JP2889656B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

Info

Publication number
JP2889656B2
JP2889656B2 JP13526190A JP13526190A JP2889656B2 JP 2889656 B2 JP2889656 B2 JP 2889656B2 JP 13526190 A JP13526190 A JP 13526190A JP 13526190 A JP13526190 A JP 13526190A JP 2889656 B2 JP2889656 B2 JP 2889656B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal display
phase
smectic
electric field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13526190A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0430121A (ja
Inventor
公洋 湯浅
憲次 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP13526190A priority Critical patent/JP2889656B2/ja
Publication of JPH0430121A publication Critical patent/JPH0430121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2889656B2 publication Critical patent/JP2889656B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械分野や、電気・電子分野などにおいて
使用される液晶表示素子に関する。
〔従来の技術〕 強誘電性液晶の光学的異方性を利用して2枚の基板間
に液晶を挟持した光学素子がクラークとラゲルバルによ
り提案されている(特開昭56−107216号公報、特開昭63
−153521号公報)。これらは基板間の距離を十分小さく
してカイラルスメクチックC相のらせん構造を消失さ
せ、2つの安定状態(いわゆる双安定性)を得ようとす
るものである。しかし、光学素子を作製するためには通
常基板に配向膜を設けなければならず、この配向膜のた
め当初考えられていたほどの明確な双安定性が得にくい
という問題点がある。
配向性を改善するため、スメクチックA相の状態にあ
る強誘電性液晶組成物を電極又は磁極間に介在させ、そ
の外場で液晶のチルト角を誘起して光の透過量を調節す
る光変調方法とその素子が提案されている(特開昭64−
3632号公報)。
しかしながら、スメクチックA相の状態にある強誘電
性液晶組成物を利用する素子では、スメクチックA相
の状態にある強誘電性液晶組成物を用いるので液晶分子
がらせん構造をとらないため液晶の厚みを厚くすること
ができるが、その反面、液晶の厚みを厚くしたことに応
じ素子に印加する電圧を大きくする必要が生じるので、
実用的には液晶の厚みを数μm程度以下に小さくする必
要があり、生産性があまり改善されないこと、液晶の
ジグザグ欠陥を生じにくいが、低分子液晶を用いている
ので、機械的強度が十分でないこと、正の電圧で明表
示、負の電圧で暗表示として利用しているので、カイラ
ルスメクチックC相の液晶組成物を用いた素子と同様に
偏光板を素子の長手方向に対し斜めに傾けて配置するこ
とが必要であり、長尺素子の作製には向かないことなど
の問題点が残されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、偏光板の無駄を生じず、長尺型の液晶表示
素子の連続的生産に適し、配向性に優れた高コントラン
ストの液晶表示素子を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重
ねた結果、特定の相を有する高分子液晶組成物を使用し
て、偏光板を特定の方向に配置した液晶表示素子により
その目的が達成されることを見出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、反強誘電相又は電界誘起チルトを
示すスメクチックA相を有する高分子液晶組成物を電極
面を対向させて配置された電極付可撓性基板間に挟持
し、少なくとも一方の可撓性基板面の外側に偏光軸が電
極付可撓性基板の長手方向に平行又は垂直である偏光板
を設けてなることを特徴とする液晶表示素子を提供する
ものである。
第1図は、本発明の液晶表示素子の一例を示す断面図
である。
高分子液晶組成物4は電極3、5面を対向させて配置
された電極3、5付可撓性基板2、6間に挟持されてお
り、その外側の可撓性基板2面に偏光板1が設けられて
いる。
本発明の液晶表示素子では、液晶材料として高分子液
晶組成物が使用されている。そして、この高分子液晶組
成物は反強誘電相又は電界誘起チルトを示すスメクチッ
クA相を有するものである。高分子液晶組成物を使用す
ることにより、配向性に優れた高コントラストの液晶表
示素子が得られる。また、その高分子液晶組成物が反強
誘電相又は電界誘起チルトを示すスメクチックA相を有
するものであるので、偏光板をその偏光軸が可撓性基板
の長手方向に平行又は垂直になるように設けた液晶表示
素子で液晶表示を行うことが可能となっている。
高分子液晶組成物としては、反強誘電相(SmCA *)又
は電界誘起チルトを示すスメクチックA相(SmA*)を有
する高分子液晶組成物であれば、その組成に特に制限は
ない。例えば、反強誘電相若しくは電界誘起チルトを
示すスメクチックA相を有する低分子液晶を1種以上含
む低分子液晶又は低分子液晶組成物と1種又は2種以上
の高分子液晶又は高分子液晶組成物からなる高分子液晶
組成物、反強誘電相若しくは電界誘起チルトを示すス
メクチックA相を有する高分子液晶を1種以上含む高分
子液晶又は高分子液晶組成物と1種又は2種以上の低分
子液晶又は低分子液晶組成物からなる高分子液晶組成物
が挙げられる。ここで、に含まれる高分子液晶及び
に含まれる低分子液晶は、反強誘電相や電界誘起チルト
を示すスメクチックA相を示すものであってもよい。
高分子液晶組成物中に含まれる反強誘電相又は電界誘
起チルトを示すスメクチックA相を有する液晶の割合は
任意であり単体若しくは混合の結果SmCA *相又はSmA*
が発現するものであればよい。
また、高分子液晶組成物中の高分子液晶の割合として
は、前記の場合には、2〜95重量%とすることが好ま
しく、特に5〜50重量%とすることが好ましい。前記
の場合には、2〜95重量%とすることが好ましく、特に
20〜50重量%とすることが好ましい。高分子液晶の割合
が少な過ぎると高分子液晶組成物の配向性、製膜性など
の有用性が欠けることがあり、多過ぎると高分子液晶組
成物が反強誘電相や電界誘起チルトを示すスメクチック
A相を有さなかったり、電界変化に対する応答が遅くな
ったりするなどの不都合が生じることがある。
本発明に用いる反強誘電性を示す高分子液晶として
は、適当な温度で反強誘電性を示すものであれば、特に
制限はない。一般に光学活性基として (Xはメチル基、CF3基など、Rはアルキル鎖又はエス
テルを含んだものを示す。)を有する高分子液晶が好ま
しい。例えば、下記の繰り返し単位を有する高分子液晶
が好ましい。
〔式中のR1及びXは、上記と同じであり、R2は−H、−
CH3又は−C2H5、jは1〜20の整数、kは1〜30の整
数、Aは−O−又は−COO−、mは0又は1、Bは (ここでYは−COO−又は−OCO−を示す。)を表す。〕 具体的には、例えば、以下の繰り返し単位を有する液
晶(a)、液晶(b)が挙げられる。
相転移挙動 〔Iso:等方相(液体)、SmA:スメクチックA相、SmC*
カイラルスメクチックC相、SmCA *:反強誘電相、glas
s:ガラス状態を示す。〕 相転移挙動 ここで、反強誘電相を示す温度範囲は、これらの高分
子液晶を対向する電極間に挟持して電極間に三角波状電
圧を印加した際、クロスニコル下で透過光強度の変化が
2段階(3種類)になり、しかも第3状態でも消光位が
得られて明らかにらせんを巻いた状態やツイスト状態で
ないときを反強誘電相として決定した値である。
また、反強誘電相を示す低分子液晶としては、例え
ば、以下のものが挙げられる。
(特開平1−213390号公報) (第15回液晶討論会講演予稿集3A16(1989),P300) (第15回液晶討論会講演予稿集3A16(1989),P300) (特開平1−213390号公報) (日本学術振興会情報科学用有機材料第142委員会第47
回同研究試料P20) なお、上記化合物は反強誘電性を有する液晶化合物の
一例であり、これらの構造式に限定されるものではな
い。
また、電界誘起チルトを示すスメクチックA相(Sm
A*)を有する高分子液晶としては、例えば、下記の繰り
返し単位を有するものが挙げられる。
相転移挙動 電界誘起チルトを示すスメクチックA相(SmA*)を有
する低分子液晶としては、例えば、下記の構造を有する
MHPOBC〔4′−(1−metylheptyloxy carbonyl)pheny
l−4−octyloxy biphenyl−4−carboxylate〕が挙げ
られる。
MHPOBC: なお、上記化合物は電界誘起チルトを示すスメクチッ
クA相を有する液晶化合物の一例であり、これらの構造
式に限定されるものではない。
また、上記の反強誘電相又は電界誘起チルトを示すス
メクチックA相を有する高分子液晶組成物に含まれる他
の高分子液晶又は低分子液晶としては、スメクチック相
を示すものが好ましい。特に、スメクチックC相又はカ
イラルスメクチックC相を示すものが好ましい。
このような他の高分子液晶としては、不斉炭素を含ま
ないものと不斉炭素を含むものが挙げられる。不斉炭素
を含まないものの例としては、以下のものが挙げられ
る。
(Y.S.Freidzon,Polymer Commun.,1986,27,190) (H.Finkelmann,Makromol.Chem.,1978,179,2451) (C.Pugh,Polymer Bulletin,1986,16,521) (H.Richard,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1988,155,141) (M.Eich,Macromol.Chem.,Rapid Commun.,1987,8,59) (渡辺順次、第14回液晶討論会講演予稿集、1988、25
8) また、不斉炭素を含むものの例としては、以下のもの
が挙げられる。
(特開昭63−99204号公報) (J.C.Duboisら,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1986,137,349) (J.C.Duboisら,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1986,137,349) (特開昭63−264629号公報) (特開昭63−280742号公報) (特開平1−113424号公報) (特開昭64−22918号公報) (R.Zentelら,Liq.Cryst.1987,2,83) 高分子液晶は2〜3量体のオリゴマー液晶であっても
よい。
更に、本発明で使用される高分子液晶組成物には、必
要に応じて接着剤、減粘剤、非液晶カイラル化合物、色
素等が含まれていてもよい。
上記の高分子液晶組成物は、電極面を対向させて配置
された電極付可撓性基板間に挟持されている。
可撓性基板としては、可撓性を有し透明性の材料であ
れば、特に制限はない。例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカ
ーボネート(PC)などのプラスチックフィルムなどを用
いることができる。基板の厚みとしては、通常10μm〜
数mmが好ましい。
可撓性基板の片面には電極が設けられているが、電極
としては、透明性を有する材料であれば特に限定はな
い。例えば、酸化インジウム又は酸化インジウムと酸化
錫との混合物からなるITO膜等の透明電極が好適であ
り、通常これらは上記の可撓性基板上に蒸着されてお
り、適当な形状に加工されて使用される。
上記の高分子液晶組成物を電極付可撓性基板間に挟持
する方法としては、特に制限はない。上記の高分子液晶
組成物は製膜性に優れるので、高分子液晶組成物を溶液
又は溶融状態で電極付可撓性基板の電極面に塗布する方
法が好適に使用できる。例えば、ロールコーター、マイ
クログラビアコーター、バーコーターなどを用いる方法
や、多孔質材料に高分子液晶組成物を含浸させてそれを
電極面に押圧しながら移動する含浸塗布法などが挙げら
れる。また、スプレー法、キャスト法などにより製膜す
る方法も好適である。
高分子液晶組成物は電極付可撓性基板間に挟持される
際又はその後配向処理され、高分子液晶組成物の液晶分
子が一軸水平配向していることが好ましい。配向処理の
方法としては、特に制限はなく、例えば、従来から良く
知られたラビング法、斜方蒸着法、磁場印加法、温度勾
配法などを用いることができる。本発明では高分子液晶
組成物を使用しているので、液晶混合物に剪断を印加す
ることにより液晶分子を容易に高度に配向させることが
できる。したがって、連続生産性に優れた曲げ配向法を
用い、液晶組成物に剪断を印加して液晶分子を配向する
ことが好ましい。この方法により極めて高速かつ容易に
液晶分子の高度な配向状態が得られる。液晶分子の配向
方向としては、可撓性基板の長手方向に対して平行又は
垂直とすることが好ましい。
更に、上記の高分子液晶組成物を電極付可撓性基板間
に挟持したものの少なくとも一方の可撓性基板面の外側
の偏光板が設けられている。
偏光板としては、通常のものを使用することができ
る。第1図では可撓性基板2の外面にのみ設けられてい
るが、可撓性基板6の外面にのみ設けられているが、可
撓性基板6の外面にも設けることができる。目的とする
液晶表示素子が複屈折モードのときは上下の可撓性基板
の両外面に設けることが好ましく、ゲストホストモード
では通常片方の可撓性基板の外面に設ければよい。
偏光板の偏光軸は、可撓性基板の長手方向に平行又は
垂直とする。このような方向に偏光板を設置すること
で、例えば、粘着層が片面に設けられている長尺の偏光
板をそのまま用いて可撓性基板面にラミネートすること
ができるので、偏光板の無駄が無くなり、また連続生産
が容易となり液晶表示素子を安価に製造することが可能
となる。
以下、液晶表示素子が複屈折モードであり、偏光板を
素子の上下面に設置する場合について説明するが、ゲス
トホストモードの場合にも同様に考えることができる。
第2図(a)は、例えばカイラルスメクチックC相
(SmC*)を有する強誘電性液晶の強誘電相での液晶分子
の液晶表示素子内の動きを示す説明図である。第2図
(b)は、第2図(a)の液晶分子の動きを液晶表示素
子の上面から見た場合の説明図であり、第2図(c)
は、第2図(b)の液晶表示素子に対して設定された偏
光板の偏光軸を表す説明図である。
強誘電相では、ダイポール8を有する液晶分子7は、
印加される電界の向きに応じてコーン9の上をスイッチ
ングする。10はスメクチック層法線、11、12はそれぞれ
上下の偏光板の偏光軸を表す。
強誘電相では液晶分子7とスメクチック層法線10との
なす角は、第2図(b)に示すようにチルト角θであ
る。このため、この液晶表示素子で明暗表示を行うため
には、第2図(c)に示すように、2枚の偏光板を偏光
軸を互いに直交させて設置する場合、一方、偏光板の偏
光軸11がスメクチック層法線10に対してチルト角θだけ
斜めに傾いた方向になるように設置しなければならな
い。したがって長尺型の液晶表示素子において液晶分子
の配向方向、すなわちスメクチック層法線を可撓性基板
の長手方向に平行又は垂直とすると、偏光板を可撓性基
板の長手方向に対して斜めに設けらなければならず、偏
光板の無駄が多くなる。逆に偏光板の無駄を生じさせな
いためには、液晶分子の配向方向を可撓性基板の長手方
向に対して斜めにしなければならず、このような配向処
理を行うことは長尺型の液晶表示素子を連続的に生産す
るのには向かない。
以上は、強誘電性液晶を用いた液晶表示素子の場合で
あるが、本発明に示すように反強誘電相(SmCA *)を有
する高分子液晶組成物を用いた液晶表示素子の場合に
は、液晶組成物に電界を印加しないときには、隣合うス
メクチック層間で液晶分子がスメクチック層法線に対し
て互いに逆向きにチルト角θだけ傾いている。
第3図(a)は、反強誘電相を有する高分子液晶組成
物を用いた液晶表示素子の電界がゼロの状態における液
晶分子の状態と偏光板の偏光軸を示す説明図である。第
3図(b)は、電界を印加した状態における液晶分子の
状態と偏光板の偏光軸を示す説明図である。13は電界の
向きを示す。
第3図(a)、第3図(b)ともに、偏光軸11、12を
互いに直交させ、偏光軸11がスメクチック層法線10と一
致するように偏光板を設置した状態である。
電界を印加しない状態では、第3図(a)に示すよう
に、液晶分子の光学軸の方向は全体の液晶分子の平均的
方向、すなわちスメクチック層法線10の方向となり、暗
表示となる。液晶組成物に電界を印加すると、第3図
(b)に示すように、電界の向きに応じて液晶分子はス
メクチック層法線10に対して±θいずれかの方向に傾
き、明表示となる。
一方、電界誘起チルトを示すスメクチックA相を有す
る高分子液晶組成物を用いた液晶表示素子の場合、電極
間に電界を印加しないときには、液晶分子はスメクチッ
ク層法線に対して傾かない状態が安定となる。
第4図(a)は、電界誘起チルトを示すスメクチック
A相を有する高分子液晶組成物を用いた液晶表示素子の
電界がゼロの状態における液晶分子の状態と偏光板の偏
光軸を示す説明図である。第4図(b)は、電界を印加
した状態における液晶分子の状態と偏光板の偏光軸を示
す説明図である。
第4図(a)、第4図(b)ともに、偏光軸の方向は
第3図(a)と同様である。
電界を印加しない状態では、第4図(a)に示すよう
に、液晶分子はスメクチック層法線10方向に揃ってお
り、暗表示となる。液晶組成物に電界を印加すると、第
4図(b)に示すように、液晶分子はエレクトロクリニ
ック効果により電界誘起チルトを生じ、電界の向き、大
きさに応じてスメクチック層法線10に対して±θ方向に
傾き、明表示となる。
反強誘電相を有する高分子液晶組成物を用いた液晶表
示素子でも、電界誘起チルトを示すスメクチックA相を
有する高分子液晶組成物を用いた液晶表示素子でも、液
晶組成物に電界を印加しないときには液晶層の光学主軸
方向はスメクチック層法線方向を向いており、電界を印
加したときにはその印加電界の符号によって液晶層の光
学主軸方向は+θ又は−θだけ傾いた方向になる。従っ
て設置する偏光板の偏光軸を液晶表示素子の配向処理方
向、すなわちスメクチック層法線と平行又は垂直とする
と、明暗表示が可能となる。このことは、特に可撓性基
板を用いて長尺型の液晶表示素子を作製する際に、偏光
板の原反をそのまま可撓性基板と重ね合わせるとよいこ
とを意味する。
したがって、本発明の液晶表示素子は偏光板の無駄を
生じない極めて生産性に優れた液晶表示素子となる。更
に、液晶表示素子の配向処理方向は、基板の長手方向に
平行又は垂直とすればよいので、連続生産が容易であ
る。また、従来のように双安定性を利用していないの
で、安定した高コントラストの液晶表示素子となってい
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 反強誘電相を有する下記の高分子液晶を用いて、以下
のように液晶表示素子を作製した。
相転移挙動 上記の高分子液晶を25重量%のトルエン溶液とし、マ
イクログラビアコーターを用いて幅150mm、厚み100μ
m、長さ50mのITO電極付PES(ポリエーテスルホン)基
板の電極面に塗布製膜した。溶媒蒸発後、直ちに何も塗
布していない同種の基板と液晶と電極面が接するように
ラミネートした。このときに、得られた液晶層の厚みは
2.4μmであった。
次いで、第5図に示す4本の配向ロール15からなる曲
げ配向装置を用いて、得られたラミネート物14を配向処
理した。各配向ロール15はクロムメッキを施した鉄製で
あり、直径80mm、幅300mmのものを互いに5mmのギャップ
をつくるように配置してある。各配向ロール15の表面温
度は、T1=135℃、T2=123℃、T3=123℃、T4=110℃と
し、ライン速度はv=5m/分とした。
更に続けて第6図に示すように、配向処理されたラミ
ネート物14の両側に粘着層付長尺偏光板16をラミネート
ロール17によりラミネートして液晶表示素子18とした。
偏光板16は幅150mmのもので長手方向に偏光軸をもつも
のを使用した。したがって、パラニコルの液晶表示素子
が得られた。液晶配向方向は長手方向と垂直な方向であ
った。
これらの工程は全てライン速度v=5m/分で連続的に
行ったので、約10分で長さ50mの液晶表示素子を完成す
ることができた。得られた液晶表示素子のコントラスト
比を測定するために幅150mm、長さ300mmを切り出し、素
子の電極間に10Vの直流を印加したときと印加しないと
きの光透過率の比を求めたところ、25℃で21であった。
比較例1 下記の低分子の反強誘電性液晶を用いた。
相転移挙動 上記の液晶を実施例1と同様にしてマイクログラビア
コーターでPES基板に塗布した。トルエン溶液濃度は同
じく25重量%とし、ラミネート後の液晶層の厚みは2.2
μmであった。
次いで、得られたラミネート物を実施例1で使用した
配向装置でT1=130℃、T2=105℃、T3=105℃、T4=100
℃とし、v=5m/分として配向処理し、これに実施例1
と同様に長尺偏光板をラミネートして液晶表示素子とし
た。このとき、液晶の結晶化を防ぐために2本のラミネ
ートロールは80℃に加熱した。その後、直ちに長さ300m
mを切り出して70℃の雰囲気下でコントラスト比を求め
たところ、10Vで11であった。更に0V、10Vの電圧印加を
1Hzで繰り返したところ、数分以内に液晶表示素子面内
で液晶層の厚みが変化し、視認性が著しく低下した。こ
のときのコントラスト比は、場所によって3〜12の間で
変化していた。
以上のように低分子の液晶を単独で使用した場合には
配向性がやや劣り、薄膜としての安定性に欠けることが
明らかになった。
実施例2 次の組成からなる液晶組成物を調整した。
液晶A:液晶B:液晶C =60:20:20(重量%) 相転移挙動 上記の反強誘電性高分子液晶組成物に日本感光色素製
の黒色色素NKX−1033を5重量%混合した。これを15重
量%のジクロルメタン溶液とし、実施例1と同様にマイ
クログラビアコーターを用いてITO電極付1軸延伸PET
(幅200mm、厚み100μm、長さ20m)基板の電極面に塗
布した。次いで、これを実施例1と同様に対向基板とラ
ミネートした。ラミネート後の液晶層の厚みは2.0μm
であった。連続してこのラミネート物を実施例1で使用
した配向装置で配向処理した。各ロール温度は、T1=11
0℃、T2=100℃、T3=100℃、T4=85℃とし、ライン速
度はv=4m/分とした。更に、配向処理されたラミネー
ト物の片面のみに粘着層付長尺偏光板をラミネートし
て、ゲストホスト型の液晶表示素子を製作した。この液
晶表示素子の長手方向と偏光板の偏光軸及び液晶のスメ
クチック層法線方向の関係は、第7図(a)に示すよう
に、液晶表示素子の長手方向19と偏光板の偏光軸11が一
致しており、スメクチック層法線10方向はこれらに垂直
とした。また、第7図(b)に示すように、この液晶表
示素子に電界を印加しないときの液晶分子7の平均的配
向方向はスメクチック層法線方向であり、この状態は暗
であった。また、電界を印加したときの液晶分子7′の
配向方向はスメクチック層法線方向からθだけ傾いた方
向であり、この状態は明であった。
可撓性基板には光学的異方性をもつ一軸延伸PETを用
いているが、その光学的異方性の方向が偏光板の偏光軸
に一致するので、異方性を有することは表示性能には全
く影響がなかった。
上記の液晶表示素子から長さ30cmを切り出し、25℃で
10Vの電圧を電極間に印加したときと印加しないときの
光透過率変化からコントラスト比を求めたところ、16で
あった。このようにゲストホスト型の液晶表示素子でも
連続的にしかも容易に高品位の長尺型液晶表示素子を製
造できることが明らかになった。
実施例3 下記の比較的大きな電界誘起チルトを示すスメクチッ
クA相(SmA*)を有する液晶を用いた。
相転移挙動 この液晶の電界誘起チルトθの大きさを第1表に示
す。測定は25℃でセル厚2μmのガラスセルを用いて行
った。
上記の高分子液晶及び実施例1と同様の基板を用いて
実施例1と同様の方法により長尺のラミネート物(幅15
cm、長さ50m)を作製した。ラミネート後の液晶層の厚
みは2.3μmであった。得られたラミネート物を連続し
て実施例1で使用した配向装置で配向処理した。各ロー
ル温度は、T1=80℃、T2=72℃、T3=60℃、T4=60℃と
し、ライン速度v=5m/分とした。更に、実施例1と同
様に配向処理されたラミネート物の両側に長尺偏光板を
ラミネートして液晶表示素子を完成した。
この液晶表示素子から長さ40cmを切り出し、素子の電
極間に電圧を印加したときと印加しないときのコントラ
スト比を測定したところ、0Vと20Vのコントラスト比は1
6、0Vと40Vのコントラスト比は22であった。
実施例4 実施例1で用いたものと同種の電極付PES基板の電極
面に予めマイクログラビアコーターでポリビニルアルコ
ールの1重量%溶液を塗布した。このときの溶媒には、
水とメチルアルコールの1:1(体積比)の混合物を用い
た。
塗布後、この溶媒を乾燥させてポリビニルアルコール
の塗布された基板を巻き取った。次いで、この基板のポ
リビニルアルコール塗布膜を第8図に示すようなラビン
グ処理装置を用いて基板の長手方向にラビング処理し
た。ラビングロール20はナイロンの毛21を植毛した布を
直径100mmの金属ロールに貼りつけたものであり、ナリ
ロンの毛21がポリビニルアルコールの塗布された基板22
のポリビニルアルコー塗布膜に接する状態で、ラビング
ロール20を基板の長手方向とは逆の方向に100rpmで回転
させた。23は補助ロールである。ライン速度はv=2m/
分とした。ラビング処理された基板はラビング処理後直
ちにマイクログラビアコーター及びラミネートロール対
へと続いており、連続して液晶の塗布、対向基板のラミ
ネートができるようにした。
液晶は実施例3で用いたものと同種のものを使用し、
その塗布条件は実施例1と同様とした。
ラミネート後、第9図に示すようなヒーター24を有す
る加熱装置に得られたラミネート物14を通して、液晶分
子を配向させた。加熱装置は全長5mであり、入口付近で
は80℃、出口付近では65℃になるように温度勾配をつけ
た。この加熱装置の通過により、液晶は等方相に加熱さ
れた後に、徐々に冷却され、基板の一方のラビング面の
ラビング方向に沿って配向した。更に、この液晶表示素
子に第5図に示すように両側に長尺偏光板をラミネート
して液晶表示素子を完成した。
この液晶表示素子から長さ30cmを切り出し、電極間に
電圧を印加したときと印加しないときのコントラスト比
を測定したところ、0Vと20Vのコントラスト比は15を得
た。
〔発明の効果〕
本発の液晶表示素子は、偏光板の無駄がなく、長尺の
液晶表示素子を連続的にしかも容易に生産することがで
き、使用されている液晶組成物が配向性に優れているた
め高コントラストのものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の液晶表示素子の一例を示す断面図で
ある。 第2図(a)は、強誘電性液晶の強誘電相での液晶分子
の液晶表示素子内の動きを示す説明図である。第2図
(b)は、第2図(a)の液晶分子の動きを液晶表示素
子の上面から見た場合の説明図であり、第2図(c)
は、第2図(b)の液晶表示素子に対して設定された偏
光板の偏光軸を表す説明図である。 第3図(a)及び第3図(b)は、反強誘電相を有する
高分子液晶組成物を用いた液晶表示素子の液晶分子の状
態と偏光板の偏光軸を示す説明図である。 第4図(a)及び第4図(b)は、電界誘起チルトを示
すスメクチックA相を有する高分子液晶組成物を用いた
液晶表示素子の液晶分子の状態と偏光板の偏光軸を示す
説明図である。 第5図及び第6図は、それぞれ実施例1で使用した配向
装置、ラミネート装置を示す説明図である。 第7図(a)は、実施例2の液晶表示素子の長手方向等
を示す説明図である。第7図(b)はこの液晶表示素子
の液晶分子の状態を説明する説明図である。 第8図及び第9図は、それぞれ実施例4で使用したラビ
ング処理装置、加熱装置を示す説明図である。 符号の説明 1……偏光板、2、6……可撓性基板 3、5……電極、4……高分子液晶組成物 7……液晶分子、8……ダイポール 9……コーン、10……スメクチック層法線 11、12……偏光軸、13……電界の向き 14……ラミネート物、15……配向ロール 16……粘着層付長尺偏光板 17……ラミネートロール 18……液晶表示素子 19……液晶表示素子の長手方向 20……ラビングロール 21……ナイロンの毛 22……ポリビニルアルコールの塗布された基板 23……補助ロール、24……ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/1333

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反強誘電相又は電界誘起チルトを示すスメ
    クチックA相を有する高分子液晶組成物を電極面を対向
    させて配置された電極付可撓性基板間に挟持し、少なく
    とも一方の可撓性基板面の外側に偏光軸が電極付可撓性
    基板の長手方向に平行又は垂直である偏光板を設けてな
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】高分子液晶組成物の液晶分子が電極付可撓
    性基板の長手方向に平行又は垂直に配向処理されている
    請求項1記載の液晶表示素子。
JP13526190A 1990-05-28 1990-05-28 液晶表示素子 Expired - Lifetime JP2889656B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13526190A JP2889656B2 (ja) 1990-05-28 1990-05-28 液晶表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13526190A JP2889656B2 (ja) 1990-05-28 1990-05-28 液晶表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0430121A JPH0430121A (ja) 1992-02-03
JP2889656B2 true JP2889656B2 (ja) 1999-05-10

Family

ID=15147571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13526190A Expired - Lifetime JP2889656B2 (ja) 1990-05-28 1990-05-28 液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2889656B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0430121A (ja) 1992-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0573278B1 (en) Method of making compensator for liquid crystal display
EP0539992B1 (en) Liquid crystal device
JP2767505B2 (ja) 液晶素子
JP2889656B2 (ja) 液晶表示素子
JP3054212B2 (ja) ゲストホスト型液晶光学素子
JP2675893B2 (ja) 液晶素子
KR0185213B1 (ko) 폴리에스테르계 주쇄 고분자 액정 화합물 및 이를 이용한 액정표시 소자
JPH0774867B2 (ja) 液晶素子
KR0161377B1 (ko) 강유전성 액정표시소자
JP2692673B2 (ja) 光シャッター装置
JPS6252528A (ja) 強誘電性液晶電気光学装置
JP2766218B2 (ja) 液晶光学素子の製造方法
JPS62111236A (ja) 液晶素子
JP3062978B2 (ja) 強誘電性液晶素子
JPH0754382B2 (ja) 液晶電気光学装置の製造方法
JPH07181495A (ja) 強誘電性液晶素子
JP2556589B2 (ja) 液晶素子
JPH03168724A (ja) 強誘電性液晶電気光学装置
JPH05297374A (ja) 液晶光学素子及びその表示方法
JPH06273711A (ja) 液晶素子
JPH0240625A (ja) 液晶電気光学装置
JPS6370227A (ja) 強誘電性液晶表示素子
JPH0540266A (ja) 液晶素子
JPH04268390A (ja) 強誘電性高分子液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子
JPH02248924A (ja) 液晶配向膜及びその製造法