備えることを特徴とする液晶又は光学用
素子が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明のフェニルアセチレン重合物は、上記一般式
(1)で表される化合物の1種又は2種以上を重合してな
る重合物である。一般式(1)において、A1〜A12はそ
れぞれ独立に水素原子、フッ素原子又はフッ素原子で置
換されていてもよい炭素数1〜10の、アルキル基もし
くはアルコキシ基を示す。また、A4、A5、A9及びA
10からなる群より選択される少なくとも1つが、フッ素
原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の、アルキ
ル基又はアルコキシ基であることが好ましい。B1及び
2は各々水素原子又はメチル基を表す。p、q、r、
s及びtは各々0又は1である。但し、q=0の場合、
2、A4〜A10の少なくとも1つはフッ素原子で置換さ
れていてもよい炭素数1〜10の、アルキル基又はアル
コキシ基を示す。またs及びtは1であることが好まし
い。m及びnはそれぞれ0〜14の整数であるが、sが
1のときnは0でなく、tが1のときmが0でない。W
は単結合、−CH2CH2−又は−C≡C−を表す。
【0008】一般式(1)で示されるフェニルアセチレン
化合物としては、例えば、下記構造式で示される化合物
等が挙げられる。ここで、m及びnは、それぞれ1〜1
4の整数を表す。
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】
【化13】
【0016】一般式(1)で示される化合物は、通常の有
機合成的手段を駆使して合成することができる。例え
ば、公知の単位反応を組合せ、以下に記載する合成法に
従って製造することができる。式(1)において、(p,
q,r,s,t)=(0,0,0,0,0)である場合の
化合物(以下、(1aa)という)の製造例は、以下に示す合
成法等により得ることができる。
【0017】
【化14】
【0018】(式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及
びnは一般式(1)中のものと同じ意味を表す。X1、X2
及びX6〜X8は、それぞれ独立にハロゲン原子を示し、
3〜X5は、それぞれ独立にハロゲン原子、−OSO2
CF3又は−OSO249を示す。Y1は−CF3又は−
49を示し、P1〜P3は、それぞれ独立して水酸基の
保護基を示す。) 上記合成例中の式(6)で表される化合物から式(7)で表
される化合物を得る反応は、例えば、以下に記述するMe
thod A1及びB1のいずれかの方法により実施でき
る。 Method A1:式(6)で表される化合物に対して、ヨウ
化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の
存在下、1,1−ジメチル−2−プロピノールを作用さ
せた後、水酸化アルカリ等の塩基を作用させる方法。 Method B1:式(6)で表される化合物に対して、ヨウ
化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の
存在下、トリメチルシリルアセチレンを作用させた後、
炭酸アルカリ等の塩基を作用させる方法。 上記合成例中の式(7)で表される化合物と式(8)で表さ
れる化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パラジ
ウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で反応
させることにより実施できる。
【0019】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,0,1,0,0)である場合の化合物(以下、(1ab)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0020】
【化15】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7及びX8は、それぞ
れ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲン原
子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。P2
びP3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示す。) 上記合成例中の式(9)で表される化合物と式(15)で表
される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パラ
ジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で反
応させることにより実施できる。
【0021】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,1,0,0,0)である場合の化合物(以下、(1ac)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0022】
【化16】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7〜X10は、それぞ
れ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲン原
子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。P2
びP3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示し、Q
はB(OZ1)2又はSnZ2 3を示す。Qにおいて、Z1
水素原子又はアルキル基を示し、2つのZ1が結合して
環を形成していてもよい。Z2はアルキル基又はハロゲ
ン原子を示す。) 上記合成例中の式(9)で表される化合物と式(19)で表
される化合物とのカップリング反応は、パラジウム触媒
及び炭酸ナトリウム等の塩基の存在下で反応させること
により実施できる。
【0023】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,1,1,0,0)である場合の化合物(以下、(1ad)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0024】
【化17】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7、X8、X10及びX
11は、それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X 3及び
4は、それぞれ独立してハロゲン原子、−OSO2CF
3又は−OSO249を示す。Y1は−CF3又は−C4
9を示し、P2〜P4は、それぞれ独立して水酸基の保
護基を示す。) 上記合成例中の式(23)で表される化合物から式(24)
で表される化合物を得る反応は、例えば、以下に記述す
るMethod A2及びB2のいずれかの方法により実施で
きる。 Method A2:式(23)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、1,1−ジメチル−2−プロピノールを作用
させた後、水酸化アルカリ等の塩基を作用させる方法。 Method B2:式(23)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、トリメチルシリルアセチレンを作用させた
後、炭酸アルカリ等の塩基を作用させる方法。 上記合成例中の式(9)で表される化合物と式(24)で表
される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パラ
ジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で反
応させることにより実施できる。
【0025】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,0,0,0,0)である場合の化合物(以下、(1ae)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0026】
【化18】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7、X8及びX12は、
それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲ
ン原子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。
2及びP3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示
す。)
【0027】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,0,1,0,0)である場合の化合物(以下、(1af)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0028】
【化19】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7及びX8は、それぞ
れ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲン原
子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。P2
びP3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示す。) 上記合成例中の式(9)で表される化合物と式(28)で表
される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パラ
ジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で反
応させることにより実施できる。
【0029】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,1,0,0,0)である場合の化合物(以下、(1ag)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0030】
【化20】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7〜X9及びX13は、
それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲ
ン原子、−OSO2CF3又はOSO249を示す。P2
及びP3は、それぞれ独立に水酸基の保護基を示す。Q
はB(OZ1)2又はSnZ2 3を示す。Qにおいて、Z1
水素原子又はアルキル基を示し、2つのZ1が結合して
環を形成していてもよい。Z2はアルキル基又はハロゲ
ン原子を示す。) 上記合成例中の式(9)で表される化合物と式(31)で表
される化合物とのカップリング反応は、パラジウム触媒
及び炭酸ナトリウム等の塩基の存在下で反応させること
により実施できる。
【0031】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,1,1,0,0)である場合の化合物(以下、(1ah)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0032】
【化21】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7、X8、X11及びX
13は、それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X 3及び
4は、それぞれ独立してハロゲン原子、−OSO2CF
3又は−OSO249を示す。Y1は−CF3又は−C4
9を示し、P2〜P4は、それぞれ独立して水酸基の保
護基を示す。) 上記合成例中の式(35)で表される化合物から式(36)
で表される化合物を得る反応は、例えば、以下に記述す
るMethod A3及びB3のいずれかの方法により実施で
きる。 Method A3:式(35)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、1,1−ジメチル−2−プロピノールを作用
させた後、水酸化アルカリ等の塩基を作用させる方法。 Method B3:式(35)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、トリメチルシリルアセチレンを作用させた
後、炭酸アルカリ等の塩基を作用させる方法。 上記合成例中の式(9)で表される化合物と式(36)で表
される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パラ
ジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で反
応させることにより実施できる。
【0033】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,0,0,1,1)である場合の化合物(以下、(1ba)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0034】
【化22】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X2、X6〜X8は、そ
れぞれ独立してハロゲン原子を示し、X12は、ハロゲン
原子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。P2
〜P4は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示す。) 上記合成例中の式(39)で表される化合物と式(40)で
表される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パ
ラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で
反応させることにより実施できる。
【0035】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,0,1,1,1)である場合の化合物(以下、(1bb)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0036】
【化23】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X5、X7及びX8は、
それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X4及びX
12は、それぞれ独立してハロゲン原子、−OSO2CF3
又は−OSO249を示す。R1は炭素数1〜4のアル
キル基又はフェニル基を示し、P2及びP3は、それぞれ
独立して水酸基の保護基を示す。) 上記合成例中の式(39)で表される化合物から式(43)
で表される化合物を得る反応は、例えば、以下に記述す
るMethod A4及びB4のいずれかの方法により実施で
きる。 Method A4:式(39)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、1,1−ジメチル−2−プロピノールを作用
させた後、水酸化アルカリ等の塩基を作用させる方法。 Method B4:式(39)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、トリメチルシリルアセチレンを作用させた
後、炭酸アルカリ等の塩基を作用させる方法。 上記合成例中の式(8)で表される化合物と式(43)で表
される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パラ
ジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で反
応させることにより実施できる。上記合成例中の式(4
4)で表される化合物と式(45)で表される化合物との
カップリング反応は、パラジウム触媒の存在下で反応さ
せることにより実施できる。
【0037】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,1,0,1,1)である場合の化合物(以下、(1bc)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0038】
【化24】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7〜X9及びX14は、
それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲ
ン原子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。
2及びP3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示
す。QはB(OZ1)2又はSnZ2 3を示す。Qにおいて、
1は水素原子又はアルキル基を示し、2つのZ1が結合
して環を形成していてもよい。Z2はアルキル基又はハ
ロゲン原子を示す。) 上記合成例中の式(44)で表される化合物と式(48)で
表される化合物とのカップリング反応は、パラジウム触
媒及び炭酸ナトリウム等の塩基の存在下で反応させるこ
とにより実施できる。
【0039】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,1,1,1,1)である場合の化合物(以下、(1bd)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0040】
【化25】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7、X8、X11及びX
15は、それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X 3及び
4は、それぞれ独立してハロゲン原子、−OSO2CF
3又は−OSO249を示す。P2〜P4は、それぞれ独
立して水酸基の保護基を示す。) 上記合成例中の式(52)で表される化合物から式(53)
で表される化合物を得る反応は、例えば、以下に記述す
るMethod A5及びB5のいずれかの方法により実施で
きる。 Method A5:式(52)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、1,1−ジメチル−2−プロピノールを作用
させた後、水酸化アルカリ等の塩基を作用させる方法。 Method B5:式(52)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、トリメチルシリルアセチレンを作用させた
後、炭酸アルカリ等の塩基を作用させる方法。 上記合成例中の式(44)で表される化合物と式(53)で
表される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パ
ラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で
反応させることにより実施できる。
【0041】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,0,0,1,1)である場合の化合物(以下、(1be)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0042】
【化26】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X4、X7、X8及びX
16は、それぞれ独立してハロゲン原子を示す。P2及び
3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示す。)
【0043】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,0,1,1,1)である場合の化合物(以下、(1bf)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0044】
【化27】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7及びX8は、それぞ
れ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲン原
子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。P2
びP3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示す。) 上記合成例中の式(44)で表される化合物と式(57)で
表される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パ
ラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で
反応させることにより実施できる。
【0045】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,1,0,1,1)である場合の化合物(以下、(1bg)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0046】
【化28】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7〜X9及びX17は、
それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲ
ン原子、−OSO2CF3又は−OSO249を示す。
2及びP3は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示
す。QはB(OZ1)2又はSnZ2 3を示す。Qにおいて、
1は水素原子又はアルキル基を示し、2つのZ1が結合
して環を形成していてもよい。Z2はアルキル基又はハ
ロゲン原子を示す。) 上記合成例中の式(44)で表される化合物と式(60)で
表される化合物とのカップリング反応は、パラジウム触
媒及び炭酸ナトリウム等の塩基の存在下で反応させるこ
とにより実施できる。
【0047】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,1,1,1,1)である場合の化合物(以下、(1bh)
という)の製造例は、以下に示す合成法等により得るこ
とができる。
【0048】
【化29】 (式中、A1〜A12、B1、B2、W、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X7、X8、X11及びX
17は、それぞれ独立してハロゲン原子を示し、X 3及び
4は、それぞれ独立してハロゲン原子、−OSO2CF
3又は−OSO249を示す。Y1は−CF3又は−C4
9を示し、P2〜P4は、それぞれ独立して水酸基の保
護基を示す。) 上記合成例の式(63)で表される化合物から式(64)で
表される化合物を得る反応は、例えば、以下に記述する
Method A6及びB6のいずれかの方法により実施でき
る。 Method A6:式(63)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、1,1−ジメチル−2−プロピノールを作用
させた後、水酸化アルカリ等の塩基を作用させる方法。 Method B6:式(63)で表される化合物に対して、ヨ
ウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基
の存在下、トリメチルシリルアセチレンを作用させた
後、炭酸アルカリ等の塩基を作用させる方法。 上記合成例中の式(44)で表される化合物と式(64)で
表される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パ
ラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で
反応させることにより実施できる。
【0049】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,0,0,0,1)である場合の化合物(以下、(1ca)
という)の製造は、例えば、上記式(1aa)で表される化合
物の合成例において、式(6)で表される化合物に代えて
式(39)で表される化合物を使用する以外は式(1aa)で
表される化合物の製造法と同様にして製造しうる。式
(1)において、(p,q,r,s,t)=(0,0,1,
0,1)である場合の化合物(以下、(1cb)という)の製造
は、例えば、上記式(1ab)で表される化合物の合成例に
おいて、式(9)で表される化合物に代えて、式(44)で
表される化合物を使用する以外は式(1ab)で表される化
合物の製造法と同様にして製造しうる。式(1)におい
て、(p,q,r,s,t)=(0,1,0,0,1)であ
る場合の化合物(以下、(1cc)という)の製造は、例え
ば、上記式(1ac)で表される化合物の合成例において、
式(9)で表される化合物に代えて、式(44)で表される
化合物を使用する以外は式(1ac)で表される化合物の製
造法と同様にして製造しうる。式(1)において、(p,
q,r,s,t)=(0,1,1,0,1)である場合の
化合物(以下、(1cd)という)の製造は、例えば、上記式
(1ad)で表される化合物の合成例において、式(9)で表
される化合物に代えて、式(44)で表される化合物を使
用する以外は式(1ad)で表される化合物の製造法と同様
にして製造しうる。式(1)において、(p,q,r,
s,t)=(1,0,0,0,1)である場合の化合物(以
下、(1ce)という)の製造は、例えば、上記式(1ae)で表
される化合物の合成例において、式(9)で表される化合
物に代えて、式(44)で表される化合物を使用する以外
は式(1ae)で表される化合物の製造法と同様にして製造
しうる。式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,0,1,0,1)である場合の化合物(以下、(1cf)
という)の製造は、例えば、上記式(1af)で表される化合
物の合成例において、式(9)で表される化合物に代え
て、式(44)で表される化合物を使用する以外は式(1a
f)で表される化合物の製造法と同様にして製造しうる。
式(1)において、(p,q,r,s,t)=(1,1,
0,0,1)である場合の化合物(以下、(1cg)という)の
製造は、例えば、上記式(1ag)で表される化合物の合成
例において、式(9)で表される化合物に代えて、式(4
4)で表される化合物を使用する以外は式(1ag)で表され
る化合物の製造法と同様にして製造しうる。式(1)にお
いて、(p,q,r,s,t)=(1,1,1,0,1)で
ある場合の化合物(以下、(1ch)という)の製造は、例え
ば、上記式(1ah)で表される化合物の合成例において、
式(9)で表される化合物に代えて、式(44)で表される
化合物を使用する以外は式(1ah)で表される化合物の製
造法と同様にして製造しうる。式(1)において、(p,
q,r,s,t)=(0,0,0,1,0)である場合の
化合物(以下、(1da)という)の製造例は、以下に示す合
成法等により得ることができる。
【0050】
【化30】 (式中、A2、A4〜A10、B1、B2、m及びnは一般式
(1)中のものと同じ意味を表す。X6〜X8は、それぞれ
独立してハロゲン原子を示し、X4は、ハロゲン原子、
−OSO2CF3又は−OSO249を示す。P2〜P4
は、それぞれ独立して水酸基の保護基を示す。) 上記合成例中の式(7)で表される化合物と式(66)で表
される化合物とのカップリング反応は、ヨウ化銅、パラ
ジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩基の存在下で反
応させることにより実施できる。
【0051】式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(0,0,1,1,0)である場合の化合物(以下、(1db)
という)の製造は、例えば、上記式(1bb)で表される化合
物の合成例において、式(44)で表される化合物に代え
て、式(9)で表される化合物を使用する以外は式(1bb)
で表される化合物の製造法と同様にして製造しうる。式
(1)において、(p,q,r,s,t)=(0,1,0,
1,0)である場合の化合物(以下、(1dc)という)の製造
は、例えば、上記式(1bc)で表される化合物の合成例に
おいて、式(44)で表される化合物に代えて、式(9)で
表される化合物を使用する以外は式(1bc)で表される化
合物の製造法と同様にして製造しうる。式(1)におい
て、(p,q,r,s,t)=(0,1,1,1,0)であ
る場合の化合物(以下、(1dd)という)の製造は、例え
ば、上記式(1bd)で表される化合物の合成例において、
式(44)で表される化合物に代えて、式(9)で表される
化合物を使用する以外は式(1bd)で表される化合物の製
造法と同様にして製造しうる。式(1)において、(p,
q,r,s,t)=(1,0,0,1,0)である場合の
化合物(以下、(1de)という)の製造は、例えば、上記式
(1be)で表される化合物の合成例において、式(44)で
表される化合物に代えて、式(9)で表される化合物を使
用する以外は式(1be)で表される化合物の製造法と同様
にして製造しうる。式(1)において、(p,q,r,
s,t)=(1,0,1,1,0)である場合の化合物(以
下、(1df)という)の製造は、例えば、上記式(1bf)で表
される化合物の合成例において、式(44)で表される化
合物に代えて、式(9)で表される化合物を使用する以外
は式(1bf)で表される化合物の製造法と同様にして製造
しうる。式(1)において、(p,q,r,s,t)=
(1,1,0,1,0)である場合の化合物(以下、(1dg)
という)の製造は、例えば、上記式(1bg)で表される化合
物の合成例において、式(44)で表される化合物に代え
て、式(9)で表される化合物を使用する以外は式(1bg)
で表される化合物の製造法と同様にして製造しうる。式
(1)において、(p,q,r,s,t)=(1,1,1,
1,0)である場合の化合物(以下、(1dh)という)の製造
は、例えば、上記式(1bh)で表される化合物の製造法に
おいて、式(44)で表される化合物に代えて、式(9)で
表される化合物を使用する以外は式(1bh)で表される化
合物の製造法と同様にして製造しうる。
【0052】本発明のフェニルアセチレン重合物は、前
記一般式(1)で示される化合物の1種又は2種以上の重
合物であれば、その分子量等は特に限定されない。好ま
しくは、以下の重合条件により重合させたものが好まし
い。
【0053】本発明のフェニルアセチレン重合物を製造
するための重合方法としては、紫外線又は電子線等のエ
ネルギー線を照射することによって光重合させる方法が
好ましい。この光重合させる際の光源としては、偏光光
源を用いてもよいし、非偏光光源を用いてもよい。ま
た、液晶材料に、可視光領域に吸収をもつ重合開始剤等
を添加した場合には、可視光を照射してもよい。このと
き、2つのレーザー光を干渉させて、空間的に光強度に
分布をもつような光を照射してもよい。照射時の温度
は、本発明の液晶組成物の液晶状態が保持される温度範
囲内であることが好ましい。特に、光重合によって光学
異方体を製造しようとする場合は、意図しない熱重合の
誘起をさけるために、できるだけ室温に近い温度で重合
させることが好ましい。重合によって得られた光学異方
体は、初期の特性変化を抑制し、安定な特性の保持を持
たせることを目的として、熱処理を施してもよい。熱処
理の温度としては、50〜200℃程度の温度範囲で、
熱処理の時間としては、30秒から12時間の範囲であ
るのが好ましい。
【0054】重合反応性を向上させることを目的とし
て、熱重合開始剤、光重合開始剤を添加してもよい。こ
こで使用できる熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイ
ル、ビスアゾブチロニトリル等が挙げられ、光重合開始
剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン
類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等が挙げら
れる。重合開始剤の添加量は、重合させるモノマー成分
全量に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜1.
5質量%の範囲が特に好ましい。
【0055】本発明のフェニルアセチレン重合物は、前
記一般式(1)で示される化合物の1種又は2種以上と、
他の重合性モノマーとを重合させたものであってもよ
い。他の重合性モノマーとしては、一般式(α−1)〜
(α−3)で示される液晶性化合物、メタアクリレートエ
ステル、アクリレートエステル、エポキシ及びビニルエ
ーテルからなる群より選択される1種又は2種以上の重
合性官能基を有するモノマー(A)等が好ましく挙げられ
る。
【0056】
【化31】 式中、A1〜A12はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原
子又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜1
0の、アルキル基もしくはアルコキシ基を示す。R1
びR2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ
基、−SF5、−NCS、4−R3−(シクロアルキル)
基、4−R3−(シクロアルケニル)基又はR 4−(O)q1
を示す(但し、R3は水素原子又は直鎖もしくは分枝のフ
ッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアル
キル基を示し、R4は直鎖又は分枝のフッ素原子で置換
されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基を示す。
1は0又は1を示す)。
【0057】
【化32】 式中、A13〜A24はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原
子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。mは0又は
1である。R11は水素原子又は直鎖もしくは分枝のフッ
素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキ
ル基を示す。R 21はR11、フッ素原子、シアノ基、4−
31−(シクロアルキル)基、4−R31−(シクロアルケ
ニル)基又はR41−(O)q2基を示す(但し、R31は水素
原子又は直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換されてい
てもよい炭素数1〜12のアルキル基を示し、R41は直
鎖又は分枝のフッ素原子で置換されていてもよい炭素数
1〜12のアルキル基を示す。q2は0又は1を示す)。
【0058】
【化33】 式中、環A、環B、環C及び環Dはそれぞれ独立に、
1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,
4−シクロヘキセニレン、4,1−シクロヘキセニレ
ン、2,5−シクロヘキセニレン、5,2−シクロヘキ
セニレン、3,6−シクロヘキセニレン、6,3−シク
ロヘキセニレン、2,5−ピリミジンジイル、5,2−
ピリミジンジイル、2,5−ピリジンジイル、5,2−
ピリジンジイル、2,5−ジオキサンジイル又は5,2
−ジオキサンジイルを示し、環A、環B、環C及び環D
上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。R
5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フル
オロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチ
ル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ト
リフルオロメトキシ基、シアノ基、炭素数1〜12のア
ルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜
12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキ
シ基、炭素数3〜12のアルキニルオキシ基、炭素数2
〜16のアルコキシアルキル基又は炭素数3〜16のア
ルコキシアルケニル基を示す。これらのアルキル基、ア
ルケニル基又はアルキニル基中の少なくとも1つのメチ
レン基は、酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子で置換
されていてもよく、直鎖又は分岐のどちらでもよい。Z
1、Z2及びZ3はそれぞれ独立に、−COO−、−OC
O−、−OCH2−、−CH2O−、炭素数1〜5のアル
キレン基、炭素数2〜5のアルケニレン基、炭素数2〜
5のアルキニレン基又は単結合を示し、b、c及びdは
それぞれ独立に0又は1であり、かつb+c+d≧1を
満たす。
【0059】一般式(α−1)で示される化合物として
は、例えば、下記構造式で示される化合物等が挙げられ
る。この化合物は、通常の有機合成的手段を駆使して合
成することができる。
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】
【化36】
【0063】
【化37】
【0064】
【化38】
【0065】
【化39】
【0066】
【化40】
【0067】
【化41】
【0068】上記一般式(α−1)において、R1及びR2
としては、例えば、水素原子;フッ素原子;メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基及びこれらが
フッ素原子で置換されたフルオロアルキル基(例えばト
リフルオロメチル基);メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオ
キシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のア
ルコキシ基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオ
ロアルコキシ基(例えば1〜3個のフッ素原子で置換さ
れたメトキシ基、1〜5個のフッ素原子で置換されたエ
トキシ基);メトキシメチル基、エトキシメチル基、プ
ロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチルオキシ
メチル基、ヘキシルオキシメチル基、ヘプチルオキシメ
チル基、オクチルオキシメチル基、ノニルオキシメチル
基、デシルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキ
シエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、
ペンチルオキシエチル基、ヘキシルオキシエチル基、ヘ
プチルオキシエチル基、オクチルオキシエチル基、ノニ
ルオキシエチル基、デシルオキシエチル基、メトキシプ
ロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル
基、ブトキシプロピル基、ペンチルオキシプロピル基、
ヘキシルオキシプロピル基、ヘプチルオキシプロピル
基、オクチルオキシプロピル基、ノニルオキシプロピル
基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシ
ブチル基、ブトキシブチル基、ペンチルオキシブチル
基、ヘキシルオキシブチル基、ヘプチルオキシブチル
基、オクチルオキシブチル基、メトキシペンチル基、エ
トキシペンチル基、プロポキシペンチル基、ブトキシペ
ンチル基、ペンチルオキシペンチル基、ヘキシルオキシ
ペンチル基、ヘプチルオキシペンチル基等のアルコキシ
アルキル基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオ
ロアルコキシアルキル基;2−メチルプロピル基、2−
メチルブチル基、3−メチルブチル基、3−メチルペン
チル基等の分枝アルキル基及びこれらがフッ素原子で置
換されたフルオロ分枝アルキル基;2−メチルプロピル
オキシ基、2−メチルブチルオキシ基、3−メチルブチ
ルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基等の分枝アル
キルオキシ基及びこれらがフッ素原子で置換されたフル
オロ分枝アルキルオキシ基;4−メチルシクロヘキシル
基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロ
ヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチ
ルシクロヘキシル基、4−ヘキシルシクロヘキシル基、
4−ヘプチルシクロヘキシル基、4−オクチルシクロヘ
キシル基、4−ノニルシクロヘキシル基、4−デシルシ
クロヘキシル基等の4−アルキル−シクロアルキル基及
びこれらがフッ素原子で置換された4−フルオロアルキ
ル−シクロアルキル基;4−プロピルシクロヘキセニル
基、4−ペンチルシクロヘキセニル基等の4−アルキル
−シクロアルケニル基及びこれらがフッ素原子で置換さ
れた4−フルオロアルキル−シクロアルケニル基;シア
ノ基;−SF5;−NCS等が挙げられる。
【0069】一般式(α−2)で示される化合物として
は、例えば、下記構造式で示される化合物等が挙げられ
る。これらの化合物は、通常の有機合成的手段を駆使し
て合成することができる。
【0070】
【化42】
【0071】
【化43】
【0072】
【化44】
【0073】
【化45】
【0074】
【化46】
【0075】
【化47】
【0076】
【化48】
【0077】
【化49】
【0078】
【化50】
【0079】
【化51】
【0080】
【化52】
【0081】
【化53】
【0082】
【化54】
【0083】
【化55】
【0084】
【化56】
【0085】
【化57】
【0086】前記一般式(α−2)中のR11及びR21とし
ては、前記一般式(α−1)中のR1及びR2の具体例とし
て例示したものの中で相当するものを好ましく挙げるこ
とができる。
【0087】前記一般式(α−3)で示される化合物とし
ては、例えば、下記構造式で示される化合物等が挙げら
れる。但し、構造式中のWは水素原子又はフッ素原子を
示し、xは0〜3の整数である。また、構造式中の環H
は、1,4−シクロヘキシレンを示し、環Gは、フッ素
置換されていてもよい、1,4−フェニレン、1,4−
シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、4,
1−シクロヘキセニレン、2,5−シクロヘキセニレ
ン、5,2−シクロヘキセニレン、3,6−シクロヘキ
セニレン、6,3−シクロヘキセニレン、2,5−ピリ
ミジンジイル、5,2−ピリミジンジイル、2,5−ピ
リジンジイル、5,2−ピリジンジイル、2,5−ジオ
キサンジイル又は5,2−ジオキサンジイルを示す。更
に好ましくは、上記環Gは、1,4−シクロヘキシレ
ン、1,4−シクロヘキセニレン、4,1−シクロヘキ
セニレン、2,5−シクロヘキセニレン、5,2−シク
ロヘキセニレン、3,6−シクロヘキセニレン又は6,
3−シクロヘキセニレンを示す。このような化合物は、
通常の有機合成的手段を駆使して合成することができ
る。
【0088】
【化58】
【0089】
【化59】
【0090】
【化60】
【0091】
【化61】
【0092】
【化62】
【0093】
【化63】
【0094】
【化64】
【0095】
【化65】
【0096】
【化66】
【0097】
【化67】
【0098】
【化68】
【0099】
【化69】
【0100】
【化70】
【0101】
【化71】
【0102】
【化72】
【0103】
【化73】
【0104】
【化74】
【0105】
【化75】
【0106】
【化76】
【0107】
【化77】
【0108】
【化78】
【0109】
【化79】
【0110】
【化80】
【0111】
【化81】
【0112】前記モノマー(A)としては、一般式(β)で
示される化合物等が挙げられる。この化合物は、通常の
有機合成的手段を駆使して合成することができる。
【0113】
【化82】 式中、環A、環B、環C及び環D、Z1、Z2及びZ3
b、c及びdは、式(α−3)中のものと同じ意味を表
す。R7及びR8は各々炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜16のアル
コキシアルキル基を示し、これらのうちのアルキル基中
のメチレン基は、酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子
を含んでいてもよく、直鎖もしくは分岐のどちらでもよ
い。P1及びP2は各々メタアクリレートエステル、アク
リレートエステル、エポキシ、ビニルエーテル、水素原
子、フッ素原子、フルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフ
ルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシアノ
基を示す。但し、P1及びP2の少なくとも一方は、メタ
アクリレートエステル、アクリレートエステル、エポキ
シ又はビニルエーテルのいずれかである。e及びfは各
々0又は1であり、且つ両方が0であることはない。
【0114】前記一般式(β)で示される化合物として
は、例えば、下記構造式で示される化合物等が挙げられ
る。但し、これらの構造式中のAは、水素原子、フッ素
原子又はメチル基を示す。また、これらの構造式中のA
1及びA2は水素原子又はフッ素原子を示す。更に、これ
らの構造式中のX及びYは各々独立に以下の基を示す
(ここで、e及びhは0又は1であり、f及びiは1〜
12の整数である。Z1は水素原子又はメチル基を表
す。なお、X及びYが同時に−(O)h−(CH2)i−CH3
になることはない。
【化83】
【0115】
【化84】
【0116】
【化85】
【0117】前記重合性モノマーとして、光重合性官能
基を有していない化合物を用いてもよい。その配合比率
は、液晶性を損なわない限り、用途によって決定できる
が、温度によって屈折率異方性を変化させたくない場合
は、全モノマー中に0〜50質量%の範囲が好ましい。
前記重合性モノマーとして、光重合性官能基を有し、か
つ液晶性を示さない化合物も使用できる。このような化
合物としては、通常この技術分野で高分子形成性モノマ
ーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるも
のであれば特に制限なく使用できるが、アクリレート化
合物、メタクリレート化合物、ビニルエーテル化合物が
特に好ましい。
【0118】前記一般式(1)で示される化合物の1種又
は2種以上と、他の重合性モノマーとを重合させて得ら
れる、本発明のフェニルアセチレン重合物において、一
般式(1)で示される化合物と、他の重合性モノマーとの
重合時の仕込み割合は、フェニルアセチレン重合物の用
途によって適宜決定できるが、通常、質量比で、90:
10〜50:50の範囲から決定することができる。
【0119】また、本発明のフェニルアセチレン重合物
は、液晶骨格の螺旋構造を内部に有する重合体を得るこ
とを目的として、カイラル(光学活性)化合物を含んでい
てもよい。カイラル化合物は、それ自体が液晶性を示す
必要はなく、また重合性官能基を有していてもいなくて
もよい。カイラル化合物としては、下記化合物が挙げら
れる。カイラル化合物の添加量は、フェニルアセチレン
重合物の用途によって適宜決定できる。
【0120】
【化86】
【0121】前記一般式(1)で示される化合物の1種又
は2種以上と、他の重合性モノマーとを重合させて得ら
れる、本発明のフェニルアセチレン重合物の分子量等は
特に限定されない。好ましくは、以下の重合条件により
重合させたものが好ましい。このような本発明のフェニ
ルアセチレン重合物を製造するための重合方法として
は、紫外線又は電子線等のエネルギー線を照射すること
によって光重合させる方法が好ましい。この光重合させ
る際の光源としては、偏光光源を用いてもよいし、非偏
光光源を用いてもよい。また、液晶材料に、可視光領域
に吸収をもつ重合開始剤等を添加した場合には、可視光
を照射してもよい。このとき、2つのレーザー光を干渉
させて、空間的に光強度に分布をもつような光を照射し
てもよい。照射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶
状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。特
に、光重合によって光学異方体を製造しようとする場合
は、意図しない熱重合の誘起をさけるために、できるだ
け室温に近い温度で重合させることが好ましい。重合に
よって得られた光学異方体は、初期の特性変化を抑制
し、安定な特性の保持を持たせることを目的として、熱
処理を施してもよい。熱処理の温度としては、50〜2
00℃程度の温度範囲で、熱処理の時間としては、30
秒から12時間の範囲であるのが好ましい。
【0122】重合反応性を向上させることを目的とし
て、熱重合開始剤、光重合開始剤を添加してもよい。こ
こで使用できる熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイ
ル、ビスアゾブチロニトリル等が挙げられ、光重合開始
剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン
類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等が挙げら
れる。重合開始剤の添加量は、重合させるモノマー成分
全量に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜1.
5質量%の範囲が特に好ましい。
【0123】本発明のフェニルアセチレン重合物は、そ
の用途に応じて他の材料を含んでいてもよい。例えば、
偏光フィルム、印刷インキ、塗料等として利用する場合
には、その目的に応じて、色素、顔料、染料等を適宜配
合量を決定して添加することができる。また、本発明の
フェニルアセチレン重合物を光学異方体とするには、例
えば、フェニルアセチレン重合物を製造する際のモノマ
ー組成物が液晶性を示すように配合し、これを配向させ
た状態で重合させ方法等により得ることができる。具体
的には、基板表面を布等でラビング、もしくはポリイミ
ド等の有機薄膜を形成した基板表面を布等でラビング、
あるいはSiO2を、斜方蒸着した配向膜を有する基板
上に担持させるか、基板間に挟持させた後、上記液晶性
のモノマーを含む材料を重合させる方法等により得るこ
とができる。中でも、有機薄膜を形成した基板表面を布
等でラビング処理した基板を用いる方法は、簡便で好ま
しい。この時使用できる基板は、有機、無機材料を問わ
ずに用いることができる。
【0124】前記有機材料としては、例えば、ポリカー
ボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、トリアセチルセ
ルロース、ポリスルホン等が挙げられる。前記無機材料
としては、例えば、ガラス、シリコン等が挙げられる。
また、電場によって配向状態を制御する場合は、電極層
を有する基板を使用することができ、この場合は電極上
に前述のポリイミド薄膜を形成するのが好ましい。更
に、ラビングに代わる配向処理方法として、光配向法を
用いることもできる。また、材料を重合してから、延伸
処理を行い、配向させることも可能である。
【0125】本発明の光学異方体を製造する際の重合方
法としては、上記本発明のフェニルアセチレン重合物の
製造条件から条件を適宜選択し、例えば、紫外線又は電
子線等のエネルギー照射により光重合させる方法が好ま
しい。重合用光源としては、偏光光源を用いてもよい
し、非偏光光源を用いてもよい。光照射時の温度は、目
的により変えることができ、液晶性を示すモノマーの液
晶状態が保持される温度範囲内で重合することが好まし
い場合もあれば、等方相状態の温度で重合することが好
ましい場合もある。得られる本発明の光学異方体は、基
板から剥離して用いても、剥離せずに用いてもよい。
【0126】本発明の液晶又は光学用素子は、上述の本
発明のフェニルアセチレン重合物を含む光学異方体を使
用したものであればよく、この光学異方体を、例えば、
光学材料、表示材料、記録材料として使用したり、光学
補償板、偏光素子、反射板、散乱板、カラー化機能を有
するフィルム、液晶材料に使用した例が挙げられる。液
晶又は光学用素子の他の構成は特に限定されず、公知の
方法に従ってその目的に応じて適宜選択すればよい。
【0127】
【実施例】以下実施例により、本発明に関してより詳細
に述べるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例1 一般式(1)で表される化合物としての化合物(1−1)
に、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ
ガイギー社製)を1重量%添加し、これをセルギャップ
約8μmの透明ガラスセルに注入した。透明ガラスセル
としては、ポリイミド薄膜を塗布後にラビング処理を
し、ラビング方向が平行になるように重ね合わせて作製
したものを使用した。次いで、このセルに、105℃に
おいて高圧水銀ランプを用い、1500mJ/cm2
光を照射し、液晶性材料を重合させた。セルを偏光顕微
鏡で観察したところ、ネマティック配向が一様に固定化
された光学異方体が得られているのが確認できた。
【0128】
【化87】
【0129】次に、同様な、上記化合物(1−1)と上記
光重合開始剤とを、同様の配向処理を行ったガラス基板
をくさび型に組立てたセル(くさび角度は約1.6度)に
注入し、上記と同様な条件で重合を行った。得られたセ
ルを用いて、ヘリウムネオンレーザーにより「強誘電性
液晶の構造と物性」(福田敦夫、竹添秀男共著、コロナ
社)316頁記載の方法で屈折率異方性を測定した。そ
の結果、屈折率異方性は、20℃において0.34とき
わめて高い値を示すことがわかった。このように、本実
施例においてきわめて光学異方性の高い、光学異方体が
得られることがわかった。
【0130】実施例2 一般式(1)で表される化合物として、化合物(1−2)を
用いた以外は、実施例1と同様にセルに注入し、同じ条
件で光重合を行った。得られたセルを偏光顕微鏡で観察
したところ、ネマティック配向が一様に固定化された光
学異方体が得られているのが確認できた。更に、化合物
(1−1)の代わりに、化合物(1−2)を用いた以外は、
実施例1と同様にくさび型に組立てたセルを用いて重合
を行い、屈折率異方性を測定した。その結果、屈折率異
方性は、20℃において0.26ときわめて高い値を示
すことがわかった。このように、本実施例においてきわ
めて光学異方性の高い、光学異方体が得られることがわ
かった。
【0131】
【化88】
【0132】実施例3 実施例1で用いた化合物(1−1)と実施例2で用いた化
合物(1−2)とを、質量比で1:1の割合で混合した組
成物に、実施例1と同様の光重合開始剤を1質量%添加
し、実施例1と同様に作製したセルに注入した。次い
で、このセルに、95℃において高圧水銀ランプを用
い、1500mJ/cm2の光を照射し、組成物を重合
させた。セルを偏光顕微鏡で観察したところ、ネマティ
ック配向が一様に固定化された光学異方体が得られてい
るのが確認できた。更に、前記光重合開始剤を含むモノ
マー組成物を、実施例1と同様にくさび型に組立てたセ
ルを用いて重合を行い、屈折率異方性を測定した。その
結果、屈折率異方性は、20℃において0.28ときわ
めて高い値を示すことがわかった。このように、本実施
例においてきわめて光学異方性の高い、光学異方体が得
られることがわかった。
【0133】実施例4 実施例1で用いた化合物(1−1)と、一般式(α−1)で
示される化合物としての化合物(2−1)とを、質量比で
1:1の割合で混合した組成物に、実施例1と同様の光
重合開始剤を1質量%添加し、実施例1と同様に作製し
たセルに注入した。次いで、このセルに、95℃におい
て高圧水銀ランプを用い、1500mJ/cm2の光を
照射し、組成物を重合させた。セルを偏光顕微鏡で観察
したところ、ネマティック配向が一様に固定化された光
学異方体が得られているのが確認できた。
【0134】
【化89】
【0135】更に、前記光重合開始剤を含むモノマー組
成物を、実施例1と同様にくさび型に組立てたセルを用
いて重合を行い、屈折率異方性を測定した。その結果、
屈折率異方性は、60℃において0.34ときわめて高
い値を示すことがわかった。このように、本実施例にお
いてきわめて光学異方性の高い、光学異方体が得られる
ことがわかった。
【0136】実施例5 実施例1で用いた化合物(1−1)と、一般式(β)で示さ
れる化合物としての化合物(5−1)とを、質量比で1:
1の割合で混合した組成物に、実施例1と同様の光重合
開始剤を1質量%添加し、実施例1と同様に作製したセ
ルに注入し、実施例1と同様な条件で組成物を重合させ
た。セルを偏光顕微鏡で観察したところ、ネマティック
配向が一様に固定化された光学異方体が得られているの
が確認できた。
【0137】
【化90】
【0138】更に、前記光重合開始剤を含むモノマー組
成物を、実施例1と同様にくさび型に組立てたセルを用
いて重合を行い、屈折率異方性を測定した。その結果、
屈折率異方性は、20℃において0.28ときわめて高
い値を示すことがわかった。このように、本実施例にお
いてきわめて光学異方性の高い、光学異方体が得られる
ことがわかった。
【0139】実施例6 一般式(1)で表される化合物としての下記化合物(1−
3)に、光重合開始剤「イルガキュア651」(チバガイ
ギー社製)を1重量%添加し液晶組成物を得、次いで、
重合温度を40℃とした以外は実施例1と同様に重合を
行った。
【0140】
【化91】 得られたセルを偏光顕微鏡で観察したところ、ネマティ
ック配向が一様に固定化された光学異方体が得られてい
るのが確認できた。更に、上記光重合開始剤を含む液晶
組成物を、実施例1と同様にくさび型に組立てたセルを
用いて重合を行い、屈折率異方性を測定した。その結
果、20℃において0.254と極めて高い値を示すこ
とが判った。このように、本実施例においてきわめて光
学異方性の高い、光学異方体が得られることがわかっ
た。
【0141】実施例7 一般式(1)で表される化合物としての下記化合物(1−
4)に、光重合開始剤「イルガキュア651」(チバガイ
ギー社製)を1重量%添加し液晶組成物を得、次いで、
重合温度を60℃とした以外は実施例1と同様に重合を
行った。
【0142】
【化92】 得られたセルを偏光顕微鏡で観察したところ、ネマティ
ック配向が一様に固定化された光学異方体が得られてい
るのが確認できた。更に、上記光重合開始剤を含む液晶
組成物を、実施例1と同様にくさび型に組立てたセルを
用いて重合を行い、屈折率異方性を測定した。その結
果、20℃において0.275と極めて高い値を示すこ
とが判った。このように、本実施例においてきわめて光
学異方性の高い、光学異方体が得られることがわかっ
た。
【0143】実施例8 一般式(1)で表される化合物としての下記化合物(1−
5)に、光重合開始剤「イルガキュア651」(チバガイ
ギー社製)を1重量%添加し液晶組成物を得、次いで、
重合温度を60℃とした以外は実施例1と同様に重合を
行った。
【0144】
【化93】 得られたセルを偏光顕微鏡で観察したところ、ネマティ
ック配向が一様に固定化された光学異方体が得られてい
るのが確認できた。更に、上記光重合開始剤を含む液晶
組成物を、実施例1と同様にくさび型に組立てたセルを
用いて重合を行い、屈折率異方性を測定した。その結
果、20℃において0.259と極めて高い値を示すこ
とが判った。このように、本発明の液晶性材料を用いる
ことによって極めて光学異方性の高い、光学異方体が得
られることが判った。
【0145】
【発明の効果】本発明のフェニルアセチレン重合物及び
これを含む光学異方体は、配向時に大きな屈折率異方性
が発現するので、例えば、光シャッターや、表示素子等
に使用できる液晶素子、液晶デバイスに用いられる光学
補償板や偏光素子材料、反射板、散乱板、カラー化機能
を有するフィルム、輝度向上フィルムを構成する材料と
して特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 38/00 C08F 38/00 (72)発明者 南井 正好 大阪府高槻市塚原二丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 岩倉 和憲 大阪府高槻市塚原二丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BC04 4H027 BA11 BD01 BD07 4J100 AB07Q AE02R AE09Q AE09R AE18Q AE26Q AL02R AL08R AL66R AL74R AQ01Q AQ19Q AR05Q AR25Q AR25R AT05Q AT08P AT08Q AT13Q AT15P AT15Q AT22P BA02P BA02Q BA02R BA04P BA04Q BA05P BA05Q BA06P BA06Q BA15P BA15Q BA15R BA40Q BA40R BA50Q BA51Q BA51R BA71Q BA71R BB07P BB07Q BB07R BB18P BB18Q BB18R BC02Q BC04P BC04Q BC04R BC43P BC43Q BC43R BC54R BC58Q BC58R BC73Q BC73R CA01 CA04 CA05 JA32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示される化合物の1種又は
    2種以上を重合してなるフェニルアセチレン重合物。 【化1】 (式中、A1〜A12はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原
    子又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜1
    0の、アルキル基もしくはアルコキシ基を示す。B1
    びB2は各々水素原子又はメチル基を表す。p、q、
    r、s及びtは各々0又は1である。但し、q=0の場
    合、A2、A4〜A10の少なくとも1つはフッ素原子で置
    換されていてもよい炭素数1〜10の、アルキル基又は
    アルコキシ基を示す。また、m及びnはそれぞれ0〜1
    4の整数であるが、sが1のときnは0でなく、tが1
    のときmが0でない。Wは単結合、−CH2CH2−又は−C
    ≡C−を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、A1〜A12の少な
    くとも1つがフッ素原子で置換されていてもよいアルキ
    ル基又はアルコキシ基であって、該アルキル基又はアル
    コキシ基の炭素数が1〜10であることを特徴とする請
    求項1記載のフェニルアセチレン重合物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、s及びtが1であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のフェニルアセ
    チレン重合物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、A4、A5、A9
    びA10からなる群より選択される少なくとも1つが、フ
    ッ素原子で置換されていてもよいアルキル基又はアルコ
    キシ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のフェニルアセチレン重合物。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で示される化合物の1種又は
    2種以上と、他の重合性モノマーとを重合させてなるフ
    ェニルアセチレン重合物。
  6. 【請求項6】 他の重合性モノマーとして、一般式(α
    −1)〜(α−3)で示される液晶性化合物の少なくとも
    1種を含むことを特徴とする請求項5記載のフェニルア
    セチレン重合物。 【化2】 (式中、A1〜A12はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原
    子又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜1
    0の、アルキル基もしくはアルコキシ基を示す。R1
    びR2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ
    基、−SF5、−NCS、4−R3−(シクロアルキル)
    基、4−R3−(シクロアルケニル)基又はR4−(O)q1
    を示す(但し、R3は水素原子又は直鎖もしくは分枝のフ
    ッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアル
    キル基を示し、R4は直鎖又は分枝のフッ素原子で置換
    されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基を示す。
    1は0又は1を示す)。) 【化3】 (式中、A13〜A24はそれぞれ独立に水素原子、フッ素
    原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。mは0又
    は1である。R11は水素原子又は直鎖もしくは分枝のフ
    ッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアル
    キル基を示す。R 21はR11、フッ素原子、シアノ基、4
    −R31−(シクロアルキル)基、4−R31−(シクロアル
    ケニル基)又はR41−(O)q2基を示す(但し、R31は水
    素原子又は直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換されて
    いてもよい炭素数1〜12のアルキル基を示し、R41
    直鎖又は分枝のフッ素原子で置換されていてもよい炭素
    数1〜12のアルキル基を示す。q2は0又は1を示
    す)。) 【化4】 (式中、環A、環B、環C及び環Dはそれぞれ独立に、
    1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,
    4−シクロヘキセニレン、4,1−シクロヘキセニレ
    ン、2,5−シクロヘキセニレン、5,2−シクロヘキ
    セニレン、3,6−シクロヘキセニレン、6,3−シク
    ロヘキセニレン、2,5−ピリミジンジイル、5,2−
    ピリミジンジイル、2,5−ピリジンジイル、5,2−
    ピリジンジイル、2,5−ジオキサンジイル又は5,2
    −ジオキサンジイルを示し、環A、環B、環C及び環D
    上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。R
    5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フル
    オロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチ
    ル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ト
    リフルオロメトキシ基、シアノ基、炭素数1〜12のア
    ルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜
    12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキ
    シ基、炭素数3〜12のアルキニルオキシ基、炭素数2
    〜16のアルコキシアルキル基又は炭素数3〜16のア
    ルコキシアルケニル基を示す。これらのアルキル基、ア
    ルケニル基又はアルキニル基中の少なくとも1つのメチ
    レン基は、酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子に置換
    されていてもよく、直鎖又は分岐のどちらでもよい。Z
    1、Z2及びZ3はそれぞれ独立に、−COO−、−OC
    O−、−OCH2−、−CH2O−、炭素数1〜5のアル
    キレン基、炭素数2〜5のアルケニレン基、炭素数2〜
    5のアルキニレン基又は単結合を示し、b、c及びdは
    それぞれ独立に0又は1であり、かつb+c+d≧1を
    満たす。)
  7. 【請求項7】 他の重合性モノマーとして、メタアクリ
    レートエステル、アクリレートエステル、エポキシ及び
    ビニルエーテルからなる群より選択される1種又は2種
    以上の重合性官能基を有するモノマー(A)を含むことを
    特徴とする請求項5又は6記載のフェニルアセチレン重
    合物。
  8. 【請求項8】 モノマー(A)が、一般式(β)で示される
    化合物を含むことを特徴とする請求項7記載のフェニル
    アセチレン重合物。 【化5】 (式中、環A、環B、環C及び環D、Z1、Z2及びZ3
    b、c及びdは、式(α−3)中のものと同じ意味を表
    す。R7及びR8は各々炭素数1〜12のアルキル基、炭
    素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜16のアル
    コキシアルキル基を示し、これらのうちのアルキル基中
    の少なくとも1つのメチレン基は、酸素原子、イオウ原
    子又はケイ素原子に置換されていてもよく、直鎖又は分
    岐のどちらでもよい。P1及びP2は各々メタアクリレー
    トエステル、アクリレートエステル、エポキシ、ビニル
    エーテル、水素原子、フッ素原子、フルオロメチル基、
    ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロ
    メトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメト
    キシ基又はシアノ基を示す。但し、P1及びP2の少なく
    とも一方は、メタアクリレートエステル、アクリレート
    エステル、エポキシ又はビニルエーテルのいずれかであ
    る。e及びfは各々0又は1であり、且つ両方が0であ
    ることはない。)
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のフェニ
    ルアセチレン重合物を含むことを特徴とする光学異方
    体。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の光学異方体を備える
    ことを特徴とする液晶又は光学用素子。
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