JP2003054998A - Lcdガラスのための水で除去可能な被膜 - Google Patents

Lcdガラスのための水で除去可能な被膜

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    • C03C2218/355Temporary coating

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスシート、特にLCDガラスシートが切
断、研削、出荷および/または保管時において傷がつく
のを防護する。 【解決手段】少なくとも一種類の多糖類を含む水溶液を
ガラスシートの表面に塗布し、次に水溶液から水分を除
去して、多糖類含有被膜をガラスシートの表面上に残存
させる。この多糖類含有被膜は後に、水溶液を用いて、
かつ超音波洗浄および/またはブラシ洗浄と組み合わせ
て、ガラスシートの表面から除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスシートの一
時的な防護に関し、特に、液晶表示装置(LCD)の製
造に用いられるガラスシートの一時的な防護に関するも
のである。本発明は、例えばかかるシートを周囲の汚染
物質から防護し、かつ切断時または研削時においてシー
トにガラス片が付着するするのを阻止するのに有用であ
る。さらに、本発明はシートを引掻き傷がつくことから
防護することができる。
【0002】
【従来の技術】LCDガラスを含むガラスの多くの用途
では、塵埃および有機汚染物で実質的に汚れていない極
めて清浄なガラス表面が要求される。周囲環境にさらさ
れると、ガラスは急速に有機汚染物で汚染される可能性
があり、この汚染は数分以内に観察される。
【0003】ガラス表面およびエッジを切断し研削する
のに現在用いられている方法では、ガラス微小片(例え
ば1μmよりも大きく100μmよりも小さい)を生じ
易い。これら微小片の一部は清浄なガラス表面に除去不
能に付着して、そのガラスを多くの用途に使用すること
を不可能にする。このことは、LCDガラス表面の場合
に特に深刻な問題である。
【0004】LCDガラスは溶融引上げ法によって作成
することができ、この方法により、所望のサイズに切断
または研削され得る平坦で平滑なガラス表面を生む。切
断工程から発生するガラス微小片の一部は、ガラスの表
面から生じる。これら微小片の平坦な表面がガラス板の
表面に接触すると、微小片とガラス表面との間に、強い
接着を助長する大きな接触面積が生じ得る。もしこれら
二つの表面の間に水の薄い膜が凝縮すると、永久的な化
学的接着が生じる可能性があり、その場合、ガラス表面
へ接着したガラス微小片は除去不能になる。
【0005】ガラスシート、特にLCDガラスの周知の
防護方法の一つは、罫書き工程、切断工程および面取り
工程中、ガラスの両主要面をポリマーフィルムで覆うこ
とである。典型的な方法においては、一方の主要面にポ
リマーフィルムが接着剤で貼着され、他方の主要面には
ポリマーフィルムが静電気で貼着される。一方のフィル
ムは、ガラスシートのエッジ仕上げ(切断または研削)
が完了した後に取り除かれるが、他方のフィルムは、仕
上げ工程に先立って取り除かれる。接着剤が裏面に施さ
れたフィルムは、取扱い機器による引掻き傷がつくこと
からガラス表面を防護することができるが、別の問題の
原因となる。例えば、ポリマーフィルムは仕上げ工程中
に発生するガラス微小片を捕捉するであろうし、これに
より、特にガラス表面のエッジ近傍においてガラス微小
片を集積させ、かつガラス表面に引掻き傷を生じさせ
る。このフィルムに付帯する別の問題は、ガラス表面上
に接着剤を残留させる可能性があることである。フィル
ムを用いる方法のさらなる問題は、特に大きいおよび/
または薄いガラスシートに関して、フィルムをガラス表
面から引き剥がすときにガラスが割れることである。し
たがって、ガラス表面上に残留被膜を残さずにガラス表
面を微小片の付着から防護する方法、およびガラス表面
を一時的に防護する方法が必要になり、これらの方法に
よって、次の使用のために、清浄で被膜の付着していな
い表面を備えたガラス物品を容易に得ることができる。
【0006】LCDガラスを一時的に防護するのに用い
られるいかなる被膜であっても、その決定的な要素は除
去可能性にある。液晶表示装置の製造者は、半導体素
子、例えば薄膜トランジスタをガラス基板上に形成する
ことを一般的に含む複雑な製造工程の出発点としてLC
Dガラスを用いる。かかる工程に悪影響を与えないため
に、LCDガラスを防護するのに用いられるいかなる被
膜も、LCD製造工程の開始に先立って容易に除去する
ことが可能でなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述に鑑み、ガラスシ
ート、特にLCDガラスシートを防護するための方法に
関する技術においては、下記の特性を有することが必要
であった。すなわち、(1)新たに形成されたガラス
が、その形成の直後に実質的に防護されるように、その
方法は、全体のガラス形成工程に、特にガラス形成工程
の最後に、容易に組み込むことが可能な方法であること
が好ましく、他の多くの中でもこの基準に適合させるた
めに、被膜材料は、(a)ガラス形成ラインの環境(例
えば高温)に耐えることができ、かつ(b)その材料を
施す方法が、かかる環境で用いるのに安全な方法である
こと、(2)上記被膜は、ガラスシートの切断および/
または研削から生じる微小片の付着のみでなく、使用に
先立つ保管および出荷時にガラスが接触する可能性があ
る他の汚染物質、例えば微粒子の付着からもガラスを防
護しなければならないこと、(3)上記被膜は、切断お
よび/または研削時にガラスシートに通常接触すること
になる多量の水にさらされた後においても防護を継続す
るように十分に強靭でなければならないこと、(4)上
記被膜は、取扱い、出荷および保管時の引掻き傷がつく
ことからガラスを防護することが好ましいこと(ここで
引掻き傷は擦過傷をも含む)、(5)上記被膜は、最終
的な使用、例えば液晶表示装置の製造に先立って、実質
的に完全にガラスから取り除くことが可能なこと、
(6)上記被膜は、取扱い、出荷および保管の間に、被
膜がガラス上に施されていても、表面の化学的特性およ
び平坦性を変えることなく、清浄なガラス表面を保って
いること。
【0008】本発明は、この分野における長い間の要求
の応えてそれを満足させるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラスシート
の表面を、(1)周囲の塵埃、(2)ガラス微小片の付
着、および(3)好ましい実施の形態では引掻き傷がつ
くことから一時的に防護するための方法を提供するもの
である。
【0010】本発明の第1の態様によれば、本発明はガ
ラスをガラス微小片および引掻き傷がつくことから防護
する方法を提供するものであって、上記ガラスが少なく
とも一つの実質的に平坦な表面を有するものであり、上
記方法が、(A)(イ)少なくとも一種類の多糖類(例
えば澱粉)を含む水溶液を上記ガラス表面に塗布し、そ
の場合、上記ガラス表面が上記水溶液の塗布以前は8°
以下の接触角を有し、(ロ)上記水溶液から水分を除去
して、少なくとも0.01マイクロメートルの厚さを有
する(一般にコーティングされたガラス表面は少なくと
も25°、例えば約30°の接触角を有する)、コーテ
ィングされた多糖類含有被膜を上記ガラス表面上に残存
させる、ことによりガラス表面を防護し、(B)次に水
溶液を用いて上記多糖類含有被膜を実質的に除去する各
工程を含み、上記工程(B)の後、上記ガラス表面が8
°以下の接触角を有することを特徴とするものである。
【0011】本発明のこの態様によれば、この方法にお
いては、工程(A)と工程(B)との間に、(a)上記
ガラスを切断し、(b)この切断されたガラスの少なく
とも一つのエッジを研削および/または研磨する付加的
工程を含み、工程(a)および(b)の少くとも一方の
間、上記被膜を付されたガラス表面に水または水を含む
溶液を施し、上記被膜の表面は、工程(a)および
(b)以前の第1接触角と、工程(a)および(b)以
後の第2接触角とを有し、上記第1および第2接触角が
5°未満だけ異なる。
【0012】本発明の第2の態様によれば、本発明は製
品を提供するものであって、この製品は、(a)少くと
も一つの実質的に平坦な表面を備えた1枚のガラスシー
トと、(b)上記ガラス表面上の、少くとも0.01マ
イクロメートルの厚さを有する少くとも一種類の多糖類
を含む被膜とを備えた製造品であって、(イ)上記被膜
が上記ガラス表面をガラス微小片および/また引掻き傷
がつくことから防護し、かつ(ロ)上記被膜が、水溶液
を施すことを通じて上記表面から除去することが可能で
あることを特徴とするものである。
【0013】本発明の好ましい実施の形態によれば、上
記多糖類含有被膜がガラス製造工程の一部として形成さ
れ、この製造工程では、新たに形成されるガラスが高め
られた温度において製造され、このガラス製造工程にお
いて新たに形成されたガラスは、150℃を超える温度
において上記多糖類含有水溶液に最初に接触する。本発
明の方法は、ガラス製造工程に組み込まれることが好ま
しいが、所望であれば、独立的に実施されてもよい。
【0014】別の好ましい実施の形態では、上記被膜が
スプレイによって高温のガラス上に塗布される。被膜を
付すための他の手段、例えば、ディッピング、メニスカ
ス・コータ(meniscus coater )、ウィック・コータ
(wick coater )等を用いることもできるが、本発明の
方法がガラス製造工程の一部として採用される場合に
は、高温のガラスは工程の最終段階で、特にオーバーフ
ロー・ダウンドロー工程(overflow downdraw process
)が採用されるときには、高温のガラスが前後動する
ことが多いので、あまり好ましくない。
【0015】さらなる好ましい実施の形態では、洗浄剤
の水溶液、例えば市販の洗浄剤パッケージを用い、好ま
しくはブラシ洗浄および/または超音波洗浄と組み合わ
せて、被膜が除去される。一般に、被膜の除去に用いら
れる洗浄剤の水溶液は、40℃乃至75℃の温度に加熱
される。
【0016】本発明のその他の態様は下記に詳細に記述
されている。
【0017】
【発明の実施の形態】ここに実施の形態が説明されてい
るように、本発明は、除去可能な被膜をガラスシートの
表面に提供することによって、ガラスシートの表面を一
時的に防護する方法を提供するものである。
【0018】液晶表示装置ガラスに関して言えば、ガラ
スシートは、その上に形成されるLCD薄膜トランジス
タの品質を決定する出発点であるため、微粒子が付着し
ていないガラスシート(基板)は特に重要である。前述
のように、基板に対するガラス微小片の付着は、LCD
ガラスの製造において長い間の問題であった。特に、基
板製造時のボトム・オブ・ドロー(BOD)における罫
書きは付着性微粒子の主な供給源である。超音波洗浄お
よびブラシ洗浄により、短期間にガラスに堆積した微粒
子の一部を除去することはできる。しかしながら、数日
間以上に亘って基板上に堆積した微粒子に対しては、特
に、保管環境が高温多湿の場合には、洗浄工程は有効で
はない。
【0019】したがって、ボトム・オブ・ドローにおい
てLCDガラス表面に微粒子が付着するのを防止するこ
とができる防護被膜を備えることが切望されている。さ
らに、擦過傷に対する耐性を備えた微粒子防護被膜も切
望されている。さらに、基板をガラス微粒子による汚染
および擦過傷から防護することに加えて、この被膜は、
穏やかな洗浄手順、例えばブラシ洗浄と組み合わされた
40℃における超音波洗剤洗浄(例えば2%のSEMI
CLEAN KGによる洗浄)を含む洗浄手順を用いた
妥当な洗浄動力学をもって除去可能でなければならな
い。有機溶剤による洗浄は、健康、環境および安全の見
地から好ましくない。
【0020】市販の製品の多くは水溶性であるが、それ
らはガラス表面に対し強い相互作用を有するために、上
述の洗浄条件においては必ずしもガラス表面から洗い流
すことはできない。例えば、高温において水に良く溶け
る性質を持った多くの有機被膜が存在する。しかしなが
ら、それら洗剤の多くにとって40℃の温度は、完全に
ガラス表面から除去するのには低過ぎる。さらに、水に
対する良好な可溶性は必須条件であるが、被膜は、コー
ティング効果を損なうことなしに高温高湿の環境に耐え
なければならないから、高い吸湿性を持っていてはなら
ない。また、ガラスの表面の化学的性質を変えないため
に、被膜は化学的に活性であってはならない。
【0021】A.多糖類被膜 上述のように、本発明の被膜は、少くとも一種類の多糖
類を含む。特に本発明の被膜は、本質的に多糖類からな
ることが好ましい。ここで用いられている「…から実質
的になる」の語句は、被膜に物質的に影響を与え得る他
の成分を排除する意味である。したがって、「少くとも
一種類の多糖類から実質的になる被膜」は、少くとも一
種類の多糖類を含み、かつバインダ、溶剤等の、被膜に
物質的に影響を与えない他の成分をも含む。
【0022】多くの種類の天然の多糖類が知られてい
る。多糖類の一般的な論議および多糖類化学は、下記の
引用例内に見ることができ、それらの関連部分は引用例
として本明細書に組み込まれる。すなわち、Greenway
T.M.“Water-Soluble Cellulose Derivatives and Thei
r Commercial Use",Cellulosic Polymers,Blends,and C
omposites,R.D.Gilbert,editor,Hanser Publishers,New
York,1994,173-188;Evans,R.B.and Wurzburg,O.B.,“P
roduction and Use of Starch Dextrins",Starch:Chemi
stry and Technology,Volume 2,R.L.Whistler and E.F.
Paschall,editors,Academic Press,New York,1967,254-
278;Kitamura,S.,“Starch Polymers,Natural and Synt
hetic",Porymeric Materials,Encyclopedia,J.C.Salamo
ne,editor,CRC Press,Boca Raton,Florida,1996,7915-7
922;and“Polysaccharides I:Structure and Functin"a
nd “Polysaccharides II:Chemical Modifications and
Their Applications",Essentials of Carbohydrate Ch
emistry,J.F.Robyt,editor,Springer,New York,1998,15
7-227 and 228-244.
【0023】殆どの精製されていない天然の多糖類の水
溶性は低いが、生産者は、例えば酸または酵素加水分解
を用いて天然の産物を分解し改質して、食品、紙、医
薬、化粧品および塗料のような種々の工業的用途に適合
させている。改質によって、種々の水溶性および粘性を
備えた多糖類の市販品が入手可能である。
【0024】澱粉誘導体、例えばコーンスターチ誘導体
およびセルロースエーテル、例えばDow Chemi
cal社が販売しているMETHOCELセルロースエ
ーテルが最も一般的な工業生産多糖類である。低分子量
の製品はすばらしい水溶性を有する。これらは、光沢の
ある、強靭でフレキシブルな被膜を形成する。これらの
材料は食品および医薬産業、例えばピルの製造に使用さ
れ、これらの材料で形成された被膜は無毒である。
【0025】多糖類からなるMETHOCEL一族は、
セルロースエーテルの基本的な二つのタイプ、すなわち
メチルセルロースとヒドロキシルプロピル・メチルセル
ロースを含む。澱粉のように、セルロースはDグルコー
ス単位の鎖からなるが、異なるグリコシド結合構造を有
する。すなわち重合体主鎖がすべて直鎖状のβ−1,4
−グルコシド鎖である。この構造は、セルロースと澱粉
との間の種々の特性差の原因となる。例えば天然に生成
するセルロースは2,000,000までの高い分子量を
持った難水溶性の物質である。
【0026】セルロースをいかに改質するかによって、
セルロースエーテル製品は、水溶性、表面活性および増
粘のような特性を種々に変えることができる。METH
OCEL製品は、ヒドロキシル置換度(最初の文字)お
よび粘度(最初の文字の次の番号)によって命名されて
いる。表1および表2は、METHOCELのグレード
のコード化の分類系を示し、表2の粘度はMETHOC
EL Aに関するものである。1個のグルコピラノース
環の中にヒドロキシル基が3個あるだけなので、最大置
換度は3である。
【0027】METHOCELセルロースエーテルは水
溶性であるが、この物質の水溶液が所定の温度を超えて
熱せられるとゲルを形成する。METHOCELフィル
ムはMETHOCEL溶液から水分を蒸発させることに
よって作ることができ、得られたフィルムは、透明、強
靭、フレキシブルでかつ無毒である。低い温度の水溶液
中で、フィルムは再水和されてゲルを形成することがで
き、次いで溶液に戻ることができる。
【0028】上述の澱粉およびセルロース製品に加え
て、ヒドロキシルセルロース誘導体、滲出ガムおよびそ
れらの誘導体、ならびにアルギネートを含む他の多糖類
を本発明の実施に用いることができる。本発明の実施に
は、単一の多糖類または複数の多糖類の混合物を用いる
ことができ、例えば、一種類の多糖類、または2種類、
3種類、またはそれ以上の多糖類混合物で被膜を形成す
ることができる。また、それぞれ異なる多糖類を含む複
数の被膜を順次ガラス表面に施してもよい。
【0029】上記混合物および/または複数の被膜は、
一つの類内の多糖類(例えば複数の澱粉の混合物)から
なるものであっても、複数の類(例えばセルロースエー
テルと澱粉との混合物)からなるものであってもよい。
本発明で用いるには澱粉が最も好ましい。ここで用いら
れている「澱粉(単数および複数)」とは、水溶性澱粉
と水溶性澱粉誘導体との双方を含む。
【0030】B.澱粉被膜 澱粉は天然に生成するポリマーである。ポテト、コー
ン、タピオカ、小麦、およびその他の多くの植物が澱粉
の市販原料である。澱粉の基本的特性の一部は、水溶性
と生分解性、すなわち微生物による分解性である。
【0031】化学的には、澱粉はα−1,4グルコース
結合またはα−1,6グルコース結合を通じて結合され
たDグルコースである。澱粉重合体構造には二種類、す
なわちアミロース構造とアミロペクチン構造がある。ア
ミロースは、α−1,4グルコース結合を介して形成さ
れた線状澱粉分子である。アミロペクチンは、それぞれ
がα−1,6グルコース結合を介して結合された20な
いし25単位のDグルコースを備えた数個の短い線状ア
ミロース鎖が存在する枝分れ澱粉分子である。
【0032】天然の澱粉は冷水可溶性の粒体として存在
する。これら粒体は、直接的または水和物を介した水素
結合によって会合されて、配向されたミセルまたは結晶
領域を形成するアミロース分子およびアミロペクチン分
子からなる。水が加えられると、澱粉粒体は水分を吸収
して膨潤する。温度を上げると粒体はさらに膨潤して、
溶液の粘度が増大する。粘度が最大になった時点で澱粉
粒体構造は崩壊する。その後、粘度が徐々に増大して、
最大温度の点を通過した後に透明の溶液が生成する。
【0033】天然の澱粉と比較すると、本発明の使用に
適した澱粉は、天然材料の、または天然の澱粉由来の高
分子量澱粉生成物の、酸または酵素分解の結果として、
より低い分子量およびより低い粘度を有する。これらの
より低い分子量およびより低い粘度のために、乾燥がよ
り速く、水性洗浄溶液によりガラス表面から洗浄するの
が容易な被膜が得られる。酸または酵素で分解された澱
粉も冷水で優れた可溶性を有する。これらの分解された
澱粉製品はデキストリンとも呼ばれる。
【0034】水を主体とするスプレーコーティングは、
微粒子および擦過傷から防護するためのコーティングを
ガラス表面に施すのに好ましい方法である。かかるコー
ティングを施す場合水溶液は、0.1センチポアズ乃至
100センチポアズの粘度を有することが好ましい。こ
れらの被膜は、妥当な時間内に、例えば一般に2乃至1
5分間に、比較的低い温度の水性洗浄溶液で、例えば3
0℃乃至75温度℃の溶液温度で、防護していたガラス
表面から除去することができる。
【0035】適当な澱粉の具体例は、微生物で分解さ
れ、プロピレンオキシドで改質された蝋性トウモロコシ
澱粉製品であるPURITY GUM 59、および、
酸加水分解されたタピオカ澱粉デキストリンであるCR
YSTAL TEX 627である。これら双方の製品
は、ニュージャージー州ブリッジウォーター所在のNati
onal Starch & Chemical社から入手できる。これらは、
濃度2.5%で1乃至2センチポワズという低溶液粘度
を有しかつ光沢のある非吸湿性の強靭なフィルムであ
り、40℃あたりの、通常被膜を除去するのに用いられ
る温度においてはゲル化しない。
【0036】C.随意的な被膜成分 上述のように、澱粉被膜は、バクテリアおよび菌類のよ
うな微生物によって冒されることを意味する生分解性を
有する。その他の多糖類もまたかかる攻撃にさらされ
る。したがって、本発明の被膜は、保管時および出荷時
における微生物の攻撃を排除または軽減する殺菌剤を含
むことが好ましい。市販のKATHONLX(Rohm & H
aas 社製)およびDOWCIL 75(Dow Chemical社
製)は、この目的に用いることができる殺菌剤の具体例
である。硼酸も微生物の成長を抑制するのに用いること
ができる。
【0037】上記被膜にはまた、ポリヒドロキシ化合物
であり得る一種または多種の可塑剤を含ませることがで
きる。適当な可塑剤の具体例は、ソルビトール、グリセ
ロール、エチレングリコール、およびこれらの混合物で
ある。かかる化合物は、低湿度で被膜が脆くなる傾向を
抑えることができる。これらは、被膜の平滑性、耐磨耗
性および伸び率をも改善することができる。
【0038】本発明の被膜は、ガラス表面に強力に付着
してガラス表面からの除去を困難にするような有機分子
その他の分子を含まないことが好ましい。かかる分子の
具体例は、長炭素鎖(例えば18個を超える炭素)イオ
ン界面活性剤、シラン、およびシロキサンである。
【0039】本発明の水性コーティング溶液の濃度は下
記の通りであり、濃度値は溶液の最終的な重量に対する
重量%で表されている。
【0040】多糖類成分…0.1%乃至30%、もし多
糖類(例えば澱粉)が高粘度溶液を生成させる場合には
低い濃度値が好ましい。 殺菌剤…殺菌効果に応じて50ppm乃至0.1%。殺
菌剤は被膜の化学的、機械的特性を変える可能性がある
から、殺菌剤の濃度は多糖類成分の重量の20%を超え
ないようにすべきである。 可塑剤…0%乃至30%。
【0041】上述の随意的成分のリストはすべてを網羅
するものではなく、所望であれば、本発明の被膜に別の
成分を含ませることができる。
【0042】D.被膜の形成 本発明の被膜は、多糖類と水性溶剤(例えば脱イオン
水)との溶液をガラス表面にスプレーし、かつ水性溶剤
を被膜から蒸発させることによって、ガラス表面に形成
するのが好ましい。例えばコーティング溶液は、20乃
至60psi (140乃至420×10Pa )の圧力
を持ったエアガンを用いて、20乃至250℃の範囲の
温度を有するガラス表面へ塗布することができる。
【0043】上述のように、コーティングは、新たに形
成されたガラスシートに対し、その形成工程の直後に施
すことが好ましい。特に、上記溶液は、ガラスの温度が
100℃以上、好ましくは150℃以上、最も好ましく
は180℃以上の温度の時にガラスに施され、この場合
のガラスの温度は、ガラス作成分野で一般的に用いられ
ている形式の赤外線検知器で測定することが好ましい。
【0044】多糖類および、特に澱粉は、約250℃を
超えると分解し始める。したがって、コーティングを施
す時点でのガラスの温度は、例えば溶融引上げ法による
ガラス製造装置内で新たに形成されたガラスが極めて速
かに達し得る250℃未満であることが好ましい。しか
しながら、多糖類/水の溶液が塗布されるため、かつ水
が高い蒸発熱を有するため、ガラス表面における水分の
蒸発によりガラスが急激に冷却される。したがって、コ
ーティング溶液は、例えば300℃のガラスに対して、
著しい分解を伴うことなしに施すことができる。
【0045】上記水性溶液の温度は20℃乃至85℃の
範囲、すなわち熱せられた溶液を用いることが好まし
い。熱せられた溶液を用いることの一つ利点は、ガラス
基板の温度が150℃未満のときに被膜の乾燥を助長す
ることである。また熱せられた溶液は室温の溶液よりも
低粘度のため、溶液の霧化を達成できる利点もある。勿
論、水性溶液の温度は、ゲル化点を有するこれらの多糖
類を用いる場合には、その多糖類のゲル化点未満でなけ
ればならない。
【0046】被膜の形成をガラス製造工程の一部として
行なうことは、ガラスが清浄であり、かつ上記被膜が後
工程においてガラスを防護することから利点がある。高
められた温度においてガラスにコーティングを施すこと
は、ガラスが形成される速度に左右される被膜形成時間
を比較的短くし、かつ被膜形成工程の終了時において所
望の最低ガラス温度を保たなければならないことを意味
する。
【0047】ガラスは、フロート法、スロット引上げ
法、溶融引上げ法を含むいくつかの異なる方法によって
作成することができる。例えば引例として全部が本発明
に組み入れられる米国特許第3,338,696号および
第3,682,609号を参照されたい。スロット引上げ
法および溶融引上げ法においては、新たに作成されたガ
ラスシートが鉛直方向に向けられる。かかる場合には、
水性溶液は水滴が形成されない条件の下に塗布されなけ
ればならない。なぜならば、かかる水滴は、ガラスの切
断を妨害するから、例えば水滴はガラスのひび割れの原
因となり得るからである。一般的に言うと、コーティン
グ工程を通じて、ガラスが100℃を超える温度に保た
れるようにスプレー量を調節することによって、水滴の
発生を阻止することができる。スプレー量を調節、例え
ば減少させるのにつれて、溶液中の多糖類の濃度も調
節、例えば増大させる必要があり、これにより、適切な
量の多糖類がガラス表面に達してガラス表面を完全にコ
ーティングする。
【0048】スプレー以外に、コーティング材料の溶液
に浸漬されたフレキシブルな材料からコーティングを施
すこともできる。その他の可能な方法として、ディッピ
ング、メニスカスコーティング、ローラ、ブラシ、スピ
ンコーティングまたはコーティング溶液をガラス表面に
接触さえるその他の方法が含まれる。スプレーは、ガラ
ス製造工程において案内されるガラスの移動に容易に調
和させることができるために、最も好ましいと考えられ
る。所望であれば、ガラスの両面に順次コーティングを
施すことも可能であるが、一般的には、ガラスの両面に
同時にスプレーを行なう。
【0049】被膜の厚さは、0.01μmよりも厚くす
べきであり、50μm未満が好ましい。被膜の厚さは
0.1乃至20μmが最も好ましい。被膜が薄過ぎると
ピンホールが生じ易く、すなわち多糖類の連続した層が
形成されない。被膜が厚過ぎると、被膜をガラス表面か
ら除去するのに長時間を要し、かつコーティング材料全
体の使用量が増大する。
【0050】E.被膜の除去 防護被膜の成功の鍵は、被膜が上記製造工程に耐え、な
おかつ望ましい時に除去可能なことである。多糖類から
なる被膜は、ガラスが初めて罫書かれる以前にガラスに
施すことができ、後工程に耐えるために十分強靭であ
る。被膜は、市販の洗浄剤パッケージ単独でも、ブラシ
洗浄およまた超音波洗浄と組み合わせても除去すること
ができる。洗浄液を用いた除去が好ましいが、別の方法
として、被膜の酸化、例えばオゾン主体の酸化を、単独
または他の除去手法と組み合わせて用いることもでき
る。
【0051】さらに、水を主体にした超音波洗浄または
ブラシ洗浄またはこれらの組合わせが、本発明の被膜の
除去に適している。その一方で、洗剤を使用すること
は、主として油性の物質または微粒子のような他の汚染
物質を除去するために必要である。一般に、水性洗浄液
は2〜8%の濃度とアルカリpHで用いられる。20℃
乃至75℃の洗浄温度が適しているが、温度が高い方
が、被膜、微粒子および有機汚染物をより効果的に除去
することができる。洗浄時間は通常2乃至15分であ
る。
【0052】被膜の除去は、ガラス製造者が実施しても
よいが、最終ユーザ、例えば液晶表示装置の製造者に出
荷されてから、そのユーザが被膜をガラスから除去して
もよい。
【0053】被膜の除去を確認するために、被膜の除去
前および除去後にガラス表面の濡れ度合を測定してもよ
い。この濡れ度合の測定は、ガラス表面上の液滴の接触
角を測定することによって容易に行なうことができ、こ
の測定は、従来から知られている種々の方法によって実
行することができる。接触角測定の概略図が図1に示さ
れており、ここで、θ は、従来から付着水滴接触角
とも呼ばれている接触角を表す。被膜を除去した後のガ
ラス表面の付着水滴接触角は8度未満の値を有する。被
膜除去を測定するのに用いられる他の方法はESCAお
よびTOF−SIMSを含む。
【0054】F.本発明の代表的効果 本発明の効果の一つは、ガラスが、例えば保管または輸
送時にさらされる可能性がある周囲の汚染物質からガラ
スシートを防護する能力である。
【0055】本発明の他の効果は、ガラスシートが切断
または研削されるときに微小片の付着を軽減する能力で
ある。上述のように、ガラス微小片の付着は、ガラスを
切断または研削する製造工程、特にLCDガラスの製造
工程において重大な問題である。
【0056】特に、本発明は、ガラスシートの表面に安
定かつ除去可能な被膜を設けることによって、微小片の
付着を軽減するものである。ここで、「安定かつ除去可
能な被膜」とは、ガラスに接着され、かつ取扱い、保管
および出荷時には除去されたり劣化したりすることはな
いが、洗浄段階では除去可能である被膜を意味する。こ
の被膜は、ガラス表面のシリカとの相互作用でガラスに
接着し、ガラス表面とガラス微小片との間の障壁として
作用する。被膜は、ガラス微小片がガラスシートの表面
に接触するのを軽減乃至阻止するので、微小片付着の機
会が低減される。
【0057】本発明のさらなる利点は、被膜除去後のガ
ラス表面が、コーティングを施す以前のガラス表面と同
じ化学的特性と平滑性とを有することである。例えば、
被膜除去後のガラス表面は、原子間力顕微鏡(AFM)
で測定したRMS表面粗さが0.36ナノメートル以下
であることが好ましい。
【0058】G.具体例 以下の具体例は、本発明を詳細に説明するものである
が、本発明の範囲を特定の実施の形態に限定することを
意図するものではない。
【0059】具体例1 4種類の澱粉(PURITY GUM59,N−TAC
K,NADEX772,CRYSTAL TEX62
7)をNational Starch & Chemical 社(ニュージャジ
ー州ブリッジウォーター所在)から購入し、かつ5番目
の澱粉(EMSIZE CMS60)をKalamazoo Pape
r Chemicals 社(ミシガン州リッチランド所在)から購
入した。これらの澱粉製品は、原料澱粉を酵素又は酸を
用いて加水分解することによって生産されたものであ
る。これらはすべて原料澱粉から生産されたものである
が、分子量、pHおよび化学的改質剤は異なる。また、
これらは異なる原料から作られている。
【0060】表3は、これら製品間の差異を示してい
る。これら製品のすべては、多分散系とされ、したがっ
て比較的広い分子量分布を有し、天然の澱粉よりも少な
いが5000を超える平均分子量を有する。EMSIZ
E CMS60は最大の平均分子量を有し、PURIT
Y GUM59がこれに続く。最小の平均分子量を有す
る製品はCRYSTAL TEX627およびNADE
X772である。
【0061】7種類のMETHOCELブランドのセル
ロースエーテルをDow Chemical社(ミシガン州ミッドラ
ンド所在)から購入してテストした。テストに用いたガ
ラス基板は、Corning 社(ニューヨーク州コーニング所
在)によって製造された1737LCDガラス(5イン
チ×5インチ(12.7cm×12.7cm)×0.7
mm)であった。各ガラスシートの一方の表面は接着剤
で貼られたポリマーフィルムで覆われ、他方の主表面に
はフィルムが静電気で貼られていた。双方の被膜は剥が
され、静電気でフィルムが貼られていた方の表面にスプ
レーコーティングが施された。
【0062】実験に使用された手順は、(1)基板の予
洗浄と水の接触角を用いた清浄度レベルの測定、(2)
基板の加熱とスプレーコーティング、(3)コーティン
グされた基板の接触角の測定、(4)被膜の除去、
(5)被膜除去後、再び接触角法を用いた基板の清浄度
レベルの測定である。
【0063】被膜の除去のみでなく基板の予洗浄にも次
のステップが用いられた。(1)2%のSEMICLE
AN KGを基板または被膜上にスプレーし、クリーン
ルームクロスを用いて手で擦り洗いを行ない、(2)基
板または被膜に対し15分間超音波洗浄を施し(40k
Hz,2%EMICLEAN KG,40℃〜50
℃)、(3)基板または被膜をブラシクリーナ(ULT
RATECH605フォトマスク/基板クリーナ)でブ
ラシ洗浄し、遠心脱水機にかけた。
【0064】スプレーコーティングを行なうときの基板
の温度は、被膜の特性に影響を及ぼす。より高い温度で
は、コーティング材料が乾燥し過ぎ、分解または酸化の
ような化学的変化が生じ易い。これらの変化は、ガラス
表面とコーティング材料との間の接着力に強い影響を与
える。もし基板の温度が低過ぎると、被膜の乾燥が極め
て遅く、被膜の表面に水滴が残る。遅い乾燥および水滴
の残留は望ましくない。
【0065】前述のように、本発明のコーティングは、
例えば200℃〜300℃の温度を有する基板に施すこ
とができる。実験室でこれらの温度をシミュレートする
ために、予洗浄された冷たい基板を熱板上で予熱し、ス
プレーのために熱板上から除去する。熱電対を用いて測
定した、熱板から除去される直前の基板の温度(T1)
およびスプレー直前の温度(T2)が表4に示されてい
る。このデータは、もし熱板上の温度が300℃である
と、スプレー温度は190℃未満になり、もし熱板上の
温度が350℃を僅かに超えると、スプレー温度は20
0℃を僅かに超えることを示している。手作業による偏
差があるため、温度が340℃±10℃近辺になったと
き、基板をコーティングのために熱板上から除去して、
コーティング開始温度が200℃近辺になるようにし
た。
【0066】接触角は、採用するのに最も速く、かつ最
も容易な手法であることから、被膜除去に関する主要な
特性表示手段である。澱粉およびMETHOCELは有
機ポリマーであり、ガラス表面よりも低い表面エネルギ
ーを有するから、これらの被膜については、より大きい
水の接触角が観察される。もしガラス表面がポリマー残
留物がなく極めて清浄であれば、ガラスの高い表面エネ
ルギーによって、接触角は極めて小さくなる。したがっ
て、被膜を除去したときの水の接触角の変化によって示
されたような、清浄なガラス表面とポリマー被膜との間
の表面エネルギー差を、被膜が除去されたか否かの巨視
的な判定に利用することができるのである。接触角情報
を補って、被膜が残留物の痕跡をとどめずに完全に除去
されたか否かを決定するために、微視的方法を用いるこ
とができる(具体例2参照)。
【0067】表5は、テストされた澱粉およびMETH
OCELにおける水の接触角をまとめたものである。機
器を用いて測定可能な最小の水の接触角は8度であり、
この値を清浄な表面の指標として用いた。すなわち、コ
ーティングを施す以前のガラス表面は8°以下の接触角
を有していた。
【0068】5種類の低粘度澱粉製品は、上述の洗浄方
法を用いることによって除去可能であることが判明し
た。N−TACK被膜は、他の被膜よりも除去しにくい
ので望ましくない。PURITY GUM59およびN
−TACKは中性に近いpHを備えている。PURIT
Y GUM59はアミロペクチンのみのポリマーであ
る。線状アミロース構造に比較して、枝分れアミロペク
チンは良好な可溶性を備えている。EMSIZE CM
S60は、メチルカルボキシレートのナトリウム塩であ
るため、高いpH値を有する。かかる高いpH値は、長
期間の保管および輸送の間に表面腐食を生じる可能性が
あるため望ましくない。
【0069】表5のデータは、METHOCEL被膜の
いずれもが、これら製品の分子量はテストされた澱粉製
品の分子量に匹敵するのにも拘らず、完全に除去されな
かったことを示している。いかなる動作理論にも縛られ
るつもりはないが、METHOCEL被膜は、METH
OCEL分子の分子間/分子内水素結合によって完全に
は除去されなかったと思われる。J.E.Glass,Water-Solu
ble Polymers,American Chemical Society,Washington
D.C.,1986,14 を参照のこと。
【0070】テストされた澱粉のすべては70%を超え
るアミロペクチンを含んでいる。アミロペクチン主鎖構
造中には多くの枝分れ構造が存在する。一方、セルロー
スエーテルは1個の線状主鎖を有するのみである。枝分
れ構造は澱粉分子間の水素結合を分裂させて、かかる製
品を同一の分子量を有するMETHOCEL製品よりも
可溶性にする。線状構造はまた、セルロースエーテル分
子間に、より強い水素結合を生じさせる。これらの作用
はすべて、METHOCEL分子を澱粉よりも除去を困
難にする。
【0071】METHOCEL溶液に硼酸を加えた場
合、METHOCEL被膜のすべてがガラス表面から完
全に除去された。硼酸を加えると、METHOCEL分
子のガラス表面との相互作用部位を減らすと考えられ
る。
【0072】殺菌剤が被膜の洗浄性に影響を与えるか否
かを測定するために、2種類の一般的殺菌剤、すなわ
ち、Dow Chemical社により生産されたDOWCIL75
と、Rohm & Haas 社により生産されたKATHON L
Xとをテストした。表6のデータは、殺菌剤を含む被膜
もやはり前述した洗浄法によって容易に除去されること
を示している。したがって、被膜の除去に悪影響を与え
ることなしに殺菌剤を用いることができる。
【0073】予洗浄されたガラス基板を、澱粉コーティ
ングを施す以前に熱処理することによって「活性化され
た」ガラス表面の効果を実験した。さらに詳細に述べる
と、基板を実験炉内で600℃に20〜30分間余熱
し、かつ炉から取り出す前に350〜380℃まで冷却
した。次にこの基板を熱板上に置き、前述の手順でコー
ティングを施した。コーティングは、サンプルを炉から
取り出してから30乃至90分以内に行なった。表6
は、この方法で処理した基板の接触角を示す。この表か
ら分かるように、澱粉被膜は活性化された表面からも除
去可能である。
【0074】上記の結果は、本発明の多糖類被膜、特に
本発明の澱粉被膜は、優れた水溶性を有し、ガラス表面
に僅かの残留物も残さないことを示している。
【0075】具体例2 具体例1の3種類の澱粉被膜、すなわちPURITY
GUM59,CRYSTAL TEX627およびEM
SIZE CMS60の微粒子防護能力をテストした。
【0076】概略的に言うと、実験手順は下記のステッ
プを含む。すなわち、(1)ガラス基板の予洗浄と最初
の微粒子数の測定、(2)基板のディップコーティング
と被膜のエア乾燥、(3)基板の2分間加熱、(4)コ
ーティングされていない標準サンプルとコーティングさ
れた基板との2枚のLCDガラスのエッジを削ることに
より基板をガラス微粒子で汚染、(5)微粒子に汚染さ
れた基板およびすべての標準サンプルを湿度85%、温
度85℃の加湿室内で7日間エージング、(6)基板洗
浄、(7)洗浄された基板上の微粒子計数。
【0077】基板上の微粒子計数値の変化は、工程の前
後の計数値の比較によって求めた。コーティングの微粒
子防護効果は、コーティングされた基板上とコーティン
グされていない基板上との微粒子密度の変化を比較する
ことによって評価した。
【0078】微粒子汚染とエージングとは正常な化学実
験室で行なった。洗浄、コーティングおよび微粒子検査
はクリーンルーム内で行なった。コーティングをクリー
ンルーム内で行なった目的は、基板を未知の汚染源に接
触させないためである。スプレーコーティングはクリー
ンルームを汚染する大きな可能性を秘めているので、こ
れらの実験のためのクリーンルーム内でディップコーテ
ィングを行なった。
【0079】基板は、5インチ×5インチ(12.7c
m×12.7cm)の正方形で、厚さ0.7mmの17
37LCDガラスを用いた。これらガラス基板は、人手
による擦り洗いと、続くSEMICEAN KG2%溶
液中での超音波洗浄とを用いて予め洗浄した。清浄にさ
れた基板上における最初の微粒子数は、基板を空気乾燥
した後に測定した。
【0080】清浄にされた基板をコーティング溶液に1
枚ずつ浸し(5秒未満)、取り出してから一晩空気乾燥
を行なった。乾燥した基板を200℃で2分間加熱し、
スプレーコーティング温度をシミュレートした。いくつ
かの標準サンプルが予め清浄にされたケースにそれぞれ
容れられている外は(下記参照)、第1の開放PYRE
X(登録商標)ラック上の全ての、微粒子に汚染された
サンプルと、第2の開放PYREX(登録商標)ラック
上の全ての、汚染されていないサンプルとを、150℃
にセットされたオーブン内に5分間配置した。この予熱
は、被膜の一部を洗い流すおそれのある水分が、高温/
高湿の加湿室内で冷えた基板上に凝縮するのを避けるた
めに行なったものである。基板は直ちにTEFLON
(登録商標)ラックに移し、湿度85%、温度85℃の
加湿室内に配置した。7日後、基板を洗浄のめに加湿室
から取り出した。
【0081】洗浄は、(1)室温の脱イオン水での基板
を水洗いし、その後、乾燥を防止するために基板を脱イ
オン水に漬け、(2)40℃のSEMICLEAN K
Gの2%溶液で手洗いし、(3)40℃のSEMICL
EAN KGの2%溶液中で15分間超音波洗浄(40
kHz)を行ない、(4)脱イオン水で漬洗いし、
(5)40℃の脱イオン水中で3分間超音波洗浄(40
kHz)を行ない、(6)40℃の脱イオン水中で5分
間超音波洗浄(70kHz)を行ない、(7)脱イオン
水で漬洗いし、空気乾燥するという順序で行なった。超
音波洗浄の周波数を多様化したのは、より広いサイズ範
囲の微粒子を洗浄するためである。
【0082】微粒子の数は、CCDカメラを用いて光の
分散を検出して計数した。この機器は、すべてのサイズ
の微粒子に関する情報と、10μm以上の微粒子に関す
る情報とを提供した。
【0083】汚染源を特定しかつコーティングされた基
準サンプルとして、下記のような種類の標準サンプルを
用いた(表7も参照されたい)。
【0084】標準サンプルA:コーティングも汚染もさ
れていなかった。この標準サンプルは、予め清浄にされ
たTEFRON(登録商標)ケース内に保管した。この
ケースはクリーンルーム内のみで開放した。
【0085】標準サンプルB:コーティングされていな
かったがガラス微粒子に汚染されていた。この標準サン
プルは、コーティングの微粒子防護効果の認定のために
用いた。
【0086】標準サンプルC:コーティングも汚染もさ
れていなかった。この標準サンプルCと標準サンプルA
との差異は、本標準サンプルが、コーティングかつ汚染
された基板とそっくり同じ環境にさらされていることで
あった。したがって、この標準サンプルは、削り取られ
たガラス微粒子以外の汚染物質を検出することができ
た。
【0087】標準サンプルD:コーティングされていた
が微粒子に汚染されていなかった。この標準サンプル
は、コーティング自体からの汚染に関する情報を提供し
た。
【0088】表8乃至表11は、コーティング以前(最
初)から最終洗浄後(最終)までの異なる基板に関する
微粒子密度の変化をまとめたものである。「重汚染領域
の増大量」と題する欄は、酷く汚染された領域、すなわ
ち微粒子密度が1平方cm当り25個を超える領域の増
大量を示す。次の欄は、酷く汚染されてはいない領域に
おける最終および最初の微粒子密度に基づいて計算され
た、調整(修正)された微粒子密度の増大量を示す。各
コーティング溶液および標準サンプルはそれぞれ3通り
作成され、調整された平均密度増大量およびその標準偏
差は最終欄に示されている。表における負の値は、最終
微粒子密度が最初の密度よりも低いことを意味する。
【0089】前述したように、微粒子計数機器は、10
μm以上(≧10μm)の微粒子に関する情報、および
検出されたすべての微粒子(>0μm)に関する情報を
提供した(>0μmの微粒子数=0μm乃至10μmの
微粒子数+≧10μmの微粒子数)。すべての重汚染の
データは、>0μmの微粒子に基づいている。表8およ
び表10のデータは、すべての検出された微粒子(>0
μm)に関するものであり、表9および表11のデータ
は、10μm以上(≧10μm)の微粒子に関するもの
であり、あるサンプルは酷く汚染され、その他は酷く汚
染されてはいなかった。酷く汚染されたサンプルは、調
整された微粒子密度が示すよりもずっと多く汚染されて
いた。調整された微粒子密度を用いて、酷く汚染された
サンプルを酷く汚染されてはいないサンプルと比較する
のは困難である。しかしながら、標準サンプルAのすべ
ておよび澱粉をコーティングされたサンプルのほとんど
すべて(1枚を除く)は酷く汚染されてはいないが、標
準サンプルBおよびCのすべては酷く汚染されていた。
したがって、コーティングされたサンプルは、酷い汚染
に関係なく標準サンプルAと比較することができる。密
度の最大値は、ある場合には、平均値に比較して比較的
大きい微粒子密度偏差を考慮に入れて比較に用いられ
る。
【0090】標準サンプルについての結果 標準サンプルAは清浄な環境内に保管されていたため、
最も清浄なサンプルであると思われた。最初の実験(表
8および表9)では、標準サンプルAのみが工程の最後
まで生き残った。標準サンプルAに関する、より満足す
べき正確なデータが、2番目の実験に関する表10およ
び表11に示されている。標準サンプルAは、標準サン
プルB,Cに比較して>0μmレベルと≧10μmレベ
ルとの双方において極めて清浄であった。標準サンプル
B,Cの全ては酷く汚染されていたが、標準サンプルA
はそうでなかった。>0μmレベルにおいて、標準サン
プルAの調整された最大微粒子密度増大量は、0.24
+0.25=0.49個/cm であったのに対し、
標準サンプルBでは、3.76+1.35=5.11個
/cm であった(表10参照)。したがって、標準
サンプルAは約10倍も清浄であった。≧10μmレベ
ルにおいても、標準サンプルAの調整された最大微粒子
密度が0.00+0.06=0.06個/cm であ
ったが、標準サンプルBでは、1.87+0.42=
2.29個/cm であった(表11参照)。標準サ
ンプルAは30倍乃至40倍も清浄であった。標準サン
プルAについては酷い汚染なく、かつ標準サンプルBの
調整された微粒子密度については重汚染領域が計算され
なかったので、標準サンプルBは、微粒子密度数が示す
よりもずっと汚染されていた。
【0091】標準サンプルCはガラス微粒子には直接汚
染されなかったにも拘らず、それでも酷い汚染を示し
た。その理由は、これらのサンプルには防護がないた
め、周囲環境から汚染物質を拾ってしまったからであ
る。重汚染領域を無視しても、これらのサンプルには、
標準サンプルAよりも、>0μmレベルにおいて約2倍
の微粒子が付着しており、かつ≧10μmレベルにおい
て6倍の微粒子が付着していた。
【0092】PURITY GUM59 統計的に、PURITY GUMでコーティングされた
サンプルは、双方の微粒子サイズレベルにおいて標準サ
ンプルAと同様に清浄であった。これらはいずれも酷い
汚染を受けなかった。一般に、標準サンプルBの重汚染
領域は考慮にいれないことにしても、この澱粉の2.5
%溶液でコーティングされたサンプル上の微粒子は、標
準サンプルBに比較して10倍乃至20倍少なかった。
【0093】コーティング溶液の濃度が2.5%から1
0%に増大するにつれて、コーティングされた基板の微
粒子密度は、>0μmレベルにおいては僅かに増大した
が、≧10μmレベルにおいてはほぼ同様であった。5
%溶液でコーティングされた汚染サンプルおよび非汚染
サンプル上の微粒子密度はほぼ同じであり、このこと
は、より高い濃度による微粒子密度の僅かな増大が、削
られたガラス微粒子に起因するものではないことを示唆
している。またこのことは、コーティング溶液の濃度に
よる微粒子密度の増大が、より高い濃度におけるコーテ
ィング材料の残留に起因することを示唆している。≧1
0μmレベルにおいては微粒子密度が変わらないため
に、コーティング材料の残留物のサイズは10μmより
も小さかったと思われる。10μm未満の残留物は大し
た心配はいらないが、これらの残留物を除去するため
に、さらなる洗浄作業、例えばブラシ洗浄を採用しても
よい。
【0094】表10および11に示されているように、
単一C16炭素鎖を備えたカチオン界面活性剤であるセ
チルトリメチルアンモニウムブロミドをPURITY
GUMの5%溶液に添加すると、同一濃度であるが界面
活性剤なしに用いられた同じ澱粉に比較して、微粒子密
度が増大した。
【0095】表12および表13のAFMデータおよび
ESCAデータはそれぞれ、最終的洗浄作業の後、PU
RITY GUMでコーティングされたサンプルの表面
が、標準サンプルAと同様に平滑であり、かつコーティ
ングを施したことがガラスに顕著な化学的組成変化をも
たらさなかったことを示している(これらの表におい
て、AFMデータはナノメートル、ESCAデータは重
量%である。すべてのAFMデータは、同一基板上の異
なる2点での二重測定の結果を表す)。すべてのデータ
が同日に測定されたものではないために、表13には炭
素のデータが含まれていない。しかしながら、すべての
PURITY GUMおよびCRYSTAL TEXの
サンプルは標準サンプルAとともに測定されており、こ
れらすべてのサンプルに関する炭素濃度は同じ範囲内に
あった。
【0096】CRYSTAL TEX627 PURITY GUMよりも低い粘度を有するCRYS
TAL TEX627は、濃度5%および10%におい
て、どの濃度でも酷い汚染が観測されることなく、卓越
した微粒子防護作用を有する(表10および11参
照)。これらの被膜は、>0μmレベルと≧10μmレ
ベルとの双方において標準サンプルAと同様に表面の清
浄性を保った。標準サンプルDに示されているように、
この被膜上の微粒子汚染は、より高い微粒子密度を示さ
なかった。濃度2.5%に関するデータのバラツキは、
欠陥をカバーすることができる極めて低い粘度によるも
のと思われる。AFMおよびESCAは、コーティング
が表面粗さおよび化学的組成を変えなかったことを示し
ていた。
【0097】EMSIZE CMS60 EMSIZE CMS60は、低粘度澱粉と同様の適性
を有しながら、テストされた澱粉中もっとも高粘度であ
った。
【0098】表10および11に示されているように、
濃度2.5%において酷い汚染がなく、この被膜が良好
な微粒子防護特性を提供することを示していた。≧10
μmレベルにおいては、顕著な微粒子密度の増大がなか
ったが、>0μmレベルにおいては、微粒子密度は、防
護されていないサンプルである標準サンプルBよりも約
3倍清浄であるレベルに増大することを示した。この微
粒子密度は、この製品のより高い分子量に起因する澱粉
被膜残留物によるものであろう。もし必要であれば、さ
らなる洗浄作業、例えばブラシ洗浄を用いてこれら残留
物を除去すればよい。しかしながら、上述したように、
<10μmの残留物は一般に特に心配はいらない。
【0099】表12のAFMデータは、EMSIZEで
防護された基板が標準サンプルと同様に平滑であったこ
とを示しているが、表13のESCAデータは、LCD
基板に関して望ましくない少量のナトリウム残留物の存
在を示している。
【0100】要するに、上述のデータは、テストされた
各被膜が、LCD基板を標準サンプル基板と同様の事実
上微粒子のない環境に保つことによって、澱粉コーティ
ングが卓越した微粒子防護特性を提供することを示して
いる。
【0101】具体例3 具体例2の手法を用いてCRYSTAL TEX627
(5%溶液)でコーティングされたガラス基板に対し、
引掻き試験(ナノ単位の押込み引掻き試験)を実施し
た。その結果は図2に示されている。3本の線状トレー
スを含むこれらグラフのそれぞれは、試験前、試験中
(負荷をかけた状態)および試験後(負荷除去)の引掻
きルートに沿った表面輪郭を示している。特に、最上段
の曲線は引掻き前のプロフィルメータの軌跡を示し、最
下段の軌跡は引掻き試験中のスクラッチチップの針入度
を示し、中断の軌跡は弾性回復後の最終的な引掻き傷の
深さを示す。被膜の推定厚さは1500nmであった。
【0102】このデータも、顕微鏡検査も、引掻き傷が
ガラスとの境界まで被膜を貫通していないことを示して
いた。このことは、負荷レベルを160mN(16グラ
ム)の最大負荷まで上げた場合でさえも変わらなかっ
た。
【0103】図3は、引掻き試験に先立って、被膜を1
0分間脱イオン水にさらした場合の対応する軌跡を示
す。使用した機器の性質上、被膜から水を排除した時点
と試験を開始した時点との間に数分間(2〜4分)の遅
れがあった。
【0104】水にさらすと、被膜の外観が変わり、当初
の被膜に見られた円形の乾燥模様が消滅した。しかしな
がら、図3から明らかなように、この水にさらしたこと
による被膜の引掻き応答特性(耐引掻き特性)は変化し
なかった。
【0105】上述に示したように、図2および図3の結
果は、当初の被膜の厚さが1500nmについてであ
る。より厚い被膜は、より高い耐引掻き特性を提供し。
より薄い被膜は、より低い耐引掻き特性を提供すること
が予測できる。
【0106】具体例4 CRYSTAL TEX627の5%溶液を用いて、具
体例2の手順を反復し、7日間の保管以外に、湿度85
%、温度85℃の加湿室内に3か月間保管した。その結
果が表14および表15に示されており、ここでの微粒
子密度は≧10μmである(表14のAFMデータと表
15のESCAデータは、それぞれナノメートルと重量
%で表されている)。これらの表から明らかなように、
澱粉コーティングは卓越した微粒子防護特性と環境汚染
防護特性とを提供し、かつこのような長期の保管期間の
後でさえも表面の化学的特性を変化させていないことが
明らかである。
【0107】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス基板上の水滴の接触角の測定を表す図
【図2】本発明の被膜の耐引掻き特性を示すプロフィル
メータ記録グラフ
【図3】本発明の被膜の耐引掻き特性を示すプロフィル
メータ記録グラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エイドリーン エム パウエル−ジョンソ ン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14845 ホースヘッズ ダフォディル ドライヴ 145 (72)発明者 ヨーチュン シ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14845 ホースヘッズ バーリントン ロード 26 Fターム(参考) 2H088 FA21 FA23 HA01 2H090 JA06 JB02 JC19 4G059 AA01 AA08 AB01 AB09 AB11 AC22 AC30 FA01 FB06

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスをガラス微小片および引掻き傷が
    つくことから防護する方法であって、前記ガラスが少な
    くとも一つの実質的に平坦な表面を有するものであり、
    前記方法が、 (A)(イ)少なくとも一種類の多糖類を含む水溶液を
    前記ガラス表面に塗布し、その場合、該ガラス表面が前
    記水溶液の塗布以前は8°以下の接触角を有し、 (ロ)前記水溶液から水分を除去して、少なくとも0.
    01マイクロメートルの厚さを有する多糖類含有被膜を
    前記ガラス表面上に残存させる、ことによって該ガラス
    表面を防護し、 (B)次に水溶液を用いて前記多糖類含有被膜を前記ガ
    ラス表面から実質的に除去する各工程を含み、 前記工程(B)の後、前記ガラス表面が8°以下の接触
    角を有することを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(B)の後、原子間力顕微鏡に
    よって測定した前記表面のRMS表面粗さが0.36ナ
    ノメートル以下であることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも一種類の多糖類が、直鎖
    状多糖類分子および枝分れ多糖類分子を含むことを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも一種類の多糖類が、少な
    くとも一種類の澱粉を含むことを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも一種類の澱粉が、直鎖状
    澱粉分子と枝分れ澱粉分子とを含むことを特徴とする請
    求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(A)が、ガラス製造工程の一
    部として実施されることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記ガラス製造工程において新たに形成
    されるガラスが高められた温度において製造され、前記
    ガラス製造工程において前記新たに形成されたガラスの
    前記水溶液に接触する直前の温度が150℃を超える時
    点で前記水溶液を前記新たに形成されたガラスに施すこ
    とによって、前記工程(A)(イ)および(A)(ロ)
    がほぼ同時に実施されることを特徴とする請求項6記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 前記新たに形成されたガラスの前記水溶
    液に接触する直前の温度が300℃未満であることを特
    徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記新たに形成されたガラスの前記水溶
    液に接触する直前の温度が250℃未満であることを特
    徴とする請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ガラスは工程(A)において鉛直
    にされ、前記ガラスの温度は、その表面に水滴が形成さ
    れないように、工程(A)の間十分に高く保たれること
    を特徴とする請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ガラスの温度は、工程(A)の終
    了時点において少なくとも100℃であることを特徴と
    する請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 工程(A)(イ)において、前記水溶
    液がスプレイによって前記表面に施されることを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 工程(A)(イ)において、前記水溶
    液は前記表面に施されるのに先立って加熱されることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 工程(A)と工程(B)との間に、 (a)前記ガラスを切断し、かつ(b)該切断されたガ
    ラスの少なくとも一つのエッジを研削および/または研
    磨することからなる付加的工程を含み、 工程(a)および(b)の少くとも一方の間、前記被膜
    を付されたガラス表面に水または水を含む溶液を施し、 前記被膜の表面は、工程(a)および(b)以前の第1
    接触角と、工程(a)および(b)以後の第2接触角と
    を有し、 前記第1および第2接触角が5°未満だけ異なることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 工程(A)(イ)の水溶液中の多糖類
    の濃度が、0.1重量%乃至30重量%であることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 工程(A)(イ)の水溶液の粘度が
    0.1センチポアズ乃至100センチポアズであること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 工程(A)(イ)の水溶液が殺菌剤を
    含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 工程(A)(イ)の水溶液が可塑剤を
    含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記多糖類含有被膜の厚さが50マイ
    クロメートル未満であることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記多糖類含有被膜の厚さが0.1マ
    イクロメートル乃至20マイクロメートルであることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】 工程(B)の水溶液が洗浄剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 工程(B)が、工程(B)の水溶液を
    加熱することと、前記被膜に超音波を当てることおよび
    /または前記ガラス表面をブラシ洗浄することの一つま
    たは複数を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  23. 【請求項23】 被膜を付されていないガラス表面に付
    着するガラス微小片の数に比較して、比較可能な条件下
    において前記被膜が前記ガラス表面に付着するガラス微
    小片の数を少くとも90%だけ減らすことを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ガラス表面に付着するガラス微小
    片の数が少くとも95%だけ減らされることを特徴とす
    る請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記ガラスが二つの実質的に平坦な表
    面を備え、工程(A)において前記被膜が双方の表面に
    形成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  26. 【請求項26】 工程(B)の後、前記ガラスが液晶表
    示素子の作成に用いられることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  27. 【請求項27】 (a)少くとも一つの実質的に平坦な
    表面を備えた1枚のガラスシートと、 (b)前記ガラス表面上の、少くとも0.01マイクロ
    メートルの厚さを有する少くとも一種類の多糖類を含む
    被膜とを備えた製品であって、 (イ)前記被膜が前記ガラス表面をガラス微小片および
    /また引掻き傷がつくことから防護し、かつ(ロ)前記
    被膜が、水溶液を施すことによって前記ガラス表面から
    除去することが可能であることを特徴とする製品。
  28. 【請求項28】 前記ガラス表面が、前記被膜が付され
    る以前は8°以下の接触角を有し、かつ、 前記被膜は、該被膜の除去後に前記ガラス表面の接触角
    が8°以下となるように、十分に除去可能であることを
    特徴とする請求項27記載の製品。
  29. 【請求項29】 前記被膜の除去後、原子間力顕微鏡に
    よって測定した前記表面のRMS表面粗さが0.36ナ
    ノメートル以下であることを特徴とする請求項27記載
    の製品。
  30. 【請求項30】 前記少なくとも一種類の多糖類が、直
    鎖状多糖類分子および枝分れ多糖類分子を含むことを特
    徴とする請求項27記載の製造品。
  31. 【請求項31】 前記少なくとも一種類の多糖類が、少
    なくとも一種類の澱粉を含むことを特徴とする請求項2
    7記載の製品。
  32. 【請求項32】 前記少なくとも一種類の澱粉が、直鎖
    状澱粉分子および枝分れ澱粉分子を含むことを特徴とす
    る請求項31記載の製品。
  33. 【請求項33】 前記被膜が殺菌剤を含むことを特徴と
    する請求項27記載の製品。
  34. 【請求項34】 前記被膜が可塑剤を含むことを特徴と
    する請求項27記載の製品。
  35. 【請求項35】 前記被膜の厚さが50マイクロメート
    ル未満であることを特徴とする請求項27記載の製品。
  36. 【請求項36】 前記被膜の厚さが0.1マイクロメー
    トル乃至20マイクロメートルであることを特徴とする
    請求項27記載の製品。
  37. 【請求項37】 被膜が付されていないガラス表面に付
    着するガラス微小片の数に比較して、比較可能な条件下
    において前記被膜が前記ガラス表面に付着するガラス微
    小片の数を少くとも90%だけ減らすことを特徴とする
    請求項27記載の製品。
  38. 【請求項38】 前記ガラス表面に付着するガラス微小
    片の数が少くとも95%だけ減らされることを特徴とす
    る請求項37記載の製品。
  39. 【請求項39】 前記ガラスが二つの実質的に平坦な表
    面を備え、双方の表面に少なくとも一種類の多糖類を含
    む被膜が形成され、該被膜のそれぞれが少なくとも0.
    01マイクロメートルの厚さを有することを特徴とする
    請求項27記載の製品。
  40. 【請求項40】 前記ガラスが液晶表示装置のための基
    板として用いられるのに適していることを特徴とする請
    求項27記載の製品。
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