JP2016179912A - ポリマーセメント組成物、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントコンクリート構造体 - Google Patents

ポリマーセメント組成物、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントコンクリート構造体 Download PDF

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純也 後藤
丸山 豊太郎
Toyotaro Maruyama
豊太郎 丸山
靖 有田
Yasushi Arita
靖 有田
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Abstract

【課題】現場作業性、初期硬化性、硬化後コンクリート特性のバランスが良好であり、耐熱性、耐水性、難燃性に優れた高強度のポリマーセメントコンクリート構造体が得られるポリマーセメント組成物、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントコンクリート構造体を提供すること。【解決手段】本発明のポリマーセメント組成物は、フェノール樹脂、硬化剤、セメントを含むポリマーセメント組成物であって、フェノール樹脂が常温で硬化可能であることを特徴とする。また、本発明のポリマーセメントモルタル組成物は、本発明のポリマーセメント組成物と骨材を含むことを特徴とする。また、本発明のポリマーセメントコンクリート構造体は、本発明のポリマーセメント組成物及び/又は本発明のポリマーセメントモルタル組成物を含んでなることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーセメント組成物、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントコンクリート構造体に関する。
コンクリート構造体は、長年使用することにより疲労や、雨、海水による中性化、塩害、アルカリシリカ反応、凍結融解の繰り返しによる凍害、化学的腐食、火災などによるストレスでひび割れ、劣化が生じる。トンネル、橋梁、下水道など、地盤の変形が生じても特にひび割れが発生しやすくなる。ひび割れが発生すると、その場所より水や塩化物イオン等がコンクリート構造体内部に侵入し鉄筋が腐食するので、コンクリート構造体の安全性が保てなくなる。
これらひび割れの補修方法として、一般的には補修材を注入する方法、劣化部を1部剥離してその部分に修復材を埋め込む断面修復法、ひび割れ部分を表面から修復材で被覆する方法、接着剤をコンクリートに含浸する方法、炭素繊維を使うはく落防止方法などが知られている。
また補修材としては、セメントモルタル、ポリマーセメントモルタル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シラン系化合物、ケイ酸アルカリ化合物が知られている。
これらの中で、ポリマーセメントは、水/セメント比を低減してもセメントの流動性を確保できるので、硬化後のコンクリート強度が向上し、またコンクリート内部への水、塩化物イオン、酸性物質などの浸入を防止でき、鉄筋の腐食、コンクリートの中性化が防止できるので、好適なコンクリート補修材として提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
このようなポリマーセメントには、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸エステル、酢酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などが用いられているが、いずれも現場作業性、初期硬化性、硬化後ポリマーセメントコンクリートの強度、耐水性、耐熱性、耐燃性などを十分に満足できるものがなかった。
特開2015−820号公報 特開2013−119498号公報
本発明は、現場作業性、初期硬化性、硬化後コンクリート特性のバランスが良好であり、耐熱性、耐水性、難燃性に優れた高強度のポリマーセメントコンクリート構造体が得られるポリマーセメント組成物、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントコンクリート構造体を提供することを目的とする。
このような目的は、下記の本発明[1]〜[8]により達成される。
[1] フェノール樹脂、硬化剤、セメントを含むポリマーセメント組成物であって、
前記フェノール樹脂が常温で硬化可能であることを特徴とするポリマーセメント組成物。
[2] 前記フェノール樹脂が水溶性のフェノール樹脂である[1]に記載のポリマーセメント組成物。
[3] 前記フェノール樹脂が水に溶解したときにエマルジョンになるフェノール樹脂である[1]に記載のポリマーセメント組成物。
[4] 前記フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である[1]から[3]のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物。
[5] 前記フェノール樹脂の水素イオン指数がpH7以上pH13以下である[1]から[4]のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物。
[6] 前記硬化剤が、エステル化合物、カーボネート化合物及びイソシアネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである[1]から[5]のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物。
[7] [1]から[6]のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物を含むことを特徴とするポリマーセメントモルタル組成物。
[8] [1]から[6]のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物及び/又は[7]に記載のポリマーセメントモルタル組成物を含んでなることを特徴とするポリマーセメントコンクリート構造体。
本発明のポリマーセメント組成物及びポリマーセメントモルタル組成物は、現場作業性、初期硬化性、硬化後コンクリート特性が良好で、耐熱性、耐水性、難燃性に優れた高強度のポリマーセメントコンクリート構造体を提供することができる。
本発明のポリマーセメント組成物は、フェノール樹脂、硬化剤、セメントを含むポリマーセメント組成物であって、フェノール樹脂が常温で硬化可能であることを特徴とする。また、本発明のポリマーセメントモルタル組成物は、本発明のポリマーセメント組成物を含むことを特徴とする。また、本発明のポリマーセメントコンクリート構造体は、本発明のポリマーセメント組成物及び/又は本発明のポリマーセメントモルタル組成物を含んでなることを特徴とする。本発明のポリマーセメント組成物及び/又はポリマーセメントモルタル組成物を用いることにより、現場作業性、初期硬化性、硬化後コンクリート特性が良好で、耐熱性、耐水性、難燃性に優れた高強度のポリマーセメントコンクリート構造体を得ることができる。 以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施形態の
一例を示すものである。
本発明のポリマーセメント組成物は、フェノール樹脂、硬化剤、セメントを含むポリマーセメント組成物であって、フェノール樹脂が常温で硬化可能であることを特徴とする。フェノール樹脂を用いることによって、セメントと骨材、セメントと鉄筋、セメントと骨材との密着性を向上させ、硬化後のコンクリート強度を向上することができる。また、硬化剤を用いることによって、ポリマーセメント組成物の流動性及び分散性を調整することができ、かつ硬化後のコンクリート強度を向上させることができる。さらに、フェノール樹脂が常温で硬化可能であることによって、非加熱でフェノール樹脂を含むポリマーセメントコンクリート構造体を製造することができる。以下、本発明のポリマーセメント組成物に用いられる各成分について、詳細に説明する。
[フェノール樹脂]
本発明のポリマーセメント組成物に用いられるフェノール樹脂は、ポリマーセメント組成物として均一に分散し、加熱せずに所望の強度のポリマーセメント構造体が得られるものであれば、特に限定されるものではないが、セメントとの均一分散を考慮すると水溶性のフェノール樹脂であること、又は水に溶解したときにエマルジョンになるフェノール樹
脂であることが好ましい。
水溶性のフェノール樹脂は、通常は液状であるが、液状の樹脂をスプレー乾燥するなどして粉末状の固形として用いても良い。本発明におけるフェノール樹脂の水溶性は、JIS K 6807 「木材用ホルムアルデヒド系樹脂接着剤の一般試験方法 6.4 水混和性」における水混和性の測定方法と同様の方法に準じて測定することができる。水溶性の範囲としては、特に限定はないが、本発明のポリマーセメント組成物の配合における水とフェノール樹脂を混合した状態で、水溶液が白濁せずに透明性を保持できることが好ましい。固形の水溶性のフェノール樹脂の水溶性は、固形の樹脂をあらかじめ水に溶解させて均一な溶液を調整した後、前記の液状の水溶性のフェノール樹脂と同様な方法で測定することができる。
水に溶解したときにエマルジョンになるフェノール樹脂としては、通常は水系分散液であるが、分散液をスプレー乾燥するなどして粉末状の固形(再乳化型粉末樹脂)として用いても良い。上記の固形の水溶性のフェノール樹脂、あるいは固形の水に溶解したときにエマルジョンになるフェノール樹脂を用いる場合は、ポリマーセメント組成物の他の原料であるセメントや骨材とあらかじめ固体混合しておくことで、プレミックスセメントとして用いることができる。ここでエマルジョンとは、分散質及び分散媒が共に液体である分散系溶液のことであり、分散質のサイズが1nmから1000nm(1μm)程度の液滴が、分散媒に浮遊あるいは懸濁している状態を意味する。フェノール樹脂が分散質で水が分散媒の場合は水中油滴(O/W型)エマルジョンとなり、水が分散質でフェノール樹脂が分散媒の場合は油中水滴(W/O型)エマルジョンとなる。
水溶性のフェノール樹脂としては、特に限定されるものではなく、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノール等のフェノール類を、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の無機の塩基性触媒や、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン類や、酢酸亜鉛等の二価金属塩触媒等の触媒の存在下で、アルデヒド源と反応して得られるメチロールレゾール型フェノール樹脂及びジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂、あるいは桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。通常、重合度が低く、メチロール基が多く、水素イオン指数が高い(強アルカリ性の)フェノール樹脂が高い水溶性を示す。また、レゾルシノールのようなフェノール骨格に親水性の置換基が付加したフェノール類を原料とすると、水溶性が高くなる。他方、クレゾールのようなアルキル置換フェノール類を原料としたフェノール樹脂や、油変性のフェノール樹脂は、水溶性が低くなる。
水に溶解した時にエマルジョンになるフェノール樹脂としては、前述したフェノール類、アルデヒド類、触媒とともに、アラビアゴム、ガッチゴムなどの多糖類、ヒドロキシアルキル化ゴム、ポリビニルアルコール等の分散剤を用いて合成したメチロールレゾール型フェノール樹脂及びジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂、油変性のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。通常、これらフェノール樹脂は反応を2段階で進めることで得ることができる。すなわち、第一段階でフェノール類とアルデヒド類との縮合反応を所定の重合度になるまで進め、第二段階でフェノール樹脂の粒子が凝集をおこさないように、分散剤を加えて強いせん断力を加えながら撹拌して、最終目標とする重合度まで反応を続けることで得ることができる。
本発明のポリマーセメント組成物で用いられるフェノール樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを、アルカリ性触媒の存在下で反応させて得ることができるレゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。
ここで用いられるフェノール類としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール、ハロゲン化フェノール、アリールフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ビスフェノールA、多価フェノール、これらの誘導体などが挙げられる。また、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。これらのフェノール類の中でも、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールAから選ばれるものが本発明のコンクリート構造体の機械強度を高めることができる点で好ましい。
また、アルデヒド類としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、これらの誘導体、などが挙げられる。また、これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。これらのアルデヒド類の中でも、ホルムアルデヒドが反応性を向上させることができるので好ましい。ホルムアルデヒド源としては、ホルマリン水溶液、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミンから選ばれるものが好ましい。
また、アルカリ性触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物などが挙げられる。また、これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
本発明のポリマーセメント組成物で用いられるフェノール樹脂の水素イオン指数は、特に限定されるものではないが、セメントの硬化性を考慮すると、水素イオン指数の下限値はpH7以上が好ましく、セメントの中性化劣化を予防することを考慮するとpH8以上がさらに好ましい。また、水素イオン指数の上限値については、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂の効率的な製法を考慮するとpH13以下が好ましく、硬化剤との反応性を考慮するとpH12以下がさらに好ましい。フェノール樹脂の水素イオン指数は以下の方法で測定することができる。試料となるフェノール樹脂は、そのまま、または同量の蒸留水もしくはイオン交換水で希釈したものを用いる。pH計は、JIS Z 8802に規定する形式III又はこれと同等のものを用いる。測定方法は、JIS Z 8
802の8(操作方法)に基づき測定すれば良い。
本発明のポリマーセメント組成物で用いられるフェノール樹脂は、製造時に使用する水、アルコールなどの反応溶剤、触媒を含んでいてもよいが、プレミックスセメントを製造する場合、水、アルコールなどの反応溶剤は含まない固形のものが好ましい。
また、本発明のポリマーセメント組成物全体に占めるフェノール樹脂固形分の割合は、特に限定されるものではないが、0.01質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、10質量%以下であることが好ましい。上記上限値以下とすることで、ポリマーセメント組成物の流動性が低下する恐れが少ない。また、上記下限値以上とすることで、強度を向上させる効果を得ることができる。
[硬化剤]
本発明のポリマーセメント組成物に用いられる硬化剤は、ポリマーセメント組成物として均一に分散し、加熱せずに所望の強度のポリマーセメント構造体が得られるものであれば、特に限定されるものではないが、水溶性のフェノール樹脂、又は水に溶解したときにエマルジョンになるフェノール樹脂との反応性、ならびに、セメントとの反応性を考慮すると、エステル化合物、カーボネート化合物、シアネート化合物が好ましい。
本発明に用いられるエステル化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸エチル、乳酸エチル、クエン酸トリエチル、コハク酸ジ
メチル、マロン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、蓚酸ジメチル、アクリル酸メチル、エチレングリコールジアセテート、ジアセチン、トリアセチン等のカルボン酸エステル類や、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類を、挙げることができる。これらのなかでも、蟻酸エステルなど水への溶解度が高く、本発明のポリマーセメント組成物を調整した時に相分離し難いものが好ましい。
本発明に用いられるカーボネート化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチレンカーボネート、エチレンカーボネート、炭酸プロピレン、4−エチルジオキソロン、4−ブチルジオキソロン、4,4−ジメチルオキソロン、4,5−ジメチルジオキソロン等を挙げることができる。これらのなかでも、エチレンカーボネート、炭酸プロピレンが、水への溶解度が高く、本発明のポリマーセメント組成物を調整した時に相分離し難い点、ならびに、適正な硬化速度を得易い点で好ましい。
本発明に用いられるイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートを挙げることができる。
これら硬化剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、フェノール樹脂に対する硬化剤の割合は、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂100質量部に対して、15質量部以上、500質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以上、300質量部以下であることが好ましい。上記範囲内とすることで、硬化性を向上させる効果を得ることができる。
[セメント]
本発明のポリマーセメント組成物に用いられるセメントとしては、特に限定されるものではないが、例えば、水硬性セメントであるポルトランドセメント(普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント)、エコセメント等が挙げられる。更に、例えば、シリカフュームやフライアッシュ等のポゾラン粉末、高炉スラグ、石灰石微粉末などが混合された混合セメント、アルミナセメント、白色セメントのような特殊セメントが挙げられる。
本発明のポリマーセメント組成物に用いられるセメントには、ナフタレンスルホン酸、メラミンスルホン酸、ポリカルボン酸等の減水剤、スルホン酸炭化水素、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、脂肪酸塩等のAE剤、リグニン、ナフタレン、メラミン、カルボン酸等の流動化剤、グリコールエーテル、ポリエーテル等の硬化収縮低減剤、塩化カルシウムのような耐寒剤、ステアリン酸のような防水剤、リン酸塩のような防錆剤、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等の粘度調整剤、ポリカルボン酸、無機リン等の分散剤、シリコーン、鉱油のような消泡剤、などのセメント混和剤、鋼繊維、ガラス繊維、合成繊維、炭素繊維等の補強材を用いることができる。また、本発明に用いられるセメントには、必要に応じて顔料、着色剤、滑剤、離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを添加してもよい。
[ポリマーセメントモルタル組成物]
次に、本発明のポリマーセメントモルタル組成物について、以下に詳細に説明する。本発明のポリマーセメントモルタル組成物は、上述した本発明のポリマーセメント組成物を含むことを特徴とする。本発明のポリマーセメントモルタル組成物は、例えば、本発明のポリマーセメント組成物に細骨材を加えることで製造することができる。細骨材とは、J
IS A 0203に規定されているとおり、10mm網ふるいを全部通り、5mm網ふるいを質量で85%以上通る骨材である。
本発明のポリマーセメントモルタル組成物に使用できる細骨材としては、特に限定されるものではないが、天然骨材、軽量骨材等が挙げられ、これらのいずれか一方を使用しても、双方を同時に使用してもかまわない。天然骨材としては、特に限定されるものではないが、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂などが挙げられる。これらの中では、粒度が調整された細骨材がポリマーセメントモルタル組成物の流動を制御しやすいので好ましい。軽量骨材としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機系発泡性骨材であるパーライト、フライアッシュバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。
[ポリマーセメントコンクリート構造体]
次に、本発明のポリマーセメントコンクリート構造体について、以下に詳細に説明する。本発明のポリマーセメントコンクリート構造体は、上述した本発明のポリマーセメント組成物及び/又はポリマーセメントモルタル組成物を含んでなることを特徴とする。これにより、耐熱性、耐水性、難燃性にすぐれた構造体を製造できる。本発明のポリマーセメントコンクリート構造体は、さらに既存のコンクリート構造体用組成物を含んでいてもよい。
本発明のポリマーセメントコンクリート構造体は、例えば、本発明のポリマーセメント組成物及び/又はポリマーセメントモルタル組成物に、粗骨材を加えることで製造することができる。粗骨材とは、JIS A 0203に規定されているとおり、5mm網ふるいに質量で85%以上とどまる骨材である。
本発明のポリマーセメントコンクリート構造体に用いることができる粗骨材としては、川砂利、山砂利、陸砂利、砕石、砕砂、等の天然骨材、高炉スラグ、軽量骨材、再生骨材等が挙げられる。これらの中では、粒度が調整された粗骨材がポリマーセメントコンクリート構造体の硬化前の作業性、硬化後の強度物性を制御しやすいので好ましい。また既存のコンクリート構造体の修復材、延長材として一体となって構成されていてもよい。
本発明のポリマーセメントコンクリート構造体には、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、シリカパウダー、硫酸バリウム、マイカ、ガラスパウダー、パーライト等の無機フィラーを含んでいてもよい。
本発明のポリマーセメント組成物及び/又は本発明のポリマーセメントモルタル組成物を使用してポリマーセメントコンクリート構造体を製造する場合、面状ヒーターや加熱炉を用いることで、硬化時間を短縮することができる。また加熱時間を増やすことで強度、耐熱性、耐燃性を更に向上することもできる。
以下、本発明を以下の実施例および比較例にて、詳細に説明する。
(実施例1〜9、比較例1、2)
[(ポリマー)セメントコンクリート成形体の調整]
(ポリマー)セメントコンクリート成形体の調整にあたっては、表1に示す各原材料を用いた。セメントは、プレミックスセメント(家庭化学工業(株)製、ポルトランドセメント/骨材=1/1.5)を使用した。使用したフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、PR−9800)の各特性は、不揮発分39%(135℃、1時間)、粘度110mPa・s(@25℃)、pH11.8(@25℃)である。なお、PR−9800は、液状の水溶性フェノール樹脂であり、25℃の温度条件では、10gのフェノール樹脂に
対して、300cmのイオン交換水を加えても白濁することなく、水溶液は赤みがかった透明であった。
表2に示す配合にて、コンシステンシーがほぼ同一になるようにポリマーセメントコンクリート組成物を調整した。調合に際しては、内容積100cmのプラスチック製カップ(内径約45mm)中で、あらかじめ水とフェノール樹脂と硬化剤を混合して、その混合液にセメントを添加して1分間混練した。その後、室温(15〜20℃)で24時間養生して(ポリマー)セメントコンクリート成形体を得た。
ここで、水/セメント比(W/C)の水の量は、フェノール樹脂の揮発分(100℃での不揮発分)を水分とみなし、揮発分と水との合計とした。また、ポリマー/セメント比(P/C)のポリマー量は、フェノール樹脂の不揮発分と硬化剤との合計とした。
[(ポリマー)セメントコンクリート組成物及び成形体の評価]
(ポリマー)セメントコンクリート組成物及び成形体の特性として、流動性、硬化性、強度を以下の基準で評価して、表2に示した。
<流動性>
セメント、水、フェノール樹脂、硬化剤を混練する1分間の流動性を以下の基準で評価した。
○:流動性あり
△:流動性あるが高粘
×:流動性なく、混練中に硬化
<硬化性>
(ポリマー)セメントコンクリート組成物を混練して1時間経過後のコンクリート組成物の硬度を以下の基準で評価した。
○:全体が硬化
△:部分的に硬化
×:未硬化(全体が流体のまま)
<強度>
(ポリマー)セメントコンクリート組成物を混練して24時間経過後の(ポリマー)セメントコンクリート成形体の強度を以下の基準で評価した。
○:硬化しており硬い(手で割れない)
△:硬化しているが脆い(手で割れる)
×:未硬化
フェノール樹脂と硬化剤のない比較例1と比較して、実施例1から実施例9のポリマーセメントコンクリート組成物は、いずれも硬化性が向上しており、混練後1時間で固まる速硬化性を示すことがわかる。一方、フェノール樹脂を含むが硬化剤を含まない比較例2ポリマーセメントは速硬化性を示さないことから、フェノール樹脂と硬化剤とを含むことで速硬化性が発現することが明らかである。
表2の実施例、比較例の結果を、フェノール樹脂と硬化剤の添加量に基づくマトリスクに整理したものを図3に示す。
表3より、フェノール樹脂の添加量が少ないほどコンクリートの流動性が高く、逆にフェノール樹脂の添加量が多すぎると流動性が低下する傾向にあることがわかる。また、硬化剤の添加量が高いほど強度は高くなり、少なすぎると強度が低下することがわかる。このように、フェノール樹脂、硬化剤の添加量を最適化することで、流動性、硬化性、強度のいずれもバランスのとれたポリマーセメントコンクリート構造体を得ることが可能となる。
(実施例10〜12、比較例3〜5)
実施例10〜12として、実施例5と同じポリマー/セメント比(P/C)で、水/セメント比(W/C)を変更した以外は、実施例5と同じ手順でポリマーセメントコンクリート組成物を調整して、特性を評価した。また、比較例3〜5として、比較例1の水/セメント比(W/C)を変更した以外は、比較例1と同じ手順でセメントコンクリート組成物を調整して、特性を評価した。
表4に配合と特性の結果を示す。また、表5に、表4の結果を、ポリマーセメント比(
P/C)と水セメント比(W/C)に基づくマトリスクに整理したものを示す。
表5において、同じW/C:40%でフェノール樹脂の添加有無を比較した場合、フェノール樹脂を添加した実施例10の方が比較例3よりも、流動性が高く、硬化性も高いことが明らかである。また、表5において、同じW/C:64%、76%でフェノール樹脂の添加有無を比較した場合、フェノール樹脂を添加していない比較例4と比較例5ではコンクリート混練中および硬化中に水が上層に分離したのに対して、フェノール樹脂を添加した実施例11と実施例12ではいずれも水の分離はなく、ブリーディングや材料分離が起こりにくいことが明らかである。
本発明のポリマーセメント組成物及びポリマーセメントモルタル組成物は、現場作業性、初期硬化性、硬化後コンクリート特性が良好で、耐熱性、耐水性、難燃性に優れた高強度のポリマーセメントコンクリート構造体を提供することができることから、トンネル、橋梁、下水道、高層ビルなど土木建築関連の資材として好適に用いられる。

Claims (8)

  1. フェノール樹脂、硬化剤、セメントを含むポリマーセメント組成物であって、前記フェノール樹脂が常温で硬化可能であることを特徴とするポリマーセメント組成物。
  2. 前記フェノール樹脂が水溶性のフェノール樹脂である請求項1に記載のポリマーセメント組成物。
  3. 前記フェノール樹脂が水に溶解したときにエマルジョンになるフェノール樹脂である請求項1に記載のポリマーセメント組成物。
  4. 前記フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である請求項1から3のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物。
  5. 前記フェノール樹脂の水素イオン指数がpH7以上pH13以下である請求項1から4のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物。
  6. 前記硬化剤が、エステル化合物、カーボネート化合物及びイソシアネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1から5のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物を含むことを特徴とするポリマーセメントモルタル組成物。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載のポリマーセメント組成物及び/又は請求項7に記載のポリマーセメントモルタル組成物を含んでなることを特徴とするポリマーセメントコンクリート構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113387613A (zh) * 2021-07-07 2021-09-14 四川玄武岩纤维新材料研究院(创新中心) 一种聚合物基海砂混凝土及其制备方法
KR102382833B1 (ko) * 2021-04-22 2022-04-05 고영미 펄라이트를 이용한 유리섬유 강화콘크리트형 건축자재 제조방법
CN115180903A (zh) * 2022-09-09 2022-10-14 广东合睿智造新材料有限公司 一种瓷砖粘贴材料及其制备方法

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