JP2002241756A - 液晶組成物、カラーフィルターおよびその製造方法、ならびに液晶表示装置 - Google Patents

液晶組成物、カラーフィルターおよびその製造方法、ならびに液晶表示装置

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JP2002241756A
JP2002241756A JP2001040772A JP2001040772A JP2002241756A JP 2002241756 A JP2002241756 A JP 2002241756A JP 2001040772 A JP2001040772 A JP 2001040772A JP 2001040772 A JP2001040772 A JP 2001040772A JP 2002241756 A JP2002241756 A JP 2002241756A
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color filter
light
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JP2001040772A
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English (en)
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Yasunari Kawabata
耕也 川畑
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布適性に優れ、均一で厚い膜が得られる液
晶組成物、該液晶組成物を用いて作製される選択反射波
長が均一で反射率が充分高いカラーフィルター、および
該カラーフィルターを組み込んだ液晶表示装置を提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも、重合性基を少なくとも1つ
有する液晶性化合物、光反応型キラル剤、ゲル化剤およ
び溶媒を含む液晶組成物、前記液晶組成物を用いて作製
したカラーフィルター、および該カラーフィルターを組
み込んだ液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶組成物、該液
晶組成物から作製されるカラーフィルターおよびその製
造方法、ならびに該カラーフィルターを組み込んだ液晶
表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、携帯情報端末、パ
ーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、アミュ
ーズメント機器、テレビジョン装置などの他、種々の電
子機器や電気機器の表示パネルなど、その用途の拡大が
増々進みつつある。これらの機器には、従来より、液晶
を用いた表示装置が組み込まれているが、この表示装置
は、消費電力が小さく薄型であるという長所を持ってい
る。これらの表示装置は、大きくは、バックライト光源
を有する透過型表示装置と、光源を持たないかあるいは
全面に導光板を用いるフロントライト方式の反射型表示
装置とに分かれ、フルカラー表示においては、通常、カ
ラーフィルタが使用される。例えば、カラー液晶ディス
プレー等に用いられるカラーフィルタは、一般に、赤色
(R)、緑色(G)、青色(B)の各画素と、その間隙
に表示コントラスト向上を目的とするブラックマトリク
スとが形成されて構成される。
【0003】このようなカラーフィルーターは、従来、
顔料分散法や染色法を利用して製造されるものが主流で
ある。顔料分散法はフォトレジストに顔料を分散させて
基板ガラスに塗布し、パターン露光・現像工程を行なう
方法であり、パターニングエッジ、解像度および膜均一
性などに優れた方法である。しかし、フォトレジスト工
程が必要であること、顔料を用いるため、染料を用いる
場合ほどには簡便に色調整ができないことなどの問題点
を有している。スピンコート法を用いて、基板上にフォ
トレジストを塗布する場合には、加えて、材料ロスが大
きく、また大面積の基板に塗布する場合の塗布ムラが大
きいといった欠点がある。また、染色法は、ゼラチン等
に感光性を付与した透明樹脂パターンを後から染める方
法であり、染料の透明性に基づき光透過率が高いこと
や、染料の種類の豊富さにより色度調整が容易であると
いう特徴を有する反面、フォトレジスト工程などの工程
数が顔料分散法より多いなどの欠点を要する。
【0004】この他に、カラーフィルターの作製方法と
しては、印刷法、電着法、インクジェット法などが知ら
れている。前記印刷法は、各色を順次1色づつ印刷する
方法であるので各色のパターンの位置合わせが難しく、
画素の解像度が低くまた膜厚も不均一であり、高精細な
画像パターンの形成には対応が難しいという欠点がある
が、一方材料の利用率が高い。また、電着法によると、
比較的解像度が高く、着色層のムラも少ないカラーフィ
ルタを得ることができる反面、製造工程が煩雑であり液
管理も難しいといった難点を有している。インクジェッ
ト法の場合は、解像度の点や隣接する画素同士の混色の
問題があった。
【0005】前記カラーフィルターは、いずれも光吸収
型のカラーフィルターであり、原理的に光源からの光の
約1/3しか透過させることができないため、明るさが
十分であるとは言えない。この欠点を補うため、例えば
透過型表示装置の場合においてはバックライトの輝度を
上げる事が考えられるが、消費電力が大きくなり、液晶
表示装置の長所を損なうという問題が発生する。
【0006】これらの問題に対して、US005668
614では液体現像工程が不要のコレステリック偏光子
を用いたカラーフィルターが提案されている。コレステ
リック偏光子は特定の波長の円偏光を選択的に反射し、
これ以外の波長の円偏光を透過させる性質を有すること
から、前記着色樹脂からならカラーフィルタとは異な
り、透過した光を再利用することにより利用効率を高め
ることができ、実質的に明るいカラーフィルタを形成す
ることができる。そのため、このタイプのカラーフィル
ターは反射型液晶ディスプレイに適している。また、現
像工程を必要とせず、同一層内に異なる選択反射波長の
パターンを形成できるのでコスト面でも有利である。
【0007】本出願人は、先に、このようなコレステリ
ック液晶相の選択反射を利用するカラーフィルターとし
て、重合性の液晶性化合物を含むインクをインクジェッ
ト方式で吹き付けてカラーフィルター層を形成する方法
を出願した(特願平11−343666号公報)。
【0008】また、本出願人はさらに、重合性の液晶性
化合物に特定の構造を有する光反応型キラル剤を含有す
る層に光照射してカラーフィルターを形成する方法につ
いて出願をした(特願平2000−193142号、特
願平2000−193143号等)。前記光反応型キラ
ル剤は、キラル部位と光の照射により構造変化を生ずる
部位を有し、たとえば照射光量に応じて液晶の螺旋構造
の捻れ力(HTP)を大きく変化させるので、青色
(B)、緑色(G)赤色(R)の3原色を含む広範囲の
波長領域にわたって選択反射をさせることが可能にな
る。
【0009】前記のごときカラーフィルターの作製にお
いては、まず、重合性の液晶化合物と光反応型キラル剤
を、或いはさらにこれらに重合性モノマー等を加えたも
のを、有機溶媒に溶解させた溶液を、ガラス基板等に塗
布する工程が行われる。ところが、重合性の液晶化合物
が各種有機溶媒に溶解しにくいこともあって、溶液中の
液晶化合物の含有量には限界があり、前記溶液の粘度は
低く、この溶液から均一で厚い層を形成することができ
ないという問題があった。このような問題に対し、ポリ
マーを少量添加することが考えられるが、ポリマーの添
加により液晶の配向が乱されるので、高性能のカラーフ
ィルターを作製することは不可能である。また、特開2
000−154168号公報には、特定の高分子量アク
リル系光異性化キラル化合物と、液晶ポリマーを含有す
る、溶液塗布が可能な架橋型液晶組成物が記載されてい
る。この組成物は、溶剤の比率を変えることにより粘度
調整は可能であるが、液晶の再配向に時間がかかるとい
う不利な点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗布適性に
優れ、均一で厚い膜が得られる液晶組成物、該液晶組成
物を用いて作製される選択反射波長が均一で反射率が充
分高いカラーフィルターおよびその製造方法、ならびに
該カラーフィルターを組み込んだ液晶表示装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の液晶
組成物、カラーフィルターおよびその製造方法、ならび
に液晶表示装置を提供することにより解決される。 (1)少なくとも、重合性基を少なくとも1つ有する液
晶性化合物、光反応型キラル剤、ゲル化剤および溶媒を
含む液晶組成物。 (2)さらに光重合開始剤を含む前記(1)に記載の液
晶組成物。 (3)前記(1)または(2)に記載の液晶組成物を用
いて作製されるカラーフィルター。 (4)前記(1)または(2)に記載の液晶組成物を基
板に塗布して液晶層を形成する工程、該液晶層の光反応
型キラル剤の感光波長領域にある光を画像様に照射する
工程、前記重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合
物を光重合させる工程とを少なくとも有する、カラーフ
ィルターの製造方法。 (5)少なくとも1つが光透過性の1対の基板の間にカ
ラーフィルター、液晶層、および液晶駆動電極を少なく
とも有する液晶表示装置において、前記カラーフィルタ
ーが、前記(3)に記載のカラーフィルターであること
を特徴とする液晶表示装置。
【0012】
【発明の実施の形態】[液晶組成物]本発明において用
いられるゲル化剤は、有機溶媒をゲル化させる化合物が
好ましく用いられる。このゲル化剤を添加した液晶組成
物は、液晶組成物を塗布する温度、たとえば40〜10
0℃程度の温度においては、ゲル状態が解かれ、塗布に
適した粘度を呈するのに対し、塗布直後、塗布層の温度
が低下し、たとえば常温になったとき塗布層をゲル化あ
るいは固形化させるものである。前記のゲル化剤添加液
晶組成物は、塗布適性に優れるとともに、均一で厚い膜
厚の液晶層を形成することが可能となる。また、基板に
液晶組成物を塗布する際、液が基板裏面に回り込むこと
も回避できる。この液晶組成物からカラーフィルターを
作製すると、厚く均一なカラーフィルター膜が得られる
ので、選択反射波長が均一で色むらがなく、反射率が充
分なカラーフィルターとなる。また、本発明の液晶組成
物を用いることにより、理由は明らかでないが、解像度
が上がることも判明した。
【0013】前記ゲル化剤としては、溶媒をゲル化させ
る化合物であれば特に制限なく用いることができ、たと
えば、以下のごとき化合物を用いることができる。ゲル
化剤は、用いる溶媒との組み合わせを考慮して、少量の
添加により溶媒を効率よくゲル化させることができ、液
晶の配列に悪影響を与えず、可視光の吸収のないものが
適宜選択される。なお、「表面」36巻6号の1ないし
13頁には、各種ゲル化剤および該ゲル化剤がゲル化さ
せることのできる溶媒が詳細に説明されている。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】本発明の液晶組成物において、前記ゲル化
剤は、ゲル化剤の種類にもよるが、一般的に、用いる溶
媒に対し0.1〜5質量%、好ましくは1〜2質量%添
加することができる。0.1質量%より少ないと、必要
なゲル状態を達成することができず、また、5質量%よ
り多いと配向欠陥の原因となりやすいので、前記範囲が
適切である。また、前記のごときゲル化剤において、添
加量を少なくするなどにより、液晶組成物を完全にゲル
化させず、半ゲル化状態あるいは粘稠化させた状態にお
いて塗布することも可能であり、この場合は、室温にお
いて塗布することができる。前記化合物のなかでも特
に、トリデシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキサ
ミドはこのような塗布形態で使用するのに好ましいゲル
化剤である。
【0020】また、本発明の液晶組成物において、重合
性基を有する低分子液晶化合物としては、重合性基を有
するネマチック液晶性化合物が好ましい。液晶化合物の
重合性基により、十分な硬化性が確保され、層の耐熱性
が向上される。
【0021】前記重合性基を有する低分子液晶化合物の
具体例としては、下記化合物を挙げることができる。但
し、本発明においては、これらに制限されるものではな
い。
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】前記式中、nは、1〜1000の整数を表
す。前記各例示化合物においては、芳香環の連結基が以
下の構造に変わったものも同様に好適なものとして挙げ
ることができる。
【0026】
【化9】
【0027】前記液晶性化合物の含有量としては、液晶
組成物の固形分質量に対して、30〜99.9質量%が
好ましく、50〜95質量%がより好ましい。前記含有
量が、30質量%未満であると、配向が不十分となり所
望の選択反射色が得られないことがある。
【0028】(光反応型キラル剤)次に光反応型キラル
剤について説明する。光反応型キラル剤は、キラル部位
と光の照射により構造変化を生ずる光反応部位を有し、
たとえば照射光量に応じて液晶の螺旋構造の捻れ力(H
TP)を大きく変化させる化合物である。光照射による
螺旋構造誘起力を大きくするためには、光照射による構
造変化の度合いの大きいものが好ましい。さらに光反応
型キラル剤としては、溶解度パラメータのSP値が液晶
性化合物に近似したものが望ましい。また、光反応型キ
ラル剤の分子中に、重合性の結合基を1つ以上導入した
構造とすると、液晶相の耐熱性が向上する。
【0029】光照射によって構造変化する光反応部位の
例としては、フォトクロミック化合物(内田欣吾、入江
正浩、化学工業、vol.64、640p,1999、
内田欣吾、入江正浩、ファインケミカル、vol.28
(9)、15p,1999)等を挙げることができる。
また、前記構造変化とは、光反応部位への光照射により
生ずる、分解や付加反応、異性化、2量化反応等を意味
し、前記構造変化は不可逆的であってもよい。また、キ
ラル部位としては、例えば、野平博之、化学総説、N
o.22液晶の化学、73p:1994に記載の不斉炭
素等が相当する。
【0030】本発明において用いる光反応型キラル剤と
しては、特願平11−343666号の段落[004
4]ないし[0047]に記載の光反応型キラル剤、特
願2000−193142号の段落[0021]ないし
[0029]に記載の光反応型キラル剤の他、特願20
00−380919号の段落[0019]〜[004
3]に記載の光学活性化合物、特願2000−3810
01号の段落[0020]〜[0044]に記載の光学
活性化合物、特願2000−381002号の段落[0
016]〜[0040]に記載の光学活性化合物、特願
2000−381003号の段落[0015]〜[00
36]に記載の光学活性化合物、特願2000−381
966号の段落[0017]〜[0050]に記載の光
学活性化合物、特願2000−381967号の段落
[0018]〜[0044]に記載の光学活性化合物、
特願2000−382515号の段落[0020]〜
[0049]に記載の光学活性化合物を光反応型キラル
剤として用いることができる。
【0031】(溶媒)本発明の液晶組成物に用いる溶媒
は、前記重合性基を有する液晶化合物、光反応型キラル
剤を溶解させて塗布に適した溶液とするためのものであ
り、また、塗布温度よりも温度を低下させた場合、前記
ゲル化剤によりゲル化される。溶媒は、用いる液晶組成
物の成分にもよるが、例えば、2−ブタノン、シクロヘ
キサノン、塩化メチレン、クロロホルム、N−メチル−
2−ピロリドン等の有機溶媒が用いられる。
【0032】本発明の液晶組成物には、前記重合性基を
有する低分子液晶化合物、光反応型キラル剤、ゲル化剤
および溶媒の他に、必要に応じて、重合性モノマー、重
合開始剤や、バインダ樹脂、界面活性剤、重合禁止剤、
増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤等の他の
成分を含ませることができる。本発明の液晶組成物は、
特に界面活性剤を併用することが好ましい。例えば、塗
布液状の液晶組成物を塗布し層形成する場合など、層表
面の空気界面における配向状態を立体的に制御でき、特
にコレステリック液晶相の場合には、より色純度の高い
選択反射波長を得ることができる。 (重合性モノマー)本発明の液晶組成物には、重合性モ
ノマーを併用してもよい。該重合性モノマーを併用する
と、光照射による液晶の捻れ力を変化させて選択反射波
長の分布を形成(パターニング)した後、その螺旋構造
(選択反射性)を固定化し、固定化後の液晶組成物の強
度をより向上させることができる。但し、前記液晶化合
物が同一分子内に不飽和結合を有する場合には、必ずし
も添加する必要はない。
【0033】前記重合性モノマーとしては、例えば、エ
チレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体
的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モ
ノマーの他、以下に示す化合物を挙げることができる、
但し、本発明においては、これらに限定されるものでは
ない。
【0034】
【化10】
【0035】前記重合性モノマーの添加量としては、液
晶組成物の固形分質量に対して、0.5〜50質量%が
好ましい。前記添加量が、0.5質量%未満であると、
十分な硬化性を得ることができないことがあり、50質
量%を越えると、液晶分子の配向を阻害し、十分な発色
が得られないことがある。
【0036】(光重合開始剤)光照射による液晶の捻れ
力を変化させた後の螺旋構造を固定化し、固定化後の液
晶組成物の強度をより向上させるために、重合性液晶化
合物による重合反応を利用する場合には、光重合開始剤
を添加することが好ましい。また、光重合開始剤の感光
波長領域が、前記光反応型キラル剤の感光波長領域とは
異なることが好ましい。ここで、異なる感光波長を持つ
とは、両者の感光中心波長が重ならないことを意味す
る。光反応型キラル剤の感光波長領域と光重合開始剤の
感光波長領域とが異なる場合、HTPを変化させるため
の光照射と光重合のための光照射が、互いに影響を及ぼ
すことがない。したがって、HTPを変化させるために
画像様に露光する際、光重合が進行しないため、設定ど
おりのHTP変化率を有するパターニングが可能となる
一方、螺旋構造を固定化するために光重合させる際に
は、光反応型キラル剤が光に反応せず、形成されたHT
P変化パターンを確実に固定化することができ、設定ど
うりの選択反射が達成される。
【0037】前記光重合開始剤としては、公知のものの
中から適宜選択することができ、例えば、p−メトキシ
フェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリク
ロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェ
ニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジ
ン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリー
ルビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベ
ンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、ト
リアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等
が挙げられる。この他に、特開平10−29997号公
報等に記載のビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)フェニルホスフィンオキシド等のビスアシルホスフ
ィンオキシド類や、Lucirin TPO等のDE4
230555等に記載のアシルホスフィンオキシド類が
挙げられる。
【0038】前記光重合開始剤の添加量としては、液晶
組成物の固形分質量に対して、0.1〜20質量%が好
ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量
が、0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が
低いため長時間を要することがあり、20質量%を越え
ると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣るこ
とがある。
【0039】[カラーフィルター]本発明のカラーフィ
ルター(カラーフィルターー)は、前記の液晶組成物か
ら作製することができる。本発明のカラーフィルター
は、カラーフィルター層が前記液晶組成物のみから構成
されたシート形態のものであってもよいし、カラーフィ
ルター層が所望の支持体あるいは基板上に設けられた態
様のものであってもよく、更に配向膜や保護膜等の他の
層が設けられていてもよい。液晶層を二層以上積層する
こともできる。
【0040】カラーフィルターを製造する方法として
は、特に制限はなく、少なくとも、カラーフィルター基
板に液晶層を形成する工程、該液晶層の光反応型キラル
剤の感光波長領域にある光を画像様に照射する工程、前
記重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物を光重
合させる工程とを少なくとも有する。また、本発明のカ
ラーフィルターの製造工程には、前記のごとき工程のほ
か、下記のごとく、液晶層とカラーフィルター基板ある
いは仮支持体との接触面に配向処理を施す工程を含ませ
てもよい。
【0041】前記液晶層の形成は、カラーフィルター基
板に直接本発明の液晶組成物を塗布する方法や、仮支持
体に一旦形成した液晶層をカラーフィルター基板に密着
させた後仮支持体を剥離する転写法などにより行なわれ
る。
【0042】本発明で用いるごとき光反応型キラル剤
は、その感光波長領域の光を照射すると、その光量に応
じて光反応(異性化、分解、付加、2量化等)を起こ
し、その結果液晶の螺旋構造のピッチを変化させる。し
たがって、液晶層の所望の領域ごとに光照射強度を変え
て光照射すれば、照射強度に対応して螺旋構造のピッチ
変化が生じ、そのピッチに応じた波長の光の選択反射が
起こるため、複数色を呈する。それぞれ異なる領域に異
なる光量を照射するためには、例えば、画像様に光透過
率を変えて作製された露光用マスクを介して露光する方
法が好ましく用いられる。この方法では一回の光照射に
よって、画像様に光反応の程度が異なる(その結果液晶
相の螺旋ピッチを画像様に異ならせることができる)、
液晶層を形成することができるので好ましい方法であ
る。
【0043】この後、液晶層に全面に光を照射して光重
合(硬化)させることにより、変化した液晶相の螺旋ピ
ッチを固定化する。この場合、前述したように、光反応
キラル剤に光反応を起こさせる光の波長領域(光反応キ
ラル剤の感光波長領域)と、光重合させる光の波長領域
(重合開始剤を用いる場合、その感光波長領域)が異な
っていることが好ましい。
【0044】光反応キラル剤に光反応を起こさせる光の
波長としては、光反応型キラル剤の光感応波長域、特に
光感応ピーク波長に近接する波長に設定することが、十
分なパターニング感度が得られる点で好ましい。また、
光重合させる光の波長としては、重合開始剤の光感応波
長域、特に光感応ピーク波長に近接する波長に設定する
ことが、十分な光重合感度が得られる点で好ましい。ま
た、これらの光の照射強度は充分な光感度が得られるよ
うに適宜選択できる。
【0045】以下に、更に具体的に説明する。 〔第1の態様〕第1の態様は、カラーフィルター基板に
液晶層を形成するのに、転写法を用いる方法である。 (1)仮支持体上に本発明の液晶組成物の層を設け、液
晶層を少なくとも有する転写材料を形成する工程。液晶
層は、本発明の液晶組成物を、バーコーターやスピンコ
ーター等を用いて、仮支持体に塗布することにより形成
される。前記液晶層と仮支持体との間には、被転写体上
に異物等がある場合など、転写時における密着性を確保
する観点から、熱可塑性樹脂(アクリル樹脂、ポリエス
テル、ウレタン樹脂等)よりなるクッション層を設ける
こともできる。また、仮支持体あるいはクッション層の
表面には、配向処理(配向膜の形成およびラビング処
理)を施すことが好ましい。さらに、液晶層の上に保護
のためのカバーフィルムを設けることができる。 (2)前記転写材料を光透過性の基板上にラミネートす
る工程。前記基板には、受像層を設けてもよい。また、
基板あるいは受像層の上には、前記(1)と同様の配向
処理をすることが好ましい。 (3)光透過性の基板に液晶層を転写するとともに仮支
持体を剥離する工程(転写工程)。該液晶層は、下記
(4)を経た後、更に同様に転写材料を積層して、複数
層形成することもできる。 (4)液晶層に露光マスクを介して画像様に光照射して
選択反射色を示す画素パターンを形成し、これに更に光
照射して液晶層を硬化させる工程(露光工程)。
【0046】以下に、図を用いて第1の態様によるカラ
ーフィルターの作製方法を説明する。まず、図1−
(A)で示すように、仮支持体10の上にクッション層
12を設け、更にポリビニルアルコール等の配向膜14
を積層する。次に、図1−(B)に示すように、配向膜
にラビング処理が施される。このラビング処理は、必ず
しも必要ではないが、ラビング処理した方がより配向性
を向上させることができる。次に、図1−(C)に示す
ように、前記配向膜14上に、液晶組成物を塗布、乾燥
し液晶層16を形成した後、この液晶層16上にカバー
フィルム18を設けて、転写材料20を作製する。
【0047】一方、図1−(D)に示すように、別の基
板22に図1−(B)と同様にして配向膜24を形成
し、その表面にラビング処理を施す。以下、これをカラ
ーフィルタ用基板26と称する。次いで、転写シート材
料20のカバーフィルム18を剥がした後、図2−
(E)に示すように、該転写シート20の液晶層16の
表面と、カラーフィルタ用基板26の配向膜24の表面
とが接触するように重ね合わせ、図中の矢印方向に回転
するロールを通してラミネートされる。その後、図2−
(F)に示すように、転写材料20の配向膜14とクッ
ション層12との間で剥離され、カラーフィルタ用基板
26の上に、液晶層16が配向膜14と共に転写され
る。この場合、クッション層12は、必ずしも仮支持体
10と共に剥離しなくてもよい。
【0048】転写後、図3−(G)に示すように、配向
膜14の上方に、光の透過率の異なる領域を複数有する
露光マスク28およびバンドパスフィルタ(図示せず)
を配置し、このマスク28を介して紫外線照射し、光反
応型キラル剤に光反応を生じさせる。
【0049】次に、図3−(H)に示すように、液晶層
16に対して、上記工程(G)におけると同様の光源
(ただしバンドパスフィルタを用いず)を用い、前記工
程(G)の光照射とは異なる照射強度で紫外線を照射し
て、パターンを固定化する。その後、2−ブタノン、ク
ロロホルム等を用いて、液晶層16上の不要部分(例え
ば、クッション層、中間層等の残存部、未露光部)を除
去することにより、図3−(I)に示すように、BGR
の反射領域を有する液晶層を形成できる。
【0050】〔第2の態様〕第2の態様は、カラーフィ
ルタを構成する基板上に直接液晶層を形成する方法であ
り、液晶層を形成した後、前記第1の態様の工程の
(4)と同様の露光工程を行なう方法である。
【0051】カラーフィルターとして機能する液晶層の
厚みとは、1.5〜4μmが好ましい。
【0052】これらの工程及び使用する転写材料、支持
体等の材料については、特願平11−342896号及
び特願平11−343665号の各明細書に詳細に記載
されている。
【0053】上記のように、光反応型キラル剤を含む液
晶組成物を用いると、光量に対する液晶の螺旋構造の捻
れ力の変化率が大きいので、液晶が呈し得る選択反射色
の色幅が拡がり、色純度に優れた青(B)、緑(G)、赤
(R)の3原色よりなるカラーフィルターを得ることがで
きる。
【0054】[液晶表示素子]次に、前記のごとき本発
明のカラーフィルターを用いる液晶表示装置について説
明する。本発明の液晶表示装置は、支持基板および対向
基板の間に、カラーフィルター、液晶層、および液晶駆
動電極を少なくとも有し、該カラーフィルターとして、
前記のごとき本発明のカラーフィルターを用いる。本発
明の液晶表示装置は、反射型液晶表示装置が適している
が、これに限定されるものではなく、透過型液晶表示装
置(たとえば特開平2000−231097号公報に記
載のごとき透過型液晶表示装置)も可能である。
【0055】本発明の液晶表示装置の例を図を用いて説
明するが、これらに限定されるものではない。図4は、
アクティブマトリックス型の反射型液晶装置の一例を示
す。図4に示すように、この反射型液晶表示素子は、図
4の上方を観察者側とすると、偏光板40の下に1/4
波長板42、透明基板44、透明な共通電極46、電気
的に駆動可能な液晶層48、透明画素電極(表示電極)
50、コレステリック偏光素子からなるカラーフィルタ
52、光吸収層54、THF(薄膜トランジスタ)等の
アクティブ素子56、アクティブ素子を電気的に接続す
るための金属配線58、支持基板59を順次配置した構
成になっている。なお、アクティブ素子としてMIMを
用いる場合には、透明基板44側に走査線として、スト
ライプ状の透明電極を形成する。なお、液晶表示装置に
は、液晶配向膜、スペーサー、シール剤等が通常用いら
れるが、図4ではこれらは省略されている。
【0056】透明基板44および支持基板59には、ガ
ラス基板が適しているが、軽量で割れにくい液晶表示装
置とするために、ガラス基板の代わりにプラスチック基
板を用いることも可能である。透明電極(共通電極4
6、画素電極50、走査線等)には、ITO膜が好まし
く用いられる。
【0057】上記偏光板40と1/4波長板42とは、
観察者側から入射した光h1を右回りまたは左回りの円
偏光として透明基板44側に出射するように、偏光板4
0の偏光面と1/4波長板42の遅相軸がほぼ45度の
角度を保つように配置される。図4では、右回りの円偏
光となるように配置されている。ここで用いる1/4波
長板は可視光全体の波長に渡って1/4波長の位相変調
を発生させる広帯域のものがより好ましい。
【0058】液晶層48は、駆動電圧がOFF状態では
光学的に等方相であり、ON状態ではリターデーション
が1/2波長であるものを用いることとする。
【0059】液晶層48に電圧を印可するための透明画
素電極50は、コレステリック偏光素子52と光吸収層
54に設けられたスルーホールを介して金属配線58を
備えたアクティブ素子(TFT)56と接続されてい
る。
【0060】コレステリック偏光素子52は、赤色反射
領域、緑色反射領域、青色反射領域に分割されており、
それぞれの領域は対応する反射色を選択反射するような
螺旋ピッチを有している。
【0061】光吸収層54はコレステリック偏光素子5
2を透過してくる光を全て吸収するように十分な光学濃
度をもつものを、コレステリック偏光素子52とアクテ
ィブ素子(TFT)56及び金属配線58との間に配置
する。このように配置することにより、液晶層に電圧を
印加させない場合、カラーフィルターを透過する円偏光
(たとえば下記のように左回りの円偏光)がアクティブ
素子間を結ぶ配線により再反射されて、その円偏光(左
回りの円偏光)がカラーフィルターを透過し観察者側に
到達することを防ぐことができる。また、アクティブ素
子56間は電気的に絶縁性を保つことが必要であるが、
光吸収層54に絶縁性を持たせることにより光吸収層と
絶縁層を兼ねさせることができ、好ましい。また、光吸
収層54を絶縁性にしない場合には、光吸収層54とア
クティブ素子56及び金属配線58との間に絶縁層を設
けることが必要である。光吸収層は、可視領域の波長の
光を吸収する層が好ましく、たとえば顔料としてカーボ
ンブラック粒子を用いることができる。また、光吸収層
のバインダーポリマーとしては絶縁性樹脂が好ましく用
いられ、たとえばポリアセタール樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられ
る。
【0062】次に、上記構成の反射型液晶表示素子によ
る表示動作を図4を用いて説明する。図4では中央の破
線を挟んで、左側が駆動電圧OFFの状態、右側が駆動
電圧ONの状態とする。
【0063】図4に示すように、観察者側から入射した
光線h1は偏光板40と1/4波長板42により右回り
の円偏光に変換される。この右回りの円偏光は透明基板
44および透明共通電極46を通過する際には、何ら変
調されることもなく、右回りの円偏光として電圧が印可
されていない状態の液晶層48に進入する。液晶層48
は電圧が印可されていない状態では光学的に等方的な状
態をとっているので、ここでも変調を受けることなく透
過し、次いで透明画素電極50を通過した光は右円偏光
状態を推持したままコレステリック偏光素子(カラーフ
ィルター)52に向かう。このとき、コレステリック偏
光素子52が、例えば右回りの円偏光の内、赤色波長領
域に選択反射を示すように螺旋の向きとピッチが定めら
れているとすると、入射してきた右円偏光h1の内、赤
色以外の色の光h2はコレステリック偏光素子52を透
過し、光吸収層54に達し吸収される。一方、入射して
きた右円偏光の内、赤色の光はコレステリック偏光素子
52を透過することができず、右回りの円偏光h3とし
て反射され、観察者側に向かう。反射された赤色の右円
偏光h3は、前記理由により何ら変調されることなく1
/4波長板42に到達し、1/4波長板42と偏光板4
0の作用により偏光軸が偏光板40の偏光面と平行な直
線偏光として観察されることになる。
【0064】液晶層48に対して電圧が印可された状態
では、入射光h4は前記と同様に液晶層48に右回りの
円偏光として進入する。電圧が印可された状態では液晶
層48は1/2波長のリターデーションを有するので、
右回りの円偏光は左回りの円偏光に変調されて液晶層4
8から出射されるため、右回りの円偏光に対してのみ選
択反射を示すコレステリック変調素子52をすべて通過
する。通過した光は光吸収層54により全て吸収される
ので、結果的に観察者側へは何ら光は反射されないこと
になる。
【0065】次に、図5を用いて本発明の別な実施の一
形態を説明する。図5は、単純マトリックス型の反射型
液晶表示素子の一例を示す。図5に示すように、この反
射型液晶表示素子は、図の上方を観察者側とすると、偏
光板60の下に1/4波長板62、透明基板64、透明
走査電極66、電気的に駆動可能な液晶層68、透明信
号電極70、コレステリック偏光素子からなるカラーフ
ィルタ72、透明支持基板74、光吸収層76を順次配
置した構成になっている。
【0066】上記透明基板64、透明支持基板74、透
明(走査・信号)電極66、70、偏光板60、1/4
波長板62、液晶層68およびカラーフィルター72
は、前記図1のものと同様のものが用いられ、同様に機
能する。
【0067】液晶層68に電圧を印可するための透明信
号電極70はコレステリック偏光素子からなるカラーフ
ィルター72と液晶層68の間に配置される。
【0068】光吸収層76コレステリック偏光素子72
及び透明支持基板74を透過してくる光を全て吸収する
ように十分な光学濃度を持つものを、透明支持基板74
のコレステリック偏光素子72とは反対側の表面に配置
する。
【0069】図5に示す液晶表示装置も、液晶層に電圧
が印加されていない場合の光線h1、および印加されて
いる場合の光線h4は、図4における液晶表示装置の場
合と同様に反射あるいは吸収され、h1はカラーフィル
ター72によりh3として反射され観察者側に向かい、
一方、h4はカラーフィルターをすべて透過し透明基板
74を通ってすべて光吸収層76に吸収され観察者側へ
は光は反射されない。
【0070】
【実施例】実施例1 この例では、本発明の液晶組成物を用いて、カラーフィ
ルターを作製する例を示す。 (1)液晶組成物の調製 以下で示す組成の液晶組成物を調製した。まず、液晶化
合物等の溶媒以外のすべての成分を溶媒であるシクロヘ
キサノンに溶解させ、次いで、溶液を80℃に加温した
状態で、ゲル化剤を添加し溶解させた。この溶液を室温
に戻すと、全体がゲル化し、流動性を失った。
【0071】
【化11】
【0072】(2)カラーフィルターの作製 1) カラーフィルター基板の準備 ガラス基板上にポリイミド配向膜(LX−1400,日
立化成デュポン(株)製)塗布液をスピンコーターによ
り塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、2
50℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成した。
更に、該膜の表面をラビング処理により配向処理して配
向膜付ガラス基板を作製した。
【0073】2) カラーフィルター層の形成 上記1)で作製した配向膜付ガラス基板の該配向膜上に、
前記(1)の液晶組成物(温度80℃)をスピンコータ
ーにより塗布層がおよそ2μmとなるように塗布し、こ
れを100℃のオーブンで2分間乾燥して液晶層を形成
した。次いで、これを、100℃のホットプレート上に
ガラス基板の表面が接触するように載せて5分間保持
し、液晶層を発色させた。更に、該液晶層上に、透過率
が三段階に異なり(0%、46%、92%)、それぞれ
の領域が赤色画素用、緑色画素用、青色画素用に対応し
て配列されたフォトマスクと365nmに中心を持つバ
ンドパスフィルタとを介して超高圧水銀灯を配置し、こ
のフォトマスク及びバンドパスフィルタを通して超高圧
水銀灯により照射しパターニングした。このときの照射
エネルギーは青色画素用に対して600mJ/cm2
あり、照射強度は30mW/cm2であった。
【0074】次に、フォトマスクとバンドパスフィルタ
とを取り除き、窒素ガスを吹き付けながら上記と同様の
超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cm2
で更に全面を露光し、重合硬化した。更に、カラーフィ
ルター層の硬化を促進するために、220℃のオーブン
で20分間焼成し、赤色画素、緑色画素、青色画素パタ
ーンが形成された、色純度が高いカラーフィルタを得
た。得られたカラーフィルターは、液晶組成物にゲル化
剤を含有させているため、前記のごとく約2μmという
均一な膜厚に形成され、選択反射波長が均一で、反射率
が充分なカラーフィルターが作製された。
【0075】実施例2 図5に示すような構造を有する液晶表示装置を作製し
た。 (1) 透明支持基板の準備 厚さ1.1mmのホウケイ酸ガラス基板を洗浄・乾燥し
た。 (2) 透明支持基板への光吸収層、カラーフィルター
層、透明信号電極および配向膜の形成 前記(1)で準備した透明支持基板に、カーボンブラック
と絶縁性樹脂(ポリビニルブチラール)を含む光吸収層
用溶液(絶縁性樹脂に対しカーボンブラックを30質量
%添加)を、乾燥厚みが2μmになるようにスピンコー
ト法で塗布・乾燥して形成した。前記透明支持基板の光
吸収層とは反対の面に、実施例1と同様の方法でカラー
フィルターを形成した。次いで、カラーフィルター層の
上に0.1μmのITO膜をスパッタリング法で形成し
た後、常法のフォトリソグラフィー法によりパターン形
成し、ストライプ状の透明信号電極を形成した。該透明
信号電極にポリイミド配向膜(LX−1400,日立化
成デュポン(株)製)塗布液をスピンコーターにより塗
布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、250
℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成し、更に、
該膜の表面をラビング処理により配向処理した。 (3) 透明基板(対向基板)の準備 厚さ1.1mmの対向ガラス基板に、スパッタリング法
によりITO膜を0.1μm形成し、その後前記の透明
信号電極の場合と同様にして、ストライプ状の透明走査
電極を形成し、前記配向処理と同様の方法により配向処
理を行った。 (4) 液晶セルの作製 前記のカラーフィルター等を設けた透明支持基板の配向
処理面側と対向基板の配向処理面側を2μmのスペース
を空けて貼り合わせた後、液晶を注入した。液晶として
は電圧ON時にホメオトロピック配向をとり、OFF時
にリターデーションが1/2になるものを使用した。前
記液晶セルの対向基板側に1/4波長版(住友化学
(株)製、スミカライト)および偏光板(住友化学
(株)製、SH−1832AW)を粘着剤を介して貼っ
た。このようにして作製した液晶表示装置は、カラーフ
ィルターとして実施例1の、塗布層が約2μmの均一な
膜厚を有するカラーフィルターを用いているため、反射
率が充分高く明るい表示が可能な液晶表示装置が得られ
た。
【0076】比較例1 実施例1において、ゲル化剤を添加しない他は、実施例
1と同様にして液晶組成物を調製し、これを用いてカラ
ーフィルターを作製した。この例では、ゲル化剤を添加
していないため、液晶層の膜厚が薄くまた不均一とな
り、その結果、カラーフィルターの反射波長が不均一
で、反射率も不充分であった。
【0077】
【発明の効果】本発明の液晶組成物は溶剤のゲル化剤を
含むため、該組成物を塗布すると均一で厚い膜を形成す
ることができる。また、前記液晶組成物を用いてカラー
フィルターを作製すると、選択反射波長が均一で、反射
率が充分なカラーフィルターが得られる。そして、この
ようなカラーフィルターを組み込んだ液晶表示装置は、
特に照明手段を用いなくても明るい表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶カラーフィルタを製造する工程
の一部を示す概略図である。
【図2】 本発明の液晶カラーフィルタを製造する工程
の一部を示す概略図である。
【図3】 本発明の液晶カラーフィルタを製造する工程
の一部を示す概略図である。
【図4】 本発明のアクティブマトリックス型液晶表示
装置の一例を示す概念図であり、1点鎖線の左側は電圧
OFF状態の、右側は電圧ON状態の、円偏光の反射あ
るいは吸収をそれぞれ示す。
【図5】 本発明の単純マトリックス型液晶表示装置の
一例を示す概念図であり、1点鎖線の左側は電圧OFF
状態の、右側は電圧ON状態の、円偏光の反射あるいは
吸収をそれぞれ示す。
【符号の説明】
10 仮支持体 12 クッション層 14、24 配向膜 16 液晶層 18 カバーフィルム 20 転写材料 22 基板 26 カラーフィルタ用基板 28 露光マスク 40、60 偏光板 42、62 1/2波長板 44、64 透明基板 46 透明共通電極 48、68 液晶層 50 透明画素電極 52、72 カラーフィルター 54、76 光吸収層 56 TFT素子 58 金属配線 59、74 支持基板 66 透明走査電極 70 透明信号電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、重合性基を少なくとも1つ
    有する液晶性化合物、光反応型キラル剤、ゲル化剤およ
    び溶媒を含む液晶組成物。
  2. 【請求項2】 さらに光重合開始剤を含む請求項1に記
    載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の液晶組
    成物を用いて作製されるカラーフィルター。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の液晶組
    成物を基板に塗布して液晶層を形成する工程、該液晶層
    の光反応型キラル剤の感光波長領域にある光を画像様に
    照射する工程、前記重合性基を少なくとも1つ有する液
    晶性化合物を光重合させる工程とを少なくとも有する、
    カラーフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つが光透過性の1対の基板
    の間にカラーフィルター、液晶層、および液晶駆動電極
    を少なくとも有する液晶表示装置において、前記カラー
    フィルターが、請求項3に記載のカラーフィルターであ
    ることを特徴とする液晶表示装置。
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