JP2002040228A - コレステリック液晶カラーフィルタ - Google Patents

コレステリック液晶カラーフィルタ

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JP2002040228A
JP2002040228A JP2000228558A JP2000228558A JP2002040228A JP 2002040228 A JP2002040228 A JP 2002040228A JP 2000228558 A JP2000228558 A JP 2000228558A JP 2000228558 A JP2000228558 A JP 2000228558A JP 2002040228 A JP2002040228 A JP 2002040228A
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liquid crystal
cholesteric liquid
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color filter
light
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JP2000228558A
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Akira Kamata
晃 鎌田
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂製セル使用LCDに好適に用いられ、樹
脂(プラスチック)製基板(セル基板)からなり、10
0℃以下の低温により基板の変形等の支障を伴うことな
く簡易に形成でき、耐衝撃性に優れ、しかも色純度に優
れる低コストのコレステリック液晶カラーフィルタを提
供する。 【解決手段】 樹脂製基板上に、コレステリック液晶組
成物を含む層が設けられてなることを特徴とするコレス
テリック液晶カラーフィルタである。コレステリック液
晶組成物が重合性のコレステリック液晶性化合物と光反
応性カイラル化合物と重合開始剤とを含んでなる態様が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コレステリック液
晶組成物をパターニングして得られ、携帯端末や小型パ
ーソナルコンピュータ等に好適なLCD等の表示デバイ
スに用いられるコレステリック液晶カラーフィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレー(カラーLC
D)等の表示デバイスに用いられるカラーフィルタは、
一般に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各画素
と、その間隙に表示コントラスト向上を目的とするブラ
ックマトリクスとが形成されて構成される。従来、カラ
ーフィルタは、樹脂中に顔料を分散させたものや染料を
染着させたものが主流であり、液晶セルを構成するガラ
ス基板上に形成されるのが一般的であった。しかし、近
年では、携帯電話をはじめとする通信機器の携帯端末や
小型パソコン等が急速に普及する状況のもと、手軽で携
帯性に優れることから屋外で使用され、誤って強い衝撃
を受けてガラス基板等が破損する等の破損クレームが多
く発生するに至っていた。
【0003】上記のような状況に伴い、最近、携帯電話
をはじめとする通信機器の携帯端末や小型パソコン等に
おいて、その表示部の基板(以下、「セル基板」という
ことがある。)として樹脂製基板(プラスチック基板)
を用いたLCDが採用されるようになってきた。これ
は、プラスチックの特性上、携帯使用時に誤って衝撃を
与えた場合でも割れにくいという利点があり、市場でも
圧倒的に破損クレームが減少する傾向にある。
【0004】現在、プラスチック基板を用いたLCDと
しては、白黒表示用LCDが多く普及しているが、カラ
ー表示用LCDとしては未だ検討段階にあり、市場展開
にあたっては、カラー化に伴う以下のような課題があっ
た。即ち、カラーフィルタの光透過率、色純度の点であ
る。これまでカラーフィルタの製造には、印刷法、顔料
分散法、電着法等の製造方法が行われてきた。しかし、
印刷法は、画素の解像度が低く高解像度の画像パターン
化が困難であるという欠点があるため、近年では顔料分
散法が主流となっていた。
【0005】ところが、顔料分散法では、カラーフィル
タが液晶と直接接触するためにイオン等の不純物を含ま
ないことが要求されることから、不純物を含むカラーフ
ィルタが液晶と接触しても支障を来さないように、特に
高熱下で強固に固まるバインダやモノマー成分を混合し
200℃以上の高温ベークで固める必要があった。これ
により、不純物を多く含む場合でも液晶のスイッチング
機能を損なわずに正常な画像表示が確保されてきたが、
上記の通り、約200℃以上の高温ベークが不可欠であ
り、該温度下では反りや変形等の点からプラスチック基
板は使用できず、液晶を導入する液晶セルに使用しうる
透明基板としては実際上ガラス基板以外用いることがで
きなかった。したがって、ガラス基板の破損をできるだ
け回避するため、ガラス基板の表面に肉厚のプラスチッ
ク基板を貼付して商品化していたが、破損クレームは減
少しなかった。
【0006】一方、プラスチック製のセル基板を低温下
で着色する方法に電着法がある。この方法によれば、プ
ラスチック(樹脂)の反りや変形等、性状に影響を与え
ることなくカラーフィルタを形成でき、既に商品化され
一定の市場が形成されている。しかしながら、電着法
は、製造工程が煩雑で液管理も難しく、しかも、形成さ
れたカラーフィルタは色純度に著しく劣り、くすんだカ
ラー表示しかできないという問題がある。
【0007】最近では、液晶ディスプレイ(LCD)パ
ネルにおける、カラーフィルタの透過率、色純度に対す
る要求は特に高い。したがって、携帯用の小型機器にお
いても例外ではなく、色純度の向上が要求されている。
しかしながら、上記の通り、プラスチック(樹脂)製の
セル基板に変形等の支障を来すことなく形成され、しか
も色純度に優れるカラーフィルタは、未だ提供されてい
ないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、樹脂製セル使用LCDに好
適に用いられ、樹脂(プラスチック)製基板(セル基
板)からなり、耐衝撃性に優れ、しかも色純度に優れる
コレステリック液晶カラーフィルタを提供することを目
的とする。また、本発明は、樹脂製基板(セル基板)上
に120℃以下の低温により基板の変形等の支障を伴う
ことなく、かつ簡易に形成しうる低コストのコレステリ
ック液晶カラーフィルタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
における、プラスチック基板をセル基板とする際の諸問
題に関し検討した結果、カラーフィルタ膜の色純度の向
上、均一性を確保することができ、しかも工程温度が1
20℃以下の低温であって、製造工程数の低減をも実現
するには、コレステリック液晶化合物及び光反応型のカ
イラル化合物を用いた方法が有用である、との知見を得
た。この方法は、光反応型のカイラル化合物を含む液晶
組成物に該カイラル化合物の反応波長の光をパターン状
に照射すると、その照射エネルギーの強度に応じてカイ
ラル化合物の反応が進行し、液晶化合物の螺旋ピッチ
(螺旋の捻れ角)が変化するので、光量差のあるパター
ン露光のみにより画素ごとに選択反射色が形成されると
いう原理によるものである。即ち、コレステリック液晶
組成物を100℃前後に感熱した状態で画像様に光照射
してパターニングした後、パターニングされたコレステ
リック液晶化合物を、再度の光照射、あるいは120℃
以下の加熱によって固定化することにより、カラーフィ
ルタ(偏光利用型)として機能する膜強度の高い硬化膜
を形成できる。
【0010】前記コレステリック液晶を主成分とするカ
ラーフィルタは、一定の光量を反射しそれ以外を透過し
て画像表示を行う選択反射特性を利用するため、光の利
用効率が高く、透過率、色純度の点でも、顔料分散法や
電着法で作製される顔料等を含む光吸収型のカラーフィ
ルタよりも卓越した性能を有する。また、カラーフィル
タ作製に際し、加熱温度を120℃以下にでき、しか
も、例えば透過光量の異なるマスクを使用すれば一回の
マスク露光で完了し、工程の簡易化が可能である、とい
ったメリットがある。
【0011】一方、コレステリック液晶カラーフィルタ
は、視野角依存性が大きいという欠点を有するが、携帯
端末等のように一人が正面からしか見ないような用途に
おいては支障はなく、商品適正としては何ら問題とはな
らないといえる。
【0012】前記課題を解決するための手段は以下の通
りである。即ち、 <1> 樹脂製基板上に、コレステリック液晶組成物を
含む層が設けられてなることを特徴とするコレステリッ
ク液晶カラーフィルタである。
【0013】<2> コレステリック液晶組成物が、少
なくとも一種の重合性のコレステリック液晶性化合物
と、少なくとも一種の光反応性カイラル化合物と、少な
くとも一種の重合開始剤とを含んでなる前記<1>に記
載のコレステリック液晶カラーフィルタである。
【0014】<3> 重合性のコレステリック液晶性化
合物が、同一分子内に紫外線に感応して重合硬化する官
能基を有する前記<1>又は<2>に記載のコレステリ
ック液晶カラーフィルタである。
【0015】<4> 樹脂製基板上に設けられたコレス
テリック液晶組成物を、第一の光により画像様に露光し
てパターニングした後、第二の光により光重合させて硬
化させる工程を少なくとも一工程含むコレステリック液
晶カラーフィルタの製造方法により得られる前記<1>
〜<3>のいずれかに記載のコレステリック液晶カラー
フィルタである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のコレステリック液晶カラ
ーフィルタにおいては、樹脂(プラスチック)製のセル
基板上にコレステリック液晶カラーフィルタが形成され
てなる。以下、本発明のコレステリック液晶カラーフィ
ルタについて説明する。
【0017】本発明のコレステリック液晶カラーフィル
タは、樹脂製のセル基板上にコレステリック液晶組成物
を含む層が設けられてなり、必要に応じて二層以上積層
されてもよく、更に配向膜や保護膜等の他の層(膜)が
設けられていてもよい。具体的な作製方法については後
述する。
【0018】<基板>前記基板(セル基板)としては、
公知の樹脂(プラスチック)製の基板の中から適宜選択
することができ、具体的には、以下の基板が好適であ
る。透過型の液晶表示素子用LCDの場合、可視光線の
透過率が高いものが好ましく、例えば、ポリメチルメタ
クリレート等のアクリル樹脂、ポリジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート等のポリカーボネート、ポリ
エーテルサルフォン、酢酸セルロース、アモルファスポ
リオレフィン、ポリエステル、エポキシ、不飽和ポリエ
ステル、ポリスチレン等が挙げられる。また、熱による
伸縮、変形を防止するため、上記樹脂に酸化珪素又は硫
酸バリウム等の微粒子やガラス繊維等の無機繊維を分散
させたものも適用できる。
【0019】反射型又は半透過型(入射光の少ない暗い
室内での使用時のみ内部ランプを点灯させる半透過タイ
プ)の液晶表示素子用LCDの場合、可視光線の透過率
が低い着色された樹脂板が好適に挙げられる。特に、カ
ーボンブラックやカーボンフィバー又はその他の有機又
は無機顔料を混合し、黒色に着色された樹脂板を用い、
かつ画素部に反射膜を設けて画素部の入射光のみを選択
的に反射させ、画素間の入射光を黒色樹脂基板に吸収さ
せる構成を採用すれば、コントラストを向上させること
もできる。
【0020】中でも特に、特開平6−43444号公報
等の記載のように、上記の各種基板にガスバリア層が設
けられてなる樹脂製基板が好ましい。一般に、樹脂(プ
ラスチック)製基板は、ガス透過性が高いので、液晶組
成物を封入しLCDを作製した後、湿度変化や経時で起
因して、液晶セル内への空気の侵入による表示欠陥や液
晶セルの破壊を生じたり、また耐溶剤性に劣るので、製
造適正に欠けることがある。これらの状況を回避する観
点から、樹脂製基板の片面若しくは両面にガスバリア性
の高いガスバリア層が設けられることが好ましい。
【0021】前記樹脂製基板の厚みとしては、20〜1
000μmが好ましく、50〜500μmがより好まし
い。前記厚みが、20μm未満であると、十分な強度が
維持できず反りや撓み等を生じて、高精度のパターニン
グが困難となることがあり、1000μmを超えると、
基板の剛性が高くなりすぎ、貼合せ時の局所圧力が高く
なって均一なセルギャップが得られないことがある。
【0022】セル基板として、従来のガラス基板に代え
て樹脂製基板を用いることにより、耐衝撃性を大幅に向
上させることができる。しかも、重量の点でもガラス基
板に比し軽量であるため、携帯用の小型機器に好適であ
る。
【0023】<コレステリック液晶組成物>前記コレス
テリック液晶組成物(以下、単に「液晶組成物」という
ことがある。)は、少なくとも一種の重合性のコレステ
リック液晶性化合物と、少なくとも一種の光反応性カイ
ラル化合物と、少なくとも一種の重合開始剤とを含有し
てなり、必要に応じて、バインダ樹脂、溶媒、界面活性
剤、重合禁止剤、増粘剤、顔料等の色素、紫外線吸収
剤、ゲル化剤等の他の成分を含んでいてもよい。
【0024】(コレステリック液晶性化合物)本発明に
おいては、液晶化合物として、重合性のコレステリック
液晶性化合物を用いる。該コレステリック液晶性化合物
は、その屈折率異方性Δnが0.10〜0.40で、液
晶分子の末端に重合性基若しくは架橋性基が導入された
重合性液晶化合物の中から適宜選択することができる。
溶融時の液晶状態にある間に、例えば、ラビング処理等
の配向処理を施した配向基板を用いる等により配向さ
せ、そのまま冷却、重合硬化等して固定化させることに
より固相として使用することができる。即ち、液晶化合
物は、配向状態で効率よく重合させるとその反応性が極
めて高いため、強靭な膜を形成することができる。
【0025】前記重合性のコレステリック液晶性化合物
としては、例えば、紫外線に感応して重合硬化するUV
硬化型の官能基(例えば、アクリレート基等)がコレス
テリック液晶性化合物の分子内に導入された液晶化合物
などが好適に挙げられる。これに紫外線照射して固めれ
ば、120℃以下の低温で膜強度の高いカラーフィルタ
の作製が可能である。
【0026】前記コレステリック液晶性化合物の具体例
としては、下記化合物を挙げることができる。但し、本
発明においては、これらに制限されるものではない。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】前記式中、nは、1〜1000の整数を表
す。前記各例示化合物においては、その側鎖連結基が以
下の構造に変わったものも同様に好適なものとして挙げ
ることができる。
【0031】
【化4】
【0032】上記のうち、コレステリック液晶性化合物
としては、硬化性に優れ、層の耐熱性を確保しうる観点
からは、分子内に重合性基あるいは架橋性基を有するコ
レステリック液晶性化合物が好ましい。
【0033】コレステリック液晶性化合物の含有量とし
ては、液晶組成物の固形分重量に対して、30〜98重
量%が好ましく、50〜95重量%がより好ましい。前
記含有量が、30重量%未満であると、配向が不十分と
なり所望の選択反射色が得られないことがある。
【0034】(光反応性カイラル化合物)前記光反応性
カイラル化合物は、コレステリック液晶組成物に誘起す
る螺旋ピッチを光照射(紫外線〜可視光線〜赤外線)に
よって変化させうる化合物であり、このため必要な部位
(分子構造単位)として、カイラル部位と光の照射によ
って構造変化を生じる部位とを有する。これらの部位
は、1分子中に含有されているものが好ましい。本発明
においては、前記光反応性カイラル化合物の他、捻れ性
の温度依存性が大きいカイラル化合物など、光反応しな
いカイラル化合物を併用することもできる。
【0035】カイラル化合物は、パターニング感度を向
上させるためにその光感応ピーク波長が重合開始剤の光
感応ピーク波長よりも長波長側にあるものが好ましい。
また、カイラル化合物は、コレステリック液晶組成物の
螺旋構造を誘起する力が大きいものが好ましく、このた
めにはカイラル部位を分子の中心に位置させ、その周囲
をリジットな構造とすることが好ましく、分子量は30
0以上が好ましい。光照射による螺旋構造の誘起力を大
きくするためには、光照射による構造変化の度合いの大
きいものを使用し、カイラル部位と光照射による構造変
化を生じる部位を近接させることが好ましい。
【0036】さらに、コレステリック液晶性化合物への
溶解性の高いカイラル化合物が好ましく、その溶解度パ
ラメータSP値が、液晶性の重合性モノマーに近似する
ものがより好ましい。また、カイラル化合物の構造を重
合性の結合基が1以上導入された構造にすると、形成さ
れた液晶組成物膜(カラーフィルタ)の耐熱性を向上さ
せることができる。
【0037】光照射により、構造変化する光反応部分の
構造例としては、フォトクロミック化合物(内田欣吾、
入江正浩著、化学工業、vol.64,p.640,1
999、内田欣吾、入江正浩著、ファインケミカル、v
ol.28(9),p.15,1999)等に記載のも
のが挙げられる。以下、具体例を示すが、本発明におい
てはこれらに限定されるものではない。
【0038】
【化5】
【0039】式中、R1、R2は、アルキル基、アルコキ
シ基、アニケニル基、アクリロイルオキシ基を表す。
【0040】カイラル部位としては、光照射によって、
分解や付加反応、異性化、2量化反応等が起こり、不可
逆的に構造変化をするものであってもよい。さらに、カ
イラル部位としては、例えば、以下に例示する化合物の
*印を付した炭素原子のような、4つの結合にそれぞれ
異なった基が結合した不斉炭素等が相当する(液晶の化
学、No.22、野平博之、化学総説、p.73、199
4)。
【0041】
【化6】
【0042】また、カイラル部位と光異性化部を併せ持
つ光反応性カイラル化合物としては、下記化合物を一例
として挙げることができる。
【0043】
【化7】
【0044】また、下記一般式(I)又は(II)で表さ
れる光反応型カイラル化合物も好適に挙げられる。
【0045】
【化8】
【0046】前記一般式(I)及び(II)中、Rは、水
素原子、炭素数1〜15のアルコキシ基、総炭素数3〜
15のアクリロイルオキシアルキルオキシ基、総炭素数
4〜15のメタクリロイルオキシアルキルオキシ基を表
す。
【0047】以下、前記一般式(I)で表される化合物
の具体例として、R基の例示(例示化合物(1)〜(1
5))を示すが、本発明においてはこれらに制限される
ものではない。
【0048】
【化9】
【0049】コレステリック液晶組成物中におけるカイ
ラル化合物の全含有量としては、特に制限はなく適宜選
択できるが、2〜30重量%程度が好ましい。
【0050】(重合開始剤)光照射による液晶の捻れ力
を変化させた後の螺旋構造を固定化し、固定化後の液晶
組成物の強度をより向上する場合に、不飽和結合による
重合反応を促進する目的で、光重合開始剤を添加するこ
ともできる。即ち、所望の螺旋構造を形成した後、該構
造を変化させることなく、色純度の高い選択反射色を得
るには、液晶組成物の重合硬化反応が迅速であることが
好ましい。
【0051】前記光重合開始剤としては、公知のものの
中から適宜選択することができ、例えば、p−メトキシ
フェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリク
ロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニ
ルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、
ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビ
イミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジ
ルジメチルケタール、チオキサントン/アミン等が挙げ
られる。
【0052】前記光重合開始剤の添加量としては、液晶
組成物の固形分重量に対して、0.1〜20重量%が好
ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。前記添加量
が、0.1重量%未満であると、光照射時の硬化効率が
低いため長時間を要することがあり、20重量%を越え
ると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣るこ
とがある。
【0053】(重合性モノマー)コレステリック液晶組
成物には、重合性モノマーを併用してもよい。該重合性
モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変
化させて選択反射波長の分布を形成(パターニング)し
た後、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化
後の液晶組成物の強度をより向上させることができる。
但し、前記コレステリック液晶性化合物が同一分子内に
不飽和結合を有する場合には、必ずしも添加する必要は
ない。
【0054】前記重合性モノマーとしては、例えば、エ
チレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体
的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モ
ノマーが挙げられる。前記エチレン性不飽和結合を持つ
モノマーの具体例としては、以下に示す化合物を挙げる
ことができる、但し、本発明においては、これらに限定
されるものではない。
【0055】
【化10】
【0056】前記重合性モノマーの添加量としては、液
晶組成物の固形分重量に対して、0.5〜50重量%が
好ましい。前記添加量が、0.5重量%未満であると、
十分な硬化性を得ることができないことがあり、50重
量%を越えると、液晶分子の配向を阻害し、十分な発色
が得られないことがある。
【0057】(他の成分)更に、他の成分として、バイ
ンダー樹脂、溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、増粘剤、
色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤等を添加すること
もできる。該他の成分としては、紫外線硬化により硬化
したカラーフィルタ膜の強度に影響するので、コレステ
リック液晶性化合物との相溶性に優れるものが好まし
い。
【0058】また、これらの成分が硬化されたカラーフ
ィルタ膜中で移動可能であると、遊離した成分が膜強度
を低下させ、カラーフィルタの諸特性にも変化を生じさ
せる。したがって、添加する他の成分としては、コレス
テリック液晶性化合物に導入された重合性の官能基と同
系統の官能基を持つ成分を使用することが好ましい。即
ち、他の成分が膜中で遊離せずに重合硬化により液晶性
化合物中に固定化されるので、膜強度、諸特性が阻害さ
れることもないのである。
【0059】前記バインダー樹脂としては、例えば、ポ
リスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレ
ン化合物、メチルセルロース、エチルセルロース、アセ
チルセルロース等のセルロース樹脂、側鎖にカルボキシ
ル基を有する酸性セルロース誘導体、ポリビニルフォル
マール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、特
開昭59−44615号、特公昭54−34327号、
特公昭58−12577号、特公昭54−25957
号、特開昭59−53836号、特開昭59−7104
8号に記載のメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合
体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイ
ン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が
挙げられる。
【0060】アクリル酸アルキルエステルのホモポリマ
ー及びメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー
も挙げられ、これらについては、アルキル基がメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−
エチルヘキシル基等のものを挙げることができる。その
他、水酸基を有するポリマーに酸無水物を添加させたも
の、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸
のホモポリマータ)アクリル酸共重合体やベンジル(メ
タ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマー
の多元共重合体等が挙げられる。
【0061】上記の中でも、パターニング後のアルカリ
現像性、及び量産性の観点からは、カルボキシル基を含
むバインダー樹脂が好ましい。プラスチック基板上に液
晶層を形成(塗布、転写等)する場合、塗布液状に調製
するコレステリック液晶組成物にバインダー成分とし
て、カルボキシル基を含むバインダー樹脂を用いると、
アルカリ現像が可能であり、光照射後にアルカリ現像す
ることによって簡易にパターニングを行うことができ
る。
【0062】液晶組成物中におけるバインダー樹脂の含
有量としては、0〜50重量%が好ましく、0〜30重
量%がより好ましい。前記含有量が50重量%を超える
と、コレステリック液晶性化合物の配向が不十分となる
ことがある。
【0063】更に、以下の成分を添加できる。本発明の
液晶組成物においては、選択反射する色相の色純度をよ
り向上させる観点から、光反応性カイラル剤及びコレス
テリック液晶化合物と共に界面活性剤を併用することが
好ましい。具体的には、ノニオン系の界面活性剤が好ま
しく、公知のノニオン系界面活性剤の中から適宜選択し
て使用することができる。
【0064】前記重合禁止剤は、保存性の向上の目的で
添加され得る。例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノ
ン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。該重合禁止剤
の添加量としては、前記重合性モノマーに対して0〜1
0重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましい。
【0065】バインダ樹脂を除く前記他の成分の含有量
としては、コレステリック液晶組成物の全固形分重量に
対して、10重量%以下であることが好ましい。前記含
有量が10重量%を超えると、紫外線硬化により硬化し
たカラーフィルタ膜の強度を低下させることがある。
【0066】コレステリック液晶組成物は、前記各成分
を適当な溶媒に溶解、分散して調製でき、これを任意の
形状に成形し、あるいは支持体等の上に形成して用いる
ことができる。ここで、前記溶媒としては、例えば、2
−ブタノン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロ
ホルム等が挙げられる。
【0067】<コレステリック液晶カラーフィルタ>本
発明のコレステリック液晶カラーフィルタは、上述した
コレステリック液晶組成物を含む層が樹脂製基板上に設
けられてなり、該コレステリック液晶組成物を、第一の
光により画像様に露光してパターニングした後、第二の
光により光重合させて硬化する工程(以下、「露光工
程」ということがある。)を少なくとも一工程含むコレ
ステリック液晶カラーフィルタの製造方法により作製さ
れる。尚、コレステリック液晶組成物を含む層は二層以
上積層することもでき、この場合には前記露光工程は複
数工程設けられる。
【0068】また、コレステリック液晶カラーフィルタ
の製造方法には、選択する具体的な製造態様に応じて、
適宜、基板上に液晶組成物を設けて液晶層を形成する工
程(塗布工程等)、液晶組成物との接触面に配向処理を
施す工程(配向処理工程)、密着・剥離により液晶組成
物(液晶層)を転写等する工程(転写工程)、などを含
んで構成できる。以下、コレステリック液晶カラーフィ
ルタの製造方法の説明を通じて、本発明のコレステリッ
ク液晶カラーフィルタについて詳述する。
【0069】以下に、前記露光工程を含む製造方法の例
として、その具体的な一態様を示す。 −露光工程− 露光工程では、液晶化合物のパターニング及び固定化
(重合硬化)のいずれもを光の照射によって行う。即
ち、光反応型カイラル剤が高感度に感応しうる波長の第
一の光により画像様に露光してパターニングした後、重
合開始剤が高感度に感応しうる第二の光により光重合さ
せて硬化し、所望の選択反射色に液晶化合物の螺旋構造
を固定化する。
【0070】前記第一の光が液晶組成物に照射される
と、その照度に応じて、共存する光反応型カイラル剤が
感応して液晶化合物の螺旋構造が変化し、この構造変化
により異なる選択反射色を示し画像様のパターンが形成
される。従って、所望の領域ごとに照射強度を変えて光
照射すれば、照射強度に対応して複数色を呈し、例え
ば、画像様に光透過率を変えて作成された露光用マスク
を介して露光することにより、一回の光照射によって画
像を、即ち異なる選択反射をする有色領域を同時形成す
ることができる。これに更に、第二の光を照射して硬化
(固定化)させることにより液晶カラーフィルタを作製
できる。
【0071】前記第一の光の波長としては、光反応型カ
イラル剤の光感応波長域、特に光感応ピーク波長に近接
する波長に設定することが、十分なパターニング感度が
得られる点で好ましい。また、第二の光の波長として
は、重合開始剤の光感応波長域、特に光感応ピーク波長
に近接する波長に設定することが、十分な光重合感度が
得られる点で好ましい。また、第一及び第二の光の照度
(照射強度)には特に制限はなく、パターニング時及び
重合硬化時の光感度が十分得られるように、使用する材
料に応じて適宜選択できる。
【0072】前記第一及び第二の光の照射に用いる光源
としては、エネルギーが高く、液晶化合物の構造変化及
び重合反応が迅速に行える点で、紫外線を発する光源が
好ましく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドラ
ンプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。また、光量可
変機能を備えることが好ましい。
【0073】更に具体的には、下記第1、第2の態様の
製造方法であってもよく、これら2態様によって、より
好適に作製することができる。 〔第1の態様〕 (1)仮支持体上に塗布液状の液晶組成物を設け、液晶
層を少なくとも有する転写材料を形成する工程。前記塗
布液状の液晶組成物は、各成分を適当な溶媒に溶解、分
散して調製できる。ここで、前記溶媒としては、例え
ば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、
クロロホルム等が挙げられる。前記液晶層と仮支持体と
の間には、被転写体上に異物等がある場合など、転写時
における密着性を確保する観点から、熱可塑性樹脂等を
含んでなるクッション層を設けることもでき、該クッシ
ョン層等の表面には、ラビング処理等の配向処理(配向
処理工程)を施すことも好ましい。
【0074】(2)前記転写材料を樹脂(プラスチッ
ク)製の基板上にラミネートする工程。前記基板のほ
か、プラスチック基板上に受像層を有する受像材料を用
いてもよい。後述の第2の態様のように、基板上に直接
液晶組成物を塗布形成してもよいが、材料ロス及びコス
トの点で転写による方法が好ましい。 (3)プラスチック基板から仮支持体を剥離して、該プ
ラスチック基板上にコレステリック液晶層を形成する工
程(転写工程)。該液晶層は、下記(4)を経た後、更
に積層して複数層より構成することもできる。
【0075】(4)コレステリック液晶層を100℃前
後に加熱しながら、露光マスクを介して画像様に照度ν
1の紫外線を照射し選択反射色を示す画素パターンを形
成し、これに更に照度ν2の紫外線を照射して層を硬化
させる工程(露光工程)。 (5)露光後、アルカリ現像処理して、不要な液晶層等
を除去する工程(処理工程)。
【0076】〔第2の態様〕 (1)カラーフィルタを構成するプラスチック基板上に
直接液晶組成物を設けて液晶層を形成する工程。ここ
で、液晶層は、上記同様に塗布液状に調製した液晶組成
物をバーコーターやスピンコーター等を用いた公知の塗
布方法により塗布形成することができる(塗布工程)。
また、前記コレステリック液晶層と仮支持体との間に
は、上記同様の配向膜が形成されていてもよい。該配向
膜等の表面には、ラビング処理等の配向処理(配向処理
工程)を施すことも好ましい。 (2)前記第1の態様の工程(4)及び(5)と同様の
露光工程及び処理工程。
【0077】コレステリック液晶カラーフィルタの厚み
としては、1.5〜5μmが好ましい。
【0078】更に、図1から図3を用いて以下に説明す
る。図1〜3は、本発明の液晶カラーフィルタを製造す
る工程の一形態を示す概略図である。まず、既述の各成
分を適当な溶媒に溶解し、塗布液状コレステリック液晶
組成物を調製する。ここで、各成分及び溶媒は既述の通
りである。
【0079】図1−(A)のように、支持体10(以
下、「仮支持体」ともいう)を準備し、該支持体10上
に、例えばアクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン
等を塗布形成してクッション層(熱可塑性樹脂層)12
を設け、更にポリビニルアルコール等よりなる配向膜1
4を積層する。この配向膜には、図1−(B)に示すよ
うにしてラビング処理が施される。このラビング処理
は、必ずしも必要ではないが、ラビング処理した方がよ
り配向性を向上させることができる。次に、図1−
(C)に示すように、前記配向膜14上に、塗布液状の
コレステリック液晶組成物を塗布、乾燥しコレステリッ
ク液晶層16を形成した後、このコレステリック液晶層
16上にカバーフィルム18を設けて、転写材料を作製
する。以下、該転写材料を転写シート20と称する。
【0080】一方、図1−(D)に示すように、樹脂
(プラスチック)製基板22を準備し、該基板上に上記
と同様にして配向膜24を形成し、その表面にラビング
処理を施す。以下、これをカラーフィルタ用基板26と
称する。
【0081】次いで、転写シート20のカバーフィルム
18を剥がした後、図2−(E)に示すように、該転写
シート20のコレステリック液晶層16の表面と、カラ
ーフィルタ用基板26の配向膜24の表面とが接触する
ように重ね合わせ、図中の矢印方向に回転するロールを
通してラミネートされる。その後、図2−(F)に示す
ように、転写シート20の配向膜14とクッション層1
2との間で剥離され、カラーフィルタ用基板上に、コレ
ステリック液晶層が配向膜14と共に転写される。この
場合、クッション層12は、必ずしも仮支持体10と共
に剥離されなくてもよい。
【0082】転写後、カラーフィルタ基板26側から7
0〜120℃の温度に加熱し発色させる。配向膜14の
上方には、図3−(G)に示すように、光の透過率の異
なる領域を複数有する露光マスク28が配置され、この
マスク28を介して第一の光をコレステリック液晶層1
6にパターン状に照射される。コレステリック液晶層1
6には、光照射量によって螺旋ピッチが異なるように液
晶化合物、カイラル化合物等が含まれており、螺旋ピッ
チが異なる構造が各パターン毎に、例えば、緑色(G)
を反射し、青色(B)及び赤色(R)を透過させる領
域、青色(B)を反射し、緑色(G)及び赤色(R)を
透過させる領域、赤色(R)を反射し、緑色(G)及び
青色(B)を透過させる領域を形成するように形成され
る。
【0083】次に、図3−(H)に示すように、コレス
テリック液晶層16に対して、上記工程(G)における
光照射と異なる照射強度で更に紫外線照射して、パター
ンを固定化する。その後、2−ブタノン、クロロホルム
等を用いて、コレステリック液晶層16上の不要部分
(例えば、クッション層、中間層等の残存部、未露光
部)をアルカリ現像処理して除去することにより、図3
−(I)に示すように、BGRの反射領域を有するコレ
ステリック液晶層を形成できる。
【0084】図1〜3に示す方法は、ラミネート方式に
よるカラーフィルタの製造方法の一形態であるが、カラ
ーフィルタ用基板上に直接液晶層を塗布形成する塗布方
式による製造方法であってもよい。この場合、上記態様
に当てはめると、図1−(D)に示すカラーフィルタ用
基板26の配向膜24上にコレステリック液晶組成物を
塗布、乾燥した後、上記同様の図3−(G)〜(I)に
示す工程が順次実施される。
【0085】これらの工程及び使用する転写材料、支持
体等の材料については、本発明者らが先に提出した特願
平11−342896号及び特願平11−343665
号の各明細書に詳細に記載されている。
【0086】上記のように、セル基板に樹脂(プラスチ
ック)製の基板を用いることにより、大幅に耐衝撃性を
向上させることができ、また、コレステリック液晶の選
択反射特性を利用するので、クスミがなく色純度に優れ
た青(B)、緑(G)、赤(R)の3原色よりなるコレステリ
ック液晶カラーフィルタを得ることができる。しかも、
カラーフィルタは、コレステリック液晶組成物に光量を
変えて光照射することにより液晶の捻れ力を変化させ、
液晶の捻れ構造の異なる領域を形成することにより得ら
れ、また120℃以下の低温下で作製できるので、プラ
スチック基板の反りや変形等を伴うこともなく、該反り
や変形等に起因してパターン精度が低下することもな
い。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0088】(実施例1) (1) フィルタ基板の準備 LCD用プラスチック基板(帝人(株)製)上に、ポリ
アミック酸(SE−7210,日産化学(株)製)塗布
液をスピンコーターにより塗布し、100℃のオーブン
で5分間乾燥した後、110℃のオーブンで8時間焼成
して配向膜を形成した。更に、該膜の表面をラビング処
理により配向処理して配向膜付プラスチック基板を作製
した。
【0089】(2)フィルタ層の形成 上記より得た配向膜付プラスチック基板の該配向膜上
に、下記処方にて調製した感光性樹脂層用塗布液をスピ
ンコーターにより塗布し、これを100℃のオーブンで
2分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。
【0090】
【化11】
【0091】次いで、ガラス基板の表面で接触するよう
に110℃のホットプレート上に5分間保持し、感光性
樹脂層を発色させた。更に、該感光性樹脂層上に、透過
率が三段階に異なり(0%、46%、92%)、それぞ
れの領域が青色画素用、緑色画素用、赤色画素用に対応
して配列されたフォトマスクと365nmに中心を持つ
バンドパスフィルタとを介して超高圧水銀灯を配置し、
このフォトマスク及びバンドパスフィルタを通して超高
圧水銀灯により照射しパターニングした。このときの照
射エネルギーは赤色画素用に対して300mJ/cm2
であり、照射強度は30mW/cm2であった。
【0092】次に、フォトマスクとバンドパスフィルタ
とを取り除き、窒素ガスを吹き付けながら上記と同様の
超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cm2
で更に全面を露光し、重合硬化した。更に、フィルタ部
(感光性樹脂層)の硬化度を促進するために、110℃
のオーブンで10時間焼成し、赤色画素、緑色画素、青
色画素パターンが形成された、本発明のコレステリック
液晶カラーフィルタを得た。以下、これを「液晶カラー
フィルタ基板」と称する。
【0093】上記より得た液晶カラーフィルタ基板を用
い、該液晶カラーフィルタ基板のカラーフィルタが形成
された側の表面上に、スパッタリングにより層厚140
0ÅのITO膜を製膜した。これを基板Aとする。更
に、前記基板Aとは別に、上記で用いたものと同様のL
CD用プラスチック基板に、上記と同様にして層厚14
00ÅのITO膜を製膜した。これを基板Bとする。
【0094】上記基板A及びBに対して、各々のITO
膜上にポリイミド配向膜(JSR1051,JSR社
製)塗布液をスピンコータにより塗布し、80℃のオー
ブンで乾燥した後、120℃のオーブンで1時間焼成し
て配向膜を形成した。また更に、該膜の表面をラビング
処理して、配向膜付の基板A及びBとした。
【0095】上記基板Bの配向膜上において、液晶注入
口となる開口部を確保しその縁部に封止用接着剤を塗布
した。また、基板Bの配向膜上の全体には、径4.5μ
mのスペーサ粒子を散布した。次に、スペーサ粒子が散
布された基板Bの配向膜上に、基板Aの配向膜が対向す
るように該基板Aを配置し、両配向膜のラビング方向が
互いに直交するように貼り合わせ、LCD用セルとし
た。このセル内に、コレステリック液晶(ZLI508
1,メルクジャパン(株)製)にカイラル剤(S81
1,メルクジャパン(株)製)0.1%を含有させた液
晶組成物を注入し、LCD(1)を作製した。
【0096】(比較例1)顔料分散型カラーフィルタ付
ガラス基板(凸版印刷(株)製)を用意し、該ガラス基
板のカラーフィルタが形成された側の表面上に、スパッ
タリングにより層厚1400ÅのITO膜を製膜した。
これを基板Cとする。また、LCD用ガラス基板(コー
ニングジャパン(株)製)上に、上記と同様にして層厚
1400ÅのITO膜を製膜した。これを基板Dとす
る。
【0097】上記基板C及びDに対して、各々のITO
膜上にポリイミド配向膜(JSR1051,JSR社
製)塗布液をスピンコータにより塗布し、80℃のオー
ブンで乾燥した後、120℃のオーブンで1時間焼成し
て配向膜を形成した。また更に、該膜の表面をラビング
処理して、配向膜付の基板C及びDとした。
【0098】上記基板Dの配向膜上において、液晶注入
口となる開口部を確保しその縁部に封止用接着剤を塗布
した。また、基板Dの配向膜上の全体には、径4.5μ
mのスペーサ粒子を散布した。次に、スペーサ粒子が散
布された基板Dの配向膜上に、基板Cの配向膜が対向す
るように該基板Cを配置し、両配向膜のラビング方向が
互いに直交するように貼り合わせ、LCD用セルとし
た。このセル内に、コレステリック液晶(ZLI508
1,メルクジャパン(株)製)にカイラル剤(S81
1,メルクジャパン(株)製)0.1%を含有させた液
晶組成物を注入し、LCD(2)を作製した。
【0099】(比較例2)電着型カラーフィルタ付プラ
スチック基板(日本ペイント(株)製)を用意し、該プ
ラスチック基板のカラーフィルタが形成された側の表面
上に、スパッタリングにより層厚1400ÅのITO膜
を製膜した。これを基板Eとする。また、実施例1で用
いたLCD用プラスチック(帝人(株)製)上に、上記
と同様にして層厚1400ÅのITO膜を製膜した。こ
れを基板Fとする。
【0100】上記基板C及びDに対して、各々のITO
膜上にポリイミド配向膜(JSR1051,JSR社
製)塗布液をスピンコータにより塗布し、80℃のオー
ブンで乾燥した後、120℃のオーブンで1時間焼成し
て配向膜を形成した。また更に、該膜の表面をラビング
処理して、配向膜付の基板C及びDとした。
【0101】上記基板Fの配向膜上において、液晶注入
口となる開口部を確保しその縁部に封止用接着剤を塗布
した。また、基板Fの配向膜上の全体には、径4.5μ
mのスペーサ粒子を散布した。次に、スペーサ粒子が散
布された基板Fの配向膜上に、基板Eの配向膜が対向す
るように該基板Eを配置し、両配向膜のラビング方向が
互いに直交するように貼り合わせ、LCD用セルとし
た。このセル内に、コレステリック液晶(ZLI508
1,メルクジャパン(株)製)にカイラル剤(S81
1,メルクジャパン(株)製)0.1%を含有させた液
晶組成物を注入し、LCD(3)を作製した。
【0102】<LCDの評価>上記より得たLCD
(1)〜(3)について、以下の評価を行った。評価の
結果を下記表1に示す。 (落下強度)LCD(1)〜(3)について、その各々
のサイズを基板厚み0.4mm、50×50mmとし、
フラットな石盤上に高さh(mm)からそれぞれ10枚
落下させたときの破損率が30%以上となる高さhを求
め、これを落下強度を示す指標とした。
【0103】(色純度)色度計OSP−200(オリン
パス工業(株)製)を用いて、各LCDの色味を以下の
ようにして測定した。LCDの赤(R)、緑(G)、青(B)
を個々に顕微測定し、各色のx、y座標CIE1931
規定座標にプロットし、RGB各点を結んだ時にできる
三角形を色再現領域Snとした。ここで、NTSC規格
にて定められた色再現領域S0を100としたとき、該
0に対するLCD(1)〜(3)の各々の測定値S1
2,S3の比率〔%〕をNTSC比とした。
【0104】(輝度)前記色純度の評価と同様にして、
色度計OSP−200(オリンパス工業(株)製)によ
り、LCDの赤(R)、緑(G)、青(B)の色味を個々に顕
微測定し、RGB3色のY値を平均してWBY値を求
め、輝度を示す指標とした。
【0105】
【表1】
【0106】上記表1の結果から、プラスチック基板か
らなり、液晶の選択反射を利用した本発明のコレステリ
ック液晶カラーフィルタを備えたLCD(1)では、落
下衝撃に対する破損強度が高く、かつ色純度に極めて優
れ、しかも輝度にも優れていた。一方、ガラス基板を使
用した従来のLCD(2)では、十分な強度が得られな
いばかりか、色純度にも劣っていた。また、プラスチッ
ク基板からなるが、電着法によりカラーフィルタが形成
されたLCD(3)では、LCD(1)と同様の強度を
有するものの、色純度が極めて低く、従来のLCD
(2)よりも劣っていた。また、輝度も低かった。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂製セル使用LCD
に好適に用いられ、樹脂(プラスチック)製基板(セル
基板)からなり、耐衝撃性に優れ、しかも色純度に優れ
るコレステリック液晶カラーフィルタを提供することが
できる。また、樹脂製基板(セル基板)上に120℃以
下の低温により基板の変形等の支障を伴うことなく、か
つ簡易に形成しうる低コストのコレステリック液晶カラ
ーフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコレステリック液晶カラーフィルタ
を製造する工程の一部を示す概略図である。
【図2】 本発明のコレステリック液晶カラーフィルタ
を製造する工程の一部を示す概略図である。
【図3】 本発明のコレステリック液晶カラーフィルタ
を製造する工程の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
10 支持体(仮支持体) 12 クッション層(熱可塑性樹脂層) 14,24 配向膜 16 液晶層(コレステリック液晶組成物) 20 転写シート 22 樹脂(プラスチック)製基板 26 カラーフィルタ用基板 28 露光マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G03F 7/027 502 G03F 7/027 502 2H097 7/40 501 7/40 501 Fターム(参考) 2H025 AA13 AB13 AB20 AC01 AD01 BC13 BC83 CB51 DA18 FA06 FA12 2H048 AA06 AA09 AA18 AA22 BA03 BA04 BA16 BA64 BA66 BB15 BB42 2H090 JB03 JD13 JD17 LA15 2H091 FA02Y FB02 FC10 FC23 GA01 LA02 LA11 LA12 2H096 AA30 EA02 EA27 FA02 2H097 AA13 AA20 CA12 FA02 FA05 FA06 GA45 LA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製基板上に、コレステリック液晶組
    成物を含む層が設けられてなることを特徴とするコレス
    テリック液晶カラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 コレステリック液晶組成物が、少なくと
    も一種の重合性のコレステリック液晶性化合物と、少な
    くとも一種の光反応性カイラル化合物と、少なくとも一
    種の重合開始剤とを含んでなる請求項1に記載のコレス
    テリック液晶カラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 重合性のコレステリック液晶性化合物
    が、同一分子内に紫外線に感応して重合硬化する官能基
    を有する請求項1又は2に記載のコレステリック液晶カ
    ラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 樹脂製基板上に設けられたコレステリッ
    ク液晶組成物を、第一の光により画像様に露光してパタ
    ーニングした後、第二の光により光重合させて硬化させ
    る工程を少なくとも一工程含むコレステリック液晶カラ
    ーフィルタの製造方法により得られる請求項1から3の
    いずれかに記載のコレステリック液晶カラーフィルタ。
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