JP2006335788A - 液晶組成物及び液晶表示素子 - Google Patents

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聡史 久光
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【課題】 白色度が良好で、しかも温度変化に対して選択反射のピーク波長がほとんど変化しない液晶組成物を提供すること。白色度が非常に良好な白黒表示が可能であり、高温環境下や低温環境下における信頼性が高い液晶表示素子を提供すること。
【解決手段】 ネマチック液晶、少なくとも2種類のカイラル材および自己組織型ゲル化剤を含有してなり、25℃での選択反射のピーク波長が590nm以上640nm以下であり、かつ25℃〜60℃の間での選択反射のピーク波長のシフト量が±5nm以内であることを特徴とする液晶組成物。上記液晶組成物からなる液晶層を有することを特徴とする液晶表示素子。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶組成物及び液晶表示素子に関する。
従来より、ネマチック液晶にカイラル剤を添加することにより、室温においてコレステリック相を示すようにしたカイラルネマチック液晶組成物を用いた液晶表示素子が知られている。そのような液晶表示素子は基本的には、透明電極を有する一対の基板間にカイラルネマチック液晶組成物が挟持されてなり、電極間に高低のパルス電圧(駆動電圧)を印加するによって液晶をプレーナ(PL)状態とフォーカルコニック(FC)状態またはホメオトロピック(Homeo)状態とに切り替えて表示が行われる。特に、PL状態では特定のピーク波長の光が選択反射されるようになっている。
このような表示素子においては白黒表示や広視野角表示を目的として、ネマチック液晶組成物にモノマーおよび重合開始剤を含有させ、一旦、表示素子を作製した後で、紫外線(UV)照射などを行ってモノマーを重合させる技術が報告されている(例えば、非特許文献1)。
R.Q.Ma、外1名、"SID 97 DIGEST"、p.101〜104
しかしながら、上記技術では十分に重合を行ったとしても、未反応モノマーが残存しないように完全に重合を行うことはできないため、素子の使用時において残存未反応モノマーが紫外線により徐々に反応し、その結果、素子の表示性能が変化するという問題が生じていた。すなわち、表示色が変化したり、PL状態とFC状態またはHomeo状態との間でのコントラストが低下した。特に、PL状態で白を表示し、FC状態またはHomeo状態で黒を表示する黒白表示方式の場合には、上記の問題は顕著であった。
コントラストを向上させる手段として、PL状態における比較的広い波長域での反射率を上げて白表示時での白色度を向上させる方法が知られている。しかしながら、そのような方法ではPL状態における比較的広い波長域での反射率を上げるための材料選択が難しかったり、広い波長域で反射率を上げるために、セルギャップを大きくする必要があるので、駆動電圧の観点から問題となった。さらには、温度変化に対して選択反射のピーク波長がシフトして、白色度が顕著に悪化するという問題があった。
本発明は、白色度が良好で、しかも温度変化に対して選択反射のピーク波長がほとんど変化しない液晶組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、白色度が非常に良好な白黒表示が可能であり、高温環境下や低温環境下における信頼性が高い液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明はネマチック液晶、少なくとも2種類のカイラル材および自己組織型ゲル化剤を含有してなり、25℃での選択反射のピーク波長が590nm以上640nm以下であり、かつ25℃〜60℃の間での選択反射のピーク波長のシフト量が±5nm以内であることを特徴とする液晶組成物に関する。
本発明はまた、上記液晶組成物からなる液晶層を有することを特徴とする液晶表示素子に関する。
本発明の液晶組成物は白色度が良好で、しかも温度変化に対して選択反射のピーク波長がほとんど変化しない。よって、そのような液晶組成物を使用することによって、25℃から60℃の範囲において安定して白く(白色度が高い)、非常にコントラスト比が高く信頼性も高い白黒表示用液晶表示素子を作製することが可能である。
図1は本発明の一実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す概略図である。図1に示す液晶表示素子は、一対の基板1、2間に液晶層(液晶組成物)11が挟持されてなる構造を有する。図1において、基板1、2のそれぞれの表面には、互いに平行な複数の帯状に形成された透明電極3、4が設けられている。透明電極3と透明電極4とは互いに交差するように向かい合わされて配置されている。電極3、4上には絶縁性薄膜5がコーティングされている。さらに、絶縁性薄膜5の上には配向膜7が形成されている。10はスペース保持部材としての高分子構造物、13は同様にスペース保持部材としてのスペーサーである。12は液晶組成物11をセル内部に封じこめるためのシール材である。また光を入射させる側と反対側の基板2の外面(裏面)には、必要に応じて黒色の可視光吸収層9が設けられる。なお、可視光吸収層9を設ける代わりに、基板2自体が可視光吸収性を有するものを用いても良い。
以下、液晶表示素子の主要な構成部材について詳しく説明する。
(液晶層)
液晶層11はネマチック液晶、カイラル材および自己組織型ゲル化剤を含有する液晶組成物からなるものであり、選択反射のピーク波長が可視領域の比較的長波長側に設定され、また、少なくとも2種類のカイラル材を含有することを特徴とする。本出願人は、室温でコレステリック液晶相を示す液晶組成物に自己組織型ゲル化剤を添加し、さらにこの液晶組成物の選択反射のピーク波長を所定の波長域に設定することで、非常に白色度が良好で、駆動電圧も比較的小さい液晶表示素子が得られることを初めて見出した。このような液晶組成物において、少なくとも2種類のカイラル材料を用いることにより、液晶組成物の選択反射のピーク波長が変化しにくくなり、白色度を維持できるようになる。カイラル材が1種類しか含有されないと、白色度が良好な液晶組成物が得られたとしても、温度変化によって選択反射のピーク波長が著しくシフトするため、白色度が低下する。
本明細書中、刺激純度とは白さの程度を表すひとつの指標である。刺激純度は以下の方法によって測定された値を用いている。すなわち、分光分布曲線から色度座標(x,y)を求め、図2に示すように色度座標上におけるD65標準(白色:x=0.3127,y=0.329)からの距離(d)を算出する。また、色度座標上の測定可能範囲内におけるD65標準(x,y)から座標(x,y)方向の最大距離(d)を算出する。次いで、距離(d)の最大距離(d)に対する割合(%)を求め、これを刺激純度とする。刺激純度は小さいほど白色であることを示す。刺激純度は特記しない限り、25℃での刺激純度を示す。
本実施形態の液晶組成物はプレーナ時の液晶表示素子において0.04以下、特に0.01〜0.04、好ましくは0.01〜0.035、より好ましくは0.01〜0.02の刺激純度を達成する。
カイラル材は、液晶表示素子の分野で従来から知られている種々のものが使用可能である。例えば、コレステリック環を有するコレステリック化合物、ビフェニル骨格を有するビフェニル化合物、ターフェニル骨格を有するターフェニル化合物、2つのベンゼン環がエステル結合によって連結されてなる骨格を有するエステル化合物、シクロヘキサン環がベンゼン環に直接的に連結されてなる骨格を有するシクロヘキサン化合物、ピリミジン環がベンゼン環に直接的に連結されてなる骨格を有するピリミジン化合物、2つのベンゼン環がアゾキシ結合またはアゾ結合によって連結されてなる骨格を有するアゾキシまたはアゾ化合物等が挙げられる。
本実施形態で使用される少なくとも2種類のカイラル材は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、上記カイラル材の中から適宜選択されて使用される。これら少なくとも2種類のカイラル材は、ネマチック液晶に1種類のみで添加した場合に温度変化に対する波長シフト方向が互いに逆方向である2種類のカイラル材が含まれるように選択する。
カイラル材は、ネマチック液晶と混合されて、当該混合物を温度上昇させたとき、混合物における選択反射のピーク波長を、温度上昇させる前の混合物における選択反射のピーク波長を基準として、長波長方向または短波長方向のいずれかの方向にシフトさせる特性を有する。そのような長波長方向または短波長方向のシフト方向が「温度変化に対する波長シフト方向」である。カイラル材が呈する温度変化に対する波長シフト方向およびシフト量は使用されるネマチック液晶に依存する。
すなわち、本実施形態で使用される少なくとも2種類のカイラル材は、温度変化に対する波長シフト方向が長波長方向のものと、短波長方向のものとが含まれるように選択する。
カイラル材が、どちらの波長シフト方向を示すかは組み合わせるネマチック液晶によって変わる。例えば、カイラル材CNL617R(アデカ社製)は、ネマチック液晶BL006(メルク社製)に対して長波長方向の特性を示し、ネマチック液晶E63(メルク社製)に対しては短波長方向の特性を示す。そのため、予め、組み合わせようとするネマチック液晶にカイラル材を単独で添加して波長シフト方向とそのシフト幅を把握しておくことが好ましい。ここで、温度が高くなるほど波長シフト方向が長波長側に変化するものを「波長シフト方向が長波長方向のカイラル材」、温度が高くなるほど波長シフト方向が短波長側に変化するものを「波長シフト方向が短波長方向のカイラル材」と呼ぶものとすれば、長波長方向のカイラル材と短波長方向のカイラル材とが含まれていることが好ましい。一方のカイラル材が波長シフトの大きいものであったとしても他方のカイラル材でそれを打ち消すことができ、結果的に材料選択の幅が大きく広がるからである。例えば、ネマチック液晶BL006(メルク社製)に対して、カイラル材CB15(メルク社製)は長波長方向の特性を示し、カイラル材R1011(メルク社製)は短波長方向の特性を示すので、ネマチック液晶BL006を用いる場合は、この2種類のカイラル材を添加することで、選択反射のピーク波長およびピーク波長のシフト量が上記範囲にある液晶組成物を得ることができる。
長波長方向のカイラル材と短波長方向のカイラル材との組合せで、両者が同程度の波長シフトを示すのであれば、同程度の分量のカイラル材を添加すればよく、両者の波長シフトの大きさが異なる場合は、波長シフトの大きい方のカイラル材の添加量が少なくなるように添加する。
カイラル材の選択に当たっては、カイラル材添加後の液晶組成物が、意図する選択反射のピーク波長を示すだけの量のカイラル材を添加し、25℃の当該カイラル材含有液晶組成物を60℃まで上昇させたとき、液晶組成物の選択反射のピーク波長が、温度上昇させる前の液晶組成物の選択反射のピーク波長を基準として、長波長方向に0.1nm以上の波長シフトを生じるものを「波長シフト方向が長波長方向のカイラル材」とし、短波長方向に0.1nm以上の波長シフトを生じるものを「波長シフト方向が短波長方向のカイラル材」として選択すればよい。
なお、原理的には、長波長方向のカイラル材同士、短波長方向のカイラル材同士の組合せも可能であるが、この場合は、単独で液晶に添加されたときの温度変化による波長シフトが5nm以内のカイラル材が必須となるので、長波長方向のカイラル材と短波長方向のカイラル材とを用いる場合に比べて、材料選択の幅が非常に狭くなる。しかし、液晶に添加されたときの温度変化による波長シフトが5nm以内のカイラル材を単独で用いるよりは、材料選択の余地がある、低温時にも結晶化しにくい、などの点では、たとえ同じ波長シフト方向であったとしても2種類以上のカイラル材を用いる方が有利であるといえる。
カイラル剤の合計含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は、液晶組成物全量に対して3〜40重量%、特に5〜35重量%が好適である。ネマチック液晶には、少なくとも2種類のカイラル材、好ましくは1種類のみで添加した場合に温度変化に対する波長シフト方向が互いに逆方向である2種類のカイラル材を添加する。このとき波長シフトの度合いが大きい材料の割合が小さくなるように少なくとも2種類のカイラル材を添加する。波長シフトの度合いとは、前記のように、使用されるネマチック液晶に対して、意図する選択反射のピーク波長を示すだけの量のカイラル材を添加し、25℃の当該混合物を60℃まで上昇させたときに、混合物の選択反射のピーク波長がシフトする量(変化量)である。
ネマチック液晶としては、特に制限されず、従来から液晶表示素子の分野で知られているネマチック液晶が使用可能である。そのようなネマチック液晶材料としては、例えば、液晶性エステル化合物、液晶性ピリミジン化合物、液晶性シアノビフェニル化合物、液晶性トラン化合物、液晶性フェニルシクロヘキサン化合物、液晶性ターフェニル化合物、ならびにフッ素原子、フルオロアルキル基およびシアノ基等の極性基を有する他の液晶性化合物、およびそれらの混合物等が挙げられる。
ネマチック液晶の含有量は通常は、液晶組成物全量に対して60〜97重量%、特に65〜95重量%が好適である。ネマチック液晶は2種類以上含有されてもよく、その場合はそれらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
本実施形態において使用されるゲル化剤は自己組織型に属するものであり、詳しくはUV照射等の他の手段なしに、当該ゲル化剤を添加・混合するだけで、自ら組織化し、擬似網目構造を形成し得るものである。自己組織型のゲル化剤を添加することにより、他の手段なしに、添加前よりもコレステリック液晶の流動性を低下させて、当該粘度を増大させ得る。そのような自己組織型のゲル化剤を含有させるため、良好な白色度が達成される。すなわち、当該ゲル化剤分子は液晶組成物中において分子レベルで均一に分散され易く、水素結合による擬似網目構造を形成すると、後述の選択反射のピーク波長よりも短波長側に別のピークが生成する。そのようなピークの生成によって刺激純度が小さくなる。また上記ゲル化剤を使用する場合、広い波長域にわたって反射率を向上させる方法に比べると、セルギャップを厚くする必要がないので低い印加電圧で駆動が行え、材料選択にも制約が少ない。さらに、ゲル化剤を添加しない素子に比べて広視野角表示が行えるという特徴も有している。
自己組織型ゲル化剤は自己分子間で水素結合を形成可能な有機化合物であり、例えば、少なくとも分子間水素結合性基を有する有機化合物、好ましくは分子間水素結合性基およびアルキレン基を有する有機化合物が挙げられる。分子間水素結合性基とともにアルキレン基を有する有機化合物をゲル化剤として使用するとアルキレン基同士の分子間力によって擬似網目構造の形成が促進される。
分子間水素結合性基は当該基を含有分子間で水素結合を形成可能な基であれば特に制限されず、例えば、アミド結合基(−NHCO−)等が挙げられる。
分子間水素結合性基は分子内に1個以上、好ましくは2個以上含有されることが望ましい。
アルキレン基は長鎖アルキレン基(以下、Reということがある)であり、詳しくは炭素数4以上、好ましくは6〜20の2価飽和炭化水素基であり、好ましくは直鎖状ポリメチレン基(−(CH)n−)である。
アルキレン基は分子内に1個以上、好ましくは2個以上含有されることが望ましい。
ゲル化剤は少なくとも分子間水素結合性基、好ましくは分子間水素結合性基およびアルキレン基を有する有機化合物である限り、その構造は特に制限されない。
そのようなゲル化剤として、例えば、下記一般式(I)で表される脂環族アミド系化合物、下記一般式(II)〜(IV)で表される脂肪族アミド系化合物、および下記一般式(V)で表される脂肪族ウレア系化合物等が挙げられる。
Figure 2006335788
式(I)中、Rはアルキル基、アリールオキシ基またはアリールアルコキシ基であり、これらの基はシアノ基等の置換基を有していてもよい。
アルキル基は炭素数1〜3のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びsec−プロピル基等が挙げられる。
アリールオキシ基は炭素数6〜14のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
アリールアルコキシ基は炭素数6〜14のアリール基1〜2個が、炭素数1〜3のアルコキシ基に置換されてなる1価の基であり、例えば、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルプロポキシ基、ビフェニリルメトキシ基、ビフェニリルエトキシ基、ビフェニリルプロポキシキ基等が挙げられる。
好ましいRはアルキル基またはアリールオキシ基である。
Reは前記長鎖アルキレン基(Re)と同様の基であり、好ましい基も前記Reと同様である。
mは1〜3の整数、好ましくは2である。
ひとつの式中に同一の基が複数個ある場合、それらの基はそれぞれ独立して所定の範囲内から選択されればよい(以下、同様である)。
そのような脂環族アミド系化合物(I)の好ましい具体例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006335788
式(II)〜(IV)中、共通する基は同様の基を意味する。
は前記Rと同様の基である。好ましいRはアリールアルコキシ基である。
は炭素数1〜3の2価のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。Rは置換基を有していてもよく、置換基として、例えば、以下の基が挙げられるが、それらの中でも炭素数3〜5の分枝状アルキル基が好ましい。
Figure 2006335788
Reは前記長鎖アルキレン基(Re)と同様の基であり、好ましい基も前記Reと同様である。
は前記Rと同様の基である。好ましいRはアルキル基である。
は前記Rと同様の基である。好ましいRは置換基を有しないアルキレン基である。
nは0〜3、好ましくは0〜1の整数である。
そのような脂肪族アミド系化合物(II)〜(IV)の好ましい具体例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006335788
式(V)中、Rは前記Rと同様であり、好ましい基も前記Rと同様である。
Reは前記長鎖アルキレン基(Re)と同様の基であり、好ましい基も前記Reと同様である。
は前記Rと同様であり、好ましい基も前記Rと同様である。
そのような脂肪族ウレア系化合物(V)の好ましい具体例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006335788
これらの化合物は公知の合成方法に従って合成することができる。
ゲル化剤の含有量は本発明の目的を達成できる限り特に制限されるものではなく、白色度をより有効に向上させ、また液晶組成物全体の固化を防止する観点からは、液晶組成物全量に対して0.5〜4.0重量%が適当である。
上記したネマチック液晶、カイラル材、およびゲル化剤等の成分を含有する液晶組成物は、得られる液晶表示素子が25℃でのプレーナ時の分光分布曲線において選択反射のピーク波長を500〜700nm、好ましくは590〜640nm、より好ましくは590〜630nmの範囲内に有するように、各成分の種類、組み合わせおよび含有割合を調整して、調製される。ピーク波長が500nm小さすぎたり、または大きすぎると、プレーナ時の反射率が低下するために良好な白色度を達成することが困難になる。
選択反射のピーク波長はカイラル材料の種類や総添加量によって制御可能である。カイラル材料の総添加量により液晶組成物の選択反射のピーク波長を調整する方法は最も手軽である。例えば、カイラル材料の総添加量を増量すると、ピーク波長は小さくなる。一方、カイラル材料の総添加量を減量すると、ピーク波長は大きくなる。
本明細書中、ピークとは分光分布曲線において短波長側から波長を大きくしていく場合に、当該曲線の接線の傾きが正から負に変わるときの凸部分を指し、当該凸部分の頂点の波長をピーク波長というものとする。
また、プレーナ時とは、素子が選択反射のピーク波長において最大の反射率を示すときのパルス電圧を素子に対して印加した状態の時を意味し、このときの素子から測定された波長−反射率曲線をプレーナ時の分光分布曲線という。
選択反射のピーク波長とは、液晶層が選択反射を行う波長域において最大の反射率を示す波長であり、プレーナ時の分光分布曲線にピークが1つだけ含まれる場合は、そのピーク波長が選択反射のピーク波長に相当する。2つ以上のピークが含まれる場合、最大の反射率を示すピーク波長が選択反射のピーク波長である。
そのような液晶組成物は、当該液晶組成物からなる液晶層を有する液晶表示素子において、25℃〜60℃の間での選択反射のピーク波長のシフト量として±5nm以内、好ましくは±3nm以内を達成する。選択反射のピーク波長のシフト量が上記範囲内であると、温度変化に対して前記した良好な白色度を維持できる。シフト量が大きすぎると、温度変化による白色度の上昇が顕著になり、液晶表示素子、特に白黒表示用の液晶表示素子での実使用に耐えない。シフト量範囲は25℃での選択反射のピーク波長を基準にしたものである。
上記シフト量は、25℃〜60℃の温度範囲において25℃から5℃間隔の温度に保持された素子より、プレーナ時の分光分布曲線を測定し、それらの分光分布曲線から選択反射のピーク波長の変化を追跡することによって測定された値を用いている。
液晶組成物は、温度変化に対して初期の白色度をより有効に維持する観点から、誘電率異方性が5〜20、屈折率異方性が0.18〜0.30、および等方相転移点が50〜100℃であることが好ましく、誘電率異方性が5〜20、屈折率異方性が0.20〜0.30、等方相転移点が60〜100℃であることがより好ましい。
誘電率異方性は、誘電率異方性の異なる複数種類のネマチック液晶を用い、その混合比率を調整することによって、制御可能である。例えば、誘電率異方性の小さなネマチック液晶の含有量が増量すると、誘電率異方性は減少する。一方、誘電率異方性の小さなネマチック液晶の含有量が減量すると、誘電率異方性は増大する。
屈折率異方性は、屈折率異方性の異なる複数種類のネマチック液晶を用い、その混合比率を調整することによって、制御可能である。例えば、屈折率異方性の小さなネマチック液晶の含有量が増量すると、屈折率異方性は減少する。一方、屈折率異方性の小さなネマチック液晶の含有量が減量すると、屈折率異方性は増大する。
等方相転移点は、等方相転移点の異なる複数種類のネマチック液晶を用い、その混合比率を調整することによって、制御可能である。例えば、等方相転移点の低いネマチック液晶の含有量が増量すると、等方相転移点は低下する。一方、等方相転移点の低いネマチック液晶の含有量が減量すると、等方相転移点は上昇する。
液晶組成物には、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに添加してもよい。
紫外線吸収剤は、液晶組成物の紫外線劣化、例えば経時に伴なう退色や応答性の変化等を防止するものである。例えば、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリシレート化合物等の材料が使用可能である。添加量は、液晶組成物全量に対して、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
液晶組成物は各材料を所定の比率で混合して得られる。
液晶組成物は所望により、イオン交換樹脂・吸着剤等と接触させて精製を行ない水分や不純物を除去した後で、素子の製造に用いるとよい。
(基板)
図1において基板1、2はいずれも透光性を有しているが、上記の液晶表示素子に用いることができる一対の基板は、少なくとも一方の基板(少なくとも、光を入射させる側の基板1)が透光性を有していればよい。透光性を有する基板としては、ガラス基板、ならびにポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレートおよびポリエチレンテレフタレート等のフレキシブル基板を使用することができる。素子の軽量化の観点からはフレキシブル基板を使用することが好ましい。一対の基板のうち少なくとも一方の基板、好ましくは両方の基板としてフレキシブル基板を用いると、軽量で薄型の素子を作製でき、また破損(割れ)を抑えることができる。
(電極)
電極3、4としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電膜や、アルミニウム、シリコン等の金属電極、あるいはアモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等の光導電性膜等を用いることができる。図1に示す液晶表示素子においては、既述の通り、透明基板1、2の表面に互いに平行な複数の帯状の透明電極3、4が形成されており、これらの電極3、4は互いに交差するように向かい合わされている。電極をこのように形成するには、例えば基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。
(絶縁性薄膜)
原理上必須のものではないが、電極間の短絡を防止したり、液晶表示素子のガスバリア性に対する信頼性を向上させたりするために、電極3、4の少なくとも一方に絶縁性薄膜5が形成されていることが好ましい。絶縁性薄膜5としては、例えば、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウムやそのアルコキシド等から成る無機膜やポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機膜を例示できる。これらの材料を用いて蒸着法、スピンコート法、ロールコート法などの公知の方法によって形成することができる。さらに、絶縁性薄膜は高分子構造物に用いる高分子樹脂と同じ材料を用いて形成することもできる。
(配向膜)
配向膜7も原理上必須のものではないが、素子の安定化などのために設けておくことが好ましい。配向膜が形成される場合、電極上に絶縁性薄膜が形成されているときは当該絶縁性薄膜上に、電極上に絶縁性薄膜が形成されていないときは電極上に形成される。配向膜7としては、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂等の有機膜や、酸化シリコン、酸化アルミニウム等の無機膜が例示される。これらの材料を用いて形成した配向膜は、ラビング処置等を施してもよい。さらに、配向膜は高分子構造物に用いる高分子樹脂と同じ材料を用いて形成することもできる。
(スペーサー)
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサー13が設けられる。スペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。例えば、ボール状のガラスやセラミックス粉、あるいは有機材料からなる球状粒子が挙げられる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。なお、基板間のギャップをより均一に保持するためには、図1に示すように、スペーサー13と高分子構造物10との両方を設けることが好ましいが、いずれか一方のみを設けてもよい。スペーサーの直径は高分子構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。高分子構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚み、すなわち液晶組成物からなる液晶層の厚みに相当する。
(シール材)
シール材12は液晶組成物11が基板1、2の間から外に漏れないように封入するためのものであり、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは光硬化性接着剤等を使用することができる。
(高分子構造物)
高分子構造物10は、円柱状体、楕円柱状体、四角柱状体など、形状はどのようなものでもよく、また、その配置はランダムであってもよいし、格子状などの規則性を有するものであってもよい。このような高分子構造物を設けることにより、基板間ギャップを一定に保つことが容易になり、また、液晶表示素子自身の自己保持性を高めることができる。特に、ドット形状の高分子構造物を一定間隔で配置すると、表示性能を均一化しやすい。高分子構造物の高さはセルギャップの厚み、すなわち液晶組成物からなる液晶層の厚みに相当する。液晶層を挟持する基板としてフレキシブルな樹脂製基板を用いる場合に高分子構造物を設けることが特に効果的である。
高分子構造物を形成するには、紫外線硬化型モノマーからなるホトレジスト材料などの光硬化性樹脂材料を用いて、所望の厚さで基板の最表面膜(絶縁性薄膜、配向膜)に塗布し、これにマスクを通して紫外線を照射するなどしてパターン露光を行い、未硬化部分を除去するいわゆるフォトリングラフィ法を用いることができる。
また、熱可塑性樹脂を適当な溶剤に溶かした樹脂材料などを用いて、熱可塑性樹脂からなる高分子構造物を形成してもよい。この場合、スクリーン版やメタルマスク等を用いて熱可塑性樹脂材料をスキージで押し出すことにより基板上に印刷を行う印刷法や、ディスペンサ法やインクジェット法などの、樹脂材料をノズルの先から基板上に吐出して形成する方法、あるいは、樹脂材料を平板あるいはローラー上に供給した後、これを基板表面に転写する転写法などにより高分子構造物を配置することができる。
(散乱層)
散乱層(図示せず)を基板1の表面(図中、上面)または/および基板2と可視光吸収層9との間に設けてもよい。散乱層を設けることによって、白表示時の散乱度合いが上がり、白色度が向上する。散乱層としては、例えば、製品名FT−014(ポラテクノ社製)などが挙げられる。
(セルギャップ)
液晶表示素子におけるセルギャップの厚み、すなわち液晶組成物からなる液晶層の厚みは、大きくなるほど白表示時の反射率は大きくなるが、駆動電圧や黒表示時の反射率も大きくなる。よって、本発明においてセルギャップの厚みは2〜50μmであってよいが、3〜15μmが好ましい。そのような好ましい範囲とすることにより、比較的低い印加電圧でも高コントラストを達成できるためである。
(製造方法)
本発明の好適な実施形態である液晶表示素子の製造方法は、液晶組成物を加熱した状態で液晶空セル中に真空注入する方法であるが、基板上に液晶を滴下した後に基板を重ね合わせる貼り合せ滴下法を用いても良い。
液晶組成物の封入に際しては、以下の方法を採用すればよい。
加熱された液晶組成物を液晶表示素子の空セルに真空注入し、その後注入孔を塞ぐ。液晶組成物は熱可逆性である。液晶表示素子の空セルは、液晶表示素子の上記所定の構成部材が形成された2枚の基板を、それらの部材形成面が互いに対向するように重ね合わせて加熱または/および加圧することにより作製可能である。加熱により液晶組成物が流動性を増すので、基板間への注入や基板上への液晶層形成が短時間で容易に行える。
(表示方法)
以上の構成からなる液晶表示素子では、電極3、4に駆動回路20からパルス電圧を印加することで表示が行われる。例えば、液晶層をプレーナ状態とフォーカルコニック状態との間で切り替えることによって表示を行うPL−FC駆動方式を採用してもよいし、または液晶層をプレーナ状態とホメオトロピック状態との間で切り替えることによって表示を行うPL−Homeo駆動方式を採用してもよい。
例えば、PL−FC駆動方式では、比較的高いエネルギーのパルス電圧を印加することで、液晶がプレーナ状態となり、液晶分子のらせんのピッチと屈折率に基づいて決まる波長の光を選択的に反射する。一方、比較的低いエネルギーのパルス電圧を印加することで、液晶がフォーカルコニック状態となり、透明状態となる。いくつかの駆動波形が提案されており、例えば、比較的低い電圧を長く印加することで液晶をフォーカルコニック状態にリセットした後に所望の部分のみプレーナ状態に変化させる駆動波形、高い電圧を印加した状態から急激に電圧をオフすることによって液晶をプレーナ状態にリセットした後に所望の部分のみフォーカルコニック状態に変化させる駆動波形、リセットパルスを印加し液晶をホメオトロピック状態にした後、最終的に得ようとする表示状態に応じた大きさの選択パルスを印加し、最後に選択した状態を確立するためのパルスを印加する3つのステージからなる駆動波形などを採用することができる。これらの駆動方式では液晶表示素子のメモリー性を利用して電圧印加停止後も表示を維持することができる。なお、可視光吸収層9を設けると、フォーカルコニック状態では黒色を表示することになる。
また例えば、PL−Homeo駆動方式では、高い電圧を印加した状態から急激に電圧をオフするなどしてプレーナ状態を実現する一方、高い電圧を印加し続けることにより液晶をホメオトロピック状態に保つ。ホメオトロピック状態での透明度がフォーカルコニック状態のそれよりも高くなり、コントラスト向上に有利ではある(可視光吸収層9を設けるとホメオトロピック状態ではやはり黒色を呈する)が、表示を維持するために電圧を印加し続ける必要がある。
(刺激純度の測定)
液晶表示素子に対して図3に示すパルス(この駆動波形では前段のパルスで液晶を一旦プレーナ状態にリセットしている)を印加し、V−Y曲線を求める。詳しくは図3のパルスにおける区間(X)の電圧(V)を±20〜±50Vまで変化させながら記載の測定ポイントでの素子の分光分布曲線(波長−反射率曲線)およびY値(Y)を分光測色器(CM3700d;コニカミノルタセンシング(株)社製)により複数回繰り返し測定し、V(電圧の絶対値)−Y(Y値)曲線を作成する。V−Y曲線の一例を図4に示す。V−Y曲線において最大のY値(Ymax)を示す状態をプレーナ状態(PL)、最小のY値(Ymin)を示す状態をフォーカルコニック状態(FC)とする。
PL状態のときの刺激純度を前記した方法に基づいて算出する。
以下、「部」は「重量部」を意味するものとする。
なお、各種物性値・特性値の測定は以下の装置を使用した。
屈折率異方性:アッベデジタル屈折計DR−M4(アタゴ社製)(25℃)
誘電率異方性:インピーダンスアナライザー4192A(HP社製)とアンプ(Trek社製)(25℃):高電圧印加状態の容量と低電圧印加状態の容量から算出。
等方相転移点:Toledo FP90(Mettler社製)
選択反射波長:CM3700d(コニカミノルタセンシング社製)により分光分布曲線を作成し、最大ピークの波長を読み取った。
選択反射波長のシフト量:分光器U−3210(日立製作所社製)と温調器を用いた。詳しくは、ゲル化剤を添加した液晶組成物を、厚み1mmのガラス板にはさんだものを、分光器の光が通るだけの大きさ(約5mm径)の穴があいた2枚のヒーターで挟み込み、挟み込んだものを分光器の光がその穴を通るような位置にセット後、温調器で25℃から5(±0.5)℃おきに温度を上げていき、その時々の透過時の主ピーク波長を分光器で読んでいく。その時の25℃と60℃における選択反射のピーク波長の差を選択反射波長のシフト量とする。
(実施例1)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製)83部、カイラル剤(CB15;9部とR1011;6部:共にメルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Aを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.244、誘電率異方性:13、液晶相転移点:70℃、波長シフト量:−1nm、刺激純度:0.013、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが少なく、また白色度の高い素子が作製できた。
なお、特性値はセルに液晶組成物を注入後、フォトレックA−704(積水化学社)を用いて封止し、液晶物性値を測定した結果である。
また、特性値は得られた液晶組成物及びギャップ5.5μmの空セルを用いて、図1に示す表示素子(但し、高分子構造物と絶縁性薄膜は省略)を作製し測定した。セルギャップは5.5μmであった。
ただし液晶セルを作製する際に使用した部材は以下の通りである。
・基板:ガラス0.7mm
・ITOシート抵抗値:10Ω/□
・配向膜:可溶性ポリイミドJSR社製AL−2022
・配向膜厚み:60nm
・スペーサー:積水ファインケミカル社製ミクロパール5.5μm
・シール材:住友ベークライト社製スミライトERS−2400(主剤)、ERS−2840(硬化剤)
(実施例2)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製に化合物αを8部)85部、カイラル剤(CNL611R;9部とR1011;4部:前者は旭電化工業社製、後者はメルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Bを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.295、誘電率異方性:13、液晶相転移点:80℃、波長シフト量:+4nm、刺激純度:0.016、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが少なく、また白色度の高い素子が作製できた。
なお、各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Bを用いたこと以外、実施例1と同じである。また化合物αの構造式は以下の通りである。
Figure 2006335788
(実施例3)
ネマチック液晶(E63;メルク社製)84部、カイラル剤(CNL611R;9部とR1011;5部:前者は旭電化工業社製、後者はメルク社製)、および化学式(2)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Cを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.199、誘電率異方性:12、液晶相転移点:70℃、波長シフト量:+3nm、刺激純度:0.02、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが少なく、また白色度の高い素子が作製できた。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Cを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(実施例4)
ネマチック液晶(E63:メルク社製)81部、カイラル剤(CNL662L;7部とMLC6247;10部:前者は旭電化工業社製、後者はメルク社製)、および化学式(2)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Dを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.185、誘電率異方性:9、液晶相転移点:65℃、波長シフト量:−4nm、刺激純度:0.023、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが少なく、また白色度の高い素子が作製できた。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Dを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(実施例5)
ネマチック液晶(BL037;メルク社製)85部、カイラル剤(CB15;6部とR1011;7部:共にメルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Eを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.243、誘電率異方性:13.1、液晶相転移点:75℃、波長シフト量:+5nm、刺激純度:0.02、選択反射のピーク波長:610nm
25℃〜60℃における波長シフトが少なく、また白色度の高い素子が作製できた。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Eを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(実施例6)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製)83部、カイラル剤(MLC6248;10部とR1011;5部:共にメルク社製)、および化学式(2)表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Fを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.236、誘電率異方性:11、液晶相転移点:75℃、波長シフト量:+4nm、刺激純度:0.019、選択反射のピーク波長:620nm
25℃〜60℃における波長シフトが少なく、また白色度の高い素子が作製できた。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Fを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例1)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製)80部、カイラル剤(CB15;18部メルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Gを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.195、誘電率異方性:13、液晶相転移点:65℃、波長シフト量:+31nm、刺激純度:0.06、選択反射のピーク波長:620nm
25℃〜60℃における波長シフトが31nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Gを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例2)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製)90部、カイラル剤(R1011;8部メルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Hを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.265、誘電率異方性:16、液晶相転移点:88℃、波長シフト量:−14nm、刺激純度:0.045、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが14nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Hを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例3)
ネマチック液晶(TL213:メルク社製)89部、カイラル剤(CNL662R;9部旭電化社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Iを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.19、誘電率異方性:3、液晶相転移点:65℃、波長シフト量:−15nm、刺激純度:0.05、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが15nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また誘電率異方性が小さいため閾値電圧が非常に高くなってしまった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成物Iを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例4)
ネマチック液晶(E63;メルク社製)82部、カイラル剤(CB15:16部メルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Jを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.181、誘電率異方性:8、液晶相転移点:45℃、波長シフト量:+30nm、刺激純度:0.042、選択反射のピーク波長:620nm
25℃〜60℃における波長シフトが30nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また等方相への転移点が45℃と低いため、高温信頼性に欠ける素子ともなってしまった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Jを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(実施例7)
ネマチック液晶(E63:メルク社製)80部、カイラル剤(CB15;10部とR811;8部:共にメルク社製)、および化学式(2)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Kを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.185、誘電率異方性:8、液晶相転移点:55℃、波長シフト量:+5nm、刺激純度:0.033、選択反射のピーク波長:590nm
25℃〜60℃における波長シフトが少なく、また白色度の高い素子が作製できた。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Kを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例5)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製に化合物βを10部)90部、カイラル剤(R1011;8部メルク社製)、および化学式(2)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Lを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.26、誘電率異方性:25、液晶相転移点:82℃、波長シフト量:−16nm、刺激純度:0.06、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが16nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また誘電率異方性が25と大きいため、高温・低温信頼性の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Lを用いたこと以外、実施例1と同じである。また化合物βの構造式は下記の通りである。
Figure 2006335788
(比較例6)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製)78部、カイラル剤(CB15;20部メルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Mを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.188、誘電率異方性:11、液晶相転移点:60℃、波長シフト量:+20nm、刺激純度:0.23、選択反射のピーク波長:550nm
25℃〜60℃における波長シフトが20nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また選択反射のピーク波長も550nmと短いため、白色度の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Mを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例7)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製)82部、カイラル剤(CB15;16部メルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Nを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.202、誘電率異方性:15、液晶相転移点:70℃、波長シフト量:+15nm、刺激純度:0.19、選択反射のピーク波長:660nm
25℃〜60℃における波長シフトが15nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また選択反射のピーク波長も660nmと長いため、白色度の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Nを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例8)
ネマチック液晶(BL023;メルク社製)81部、カイラル剤(CB15;17部メルク社製)、および化学式(1)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Oを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.17、誘電率異方性:10、液晶相転移点:65℃、波長シフト量:+32nm、刺激純度:0.21、選択反射のピーク波長:620nm
25℃〜60℃における波長シフトが32nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また複屈折率異方性も0.17と小さいため、白色度の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Oを用いたこと以外、実施例1と同じである。
(比較例9)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製に化合物γを10部)92部、カイラル剤(R1011;6部メルク社製)、および化学式(2)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Pを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.292、誘電率異方性:12、液晶相転移点:110℃、波長シフト量:−16nm、刺激純度:0.06、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが16nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また等方相への相転移点が110℃と高いため、特に低温信頼性の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Pを用いたこと以外、実施例1と同じである。また化合物γの構造式は下記の通りである。
Figure 2006335788
(比較例10)
ネマチック液晶(BL006:メルク社製に化合物αを15部)89部、カイラル剤(R1011;9部メルク社製)、および化学式(2)で表されるゲル化剤2部を混合し、カイラルネマチック液晶組成物Qを得た。各種物性値及び特性値は以下の通りであった。
屈折率異方性:0.31、誘電率異方性:10、液晶相転移点:85℃、波長シフト量:−15nm、刺激純度:0.05、選択反射のピーク波長:600nm
25℃〜60℃における波長シフトが15nmと大きく、そのため白色度の低い素子となった。また屈折率異方性が0.31と大きいため、特に低温信頼性の低い素子となった。
なお各種物性値及び特性値の測定方法、セル構成などは、上記カイラルネマチック液晶組成Qを用いたこと以外、実施例1と同じである。
Figure 2006335788
本発明の一実施形態である液晶表示素子の概略断面図である。 刺激純度の算出方法を説明するための色度座標の概略図である。 実験例で用いた駆動波形の例を示す図である。 プレーナ状態およびフォーカルコニック状態を設定するためのV−Y曲線の一例を示す。
符号の説明
1:2:基板、3:4:電極、5:絶縁性薄膜、7:配向膜、9:可視光吸収層、10:高分子構造物、11:液晶層(液晶組成物)、12:シール材。

Claims (7)

  1. ネマチック液晶、少なくとも2種類のカイラル材および自己組織型ゲル化剤を含有してなり、25℃での選択反射のピーク波長が590nm以上640nm以下であり、かつ25℃〜60℃の間での選択反射のピーク波長のシフト量が±5nm以内であることを特徴とする液晶組成物。
  2. 誘電率異方性が5〜20、屈折率異方性が0.18〜0.30、等方相転移点が50〜100℃であることを特徴とする請求項1の液晶組成物。
  3. 誘電率異方性が5〜20、屈折率異方性が0.20〜0.30、等方相転移点が60〜100℃であることを特徴とする請求項1の液晶組成物。
  4. 25℃〜60℃の間での選択反射のピーク波長のシフト量が±3nm以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶組成物。
  5. ゲル化剤が分子内に分子間水素結合性基を2個以上、およびアルキレン基を2個以上有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶組成物。
  6. 分子間水素結合性基が2価のアミド結合基であることを特徴とする請求項5に記載の液晶組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の液晶組成物からなる液晶層を有することを特徴とする液晶表示素子。


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