JP2013122011A - 粘性調整剤及びそれを含有するエマルション樹脂組成物または水系塗料組成物 - Google Patents

粘性調整剤及びそれを含有するエマルション樹脂組成物または水系塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高温あるいは低温で長期間保存しても粘度が増加しないウレタン型粘性調整剤を含有するエマルション樹脂組成物を提供。
【解決手段】記の一般式(1)で表される粘性調整剤。
Figure 2013122011

(式中、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表し、R及びRは下記の式(2)又は(3)で表されるいずれかの基を表し、m及びnはそれぞれ3〜15の数を表し、xは40〜800の数を表し、yは1以上の数を表す。ただし、RとRの炭素数の和及びRとRの炭素数の和はいずれも10〜14でなければならない。)
Figure 2013122011

Figure 2013122011

【選択図】なし

Description

本発明は、エマルション樹脂や水系塗料に配合した場合でも、配合したエマルション樹脂組成物や水系塗料組成物の低温及び高温の長期保存安定性が良好な粘性調整剤に関する。
水系塗料、接着剤、あるいは粘着剤等には、一般的にエマルション樹脂等の水系樹脂が使用されているが、これらの用途として使用するには適度な粘度と粘性が必要であり、粘性調整剤の使用が不可欠である。粘性調整剤としては、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等の天然系の粘性調整剤、ポリアクリル酸やポリアクリル酸含有コポリマー等のアルカリで増粘するタイプのアルカリ増粘型粘性調整剤、ウレタン変性ポリエーテル等のウレタン型粘性調製剤等が知られている(例えば、特許文献1〜4を参照)。
これらの粘性調整剤の中で、天然系の粘性調整剤やアルカリ増粘型粘性調整剤を水系塗料等に添加した場合、一般的には塗料にチクソ性の粘性を付与しレベリング性にはならず、更に、塗料の耐水性が悪くなる場合もある。一方ウレタン型粘性調整剤は、チクソ性からレベリング性の幅広い粘性を得ることができ、塗料の耐水性も良好である。こうしたことからウレタン型粘性調整剤は、様々な用途あるいは様々な地域で幅広く使用されている。
粘性調整剤を添加したエマルション樹脂や塗料は、多くの場合、缶や樹脂等の容器に入れて輸送、保管、販売されており、塗料等が製造されてから実際に使用されるまでの期間が長くなる場合が多く、輸送や保管等で高温あるいは低温に長時間さらされる場合も多い。具体的には、真夏あるいは極寒地での保管や、赤道直下あるいは極寒地での海上輸送等が挙げられるが、ウレタン型粘性調整剤を配合したエマルション樹脂系の塗料等が高温あるいは低温状態に長時間さらされると、当該塗料の製品粘度が増加するという問題が発生していた。製品粘度の増加は塗料の基本的な性能を阻害し、塗装がうまくできない場合や得られる塗膜に問題が発生する場合がある。
特開平10−036720号公報 特開平11−199854号公報 特開2001−295195号公報 特開2007−197520号公報
天然系の粘性調整剤やアルカリ増粘型粘性調整剤を使用して、ウレタン型粘性調整剤を使用しない処方であれば、高温あるいは低温で長期保存しても製品粘度は増加しにくいが、様々な特性を有する塗料を製造するにあたり、現在ではウレタン型粘性調整剤は不可欠な添加剤となっている。従って、本発明が解決しようとする課題は、高温あるいは低温で長期間保存してもエマルション樹脂組成物の製品粘度が増加しないウレタン型粘性調整剤を含有するエマルション樹脂組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討し、高温あるいは低温で長期間保存しても製品粘度が増加しないウレタン型粘性調整剤を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表される粘性調整剤である。
Figure 2013122011
(式中、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表し、R及びRは下記の式(2)又は(3)で表されるいずれかの基を表し、m及びnはそれぞれ3〜15の数を表し、xは40〜800の数を表し、yは1以上の数を表す。ただし、RとRの炭素数の和及びRとRの炭素数の和はいずれも10〜14でなければならない。)
Figure 2013122011
Figure 2013122011
更に本発明は、下記一般式(4)および(5)に記載のアルコールにエチレンオキサイドを付加させた2級アルコールエトキシレートに、下記一般式(6)の化合物を反応させ、さらに下記一般式(7)および(8)で表されるジイソシアネートを反応させることにより得られる粘性調整剤を提供する。
Figure 2013122011
Figure 2013122011
Figure 2013122011
Figure 2013122011
Figure 2013122011
(式中、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表し、R及びRは下記の式(2)又は(3)で表されるいずれかの基を表し、xは40〜800の数を表す。ただし、RとRの炭素数の和及びRとRの炭素数の和はいずれも10〜14でなければならない。)
Figure 2013122011
Figure 2013122011
本発明の効果は、ウレタン型粘性調整剤を配合したエマルション樹脂を高温あるいは低温で長期間保存した場合でも、当該エマルション樹脂組成物の製品粘度が増加しないウレタン型粘性調整剤及びそれを含有するエマルション樹脂組成物を提供したことにある。
後述の本発明品3のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のチャートを示す。 後述の本発明品8のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のチャートを示す。
本発明の粘性調整剤は下記の一般式(1)の構造をもつ化合物である。
Figure 2013122011
(式中、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表し、R及びRは下記の式(2)又は(3)で表されるいずれかの基を表し、m及びnはそれぞれ3〜15の数を表し、xは40〜800の数を表し、yは1以上の数を表す。ただし、RとRの炭素数の和及びRとRの炭素数の和はいずれも10〜14でなければならない。)
Figure 2013122011
Figure 2013122011
一般式(1)のR〜Rはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表す。こうしたアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基が挙げられる。ただし、Rを構成する基の炭素数とRを構成する炭素数の和は炭素数10〜14でなければならず、11〜13がより好ましい。またR及びRも同様に、Rを構成する基の炭素数とRを構成する炭素数の和は炭素数10〜14でなければならず、11〜13がより好ましい。
及びRは、式(2)で表されるヘキサメチレン基あるいは式(3)で表される基のいずれかの基である。R及びRは同じ基でもそれぞれ違う基であってもよいが、製法上、全てが同じ基であることが好ましい。
m及びnの値はそれぞれ3〜15の数であるが、高温及び低温での安定性が良好なことから5〜12の数が好ましい。mあるいはnの値が3未満あるいは15を超えると、高温及び低温での安定性が悪くなる。なお、製法上m及びnの値は同じであることが好ましい。
xの値は40〜800の数であるが、高温及び低温での安定性が良好なことから100〜500の数であることが好ましい。40未満になると塗料等への溶解性が悪くなって不溶物が出る場合があり、800を超えると製品粘度が上昇して塗料等への溶解性が悪くなる場合がある。なお、xの値は後述の一般式(6)で表されるポリエチレングリコールの平均重合度に対応する。
yの値は1以上の数である。一般式(1)の化合物を効率的に得る方法は後に詳しく示すが、好ましい製法上、yの値が異なる化合物が同時に生成する。それぞれの化合物の比率は特に指定はなく、例えば、y=1のみの化合物であっても、yが1以上の化合物がそれぞれ一定量混合された組成物であってもよい。しかしながら、一般式(1)の化合物では、yが6以下であることが好ましい。yが6より大きい場合は、一般式(1)の化合物自体の粘度が大きくなり、粘性調整剤として塗料への配合が難しくなる場合がある。
一般式(1)で表される粘性調整剤の製造方法は限定されず、公知の方法で製造すればよいが、容易に製造できることから、2級アルコール、エチレンオキサイド、ポリエチレングリコール及びジイソシアネート化合物を原料に合成することが好ましい。原料の2級アルコールは下記の一般式(4)及び一般式(5)で表すことができる。
Figure 2013122011
(式中、R及びRはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表す。ただし、RとRの炭素数の和は10〜14でなければならない。)
Figure 2013122011
(式中、R及びRはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表す。ただし、RとRの炭素数の和は10〜14でなければならない。)
原料のポリエチレングリコールは以下の一般式(6)で表すことができる。
Figure 2013122011
(式中、xは40〜800の数を表す。)
原料のジイソシアネート化合物は以下の一般式(7)及び一般式(8)で表すことができる。
Figure 2013122011
(式中、Rは一般式(2)又は一般式(3)を表す。)
Figure 2013122011
(式中、Rは一般式(2)又は一般式(3)を表す。)
一般式(4)及び(5)で表される原料アルコールにエチレンオキサイドを付加した2級アルコールエトキシレートは同一でも異なっていてもよいが、原料の種類が少ないほど取扱いが容易であることから、同一の2級アルコールエトキシレートを用いることが好ましい。ここで使用する2級アルコールエトキシレートは市販されているものを使用することができる。例えば、アデカトールSO−80、アデカトールSO−105、アデカトールSO−120、アデカトールSO−135、アデカトールSO−145、アデカトールSO−160(以上、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。また、市販のポリオキシエチレン2級アルキルエーテルにエチレンオキサイドを付加して、一般式(1)におけるm、nの値を調整させることも可能である。
また、一般式(7)及び(8)で表される原料ジイソシアネート化合物も同様の理由から同一であることが好ましい。使用できる原料ジイソシアネートは2種類であり、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートと4,4’−ビスシクロヘキシルビスジイソシアネートである。
一般式(4)及び(5)で表される原料アルコールにエチレンオキサイドを付加した2級アルコールエトキシレートが同一で、且つ一般式(7)及び(8)で表されるジイソシアネート化合物も同一のときの製造方法としては、例えば、一般式(4)に記載のアルコールにエチレンオキサイドを付加させた2級アルコールエトキシレート2モルに対して、一般式(6)で表される原料ポリエチレングリコールを0.75〜1.25モル、好ましくは0.9〜1.1モル、更に原料ジイソシアネートを1.5〜2.5モル、好ましくは1.8〜2.2モル反応させればよい。具体的な反応条件は、原料2級アルコールエトキシレートと原料ポリエチレングリコールの混合物に原料ジイソシアネートを添加して60〜100℃で1〜10時間反応させる方法や、原料ポリエチレングリコールに原料ジイソシアネートを添加して、60〜100℃で1〜5時間反応した後、原料アルコールを添加して更に同温度で1〜5時間反応する方法が挙げられる。反応は無触媒でも進むが、触媒を使用してもよく、触媒としては例えば、四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等の有機金属化合物;オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム等の石鹸を、全体の系に対して0.01〜1質量%程度使用すればよい。
反応終了後は取扱いを容易にするために、固形分が10〜50質量%程度になるように、水あるいは水と水溶性溶剤との混合物等で希釈することが好ましい。水溶性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;炭素数1〜10の炭化水素基を持つアルコールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを1〜10モル付加したポリエーテル系溶剤等を使用することができる。水溶性溶剤を使用する場合は、組成物全量の1〜15質量%程度添加することが好ましい。
原料の配合割合及び反応方法や反応条件によって、一般式(1)で表されるyの値が異なる化合物が混合した組成物が得られる。本発明の粘性調整剤は、単品でも混合物であってもよいが、yの値が大きい化合物は粘性が高くなり取り扱いが難しくなるため、yは6以下であることが好ましい。また、組成物中にyの値が0又は6を超える副生物があってもよい。副生物が含有する場合は、y=1〜6の化合物の総量が全体の50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。y=0の化合物が増えると塗料等への溶解性が悪くなって使用が困難になる場合があり、yの値が7以上の化合物が増えると、製品粘度が高くなりすぎて塗料等への溶解性が悪くなる場合がある。
本発明のエマルション樹脂組成物は、エマルション樹脂に本発明の粘性調整剤を添加したものである。添加量は特に規定されないが、エマルション樹脂組成物全量に対して0.1〜5質量%添加したものが好ましく、添加量は0.2〜3質量%が更に好ましい。0.1質量%未満では粘性調整剤としての効果が得られない場合があり、5質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない場合やエマルション樹脂に完全に溶解させることができない場合がある。
使用できるエマルション樹脂は、公知のエマルション樹脂であればいずれも使用することができる。こうしたエマルション樹脂としては、例えば、ウレタン系エマルション、アクリレート系エマルション、スチレン系エマルション、酢酸ビニル系エマルション、SBR(スチレン/ブタジエン)エマルション、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)エマルション、BR(ブタジエン)エマルション、IR(イソプレン)エマルション、NBR(アクリロニトリル/ブタジエン)エマルション、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
ウレタン系エマルションとしては、例えば、ポリエーテルポリオール系、ポリエステルポリオール系、ポリカーボネートポリオール系等が挙げられる。
アクリレート系エマルションとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(エステル)単独、(メタ)アクリル酸(エステル)/スチレン、(メタ)アクリル酸(エステル)/酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸(エステル)/アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸(エステル)/ブタジエン、(メタ)アクリル酸(エステル)/塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アリルアミン、(メタ)アクリル酸(エステル)/ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アルキロールアミド、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N―ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、シクロヘキシルメタクリレート系、エポキシ変性系、ウレタン変性系等の重合物が挙げられる。
スチレン系エマルションとしては、例えば、スチレン単独、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/ブタジエン、スチレン/フマルニトリル、スチレン/マレインニトリル、スチレン/シアノアクリル酸エステル、スチレン/酢酸フェニルビニル、スチレン/クロロメチルスチレン、スチレン/ジクロロスチレン、スチレン/ビニルカルバゾール、スチレン/N,N−ジフェニルアクリルアミド、スチレン/メチルスチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、スチレン/アクリロニトリル/メチルスチレン、スチレン/アクリロニトリル/ビニルカルバゾール、スチレン/マレイン酸等の重合物が挙げられる。
酢酸ビニル系エマルションとしては、例えば、酢酸ビニル単独、酢酸ビニル/スチレン、酢酸ビニル/塩化ビニル、酢酸ビニル/アクリロニトリル、酢酸ビニル/マレイン酸(エステル)、酢酸ビニル/フマル酸(エステル)、酢酸ビニル/エチレン、酢酸ビニル/プロピレン、酢酸ビニル/イソブチレン、酢酸ビニル/塩化ビニリデン、酢酸ビニル/シクロペンタジエン、酢酸ビニル/クロトン酸、酢酸ビニル/アクロレイン、酢酸ビニル/アルキルビニルエーテル等の重合物が挙げられる。
これらのエマルション樹脂の中でも、特に安定性が良好なことから、ウレタン系エマルション、アクリレート系エマルション及びスチレン系エマルションが好ましい。
本発明の水系塗料組成物は、エマルション樹脂系の水系塗料に本発明の粘性調整剤を、水系塗料組成物全量に対して0.1〜5質量%添加したものであり、添加量は0.2〜3質量%が好ましい。0.1質量%未満では粘性調整剤としての効果が得られない場合があり、5質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない場合や水系塗料に完全に溶解させることができない場合がある。
水系塗料は公知のエマルション系の水系塗料であればいずれも使用することができる。水系塗料に使用するエマルション樹脂としては、上記に示したエマルション樹脂を使用することができ、こうしたエマルション樹脂に、顔料、着色剤、パール剤、防腐剤、香料、可塑剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、硬化剤、触媒、溶剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、pH調整剤、凍結防止剤、湿潤剤、顔料分散剤、皮張り防止剤、乾燥促進剤等の添加剤を1種または2種以上添加することでエマルション系水系塗料を得ることができる。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。
<サンプルの製造>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに重量平均分子量8000のポリオキシエチレングリコールを800g(0.1モル)、炭素数12〜14の2級アルコールの混合物(平均炭素数13)のエチレンオキシド3モル付加物(アルコール1)を40.2g(0.2モル)仕込んで混合させた後、ヘキサメチレンジイソシアネート34g(0.2モル)を加え、80〜90℃で3時間反応させて本発明品1を得た。なお、アルコール1〜7の合成に使用した炭素数12〜14の2級アルコールは、一般式(4)において、R及びRはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖アルキル基を表し、且つRとRの炭素数の和は11〜13である1種のみを使用する。なお同様の装置及び同様の方法で、下記の原料を使用して本発明品2〜9及び比較品1〜9の粘性調整剤を製造した。各原料の詳細を表1及び2に記載する。
<サンプル製造に使用した原料>
アルコール1:炭素数12〜14の2級アルコール3EO(アデカトールSO−80(株式会社ADEKA製))
アルコール2:炭素数12〜14の2級アルコール7EO(1モルのアルコール1にエチレンオキサイドを4モル付加して得られる。)
アルコール3:炭素数12〜14の2級アルコール12EO(1モルのアルコール1にエチレンオキサイドを9モル付加して得られる。)
アルコール4:炭素数12〜14の2級アルコール15EO(1モルのアルコール1にエチレンオキサイドを12モル付加して得られる。)
アルコール5:炭素数12〜14の2級アルコール20EO(1モルのアルコール1にエチレンオキサイドを17モル付加して得られる。)
アルコール6:炭素数12〜14の2級アルコール30EO(1モルのアルコール1にエチレンオキサイドを27モル付加して得られる。)
アルコール7:炭素数12〜14の2級アルコール50EO(1モルのアルコール1にエチレンオキサイドを47モル付加して得られる。)
アルコール8:ラウリルアルコール(炭素数12)10EO
アルコール9:2−ヘキシルデカノール10EO
PEG1:ポリエチレングリコール(分子量4000)
PEG2:ポリエチレングリコール(分子量8000)
PEG3:ポリエチレングリコール(分子量10000)
PEG4:ポリエチレングリコール(分子量20000)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
H−MDI:4,4’−ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
Figure 2013122011
Figure 2013122011
<GPC分析>
上記発明品3および8について一般式(1)の化合物の分子量分布をGPC(ゲルパーミレーションクロマトグラフィー)を使用して測定した。
なお、測定に使用した機器及び条件は下記の通りである。
使用カラム:TSKgel G4000Hxl、G3000Hxl、G2000Hxl
(いずれも東ソー株式会社製)を直列に接続。
溶離液 :THF(テトラヒドロフラン)
流量 :1ml/分
検出器 :HLC−8120GPC(RI)
サンプル濃度:0.1質量%(THF溶液)
サンプル量:200μl
カラム温度:40℃
その結果を図1および2に示す。また、一般式のyの各値に対応するピークの面積から、その配合割合を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2013122011
<長期保存安定性試験1>
製造した本発明品1〜9及び比較品1〜9を、試験用の塗料100質量部に対し0.5部添加した塗料サンプルを作製し、添加直後の塗料サンプルの粘度を測定した。その後、塗料サンプルを3つに分けて密閉容器に入れ、それぞれを2℃、25℃、50℃の恒温槽に3ヶ月間放置した。3ヵ月後の粘度を測定し、作製直後に測定した粘度と比較して長期保存安定性の指標とした。試験用の塗料及びアクリル系エマルション樹脂の組成を以下に示す。なお粘度の測定は、塗料サンプルを25℃にしてB8H型粘度計(ローターナンバー2番)を使用して10rpmの回転速度で行った。
試験用の塗料の組成
下記の組成の顔料ペーストを作製し、下記のアクリルエマルション及びその他の添加剤と混ぜて試験用の塗料を作製した。詳しい配合は以下の通りである。
アクリル系エマルション樹脂 :53.25部 (詳細は下記参照)
顔料ペースト :40.06部 (詳細は下記参照)
テキサノール : 2.60部 (CS−12:チッソ株式会社)
プロピレングリコール : 3.80部
アンモニア水(28%水溶液) : 0.10部
消泡剤 : 0.19部 (アデカネートB−1015:(株)ADEKA)
(アクリル系エマルション樹脂)
アクリル酸メチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン/アクリルアミド/メタクリル酸=18.5/56.2/8.3/10/4/3(質量比)を50%水溶液にして乳化重合させたエマルション樹脂。
(顔料ペースト)
トリポリリン酸ソーダ10%水溶液:0.5部
分散剤 :0.5部 (アデカコールW−193:(株)ADEKA製)
酸化チタン :28.7部 (R−930:石原産業株式会社製)
消泡剤 :0.4部 (アデカネートB−1015:(株)ADEKA製)
水 :9.96部
Figure 2013122011
<長期保存安定性試験2>
本発明品1〜4及び比較品1〜3を、上記のアクリル系エマルション樹脂100質量部に対し0.5部添加し、長期保存安定性試験1と同様の試験を行った。
Figure 2013122011
上記の長期保存安定性試験の結果を見ると、塗料の場合もエマルション樹脂の場合も、結果は同様の傾向であることがわかる。25℃という常温では長期の保存によって塗料やエマルションの粘度はほとんど変わらないが、低温あるいは高温で長期間保存すると比較品はいずれも粘度が10%以上上昇してしまう。一方、本発明品は、低温あるいは高温で長期保存しても、粘度の変化率は10%未満であり、それほど粘度は変わらない。

Claims (7)

  1. 下記の一般式(1)で表される粘性調整剤。
    Figure 2013122011
    (式中、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表し、R及びRは下記の式(2)又は(3)で表されるいずれかの基を表し、m及びnはそれぞれ3〜15の数を表し、xは40〜800の数を表し、yは1以上の数を表す。ただし、RとRの炭素数の和及びRとRの炭素数の和はいずれも10〜14でなければならない。)
    Figure 2013122011
    Figure 2013122011
  2. 一般式(1)のR及びRが同一の基であることを特徴とする請求項1に記載の粘性調整剤。
  3. 下記一般式(4)及び(5)に記載のアルコールにエチレンオキサイドを付加させた2級アルコールエトキシレートに、下記一般式(6)の化合物を反応させ、さらに下記一般式(7)及び(8)で表されるジイソシアネートを反応させることにより得られる、粘性調整剤。
    Figure 2013122011
    Figure 2013122011
    Figure 2013122011
    Figure 2013122011
    Figure 2013122011
    (式中、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜13の直鎖アルキル基を表し、R及びRは下記の式(2)又は(3)で表されるいずれかの基を表し、xは40〜800の数を表す。ただし、RとRの炭素数の和及びRとRの炭素数の和はいずれも10〜14でなければならない。)
    Figure 2013122011
    Figure 2013122011
  4. 一般式(4)に記載のアルコールにエチレンオキサイドを付加させた2級アルコールエトキシレートと、一般式(5)に記載のアルコールにエチレンオキサイドを付加させた2級アルコールエトキシレートが同一である、請求項3に記載の粘性調整剤。
  5. 一般式(7)で表されるイソシアネートと、一般式(8)で表されるイソシアネートが同一である、請求項3または4に記載の粘性調整剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘性調整剤を0.1〜5質量%含有することを特徴とするエマルション樹脂組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘性調整剤を0.1〜5質量%含有することを特徴とする水系塗料組成物。
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