JP2001206738A - 物品表面の清浄化方法 - Google Patents

物品表面の清浄化方法

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JP2001206738A JP2000270394A JP2000270394A JP2001206738A JP 2001206738 A JP2001206738 A JP 2001206738A JP 2000270394 A JP2000270394 A JP 2000270394A JP 2000270394 A JP2000270394 A JP 2000270394A JP 2001206738 A JP2001206738 A JP 2001206738A
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義治 三和
Masanobu Saji
賢伸 佐治
Shigeyoshi Ito
茂嘉 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一で緻密な保護膜が物品の表面に塗布形成
されてなるため、汚染を有効に防止でき、ガラス物品を
使用し、これを長期間に亘って保管してもガラス表面が
浸食され難く、しかも水洗いで保護膜を容易に除去で
き、その廃液が生物や環境に対して非常に安全である物
品表面の清浄化方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 物品表面に、ヒドロキシ酸またはその塩
を含む水溶液を塗布することによって、ヒドロキシ酸ま
たはその塩からなる水溶性の保護膜を形成し、その保護
膜表面に付着する汚染を、保護膜と共に洗浄除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に水溶性の保護膜
を形成した物品の清浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】板ガラス、瓶ガラス、管ガラス、電子部
品用ガラス等の各種ガラスは、製造、保管、運搬中に、
ガラス同士が接触したり、他の部材と接触することによ
って、汚れが付着することがあり、このような汚れは製
品欠陥となりやすい。
【0003】特に陰極線管用ガラスやフラットパネルデ
ィスプレイ用ガラス基板のように高い表面品位が要求さ
れたり、後工程で各種の表面処理が施されるようなディ
スプレイ用ガラスの場合には、目に見えないレベルの極
少量の汚れも許されず、少量の有機汚染物質等の付着に
より、後工程でガラス物品に塗布される表面処理剤がガ
ラス表面上ではじき、このはじきによる膜特性の低下が
問題となる場合がある。
【0004】例えば陰極線管用ガラスのファンネルガラ
スの内外表面には、ダグと呼ばれるカーボンスラリーが
塗布され、またパネルガラスの内表面には蛍光膜が塗布
されるが、これらを塗布する前に、硫酸、硝酸、フッ化
水素酸等の腐食性の酸や、水酸化ナトリウム等の強アル
カリでファンネルガラスやパネルガラスを洗浄すること
によって、ガラス表面に付着した有機物等の汚染物質を
除去し、清浄化する必要がある。
【0005】しかしながら、このような洗浄方法は、洗
浄液が非常に有害で危険であるため、その取り扱いに細
心の注意を必要とし、またその洗浄設備や廃液の処理に
大きな手間とコストを要するという問題があった。
【0006】そのため、瓶ガラス等の生産では、高温の
ガラス物品の表面に亜硫酸ガス等を吹き付けることによ
って、ガラス中のナトリウムとの反応生成物であるブル
ームを表面に付着させ、ガラス粉やカレットの固着を防
止する方法が採られている。
【0007】このブルームは、水溶性であるため、水洗
いするだけで容易に除去することができるが、この方法
では、亜硫酸ガスによって周辺機器が腐食したり、ガラ
ス中のアルカリ成分が少ない場合には、生成物が析出し
難く、しかも生成物の量や析出状態を正確に制御するこ
とが困難であるという欠点を有している。
【0008】このような問題を解消することを目的とし
て、特開平6−340865号には、ガラス物品の表面
に水溶性塩類を塗布することによって水溶性塩類の保護
膜を形成し、その保護膜表面に付着した汚染物質を、水
および/または界面活性剤で洗浄する基体表面の清浄化
方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平6−3
40865号の清浄化方法では、保護膜上に汚染物が付
着しても、膜が水溶性であるため、これを水洗いで除去
すると同時に、その上に付着した汚れを取り除くことが
できる。
【0010】しかしながら特開平6−340865号に
は、具体的な被膜材料として、トリポリリン酸ナトリウ
ム、セスキ炭酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウムが挙げ
られているが、これらの材料はアルカリ性であるため、
これをガラス物品の表面に塗布し、保護膜を形成した
後、ガラス物品を長期間に亘って保管すると、保護膜中
のアルカリ成分が、ガラス表面を徐々に浸食し、物品の
外観品位を損なう虞れがある。
【0011】またこのような水溶性塩類の保護膜は、結
晶が析出することによって形成される物理膜であり、海
島状の膜分布となるため、膜厚を小さくしようとする
と、ガラス表面を均一に被覆し難く、長期間の梱包中で
の保管により、また梱包材や皮脂等の直接接触により、
ガラス表面に汚れ物質が直接付着し、ガラス物品が汚染
される可能性がある。
【0012】特にトリポリリン酸ナトリウムや四ホウ酸
ナトリウムは、リンやホウ素を含み、生物や環境を害す
る虞れがあるため、その廃液を処理するための設備が必
要になるという問題もある。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、均一で緻密な保護膜が物品の表面に塗布形成され
てなるため、汚染を有効に防止でき、ガラス物品を使用
し、これを長期間に亘って保管してもガラス表面が浸食
され難く、しかも水洗いで保護膜を容易に除去でき、そ
の廃液が生物や環境に対して非常に安全である物品表面
の清浄化方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の物品表面の清浄
化方法は、物品表面に、ヒドロキシ酸またはその塩を含
む水溶液を塗布することによって、ヒドロキシ酸または
その塩からなる水溶性の保護膜を形成し、その保護膜表
面に付着する汚染を、保護膜と共に洗浄除去することを
特徴とする。
【0015】
【作用】本発明におけるヒドロキシ酸とは、1分子中に
極性官能基であるカルボキシル基と水酸基を兼ね備えた
有機物質である。このヒドロキシ酸またはその塩は、そ
の分子内に存在する極性官能基であるカルボキシル基ま
たはカルボキシレート基、およびヒドロキシ基を合わせ
て2個以上有するため、非常に高い水溶性を有してい
る。従って、これから形成された被膜は、短時間で容易
に洗浄することができる。
【0016】またヒドロキシ酸またはその塩からなる膜
をガラス表面に塗布すると、ヒドロキシ酸またはその塩
が有する極性基が、ガラス表面に直接、あるいはその表
面に水が吸着して形成される水酸基と水素結合し、その
結果、親水性表面であるガラス表面に対して均一で緻密
な化学吸着を行って比較的安定な被膜を形成し、高い膜
強度を得ることができる。しかもこの膜は、分子中にカ
ルボキシル基またはカルボキシレート基と、水酸基を有
していることから、各分子間が水素結合により安定化さ
れ、化学的に非常に安定な親水性被膜となる。さらにこ
の膜材料は、いずれも弱酸性又は中性であるため、長期
間に亘ってガラスと接触しても、ガラス表面の浸食が発
生し難いという利点も有している。
【0017】ところがステアリン酸や酢酸ナトリウムと
いった常温で固体の一般的な有機酸や有機酸塩類は、水
溶性を発現する極性官能基を1個しか含まないため、こ
れらを用いてガラス表面に保護膜を形成しても、均一な
膜になり難く、汚染防止機能が十分でなかったり、ある
いは水溶性が比較的低いため、水洗いで保護膜を容易に
除去できないという問題がある。さらに、これらの一般
有機酸やその塩類の多くは、本発明のヒドロキシ酸やそ
の塩類と比較して、生分解性に劣るため、それらを洗浄
した後の廃液が環境上、問題となる可能性もある。
【0018】ところで、特に陰極線管用ガラスやフラッ
トディスプレイパネル用ガラス基板といった高い表面品
位が要求されるガラスの場合には、梱包保管や取り扱い
時に、ダンボールや梱包紙等から揮発する有機物や皮脂
等の汚染物質等が付着しても問題となる。
【0019】しかしながら本発明において形成される保
護膜は、上記したように欠損部のない均一で緻密な被膜
となるため、膜表面に有機物や皮脂が付着しても、ガラ
ス物品に直接接触するのを防止することができる。つま
りこの保護膜は、ガラス表面への外的要因による汚染を
防止し、ガラスの清浄度を長期間に亘って維持するもの
である。
【0020】またこの保護膜は、非常に水に溶けやす
く、後工程において、ファンネルガラスへのカーボンス
ラリーの塗布や、パネルガラスへの蛍光膜の塗布等の表
面処理時に、フッ酸や強アルカリ等で前洗浄する必要が
なく、水洗いのみで容易に汚染物と共に除去することが
できる。
【0021】さらにヒドロキシ酸またはその塩の多く
は、生体中に代謝物として含まれ、食品工業等にも使用
されることから、その保護膜や、この膜を水洗いで除去
した後の廃液は生物や環境に対して非常に安全である。
【0022】本発明で使用するヒドロキシ酸としては、
常温で固体のヒドロキシ酸であればいずれも使用でき、
例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、DL−トロパ酸、
グリセリン酸や、グルコン酸、マンノン酸、ガラクトン
酸等のアルドン酸類、糖酸、マンノ糖酸等のアルダル酸
類等が挙げられる。
【0023】また本発明で使用するヒドロキシ酸の塩と
しては、常温で固体のヒドロキシ酸塩であればよく、乳
酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、DL−トロパ酸、グ
リセリン酸や、グルコン酸、マンノン酸、ガラクトン酸
等のアルドン酸類、糖酸、マンノ糖酸等のアルダル酸類
等のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カル
シウム塩等の塩が挙げられる。
【0024】上記したヒドロキシ酸や、それらの塩の中
でも、生分解性が非常に高く、安価で入手が容易である
という理由から、特にクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グ
ルコン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩またはカリウム
塩)から選択された1種または2種以上が適している。
また、本発明の保護膜を陰極線管用ファンネルガラスに
適用する場合には、ヒドロキシ酸の塩からなる保護膜が
好適である。その理由は、次のとおりである。陰極線管
用ファンネルガラスの所定箇所には、陽極端子として金
属製のアノードボタンが封着されており、このアノード
ボタンの表面にも本発明の保護膜を塗布形成する必要が
ある。ヒドロキシ酸からなる膜は、膜中の水分の介在に
より、金属を腐食させる虞れがあるが、ヒドロキシ酸の
塩からなる膜は、金属の腐食を誘発することがなく、よ
ってアノードボタン表面に効果的に配位結合し、均一で
剥がれにくい膜を形成することができる。その結果、ガ
ラス表面に比べて著しく高い表面エネルギーを有し、よ
り汚染されやすいアノードボタン表面でも清浄度を長期
間に亘って維持することが可能である。
【0025】また本発明においては、水溶液に含まれる
ヒドロキシ酸またはその塩の成分濃度を0.01〜5質
量%とすることが望ましい。その理由は、この成分濃度
が0.01質量%より少ないと、防塵機能が著しく低下
し、また5質量%より多いと、保護膜を除去するのに多
量の水を必要とする上、膜が滑りやすくなり、膜塗布後
の基体の取り扱いが困難になるためである。
【0026】本発明において保護膜を物品表面に塗布す
るにあたっては、スプレー法、浸漬法、刷毛塗り法、ロ
ーラーコート法等の公知の方法が採られる。また本発明
の清浄化方法は、ガラス、セラミックス、金属等の無機
材料からなる各種物品に適用できるが、特にガラス物品
に塗布形成された保護膜を除去するにあたっては、水圧
によってガラス物品の表面に傷が付かない方法が適して
おり、具体的には、物品自体を水槽中に浸漬したり、被
膜を流水で洗い流す方法が採られる。これによって保護
膜上に汚染物が付着しても、この汚染物質は、水に溶解
して脱離する保護膜と共に物品表面から取り除かれるこ
とになる。特に30℃以上の温水を使用すると、より一
層容易に保護膜を除去できるため好ましく、水の代わり
に環境を汚染しない界面活性剤を使用したり、水と界面
活性剤の混合液を使用しても良い。
【0027】また本発明における保護膜は、その厚みが
小さすぎると、膜に欠損部が発生しやすく、物品表面に
汚染物質が直接接触する虞れが生じ、一方、その厚みが
大きすぎると、保護膜の除去作業に時間がかかりすぎた
り、材料コストが高くなるため好ましくない。よって保
護膜の付着量を0.0002〜100μg/cm2
し、その厚みを0.001〜1000nm(好ましくは
0.01〜500nm)とすることが望ましい。
【0028】尚、本発明における保護膜は、必ずしも物
品の表面全部を予め清浄し、その清浄面の全てに亘って
塗布形成する必要はなく、特に清浄な面が要求される部
分に限定して塗布形成しても良い。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
詳細に説明する。
【0030】(実施例1)まず陰極線管用ファンネルガ
ラスを50×50mmの板状(肉厚8mm)に切り出
し、これを1%HFで洗浄した後、さらに流水で10秒
間洗浄することによって表面を清浄にしてからドライヤ
ーで乾燥させた。
【0031】次にこのガラス板片の片面に対し、酒石酸
の0.2%水溶液を滴下して一様に濡らした後、ドライ
ヤーで乾燥させることによって、ガラス板片の表面に酒
石酸からなる被膜(厚み10nm)を形成した。
【0032】(実施例2)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、酒石酸ナトリウムの0.2%水溶液を滴下して一
様に濡らした後、ドライヤーで乾燥させることによっ
て、ガラス板片の表面に酒石酸ナトリウムからなる被膜
(厚み10nm)を形成した。
【0033】(実施例3)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、クエン酸の0.2%水溶液を滴下して一様に濡ら
した後、ドライヤーで乾燥させることによって、ガラス
板片の表面にクエン酸からなる被膜(厚み10nm)を
形成した。
【0034】(実施例4)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、クエン酸三ナトリウムの0.2%水溶液を滴下し
て一様に濡らした後、ドライヤーで乾燥させることによ
って、ガラス板片の表面にクエン酸三ナトリウムからな
る被膜(厚み10nm)を形成した。
【0035】(実施例5)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、リンゴ酸の0.2%水溶液を滴下して一様に濡ら
した後、ドライヤーで乾燥させることによって、ガラス
板片の表面にリンゴ酸からなる被膜(厚み10nm)を
形成した。
【0036】(実施例6)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、リンゴ酸二ナトリウムの0.2%水溶液を滴下し
て一様に濡らした後、ドライヤーで乾燥させることによ
って、ガラス板片の表面にリンゴ酸二ナトリウムからな
る被膜(厚み10nm)を形成した。
【0037】(実施例7)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、グルコン酸の0.2%水溶液を滴下して一様に濡
らした後、ドライヤーで乾燥させることによって、ガラ
ス板片の表面にグルコン酸からなる被膜(厚み10n
m)を形成した。
【0038】(実施例8)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、グルコン酸ナトリウムの0.2%水溶液を滴下し
て一様に濡らした後、ドライヤーで乾燥させることによ
って、ガラス板片の表面にグルコン酸ナトリウムからな
る被膜(厚み10nm)を形成した。
【0039】(比較例1)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、四ホウ酸ナトリウムの0.2%水溶液を滴下して
一様に塗らした後、ドライヤーで乾燥させることによっ
て、ガラス板片の表面に四ホウ酸ナトリウムからなる被
膜(厚み10nm)を形成した。
【0040】(比較例2)実施例1と同様にガラス板片
を洗浄し、表面を清浄にしてから乾燥させ、その片面に
対し、酢酸ナトリウムの0.2%水溶液を滴下して一様
に濡らした後、ドライヤーで乾燥させることによって、
ガラス板片の表面に酢酸ナトリウムからなる被膜(厚み
10nm)を形成した。
【0041】こうして作製した実施例1〜8と、比較例
1、2の各ガラス板片について、ダンボール汚れに対す
る防塵性試験を行った。また参考のため、実施例1と同
様のガラス板片を洗浄、乾燥しただけで、保護膜を形成
しない未コート品についても同様の試験を行った。
【0042】この防塵性試験は、次のようにして行っ
た。まずφ90mmのガラスシャーレ内に、φ80mm
のダンボール紙を敷き、保護膜形成面を下にしてガラス
板片を載置した後、雰囲気温度80℃、湿度100%の
条件下に20時間保持し、次いでガラス板片を取り出し
てから、40℃の脱イオン水の水浴中に30秒間浸漬
し、膜を洗浄除去した後、ドライヤーで乾燥させた。次
いで、ガラス板片の保護膜が形成されていた面に対し、
水滴を垂らし、その水接触角を接触角計(協和界面化学
株式会社製FACE CA−D)を用いて測定し、その
結果を表1に示した。この水接触角が小さいほど、防塵
性に優れていることになる。
【0043】また実施例1〜8、および比較例1、2で
使用した各水溶液のpHを測定し、その値も表1に示し
た。
【0044】
【表1】
【0045】表1から、実施例1〜8のガラス板片は、
比較例1、2のガラス板片や未コート品に比べて、防塵
性試験を行った後の水接触角が大幅に小さいため、汚染
の度合いが小さく、高い防塵性能を有し、ガラス表面の
清浄度を長期間に亘って維持できることが理解できる。
【0046】また実施例1〜8のガラス板片を40℃の
脱イオン水の水浴中に30秒間浸漬し、膜を除去した
後、ドライヤーで乾燥させた後、表面を顕微鏡により観
察したところ、膜成分の残留は観察されなかった。
【0047】以上のことから、実施例で形成した被膜
を、陰極線管用ファンネルガラスの内外表面に塗布する
と、後工程でダグを塗布する前に、ファンネルガラスの
内外表面を水洗いすることによって清浄面を確保でき、
汚染物によるダグはじきを防止することができるものと
推定される。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の物品表面の清浄化
方法によると、物品表面に、均一で緻密な水溶性の保護
膜を塗布形成するため、これを長期間に亘って保管して
も表面が汚染されたり、浸食されることがなく、汚染物
が付着しても、保護膜と共に洗浄除去するため、物品表
面を保護膜を塗布する前の清浄面に再生することができ
る。さらに、その廃液は生物や環境に対して非常に安全
である。
【0049】本発明において使用する物品としては、特
に高い表面品位が要求されたり、各種の表面処理が施さ
れる陰極線管用ガラスやフラットディスプレスパネル用
ガラス基板が好適であり、また表面に導電膜や反射防止
膜といった各種の機能膜が形成されたガラス物品の機能
膜上に、本発明の保護膜を塗布形成することによって、
機能膜の汚染を長期間に亘って防ぐことも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B201 AA46 BB09 BB82 BB92 BB96 CC12 CC21 4G059 AA01 AA04 AA08 AB01 AB05 AB09 AB11 AC30 FB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品表面に、ヒドロキシ酸またはその塩
    を含む水溶液を塗布することによって、ヒドロキシ酸ま
    たはその塩からなる水溶性の保護膜を形成し、その保護
    膜表面に付着する汚染を、保護膜と共に洗浄除去するこ
    とを特徴とする物品表面の清浄化方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシ酸またはその塩が、クエン
    酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸及びそれらの塩から
    なる群より選択された1種又は2種以上であることを特
    徴とする請求項1記載の物品表面の清浄化方法。
  3. 【請求項3】 水溶液に含まれるヒドロキシ酸またはそ
    の塩の成分濃度が、0.01〜5質量%であることを特
    徴とする請求項1記載の物品表面の清浄化方法。
  4. 【請求項4】 物品が、ガラス物品であることを特徴と
    する請求項1記載の物品表面の清浄化方法。
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