JP4430849B2 - 液晶媒体および液晶ディスプレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶媒体およびこれらの媒体を含む液晶ディスプレイ、特にアクティブマトリックスによりアドレスされるディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ(LCD)は、情報を表示するために広く用いられている。用いられる電気光学的モードは、例えば、ねじれネマティック(TN)モード、超ねじれネマティック(STN)モード、光学的補償湾曲(OCB)モードおよび電気的に制御された複屈折(ECB)モード並びにこれらの種々の修正並びに他のものである。すべてが、それぞれ基板に、および液晶層にほぼ垂直な電界を用いるこれらのモードの他に、また、それぞれ基板に、および液晶層にほぼ平行な電界を用いる電気光学的モード、例えば面内切換(IPS)モード(例えばDE 40 00 451およびEP 0 588 568に開示されている)がある。LCDのために、いくつかの有望な電気光学的モードがある。
【0003】
新規なディスプレイのために、改善された特性を有する液晶媒体が必要である。特に、配向ベクトルに平行な、および配向ベクトルに垂直な誘電率の比率(ε‖/ε⊥)は、小さくなければならず、1.1〜2.0、好ましくは1.50〜1.70の特定の範囲内にある。このパラメーターの他に、媒体は、適切に広い範囲のネマティック相、ある程度小さい複屈折(Δn)および小さくなければならないが、小さすぎてはならない誘電異方性(Δε)を示さなければならない。
【0004】
本発明のディスプレイは、好ましくは、アクティブマトリックス(アクティブマトリックスLCD、短縮してAMD)により、好ましくは薄膜トランジスタ(TFT)のマトリックスによりアドレスされる。しかし、本発明の液晶はまた、プラズマアドレスLCD(PA LCD)において有益に用いることができる。代表的には前処理されて、液晶材料の均一な配列を達成する、表面上に配向した液晶媒体をそれ自体用いる種々の異なるモードに加えて、低分子量の液晶材料の複合系を重合体材料と共に用いる用途、例えばWO 91/05 029に開示されているような、重合体分散液晶(PDLC)系、ネマティック曲線状整列相(NCAP)系および重合体ネットワーク(PN)系または軸方向対称ミクロドメイン(ASM)系および他のものがある。これらの複合系は、代表的には、複合層にほぼ垂直な電場を用いる。
【0005】
LCDは、直視ディスプレイに、および投影タイプディスプレイに用いられる。
誘電的に正の化合物(Δε>0を有する)および誘電的に負の化合物(Δε<0)を同時に含む液晶組成物は、例えば、DE 199 40 655から知られる。しかし、これらの組成物は、1.80またはこれ以上のε‖/ε⊥の値および0.09またはこれ以上の複屈折を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、実際の用途に適する特性、例えば広いネマティック相範囲、低い粘度、用いるディスプレイモードに従う適切な光学異方性Δnおよび特に適切な比率(ε‖/ε⊥)を有する液晶媒体に対する顕著な必要性がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
驚異的なことに、ここで、従来技術の材料のこれらの欠点を示さないかまたは少なくとも顕著に低い程度に示すのみである、適切な比率(ε‖/ε⊥)、適切な相範囲、ΔnおよびΔεを有する液晶媒体を実現することができることが見出された。
【0008】
本発明のこれらの改善された液晶媒体は、少なくとも以下の成分を含む:
式Iで表される化合物を含み、Δnの低い値を有する誘電的に正の化合物である第1の液晶成分(成分Aと呼ぶ)
【化12】
式中、
R1は、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシ、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ素化アルケニル、好ましくはアルキル、アルケニルまたはアルコキシ、特に好ましくはn−アルキルであり、
X1は、1〜4個のC原子を有するフッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシ、好ましくは−CF3、−OCF3、−OCF2CF3または−OCHFCF2CF3、特に好ましくは−CF3または−OCF3であり、
【化13】
である、
【0009】
および同時に、誘電的に負の成分であり、式IIで表される1種または2種以上の誘電的に負の化合物を含む第2の成分(成分B)
【化14】
式中、
R21およびR22は、互いに独立して、上記式Iの下にR1について示した意味を有し、
【化15】
であり、
Z21およびZ22は、互いに独立して、−CH2CH2−、−COO−、トランス−CH=CH−、トランス−−CF=CF−、−CH2O−、−CF2O−または単結合であり、好ましくはこれらの少なくとも1つが単結合であり、最も好ましくは両方が単結合であり、
L21およびL22は、互いに独立して、C−FまたはNであり、好ましくはこれらの少なくとも1つがC−Fであり、最も好ましくはこれらの両方がC−Fであり、
mは、0または1である、
【0010】
および随意に、式III
【化16】
式中、
R3は、上記式Iの下にR1について示した意味を有し、
Z31およびZ32は、互いに独立して、−CH2CH2−、−COO−、トランス−CH=CH−、トランス−−CF=CF−、−CH2O−、−CF2O−または単結合、好ましくはこれらの少なくとも1つが単結合であり、
【化17】
【化18】
であり、
X3は、F、Cl、1〜3個のC原子を有するハロゲン化アルキル、2または3個のC原子を有するハロゲン化アルケニル、OCF 3 またはOCF 2 H、好ましくはF、CF3、OCF3またはOCF2Hであり、
kは、0または1である、
で表される1種または2種以上の誘電的に正の化合物を含む、誘電的に正の成分(成分C)
【0011】
および随意に、式IV
【化19】
式中、
R41およびR42は、互いに独立して、上記式Iの下にR1について示した意味を有し、
Z41、Z42およびZ43は、互いに独立して、−CH2CH2−、−COO−、トランス−CH=CH−、トランス−−CF=CF−、−CH2O−、−CF2O−または単結合、好ましくはこれらの少なくとも1つが単結合であり、一層好ましくは、存在する場合には、これらの少なくとも2つが単結合であり、
【化20】
であり、
【化21】
lおよびpは、互いに独立して、0または1である、
で表される1種または2種以上の化合物を含む、誘電的に中性の成分(成分D)。
【0012】
好ましくは、本発明の液晶媒体は、式Iで表される化合物を含み、好ましくは主に式Iで表される化合物からなり、および最も好ましくは完全に式Iで表される化合物からなる成分Aを含む。
本出願において、含むは、組成物の前後関係において、言及する構成要素、例えば媒体または成分が、当該成分(単数または複数)あるいは化合物(単数または複数)を、好ましくは10%またはこれ以上、最も好ましくは20%またはこれ以上の合計濃度で含むことを意味する。
【0013】
この前後関係において、主になるは、言及する構成要素が、80%またはこれ以上、好ましくは90%またはこれ以上、および最も好ましくは95%またはこれ以上の当該成分(単数または複数)あるいは化合物(単数または複数)を含むことを意味する。
完全になるは、この前後関係において、言及する構成要素が、98%またはこれ以上、好ましくは99%またはこれ以上および最も好ましくは100.0%の当該成分(単数または複数)あるいは化合物(単数または複数)を含むことを意味する。
【0014】
式Iで表される化合物は、好ましくは、従属式I−1〜I−4
【化22】
式中、
R1およびX1は、上記式Iの下に示したそれぞれの意味を有し、好ましくは
R1は、2〜5個のC原子を有するn−アルキルであり、
X1は、−CF3または−OCF3、最も好ましくは−CF3である、
の群から選択される。
【0015】
最も好ましくは、媒体は、従属式I−1およびI−2からなる群から選択された式Iで表される化合物、最も好ましくは式I−1で表される化合物を含む。
特に好ましいのは、式IaおよびIb
【化23】
の群から選択された化合物である。
【0016】
式Iaで表される化合物は、好ましくは、従属式Ia−1〜Ia−4およびIb−1
【化24】
式中、
R1は、上記式Iの下に示された意味を有し、好ましくは2〜5個のC原子を有するn−アルキルである、
の群から選択される。
【0017】
最も好ましくは、媒体は、従属式Ia−1、Ib−1およびIa−2、最も好ましくは式Ia−1およびIb−1および特に式Ia−1の群から選択された式Iaで表される化合物を含む。
好ましい例において、本発明の液晶媒体は、式IIで表される化合物を含み、好ましくは主に式IIで表される化合物からなり、最も好ましくは完全に式IIで表される化合物からなる成分Bを含む。
【0018】
式IIで表される化合物は、好ましくは、従属式II−1〜II−3
【化25】
式中、
R21およびR22は、上記式IIの下に示す意味を有する、
の群から選択される。
【0019】
式II−1〜II−3において、R21は、好ましくはn−アルキルまたは1−E−アルケニルであり、R 22 は、好ましくはn−アルキルまたはアルコキシである。
さらに好ましい態様において、液晶媒体は、好ましくは主に式IIIで表される化合物からなり、最も好ましくは完全に式IIIで表される化合物からなる液晶成分Cを含む。
【0020】
式IIIで表される化合物は、好ましくは、従属式III−1〜III−6
【化26】
式中、
R3は、上記式IIIの下に示した意味を有し、
Y31およびY32は、互いに独立して、HまたはFであり、好ましくはこれらの少なくとも1つがFであり、
X3は、上記式IIIの下に示した意味を有し、好ましくはF、OCF2HまたはOCF3である、
の群から選択される。
【0021】
式III−1〜III−6において、R3は、好ましくはn−アルキルまたは1−E−アルケニルである。
この成分Cは、成分AおよびBに加えて存在することができ、好ましくは存在する。
【0022】
他の好ましい態様において、液晶媒体は、好ましくは主に式IVで表される化合物からなり、最も好ましくは完全に式IVで表される化合物からなる液晶成分Dを含む。
式IVで表される化合物は、好ましくは、従属式IV−1〜IV−7
【化27】
式中、
R41およびR42は、互いに独立して、上記式Iの下にR1について示した意味を有し、
Y4は、HまたはFである、
の群から選択される。
【0023】
式IV−1において、R41は、好ましくはn−アルキルまたは1−E−アルケニルであり、R42は、好ましくはn−アルキルまたはアルコキシである。
式IV−2において、R41は、好ましくはn−アルキルであり、R42は、好ましくはn−アルキルまたはアルコキシである。
式IV−3〜IV−7において、R41は、好ましくはn−アルキルまたはアルケニルであり、R42は、好ましくはn−アルキルである。
【0024】
この成分Dは、成分AおよびBに加えて、および最も好ましくは成分A、BおよびCに加えて存在することができ、好ましくは存在する。
また、上記で特に述べない他のメソゲン性化合物を、本発明の媒体において、随意におよび有益に用いることができる。このような化合物は、分野における専門家に知られている。
【0025】
好ましくは、媒体は、好ましくはR1がn−アルキルであり、好ましくは2〜4個のC原子を有する式I−1で表される1種または2種以上の化合物を含む。
好ましくは、媒体は、好ましくはR21がn−アルキルであり、好ましくは3〜5個のC原子を有し、R22がn−アルコキシであり、好ましくは2〜4個のC原子を有する式II−1で表される1種または2種以上の化合物を含む。
【0026】
好ましくは、媒体は、好ましくはR21がn−アルキルであり、好ましくは3〜5個のC原子を有し、R22がn−アルコキシであり、好ましくは2〜4個のC原子を有し、および/またはR21およびR22がアルコキシである式II−2で表される1種または2種以上の化合物を含む。
好ましくは、媒体は、好ましくはX3がOCF3またはFである式III−3で表される1種または2種以上の化合物を含む。
好ましくは、媒体は、X3がOCF3である式III−3で表される1種または2種以上の化合物を含む。
【0027】
好ましくは、媒体は、式III−3〜III−5の化合物の群、特に好ましくは式III−3およびIII−5の化合物の群、最も好ましくは、X3がFであり、Y 31 がFであり、Y 32 がHまたはF、好ましくはFである、式III−3およびIII−5の各々の1種または2種以上の化合物から選択された1種または2種以上の化合物を含む。
好ましくは、媒体は、式IV−1およびIV−2で表される化合物の群、特に好ましくは式IV−1およびIV−2の各々の1種または2種以上の化合物から選択された1種または2種以上の化合物を含む。
【0028】
成分Aは、好ましくは、全混合物の1〜50%、好ましくは2〜40%、好ましくは3〜30%および最も好ましくは3〜20%の濃度で用いる。
成分Bは、好ましくは、全混合物の1〜80%、好ましくは10〜55%および最も好ましくは25〜45%の濃度で用いる。
成分Cは、好ましくは、全混合物の0〜90%、好ましくは5〜70%および最も好ましくは30〜55%の濃度で用いる。
成分Dは、好ましくは、全混合物の0〜50%、好ましくは1〜40%および最も好ましくは5〜25%の濃度で用いる。
【0029】
本発明の媒体は、物理的特性を調整するために、随意に他の液晶化合物を含むことができる。このような化合物は、専門家に知られている。本発明の媒体中のこれらの濃度は、好ましくは0%〜30%、さらに好ましくは0%〜20%および最も好ましくは5%〜15%である。
好ましくは、液晶媒体は、50%〜100%、さらに好ましくは70%〜100%および最も好ましくは80%〜100%および特に90%〜100%の成分A、B、CおよびDを総合的に含み、これは、好ましくはそれぞれ式I、II、IIIおよびIVで表される1種または2種以上の化合物を含み、好ましくは主にこれらの化合物からなり、最も好ましくは完全にこれらの化合物からなる。
【0030】
本発明の液晶媒体は、80℃またはこれ以上、好ましくは85℃またはこれ以上および特に90℃またはこれ以上の透明点を特徴とする。
本発明の液晶媒体のΔnは、0.11またはこれ以下、好ましくは0.065〜0.100の範囲内、さらに好ましくは0.070〜0.095の範囲内、最も好ましくは0.075〜0.090の範囲内および特に0.085〜0.095の範囲内である。
【0031】
本発明の液晶媒体の1kHzおよび20℃におけるΔεは、2.0またはこれ以上、好ましくは2.5またはこれ以上、最も好ましくは3.0またはこれ以上および特に3.5またはこれ以上である。
好ましくは、本発明の媒体のネマティック相は、少なくとも0℃〜70℃、さらに好ましくは少なくとも−20℃〜70℃、最も好ましくは少なくとも−30℃〜80℃および特に少なくとも−40℃〜90℃にわたり、ここで、少なくともは、好ましくは下限が削除され、一方上限を超えることを意味する。
【0032】
本出願において、用語「誘電的に正の化合物」は、Δε>1.5を有する化合物を記載し、「誘電的に中性の化合物」は、−1.5≦Δε≦1.5を有する化合物であり、「誘電的に負の化合物」は、Δε<−1.5を有する化合物である。同一のことが、成分についても保持される。Δεは、1kHzおよび20℃で決定する。化合物の誘電異方性は、ネマティックホスト混合物中の個別の化合物の10%の溶液の結果から決定する。これらの試験混合物の容量は、ホメオトロピックを有するセルおよび均一な配向を有するセルの両方において決定される。両方のタイプのセルのギャップは、約10μmである。印加された電圧は、1kHzの周波数および代表的には0.5V〜1.0Vの2乗平均平方根を有する矩形波であるが、これを、常に、それぞれの試験混合物の容量性しきい値より低く選択する。
【0033】
誘電的に正の化合物について、混合物ZLI−4792並びに誘電的に中性のおよび誘電的に負の化合物について、混合物ZLI−3086(共にMerck KGaA, Germany)を、それぞれホスト混合物として用いる。化合物の誘電率は、注目する化合物の添加によるホスト混合物のそれぞれの値の変化から決定し、100%の関連する化合物の濃度に外挿する。
従って、20℃の測定温度においてネマティック相を有する成分を測定し、他のすべてのものを化合物と同様に処理する。
【0034】
共に、他に特に述べなければ、用語「しきい値電圧」は、本出願において、光学的しきい値を意味し、10%相対的コントラスト(V10)について与えられ、用語「飽和電圧」は、光学的飽和を意味し、90%相対的コントラスト(V90)について与えられる。容量性しきい値電圧(V0、またフレデリクスしきい値VFrと呼ぶ)は、特に述べない場合にのみ用いる。
本出願において示すパラメーターの範囲は、すべて、他に特に述べなければ、限界値を含む。
【0035】
本出願を通じて、他に特に述べなければ、すべての濃度を、質量パーセントで示し、それぞれの完全な混合物に関し、すべての温度を、摂氏度(セルシウス)で示し、すべての温度の差を、摂氏度で示す。すべての物理的特性を、"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", Status Nov. 1997, Merck KGaA, Germanyに従って決定しており、および決定し、他に特に述べなければ、20℃の温度について示す。光学異方性(Δn)を、589.3nmの波長において決定する。誘電異方性(Δε)を、1kHzの周波数において決定する。しきい値電圧およびすべての他の電気光学的特性を、Merck KGaA, Germanyにおいて準備した試験セルを用いて決定した。Δεの決定のための試験セルは、22μmのセルギャップを有していた。電極は、1.13cm2の面積および保護環を有する円形ITO電極であった。配向膜は、ホメオトロピック配向(ε‖)についてレシチンおよび均一配向(ε⊥)について日本合成ゴムからのポリイミドAL−1054であった。容量を、0.3Vrmsの電圧を有する正弦波を用いて、周波数応答分析装置ソラトロン(Solatron)1260で、決定した。電気光学的測定において用いた光は、白色光であった。用いた構成は、日本国Otsukaの市場で入手できる装置であった。特性電圧を、垂直観察の下で決定した。しきい値(V10)−中間灰色(mid grey)(V50)−および飽和(V90)電圧を、それぞれ10%、50%および90%相対的コントラストについて決定した。
【0036】
本発明の液晶媒体は、他の添加物およびキラルなドーパントを、通常の濃度で含むことができる。これらの他の構成成分の合計濃度は、全体の混合物を基準として、0%〜10%、好ましくは0.1%〜6%の範囲内である。用いる個別の化合物の濃度は、各々、好ましくは、0.1%〜3%の範囲内である。これらのおよび同様の添加物の濃度は、本出願中の液晶媒体の液晶成分および化合物の濃度の数値および範囲について考慮しない。
【0037】
本発明の新規な液晶媒体は、数種の化合物、好ましくは3〜30種、一層好ましくは8〜20種および最も好ましくは10〜16種の化合物からなる。これらの化合物を、従来の方法で混合する。原則として、所要量の小さい方の量で用いる化合物を、大きい方の量で用いる化合物に溶解する。温度が、高い方の濃度で用いる化合物の透明点を超える場合には、溶解の過程の完了を観察することは、特に容易である。しかし、媒体を、他の従来の方法により、例えば、例えば化合物の同族体または共融混合物であることができる、いわゆる予備混合物を用いて、または構成成分がこれら自体の混合物を用いることができる状態にある、いわゆるマルチボトル系を用いて、調製することも可能である。
【0038】
適切な添加物を加えることにより、本発明の液晶媒体を、液晶媒体、例えばTN−、TN−AMD、ECB−AMD、VAN−AMD、IPSおよびOCB LCDをそれ自体用いて、および特に複合系、例えばPDLC、NCAP、PNLCDおよび特にASM−PA LCDにおいて、これらをすべての既知のタイプの液晶ディスプレイにおいて使用可能であるように、変更することができる。
液晶の融点T(C,N)、スメクティック相(S)からネマティック相(N)への転移T(S,N)および透明点T(N,I)を、摂氏度で示す。
【0039】
本出願および特に以下の例において、液晶化合物の構造を、また頭文字と呼ぶ略語により表す。略語の対応する構造への変換は、以下の2つの表AおよびBに従って直接的である。すべての基CnH2n+1およびCmH2m+1は、それぞれn個およびm個のC原子を有する直鎖状アルキル基である。表Bの解釈は、自明である。表Aは、構造の中心部についての略語を列挙するのみである。個別の化合物は、ハイフンが続く中心部の略語により示され、置換基R1、R2、L1およびL2を特定するコードが続く:
【0040】
【表1】
【0041】
表A:
【化28】
【0042】
【化29】
【0043】
【化30】
【0044】
【化31】
【0045】
本発明の液晶媒体は、好ましくは、
−7種または8種以上、好ましくは8種または9種以上の、好ましくは表AおよびBの化合物の群から選択された異なる式で表される化合物および/または
−3種または4種以上、好ましくは4種または5種以上の、好ましくは表Aの化合物の群から選択された異なる式で表される化合物および/または
−2種または3種以上、好ましくは3種または4種以上の、好ましくは表Bの化合物の群から選択された異なる式で表される化合物
を含む。
【0046】
【実施例】
以下に示す例は、本発明を、これをいかなる方法によっても限定せずに、例示する。
しかし、物理的特性組成は、いずれの特性を達成することができ、いずれの範囲においてこれらを修正することができるかを、専門家に例示する。特に、従って、好ましく達成することができる種々の特性の組み合わせを、専門家に十分に定義する。
【0047】
例1
以下の表に示す組成および特性を有する液晶混合物を、実現した。
【0048】
【表2】
【0049】
この混合物は、Δnの好ましく低い値およびε‖/ε⊥の特に低い値を有する。
【0050】
比較例1
以下の表に示す組成および特性を有する液晶混合物を、実現した。
【0051】
【表3】
【0052】
この混合物は、Δnの比較的高い値およびε‖/ε⊥のいくらか高い値を有する。
比較例2
以下の表に示す組成および特性を有する液晶混合物を、実現した。
【0053】
【表4】
【0054】
この混合物は、Δnの比較的高い値およびε‖/ε⊥のいくらか高い値を有する。
【0055】
比較例3
以下の表に示す組成および特性を有する液晶混合物を、実現した。
【0056】
【表5】
【0057】
この混合物は、Δnの比較的高い値およびε‖/ε⊥のいくらか高い値を有する。
【0058】
比較例4
以下の表に示す組成および特性を有する液晶混合物を、実現した。
【0059】
【表6】
【0060】
この混合物は、Δnの比較的高い値およびε‖/ε⊥のいくらか高い値を有する。
Claims (10)
- 1種または2種以上の式Iで表される誘電的に正の化合物を含む誘電的に正の成分Aを2〜30%および1種または2種以上の式IIで表される誘電的に負の化合物を含む誘電的に負の成分B
R1、R21およびR22は、互いに独立して、1〜7個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシ、2〜7個のC原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ素化アルケニルであり、
X1は、1〜4個のC原子を有するフッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシであり、
Z21およびZ22は、互いに独立して、−CH2CH2−、−COO−、トランス−CH=CH−、トランス−−CF=CF−、−CH2O−、−CF2O−または単結合であり、
L21およびL22は、互いに独立して、C−FまたはNであり、
mは、0または1である、
を含むことを特徴とする、液晶媒体。 - 成分Cおよび成分Dを共に含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の液晶媒体を含むことを特徴とする、液晶ディスプレイ。
- アクティブマトリックスによりアドレスされることを特徴とする、請求項8に記載の液晶ディスプレイ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の液晶媒体の、液晶ディスプレイにおける使用。
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