JP2003055014A - セメント用増粘剤 - Google Patents
セメント用増粘剤Info
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Abstract
り、水溶解性に優れ、温度による粘度変化の少ないセメ
ント用増粘剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)、(2)又は(3)を
有し0.5重量%水溶液の曇点が50〜120℃である
ウレタン化合物を含有するセメント用増粘剤: 【化1】
Description
して使用するセメント用増粘剤に関する。
製品、押出成形コンクリート、遠心成形コンクリート、
水中施工用コンクリート等では、骨材の分離低減、ダレ
防止、ノロ低減、水中へのモルタルの分散低減等の目的
で、増粘剤(分離低減剤とも言う)が用いられている。
このような増粘剤としては、セルロース誘導体(特開平
3−45544号公報等)、多糖類(特開平5−905
3号公報等)、ポリアクリルアミド(特開昭57−20
9866号公報等)、ポリエチレンオキサイド(特開昭
57−61652号公報等)、ポリビニルエーテル(特
開昭57−123850号公報等)、水溶性ポリウレタ
ン(特開平6−191914号公報、特開平7−101
762号公報等)等が知られている。
ース誘導体及び多糖類は、少量使用では分離低減等の効
果に乏しく、効果を十分に発現させるためには、多量に
添加しなければならず、その結果、流動性が低下したり
粘着性が増加してしまうという問題点があった。また、
水に対する溶解性に乏しいため直接セメントに混和する
ことができず、粉末状のものを予め水に溶解した後に配
合する必要があり、作業性の面でも問題点があった。ま
た、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポ
リビニルエーテル及び水溶性ポリウレタンは、比較的少
量の使用でも分離低減等の効果が発揮されるが、温度に
よって粘度が大きく変化してしまい、温度によって増粘
剤の変化量を変えなければならないという問題があっ
た。本発明は、従来のセメント用増粘剤に見られる上記
問題を解消する添加剤、すなわち少量の使用でも効果が
あり、水溶解性に優れ、温度による粘度変化の少ないセ
メント用増粘剤を提供することにある。
点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する
水溶性ポリウレタン化合物がセメントとの混和性に優
れ、セメント類に対して、少量の使用でも分離低減等の
効果が得られ、温度による粘度変化の少なくなることを
を見いだし本発明に到達した。すなわち、下記の一般式
(1)、(2)又は(3)で表わされ、0.5重量%水
溶液の曇点が50〜120℃であるウレタン化合物を含
有するセメント用増粘剤である。
ソシアネート基を除いた残基を表わし、Xは、モノオー
ルの水酸基又は脂肪族2級アミンのイミノ基から水素原
子を除いた残基を表わし、A1は炭素数2〜4のアルキ
レン基又は側鎖を有する炭素数2〜4のアルキレン基を
表わし、aは1以上の数を表わし、mはポリイソシアネ
ートのイソシアネート基の数よりも1少ない1以上の数
を表わす);
いた残基を表わし、R3はジイソシアネートからイソシ
アネート基を除いた残基を表わし、R4はモノイソシア
ネートからイソシアネート基を除いた残基を表わし、A
2及びA3は炭素数2〜4のアルキレン基又は側鎖を有す
る炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、bは0又は1
以上の数を表わし、cは1以上の数を表わし、nはポリ
オールの水酸基と同数の2以上の数を表わし、pは0〜
10の数を表わす);
基又は側鎖を有する炭素数2〜4のアルキレン基を表わ
し、dは0又は1以上の数を表わし、qは0〜10の数
を表わし、R2、R3、X、A2、A3、b、c及びnは一
般式(1)又は(2)と同義である)。
オールの水酸基又は脂肪族2級アミンのイミノ基(>N
−Hで表わされる基)から水素原子を除いた残基を表わ
す。モノオールとは、1価のアルコール及び1価のフェ
ノールである。1価のアルコールとしては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール、2級ブタノール、タ
ーシャリブタノール、ペンタノール、イソペンタノー
ル、2級ペンタノール、ネオペンタノール、ターシャリ
ペンタノール、ヘキサノール、2級ヘキサノール、ヘプ
タノール、2級ヘプタノール、オクタノール、2―エチ
ルヘキサノール、2級オクタノール、ノナノール、2級
ノナノール、デカノール、2級デカノール、ウンデカノ
ール、2級ウンデカノール、ドデカノール、2級ドデカ
ノール、トリデカノール、イソトリデカノール、2級ト
リデカノール、テトラデカノール、2級テトラデカノー
ル、ヘキサデカノール、2級ヘキサデカノール、ステア
リルアルコール、イソステアリルアルコール、エイコサ
ノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサ
ノール、オクタコサノール、ミリシルアルコール、ラッ
セロール、テトラトリアコンタノール、2―ブチルオク
タノール、2―ブチルデカノール、2―ヘキシルオクタ
ノール、2―ヘキシルデカノール、2―オクチルデカノ
ール、2―ヘキシルドデカノール、2―オクチルドデカ
ノール、2―デシルテトラデカノール、2―ドデシルヘ
キサデカノール、2―ヘキサデシルオクタデカノール、
2―テトラデシルオクタデカノール、シクロペンタノー
ル、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、メチル
シクロペンタノール、メチルシクロヘキサノール、メチ
ルシクロヘプタノール、ベンジルアルコール等が挙げら
れる。
ノール、クレゾール、ジメチルフェノール、エチルフェ
ノール、プロピルフェノール、ターシャリブチルフェノ
ール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプ
チルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、ジノニルフェノール、デシルフェノール、ウンデシ
ルフェノール、ドデシルフェノール、フェニルフェノー
ル、ベンジルフェノール、スチレン化フェノール、p―
クミルフェノール、p−メトキシフェノール等が挙げら
れる。
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、
ジイソブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルア
ミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジノニルアミ
ン、ジイソノニルアミン、ジラウリルアミン、ジトリデ
シルアミン、ジイソトリデシルアミン、ジミリスチルア
ミン、ジパルミチルアミン、ジステアリルアミン、ジオ
レイルアミン、ジアリルアミン、メチルラウリルアミ
ン、メチルトリデシルアミン、メチルイソトリデシルア
ミン、メチルミリスチルアミン、メチルパルミチルアミ
ン、メチルステアリルアミン、メチルオレイルアミン等
が挙げられる。
価アルコール及び1価フェノールが好ましく、1価アル
コールがさらに好ましく、分岐鎖アルコールが最も好ま
しい。モノオールの炭素数は、4〜36が好ましく、8
〜32がさらに好ましく、10〜28が最も好ましい。
の合計が6〜40のもの好ましく、炭素数の合計が8〜
38のものが更に好ましく、炭素数の合計が10〜36
の脂肪族2級アミンが最も好ましい。炭素数4未満のモ
ノオール又は炭素数の合計が6未満の脂肪族2級アミン
の場合には、本発明のセメント用増粘剤が十分な増粘性
が発揮できない場合がある。また、炭素数が24を超え
るモノオール又は炭素数の合計が40を超える脂肪族2
級アミンの場合には、本発明のセメント用増粘剤がセメ
ント類に分散しにくい場合がある。
4のアルキレン基又はメチル、エチル若しくはフェニル
等の側鎖を有する炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
(A 1−O)aの部分は、X−Hで表されるモノオール又
は又は脂肪族2級アミンにアルキレンオキサイドを付加
重合させてX−(A1−O)a−Hで表されるポリエーテ
ルモノオールとすることにより得ることができる。この
ようなアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキサイ
ド)、スチレンオキサイド等を挙げることができ、付加
重合させるアルキレンオキサイドの種類によりA1が決
定される。これらのアルキレンオキサイドの中でもエチ
レンオキサイドが好ましく、(A1−O)aの部分が2種
以上のアルキレンオキサイドを付加重合させて得られた
ものである場合は、アルキレンオキサイドうち1種はエ
チレンオキサイドが好ましい。また、アルキレンオキサ
イドが2種以上である場合は、ランダム共重合、ブロッ
ク共重合又はランダム/ブロック共重合のいずれでも良
い。aは1以上の数であり、1〜600が好ましく、1
0〜500がより好ましく、50〜400が最も好まし
い。
アネートからイソシアネート基を除いた残基を表わし、
mはポリイソシアネートのイソシアネート基の数よりも
1少ない1以上の数を表わす。ポリイソシアネートとし
ては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香核ジイソ
シアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイ
ソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、ト
リイソシアネート、テトライソシアネート等が挙げられ
る。
ば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシア
ネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエー
テルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイ
ソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネー
ト、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイ
ソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブ
トキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレング
リコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジ
ヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシア
ネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
ば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレン
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベン
ゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネー
ト、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナ
フタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソ
シアネート等が挙げられる。脂環族ジイソシアネートと
しては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロ
ヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。
えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチ
ルビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ
ビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
は、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、2,5,2’,5’−テ
トラメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、シクロヘキシルビス(4−イソシアントフェニ
ル)メタン、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジ
フェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、4,
4’−ジエトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソ
シアネート、2,2’−ジメチル−5,5’−ジメトキ
シジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−
ジイソシアネート等が挙げられる。
−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、
1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイ
ソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネ
ート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネ
ート、3−メチルジフェニルメタン4,6,4’−トリ
イソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4''
−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリ
イソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソ
シアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレ
ントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシア
ネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフ
ェート等が挙げられる。又、これらのポリイソシアネー
ト化合物はダイマー、トリマー(イソシアヌレート結
合)で用いられてもよく、又、アミンと反応させてビウ
レットとして用いてもよい。
に、高い増粘性が得られることから好ましい。工業的な
入手の容易さからは、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,
2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシア
ネート等のジイソシアネートが好ましいが、これらのジ
イソシアネートの中でも、特にヘキサメチレンジイソシ
アネート及びメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシ
アネート)の場合に、高い増粘性が得られることから好
ましい。
から水酸基を除いた残基を表わし、nはポリオールの水
酸基と同数の2以上の数を表わす。ポリオールとして
は、例えば、多価アルコール、多価フェノール等が挙げ
られる。多価アルコールとしては、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−ブタ
ンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール(2
−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメ
チル−2,5−ヘキサンジオール、1,2−デカンジオ
ール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカ
ンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−
オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジオー
ル、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、水素化ビスフェノールA、ソルバイド、2,5−ジ
メチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジ
メチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオー
ル、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、N−メチルジ
エタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等の
2価アルコール;グリセリン、1,2,3−ブタントリ
オール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−
1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタ
ントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,
3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタント
リオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリ
オール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、
トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−
ヘプタントリオール、ペンタメチルグリセリン(2,4
−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール)、トリ
エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の3
価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4
−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテト
ロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,
3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ジト
リメチロールプロパン、ソルビタン、N,N,N',N'
−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシエ
チル)エチレンジアミン等の4価アルコール;アドニト
ール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等
の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビト
ール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダル
シトール、タロース、アロース等の6価アルコール;蔗
糖等の8価アルコール等が挙げられる。
ロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノー
ルA、臭素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールS等の2価のフェノール;トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、1,1,3−トリス(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニルブタン等の3価
のフェノール等が挙げられる。
ール及び2価フェノールが好ましく、炭素数2〜8の2
価アルコールが更に好ましく、炭素数2〜4の2価アル
コールが最も好ましい。
ネートからイソシアネート基を除いた残基を表わす。ジ
イソシアネートとしては、例えば、一般式(1)におい
てR 1で挙げた、脂肪族ジイソシアネート、芳香核ジイ
ソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジ
イソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート等
が挙げられる。中でも、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト及びメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネー
ト)の場合に、高い増粘性が得られることから好まし
い。
アネートからイソシアネート基を除いた残基を表わす。
モノイソシアネートとしては、例えば、メチルイソシア
ネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネー
ト、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、
オクチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、オ
クタデシルイソシアネート等の脂肪族モノイソシアネー
ト;シクロヘキシルイソシアネート等の脂環族モノイソ
シアネート;フェニルイソシアネート、トリレンイソシ
アネート等の芳香族モノイソシアネートが挙げられる。
これらのモノイソシアネートの中でも、炭素数5以上の
脂肪族モノイソシアネートが好ましく、炭素数9以上の
脂肪族モノイソシアネートが更に好ましい。
数2〜4のアルキレン基又はメチル、エチル若しくはフ
ェニル等の側鎖を有する炭素数2〜4のアルキレン基を
表す。(A2−O)bの部分は、R2(OH)nで表され
るポリオールにアルキレンオキサイドを付加重合させて
R2{O−(A2−O)b−H}nで表されるポリエーテ
ルポリオールとすることにより得ることができる。
キレンオキサイドを付加重合させてHO(A3−O)c
−Hで表されるポリエーテルジオールとすることにより
得ることができる。このようなジオールとしては、前記
R2で挙げたジオールを挙げることができ、中でも炭素
数2〜4のジオールが好ましい。また、アルキレンオキ
サイドとしては、例えば、A1で挙げたアルキレンオキ
サイドを挙げることができ、中でもエチレンオキサイド
が好ましい。A2はポリオールに付加重合させるアルキ
レンオキサイドの種類により決定され、A3は出発物質
とするジオール及びそれに付加重合させるアルキレンオ
キサイドの種類により決定される。
が、2種以上のアルキレンオキサイドを付加重合させて
得られたものである場合は、アルキレンオキサイドうち
1種はエチレンオキサイドが好ましい。また、アルキレ
ンオキサイドが2種以上である場合は、ランダム共重
合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合のい
ずれでも良い。bは0又は1以上の数を表わし、1〜6
00が好ましく、10〜500がより好ましく、50〜
400が最も好ましい。cは1以上の数を表わし、1〜
600が好ましく、10〜500がより好ましく、50
〜400が最も好ましい。
を表わし、0〜5の数が好ましく、0〜3の数がさらに
好ましく、0〜2の数が最も好ましい。pが10を超え
る場合は、一般式(2)で表わされる化合物のセメント
類に対する分散性が低下し、十分な増粘性が発揮できな
い場合がある。なお、pが0の数である場合は、bは1
以上の数である。
2、A3、b、c及びnは一般式(1)又は(2)と同義
であり、R2はポリオールから水酸基を除いた残基を表
わし、R3はジイソシアネートからイソシアネート基を
除いた残基を表わし、Xはモノオールの水酸基又は脂肪
族2級アミンのイミノ基から水素原子を除いた残基を表
わし、A2及びA3は炭化水素基を表わし、bは0又は1
以上の数を表わし、cは1以上の数を表わし、nはポリ
オールの水酸基と同数の2以上の数を表わす。R2、
R3、X、A2、A3、b、c及びnの好適な範囲は、そ
れぞれ一般式(1)又は(2)の場合と同様である。
4のアルキレン基又はメチル、エチル若しくはフェニル
等の側鎖を有する炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
(A 4−O)dの部分は、一般式(1)の(A1−O)a
の部分と同様にY−Hで表されるモノオール又は又は脂
肪族2級アミンにアルキレンオキサイドを付加重合させ
てY−(A4−O)d−Hで表されるポリエーテルモノ
オールとすることにより得ることができる。また、アル
キレンオキサイドとしては、例えば、A1で挙げたアル
キレンオキサイドを挙げることができ、中でもエチレン
オキサイドが好ましい。A4は付加重合させるアルキレ
ンオキサイドの種類により決定される。(A4−O)d
の部分が2種以上のアルキレンオキサイドを付加重合さ
せて得られたものである場合は、アルキレンオキサイド
うち1種はエチレンオキサイドが好ましい。また、アル
キレンオキサイドが2種以上である場合は、ランダム共
重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合の
いずれでも良い。dは0又は1以上の数を表わし、1〜
600が好ましく、10〜500がより好ましく、50
〜400が最も好ましい。
を表わし、0〜5の数が好ましく、0〜3の数がさらに
好ましく、0〜2の数が最も好ましい。qが10を超え
る場合は、一般式(3)で表わされる化合物のセメント
類に対する分散性が低下し、十分な増粘性が発揮できな
い場合がある。
れる化合物の製造方法は特に限定されず、公知の方法を
用いることができる。すなわち、一般式(1)、(2)
又は(3)で表わされる化合物の目的とする構造にあわ
せて、以下の(a)〜(i)をそれぞれ目的とする構造
の比率で仕込み、イソシアネート基と水酸基若しくはア
ミノ基をウレタン化反応させれば良い。
リエーテルモノオール (b)Y−(A4−O)d−Hで表されるポリエーテル
モノオール (c)R1(NCO)m+1で表されるポリイソシアネ
ート (d)R2{O−(A2−O)b−H}nで表されるポリ
エーテルポリオール (e)R3(NCO)2で表されるジイソシアネート (f)HO−(A3−O)c−Hで表されるポリエーテ
ルジオール (g)X−(A4−O)d−Hで表されるポリエーテル
モノオール (h)X−Hで表されるモノオール又は脂肪族2級アミ
ン (i)HO−(A4−O)d−Hで表されるポリエーテ
ルジオール (j)R3−NCOで表されるモノイソシアネート
水酸基若しくはアミノ基の当量は、通常0.8〜1.
2、好ましくは0.9〜1.1である。ウレタン化の反
応温度は、通常40〜150℃、好ましくは60〜11
0℃であり、反応時間は、通常0.2〜10時間、好ま
しくは0.5〜5時間である。また、反応は、一般に1
段階で反応させても良いし、多段階に分割して行っても
良い。
(1)、(2)又は(3)で表わされ、0.5重量%水
溶液の曇点が50〜120℃であるウレタン化合物を含
有するセメント用増粘剤である。一般式(1)、(2)
又は(3)で表わされるウレタン化合物の0.5重量%
水溶液の曇点は、好ましくは55〜110℃、更に好ま
しくは60〜100℃である。曇点が50℃未満では、
セメント類の温度が高い場合に、増粘性が不充分となる
場合がある。なお、セメント類の温度が高くなる場合と
は、例えば、セメント類の配合直後、夏期に使用する場
合、セメント類の硬化を促進する場合等が挙げられる。
ここでいう曇点とは、内径1mmのガラス製毛細管に水
溶液試料を入れて封管し、液温が一定になるように攪拌
された油浴中で徐々に昇温した場合に、水溶液試料が濁
り始めた時点における、ガラス製毛細管付近の油の温度
である。
で表わされるウレタン化合物の分子量が、あまりに低い
場合又はあまりに高い場合には、セメント類に対する増
粘性が不充分となる場合がある。このため、本発明の一
般式(1)〜(3)で表わされるウレタン化合物の分子
量は、5,000〜500,000であることが好まし
く、10,000〜400,000であることが更に好
ましく、20,000〜300,000であることが最
も好ましい。なお、本発明において、本発明の一般式
(1)、(2)又は(3)で表わされるウレタン化合物
の分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレ
ンを分子量の標準物質とした場合の重量平均分子量をさ
す。
に応じて、本発明の一般式(1)、(2)又は(3)で
表わされるウレタン化合物以外の増粘剤含有しても良
い。これらの増粘剤としては、例えば、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
等のセルロース誘導体;β−1,3−グルカン、キサン
タンガム等の多糖類;ポリアクリルアミド、ポリエチレ
ンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール、本発
明の一般式(1)〜(3)以外のポリウレタン等の高分
子化合物等が挙げられる。これらのうち好ましくはセル
ロース誘導体、及び多糖類、特に好ましくはヒドロキシ
プロピルメチルセルロースおよびβ−1,3−グルカン
である。本発明の一般式(1)、(2)又は(3)で表
わされるウレタン化合物と他の増粘剤との割合は特に限
定されないが、本発明の一般式(1)、(2)又は
(3)で表わされるウレタン化合物100重量部に対し
て他の増粘剤を、通常500重量部以下、好ましくは2
00重量部以下である。
状に加工して、セメント類に使用しても良いし、水に溶
解させて水溶液にしたり、細骨材等に担持させてから使
用しても良い。水溶液として使用する場合は、増粘剤の
固形分の1〜30%水溶液が好ましい。また、水溶液と
して使用する場合、水以外に他の有機溶媒を併用しても
良い。
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコール、(モノ、ジ、ト
リ)エチレングリコールモノメチルエーテル、(モノ、
ジ、トリ)プロピレングリコールモノメチルエーテル、
(モノ、ジ、トリ)エチレングリコールモノエチルエー
テル、(モノ、ジ、トリ)プロピレングリコールモノエ
チルエーテル、(モノ、ジ、トリ)エチレングリコール
モノプロピルエーテル、(モノ、ジ、トリ)プロピレン
グリコールモノプロピルエーテル、(モノ、ジ、トリ)
エチレングリコールモノブチルエーテル、(モノ、ジ、
トリ)プロピレングリコールモノブチルエーテル、メト
キシブタノール、メトキシイソペンタノール等が挙げら
れる。
化防止剤、防腐剤、着色剤等を含有していても良い。
メント類は、水、水硬化性のセメント及び骨材その他添
加剤を含む配合物であり、水とセメントに砂のような細
骨材を配合したモルタル、これにさらに砂利や砕石のよ
うな粗骨材を配合したコンクリートなどがこれに含まれ
る。
通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、
超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメ
ント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトラン
ドセメント、白色ポルトランドセメント、超速硬ポルト
ランドセメント等のポルトランドセメント、高炉セメン
ト、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合
セメント、またはこれらのセメントと、高炉スラグ、フ
ライアッシュ、シリカフューム、石灰石粉等の混和材を
組み合わせたセメント、さらには高ビーライト系セメン
ト、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、自硬性セメ
ント、石灰スラグセメント、高硫酸塩スラグセメント、
キーンスセメント、ポゾランセメント、油井セメント、
高硫酸塩スラグセメント、アルミナセメント、マグネシ
アセメント、耐酸セメント、超速硬セメント、ローマン
セメント、白セメント、マグネシアセメント、水滓セメ
ント、カルシウムアルミネート、ジェットセメント、石
膏等の特殊セメントなどをあげることができる。これら
のセメントは必要に応じて1種または2種以上組み合わ
せて用いる場合もある。
小石、砂利、砕石、軽石、木片、パルプ、人工骨材等の
骨材;石綿、岩石綿、ガラス繊維、、ポリアミド繊維、
ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊
維、炭素繊維、パルプ等の繊維質材料;ナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物、リグニンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、
オキシカルボン酸塩、ポリサッカライド、ポリアルキル
スルホン酸塩、アミノスルホン酸塩誘導体、芳香族スル
ホン酸塩誘導体等の減水剤又はAE減水剤;グルコン酸
塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ポリリン酸塩等の硬化遅延
剤;塩化カルシウム、アルミン酸カルシウム、カルシウ
ムスルホアルミネート、亜硝酸塩等の硬化促進剤;メタ
ノールのアルキレンオキサイド低モル付加物、エタノー
ルのアルキレンオキサイド低モル付加物、ブタノールの
アルキレンオキサイド低モル付加物、シクロヘキサノー
ルのアルキレンオキサイド低モル付加物等の収縮低減
剤;亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム等の防錆剤;
高級脂肪酸、パラフィン等の撥水防水剤;アクリル系高
分子エマルジョン、酢酸ビニル高分子エマルジョン、エ
チレン−酢酸ビニル系高分子エマルジョン、SBR系高
分子エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン等の防水
剤;空気連行剤、空気量調節剤、膨張材、顔料、着色料
等が挙げられる。
粘剤の配合量は、セメント、水、骨材その他添加剤等の
配合割合、セメント類の用途等により変えることができ
るが、セメント100重量部に対する一般式(1)、
(2)又は(3)で表わされるウレタン化合物の割合と
して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.02
〜7重量部、更に好ましくは0.05〜5重量部であ
る。配合量が0.01重量部未満では、本発明のセメン
ト用増粘剤の分離低減等の効果が十分発揮されず、10
重量部を超えると、セメント類が増粘しすぎてしまった
り、セメント類の硬化が遅延したり等の悪影響が発生す
ることがある。
のセメント類に使用できるが、特に高流動コンクリー
ト、軽量コンクリート製品、押出成形コンクリート、遠
心成形コンクリート、水中施工用コンクリート、吹き付
け用モルタル、左官用モルタル等に好適に使用できる。
が、これらに限定されるものではない。なお、以下の実
施例中、部及び%は特に記載が無い限り重量基準であ
る。 (ウレタン化合物の製造) (本発明品1)温度計、窒素導入管、温度計及び攪拌機
を有するガラス反応容器にラウリルアルコールエトキシ
レート(EO50モル)2モルを仕込み、10hPa以
下になるように減圧し、90〜100℃にて3時間脱水
し、系の水分量を0.03%以下にした。次に、80℃
に冷却してヘキサメチレンジイソシアネート1モルを加
え、窒素気流下に80〜90℃で5時間反応させた後、
イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で
淡黄色固体の本発明品1を得た。本発明品1は、一般式
(1)に該当する化合物であり、以下の分子式で表わさ
れる。
(数平均分子量20000)1モル及びオクタデシルイ
ソシアネート2モルを用いて、本発明品1と同様の条件
で反応させ本発明品2を得た。本発明品2は、一般式
(2)に該当する化合物であり、以下の分子式で表わさ
れる。
(数平均分子量3300)1モル、オクチルフェノール
エトキシレート(EO40モル)2モル及びヘキサメチ
レンジイソシアネート2モルを用いて、本発明品1と同
様の条件で反応させ本発明品3を得た。本発明品3は、
一般式(3)に該当する化合物であり、以下の分子式で
表わされる。
(数平均分子量2000)のエチレンオキサイド付加物
(EO含量80重量%、数平均分子量10000)1モ
ルと2−デシルヘキサデカノールエトキシレート(EO
50モル)2モル及びイソホロンジイソシアネート2モ
ルを用いて、本発明品1と同様の条件で反応させ本発明
品4を得た。本発明品4は、一般式(3)に該当する化
合物であり、以下の分子式で表わされる。
(数平均分子量6000)1モル、2−エチルヘキサノ
ールエトキシレート(EO50モル)2モル及びヘキサ
メチレンジイソシアネート2モルを用いて、本発明品1
と同様の条件で反応させ本発明品5を得た。本発明品5
は、一般式(3)に該当する化合物であり、以下の分子
式で表わされる。
チレン/ポリオキシプロピレンランダム共付加重合物
(EO含量65重量%、数平均分子量5000)1モ
ル、ブタノールのポリオキシエチレン/ポリオキシプロ
ピレンブロック共付加重合物(EO含量80重量%、数
平均分子量2000)3モル及びトルエンジイソシアネ
ート3モルを、本発明品1と同様の条件で反応させ本発
明品6を得た。本発明品5は、一般式(3)に該当する
化合物であり、以下の分子式で表わされる。
(数平均分子量20000)1モル、イソステアリルア
ルコールエトキシレート(EO100モル)2モル及び
ヘキサメチレンジイソシアネート2モルを用いて、本発
明品1と同様の条件で反応させ本発明品7を得た。本発
明品7は、一般式(3)に該当する化合物であり、以下
の分子式で表わされる。
(数平均分子量11000)1モル、ジラウリルアミン
エトキシレート(EO10モル)2モル及びヘキサメチ
レンジイソシアネート2モルを用いて、本発明品1と同
様の条件で反応させ本発明品8を得た。本発明品8は、
一般式(3)に該当する化合物であり、以下の分子式で
表わされる。
(数平均分子量20000)1モル及びテトラメチレン
ジイソシアネート2モルを用いて、本発明品1と同様の
条件で反応させた後、ラウリルアルコール2モルを更に
反応させて本発明品9を得た。本発明品9は、一般式
(3)に該当する化合物であり、以下の分子式で表わさ
れる。
(数平均分子量3300)3モル、2−エチルヘキサノ
ールエトキシレート(EO50モル)2モル及びテトラ
メチレンジイソシアネート4モルを用いて、本発明品1
と同様の条件で反応させ本発明品10を得た。本発明品
7は、一般式(3)に該当する化合物であり、以下の分
子式で表わされる。
ルロース (比較品2)β−1,3−グルカン (比較品3)アビエチルアルコールエトキシレート(E
O20モル)2モル及びジフェニルメタンジイソシアネ
ート1モルを用いて、本発明品1と同様の条件で反応さ
せ比較品3を得た。 (比較品4)ポリエチレングリコール(数平均分子量3
300)2モル、p−クミルフェノールエトキシレート
(EO18モル)2モル、トリレンジイソシアメート3
モルを用いて、本発明品1と同様の条件で反応させ比較
品4を得た。 (比較品5)ポリプロピレングリコール(数平均分子量
3000)のエチレンオキサイド付加物(EO含量50
重量%、数平均分子量6000)1モルとオクタデカノ
ールエトキシレート(EO50モル)2モル及びイソホ
ロンジイソシアネート2モルを用いて、本発明品1と同
様の条件で反応させ比較品5を得た。 (比較品6)プロピレングリコールのポリオキシエチレ
ン/ポリオキシプロピレンランダム共付加重合物(EO
含量75重量%、数平均分子量8000)3モル及びト
ルエンジイソシアネート2モルを用いて、本発明品1と
同様の条件で反応させ比較品6を得た。 (比較品7)ポリエチレングリコール(数平均分子量2
0000)2モル、ブタノールエトキシレート(EO5
0モル)2モル及びヘキサメチレンジイソシアネート3
モルを用いて、本発明品1と同様の条件で反応させ比較
品7を得た。
て、0.5%水溶液における曇点、及び分子量を測定し
た結果を表1に示す。なお、分子量は、分子量の標準物
質としてポリスチレンを用いた場合の重量平均分子量で
ある。
明品の増粘剤1〜10、比較品1〜6及び増粘剤未配合
のものについて、下記の配合で全材料を強制練りミキサ
ーに一括投入し、3分間混練することにより高流動コン
クリートを作成した。得られたコンクリートについて、
練り上がり直後のスランプフロー、流動時間、空気量お
よび分離抵抗性を各々測定し、スランプフローについて
は、5℃及び40℃の水槽に90分間静置後の値も併せ
て測定した。結果を表2に示した。なお、本発明品及び
比較品の増粘剤は水に溶解させ、10%水溶液としてか
ら使用した。
16(太平洋セメント社製)(b)細骨材:富士川産川
砂、比重2.60 (c)粗骨材:木更津産採石、比重2.65 (d)高性能AE減水剤:レオビルドSP−8N(エヌ
エムビー社製、ポリカルボン酸系)
量%である。 **:増粘剤配合量は固形分換算量である。
リート設計施工指針(案)に準拠して測定した。高密度
配筋部や複雑形状部の隅ずみまでコンクリートを行きわ
たらせるためには50cm以上の流動性が必要である。 (2)流動時間:スランプフローの広がりが完全に停止
するまでの時間を測定した。完全に骨材の分離を防止さ
せるためには50秒以上の流動時間が必要である。 (3)空気量:JIS A1128(フレッシュコンク
リートの空気量の圧力による試験方法―空気室圧力方
法)に準拠して測定した。 (4)分離抵抗性:スランプフロー測定時、材料の分離
状態を目視により観察し、以下の基準で分離抵抗性を評
価した。評価基準は以下の通りである。
トのフローの先端部まで行き渡り、完全に分散した。 △:粗骨材が一部フローの中心部に残り、分離傾向を示
した。 ×:大量の粗骨材がフローの中心部に残り、浮き水が発
生し、モルタル分と完全に分離した。 (5)自己充填性:直径10cmの円柱枠にコンクリー
トを詰め、硬化脱型後、コンクリート表面の充填状態を
肉眼で観察した。評価基準は以下の通りである。 ○:直径3mm以上の空隙の発生がない △:直径3mm以上の空隙の発生が僅かにある ×:直径3mm以上の空隙の発生が多い
阻害せず、すなわち、スランプフローが大きく、分離抵
抗性に優れるものである。表2の試験結果より本発明の
増粘剤を使用することにより、長時間にわたり、流動性
が維持され、材料分離も全く認められなかった。また、
優れた自己充填性が認められた。
剤>本発明品の増粘剤1〜10、比較品1〜6及び増粘
剤未配合のものについて、押出成形セメント製品用増粘
剤として評価するために、下記の配合及び評価方法にて
評価を行った。結果を表3に示した。なお、本発明品及
び比較品の増粘剤は水に溶解させ、10%水溶液として
から使用した。
洋セメント社製)100部 (b)ケイ砂7号 100部 (c)石綿 20部 (d)ビニロン繊維 1.5部 (e)増粘剤 1部* (f)水 35部* *増粘剤の添加量は固形分換算の添加量である。
りミキサーに一括投入し、3分間混練することにより水
混練物を作成した。この水混練物をスクリュー式真空押
出成形機を用いて、一定の押出速度で厚さ10mm、幅
20mmの板状に押出成形し、このときの吐出圧力、押
出し成形時の水分離の有無、成形品の押出し直後の表面
外観を評価した。水分離の有無及び表面外観の判定基準
は以下のとおりである。
形は可能 ×:ダイス部分からの水の流出が明瞭に認められ、押出
し成形が不能
た。
比べ本発明品は、成形品の表面もなめらかで水分離も見
られないことが判る。また、比較品に較べ曲げ強度が増
加できることがわかる。
剤>本発明品の増粘剤1〜10、比較品1〜6及び増粘
剤未配合のものについて、遠心成形セメント製品用増粘
剤として評価するために、下記の配合及び評価方法にて
評価を行った。結果を表4に示した。なお、本発明品及
び比較品の増粘剤は水に溶解させ、10%水溶液として
から使用した。
洋セメント社製)100部 (b)川砂 比重2.90 154部 (c)砕石 比重2.62 235部 (d)水道水 37部 (e)増粘剤* 1部 (f)ナフタレンスルホン酸系減水剤* 1部 *増粘剤及び減水剤の添加量は水分を含む増粘剤は固形
分換算の添加量であり、増粘剤又は減水剤の水分量に応
じて添加水道水量を減量した。
りミキサーに一括投入し、3分間混練することにより作
成したコンクリートを直径300mm、高さ300m
m、厚さ45mmの遠心成形型枠に入れ、この型枠を遠
心成形条件が、低速(遠心力30m2/s)×3分、中
速(遠心力125m2/s)×2分、高速(遠心力30
0m2/s)×2分の順で回転させ、脱出したノロの量
を計量し、仕込んだコンクリートに対するノロの脱出割
合を求めた。成形体は20℃で4時間の前置き養生、昇
温速度15℃/hで65℃まで昇温した後65℃で4時
間保持する常圧蒸気養生後、脱型し、20℃の室内で養
生して材令7日になってから圧縮強度を測定した。
比べ本発明品は、ノロの脱出が少ないにもかかわらず、
圧縮強度が高い遠心成形コンクリートが得られることが
わかる。本発明のノロ低減剤を使用することにより強度
を低下させることなくノロの低減ができ、ノロ処理に掛
けていた時間や費用を大幅に削減することが可能とな
る。
発明品の増粘剤1〜10、比較品1〜6及び増粘剤未配
合のものについて、水中施工用コンクリート用増粘剤と
して評価するために、実施例2と同様の配合及び混合方
法にて混練したしたコンクリートを用い、以下の評価方
法にて評価を行った。結果を表5に示した。なお、本発
明品及び比較品の増粘剤は水に溶解させ、10%水溶液
としてから使用した。
高さ1mの透明アクリル樹脂製円筒に高さ90cmまで
水を入れ、この中にコンクリート2kgを500gずつ
ステンレス製ビーカーにて4回分けて投入して水中落下
させ、投入終了後の円筒の中央部分における水の濁度を
目視して水中分離抵抗性を以下の基準で評価した。 ◎:あまり濁っていない。 ○:やや濁っている。 △:かなり濁っている。 ×:非常に濁っている。
水中落下させたコンクリート及び水中落下させなかった
コンクリートについて、それぞれ直径10cm×高さ2
0cmの成形体を作成し、25℃で28日間水中養生さ
せた後、圧縮強度を測定した。なお、水中落下させたコ
ンクリートから作成した成形体を水中作製成形体、水中
落下させなかったコンクリートから作成した成形体を標
準作製成形体とし、水中作製成形体と標準作製成形体の
比を求めた。
比べ本発明品は、水中におけるセメント分の分離が少な
く、水中作製成形体の強度も高い。水中作製成形体と標
準作製成形体の強度比が、本発明品の方が大きいこと
は、本発明品の方が水中におけるセメント分の分離が少
なかったことを示している。
等のの分離低減効果があり、水溶解性に優れ、温度によ
る粘度変化の少ないセメント用増粘剤を提供したことに
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記の一般式(1)、(2)又は(3)
で表わされ、0.5重量%水溶液の曇点が50〜120
℃であるウレタン化合物を含有するセメント用増粘剤: 【化1】 (式中、R1はポリイソシアネートからイソシアネート
基を除いた残基を表わし、Xは、モノオールの水酸基又
は脂肪族2級アミンのイミノ基から水素原子を除いた残
基を表わし、A1は炭素数2〜4のアルキレン基又は側
鎖を有する炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、aは
1以上の数を表わし、mはポリイソシアネートのイソシ
アネート基の数よりも1少ない1以上の数を表わす); 【化2】 (式中、R2はポリオールから水酸基を除いた残基を表
わし、R3はジイソシアネートからイソシアネート基を
除いた残基を表わし、R4はモノイソシアネートからイ
ソシアネート基を除いた残基を表わし、A2及びA3は炭
素数2〜4のアルキレン基又は側鎖を有する炭素数2〜
4のアルキレン基を表わし、bは0又は1以上の数を表
わし、cは1以上の数を表わし、nはポリオールの水酸
基と同数の2以上の数を表わし、pは0〜10の数を表
わす); 【化3】 (式中、A4は炭素数2〜4のアルキレン基又は側鎖を
有する炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、dは0又
は1以上の数を表わし、qは0〜10の数を表わし、R
2、R3、X、A2、A3、b、c及びnは一般式(1)又
は(2)と同義である)。 - 【請求項2】 前記一般式(1)又は(3)において、
Xが炭素数4〜36の1価アルコールの水酸基、炭素数
6〜36の1価フェノールの水酸基若しくは炭素数の合
計が6〜40である脂肪族2級アミンのイミノ基のそれ
ぞれから水素原子を除いた残基である請求項1に記載の
セメント用増粘剤。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高流動性コンク
リート用増粘剤。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の押出成形セメン
ト製品用増粘剤。 - 【請求項5】 請求項1又は2に記載の遠心成形セメン
ト製品用増粘剤。 - 【請求項6】 請求項1又は2に記載の水中施工用コン
クリート用増粘剤。
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