JP2003055328A - ジシアノノルボルナン類の製造方法 - Google Patents

ジシアノノルボルナン類の製造方法

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JP2003055328A JP2001242130A JP2001242130A JP2003055328A JP 2003055328 A JP2003055328 A JP 2003055328A JP 2001242130 A JP2001242130 A JP 2001242130A JP 2001242130 A JP2001242130 A JP 2001242130A JP 2003055328 A JP2003055328 A JP 2003055328A
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mol
catalyst
cnn
halide
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Isao Fukada
深田  功
Sukeyoshi Mizutani
祐喜 水谷
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニッケルハロゲン化物を金属で還元すること
により調製されるゼロ価ニッケル錯体触媒とルイス酸助
触媒を使用して、シアノノルボルネンにシアン化水素化
を行って、ジシアノノルボルナン類を製造するに際し、
ゼロ価ニッケル錯体触媒とルイス酸助触媒を単離、精製
することなしにシアノノルボルネンのシアン化水素化に
使用することができる、工業的にも十分採用し得るジシ
アノノルボルナン類の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 ニッケルハロゲン化物の金属による還元
を水の存在下で行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ジシアノノルボル
ナン類の製造方法に関するものである。更に詳しくは、
ゼロ価ニッケル錯体触媒とルイス酸助触媒を使用して、
シアノノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]-5-ヘプ
テン-2-カルボニトリル、以下、CNNと省略する。)
にシアン化水素化を行って、2,5-ジシアノノルボル
ナン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,5-ジカル
ボニトリル)及び2,6-ジシアノノルボルナン(ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン-2,6-ジカルボニトリ
ル)を主成分とするジシアノノルボルナン(ビシクロ
[2.2.1]ヘプタンジカルボニトリル、以下、DC
Nと省略する。)類を製造する方法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来、CNNのシアン化水素化によるD
CN類の製造方法としては、 i)コバルトカルボニル触媒とトリフェニルホスフィン
を触媒系とする方法(米国特許2,666,780号)、 ii)テトラキス(トリアリールホスファイト)パラジウ
ムとトリフェニルホスファイトを触媒系とする方法(J.
Am.Chem.Soc.,112(1969))、 iii)ゼロ価ニッケル錯体触媒とルイス酸を触媒系とす
る方法(特開平3-95151号公報)等が知られている。 【0003】しかしながら、上記i)の方法では、コバ
ルト触媒及びトリフェニルホスフィンをCNNに対して
15〜30重量%、またシアン化水素をCNNに対して1.4
倍量と大量に使用しているにも関わらず、130℃で8時
間の反応の結果、DCN類の収率は 62%に過ぎない。
また、上記ii)の方法では、高価なパラジウム触媒を使
用することによる煩雑な触媒回収が必要であり、且つD
CN類の収率は57〜58%と低い。さらに、上記iii)の
方法では、ゼロ価ニッケル錯体の調製法として米国特許
3,328,443号などを引用しているが、これらのいずれも
が合成、精製工程を含む錯体を単離する方法である。こ
のように、従来の技術においては、工業的に十分満足で
きるDCN類の製造方法は提供されていなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ニッ
ケルハロゲン化物を金属で還元することにより調製され
るゼロ価ニッケル錯体触媒とルイス酸助触媒を使用し
て、CNNにシアン化水素化を行って、DCN類を製造
するに際し、ゼロ価ニッケル錯体触媒とルイス酸助触媒
を単離、精製することなしにCNNのシアン化水素化に
使用することができる、工業的にも十分採用し得るDC
N類の製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明は、有機溶媒
中、配位子P(x)(y)(z)(Pはリン原子であり、x、
y、zはそれぞれRまたはORで、Rは炭素数18以下
のアルキル基またはアリール基を表す。)の存在下、ニ
ッケルハロゲン化物を亜鉛、カドミウム、ベリリウム、
アルミニウム、鉄、コバルトの内から選ばれた少なくと
も1種類の金属で還元することにより調製されるゼロ価
ニッケル錯体触媒とルイス酸助触媒を使用して、CNN
にシアン化水素化を行ってDCN類を製造するに際し、
ニッケルハロゲン化物の金属による還元をニッケルハロ
ゲン化物に含有されるニッケル原子1モルに対して0.5
〜40モルの水の存在下で行うことを特徴とするDCN類
の製造方法である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明に用いられるゼロ価ニッケ
ル錯体触媒及びルイス酸助触媒は、下記の化学反応式
(I)に従い合成される。 【0007】 NiX2 + M + 4L → NiL4 + MX2 (I)ニッケルハロケ゛ン 化物 セ゛ロ価ニッケル錯体 ルイス酸 【0008】ただし、上記反応式、式(I)中、Xはハ
ロゲン原子、Mは亜鉛、カドミウム、ベリリウム、アル
ミニウム、鉄、コバルトの内から選ばれた少なくとも1
種類の金属であり、Lは配位子P(x)(y)(z)(Pはリ
ン原子であり、x、y、zはそれぞれRまたはORで、
Rは炭素数18以下のアルキル基またはアリール基を表
す。)である。なお、Mがアルミニウムの場合は、下記
化学反応式(II)に従い合成される。 【0009】 3NiX2 + 2Al + 12L → 3NiL4 + 2AlX3 (II) 【0010】本発明において、上記化学反応式(I)ま
たは(II)によって、ニッケルハロゲン化物を亜鉛、カ
ドミウム、ベリリウム、アルミニウム、鉄、コバルトの
内から選ばれた少なくとも1種類の金属で還元すること
によるゼロ価ニッケル錯体触媒及びルイス酸助触媒の合
成は、水の存在下で行う。水の添加方法は、水をそのま
ま添加することができるが、ニッケルハロゲン化物が水
和物の場合は、その水も利用することができる。 【0011】本発明において、触媒合成の際に存在させ
る水の量は、ニッケルハロゲン化物に含有されるニッケ
ル原子1モルに対して0.5〜40モルであり、好ましくは
0.8〜30モルであり、さらに好ましくは1〜20モルであ
る。0.5モル以上では高い触媒合成収率が得られる。40
モル以下では高い触媒合成収率が得られると共に、CN
Nのシアン化水素化を行う際の高い触媒安定性が得られ
る。本発明におけるゼロ価ニッケル錯体触媒は、下記一
般式(III)で表される。 【0012】NiL4 (III) 上記一般式(III)中の4個のLは、同じものまたは異
なるものであってもよい。Lは、一般式(IV) P(x)(y)(z) (IV) 【0013】を有する配位子を示し、Pはリン原子であ
り、x、y、zはそれぞれRまたはORで、Rは炭素数
18以下のアルキル基またはアリール基からなる群より
選択されるものを示す。 【0014】配位子としては、例えば、トリフェニルホ
スファイト、トリ(m-またはp-クロロフェニル)ホス
ファイト、トリ(m-またはp-メトキシフェニル)ホス
ファイト、トリ(m-またはp-クレジル)ホスファイ
ト、トリ(m-またはp-ノニルシフェニル)ホスファイ
ト等のトリアリールホスファイト類、トリエチルホスフ
ァイト、トリイソプロピルホスファイト、トリブチルホ
スファイト等のトリアルキルホスファイト類、トリフェ
ニルホスフィン、トリ(m-またはp-クロロフェニル)
ホスフィン、トリ(m-またはp-メトキシフェニル)ホ
スフィン、トリ(m-またはp-クレジル)ホスフィン、
トリ(m-またはp-ノニルシフェニル)ホスフィン等の
トリアリールホスフィン類、トリエチルホスフィン、ト
リイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン等の
トリアルキルホスフィン類、及びこれらの混合物が挙げ
られ、好ましくは、トリアリールホスファイト類及びト
リアリールホスフィン類であり、さらに好ましくは、ト
リフェニルホスファイト、トリ(m-またはp-クレジ
ル)ホスファイト、トリ(m-またはp-ノニルシフェニ
ル)ホスファイト、トリフェニルホスフィン、トリ(m
-またはp-クレジル)ホスフィン、トリ(m-またはp-
ノニルシフェニル)ホスフィン等である。 【0015】本発明におけるニッケルハロゲン化物は、
例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル
が挙げられ、無水塩または水和物が使用される。 【0016】本発明におけるニッケルハロゲン化物を還
元する還元剤は、還元反応の結果、ルイス酸助触媒を生
成するものであり、亜鉛、カドミウム、ベリリウム、ア
ルミニウム、鉄、コバルトの内から選ばれた少なくとも
1種類の金属であり、最も好ましい還元剤としては亜鉛
である。また、還元剤の使用量については、ゼロ価ニッ
ケル錯体触媒の収率を高めるため、ニッケルハロゲン化
物の水和物より過剰に用いるのが好ましい。より好まし
くはニッケルハロゲン化物:還元剤=1:1〜1:6の
モル比である。使用後の還元剤は、ろ過等により未反応
分を回収して、次の還元反応に再使用可能である。 【0017】本発明における配位子の量は、ニッケルハ
ロゲン化物に対し、4倍モル(化学当量)程度あればよ
く、ゼロ価ニッケル錯体の収率には問題がない。しかし
ながら、シアン化水素化反応時の活性及び寿命を高める
ため、配位子は、用いるニッケルハロゲン化物1モルを
基準として、好ましくは5モル以上、より好ましくは6
〜36モル、さらに好ましくは8〜20モルの範囲で使用さ
れる。36モルを越えても反応には差し支えないが、シア
ン化水素化反応液の後処理及び精製時、配位子回収の損
失を考慮すると、必ずしも経済的ではない。 【0018】ゼロ価ニッケル錯体触媒の合成では、前述
の中性配位子が溶媒の役割を担うことができるが、これ
以外に新たな溶媒を用いても何ら差し支えない。使用さ
れる溶媒種としては、例えば、少なくとも1個以上の水
酸基を有する炭素数6〜20、好ましくは6〜10のアリー
ル化合物であり、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ
基、シアノ基及び炭素数1〜9の炭化水素基からなる群
から選択した置換基を1個以上有する上記のアリール化
合物であってもよい。例えば、フェノール、p-クレゾ
ール、レゾルシン、β-ナフトール、p-クロロフェノー
ル、p-ニトロフェノール、p-ブチルフェノール及び類
似化合物である。他の溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素類、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニト
リル類、ジオキサン、o-ジメトキシベンゼン、テトラ
ヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等
のエーテル類、o-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベン
ゼン等のクロロ芳香族炭化水素類及び類似化合物であ
る。また、CNNを溶媒として用いることもできる。 【0019】ゼロ価ニッケル錯体触媒の合成条件は、ニ
ッケルハロゲン化物中のニッケル分は特に制限はない
が、仕込総量に対して0.1〜2%が望ましい。温度条件
は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜100℃の範囲で行
われる。反応時間は、通常、1〜10時間、好ましくは1
〜3時間で行われる。 【0020】本発明におけるCNNのシアン化水素化
は、例えば、反応器に上記のゼロ価ニッケル錯体触媒合
成後、CNNの所定量を仕込んだ後、所定温度で攪拌し
ながらシアン化水素を導入することによって行われる。
ゼロ価ニッケル錯体触媒合成液とCNNの仕込比につい
ては、ゼロ価ニッケル錯体触媒合成液とCNNのモル比
が、通常、1:5000〜1:20、好ましくは1:2000〜
1:100の範囲である。 【0021】本発明において使用するCNNは、アクリ
ロニトリルとシクロペンタジエンまたはジシクロペンタ
ジエンのディールスアルダー反応により工業的に製造さ
れるものを使用することができる。 【0022】一方、本発明において使用するシアン化水
素は、メタン、アンモニア及び空気を原料にしたアンモ
オキシデーション法や、プロピレン、アンモニア及び空
気によるアンモオキシデーション法でアクリロニトリル
を製造する際に副生するものを取り出すことのよって、
工業的に製造されるものを使用することができる。 【0023】シアン化水素の使用量は、CNN1モルに
対して任意のモル量とすることができるが、通常1モル
である。また、CNNのシアン化水素化の反応温度は、
好ましくは−20〜200℃、より好ましくは0〜130℃、さ
らに好ましくは20〜100℃である。反応圧力は、常圧で
も加圧でも行えるが、圧力の増大による顕著な反応促進
効果はないので、通常は常圧下で行われる。 【0024】本発明におけるCNNのシアン化水素化の
反応形式は、通常回分式が採用されるが、CNN、シア
ン化水素、ゼロ価ニッケル錯体触媒合成液、また必要に
よっては溶媒等を連続的に供給するような連続式も採用
される。本発明によって製造されるDCN類は、2,5
-ジシアノノルボルナン及び2,6-ジシアノノルボルナ
ンを主成分とする混合物として得られる。 【0025】 【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。 【0026】(実施例1)攪拌機、温度計、窒素導入口、
冷却器等を備えた50mLのガラス製丸底フラスコに、塩化
ニッケル0.47g(3.6mmol)、水0.38g(21.1mmol)(ニ
ッケルハロゲン化物に含有されるニッケル原子1モルに
対して、5.9モルに相当)、亜鉛粉末0.47g(7.2mmo
l)、トリフェニルホスファイト6.9g(22.1mmol)、C
NN18.2g(153mmol)を仕込み、室温で気相部の窒素
置換を行い、攪拌下60℃で2時間反応させた。反応液を
高速液体クロマトグラフィーを使用して分析した結果、
93.1mol%の収率でテトラキス(トリフェニルホスファ
イト)ニッケル触媒が得られた。次に、攪拌機、温度
計、窒素導入口、シアン化水素導入口、冷却器等を備え
た1Lガラス製平底セパラブルフラスコに、CNN283.
6g(2.38mol)、トルエン105.0g(1.14mol)を仕込
み、室温で気相部の窒素置換を行い、その後60℃に昇温
した。次いで、上記で得られた触媒合成液の全量を添加
し、液体シアン化水素64.1g(2.37mol)を4時間に亘
り供給した。シアン化水素化終了後の反応液をガスクロ
マトグラフィーを使用して分析した結果、CNNの転化
率は99.6mol%、DCN類の選択率は100mol%であっ
た。 【0027】(実施例2)実施例1において、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒合成時に
使用する水の量を0.52g(28.8mmol)(ニッケルハロゲ
ン化物に含有されるニッケル原子1モルに対して、8.0モ
ルに相当)とし、CNNのシアン化水素化時にシアン化
水素63.8g(2.36mol)を4時間に亘って供給する以外
は、全て同その結果、テトラキス(トリフェニルホスフ
ァイト)ニッケル触媒の収率は92.3mol%、CNNの転
化率は99.2mol%、DCN類の選択率は100mol%であっ
た。 【0028】(実施例3)実施例1において、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒合成時に
使用する水の量を1.17g(64.8mmol)(ニッケルハロゲ
ン化物に含有されるニッケル原子1モルに対して、18.0
モルに相当)とし、CNNのシアン化水素化時にシアン
化水素62.2g(2.30mol)を3時間に亘って供給すると
する以外は、全て同様に操作した。その結果、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒の収率は
72.9mol%、CNNの転化率は96.6mol%、DCN類の選
択率は100mol%であった。 【0029】(実施例4)実施例1において、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒合成時に
使用する水の量を0.067g(3.7mmol)(ニッケルハロゲ
ン化物に含有されるニッケル原子1モルに対して、1.0モ
ルに相当)とし、70℃で6時間の触媒合成反応を行い、
CNNのシアン化水素化時にシアン化水素63.0g(2.33
mol)を6時間に亘って供給する以外は、全て同様に操
作した。その結果、テトラキス(トリフェニルホスファ
イト)ニッケル触媒の収率は67.8mol%、CNNの転化
率は97.9mol%、DCN類の選択率は100mol%であっ
た。 【0030】(実施例5)実施例1において、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒合成時に
塩化ニッケルに代えて塩化ニッケル六水和物0.86g(3.
6mmol)(ニッケルハロゲン化物に含有されるニッケル原
子1モルに対して、6.0モルに相当)を使用し、水を添加
せず、CNNのシアン化水素化時にシアン化水素63.8g
(2.36mol)を4時間に亘って供給するしないこと以外
は、全て同様に操作した。その結果、テトラキス(トリ
フェニルホスファイト)ニッケル触媒の収率は93.6mol
%、CNNの転化率は99.2mol%、DCN類の選択率は1
00mol%であった。 【0031】(比較例1)実施例1において、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒合成時に
水を添加しないこと以外は、全て同様に操作して、触媒
合成を行った。その結果、テトラキス(トリフェニルホ
スファイト)ニッケル触媒は生成しなかった。 【0032】(比較例2)実施例1において、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒合成時に
使用する水の量を0.0065g(0.36mmol)(ニッケルハロ
ゲン化物に含有されるニッケル原子1モルに対して、0.1
モルに相当)とし、60℃で6時間の反応を行う以外は、
全て同様に操作し、触媒合成を行った。その結果、25.0
mol%の収率でテトラキス(トリフェニルホスファイ
ト)ニッケル触媒が得られた。次に、実施例1と同様
に、CNNへのシアン化水素化を行ったところ、シアン
化水素を1.5時間に亘り供給した時点で反応が停止した
ため、シアン化水素の供給を停止した。その結果、CN
Nの転化率は38.5mol%であった。 【0033】(比較例3)実施例1において、テトラキ
ス(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒合成時に
使用する水の量を3.24g(180mmol)(ニッケルハロゲン
化物に含有されるニッケル原子1モルに対して、50.0モ
ルに相当)とする以外は、全て同様に操作し、触媒合成
を行った。その結果、38.8mol%の収率でテトラキス
(トリフェニルホスファイト)ニッケル触媒が得られ
た。次に、実施例1と同様に、CNNへのシアン化水素
化を行ったところ、シアン化水素を2.5時間に亘り供給
した時点で反応が停止したため、シアン化水素の供給を
停止した。その結果、CNNの転化率は63.7mol%であ
った。 【0034】 【発明の効果】本説明の方法によれば、ゼロ価ニッケル
錯体触媒とルイス酸助触媒を単離、精製することなしに
CNNのシアン化水素化に使用することができるため、
工業的にも極めて有用であり、かつ効率的にDCN類を
製造することができる方法であると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BA44A BB08A BB08B BC11A BC16A BC35A BC35B BC36A BC66A BC67A BC68A BC68B BD11A BD12B BE26A BE27A BE27B BE29A CB25 CB61 FA01 FB43 4H006 AA02 AC54 BA06 BA07 BA09 BA19 BA20 BA21 BA37 BA67 BB11 BE06 4H039 CA70 CF10

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 有機溶媒中、配位子P(x)(y)(z)(P
    はリン原子であり、x、y、zはそれぞれRまたはOR
    で、Rは炭素数18以下のアルキル基またはアリール基
    を表す。)の存在下、ニッケルハロゲン化物を亜鉛、カ
    ドミウム、ベリリウム、アルミニウム、鉄、コバルトの
    内から選ばれた少なくとも1種類の金属で還元すること
    により調製されるゼロ価ニッケル錯体触媒とルイス酸助
    触媒を使用して、シアノノルボルネンにシアン化水素化
    を行ってジシアノノルボルナン類を製造するに際し、ニ
    ッケルハロゲン化物の金属による還元をニッケルハロゲ
    ン化物に含有されるニッケル原子1モルに対して0.5〜4
    0モルの水の存在下で行うことを特徴とするジシアノノ
    ルボルナン類の製造方法。
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