JP2006206710A - カイラルネマチック液晶組成物、液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

カイラルネマチック液晶組成物、液晶表示素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 「明」状態と「暗」状態との間で十分なコントラストを達成するカイラルネマチック液晶組成物、液晶表示素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 自己組織型ゲル化剤を含有し、液晶−等方相相転移温度がゾル−ゲル転移温度よりも高いことを特徴とするカイラルネマチック液晶組成物。該カイラルネマチック液晶組成物が電極を有する一対の基板間に挟持されてなる液晶表示素子。該カイラルネマチック液晶組成物を液晶−等方相相転移温度以上に加熱した後、室温まで冷却することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はカイラルネマチック液晶組成物、液晶表示素子およびその製造方法に関する。
従来より、ネマチック液晶にカイラル剤を添加することにより、室温においてコレステリック相を示すようにしたカイラルネマチック液晶組成物を用いた液晶表示素子が知られている。そのような液晶表示素子は基本的には、透明電極を有する一対の基板間にカイラルネマチック液晶組成物が挟持されてなり、電極間に高低のパルス電圧(駆動電圧)を印加することによって液晶をプレーナ(PL)状態とフォーカルコニック(FC)状態またはホメオトロピック(Homeo)状態とに切り替えて表示が行われる。例えば、PL状態では特定のピーク波長の光が選択反射されて「明」の状態を示し、FC状態またはHomeo状態では光が透過して「暗」の状態を示すようになっている。
そのような液晶表示素子は、室温で基板間に液晶組成物を封入することによって製造されるのが一般的である。特に、液晶組成物の流動性が低い場合には、加熱によって流動性を向上させた液晶組成物を基板間に封入することが知られている。
しかしながら、上記表示素子においては「明」状態と「暗」状態との間でのコントラストが十分高いとは云えず、表示画像の視認性という点で改善の余地があった。
一方、強誘電性液晶(SCE8;液晶−等方相相転移温度=102°C)および自己組織型ゲル化剤を含んでなる液晶組成物において、液晶−等方相相転移温度をゲル化剤のゾル−ゲル転移温度より高く設定することが開示されている(非特許文献1)。詳しくは、上記液晶組成物において液晶−等方相相転移温度をゲル化剤のゾル−ゲル転移温度より高く設定し、液晶表示素子の製造過程において「セル作製時のラビング」や「液晶注入後の電圧印加」等の条件を厳密に制御しながら液晶組成物を加熱状態から室温まで冷却する。これによって、等方相が液晶相に転移し(図6(A);等方相、図6(B);液晶相)、当該液晶分子配向がテンプレートとなって異方性のあるライン状のゲル化剤分子秩序が形成される(図6(C);ゲル化剤分子の秩序形態(黒色部分))。上記文献においては、新しいタイプの分子の自己組織化の発現について記載されるのみであるが、強誘電性液晶パネルの耐衝撃性の向上などに有効であると推測される。
「液晶」、加藤隆史著、日本液晶学会発行、2000、第4巻、第1号、p.17〜18
本発明は、「明」状態と「暗」状態との間で十分なコントラストを達成するカイラルネマチック液晶組成物、液晶表示素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、自己組織型ゲル化剤を含有し、液晶−等方相相転移温度がゾル−ゲル転移温度よりも高いことを特徴とするカイラルネマチック液晶組成物に関する。
本発明はまた、上記カイラルネマチック液晶組成物が電極を有する一対の基板間に挟持されてなる液晶表示素子に関する。
本発明はまた、上記カイラルネマチック液晶組成物を液晶−等方相相転移温度以上に加熱した後、室温まで冷却することを特徴とする液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明のカイラルネマチック液晶組成物を用いた液晶表示素子は、PL状態などの「明」状態とFC状態やHomeo状態などの「暗」状態との間で十分なコントラストを達成するので、視認性に優れている。
図1は本発明の一実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す概略図である。図1に示す液晶表示素子は、電極3、4を有する一対の基板1、2間に液晶組成物11が挟持されてなる構造を有する。図1において、基板1、2のそれぞれの表面には、互いに平行な複数の帯状に形成された透明電極3、4が設けられている。透明電極3と透明電極4とは互いに交差するように向かい合わされて配置されている。電極3、4上には絶縁性薄膜5がコーティングされている。さらに、絶縁性薄膜5の上には配向膜7が形成されている。10はスペース保持部材と両基板の接着部材とを兼ねる高分子構造物、13は同様にスペース保持部材としてのスペーサーである。12は液晶組成物11をセル内部に封じこめるためのシール材である。また光を入射させる側と反対側の基板2の外面(裏面)には、必要に応じて黒色の可視光吸収層9が設けられる。なお、可視光吸収層9を設ける代わりに、基板2自体が可視光吸収性を有するものを用いても良い。
以下、液晶表示素子の主要な構成部材について詳しく説明する。
(基板)
図1において基板1、2はいずれも透光性を有しているが、上記の液晶表示素子に用いることができる一対の基板は、少なくとも一方の基板(少なくとも、光を入射させる側の基板1)が透光性を有していればよい。透光性を有する基板としては、ガラス基板、ならびにポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレートおよびポリエチレンテレフタレート等の樹脂からなるフレキシブル基板を使用することができる。素子の軽量化の観点からはフレキシブル基板を使用することが好ましい。一対の基板のうち少なくとも一方の基板、好ましくは両方の基板としてフレキシブル基板を用いると、軽量で薄型の素子を作製でき、また破損(割れ)を抑えることができる。
(電極)
電極3、4としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電膜や、アルミニウム、シリコン等の金属電極、あるいはアモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等の光導電性膜等を用いることができる。図1に示す液晶表示素子においては、既述の通り、透明基板1、2の表面に互いに平行な複数の帯状の透明電極3、4が形成されており、これらの電極3、4は互いに交差するように向かい合わされている。電極をこのように形成するには、例えば基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。
(絶縁性薄膜)
原理上必須のものではないが、電極間の短絡を防止したり、液晶表示素子のガスバリア性に対する信頼性を向上させたりするために、電極3、4の少なくとも一方に絶縁性薄膜5が形成されていることが好ましい。絶縁性薄膜5としては、例えば、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウムやそのアルコキシド等から成る無機膜やポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機膜を例示できる。これらの材料を用いて蒸着法、スピンコート法、ロールコート法などの公知の方法によって形成することができる。さらに、絶縁性薄膜は高分子構造物に用いる高分子樹脂と同じ材料を用いて形成することもできる。
(配向膜)
配向膜7も原理上必須のものではないが、素子の安定化などのために設けておくことが好ましい。配向膜が形成される場合、電極上に絶縁性薄膜が形成されているときは当該絶縁性薄膜上に、電極上に絶縁性薄膜が形成されていないときは電極上に形成される。配向膜7としては、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂等の有機膜や、酸化シリコン、酸化アルミニウム等の無機膜が例示される。これらの材料を用いて形成した配向膜は、ラビング処理等を施してもよい。さらに、配向膜は高分子構造物に用いる高分子樹脂と同じ材料を用いて形成することもできる。
(スペーサー)
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサー13が設けられる。スペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。例えば、ボール状のガラスやセラミックス粉、あるいは有機材料からなる球状粒子が挙げられる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。なお、基板間のギャップをより均一に保持するためには、図1に示すように、スペーサー13と高分子構造物10との両方を設けることが好ましいが、いずれか一方のみを設けてもよい。スペーサーの直径は高分子構造物を形成する場合はその高さ以下とし、素子が完成したときに高分子構造物と同じ高さになるようにする。高分子構造物の有無によらず、スペーサーの直径がセルギャップの厚み、すなわち液晶組成物11からなる液晶層の厚みに相当する。
(液晶組成物)
液晶組成物11は自己組織型ゲル化剤を含有するカイラルネマチック液晶組成物であって、液晶相−等方相相転移温度(以下、TCN−I(℃)という)がゾル−ゲル転移温度(以下、TS−G(℃)という)よりも高いことを特徴としている。好ましい液晶組成物11はTCN−IおよびTS−Gが以下の関係を満たす;
5≦TCN−I−TS−G
特に、
10≦TCN−I−TS−G
液晶組成物が上記のTCN−IおよびTS−Gを有することにより、「明」状態と「暗」状態との間で十分なコントラストが達成され、視認性が向上する。そのような効果が得られるメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のメカニズムに基づくものと考えられる。すなわち液晶組成物のTCN−IおよびTS−Gが上記関係を満たすと、液晶表示素子の製造過程において加熱された当該組成物を冷却した際に、等方相から液晶相への転移が起こった後でゾルからゲルへの転移が起こる。本実施形態においてはカイラルネマチック液晶を用いるので、その際、ゲル化に伴って異方性のないネットワーク構造が有効に形成され、しかも当該ネットワーク構造における各孔(小部屋)が液晶分子配向に応じた形状を有するようになる。そのため、ネットワーク構造におけるそれぞれの孔(小部屋)において液晶分子が駆動電圧に基づいて円滑に配向制御可能となり、コントラストが向上するものと考えられる。ネットワーク構造が形成されないと、カイラルネマチック液晶が、配向膜あるいはそれがない場合は電極からの規制力しか受けることができないため、コントラストが低下する。たとえネットワーク構造が形成されたとしても、当該構造におけるそれぞれの孔(小部屋)が液晶分子配向に応じた形状を有しないと、当該孔(小部屋)内において液晶分子が駆動電圧によって円滑に配向し難いので、コントラストが低下する。例えば、TCN−IがTS−G以下であると、ゲル化剤分子が凝集し易いのでネットワーク構造が形成され難い。たとえネットワーク構造が形成されたとしても、冷却によりゲル化が起こった後で液晶相への転移が起こるので、ネットワーク構造におけるそれぞれの孔(小部屋)が液晶分子配向に応じた形状を有しない。
さらに付け加えると、カイラルネマチック液晶は等方相から冷却され、液晶状態へ変化するときにドメインと呼ばれる、内部で液晶の配向が揃った微小な領域が多数形成される。このドメインが完全に形成された後にゲル化が起きる方が、より適したネットワーク構造が形成されるものと考えられる。このようなドメインの形成という観点からすると、本実施形態はネマチック液晶の場合と大きく異なっている。つまり、ネマチック液晶はその液晶領域全体で一つのドメインを形成するため、カイラルネマチック液晶のように液晶のドメインがネットワークの形成に影響を及ぼすと考えられないからである。また、本実施形態では、初期に厳密な配向処理を必要としない。表示原理上等方的なネットワーク形状が望ましいからである。この点で非特許文献1とも異なっている。
液晶組成物のTCN−IおよびTS−Gは示差走査熱量測定(DSC測定)によって測定可能である。詳しくは液晶組成物試料を一旦150℃まで昇温した後、降温速度5℃/分にて降温しながら、吸熱量を測定した。ピークは2つ現れた。また、ゲル化剤を添加しない状態で同様に測定した。両者を比較したところ、TCN−Iは前記2つのピークのうち高温側のピークと±0.5℃の精度で一致した。一致しない方のピークをTS−Gとした。なお、TCN−IおよびTS−Gは通常、それぞれ範囲をもって測定されるので、その場合においてTCN−IとTS−Gとはそれぞれの範囲の中央値に基づいて前記関係を満たせばよい。
DSC曲線におけるピークとは、温度を下げていったとき、当該曲線の接線の傾きが正または負からそれぞれ負または正に変わるときの凸部分を指すものとする。
液晶組成物はゲル化剤、ネマチック液晶およびカイラル剤を混合して調製するに際し、TCN−IとTS−Gとが前記関係を満たすように、各成分の種類、組み合わせおよび含有割合を調整する。
例えば、ネマチック液晶相と等方相との間の相転移温度(以下、TN−Iという)が比較的高いネマチック液晶を用いると、TCN−Iは大きくなる。一方、TN−Iが比較的低いネマチック液晶を用いると、TCN−Iは小さくなる。
また、カイラル剤を添加するとTCN−Iは下がる傾向にあるが、例えば、分子量の大きなカイラル剤を用いると、TCN−IはTN−I点から変化しにくい。分子量の小さなものはTCN−Iが下がる。また例えば、ヘリカルツイストパワー(液晶をねじる特性)の大きいカイラル剤を用いると添加量が少なくて済むのでTCN−Iを下げずに済む。
本実施形態において使用されるゲル化剤は自己組織型に属するものであり、詳しくはUV照射等の他の手段なしに、当該ゲル化剤を添加・混合するだけで、自ら組織化し、擬似ネットワーク構造を形成し得るものである。自己組織型のゲル化剤を添加することにより、他の手段なしに、添加前よりも、ネマチック液晶およびカイラル剤からなるコレステリック液晶の流動性を低下させて、当該粘度を増大させ得る。そのような自己組織型のゲル化剤を含有させるため、本実施形態の液晶表示素子はコントラストが向上する。そのような効果が得られる詳細なメカニズムは明らかではないが、ゲル化剤分子が液晶組成物中において分子レベルで均一に分散され易く、水素結合による擬似ネットワーク構造を形成するため、当該ネットワーク構造がより細かな緻密性と適度な柔軟性とを有することに基づくものと考えられる。また、広い波長域にわたって反射率を向上させることによってコントラストを向上させる方法に比べると、セルギャップを厚くする必要がないので低い印加電圧で駆動が行え、材料選択にも制約が少ない。さらに、ゲル化剤を添加しない素子に比べて広視野角表示が行えるという特徴も有している。
自己組織型ゲル化剤は自己分子間で水素結合を形成可能な有機化合物であり、例えば、少なくとも分子間水素結合性基を有する有機化合物、好ましくは分子間水素結合性基およびアルキレン基を有する有機化合物が挙げられる。分子間水素結合性基とともにアルキレン基を有する有機化合物をゲル化剤として使用するとアルキレン基同士の分子間力によって擬似ネットワーク構造の形成が促進される。
分子間水素結合性基は当該基を含有分子間で水素結合を形成可能な基であれば特に制限されず、例えば、アミド結合基(−NHCO−)等が挙げられる。
分子間水素結合性基は分子内に1個以上、好ましくは2個以上含有されることが望ましい。
アルキレン基は長鎖アルキレン基(以下、Reということがある)であり、詳しくは炭素数4以上、好ましくは6〜20の2価飽和炭化水素基であり、好ましくは直鎖状ポリメチレン基(−(CH−)である。
アルキレン基は分子内に1個以上、好ましくは2個以上含有されることが望ましい。
ゲル化剤は少なくとも分子間水素結合性基、好ましくは分子間水素結合性基およびアルキレン基を有する有機化合物である限り、その構造は特に制限されない。
そのようなゲル化剤として、例えば、下記一般式(I)で表される脂環族アミド系化合物、下記一般式(II)〜(IV)で表される脂肪族アミド系化合物、および下記一般式(V)で表される脂肪族ウレア系化合物等が挙げられる。
Figure 2006206710
式(I)中、Rはアルキル基、アリールオキシ基またはアリールアルコキシ基であり、これらの基はシアノ基等の置換基を有していてもよい。
アルキル基は炭素数1〜3のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びsec−プロピル基等が挙げられる。
アリールオキシ基は炭素数6〜14のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
アリールアルコキシ基は炭素数6〜14のアリール基1〜2個が、炭素数1〜3のアルコキシ基に置換されてなる1価の基であり、例えば、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルプロポキシ基、ビフェニリルメトキシ基、ビフェニリルエトキシ基、ビフェニリルプロポキシキ基等が挙げられる。
好ましいRはアルキル基またはアリールオキシ基である。
Reは前記長鎖アルキレン基(Re)と同様の基であり、好ましい基も前記Reと同様である。
mは1〜3の整数、好ましくは2である。
ひとつの式中に同一の基が複数個ある場合、それらの基はそれぞれ独立して所定の範囲内から選択されればよい(以下、同様である)。
そのような脂環族アミド系化合物(I)の好ましい具体例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006206710
式(II)〜(IV)中、共通する基は同様の基を意味する。
は前記Rと同様の基である。好ましいRはアリールアルコキシ基である。
は炭素数1〜3の2価のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。Rは置換基を有していてもよく、置換基として、例えば、以下の基が挙げられるが、それらの中でも炭素数3〜5の分枝状アルキル基が好ましい。
Figure 2006206710
Reは前記長鎖アルキレン基(Re)と同様の基であり、好ましい基も前記Reと同様である。
は前記Rと同様の基である。好ましいRはアルキル基である。
は前記Rと同様の基である。好ましいRは置換基を有しないアルキレン基である。
nは0〜3、好ましくは0〜1の整数である。
そのような脂肪族アミド系化合物(II)〜(IV)の好ましい具体例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006206710
式(V)中、Rは前記Rと同様であり、好ましい基も前記Rと同様である。
Reは前記長鎖アルキレン基(Re)と同様の基であり、好ましい基も前記Reと同様である。
は前記Rと同様であり、好ましい基も前記Rと同様である。
そのような脂肪族ウレア系化合物(V)の好ましい具体例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006206710
これらの化合物は公知の合成方法に従って合成することができる。
上記の中で好ましいゲル化剤は脂環族アミド系化合物(I)である。
ゲル化剤の含有量は本発明の目的を達成できる限り特に制限されるものではなく、例えば、ネマチック液晶、カイラル剤およびゲル化剤の合計量に対して1.0〜4.0重量%が適当である。この範囲に設定されると、黒表示時のY値を低減することができ、結果としてコントラストをより有効に向上できる。
ネマチック液晶としては、特に制限されず、従来から液晶表示素子の分野で知られているネマチック液晶が使用可能である。そのようなネマチック液晶材料としては、例えば、液晶性エステル化合物、液晶性ピリミジン化合物、液晶性シアノビフェニル化合物、液晶性トラン化合物、液晶性フェニルシクロヘキサン化合物、液晶性ターフェニル化合物、ならびにフッ素原子、フルオロアルキル基およびシアノ基等の極性基を有する他の液晶性化合物、およびそれらの混合物等が挙げられる。
カイラル剤としては、液晶表示素子の分野で従来から知られている種々のものが使用可能である。例えば、コレステリック環を有するコレステリック化合物、ビフェニル骨格を有するビフェニル化合物、ターフェニル骨格を有するターフェニル化合物、2つのベンゼン環がエステル結合によって連結されてなる骨格を有するエステル化合物、シクロヘキサン環がベンゼン環に直接的に連結されてなる骨格を有するシクロヘキサン化合物、ピリミジン環がベンゼン環に直接的に連結されてなる骨格を有するピリミジン化合物、2つのベンゼン環がアゾキシ結合またはアゾ結合によって連結されてなる骨格を有するアゾキシまたはアゾ化合物等が挙げられる。
カイラル剤の含有量は、特に制限されず、通常、ネマチック液晶、カイラル剤およびゲル化剤の合計量に対して3〜40重量%である。
液晶組成物には、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに添加してもよい。
紫外線吸収剤は、液晶組成物の紫外線劣化、例えば経時に伴なう退色や応答性の変化等を防止するものである。例えば、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリシレート化合物等の材料が使用可能である。添加量は、ネマチック液晶、カイラル剤およびゲル化剤の合計量に対して、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
液晶組成物は所望により、イオン交換樹脂・吸着剤等と接触させて精製を行ない水分や不純物を除去した後で、素子の製造に用いるとよい。
液晶組成物は、特に白黒表示用の液晶表示素子に使用される場合、コントラストをより有効に向上させる観点から、得られる表示素子のプレーナー時の分光分布曲線(波長−反射率曲線)において選択反射のピーク波長が500〜700nm、特に550〜650nmであることが好ましい。
分光分布曲線におけるピークとは短波長側から波長を大きくしていく場合に、当該曲線の接線の傾きが正から負に変わるときの凸部分を指し、当該凸部分の頂点の波長をピーク波長というものとする。
また、プレーナー時とは、素子が最大のY値(明るさ)を示すときのパルス電圧を素子に対して印加した状態の時を意味し、このときの素子から測定された波長−反射率曲線をプレーナー時の分光分布曲線という。
(シール材)
シール材12は液晶組成物11が基板1、2の間から外に漏れないように封入するためのものであり、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは光硬化性接着剤等を使用することができる。
(高分子構造物)
高分子構造物10は、円柱状体、楕円柱状体、四角柱状体など、形状はどのようなものでもよく、また、その配置はランダムであってもよいし、格子状などの規則性を有するものであってもよい。このような高分子構造物を設けることにより、基板間ギャップを一定に保つことが容易になり、また、液晶表示素子自身の自己保持性を高めることができる。特に、ドット形状の高分子構造物を一定間隔で配置すると、表示性能を均一化しやすい。高分子構造物の高さはセルギャップの厚み、すなわち液晶組成物からなる液晶層の厚みに相当する。液晶組成物を挟持する基板としてフレキシブルな樹脂製基板を用いる場合に高分子構造物を設けることが特に効果的である。基板がフレキシブルであることにより液晶層の厚みが不均一になるのを防止することができるからである。球体のスペーサと高分子構造物とを併用し、高分子構造物に上下基板を接着する接着部材としての機能を持たせると液晶層の厚みの均一化に特に有効である。
高分子構造物を形成するには、紫外線硬化型モノマーからなるホトレジスト材料などの光硬化性樹脂材料を用いて、所望の厚さで基板の最表面膜(絶縁性薄膜、配向膜)に塗布し、これにマスクを通して紫外線を照射するなどしてパターン露光を行い、未硬化部分を除去するいわゆるフォトリソグラフィ法を用いることができる。
また、熱可塑性樹脂を適当な溶剤に溶かした樹脂材料などを用いて、熱可塑性樹脂からなる高分子構造物を形成してもよい。この場合、スクリーン版やメタルマスク等を用いて熱可塑性樹脂材料をスキージで押し出すことにより基板上に印刷を行う印刷法や、デイスペンサ法やインクジェット法などの、樹脂材料をノズルの先から基板上に吐出して形成する方法、あるいは、樹脂材料を平板あるいはローラー上に供給した後、これを基板表面に転写する転写法などにより高分子構造物を配置することができる。
(散乱層)
散乱層(図示せず)を基板1の表面(図中、上面)または/および基板2と可視光吸収層9との間に設けてもよい。散乱層を設けることによって、白表示時の散乱度合いが上がり、白色度が向上する。散乱層としては、例えば、製品名FT−014(ポラテクノ社製)などが挙げられる。
液晶表示素子におけるセルギャップの厚み、すなわち液晶組成物からなる液晶層の厚みは、大きくなるほど白表示時の反射率は大きくなるが、駆動電圧や黒表示時の反射率も大きくなる。よって、本実施形態においてセルギャップの厚みは2〜50μmであってよいが、3〜15μmが好ましい。そのような好ましい範囲とすることにより、比較的低い印加電圧でも高コントラストを達成できるという効果をより有効に得ることができるためである。
(製造方法)
本実施形態において液晶表示素子は、前記液晶組成物をTCN−I以上に加熱した後、室温まで冷却することを特徴とする方法によって製造される。すなわち、液晶表示素子は、製造過程において液晶組成物がTCN−I以上に加熱された後、室温まで冷却されれば、いかなる方法によって製造されてもよい。
例えば、第1の方法においては液晶組成物を液晶表示素子の空セルに真空注入し、その後注入孔を塞ぐ。第1の方法においては、液晶組成物を予め加熱しておいても良いし、または予め加熱された液晶表示素子の空セルに液晶組成物を注入することによって液晶組成物を加熱してもよい。
液晶表示素子の空セルは、液晶表示素子の上記所定の構成部材が形成された2枚の基板を、それらの部材形成面が互いに対向するように重ね合わせて加熱または/および加圧することにより作製可能である。
また例えば、第2の方法においては液晶組成物を、液晶表示素子の上記所定の構成部材が形成された2枚の基板のうち、一方の基板上に、スピンコーター、バーコーター、ロールコーターなどの塗布装置により塗布してもよいし、または単に滴下してもよい。その後、他方の基板を重ね合わせ、加圧または/および加熱により封入する。第2の方法においては、液晶組成物を予め加熱しておいても良いし、または少なくとも1枚の基板を予め加熱しておくことによって液晶組成物を加熱してもよい。
いずれの製造方法を採用する場合においても、液晶組成物の加熱温度はTCN−I以上であればよいが、好ましくはTCN−I+5〜TCN−I+30(℃)、より好ましくはTCN−I+10〜TCN−I+20(℃)である。液晶組成物が当該加熱温度に達するまでの昇温速度は特に制限されない。
また冷却は通常、室温になるまで放置することによって達成される。室温は特に制限されるものではないが、10〜30℃、特に20〜30℃であることが好ましい。液晶組成物が室温に達するまでの冷却速度は本発明の目的が達成されれば特に制限されず、例えば、0.5〜5.0℃/分、特に0.5〜2.0℃/分が好適である。
(表示方法)
以上の構成からなる液晶表示素子では、電極3、4に駆動回路20からパルス電圧を印加することで表示が行われる。例えば、液晶層をプレーナー状態とフォーカルコニック状態との間で切り替えることによって表示を行うPL−FC駆動方式を採用してもよいし、または液晶層をプレーナー状態とホメオトロピック状態との間で切り替えることによって表示を行うPL−Homeo駆動方式を採用してもよい。
例えば、PL−FC駆動方式では、比較的高いエネルギーのパルス電圧(電圧値が大きい、パルス幅が大きい等)を印加することで、液晶がプレーナー状態となり、液晶分子のらせんのピッチと屈折率に基づいて決まる波長の光を選択的に反射する。一方、比較的低いエネルギーのパルス電圧(電圧値が小さい、パルス幅が小さい等)を印加することで、液晶がフォーカルコニック状態となり、透明状態となる。いくつかの駆動波形が提案されており、例えば、比較的低い電圧を長く印加することで液晶をフォーカルコニック状態にリセットした後に所望の部分のみプレーナ状態に変化させる駆動波形、高い電圧を印加した状態から急激に電圧をオフすることによって液晶をプレーナ状態にリセットした後に所望の部分のみフォーカルコニック状態に変化させる駆動波形、リセットパルスを印加し液晶をホメオトロピック状態にした後、最終的に得ようとする表示状態に応じた大きさの選択パルスを印加し、最後に選択した状態を確立するためのパルスを印加する3つのステージからなる駆動波形などを採用することができる。これらの駆動方式では液晶表示素子のメモリー性を利用して電圧印加停止後も表示を維持することができる。なお、可視光吸収層9を設けると、フォーカルコニック状態では黒色を表示することになる。
また例えば、PL−Homeo駆動方式では、高い電圧を印加した状態から急激に電圧をオフするなどしてプレーナ状態を実現する一方、高い電圧を印加し続けることにより液晶をホメオトロピック状態に保つ。ホメオトロピック状態での透明度がフォーカルコニック状態のそれよりも高くなり、コントラスト向上に有利ではあるが、表示を維持するために電圧を印加し続ける必要がある。可視光吸収層9を設けるとホメオトロピック状態ではやはり黒色を呈する。
(Y値(PL)およびY値(FC)の測定)
表示素子に対して図2に示すパルス(この駆動波形では前段のパルスで液晶を一旦プレーナ状態にリセットしている)を印加し、電圧−Y値曲線(以下、V−Y曲線という)を求める。詳しくは図2のパルスにおける区間(X)の電圧(V)を±20〜±50Vまで変化させながら図に記載の測定ポイントでの素子の分光分布曲線(波長−反射率曲線)およびY値(Y)を分光測色器(CM3700d;コニカミノルタセンシング社製)により複数回繰り返し測定し、V(電圧の絶対値)−Y(Y値)曲線を作成する。V−Y曲線の一例を図3に示す。V−Y曲線において最大のY値(Ymax)を示す状態をプレーナー状態(PL)、最小のY値(Ymin)を示す状態をフォーカルコニック状態(FC)とする。それらのときのY値をそれぞれY値(PL)、Y値(FC)とする。この場合、コントラストはY値(PL)/Y値(FC)で表すことができる。
以下、「部」は「重量部」を意味するものとする。
実験例1
(実施例1)
ネマチック液晶(BL006;メルク社製、NI点=113℃、誘電率異方性(Δε)=17.3、屈折率異方性(Δn)=0.286)およびカイラル剤(MLC6247;メルク社製)を混合し、選択反射波長(プレーナー時の分光分布曲線における最大ピークの波長)が580nmになるようにカイラル剤の添加量を設定した。ネマチック液晶64部/カイラル剤36部であった。得られたカイラルネマチック液晶のTCN−Iは106℃であった。
カイラルネマチック液晶98部に対して前記化学式(2)で表されるゲル化剤2部をさらに混合し、ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Aを得た。
ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Aおよび以下に示す材料を用いて、図1に示す表示素子(但し、高分子構造物と絶縁性薄膜は省略した)を作製した。詳しくは、まず、以下に示す所定の構成部材が形成された2枚の基板を、それらの部材形成面が互いに対向するように重ね合わせ、加熱および加圧することにより液晶表示素子の空セルを作製した。次いで、空セルをホットプレートで121℃(TCN−I+15(℃))まで加熱した後、該空セルに、ゲル化カイラルネマチック液晶組成物を注入し、注入孔を塞いだ。その後、放置することにより室温(25℃)まで冷却して、液晶表示素子を得た。セルギャップは6μmであった。冷却速度は1.0℃/分であった。
・基板:ガラス(0.7mm厚)
・ITOシート抵抗値:10Ω/□
・配向膜:垂直配向性ポリイミド(JSR社製、厚み70nm)
・スペーサー:固着スペーサー(積水ファインケミカル社製;ミクロパールSP−205−KA、粒径6μm)
・シール材:熱硬化性接着剤(住友ベークライト社製ERS−2400(主剤)とERS−2840(硬化剤)とを1:1で混合したもの)
・光吸収層:カーボンブラックを含む黒色塗料
(実施例2)
ネマチック液晶としてE44(メルク社製、NI点=100℃、Δε=16.8、Δn=0.262)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で、カイラルネマチック液晶を得た。ネマチック液晶64部/カイラル剤36部であった。得られたカイラルネマチック液晶のTCN−Iは92℃であった。
カイラルネマチック液晶98部に対して前記化学式(2)で表されるゲル化剤2部をさらに混合し、ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Bを得た。
ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Bを用いたこととホットプレートを107℃(TCN−I+15(℃))に設定したこと以外、実施例1と同様の方法で、液晶表示素子を得た。
(実施例3)
ネマチック液晶としてBL035(メルク社製、NI点=96℃、Δε=16.6、Δn=0.260)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で、カイラルネマチック液晶を得た。ネマチック液晶64部/カイラル剤36部であった。得られたカイラルネマチック液晶のTCN−Iは85℃であった。
カイラルネマチック液晶98部に対して前記化学式(2)で表されるゲル化剤2部をさらに混合し、ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Cを得た。
ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Cを用いたこととホットプレートを100℃(TCN−I+15(℃))に設定したこと以外、実施例1と同様の方法で、液晶表示素子を得た。
(比較例1)
ネマチック液晶としてBL035(メルク社製、NI点=96℃、Δε=16.6、Δn=0.260)を用いたこと、およびカイラル剤としてCB(メルク社製)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で、カイラルネマチック液晶を得た。ネマチック液晶60部/カイラル剤40部であった。得られたカイラルネマチック液晶のTCN−Iは49.1℃であった。
カイラルネマチック液晶98部に対して前記化学式(2)で表されるゲル化剤2部をさらに混合し、ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Dを得た。
ゲル化カイラルネマチック液晶組成物Dを用いたこととホットプレートを64.1℃(TCN−I+15(℃))に設定したこと以外、実施例1と同様の方法で、液晶表示素子を得た。
(評価)
得られた表示素子のY値(PL)およびY値(FC)、ならびにゲル化カイラルネマチック液晶組成物のTCN−IおよびTS−Gを前記した方法により測定した。各値の測定温度は25℃であった。
Figure 2006206710
視認性はY値(PL)/Y値(FC)を基準に白黒表示のコントラストについて評価した。
◎;上記比率が3.40以上であり、ユーザーが「コントラストが顕著に優れている」と感じるレベルである;
○;上記比率が3.00以上3.40未満であり、ユーザーが「コントラストが良好である」と感じるレベルである;
×;上記比率が2.80以上3.00未満であり、ユーザーが「コントラストが不良である」と感じるレベルである;
××;上記比率が2.80未満であり、素子を市場に出せないレベルである。
実施例1で得られた液晶表示素子より取り出した液晶組成物の顕微鏡写真を図4に示す(BX50;オリンパス社製)。図4中、糸状の筋が全面にわたって複雑に分散・網羅されており、ゲル化剤がネットワーク構造を形成していることがわかる。なお、図4の写真(現物)を参考写真として物件提出書で提出する。
比較例1で得られた液晶表示素子より取り出した液晶組成物の顕微鏡写真を図5に示す(BX50;オリンパス社製)。図5中、糸状の筋が局部的に集中しており、ゲル化剤が島状に凝集していることがわかる。なお、図5の写真(現物)を参考写真として物件提出書で提出する。
いずれの顕微鏡写真も25℃で撮影したものである。
本発明の一実施形態である液晶表示素子の概略断面図である。 実験例で用いた駆動波形の例を示す図である。 プレーナー状態およびフォーカルコニック状態を設定するためのV−Y曲線の一例を示す。 実施例1における液晶組成物の顕微鏡写真である。 比較例1における液晶組成物の顕微鏡写真である。 (A)〜(C)は従来技術における液晶組成物の一例を加熱状態から室温まで冷却したときの等方相(A)−液晶相(B)−ゲル化(C)の転移形態を示す模式図である。
符号の説明
1:2:基板、3:4:電極、5:絶縁性薄膜、7:配向膜、9:可視光吸収層、10:高分子構造物、11:液晶層(液晶組成物)、12:シール材。

Claims (3)

  1. 自己組織型ゲル化剤を含有し、液晶−等方相相転移温度がゾル−ゲル転移温度よりも高いことを特徴とするカイラルネマチック液晶組成物。
  2. 請求項1に記載のカイラルネマチック液晶組成物が電極を有する一対の基板間に挟持されてなる液晶表示素子。
  3. 請求項1に記載のカイラルネマチック液晶組成物を液晶−等方相相転移温度以上に加熱した後、室温まで冷却することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。


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