JPH07306421A - 強誘電性液晶素子 - Google Patents
強誘電性液晶素子Info
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- JPH07306421A JPH07306421A JP11769095A JP11769095A JPH07306421A JP H07306421 A JPH07306421 A JP H07306421A JP 11769095 A JP11769095 A JP 11769095A JP 11769095 A JP11769095 A JP 11769095A JP H07306421 A JPH07306421 A JP H07306421A
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- liquid crystal
- ferroelectric liquid
- phase
- substrates
- crystal device
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 均一配向性に優れた、高コントラストの強誘
電性液晶素子を提供する。 【構成】 一対の基板上に互に交差した透明電極及び少
なくとも一方の基板上の該透明電極上に一軸性を有する
高分子液晶膜を形成し、該一対の基板間に強誘電性液晶
のらせん構造を解除するのに十分に薄い膜厚に設定した
強誘電性液晶を配置した強誘電性液晶素子において、前
記強誘電性液晶がカイラルスメクチック液晶であって、
かつカイラルスメクチック相より高温においてスメクチ
ックA相を有していない強誘電性液晶素子。
電性液晶素子を提供する。 【構成】 一対の基板上に互に交差した透明電極及び少
なくとも一方の基板上の該透明電極上に一軸性を有する
高分子液晶膜を形成し、該一対の基板間に強誘電性液晶
のらせん構造を解除するのに十分に薄い膜厚に設定した
強誘電性液晶を配置した強誘電性液晶素子において、前
記強誘電性液晶がカイラルスメクチック液晶であって、
かつカイラルスメクチック相より高温においてスメクチ
ックA相を有していない強誘電性液晶素子。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電性液晶素子に関
し、詳しくは高コントラストで、表示品位の高い表示を
可能にした強誘電性液晶素子に関する。
し、詳しくは高コントラストで、表示品位の高い表示を
可能にした強誘電性液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、双安定性を有する液晶素子の使用
がクラーク(Clark)およびラガウエル(Lage
rwall)により提案されている(特開昭56−10
7216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。この双安定性を有する液晶素子としては、一般
に、カイラルスメクチックC相(SmC* )又はH相
(SmH* )を有する強誘電性液晶が用いられている。
がクラーク(Clark)およびラガウエル(Lage
rwall)により提案されている(特開昭56−10
7216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。この双安定性を有する液晶素子としては、一般
に、カイラルスメクチックC相(SmC* )又はH相
(SmH* )を有する強誘電性液晶が用いられている。
【0003】この強誘電性液晶は、電界に対して第1の
光学的安定状態と第2の光学的安定状態からなる双安定
状態を有し、従って従来のTN型の液晶が用いられてい
た光学変調素子とは異なり、例えば一方の電界ベクトル
に対して第1の光学的安定状態に液晶が配向され、他方
の電界ベクトルに対しては第2の光学的安定状態に液晶
が配向される。
光学的安定状態と第2の光学的安定状態からなる双安定
状態を有し、従って従来のTN型の液晶が用いられてい
た光学変調素子とは異なり、例えば一方の電界ベクトル
に対して第1の光学的安定状態に液晶が配向され、他方
の電界ベクトルに対しては第2の光学的安定状態に液晶
が配向される。
【0004】また、この型の液晶は、加えられる電界に
応答して、極めて速やかに上記2つの安定状態のいずれ
かを取り、且つ電界の印加のないときはその状態を維持
する性質を有する。このような性質を利用することによ
り、上述した従来のTN型素子の問題点の多くに対し
て、かなりの本質的な改善が得られる。
応答して、極めて速やかに上記2つの安定状態のいずれ
かを取り、且つ電界の印加のないときはその状態を維持
する性質を有する。このような性質を利用することによ
り、上述した従来のTN型素子の問題点の多くに対し
て、かなりの本質的な改善が得られる。
【0005】前述した強誘電性液晶は、配向性能を得る
上で、基板表面に一軸性の配向処理を施す方法が知られ
ている。この一軸性の配向処理法としては、基板表面を
ビーロード、布や紙で一方向にラビングする方法あるい
は基板表面に SiOやSiO2を斜方蒸着する方法などが挙げ
られる。
上で、基板表面に一軸性の配向処理を施す方法が知られ
ている。この一軸性の配向処理法としては、基板表面を
ビーロード、布や紙で一方向にラビングする方法あるい
は基板表面に SiOやSiO2を斜方蒸着する方法などが挙げ
られる。
【0006】さらに、最近では、一軸配向性を有する高
分子液晶を配向膜として用いることが提案されており、
前述した配向処理方法に比べて、強誘電性液晶の均一配
向性が向上する利点を有することが報告されている。
分子液晶を配向膜として用いることが提案されており、
前述した配向処理方法に比べて、強誘電性液晶の均一配
向性が向上する利点を有することが報告されている。
【0007】また、液晶材料に着目すると、以下の
(I)式に示す様な相系列を示す材料において、一軸配
向性が著しく向上することが報告されており、強誘電性
液晶素子において広く用いられている。
(I)式に示す様な相系列を示す材料において、一軸配
向性が著しく向上することが報告されており、強誘電性
液晶素子において広く用いられている。
【0008】
【数1】
【0009】式中、Chはコレステリック相、SmAは
スメクチックA相、SmC* はカイラルスメクチックC
相を示す。
スメクチックA相、SmC* はカイラルスメクチックC
相を示す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た高分子液晶膜と(I)式の相系列を有する強誘電性液
晶を組み合わせ、強誘電性液晶の電気光学効果により光
のON,OFFを行う高コントラストの強誘電性液晶素
子を得ようとする場合、以下のような欠点があった。
た高分子液晶膜と(I)式の相系列を有する強誘電性液
晶を組み合わせ、強誘電性液晶の電気光学効果により光
のON,OFFを行う高コントラストの強誘電性液晶素
子を得ようとする場合、以下のような欠点があった。
【0011】即ち、従来の透過形強誘電性液晶素子の如
く、液晶セルの外側に、互いにクロスニコルの関係にあ
る一対の偏光板を配置し、その一方の偏光板の偏光軸
を、双安定性を有し、且つ(I)式で示される相系列を
有する強誘電性液晶分子のいずれか一方の分子軸に一致
させた構成からなり、かつ前記高分子液晶膜を配向膜と
して用いた強誘電性液晶素子においては、後述の図3で
説明する様に、光を遮断する状態(「暗」状態)を得る
ことが困難であった。
く、液晶セルの外側に、互いにクロスニコルの関係にあ
る一対の偏光板を配置し、その一方の偏光板の偏光軸
を、双安定性を有し、且つ(I)式で示される相系列を
有する強誘電性液晶分子のいずれか一方の分子軸に一致
させた構成からなり、かつ前記高分子液晶膜を配向膜と
して用いた強誘電性液晶素子においては、後述の図3で
説明する様に、光を遮断する状態(「暗」状態)を得る
ことが困難であった。
【0012】本発明は、この様な従来技術の欠点を改善
するためになされたものであり、高分子液晶膜を配向膜
として用いた強誘電性液晶素子において、良好な光学的
「明」および「暗」状態を得ることが可能な高コントラ
ストの液晶素子を提供することを目的とするものであ
る。
するためになされたものであり、高分子液晶膜を配向膜
として用いた強誘電性液晶素子において、良好な光学的
「明」および「暗」状態を得ることが可能な高コントラ
ストの液晶素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一対の
基板上に互に交差した透明電極及び少なくとも一方の基
板上の該透明電極上に一軸性を有する高分子液晶膜を形
成し、該一対の基板間に強誘電性液晶のらせん構造を解
除するのに十分に薄い膜厚に設定した強誘電性液晶を配
置した強誘電性液晶素子において、前記強誘電性液晶が
カイラルスメクチック液晶であって、かつカイラルスメ
クチック相より高温においてスメクチックA相を有して
いないことを特徴とする強誘電性液晶素子である。
基板上に互に交差した透明電極及び少なくとも一方の基
板上の該透明電極上に一軸性を有する高分子液晶膜を形
成し、該一対の基板間に強誘電性液晶のらせん構造を解
除するのに十分に薄い膜厚に設定した強誘電性液晶を配
置した強誘電性液晶素子において、前記強誘電性液晶が
カイラルスメクチック液晶であって、かつカイラルスメ
クチック相より高温においてスメクチックA相を有して
いないことを特徴とする強誘電性液晶素子である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、少なくとも一方の基板に形成された透明電極
と高分子液晶膜の間に一軸配向処理を施された配向膜が
形成され、また一軸配向処理がラビング処理であること
が好ましい。
おいては、少なくとも一方の基板に形成された透明電極
と高分子液晶膜の間に一軸配向処理を施された配向膜が
形成され、また一軸配向処理がラビング処理であること
が好ましい。
【0015】また、液晶素子は、偏光軸が互いにクロス
ニコルの関係にある一対の偏光子を有しており、かつ一
方の偏光子の偏光軸方向が前記一軸配向処理における軸
方向に実質的に一致していることが好ましい。本発明に
おいて用いられる強誘電性液晶はカイラルスメクチック
相より高温においてコレステリック相を有するものが好
ましい。
ニコルの関係にある一対の偏光子を有しており、かつ一
方の偏光子の偏光軸方向が前記一軸配向処理における軸
方向に実質的に一致していることが好ましい。本発明に
おいて用いられる強誘電性液晶はカイラルスメクチック
相より高温においてコレステリック相を有するものが好
ましい。
【0016】次に、本発明の強誘電性液晶素子の光学特
性について説明する。まず、本発明の液晶素子の光学特
性を説明する前に、従来の強誘電性液晶素子、即ち一軸
高分子液晶(PLC)を配向膜とし、前記(I)式に示
す相系列をもつ強誘電性液晶(FLC)を用いた液晶素
子の光学特性を、図3に基づいて説明する。
性について説明する。まず、本発明の液晶素子の光学特
性を説明する前に、従来の強誘電性液晶素子、即ち一軸
高分子液晶(PLC)を配向膜とし、前記(I)式に示
す相系列をもつ強誘電性液晶(FLC)を用いた液晶素
子の光学特性を、図3に基づいて説明する。
【0017】同図3において、配向膜となるPLCは、
ラビング軸および高分子液晶平均分子軸である101の
方向に一軸配向しているとすると、FLCも等方相から
の徐冷の過程で、SmA相において101方向に配向す
る。従って、SmC* 相では101方向を中心として、
チルト角θだけ傾いた強誘電性液晶の平均分子軸102
及び102′のいずれかの方向に平均分子軸をもつこと
になる。この2方向に対してFLCは双安定状態をと
り、電圧印加極性により何れか一方に配向し、電圧除去
後もその状態を保持する。さらに、前記2状態は、図3
に示す様に、偏光子の偏光軸103及び検光子の偏光軸
104の方向に互いにクロスニコルの関係にある偏光子
P及び検光子Aを配置することにより光学的に識別可能
となる。
ラビング軸および高分子液晶平均分子軸である101の
方向に一軸配向しているとすると、FLCも等方相から
の徐冷の過程で、SmA相において101方向に配向す
る。従って、SmC* 相では101方向を中心として、
チルト角θだけ傾いた強誘電性液晶の平均分子軸102
及び102′のいずれかの方向に平均分子軸をもつこと
になる。この2方向に対してFLCは双安定状態をと
り、電圧印加極性により何れか一方に配向し、電圧除去
後もその状態を保持する。さらに、前記2状態は、図3
に示す様に、偏光子の偏光軸103及び検光子の偏光軸
104の方向に互いにクロスニコルの関係にある偏光子
P及び検光子Aを配置することにより光学的に識別可能
となる。
【0018】一軸配向したPLCがなければ、102方
向への配向により光学的「暗」の状態、また102′方
向への配向により光学的「明」の状態が得られるが、こ
の構成では101方向に配向したPLCによって複屈折
が起こるため、FLCの102方向への配向状態であっ
ても着色が生じ、光学的「暗」状態が得られず、その結
果FLCのスイッチングによるコントラストは著しく低
下する。
向への配向により光学的「暗」の状態、また102′方
向への配向により光学的「明」の状態が得られるが、こ
の構成では101方向に配向したPLCによって複屈折
が起こるため、FLCの102方向への配向状態であっ
ても着色が生じ、光学的「暗」状態が得られず、その結
果FLCのスイッチングによるコントラストは著しく低
下する。
【0019】本発明は、上述の欠点を除去したものであ
り、図1および図2に基づいて、本発明の強誘電性液晶
素子(図1)および参考例として示す反強誘電性液晶素
子(図2)の光学特性を示す。
り、図1および図2に基づいて、本発明の強誘電性液晶
素子(図1)および参考例として示す反強誘電性液晶素
子(図2)の光学特性を示す。
【0020】先ず、本発明の強誘電性液晶素子において
用いるFLCはスメクチックA相(SmA)を有してい
ないFLCであり、例えば以下の相系列を有するもので
ある。
用いるFLCはスメクチックA相(SmA)を有してい
ないFLCであり、例えば以下の相系列を有するもので
ある。
【0021】
【数2】
【0022】前述した図3の場合と同様、図1におい
て、FLCを等方相まで加熱し、その後徐冷すると、ま
ずCh相においてPLCの配向方向101に配向する。
次に、SmA相がないためにスメッチク層はSmC* 相
において形成され、その法線方向はPLC配向軸101
とは異なり、SmC* 相での相転移温度直下におけるコ
ーン角の中心方向105となる。従って、コーン角(又
はチルト角)の温度変化が小さければ、FLCの平均分
子軸102及び102′がFLCの双安定又は略双安定
な状態が得られる。
て、FLCを等方相まで加熱し、その後徐冷すると、ま
ずCh相においてPLCの配向方向101に配向する。
次に、SmA相がないためにスメッチク層はSmC* 相
において形成され、その法線方向はPLC配向軸101
とは異なり、SmC* 相での相転移温度直下におけるコ
ーン角の中心方向105となる。従って、コーン角(又
はチルト角)の温度変化が小さければ、FLCの平均分
子軸102及び102′がFLCの双安定又は略双安定
な状態が得られる。
【0023】このセルの上下に図1に示す如く、偏光子
P及び検光子Aを配置すると、102の配向方向におい
て光学的「暗」、102′の配向方向において光学的
「明」の光学特性が得られ、高コントラストのトの液晶
素子を得ることができる。
P及び検光子Aを配置すると、102の配向方向におい
て光学的「暗」、102′の配向方向において光学的
「明」の光学特性が得られ、高コントラストのトの液晶
素子を得ることができる。
【0024】次に、図2を用いて、本発明の参考例とし
て示す反強誘電性液晶素子の光学特性を説明する。ここ
で用いる液晶は、従来のFLCでなく、以下の文献にお
いて述べられている反強誘電性液晶(AFLC)であ
り、3つの安定状態を有するものである。
て示す反強誘電性液晶素子の光学特性を説明する。ここ
で用いる液晶は、従来のFLCでなく、以下の文献にお
いて述べられている反強誘電性液晶(AFLC)であ
り、3つの安定状態を有するものである。
【0025】(1)チャンダニ,ハギワラ,スズキ,オ
ーウチ,タケゾエ,フクダ等「トリステイブル スイッ
チング イン サーフェイス スタビリライズド フェ
ロエレクトリック リキッド クリスタル ウイズ ア
ラージ スポンタナウス ポラリゼイション」ジャパ
ニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス
27巻 pp.L 729-L732 (1988 年) [A.D.L. Chandani,
T.Hagiwara, Y.Suzuki,Y.Ouchi, H.Takezoe and A.Fuk
uda ;“ Tristable Switching in Surface Stabilized
Ferroelectric Liquid Crystals with a Large Spontan
eous Polarization”Jpn. J. Appl Phys.27 pp.L 729
−L732(1988)]
ーウチ,タケゾエ,フクダ等「トリステイブル スイッ
チング イン サーフェイス スタビリライズド フェ
ロエレクトリック リキッド クリスタル ウイズ ア
ラージ スポンタナウス ポラリゼイション」ジャパ
ニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス
27巻 pp.L 729-L732 (1988 年) [A.D.L. Chandani,
T.Hagiwara, Y.Suzuki,Y.Ouchi, H.Takezoe and A.Fuk
uda ;“ Tristable Switching in Surface Stabilized
Ferroelectric Liquid Crystals with a Large Spontan
eous Polarization”Jpn. J. Appl Phys.27 pp.L 729
−L732(1988)]
【0026】(2)A.D.L.チャンダニ,E.グレ
ッカ,大内幸男,竹添秀男,福田敦夫「第15回液晶討
論会講演予稿集」310〜311頁(1989年)
ッカ,大内幸男,竹添秀男,福田敦夫「第15回液晶討
論会講演予稿集」310〜311頁(1989年)
【0027】図2において、105,105′,10
5″で示した方向がAFLCの3つの状態における平均
分子軸であり、101はPLCの配向方向及びAFLC
のスメクチック層法線方向である。
5″で示した方向がAFLCの3つの状態における平均
分子軸であり、101はPLCの配向方向及びAFLC
のスメクチック層法線方向である。
【0028】図5(a),(b)は液晶セル内における
AFLCの分子配向状態を示す模式図である。AFLC
は、ら旋状を解除した状態では、図5(b)に示すよう
に、無電界状態で各層毎に自発分極の方向が逆向きとな
る分子配置をとり、従って、全体としての平均的分子軸
方向は層法線方向101に一致する。
AFLCの分子配向状態を示す模式図である。AFLC
は、ら旋状を解除した状態では、図5(b)に示すよう
に、無電界状態で各層毎に自発分極の方向が逆向きとな
る分子配置をとり、従って、全体としての平均的分子軸
方向は層法線方向101に一致する。
【0029】よって、図2に示す如く、互いにクロスニ
コルの関係にある偏光子(偏光軸方向103)及び検光
子(偏光軸方向104)を配置することにより、前述し
た光学的「暗」状態を得ることが可能となる。さらに、
光学的「明」状態は従来のFLCと同様に所望の電界を
印加することにより、その極性に応じて、105又は1
05′方向で示した平均分子軸方向にスイッチングさせ
ることが可能で、その状態は保持される。但し、従来の
FLCと異なり、スイッチングのヒステリシスの中心と
なる電圧は0Vではないために、一般的には、適当なバ
イアス電圧を印加する必要がある。
コルの関係にある偏光子(偏光軸方向103)及び検光
子(偏光軸方向104)を配置することにより、前述し
た光学的「暗」状態を得ることが可能となる。さらに、
光学的「明」状態は従来のFLCと同様に所望の電界を
印加することにより、その極性に応じて、105又は1
05′方向で示した平均分子軸方向にスイッチングさせ
ることが可能で、その状態は保持される。但し、従来の
FLCと異なり、スイッチングのヒステリシスの中心と
なる電圧は0Vではないために、一般的には、適当なバ
イアス電圧を印加する必要がある。
【0030】
【実施例】以下、さらに具体的に本発明の実施例を説明
する。
する。
【0031】実施例1 図4は、本発明の強誘電性液晶素子の一実施態様を表わ
す断面図である。図4に示す強誘電性液晶素子は、一対
の平行配置した上基板21a及び下基板21bと、それ
ぞれのガラス基板に配線した透明基板22aと22bを
備えている。上基板21aと下基板21bとの間には少
なくとも2つの安定状態をもつ非らせん構造の強誘電性
液晶23が配置されている。
す断面図である。図4に示す強誘電性液晶素子は、一対
の平行配置した上基板21a及び下基板21bと、それ
ぞれのガラス基板に配線した透明基板22aと22bを
備えている。上基板21aと下基板21bとの間には少
なくとも2つの安定状態をもつ非らせん構造の強誘電性
液晶23が配置されている。
【0032】本発明では強誘電性液晶として、カイラル
スメクチックC相(SmC* )、H相(SmH* )又は
I相(SmI* )を用いることができ、高温側にスメク
チックA相をもたないものであればよく、好ましくは降
温過程におけるカイラルスメクチック相への相転移温度
近傍において、チルト角の温度依存性の少ないもの、言
い換えれば一次転移性の強いものが望ましい。
スメクチックC相(SmC* )、H相(SmH* )又は
I相(SmI* )を用いることができ、高温側にスメク
チックA相をもたないものであればよく、好ましくは降
温過程におけるカイラルスメクチック相への相転移温度
近傍において、チルト角の温度依存性の少ないもの、言
い換えれば一次転移性の強いものが望ましい。
【0033】前述した透明電極22aと22bは、強誘
電性液晶23をマルチプレクシング駆動するために、そ
れぞれストライプ形状で配線され、且つそのストライプ
形状が互いに交差して配置されていることが好ましい。
電性液晶23をマルチプレクシング駆動するために、そ
れぞれストライプ形状で配線され、且つそのストライプ
形状が互いに交差して配置されていることが好ましい。
【0034】図4に示した強誘電性液晶素子では、透明
電極22a及び22b上に膜厚約200Åのポリイミド
樹脂で形成した配向制御膜24a,24bが配置され、
略平行方向にラビング処理が施されている。さらに、配
向制御膜24a,24b上には下記の構造式(II)で
示される高分子液晶膜25a,25bが約2000Åの
厚さに配置されている。
電極22a及び22b上に膜厚約200Åのポリイミド
樹脂で形成した配向制御膜24a,24bが配置され、
略平行方向にラビング処理が施されている。さらに、配
向制御膜24a,24b上には下記の構造式(II)で
示される高分子液晶膜25a,25bが約2000Åの
厚さに配置されている。
【0035】
【化1】
【0036】なお、上記の構造式(II)で示される共
重合高分子液晶に3mol%の1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネイトを加えたシクロヘキサノン溶液をポリ
イミド配向膜上へスピナー塗布した。乾燥後、90℃で
3日間熱処理して架橋配向した高分子液晶膜とした。
重合高分子液晶に3mol%の1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネイトを加えたシクロヘキサノン溶液をポリ
イミド配向膜上へスピナー塗布した。乾燥後、90℃で
3日間熱処理して架橋配向した高分子液晶膜とした。
【0037】さらに、平均粒径約2μmのアルミナビー
ズを、一方のガラス基板上に散布した後、それぞれのラ
ビング処理が互いに平行となる様に2枚のガラス基板を
重ね合わせてセルを作成した。
ズを、一方のガラス基板上に散布した後、それぞれのラ
ビング処理が互いに平行となる様に2枚のガラス基板を
重ね合わせてセルを作成した。
【0038】このセル内に、下記の相転移を示すメルク
社製の強誘電性液晶材料「ZLI−4139」を等方相
下で真空注入してから、DC電界を印加しながら徐冷す
ることにより配向させることができた。
社製の強誘電性液晶材料「ZLI−4139」を等方相
下で真空注入してから、DC電界を印加しながら徐冷す
ることにより配向させることができた。
【0039】
【数3】
【0040】次に、図1で示したように偏光子及び検光
子を配置し、約20Vのパルスでスイッチングさせたと
ころ、略双安定な配向が得られ、そのときのコントラス
トは約10であった。
子を配置し、約20Vのパルスでスイッチングさせたと
ころ、略双安定な配向が得られ、そのときのコントラス
トは約10であった。
【0041】参考例1 実施例1と同じセルに、下記の相転移を示す4−(1−
メチルヘプチル オキシカルボニル)ヘプニル−4′−
オクチルオキシビフェニル−4−カルボキシレイト(M
HPOBC)を等方相下で真空注入してから、約110
℃まで徐冷した。
メチルヘプチル オキシカルボニル)ヘプニル−4′−
オクチルオキシビフェニル−4−カルボキシレイト(M
HPOBC)を等方相下で真空注入してから、約110
℃まで徐冷した。
【0042】
【数4】
【0043】次に、図2で示した配置で、約6VのDC
電圧を印加したまま、約4Vの正負のパルスによりスイ
ッチングさせたところ、双安定な配向が得られ、そのと
きのコントラストは約20であった。
電圧を印加したまま、約4Vの正負のパルスによりスイ
ッチングさせたところ、双安定な配向が得られ、そのと
きのコントラストは約20であった。
【0044】比較例1 実施例1と同じセルに、下記の相転移系列を示すフェニ
ルピリミジン骨格を成分とした強誘電性液晶を等方相下
で真空注入し、徐冷した。
ルピリミジン骨格を成分とした強誘電性液晶を等方相下
で真空注入し、徐冷した。
【0045】
【数5】
【0046】次に、図3に示した配置で、約20Vのパ
ルスでスイッチングさせたところ、双安定な配向が得ら
れたが、いずれも着色しており、コントラストは約2で
あった。
ルスでスイッチングさせたところ、双安定な配向が得ら
れたが、いずれも着色しており、コントラストは約2で
あった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高分子液晶膜を配向膜として用いた強誘電性液晶素子に
おいて、均一配向性に優れた、高コントラストの液晶素
子を得ることが可能となる。
高分子液晶膜を配向膜として用いた強誘電性液晶素子に
おいて、均一配向性に優れた、高コントラストの液晶素
子を得ることが可能となる。
【図1】本発明の強誘電性液晶素子の光学特性を示す説
明図である。
明図である。
【図2】参考例の反強誘電性液晶素子の光学特性を示す
説明図である。
説明図である。
【図3】従来の強誘電性液晶素子の光学特性を示す説明
図である。
図である。
【図4】本発明の強誘電性液晶素子の液晶セルの断面図
である。
である。
【図5】液晶セル内における反強誘電性液晶の分子配向
状態を示す模式図である。
状態を示す模式図である。
101 ラビング軸および高分子液晶平均分子軸 102,102′ 強誘電性液晶の平均分子軸 103 偏光子の偏光軸 104 検光子の偏光軸 105,105′,105″ 反強誘電性液晶の平均分
子軸 21a,21b 基板 22a,22b 透明電極 23 強誘電性液晶 24a,24b 配向制御膜 25a,25b 高分子液晶膜 26 反強誘電性液晶分子 27 双極子
子軸 21a,21b 基板 22a,22b 透明電極 23 強誘電性液晶 24a,24b 配向制御膜 25a,25b 高分子液晶膜 26 反強誘電性液晶分子 27 双極子
Claims (5)
- 【請求項1】 一対の基板上に互に交差した透明電極及
び少なくとも一方の基板上の該透明電極上に一軸性を有
する高分子液晶膜を形成し、該一対の基板間に強誘電性
液晶のらせん構造を解除するのに十分に薄い膜厚に設定
した強誘電性液晶を配置した強誘電性液晶素子におい
て、前記強誘電性液晶がカイラルスメクチック液晶であ
って、かつカイラルスメクチック相より高温においてス
メクチックA相を有していないことを特徴とする強誘電
性液晶素子。 - 【請求項2】 少なくとも一方の基板に形成された透明
電極と高分子液晶膜の間に一軸配向処理を施された配向
膜が形成されている請求項1記載の強誘電性液晶素子。 - 【請求項3】 前記一軸配向処理がラビング処理である
請求項1または2記載の強誘電性液晶素子。 - 【請求項4】 偏光軸が互いにクロスニコルの関係にあ
る一対の偏光子を有しており、一方の偏光子の偏光軸方
向が前記一軸配向処理における軸方向に実質的に一致し
ている請求項1記載の強誘電性液晶素子。 - 【請求項5】 前記強誘電性液晶がカイラルスメクチッ
ク相より高温においてコレステリック相を有する請求項
1記載の強誘電性液晶素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11769095A JPH07306421A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 強誘電性液晶素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11769095A JPH07306421A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 強誘電性液晶素子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16681290A Division JPH0457020A (ja) | 1990-06-27 | 1990-06-27 | 強誘電性液晶素子および反強誘電性液晶素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07306421A true JPH07306421A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14717891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11769095A Pending JPH07306421A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 強誘電性液晶素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07306421A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19616323A1 (de) * | 1996-04-24 | 1997-10-30 | Deutsche Telekom Ag | Vorrichtung zur lokalen Abschwächung der Lichtintensität |
EP1143289A2 (en) * | 2000-04-07 | 2001-10-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Chiral smectic liquid crystal device |
JP2003280041A (ja) * | 2002-03-20 | 2003-10-02 | Ricoh Co Ltd | 光偏向素子・光偏向装置および画像表示装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6142618A (ja) * | 1984-08-07 | 1986-03-01 | Seiko Epson Corp | 液晶表示装置及びその製法 |
JPS6377019A (ja) * | 1986-09-20 | 1988-04-07 | Canon Inc | 強誘電性液晶素子 |
JPH01113727A (ja) * | 1987-10-27 | 1989-05-02 | Canon Inc | 高分子液晶基板 |
-
1995
- 1995-04-20 JP JP11769095A patent/JPH07306421A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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