JP2002258258A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JP2002258258A
JP2002258258A JP2001059395A JP2001059395A JP2002258258A JP 2002258258 A JP2002258258 A JP 2002258258A JP 2001059395 A JP2001059395 A JP 2001059395A JP 2001059395 A JP2001059395 A JP 2001059395A JP 2002258258 A JP2002258258 A JP 2002258258A
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Hiroyuki Kitayama
宏之 北山
Tomonari Horikiri
智成 堀切
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 階調表示が可能で且つ該階調表示の良好なメ
モリー性を備えた液晶素子を構成する。 【解決手段】 基板上に電極と垂直配向膜を形成した一
対の基板を該垂直配向膜を対向させて配置し、その間隙
に、二周波駆動液晶と両親媒性ゲル化剤とを含む液晶組
成物を挟持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ディスプレイ
を構成する表示素子、光シャッター等の液晶素子に関
し、特にメモリー性を有する液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表示素子、光シャッター等の液晶
素子に関する研究開発が盛んに行われている。中でも、
液晶素子を用いたディスプレイは低消費電力の薄型表示
素子の一形態として活発に研究開発が行われている。
【0003】液晶素子の一つとして、特開平11−52
341号公報には液晶化合物とゲル化剤とからなる液晶
組成物を用いた素子が開示されている。この液晶素子
は、液晶化合物とゲル化剤との混合物を加熱して基板上
に塗布、冷却するだけで基板上に液晶ゲル層を形成する
ことができるため、製造工程に通常用いられる液晶のセ
ルへの注入工程が不要であり、また、低い駆動電圧で駆
動できるため、汎用の駆動回路を用いることが可能であ
るという利点がある。
【0004】しかしながら、上記液晶素子にはメモリー
性がなく、一度表示した状態を維持するには、素子に電
圧を連続して印加し続ける必要がある。さらに、階調表
示については当該公報には記載がない。
【0005】また、液晶を高分子化合物層内に分散させ
た高分子分散型液晶を用いた液晶素子が知られており、
その液晶として二周波駆動液晶を用い、特定の高分子材
料と組み合わせることで、透明状態と不透明状態とのス
イッチングを周波数の異なる印加電圧の切換で行い、且
つ、それら2状態を印加電圧除去後も維持可能なメモリ
ー機能を発現させた液晶素子が知られている(特開平9
−120058号公報、第22回液晶討論会講演、3D
10、p.399参照)。
【0006】しかしながら、これらの素子は製造時に高
分子化合物前駆体の光重合を行うため、露光工程が必要
であり、製造工程が複雑であるという問題を有してい
る。
【0007】またさらに、二周波駆動液晶中に、該液晶
との親和性を示す扁平形状の粒子を該液晶のドメインを
有効に形成させる程度の密度に分散させた液晶組成物を
用いた液晶素子も知られている(特開平8−26945
3号公報、第21回液晶討論会講演、3D12、p.4
24)。上記扁平形状の粒子は、液晶分子の配向にメモ
リー性を持たせるために用いられたもので、電界により
自ら、或いは、液晶に追従して、配向変化または表面状
態の変化を起こし、電界を切った後もその配向や状態を
維持する。しかしながら、当該液晶素子の階調表示につ
いては不明である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、良好
なメモリー性を有し、且つ、階調表示が可能な液晶素子
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いに対向し
且つ対向面に垂直配向膜を備えた一対の基板と、該基板
間に挟持された液晶組成物と、該液晶組成物を駆動する
ための電極とを備えた液晶素子であって、上記液晶組成
物が、印加電圧の周波数に応じて誘電異方性の符号が異
なる二周波駆動液晶と、分子中に疎水基、親水基、及
び、分子間相互作用を発現する基を少なくとも有する自
己組織性化合物である両親媒性ゲル化剤とを少なくとも
含有することを特徴とする。
【0010】本発明の液晶素子においては、下記の構成
を好ましい態様として含むものである。上記液晶組成物
中における両親媒性ゲル化剤の含有量が、二周波駆動液
晶100重量部に対して0.01〜4重量部である。上
記両親媒性ゲル化剤が、親水基として、水酸基及びその
金属塩、カルボキシル基及びその金属塩から選択される
少なくとも一つを有する。上記両親媒性ゲル化剤が、分
子間相互作用を発現する基として、アミド基、カルボキ
シル基、アンモニウム基から選択される少なくとも一つ
を有する。上記両親媒性ゲル化剤が疎水基と親水基とを
有するアミノ酸誘導体である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶素子について
詳細に説明する。
【0012】本発明の液晶素子の特徴は、二周波駆動液
晶に両親媒性ゲル化剤を添加して用いることにある。本
発明で用いる両親媒性ゲル化剤は、水素結合や配位結合
等の分子間力を駆動力にして繊維状会合体(凝集体)を
形成するという自己組織性を有し、少量の添加で液晶を
ゲル化することができる。また、両親媒性、即ち親水性
と疎水性とを有することにより、上記繊維状会合体が棒
状ミセル体を形成していると考えられ、二周波駆動のよ
うな液晶分子の短軸方向に極性基を多く持つ化合物と相
溶性が良い。
【0013】図1に、本発明の液晶素子の液晶組成物層
内の様子を模式的に示す。図中、1は両親媒性ゲル化剤
の繊維状会合体、2は二周波駆動液晶分子を示す。
【0014】本発明の液晶素子においては、液晶組成物
層に接する基板表面に垂直配向膜が設けられているた
め、当該液晶組成物を構成する二周波駆動液晶の誘電異
方性の符号が変わる所定の周波数(クロス・オーバー周
波数)よりも低周波数の電圧を印加した場合には液晶分
子2は垂直配向し、高周波数の電圧を印加した場合には
液晶分子2は水平配向する。ここで、印加電圧を除去す
ると液晶分子2は全て垂直配向に戻る。
【0015】一方、両親媒性ゲル化剤は図1(a)の繊
維状会合体1を形成しており、交流電圧印加による刺激
により、(b)、(c)のような密度の高い新たな繊維
状会合体1を形成し、該印加電圧を除去しても(b)、
(c)の密度の高い該繊維状会合体1の構造が凍結され
保持されるメモリー機能を有する。このように、印加電
圧の周波数を変化させることにより、両親媒性ゲル化剤
の凝集と分散が生じ、印加電圧の除去後に該印加電圧の
周波数の値に対応した様々な繊維状会合体が保持される
(この効果を「凝集・分散のメモリー効果」と称する)
ため、この効果を利用して連続的な階調表示が可能とな
る。
【0016】図1において、(a)はクロス・オーバー
周波数よりも低周波数の電圧を印加した後、該電圧を除
去した状態、(b)はクロス・オーバー周波数付近の電
圧を印加した後、該電圧を除去した状態、(c)はクロ
ス・オーバー周波数よりも高周波の電圧を印加した後、
該電圧を除去した状態を示す。図1に示すように、印加
した電圧の周波数に応じた繊維状会合体1が形成され、
印加電圧除去後も該繊維状会合体1の構造がメモリーさ
れる。
【0017】以上のメカニズムの詳細は不明であるが、
液晶の誘電異方性(Δε)の大きさや、周波数による符
号の変化、液晶と両親媒性ゲル化剤のイオン量の値と両
分子の配向状態の変化(電圧無印加時には垂直配向、電
圧印加時には周波数に応じて垂直配向、DS(動的散
乱)モード、水平配向(シュリーレン組織)と液晶の配
向状態が変化することによる、ゲル化剤分子の凝集と分
散への寄与など)が密接に相関しているものと考えられ
る。本発明におけるメモリー効果は、水平配向膜を用い
た素子や、Δε>0のネマチック液晶を用いた素子では
得られなかった。
【0018】本発明において用いられる両親媒性ゲル化
剤は自己組織性化合物であり、分子中に親水基、疎水
基、及び水素結合や配位結合のような分子間相互作用を
発現する基を少なくとも有している。これらの基の結合
態様、及び各基の数は特定されない。親水基をA、分子
間相互作用を発現する基をB、疎水基をCとすると、例
えばA−B−C、A−C−B、A−B−C−A、A−B
−C−B、A−B−A−C、A−B−A−B−C、C−
B−A−C、C−B−A−B−C、A−B−C−B−A
などが挙げられ、好ましくは、分子の一方の末端がA、
他方の末端がCである。
【0019】以下、親水基、分子間相互作用を発現させ
る基、疎水基について説明する。
【0020】本発明に用いられる両親媒性ゲル化剤に含
まれる親水基としては、イオン結合を発生させる基であ
り、具体的には、水酸基、カルボキシル基、水酸化塩、
カルボキシル塩、スルホン酸塩、アンモニウム塩、りん
酸塩が挙げられ、中でも、水酸基及びその金属塩、カル
ボキシル基及びその金属塩が好ましい。また、電解質に
含有されているイオンであれば良く、特に限定されな
い。
【0021】本発明に用いられる両親媒性ゲル化剤に含
まれる分子間相互作用を発現させる基は、少なくともゲ
ル化剤分子同士の分子間相互作用を発現させるが、液晶
分子とゲル化剤分子との間で相互作用を発現させても良
い。好ましくは、水素結合性を有する基であり、具体的
には、アミド基、カルボキシル基、アンモニウム基を少
なくとも一つ以上有する基が好ましく、より具体的に
は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン
酸、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、
システイン等のアミノ酸、尿素、グルコアミドなどから
誘導される基が好ましい。中でも、バリン、ロイシン、
グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルコアミ
ドが好ましく用いられ、これらは同種或いは異種の二量
体以上でも良い。よって、本発明において用いられる両
親媒性ゲル化剤としては、親水基と疎水基とを有するア
ミノ酸誘導体が好ましく用いられる。
【0022】本発明に用いられる両親媒性ゲル化剤に含
まれる疎水基としては、水素、炭素数1〜29からなる
直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基が挙げら
れる。具体的には、直鎖脂肪族炭化水素基としては、ノ
ニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデ
シル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル
基、ヘプタデシル基、ステアリル基、アラキジル基、ド
コサノイル基、トリコシル基、テトラコシル基、ヘキサ
コシル基、トリアコンシル基等が、分岐脂肪族炭化水素
基としては、3,5,5−トリメチルヘキシル基、2−
ヘキシルデシル基、2−メチルヘキサデシル基等を例と
して挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。また、これら置換基を1個以上備えていれば良
く、別種類の置換基を有していても良い(例えば、分子
間相互作用を発現させる基としてアスパラギン酸のよう
なジカルボン酸に結合させる場合、ウンデシル基とステ
アリル基とをそれぞれのカルボン酸に結合させる)。
【0023】また、上記親水基と分子間相互作用を発現
させる基との間に上記炭化水素基を結合させることによ
り、分子間相互作用を発現させる基と上記親水基との距
離を置いて、それぞれの機能を十分に発揮させることが
できる。また、同時に、分子間相互作用の向上により耐
熱性も向上する。
【0024】本発明において液晶組成物に添加する両親
媒性ゲル化剤は1種類でも2種類以上を混合して用いて
も良い。本発明で好ましく用いられる両親媒性ゲル化剤
の具体例を下記に示す。
【0025】
【化1】
【0026】本発明で用いられる二周波駆動液晶は、印
加電圧の周波数により誘電異方性(Δε)の符号が異な
る液晶であり、例えば低周波数の電圧印加により電界方
向とは平行に配向し、高周波数の電圧印加により電界方
向とは直交する方向に配向する。本発明において好まし
く用いられる二周波駆動液晶として具体的には、2,3
−ジシアノ−4−ペンチルオキシフェニル−4−(トラ
ンス−4−エチルシクロヘキシル)ベンゾアート、2,
3−ジシアノ−4−ペンチルオキシフェニル−トランス
−4−プロピル−1−シクロヘキサンカルボキシラー
ト、2,3−ジシアノ−4−エトキシフェニル−4−
(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾアー
ト、2,3−ジシアノ−4−エトキシフェニル−4−
(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)ベンゾアー
ト、2,3−ジシアノ−4−ブトキシフェニル−4−
(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)ベンゾアート
等の低分子液晶を1種もしくは2種以上の混合物として
用いることができる。また、液晶材料はネマチック性ま
たはコレステリック性を示すものが好ましく用いられる
が、スメクチック性の材料であっても、上記したように
周波数により誘電異方性の符号が異なる液晶であれば本
発明に用いることができる。
【0027】本発明において、上記二周波駆動液晶と両
親媒性ゲル化剤の混合割合としては、それぞれの材料の
種類にもよるが、二周波駆動液晶100重量部に対して
両親媒性ゲル化剤0.01〜4重量部が好ましく、より
好ましくは0.1〜1重量部である。液晶に対してゲル
化剤が多すぎると、メモリー機能が発現しにくくなり、
逆にゲル化剤が少なすぎると該ゲル化剤の凝集・分散が
起こりづらくなり、十分な階調表示が困難となる。
【0028】図2に、本発明の液晶素子の一実施形態の
断面模式図を示す。図中、11a、11bは基板、12
a、12bは電極、13a、13bは垂直配向膜、14
は液晶組成物層である。
【0029】本発明において、基板11a、11bは少
なくとも一方が透明であり、材質はガラス・石英等の硬
質材料の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート
(PC)等ようなフレキシブルな材質のものも用いるこ
とができる。また、両基板の内側表面にはそれぞれ電極
12a、12bが蒸着法、スパッタリング法などにより
適宜の形状に形成されている。基板11a、11bが透
明な場合には、その上に形成される電極にはITO(イ
ンジウム・チン・オキサイド)等の透明導電材を用いる
ことができる。また、電極12a、12bのいずれか一
方を不透明な材質で形成することも可能であり、例とし
て、Al、Pt、Au、Ti等の金属及びこれらの合金
が挙げられる。
【0030】本発明において、基板11a、11bのそ
れぞれの液晶組成物層14に接する表面には垂直配向膜
13a、13bが形成されており、該垂直配向膜13
a、13bにはアルキルアンモニウム塩やポリイミド等
からなる垂直配向剤の薄膜や酸化ケイ素の薄膜が好まし
く用いられる。
【0031】
【実施例】両親媒性ゲル化剤として、前記した化合物
(1)においてX=Brとした化合物を用い、二周波駆
動液晶(混合物)としてチッソ社製「DF01XX」を
用いた。二周波駆動液晶100重量部に対して、上記両
親媒性ゲル化剤を0、0.1、0.5、1.0、5.
0、10.0重量部混合し、クロロホルムに溶解させた
後、超音波処理して液晶組成物溶液を調製し、該溶液の
溶媒を留去して液晶組成物を得た。
【0032】ガラス基板上に電極として膜厚0.03μ
mのITO膜を形成し、さらにその上にセチルトリメチ
ルアンモニウムブロマイドを用いて垂直配向膜を形成し
た一対の基板を、間隔が0.7μmとなるように対向さ
せて貼り合わせたセル(イー・エッチ・イー社製)に、
上記液晶組成物を110℃に加熱して毛細管現象により
注入し、室温まで冷却することにより液晶素子を得た。
【0033】得られた液晶素子を偏光顕微鏡(オリンパ
ス社製「BH−2」)のステージにセットし、偏光板を
クロスニコル状態にして、上記素子に種々の矩形波電圧
を印加して凝集・分散のメモリー効果を目視で観察し
た。印加した矩形波電圧を両極性の40Vとした時の結
果を下記表に示す。観察時の温度は25℃であった。
【0034】
【表1】
【0035】上記したように、適量の両親媒性ゲル化剤
を添加することにより、凝集・分散のメモリー効果が得
られた。図3〜図5に、両親媒性ゲル化剤の添加量が1
重量部の場合の偏光顕微鏡写真を示す。それぞれ両極性
40Vの矩形波電圧を周波数1kHz(図3)、27k
Hz(図4)、30kHz(図5)で数秒間印加し、そ
の後、該電圧を除去した後の写真である。図3は垂直配
向、図4はDS(動的散乱)モード、図5はシュリーレ
ン組織の水平配向がそれぞれ凍結されてメモリーされて
いることがわかる。即ち、図3では、両親媒性ゲル化剤
の凝集がほとんど起こらず、該ゲル化剤が液晶中に均一
に分散されていると考えられる。この状態は周波数が1
kHz〜数kHzでも実現できた。また図4では、矩形
波電圧印加中のDSモードの効果によって、該電圧印加
後にある程度のゲル化剤自身の凝集が起こり、このこと
によって光の散乱が生じていると考えられる。さらに図
5では、矩形波電圧印加中はシュリーレン組織となって
液晶はほぼ水平配向しており、該電圧除去後にゲル化剤
の凝集がかなりの程度で起こっていることがわかる。こ
の状態は周波数が30kHz〜数100kHzでも実現
できた。
【0036】これら図3〜図5の状態の光透過率を測定
したところ、30kHzの矩形波電圧印加時の水平配向
の透過率を100%、1kHzの矩形波電圧印加時の垂
直配向の透過率を0%とすると、図3は2%、図4は4
6%、図5は90%となった。他の周波数の電圧を印加
した場合については目視により連続的な階調表示ができ
ることを確認した。このように、矩形波電圧の周波数の
値に応じて、光透過率が連続的に変化し、特に、1kH
z〜30kHzの周波数変化時に優れた階調表示が可能
である。また、両親媒性ゲル化剤の添加量が0.1重量
部、0.5重量部の素子についても、同様の結果が得ら
れ、階調表示が可能であることがわかった。
【0037】比較例として、二周波駆動液晶の代わりに
アクティブマトリクス用ネマチック液晶(メルク社製
「TL−216」、Δε>0)を用い、該液晶100重
量部に対して両親媒性ゲル化剤を0.3重量部添加する
以外は上記実施例と同様にして液晶素子を作製し、偏光
顕微鏡にて観察したところ、矩形波電圧印加中は、数1
0Hz〜数100kHzのいずれの周波数領域でも垂直
配向となり、当然ながらDSモードが存在せず、メモリ
ー効果は得られなかった。
【0038】さらに、別の比較例として、垂直配向膜の
代わりにポリイミド被膜をラビング処理した水平配向膜
を用いた以外は上記実施例と同様にして両親媒性ゲル化
剤が種々の添加量の液晶素子を作製し、偏光顕微鏡にて
観察したところ、全ての素子において凝集・散乱のメモ
リー効果が発現せず、矩形波電圧印加後はモザイク状の
水平配向となった。即ち、本発明において垂直配向膜が
必要条件であることがわかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば印
加電圧の周波数により良好な階調表示が可能で、且つ該
階調表示が印加電圧除去後も保持されるメモリー効果を
有するい液晶素子が実現し、低電圧で高画質な画像表示
が可能な表示素子の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の液晶組成物層における液晶
分子と両親媒性ゲル化剤の繊維状会合体を模式的に示す
図である。
【図2】本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図で
ある。
【図3】本発明の実施例の液晶素子の凝集・散乱のメモ
リー効果を示す偏光顕微鏡写真である。
【図4】本発明の実施例の液晶素子の図3とは異なる周
波数の電圧印加による凝集・散乱のメモリー効果を示す
偏光顕微鏡写真である。
【図5】本発明の実施例の液晶素子の図3、図4とは異
なる周波数の電圧印加による凝集・散乱のメモリー効果
を示す偏光顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 繊維状会合体 2 液晶分子 11a、11b 基板 12a、12b 電極 13a、13b 垂直配向膜 14 液晶組成物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/137 G02F 1/137 Fターム(参考) 2H088 GA02 GA03 GA04 GA10 GA11 HA03 JA02 JA04 MA13 MA20 2H089 HA04 JA02 KA19 QA16 RA02 RA04 TA04 2H090 KA02 KA11 MA01 2H093 NA11 NA17 NA51 ND06 ND60 NE04 NF11 4H027 BA01 BA02 BE03 CL05 CP05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向し且つ対向面に垂直配向膜を
    備えた一対の基板と、該基板間に挟持された液晶組成物
    と、該液晶組成物を駆動するための電極とを備えた液晶
    素子であって、上記液晶組成物が、印加電圧の周波数に
    応じて誘電異方性の符号が異なる二周波駆動液晶と、分
    子中に疎水基、親水基、及び、分子間相互作用を発現す
    る基を少なくとも有する自己組織性化合物である両親媒
    性ゲル化剤とを少なくとも含有することを特徴とする液
    晶素子。
  2. 【請求項2】 上記液晶組成物中における両親媒性ゲル
    化剤の含有量が、二周波駆動液晶100重量部に対して
    0.01〜4重量部である請求項1に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 上記両親媒性ゲル化剤が、親水基とし
    て、水酸基及びその金属塩、カルボキシル基及びその金
    属塩から選択される少なくとも一つを有する請求項1ま
    たは2に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 上記両親媒性ゲル化剤が、分子間相互作
    用を発現する基として、アミド基、カルボキシル基、ア
    ンモニウム基から選択される少なくとも一つを有する請
    求項1〜3のいずれかに記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 上記両親媒性ゲル化剤が疎水基と親水基
    とを有するアミノ酸誘導体である請求項1〜4のいずれ
    かに記載の液晶素子。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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