JP2003054360A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2003054360A
JP2003054360A JP2002093976A JP2002093976A JP2003054360A JP 2003054360 A JP2003054360 A JP 2003054360A JP 2002093976 A JP2002093976 A JP 2002093976A JP 2002093976 A JP2002093976 A JP 2002093976A JP 2003054360 A JP2003054360 A JP 2003054360A
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wire
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中野由幸
Masahiko Iwai
岩井雅彦
Masahiro Nakayama
中山正大
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/18Anchoring devices
    • B60R22/195Anchoring devices with means to tension the belt in an emergency, e.g. means of the through-anchor or splitted reel type
    • B60R22/1952Transmission of tensioning power by cable; Return motion locking means therefor

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリテンショナーで被引込部材が底突きまで引
き込まれても、この被引込部材や被引込部材の引込動作
に影響される被引込部材周辺部材に大きな衝撃力が加え
られるのを防止するとともに、被引込部材をソフトに停
止させる。 【解決手段】緊急時にバックルプリテンショナー11の
作動でワイヤー3が引っ張られると、カバー4が収縮し
ながら、バックル2がブラケット1の方へ引き込まれ
る。カバー4が許容最大縮小位置まで収縮しないうちに
バックル2が衝撃吸収部材14の自由端に当接し、その
後バックル2は衝撃吸収部材14を収縮させながら引き
込まれる。この衝撃吸収部材14の収縮で、衝撃吸収部
材14はバックル2の衝撃エネルギを吸収するため、衝
撃性能が更に向上するとともに、バックル2が衝撃吸収
部材14の自由端に更に効果的にソフトに当接しかつソ
フトに底突きする(停止する)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車等
の車両のシートに付設されたシートベルト装置の技術分
野に属し、特に、車両衝突時等の緊急時にプリテンショ
ナーが作動してシートベルトを緊張させることで乗員の
拘束性を高めているシートベルト装置の技術分野に属す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両のシートにはシー
トベルト装置が付設されており、このシートベルト装置
は、車両衝突時等の緊急時にきわめて大きな車両減速度
が発生した際、シートベルトにより乗員を拘束して乗員
の慣性移動を抑制することにより、乗員を保護するよう
になっている。このような従来のシートベルト装置に
は、前述の緊急時にシートベルトを緊張させて拘束性を
向上させて乗員を迅速にかつ大きな拘束力で拘束させる
プリテンショナーを備えているシートベルト装置があ
る。このプリテンショナーは、一般にはシートベルト装
置のシートベルトリトラクタに設けられているが、なか
には、バックルにあるいはラップアンカー部に設けられ
ているものもある。
【0003】図5は、このようなプリテンショナーをバ
ックルに備えた従来のシートベルト装置の一例を模式的
に示す図、図6はこの従来のシートベルト装置における
バックルの挙動を説明する図である。図5および図6
(a)に示すように、この従来のシートベルト装置5
は、車体床部等に固定されるシートベルトリトラクタ
6、車体のセンターピラー等に取り付けられてシートベ
ルトリトラクタ6からのシートベルト7を乗員に対して
所定位置となるようにガイドするベルトガイド8、車体
床部等の例えば車両シート(不図示)の車体外側寄りに
固定され、シートベルト7の先端が連結されるラップア
ンカ9、シートベルト7に摺動可能に支持されたタング
10、および車体床部等の例えば車両シートの車体内側
寄りに固定され、タング10が係合可能なバックル2、
図示しない車両床に固定され、このバックル2を支持す
るブラケット1、バックル2とブラケット1との間に架
設された伸縮可能なカバー4、およびバックルプリテン
ショナー11を備えている。
【0004】シートベルトリトラクタ6は緊急式シート
ベルトリトラクタ(ELR)、プリテンショナーを有す
るELR、緊急時に作動したときシートベルト7にかか
る荷重を制限して衝撃エネルギを吸収するロードリミッ
タを備えたELR等である。
【0005】バックル2はブラケット1に対してバック
ル2の長手方向(図5においてやや斜め上下方向)に相
対移動可能に支持されている。ブラケット1にはワイヤ
ー3の一端部のワイヤエンド3aが連結部材12によっ
て連結されており、このワイヤー3の他端は、バックル
1に回転可能に支持されたプーリ13に掛けられた後、
ブラケット1を経て図示しないバックルプリテンショナ
ー11のピストンに連結されている。バックルプリテン
ショナー11としては、例えば、前述の緊急時に反応物
質を反応させて高圧の反応ガスを発生させ、この反応ガ
スの圧力でバックルプリテンショナーのピストンを作動
することで、ワイヤ3を比較的大きな力で引っ張るもの
が一般的である。
【0006】カバー4は、ブラケット1とバックル2と
の間にワイヤ3を覆うようにして架設されている。この
カバー4はゴム製またはゴム特性と同等の特性を有する
樹脂製で筒状の蛇腹形状に形成されている。そして、バ
ックルプリテンショナー11によりワイヤー3が引かれ
てバックル2がブラケット1の方へ引かれたとき、カバ
ー4は容易に収縮し、バックル2がブラケット1の方へ
容易に移動できるようにされている。
【0007】プリテンショナー11は、前述の緊急時に
反応物質を反応させて高圧の反応ガスを発生させ、この
反応ガスでワイヤー3を介してバックル2をブラケット
1の方へ引くことでシートベルト7を引っ張るようにな
っている。
【0008】このように、構成された従来のシートベル
ト装置においては、シートベルト7をシートベルトリト
ラクタ6から引き出して乗員の肩、胸および腰に掛け渡
した後タング10をバックル2に係合することにより、
シートベルト7が乗員に装着される。シートベルト77
の装着状態では、シートベルトリトラクタ6により、通
常時にはシートベルト7が巻取引出可能にかつ圧迫感を
抱かせない程度に比較的緩く巻き取られて乗員にフィッ
トしている。このとき、バックル2は、図5および図6
(a)に示すようにブラケット1から最も離れた所定位
置に保持されている。
【0009】そして、前述の緊急時に、乗員がその慣性
で前方へ移動しようとしても、シートベルト7はその引
出しがシートベルトリトラクタ6により阻止されて乗員
を拘束保護するようになる。このとき、バックルプリテ
ンショナー11が作動して、前述のようにワイヤー3が
比較的大きな力で引っ張られることから、カバー4が容
易に長手方向に変形してバックル2がブラケット1の方
向(図5においてやや斜め下方)に引き込まれるので、
乗員に装着されているシートベルト7が迅速に緊張し、
このシートベルト7による乗員の拘束力が大きくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
にバックルプリテンショナー11の作動でワイヤー3が
大きな力で引っ張られ、バックル2が図6(a)に示す
通常状態からブラケット1の方向に引き込まれる際、シ
ートベルト7のたるみ過多等により、バックル2は図6
(b)に示すようにカバー4がそれ以上収縮しない最大
限に収縮する、いわゆる底突きするまで引き込まれる可
能性が考えられる。そして、バックル2が底突きした場
合には、カバー4が比較的堅い部材であるブラケット1
とバックル2との間に挟圧されるので、バックル2自体
やカバー4に衝撃が加えられるとともに、バックル2が
急激に停止することが考えられる。その場合、収縮する
蛇腹状のカバー4がこの衝撃を吸収するとともにバック
ル2を比較的ソフトに停止するようになるが、更に衝撃
吸収性能を向上させるとともに、バックル2を更にソフ
トに停止させることが望ましい。
【0011】なお、前述の従来のシートベルト装置で
は、バックルプリテンショナー11がバックル2側に設
けられているが、従来のシートベルト装置には、プリテ
ンショナーが図5においてラップアンカ9側に設けられ
たシートベルト装置もある。この場合にも、シートベル
ト7の端部を保持する部材がラップアンカ9に底突きす
ることが考えられ、蛇腹状のカバーが衝撃を吸収しかつ
シートベルト7の端部を保持する部材を比較的ソフトに
停止するが、同様に更に衝撃吸収性能を向上させるとと
もに、シートベルト7の端部を保持する部材を更にソフ
トに停止させることが望ましい。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、プリテンショナーにより
被引込部材が底突きまで引き込まれても、この被引込部
材や被引込部材の引込動作に影響される被引込部材周辺
部材に加えられる衝撃の吸収性能を更に向上することが
できるとともに、被引込部材が更に効果的にソフトに停
止できるシートベルト装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明のシートベルト装置は、緊急時に
作動して、被引込部材を引き込むことによりシートベル
トを引っ張るプリテンショナーを少なくとも備えたシー
トベルト装置において、前記被引込部材の底突き時の衝
撃を吸収する衝撃吸収手段が設けられていることを特徴
としている。また、請求項2の発明は、前記被引込部材
の引込動作に影響される被引込部材周辺部材を備えてい
ることを特徴としている。更に、請求項3の発明は、前
記被引込部材が、バックルおよび/またはラップアンカ
ーであることを特徴としている。
【0014】更に、請求項4の発明は、前記被引込部材
周辺部材であり、前記プリテンショナーに連結されかつ
前記被引込部材を引き込むワイヤーを備えており、前記
衝撃吸収手段が前記ワイヤーを前記プリテンショナーの
引き込み方向に対して所定角度に保持するワイヤー保持
機能を有していることを特徴としている。
【0015】
【作用】このように構成された本発明にかかるシートベ
ルト装置においては、緊急時にプリテンショナーの作動
で被引込部材が引き込まれる。そして、被引込部材が衝
撃吸収手段に当接し、この衝撃吸収手段により、被引込
部材の底突き時の衝撃エネルギが吸収され、衝撃性能が
更に向上する。これにより、被引込部材が更にソフトに
底突きする(停止する)。
【0016】特に、請求項2の発明においては、衝撃吸
収手段で被引込部材の底突き時の衝撃エネルギが吸収さ
れることにより、被引込部材の引込動作に影響される被
引込部材周辺部材に加えられる衝撃力が大幅に低減す
る。更に、請求項3の発明においては、バックルおよび
/またはラップアンカーの底突き時の衝撃エネルギが吸
収され、衝撃性能が更に向上する。これにより、バック
ルおよび/またはラップアンカーが更に効果的にソフト
に底突きする(停止する)。
【0017】更に、請求項4の発明においては、衝撃吸
収手段によりワイヤーがプリテンショナーの引き込み方
向に対して希望する所定角度に保持されるので、ワイヤ
ーの反発性による保持角度の開きが防止され、バックル
を希望する位置に確実に設置可能となる。しかも、衝撃
吸収手段がワイヤー保持機能を有していることで、ワイ
ヤーを所定角度に保持する特別の手段を設ける必要がな
く、部品点数が少なくなりかつ構造が簡単になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明にかかるシートベ
ルト装置の実施の形態の一例のバックル部分を部分的か
つ模式的に示す分解斜視図、図2はこの例のシートベル
ト装置におけるバックルの挙動を説明する図である。な
お、前述の従来の構成要素と同じ構成要素には同じ符号
を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0019】図1および図2(a)に示すように、この
例のシートベルト装置5は衝撃吸収部材(本発明の衝撃
吸収手段に相当)14を備えており、この衝撃吸収部材
14はカバー(本発明の被引込部材周辺部材に相当)4
内でブラケット1に取り付けられている。図3(a)な
いし(c)に示すように、衝撃吸収部材14はブラケッ
ト1に取り付けられる取付基部14aと、側方に突出し
た凸部14bと側方に凹んだ凹部14cとから蛇腹状に
形成された衝撃吸収部14dとからなっている。この衝
撃吸収部材14は、ゴムあるいはゴムと同等の特性を有
する樹脂から、取付基部14aと衝撃吸収部14dとが
一体にまたは別体に形成されている。
【0020】プリテンショナー11でバックル2が引き
込まれない通常時は、図2(a)に示すようにバックル
2は衝撃吸収部材14の自由端(つまり、衝撃吸収部1
4dの自由端)から離間している。このとき、衝撃吸収
部材14の自由端位置は、カバー4の許容最大縮小位置
よりバックル側に位置するように設定されている。そし
て、前述のようにプリテンショナー11の作動でバック
ル2が引き込まれたとき、バックル(本発明の被引込部
材に相当)2がカバー4の許容最大縮小位置まで引き込
まれないうちに、衝撃吸収部材14の自由端に当接し、
衝撃吸収部材14が圧縮することにより、バックル2の
衝撃が吸収緩和されるようになっている。
【0021】図3(d)に示すように、凹部14cに対
応する衝撃吸収部14dの部分には、一対のU字状の溝
14e,14fが形成されている。図3(a)に示すよ
うに、これらの一対のU字状の溝14e,14fは取付
基部14aにも上下方向に延設されている。溝14e,
14fの底部は、ワイヤー3の径より等しいかそれより
若干大きい径の半円形状に形成されている。また、図3
(e)に示すように、凸部14bに対応する衝撃吸収部
14dの部分は二対の側壁14g,14h;14i,14j
からなっている。それぞれの側壁14g,14h;14i,
14jの間隔はワイヤー3の径より大きく設定されてい
る。側壁14h,14iには、それぞれ、対応する側壁
14g,14jに向かって突出する係止突起14k,14
mが形成されている。
【0022】そして、図3(f)に示すように、取付基
部14aおよび衝撃吸収部14dに形成された溝14e
と係止突起14kとにより、ワイヤー3が衝撃吸収部1
4dの所定位置に摺動可能に保持され、同様に、取付基
部14aおよび衝撃吸収部14dに形成された溝14f
と係止突起14mとにより、ワイヤー3が衝撃吸収部1
4dの所定位置に摺動可能に保持されている。すなわ
ち、衝撃吸収部材14はワイヤー3を保持するワイヤー
保持の機能も兼ね備えている。その場合、図2(a)に
示すように衝撃吸収部材14はワイヤー3をバックルプ
リテンショナー11の引き込み方向に対して希望する所
定の角度θに保持するようになっている。このようにワ
イヤー3を曲げて角度保持することで、ワイヤー3の反
発性により角度θが大きくなる方向に開くことを防止し
て、バックル2を希望する所定位置にセットできるよう
にしている。また、衝撃吸収部14dは保持しているワ
イヤー3に外力が加えられたとき、その外力方向に容易
に変形する機能も有している。
【0023】カバー4は、4つの部片4a,4b,4c,
4dを備えており、最上位置にある部片4aはバックル
2に連結され、また、最下位置にある部片4dは衝撃吸
収部材14に挿入されている。これらの部片4a,4b,
4c,4dは横断面形状が角部が丸く面取りされた長方
形で互いに相似形に形成されている。その場合、図1お
よび図2(a)において最上位置(つまり、最もバック
ル2側の位置)にある部片4aの横断面形状の寸法が最
も大きく、ブラケット1の方にいくにしたがって、各部
片4b,4c,4dの横断面形状の寸法が順次小さくなる
ように設定されている。そして、各部片4a,4b,4c
は、それぞれ、それより直ぐ下にある部片4b,4c,4
d内に侵入可能となっている。
【0024】最上位置にある部片4aの下端周縁と次の
部片4bの上端周縁とが環状の連結片4eで互いに連結
され、また、部片4bの下端周縁と次の部片4cの上端
周縁とが環状の連結片4fで互いに連結され、更に、部
片4cの下端周縁と次の部片4dの上端周縁とが環状の
連結片4gで互いに連結されている。このカバー4も、
ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂またはゴムで一
体に形成されている。
【0025】なお、図1において、15,16はそれぞ
れブラケット1をバックルプリテンショナー11のハウ
ジングに取り付けるためのねじ、17,18はサブブラ
ケット12をブラケット1に取り付けるためのねじ、1
9はブラケットに取り付けられてワイヤー3を摺動可能
にガイドするカラー、20は組み付けられたバックルプ
リテンショナー11を車両に取り付けるためのボルトで
ある。この例のシートベルト装置5の他の構成は、前述
の従来のシートベルト装置5と実質的に同じである。
【0026】このように構成されたこの例のシートベル
ト装置5においては、通常の状態では、バックル2は図
2(a)に示す所定位置に保持されている。このとき、
バックル2は衝撃吸収部材14から離間しているととも
に、衝撃吸収部材14の自由端位置がカバー4の許容最
大縮小位置よりバックル側に位置している。
【0027】そして、この状態で前述の緊急時に、バッ
クルプリテンショナー11が従来のシートベルト装置5
の場合と同様に作動してワイヤー3が引っ張られる。す
ると、カバー4が収縮しながら、バックル2がブラケッ
ト1の方(図2(b)に矢印で示す方)へ引き込まれ
る。このバックル2の引込動作に影響されて、カバー4
は、バックル2側のカバー部分がこれに連続するブラケ
ット1側のカバー部分の外側に位置するようにして収縮
するようになる。
【0028】衝撃吸収部材14の自由端位置がカバー4
の許容最大縮小位置よりバックル側に位置することか
ら、カバー4が許容最大縮小位置まで収縮しないうちに
バックル2が衝撃吸収部材4の自由端に当接し、その後
バックル2は衝撃吸収部材4を収縮させながら引き込ま
れる。この衝撃吸収部材4の収縮で、衝撃吸収部材4は
バックル2の衝撃エネルギを吸収するため、衝撃吸収性
能が更に向上するとともにバックル2が衝撃吸収部材4
の自由端に当接したときの衝撃が緩和され、バックル2
は衝撃吸収部材4に更に効果的にソフトに当接するよう
になる。
【0029】そして、図2(b)に示すようにバックル
プリテンショナー11の引っ張り力に基づいた、衝撃吸
収部材4に対するバックル2の押圧力が、衝撃吸収部材
4の対抗力と一致すると、バックル2の引き込みが停止
する、つまりバックル2が底突きする。このとき、衝撃
吸収部材4がバックル2の衝撃エネルギを吸収すること
から、バックル2はソフトに底突きするとともに、バッ
クルカバーに加えられる衝撃力が大幅に低減する。
【0030】ところで、この例のバックル2の底突き位
置は、図2(b)に示すようにカバー4が許容最大縮小
位置まで収縮しない位置に設定されている。したがっ
て、この場合には衝撃吸収部材4による衝撃エネルギ吸
収効果を最大限利用することができるようになる。
【0031】しかし、これに限定されることなく、バッ
クル2の底突き位置をカバー4の許容最大縮小位置と一
致する位置に設定することもできる。この場合には、前
述の図2(b)に示す場合とほぼ同等の衝撃吸収部材4
による衝撃エネルギ吸収効果をえることができる。ま
た、通常時バックル2が衝撃吸収部材14から離間する
ようにしているが、通常時にもバックル2が衝撃吸収部
材14に当接するように設定することもできる。
【0032】また、ワイヤー3を角度保持することでワ
イヤー3を曲げて保持しているので、ワイヤー3の反発
性による開きを防止して、バックル2を希望する指定位
置に設定することができる。この例のシートベルト装置
5の他の作用効果は、前述の従来のシートベルト装置5
と実質的に同じである。
【0033】図4(a)ないし(d)は、それぞれ、本
発明のシートベルト装置における衝撃吸収部材の変形例
を示す斜視図である。図4(a)に示す例の衝撃吸収部
材14は、ゴムあるいはゴムと同等の特性を有する樹脂
から、ワイヤー3を保持案内する一対のワイヤーガイド
保持溝14e,14fを有するブロックに形成されてい
て、前述の例のように蛇腹状には形成されていない。そ
の場合、図示しないがワイヤーガイド保持溝14e,1
4fに、それぞれ、前述と同様の係止突起14k,14
mを設けることもできる。
【0034】また、図4(b)に示す例の衝撃吸収部材
14は、図4(a)に示す衝撃吸収部材14の一対のワ
イヤーガイド保持溝14e,14fを、それぞれ一対の
ワイヤーガイド保持孔14n,14oに代えたものであ
る。
【0035】更に、図4(c)に示す例の衝撃吸収部材
14は、図4(a)に示す衝撃吸収部材14においてと
もに同じ向きに開放している一対のワイヤーガイド保持
溝14e,14fを、互いに逆向きに開放して断面U字
状に形成されている一対のワイヤーガイド保持溝14
p,14qに代えたものである。
【0036】更に、図4(d)に示す例の衝撃吸収部材
14は、それぞれ断面長円形の貫通孔14r1,14s1
を有する剛性体からなる一対の環状フランジ部材14
r,14sと、これらの一対の環状フランジ部材14r,
14sの間に連結された設けられ、かつゴムあるいはゴ
ムと同等の特性を有する樹脂からなり、貫通孔14t1
を有する形成された筒状の緩衝部材14tとから構成さ
れている。そして、各貫通孔14r1,14s1,14t1
は整合されてワイヤー3をガイドするワイヤーガイド保
持孔を構成している。図4(a)ないし(d)に示すこ
れらの衝撃吸収部材14によっても、前述の例の衝撃吸
収部材14とほぼ同等の作用効果が得られる。
【0037】なお、前述の各例では、いずれも衝撃吸収
部材14を、バックル2およびバックルプリテンショナ
ー11を取り付けるブラケット1側に設けているが、本
発明は、衝撃吸収部材14をバックル2側に設けること
もできる。また、前述の各例では、いずれも衝撃吸収部
材14を、バックル2を引き込むバックルプリテンショ
ナー11を備えたシートベルト装置5に適用している
が、本発明の衝撃吸収部材14は、ラップアンカー9を
引き込むラップアンカープリテンショナーを備えたシー
トベルト装置等、緊急時に被引込部材を引き込むことで
シートベルト7を引っ張るプリテンショナーを備えたシ
ートベルト装置であれば、他のどのようなシートベルト
装置にも適用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかるシートベルト装置によれば、緊急時にプリテン
ショナーの作動で被引込部材が引き込まれたとき、衝撃
吸収手段により、被引込部材の底突き時の衝撃エネルギ
を吸収するようにしているので、衝撃吸収性能を更に向
上できるとともに、被引込部材を更に効果的にソフトに
底突き(停止)させることができる。
【0039】特に、請求項2の発明によれば、衝撃吸収
手段で被引込部材の底突き時の衝撃エネルギを吸収する
ことにより、被引込部材の引込動作に影響される被引込
部材周辺部材に加えられる衝撃力を大幅に低減すること
ができる。更に、請求項3の発明によれば、バックルお
よび/またはラップアンカーの底突き時の衝撃エネルギ
を吸収するようにしているので、衝撃吸収性能を更に向
上できるとともに、バックルおよび/またはラップアン
カーをソフトに底突き(停止)させることができる。
【0040】更に、請求項4の発明によれば、衝撃吸収
手段によりワイヤーをプリテンショナーの引き込み方向
に対して所定角度に保持するようにしているので、ワイ
ヤーの反発性による開きを防止でき、バックルを希望す
る指定位置にセットすることができる。しかも、衝撃吸
収手段にワイヤー保持機能を持たせているので、ワイヤ
ーを所定角度に保持する特別の手段を不要にして、その
分、部品点数を低減できかつ構造を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるシートベルト装置の実施の形
態の一例のバックル部分を部分的かつ模式的に示す分解
斜視図である。
【図2】 図1に示す例のシートベルト装置におけるバ
ックルの挙動を説明し、(a)は通常時の状態を示す
図、(b)は作動時の状態を示す図である。
【図3】 図1に示す例のシートベルト装置に用いられ
ている衝撃吸収部材を示し、(a)は正面図、(b)は
左側面図、(c)は裏面図、(d)は(a)におけるII
IDーIIID線に沿う断面図、(e)は(a)におけるIIIE
ーIIIE線に沿う断面図、(f)は上面図である。
【図4】 (a)ないし(d)は、それぞれ、本発明の
シートベルト装置における衝撃吸収部材の変形例を示す
斜視図である。
【図5】 プリテンショナーをバックルに備えた従来の
シートベルト装置の一例を模式的に示す図である。
【図6】 図5に示す従来のシートベルト装置における
バックルの挙動を説明し、(a)は通常時の状態を示す
図、(b)は作動時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1…ブラケット、2…バックル、3…ワイヤー、4…カ
バー、5…シートベルト装置、6…シートベルトリトラ
クタ、7…シートベルト、9…ラップアンカ、10…タ
ング、11…バックルプリテンショナー、12…連結部
材、13…プーリ、14…衝撃吸収部材、14b…凸
部、14c…凹部、14d…衝撃吸収部、14e,14
f,14p,14q…U字状の溝、14k,14m…係止
突起、14n,14o,14r1,14s1,14t1…ワイ
ヤーガイド保持孔、14r,14s…フランジ部材、1
4t…緩衝部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山正大 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 Fターム(参考) 3B090 BC01 3D018 BA07 MA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緊急時に作動して、被引込部材を引き込
    むことによりシートベルトを引っ張るプリテンショナー
    を少なくとも備えたシートベルト装置において、 前記被引込部材の底突き時の衝撃を吸収する衝撃吸収手
    段が設けられていることを特徴とするシートベルト装
    置。
  2. 【請求項2】 前記被引込部材の引込動作に影響される
    被引込部材周辺部材を備えていることを特徴とするシー
    トベルト装置。
  3. 【請求項3】 前記被引込部材は、バックルおよび/ま
    たはラップアンカーであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のシートベルト装置。
  4. 【請求項4】 前記被引込部材周辺部材であり、前記プ
    リテンショナーに連結されかつ前記被引込部材を引き込
    むワイヤーを備えており、 前記衝撃吸収手段は前記ワイヤーを前記プリテンショナ
    ーの引き込み方向に対して所定角度に保持するワイヤー
    保持機能を有していることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1記載のシートベルト装置。
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