JP2942577B2 - 強誘電性液晶素子 - Google Patents

強誘電性液晶素子

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示装置や液晶−光シャッタ等に好適
に使用される強誘電性液晶素子に関する。詳しくは、液
晶分子の初期配向状態を制御する配向制御膜の組成に関
する。
〔従来の技術〕
従来の液晶素子としては、TN(ツイステッドネマチッ
ク)型と呼ばれる方式が多用されている(M.Schadt and
W.Herfrich著,Applied Physics Letters.第18巻 第4
号 127頁〜128頁)。TN型液晶素子は、一対の透明電極
基板間にネマチック液晶を封入して、液晶分子が上下の
基板間で90゜ねじれるように配列したもので、電界の印
加によりねじれ構造を消失させて光を透過あるいは遮断
し、明暗を表示する。
しかしながら、TN型液晶素子を、帯状の走査電極群と
信号電極群を直交させて配したマトリクス電極構造の液
晶表示装置に適用しようとした場合、応答速度が遅い、
電圧−光透過率特性が十分な非線形性を有していない、
などからマトリクスの画素密度を高くできないという問
題があり、応用分野が大幅に制限されているのが現状で
ある。
このような状況のなかで、Meyer等によって合成され
た強誘電性を示す液晶が注目を集めている。(Le Journ
al de Physique,第36巻,1975年3月,L−69頁〜L−71
頁)。
現在最も広く研究されているのは、双安定性を有する
強誘電性液晶素子である(例えば、特公昭63−22287号
公報,米国特許第4367924号明細書)。双安定性液晶と
しては、光学活性なカイラルスメクチックC相(Sm
C)またはH相(SmH)を有する液晶が知られ、この
液晶はバルク状態で固有の螺旋構造を形成する。これ
を、螺旋構造を抑制するに十分短い距離をおいた基板間
に挟持すると、液晶は電界に対して2つの安定状態を示
す。つまり、一方向の電界に対して第1の光学的安定状
態に、逆方向に電界に対しては第2の光学的安定状態に
液晶が配向し、従って、印加される電界の向きにより前
記2つの光学的安定状態間をスイッチングできる。しか
も、このスイッチング速度は前記TN型液晶素子に比し極
めて速く、さらに電界を取除いても各安定状態を維持す
ると性質を有するという利点がある。第19図(b)に
は、この液晶を用いた表示装置に第19図(a)に示す3
角波電界を印加した時の光学透過率の変化を示す。
一方、近年、3つの光学的安定状態を有する強誘電性
液晶が提示され、より優れた電気光学効果を示すものと
して着目されている。この液晶は、無電界時に第1の光
学的安定状態に、一方向の電界に対して第2の光学的安
定状態に、さらに逆方向の電界に対して第3の光学的安
定状態に液晶が配向し、印加される電界の向きと強さに
より前記3つの安定状態間を高速でスイッチングでき
る。さらに印加電圧に対する前記3つの安定状態間の光
学透過率変化が電圧軸上でシフトしたヒステリシスを示
す(例えば、印加電界を増加して第1の安定状態から第
2の安定状態へ変化させた時と、逆に印加電界を減少し
て第2の安定状態から第1の安定状態へ変化させた時と
で、光学透過率が変化する電圧が異なる)ことから、高
精細で高コントラストなマトリクス型液晶表示装置の実
現が期待される。第19図(c)には、この液晶を用いた
表示装置に第19図(a)に示す3角波電界を印加した時
の光学透過率の変化を示す。なお、福田等は最近、3つ
の光学的安定状態を有する強誘電性液晶に関し、無電界
時の第1の光学的安定状態を反強誘電状態と言ってい
る。(A.D.L.Chandani,E.Gorecka,Y.Ouchi,H.Takezoe a
nd A.Fukuda,Jpn.J.Appl.Phys.,28(1989)L1265) 〔発明が解決しようとする課題〕 ところで、この3つの光学的安定状態を有する強誘電
性液晶を用いる素子が、所望の駆動特性を発揮するため
には、無電界時に強誘電性液晶が均一な分子配列状態に
あり、かつ上記3つの光学的安定状態の変化が効果的に
起こることが必要である。
例えば、無電界時に液晶分子長軸の基板面への投影が
一方向に揃い、スメクチック層面に垂直であるような領
域が形成され、かつ一方向の電界を増大および減少させ
た場合において、光学透過率変化が十分な非線形性とヒ
ステリシスを有することが必要とされる。
しかしながら、このような配向状態を広い面積にわた
って得ることは難しく、実用化に際し大きな障害となっ
ている。配向処理法としては、例えば、磁界を印加する
方法、せん断力を印加する方法、あるいは高分子膜より
なる配向制御膜を設けてこの表面を一方向にこする(ラ
ビング)方法等が知られているが、満足できる配向状態
が得られるとはいえず、上記特性を充分発揮できる有効
な配向処理法の確立が望まれている。
しかして、本発明の目的は、高速応答性および高い画
素密度と大面積を有する表示装置、あるいは高速度のシ
ャッタスピードを有する光学シャッタ等として有効な強
誘電性液晶素子の、初期配向状態を改善し、広い面積に
わたって均一な分子配列状態を実現して、その優れた特
性を充分に発揮させ得る液晶素子を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意研究
を行ない、その結果特定構造の高分子膜を配向制御膜と
して使用することが有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、一対の透明電極基板間に3つの
光学的安定状態を有する強誘電性液晶を封入してなる強
誘電性液晶素子であって、上記一対の基板には、液晶と
接する表面に配向制御膜を形成するとともに、上記配向
制御膜を下記一般式(I)で示されるポリイミド膜で構
成したことを特徴とする強誘電性液晶素子に関する。
式中、X1は2価のアミノ基残基 Y1は4価のカルボン酸残基 である。
あるいは配向制御膜を下記一般式(II)で示されるポ
リアミド・イミド膜、または、下記一般式(III)で示
されるポリアミド膜で構成してもよい。
式中、X2は2価のアミノ基残基 Y2は3価のカルボン酸残基 である。
式中、X3は2価のアミノ基残基 Y3は2価のカルボン酸残基 である。
なお、発明において、強誘電性液晶の3つの安定状態
とは次のものをいう。つまり、一対の電極基板に対して
無電界時には前記強誘電性液晶の分子配向が第1の安定
状態を有し、且つ電界印加時に一方の電界方向に対して
分子配向が前記第1の安定状態とは異なる第2の安定状
態を有し、更に他方の電界方向に対し分子配向が前記第
1及び第2の安定状態とは異なる第3の安定状態を有す
るものである。
又、発明において、一対の電極基板には、前記強誘電
性液晶の分子配向が前記第1の安定状態のときに暗状
態、前記第2の安定状態、第3の安定状態のときに明状
態となるように偏向軸が互いに直交するように設定され
た偏光板がそれぞれ設けられていてもよい。この場合、
正負の電界印加による交流駆動にて表示を行わせること
ができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、これ
に限定されるものではない。
実施例1 第1図には本発明を適用した液晶素子の全体構成図を
示す。液晶素子は、例えば2.2μmの間隔をおいて平行
配設された一対の電極基板1,2を有し、該一対の電極基
板1,2間に強誘電性液晶6を密封してなる。
電極基板1,2は、透明のガラスあるいは樹脂よりなる
透明基板1c,2cの内側表面に、酸化インジウムまたは酸
化スズ等の透明導電膜よりなる透明電極1a,2aを形成し
てなり、さらに、透明電極1a,2aの内側の、液晶6と接
触する表面には第20図に示す構造式を有するポリイミド
膜(PI−1〜9)よりなる配向制御膜1b,2bが形成して
ある。
強誘電性液晶6としては、印加電界の向きと強さによ
って3つの光学的安定状態を発現する反強誘電性液晶材
料、例えば下記構造式(1)〜(3)で示される液晶材
料の混合物が好適に使用できる。
上記3種の液晶材料を(1):(2):(3)=15.
5:69.0:15.5の比率で混合し、その相系列を示差熱分析
(DSC)と偏光顕微鏡により測定・観察した結果、次の
ようであった。
ここで、Cry:結晶相,SmC:カイラルスメクチックC
相(この相で3つの光学的安定状態を発現する,SmCA
と記述されることもある)、SmA:スメクチックA相,I
so:等方性液体相を表わす。
上記3種の液晶材料は単独で使用してもよく、またこ
れら以外にも3つの光学的安定状態を有する強誘電性液
晶、あるいは双安定状態を有する強誘電性液晶であれば
いずれも使用可能である。
透明電極1a,2aは外部電源3に接続されて、強誘電性
液晶6に電界を印加できるようになしてあり、また、電
極基板1の上面および電極基板2の下面には、それぞれ
偏光板4,5が配してある。
次に、上記構成の液晶素子を作製した。まず、第20図
に示す各ポリイミド膜を以下に示す方法で合成し、基板
上に配向制御膜1b,2bを形成した。
3mmolのジアミン(PI−1〜3の場合は、1,4−ジアミ
ノベンゼン,PI−4〜6の場合は、4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル,PI−7の場合は、2,2′−ビス−〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプ
ロパン,PI−8及びPI−9の場合は、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン)を20mlの乾燥ジメチルアセトアミド中
に添加し、窒素雰囲気下、10〜15℃に保持して溶解し
た。これに3mmolのカルボン酸二無水物(PI−1,PI−4,P
I−7,PI−8の場合は無水ピロメリット酸,PI−3,PI−5,
PI−9の場合は、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、PI−3,PI−6の場合は、ベンゾフェノ
ン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物)を窒素
雰囲気下、10〜15℃の条件で撹拌しながら添加した。10
〜15℃に保持して約一時間半撹拌を続け、さらに室温に
て約一時間半撹拌した。粘稠になった溶液を室温にて一
夜放置した。
このようにして合成したポリアミドカルボン酸の粘度
を、ジメチルアセトアミド中で濃度を0.5g/dlとしてオ
ストワルド粘度計を使用して測定した。結果を第20図に
併記する。
また合成したポリアミドカルボン酸のジメチルアセト
アミド溶液をガラス板上に塗布し、100℃の熱風中にて
溶媒を除去して形成したフィルムをガラス板より剥離
し、赤外線吸収分光器にてスペクトルを測定した。PI−
1〜9に対応する各ポリアミドカルボン酸のスペクトル
チャートをそれぞれ第2図〜第10図に示す。各図におい
て、アミドの−CO−の特性吸収帯が1650cm-1付近に、−
NH−の特性吸収帯が3300cm-1付近に観察され、ポリアミ
ドカルボン酸の生成が確認された。
得られた各ポリアミドカルボン酸をそれぞれスピンコ
ート法にて、透明電極1a,2aを形成した透明基板1c,2c上
に、例えば400〜1000Åの膜厚で薄膜化し、100℃で1時
間、200℃で1時間、さらに300℃で1時間焼成してイミ
ド化した。この膜の表面をナイロンまたはポリエステル
等の不織布によって一方向にラビング処理して、上記配
向制御膜1b,2bとした。
このようにして配向制御膜1b,2bを形成した電極基板
1,2を、配向制御膜1b,2bを内側として、前記ラビング処
理の方向が互いに平行または反平行となるように組立
て、電極基板1,2間に前記強誘電性液晶6を注入した。
強誘電性液晶6の注入は、これを加熱して等方性液体
(Iso)とし、毛細管現象、または真空置換法を利用し
て行ない、しかる後、カイラルスメクチックC相(SmC
)まで毎分1〜2℃の速度で徐冷した。
このような操作によって、液晶分子はSmC相におい
て、第11図(a)に示すように、液晶分子20長軸の電極
基板への投影がラビング方向50に平行で、スメクチック
層10はラビング方向50と直交しているように配列する。
この配列の程度を定量的に評価するために、配向コン
トラストを測定した。第20図に示した各構造のポリイミ
ド膜を有する素子を、偏光顕微鏡のクロスニコルの下で
回転しながらフォトマルを用いて光学透過率を測定し、
測定された透過率の最大値を最小値で割った値を配向コ
ントラストとして第20図に併記した。配向コントラスト
は値が大きければ大きいほど良好な配向状態にあるとい
える。
また、比較例として市販のポリイミド系配向制御膜
(日立化成製、LQ−1800、商品名)による測定結果を推
定構造式と共に示した。表に明らかなように、本発明の
素子は、比較例のものに比べてコントラストに優れ、良
好な配向状態を示すことがわかる。
さらに、第1図に示した如く、電極基板1,2の外側表
面に偏光板4,5を、偏光板5の偏光軸Pがラビング方向5
0と平行に、偏光板4の偏光軸Aがラビング方向50と直
交するように配し(第11図(a))、外部電源3により
素子に3角波(1Hz)を印加して電圧−透過率特性を測
定した。
液晶分子は電圧ゼロでは第11図(a)の配列(第1の
安定状態)となっており、偏光板5を通り抜けた直線偏
光は、偏光板4を通り抜けることができず、“暗”状態
である。
電圧を正に増加していくと、第11図(b)の如く、液
晶分子の自発分極方向30が電界方向40にそろい(第11図
(b))でいえば、電界方向40は左側の素子正面図では
紙面手前から向う側の向き、右側の素子断面図では下向
きとなる)、液晶分子はスメクチックコーン60に沿って
回転し、ラビング方向50からθだけずれた配列(第2の
安定状態)となる。この時、偏光板5を通り抜けた直線
偏光は、液晶の複屈折性により偏光面が回転し、偏光板
4を通り抜けて“明”状態となる。電圧を減少し、さら
に負の電圧にすると、液晶分子の配列は前記第11図
(b)と逆向きの電界に従って第11図(c)の配列状態
(第3の安定状態)となる。この時も“明”状態とな
る。
この様子をPI−1の場合を例に取って、電圧を横軸
に、透過率を縦軸として第12図に示した。上記した市販
のポリイミド系配向膜の場合(第13図)と比較して明ら
かなように、本発明のものは、例えば電圧を0から増加
させていき、ある一定の値を越えると急速に“暗”状態
から“明”状態に変化する(非線形性)。また、この変
化点における電圧値と、再び電圧を減少させて“明”状
態から“暗”状態に変化する電圧値との差が増大してお
り、非線形性とヒステリシス幅が改善されていることが
わかる。
そこで、次式で示す駆動マージンを測定し、結果を第
20図に併記した。
ここで、 Vth(10):正または負の電圧を増加した時透過率10%
となる電圧 Vsat(90):正または負の電圧を増加した時透過率90%
となる電圧 Vth(90):正または負の電圧を減少した時透過率90%
となる電圧 駆動マージンMは本発明の素子をマトリクス表示素子
として駆動する時に目安となるパラメータでM≧1の
時、高コントラストのマトリクス表示が得られる。この
結果からも本発明の配向制御膜の効果は明らかである。
実施例2 実施例1で用いた配向制御膜の代りに、第21図に挙げ
る構造式のポリアミド・イミド膜を配向制御膜として使
用した。配向制御膜1b,2bの形成は次のようにして行な
った。
5mmolのジアミン(PI−10の場合,1,4−ジアミノベン
ゼン,PI−11の場合,4,4′−ジアミノフェニエーテル,PI
−12の場合,2,2′−ビス−〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン)と5mmolのト
リエチルアミンとを氷水で冷却しながら、18.3mlのジメ
チルアセトアミドに溶解した。この中へ5mmolの固体の
塩化トリメリット酸無水物を一度に加え、窒素雰囲気
下、室温にて3時間撹拌を続けて反応させた。これに10
mlのジメチルアセトアミドを添加して溶液の粘度を低下
した後、500mlのメタノール中に注いだ。析出した黄色
のフレイクを集め、メタノールにてよく洗浄した後、10
0℃にて真空乾燥した。このようにして合成したポリア
ミドカルボン酸の固有粘度(30℃,濃度0.5g/dl,ジメチ
ルアセトアミド中)を実施例1と同様にして測定し、結
果を第21図に併記した。
また、同様にして赤外線吸収スペクトルを測定し、第
14図(PI−10),第15図(PI−11),第16図(PI−12)
にそれぞれ示した。
得られた各ポリアミドカルボン酸を配向制御膜として
用いて、実施例1と同様の方法で基板上に薄膜化し、イ
ミド化して、液晶素子を構成した。同様にして配向コン
トラスト,駆動マージンを測定したところ、第21図に明
らかなように、PI−10およびPI−11はPI−12と比較して
良好な結果を示している。
実施例3 実施例1で用いた配向制御膜の代りに、第22図に挙げ
る構造式のポリアミド膜(PI−13,PI−14)を配向制御
膜として使用した。合成構造を次に示す。
2.5mmolのジアミン(PI−13の場合は、2,2′−ビス−
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン,PI−14の場合は、1,4−
ジアミノベンゼン)をドライアイスで冷却しながら、7.
5mmolのジメチルアセトアミド中に溶解した。これに2.5
mmolの二カルボン酸塩化物(PI−13の場合、塩化テレフ
タル酸,PI−14の場合、塩化イソフタル酸)を一度に加
え、混合溶液を4℃にて1時間半撹拌してポリアミドを
合成した。粘稠になった溶液を300mlのメタノール中に
入れ:結晶を析出させた。析出した結晶を集めてメタノ
ールにて十分洗浄した後、100℃にて真空乾燥した。
このようにして合成したポリアミドを実施例1と同様
にして、固有粘度を測定し、結果を第22図に併記した。
また同様にして赤外吸収スペクトルを測定し、第17図
(PI−13),第18図(PI−14)にそれぞれ示した。
次に、得られた各ポリアミドを配向制御膜として用い
て、実施例1と同様の方法で基板上に薄膜化し、液晶素
子を構成した。配向コントラスト,駆動マージンを測定
したところ、第22図に明らかなように、実施例1と同
様、良好な結果が得られた。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、特定の構造を有する
配向制御膜を3つの安定状態を有する強誘電性液晶材料
に用いることにより、該強誘電性液晶の初期配向状態を
改善することができ、広範囲にわたり均一な液晶分子配
列を有する液晶素子を実現することができる。
従って、3つの安定状態を有する強誘電性液晶の有す
る優れた電気光学効果を充分に発揮することができるの
で、例えば大画面高精細表示素子,TV画像表示素子、あ
るいは液晶光シャッタ等に適用されて、著しい効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した液晶素子の全体構成図、第2
図〜第10図は本発明実施例における赤外線吸収スペクト
ルの測定結果を示す図、第11図(a)〜(c)は液晶分
子の配向状態を示す図、第12図及び第13図は本発明実施
例における液晶への印加電圧と透過率の関係を示す図、
第14図〜第18図は本発明実施例における赤外線吸収スペ
クトルの測定結果を示す図、第19図(a)〜(c)は液
晶へ電圧を印加したときの透過率の変化を示す図、第20
図〜第22図は本発明実施例における配向制御膜の構造式
及び特性を示す図である。 1,2……電極基板,1b,2b……配向制御膜,6……強誘電性
液晶。
フロントページの続き (72)発明者 森 薫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 中村 耕治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 ユブラージュ・シン・ネギ 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 鈴木 義一 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 河村 一朗 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 今井 淑夫 東京都大田区中馬込1丁目9番2号303 号室 (56)参考文献 特開 昭62−159123(JP,A) 特開 昭63−214722(JP,A) 特開 平1−172818(JP,A) 特開 昭62−175712(JP,A) 特開 平3−25418(JP,A) 特開 平1−219718(JP,A) 特開 平2−148023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1337

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の透明電極基板間に3つの光学的安定
    状態を有する強誘電性液晶を封入してなる強誘電性液晶
    素子であり、上記一対の基板には、液晶と接する表面に
    配向制御膜を形成するとともに、上記配向制御膜を下記
    一般式(I)で示されるポリイミド膜で構成したことを
    特徴とする強誘電性液晶素子。 式中、X1は2価のアミノ基残基 であり、 Y1は4価のカルボン酸残基 である。
  2. 【請求項2】一対の透明電極基板間に3つの光学的安定
    状態を有する強誘電性液晶を封入してなる強誘電性液晶
    素子であり、上記一対の基板には、液晶と接する表面に
    配向制御膜を形成するとともに、上記配向制御膜を下記
    一般式(II)で示されるポリアミド・イミド膜で構成し
    たことを特徴とする強誘電性液晶素子。 式中、X2は2価のアミノ基残基 Y2は3価のカルボン酸残基 である。
  3. 【請求項3】一対の透明電極基板間に3つの光学的安定
    状態を有する強誘電性液晶を封入してなる強誘電性液晶
    素子であり、上記一対の基板には、液晶と接する表面に
    配向制御膜を形成するとともに、上記配向制御膜を下記
    一般式(III)で示されるポリアミド膜で構成したこと
    を特徴とする強誘電性液晶素子。 式中、X3は2価のアミノ基残基 Y3は2価のカルボン酸残基 である。
  4. 【請求項4】前記一対の電極基板には電界形成用の電圧
    が印加されるように構成されており、前記強誘電性液晶
    の3つの安定状態とは、無電界時には前記強誘電性液晶
    の分子配向が第1の安定状態を有し、且つ電界印加時に
    一方の電界方向に対して分子配向が前記第1の安定状態
    とは異なる第2の安定状態を有し、更に他方の電界方向
    に対し分子配向が前記第1及び第2の安定状態とは異な
    る第3の安定状態を有することであることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか一つに記載の強誘電性液晶素子。
  5. 【請求項5】前記一対の電極基板には、前記強誘電性液
    晶の分子配向が前記第1の安定状態のときに暗状態、前
    記第2の安定状態、第3の安定状態のときに明状態とな
    るように偏向軸が互いに直交するように設定された偏光
    板がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4
    に記載の強誘電性液晶素子。
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